(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、ベクトル生成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20221226BHJP
G06F 16/9536 20190101ALI20221226BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20221226BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06F16/9536
G01C21/26 P
G08G1/005
(21)【出願番号】P 2019152599
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】米川 慧
(72)【発明者】
【氏名】牛 コウ
(72)【発明者】
【氏名】黒川 茂莉
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-116552(JP,A)
【文献】特開2010-181966(JP,A)
【文献】特開2016-058027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00 - 16/958
G01C 21/26
G08G 1/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、前記ユーザが各行動を行った順序を示す時系列データを取得する取得部と、
前記ユーザが行動を行った行動位置を特定することが不能であるカテゴリであって、前記時系列データに含まれている複数の前記行動識別情報それぞれが属する複数の前記カテゴリの中から、前記ユーザが関心を持ち得る場所であるPOI(Point of Interest)の種類として前記ユーザに推薦する1つの前記カテゴリを選択する選択部と、
前記時系列データに含まれる複数の行動識別情報のうちの前記選択部が選択した前記カテゴリである選択カテゴリに属する前記行動識別情報は変換せず、前記複数の行動識別情報のうちの前記選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属する前記行動識別情報を前記他のカテゴリを示すカテゴリ情報に変換した変換データを生成するデータ生成部と、
前記時系列データによって示される前記ユーザが行った各行動の順序に基づいて、前記データ生成部が生成した前記変換データに含まれる前記行動識別情報又は前記カテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報が示す行動又は当該カテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動との
順序での関連性を示す特徴ベクトルである行動ベクトルを生成する行動ベクトル生成部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記時系列データに含まれている前記行動識別情報は、前記ユーザが行動を行った行動位置を特定不能な第1行動識別情報と、前記行動位置を特定可能な第2行動識別情報とのうちのいずれかに該当し、
前記データ生成部は、前記選択カテゴリに属する前記行動識別情報と、前記他のカテゴリに属する前記行動識別情報のうち、前記第1行動識別情報に該当する前記行動識別情報と、前記他のカテゴリに属する前記行動識別情報のうち、前記第2行動識別情報に該当する前記行動識別情報が属する前記他のカテゴリを示す前記カテゴリ情報とを含む変換データを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、複数のユーザそれぞれに対応する複数の前記時系列データを取得し、
前記取得部が取得した前記時系列データに対応する前記ユーザごとに、当該ユーザに対応する前記変換データに基づいて生成された複数の前記行動ベクトルの平均を、前記ユーザの行動の特徴を示す特徴ベクトルであるユーザベクトルとして生成するユーザベクトル生成部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記行動ベクトル生成部が生成した複数の前記行動ベクトルのうち、前記ユーザベクトルに相対的に近い前記行動ベクトルに対応する行動を、前記ユーザベクトルに対応する前記ユーザに推薦する推薦部をさらに有する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推薦部は、前記ユーザベクトルに対応する前記ユーザとは異なる他の前記ユーザに対応する前記行動を推薦する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記時系列データは、前記ユーザが前記行動識別情報によって示される行動を行った時刻を示す時刻情報であって、前記行動識別情報に関連付けられた前記時刻情報をさらに含み、
前記推薦部は、前記時系列データにおいて所定の期間に含まれる時刻を示す前記時刻情報に関連付けられた前記行動識別情報が示す行動を推薦する、
請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記時系列データは、前記ユーザが行動を行った行動位置を特定可能な行動識別情報を含み、
前記推薦部は、前記行動位置が所定の範囲に含まれる前記行動識別情報が示す行動を推薦する、
請求項4から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推薦部は、前記ユーザベクトルに対応する前記ユーザに対応する前記時系列データに含まれていない前記行動識別情報が示す行動を推薦する、
請求項4から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
ユーザが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、前記ユーザが各行動を行った順序を示す時系列データを取得するステップと、
前記ユーザが行動を行った行動位置を特定することが不能であるカテゴリであって、前記時系列データに含まれている複数の前記行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から、前記ユーザが関心を持ち得る場所であるPOIの種類として前記ユーザに推薦する1つの前記カテゴリを選択するステップと、
前記時系列データに含まれる複数の行動識別情報のうちの選択した前記カテゴリである選択カテゴリに属する前記行動識別情報は変換せず、前記複数の行動識別情報のうちの前記選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属する前記行動識別情報を前記他のカテゴリを示すカテゴリ情報に変換した変換データを生成するステップと、
前記時系列データによって示される前記ユーザが行った各行動の順序に基づいて、生成した前記変換データに含まれる前記行動識別情報又は前記カテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報が示す行動又は当該カテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動の
順序での関連性を示す特徴ベクトルである行動ベクトルを生成するステップと、
を有するベクトル生成方法。
【請求項10】
コンピュータを、
ユーザが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、前記ユーザが各行動を行った順序を示す時系列データを取得する取得部、
前記ユーザが行動を行った行動位置を特定することが不能であるカテゴリであって、前記時系列データに含まれている複数の前記行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から、前記ユーザが関心を持ち得る場所であるPOIの種類として前記ユーザに推薦する1つの前記カテゴリを選択する選択部、
前記時系列データに含まれる複数の行動識別情報のうちの前記選択部が選択した前記カテゴリである選択カテゴリに属する前記行動識別情報は変換せず、前記複数の行動識別情報のうちの前記選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属する前記行動識別情報を前記他のカテゴリを示すカテゴリ情報に変換した変換データを生成するデータ生成部、及び
前記時系列データによって示される前記ユーザが行った各行動の順序に基づいて、前記データ生成部が生成した前記変換データに含まれる前記行動識別情報又は前記カテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報が示す行動又は当該カテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動との
順序での関連性を示す特徴ベクトルである行動ベクトルを生成する行動ベクトル生成部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに推薦する行動を特定するために用いる特徴ベクトルを生成する情報処理装置、ベクトル生成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの行動履歴に基づいて、ユーザが関心を持つ場所であるPOI(Point of Interest)を推薦するシステムが知られている。特許文献1には、ユーザの行動履歴に基づいてユーザ同士の類似度を算出し、類似度が推薦対象のユーザと類似することを示す他のユーザのPOIを、ユーザに推薦する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る技術では、ユーザが行動した地域が共通しない場合、類似度が低く算出され得る。例えば、2人のユーザが行動した地域が異なる場合、これら2人のユーザの行動傾向が類似する場合であっても、類似度が低く算出され得る。行動履歴が少ない過疎地域のユーザについては、同じ地域に当該ユーザの行動傾向と類似する他のユーザが少なく、類似度が高い他のユーザを特定することができない場合がある。この場合、過疎地域のユーザにPOIを推薦する精度が低下してしまうという問題が発生する。そのため、地域性を希釈しつつ、ユーザの行動傾向に対応した情報であって、ユーザに推薦するPOIを特定するために用いられる情報を生成できるようにすることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、地域性を希釈しつつ、ユーザの行動傾向に対応した特徴ベクトルを生成することができる情報処理装置、ベクトル生成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、前記ユーザが各行動を行った順序を示す時系列データを取得する取得部と、前記時系列データに含まれている複数の前記行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から1つの前記カテゴリを選択する選択部と、前記選択部が選択した前記カテゴリである選択カテゴリに属する前記行動識別情報と、前記選択カテゴリとは異なる他の前記カテゴリに属し、かつ前記時系列データに含まれている前記行動識別情報が属する前記カテゴリを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成するデータ生成部と、前記データ生成部が生成した前記変換データに含まれる前記行動識別情報又は前記カテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報が示す行動又は当該カテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動との関連性を示す特徴ベクトルである行動ベクトルを生成する行動ベクトル生成部と、を有する。
【0007】
前記時系列データに含まれている前記行動識別情報は、前記ユーザが行動を行った行動位置を特定不能な第1行動識別情報と、前記行動位置を特定可能な第2行動識別情報とのうちのいずれかに該当し、前記データ生成部は、前記選択カテゴリに属する前記行動識別情報と、前記他のカテゴリに属する前記行動識別情報のうち、前記第1行動識別情報に該当する前記行動識別情報と、前記他のカテゴリに属する前記行動識別情報のうち、前記第2行動識別情報に該当する前記行動識別情報が属する前記カテゴリを示す前記カテゴリ情報とを含む変換データを生成してもよい。
【0008】
前記取得部は、複数のユーザそれぞれに対応する複数の前記時系列データを取得し、前記情報処理装置は、前記取得部が取得した前記時系列データに対応する前記ユーザごとに、当該ユーザに対応する前記変換データに基づいて生成された複数の前記行動ベクトルに基づいて、前記ユーザの行動の特徴を示す特徴ベクトルであるユーザベクトルを生成するユーザベクトル生成部をさらに有してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記行動ベクトル生成部が生成した複数の前記行動ベクトルのうち、前記ユーザベクトルに相対的に近い前記行動ベクトルに対応する行動を、前記ユーザベクトルに対応する前記ユーザに推薦する推薦部をさらに有してもよい。
前記推薦部は、前記ユーザベクトルに対応する前記ユーザとは異なる他の前記ユーザに対応する前記行動を推薦してもよい。
【0010】
前記時系列データは、前記ユーザが前記行動識別情報によって示される行動を行った時刻を示す時刻情報であって、前記行動識別情報に関連付けられた前記時刻情報をさらに含み、前記推薦部は、前記時系列データにおいて所定の期間に含まれる時刻を示す前記時刻情報に関連付けられた前記行動識別情報が示す行動を推薦してもよい。
【0011】
前記時系列データは、前記ユーザが行動を行った行動位置を特定可能な行動識別情報を含み、前記推薦部は、前記行動位置が所定の範囲に含まれる前記行動識別情報が示す行動を推薦してもよい。
前記推薦部は、前記ユーザベクトルに対応する前記ユーザに対応する前記時系列データに含まれていない前記行動識別情報が示す行動を推薦してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係るベクトル生成方法は、コンピュータが実行する、ユーザが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、前記ユーザが各行動を行った順序を示す時系列データを取得するステップと、前記時系列データに含まれている複数の前記行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から1つの前記カテゴリを選択するステップと、選択した前記カテゴリである選択カテゴリに属する前記行動識別情報と、前記選択カテゴリとは異なる他の前記カテゴリに属し、かつ前記時系列データに含まれている前記行動識別情報が属する前記カテゴリを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成するステップと、生成した前記変換データに含まれる前記行動識別情報又は前記カテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報が示す行動又は当該カテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動との関連性を示す特徴ベクトルである行動ベクトルを生成するステップと、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、前記ユーザが各行動を行った順序を示す時系列データを取得する取得部、前記時系列データに含まれている複数の前記行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から1つの前記カテゴリを選択する選択部、前記選択部が選択した前記カテゴリである選択カテゴリに属する前記行動識別情報と、前記選択カテゴリとは異なる他の前記カテゴリに属し、かつ前記時系列データに含まれている前記行動識別情報が属する前記カテゴリを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成するデータ生成部、及び前記データ生成部が生成した前記変換データに含まれる前記行動識別情報又は前記カテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報が示す行動又は当該カテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動との関連性を示す特徴ベクトルである行動ベクトルを生成する行動ベクトル生成部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地域性を希釈しつつ、ユーザの行動傾向に対応した特徴ベクトルを生成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図3】情報処理装置が用いる各種のデータの一例を示す図である。
【
図4】情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、ユーザUが関心を持ち得る場所であるPOIを推薦するために用いられるシステムである。情報処理システムSは、ユーザ端末1と、情報処理装置2とを有する。
【0017】
ユーザ端末1は、ユーザUが使用する端末であり、例えばスマートフォンをはじめとするモバイル端末である。ユーザ端末1には、例えば、ユーザUが行った行動に関する情報を収集するアプリケーションソフトウェア(以下、「収集アプリ」という。)がインストールされている。ユーザUが行った行動は、例えば、ユーザUが店舗に訪問したり、ユーザUがユーザ端末1のウェブブラウザを用いてウェブページにアクセスしたり、ユーザUがユーザ端末1にインストールされている収集アプリとは異なる他のアプリケーションソフトウェア(例えば、店舗を検索することが可能な検索アプリ、ニュースを閲覧することが可能な閲覧アプリ等)を操作したりする行動である。
【0018】
ユーザ端末1は、収集アプリが動作することにより、ユーザUの行動履歴を示す時系列データをユーザUが行った行動に関する情報として生成し、生成した時系列データを情報処理装置2に送信する。時系列データは、ユーザUが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、ユーザUが各行動を行った順序を示すデータである。行動識別情報は、例えば、ユーザUが訪問した店舗の名称、ユーザUがユーザ端末1のウェブブラウザを用いてアクセスしたウェブページの名称(例えばタイトル)及びユーザUがユーザ端末1で操作した他のアプリケーションソフトウェアの名称等である。なお、行動識別情報は、上述した名称に限らず、行動を識別可能な情報であれば、例えば英数字の文字列又はウェブページのURL等であってもよい。
【0019】
収集アプリは、店舗内に設けられた近距離無線通信機器が発信したビーコンIDをユーザ端末1が受信した場合に、当該ビーコンIDに関連付けられた店舗を特定してもよいし、店舗が提供するWi-Fi(登録商標)にユーザ端末1が接続した場合に、当該Wi-Fiのアクセスポイントの管理IDに関連付けられた店舗を特定してもよい。ユーザ端末1は、所定の間隔(例えば日ごと)で、時系列データを情報処理装置2に送信する。
【0020】
情報処理装置2は、収集アプリがインストールされたユーザ端末1を使用するユーザUにPOIを推薦する装置であり、例えばサーバである。
【0021】
図1に示す例において、まず、情報処理装置2は、複数のユーザ端末1(ユーザU1が使用するユーザ端末1a、ユーザU2が使用するユーザ端末1b及びユーザU3が使用するユーザ端末1c)それぞれから時系列データを取得する(
図1の(1))。情報処理装置2は、取得した時系列データに含まれている複数の行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する(
図1の(2))。
【0022】
カテゴリは、行動識別情報を抽象化した情報であり、例えば、レストラン、カフェ、居酒屋、スーパー及びコンビニ等である。具体的には、カテゴリは、行動識別情報によってユーザUが行動を行った行動位置を特定することが可能である場合に、当該行動識別情報を、ユーザUが行動を行った行動位置を特定することが不能になるように変換した情報である。情報処理装置2が選択したカテゴリは、ユーザUに推薦するPOIの種類である。
【0023】
情報処理装置2は、取得した時系列データに対応するユーザUごとに、当該時系列データに基づいて、変換データを生成する(
図1の(3))。変換データは、選択したカテゴリである選択カテゴリに属する行動識別情報と、選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属し、かつ時系列データに含まれている行動識別情報が属するカテゴリを示すカテゴリ情報とを含むデータである。
【0024】
情報処理装置2は、生成した変換データに含まれる行動識別情報又はカテゴリ情報ごとに、変換データに基づいて、行動ベクトルを生成する(
図1の(4))。行動ベクトルは、行動識別情報が示す行動又はカテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動との関連性を示す特徴ベクトルである。このように、情報処理装置2は、選択カテゴリに属する行動識別情報と、選択カテゴリに属さない他の行動識別情報を抽象化したカテゴリ情報とを含む変換データに基づいて行動ベクトルを生成することにより、地域性を希釈しつつ、ユーザUの行動傾向に対応した特徴ベクトルを生成することができる。
【0025】
続いて、情報処理装置2は、取得した時系列データに対応するユーザUごとに、当該ユーザUに対応する変換データに基づいて生成した複数の行動ベクトルに基づいて、ユーザベクトルを生成する(
図1の(5))。ユーザベクトルは、ユーザUの行動の特徴を示す特徴ベクトルである。
図1に示す例において、情報処理装置2は、ユーザU1に対応するユーザベクトルと、ユーザU2に対応するユーザベクトルと、ユーザU3に対応するユーザベクトルとを生成する。
【0026】
そして、情報処理装置2は、ユーザUごとに、複数の行動ベクトルのうち、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動をPOIとして、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦する(
図1の(6))。
【0027】
このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザUの行動傾向に対応したPOIを特定することができる。これにより、情報処理装置2は、複数のユーザUそれぞれが行動した地域が異なる場合であっても、推薦対象のユーザUの行動傾向に類似する他のユーザUのPOIを推薦することができる。その結果、情報処理装置2は、ユーザUの行動履歴の情報量が地域ごとに異なる場合であっても、ユーザUにPOIを推薦する精度のばらつきを小さくすることができる。
以下において、情報処理装置2の構成について説明する。
【0028】
[情報処理装置2の構成]
図2は、情報処理装置2の構成を示す図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを有する。通信部21は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを含んで構成されている。
【0029】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。記憶部22には、収集アプリがインストールされたユーザ端末1を使用するユーザUに関する情報と、時系列データとが記憶されている。ユーザUに関する情報には、例えば、ユーザUを識別するためのユーザ識別情報が含まれる。時系列データの詳細については後述する。
【0030】
制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部23は、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部231、選択部232、データ生成部233、行動ベクトル生成部234、ユーザベクトル生成部235及び推薦部236として機能する。
【0031】
取得部231は、通信部21を介して、ユーザUが行った行動ごとに、当該行動を識別するための行動識別情報を含み、ユーザUが各行動を行った順序を示す時系列データをユーザ端末1から取得する。時系列データには、ユーザUが各行動を行った順序を示す情報として、ユーザUが行動識別情報によって示される行動を行った時刻を示す時刻情報がさらに含まれている。
【0032】
取得部231は、例えば、所定の間隔(例えば日ごと)で、時系列データをユーザ端末1から取得する。取得部231は、ユーザ端末1から時系列データとともに、当該ユーザ端末1を使用するユーザUに対応するユーザ識別情報を取得し、ユーザ識別情報に関連付けて時系列データを記憶部22に記憶させる。
【0033】
図3は、情報処理装置2が用いる各種のデータの一例を示す図である。
図3(a)には、各ユーザUに対応する時系列データが示されており、各時系列データには、行動識別情報と、当該行動識別情報に関連付けられた時刻情報とが含まれている。なお、時系列データに含まれている各行動識別情報の順序が、ユーザUが各行動を行った順序を示してもよい。
【0034】
ここで、時系列データに含まれている行動識別情報は、第1行動識別情報と、第2行動識別情報とのうちのいずれかに該当する。第1行動識別情報は、ユーザUが行動を行った行動位置を特定不能な行動識別情報であり、例えば、ユーザUがユーザ端末1のウェブブラウザを用いてアクセスしたウェブページの名称(タイトル)又はユーザUがユーザ端末1で操作した他のアプリケーションソフトウェアの名称である。第2行動識別情報は、行動位置を特定可能な行動識別情報であり、例えば、ユーザUが訪問した店舗の名称である。
【0035】
図2に戻り、選択部232は、時系列データに含まれている複数の行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する。選択部232は、例えば、情報処理装置2の管理者が指定した1つのカテゴリを受け付けることにより、1つのカテゴリを選択する。選択部232は、時系列データに含まれている複数の行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中からランダムに1つのカテゴリを選択してもよい。
【0036】
データ生成部233は、選択部232が選択したカテゴリである選択カテゴリに属する行動識別情報と、選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属し、かつ時系列データに含まれている行動識別情報が属するカテゴリを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成する。具体的には、データ生成部233は、時系列データに含まれる複数の行動識別情報のうち、1つの行動識別情報を順番に選択し、選択した行動識別情報に対して変換処理を実行することにより、行動識別情報とカテゴリ情報とを含む変換データを生成する。データ生成部233は、変換処理として、選択した行動識別情報が選択カテゴリに属する場合、当該行動識別情報を変換せず、選択した行動識別情報が選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属する場合、当該行動識別情報を、当該行動識別情報が属するカテゴリを示すカテゴリ情報に変換する。データ生成部233は、例えば、ユーザUごとに、当該ユーザUに対応する変換データを生成する。
【0037】
図3(b)に示す例において、時系列データに含まれる行動識別情報である行動A、B、Cにおいて、行動AがカテゴリXに属し、行動BがカテゴリYに属し、行動CがカテゴリZに属し、選択部232がカテゴリX、Y、Zの中からカテゴリXを選択したとする。この場合において、データ生成部233は、選択されたカテゴリであるカテゴリXに属する行動Aを変換せず、カテゴリXとは異なる他のカテゴリに属する行動B、Cを、それぞれが属するカテゴリY、Zを示すカテゴリ情報に変換する。このように、データ生成部233は、変換処理を実行することにより、行動Aを示す行動識別情報と、カテゴリYを示すカテゴリ情報と、カテゴリZを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成する。
【0038】
データ生成部233は、行動識別情報をカテゴリ情報に変換する場合、例えば、行動識別情報とカテゴリ情報とが関連付けられた変換情報を用いて変換する。データ生成部233は、行動識別情報がユーザUによって訪問された店舗の名称を示す場合であって、当該店舗がチェーン店又はブランド店である場合、行動識別情報が示す店舗名に含まれるチェーン名又はブランド名(店舗名において位置を特定可能な部分以外の部分)をカテゴリとして用いて変換してもよい。例えば、チェーン店「ABC」の店舗名が「ABC XYZ駅前店」である場合、データ生成部233は、店舗名において位置を特定可能な部分「XYZ駅前店」以外の部分であるチェーン店「ABC」をカテゴリとして用いて変換する。
【0039】
データ生成部233は、他のカテゴリに属する行動識別情報であっても、当該行動識別情報が第1行動識別情報に該当する場合、当該行動識別情報をカテゴリ情報に変換しなくてもよい。具体的には、データ生成部233は、選択カテゴリに属する行動識別情報と、他のカテゴリに属する行動識別情報のうち、第1行動識別情報に該当する行動識別情報と、他のカテゴリに属する行動識別情報のうち、第2行動識別情報に該当する行動識別情報が属するカテゴリを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成してもよい。
【0040】
より具体的には、データ生成部233は、他のカテゴリに属する行動識別情報のうち、第1行動識別情報に該当する行動識別情報においてはカテゴリ情報に変換せず、第2行動識別情報に該当する行動識別情報を、当該行動識別情報が属するカテゴリを示すカテゴリ情報に変換することにより、変換データを生成してもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、ユーザUが行動を行った行動位置が特定可能な行動識別情報に限定して抽象化することができる。
【0041】
行動ベクトル生成部234は、データ生成部233が生成した変換データに含まれる行動識別情報又はカテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報が示す行動又は当該カテゴリ情報に属する行動と、当該行動とは異なる他の行動との関連性を示す特徴ベクトルである行動ベクトルを生成する。具体的には、行動ベクトル生成部234は、データ生成部233が生成した変換データに含まれる行動識別情報又はカテゴリ情報ごとに、当該行動識別情報又は当該カテゴリ情報と、時系列データによって示される複数の行動間の関係とに基づいて、行動ベクトルを生成する。
【0042】
複数の行動間の関係は、第1行動と、第1行動の前後に行われた第2行動との関連性の高さを示す。例えば、各ユーザUの変換データ全てにおいて、行動Aの後にカテゴリYに属する行動(行動B等)と、カテゴリZに属する行動(行動C等)とが行われたことが示されている場合、行動ベクトル生成部234は、行動Aに対応する行動ベクトルとして、カテゴリYに属する行動及びカテゴリZに属する行動との関連性が高いことを示す行動ベクトルを生成する。
【0043】
行動ベクトル生成部234は、例えば、行動識別情報又はカテゴリ情報に基づいて生成された特徴ベクトルである入力ベクトルを入力することにより行動ベクトルを出力可能なように学習された機械学習モデルを用いて、行動ベクトルを生成する。機械学習モデルは、変換データに基づいて生成された教師データを用いて学習したモデルである。
【0044】
図3(c)に示す教師データは、入力情報と予測情報とを関連付けたデータである。入力情報は、データ生成部233が生成した変換データにおいて、ユーザUが行った第1行動を示す行動識別情報又は第1行動が属するカテゴリを示すカテゴリ情報に基づいて生成された入力ベクトルである。予測情報は、ユーザUが第1行動の前又は後に行った第2行動を示す行動識別情報又は第2行動が属するカテゴリを示すカテゴリ情報に基づいて生成された特徴ベクトルである予測ベクトルである。
【0045】
具体的には、まず、行動ベクトル生成部234は、特徴ベクトルを生成するために用いる機械学習モデルを生成する。行動ベクトル生成部234は、データ生成部233が生成した変換データに基づいて、教師データを生成する。行動ベクトル生成部234は、生成した教師データを用いて、生成した機械学習モデルを学習させる。そして、行動ベクトル生成部234は、変換データに含まれる行動識別情報又はカテゴリ情報ごとに、機械学習モデルに当該行動識別情報又は当該カテゴリ情報に対応する入力ベクトルを入力し、当該機械学習モデルが出力した予測ベクトルを取得することにより、当該行動識別情報又は当該カテゴリ情報に対応する行動ベクトルを生成する。
【0046】
行動ベクトル生成部234は、例えば、情報処理装置2がPOIを推薦するための処理を実行したときに、機械学習モデルを生成する処理から行動ベクトルを生成する処理までの一連の処理を実行する。行動ベクトル生成部234は、選択部232が選択可能な各カテゴリに対応する機械学習モデルであって、教師データを用いて学習させた複数の機械学習モデルを予め記憶部22に記憶させておき、選択部232がカテゴリを選択したときに、選択されたカテゴリに対応する機械学習モデルを用いて行動ベクトルを生成する処理を実行してもよい。
【0047】
ユーザベクトル生成部235は、ユーザUの行動の特徴を示す特徴ベクトルであるユーザベクトルを生成する。具体的には、まず、取得部231は、通信部21を介して、複数のユーザUそれぞれに対応する複数の時系列データを取得する。そして、ユーザベクトル生成部235は、取得部231が取得した時系列データに対応するユーザUごとに、当該ユーザUに対応する変換データに基づいて生成された複数の行動ベクトルに基づいて、ユーザベクトルを生成する。ユーザベクトル生成部235は、例えば、ユーザUに対応する変換データに基づいて生成された複数の行動ベクトルの平均を算出し、算出した結果をユーザベクトルとして生成する。
【0048】
推薦部236は、行動ベクトル生成部234が生成した複数の行動ベクトルのうち、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動をPOIとして、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦する。行動ベクトルに対応する行動は、行動ベクトルに対応する行動識別情報によって識別される行動、すなわち、行動識別情報によって示されるユーザUが訪問した店舗の名称である。具体的には、推薦部236は、選択カテゴリに属する複数の行動識別情報それぞれに基づいて生成された複数の行動ベクトルの中から、推薦対象のユーザUに対応するユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルを特定し、特定した行動ベクトルに対応する行動を、推薦対象のユーザUに推薦する。
【0049】
より具体的には、まず、推薦部236は、行動ベクトル生成部234が選択カテゴリに属する行動識別情報に基づいて生成した行動ベクトルごとに、当該行動ベクトルとユーザベクトルとの近さに基づいて類似度を算出する。推薦部236は、例えば、行動ベクトルとユーザベクトルとの近さが近いほど高い類似度を算出する。推薦部236は、算出した複数の類似度の中から、相対的に高い類似度に対応する行動ベクトルを特定する。推薦部236は、例えば、複数の類似度が示す近さの上位から所定の順位までに含まれる複数の行動ベクトルを特定する。推薦部236は、複数の類似度のうち、所定の類似度閾値より近いことを示す類似度に対応する行動ベクトルを特定してもよい。
【0050】
そして、推薦部236は、特定した行動ベクトルに対応する行動を、ユーザUに推薦する。推薦部236は、例えば、通信部21を介して、ユーザUのユーザ端末1にPOIを示す情報を通知し、ユーザ端末1にインストールされた収集アプリの画面にPOIを表示させることにより、ユーザUにPOIを推薦する。
【0051】
推薦部236は、ユーザベクトルに対応するユーザUとは異なる他のユーザUに対応する行動を推薦してもよい。具体的には、推薦部236は、行動ベクトル生成部234が生成した複数の行動ベクトルのうち、他のユーザUに対応する行動ベクトルであって、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動を、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦する。他のユーザUに対応する行動ベクトルは、他のユーザUに対応する変換データに基づいて生成された行動ベクトルである。このようにすることで、情報処理装置2は、推薦対象のユーザUに対して、当該ユーザUのPOIを推薦することを回避することができる。
【0052】
推薦部236は、時系列データにおいて所定の期間に含まれる時刻を示す時刻情報に関連付けられた行動識別情報が示す行動を推薦してもよい。所定の期間は、管理者が指定した期間であってもよいし、予め設定された期間(例えば、現在から1か月前までの期間等)であってもよい。
【0053】
具体的には、推薦部236は、行動ベクトル生成部234が生成した複数の行動ベクトルのうち、時系列データにおいて所定の期間に含まれる時刻を示す時刻情報に関連付けられた行動識別情報に基づいて生成された行動ベクトルであって、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動を、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦してもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、指定された期間内に行われた行動を、ユーザUに推薦することができる。
【0054】
推薦部236は、行動位置が所定の範囲に含まれる行動識別情報が示す行動を推薦してもよい。所定の範囲は、例えば、都道府県又は市区町村等である。所定の範囲は、管理者が指定した範囲であってもよいし、推薦対象のユーザUに対応する時系列データに含まれる、第2行動識別情報に該当する行動識別情報によって特定されるユーザUの行動範囲であってもよい。
【0055】
具体的には、推薦部236は、行動ベクトル生成部234が生成した複数の行動ベクトルのうち、特定された行動位置が所定の範囲に含まれる第2行動識別情報に該当する行動識別情報に基づいて生成された行動ベクトルであって、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動を、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦してもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、所定の範囲内で行われた行動を、ユーザUに推薦することができる。
【0056】
推薦部236は、ユーザベクトルに対応するユーザUに対応する時系列データに含まれていない行動識別情報が示す行動を推薦してもよい。具体的には、推薦部236は、行動ベクトル生成部234が生成した複数の行動ベクトルのうち、ユーザベクトルに対応するユーザUに対応する時系列データに含まれる行動識別情報以外の他の行動識別情報に基づいて生成された行動ベクトルであって、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動を、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦してもよい。このようにすることで、情報処理装置2は、推薦対象のユーザUが行ったことが無い行動を推薦することができる。
【0057】
[情報処理装置2の処理]
続いて、情報処理装置2の処理の流れについて説明する。
図4は、情報処理装置2の処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、管理者が、取得部231によって複数のユーザ端末1それぞれから取得された複数の時系列データに含まれている複数の行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリのうちの1つのカテゴリを、ユーザUに推薦したいPOIの種類として指定したことを契機として開始する。
【0058】
選択部232は、管理者が指定した1つのカテゴリを選択する(S1)。データ生成部233は、取得部231が取得した時系列データに対応するユーザUごとに、選択部232が選択したカテゴリである選択カテゴリに属する行動識別情報と、選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属し、かつ時系列データに含まれている行動識別情報が属するカテゴリを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成する(S2)。行動ベクトル生成部234は、データ生成部233が生成した変換データに含まれる行動識別情報又はカテゴリ情報ごとに行動ベクトルを生成する(S3)。
【0059】
ユーザベクトル生成部235は、ユーザUごとに、当該ユーザUに対応する変換データに基づいて生成された複数の行動ベクトルに基づいて、ユーザベクトルを生成する(S4)。推薦部236は、行動ベクトル生成部234が生成した複数の行動ベクトルのうち、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動をPOIとして、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦する(S5)。
【0060】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置2は、取得した時系列データに含まれている複数の行動識別情報それぞれが属する複数のカテゴリの中から選択したカテゴリである選択カテゴリに属する行動識別情報と、選択カテゴリとは異なる他のカテゴリに属し、かつ時系列データに含まれている行動識別情報が属するカテゴリを示すカテゴリ情報とを含む変換データを生成し、生成した変換データに含まれる行動識別情報又はカテゴリ情報ごとに、当該変換データに基づいて、行動ベクトルを生成する。このように、情報処理装置2は、選択カテゴリに属する行動識別情報と、選択カテゴリに属さない他の行動識別情報を抽象化したカテゴリ情報とを含む変換データに基づいて行動ベクトルを生成することにより、地域性を希釈しつつ、ユーザUの行動傾向に対応した特徴ベクトルを生成することができる。
【0061】
行動ベクトルを生成した後において、情報処理装置2は、ユーザUに対応する変換データに基づいて生成した複数の行動ベクトルに基づいて、ユーザベクトルを生成し、複数の行動ベクトルのうち、ユーザベクトルに相対的に近い行動ベクトルに対応する行動をPOIとして、ユーザベクトルに対応するユーザUに推薦する。このようにすることで、情報処理装置2は、複数のユーザUそれぞれが行動した地域が異なる場合であっても、推薦対象のユーザUの行動傾向に類似する他のユーザUのPOIを推薦することができる。その結果、情報処理装置2は、ユーザUの行動履歴の情報量が地域ごとに異なる場合であっても、ユーザUにPOIを推薦する精度のばらつきを小さくすることができる。
【0062】
[変形例]
上記において、情報処理装置2は、管理者が指定したカテゴリを選択する例を説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置2は、ユーザUがユーザ端末1にインストールされた収集アプリの画面において指定したカテゴリを選択してもよい。
【0063】
この場合、情報処理装置2は、ユーザUが指定可能な各カテゴリに対応した機械学習モデルであって、教師データを用いて学習させた複数の機械学習モデルが予め記憶部22に記憶されており、ユーザUがカテゴリを指定したときに、指定されたカテゴリに対応する機械学習モデルを用いて行動ベクトルを生成する処理から、当該ユーザUにPOIを推薦する処理までを実行してもよい。なお、情報処理装置2は、CPUの性能が高く、教師データを用いて機械学習モデルを学習させる処理が高速に処理できる場合、ユーザUがカテゴリを指定したときに、機械学習モデルを生成する処理から、当該ユーザUにPOIを推薦する処理までを実行してもよい。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0065】
1 ユーザ端末
2 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 取得部
232 選択部
233 データ生成部
234 行動ベクトル生成部
235 ユーザベクトル生成部
236 推薦部
S 情報処理システム
U ユーザ