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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/10 20210101AFI20221226BHJP
   G03B 9/02 20210101ALI20221226BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20221226BHJP
   H04N 23/75 20230101ALI20221226BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20221226BHJP
   G02B 7/02 20210101ALN20221226BHJP
   G02B 7/04 20210101ALN20221226BHJP
【FI】
G02B7/10 E
G02B7/10 C
G03B9/02 C
G03B5/00 J
H04N5/238
H04N5/225 400
G02B7/02 Z
G02B7/04 D
G02B7/04 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018238180
(22)【出願日】2018-12-20
(65)【公開番号】P2020101606
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】蓮沼 雄司
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-003347(JP,A)
【文献】特開2010-072062(JP,A)
【文献】特開2008-216877(JP,A)
【文献】特開2012-103555(JP,A)
【文献】特開2015-018050(JP,A)
【文献】特開2014-130171(JP,A)
【文献】特開2010-039083(JP,A)
【文献】特開2006-058761(JP,A)
【文献】特開2003-075880(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0343370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/10
G03B 9/02
G03B 5/00
H04N 5/238
H04N 5/225
G02B 7/02
G02B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絞り駆動用モータを有し、前記絞り駆動用モータにより中央の開口の径が変更される絞りユニットと、
固定部材、及び、像振れ補正用レンズ群を保持する可動部材を有し、前記固定部材に対して前記可動部材が移動することにより像振れを防止するための防振ユニットと、を備えたレンズ鏡筒であって、
前記絞りユニットは、前記防振ユニットに光軸方向に隣接して設けられており、
前記絞りユニットの前記絞り駆動用モータは、前記防振ユニットの前記固定部材及び前記可動部材が配置されている側に突出しており、前記防振ユニットと光軸直交方向に並列に設けられており、
前記防振ユニットは、
前記可動部材に取り付けられた縦方向駆動用コイル、及び、横方向駆動用コイルと、
前記縦方向駆動用コイル及び前記横方向駆動用コイルに対応するように前記固定部材に設けられた縦方向駆動用磁石、及び、横方向駆動用磁石と、
前記縦方向駆動用コイル、及び、横方向駆動用コイルに、前記可動部材の移動量に応じた位置指令信号を送信する制御部と、
前記制御部から延び、前記縦方向駆動用コイル、及び、前記横方向駆動用コイルに接続されたフレキシブル基板と、を有し、
前記フレキシブル基板は、前記制御部から延びる基部と、分岐部において前記基部から分割され、前記縦方向駆動用コイルに接続される第1枝部と、前記分岐部において前記基部から分割され、前記横方向駆動用コイルに接続される第2枝部と、を含み、
前記可動部材は前記固定部材に対して前記絞りユニット側に位置し、
前記分岐部は、前記フレキシブル基板の前記固定部材に沿うように設けられた部分に配置されている、ことを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
前記第1枝部及び前記第2枝部は、それぞれ、
前記固定部材に沿うように設けられた固定側部と、
前記固定側部から前記可動部材に向かって延びる起立部と、
前記起立部から前記可動部材に沿ように延びる可動側部と、を有し、
前記絞り駆動用モータは、前記第1枝部及び前記第2枝部の前記起立部の間に配置されている、
請求項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記絞り駆動用モータは、前記防振ユニットの前記可動部材と光軸直交方向に並列に配置されている、
請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記固定部材は、前記絞り駆動用モータが対向する位置に開口部が形成されており、
前記絞り駆動用モータは、前記固定部材の前記開口部に挿入されて配置されている、
請求項1からの何れか1項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
光軸に垂直な断面において、前記絞り駆動用モータに対して光軸から外方に、前記像振れ補正用レンズ群以外のレンズ群を光軸方向に駆動するための駆動機構を構成する部材の一部が配置されている、請求項1~の何れかに記載のレンズ鏡筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒に関し、特に、絞りユニットと防振ユニットを備えたレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
防振機能を備えたズームレンズ鏡筒は、光軸方向に移動可能な複数のレンズ群と、絞りユニットと、防振ユニットとを備えている。絞りユニットは、中央に開口を有し、絞り駆動用モータにより絞り羽根を半径方向に進退させて開口の径を調整することにより光量を調整する。また、防振ユニットは、固定部と、補正用レンズ群を保持する可動部とを有し、固定部に対して光軸と垂直な方向に可動部が移動されることにより像振れを防止する。可動部には駆動コイルが設けられており、可動部を駆動させるべく、制御装置から延びるフレキシブルプリント基板が駆動コイルに接続されている。
【0003】
このようなズームレンズ鏡筒として、例えば特許文献1には、フレキシブル基板が、固定部材に固定される部分と、固定部に固定される部分から可動部に向けて光軸方向に延伸する部分と、延伸する部分の延伸端側を分岐して光軸周りに反対方向に引き回し、可動部の光軸を挟んだ略対向した位置に固定する部分と、を備えた構成のズームレンズ鏡筒が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-103735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ズームレンズ鏡筒では、光学設計に応じて絞りユニットを、防振ユニットに対して光軸方向に隣接して近傍に設ける場合がある。上述の通り、絞りユニットは絞り駆動用モータを有し、絞り駆動用モータは光軸方向に突出している。このため、絞りユニットを防振ユニットに対して隣接して設けるために、絞り駆動用モータを防振ユニットと反対側に突出させることが考えられる。しかし、絞り駆動用モータを防振ユニットと反対側に突出させた場合には、絞り駆動用モータがレンズ群の移動範囲と干渉してしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、絞りユニットと防振ユニットとを光軸方向に隣接して設けた場合であっても、絞り駆動用のモータがレンズ群の移動範囲に干渉しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレンズ鏡筒は、絞り駆動用モータを有し、絞り駆動用モータにより中央の開口の径が変更される絞りユニットと、固定部材、及び、像振れ補正用レンズ群を保持する可動部材を有し、固定部材に対して可動部材が移動することにより像振れを防止するための防振ユニットと、を備えたレンズ鏡筒であって、絞りユニットは、防振ユニットに光軸方向に隣接して設けられており、絞りユニットの絞り駆動用モータは防振ユニット側に突出しており、防振ユニットと光軸直交方向に並列に設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
上記構成の本発明によれば、防振ユニット側に突出するように設けられた絞り駆動用モータが、防振ユニットと光軸方向に並列に設けられているため、絞りユニットと防振ユニットとを光軸方向に近接して配置できる。また、絞り駆動用モータが防振ユニット側に突出するため、絞り駆動用のモータがレンズ群の移動範囲と干渉することがなく、レンズ群の移動距離を大きくすることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、防振ユニットは、可動部材に取り付けられた縦方向駆動用コイル、及び、横方向駆動用コイルと、縦方向駆動用コイル及び横方向駆動用コイルに対応するように固定部材に設けられた縦方向駆動用磁石、及び、横方向駆動用磁石と、縦方向駆動用コイル、及び、横方向駆動用コイルに、可動部材の移動量に応じた位置指令信号を送信する制御部と、制御部から延び、縦方向駆動用コイル、及び、横方向駆動用コイルに接続されたフレキシブル基板と、を有し、フレキシブル基板は、制御部から延びる基部と、分岐部において基部から分割され、縦方向駆動用コイルに接続される第1枝部と、分岐部において基部から分割され、横方向駆動用コイルに接続される第2枝部と、を含み、可動部材は固定部材に対して絞りユニット側に位置し、分岐部はフレキシブル基板の固定部材に沿うように設けられた部分に配置されている。
【0010】
縦方向駆動用コイルに接続される第1枝部と、横方向駆動用コイルに接続される第2枝部には、可動部材の移動を吸収するため周方向に延びる湾曲部を形成する必要がある。このため、特許文献1(例えば、図9参照)のように分岐部を可動部材側に設ける場合には、可動部側で分岐部から第1枝部及び第2枝部が周方向反対に延び、これらが縦方向駆動用コイル及び縦方向駆動用コイルに接続されるため、防振用レンズの周囲のほぼ全周にわたってフレキシブル基板及び駆動用コイルが位置することになる。このような場合には、フレキシブル基板等と干渉しないように絞りユニットを配置しなければならず、絞りユニットを防振ユニットに近接させることが困難になる。これに対して、上記構成の本発明によれば、分岐部をフレキシブル基板の固定部材に沿うように設けられた部分に設けているため、可動部側の第1枝部と第2枝部との間にスペースが生じ、この部分に絞り駆動用モータなどの絞りユニットを構成する部材を配置することができ、絞りユニットと防振ユニットとを近接させることが可能になる。
【0011】
本発明において、好ましくは、第1枝部及び第2枝部は、それぞれ、固定部材に沿うように設けられた固定側部と、固定側部から可動部材に向かって延びる起立部と、起立部から可動部材に沿ように延びる可動側部と、を有し、絞り駆動用モータは、第1枝部及び第2枝部の起立部の間に配置されている。
【0012】
上記構成の本発明によれば、絞り駆動用モータが第1枝部及び第2枝部の起立部の間に配置されており、絞りユニット及び防振ユニットを、光軸から半径方向に近い範囲内に、より省スペースで配置することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、絞り駆動用モータは、防振ユニットの可動部材と光軸直交方向に並列に配置されている。
上記構成の本発明によれば、絞りユニットの一部と防振ユニットを光軸に垂直な同一平面内に配置することができ、さらなる鏡筒の小型化が実現できる。
【0014】
本発明において、好ましくは、固定部材は、絞り駆動用モータが対向する位置に開口部が形成されており、絞り駆動用モータは、固定部材の開口部に挿入されて配置されている。
上記構成の本発明によれば、絞り駆動用モータが開口部に挿入されて配置されているため、絞りユニットと防振ユニットをより近接させることができるとともに、スペースを有効活用することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、光軸に垂直な断面において、絞り駆動用モータに対して光軸から外方に、像振れ補正用レンズ群以外のレンズ群を光軸方向に駆動するための駆動機構を構成する部材の一部が配置されている。
【0016】
上記構成の本発明によれば、絞り駆動用モータの外方のスペースを有効利用することができ、レンズ鏡筒の外形をコンパクトにすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、絞りユニットと防振ユニットとを光軸方向に隣接して設けた場合であっても、絞り駆動用のモータがレンズ群の移動範囲に干渉しないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態によるズームレンズ鏡筒を示す分解斜視図である。
図2図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット及び絞りユニットを示す分解斜視図である。
図3図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニットを示す分解斜視図である。
図4A図4Aは、図3に示す防振ユニットの固定部材の座部及び起立支持部を拡大して示す正面図である。
図4B図4Bは、図3に示す防振ユニットの固定部材の座部及び起立支持部を拡大して示す斜視図である。
図5図3に示す防振ユニットのフレキシブルプリント基板の正面図である。
図6図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット、絞りユニット、及び第4レンズ群保持枠を示す光軸方向断面図である。
図7図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット及びその近傍の部材を示す斜視図である。
図8図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット及びその近傍の部材を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の説明において、前部又は前方とは光軸方向における対物側を示し、後部又は後方とは光軸方向における結像側を示し、周方向とは光軸を中心とした周方向を示し、半径方向とは光軸と中心とした光軸と垂直な方向を示す。また、各図において、光軸方向前方側をX方向として示し、結像側から対物側を向いた際の右側をY方向として示し、高さ方向をZ方向として示す。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるズームレンズ鏡筒を示す分解斜視図である。本実施形態のズームレンズ鏡筒は、イメージセンサを備えたカメラ本体、特に、監視カメラ本体に取り付けられて用いられる。図1に示すように、本実施形態のズームレンズ鏡筒1は、光軸方向に延びる略直方体状のケーシングに複数のレンズ群を構成するレンズが収容されて構成されている。ケーシングは、後部鏡筒12と、後部鏡筒12の前方に接続された前部鏡筒18と、後部鏡筒12の後部に設けられた第1後部閉塞板6と、第1後部閉塞板6の後部に固定された第2後部閉塞板4と、前部鏡筒18の前部に設けられた前部閉塞板22と、を有する。
【0021】
後部鏡筒12は、光軸方向前方に位置する前部12A及び前部12Aの後方に連続する後部12Bを備える。前部12Aの内部には、後述するように防振ユニット14及び絞りユニット16を収容する空間が形成されている。また、後部12Bには内部空間が形成されており、この内部空間には、第4レンズ群Dを保持する第4レンズ群保持枠10と、第5レンズ群Eを保持する第5レンズ群保持枠8とが光軸方向に移動可能に収容されている。
【0022】
第1後部閉塞板6は、後部鏡筒12に後部を閉鎖するように固定されている。第1後部閉塞板6の中心部には、第6レンズ群Fを構成するレンズが取り付けられている。
第2後部閉塞板4は、第1後部閉塞板6の後方側の面に取り付けられている。第1後部閉塞板6はカメラ本体に接続可能な形状に形成されている。
【0023】
前部鏡筒18は後部鏡筒12の前方に接続されている。前部鏡筒18の内部には、後述するように、第2レンズ群Bを保持する第2レンズ群保持枠20が光軸方向に移動可能に収容されている。
前部閉塞板22は、前部鏡筒18の前部を塞ぐように設けられている。
【0024】
また、ズームレンズ鏡筒1は、第1~第6レンズ群A~Fを有する。
第1レンズ群Aは、第1レンズ群保持枠24の中央の開口に取り付けられている。第1レンズ群保持枠24は後部が前部閉塞板22に形成された開口22Aに挿入された状態で、前部鏡筒18に取り付けられている。
【0025】
第2レンズ群Bは、第2レンズ群保持枠20の中央の開口に取り付けられている。第2レンズ群保持枠20は、ガイドポール保持部20Cと、ガイドポール係合部20Dと、駆動部(図示せず)と、を有する。ガイドポール保持部20Cは、光軸方向に延びる円筒状の部位であり、内部を第1前方ガイドポール20Aが挿通している。また、ガイドポール係合部20Dは例えば切り欠きからなり、第2前方ガイドポール20Bと係合している。第1前方ガイドポール20A及び第2前方ガイドポール20Bは、前部閉塞板22と前部鏡筒18の後部との間で光軸方向に延びるように保持されている。これにより、第2レンズ群保持枠20は、第1前方ガイドポール20A及び第2前方ガイドポール20Bに案内されて、光軸方向に移動可能に保持されている。また、前部鏡筒18には、第2レンズ群駆動モータ29が取り付けられており、第2レンズ群駆動モータ29は制御部(図示せず)に電気的に接続されている。この第2レンズ群駆動モータ29は、シャフト(図示せず)を有している。第2レンズ群保持枠20の駆動部は、第2レンズ群駆動モータ29のシャフトと係合しており、ズーミング時に第2レンズ群駆動モータ29のシャフトを回転させることにより、第2レンズ群保持枠20は第1前方ガイドポール20A及び第2前方ガイドポール20Bに案内されながら、光軸方向に移動する。このように、第2レンズ群駆動モータ29、第1前方ガイドポール20A、第2前方ガイドポール20B、及び、第2レンズ群保持枠20により第2レンズ群Bを駆動するための駆動機構が構成され、ズーミング操作時には、制御部からの入力に応じて第2レンズ群Bを光軸方向に移動させることができる。
【0026】
第3レンズ群Cは、防振用のレンズ群であり、防振ユニット14に取り付けられている。防振ユニット14の詳細な構成についは、後述する。
【0027】
第4レンズ群Dは、第4レンズ群保持枠10の中央の開口に取り付けられている。第4レンズ群保持枠10は、ガイドポール保持部10Cと、ガイドポール係合部10Dと、駆動部(図示せず)と、を有する。ガイドポール保持部10Cは、光軸方向に延びる円筒状の部位であり、内部を第1後方ガイドポール10Aが挿通している。また、ガイドポール係合部10Dは例えば切り欠きからなり、第2後方ガイドポール10Bと係合している。第1後方ガイドポール10A及び第2後方ガイドポール10Bは、第1後部閉塞板6と後部鏡筒12の中間部との間で光軸方向に延びるように保持されている。これにより、第4レンズ群保持枠10は、第1後方ガイドポール10A及び第2後方ガイドポール10Bに案内されて、光軸方向に移動可能に保持されている。また、後部鏡筒12には、第4レンズ群駆動モータ28が取り付けられており、第4レンズ群駆動モータ28は制御部(図示せず)に電気的に接続されている。この第4レンズ群駆動モータ28は、シャフト(図示せず)を有している。第4レンズ群保持枠10の駆動部は、第4レンズ群駆動モータ28のシャフトと係合しており、ズーミング時に第4レンズ群駆動モータ28のシャフトを回転させることにより、第4レンズ群保持枠10は第1後方ガイドポール10A及び第2後方ガイドポール10Bに案内されながら、光軸方向に移動する。このように、第4レンズ群駆動モータ28、第1後方ガイドポール10A、第2後方ガイドポール10B、及び、第4レンズ群保持枠10により第4レンズ群Dを駆動するための駆動機構が構成され、ズーミング操作時には、制御部からの入力に応じて第4レンズ群Dを光軸方向に移動させることができる。
【0028】
第5レンズ群Eは、フォーカス用のレンズ群であり、第5レンズ群保持枠8の中央の開口に取り付けられている。第5レンズ群保持枠8は、ガイドポール保持部8Cと、ガイドポール係合部8Dと、駆動部(図示せず)と、を有する。ガイドポール保持部8Cは、光軸方向に延びる円筒状の部位であり、内部を第3後方ガイドポール8Aが挿通している。また、ガイドポール係合部8Dは例えば切り欠きからなり、第4後方ガイドポール8Bと係合している。第3後方ガイドポール8A及び第4後方ガイドポール8Bは、第1後部閉塞板6と後部鏡筒12の中間部との間で光軸方向に延びるように保持されている。これにより、第5レンズ群保持枠8は、第3後方ガイドポール8A及び第4後方ガイドポール8Bに案内されて、光軸方向に移動可能に保持されている。また、後部鏡筒12には、第5レンズ群駆動モータ26が取り付けられており、第5レンズ群駆動モータ26は制御部(図示せず)に電気的に接続されている。この第5レンズ群駆動モータ26は、シャフト(図示せず)を有している。第5レンズ群保持枠8の駆動部は、第5レンズ群駆動モータ26のシャフトと係合しており、フォーカシング時に第5レンズ群駆動モータ26のシャフトを回転させることにより、第5レンズ群保持枠8は第3後方ガイドポール8A及び第4後方ガイドポール8Bに案内されながら、光軸方向に移動する。このように、第5レンズ群駆動モータ26、第3後方ガイドポール8A、第4後方ガイドポール8B、及び、第5レンズ群保持枠8により第5レンズ群Eを駆動するための駆動機構が構成され、フォーカシング操作時には、制御部からの入力に応じて第5レンズ群Eを光軸方向に移動させることができる。
【0029】
第6レンズ群Fは、第1後部閉塞板6の中央に形成された開口に取り付けられている。
【0030】
また、ズームレンズ鏡筒1は、絞りユニット16と、絞りユニット16の後方に隣接して設けられた防振ユニット14を備える。絞りユニット16及び防振ユニット14は、後部鏡筒12の前部12Aの内部空間内に収容された状態で、前部鏡筒18に固定されている。
【0031】
図2は、図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット及び絞りユニットを示す分解斜視図である。図3は、図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニットを示す分解斜視図である。図4A及び図4Bは、図3に示す防振ユニットの固定部材の座部及び起立支持部を拡大して示し、図4Aは正面図、図4Bは斜視図である。図5は、図3に示す防振ユニットのフレキシブルプリント基板の正面図である。図6は、図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット、絞りユニット、及び第4レンズ群保持枠を示す光軸方向断面図である。図7は、図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット及びその近傍の部材を示す斜視図である。
【0032】
図2に示すように、絞りユニット16は、中心に開口30Cが形成された本体部30と、本体部30に回転可能に支持された駆動部材36(図6)と、開口30C内に径方向に進出可能な複数の絞り羽根32と、絞り羽根32を駆動するための絞り駆動用モータ34と、を備える。
【0033】
図6に示すように、本体部30は、前方側の前方部材30Aと後方側の後方部材30Bとが重ね合わされて構成されており、中央に開口30C(図2)が形成されている。本体部30は、後部鏡筒12の前部12A内に収容されている。駆動部材36は円環状であり、前方部材30Aと後方部材30Bの間に光軸を中心として回動可能に保持されている。
【0034】
絞り羽根32は、それぞれ本体部30の開口30Cの周囲に基端部を中心に回動可能に固定されており、絞り駆動用モータ34により駆動部材36を介して回動されることにより回動して、開口30Cの中心に向かって進退可能である。複数の絞り羽根32が同期して回動されることにより、絞り羽根32で囲まれた円形の隙間の径を変更することができる。
【0035】
絞り駆動用モータ34は、本体部30の後方側の面に後方に向かって(すなわち、防振ユニット14に向かって)立設されている。絞り駆動用モータ34は、先端にギア34Cが取り付けられたシャフト34Bを有する(図6)。絞り駆動用モータ34のギア34Cは駆動部材36に設けられたピニオンに係合している。絞り駆動用モータ34は、入力端子34A(図2)を有し、この入力端子34Aを介して制御部に接続されている。なお、制御部は、例えばCPUなどからなり、カメラ本体又はズームレンズ鏡筒に設けられている。このような構成により、絞りユニット16は制御部からの入力に応じて絞り駆動用モータ34が駆動部材36を回転させ、複数の絞り羽根32を半径方向に進退させて、中心の開口の径を変更することができる。
【0036】
図3に示すように、防振ユニット14は、固定部材50と、固定部材50の前方側に配置された可動部材40と、フレキシブルプリント基板60と、を有する。可動部材40は、例えば、ボールなどにより、固定部材50に対して光軸と垂直方向に移動可能に支持されている。
【0037】
固定部材50は、本体部52と、縦方向駆動用磁石54A及び横方向駆動用磁石54Bと、ヨーク56A、56Bとを備える。
【0038】
固定部材50の本体部52は、中央に開口52Aが形成された板状の部材である。本体部52の前面には、開口52Aの一方側(Y軸-方向)に一対の支持部52B1が横方向に間隔をあけて立設されている。また、本体部52の前面には、開口52Aの上方に一対の支持部52B2が縦方向に間隔をあけて立設されている。また、図4に示すように、本体部52の他方側(Y軸+方向)の下部の絞り駆動用モータ34に対向する位置には、絞りユニット16の絞り駆動用モータ34を受けるための座部52Cが形成されている。なお、本実施形態では、座部52Cを凹部として形成しているが、これに限らず、穴(貫通孔)として形成してもよい。すなわち、座部52Cは、凹部や穴などの開口部として形成されており、絞り駆動用モータ34はこの開口部に挿入されて配置されている。また、本体部52の座部52Cの周方向両側にはフレキシブルプリント基板60の起立部62D、64Dをそれぞれ支持するための一対の起立支持部58A、58Bが形成されている。また、起立支持部58A、58Bの径方向内方には、それぞれ凹部59A、59Bが形成されている。凹部59A、59Bは、それぞれ本体部52の他方側(Y軸+方向)の側縁52D及び下縁52Eまで延びている。また、固定部材50の本体部52の、他方側(Y軸+方向)上部及び下部には、矩形状に対して切りかかれており、それぞれ、切欠部52F2、52F1が形成されている。
【0039】
縦方向駆動用磁石54Aは、本体部52の開口52Aの一方側(Y軸-方向)に立設された支持部52B1の間に位置するように、取り付けられている。ヨーク56Aは、本体部52の開口52Aの一方側(Y軸-方向)に立設された支持部52B1の間にわたって、縦方向駆動用磁石54Aから前方側に所定の距離をあけて支持されている。
【0040】
横方向駆動用磁石54Bは、本体部52の開口52Aの上部に立設された支持部52B2の間に位置するように、取り付けられている。ヨーク56Bは、本体部52の開口52Aの上部に立設された支持部52B2の間にわたって、横方向駆動用磁石54Bから前方側に所定の距離をあけて支持されている。
【0041】
可動部材40は、本体部42と、縦方向駆動用コイル44A及び横方向駆動用コイル44Bと、磁石支持部材46と、を備える。
【0042】
可動部材40の本体部42は、中央に開口42Aが形成された板状の部材である。開口42Aの周囲には、円筒状のレンズ保持部42Bが立設されており、このレンズ保持部42B内には、第3レンズ群Cが保持されている。本体部42の開口42Aの上部には切欠部42Cが形成されており、開口42Aの一方側(Y軸-方向)には切欠部42D(図7)が形成されている。また、本体部42の前面の横方向駆動用コイル44Bの他方側(Y軸+方向)端部の下方には、第1固定部材48B1及び第2固定部材48B2が前方に向かって立設されており、縦方向駆動用コイル44Aの下部の他方側(Y軸+方向)には、第1固定部材48A1及び第2固定部材48A2(図7)が立設されている。また、可動部材40の本体部42の、他方側(Y軸+方向)の上部及び下部には、矩形状に対して切りかかれており、それぞれ、切欠部42F2、42F1が形成されている。
【0043】
縦方向駆動用コイル44Aは、切欠部42Dを上下にまたぐように、本体部42の前面に取り付けられており、横方向駆動用コイル44Bは、切欠部42Cを横方向にまたぐように、本体部42の前面に取り付けられている。
【0044】
磁石支持部材46は、本体部42の前面の開口42Aに対して他方側(Y軸+方向)の側部から開口42Aの下部にわたる領域を覆うように、本体部42に取り付けられている。より具体的には、防振ユニット14の組み立て状態において、磁石支持部材46の他方(Y軸-方向)の側部は、固定部材50の本体部52の凹部59Bに配置されたフレキシブルプリント基板60の第1枝部62の前方面部62Cを覆っている。磁石支持部材46のフレキシブルプリント基板60の第1枝部62の前方面部62Cに当たる部分には磁石が取り付けられている。また、防振ユニット14の組み立て状態において、磁石支持部材46の下部は、固定部材50の本体部52の凹部59Aに配置されたフレキシブルプリント基板60の第2枝部64の前方面部64Cを覆っている。磁石支持部材46のフレキシブルプリント基板60の第2枝部64の前方面部64Cに当たる部分には磁石が取り付けられている。後述するように、フレキシブルプリント基板60の前方面部62C、64Cには、ホール素子66A、66Bが取り付けられている。このような構成により、フレキシブルプリント基板60の前方面部62C、64Cに取り付けらえたホール素子66A、66Bが磁石支持部材46により支持された磁石の磁界を検出し、これにより制御部は固定部材50に対する可動部材40の位置を検出する。
【0045】
図5に示すように、フレキシブルプリント基板60は、制御部(図示せず)から延びる基部60Aと、分岐部60Bにおいて分岐された第1枝部62及び第2枝部64を有する。
【0046】
第1枝部62及び第2枝部64は、それぞれ、後方面部62A、64Aと、光軸方向折返部62B、64Bと、前方面部62C、64Cと、起立部62D、64Dと、湾曲部62E、64Eと、半径方向折返部62F、64Fと、接続部62G、64Gと、を含む。
【0047】
基部60Aは制御部から延びており、分岐部60B近傍の部分は、後方面部62A、64Aと同一平面状に延びている。
【0048】
後方面部62A、64Aは、同一平面状を延びるように形成されており、それぞれ、分岐部60Bから周方向に反対側に向かって延びている。後方面部62A、64Aは、光軸を挟んで分岐部60Bの反対側の地点の近傍まで延びている。後方面部62A、64Aの先端部の間隔は、間に絞り駆動用モータ34を配置可能な程度の距離である。
【0049】
光軸方向折返部62B、64Bは後方面部62A、64Aの先端部から半径方向外方に向かって延びており、光軸方向前方に向かって折り返された部分である。
前方面部62C、64Cは、光軸方向折返部62B、64Bの先端部から、光軸に対して垂直な平面内を半径方向内方に向かって延びる部位である。前方面部62C、64Cには、それぞれ、ホール素子66A、66Bが配置されている。
起立部62D、64Dは、それぞれ、前方面部62C、64Cから光軸方向前方に向かって延びる部位である。起立部62D、64Dは、湾曲部62E、64Eが接続された側の周方向の側縁が、反対側の側縁よりも半径方向外方に位置するように形成されている。
【0050】
湾曲部62E、64Eは、起立部62D、64Dの先端部の側縁から、互いに周方向に離間する方向に延びている部位である。湾曲部62E、64Eは、その面が光軸方向に延びており、円弧状に撓んでいる。
【0051】
半径方向折返部62F、64Fは、湾曲部62E、64Eの先端部に設けられており、光軸と垂直な平面内において、180度折り返されている。
接続部62G、64Gは、半径方向折返部62F、64Fの側縁から延びており、その面が光軸と垂直面内に位置している。
【0052】
フレキシブルプリント基板60は、基板シート上に回路をプリントし、基板シートを所定の形状に切断し、所定の箇所を折り曲げることにより形成されている。
【0053】
後述するように、本実施形態では、第1枝部62及び第2枝部64の、後方面部62A、64Aと、光軸方向折返部62B、64Bと、前方面部62C、64Cと、が固定部材50に沿うように設けられた固定側部を構成する。また、第1枝部62及び第2枝部64の起立部62D、64Dが固定側部から可動部材40に向かって延びる起立部を構成する。また、第1枝部62及び第2枝部64の湾曲部62E、64Eと、半径方向折返部62F、64Fと、接続部62G、64Gと、が可動部材40に沿ように延びる可動側部を構成する。
【0054】
図7に示すように、防振ユニット14の組み立て状態において、固定部材50の本体部52の支持部52B2が、可動部材40の本体部42の切欠部42C内に位置しており、固定部材50の本体部52の支持部52B1が、可動部材40の本体部42の切欠部42D内に位置している。そして、可動部材40の縦方向駆動用コイル44Aは、固定部材50の縦方向駆動用磁石54Aと、ヨーク56Aとの間に配置されており、可動部材40を固定部材50に対して縦方向に移動させるリニアモータを構成する。また、可動部材40の横方向駆動用コイル44Bは、固定部材50の横方向駆動用磁石54Bと、ヨーク56Bとの間に配置されており、可動部材40を固定部材50に対して横方向に駆動するリニアモータを構成する。
【0055】
防振ユニット14の組み立て状態において、フレキシブルプリント基板60は、基部60Aが固定部材50の後面の一方(Y軸-方向)の上方側部に位置し、第1枝部62及び第2枝部64の後方面部62A、64Aが、固定部材50の後面に沿って開口52Aを包囲するように配置される。
【0056】
また、フレキシブルプリント基板60の光軸方向折返部62B、64Bが、固定部材50の本体部52の側縁52D及び下縁52Eに沿うように配置され、前方面部62C、64Cが、それぞれ凹部59A、59B内に位置している。
【0057】
また、フレキシブルプリント基板60の起立部62D、64Dが、それぞれ固定部材50の本体部52に形成された起立支持部58A、58Bの半径方向内側の面に沿って軸方向に延びている。
【0058】
第1枝部62の半径方向折返部62Fは、横方向駆動用コイル44Bの近傍に立設された第1固定部材48B1及び第2固定部材48B2により固定されており、第2枝部64の半径方向折返部64Fは、縦方向駆動用コイル44Aの近傍に立設された第1固定部材48A1及び第2固定部材48A2により固定されている。
【0059】
湾曲部62E、64Eは、それぞれ、起立部62D、64Dと、半径方向折返部62F、64Fとの間で径方向外方に突出するように湾曲した状態で保持されている。
【0060】
接続部62G、64Gは、それぞれ、可動部材40の本体部42の前面に沿った状態で、横方向駆動用コイル44B及び縦方向駆動用コイル44Aの近傍に配置されており、接続部62G、64Gは、横方向駆動用コイル44B及び縦方向駆動用コイル44Aにそれぞれ電気的に接続されている。
【0061】
なお、防振ユニット14による像振れ防止は以下のようにして実現される。上記の通り、横方向駆動用コイル44B及び縦方向駆動用コイル44Aは、フレキシブルプリント基板60を介して電気的に制御部に接続されている。また、制御部は、フレキシブルプリント基板60の前方面部62C、64Cに取り付けられたホール素子66A、66Bの出力信号が入力される。さらに、ズームレンズ鏡筒1は、制御部に電気的に接続されたジャイロセンサを備えており、制御部には、ズームレンズ鏡筒1に組み込まれたジャイロセンサ(図示せず)により測定されたピッチング方向及びヨーイング方向の角速度を示す信号が入力される。制御部は、フレキシブルプリント基板60に取り付けられたホール素子66A、66Bにより検出された可動部材40の位置、及び、ジャイロセンサ(図示せず)により検出された角速度に基づき、手振れ補正に必要な可動部材40の移動量を算出し、横方向駆動用コイル44B及び縦方向駆動用コイル44Aに可動部材40の移動量に応じた位置指令信号を出力し、手振れを補正するように可動部材40を駆動する。これにより、防振ユニット14は、像振れを防止することができる。
【0062】
また、ズームレンズ鏡筒1の組み立て状態において、図6に示すように、絞りユニット16の絞り駆動用モータ34は、防振ユニット14の固定部材50の本体部52の座部52Cに支持されている。これにより、絞り駆動用モータ34は、防振ユニット14、特に、防振ユニット14の絞りユニット16側に近接する側の部材である可動部材40と光軸直交方向に並列に配置されている。そして、絞り駆動用モータ34は、フレキシブルプリント基板60の第1枝部62及び第2枝部64の起立部62D、64Dの間に位置している。
【0063】
図8は、図1に示すズームレンズ鏡筒の防振ユニット及びその近傍の部材を示す正面図である。なお、図8において、ズームレンズ鏡筒1の外形(前部閉塞板22及び前部鏡筒18の外形)を破線で示している。図7及び図8に示すように、可動部材40の本体部52の他方側(Y軸+方向)の上部には切欠部42F2が形成されており、固定部材50の本体部52部の他方側(Y軸+方向)の上部には切欠部52F2が形成されている。これにより、防振ユニット14の他方側(Y軸+方向)の上方にスペースA部(一点鎖線で示す)を確保することができ、この部分に第5レンズ群Eを駆動するための駆動機構を構成する第4後方ガイドポール8Bの前端部を配置することができる。
【0064】
また、図8に示すように、可動部材40の本体部42の他方側(Y軸+方向)の下部には切欠部42F1が形成されており、固定部材50の本体部52部の他方側(Y軸+方向)の下部には切欠部52F1が形成されている。これにより、防振ユニット14の他方側(Y軸+方向)の下部にスペースB部(一点鎖線で示す)を確保することができ、この部分に第4レンズ群Dを駆動するための駆動機構を構成する第4レンズ群駆動モータ28と、第1後方ガイドポール10Aの前端部を配置することができる。
【0065】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態によれば、防振ユニット14側に突出するように設けられた絞り駆動用モータ34が、防振ユニット14と光軸直交方向に並列に設けられているため、絞りユニット16と防振ユニット14とを光軸方向に非常に近接して配置される。また、絞り駆動用モータ34を対物側に突出させると、第2レンズ群Bの可動範囲を規制してしまうが、本実施形態では、絞り駆動用モータ34が防振ユニット14側に突出するため、絞り駆動用モータ34が第2レンズ群Bの移動範囲と干渉することがなく、第2レンズ群Bの移動範囲を大きくすることができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、分岐部60Bをフレキシブル基板60の固定部材50に沿うように設けられた部分に設けているため、第1枝部62と第2枝部64との間に絞りユニット16を構成する絞り駆動用モータ34を配置することができ、絞りユニット16と防振ユニット14とを近接させることが容易に可能になる。
【0067】
また、本実施形態によれば、絞り駆動用モータ34が第1枝部62及び第2枝部64の起立部62D、64Dの間に配置されており、絞りユニット16及び防振ユニット14を光軸から半径方向に近い範囲内に、より省スペースで配置することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、絞り駆動用モータ34が防振ユニット14の可動部材40と光軸直交方向に並列に配置されているため、絞りユニット16の一部と防振ユニット14を光軸に垂直な同一平面内に配置することができ、さらなる鏡筒の小型化が実現できる。
【0069】
また、本実施形態によれば、絞り駆動用モータ34が座部52C内に挿入されて配置されているため、絞りユニット16と防振ユニット14をより近接させることができるとともに、スペースを有効活用することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、光軸に垂直な断面において、絞り駆動用モータ34に対して光軸から外方に、第4レンズ群Dを駆動するための駆動機構を構成する第4レンズ群駆動モータ28と、第1後方ガイドポール10Aの先端部や、第5レンズ群Eを駆動するための駆動機構を構成する第4後方ガイドポール8Bの前端部が配置されている。これにより、絞り駆動用モータ34の半径方向外方のスペースを有効利用することができ、ズームレンズ鏡筒1の外形をコンパクトにすることができる。
【0071】
なお、本実施形態では、監視カメラ用のズームレンズ鏡筒に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ、コンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラ等のレンズ鏡筒にも本発明を適用できる。
【0072】
また、本実施形態では、鏡筒の長さを変更することがない固定式のズームレンズ鏡筒に本発明を適用した場合について説明したが、ズーム操作に応じて鏡筒の長さが変わるズームレンズ鏡筒や沈胴式のズームレンズ鏡筒にも本発明を適用できる。
【0073】
また、本実施形態では、絞りユニット16が防振ユニット14の前方に配置された場合について説明したが、これに限らず、本発明は、防振ユニットが絞りユニットの前方に配置された場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0074】
1 ズームレンズ鏡筒
4 第2後部閉塞板
6 第1後部閉塞板
8 第5レンズ群保持枠
8A 第3後方ガイドポール
8B 第4後方ガイドポール
8C ガイドポール保持部
8D ガイドポール係合部
10 第4レンズ群保持枠
10A 第1後方ガイドポール
10B 第2後方ガイドポール
10C ガイドポール保持部
10D ガイドポール係合部
12 後部鏡筒
12A 前部
12B 後部
14 防振ユニット
16 絞りユニット
18 前部鏡筒
20 第2レンズ群保持枠
20A 第1前方ガイドポール
20B 第2前方ガイドポール
20C ガイドポール保持部
20D ガイドポール係合部
22 前部閉塞板
24 第1レンズ群保持枠
26 第5レンズ群駆動モータ
28 第4レンズ群駆動モータ
29 第2レンズ群駆動モータ
30 本体部
30A 前方部材
30B 後方部材
30C 開口
32 絞り羽根
34 絞り駆動用モータ
34A 入力端子
34B シャフト
34C ギア
36 駆動部材
40 可動部材
42 本体部
42A 開口
42B レンズ保持部
42C 切欠部
42D 切欠部
42F1 切欠部
42F2 切欠部
44A 縦方向駆動用コイル
44B 横方向駆動用コイル
46 磁石支持部材
48A1 第1固定部材
48A2 第2固定部材
48B1 第1固定部材
48B2 第2固定部材
50 固定部材
52 本体部
52A 開口
52B1 支持部
52B2 支持部
52C 座部
52D 側縁
52E 下縁
52F1 切欠部
52F2 切欠部
54A 縦方向駆動用磁石
54B 横方向駆動用磁石
56A ヨーク
56B ヨーク
58A 起立支持部
58B 起立支持部
59A 凹部
59B 凹部
60 フレキシブルプリント基板
60A 基部
60B 分岐部
62 第1枝部
62A 後方面部
62B 光軸方向折返部
62C 前方面部
62D 起立部
62E 湾曲部
62F 半径方向折返部
62G 接続部
64 第2枝部
64A 後方面部
64B 光軸方向折返部
64C 前方面部
64D 起立部
64E 湾曲部
64F 半径方向折返部
64G 接続部
66A ホール素子
66B ホール素子
A 第1レンズ群
B 第2レンズ群
C 第3レンズ群
D 第4レンズ群
E 第5レンズ群
F 第6レンズ群
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8