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  • 特許-顕微鏡制御方法及び顕微鏡 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】顕微鏡制御方法及び顕微鏡
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20221226BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20221226BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20221226BHJP
   G10L 15/06 20130101ALI20221226BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
G02B21/00
G01N21/64 Z
G10L15/00 200Z
G10L15/06 300E
G10L15/10 200W
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018516672
(86)(22)【出願日】2016-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2016073435
(87)【国際公開番号】W WO2017055558
(87)【国際公開日】2017-04-06
【審査請求日】2019-09-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-21
(31)【優先権主張番号】102015219121.4
(32)【優先日】2015-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506151659
【氏名又は名称】カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CARL ZEISS MICROSCOPY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クレッペ,インゴ
(72)【発明者】
【氏名】エルサッサー,レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴェーズィヒ,フィリップ
【合議体】
【審判長】瀬川 勝久
【審判官】金高 敏康
【審判官】吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-145470(JP,A)
【文献】特開2013-134430(JP,A)
【文献】特開2000-116670(JP,A)
【文献】特開平9-218354(JP,A)
【文献】国際公開第2008/011407(WO,A2)
【文献】特開2003-223184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B19/00-21/00
G02B21/06-21/36
G06K9/00-9/03
G06K9/46-9/52
G06K9/62-9/82
G10L15/00
G10L15/06
G10L15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユニットを備える顕微鏡の動作のための顕微鏡制御方法であって、
‐ 音響的、視覚的に表された及び/又は電子的にコーディングされた言語情報(SI)を、検出器(5)、光学的捕捉ユニット(6)及び/又はインタフェース(7)を用いて捕捉するステップと、
‐ 前記言語情報(SI)を、記憶された複数の参照コマンド(RB)と比較し、前記言語情報(SI)の少なくとも1つの部分セクションと前記複数の参照コマンド(RB)のうちの1つの参照コマンド(RB)との間の所定の一致度合に応じて言語コマンド(SB)を特定するステップと、
特定された前記言語コマンド(SB)に対応する前記1つの参照コマンド(RB)を割り当てるステップであって、前記参照コマンド(RB)は、前記言語情報(SI)で表現される複数の可能な概念又は用語の可能な表現上の上位概念であり、前記言語情報(SI)の複数の異なる表現に対して前記複数の参照コマンド(RB)のうちの1つの参照コマンド(RB)が割り当てられている、ステップと、
‐ 前記顕微鏡(1)の動作のために適した複数の制御コマンド(StB)を含む少なくとも1つの一連の制御コマンド(StB)を生成するステップであって、
前記一連の制御コマンドは、前記複数のユニットのうちの異なるユニットの制御のために役立つ複数の部分を有し、
前記複数の制御コマンド(StB)のうちの少なくとも1つは、前記1つの参照コマンド(RB)に割り当てられた不変の制御コマンド(StB)であり、
前記複数の制御コマンド(StB)のうちの別の少なくとも1つは、前記1つの参照コマンド(RB)に割り当てられた規則に応じて作成し、少なくとも1つの固定コンポーネント及び少なくとも1つの変数コンポーネントを有する作成された制御コマンド(StB)である、ステップと、
生成された前記一連の制御コマンド(StB)を用いて、顕微鏡(1)を制御するステップと、
を有する顕微鏡制御方法。
【請求項2】
前記言語情報(SI)が視覚的に表されている場合、前記言語情報(SI)は文字、文字列又は文章を含む、
請求項1記載の顕微鏡制御方法。
【請求項3】
前記電子的にコーディングされた言語情報(SI)は、文章ファイル又はソノグラフである、
請求項1又は2記載の顕微鏡制御方法。
【請求項4】
前記言語情報(SI)は、少なくとも1つのパラメータ情報(PI)の存在について検査される、
請求項1乃至3いずれか1項記載の顕微鏡制御方法。
【請求項5】
前記パラメータ情報(PI)は、位置表示、方向表示、距離、量若しくはステップ幅、前記顕微鏡(1)の要素の識別子、及び、パラメータ値を含む群から選択される情報である、
請求項4記載の顕微鏡制御方法。
【請求項6】
前記言語コマンド(SB)は、前記言語情報(SI)内に含まれる既知のキーワード(SW)に基づいて特定される、
請求項1乃至5いずれか1項記載の顕微鏡制御方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパラメータ情報(PI)が存在する場合、
前記言語コマンド(SB)を、前記少なくとも1つのパラメータ情報(PI)と組み合わせて混合された言語コマンド(SB)とし、
前記参照コマンド(RB)を、前記パラメータ情報(PI)で補充する、
請求項4又は5記載の顕微鏡制御方法。
【請求項8】
前記キーワード(SW)に割り当て規則が割り振られており、前記割り当て規則によって前記キーワード(SW)に属する前記言語情報(SI)内の前記パラメータ情報(PI)が識別され、
前記キーワード(SW)を前記パラメータ情報(PI)と組み合わせて混合された言語コマンド(SB)とする、
請求項4又は5に従属する請求項6記載の顕微鏡制御方法。
【請求項9】
前記言語情報(SI)は、前記言語情報(SI)の少なくとも1つの部分セクション内における前記キーワード(SW)の空間的及び/又は時間的シークエンスの存在について検査され、
前記キーワード(SW)の前記シークエンスが存在する場合は、前記シークエンスが言語コマンド(SB)として特定される、
請求項4又は5に従属する請求項6記載の顕微鏡制御方法。
【請求項10】
前記キーワード(SW)の前記シークエンスは、前記複数の参照コマンド(RB)と、前記顕微鏡(1)の所定の駆動制御状態の形態において、一致の存在について比較され、
少なくとも前記シークエンスを含む前記言語情報(SI)の部分セクションは、前記シークエンスが少なくとも所定の度合いで一致する駆動制御状態に割り当てられる、
請求項9記載の顕微鏡制御方法。
【請求項11】
前記所定の駆動制御状態において、前記キーワード(SW)に属するパラメータ情報(PI)に対する不連続なパラメータ値がパラメータ値範囲になるようにまとめられる、
請求項10記載の顕微鏡制御方法。
【請求項12】
前記言語情報(SI)は分析され、前記言語情報(SI)に応じて、前記方法の少なくとも1つの将来的見込みシークエンスが特定される、
請求項1乃至11いずれか1項記載の顕微鏡制御方法。
【請求項13】
前記複数の参照コマンド(RB)の全体から参照コマンド(RB)の選択がなされ、
選択された前記参照コマンド(RB)が前記言語コマンド(SB)の特定のために適用される、
請求項1乃至12いずれか1項記載の顕微鏡制御方法。
【請求項14】
前記制御コマンド(StB)の実行の前に、前記制御コマンド(StB)は妥当性について検査され、
前記制御コマンド(StB)は妥当性が不足する場合は実行されない、
請求項1乃至13いずれか1項記載の顕微鏡制御方法。
【請求項15】
複数のユニット及びコンピュータ・コントロールユニット(2)を有する顕微鏡(1)であって、前記コンピュータ・コントロールユニットは、
‐ 音響的、視覚的に表された及び/又は電子的にコーディングされた言語情報(SI)を、記憶された複数の参照コマンド(RB)と比較し、
前記言語情報(SI)の少なくとも1つの部分セクションと前記複数の参照コマンド(RB)のうちの1つの参照コマンド(RB)との間の所定の一致度合いに応じて言語コマンド(SB)を特定し、
特定された前記言語コマンド(SB)に対応する前記1つの参照コマンド(RB)を使用し、前記参照コマンド(RB)は、前記言語情報(SI)で表現される複数の可能な概念又は用語の可能な表現上の上位概念であり、前記言語情報(SI)の複数の異なる表現に対して前記複数の参照コマンド(RB)のうちの1つの参照コマンド(RB)が割り当てられており、
‐ 前記顕微鏡(1)の動作のために適した複数の制御コマンド(StB)を含む少なくとも1つの一連の制御コマンド(StB)を生成し、
前記一連の制御コマンドは、前記複数のユニットのうちの異なるユニットの制御のために役立つ複数の部分を有し、
前記複数の制御コマンド(StB)のうちの少なくとも1つを、前記1つの参照コマンド(RB)に割り当てられた不変の制御コマンド(StB)とし、
前記複数の制御コマンド(StB)のうちの別の少なくとも1つを、前記1つの参照コマンド(RB)に割り当てられた規則に応じて作成し、少なくとも1つの固定コンポーネント及び少なくとも1つの変数コンポーネントを有する作成された制御コマンド(StB)とし、
生成された前記一連の制御コマンド(StB)を用いて、前記顕微鏡(1)を制御する、
ように構成されている、顕微鏡。
【請求項16】
前記コンピュータ・コントロールユニット(2)は前記制御コマンド(StB)の実施前に、その妥当性検査を実行するように構成されている、
請求項15記載の顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡を制御する方法及び方法を実行するのに適した顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡を動作させるために、その制御は通常手動で行われ、そこでは、顕微鏡の操作要素が操作され、及び/又は、例えば接触感応式表示部(タッチパッド)若しくはコンピュータのユーザサーフェイスを介して顕微鏡のオペレータによって選択される。選択された制御コマンドは制御ユニットを介して顕微鏡に伝達され、顕微鏡が伝達された制御コマンドに従って駆動制御される。
【0003】
その際、顕微鏡のユーザは、制御プログラムのメニューによってナビゲートされねばならず、状況によっては、多数の選択プロセスの後にしか所望の制御コマンドにたどり着けない。ユーザが制御プログラムを熟知していないか又は詳細に熟知していないと、顕微鏡の操作は非常に時間を要するか又は不可能である。
【0004】
少ない選択プロセスだけを有する顕微鏡の操作のための統一的な解決策は、顕微鏡法の多数の適用及び試料種類のためにこれまで達成されなかった。
【0005】
DE10 2012 220195A1から、ユーザのジェスチャを捕捉し、捕捉したジェスチャを制御コマンドに変換するための装置を含む制御装置を有する顕微鏡が提案されている、アプローチが知られている。
【0006】
ジェスチャが明確に捕捉されることができるように、それらは装置の捕捉領域内において、捕捉に充分な明確さで、場合によっては複数回行われなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許公開第102012220195号公報
【発明の概要】
【0008】
本発明は、簡略化された顕微鏡の制御方法を実現する可能性を提案するという課題に基づく。
また、本発明は、容易に制御可能な顕微鏡を提供するという課題に基づく。
【0009】
課題は、方法に関して、請求項1による技術的特徴を有する顕微鏡制御方法によって解決される。
課題は、顕微鏡に関して、請求項15の特徴によって解決される。
【0010】
顕微鏡制御方法は、顕微鏡の動作のために用いられ、以下の次のステップ、
音響的、視覚的に表された及び/又は電子的にコーディングされた言語情報を、特に検出器、光学的捕捉ユニット及び/又はインタフェースを用いて捕捉するステップと、
言語情報を、記憶された複数の参照コマンドと比較し、言語情報の少なくとも1つの部分セクションと1つの参照コマンドとの間の所定の一致度合に応じて(in Abhaengigkeit eines vorbestimmten Masses an Uebereinstimmung)言語コマンドを特定するステップと、
言語コマンドが少なくとも所定の度合いで一致する参照コマンドを選択するステップと、
顕微鏡の動作のために適した少なくとも1つの制御コマンドを生成するステップであって、制御コマンドを、選択された参照コマンドに割り当てられた不変の制御コマンドとするか、或いは制御コマンドを、作成すべき制御コマンドを形成するために参照コマンドに割り当てられた規則に応じて作成した制御コマンドとする、ステップと、
割り当てられた又は作成された制御コマンドを用いて、顕微鏡を制御するステップと、を有する。
【0011】
言語情報としては、言語情報の送信者によって与えられ、受信者によって理解されることができる情報であると解される。その際、言語情報は、口頭の又は書面のいずれの言語にも由来することができる。言語情報は、顕微鏡を制御するために直接使用可能な情報を表さない。特に、いわゆる機械語の情報は、本明細書で意図する言語情報ではない。いずれにしても、言語情報は、顕微鏡を制御するのに適した機械語、特にその照明及び/又は駆動ユニットを制御するのに適した機械語への変換を必要とする。
【0012】
言語情報は、話されることができ、例えばマイクロフォンの形態の検出器によって、音響的に捕捉されることができる。
【0013】
視覚的に表される言語情報は、例えば図形(Grafik)、記号、文字、数字又は単語などの、静的シンボルによって与えられ、例えばディスプレイ上に一時的にだけ視覚的に表される場合であってもよい。視覚的な言語情報は、シンボル列の形態の一連のシンボルであることもできる。1つの特別な形態において、視覚的な言語情報は、文章である。視覚的な言語情報は、任意の方法で光学的に知覚可能に表されることができ、例えば、手書きでも、印刷されても、投影されても、又は表示されても良い。視覚的な言語情報は光学的に、例えばカメラを用いて捕捉される。
【0014】
音響的言語情報及び/又は視覚的言語情報が電子ファイル、例えば文章ファイル(Textdatei)又はグラフィックファイルとしてあれば、言語情報は電子的にコーディングされた言語情報と称される。電子的にコーディングされた言語情報は、例えば、データが音響的言語情報、例えばソノグラフを表すファイルである。電子的にコーディングされた言語情報は、適切な受信装置を用いて、例えばコンピュータユニット、赤外線受信器、又は無線受信器を用いて、捕捉される。
【0015】
言語コマンドとしては、顕微鏡の制御プロセスの所期の実行のために調整された意味の指示であると解される。言語情報は、一つ以上の言語コマンドによって完全に形成されることができる。言語情報は、顕微鏡の制御のために重要でない情報、例えば填辞に加えて、一つ以上の言語コマンドを含むこともできる。
【0016】
混合された言語コマンドは、少なくとも2つの言語情報に含まれる音声、音声列、文字、電子的にコーディングされたデータからなる。
【0017】
参照コマンドとしては、概念又は専門用語の複数の可能な表現形態の上位概念として理解される。例示的には、「Z進行」、「Z送り」、「高さ調整」及び「Z距離補正」と称される表現は、例えば、すべて1つの参照コマンド「Z設定」に割り当てられ、又は割り当て可能である。参照コマンドに割り当てられた制御コマンドを用いて、対物レンズはZ方向に進められ、例えば観察又は走査ビームが焦点をぼかされ、又は、焦束される。
【0018】
かかる割り当ては、例えば、それぞれ1つの参照コマンドに割り当てられている多数の既知の概念を捕捉された言語情報と比較することによって行われる。付加的に又は代替的に、言語情報に含まれる概念を、その音声学、意味、及び/又は文字類似性に関する類似性について、利用可能な参照コマンドと比較するアルゴリズムが適用されることができる。
【0019】
類似性が所定の最低度合いに達しているか、又は超えている場合は、意味が最も類似する参照コマンドが選択される。
【0020】
方法のさらなる可能な構成において、捕捉された言語情報は分析され、捕捉された言語情報に応じて、少なくとも1つの方法の将来的見込みシークエンスが特定される。
【0021】
複数の方法の将来的見込みシークエンスが特定された場合は、好適にはユーザに提示され、特に表示されることができる。この場合、シークエンスは、それらの確率に応じてソートされて提示されることができる。ユーザによって、所望のシークエンスが手動で及び/又は音響的に選択される。
【0022】
将来的見込みシークエンスのそれぞれにおいて、有利には、実施されるためにユーザによって明示的に指示される必要がない方法ステップが提供されることができる。
【0023】
方法のかかる構成は、主な方法ステップがユーザによって指示されることなく、方法の実施を可能にする。従って、ユーザは、適用される方法及びその具体的な動作についての包括的な知識を必要とせず、例えば、会話において実施されるべき実験を説明することができる。その際に捕捉された言語情報は、本発明の方法を用いて少なくとも1つの言語コマンドに変換され、それにより少なくとも1つの制御コマンドが、特に作成された制御コマンドが生成され、制御コマンドは、直接指示された方法ステップをさらなる必要な方法ステップのためにコーディングする。例えば、特定のフィルタの必須の適用は、その適用がユーザによって明文的に指示されていなくとも設けられることができ、適用は、方法の実行のために合理的であるか又は強制的に必要である。
【0024】
各参照コマンドは制御コマンドの代理であり(steht stellvertretend)、制御コマンドの伝送の際に顕微鏡において具体的な制御プロセスが実施される。1つの制御コマンドには複数の参照コマンドが割り当てられることができる。
【0025】
参照コマンドには、常に同じ方法で実施される不変の制御コマンドが割り当てられることができる。不変の制御コマンドは、例えば「停止」であり、それによって顕微鏡の全ての機能が、特に全ての現在実施されている動作が停止される。
【0026】
作成すべき制御コマンドの形成のための規則が参照コマンドに割り当てられることも可能である。この場合、制御コマンドは、参照コマンドが選択されたあと、規則に従って作成される。作成された制御コマンドは変数コンポーネントを含むことができ、従って、以下で詳細に述べるように、常に同じ方法では実施されない。
【0027】
本発明による顕微鏡制御方法もさらなる構成において、捕捉された言語情報は、少なくとも1つのパラメータ情報の存在について検査される。パラメータ情報は、捕捉された言語コマンドと制御技術的に論理的に接続している言語情報の部分セクションである。例えば、言語コマンドとして「Zにおいて進め」及び参照コマンドとして「高さ調整」が選択された。この言語コマンドに制御技術的に論理的に関連付けられるパラメータ情報は、例えば高さ調整の方向及び/又は高さ調節の量若しくはステップ幅である。パラメータ情報は、混合された言語コマンドの構成要素、又は作成された制御コマンドの可変コンポーネントである。
【0028】
本発明による方法の1つの可能な構成において、特定された言語コマンドは、少なくとも1つの存在するパラメータ情報(einer vorhandenen Pararneterinformation)と組み合わせられ、混合された言語コマンドになり、選択された言語コマンドは、パラメータ情報で補充され、作成された制御コマンドになる。作成された制御コマンドは、従って、参照コマンドによって特定されるコンポーネントと、少なくとも1つのパラメータ情報によって特定されるコンポーネントとを有する。
【0029】
パラメータ情報は、例えば、位置表示、方向表示、距離、量(ein Betrag)若しくはステップ幅、前記顕微鏡の要素の識別子(eine
Kennzeichnung)、及び、パラメータ値を含む群から選択される情報である。
【0030】
顕微鏡制御方法のさらなる構成において、言語情報に含まれる既知のキーワードに応じて、言語コマンドが特定される。
【0031】
キーワードは、用語又は用語の組み合わせ、文字、及び/又は数字であり、データベースに保持されている、例えば顕微鏡分析の分野における通常の専門用語である。キーワードは、複数の言語で保持されることができる。
【0032】
言語コマンドが言語情報のコンポーネントの意味及び/又は文脈に応じて特定される上述したプロセス方法とは対照的に、キーワードの適用は迅速で正確な言語コマンドの特定を可能にする。キーワードによって言語情報において一義的な既知の意味が提供されるからである。
【0033】
データベースは、いわゆるルックアップテーブルとして構成されることができる。さらなる実施態様において、データベースは、適切な論理的構造によって形成されることができる。これらの構造は、例えば、言語情報の解釈の際に、アルゴリズムに重要な示唆を提供する追加特性を画定する。
【0034】
言語情報の、特定され、選択されたキーワードには割り当て規則が割り振られており、それにより、キーワードに属するパラメータ情報が言語情報内で識別され、キーワードはパラメータ情報と組み合わせられて混合された言語コマンドになる。
【0035】
捕捉された言語情報においてキーワードが特定され、そのキーワードに例えばパラメータ情報が属すると、完全な参照コマンドと、制御技術的に論理的な作成された制御コマンドを得るために、捕捉された言語情報はパラメータ情報について検索される。その際、パラメータ情報が、言語情報の言語の通常の使用においてキーワードの直前又は直後に期待されるか又はそこから離れて期待されるかが考慮されることができる。
【0036】
本発明による顕微鏡制御方法のさらなる構成において、言語情報は、少なくとも1つの言語情報の部分セクション内においてキーワードの空間的及び/又は時間的シークエンスの存在について検査され、キーワードのシークエンスが存在する場合は、このシークエンスが言語コマンドとして特定される。
【0037】
キーワードのシークエンスは、例えば、複数の参照コマンド(mit einer Anzahl von Referenzbefehlen)と、顕微鏡の所定の駆動制御状態(コンフィギュレーション)の形態において、一致の存在について(auf das Vorhandensein einer Uebereinstimmung)比較される。
【0038】
少なくとも、シークエンスを含む言語情報の部分セクションは、シークエンスが少なくとも所定の度合いで一致する、つまり、これと十分に類似する又は同一の駆動制御状態に割り当てられる。
【0039】
駆動制御状態によって、さもなければ多数の個別の言語コマンドによってのみ達成可能である顕微鏡の状態は1つの言語コマンドだけにおいて設定されることができる(in nur einem Sprachbefehl eingestellt werden)。例えば、顕微鏡は、相応の駆動制御状態を表すキーワードのシークエンスを用いて、任意の現在の操作状態から初期状態にされる。
【0040】
記憶され、保持された所定の駆動制御状態において、キーワードに含まれるパラメータ情報である不連続なパラメータ値は、パラメータ値範囲にまとめられることができる。かかるまとめは、全ての可能なパラメータ値を記憶するより、より少ない記憶容量しか必要としない。
【0041】
本発明による顕微鏡制御方法は、さらなる可能な構成において、最初に利用可能な参照コマンドの全体から参照コマンドの選択がされる場合に、有効に実施可能である。言語コマンドの特定のために、選択された参照コマンドのみが適用される。
【0042】
本発明による方法によれば、ここでは捕捉された言語コマンドの形態である捕捉された測定値に基づいて、顕微鏡のような複合装置のコンフィギュレーションを設定するという、技術的問題が解決される。この目的のために適用される技術的手段は、検出器、測定値捕捉のための少なくとも1つの光学的捕捉ユニット及び/又は少なくとも1つのインタフェースと、コンピュータ・コントロールユニットと、顕微鏡の駆動制御されるべきユニットと、である。
【0043】
課 題は、さらに、コンピュータ・コントロールユニットを有する顕微鏡によって解決される。
【0044】
本発明によれば、コンピュータ・コントロールユニットは、音響的、視覚的に表された及び/又は電子的にコーディングされた言語情報を記憶された参照コマンドと比較し、言語情報の少なくとも1つの部分セクションと参照コマンドとの間の所定の一致度合いに応じて言語コマンドを特定するように構成されている。さらに、言語コマンドSBが所定の度合いで一致する参照コマンドRBが選択可能である。
【0045】
コンピュータ・コントロールユニットはさらに、顕微鏡の動作のために適した少なくとも1つの制御コマンドを生成するように構成されており、制御コマンドを、選択された参照コマンドに割り当てられた不変の制御コマンドとするか、或いは制御コマンドを、作成すべき制御コマンドを形成するために参照コマンドに割り当てられた規則に応じて作成した制御コマンドとする。顕微鏡は、割り当てられた又は作成された制御コマンドを用いて、コンピュータ・コントロールユニットによって制御可能である。
【0046】
割り当てられた又は作成された制御コマンドは、これを用いて又は制御コマンドの各々の特定の部分を用いて、顕微鏡の複数のユニット、例えば、モータ駆動部、調節可能フィルタ、空間光変調器(SLM,spatial light modulator)、音響光学変調器(AOM)、検出器及び/又は光源を駆動制御し又は駆動制御することができる(複合制御コマンド、組み合わせ制御コマンド)。
【0047】
制御コマンドが、異なるユニットの制御のために役立つ複数の部分又は部分コマンドを有すれば、これらは、顕微鏡の現在の操作状態に応じて、又は、それぞれの駆動制御されるべきユニットに応じて、割り当てられ又は作成されることができる。現在の操作状況を考慮することによって、顕微鏡制御方法の高い反応プロパティが達成される。現在の操作状態は、適切なセンサを用いて捕捉されることができ、適切にコンフィギュレートされたコンピュータユニットによって評価され、方法のために利用可能にされることができる。
【0048】
顕微鏡を制御するために、顕微鏡は制御コマンドによって駆動制御することができる少なくとも一つのモータ駆動部を有する。顕微鏡上に複数の駆動部が設けられていれば、複合制御コマンドに代えて、相応の複数の制御コマンドが割り当てられ又は作成されることができる。
【0049】
以下では、一例に基づいて、細胞生物学の分野での方法の実際の適用が述べられる。
【0050】
例えば、蛍光撮影の実験が行われるべきである。実験の目的は、細胞分裂中の特定のたんぱく質の機能的役割の調査である。
【0051】
実験は、共焦蛍光顕微鏡法を使用して、細胞分裂の間、タンパク質をさらなるなるタンパク質との関連で観察することを含む。さらに、これらの2つのタンパク質は特別にマーキングされ、このマーキングは、例えば遺伝子的に又は固定された細胞の場合には抗体染色によっても行われることができる。例えば、2つのプロテインのマーキングのために、2つのフルオロフォアEGFP及びmCherryが適用される。
【0052】
実験者は、細胞分裂の態様を3次元的に時間にわたって観察したいときに、例えばその測定プロトコルを短く彼の新しい学生又は技術アシスタントに次のように書き記す。
【0053】
「生細胞試料をEGFPとmCherryで共焦点顕微鏡検査して下さい。5秒ごとに、カバーガラスから約10μmの容積まで。レーザー出力<2%、そうでないと細胞が損傷を受けてしまうから。視野は50μで足りるはず。観察期間は、大体3時間すべき。」
【0054】
言語情報は、読み上げられ、光学的に捕捉され、又は電子的にコンピュータ・コントロールユニットに読み込まれる。
【0055】
本発明による方法を実施する際に、上述の言語情報から、例えば、複数の単語及び語群、「生細胞(live cell)」、「EGFP」、「mCherry」、「共焦点」、「5秒毎」、「カバーガラスから約10μmの容積まで」、「レーザー出力<2%」、「視野約50μm」、「観察期間」及び「3時間」、が、言語コマンド及びキーワードとして認識される。
【0056】
言語コマンドから、その意味関係及び含まれる指示に、例えば容積、レーザー出力、視野サイズ及び観察期間に対して、複合制御コマンドが割り当てられ又は作成される。さらなる構成において、複数の個々の制御コマンドは、相応に割り当てられ又は作成される。
【0057】
認識された言語コマンド及びキーワードは方法の第1ステップを構成する。この認識された情報は、しかしながら有効な基本設定なしには、顕微鏡を制御するために、十分に正確ではない。例えば、空間分解能についてのいかなる指摘もなく、単に視野だけが特定されていた。検出器の感度も、未知である。
【0058】
認識されたキーワードに、未だ必要な大きさの基本設定又は初期設定が割り当てられていれば、一義的な機器設定がもたらされる。例えば、<2%のレーザー出力を有する488nm及び561nmのレーザーラインが使用される。存在する検出フィルタは、これらのレーザーラインの色素・発光スペクトルに、自動的に適合される。
【0059】
例えば40×1.2Wの回折限界分解能を有する所望の大きさの視野を提供することができる顕微鏡の保持された対物レンズが選択される。さらに、3時間の間5秒毎に、全3次元において回折限界分解能を有する画像スタックを走査する、時系列が定義される。この場合、走査された体積は、50μm×50μm×10μmである。適用される検出器の感度は、予め設定された値にセットされる。
【0060】
顕微鏡のさらなる実施形態において、コンピュータ・コントロールユニットは、生成すべき又は生成された制御コマンドの実施前の妥当性検査の実行のために構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明は、例示的実施形態及び図面に基づいて、以下でさらに詳細に説明される。
図1】本発明による顕微鏡の例示的実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1に図示される例示的実施形態において、本発明による顕微鏡1はコンピュータ・コントロールユニット2と、対物レンズ3と、対物レンズ3の調整のための対物レンズ駆動部4とを有する。
【0063】
コンピュータ・コントロールユニット2は、特に音響的言語情報SIの音響的情報を捕捉するためのマイクロフォンの形態の検出器5と接続されている。さらに、カメラの形態の光学的捕捉ユニット6とインタフェース7とが設けられており、それぞれコンピュータ・コントロールユニット2とデータ交換のために適した形態で接続されている。
【0064】
光学的捕捉ユニット6は、視覚的に表された言語情報SIを光学的に捕捉するように構成されており、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ又はビデオカメラである。
【0065】
顕微鏡1のさらなる実施態様において、光学的捕捉ユニット6は、スキャナである。
【0066】
インタフェース7は、電子的にコーディングされた言語情報SIを捕捉するように構成されている。
【0067】
コンピュータ・コントロールユニット2は、参照コマンドRB、制御コマンドStB及び/又はキーワードSWが繰り返し読み出し可能に保存された集積データベース8を有する。
【0068】
さらなる可能な実施形態において、データベース8はプログラミング可能であって、特に記憶された参照コマンドRB、制御コマンドStB及び/又はキーワードSWが、顕微鏡1のユーザによって又は自己学習型プログラムを用いて、追加可能であり、削除可能であり、及び/又は変更可能である。
【0069】
顕微鏡1のさらなる実施形態において、データベース8はコンピュータ・コントロールユニット2の外部に形成され、データの交換のために適した形態でコンピュータ・コントロールユニットと接続されている。
【0070】
対物レンズ駆動部4はコンピュータ・コントロールユニット2を用いて駆動制御可能であり、対物レンズ3はZ方向Zにおいて調整可能である。対物レンズ3のZ方向Zにおける調整によって、例えば顕微鏡観察されるべき試料が配置されることができる対物平面9までの距離が変更される。
【0071】
コンピュータ・コントロールユニット2は、音響的、視覚的に表された及び/又は電子的にコーディングされた言語情報SIを、記憶された参照コマンドRBと比較し、言語情報SIの少なくとも1つの部分セクションと複数の参照コマンドRBのうちの1つとの間の所定の一致度合いに応じて、言語コマンドSBを特定するように構成されている。さらに、言語コマンドSBが所定の度合いで一致する参照コマンドRBが選択可能である。
【0072】
コンピュータ・コントロールユニット2は、さらに、顕微鏡の動作のために適した少なくとも1つの制御コマンドStBを生成するように構成されており、制御コマンドStBを、選択された参照コマンドRBに割り当てられた不変の制御コマンドStBとするか、或いは、制御コマンドStBを、作成すべき制御コマンドStBを形成するために参照コマンド(RB)に割り当てられた規則に応じて作成した制御コマンドStBとする。顕微鏡1は、割り当てられた又は作成された制御コマンドStBを用いて、コンピュータ・コントロールユニット2によって制御可能である。
【0073】
本発明による顕微鏡1の、図1に示された例示的実施形態に基づいて、以下では本発明による方法が例示的に説明される。
【0074】
音響的言語情報SIはマイクロフォン5を用いて音響的に捕捉される。
【0075】
付加的に又は代替的に、音響的言語情報と同一の意味を有する、視覚的に表された言語情報SIが光学的捕捉ユニット6を用いて捕捉され、例えば読み取られ又は複写される。視覚的に表された言語情報SIは、少なくとも1つの単語、少なくとも1つの文字及び/又は少なくとも1つの数字のグラフィック(eine Grafik)及び/又はイメージ(eine Abbildung)であることができる。視覚的に表された言語情報SIは、文書、例えば手書きの又は印刷されたメモから捕捉されることもできる。
【0076】
同様に、音響的言語情報SI及び/又は視覚的に表された言語情報SIに加えて又は代えて、電子的にコーディングされた言語情報SIがインタフェース7を用いて捕捉される。電子的にコーディングされた言語情報SIは、テキストファイル、例えば電子的ショートメッセージ(SMS、MMS)、電子メール、書込みプログラムファイル(eine Datei eines Schreibprogramms)又はグラフィックプログラムファイルである。
【0077】
捕捉された言語情報SIは、コンピュータ・コントロールユニット2に伝送され、そこで受信された言語情報SIの分析を可能にするフォーマットに変換される。捕捉された言語情報SIは、適切なプログラムを用いて個々のユニットに、例えば、個々の単語、文字及び/又は数字に再分割される。このように再分割された言語情報SIは、分析され、言語コマンドSBの存在について調査される。
【0078】
ここで、方法の可能な構成において、言語情報SIは、単語、文字及び/又は数字の位置関係(Konstellationen)について調査され、その意味が特定される。このプロセス方法は、例えば従来技術公知である潜在的意味インデックス(LSI)の概念(Konzept des latenten semantischen lndizierens)に従って実施される。LSIの概念においては、検索されている用語自身が言語情報に含まれる必要はなく、むしろ、検索されている用語への関連性について十分な度合い(ein hinreichendes Mass an Relevanz)が見出されるかどうかが調査される。
【0079】
例えば「及び」「ある」等の、言語情報SIに含まれる填辞は、方法の構成において、同一視可能(identifizierbar)であり、言語コマンドSBの特定において考慮されない。
【0080】
LSIに加えて又は代えて適用されるさらなる概念では、捕捉された言語情報SI内のキーワードSWの検索が行われる。キーワードには、例えば科学文献や専門書などの専門文献において実験の説明のために頻繁に使用される、顕微鏡の分野における専門用語及びしばしば使用される略語が含まれる。
【0081】
かかる用語は、例えば、コントラスト方法(例えば、蛍光、DIC、digital interference contrast、デジタル干渉コントラスト)、顕微鏡を調整するためのパラメータ(例えば、検出器ゲイン、レーザー出力、フィルタ)、蛍光色素(例えば、GFP、Alexa488)及び撮影モード(zスタック、マルチチャネル画像)に関する。
【0082】
各キーワードSWに対して、キーワードSWの前又は後に、キーワードSWの用語を具体化する、少なくとも1つのパラメータ情報Plが期待されるかどうかの情報が、データバンク8内に存在することができる。
【0083】
例えば、捕捉された言語情報SI内に「ズーム5」という用語が見つかる。捕捉された言語情報SIの分析及びデータバンク8との比較に基づいて、キーワードとして「ズーム」が識別される。キーワード「ズーム」には、通常はキーワードSWの後に拡大率(ズームファクター)を示す数字がパラメータ情報Plとして記される、という情報が結び付けられている。この場合、キーワードSW「ズーム」に数字「5」が続く。従って、参照コマンドRBとしてデータバンク8内に記憶されているキーワードSW「ズーム5」が認識される。
【0084】
その際、キーワードSWに割り当てられた参照コマンドRBは「ズーム5」であり得る。方法のさらなる構成において、参照コマンドRBは、例えば「ズーム0-10」として記憶されている。パラメータ情報PIは、このようにして与えられた参照コマンドRBのパラメータ範囲内に収まり、従ってキーワードSWと参照コマンドRBとの間の一致の非常に高い度合いが特定される。その後、参照コマンドRBが選択され、非常に高い一致度合によって検証された言語コマンドの存在が特定される。
【0085】
選択された参照コマンドRBは、制御コマンドStBを形成するための規則に割り当てられる。規則に基づいて、固定コンポーネント「ズーム」及び変数コンポーネント「5」を有する制御コマンドStBが対物レンズ駆動部4の制御に適した機械語で生成される。
【0086】
顕微鏡1のさらなる実施形態において、コンピュータ・コントロールユニット2は生成された制御コマンドStBの実施前に、その妥当性検査を実行するように構成されている。この場合、生成された制御コマンドStBが顕微鏡1の技術的仕様の中にあるかどうか、例えば5倍の倍率がそもそも可能であるかどうか、が検査される。
【0087】
生成された制御コマンドStBが現時点まで行われてきた技術的顕微鏡法シークエンスに論理的に適合するかどうかがさらに検査されることができる。
【0088】
生成された制御コマンドStBが妥当であると分類されれば、それが実行される。妥当性がなければ、生成された制御コマンドStBの実行は中止されるか、又は、その実行は全く行われない。妥当性が不足する場合、顕微鏡1のユーザによる生成された制御コマンドStBの確認が要求されることもでき、生成された制御コマンドStBは所与の確認後にはじめて実行されることもできる。
【0089】
対物レンズ3は、駆動制御された対物レンズ駆動部4によって、生成された制御コマンドStBに基づいて、5倍の拡大率まで設定されるまで、デカルト座標のZ方向Zに進行する。
【0090】
方法のさらなる構成において、捕捉された言語情報SIの分析は、異なる変形例において行われる。
【0091】
例えば、キーワードSWは、順次分析される。その際、分析の品質、特に言語コマンドSBの正確な決定、を改善するために、キーワードSWの出現する順序についての予備知識が使用される。
【0092】
このために、例えば、多次元空間におけるパターン認識のアプローチを用いることができる。このために、例えば顕微鏡1の駆動制御状態(コンフィギュレーション)が(辞書スペース)空間内に格納される。この空間内で、最も近い隣、即ち、キーワードSWの順序に可能な限り類似した駆動制御状態が検索される。
【0093】
迅速な、有利にはリアルタイムの分析を可能にするために、方法のさらなる構成において、空間はその次元が低減される。
【0094】
次元を低減するために、例えば主成分分析法(principal component analysis)を用いることができる。分析のために用いられる空間を複数の部分空間に分割するために、既存の先験的知識を使用することもできる。分析の際は、選択された部分空間のみが検索され、従って分析が加速される。代替的に又は付加的に、参照コマンドRBの選択がなされることができ、参照コマンドRBに基づいて言語コマンドSBの存在が決定される。
【符号の説明】
【0095】
1 顕微鏡
2 コンピュータ・コントロールユニット
3 対物レンズ
4 対物レンズ駆動部
5 検出器
6 光学的捕捉装置(カメラ)
7 (電子的にコーディングされた言語情報のための)インタフェース
8 データベース
9 対物平面
Si 言語情報
SB 言語コマンド
RB 参照コマンド
StB 制御コマンド
SW キーワード
π パラメータ情報
X X方向
Y Y方向
Z Z方向
図1