(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】電子タバコのための使い捨てカートリッジを製造する製造機械のための充填ユニット
(51)【国際特許分類】
B65B 1/10 20060101AFI20221226BHJP
B65B 1/24 20060101ALI20221226BHJP
B65B 1/38 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
B65B1/10 A
B65B1/24
B65B1/38
(21)【出願番号】P 2020507002
(86)(22)【出願日】2018-08-08
(86)【国際出願番号】 IB2018055962
(87)【国際公開番号】W WO2019030685
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】102017000091504
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ ミランドリ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ ロンツァーニ
(72)【発明者】
【氏名】シモーネ スカッリャリーニ
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ スクアルツォーニ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/051350(WO,A2)
【文献】特表昭63-501789(JP,A)
【文献】特公昭47-021293(JP,B1)
【文献】特公昭33-005345(JP,B1)
【文献】特開昭56-113592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タバコのための使い捨てカートリッジ(1)を製造する製造機械(8)のための充填ユニット(18)であって、
水平に配置された円筒形状のタンク(24)であって、垂直回転軸心(25)の回りで段階的様式で回転すべく取付けられ、底部にては、円形状を有する基部ディスク(28)により境界決定され、且つ、各側部にては、前記基部ディスク(28)から垂直に突出する円筒状側壁部(29)により境界決定されるという円筒形状のタンク(24)と、
前記タンク(24)内へタバコ(32)の流れを供給すべく、前記タンク(24)の内側に配置された吐出開口を有する供給ダクト(31)であって、前記タンク(24)
の前記基部ディスク(28)上に
対向して配置されている、供給ダクト(31)と、
着座部(27)の複数の群(26)であって、
該複数の群(26)の各々が、前記基部ディスク(28)内に実現されると共に、対応する回分量(5)のタバコを受容して保持すべく適合化された着座部(27)の複数の群(26)と、
充填ステーション(S2)における固定位置に配置された搬送デバイス(33)であって、前記充填ステーション(S2)において静止している群(26)の着座部(27)の内側に収容されたタバコの回分量(5)を周期的に移し換えるという搬送デバイス(33)と、
該搬送デバイス(33)の直上流に固定位置で、すなわち、前記タンク(24)と共に回転することなく、前記タンク(24)の内側に配置された掻取り要素(40)であって、前記着座部(27)の外側で前記基部ディスク(28)上に着座する前記タバコ(32)を押しのける機能を達成するという掻取り要素(40)と、
を備える充填ユニット(18)において、
固定位置において前記タンク(24)の内側に配置された少なくとも一台のミキサ・デバイス(41)であって、周期的に、且つ、完全に前記垂直回転軸心(25)の回りにおける前記タンク(24)の回転と関わりなく、運動する運動部分を備える少なくとも一台のミキサ・デバイス(41)を備え
、
前記充填ユニット(18)は、固定位置において、すなわち、前記タンク(24)と共に回転することなく、前記タンク(24)の内側に配置され、前記タンク(24)内部に存在する前記タバコ(32)と干渉して、前記タバコ(32)のための選好的又は強制的な通過経路を画成する複数の壁部(38,39)を備え、
前記充填ユニット(18)は、相互から所定距離に配置された2台のミキサ・デバイス(41)を備え、該2台のミキサ・デバイス(41)はそれぞれ前記搬送デバイス(33)の上流及び下流に配置されている、
ことを特徴とする、充填ユニット(18)。
【請求項2】
前記ミキサ・デバイス(41)は、前記タンク(24)の前記垂直回転軸心(25)と平行である垂直回転軸心の回りを回転する一連のブレードを備える、請求項1記載の充填ユニット(18)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2017年8月8日に出願されたイタリア国特許出願第102017000091504号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容は言及したことにより援用される。
【0002】
本発明は、電子タバコのための使い捨てカートリッジを製造する製造機械のための充填ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
最近、電子タバコ用に、微小穿孔された底壁部を備える管形状を有するプラスチック材料で作成されたケーシングを備える単回使用の(すなわち使い捨て可能である)カートリッジが提案されると共に、その中には、フィルタ材料で作成されたパッドが頂部配置された所定量のタバコ粉末が収容され、上記ケーシングは、上側の(すなわち、上記微小穿孔された底壁部とは逆側の)端部にて、ケーシング自体に対して溶接されたシール・リングにより閉じられる。
【0004】
上記カートリッジの製造は、各ケーシングに基準回分量のタバコ粉末を充填する段階と、所望の密度を実現するために上記ケーシングの内部における回分量のタバコ粉末を僅かに圧縮する段階と、次に、開放された上端部に対してフィルタ・パッドおよびシール・リングの両方を装着することにより上記ケーシングに蓋をする段階とを備えている。各カートリッジは引き続き、その内部に不十分な量または過剰な量の粉末タバコを保持する不適合なカートリッジの廃棄を許容するために、個別的に計量される。
【0005】
各カートリッジの製造が完了したなら、それらは、典型的にはブリスタ・パッケージであるシール済みパッケージ内へと挿入される。特許文献1、特許文献2および特許文献3は、上述された形式の、電子タバコのための使い捨てカートリッジを製造する製造機械のための充填ユニットの例を提供する。この充填ユニットは、効率的に(すなわち単位時間において、製造されるカートリッジの個数に関して、大きな時間当たり、生産量を以て)、且つ、効果的に(すなわち、少数の廃棄片および高い最終品質を以て)動作し得るが、上述のカートリッジを使用する電子タバコは市場にて相当に人気を博していることから、上述のカートリッジの製造者等は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に記述された公知の製造機械と比較して更に機能する、すなわち、更に大きい時間当たり、生産速度を有する製造機械(故に、対応する充填ユニット)を必要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2017/051348号
【文献】国際公開第2017/051349号
【文献】国際公開第2017/051350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、電子タバコのための使い捨てカートリッジを製造する製造機械のための充填ユニットであって、高い品質基準を確実とし乍ら高い生産性の達成を許容すると同時に製造が容易で安価であるという充填ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に依れば、添付の各請求項中に権利請求された如く、電子タバコのための使い捨てカートリッジを製造する製造機械のための充填ユニットが提供される。
【0009】
各請求項は、本開示内容の一体的部分を構成する本発明の好適実施例を記述する。
【0010】
次に本発明は、本発明の幾つかの非限定的な実施例を図示する添付図面に関して記述される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、電子タバコのためのカートリッジの縦断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の電子タバコのためのカートリッジを製造する製造機械の概略的平面図である。
【
図3】
図3は、明瞭化のために種々の部分が省略された、
図2の製造機械のタバコ供給ユニットの概略的斜視図である。
【
図4】
図4は、明瞭化のために種々の部分が省略された、
図3のタバコ供給ユニットの概略的平面図である。
【
図5】
図5は、
図3のタバコ供給ユニットの2つの圧縮デバイスの動作を示す一概略図である。
【
図6】
図6は、
図3のタバコ供給ユニットの2つの圧縮デバイスの動作を示す他の概略図である。
【
図7】
図7は、
図5および
図6の2つの圧縮デバイスの代替例の動作を示す一概略図である。
【
図8】
図8は、
図5および
図6の2つの圧縮デバイスの代替例の動作を示す他の概略図である。
【
図9】
図9は、
図3のタバコ供給ユニットの概略的平面図であり、動作の間におけるタバコ塊状体の運動を示している。
【
図10】
図10は、
図3のタバコ供給ユニットの夫々の代替例の一つの概略的平面図である。
【
図11】
図11は、
図3のタバコ供給ユニットの夫々の代替例の他の概略的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1において、番号1は、全体として、電子タバコのための使い捨てカートリッジを表している。使い捨てカートリッジ1は、微小穿孔された底壁部3と、実質的に円筒形状を有する側壁部4とを有するプラスチック材料で作成された管状ケーシング2を備え、管状ケーシング2の内側には、フィルタ材料のパッド6が頂部配置された(底壁部3と接触する)回分量5の粉末タバコが収容される。最後に、単回使用カートリッジ1は、フィルタ・パッド6が離脱することを阻止すべく管状ケーシング2の(その様にしなければ完全に開放される)上端部の回りに強制的に挿入されたシール・リング7(すなわち、シール・ワッシャ7)を備え、好適には、シール・リング7は管状ケーシング2に対して溶接される。
【0013】
図2において、番号8は、全体として、上述された使い捨てカートリッジ1を製造する製造機械を表している。製造機械8は間欠的な運動を呈し、すなわち、そのコンベアは、運動段階および静止段階を周期的に交互実施する。
【0014】
図2に示された如く、製造機械8は、水平に配置された製造ドラム9であって、垂直な回転軸心10の回りで段階的様式で回転すべく取付けられたという製造ドラム9を備え、換言すると、製造ドラム9は、製造ドラム9が運動する運動段階、および、製造ドラム9が停止する静止段階の周期的な交互実施を提供する間欠的運動、すなわち、不連続運動を伴う回転へと設定される。製造ドラム9は、各々が、対応する管状ケーシング2を受容して収容すべく適合化された着座部12の6つの群11を支持し、特に、各群11は、単一の直線に沿って整列された15個の着座部12を備えると共に、6つの群11は、製造ドラム9の表面上で、平面内で正多角形(すなわち、六角形)を画成すべく配置される。
【0015】
製造機械8は、製造ドラム9と並置して水平に配置された更なる製造ドラム13であって、回転軸心10と平行な垂直回転軸心14の回りで段階的様式で回転すべく取付けられたという製造ドラム13を備え、換言すると、製造ドラム13は、製造ドラム13が運動する運動段階、および、製造ドラム13が停止する静止段階の周期的な交互実施を提供する間欠的運動、すなわち、不連続運動を伴う回転へと設定される。製造ドラム13は、各々が、対応する管状ケーシング2を受容して収容すべく適合化された着座部16の6つの群15を支持し、特に、各群15は、単一の直線に沿って整列された15個の着座部16を備えると共に、6つの群15は、製造ドラム13の表面上で、平面内で正多角形(すなわち、六角形)を画成すべく配置される。
【0016】
製造機械8は、静止している群11の各着座部12内へと、対応する空の管状ケーシング2を供給ユニット17が挿入するという供給ステーションS1を備え、特に、供給ユニット17は、供給ステーションS1において、15個の空の管状ケーシング2を、静止している群11の同数の着座部12内へと同時に挿入する。製造ドラム9の回転方向に関し、供給ステーションS1の下流には、静止している群11の着座部12により担持された各管状ケーシング2内へと、タバコの対応回分量5を充填ユニット18が供給するという充填ステーションS2が配置され、特に、充填ユニット18は、15個のタバコの回分量5を、供給ステーションS2において静止している群11の同数の着座部12内へと同時に供給する。製造ドラム9の回転方向に関し、充填ステーションS2の下流には、静止している群11の着座部12により担持された各管状ケーシング2内へと、フィルタ材料の対応パッド6を供給ユニット19が供給するという供給ステーションS3が配置され、特に、充填ユニット19は、15個のフィルタ材料のパッド6を、供給ステーションS3において静止している群11の同数の着座部12内へと同時に供給する。
【0017】
製造ドラム9の回転方向に関し、供給ステーションS3の下流には、(各々が、タバコの回分量5と、フィルタ材料のパッド6とを保持している)管状ケーシング2を、製造ドラム9の群11の着座部12から製造ドラム13の群15の着座部16へと搬送ユニット20が移し換えるという搬送ステーションS4が配置され、特に、搬送ユニット20は、各管状ケーシング2を、搬送ステーションS4において静止している群11の同数の着座部12から、搬送ステーションS4において静止している群15の同数の着座部16へと同時に移し換える。搬送ステーションS4において、2つの製造ドラム9および13は製造ドラム9の群11の着座部12が、製造ドラム13の群15の着座部16と垂直に整列される様に、部分的に重なり合わされ、従って、搬送ステーションS4において、各管状ケーシング2の移し換えは、直線的で垂直な移動(すなわち、製造ドラム9が製造ドラム13の下方に配置されるなら各ケーシング2の上昇、または、製造ドラム9が製造ドラム13の上方に配置されるなら各ケーシング2の降下)により行われる。
【0018】
製造ドラム13の回転方向に関し、搬送ステーションS4の下流には、静止している群15の着座部16により担持された各管状ケーシング2内へと対応するシール・リング7を供給ユニット21が供給するという供給ステーションS5が配置され、特に、充填ユニット21は、15個のシール・リング7を、供給ステーションS5において静止している群15の同数の着座部16内へと同時に供給する。製造ドラム13の回転方向に関し、供給ステーションS5の下流には、静止している群15の着座部16により担持された対応管状ケーシング2に対する各シール・リング7の溶接を(好適には超音波溶接により)溶接ユニット22が実施するという溶接ステーションS6が配置され、特に、溶接ユニット22は、15個のシール・リング7を、溶接ステーションS6において静止している群15の着座部16により担持された同数の管状ケーシング2に対して同時に溶接する。たとえば、溶接ユニット22は、イタリア国特許出願第102016000094855号明細書に記述された如く作成される。
【0019】
溶接ステーションS6において、使い捨てカートリッジ1の製造は完了され、すなわち、溶接ステーションS6の下流にて、各使い捨てカートリッジ1は完成されて使用の準備ができている。製造ドラム13の回転方向に関し、溶接ステーションS6の下流には、静止している群15の各着座部16から対応する使い捨てカートリッジ1を出力ユニット23が抜き出すという出力ステーションS7が配置され、特に、出力ユニット23は、15個の使い捨てカートリッジ1を、出力ステーションS7において静止している群15の同数の着座部16から同時に抜き出す。
【0020】
上記からは、同一の群11/15の着座部12/16内に収容される(たとえば、タバコの回分量5の充填、フィルタ材料のパッド6の供給、シール・リング7の供給、シール・リング7の溶接の如き)使い捨てカートリッジ1の、製造プロセスの各段階は全て、並行して実施されること、すなわち、それらの段階は、同一の群11/15の着座部12/16内に収容された全ての使い捨てカートリッジ1に対して同時に実施されることが明らかである。
【0021】
充填ユニット18は、その概略的構造において、充填ユニット18の更に詳細な記述のために参照される国際公開第2017/051348号、国際公開第2017/051349号および国際公開第2017/051350号に記述かつ図示された充填ユニットと同様である。
【0022】
図3および
図4に示された如く、充填ユニット18は、水平に配置された円筒形状のタンク24であって、回転軸心10と平行な垂直回転軸心25の回りを段階的様式で回転すべく取付けられたという円筒形状のタンク24を備え、換言すると、タンク24は、タンク24が運動する運動段階、および、タンク24が停止する静止段階の周期的な交互実施を提供する間欠的運動、すなわち、不連続運動を伴う回転へと設定される。タンク24は、充填ステーションS2において、製造ドラム9と並置して、且つ、製造ドラム9自体と部分的に重なり合わせて配置され、特に、タンク24は、充填ステーションS2において製造ドラム9の頂部上であるべく製造ドラム9よりも高位に配置される。タンク24は、対応するタバコの回分量5を受容して収容すべく各々が適合化された着座部27の6つの群26を支持し、特に、各群26は、単一の直線に沿って整列された15個の着座部27を備えると共に、6つの群26は、環状タンク24の表面上で、平面内で正多角形(すなわち、六角形)を画成すべく配置される。
【0023】
タンク24は、底部にては、円形状を有する基部ディスク28により境界決定されると共に、各側部にては、基部ディスク28から直角に隆起する円筒状側壁部29により境界決定され、各着座部27は基部ディスク28内に収容され、すなわち、それらは、基部ディスク28を貫通して作成された円形の貫通孔により形成される。中央にて、基部ディスク28からは、タンク24の内側容積に対して環状形状(すなわち「ドーナツ」形状)を与える中央円筒形状要素30が隆起する。
【0024】
図4に示された内容に依ると、タンク24に対しては、(少なくとも自身の端部において)垂直に配向されると共に、タンク24の内側に配置された吐出開口を有する円筒状供給ダクト31が結合され、供給ダクト31はタンク24の内側にタバコ32の流れを継続的に供給し、タンク24は基部ディスク28上に台座を形成する。
【0025】
充填ユニット18は、充填ステーションS2において固定位置に配置された(すなわち、タンク24と一体的には回転しない)搬送デバイス33であって、充填ステーションS2において静止している群26の各着座部27内に収容されたタバコの回分量5を、製造ドラム9の充填ステーションS2において静止している群11の対応着座部12内へと周期的に移し換えるという搬送デバイス33を備える。充填ステーションS2において、タンク24(すなわち、タンク24の基部ディスク28)は、タンク24の群26の各着座部27が、製造ドラム9の群11の各着座部12に対して垂直に整列され且つその上方に配置される様に、製造ドラム9と部分的に重なり合い、従って、充填ステーションS2において、タバコの各回分量5の移し換えは、直線的で垂直な下方移動(すなわち、タバコの回分量5の下降)により行われる。搬送デバイス33は、(
図3において部分的に示された)複数本の押圧器を備え、その各々は、充填ステーションS2において静止している群26の対応着座部27に対して結合されると共に、交互的な垂直運動が与えられる。搬送デバイス33の詳細な動作に関しては、国際公開第2017/051348号、国際公開第2017/051349号および国際公開第2017/051350号に対して参照が為される。
【0026】
充填ユニット18は、2つの双生の(すなわち、構造的に完全に同一的な)圧縮デバイス34および35を備え、それらは、固定位置にて(すなわちタンク24と一体的には回転せずに)タンク24の内側に、且つ、タンク24の回転方向に関して順次的に(すなわち相次いで)配置される。
図4に示された好適実施例に依れば、2つの圧縮デバイス34および35は、連続的ではなく、2つの圧縮デバイス34および35の間には、2回の圧縮動作の間に所定の時的中断を実現するために、所定の間隔が配備される。
図5乃至
図8に示された如く、圧縮デバイス34および35は、(対応するタバコの回分量5を形成する)所定量のタバコ32による着座部27の、可及的に均一的かつ不変的である完全な充填を促進すべく、タバコの回分量5を対応着座部27内へと圧縮する。
【0027】
圧縮デバイス34は、複数本の押圧器36を備え、その各々は、圧縮デバイス34において静止している群26の対応着座部27に対して結合されると共に、交互的な垂直運動が提供され、特に、タンク24の回転の間、各押圧器36は、タバコ32に接触しない様に基部ディスク28から離間されるが、タンク28が停止したとき、各押圧器36は、圧縮デバイス34において静止している群26の対応着座部27内へとタバコ32を押圧(圧縮)する圧縮サイクル(すなわち、能動的な下方ストローク、および、次続的な上方への戻りストローク)を実施する。添付図面中に示された好適な、但し限定的ではない実施例に依れば、圧縮デバイス34の各押圧器36は、対応着座部27に部分的に進入する。
【0028】
圧縮デバイス35は、複数本の押圧器37を備え、その各々は、圧縮デバイス35において静止している群26の対応着座部27に対して結合されると共に、交互的な垂直運動が提供され、特に、タンク24の回転の間、各押圧器37は、タバコ32に接触しない様に基部ディスク28から離間されるが、タンク28が停止したとき、各押圧器37は、圧縮デバイス35において静止している群26の対応着座部27内へとタバコ32を押圧(圧縮)する圧縮サイクル(すなわち、能動的な下方ストローク、および、次続的な上方への戻りストローク)を実施する。添付図面中に示された好適な、但し限定的ではない実施例に依れば、圧縮デバイス35の各押圧器37は、対応着座部27に部分的に進入せず、すなわち、それらは、対応着座部27に到達する少し前に停止する。
【0029】
図5および
図6に示された実施例に依れば、圧縮デバイス34および35の押圧器36および37は、一定長のストロークを以て垂直に移動することから、タバコ32に対し、押圧器36および37の下方に如何ほどのタバコ32が「捕捉された」ままであるかの関数として、可変的な圧縮力を及ぼすものであり、銘記すべき重要なことは、押圧器36もしくは37の下方にてタバコ32が委ねられる圧縮力は、圧縮圧力と正比例することである、と言うのも、関与する面積は、実質的に常に同一だからである。
図5および
図6に示された実施例において、圧縮デバイス34および35の押圧器36および37は、押圧器36および37に対して同一の一定ストロークを付与する対応アクチュエータに対して堅固に接続される。
図7および
図8に示された代替実施例に依れば、圧縮デバイス34および35の押圧器36および37は、可変長のストロークを以て垂直に移動することから、タバコ32に対し、押圧器36および37の下方に如何ほどのタバコ32が「捕捉された」ままであるかに関わらず、一定の圧縮力を及ぼす。
【0030】
図5および
図6に示された実施例において、圧縮デバイス34および35の押圧器36および37は、押圧器36および37に対して同一の一定ストロークを付与する対応アクチュエータに対して堅固に接続されるが、
図7および
図8に示された実施例において、圧縮デバイス34および35の押圧器36および37は、押圧器36および37に対して移動を付与する対応アクチュエータに対し、押圧器36および37により及ぼされる圧縮力を実質的に一定に維持する弾性要素(たとえば、機械的もしくは空気的なスプリング)の介設により接続される。
【0031】
概略的には、
図7および
図8に示された実施例が好適である、と言うのも、(常にではなく)通常、それは、更に均一な回分量5、すなわち、更に一定の体積および重量のタバコの獲得を許容するからである。
【0032】
図9に示された如く、充填ユニット18は、固定位置において(すなわちタンク24と一体的に回転せずに)タンク24の内側に配置された一連の壁部38および39であって、タバコ32に対する選好的および/または強制的な通過経路を画成すべくタンク24の内側に存在するタバコ32と干渉するという壁部38および39を備える。特に、回転軸心25の回りにおけるタンク24の回転に対して直交的に配置された平坦壁部38、および、回転軸心25に対して同軸的に配置されることから回転軸心25の回りにおけるタンク24の回転に対して平行である円筒状の(すなわち、限られた角度幅による円筒のセグメントにより形成された)壁部39が配置され、各平坦壁部38は、対応する円筒状壁部39に対して接続されてもされなくても良く、すなわち、平坦壁部38は、円筒状壁部39から分離(離間)され得るか、または、対応する円筒状壁部39に対して接続され得る。
【0033】
幾つかの壁部38および39は、タバコ32が壁部38および39の下方も通過し得る様にタンク24の基部ディスク28から離間され得るが、他の壁部38および39は、タバコ32が壁部38および39の下方を通過し得ない様に基部ディスク28に当接して(すなわち、擦過を阻止すべく最小限の間隔を以て)実質的に接触され得ることを銘記することは重要である。好適であるが限定的でない実施例に依れば、全ての壁部38および39は、タバコ32が壁部38および39の下方も通過し得る様に、タンク24の基部ディスク28から(僅かに)離間され、タンク24の基部ディスク28からの壁部38および39の距離は概略的に可変的であり、すなわち、それは、全ての壁部38および39に対して同一でなく、壁部38もしくは39毎に変化する。
【0034】
先に述べられた如く、壁部38および39は、タンク24の内側に存在するタバコ32に対する選好的および/または強制的な通過経路を画成すべく、タバコ32と干渉する。壁部38および39の機能は、連続的に混合して各着座部27の正しい充填を促進するために、タバコ32をタンク24の内側で連続的に移動させることであり(
図9において、灰色の矢印はタバコ32の移動経路を表しており)、すなわち、タバコ32の連続的な混合は、繊維間に生成された橋体であって、タバコ32が着座部27内に進入することを阻止するという橋体の破壊を助長する。
【0035】
図9に示された如く、充填ユニット18は、搬送デバイス33(すなわち、充填ステーションS2)の直上流に固定位置で(すなわち、タンク24と一体的には回転せずに)タンク24の内側に配置された掻取り要素40であって、着座部27の外側で基部ディスク28に当接して着座する(すなわち、着座部27内に収容されない)タバコ32を押しのける機能を達成するという掻取り要素40を備える。換言すると、掻取り要素40は、タバコ32が掻取り要素40の下方を通過し得ない様に基部ディスク28に当接して実質的に接触して(すなわち、擦過を阻止する最小限の間隔を以て)配置され、従って、掻取り要素40は、搬送デバイス33の(すなわち、充填ステーションS2の)直上流にて着座部27の外側において基部ディスク28上に着座する(すなわち、着座部27内に収容されない)タバコ32を押しのける。
【0036】
最後に、
図9に示された如く、充填ユニット18は、タンク24の基部ディスク28から所定距離にて固定位置にて(すなわち、タンク24と一体的に回転せずに)タンク24の内側に配置されたミキサ・デバイス41を備える。ミキサ・デバイス41は能動的であり、すなわち、それは、回転軸心25の回りにおけるタンク24の回転から完全に独立した様式で周期的に運動する運動部分を備える。たとえば、ミキサ・デバイス41は、タンク24の回転軸心25と平行である垂直回転軸心の回りにおける回転に設定された一連のブレードを備える。ミキサ・デバイス41の機能は、連続的に混合して各着座部27の正しい充填を促進するために、タバコ32をタンク24の内側で連続的に運動させることであり、すなわち、タバコ32の連続的な混合は、繊維間に生成された橋体であって、タバコ32が着座部27内に進入することを阻止するという橋体の破壊を助長する。
【0037】
図10および
図11は、圧縮デバイス33および34、壁部38および39、および、ミキサ・デバイス41の個数および配置が、
図9に示された充填ユニット18とは異なるという充填ユニット18の2つの代替例を示している。
図10に示された代替例においては、圧縮デバイス33のみが配備され(すなわち、圧縮デバイス34は不在であり)、2台のミキサ・デバイス41は圧縮デバイス33の上流および下流に夫々配置され、且つ、壁部38および39の位置および配座は異なる。
図11に示された代替例においては、両方の圧縮デバイス33および34が配備され、2台のミキサ・デバイス41は圧縮デバイス33の上流および下流に夫々配置され、且つ、壁部38および39の位置および配座は異なる。
【0038】
本明細書中に記述された各実施例は、本発明の保護の有効範囲から逸脱せずに相互に組み合わされ得る。
【0039】
上述された充填ユニット18は、多くの利点を有する。
【0040】
第1に、上述された充填ユニット18は、(充填ステーションS2において、各着座部27内には、一定質量で所望値に等しいタバコの回分量が提供されることを確実とすることにより)高い品質基準を確実とし乍ら、時間当たりの大きな生産性の達成を許容し、実験によれば、5回分量のタバコの重量に関する誤差は、公称速度にて(すなわち、最大速度にて)連続的に動作しているときでさえも、5~7%未満であり得ることが示された。
【0041】
更に、上述された充填ユニット18は、異なる種類のタバコ32と共に、特に、異なる程度の湿りのタバコ32(すなわち、乾燥したものから湿ったものまでのタバコ)と共に動作し得、乾燥したタバコ32は粉体の様に(すなわち砂と同様に)挙動するが、湿ったタバコ32は、殆ど密集した塊状体の様に挙動することから、タバコ32の湿度を変化させると、タバコ32自体の挙動が大きく変化することに注意することが重要である。特に、壁部38および39、ミキサ・デバイス41、および、圧縮デバイス34および35の個数および位置を変更することにより、上述された充填ユニット18を、取り扱われるべきタバコの種類に対して適合化させることが可能である(と共に、特に、容易かつ迅速である)。