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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】飲料自動販売機
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20221226BHJP
   G07F 13/00 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
A47J31/44 430
G07F13/00 101
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020519690
(86)(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 IB2018058159
(87)【国際公開番号】W WO2019077578
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】17197408.2
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102018000001118
(32)【優先日】2018-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519201606
【氏名又は名称】カリマリ ソチエタ ペル アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】コッフェッティ,マルチェッロ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05738002(US,A)
【文献】特開2016-221085(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0262729(US,A1)
【文献】特表2011-528928(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0078084(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
G07F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料自動販売機(1)内のミルク供給回路(2)のためのミルク泡立て器/ヒータ(9)であって、
前記ミルク泡立て器/ヒータ(9)は、1つの部品または2つまたはそれより多くの着脱不可能に結合される部品のいずれかで作られ、滑らかなミルクまたはミルクと空気の混合物を受け取るミルク取り入れ口(17)を画定する第1の付属物と、スチームを受け取るスチーム取り入れ口(18)を画定する第2の付属物と、冷または温の、滑らかな、または泡立てられたミルクを引き渡すミルク吐き出し口(19)を画定する第3の付属物とを一体的に包含する中空本体(16)を包含し、
前記本体(16)は、混合室(20)を内部的に画定し、前記ミルク取り入れ口(17)、前記スチーム取り入れ口(18)、および前記ミルク吐き出し口(19)は、それぞれ前記混合室(20)と流体連通するミルク取り入れ口流路、スチーム取り入れ口流路、およびミルク吐き出し口流路を内部的に画定し、
前記混合室(20)が、軸(A)を有し、閉じた第1の軸方向端部と、前記第1の軸方向端部とは反対側の、前記スチーム取り入れ口流路および前記ミルク吐き出し口流路が終端する第2の軸方向端部とを包含することと、
前記ミルク取り入れ口流路が、前記混合室(20)の前記第2の軸方向端部において直接終端するか、または前記混合室(20)より上流において前記スチーム取り入れ口流路と合流するかのいずれかとなることと、
を特徴とする、ミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項2】
前記スチーム取り入れ口流路および前記ミルク吐き出し口流路は、前記スチームの流入および前記ミルクの流出に、実質的に対向する方向を持たせるべく用意され、
前記ミルク取り入れ口流路は、前記ミルクの流入および前記スチームの流入に、実質的に一致している方向を持たせるべく用意される、
請求項1に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項3】
前記本体(16)は、前記軸(A)に沿って概して細長く、前記ミルク取り入れ口(17)、前記スチーム取り入れ口(18)、および前記ミルク吐き出し口(19)は、すべて前記混合室(20)の前記第2の軸方向端部を定める、前記本体(16)の1つの同じ軸方向端部に用意される、請求項1または2に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項4】
前記本体(16)が2つの着脱不可能に結合される部品から作られるとき、前記ミルク取り入れ口(17)と、前記スチーム取り入れ口(18)と、前記ミルク吐き出し口(19)とが第1の部分に形成され、前記混合室(20)が、主として第2の部分に形成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項5】
前記混合室(20)は、前記混合室(20)の前記第2の軸方向端部に形成された予混合室(21)を包含し、その中において直接、前記スチーム取り入れ口流路が終端し、かつ前記ミルク取り入れ口流路が、その中において直接、または前記スチーム取り入れ口流路と合流した後に終端する、請求項1から4のいずれか一項に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項6】
前記スチーム取り入れ口流路は、少なくとも前記混合室(20)に近い区間において、前記軸(A)と実質的に同軸である、請求項1から5のいずれか一項に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項7】
前記ミルク取り入れ口流路は、少なくとも前記混合室(20)に近い区間において、前記スチーム取り入れ口流路に関して、30°から60°までの範囲の角度(α)によって、傾斜されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項8】
前記ミルク取り入れ口流路は、少なくとも前記混合室(20)に近い区間において、前記スチーム取り入れ口流路に関して、45°の角度で傾斜されている、請求項7に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項9】
前記ミルク吐き出し口流路は、少なくとも前記混合室(20)に近い区間において、前記スチーム取り入れ口流路に関して傾斜されている、請求項1からのいずれか一項に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項10】
前記ミルク吐き出し口流路は、前記混合室(21)に近い前記ミルク取り入れ口流路の前記区間に対して実質的に平行である、請求項9に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)。
【請求項11】
飲料自動販売機(1)であって、
- 冷ミルク・タンク(3)と、
- ミルク・ポンプ(4)であって、前記冷ミルク・タンク(3)の中に入っている冷ミルクを引き出すべく前記冷ミルク・タンク(3)と流体接続され、かつ前記ミルク・タンク(3)から引き出された前記冷ミルクを、空気を用いて富化可能にさせる空気源と流体接続される吸引側と、前記ミルク・ポンプ(4)によって引き出された前記冷ミルクが空気を用いて富化されているか否かに応じて、冷たい滑らかなミルク、または冷たいミルクと空気の混合物のいずれかを引き渡し得る引き渡し側とを有する前記ミルク・ポンプ(4)と、
- スチームを生成するべく動作可能なスチーム発生器(8)と、
- 請求項1から8のいずれか一項に記載のミルク泡立て器/ヒータ(9)であって、空気を用いた富化有り、または無しの冷ミルクを受け取るべく前記ミルク・ポンプ(4)の前記引き渡し側と流体接続されるミルク取り入れ口と、前記ミルク・ポンプ(4)によって引き出され、空気を用いた富化がなされるか、またはなされない前記ミルクを加熱するためのスチームを選択的に受け取るべく前記スチーム発生器(8)の吐き出し口と流体接続されるスチーム取り入れ口と、前記ミルク泡立て器/ヒータ(9)に供給される冷ミルクに、空気およびスチームを用いた富化がなされたか、またはなされないかに応じて、冷または温の、滑らかな、または泡立てられたミルクが引き渡される吐き出し口と、を有する前記ミルク泡立て器/ヒータ(9)と、
を包含する、飲料自動販売機(1)。
【請求項12】
前記ミルク泡立て器/ヒータ(9)は、使用時に、前記ミルク吐き出し口(19)が下向きに面する実質的に水平な位置をとるべく前記飲料自動販売機(1)内にマウントされる、請求項11に記載の飲料自動販売機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この特許出願は、2017年10月19日に提出された欧州特許出願公開第17197408.2号および2018年1月16日に提出された伊国特許出願公開第102018000001118号の優先権を主張し、これらの文献のすべての内容は、参照によってこれに援用される。
【0002】
本発明は、飲料自動販売機に関し、特にミルクの入った、たとえば、エスプレッソ・コーヒー、インスタント・コーヒー、ロング・ブラック、または淹れ立てのコーヒーといったコーヒー・ベースの飲料等の加圧された熱湯を用いて淹れられる淹出可能な物質から熱い飲料を、または茶葉ベースの飲料を提供するための機械に関し、また特に、感覚刺激性および審美性両方の観点から、すなわち適正な量のミルクが入り、トップのミルク発泡層が適切な高さおよび一貫性を有する品質の高い飲料を作ることをねらいとするミルクの泡立てに関する。
【背景技術】
【0003】
周知のとおり、飲料自動販売機は、すべてが1つの同じ淹出可能物質で、または異なる淹出可能物質で満たし得る明確に区別される容器によって、または単一容器内の別々の小室によって画定できる1つまたは複数の容器を包含する淹出可能物質貯蔵ユニットが用意された上部の淹出可能物質貯蔵エリアと、1つの同じ淹出プロセスまたは異なる淹出プロセスのうちのいずれかを実行し、容器内に入れられ、かつ、異なる、特にコーヒーまたはミルクの場合のように粉体の、またはコーヒーの場合のように粉体および細粒の、または茶の場合のように葉の形式をとる淹出可能物質から1つの同じタイプの飲料または異なるタイプの飲料のうちのいずれかを作るべく構成された1つまたは複数の淹出グループを包含する淹出ユニットが用意された中間淹出エリアと、淹出ユニットによって作られた飲料を分注するべく飲料分注ユニットが用意され、かつ、1つまたは複数の明確に区別される受け器(グラス、カップ等)内に1つのまたは異なる飲料を分注するように用意された1つまたは複数の飲料分注ノズルを包含する下部の飲料分注エリアと、を包含する。
【0004】
飲料自動販売機は、さらに、淹出飲料を作るべく熱い、または冷たい水を淹出ユニットへ供給する水供給回路と、淹出飲料に追加される熱い、または冷たい、泡立てられた、または滑らかなミルクを作るか、またはミルクのみの飲料を作るミルク供給回路と、を包含する。
【0005】
ミルク供給回路は、本質的に、冷ミルク・タンクと、提供する飲料のために適した量のミルクを冷ミルク・タンクから引き出すミルク・ポンプ、通常は可変速度ポンプと、冷ミルク・タンクから引き出したミルクを空気と混合するミルクの泡立てを選択的に行い、泡立てたかまたは滑らかなミルクを、スチームを用いて所望の温度に温め得るミルク泡立ておよび加熱グループと、を包含する。
【0006】
ミルクの泡立てに必要とされる空気の供給は、ミルク・ポンプによって冷ミルク・タンクから引き出されたミルクとともに吸引されて、ミルク・ポンプ内において冷ミルクが泡立てられる結果がもたらされるようにミルク・ポンプの上流において行うか、または泡立ておよび加熱部材内に直接、ミルクの加熱に必要とされるスチームとともに供給され、キャリアとして作用するスチーム流によって生成されるベンチュリ効果によってミルクが中に吸引されるようにミルク・ポンプの下流において行うことが可能である。最初のテクノロジ、すなわちミルク・ポンプの提供が伴えば、温および冷ミルク両方の泡立てが可能であるが、2番目のテクノロジ、すなわちスチーム流によって発生するベンチュリ効果の利用を用いると、温ミルクの泡立てだけしか可能でない。
【0007】
ミルクの加熱、およびオプションとしてのベンチュリ効果による、ミルクの泡立てに必要な空気の引き込みに必要とされるスチームは、水供給回路の水ヒータまたは専用の湯沸かし器内で生成され、水ヒータまたは湯沸かし器内においてスチームが帯びる圧力に起因してミルク泡立ておよび加熱部材に供給される。
【0008】
特許文献1は、バルブおよびバルブ・ハウジングを包含し、バルブがバルブ・ハウジングの凹部の中に回転可能にマウントされるべく用意された飲料分注機のためのバルブ・アッセンブリを開示している。このバルブ・ハウジングは、バルブに空気を供給するための空気取り入れ口と、バルブに洗浄流体を供給するための洗浄流体取り入れ口と、ミルク供給源への接続のためのミルク供給接続と、空気、洗浄流体、およびミルクのうちの少なくとも1つを排出する吐き出し口とを含む。さらにこのバルブは、ミルク供給接続と洗浄流体取り入れ口とを吐き出し口へ同時に接続するべく用意された通路を包含する。
【0009】
特許文献2は、固定ハウジング部分と、モータによってコントロールされる回転泡立て部材を包含するミルク泡立て装置を開示している。さらに、ミルクとスチームが一緒に混合される泡立て室が提供されている。回転泡立て部材は、泡立て室を部分的に限定し、泡立て室の外側エッジを形成する指向性の態様で内向きに延びる。
【0010】
特許文献3は、混合ユニットと、スチーム・ジェット・ユニットと、コントロール・ユニットとを包含する自洗式のミルク泡立て装置を開示している。混合ユニットは、混合室およびミルク取り入れ口と、混合室と連通する洗剤取り入れ口および泡立て気体取り入れ口とを有する。混合室は、ミルク吐き出し口ノズルと、上流セクションと、上流セクションとミルク吐き出し口ノズルの間に用意された下流セクションを有する。ミルク取り入れ口は、洗剤取り入れ口とミルク吐き出し口ノズルの間に位置する。泡立て気体取り入れ口は、ミルク取り入れ口の上流に用意される。スチーム・ジェット・ユニットは、混合室内にスチームを供給する働きを提供する。コントロール・ユニットは、洗剤取り入れ口における洗剤の流れをコントロールするか、または洗剤の流れを停止するべく構成される。
【0011】
特許文献4は、取り入れ口を画定する上端を有する上側泡立て本体と、排出吐き出し口を画定する下端を有する下側泡立て本体とを包含する、スチームと、ミルクと、空気とを組み合わせるためのフィッティングを開示している。上側および下側泡立て本体は、取り入れ口と吐き出し口の間の流路を設定するように互いに接続される。泡立てノズルは、取り入れ口と排出吐き出し口の間の流路内に用意されている。上側泡立て本体にはマニフォールドが取り付けられ、流路内へミルクおよび空気を導入する。圧力キャップ、リジッド・ブッシング、および弾性ブッシングによって、取り入れ口を、取り外し可能にエスプレッソ・コーヒー・マシンのスチーム源に接続することが可能になる。エスプレッソ・コーヒー・マシンによって供給されるスチームが、逆ドレーン流マニフォールドを通って指向されるように、下側泡立て本体の下端にドレーン・プラグが解放可能に取り付けられて排出吐き出し口を閉じ、したがって、分解またはエスプレッソ・コーヒー・マシンからの分離を必要とすることなくアタッチメントをクリーニングすることが可能になる。
【0012】
特許文献5は、飲料自動販売機のための、特にカプチーノを提供するための、混合、加熱、および/または泡立て装置を開示しており、当該装置は、取り入れ口端部から延びるベンチュリ管を内部に画定する管状の本体を包含し、それを、スチーム源と、少なくとも1つの飲料分注ノズルが備えられた吐き出し口端部とに関連付けすることが可能である。混合室が、ベンチュリ管の収束部分と発散部分の間に画定され、乳化されるべき飲料を供給するための少なくとも1つのダクトと、飲料を乳化するべく収束部分と発散部分の間のスチームの流れによって作り出される部分的な負圧によって混合室内に引き込まれる周囲空気を供給するための少なくとも1つのダクトとに接続される。これらのダクトは、管状本体、乳化されるべき飲料、および収束部分と発散部分の間のスチームの流れによって作り出される部分的な負圧によって混合室内に引き込まれる空気に対して実質的に横行する。さらに装置は、周囲空気のための自動アクティベーションを伴う流れコントロール手段を包含し、それが、混合室の方向における空気の通路のためのチャンネルを開閉するべく空気供給ダクトに関連付けされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】国際公開第2017/001012 号パンフレット
【文献】独国特許出願公開第10 2006 043905 号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/097303 号明細書
【文献】米国特許第5738002号
【文献】国際公開第2012/107357 号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
出願人は、飲料自動販売機が、多くの側面で満足できるものであるとはいえ、概して、適格な熟練した従業員によって実行されるべき、かつミルク供給回路に関して特に負担の大きい複雑な較正段階を、感覚刺激性ならびに審美性両方の観点から、すなわち適正な量のミルクが入り、トップのミルク発泡層が適切な高さおよび一貫性を有する品質の高いミルクの入った飲料を分注するために必要とすることを経験して来た。
【0015】
本発明は、上に示されている問題および限界が少なくとも部分的に克服されることが可能となるように改良された飲料自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によれば、付随する特許請求の範囲の中で請求されているとおり、ミルク泡立て器/ヒータ、およびその種のミルク泡立て器/ヒータが備えられる飲料自動販売機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】飲料自動販売機内のミルク供給回路を示した液圧回路図である。
図2図1のミルク供給回路の一部を形成するミルク泡立て器/ヒータの斜視図である。
図3図2のミルク泡立て器/ヒータの長さ方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を、当業者がそれを製造し、使用することを可能にするために、添付図面を参照して詳細に説明する。当業者には、ここに説明されている実施態様に対する多様な修正が容易に明らかになり、ここに説明されている一般原理を、付随する特許請求の範囲の中に定義されるとおりの本発明の保護範囲から逸脱することなしに、そのほかの実施態様および応用に適用できることになるであろう。したがって、本発明は、説明され、この中に図解されている実施態様の範囲内に限定されると見做されるべきではなく、むしろ、この中で開示され、請求されている原理および特徴と矛盾のない最も広い範囲に調和されるべきである。
【0019】
図1は、飲料自動販売機1内の、参照番号1を用いて全体が参照されるミルク供給回路を略図的に示している。
【0020】
図1に示されているとおり、ミルク供給回路2は、
- 冷ミルク・タンク3と、
- 可変速度ミルク・ポンプ4であって、ミルク吸引ダクト5を通して、中に入れられているミルクを引き入れるべく冷ミルク・タンク3と流体接続され、かつ選択された飲料に応じて、ミルク・タンク3から引き出されたミルクの泡立てに必要とされる量の空気をミルク・ポンプ4に供給するべく選択的に動作する空気ソレノイド・バルブ7が途中に用意された空気供給ダクト6を通して空気源(図示せず)と流体接続される吸引側と、ミルク・ポンプ4に空気が供給されたか否かに応じて滑らかな、または泡立てられたミルクを引き渡す引き渡し側を有する可変速度ミルク・ポンプ4と、
- 吸水ダクト(図示せず)を通じて水容器または水道水のいずれとしてもよい冷水源(図示せず)と流体接続される取り入れ口、および加圧スチームを引き渡す吐き出し口を有するスチーム発生器8と、
- ミルク泡立て器ヒータ9であって、ミルク・ポンプ4から空気による富化有り、または無しの冷ミルクを受け取るべくミルク供給ダクト10を通じてミルク・ポンプ4の引き渡し側と流体接続されるミルク取り入れ口と、選択された飲料に応じて、ミルク・ポンプ4からの空気による富化有り、または無しの冷ミルクを加熱するために必要とされる量のスチームをミルク泡立て器ヒータ9に供給するべく選択的に動作するスチーム・ソレノイド・バルブ12が途中に用意されたスチーム供給ダクト11を通じてスチーム発生器8の吐き出し口と流体接続されるスチーム取り入れ口と、飲料自動販売機1の淹出アッセンブリによって淹出された飲料を入れる受け器14(カップ、グラス等)に、冷または温の、滑らかな、または泡立てられたミルクが分注されるミルク引き渡しダクト13と接続されるミルク引き渡し吐き出し口と、を有するミルク泡立て器ヒータ9と、
- ミルク・ポンプ4、空気ソレノイド・バルブ7、およびスチーム・ソレノイド・バルブ12の動作をコントロールして飲料自動販売機1に、飲料自動販売機1の較正を担当している従業員経験、または熟練度とは無関係に、感覚刺激性ならびに審美性両方の観点から、すなわち適正な量のミルクが入り、トップのミルク発泡層が適切な高さおよび一貫性を有する品質の高いミルクの入った飲料を作らせるべく、ミルク・ポンプ4、空気ソレノイド・バルブ7、およびスチーム・ソレノイド・バルブ12と電気的に接続される電子ミルク・コントロール・ユニット15と、を包含する。
【0021】
好ましい実施態様においては、ミルク泡立て器/ヒータ9が、都合よくはプラスチック材料から作られ、モノリシックな本体として、すなわち、複数の着脱自在に結合される部品から形成される本体としてではなく、一体部品として作られる本体として形成される中空本体16を包含する。
【0022】
図2および3に示されている異なる実施態様においては、本体16が、プラスチック材料から作られるものの、都合よくは射出成形によって製造され、着脱不可能に結合されるように、たとえばヒートシールによって、たとえば超音波溶接等によって、堅固に、かつ恒久的に接合される2つまたはそれより多くの部品から形成される。
【0023】
本体16は、さらに、ミルク付加ライン10と密閉流体接続されるべく成形されたミルク取り入れ口17を画定する第1の付属物と、スチーム付加ライン11と密閉流体接続されるべく成形されたスチーム取り入れ口18を画定する第2の付属物と、ミルク供給ライン13と密閉流体接続されるべく成形されたミルク吐き出し口19を画定する第3の付属物とを一体的に包含する。
【0024】
モノリシックな、または着脱不可能に接合される部品によって形成され、かつプラスチック材料から作られていることから、本体16は、使い捨て可能であり、飲料自動販売機1内におけるそれの交換のための組み立ておよび分解の間の取り扱いが容易であり、操作者によるメンテナンスを必要としない。
【0025】
ミルク取り入れ口17、スチーム取り入れ口18、およびミルク吐き出し口19は、本体16の1つの同じエリア内において互いに接近して用意される。
【0026】
特に、本体16は、長さ方向の軸Aに沿って概して細長く、ミルク取り入れ口17、スチーム取り入れ口18、およびミルク吐き出し口19が、すべて本体16の1つの同じ軸方向端部に用意される。
【0027】
本体16は、混合室20を内部的に画定し、ミルク取り入れ口17、スチーム取り入れ口18、およびミルク吐き出し口19は、それぞれ混合室20と流体連通するミルク取り入れ口流路、スチーム取り入れ口流路、およびミルク吐き出し口流路を内部的に画定する。
【0028】
それに加えて、本体16が、図2および3に示されているとおりに形成されるとき、すなわち、分解不可能となるように恒久的に接合される2つの部品から形成されるときには、ミルク取り入れ口17、スチーム取り入れ口18、およびミルク吐き出し口19が、すべて、本体16の第1の部分に形成され、その一方、混合室20が、主として本体16の第2の部分内に形成される。
【0029】
混合室20は、ミルクおよびスチームの流入する方向において混合室20の上流に用意された予混合室21を都合よく包含する。
【0030】
特に、予混合室21は、ミルク取り入れ口17、スチーム取り入れ口18、およびミルク吐き出し口19が形成される本体16の軸方向端部に形成され、混合室17は、予混合室21から本体16の反対側の端部まで延びる。
【0031】
混合室20および予混合室21は、異なる内部容積を有し、特に混合室20の容積は、予混合室21のそれより有意に大きい。
【0032】
実際、予混合室21は、分注される量のミルクの長期にわたる一貫性を確保する、ミルクとスチームを混合/泡立てする予備段階を生じさせるべく設計され、混合室20は、予混合室21内において開始された混合/泡立て段階を完了し、分注されるミルクの温度の維持を保証するべく設計される。
【0033】
混合室20は、軸Aに沿って概して細長い形状を有し、特に、概してそれが軸対称形状を有し、好都合には、概して円筒形状である。
【0034】
また混合室20は、その中に流入するミルクおよびスチームの、ミルク吐き出し口流路に向けた循環を容易にするために、予混合室21が形成される側とは反対側に、概して半球形状の閉じた端部も有する。
【0035】
また予混合室21は、軸Aに沿って概して細長い形状を有し、特に、概してそれが軸対称形状であり、好都合には、概して円筒形状である。
【0036】
都合よくは、混合室20および予混合室21は、軸Aに関して互いに同軸である。
【0037】
図2および3に示されている実施態様においては、ミルクおよびスチームの取り入れ口流路が、予混合室21内において終わる前に互いに合流するように、ミルク取り入れ口17およびスチーム取り入れ口18が形成される。
【0038】
異なる実施態様においては、図示されていないが、ミルクおよびスチームの取り入れ口流路が、予混合室21内において直接終わるように、すなわち、それの中において終わる前に互いに合流することのないように、ミルク取り入れ口17およびスチーム取り入れ口18を形成してもよい。
【0039】
またミルク取り入れ口17およびスチーム取り入れ口18は、ミルクおよびスチームの取り入れ口流路が、少なくとも予混合室21に近い断面において、相互に非ゼロの角度αで傾けられるように形成もなされる。
【0040】
純粋に非限定的な例として述べれば、予混合室21に近いミルクおよびスチームの取り入れ口流路の区間は、30°から60°までの範囲の角度αで、好ましくは45°で相互に傾けられる。
【0041】
それに加えて、図2および3に示されている実施態様においては、ミルク取り入れ口流路が、少なくとも予混合室21に近いそれの区間においては軸Aと実質的に平行であり、特に、軸Aと実質的に同軸であるように、かつスチーム取り入れ口流路が、少なくとも予混合室21に近いそれの区間においては軸Aと交差し前記角度αを形成するように、ミルク取り入れ口17およびスチーム取り入れ口18が形成される。
【0042】
さらにまた、図2および3に示されている実施態様においては、ミルク吐き出し口流路が少なくとも混合室20に近い断面において軸Aと交差するように、ミルク吐き出し口19が形成される。
【0043】
特に、ミルク吐き出し口19は、ミルク吐き出し口流路が、少なくとも混合室20に近いそれの区間において、予混合室21に近いミルク取り入れ口流路の区間に対して、それからの特定の距離を保って実質的に平行であるように形成される。
【0044】
それに加えて、ミルク吐き出し口19は、混合室20と予混合室21とを接続する表面においてミルク吐き出し口流路が混合室20から出るように形成される。
【0045】
好ましい実施態様においては、ミルク泡立て器/ヒータ9は、使用時に軸Aが実質的に水平になり、ミルク吐き出し口19が下向きに面して重力によるミルクの排出が容易になり、その結果として、ミルク泡立て器/ヒータ9内に泡立てた残渣が残る可能性が制限されるように、都合よく飲料自動販売機1内にマウントされる。この向き付けは、ミルクの泡立ての品質にとって、特に有利であることも示されている。
【0046】
異なる実施態様においては、ミルク泡立て器/ヒータ9を、飲料自動販売機1内において、たとえば使用時に軸Aが実質的に垂直となるか、または異なる傾斜を呈するような異なる方法でマウントすることが可能である。
【0047】
非限定的な例によれば、スチーム取り入れ口流路は、1mmと2.5mmの間、好ましくは1.8mmの直径を有することができ;ミルク取り入れ口流路は、1mmと2.5mmの間、好ましくは1.7mmの直径を有することができ;ミルク吐き出し口流路は、1.7mmと3mmの間、好ましくは2.5mmの直径を有することができ;予混合室21は、2.9mmと4mmの間の直径および約6mmの長さを有することができ;混合室20は、約55mmの長さおよび5.8cmの容積を有することが可能である。
【0048】
ミルクが予混合室21に入る傾きは、ミルクおよびスチームの取り入れ口ならびにミルク吐き出し口の流路の直径とともに、カップ内の飲料のミルクの泡立ちの高い『舌触り』品質を確保する。
【0049】
ミルクおよびスチームの取り入れ口ならびにミルク吐き出し口の流路の直径と、混合室20および予混合室21の寸法もまた、ミルクの分注に流動性および連続性を作り出す。
【0050】
さらにまた、ミルクおよびスチームの取り入れ口ならびにミルク吐き出し口の流路の向きは、混合室20の形状とともに、電子ミルク・コントロール・ユニット15によってコントロールされるスチームおよび温水を用いた洗浄サイクルを通じて完全に清潔にできるという結果をもたらし、操作者によるさらなるメンテナンス、または特殊な洗剤液を必要としない。
【0051】
最後に述べれば、このミルク泡立て器/ヒータ9は、ベンチュリ効果をベースにするミルク泡立て器と比べると、その効果を生じさせるに充分な精度を伴って設計および実装がなされなければならないことに加えて有意に衛生的な問題も引き起こす弱点がまったくないことから、より構造的に単純であり、かつより衛生的に良好である。
【0052】
最後になるが、付随する特許請求の範囲の中で定義されているとおりの本発明の範囲から逸脱することなく、ここで説明し、示した実施態様に対して多様な修正を行い得ることは明らかである。
【0053】
たとえば、予混合室21を省略しても良く、その場合においては、この手前の予混合室21を参照して説明したことが混合室20に適用できることになる。
【0054】
さらにまた、ミルクおよびスチームの取り入れ口17および18ならびにミルク吐き出し口19を画定する付属物は、この中で説明し、図解されているものとは異なる形状をとり得て、特に、2つまたはそれより多くの相互に傾斜された直線区間の連続によって形成され得、その場合においては、予混合室21および混合室20に近い区間が、上で説明した特徴を有し、予混合室21および混合室20から遠い区間を、ミルクおよびスチームの付加ライン10および11ならびにミルク供給ライン13へのそれらの流体接続が容易になるように、たとえば互いに対してすべて平行にすることができる。
図1
図2
図3