(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】整形外科用プロテーゼを組み立てるため方法及び器具
(51)【国際特許分類】
A61F 2/46 20060101AFI20221226BHJP
A61F 2/38 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
A61F2/46
A61F2/38
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018174798
(22)【出願日】2018-09-19
【審査請求日】2021-07-01
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ミーガン・ウォレス
(72)【発明者】
【氏名】カール・エフ・リボルシ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・オーデン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・エス・メドウズ
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・エイ・アマラル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジェイ・ブロック
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー・ジェイ・ウェッブ
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・エス・ツカヤマ
(72)【発明者】
【氏名】カレン・エヌ・メラー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・シー・ディットー
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0275457(US,A1)
【文献】特開2014-176691(JP,A)
【文献】特開2000-116683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/46
A61F 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
脛骨トライアル構造体と、取り付けプラットフォーム及びスタビライザアームを含む外科用器具とを位置合わせすることであって、前記脛骨トライアル構造体は、第1の軸を画定するベーストライアルと、前記第1の軸からオフセットされている第2の軸を画定するオフセットアダプタトライアルと、を備える、ことと、
前記脛骨トライアル構造体を前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、
前記取り付けプラットフォームを回転させて、前記第1の軸及び前記第2の軸を、前記スタビライザアームを通って垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨トライアル構造体とを係合させることと、
前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止することと、
前記脛骨トライアル構造体を取り外した後に脛骨人工関節コンポーネントを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めして、これにより、前記脛骨人工関節コンポーネントの遠位ポストによって画定される第3の軸を前記平面内に位置決めすることと、
脛骨オフセットアダプタを前記遠位ポスト上に位置決めすることであって、前記脛骨オフセットアダプタは、前記第3の軸からオフセットされている第4の軸を画定する遠位端を含む、ことと、
前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端を回転させて、前記第4の軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記第3の軸及び前記第4の軸が前記平面内に位置決めされた状態で、前記脛骨オフセットアダプタを前記脛骨人工関節コンポーネントに固定することと、を含む、方法。
【請求項2】
キャリアを前記取り付けプラットフォームに取り付けることを更に含み、
前記脛骨トライアル構造体を前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることは、前記脛骨トライアル構造体を前記キャリア上に位置決めすることと、前記キャリアの第1のクランププレートを前進させて前記脛骨トライアル構造体の前記ベーストライアルと係合させ、前記ベーストライアルを前記キャリアの前記第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記脛骨トライアル構造体を取り外した後に前記脛骨人工関節コンポーネントを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることは、
前記脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めすることと、
前記第1のクランププレートを前進させて前記脛骨人工関節コンポーネントと係合させ、前記脛骨人工関節コンポーネントを前記第1のクランププレートと前記第2のクランププレートとの間に固定することと、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステムコンポーネントを前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端に固定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端を回転させて、前記第3の軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めした後に、前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端とを係合させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端とを係合させることは、前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端を、前記スタビライザアーム内に画定されるチャネル内に位置決めすることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記オフセットアダプタトライアルとを係合させることは、前記オフセットアダプタトライアルを前記スタビライザアーム内に画定される前記チャネル内に位置決めすることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止する前に、前記オフセットアダプタトライアルを前記スタビライザアームの近位先端部内に固定することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オフセットアダプタトライアル上の視覚的マーキングと、前記スタビライザアーム内の位置合わせウィンドウとを位置合わせすることを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記オフセットアダプタトライアルとを係合させることは、前記
スタビライザアームの近位先端部の面取り端面と、前記オフセットアダプタトライアルのテーパ面とを位置合わせすることを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
垂直に延在する軸を中心に外科用器具の取り付けプラットフォームを回転させることと、
キャリアを前記取り付けプラットフォームに取り付けることと、
第1の脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めすることであって、前記第1の脛骨人工関節コンポーネントは、脛骨トレイと、前記脛骨トレイから延在するポストと、を含む、ことと、
前記キャリアの第1のクランププレートを前進させて前記脛骨トレイと係合させ、前記脛骨トレイを前記キャリアの前記第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、
第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することと、を含
み、
前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することは、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記ポストのテーパ外面に沿って摺動させて前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記ポストに固定することであって、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントは段付き外面を含む、こと、を含み、
前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することは、インパクタの第1の端部を前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端に取り付けることと、前記インパクタの第2の端部に力を加えることと、を更に含む、方法。
【請求項12】
整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
垂直に延在する軸を中心に外科用器具の取り付けプラットフォームを回転させることと、
キャリアを前記取り付けプラットフォームに取り付けることと、
第1の脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めすることであって、前記第1の脛骨人工関節コンポーネントは、脛骨トレイと、前記脛骨トレイから延在するポストと、を含む、ことと、
前記キャリアの第1のクランププレートを前進させて前記脛骨トレイと係合させ、前記脛骨トレイを前記キャリアの前記第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、
第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することと、を含み、
前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストは第1の軸を画定し、
前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することは、
前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端を回転させて、前記遠位端によって画定される第2の軸を、垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記第1の軸及び前記第2の軸が前記垂直に延在する平面内に位置決めされた状態で、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することと、を含む
、方法。
【請求項13】
前記外科用器具のスタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームを前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの前記遠位端上に位置決めすることと、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記スタビライザアームに固定することと、を更に含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記スタビライザアームは、前記垂直に延在する平面に沿って延在する細長い本体を有する、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームを前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの前記遠位端上に位置決めすることは、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの前記遠位端を、前記スタビライザアームの近位先端部間に画定されるチャネル内に位置決めすることを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
垂直に延在する軸を中心に外科用器具の取り付けプラットフォームを回転させることと、
キャリアを前記取り付けプラットフォームに取り付けることと、
第1の脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めすることであって、前記第1の脛骨人工関節コンポーネントは、脛骨トレイと、前記脛骨トレイから延在するポストと、を含む、ことと、
前記キャリアの第1のクランププレートを前進させて前記脛骨トレイと係合させ、前記脛骨トレイを前記キャリアの前記第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、
第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することと、を含み、
前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することは、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記ポストのテーパ外面に沿って摺動させて前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記ポストに固定することであって、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントは段付き外面を含む、こと、を含み、
前記方法は、
脛骨トライアル構造体を前記キャリア上に位置決めすることであって、前記脛骨トライアル構造体は、ベース軸を画定するベーストライアルと、前記ベース軸からオフセットされているステム軸を画定するオフセットトライアルと、を備える、ことと、
前記外科用器具のスタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨トライアル構造体とを係合させることと、
前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止することと、
前記第1の脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めする前に前記脛骨トライアル構造体を前記キャリアから取り外すことと、を更に含み、
前記外科用器具の前記取り付けプラットフォームを回転させることは、前記キャリア及び前記脛骨トライアル構造体を回転させて、前記ベース軸及び前記ステム軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めすることを含む
、方法。
【請求項17】
整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
人工関節トライアルアセンブリと、取り付けプラットフォーム及びスタビライザアームを含む外科用器具とを位置合わせすることであって、前記人工関節トライアルアセンブリは、第1の軸を画定する人工関節トライアルコンポーネントと、前記第1の軸からオフセットされている第2の軸を画定するオフセットアダプタトライアルと、を備える、ことと、
前記人工関節トライアルアセンブリを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、
前記取り付けプラットフォームを回転させて、前記第1の軸及び前記第2の軸を、前記スタビライザアームを通って垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記人工関節トライアルアセンブリとを係合させることと、
前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止することと、
前記人工関節トライアルアセンブリを取り外した後に人工関節コンポーネントを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めして、これにより、前記人工関節コンポーネントのポストによって画定される第3の軸を前記平面内に位置決めすることであって、前記人工関節コンポーネントは、前記人工関節トライアルコンポーネントの寸法及び形状と一致する寸法及び形状を有する、ことと、
オフセットアダプタを前記ポスト上に位置決めすることであって、前記オフセットアダプタは、前記第1の軸と前記第2の軸とのオフセットと同じ量だけ前記第3の軸からオフセットされている第4の軸を画定する端部を含む、ことと、
前記オフセットアダプタの前記端部を回転させて、前記第4の軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記第3の軸及び前記第4の軸が前記平面内に位置決めされた状態で、前記オフセットアダプタを前記人工関節コンポーネントに固定することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記人工関節コンポーネントは脛骨人工関節コンポーネントであり、前記人工関節トライアルコンポーネントは脛骨トライアルである、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記人工関節コンポーネントは大腿骨人工関節コンポーネントであり、前記人工関節トライアルコンポーネントは大腿骨トライアルである、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願と同日に出願された「Orthopaedic System and Method for Assembling Prosthetic Components」と題する米国特許出願第XX/XXX,XXX号、及び「Method and Instruments for Assembling a Femoral Orthopaedic Prosthesis,」と題する米国特許出願第XX/XXX,XXX号を相互参照し、これらは参照により本出願に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して整形外科的関節置換術の実施に用いるための整形外科用器具に関し、より具体的には膝関節置換術の実施に用いるための整形外科用器具に関する。
【背景技術】
【0003】
関節形成術は、病変した生体関節及び/又は損傷した生体関節を人工関節に置換する、周知の外科的処置である。例えば、全膝関節形成術の外科的処置では、患者の生体膝関節を人工膝関節又は膝関節プロテーゼに部分的又は全体的に置換する。典型的な膝関節プロテーゼは、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及び脛骨トレイと大腿骨コンポーネントとの間に位置決めされるポリマー挿入物又はベアリングを含む複数の人工関節コンポーネントを含む。脛骨トレイは、一般に、遠位に延在するステムを有するプレートを含み、大腿骨コンポーネントは、一般に、一対の離間配置された顆状要素を含み、これはポリマーベアリングの対応する表面と関節接合する表面を含む。脛骨トレイのステムは、患者の脛骨の外科的に準備された髄管に埋め込まれるように構成され、大腿骨コンポーネントは、患者の大腿骨の外科的に準備された遠位端に連結されるように構成される。
【0004】
ときには、膝再置換手術を患者に行うことが必要とされる場合がある。このような膝再置換手術では、以前埋め込まれた膝関節プロテーゼが外科的に取り除かれ、置換用膝関節プロテーゼが埋め込まれる。一部の膝再置換手術では、例えば、脛骨トレイ、大腿骨コンポーネント、及びポリマーベアリングを含む、以前埋め込まれた膝関節プロテーゼのコンポーネントの全てが、外科的に取り除かれる場合がある。他の膝再置換手術では、以前埋め込まれた膝関節プロテーゼの一部のみが取り除かれ、置換される場合がある。
【0005】
いかなる膝関節手術中であっても、整形外科医は、典型的には、例えば、切断ブロック、リーマ、ドリルガイド、及び膝関節プロテーゼを受容するように患者の骨を準備する他の外科用器具などの様々な異なる整形外科用器具を用いる。外科医は、適切な人工関節コンポーネントを寸法決めして選択するために、人工関節トライアルコンポーネントなどの整形外科用器具も利用してもよい。こうした人工関節トライアルコンポーネントは、その寸法及び形状を対応する人工関節コンポーネントとして適合するように形状決めされるが、患者の骨の中へと永久的に移植されるように構成されていない。その代わり、人工関節トライアルコンポーネントを、患者の関節のフィット性、可動域、及びその他の態様を評価し、外科医が移植用整形外科用プロテーゼの人工関節コンポーネントを選択するのを支援するために、手術中、人工関節コンポーネントに代わって患者の骨に一時的に取り付けてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によると、患者の膝関節を置換するための整形外科用システム及び方法が開示される。このシステムは、整形外科用プロテーゼの組み立てに用いられる外科用器具を含む。一部の実施形態では、本システムは、整形外科用プロテーゼのコンポーネントを寸法決めして選択するために用いてもよい人工関節トライアルコンポーネントも含んでもよい。本システムは、例えば、人工大腿骨コンポーネント、人工脛骨コンポーネント、人工ステムコンポーネント、及び人工スリーブコンポーネントなどの整形外科用プロテーゼのコンポーネントを含んでもよい。
【0007】
整形外科用システムの外科用器具は、人工関節トライアルキャリアを受容するように構成された器具ベースを含んでもよい。トライアルキャリアは、人工関節トライアルコンポーネントを器具ベースに取り付けるように構成されてもよい。当然のことながら、本システムは、それぞれが異なる構成の人工関節トライアルコンポーネントを受容するように構成された多数の人工関節トライアルキャリアを含んでもよい。一部の実施形態では、人工関節トライアルコンポーネントの構成は、人工大腿骨コンポーネントの寸法及び形状に対応する寸法及び形状を有する大腿骨トライアルコンポーネントと、人工脛骨コンポーネントの寸法及び形状に対応する寸法及び形状を有する脛骨トライアルコンポーネントと、人工ステムの寸法及び形状に対応する寸法及び形状を有するステムトライアルコンポーネントと、を含んでもよい。
【0008】
一部の実施形態では、器具ベースは、人工関節コンポーネントを器具ベースに取り付けるように構成された人工関節コンポーネントキャリアを受容するように構成されてもよい。当然のことながら、本システムは、それぞれが異なる構成の人工関節コンポーネントを受容するように構成された多数の人工関節コンポーネントキャリアを含んでもよい。当然のことながら、一部の実施形態では、人工関節トライアルコンポーネントと対応する人工関節コンポーネントとを選択的に器具ベースに取り付けるように、同じキャリアが構成されてもよい。
【0009】
本整形外科用システムの外科用器具は、器具ベースに連結されるように構成された安定化又は支持アームを含んでもよい。支持アームは、組み立て中に人工関節トライアルコンポーネントの一部、及び/又は人工関節コンポーネントの一部を係合して、組み立て中に人工関節トライアルコンポーネント又は人工関節コンポーネントを所定の位置に保持するように構成されてもよい。
【0010】
一部の実施形態では、外科用器具システムは、大腿骨スリーブを受容するように寸法決めされた開口スロットを含むレンチを更に備えてもよい。開口スロットはレンチの複数の表面によって画定されてもよい。レンチは、表面から開口スロットの中へと延在する複数のローブも含んでもよい。各ローブは大腿骨スリーブの表面に係合するように形状決めされてもよい。
【0011】
本開示の別の態様によると、患者の膝関節のための整形外科用プロテーゼを選択し、かつ組み立てるための外科用器具システムが開示される。外科用器具システムは、取り付けプラットフォームを含むベースと、取り付けプラットフォーム上に選択的に配置されるように構成された取り付けブロックを含む第1のキャリアと、第1のキャリアの代わりに取り付けプラットフォーム上に選択的に配置されるように構成された第2のキャリアと、を備える。第1のキャリアは、取り付けブロックに対して直角ではない角度で延在するポストを含み、ポストは人工大腿骨コンポーネントの通路内に受容されるように寸法決めされた遠位端を含む。第2のキャリアは、第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に人工脛骨コンポーネントを把持するように移動可能である、第1のクランププレート及び第2のクランププレートを含む。
【0012】
一部の実施形態では、外科用器具システムは、大腿骨トライアルコンポーネントをベースに取り付けるように構成された第3のキャリアを更に備えてもよい。第3のキャリアは、第1のキャリア及び第2のキャリアの代わりに取り付けプラットフォーム上に選択的に配置されるように構成された取り付けブロックを含んでもよい。第3のキャリアは取り付けブロックに対して直角で遠位端へと延在するポストを更に含んでもよい。第3のキャリアのポストの遠位端は、平坦な端面と、人工大腿骨コンポーネントに対応する大腿骨トライアルコンポーネントのポケットに受容されるように寸法決めされた、端面から延在するピンと、を含んでもよい。一部の実施形態では、ピンは、人工大腿骨コンポーネントのファスナ内に受容されるように構成されてもよい。
【0013】
一部の実施形態では、第1のキャリアは、ポストに接続されて取り付けブロックから外向きに延在する一対の壁部を更に含んでもよい。壁部は人工大腿骨コンポーネントの顆間切り欠き部内に受容されるように寸法決めされてもよい。更に、一部の実施形態では、第3のキャリアも、ポストに接続されて取り付けブロックから外向きに延在する一対の壁部を含んでもよい。壁部は大腿骨トライアルコンポーネントの顆間切り欠き部内に受容されるように寸法決めされてもよい。
【0014】
当然のことながら、一部の実施形態では、外科用器具システムは、第1の軸に沿って延在するチャネルと、第1の軸に対して直交して延在する第2の軸に沿って画定される厚さと、を有するシムを更に備えてもよい。シムの厚さは、人工大腿骨コンポーネント及び/又は大腿骨トライアルコンポーネントの顆間切り欠き部の幅に対応してもよい。チャネルは、シムを各壁部に選択的に取り付けるために、第1のキャリア及び/又は第3のキャリアの一対の壁部の各壁部を受容するように寸法決めされてもよい。
【0015】
更に、一部の実施形態では、シムは、開口部と、開口部からベース表面へと内向きに延在する一対の側面を含んでもよい。一対の側面及びベース表面は、協働してシム内にチャネルを画定してもよい。シムは、一対の側面のうちの一方の側面内に画定され、かつ第1の軸に沿って延在する溝を更に含んでもよい。一部の実施形態では、一対の壁部の各壁部は、第1の平面から外向きに延在するリブを含んでもよい。各壁部のリブは、シムの溝内に位置決めされるように寸法決めされて、各壁部上でシムを単一の向きでのみ取り付けることを可能にされてもよい。一部の実施形態では、一方の壁部のリブは、他方の壁部のリブと同じ方向に延在してもよい。
【0016】
一部の実施形態では、シムは複数のシムのうちの1つのシムであってもよい。各シムは複数のシムのうちの他のシムとは異なる厚さを有してもよく、各厚さは複数の人工大腿骨コンポーネントのうちの1つの顆間切り欠き部の幅に対応してもよい。
【0017】
上述したように、外科用器具システムは、人工脛骨コンポーネントを受容するように構成された第2のキャリアを含む。一部の実施形態では、第2のキャリアは第2のクランププレート及び第1のクランププレートを移動させるためのネジ式機構を含んでもよい。第2のキャリアの第1のクランププレート及び第2のクランププレートのうちの一方は、人工脛骨コンポーネントの凸状湾曲前壁部と係合するように形状決めされている凹状湾曲壁部を含んでもよい。第1のクランププレート及び第2のクランププレートのうちのもう一方は、一対の凹状湾曲壁部の間に位置決めされ、かつそれらに接続された凸状湾曲壁部を含んでもよい。凸状湾曲壁部及び一対の凹状湾曲壁部は、人工脛骨コンポーネントの後壁部と係合するように形状決めされてもよい。
【0018】
一部の実施形態では、第2のキャリアの第2のクランププレートは、人工脛骨コンポーネントの後部バットレスを受容するように寸法決めされている後部スロットと、人工脛骨コンポーネントの前部バットレスを受容するように寸法決めされている前部スロットと、を含んでもよい。
【0019】
一部の実施形態では、外科用器具システムのベースは固定ハウジングを含んでもよく、また取り付けプラットフォームは固定ハウジングへと回転可能に連結して、取り付けプラットフォームが固定ハウジングに対して垂直軸を中心に360度回転することができるようにしてもよい。一部の実施形態では、ベースは、取り付けプラットフォームの固定ハウジングに対する回転を防止するように動作可能なロッククラッチを更に含んでもよい。
【0020】
一部の実施形態では、外科用器具システムは、ベースの上方に位置決めされた支持又はスタビライザアームを更に備えてもよい。支持アームは、固定ハウジングに取り付けられてもよい。更に、支持アームは、取り付けプラットフォームに対して水平面内で移動可能であってもよい。
【0021】
本開示の別の態様によると、患者の膝関節のための整形外科用プロテーゼを選択して組み立てるための外科用器具システムは、固定ハウジングと、取り付けプラットフォームであって、固定ハウジングに回転可能に連結して、取り付けプラットフォームが固定ハウジングを通って延在する垂直軸を中心に360度回転できるようにする、取り付けプラットフォームと、取り付けプラットフォームの固定ハウジングに対する回転を防止するように動作可能なロッククラッチと、を含むベースを備える。外科用器具システムは、固定ハウジングに着脱自在に連結された支持アームを更に備える。支持アームは、垂直軸に対して水平面内で移動可能である。外科用器具システムは、取り付けプラットフォームに個別に連結して、取り付けプラットフォームと共に回転するように構成された複数の人工関節トライアルキャリアを更に備える。各人工関節トライアルキャリアは、整形外科用プロテーゼの人工関節コンポーネントに対応する形状及び寸法を有する人工関節トライアルコンポーネントを受容するように構成される。
【0022】
一部の実施形態では、支持アームは、水平面内で位置決めされている細長い本体と、水平面内で位置決めされていて、かつ細長い本体から近位先端部へと外向きに延在する第1のシャフトと、第1のシャフトと平行に、細長い本体から近位先端部へと外向きに延在する第2のシャフトと、を含んでもよい。第1のシャフト及び第2のシャフトの近位先端部の間にチャネルが画定されてもよい。チャネルは、人工関節トライアルキャリアが取り付けプラットフォームと連結している時に、人工関節トライアルキャリアのうちの1つの上に位置決めされている人工関節トライアルコンポーネントの一部分を受容するように寸法決めされる。更に、一部の実施形態では、外科用器具システムは、第1のシャフトを第2のシャフトに向けて移動させて、チャネルの幅を減少させるように動作可能なユーザ操作ノブを更に備えてもよい。
【0023】
一部の実施形態では、ベースの取り付けプラットフォームは、一対の上向きに延在するピンを含んでもよい。各人工関節トライアルキャリアは、上向きに延在するピンを個別に受容するように寸法決めされている一対のアパーチャを含んでもよい。更に、一部の実施形態では、取り付けプラットフォーム上で人工関節トライアルキャリアを単一の向きでのみ取り付けてもよいように、一方の上向きに延在するピンは、もう一方の上向きに延在するピンとは異なる構成(例えば、寸法及び/又は形状)を有する。
【0024】
一部の実施形態では、外科用器具システムは、人工関節トライアルキャリアのうちの少なくとも1つに取り付けられるように構成された大腿骨トライアルコンポーネントを更に備えてもよい。大腿骨トライアルコンポーネントは一対の凸状に湾曲した顆表面を含んでもよい。本システムは、大腿骨トライアルコンポーネントの近位端に固定されるように構成されたアダプタコンポーネントと、アダプタの近位端に固定されるように構成されたステムトライアルコンポーネントと、も含んでもよい。支持アームのチャネルはアダプタコンポーネントを受容するように寸法決めされてもよい。
【0025】
一部の実施形態では、本システムは、第1の軸に沿って延在するチャネルと、第1の軸に対して直交して延在する第2の軸に沿って画定される厚さと、を有するシムを備えてもよい。シムの厚さは、大腿骨トライアルコンポーネントの顆間切り欠き部の幅に対応してもよく、チャネルは、人工関節トライアルキャリアのうちの少なくとも1つの壁部を受容するように寸法決めされて、シムを人工関節トライアルキャリアに取り付けできるようにしてもよい。
【0026】
一部の実施形態では、アダプタコンポーネントは、アダプタコンポーネントが支持アームのチャネル内に受容されている時に支持アームの細長い本体と面するように位置決めされた視覚的な印を含むことができる。
【0027】
別の態様によると、患者の膝関節のための整形外科用プロテーゼを組み立てるための外科用器具システムは、固定ハウジングと、取り付けプラットフォームであって、固定ハウジングに回転可能に連結して、取り付けプラットフォームが固定ハウジングを通って延在する垂直軸を中心に360度回転できるようにする、取り付けプラットフォームと、を含むベースを備える。外科用器具システムは、固定ハウジングに着脱自在に連結された支持アームも備える。支持アームは、垂直軸に対して水平面内で移動可能である。外科用器具システムは、取り付けプラットフォームに連結して、取り付けプラットフォームと共に回転するように構成された人工関節コンポーネントキャリアを更に備える。人工関節コンポーネントキャリアは、整形外科用プロテーゼの人工関節コンポーネントを受容するように構成される。
【0028】
一部の実施形態では、ベースは、取り付けプラットフォームの固定ハウジングに対する回転を防止するように動作可能なロッククラッチを更に含んでもよい。
【0029】
一部の実施形態では、アダプタコンポーネントは、アダプタコンポーネントが支持アームのチャネル内に受容されている時に支持アームの細長い本体と面するように位置決めされた視覚的な印を含むことができる。
【0030】
一部の実施形態では、人工関節コンポーネントキャリアは複数の人工関節コンポーネントキャリアのうちの1つであってもよい。各人工関節コンポーネントキャリアは、異なる構成の人工関節コンポーネントを受容するように構成されてもよい。当然のことながら人工関節コンポーネントの構成としては、人工大腿骨コンポーネント又は人工脛骨コンポーネントが挙げられてもよい。
【0031】
本開示の別の態様によると、整形外科用システムは、上記の外科用器具システムのうちのいずれかを含んでもよい。上述したように、整形外科用システムはまた、整形外科用プロテーゼを形成する人工関節コンポーネント、及び人工関節コンポーネントに対応する人工関節トライアルコンポーネントも含んでもよい。
【0032】
別の態様によると、整形外科用プロテーゼを組み立ての方法が開示される。この方法は、脛骨トライアル構造体と、取り付けプラットフォーム及びスタビライザアームを含む外科用器具と、を位置合わせすることを含む。脛骨トライアル構造体は、第1の軸を画定するベーストライアルと、第1の軸からオフセットされている第2の軸を画定するオフセットアダプタトライアルと、を備える。方法は、脛骨トライアル構造体を取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、取り付けプラットフォームを回転させて、スタビライザアームを通って垂直に延在する平面内に第1の軸及び第2の軸を位置決めすることと、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させてスタビライザアームと脛骨トライアル構造体とを係合させることと、取り付けプラットフォームをロックしてスタビライザアームに対する回転を防止することと、も含む。方法は、脛骨人工関節コンポーネントの遠位ポストによって画定された第3の軸が平面内に位置決めされるように、脛骨トライアル構造体を取り外した後に、脛骨人工関節コンポーネントを取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、脛骨オフセットアダプタを遠位ポスト上に位置決めすることと、を更に含む。脛骨オフセットアダプタは、第3の軸からオフセットされた第4の軸を画定する遠位端を含む。方法は、脛骨オフセットアダプタの遠位端を回転させて、第4の軸を垂直に延在する平面内に位置決めすることと、第3の軸及び第4の軸が平面内に位置決めされた状態で、脛骨オフセットアダプタを脛骨人工関節コンポーネントに固定することと、を含む。
【0033】
一部の実施形態では、方法は、キャリアを取り付けプラットフォームに取り付けることを更に含んでもよい。脛骨トライアル構造体を取り付けプラットフォーム上に位置決めする工程は、脛骨トライアル構造体をキャリア上に位置決めすることと、キャリアの第1のクランププレートを前進させて脛骨トライアル構造体のベーストライアルと係合させ、ベーストライアルをキャリアの第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、を含んでもよい。
【0034】
更に、一部の実施形態では、脛骨トライアル構造体を取り外した後に脛骨人工関節コンポーネントを取り付けプラットフォーム上に位置決めする工程は、脛骨人工関節コンポーネントをキャリア上に位置決めすることと、第1のクランププレートを前進させて脛骨人工関節コンポーネントと係合させ、脛骨人工関節コンポーネントを第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、を含んでもよい。
【0035】
一部の実施形態では、方法は、ステムコンポーネントを脛骨オフセットアダプタの遠位端に固定することを更に含んでもよい。方法は、脛骨オフセットアダプタの遠位端を回転させて、第3の軸を垂直に延在する平面内に位置決めした後に、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームと脛骨オフセットアダプタの遠位端とを係合させることも含んでもよい。
【0036】
更に、一部の実施形態では、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームと脛骨オフセットアダプタの遠位端とを係合させる工程は、脛骨オフセットアダプタの遠位端を、スタビライザアームの近位先端部内に画定されたチャネル内に位置決めすることを含んでもよい。
【0037】
一部の実施形態では、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームとオフセットアダプタトライアルとを係合させる工程は、オフセットトライアルをスタビライザアーム内に画定されたチャネル内に位置決めすることを含んでもよい。
【0038】
更に、一部の実施形態では、方法は、取り付けプラットフォームをロックして、スタビライザアームに対する回転を防止する前に、オフセットアダプタトライアルをスタビライザアームの近位先端部内に固定することを更に含んでもよい。
【0039】
一部の実施形態では、方法は、オフセットアダプタトライアル上の視覚的なマーキングと、スタビライザアーム内に画定された位置合わせウィンドウと、を位置合わせすることを更に含んでもよい。更に、一部の実施形態では、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームとオフセットアダプタトライアルとを係合させる工程は、近位先端部の面取り端面と、オフセットトライアルの傾斜又はテーパ面と、を位置合わせすることを更に含んでもよい。
【0040】
別の態様によると、整形外科用プロテーゼを組み立てる方法は、外科用器具の取り付けプラットフォームを垂直に延在する軸を中心に回転させることと、キャリアを取り付けプラットフォームに取り付けることと、第1の脛骨人工関節コンポーネントをキャリア上に位置決めすることと、を含む。第1の脛骨人工関節コンポーネントは、脛骨トレイと、脛骨トレイから延在するポストと、を含む。方法は、キャリアの第1のクランププレートを前進させて脛骨トレイと係合させ、脛骨トレイをキャリアの第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、第2の脛骨人工関節コンポーネントを第1の脛骨人工関節コンポーネントのポストに固定することと、を更に含む。
【0041】
一部の実施形態では、第2の脛骨人工関節コンポーネントを第1の脛骨人工関節コンポーネントのポストに固定する工程は、第2の脛骨人工関節コンポーネントをポストのテーパ外面に沿って摺動させて、第2の脛骨人工関節コンポーネントをポストに固定することを含んでもよい。第2の脛骨人工関節コンポーネントは段付き外面を含んでもよい。
【0042】
一部の実施形態では、第2の脛骨人工関節コンポーネントを第1の脛骨人工関節コンポーネントのポストに固定する工程は、インパクタの第1の端部を第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端に取り付けることと、インパクタの第2の端部に力を加えることと、を更に含んでもよい。
【0043】
一部の実施形態では、方法は、ベーストライアルとベーストライアルに固定された脛骨スリーブトライアルとを含み、かつ第2の脛骨人工関節コンポーネントの段付き外面に対応する段付き外面を含む、脛骨トライアル構造体を選択することと、ベーストライアルに対するスリーブトライアルの向きに基づいて、第2の脛骨人工関節コンポーネントを第1の脛骨人工関節コンポーネントのポスト上で回転させて第2の脛骨人工関節コンポーネントを向けることと、を更に含んでもよい。
【0044】
一部の実施形態では、第1の脛骨人工関節コンポーネントのポストは第1の軸を画定してもよく、第2の脛骨人工関節コンポーネントを第1の脛骨人工関節コンポーネントのポストに固定する工程は、第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端を回転させて、遠位端によって画定された第2の軸を垂直に延在する平面内に位置決めすることと、第1の軸及び第2の軸が垂直に延在する平面内に位置決めされた状態で、第2の脛骨人工関節コンポーネントを第1の脛骨人工関節コンポーネントのポストに固定することと、を含んでもよい。
【0045】
一部の実施形態では、方法は、外科用器具のスタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームを第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端上に位置決めすることと、第2の脛骨人工関節コンポーネントをスタビライザアームに固定することと、を更に含んでもよい。スタビライザアームは、垂直に延在する平面に沿って延在する細長い本体を有してもよい。
【0046】
更に、一部の実施形態では、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームを第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端上に位置決めする工程は、第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端を、スタビライザアームの近位先端部内に画定されたチャネル内に位置決めすることを含んでもよい。
【0047】
一部の実施形態では、方法は、脛骨トライアル構造体をキャリア上に位置決めすることを更に含んでもよい。脛骨トライアル構造体は、ベース軸を画定するベーストライアルと、ベース軸からオフセットされたステム軸を画定するオフセットトライアルと、を備えてもよい。方法は、外科用器具のスタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームと脛骨トライアル構造体とを係合させることと、取り付けプラットフォームをロックしてスタビライザアームに対する回転を防止することと、第1の脛骨人工関節コンポーネントをキャリア上に位置決めする前に脛骨トライアル構造体をキャリアから取り外すことと、を含んでもよい。外科用器具の取り付けプラットフォームを回転させる工程は、キャリア及び脛骨トライアル構造体を回転させて、ベース軸及びステム軸を垂直に延在する平面内に位置決めすることを含んでもよい。
【0048】
別の態様によると、整形外科用プロテーゼを組み立てる方法は、人工関節トライアルアセンブリと、取り付けプラットフォーム及びスタビライザアームを含む外科用器具と、を位置合わせすることを含む。人工関節トライアルアセンブリは、第1の軸を画定する人工関節トライアルコンポーネントと、第1の軸からオフセットされた第2の軸を画定するオフセットアダプタトライアルと、を備える。方法は、人工関節トライアルアセンブリを取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、取り付けプラットフォームを回転させて、スタビライザアームを通って垂直に延在する平面内で第1の軸及び第2の軸を位置決めすることと、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させてスタビライザアームと人工関節トライアルアセンブリとを係合させることと、取り付けプラットフォームをロックしてスタビライザアームに対する回転を防止することと、人工関節トライアルアセンブリを取り外した後に人工関節コンポーネントを取り付けプラットフォーム上に位置決めして、人工関節コンポーネントのポストによって画定される第3の軸を平面内に位置決めすることと、を更に含む。人工関節コンポーネントは、人工関節トライアルコンポーネントの寸法及び形状と一致する寸法及び形状を有する。方法は、第1の軸と第2の軸とのオフセットと等しい量だけ第3の軸からオフセットされた第4の軸を画定する端部を含むオフセットアダプタをポスト上に位置決めすることと、オフセットアダプタの端部を回転させて、第4の軸を垂直に延在する平面内に位置決めすることと、第3の軸及び第4の軸が平面内に位置決めされた状態で、オフセットアダプタを人工関節コンポーネントに固定することと、を更に含む。
【0049】
一部の実施形態では、人工関節コンポーネントは脛骨人工関節コンポーネントであり、人工関節トライアルコンポーネントは脛骨トライアルである。一部の実施形態では、人工関節コンポーネントは大腿骨人工関節コンポーネントであり、人工関節トライアルコンポーネントは大腿骨トライアルである。
【0050】
本開示の別の態様によると、整形外科用プロテーゼを組み立てる方法は、大腿骨トライアル構造体と、取り付けプラットフォーム及びスタビライザアームを含む外科用器具と、を位置合わせすることを含む。大腿骨トライアル構造体は、第1の軸を画定するポストと、第1の軸からオフセットされた第2の軸を画定するオフセットアダプタトライアルと、を備える。方法は、大腿骨トライアル構造体を取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、取り付けプラットフォームを回転させて、スタビライザアームを通って垂直に延在する平面内で第1の軸及び第2の軸を位置決めすることと、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させてスタビライザアームと大腿骨トライアル構造体とを係合することと、取り付けプラットフォームをロックしてスタビライザアームに対する回転を防止することと、も含む。方法は、大腿骨トライアル構造体を取り外した後に大腿骨人工関節コンポーネントを取り付けプラットフォーム上に位置決めして、大腿骨人工関節コンポーネントの近位ポストによって画定される第3の軸を平面内で位置決めすることと、大腿骨オフセットアダプタを近位ポスト上で位置決めすることであって、大腿骨オフセットアダプタが第3の軸からオフセットされた第4の軸を画定する近位端を含む、ことと、大腿骨オフセットアダプタの近位端を回転させて、第4の軸を垂直に延在する平面内で位置決めすることと、を更に含む。方法は、第3の軸及び第4の軸が平面内に位置決めされた状態で、大腿骨オフセットアダプタを大腿骨人工関節コンポーネントに固定することを含む。
【0051】
一部の実施形態では、方法は、キャリアを取り付けプラットフォームに取り付けることを含んでもよい。キャリアは、取り付けプレートと、取り付けプレートから上向きに延在するポストと、を含んでもよい。大腿骨トライアル構造体を取り付けプラットフォーム上に位置決めする工程は、大腿骨トライアル構造体をポスト上で前進させ、ポストを大腿骨トライアル構造体内に画定された通路内に位置決めすることを含んでもよい。
【0052】
更に、一部の実施形態では、方法は、大腿骨トライアル構造体内に画定された顆間切り欠き部内に位置決めされるように寸法決めされたシムをキャリアに取り付けることを更に含んでもよい。大腿骨トライアル構造体を取り付けプラットフォーム上で位置決めする工程は、大腿骨トライアル構造体をシム上で前進させて、シムを顆間切り欠き部内に位置決めすることを更に含んでもよく、大腿骨トライアル構造体を取り付けプラットフォーム上で位置決めすることは、大腿骨トライアル構造体の一対の顆がキャリアの取り付けプレートと係合するのを防ぐことを含んでもよい。
【0053】
一部の実施形態では、方法は、キャリアを取り付けプラットフォームから取り外すことと、第2のキャリアを取り付けプラットフォームに取り付けることと、を更に含んでもよい。第2のキャリアは、第2の取り付けプレートと、第2の取り付けプレートから上向きに延在する第2のポストと、を含んでもよい。第2のポストは、第1のポストの構成とは異なる構成を有してもよい。方法は、シムを第2のキャリアに取り付けることを更に含んでもよい。
【0054】
更に、一部の実施形態では、大腿骨トライアル構造体を取り外した後に大腿骨人工関節コンポーネントを取り付けプラットフォーム上で位置決めする工程は、大腿骨人工関節コンポーネントを第2のポスト上で前進させ、第2のポストを大腿骨人工関節コンポーネント内に画定された通路内で位置決めすることと、大腿骨人工関節コンポーネントをシム上で前進させ、シムを大腿骨人工関節コンポーネントの顆間切り欠き部内に位置決めすることと、大腿骨人工関節コンポーネントの一対の顆表面が第2のキャリアの第2の取り付けプラットフォームに係合するのを防ぐことと、を含んでもよい。
【0055】
一部の実施形態では、方法は、大腿骨トライアル構造体が、左大腿骨に取り付けられるように構成された第1の大腿骨トライアルコンポーネント、及び右大腿骨に取り付けられるように構成された第2の大腿骨トライアルコンポーネントのうちの1つを含むかどうかを判定することと、大腿骨トライアル構造体が第1の大腿骨トライアルコンポーネントを含むか又は第2の大腿骨トライアルコンポーネントを含むか基づいて大腿骨人工関節コンポーネントを選択することと、を含んでもよい。第2のキャリアを取り付けプラットフォームに取り付ける工程は、選択された大腿骨人工関節コンポーネントに基づいて、取り付けプラットフォーム上で第2のキャリアを向けることを含んでもよく、シムを第2のキャリアに取り付けることは、選択された大腿骨人工関節コンポーネントに基づいて、第2のポストの第1の面上に位置決めされた第2のキャリアの第1の壁部、及び第2のポストの第2の面上に位置決めされた第2のキャリアの第2の壁部のうちの1つにシムを取り付けることを含んでもよい。
【0056】
一部の実施形態では、取り付けプラットフォーム上で大腿骨人工関節コンポーネントを位置決めする工程は、第3の軸が取り付けプラットフォームに対して直角で延在するように、大腿骨人工関節コンポーネントを向けることを含んでもよい。大腿骨人工関節コンポーネントは、一対の顆と、一対の顆を接続する箱形構造体と、を含んでもよい。箱形構造体は、第3の軸に対して非直角で延在する平坦な近位面を含んでもよい。
【0057】
一部の実施形態では、方法は、ステムコンポーネントを大腿骨オフセットアダプタの近位端に固定することを更に含んでもよい。一部の実施形態では、方法は、大腿骨オフセットアダプタの近位端を回転させて、第3の軸を垂直に延在する平面内で位置決めした後に、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームと大腿骨オフセットアダプタの近位端とを係合させることを更に含んでもよい。
【0058】
更に、一部の実施形態では、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームと大腿骨オフセットアダプタの近位端とを係合させる工程は、大腿骨オフセットアダプタの近位端を、スタビライザアームの一対の近位先端部の間に画定されたチャネル内に位置決めすることを含む。一部の実施形態では、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームとオフセットアダプタトライアルとを係合させる工程は、オフセットトライアルをスタビライザアーム内に画定されたチャネル内に位置決めすることを含む。
【0059】
一部の実施形態では、方法は、取り付けプラットフォームをロックして、スタビライザアームに対する回転を防止する前に、オフセットアダプタトライアルをスタビライザアームの近位先端部内に固定することを更に含んでもよい。更に、一部の実施形態では、方法は、オフセットアダプタトライアル上の視覚的なマーキングと、スタビライザアーム内に画定された位置合わせウィンドウと、を位置合わせすることを更に含んでもよい。
【0060】
一部の実施形態では、スタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って前進させて、スタビライザアームとオフセットトライアルとを係合させる工程は、近位先端部の一対の面取り端面と、オフセットトライアルの傾斜面と、を位置合わせすることを更に含んでもよい。
【0061】
別の態様によると、整形外科用プロテーゼを組み立てる方法は、外科用器具の取り付けプラットフォームを垂直に延在する軸を中心に回転させることと、キャリアを取り付けプラットフォームに取り付けることと、シムをキャリアに取り付けることと、第1の大腿骨人工関節コンポーネントをキャリア上に位置決めすることと、を含む。第1の大腿骨人工関節コンポーネントは、一対の離間配置した顆と、シムを受容するように寸法決めされた顆間切り欠き部と、近位ポストと、を含む。方法は、第2の大腿骨人工関節コンポーネントを第1の大腿骨人工関節コンポーネントの近位ポストに固定することも含んでもよい。
【0062】
一部の実施形態では、第2の大腿骨人工関節コンポーネントは細長いステムコンポーネントを含んでもよい。一部の実施形態では、第2の大腿骨人工関節コンポーネントは、段付き外面を有する人工関節スリーブを含む。
【0063】
第2の大腿骨人工関節コンポーネントは、オフセットアダプタと、オフセットアダプタの近位端に取り付けられるように構成された細長いステムコンポーネントと、を含んでもよい。更に、一部の実施形態では、第1の大腿骨人工関節コンポーネントの近位ポストは第1の軸を画定し、第2の大腿骨人工関節コンポーネントを第1の大腿骨人工関節コンポーネントのポストに固定する工程は、オフセットアダプタの近位端を回転させて、近位端によって画定される第2の軸を垂直に延在する平面内に位置決めすることと、第1の軸及び第2の軸が垂直に延在する平面内に位置決めされた状態で、オフセットアダプタを第1の大腿骨人工関節コンポーネントの近位ポストに固定することと、を含んでもよい。
【0064】
一部の実施形態では、方法は、外科用器具のスタビライザアームを垂直に延在する平面に沿って更に前進させて、スタビライザアームをオフセットアダプタの近位端上に位置決めし、オフセットアダプタをスタビライザアームに固定してもよい。
【0065】
別の態様によれば、患者の膝関節のための整形外科用プロテーゼを組み立てるための外科用器具システムは、整形外科用プロテーゼの人工関節コンポーネントを受容するように構成された人工関節コンポーネントキャリアを備える。一部の実施形態では、人工関節コンポーネントキャリアは、取り付けブロックと、取り付けブロックに対して非直角で延在するポストと、を含むことができる。ポストは、人工大腿骨コンポーネントの通路内に受容されるように寸法決めされた遠位端を含むことができる。
【0066】
一部の実施形態では、人工関節コンポーネントキャリアは、第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間で人工脛骨コンポーネントを把持するように移動可能である第1のクランププレート及び第2のクランププレートを含むことができる。
【0067】
一部の実施形態では、外科用器具システムは、人工大腿骨コンポーネントに連結されるように構成された大腿骨スリーブを受容するように寸法決めされた開口スロットを含むレンチを更に備えることができる。開口スロットは、レンチの複数の表面によって画定され得る。レンチは、表面から開口スロット内に延在する複数のローブを更に含むことができる。各ローブは、大腿骨スリーブの表面に係合するように形状決めされ得る。
【0068】
別の態様によれば、患者の膝関節のための整形外科用プロテーゼを組み立てるための外科用器具システムは、整形外科用プロテーゼの人工関節コンポーネントに対応するトライアルコンポーネントを受容するように構成されたトライアルコンポーネントキャリアを備える。一部の実施形態では、トライアルコンポーネントキャリアは、取り付けブロックと、取り付けブロックに対して非直角で延在するポストと、を含むことができる。ポストは、大腿骨人工関節コンポーネントに対応する大腿骨トライアルコンポーネントの通路内に受容されるように寸法決めされた遠位端を含むことができる。
【0069】
一部の実施形態では、トライアルコンポーネントキャリアは、第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間で脛骨トライアルコンポーネントを把持するように移動可能である第1のクランププレート及び第2のクランププレートを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
詳細な説明では、特に以下の図面を参照する。
【
図1】移植可能な整形外科用プロテーゼを組み立てるための整形外科用器具システムの分解斜視図である。
【
図2】
図1の整形外科用器具システムの器具組み立てベースの分解斜視図である。
【
図3】アンロック位置にある、
図2の器具組み立てベースの回転式ロック機構を示す底面図である。
【
図4】ロック位置にある回転式ロック機構を示す
図3と同様の図である。
【
図5】
図1の整形外科用器具システムのスタビライザアームの分解斜視図である。
【
図6】
図1の整形外科用器具システムの大腿骨トライアルキャリア及びシムの斜視図である。
【
図7】
図6の大腿骨トライアルキャリアの側面立面図である。
【
図8】
図1の整形外科用器具システムの大腿骨コンポーネントキャリアの斜視図である。
【
図9】
図8の大腿骨人工関節コンポーネントキャリアの側面立面図である。
【
図10】
図1の整形外科用器具システムの脛骨コンポーネントキャリアの斜視図である。
【
図11】
図10の線11-11に沿って取った、脛骨コンポーネントキャリアの断面立面図である。
【
図12】大腿骨プロテーゼシステムの分解斜視図である。
【
図13】人工大腿骨コンポーネントの大腿骨スリーブコンポーネントの斜視図である。
【
図14】
図12の大腿骨プロテーゼシステムのトライアルで使用するための大腿骨トライアル構造体の分解斜視図である。
【
図16】脛骨プロテーゼシステムの分解斜視図である。
【
図17】
図16の脛骨プロテーゼシステムのトライアルで使用するための脛骨トライアル構造体の分解斜視図である。
【
図18】
図1のシステムのスリーブインパクタの斜視図である。
【
図21】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図22】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図23】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図24】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図25】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図26】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図27】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図28】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図29】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図30】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図31】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図32】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図33】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図34】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図35】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図36】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図37】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図38】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図39】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図40】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図41】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図42】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図43】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図44】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図45】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図46】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【
図47】
図1の器具システムを用いる様々な整形外科用プロテーゼを組み立てるための例示的な技法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本開示の概念には様々な修正及び代替的形態の影響を受ける可能性があるが、その特定の例示的な実施形態を図面に例として示し、本明細書において詳細に述べる。しかし、当然のことながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される発明の趣旨及び範囲に包含される全ての修正、均等物、並びに代替物を網羅することを意図するものである。
【0072】
解剖学的参照を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント又はプロテーゼ及び整形外科用手術器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造を参照して使用されてもよい。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。記述された本明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的参照用語の使用は、特に断らない限り、それらの広く理解された意味と一貫性を有することが意図される。
【0073】
ここで
図1を参照すると、整形外科用プロテーゼを選択し、かつ組み立てるために用いるための整形外科用器具システム10が示される。外科用器具システム10は、器具ベース12と、人工大腿骨コンポーネント16(
図12を参照)又は人工脛骨コンポーネント18(
図19を参照)をベース12上へと位置決めするためにベースに選択的に取り付けられる多くのモジュール式器具14と、を含む。下記でより詳細に説明するように、器具14のうちのいくつかは、大腿骨トライアルコンポーネント20(
図14を参照)又は脛骨トライアルコンポーネント22(
図20を参照)をベース12上で位置決めして、外科医が人工関節コンポーネントを組み立てるのを補助するために用いられてもよい。例示的な実施形態では、器具システム10、人工関節コンポーネント16、18、及びトライアルコンポーネント20、22は、患者の膝関節を置換するために用いてもよい整形外科用システムの一部を形成する。単一の寸法の各人工関節コンポーネント及び各トライアルコンポーネントしか示されていないが、当然のことながら整形外科用システムは、様々な患者のニーズに適合するための複数の寸法の人工関節コンポーネント及びトライアルコンポーネントを含んでもよい。
【0074】
システム10のモジュール式器具14は、大腿骨トライアルコンポーネント20を器具ベース12上に取り付けるように構成された大腿骨トライアルキャリア30を含む。器具14は、人工大腿骨コンポーネント16を器具ベース12上に取り付けるように構成された人工大腿骨コンポーネントキャリア32と、例示的な実施形態では、人工脛骨コンポーネント18又は脛骨トライアルコンポーネント22のいずれかをベース12に取り付けるように構成された脛骨コンポーネントキャリア34と、もまた含む。下記でより詳細に説明するように、キャリア30、32、34はそれぞれ、任意の寸法の人工関節コンポーネント又はトライアルコンポーネントを整形外科用システム内に受容するように寸法決めされる。
図1に示すように、モジュール式器具14は、プロテーゼの組み立て中にキャリア30、32、34と共に用いることのできる安定化又は支持アームアセンブリ36も含む。
【0075】
器具ベース12は、例えば、手術室の台などの平面内に位置決めされるように構成されたハウジング40を含む。器具ベース12は、軸38を中心にハウジング40に対して回転するように構成されたプラットフォーム42を含む。プラットフォーム42は、キャリア30、32、34の各々の中に選択的に受容されて、キャリア30、32、34を器具ベース12上で方向付けるように寸法決めされた一対のピン44を含む。
【0076】
図1に示すように、プラットフォーム42は、ハウジング40の中央部分46に位置決めされている。ハウジング40は、中央部分46から外向きに延在する細長いプレート48と、細長いプレート48から反対側に位置決めされた端部プレート50と、もまた含む。取り付けポスト52は細長いプレート48の端部54から上向きに延在し、支持アームアセンブリ36を受容するように構成される。器具ベース12は、端部プレート50内に位置決めされているロック機構56も含む。下記でより詳細に説明するように、ロック機構56は、プラットフォーム42を、軸38を中心にハウジング40に対して特定の向きに固定するために用いられてもよい。
【0077】
ここで
図2を参照すると、ハウジング40は平坦な上面60を含み、器具ベース12の中央部分46は、上面60内に画定され、かつプラットフォーム42を受容するように寸法決めされた空洞62を含む。器具ベース12は、空洞62の底部に位置決めされてプラットフォーム42を支持するフレーム64を含む。プラットフォーム42は、プラットフォーム42内に画定された中央開口部68を通って延在し、かつ空洞62の中央においてフレーム64から上向きに延在する取り付けピン70内に受容されるファスナプラグ66によってハウジング40に取り付けられる。
【0078】
例示的な実施形態では、プラグ66は、ヘッドプレート72と、ヘッドプレート72から下向きに延在するシャフト74と、を含む。シャフト74は、プラグ66をハウジング40へと固定するために、取り付けピン70内に画定されたアパーチャ76内に受容されるように寸法決めされる。
図2に示すように、プラットフォーム42は、平坦な上面82を有するディスク80と、ディスク80の上面82を通って下面84まで延在する中央開口部68と、を含む。中央開口部68の中へと延在するリム壁部88は、プラグ66のヘッドプレート72と係合して、プラットフォーム42をヘッドプレート72とハウジング40のフレーム64との間に保持する。例示的な実施形態では、器具ベース12は、固定ピン70と回転式プラットフォーム42との間にベアリングとして作用するようにリム壁部88と取り付けピン70との間に位置決めされたスペーサリング90も含む。
図2に示すように、プラットフォーム42がそれを中心に回転する軸38は、中央開口部68の中心を通って延在する。
【0079】
ディスク80は、上面82から下面84に向かって延在する外側環状壁部100を含む。ディスク80は、ディスク80の周囲の外壁部100内に画定された複数のギア歯102も含む。下記でより詳細に説明するように、ギア歯102はロック機構56と相互作用して、取り付けプラットフォーム42をハウジング40に対する所定の位置に固定する。取り付けプラットフォーム42、プラグ66、及びスペーサリング90は、ハウジング40と同様に、例えば、ステンレス鋼などの加圧滅菌処理が可能な材料から形成される。
【0080】
上述したように、取り付けプラットフォーム42は、キャリア30、32、34の各々に選択的に受容されるように寸法決めされて、キャリア30、32、34を器具ベース12上で方向付けする一対のピン44も含む。例示的な実施形態では、ピン44は、ディスク80の上面82から上向きに延在する。ピン44は、開口部68の一方の側に位置決めされた略円筒形ピン104と、開口部68の反対側に位置決めされた多角形ピン106と、を含む。多角形ピン106の幅は、円筒形ピン104の直径よりも小さい。当然のことながら、その他の実施形態では、ピンは異なる幾何学的形状を取ってもよく、またキャリアを配向するために異なる寸法決めをされてもよい。
【0081】
プラットフォーム42は視覚的な印110を含み、ハウジング40は視覚的な印112を含み、これらは手術中に器具の適切な向き及び位置を確認するのに用いられてもよい。例示的な実施形態では、プラットフォーム42上の印110は、矢印及び文字(「Left(左)」に対応する「L」及び「Right(右)」に対応する「R」)を含む。ハウジング40上の印112は指示線を含み、印110の矢印は、器具の向き及び位置を示すために指示線と位置合わせされてもよい。その他の実施形態では、印110、112は、番号又は他の指示を含んでもよい。
【0082】
上述したように、器具ベース12は、細長いプレート48の端部54から上向きに延在する取り付けポスト52も含む。取り付けポスト52は、支持アームアセンブリ36を受容するように構成される。例示的な実施形態では、ポスト52は、上端部120と、上端部120内に画定された開口部122と、を含む。支持アームアセンブリ36の取り付けシャフト126を受容するように寸法決めされた中央通路124は、開口部122から内向きに延在する。ポスト52は、上端部120から延在し、かつ通路124内に開口する位置合わせスロット128も含む。位置合わせスロット128は、支持アームアセンブリ36の位置合わせタブ130を受容するように寸法決めされ、かつ支持アームアセンブリ36を当初の挿入位置から最終的な、プラットフォーム42に対して組み立てられた位置まで回転させる、位置合わせタブ130のためのねじり経路を画定する。最終的な組み立て位置では、位置合わせタブ130は位置合わせスロット128の下方ポケット132内に保持される。
【0083】
上記で説明したように、器具ベース12は、端部プレート50内に位置決めされた回転式ロック機構56も含む。機構56の各構成要素は、ベース12が手術と手術との間で洗浄されてもよいように加圧滅菌処理されてもよい、例えば、ステンレス鋼などの材料から形成される。ロック機構56は、ベースハウジング40の上面60内に画定された空洞142内に受容されるユーザ操作ノブ140を含む。ノブ140は、ベースハウジング40に対して回転するように動作可能であり、またメインプレート144と、メインプレート144から上向きに延在する細長いグリップ146と、を含む。例示的な実施形態では、細長いグリップ146は、ノブ140がロック位置にあるか又はアンロック位置にあるかを示す尖った先端部148を含む。尖った先端部148はハウジング40上の印を指して、ロック位置又はアンロック位置を示してもよい。ノブ140は、メインプレート144から下向きに延在して空洞142内に受容される長円形のベース152も含む。
【0084】
例示的な実施形態では、ベースハウジング40は、空洞142の底部に位置決めされてノブ140のベース152を支持するフレーム154を含む。ノブ140は、フレーム154を通って延在するファスナ156を介してベースハウジング40に取り付けられている。ファスナ156は、円筒形の取り付けピン158を通って延在し、ノブ140の長円形ベース152内に受容される。
図3に示すように、ファスナ156は、長円形ベース152の中心からオフセットしたボア160内に位置決めされる。ボア160は、ノブ140の回転軸166を画定する。長円形ベース152は、フレーム154に固定されたガイドピン164を受容する弧形のチャネル又は溝162も含む。下記でより詳細に説明するように、ピン164は溝162と相互作用してノブ140の回転運動を制限する。
【0085】
図2を再び参照すると、ロック機構56は、プラットフォーム42のギア歯102と選択的に係合するクラッチ170も含む。クラッチ170は、取り付け本体172と、取り付け本体172から外向きに延在する一対のアーム174、176と、を含む。例示的な実施形態では、中央ボア178は、取り付け本体172を通って延在し、取り付けペグ182のシャフト180を受容するように寸法決めされる。シャフト180は、ベースハウジング40内に画定された開口部186に螺入されて取り付けペグ182をハウジング40に固定する、ねじ付き遠位端部184を含む。取り付け本体172は、取り付けペグ182のヘッドプレート188と、ハウジング40の内面190と、の間に保持される。中央ボア178はクラッチ170の回転軸192を画定する。
【0086】
クラッチ170のアーム174は、取り付け本体172から先端部200まで延在する。先端部200は、プラットフォーム42のギア歯102とインターロックするように寸法及び形状決めされた複数の歯202を含む。
図2に示すように、フレーム154とハウジング40の内面190との間に細長い開口部204が画定されている。クラッチ170が軸192を中心に回転すると、先端部200が開口部204を通って延在してギア歯102と係合する。
【0087】
クラッチ170のもう一方のアーム176は、取り付け本体172から、フレーム154とノブ140のメインプレート144との間に位置決めされるように寸法決めされた従動ハウジング210まで延在する。従動ハウジング210は、上開口部212と、開口部212から内向きに延在してノブ140の長円形ベース152を受容するように寸法決めされた長円形スロット216を画定する内壁部214と、を含む。
図3に示すように、長円形スロット216は、長円形ベース152よりも大きい。従動ハウジング210の内壁部214は従動面220を含み、長円形ベース152は従動面220と選択的に係合して軸192を中心にクラッチ170を回転させるように構成されたカム面222を含む。
【0088】
プラットフォーム42をベースハウジング40に対してある向きでロックするため、外科医又は他のユーザは、ノブ140のグリップ146を把持して、ノブ140を
図3の矢印224によって示される方向に回転させてもよい。ノブ140が回転すると、当初は従動面220と接触していない長円形ベース152のカム面222の部分226が前進して従動面220と係合する。カム面222の部分226が従動面220と係合すると、クラッチ170が矢印232で示されるように軸192を中心に回転して、歯202を前進させてプラットフォーム42の歯102と係合し、それによりプラットフォーム42をハウジング40に対する所定の位置にロックする。
図4に示すように、ガイドピン164は溝162の一方の端部から溝162の反対側の端部まで移動し、ノブ140(及びひいてはクラッチ170)が過剰に回転するのを防ぐ。
【0089】
プラットフォーム42をアンロックするために、外科医又は他のユーザは、ノブ140のグリップ146を把持して、
図4の矢印228によって示される方向にノブ140を回転させてもよい。ノブ140が回転すると、従動面220と接触していない長円形ベース152のカム面222の部分230は前進して従動面220と係合する。カム面222の部分230が従動面220と係合すると、クラッチ170は矢印234で示されるように軸192を中心に回転して、歯202をプラットフォーム42の歯102から係脱する。
【0090】
図1を再び参照すると、システム10は、器具ベース12に取り付けられるように構成された支持アームアセンブリ36も含む。支持アームアセンブリ36は、取り付けポスト52内に位置決めされるように寸法決めされた下端部250から上端部252まで延在する取り付けシャフト126を含む。ブラケット254は上端部252に固定され、ブラケット254は支持アームアセンブリ36の細長いアーム258を受容するように寸法決めされた中央通路256を含む。細長いアーム258は、ハンドル端部262から先端部264まで長手方向軸260に沿って延在している。下記でより詳細に説明するように、細長いアーム258は、通路256内を軸260に沿って摺動して、先端部264を器具ベース12の軸38に向かって、また軸38から遠ざかるように進めるように構成される。更に、下記で更に詳細に説明するが、長手方向軸260及び軸38は、垂直に延在する向きの平面270内に位置決めされる(かつ、これを画定する)(
図21を参照)。
【0091】
ここで
図5を参照すると、細長いアーム258はハンドル端部262から延在する主本体272を含む。例示的な実施形態では、ハンドルグリップ274が、一対のピン276を介して主本体272のハンドル端部262に取り付けられている。細長いアーム258は、主本体272の端部から細長いアーム258の先端264まで延在する一対のシャフト278、280も含む。シャフト278、280は、それらの間にチャネル282を画定するように互いに離間配置される。チャネル282は、その近位端288の先端部264ではより広く、細長いアーム258の近傍ではより狭い。下記でより詳細に説明するように、チャネル282は、トライアルコンポーネントアセンブリ及び人工関節コンポーネントアセンブリのオフセットアダプタを受容するように寸法決めされる。
【0092】
各シャフト278、280は、細長いアーム258の先端部264を画定する面取りされた端壁部284と、他方のシャフトに面する内壁部286と、を含む。シャフト278、280の内壁部286は、協働してチャネル282の近位端288を画定する。
【0093】
例示的な実施形態では、支持アームアセンブリ36は、シャフト278、280を一緒に引き寄せることによってチャネル282の近位端288を狭めるように動作し得る締付機構300を含む。締付機構300は、ユーザ操作ノブ302と、ノブ302から延在する細長いシャフト304と、を含む。細長いシャフト304は、シャフト280内に画定されたボア(図示せず)を通って、シャフト278内に画定されたねじ付きボア308内に受容されるねじ付き端部306まで延在する。
【0094】
図5に示すように、支持アームアセンブリ36のブラケット252は、上部ハウジング310と、上部ハウジング310から延在するステム312と、を含む。ステム312は、取り付けシャフト126内に画定された通路314内に受容されるように寸法決めされる。例示的な実施形態では、ステム312はピン316を介してシャフト126へと固定される。上部ハウジング310は、それを介して細長いアーム258が延在する中央通路256を含む。当然のことながら支持アームアセンブリ36のコンポーネントの各々は、支持アームアセンブリ36が手術と手術との間で洗浄されてもよいように加圧滅菌処理されてもよい、例えば、ステンレス鋼などの材料から形成される。
【0095】
図1を再び参照すると、システム10は、選択的に器具ベース12のプラットフォーム42上に取り付けられるように構成された大腿骨トライアルキャリア30と、人工大腿骨コンポーネントキャリア32と、脛骨コンポーネントキャリア34と、もまた含む。換言すれば、キャリア30、32、34のそれぞれは、他のキャリア30、32、34のうちのいずれかの代わりにプラットフォーム42上に取り付けられるように構成される。キャリア30、32、34のそれぞれは、キャリア30、32、34をプラットフォーム42に対して方向付け、かつ取り付けるためにプラットフォーム42のピン104、106をそれぞれ受容するように寸法決めされた一対の方向孔320、322を含む。例示的な実施形態では、方向孔320、322の各々は円筒形であるが、キャリア30、32、34がプラットフォーム42上に単一の向きでのみ取り付けられるように構成されるように、配向孔320は方向孔322よりも直径が大きい。当然のことながらキャリア30、32、34の各々は、キャリア30、32、34が手術と手術との間で洗浄されてもよいように加圧滅菌処理されてもよい、例えば、ステンレス鋼などの材料から形成される。
【0096】
ここで
図6を参照すると、大腿骨トライアルキャリア30は取り付けブロック330と、取り付けブロック330から上向きに延在するポスト332と、を含む。取り付けブロック330は細長く、長手方向軸334に沿って長手方向端部336からその反対の長手方向端部338まで延在する。ブロック330は、平坦な底面340と、底面340の反対側に位置決めされた頂面342と、を含む。外壁部344は、頂面342と底面340とを接続する。例示的な実施形態では、外壁部344は、各端部336、338に取り付けブロック330の向きを示す視覚的な印346を有する。視覚的な印346は、例示的な実施形態では文字を含む(端部336上に「左」、及び端部338上に「右」)。
【0097】
ポスト332は、ブロック330の頂面342から上端部348まで延在している。例示的な実施形態では、ポスト332は円筒形の外面350を含み、位置合わせピン352は上端部348から外向きに延在する。位置合わせピン352は、大腿骨トライアルコンポーネント20のボア732(
図23を参照)内に受容されるように形状決めされる。
図6~
図7に示すように、位置合わせピン352は丸型ベース354を含み、かつ細い先端部356へと延在する。ポスト332は、先端部356を通って延在する長手方向軸360に沿って延在する。軸360(及びひいてはポスト332)は、ブロック330の頂面342に対して直角で延在する。
【0098】
大腿骨トライアルキャリア30は、ポスト332の対向する側面上でブロック330の頂面342から上向きに延在する一対の壁部362、364も含む。例示的な実施形態では、壁部362、364は、頂面342に対して直角ではない角度で延在する。各壁部362、364はポスト332に接続され、かつキャリア30の端部336、338まで延在する平坦な外面366、368を含む。壁部362、364の各々の外面366上にはリブ370が形成されている。
図6に示すように、リブ370は長手方向軸334と平行に延在する。
【0099】
上述したように、キャリア30は、キャリア30をプラットフォーム42に向けかつ取り付けるためにプラットフォーム42のピン104、106をそれぞれ受容するように寸法決めされた一対の方向孔320、322を含む。例示的な実施形態では、孔320、322はブロック330を通って延在し、壁部362、364に隣接する頂面342内に画定されたチャネル372内に位置決めされた上部開口部を有する。
【0100】
ここで
図8を参照すると、人工大腿骨コンポーネントキャリア32は取り付けブロック430と、取り付けブロック430から上向きに延在するポスト432と、を含む。取り付けブロック430は細長く、長手方向軸434に沿って長手方向端部436からその反対の長手方向端部438まで延在する。ブロック430は、平坦な底面440と、底面440の反対側に位置決めされた頂面442と、を含む。外壁部444は、頂面442と底面440とを接続する。例示的な実施形態では、外壁部444は、各端部436、438に取り付けブロック430の向きを示す視覚的な印446を有する。視覚的な印446は、例示的な実施形態では文字を含む(端部436上に「左」、及び端部438上に「右」)。
【0101】
ポスト432は、ブロック430の頂面442から上端部448へと延在する。例示的な実施形態では、ポスト432は円筒形の外面450を含む。ポスト432は長手方向軸460に沿って延在し、上端部448は人工大腿骨コンポーネント16のボア622(
図31を参照)内に受容されるように寸法決めされる。例示的な実施形態では、
図9に示すように、ポスト432はブロック430の頂面442に対して直角ではない角度で延在する。
【0102】
大腿骨コンポーネントキャリア32は、ポスト432の対向する側でブロック430の頂面442から上向きに延在する一対の壁部462、464も含む。例示的な実施形態では、壁部462、464は、ポスト432と平行に延在する。各壁部462、464は、ポスト432に接続されており、また、キャリア32の端部436、438まで延在する平坦な外面466、468を含む。壁部462、464の各々の外面466上にはリブ470が形成される。
図8に示すように、リブ470は長手方向軸434と平行に延在する。
【0103】
上述したように、キャリア32は、キャリア32をプラットフォーム42に向け、かつ取り付けるためにプラットフォーム42のピン104、106をそれぞれ受容するように寸法決めされた一対の方向孔320、322を含む。例示的な実施形態では、孔320、322は、ブロック430を通って延在しており、また、壁部462、464に隣接して頂面442内に画定されたチャネル472内に位置決めされた上部開口部を有する。
【0104】
図8に示すように、壁部462、464は、ポスト432に隣接する面466、468を通って延在するリリーフスロット474を含む。更に、
図9に示すように、ブロック430の頂面442は、内縁部478から外縁部480まで延在する、リブ470の反対側に位置決めされた部分476を含む。部分476は、内縁部478よりも外縁部480が底面440に近くなるように、底面440に対して直角ではない角度で延在する。
【0105】
ここで
図10を参照すると、システム10は脛骨コンポーネントキャリア34も含む。上述したように、キャリア34は、人工脛骨コンポーネント18又は脛骨トライアルコンポーネント22のいずれかをベース12に取り付けるように構成される。キャリア34は、取り付けブロック500と、取り付けブロック500と移動可能に連結された一対のクランププレート502、504と、を含む。下記でより詳細に説明するように、キャリア34は、クランププレート502、504を移動して、プレート502、504上に位置決めされた人工脛骨コンポーネント18又は脛骨トライアルコンポーネント22を把持するように動作可能なねじ式駆動機構506も含む。
【0106】
取り付けブロック500はベースプレート510と、ベースプレート510から上向きに延在する一対の側壁部512と、を含む。各側壁部512は平坦な上面514を含む。取り付けブロック500を通って延在するチャネル516が、ベースプレート510と側壁部512との間に画定される。
図10に示すように、フランジ518が各側壁部512からチャネル516内へと内向きに延在して、クランププレート502、504を支持する。
【0107】
キャリア34のクランププレート502は、側壁部512の上方に位置決めされた上部本体530と、上部本体530から下向きに延在する下部本体532と、を含む。下部本体532はチャネル516内に受容され、一対の脚部534は下部本体532から外向きに延在して、取り付けブロック500のフランジ518の下面に係合する。
図10に示すように、フランジ518は、脚部534と、上部本体530の平坦な下面538と、の間に画定されたチャネル536内に位置決めされる。上部本体530は、下面538の反対側に位置決めされた頂面540も含む。
【0108】
クランププレート502は、頂面540から上向きに延在するジョー542を含む。ジョー542は、人工脛骨コンポーネント18及び脛骨トライアルコンポーネント22の前壁部分934の曲率と一致するように形状決めされた、湾曲内壁部544を有する。ジョー542は、湾曲内壁部544から外向きに延在する係合タブ546を更に含む。
【0109】
上述したように、キャリア34は、クランププレート502の反対側に位置決めされたクランププレート504も含む。クランププレート504は、側壁部512の上方に位置決めされた上部本体550と、上部本体550から下向きに延在する下部本体532と、を含む。下部本体532は、関連する態様におけるクランププレート502の下部本体532と同一の構成を有する。クランププレート504の下部本体532はチャネル516内に受容され、一対の脚部534は下部本体532から外向きに延在して、取り付けブロック500のフランジ518の下面に係合する。
【0110】
クランププレート504の上部本体550は、下面554の反対側に位置決めされた頂面552を含む。クランププレート504は、頂面552から上向きに延在する一対のパッド556、558を含む。
図10に示すように、Y字型のチャネル560がパッド556、558の間に画定される。クランププレート504は、頂面552から上向きに延在するジョー562も含む。ジョー562は、一対の湾曲した凹状内壁部564と、壁部564の間に位置決めされた湾曲した凸状内壁部566と、を有する。人工脛骨コンポーネント18及び脛骨トライアルコンポーネント22の後壁部分936、938の曲率と一致するように形状決めされた壁部564、566。ジョー562は、湾曲した内壁部564から外向きに延在する係合タブ568も含む。
【0111】
図11に示すように、キャリア34は、クランププレート502、504を移動するように動作可能なねじ式駆動機構506を含む。例示的な実施形態では、機構506は、クランププレート502の下部本体532内に画定されたねじ付きボア572内に受容されたねじ付きシャフト570を含む。機構506は、クランププレート504の下部本体532内に画定されたねじ付きボア576内に受容されたねじ付きシャフト574を含む。機構506は、ねじ付きシャフト574の端部に接続されたユーザ操作ノブ580も含む。
【0112】
シャフト570、574は、取り付けブロック500のブレース584を通って延在するロッド582を介して接続されている。
図10~
図11に示すように、ブレース584は取り付けブロック500の側壁部512から延在し、かつチャネル516内に位置決めされている。一対のスペーサリング590が、ブレース584の各側のロッド582から延在して、機構506を取り付けブロック500に取り付ける。
【0113】
使用時、外科医又は他のユーザはノブ580を把持してシャフト570、574を回転する場合がある。シャフト570、574とボア572、576との間の係合は、クランププレート502、504をシャフト570、574に沿って前進させる。シャフト570、574を時計方向に回転させると、クランププレート502、504は互いに向かって移動し、シャフト570、574を逆時計回りに回転させると、クランププレート502、504は離れるように移動する。
【0114】
上述したように、器具システム10は、整形外科用プロテーゼを選択し、かつ組み立てるのに用いるために構成される。例示的な実施形態では、整形外科用プロテーゼとしては、
図12~
図13に示される人工大腿骨コンポーネント16、及び
図16に示される人工脛骨コンポーネント18が挙げられる。これらのコンポーネントのそれぞれは、例えば、より大きな骨又はより小さな骨を有する患者のニーズに適合するための様々な寸法の追加的な人工大腿骨及び脛骨コンポーネントを含む場合がある、より大きなプロテーゼシステムの一部を形成する。その他の人工関節コンポーネントは、更に、患者の左脚又は患者の右脚のいずれかに適合するように寸法決め及び形状決めされてもよい。更に、システムは、下記でより詳細に説明するように、人工大腿骨コンポーネント16及び/又は人工脛骨コンポーネント18に取り付ける、又はこれらと併用されるその他の人工関節コンポーネントを含んでもよい。
【0115】
ここで
図12~
図13を参照すると、大腿骨整形外科用プロテーゼシステム600は、外科的に準備された患者の大腿骨の遠位端に取り付けるように構成された人工大腿骨コンポーネント16を含む。大腿骨コンポーネント16は、前側フランジ602と、前側フランジ602から後方に延在する一対の顆604、606と、を含む。顆間切り欠き部608は一対の顆604、606の間に画定される。例示的な実施形態では、切り欠き部608は、前側フランジ602の近位面612及び顆604、606から延在する一対の側壁部610の間に画定される。側壁部610の間には近位壁部614が延在して切り欠き部608の近位端を包囲する。
【0116】
大腿骨コンポーネント16は近位壁部614から延在するポスト616も含む。
図12に示すように、ポスト616は近位開口部618を含み、内壁部620は近位開口部618から内向きに延在して、大腿骨コンポーネント16のポスト616及び近位壁部614を通って延在するボア622を画定する。例示的な実施形態では、内壁部620はねじ付き近位部分624を含む。ポスト616は、例えば、スリーブコンポーネント628(
図13を参照)などの骨幹端部材を受容するように寸法決めされたテーパ付き外面626も含む。
【0117】
例示的な実施形態では、ポスト616は長手方向軸630に沿って延在し、大腿骨コンポーネント16の近位壁部614は実質的に平坦な面632を含む。大腿骨コンポーネント16を前頭面から見ると、軸630と実質的に平坦な面632との間に直角ではない角度が画定される。当然のことながら角度の大きさは、様々な実施形態で、またプロテーゼアセンブリの寸法及び構成に基づいて異なる場合がある。
【0118】
図12に示すように、プロテーゼシステム600はステムコンポーネント640も含む。ステムコンポーネント640は、遠位端644から近位先端部646へと延在する細長い本体642を含む。プロテーゼアセンブリのいくつかの構成では、ポスト616のねじ付き近位部分624、又はスリーブコンポーネント628のねじ付き近位部分650(
図13を参照)と係合してもよい複数のねじ山648が、遠位端644上に画定されている。
【0119】
プロテーゼシステム600は、大腿骨コンポーネント16及びステムコンポーネント640に固定されてオフセット大腿骨プロテーゼアセンブリ662を形成するように構成されたオフセットアダプタ660も含む。オフセットアダプタ660は、
図12に示すように、遠位端666から、遠位端666からオフセットされた近位端668へと延在する本体664を含む。本体664は、遠位端666からリム壁部672へと近位方向に延在するねじ付きシャフト670を含む。本体664は、リム壁部672から近位に延在する湾曲したテーパ面674も含む。ねじ付きシャフト670は、ポスト616のねじ付き近位部分624へと係合されて、アダプタ660を大腿骨コンポーネント16に取り付けるように構成される。オフセットアダプタ660は、下記でより詳細に説明するように、オフセットアダプタ660を大腿骨コンポーネント16に固定するように動作されてもよいシャフト670に螺合するロッキングナット676も含む。
【0120】
本体664は、近位端668内に画定された開口部680も含む。ねじ付き内壁部682は開口部680から内向きに延在して、ステムコンポーネント640のねじ付き遠位端644を受容するように寸法決めされたねじ付きボア684を画定する。
図12に示すように、オフセットアダプタ660は、ねじ付きボア684を通って、またステムコンポーネント640の長手方向軸に沿って延在する近位軸686を画定する。オフセットアダプタ660は、ねじ付きシャフト670を通って延在し、かつ大腿骨コンポーネント16のポスト616の長手方向軸630と位置合わせされた遠位軸688も画定する。軸686、688は、互いに平行に延在するが、互いにオフセットされている。例示的な実施形態では、本体664は単一のモノリシックコンポーネントであり、その結果、遠位端666と近位端668とが互いに対して固定される。
【0121】
図13に示すように、スリーブコンポーネント628は、遠位端692から近位端694まで延在する段付き外壁部690を含む。コンポーネント628は、近位端694内に画定された開口部696と、開口部696から内向きに延在するねじ付き近位部分650を含む内壁部と、を有する。コンポーネント628は、ポスト616を受容するように寸法決めされた遠位開口部(図示せず)も有する。当然のことながらスリーブコンポーネント628がテーパロックによってポスト616に固定され得るように、遠位開口部はポスト616のテーパ付き外面626に対応するテーパ付き内面によって画定される。
【0122】
図13に示すように、スリーブコンポーネント628の段付き外壁部690は、骨成長を促進し、スリーブコンポーネント628が患者の骨内に固定するのを支援するように構成された多孔質部分700を含む。下記でより詳細に説明するように、外壁部690は、組み立てを補助するために、近位端694において、レンチヘッド1264(
図37を参照)を受容するように形状決めされた多数の平面702も含む。ステムコンポーネント640、大腿骨コンポーネント16、及びスリーブコンポーネント628は、患者の大腿骨内に移植されてもよい大腿骨スリーブプロテーゼアセンブリ704の一部を形成する。
【0123】
ここで
図14~
図15を参照すると、大腿骨トライアルシステム710は、人工大腿骨コンポーネント16を受容するための患者の大腿骨の外科的準備を補助するために、患者の大腿骨の遠位端に一時的に取り付けられるように構成された大腿骨トライアルコンポーネント20を含む。大腿骨トライアルコンポーネント20は、前側フランジ712と、前側フランジ712から後方に延在する一対の顆714、716と、を含む。顆間切り欠き部718は一対の顆714、716の間に画定される。例示的な実施形態では、フランジ712、顆714、716、及び顆間切り欠き部718の構成は、人工大腿骨コンポーネント16における対応する構造体の構成と一致する。当然のことながら他の実施形態では、大腿骨トライアルコンポーネントは、前側フランジ712及び/又は顆714、716を通って延在する1つ以上の切断ガイドを含んでもよい。
【0124】
例示的な実施形態では、切り欠き部718は、前側フランジ712の近位面722及び顆714、716から延在する一対の側壁部720の間に画定される。側壁部720の間には近位壁部724が延在して切り欠き部718の近位端を包囲する。大腿骨トライアルコンポーネント20は、オフセットアダプタ770を受容するように構成された、近位壁部724から延在するボス726も含む。
【0125】
ボス726は平坦な近位面728と、面728から外向きに延在する一対の位置合わせピン730と、を含む。ボア732は、ボス726を通って延在し、顆間切り欠き部718の中へと開口する。ボア732は、例えば、ボルト734などのファスナが大腿骨トライアルコンポーネント20を貫通してオフセットアダプタ770と係合することができるように寸法決めされる。このようにして、大腿骨トライアルコンポーネント20とオフセットアダプタ770とはボルト734を介して一緒に固定されてもよい。
【0126】
例示的な実施形態では、ボス726は長手方向軸740に沿って延在し、大腿骨コンポーネント16の近位壁部724は実質的に平坦な面742を含む。大腿骨コンポーネント16を前頭面から見ると、軸740と実質的に平坦な面742との間に直角ではない角度が画定される。当然のことながら角度の大きさは、様々な実施形態で、またプロテーゼアセンブリの寸法及び構成に基づいて異なる場合がある。
【0127】
図14に示すように、トライアルシステム710はステムコンポーネント750も含む。ステムコンポーネント750は、近位先端部754から遠位端756へと延在する細長い本体752を含む。複数のねじ山758は、遠位端756上に画定される。
【0128】
トライアルシステム710は、大腿骨トライアルコンポーネント20及びステムコンポーネント750へと固定されてオフセット大腿骨トライアル構造体772を形成するように構成されたオフセットアダプタ770も含む。オフセットアダプタ770は、
図14に示すように、遠位端776から、遠位端776からオフセットされた近位端778へと延在する二部分から成る本体774を含む。例示的な実施形態では、本体774は、遠位端776から近位スリーブ782へと延在する遠位スリーブ780を含む。近位スリーブ782は遠位スリーブ780へと回転可能に連結されて、外科医がステムコンポーネント750に対する大腿骨トライアルコンポーネント20の向きを調節して、大腿骨オフセットプロテーゼ662の患者の骨上での最適な位置を見つけることができるようにする。遠位スリーブ780は、遠位端776から近位スリーブ782内のねじ付きアパーチャ(図示せず)へと内向きに延在する通路784を含む。ねじ付きアパーチャは、ボルト734のねじ付き端部を受容して、アダプタ770を大腿骨トライアルコンポーネント20へと固定するように寸法決めされる。
図14に示すように、近位スリーブ782は、近位スリーブ782のより広いベースをより狭い近位端778へと接続する湾曲したテーパ面786も含む。
【0129】
本体774は、近位端778内に画定された開口部790も含む。ねじ付き内壁部792は開口部790から内向きに延在して、ステムコンポーネント750のねじ付き遠位端756を受容するように寸法決めされたねじ付きボア794を画定する。
図14に示すように、オフセットアダプタ770は、ねじ付きボア794を通って、かつステムコンポーネント750の長手方向軸に沿って延在する近位軸796を画定する。オフセットアダプタ770は、大腿骨トライアルコンポーネント20のボス726の長手方向軸740と位置合わせされる遠位軸798も画定する。軸796、798は、互いに平行に延在するが、プロテーゼアセンブリ662の軸686、688と同じだけ互いからオフセットされている。
【0130】
ここで
図15を参照すると、大腿骨トライアルシステム710は、患者の骨の一部分を除去して、骨が大腿骨スリーブコンポーネント628を受容するように準備するために構成された複数の切断歯802を有する大腿骨ブローチ800も含む。切断歯802は、大腿骨スリーブコンポーネント628の段付き外壁部690と対応する構成を有する段付き外壁部804内に形成される。ブローチ800は、近位端808内に画定された開口部806と、ステムコンポーネント750のねじ付き遠位端756を受容するように形状決めされたねじ付き内壁部810と、を有する。例示的な実施形態では、ブローチ800は、大腿骨トライアルコンポーネント20のピン730を受容するように寸法決めされた遠位開口部を含む。ブローチ800は、ボルト734のねじ付き端部と係合してブローチ800を大腿骨トライアルコンポーネント20へと固定するように構成されたねじ山(図示せず)も含む。
【0131】
ここで
図16を参照すると、脛骨整形外科用プロテーゼシステム900は、外科的に準備された患者の頚骨の近位端に取り付けるように構成された人工脛骨コンポーネント18を含む。脛骨コンポーネント18は、人工大腿骨コンポーネント602の顆604、606との関節接合のためにポリマー挿入物又はベアリング(図示せず)を受容するように構成された脛骨トレイ902を含む。トレイ902は、プラットフォーム904と、プラットフォーム904から延在する遠位ステムポスト906と、を含む。一対の竜骨突起908が遠位ステム906の外面910とプラットフォーム904との間に延在する。プラットフォーム904は、遠位ステムポスト906及び竜骨突起908と反対側に位置決めされた平坦な近位面912を有する。脛骨トレイ902は、平坦な近位面912から外向きに延在する後部バットレス914も含む。例示的な実施形態では、後部バットレス914はY字型である。脛骨トレイ902は、
図16に示すように、後部バットレス914から離間配置した前部バットレス916も含む。
【0132】
ステムポスト906は遠位端918へと延在する。開口部920は、遠位端918内に画定され、また通路922は開口部920から内向きに延在する。例示的な実施形態では、ねじ山(図示せず)が通路922の遠位部を内張りする。ステムポスト906は長手方向軸930に沿って延在する。
図16に示すように、ステムポスト906は患者の骨髄内管に入るように寸法決めされ、プラットフォーム904は内管の開口部を覆うように位置決めされ、かつ患者の頚骨の近位面と係合するように寸法決めされる。プラットフォーム904は、凸状前側部分934と、凸状部分938の間に画定された凹状後側部分936と、を有する湾曲した外壁部932を含む。湾曲した外壁部932の幾何学的形状は、患者の頚骨の外科的に準備された近位面の幾何学的形状と適合するように形状決めされる。
【0133】
図16に示すように、プロテーゼシステム900はステムコンポーネント940も含む。ステムコンポーネント940は、近位端944から遠位先端部946まで延在する細長い本体942を含む。複数のねじ山948は、プロテーゼアセンブリのいくつかの構成では、脛骨トレイ902のポスト906の通路922内のねじ山と係合し得る近位端944上に画定される。
【0134】
プロテーゼシステム900は、脛骨コンポーネント18及びステムコンポーネント940へと固定されてオフセット脛骨プロテーゼアセンブリ962を形成するように構成されたオフセットアダプタ960も含む。オフセットアダプタ960は、
図16に示すように、遠位端966から、遠位端966からオフセットされた近位端968へと延在する本体964を含む。本体964は、近位端968からリム壁部972へと近位方向に延在するねじ付きシャフト970を含む。本体964は、リム壁部972から遠位に延在する湾曲したテーパ面974も含む。ねじ付きシャフト970は、ポスト906の通路922内のねじ山に係合して、アダプタ960を脛骨コンポーネント18に取り付けるように構成される。オフセットアダプタ960は、下記でより詳細に説明するように、オフセットアダプタ960を脛骨コンポーネント18へと固定するように動作されてもよいシャフト970の上へと螺合されたロッキングナット976も含む。
【0135】
本体964は、遠位端966内に画定された開口部980も含む。ボア982は、開口部980から内向きに延在し、ステムコンポーネント940のねじ付き近位端944を受容するように寸法決めされる。複数のねじ山がボア982の中へと延在し、ステムコンポーネント940のねじ山944と係合するように構成される。
図16に示すように、オフセットアダプタ960は、ねじ付きボア984を通って、かつステムコンポーネント940の長手方向軸に沿って延在する遠位軸986を画定する。オフセットアダプタ960は、ねじ付きシャフト970を通って延在し、かつ脛骨コンポーネント18のポスト906の長手方向軸930と位置合わせされた近位軸988も画定する。軸986、988は、互いに平行に延在するが、互いにオフセットされている。例示的な実施形態では、本体964は単一のモノリシックコンポーネントであり、その結果、遠位端966及び近位端968が互いに対して固定される。
【0136】
ここで
図17を参照すると、脛骨トライアルシステム1000は、人工脛骨コンポーネント18を受容するための患者の頚骨の外科的準備を補助するために、患者の頚骨の近位端に一時的に取り付けられるように構成された脛骨トライアルコンポーネント22を含む。脛骨トライアルコンポーネント22は、ベース1002と、ベース1002から遠位に延在するステムポスト1004と、を含む。ベース1002は、大腿骨トライアル20の顆714、716と関節接合する脛骨インサートトライアル(図示せず)を受容するように構成される。
図17に示すように、ステムポスト1004は患者の骨髄内管に入るように寸法決めされ、ベース1002は内管の開口部を覆うように位置決めされ、かつ患者の頚骨の近位面と係合するように寸法決めされる。ベース1002は、凸状前側部分1008と、凸状部分1010の間に画定された凹状後側部分1016と、を有する湾曲した外壁部1006を含む。湾曲した外壁部1006の幾何学的形状は、外科医が、脛骨トレイが患者に適していることを確認するためにトライアル22を使用してしてもよいように、脛骨トレイ902の外壁部932と一致するように形状決めされる。脛骨トライアル22は、ベース1002から延在する一対の位置合わせタブ1018も含む。
【0137】
例示的な実施形態では、脛骨トライアルコンポーネント22は、ベース1002へと回転可能に連結された、保持されたボルト1012も含む。ボルト1012はポスト1004から長手方向軸1014に沿って外向き。
【0138】
図17に示すように、トライアルシステム1000はステムコンポーネント1020も含む。ステムコンポーネント1020は、遠位先端部1024から近位端1026へと延在する細長い本体1022を含む。複数のねじ山1028は、近位端1026上に画定される。
【0139】
トライアルシステム1000は、脛骨トライアルコンポーネント22及びステムコンポーネント1020に固定されてオフセット脛骨トライアル構造体1032を形成するように構成されたオフセットアダプタ1030も含む。オフセットアダプタ1030は、
図17に示すように、近位端1036から、近位端1036からオフセットされた遠位端1038へと延在する二部分から成る本体1034を含む。例示的な実施形態では、本体1034は、近位端1036から遠位スリーブ1042へと延在する近位スリーブ1040を含む。遠位スリーブ1042は近位スリーブ1040へと回転可能に連結されて、外科医がステムコンポーネント1020に対する脛骨トライアルコンポーネント22の向きを調節して、脛骨オフセットプロテーゼ962の患者の骨上での最適な位置を見つけることができるようにする。近位スリーブ1040は、近位端1036から遠位スリーブ1042内のねじ付きアパーチャ(図示せず)へと内向きに延在する通路1044を含む。ねじ付きアパーチャは、ボルト1012のねじ付き端部を受容して、アダプタ1030を脛骨トライアルコンポーネント22へと固定するように寸法決めされる。
図17に示すように、遠位スリーブ1042は、遠位スリーブ1042のより広いベースをより狭い遠位端1038へと接続する湾曲したテーパ面1046も含む。
【0140】
本体1034は、遠位端1038内に画定された開口部1050も含む。ボア1052は、開口部1050から内向きに延在する。ボア1052は、ステムコンポーネント1020の近位端1026を受容するように寸法決めされる。複数のねじ山(図示せず)が、ボア1052に沿って形成され、かつステムコンポーネント1020の近位端1026上に形成されたねじ山と係合するように寸法決めされる。
【0141】
図17に示すように、オフセットアダプタ1030は、ねじ付きボア1052を通って、かつステムコンポーネント1020の長手方向軸に沿って延在する遠位軸1060を画定する。オフセットアダプタ1030は、トライアル22のステムポスト1004の長手方向軸1014と位置合わせされた近位軸1062も画定する。軸1060、1062は、互いに平行に延在するが、プロテーゼアセンブリ962の軸986、988と同じだけ互いからオフセットされている。
【0142】
ここで
図18~
図20を参照すると、大腿骨スリーブコンポーネント628を大腿骨コンポーネント16に固定するのに使用するためのスリーブインパクタ1090も含むシステム10が示される。器具1090は、繰り返し使用するために加圧滅菌処理及び殺菌消毒処理が可能な、例えば、ステンレス鋼などの金属材料から形成される単一のモノリシックコンポーネントである。器具1090は、大腿骨嵌入端部1094から脛骨嵌入端部1096へと延在する細長い本体1092を含む。例示的な実施形態では、大腿骨嵌入端部1094は、
図18及び
図20に示すように、面1100内に画定されたアパーチャ1098を有する。アパーチャ1098は、スリーブコンポーネント628の近位端694を覆って位置決めされるように寸法決めされる。例示的な実施形態では、アパーチャ1098は長円形及び楕円形の形状である。
【0143】
図19に示すように、脛骨嵌入端部1096は、面1104内に画定されたアパーチャ1102を有する。下記でより詳細に説明するように、アパーチャ1102は、脛骨スリーブコンポーネント1286(
図46を参照)の遠位端1292を覆って位置決めされるように寸法決めされる。例示的な実施形態では、アパーチャ1102は円形であり、脛骨ベースに対して隙間を提供する。細長い本体1092は、器具1090を各スリーブコンポーネントの端部上に支持するのを補助し、器具が回転するのを防ぐために、一対の対向する平坦面1106、1108も有する。
【0144】
上述したように、整形外科用器具システム10は、
図12~
図17に関して上記の人工関節コンポーネントを組み立てるための外科的処置に用いられてもよい。
図21~
図47は、オフセット大腿骨プロテーゼアセンブリ662を組み立てるためのプロセス(
図21~
図32)、大腿骨スリーブプロテーゼアセンブリ704を組み立てるためのプロセス(
図34~
図37)、及びオフセット脛骨プロテーゼアセンブリ962を組み立てるためのプロセス(
図38~
図43)の様々な工程を図示する。当然のことながら記載されるプロセス及び工程は単なる例示であり、本開示と一致する追加的な工程を除外しない。更に、全ての工程は患者の一方の膝関節のみに用いるためのプロテーゼに関連して示される。当然のことながらもう一方の膝関節用プロテーゼを組み立てるためには、同様の工程に従ってもよい。
【0145】
外科的処置の間、外科医は、患者の骨が最初にトライアル構造体772、1032を受容できるように外科的に準備するために、様々な切断ガイドブロック、切断工具、及びその他の器具を用いてもよい。外科医は、トライアル構造体が患者の骨に取り付けられた状態で、患者の骨に対するトライアル構造体772、1032のフィット性を分析してもよい。外科医は、インサートトライアルが構造体の間に位置決めされた状態で、可動範囲を評価するためのトライアルの削減も実施してもよい。こうして、外科医は、患者の骨に移植するための脛骨及び大腿骨プロテーゼの寸法を決定してもよく、並びにそれぞれのステムコンポーネントに対する脛骨及び大腿骨人工関節コンポーネントの望ましい向き及び位置を決定してもよい。
【0146】
外科的処置のトライアル部分の間、外科医は大腿骨トライアルコンポーネント20をオフセットアダプタ770の近位軸796(及びひいてはステムコンポーネント750)に対して回転してもよい。これを行うために、オフセットアダプタ770の遠位スリーブ780を、患者の大腿骨の骨髄内管内にステムコンポーネント750と共に固定される近位スリーブ782に対して回転することができる。外科医が、大腿骨トライアルコンポーネント20が患者の大腿骨上で適切に位置決めされたと判断した時、外科医は、ボルト734を動作して遠位スリーブ780を近位スリーブ782に対する所定の位置にロックしてもよく、それにより大腿骨トライアルコンポーネント20をステムコンポーネント750に対する所望の向き及び位置にロックする。
【0147】
同様に、外科医は、脛骨トライアルコンポーネント22を、オフセットアダプタ1030の遠位軸1060(及びひいてはステムコンポーネント1020)に対して回転させて、患者の頚骨の近位端上におけるコンポーネント22の位置を変更してもよい。これを行うために、オフセットアダプタ1030の近位スリーブ1040を、患者の頚骨の骨髄内管内にステムコンポーネント1020と共に固定される遠位スリーブ1042に対して回転することができる。脛骨トライアルコンポーネント22が患者の頚骨上で適切に位置決めされた時、外科医は、ボルト1012を動作して近位スリーブ1040を遠位スリーブ1042に対する所定の位置にロックしてもよく、それにより脛骨トライアルコンポーネント22をステムコンポーネント1020に対する所望の向き及び位置にロックしてもよい。
【0148】
ここで
図21~
図32を参照すると、外科医又はその他のユーザは、上記で説明したとおりに作られた大腿骨トライアル構造体772の構成に基づき、器具システム10を用いてオフセット大腿骨プロテーゼアセンブリ662を組み立ててもよい。換言すると、外科医は器具システム10を用いて、外科的処置中に判定された大腿骨トライアルコンポーネント20の所望される向き及び位置と一致する位置及び向きで、人工大腿骨コンポーネント16をステムコンポーネント640に固定してもよい。こうして、組み立てられたオフセット大腿骨プロテーゼ662は、大腿骨トライアル構造体772の構造を複製し、かつそれと一致する。
【0149】
これを行うために、ユーザは、支持アームアセンブリ36及び大腿骨トライアルキャリア30を含む適切なモジュール式器具14を器具ベース12に取り付けてもよい。
図21に示すように、ユーザは、支持アームアセンブリ36の取り付けシャフト126を器具ベース12の取り付けポスト52内に画定された中央通路124と位置合わせしてもよい。更に、支持アームアセンブリ36の位置合わせタブ130は、位置合わせスロット128の上端部と位置合わせされる。次いで、ユーザは、取り付けシャフト126を中央通路124の中へと前進させ、位置合わせタブ130を位置合わせスロット128内に前進させてもよい。タブ130が下向きに、そして位置合わせスロット128に沿って前進すると、細長いアーム258が取り付けポスト52に対して枢動させられる。細長いアーム258は、取り付けポスト52上で適切に位置決めされると、
図21に示すように、垂直延在方向平面270と位置合わせされる。
【0150】
大腿骨トライアルキャリア30を器具ベース12に取り付けるために、ユーザは、ベースプラットフォーム42上で方向孔320、322をそれぞれ円筒形ピン104及び多角形ピン106と位置合わせしてもよい。次いで、ユーザはキャリア30をピン104、106の上方で前進させて、キャリア30の取り付けブロック330をプラットフォーム42上で位置決めしてもよい。ロック機構56がアンロック位置にある時、
図22に示すように、ユーザは軸38を中心にプラットフォーム42(及びひいては大腿骨トライアルキャリア30)を回転させて、大腿骨トライアルキャリア30を位置決めしてもよい。
【0151】
ここで
図22~
図23を参照すると、ユーザは大腿骨トライアル構造体772を大腿骨トライアルキャリア30上に取り付けてもよい。これを行うために、ユーザは、大腿骨トライアル構造体772を、大腿骨トライアルキャリア30の位置合わせピン352及びポスト332の上方で位置決めしてもよい。
図23に示すように、ユーザは、大腿骨トライアルコンポーネント20内に画定されたボア732の遠位開口部1200を位置合わせピン352と位置合わせする。ユーザは、ピン352及びポスト332の上端部がボア732内に受容されるように、大腿骨トライアル構造体772を下向きに前進させてもよい。ピン352は構造体772のボルト734のソケット(図示せず)内に前進して、壁部364が大腿骨トライアルコンポーネント20の顆間切り欠き部718内に位置決めされる。
図22に示すように、外科用器具システム10は、大腿骨トライアルコンポーネント20をキャリア30上で支持するために、壁部364上に位置決めされ、顆間切り欠き部718に位置決めされるように寸法決めされた支持シム1202も含む。
【0152】
図6を再び参照すると、シム1202がより詳細に示される。シム1202は、長手方向軸1210に沿って端面1206から反対の端面1208まで延在する本体1204を含む。本体1204は軸1210に沿って面1206から面1208へと延在する下開口部1212を有する。シム1202は、開口部1212から湾曲したベース壁部1218まで上向きに延在する一対の内側壁部1214、1216を含む。壁部1214、1216、1218は、キャリア30の壁部362、364を受容するように寸法決めされたチャネル1220をシム1202内に画定する。例示的な実施形態では、シム1202は側壁部1214内に画定された溝1222も含む。溝1222は、シム1202を壁部362、364のそれぞれに単一の向きでのみ取り付けられ得るように、キャリア30のリブ370を受容するように寸法決めされる。
【0153】
シム1202は、例示的な実施形態ではポリマーなどの材料から形成される。これは、一対の平坦な側面部1232間に画定された幅又は厚さ1230を有する。
図23を再び参照すると、シム1202の厚さ1230は、顆間切り欠き部718の幅1234とおよそ等しい。幅1234は、大腿骨トライアル20の側壁部720の間に画定される。当然のことながらシステム10は、大腿骨トライアルコンポーネント20及び人工大腿骨コンポーネント16の様々な寸法に対応する様々な厚さの複数のシムを含む。
【0154】
図24に示すように、大腿骨トライアル構造体772は、キャリア30及びシム1202上に位置決めされる。その位置で、大腿骨トライアルコンポーネント20の軸740、及びオフセットアダプタ770によって画定される軸796、798は、器具ベース12の軸38と平行に延在する。
図24の線26-26に沿って取った断面図である
図26に示すように、ポスト332及び位置合わせピン352もまたこれらの軸と平行に延在する。例示的な実施形態では、キャリア30の壁部364と取り付けブロック330との間に画定された直角ではない角度1236は、大腿骨トライアルコンポーネント20の平面742と軸740との間に画定されて軸740、796、798をベース12の軸38と平行に位置決めする直角ではない角度1238と等しい。
【0155】
大腿骨トライアル構造体772が大腿骨トライアルキャリア30上にある状態で、アセンブリを
図24の矢印1240で示されるいずれかの方向に回転させて、大腿骨トライアル構造体772を支持アームアセンブリ36に対して向けてもよい。例示的な実施形態では、大腿骨トライアル構造体772は回転されて、支持アームアセンブリ36の軸38及び軸260によって画定される垂直に延在する方向平面270内に軸740、796、798を位置決めする。更に、近位スリーブ782がオフセットアダプタ770の遠位スリーブ780よりもアームアセンブリ36の近くに位置決めされるように、軸798が方向平面270内で軸796と支持アームアセンブリ36との間に位置決めされる。適切に位置決めされたら、ユーザは支持アームアセンブリ36の先端部264を、
図24の矢印1242が示すように軸260に沿って大腿骨トライアル構造体772に向けて前進させてもよい。
【0156】
図25に示すように、シャフト278、280は大腿骨トライアル構造体772上を前進して、オフセットアダプタ770を、支持アーム36のチャネル282の近位端288内に位置決めする。ユーザは、オフセットアダプタ770のテーパ付き面786がアーム36から離れる方向を向いており、かつシャフト278、280の面取りされた端壁部284と位置合わせされていることを確認することによって、大腿骨トライアル構造体772が適切に配向されていることを確認してもよい。一部の実施形態では、
図26に示すように、ユーザは、例えばオフセットアダプタ770の上に画定された線1244などの視覚的な印がアーム36に面して向いており、かつチャネル282と位置合わせされていることを確認することによって、大腿骨トライアル構造体772が適切に配向されていることを確認してもよい。
【0157】
図25を再び参照すると、ユーザは締付機構300を動作して、大腿骨トライアル構造体772を支持アーム36に固定してもよい。これを行うために、ユーザはノブ302をその軸を中心に回転させて、細長いシャフト304をねじ付きボア308へと螺入させ、シャフト278、280が互いに近づくように引いてもよい。シャフト278、280が近づくように移動すると、チャネル282がより狭くなって、シャフト278、280がオフセットアダプタ770と係合する。
【0158】
ユーザはロック機構56を動作して、プラットフォーム42をアーム36及びベース12のハウジング40に対する所定の位置にロックしてもよい。これを行うために、ユーザはノブ140のグリップ146を把持して、
図25の矢印224が示す方向にノブ140を回転させてもよい。ノブ140が回転させられると、ロック機構56のクラッチ170が回転し、歯202を前進させてプラットフォーム42の歯102と係合させ、それによりプラットフォーム42をハウジング40に対する所定の位置にロックする。この時点で、器具ベース12は、大腿骨トライアル構造体772の位置及び向きを複製することができ、オフセット大腿骨プロテーゼ600の組み立てを開始する準備が整っている。
【0159】
ユーザは、締付機構300を動作して、シャフト278、280をオフセットアダプタ770から係脱してもよい。大腿骨トライアル構造体772がキャリア30から取り外されてもよいように、支持アーム36を大腿骨トライアル構造体772から遠ざかるように移動させてもよい。ユーザは、キャリア30も器具ベース12から取り外す。全体を通して、ノブ140(及びひいてはロック機構56)は、ハウジング40に対してプラットフォーム42が回転しないようにロック位置にある。
【0160】
ここで
図28を参照すると、ユーザは、大腿骨トライアルキャリア30に対して上記で説明したのと同様の様式で、孔320、322をプラットフォーム42の適切なピン44上に位置決めすることによって、大腿骨プロテーゼキャリア32をプラットフォーム42に取り付けてもよい。ユーザは、
図28に示すように、同じ支持シム1202をキャリア32の壁部464の上へと摺動させてもよい。大腿骨トライアルコンポーネント20に対応する人工大腿骨コンポーネント16は、キャリア32のポスト432と位置合わせさせてから、ポスト432上を前進させて、コンポーネント16を
図29~
図30に示すように位置決めしてもよい。
【0161】
図29の線31-31に沿って取った断面図である
図31に示すように、ポスト432は大腿骨コンポーネント16のボア622の近位開口部内に受容される。例示的な実施形態では、軸630をベース12の軸38と平行に、かつ方向平面270内に位置決めする大腿骨コンポーネント16の平面632と軸630との間に画定される直角ではない角度1248と等しい、キャリア32の壁部464と取り付けブロック430との間に画定された直角ではない角度1246。上述したように、キャリア32は、ブロック430の一方の面で厚さが薄くなる部分476を含む。
図31に示すように、この薄くなった厚さは、ブロック430と大腿骨コンポーネント16の顆606との間で間隙1252を維持する。
【0162】
図29を再び参照すると、ユーザはオフセットアダプタ660を大腿骨コンポーネント16に取り付けてもよい。これを行うために、ユーザはねじ付きシャフト670を大腿骨コンポーネント16のポスト616と位置合わせして、ねじ付きシャフト670をボア622の中へと前進させてもよい。シャフト670はその軸686を中心に回転させられて、ロッキングナット676(アダプタ660のリム壁部672に対向して位置している)を前進させてポスト616と接触させる。ロッキングナット676がポスト616上に位置している状態で、ユーザは、
図30に示すように、軸686を中心にアダプタ660の近位端668を回転させて、湾曲したテーパ面674を支持アームアセンブリ36から遠ざかる方向に向けてもよい。この位置では、軸630、686、688は垂直延在方向平面270内に位置決めされる。更に、オフセットアダプタ660の近位端668が遠位端666よりもアームアセンブリ36の近くに位置決めされるように、軸686は方向平面270内で軸688と支持アームアセンブリ36との間に位置決めされる。
【0163】
ユーザは、アームの先端部264をオフセットアダプタ660に向けて前進させることによって、オフセットアダプタ660を支持アーム36のチャネル282内に位置決めしてもよい。アダプタ660がチャネル282内に位置決めされていると、ユーザは締付機構300を動作してオフセットアダプタ660を支持アーム36に固定してもよい。これを行うために、ユーザはノブ302をその軸を中心に回転させて、細長いシャフト304をねじ付きボア308へと螺入させ、シャフト278、280が互いに近づくように引いてもよい。
図30に示すように、シャフト278、280が近づくように移動すると、チャネル282がより狭くなって、シャフト278、280はオフセットアダプタ660と係合する。
【0164】
オフセットアダプタ660が支持アームアセンブリ36内に保持されている状態で、ユーザは、トルクレンチ(図示せず)を用いて、ロッキングナット676をポスト616に対して締め付けて、コンポーネント16、660に予荷重を加えてもよい。例示的な実施形態では、予荷重はポスト616のねじ付き部分624及びねじ山シャフト670を張力下に置いて、コンポーネント16をオフセットアダプタ660に固定する。
【0165】
ここで
図32を参照すると、ユーザは、ステムコンポーネント750の構成(例えば、長さ)に基づいて、プロテーゼ662のためのステムコンポーネント640を選択してもよい。その後、ユーザは、ステムコンポーネント640の遠位端644を近位端668のねじ付きボア684に螺入することによって、ステムコンポーネント640をオフセットアダプタ660の近位端668へと固定してもよい。ユーザはトルクレンチ(図示せず)を用いてステムコンポーネント640をオフセットアダプタ660に対して締め付け、予荷重をコンポーネント640、660に加えてオフセットプロテーゼ662を形成してもよい。このようにして、オフセットトライアル構造体772の配向及び位置決めがオフセットプロテーゼ662で複製される。次いで、ユーザは、支持アームアセンブリ36をプロテーゼ662から分離し、プロテーゼ662を患者の大腿骨へと移植するためにキャリア32から取り外してもよい。
【0166】
図33に示すように、器具ベース12、キャリア32、及びシステム10他の器具を用いて、真っ直ぐなステムの大腿骨プロテーゼ1250を組み立ててもよい。例示的な実施形態では、真っ直ぐなステムの大腿骨プロテーゼ1250は、大腿骨コンポーネント16と、大腿骨コンポーネント16のポスト616に固定されたステムコンポーネント640と、を含む。
図33に示すように、大腿骨コンポーネント16は上記で説明したのと同様の様式で、ベース12に取り付けられる。当然のことながら上述したように、支持アーム36はステムコンポーネント640上を前進させられて、トルク付与中にステムコンポーネント640を拘束するように動作される。
【0167】
ここで
図34~
図37を参照すると、キャリア32及びスリーブインパクタ1090を用いて大腿骨スリーブプロテーゼアセンブリ704を組み立ててもよい。これを行うために、大腿骨コンポーネント16を、
図34に示すように、上記で説明したのと同様の様式でキャリア32及びシム1202上に取り付ける。次いで、スリーブコンポーネント628を、大腿骨コンポーネント16のポスト616上で前進させてもよい。
図35に示すように、ポスト616は遠位端692内に画定された開口部内に受容される。上述したように、スリーブコンポーネント628がテーパロックによってポスト616に固定されてもよいように、遠位開口部はポスト616のテーパ付き外面626に対応するテーパ付き内面によって画定される。
【0168】
テーパロックをもたらすため、ユーザはスリーブインパクタ1090を用いてスリーブコンポーネント628の近位端694を係合させてもよい。
図36に示すように、スリーブコンポーネント628の近位端694は、大腿骨嵌入端部1094内に画定されたアパーチャ1098内に位置決めされる。ユーザは木づち又は他の器具を用いて脛骨嵌入端部1096を叩き、スリーブコンポーネント628をポスト616に沿って前進させてテーパロックをもたらしてもよい。
【0169】
上述したように、スリーブコンポーネント628は、ステムコンポーネント640に固定されるように構成される。これを行うために、ステムコンポーネント640のねじ付き遠位端646を、スリーブコンポーネント628の近位端694内に画定されたねじ付きボア650へと螺入する。ユーザはトルクレンチ(図示せず)を用いてステムコンポーネント640をスリーブコンポーネント628に対して締め付け、予荷重をコンポーネント628、640に加えてスリーブプロテーゼアセンブリ704を形成してもよい。
【0170】
ステムコンポーネント640にトルクを加える間にスリーブコンポーネント628を所定の位置に保持するため、ユーザは
図37に示すレンチ1260を用いてもよい。レンチ1260は細長いハンドル1262と、ハンドル1262に取り付けられたヘッド1264と、を含む。ヘッド1264は、スリーブコンポーネント628の近位端694を受容するように寸法決めされたスロット1270を画定した一対のアーム1266、1268を含む。各アーム1266、1268は、スロット1270を画定する複数の面1274と、面1274からスロット1270内に延在する複数のローブ1272と、を含む。各ローブ1272は丸みを帯び、スリーブ628の近位端694の平坦面(縁部とは対照的に)に対して構成される。
【0171】
上述したように、手術中、外科医は脛骨トライアル構造体1032を患者の頚骨上に位置決めして、脛骨トライアルコンポーネント22を、オフセットアダプタ1030の遠位軸1060(及びひいてはステムコンポーネント1020)に対して回転させて、患者の頚骨の近位端上におけるトライアルコンポーネント22の位置を変更してもよい。脛骨トライアルコンポーネント22が患者の頚骨上で適切に位置決めされたら、外科医は、ボルト1012を動作してオフセットアダプタ1030の近位スリーブ1040を遠位スリーブ1042に対する所定の位置にロックして、それにより脛骨トライアルコンポーネント22をステムコンポーネント1020に対する所望の向き及び位置にロックしてもよい。
【0172】
ここで
図38~
図43を参照すると、上記で説明したとおりに作られた脛骨トライアル構造体1032の構成に基づき、器具システム10を用いてオフセット脛骨プロテーゼアセンブリ962を組み立ててもよい。換言すると、外科医は器具システム10を用いて、外科的処置中に判定された脛骨トライアルコンポーネント22の所望される向き及び位置と一致する位置及び向きで、人工脛骨コンポーネント18をステムコンポーネント940に固定してもよい。こうして、組み立てられたオフセット脛骨プロテーゼ962は、脛骨トライアル構造体1032の構造を複製し、かつそれと一致する。
【0173】
これを行うために、ユーザは、支持アームアセンブリ36及び脛骨コンポーネントキャリア34を含む適切なモジュール式器具14を器具ベース12に取り付けてもよい。脛骨コンポーネントキャリア34を器具ベース12に取り付けるために、ユーザは、
図38に示すように、ベースプラットフォーム42上で方向孔320、322をそれぞれ円筒形ピン104及び多角形ピン106と位置合わせしてもよい。次いで、ユーザはキャリア34をピン104、106上に前進させて、キャリア34の取り付けブロック500をプラットフォーム42上に位置決めしてもよい。ロック機構56がアンロック位置にある時、
図39に示すように、ユーザはプラットフォーム42(及びひいてはキャリア34)を軸38を中心に回転させて、キャリア34を位置決めすることができる。
【0174】
ユーザは、
図39に示すように、脛骨トライアル構造体1032をキャリア34上に位置決めしてもよい。例示的な実施形態では、見やすさのために構造体1032のステムコンポーネント1020は取り外されている。当然のことながらステムコンポーネント1020は以下で説明する各工程の間に取り付けられていてもよい。構造体1032をキャリア34に取り付けるために、ユーザは、トライアル22のタブ1018を、クランププレート504内に画定されたY字型チャネル560と位置合わせする。次いでユーザはトライアル22のベース1002を移動してクランププレート504のパッド556、558と接触させることができる。
図39に示すように、ジョー562の内壁部566は、後側部分1010と凹状後側部分1016内のとの間に位置決めされる。前壁部分1008は、キャリア34のジョー542に面する。次いでユーザはノブ580を用いてジョー542、562を互いに向けて前進させ、それらの間にベース1002をクランプしてもよい。
【0175】
図39に示すように、脛骨トライアル構造体1032はキャリア34上に位置決めされる。この位置では、軸1014、1060、1062は器具ベース12の軸38と平行に延在する。脛骨トライアル構造体1032がキャリア34上にある状態で、アセンブリを矢印1240で示されるいずれかの方向に回転させて、脛骨トライアル構造体1032を支持アームアセンブリ36に対して向けてもよい。例示的な実施形態では、脛骨トライアル構造体1032は回転させられて、軸1014、1060、1062を垂直延在方向平面270内に位置決めする。更に、遠位スリーブ1042がオフセットアダプタ1030の近位スリーブ1040よりもアームアセンブリ36の近くに位置決めされるように、軸1062が方向平面270内で軸1060と支持アームアセンブリ36との間に位置決めされる。適切に位置決めされたら、ユーザは先端部264を、矢印1242が示すように軸260に沿って脛骨トライアル構造体1032に向けて前進させてもよい。
【0176】
図40に示すように、シャフト278、280は脛骨トライアル構造体1032上を前進して、オフセットアダプタ1030を支持アーム36のチャネル282の近位端288内に位置決めする。ユーザは、オフセットアダプタ1030のテーパ付き面1046がアーム36から離れる側を向いており、かつシャフト278、280の面取りされた端壁部284と位置合わせされていることを確認することで、脛骨トライアル構造体1032が適切に方向付けられていることを確認してもよい。一部の実施形態では、ユーザは、オフセットアダプタ1030上に画定された視覚的な印がアーム36に向かって面しており、チャネル282と位置合わせされていることを確認することで、脛骨トライアル構造体1032が適切に配向されていることを確認してもよい。
【0177】
ユーザは締付機構300を動作して脛骨トライアル構造体1032を支持アーム36に固定してもよい。これを行うために、ユーザはノブ302をその軸を中心に回転させて、細長いシャフト304をねじ付きボア308の中へと螺入させ、シャフト278、280を互いに近づくように引いてもよい。シャフト278、280が近づくように移動すると、チャネル282がより狭くなって、シャフト278、280がオフセットアダプタ1030と係合する。ユーザはまた、ロック機構56も動作して、プラットフォーム42をアーム36及びベース12のハウジング40に対する所定の位置にロックしてもよい。これを行うために、ユーザはノブ140のグリップ146を把持して、
図40の矢印224が示す方向にノブ140を回転させてもよい。
【0178】
プラットフォーム42の回転が防がれている状態で、ユーザは、締付機構300を動作して、シャフト278、280をオフセットアダプタ1030から係脱してもよい。脛骨トライアル構造体1032がキャリア34から取り外されてもよいように、支持アーム36を脛骨トライアル構造体1032から遠ざかるように移動させてもよい。
【0179】
図41に示すように、脛骨トライアル構造体1032の代わりに、脛骨トライアルコンポーネント22に対応するトレイ902などの人工脛骨コンポーネント18をキャリア34に取り付けられてもよい。これを行うために、ユーザは、トレイ902のY字型バットレス914と、クランププレート504内に画定されたY字型チャネル560とを位置合わせする。次いでユーザは脛骨トレイ902のプラットフォーム904を移動してクランププレート504のパッド556、558と接触させてもよい。
図39に示すように、ジョー562の内壁部566は、凹状後側部分936内の後側部分938の間に位置決めされる。前壁部分934は、キャリア34のジョー542に面する。次いでユーザはノブ580を用いてジョー542、562を互いに向けて前進させ、それらの間に脛骨トレイ902をクランプしてもよい。
【0180】
ここで
図42を参照すると、ユーザはオフセットアダプタ960を脛骨トレイ902へと取り付けてもよい。これを行うために、ユーザはねじ付きシャフト970を脛骨トレイ902のポスト906と位置合わせして、ねじ付きシャフト970をボア922内へと前進させてもよいことができる。シャフト970はその軸988を中心に回転させられて、ロッキングナット976(アダプタ960のリム壁部972に対向して位置している)を前進させ、ポスト906と接触させる。ロッキングナット976がポスト906上に位置していると、ユーザは、
図42に示すように、軸988を中心にアダプタ960の遠位端966を回転させて、湾曲テーパ面974を支持アームアセンブリ36から遠ざかる方向に向けてもよい。この位置では、軸930、986、988は垂直延在方向平面270内に位置決めされる。更に、オフセットアダプタ960の遠位端966が遠位端666よりもアームアセンブリ36の近くに位置決めされるように、軸988が方向平面270内で軸986と支持アームアセンブリ36との間に位置決めされる。
【0181】
ユーザは、アームの先端部264をオフセットアダプタ960に向けて前進させることによって、オフセットアダプタ960を支持アーム36のチャネル282内に位置決めしてもよい。アダプタ960がチャネル282内に位置決めされていると、ユーザは締付機構300を動作してオフセットアダプタ960を支持アーム36に固定してもよい。これを行うために、ユーザはノブ302をその軸を中心に回転させて、細長いシャフト304をねじ付きボア308の中へと螺入させ、シャフト278、280を互いに近づくように引いてもよい。
図43に示すように、シャフト278、280が移動して接近すると、チャネル282がより狭くなって、シャフト278、280がオフセットアダプタ960と係合する。
【0182】
オフセットアダプタ960が支持アームアセンブリ36によって把持されている状態で、ユーザは、トルクレンチ(図示せず)を用いて、ロッキングナット976をポスト906に締め付けて、コンポーネント18、960に予荷重を加えてもよい。例示的な実施形態では、予荷重は、ポスト616のボア922のねじ山と、ねじ付きシャフト970と、を張力下に置き、それによってコンポーネント18をオフセットアダプタ960に固定する。
【0183】
ユーザは、ステムコンポーネント1020の構成(例えば、長さ)に基づいて、プロテーゼ962のためのステムコンポーネント940を選択してもよい。次いで、ユーザは、ステムコンポーネント940の近位端944をアダプタ960のねじ付きボア982に螺入することによって、ステムコンポーネント940をオフセットアダプタ960の遠位端966に固定してもよい。ユーザはトルクレンチ(図示せず)を用いてステムコンポーネント940をオフセットアダプタ960に対して締め付け、予荷重をコンポーネント940、960に加えてオフセットプロテーゼ962を形成してもよい。このようにして、オフセットトライアル構造体1032の向き及び位置決めがオフセットプロテーゼ962で複製される。次いで、ユーザは、支持アームアセンブリ36をプロテーゼ962から分離し、プロテーゼ962を患者の頚骨に移植するためにキャリア34から取り外すことができる。
【0184】
図44~
図47に示すように、脛骨スリーブプロテーゼ1280を組み立てるために、器具ベース12、キャリア34、及びシステム10他の器具が用いられてもよい。例示的な実施形態では、プロテーゼ1280は、
図44に示すように、長尺でテーパ状のステムポスト1284を除いて脛骨トレイ902と同様の脛骨トレイ1282を含む。プロテーゼ1280は、
図45に示すように、テーパ状のステムポスト1284上に位置決めされるように構成されたスリーブコンポーネント1286も含む。スリーブコンポーネント1286は、段付き外壁部1290と、テーパロックによってスリーブコンポーネント1286を脛骨トレイ1282に固定するように構成されたテーパ付き内壁部(図示せず)と、を含む。
【0185】
図44に示すように、脛骨トレイ1282は上記で説明したのと同様の様式でキャリア34を用いてベース12に取り付けられる。当然のことながら支持アーム36は脛骨スリーブプロテーゼ1280を組み立てるのには必要ではない。脛骨トレイ1282がキャリア34上に位置決めされていると、
図45に示すように、スリーブコンポーネント1286はポスト1284の上へ前進させられる。
【0186】
テーパロックをもたらすため、ユーザはスリーブインパクタ1090を用いてスリーブコンポーネント1286の遠位端1292を係合させてもよい。
図46に示すように、スリーブコンポーネント1286の遠位端1292は、脛骨嵌入端部1096内に画定されたアパーチャ1102内に位置決めされる。ユーザは木づち又は他の器具を用いて大腿骨嵌入端部1094を叩き、スリーブコンポーネント1286をポスト1284に沿って前進させてテーパロックを作りだしてもよい。
【0187】
脛骨トレイ1282のポスト1284は、ステムコンポーネント940に固定されるように構成される。これを行うために、
図47に示すように、ステムコンポーネント940のねじ付き近位端944を、ポスト1284の遠位端1296内に画定されたねじ付きボア1294の中へと螺入する。ユーザはトルクレンチ(図示せず)を用いてステムコンポーネント940を脛骨トレイ1282に締め付け、予荷重を940、1282に加えてスリーブプロテーゼアセンブリ1280を形成してもよい。
【0188】
図面及び上記の説明において本開示を詳細に例証及び説明してきたが、このような例証及び説明は、その性質上、あくまで例示的なものであって限定的なものとは見なすべきではなく、あくまで例示的な実施形態を示しかつ説明してきたにすぎず、本開示の趣旨の範囲内に含まれる全ての変更及び改変は保護されることが望ましいことが理解される。
【0189】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく複数の利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ以上の特徴を取り入れた、添付の特許請求の範囲において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0190】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
脛骨トライアル構造体と、取り付けプラットフォーム及びスタビライザアームを含む外科用器具とを位置合わせすることであって、前記脛骨トライアル構造体は、第1の軸を画定するベーストライアルと、前記第1の軸からオフセットされている第2の軸を画定するオフセットアダプタトライアルと、を備える、ことと、
前記脛骨トライアル構造体を前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、
前記取り付けプラットフォームを回転させて、前記第1の軸及び前記第2の軸を、前記スタビライザアームを通って垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨トライアル構造体とを係合させることと、
前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止することと、
前記脛骨トライアル構造体を取り外した後に脛骨人工関節コンポーネントを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めして、これにより、前記脛骨人工関節コンポーネントの遠位ポストによって画定される第3の軸を前記平面内に位置決めすることと、
脛骨オフセットアダプタを前記遠位ポスト上に位置決めすることであって、前記脛骨オフセットアダプタは、前記第3の軸からオフセットされている第4の軸を画定する遠位端を含む、ことと、
前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端を回転させて、前記第4の軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記第3の軸及び前記第4の軸が前記平面内に位置決めされた状態で、前記脛骨オフセットアダプタを前記脛骨人工関節コンポーネントに固定することと、を含む、方法。
(2) キャリアを前記取り付けプラットフォームに取り付けることを更に含み、
前記脛骨トライアル構造体を前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることは、前記脛骨トライアル構造体を前記キャリア上に位置決めすることと、前記キャリアの第1のクランププレートを前進させて前記脛骨トライアル構造体の前記ベーストライアルと係合させ、前記ベーストライアルを前記キャリアの前記第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記脛骨トライアル構造体を取り外した後に前記脛骨人工関節コンポーネントを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることは、
前記脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めすることと、
前記第1のクランププレートを前進させて前記脛骨人工関節コンポーネントと係合させ、前記脛骨人工関節コンポーネントを前記第1のクランププレートと前記第2のクランププレートとの間に固定することと、を含む、実施態様2に記載の方法。
(4) ステムコンポーネントを前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端に固定することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端を回転させて、前記第3の軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めした後に、前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端とを係合させることを更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0191】
(6) 前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端とを係合させることは、前記脛骨オフセットアダプタの前記遠位端を、前記スタビライザアーム内に画定されるチャネル内に位置決めすることを含む、実施態様5に記載の方法。
(7) 前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記オフセットアダプタトライアルとを係合させることは、前記オフセットアダプタトライアルを前記スタビライザアーム内に画定される前記チャネル内に位置決めすることを含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止する前に、前記オフセットアダプタトライアルを前記スタビライザアームの近位先端部内に固定することを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記オフセットアダプタトライアル上の視覚的マーキングと、前記スタビライザアーム内の位置合わせウィンドウとを位置合わせすることを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記オフセットアダプタトライアルとを係合させることは、前記近位先端部の面取り端面と、前記オフセットアダプタトライアルのテーパ面とを位置合わせすることを更に含む、実施態様7に記載の方法。
【0192】
(11) 整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
垂直に延在する軸を中心に外科用器具の取り付けプラットフォームを回転させることと、
キャリアを前記取り付けプラットフォームに取り付けることと、
第1の脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めすることであって、前記第1の脛骨人工関節コンポーネントは、脛骨トレイと、前記脛骨トレイから延在するポストと、を含む、ことと、
前記キャリアの第1のクランププレートを前進させて前記脛骨トレイと係合させ、前記脛骨トレイを前記キャリアの前記第1のクランププレートと第2のクランププレートとの間に固定することと、
第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することと、を含む、方法。
(12) 前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することは、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記ポストのテーパ外面に沿って摺動させて前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記ポストに固定することであって、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントは段付き外面を含む、こと、を含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することは、インパクタの第1の端部を前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端に取り付けることと、前記インパクタの第2の端部に力を加えることと、を更に含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストは第1の軸を画定し、
前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することは、
前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの遠位端を回転させて、前記遠位端によって画定される第2の軸を、垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記第1の軸及び前記第2の軸が前記垂直に延在する平面内に位置決めされた状態で、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記第1の脛骨人工関節コンポーネントの前記ポストに固定することと、を含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記外科用器具のスタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームを前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの前記遠位端上に位置決めすることと、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントを前記スタビライザアームに固定することと、を更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0193】
(16) 前記スタビライザアームは、前記垂直に延在する平面に沿って延在する細長い本体を有する、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームを前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの前記遠位端上に位置決めすることは、前記第2の脛骨人工関節コンポーネントの前記遠位端を、前記スタビライザアームの近位先端部間に画定されるチャネル内に位置決めすることを含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 脛骨トライアル構造体を前記キャリア上に位置決めすることであって、前記脛骨トライアル構造体は、ベース軸を画定するベーストライアルと、前記ベース軸からオフセットされているステム軸を画定するオフセットトライアルと、を備える、ことと、
前記外科用器具のスタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記脛骨トライアル構造体とを係合させることと、
前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止することと、
前記第1の脛骨人工関節コンポーネントを前記キャリア上に位置決めする前に前記脛骨トライアル構造体を前記キャリアから取り外すことと、を更に含み、
前記外科用器具の前記取り付けプラットフォームを回転させることは、前記キャリア及び前記脛骨トライアル構造体を回転させて、前記ベース軸及び前記ステム軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めすることを含む、実施態様12に記載の方法。
(19) 整形外科用プロテーゼを組み立てる方法であって、
人工関節トライアルアセンブリと、取り付けプラットフォーム及びスタビライザアームを含む外科用器具とを位置合わせすることであって、前記人工関節トライアルアセンブリは、第1の軸を画定する人工関節トライアルコンポーネントと、前記第1の軸からオフセットされている第2の軸を画定するオフセットアダプタトライアルと、を備える、ことと、
前記人工関節トライアルアセンブリを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めすることと、
前記取り付けプラットフォームを回転させて、前記第1の軸及び前記第2の軸を、前記スタビライザアームを通って垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記スタビライザアームを前記垂直に延在する平面に沿って前進させて、前記スタビライザアームと前記人工関節トライアルアセンブリとを係合させることと、
前記取り付けプラットフォームをロックして、前記スタビライザアームに対する回転を防止することと、
前記人工関節トライアルアセンブリを取り外した後に人工関節コンポーネントを前記取り付けプラットフォーム上に位置決めして、これにより、前記人工関節コンポーネントのポストによって画定される第3の軸を前記平面内に位置決めすることであって、前記人工関節コンポーネントは、前記人工関節トライアルコンポーネントの寸法及び形状と一致する寸法及び形状を有する、ことと、
オフセットアダプタを前記ポスト上に位置決めすることであって、前記オフセットアダプタは、前記第1の軸と前記第2の軸とのオフセットと同じ量だけ前記第3の軸からオフセットされている第4の軸を画定する端部を含む、ことと、
前記オフセットアダプタの前記端部を回転させて、前記第4の軸を前記垂直に延在する平面内に位置決めすることと、
前記第3の軸及び前記第4の軸が前記平面内に位置決めされた状態で、前記オフセットアダプタを前記人工関節コンポーネントに固定することと、を含む、方法。
(20) 前記人工関節コンポーネントは脛骨人工関節コンポーネントであり、前記人工関節トライアルコンポーネントは脛骨トライアルである、実施態様19に記載の方法。
【0194】
(21) 前記人工関節コンポーネントは大腿骨人工関節コンポーネントであり、前記人工関節トライアルコンポーネントは大腿骨トライアルである、実施態様19に記載の方法。