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特許7200250カプセル化香料組成物およびそれらの調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】カプセル化香料組成物およびそれらの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20221226BHJP
   B01J 13/16 20060101ALI20221226BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20221226BHJP
   C08G 73/00 20060101ALI20221226BHJP
   C08G 18/64 20060101ALI20221226BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20221226BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20221226BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20221226BHJP
   A61K 8/84 20060101ALI20221226BHJP
   A61K 8/88 20060101ALI20221226BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221226BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20221226BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20221226BHJP
   B01J 13/18 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
C11B9/00 Z
B01J13/16
C11D3/50
C08G73/00
C08G18/64 023
A61K8/11
A61K8/81
A61K8/89
A61K8/84
A61K8/88
A61Q19/00
A61Q13/00 102
A61Q5/00
B01J13/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020534201
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2018085569
(87)【国際公開番号】W WO2019121736
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】1721584.9
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】エル-ハブノウンニ,サラ
(72)【発明者】
【氏名】ハリソン,イアン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オーサント,エマニュエル
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0325259(US,A1)
【文献】国際公開第2017/001672(WO,A1)
【文献】特表2015-507522(JP,A)
【文献】特開2015-128762(JP,A)
【文献】特表2017-528513(JP,A)
【文献】特開2004-216241(JP,A)
【文献】特表2017-520400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 9/00- 9/02
B01J13/02- 13/22
C11D 3/50
C08G73/00
C08G18/64
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁媒体に懸濁した少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルを含むカプセル化香料組成物であって、ここで該少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルは、少なくとも1つの香料成分を含有するコア、およびコアを取り囲むまたは少なくとも部分的に取り囲むシェルを含み、ここでシェルは、モノマー、プレポリマーおよび/またはプレ縮合物から選択されるシェル形成材料の反応によって形成された熱硬化性樹脂を含み、およびここでカプセル化香料組成物は、ポリマー界面活性剤およびシェルと共有結合を形成することができる官能基を含有するシランの反応生成物であるポリマー安定剤を含む、前記カプセル化香料組成物。
【請求項2】
ポリマー安定剤が、アミノシラン、およびエチレン非置換化合物および無水マレイン酸のコポリマーの反応生成物である、請求項1に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項3】
3-アミノプロピルトリエトキシシラン、およびi)ポリ(エチレン-コ-無水マレイン酸)およびii)ポリ(スチレン-コ-無水マレイン酸)の少なくとも1つの反応生成物である、請求項1または請求項2に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項4】
シェルが、アルキロール化多官能性アミンおよびアルデヒドの重合により形成された熱硬化性樹脂である、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項5】
シェルが、多官能性アミンおよび多官能性アクリラートの反応により形成された熱硬化性樹脂である、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項6】
シェルが、多官能性アミンおよび少なくとも1つのイソシアナートの反応により形成された熱硬化性樹脂である、請求項1~3のいずれか一項に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項7】
多官能性アミンが、エチレンジアミン、ビス(2-アミノエチル)アミン(CAS# 111-40-0)、メラミン(2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン)、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、6-メチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミンまたは1,4-フェニレンジアミン、またはそれらの混合物から選択される二または三アミノ置換複素環である、請求項5に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項8】
多官能性アクリラートが、ペンタエリスリトール-テトラアクリラート(PETA)、ペンタエリスリトールトリアクリラート(PETIA)、1,4-ブタンジオールジアクリラート(BDA-2)、エチレングリコールジメタクリラート(EDGMA)、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA)、((2,4,6-トリオキソシクロヘキサン-1,3,5-トリイル)トリス(オキシ))トリス(エタン-2,1-ジイル)トリアクリラート(TOCTA)、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌラート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(TAHHT)、またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5または7に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項9】
少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルが、少なくとも部分的に官能性コーティング材料でコーティングされている、請求項1~8のいずれか一項に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項10】
官能性コーティング材料が、少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルのシェルに共有結合的に結合している、請求項9に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項11】
官能性コーティング材料がポリメチルメタクリラートである、請求項9または10に記載のカプセル化香料組成物。
【請求項12】
上記カプセル化香料組成物の調製方法であって、以下のステップ:
a. 水性の外相に分散した少なくとも1つの香料を含有する油滴を含む水中油型エマルションを、請求項1~3のいずれかに定義されたポリマー安定剤の存在下で形成すること;および
b. 水中油型エマルション中に存在するシェル形成材料を反応させて、少なくとも1つの油滴を囲む、または少なくとも部分的に囲む油水界面熱硬化性樹脂を形成すること
を含む、前記方法。
【請求項13】
上記カプセル化香料組成物の調製方法であって、以下のステップ:
a. 水性の外相に分散した少なくとも1つの香料を含有する油滴を含む水中油型エマルションを、請求項1~3のいずれかに定義されたポリマー安定剤の存在下で形成すること;
b. 水中油型エマルションに存在するシェル形成材料を、反応させ、少なくとも1つの香料を含有する油滴を囲んで、または少なくとも部分的に囲んで、油水界面熱硬化性樹脂シェルを形成すること;および
c. 任意に、コアシェルマイクロカプセルを官能性コーティング材料で少なくとも部分的にコーティングすること
を含む、前記方法。
【請求項14】
ポリマー安定剤が、in situでグラフトされる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
ポリマー安定剤のin situでの生成が、水中油型エマルションに存在する、アミノ-シランと、エチレン非置換化合物および無水マレイン酸のコポリマーであるポリマー界面活性剤との反応によってもたらされる、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、コアシェルマイクロカプセルの分散体の形態のカプセル化香料組成物に関する。本発明は、カプセル化香料組成物を形成する方法、消費者製品におけるその使用、ならびにそれを含有する消費者製品にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
パーソナルケア、家庭用ケア、および特にランドリーケア製品を含む消費者製品のすべてのカテゴリーにわたって、カプセル化された香水類(perfumery)への要望は継続して拡大している。結果として、調香師は、香料を含有するマイクロカプセルを、これまでにない多様な製品タイプおよびこれまでになく困難な(例として、攻撃的なまたは抽出的な)媒体へ組み込む必要がある。
【0003】
この拡大している顧客需要は、パーソナルケア、家庭用ケアおよびファブリックケア製品の消費者にとって香りの重要性が増していることを反映する。香りは、消費者に新鮮さおよび清潔さの印象を与える嗅覚的手がかりを提供し、かかる製品の有効性における消費者の信頼を強化する。
【0004】
洗浄または処理体験の前、間および後、消費者は、消費者製品と関わる多くの時点がある。ランドリー製品の場合、一例として、ランドリー体験中の関わる時点は、ファブリックケア製品の容器を開けたときに消費者が受ける新鮮さの体験;または洗濯物を洗濯または乾燥した後に、洗濯機または乾燥機を開けたとき;またはアイロンがけ、折り畳み、または洗濯したての衣類またはリネンを一般的に取り扱うことに関連する、新鮮さの体験を包含する。これらの関わる瞬間にランドリー製品が消費者を喜ばせることができる場合、それは、面倒な仕事をより喜ばしい体験に変え、ブランド信仰を促進し、製品の再購入を助長する、喜びの習慣を生み出すことに役立つ。
【0005】
マイクロカプセル化の技法は、洗浄または処理体験の間のフレグランスの時間-空間的放出を制御する可能性を提供し、それにより、前述の消費者の利益を生み出すのに役立つ。
【0006】
カプセル化香料組成物の調製のために好適な多種多様のカプセル封入媒体および香料成分が、当該技術分野において提案されてきた。
【0007】
当該技術分野において提案されたカプセル封入媒体は、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリラート、メラミン誘導樹脂、またはそれらの混合物から作られた合成樹脂;またはゼラチン、デンプン等の天然に存在するポリマーを包含する。
【0008】
好適なコア材料に関しては、原則として、調香師のパレットにあるすべての香料成分を、ある程度までコアシェルマイクロカプセルに組み込むことができる。しかしながら、香料成分のある物理-化学的特徴、とりわけそのc log Pが、カプセル化できるかどうか、およびその程度、および一旦カプセル化し、保管の間に実質的な漏出なしにコアにとどまる傾向に影響することが一般に認められている。
【0009】
熟練した処方者の手における、シェルおよびコア材料の両方の慎重な選択が、多くの消費者製品において安定しており、および経時的に少なくともある程度フレグランスの放出を調節することができる、マイクロカプセル化された香水類をもたらすことができる。
【0010】
しかしながら、コアにおける十分に設計された香料処方との組み合わせにおける、比較的安定したシェル化学物質の使用でさえも、処方者は、それにも関わらず、一方では、マイクロカプセルは、製作および保管の間安定であり、漏れることがないように、充分に堅固であることを、および他方では、それらが洗浄または処理操作の湿式および乾式段階にわたって所望される放出プロファイルでコア内容物を放出するために、充分に破壊可能であることを確保することとの間の困難なトレードオフに直面する。
【0011】
長く続く香料性能を促進する一つの手段は、布地やケラチン基質などの処理される基質へのコアシェルマイクロカプセルの堆積および固定を確実にすることである。処理された基質から容易に洗い落とせないマイクロカプセルは、より長い期間にわたって心地よい匂いの印象を発揮することができる。
【0012】
結果的に、この問題を解決し、すすぎ後にケラチン表面上に堆積し、そこに留まるマイクロカプセルを提供するために多くの試みがなされてきた。これらの試みでは、ポリマーは主に堆積補助剤として使用されてきた。例えば、WO 2015/041791 A1は、マイクロカプセルが存在する組成物のpHにおいて、0.005meq/g~23meq/g、好ましくは0.01meq/g~12meq/g、最も好ましくは0.1meq/g~7meq/gのカチオン性電荷を有するカチオン性ポリマーである、堆積補助剤ポリマーでコーティングされたマイクロカプセルを開示する。WO 2016/177607 A1は、ポリ尿素シェルに共有結合した非イオン性多糖類を有するポリ尿素マイクロカプセルを開示する。多糖類は、マンナン、グルコマンナン、キシログルカン、ヒドロキシアルキルセルロース、デキストラン、ガラクトマンナンおよびそれらの混合物からなる群から選択され、処理された基質上へのマイクロカプセルの堆積を著しく改善すると主張されている。しかしながら、これらのポリマーは、様々な基質上へのマイクロカプセルの堆積および付着を増強することを意図しているが、リンスオフ製品では、あらゆる増強が依然として制限されている。堆積を増強するためのマイクロカプセルの化学的改変には限界があると思われる。さらにまた、シェルの化学的改変は、その特性を変更し、漏れの安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0013】
とりわけ布地やケラチン表面などの処理表面においてより実質的であるため、漏れに関して安定でありながら、使用時のパフォーマンスが向上する改善されたカプセル化技術の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0014】
本発明の概要
先行技術の問題に取り組む際に、本出願人は、処理された(特にリンスオフ条件下で処理された)表面への観察された限定的なマイクロカプセル堆積および保持を説明する要因が、先行技術のカプセル化香料組成物において使用されたマイクロカプセルの粒子サイズおよび多分散性に関連することを見出した。より具体的には、コアシェルマイクロカプセルは、水中油型エマルションから従来通り製造され、分散した油滴が、テンプレートとして機能し、その周りに樹脂シェルが堆積して、コアシェルマイクロカプセルのスラリーを形成する。従来のポリマー安定剤によって安定化された、かかるエマルションは、典型的には多分散であり、これは、処理表面へのマイクロカプセルの所望の堆積および保持を、特にリンスオフ条件下で提供するには、大きすぎるかまたは小さすぎる有意な量のマイクロカプセルを含有するマイクロカプセルの集団をもたらす。
【0015】
出願人は、驚くべき様式において、コアシェルマイクロカプセルの集団における多分散性の制御を助ける、新しいポリマー安定剤およびマイクロカプセルを形成する方法を見出した。出願人はまた、新しいポリマー安定剤を使用して形成されたカプセル化香料組成物が、それらが堆積する表面において実質的であり、従来技術のカプセル化香料組成物と比較して消費者製品で良好に機能することを見出した。
【0016】
さらにまた、出願人は、新しいポリマー安定剤は、油水界面の安定化に非常に有効であり、これらが、既存のシェル化学物質だけでなく、新しいシェル化学物質を香料油滴の周りに堆積させる特に安定したプラットフォームを提供することを助け、新規なカプセル化香料組成物を形成すること、そしてこれが、残余アルデヒド、特にホルムアルデヒドを有さないマイクロカプセルなどの、追加の官能性または所望の特性を有するマイクロカプセルを設計する優れた自由度を処方者に提供することを見出した。
【0017】
結果的に、第1の側面において本発明は懸濁媒体に懸濁した少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルを含むカプセル化香料組成物、ここで該少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルは、少なくとも1つの香料成分を含有するコア、およびコアを囲むまたは少なくとも部分的に囲むシェルを含み、ここでシェルは、モノマー、プレポリマーおよび/またはプレ縮合物から選択されるシェル形成材料の反応により形成される熱硬化性樹脂を含み、およびここでカプセル化香料組成物は、ポリマー界面活性剤およびシェルと共有結合を形成することができる官能基を含有するシランの反応生成物であるポリマー安定剤を含む、前記組成物を提供する。
【0018】
本発明の第2の側面は、上記カプセル化香料組成物を調製する方法を提供し、当該方法は以下のステップを含む:
I) 水性の外相に分散した少なくとも1つの香料を含有する油滴、およびポリマー安定剤を含む水中油型エマルションを形成する;および
II) 水中油型エマルション中に存在するシェル形成材料を反応させ、油水界面で、少なくとも1つの油滴を取り囲むか少なくとも部分的に取り囲む熱硬化性樹脂シェルを形成する。
【0019】
本発明の第3の側面は、カプセル化香料組成物を含む消費者製品、とりわけリンスオフ用途において使用することが好適な消費者製品を提供する。
【0020】
本発明の第4の側面は、ポリマー界面活性剤、およびコアシェルマイクロカプセルのシェルと共有結合を形成することができる官能基を含有するシランの反応生成物である、ポリマー安定剤を提供する。
【0021】
本発明の第5の側面は、カプセル化香料組成物の調製における、ポリマー安定剤の使用を提供する。
【0022】
本発明の第6の側面は、コアシェルマイクロカプセルの多分散性が、1.5未満、より具体的には1.3未満、さらにより具体的には1.2未満のスパンで特徴づけられるように、コアシェルマイクロカプセルの多分散性を制御するための、カプセル化香料組成物の調製におけるポリマー安定剤の使用を提供する。
【0023】
本発明のあらゆる側面の具体的な態様において、ポリマー安定剤は、アミノ-シランおよび無水マレイン酸の加水分解コポリマーの反応により形成されたコポリマーである。
【0024】
本発明のあらゆる側面の具体的な態様において、ポリマー安定剤は、カプセル化香料組成物の調製の間にin-situで形成される。
【0025】
本発明のあらゆる側面の具体的な態様において、少なくとも1つのコアシェル マイクロカプセルのシェルは、多官能性アミンおよび活性化アルケンの、およびより具体的にはさらにメラミンおよび(メタ)アクリル酸のエステルの反応によって形成された熱硬化性アミノプラスト樹脂である。
【0026】
本発明のあらゆる側面の具体的な態様において、少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルのシェルは、多官能性アミンおよび少なくとも1つのイソシアナート、とりわけ2つの構造的に異なるイソシアナートの反応によって形成されたポリ尿素シェルである。
【0027】
本発明のあらゆる側面の具体的な態様において、カプセル化香料組成物は、アルデヒドフリー、およびより具体的にはホルムアルデヒドフリーである。
【0028】
本発明のこれらのおよび他の側面および態様は、以下の本発明の詳細な記載を考慮してさらに理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の詳細な記載
コアシェルマイクロカプセルは、水性の相に分散した油滴の周りにカプセル化するシェルを水中油型エマルションの形態で作成することにより、典型的に得られる。これらの水中油型エマルションは、保護コロイドまたはポリマー乳化剤とも称されるポリマー安定剤によって典型的に安定化され、および典型的には多分散である。エマルションの多分散性を判断する1つの単純な手法は、当該技術分野において周知である技法に従って、液滴のサイズ分布を測り、この分布のスパンを計算することであり、スパンは式(1)で定義される
【0030】
スパン=[Dv(90)-Dv(10)]/Dv(50) 式(1)
式中、Dv(10)値は、総液滴体積の10%がこの値未満の液滴で構成される体積平均直径であり、Dv(50)値は、体積分布の中央値液滴直径であり、総液滴体積の50%がこの値未満の液滴で構成される体積平均直径に対応し、およびDv(90)値は、試料の体積の90%が、この値未満の液滴で構成される直径である。
【0031】
マイクロカプセルサイズおよびサイズ分布は、当該技術分野において知られている様式で判断することができる。粒子サイズを測定する具体的な方法は光散乱である。光散乱測定は、Malvern Mastersizer 2000S装置およびMie散乱理論を使用して行うことができる。Mie理論の原理および液滴サイズを測定するために光散乱をどのように使用できるかは、例えば、H. C. van de Hulst, Light scattering by small particles. Dover, New York, 1981に見出すことができる。静的光散乱によって提供される主な情報は、光散乱強度の角度依存性であり、これは、液滴のサイズおよび形状にリンクしている。しかしながら、標準的な操作方法において、この物体の形状が何であれ、回折物体のサイズと同等のサイズを有する球のサイズは、装置に提供されたマルバーン独自のソフトウェアによって計算される。多分散試料の場合、全体的な散乱強度の角度依存性には、サンプルにおけるサイズ分布に関する情報が含まれる。出力は、カプセルサイズの関数として特定のサイズクラスに属する液滴の総体積を表すヒストグラムであり、50のサイズクラスの任意の数を選択できる。したがって、得られたサイズは、体積平均粒子サイズと称される。
【0032】
実験では、散乱セルを流れる脱気水の循環ストリームに数滴のスラリーを加える。かかる希釈条件下で、試料中に存在する液滴の平均サイズおよびサイズ分布を提供するために、散乱強度の角度分布を、装置に付属のMalvern独自のソフトウェアによって測定および分析する。単峰型(単分散)液滴分布の場合、パーセンタイルDv(10)、Dv(50)およびDv(90)を液滴サイズ分布の特性として使用するが、Dv(50)は分布の中央値に対応し、マイクロカプセルの体積平均サイズの尺度として使用される。
【0033】
プロセスの最後に得られるマイクロカプセルのサイズ分布がエマルションの液滴のサイズ分布と実質的に同じであるのは、そのような水中油型エマルションテンプレートに基づくコアシェルカプセル化プロセスの性質である。ゆえに、エマルションのレベルで多分散性の問題を解決することは、低い多分散性を有するマイクロカプセルを得るための決定的なステップである。
【0034】
しかしながら、標準的な先行技術の乳化技術および界面活性剤/高分子安定剤を使用して低多分散性エマルション液滴を作製する試みは、出願人がこれらの技法を使用することにより体系的に広すぎる液滴サイズ分布を得たので残念であった。理論に拘束されるつもりはないが、出願人は、この広い分布は、従来のポリマー安定剤が油水界面に充分な安定性を提供できないことに起因する可能性があると考えている。
【0035】
従来のポリマー安定剤の例は、US 8,119,587に開示されており、LUPASOL PA 140、およびZeMac E400などのエチレン性不飽和モノマーおよび無水マレイン酸の反応から形成されるコポリマーを包含する。
【0036】
本発明に従って、本出願人は、高い乳化力を有し、極めて小さい油滴を低い撹拌速度で低い多分散性で形成することを可能にする新規なポリマー安定剤を発見した。さらにまた、形成された油水界面は、熱硬化性樹脂シェルが形成できる極めて安定したプラットフォームを提供するように思われる。
【0037】
本明細書に定義されるポリマー安定剤の使用は、以下の特質の少なくとも1つ、および好ましくはすべてを示すコアシェルマイクロカプセルを含むカプセル化香料組成物の製造を可能にする:
I. マイクロカプセルは、スラリーの総重量(すなわち、マイクロカプセル+水性懸濁媒体)に基づいて、少なくとも35重量%、より具体的には少なくとも約40重量%の香料充填量で形成される;
II. 香料は極めて高いカプセル化収率でカプセル化することができ、例としてマイクロカプセルの90重量%を超え、より具体的には95重量%を超えが、カプセル化された香料である;
III. マイクロカプセルは、従来のメラミンホルムアルデヒドカプセルに匹敵する安定性-放出の性能バランスを示す;
IV. マイクロカプセルは、30ミクロン以下、より具体的には20ミクロン以下の平均粒子サイズDv(50)を有し、および1.5未満、より具体的には1.3未満、さらにより具体的には1.2未満のスパンで特徴づけられる多分散性を有する。よりさらに、先述の粒子サイズおよび多分散性は低速から中程度の撹拌速度で達成することができる。
【0038】
マイクロカプセルの安定性-放出の性能は、本明細書の以下の例6に記載されているような嗅覚評価を実施することによって評価することができる。
【0039】
低~中程度の撹拌速度とは、例えば、傾斜したビームを有するクロスビーム撹拌機を備え、撹拌機の直径に対するリアクターの直径が0.7である1リットルの体積を有する槽に関して、1000rpm未満、より具体的には約100~約1000rpm、さらにより具体的には約500~700rpm、例えば600rpmのオーダーを意味する。
【0040】
撹拌装置は、タービン、Mig撹拌機などを含むことができる。しかしながら、当業者は、かかる撹拌条件が、反応器のサイズおよびスラリーの体積に応じて、撹拌機の正確な形状に応じて、撹拌機の直径と反応器の直径比率比に応じて変化し得ることを容易に理解するであろう。例えば、撹拌機対反応器の直径比が0.5~0.9であり、スラリー容量が0.5~8トンの範囲であるMig撹拌機の場合、本発明の内容において、好ましい撹拌速度は、150rpm~50rpmである。
【0041】
特質III)に関して、コアシェルマイクロカプセルの漏れ安定性は、当技術分野で周知である技法に従って評価することができる。抽出的な媒体の漏れに関するマイクロカプセルの安定性を評価するための便利な方法は、本明細書の以下の例に記載されている。
【0042】
高いマイクロカプセル充填量および良好な安定性が、優れた香水利益をもたらすことができる、費用効果の高い様式でカプセル化香料組成物の調製を可能とする。とりわけ、マイクロカプセルは、良好な破壊性を示し、これは、良好な櫛後性能が特に所望の特質である場合、ヘアケア用途において特に有益である。さらにまた、より小さなマイクロカプセルが布地の表面などの表面により高い効率で堆積すると考えられているので、本発明のマイクロカプセルが特徴的に小さい粒子サイズおよび低い多分散性で形成できるという事実は特に有利であると考えられる。
【0043】
本発明のポリマー安定剤は、液滴が合体することを防止し、分散媒体中に十分に懸濁したままであることを確実にすることにより、分散した油滴を安定化させる。このように、ポリマー安定剤は、さまざまなシェル形成化学物質を香料油滴に堆積させて、新規コアシェルマイクロカプセルを形成できる、安定した用途の広いプラットフォームの作成を支援する。
【0044】
本発明のポリマー安定剤は、ポリマー界面活性剤およびシランとの反応生成物であり、そのシランは、シェル材料と共有結合を形成することができる官能基を含む。この様式において、ポリマー安定剤は安定したエマルションの調製において乳化剤として機能するだけでなく、共有結合のリンカーとしても機能し、分散した油滴にシェルを結合するのに役立ち、より品質の良いコアシェルマイクロカプセルをもたらす。シェルに共有結合できるようなポリマー安定剤の官能基化は、本発明の特定の特色である。
【0045】
本発明の目的に特に公的なポリマー界面活性剤は、無水マレイン酸およびエチレン、イソ―ブチレンまたはスチレンなどのオレフィンモノマーの反応生成物であるコポリマーを包含する。かかるコポリマーの例は、ポリ(エチレン-コ-無水マレイン酸)、ポリ(イソブチレン-コ-無水マレイン酸)およびポリ(スチレン-コ-無水マレイン酸)を包含する。特に好ましいコポリマーは、ポリ(エチレン-コ-無水マレイン酸)、この商用グレードは、ZeMac E400の商品名で入手可能である。無水マレイン酸コポリマーは単独で使用してもよく、または代替的に無水マレイン酸コポリマーの組み合わせも使用してもよい。
【0046】
無水マレイン酸コポリマーは、本発明における使用のために、加水分解された形態で提供され得、その際、無水物は、その遊離酸、またはその塩、またはそれらの混合物の形態であり得る。
【0047】
無水マレイン酸コポリマーを使用する場合、乳化プロセスにおいて用いられる前に、予備加水分解をすることが特に好ましい。加水分解は、無水マレイン酸を水性媒体に、任意に高温で、例として約85~90℃で、適切な時間間隔で溶解することによって達成することができる。典型的には2時間が、加水分解に影響する適切な時間間隔である。これらの条件下でポリマーが溶解すると、溶液のpHは典型的には3未満になり、これは、加水分解が起こったことを示していることの使用となり得る。さらにまた、赤外分光分析は、無水物基に対応する典型的な吸収帯が消滅していることが明らかにする。
【0048】
上記のように、加水分解された形態の無水マレイン酸コポリマーは、その遊離酸、またはその塩形態、または遊離酸および塩の混合物として提示されてもよい。遊離酸および塩の形態の相対量は、水性媒体のpHに依存する。より具体的には、無水マレイン酸コポリマーは、約2~約7、より具体的には約4~約5のpHの水溶液で使用され、無水マレイン酸コポリマーは最適な乳化剤特性を示す。
加水分解形態の無水マレイン酸コポリマーは、その遊離酸および塩形態と、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム対イオンなどの一価対イオンとの混合物として提示されてもよい。
【0049】
ポリマー安定剤の調製に用いられるシランは、式Iの化合物から選択することができる
【化1】
【0050】
式中、R、RおよびRは、独立してC~C直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケン、とりわけメチルまたはエチルであり、およびRは、官能基を含むC~C12、好ましくはC~C直鎖または分岐鎖アルキルまたはアルケンである。特に好ましいは、アミノシランである。官能基は、よってアミン、とりわけ一級、二級または三級アミンであり得る。
【0051】
官能基が一級アミンである場合、これは末端一級アミンである。Rはそして、好ましくはC~C、さらにより好ましくはC~C直鎖末端一級アミノアルキル残基である。このカテゴリーの特定のアミノシランは、アミノメチルトリエトキシシラン、2-アミノエチルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、5-アミノペンチルトリエトキシシラン、6-アミノヘキシルトリエトキシシラン、7-アミノへプチルトリエトキシシランおよび8-アミノオクチルトリエトキシシランからなる群から選択され、最も好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシランである。反応して、ポリマー安定剤を形成する、アミノシランおよび無水マレイン酸コポリマーは、幅広く異なる量で組み合わせることができる。しかしながら、ポリマー界面活性剤の、より具体的には無水マレイン酸コポリマーのシランに対する重量比が、約1/0.05~約1/1、より具体的には約1/0.1~約1/0.7、さらにより具体的には約1/0.3~約1/0.4の範囲内、例えば1/0.33であると好ましい。
【0052】
アミノシランの利用可能なアルコキシ官能基に起因して、ポリマー安定剤は、安定したエマルションの調製において乳化剤として機能するだけではなく、分散した油滴へのシェルの結合を助ける共有結合リンカーとしても機能し、より優れた品質のコアシェルマイクロカプセルをもたらす。
【0053】
例えばアルコキシシラン部分の重縮合を介してシェルに共有結合できるようなポリマー安定剤の官能基化は、本発明の特定の特徴である。
【0054】
本発明の方法に従って、マイクロカプセルは、エマルジョン液滴を取り囲む、または少なくとも部分的に取り囲む樹脂シェルが形成されるときに形成される。
【0055】
原則として、本発明のポリマー安定剤によって安定化される香料液滴の周りにあらゆるシェル化学物質を形成することができる。シェル化学物質は、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、ポリ尿素、またはポリアクリラート樹脂などの従来のものであってもよい。
【0056】
本発明の具体的な態様において、シェルは、多官能性アミンプレ縮合物のアルデヒドとの重縮合、特にメチロール化メラミンおよびホルムアルデヒドの重縮合によって形成され得る。
【0057】
本発明の具体的な態様において、シェルは、多官能性アミンおよび少なくとも1つのイソシアナートの反応、とりわけ2つの構造的に異なるイソシアナートの反応によって形成してもよい。
【0058】
他の具体的な態様において、シェルは、ラジカル化学を介する連鎖重合、およびとりわけジビニルベンゼン(DVB)および(メタ)アクリル酸またはそのエステル、例えばメタクリル酸メチルの反応によって形成してもよい。DVB-コ-メタクリル酸メチルポリマーで構成される熱硬化性樹脂シェルを含むマイクロカプセルは、本発明の具体的な態様を形成する。
【0059】
本発明のとりわけ好ましい態様において、シェルは、複数の活性化されたオレフィン二重結合を含有するシェル形成材料の、活性化されたオレフィン二重結合と反応することができる複数の求核官能基を含有するシェル形成材料との重付加反応によって形成されてもよい。
【0060】
求核官能基を含有するシェル形成材料は、直鎖または分岐鎖脂肪族、芳香族、環状-脂肪族、複素環式、ヘテロ芳香族、オルガノシラン、または上記の構造のいずれかの混合物であってよい。材料はモノマー、オリゴマーまたはポリマーであってよい。求核官能基は、アミノ、およびとりわけ一級または二級アミノ、チオール、ヒドロキシルおよびイミノから選択されてもよい。特に好ましいかかるシェル形成材料は、多官能性アミン、直鎖または分岐鎖脂肪族アミン、またはアミノ官能基化脂肪族または芳香族複素環である。さらにより具体的には、シェル材料は、メラミン(2,4,6-トリアミノ-1,3,5-トリアジン)、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジアミノ-6-フェニル-1,3,5-トリアジン、または6-メチル-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミンまたは1,4-フェニレンジアミン、またはそれらの混合物から選択される二または三アミノ置換された複素環である。
【0061】
ポリイミンは、第1のシェル形成モノマーのオレフィン二重結合とも反応し、したがって本発明のマイクロカプセルの調製のためにも有用である。
【0062】
複数の活性化されたオレフィン二重結合を含有するシェル形成材料は、上述の複数の活性化されたオレフィン二重結合を含有するシェル形成材料と反応することが可能である、あらゆるマイケルアクセプターであってよい。マイケルアクセプターは、ニトリル、ケト、アミド、またはエステル基などのあらゆる好適な電子引基と共役したオレフィン二重結合を含有してもよい。シェル形成材料は、モノマー、オリゴマーまたはポリマーであってよい。特に好ましいシェル形成材料は、二、三、または四官能性アミドまたはアクリラートであるが、多官能性アクリラートが好ましい。好適な多官能性アクリラートは、少なくとも二官能性アクリラートであり、これらに限定されないが、アクリル酸および/またはメタクリル酸のC~C24-アルキルエステル(単数または複数)を包含する。
【0063】
具体的な態様において、シェル形成モノマーは、ペンタエリスリトール-テトラアクリラート(PETA);ペンタエリスリトールトリアクリラート(PETIA)1,4-ブタンジオールジアクリラート(BDA-2);エチレングリコールジメタクリラート(EDGMA);トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA);およびヘキサンジオールジアクリラート(HDDA)、((2,4,6-トリオキソシクロヘキサン-1,3,5-トリイル)トリス(オキシ))トリス(エタン-2,1-ジイル)トリアクリラート(TOCTA)、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌラート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(TAHHT)、またはそれらの混合物から選択してよい。
【0064】
本発明の好ましい態様に従って、シェル形成モノマーは、上に記載のこれらの多官能性アミン、およびとりわけメラミンである;および上に記載のマイケルアクセプターは、より具体的には多官能性アクリラートである。多官能性アミンおよび多官能性アクリラートの両方は、少なくとも二官能性でなければならず、すなわちそれらは少なくとも2つの反応性アミノ基または少なくとも2つの反応性アクリラート基を夫々含有しなければならない。さらにまた、多官能性アミン、または多官能性アクリラートのいずれかの少なくとも1つは、架橋ネットワークを形成するために少なくとも三官能性でなければならない。
【0065】
本発明の好ましい一態様において、シェル形成モノマーは、メラミン、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミンおよび1,4-フェニレンジアミン、またはそれらの混合物などの多官能性アミン、およびトリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌラートおよび1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジンなどの多官能性アクリラートから選択される。いずれの具体的な理論によっても拘束されることは望まないが、これらの具体的な多官能性アミンおよびこれらの具体的な多官能性アクリラートのあらゆる組み合わせは、それらが平坦であり、本質的に二次元の樹脂構造を形成し得るため、特に有利であると考えられる。
【0066】
この化学に基づくマイクロカプセルは、上で言及された特質を有し、それらは、ホルムアルデヒドを含まないため、特に有利である。
【0067】
本発明のプロセスに従って、所望される場合、官能性コーティングを、コアシェルマイクロカプセルの硬化性樹脂シェルに施すことができる。官能性コーティングは、全面的にまたは部分的のみにマイクロカプセルシェルをコートする。官能性コーティングが、帯電しているかまたは帯電していないかにかかわらず、その主な目的は、布地、ヒト皮膚、毛、または同種のものなどの処理表面上のマイクロカプセルの堆積を促進するなど、所望の効果を達成するためにマイクロカプセルの表面特性を変えることである。官能性コーティングは、既に形成されたマイクロカプセルに後コーティングしてもよく、またはそれらを、シェル形成の間にマイクロカプセルシェルに物理的に組み込んでもよい。それらは、物理的な力、水素結合、イオン性相互作用、疎水性相互作用、電子移動相互作用などの物理的な相互作用によってシェルに取り付けられてもよく、またはそれらはシェルに共有結合的に結合してもよい。
【0068】
官能性コーティングを物理的な結び付きによってシェルに取り付ける必要がある場合、マイクロカプセルシェルとの何らかの関係が必要であるため、コーティングの化学的構造は、シェル化学物質との相溶性によって判断することができる。
【0069】
官能性コーティングをシェルに共有結合させる必要がある場合、これは、コーティング材料と反応することができる官能基を有する材料を、シェルに組み込むことによって促進してもよい。
【0070】
例えば、コアシェルマイクロカプセルのシェルが、二、三、または四官能性(メタ)アクリラートシェル形成モノマーを使用して、本明細書に記載のとおり調製された場合、シェル形成の間に多官能性アミンと反応しなかった、アクリラートシェル形成モノマーに結び付けられたシェルに存在するあらゆる残余アクリラート官能基は、コーティング材料と反応して、後者をシェルに共有結合させることができる。
【0071】
好適なコーティング材料は、多糖類、ポリペプチド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン(ビニル、アクリル、アクリルアミド、ポリジエン)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリオキサゾリン、ポリアミン、シリコーン、ポリホスファジン、ポリ芳香族、ポリ複素環等に基づいてもよい。マイクロカプセルをコートするために使用することのできるコーティング材料のより詳細なリストは、特許文献、例えば堆積助剤として用いることができるコーティング材料を開示するEP 1,797,947に見出すことができ、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
特に好ましいコーティング材料は、ポリメタクリル酸メチル、ポリジメチルアミノエチルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩化物、およびそれらの混合物からなる群から選択されてよい。
コーティング材料がポリマーである場合、オレフィン二重結合を含有するコーティング材料モノマーの重合によって、コーティングプロセスの間に、in situで生成することができる。より具体的には、好適なモノマーを、本明細書に記載のプロセスに従って形成されたコアシェルマイクロカプセルのスラリーに添加し、重合させ、シェル中の先述の残余アクリラート官能基と反応させ、シェルに共有結合し、および少なくとも部分的にこれをコートするポリマーコーティング材料を構築することができる。
【0073】
この目的のために好適なモノマーは、これらに限定されないが、メタクリル酸メチル、ブチルメタクリラート、メタクリル酸、ジメチルアミノエチルメチルメタクリラート(DMAEMA)、およびジアリルジメチルアンモニウム塩化物(DADMAC)などのアクリラートを包含する。
【0074】
本発明は、上記のカプセル化香料組成物を得るためのプロセスの説明を参照してさらに理解され、これらのプロセス、ならびにこれらのプロセスに従って作製されたカプセル化香料組成物は、本発明のさらなる態様を表す。
【0075】
具体的な側面において、本発明は、分散媒体に分散した少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルを含む、本明細書に記載のカプセル化香料組成物を形成する方法を提供し、ここで該方法は、以下のステップを含む:
I. 水性の外相に分散した少なくとも1つの香料を含有する油滴を含む水中油型エマルションを、ポリマー安定剤の存在下で形成する;および
II. 水中油型エマルションに存在するシェル形成材料を、反応させ、該少なくとも1つの香料を含有する油滴を囲んで、または少なくとも部分的に囲んで、油水界面熱硬化性樹脂シェルを形成する;および
III. 任意に、コアシェルマイクロカプセルを、官能性コーティング材料で少なくとも部分的にコーティングする。
【0076】
ステップI)を実施する際に、本発明の実施形態において、ポリマー安定剤は、in situで、より具体的には乳化ステップの間または後に、そしてカプセル化ステップの前に形成されてもよい。
【0077】
ポリマー安定剤のin situでの生成は、共に上で定義されたポリマー界面活性剤およびシランを一緒に反応させることにより実施される。
【0078】
所望される平均液滴サイズおよび液滴サイズ分布を得るために、ミキサーの適切な撹拌スピードおよび形状を選択することができる。ポリマー安定剤が特に高い界面活性力を有し、所望の小さい液滴サイズおよび低い多分散性を有する油滴の形成を促進することができることは本発明の特徴である。
【0079】
傾斜したビームを有するクロスビーム撹拌機を備え、および約0.7の撹拌機直径対反応器直径を有する、1リットルの槽において、30ミクロン以下、より具体的には20ミクロン以下の平均粒子サイズD(50)を有し、および1.5未満、より具体的には1.3未満、さらにより具体的には1.2未満の多分散性スパンを有するマイクロカプセルを、1000rpm未満、より具体的には約100~約1000rpmほどの、さらにより具体的には約500~700rpmの撹拌速度で、例えばタービン、Mig撹拌機などの傾斜したビームを有するクロスビーム撹拌機、または同種のものを使用した600rpmの撹拌スピードで、形成することできることが本発明のプロセスの特徴である。好ましくは、Mig撹拌機を、600±50rpmのスピードで操作して使用する。当業者は、しかしながら、かかる撹拌条件を、反応器のサイズおよびスラリーの体積、撹拌機の正確な形状、撹拌機の直径と反応器の直径の比率に応じて変化し得ることを容易に理解するであろう。例えば、撹拌機対反応器の直径比率が0.5~0.9であり、スラリー体積が0.5~8トンの範囲であるMig撹拌機について、本発明の内容において、好ましいかき混ぜスピードは150rpm~50rpmである。
【0080】
水中油型エマルションの形成において、無水マレイン酸コポリマーを、水性の外相に添加し、アミノシランを、油相に混合する。それらの分離は、シランの加水分解の速度を制御するための、およびポリマー安定剤をin situで形成することを最適な方法でシランおよび無水マレイン酸コポリマーが油水界面で反応するためのプロセス最適化の考慮事項である。シランが急速に加水分解することを妨げられない場合、それは自己凝縮しやすい。油相においてシランを用いることは、自己縮合するというよりも、油水界面におけるポリマー界面活性剤との反応を促進する。
【0081】
アミノシランおよび無水マレイン酸のカップリングのための最適な反応条件を提供するために、混合物のpHを、約3.5~7へ、例えば4.5または6へ上げる。これは、好適な塩基の添加によって達成することができる。希釈水酸化ナトリウムなどの他の塩基を用いることもできるが、この目的のために、アンモニアの希釈溶液(20%)が好適である。全体のプロセスは、約1時間~3時間、より具体的には2時間±0.5の期間にわたって、および周辺温度またはわずかに高温、例として35±5℃において、実施することができる。このようにin situで形成されたポリマー安定剤は、油水界面で関連して、油滴の周りに少なくとも部分的な層を形成し、それらを安定化させ、合着(coalescence)を防止する。
【0082】
ポリマー安定剤で安定化された分散した液滴は、多目的なプラットフォームを形成し、その上に異なるシェル形成化学物質を堆積させて、新規コアシェルマイクロカプセルを形成することができる。
【0083】
多種多様のシェル化学物質を油滴に適用し、様々な異なる化学物質でコアシェルマイクロカプセルを形成することができるが、好ましいシェル化学物質を形成する本発明プロセスを説明する目的で、以下に記載する。
【0084】
シェル形成モノマーの各々は、水中油型エマルションの形成の前、間またはあとに添加してよい。さらにまた、シェル形成モノマーは、同時に、個別に、または連続して反応混合物に添加してもよい。
【0085】
水中油型エマルションにおけるシェル形成モノマーは、物理的なおよび/または化学的な条件を調整することにより、エマルション内で反応させる。例えば、水中油型エマルションのpHおよび温度を調整することができる。使用する化学物質に応じて、pHを酸性のドメイン、例えば2.5および7の間、例えば4±0.2に維持してもよい。代替的に、pH中性より上;例えば約7.5~約10の区間内、より具体的には約8~約9、およびさらにより具体的には8.5±0.2に上げてもよい。pH調整ステップは、適切な量の好適な酸または塩基の添加によって達成することができ、これは塩酸またはアンモニアの希釈溶液(例えば10または20%)の形態であってよいが、他の酸および塩基を使用することもできる。代替的に、反応器温度の上昇を使用して、反応を誘導してもよい。望ましくないシェル形成モノマーの早期反応を回避するために、pHの調整および/または温度の上昇を、複数のオレフィン二重結合を含有するシェル形成モノマー、典型的には多官能性アクリラートなどのシェル形成モノマーの添加の後に行うことが特に好ましい。
【0086】
水中油型エマルションのpHを上げることに加えて、エマルションの温度を、約40℃~約100℃、より具体的には約50~95℃、さらにより具体的には約70~90℃、例えば80±5℃の反応温度まで上げることができる。分散した油滴の周りに熱硬化性樹脂のシェルを形成するために、油水界面におけるシェル形成モノマーの反応を少なくとも部分的に引き起こすために充分な期間加熱を維持することができ、およびそれによってコアシェルマイクロカプセルのスラリーの形態のカプセル化された組成物を形成する。この高温に維持された時間間隔は、約1時間から10時間まで、より具体的には2~6時間、さらにより具体的には2.5時間から4時間まで、例えば3時間に及ぶこともある。
【0087】
反応温度に到達するためにかかる時間は、約15分から2時間より長い間隔で変わる可能性がある。好ましくは、かかる時間は1.5時間±0.5時間である。
【0088】
プロセス本明細書に記載のプロセスに従って、それらのコア内容物の良好な保持を示すが、どちらかというと壊れやすい、マイクロカプセルを得ることができる。このように、マイクロカプセルは、充分に堅固であり、抽出的な媒体においてでさえ保管中に低いレベルの漏れを示すが、アプリケーションでは、有意な割合が比較的簡単に壊れて、それらのコア内容物を放出する。これは、カプセル化された香水類用途、より具体的にはランドリー用途におけるカプセル化された香水類において特に有用である。
【0089】
出願人は、具体的な理論に拘束されるつもりはないが、試薬の選択、およびとりわけ記載された様式における加熱の速度および/または期間の制御を含む、本明細書に記載のプロセスパラメータ内での操作により、シェル形成モノマーの反応を制御し、比較的薄く、均一な樹脂シェルを作成することが実行可能であり、それは、漏れに抵抗するが、軽いまたは中程度のせん断力のみに応答して、破壊することができる、と考える。
【0090】
マイクロカプセルの形成後、カプセル化された組成物を室温に冷却することができる。好ましくは、冷却時間は、少なくとも1時間、より具体的には少なくとも2時間、例えば2.5時間±0.5時間である。この様式における徐冷は、樹脂がアニーリングによってそれ自体をさらに配置することができると考えられ、これは、樹脂シェルの均一性にも影響し、したがって適用におけるマイクロカプセルの特性に寄与し得る。
【0091】
冷却の前、間または後、カプセル化された組成物をさらに加工してもよい。さらなる加工は、1以上の抗微生物の防腐剤での組成物の処理を包含し、防腐剤は、当該技術分野において周知である。さらなる加工は、マイクロカプセルの安定した物理的分散を助け、クリーミングまたは合体またはその他を防止するための親水コロイド懸濁補助剤などの懸濁補助剤の添加も包含してもよい。所望される、または当該技術分野において慣用である、あらゆる追加のアジュバントもまた、この時点で添加してもよい。
【0092】
結果として得られるカプセル化された組成物は、水性の懸濁媒体に懸濁したマイクロカプセルのスラリーの形態で提示され、これは、消費者製品ベースにそのまま組み込んでもよい。所望される場合、しかしながら、スラリーを脱水して、カプセル化された組成物を乾燥粉末形態で提供することができる。マイクロカプセルスラリーの脱水は、従来通りであり、噴霧乾燥、蒸発または凍結乾燥などの当該技術分野において知られている技法にしたがって実行してもよい。典型的には、当該技術分野において慣用であるように、乾燥マイクロカプセルは、バルク剤、流動助剤、または同種のものとして作用することができる、粉末状シリカまたは同種のものなどの好適な粉末に分散または懸濁される。かかる好適な粉末は、カプセル化された組成物に、乾燥ステップの前、間または後に添加してよい。
【0093】
本発明の好ましい態様に従って、シェル形成材料は、上に記載の多官能性アミン、およびとりわけメラミン;および上に記載のとおりマイケルアクセプター、およびより具体的には多官能性アクリラートから選択される。
【0094】
ポリアミンおよび多官能性アクリラートの両方は、少なくとも二官能性でなければならず、すなわち、それらは少なくとも2つの反応性アミノ基または少なくとも2つの反応性アクリラート基をそれぞれ含有しなければならない。さらにまた、ポリアミンまたは多官能性アクリラートのいずれかの少なくとも1つは、少なくとも三官能性でなければならない。
【0095】
多官能性アミンおよび多官能性アクリラートがシェル形成モノマーとして使用される場合、本発明のカプセル化された組成物の形成の具体的なプロセスを構成し、これは以下のステップを含む:
- ポリマー安定剤、少なくとも1つの香料成分を含有する油、および水相を含む水中油型エマルションを、約3.5~約7、例えば4.5または6のpHで;好ましくは高温で、より具体的には35±5℃で形成する;
- エマルションを、撹拌下および先述の温度に、約2時間またはそれ以上、例えば2時間±0.5時間までの期間維持する;
【0096】
- 撹拌下で、多官能性アミン、より具体的にはメラミン、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、または1,4-フェニレンジアミン、またはそれらの混合物;および((2,4,6-トリオキソシクロヘキサン-1,3,5-トリイル)トリス(オキシ))トリス(エタン-2,1-ジイル)トリアクリラート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌラート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、またはそれらの混合物から選択される多官能性アクリラートを含むシェル形成モノマーを添加し、ここで多官能性アクリラートを、好ましくは多官能性アミンの添加の前に添加する;
【0097】
- エマルションのpHを、約7.5~約10、より具体的には8~9の間、例えば8.5±0.2のpHに、塩基の添加を用いて調整する、ここでpH調整は、好ましくは多官能性アクリラートの添加と多官能性アミンの添加との間に実行する;
- エマルションを、約40~約100℃、より具体的には約50~95℃、さらにより具体的には約70~90℃、例えば80±5℃の反応温度まで加熱する、ここで温度は、約15分~約2時間およびそれ以上、例えば1.5時間±0.5時間の期間にわたって反応温度まで上げ、ここで該加熱ステップはpH調整ステップの前、間または後に実行してもよい;
【0098】
- エマルションを、シェル形成モノマーが油水界面での反応を少なくとも部分的に引き起こすために充分な期間の間反応温度に維持し、架橋樹脂シェルを分散した油滴の周りに形成し、それによってコアシェルマイクロカプセルのスラリーを形成する、ここで時間間隔は約0.5~10時間、より具体的には2~6時間、さらにより具体的には2.5~4時間、例えば3時間の範囲であってよい;
- スラリーを室温へ、例えば約15分~約2時間およびそれ以上の期間にわたって、例えば2時間±0.5時間冷却する;
【0099】
- 任意に、微生物の防腐剤、マイクロカプセルのスラリーにおける安定した分散を補助する懸濁補助剤、および所望されるまたは当該技術分野において慣用であるあらゆる他のアジュバントを添加することによって、冷却ステップの前、間または後にスラリーを加工する;および
- 任意に、粉末形態のカプセル化された組成物を提供するために、スラリーを脱水させる。
【0100】
シェル形成モノマーの添加の順序に関して、ポリアクリラートシェル形成モノマー水中油型エマルションの形成の前、間または後に添加してもよいが、その形成の後に添加することが好ましい。さらにまた、多官能性アミンシェル形成モノマーの添加の後に、このモノマーを添加することが好ましい。
【0101】
多官能性アミンは水相に溶解しても、固体形態で用いてもよく、および多官能性アミンが固体形態で用いられるマイクロカプセルおよびこれを含有するカプセル化された組成物を形成するプロセスが、本発明の具体的な態様を表す。本出願人は、固体多官能性アミンの使用が、シェル形成モノマーとして使用される多官能性アミンがメラミンである場合に、特に有用であることを見出した。固体形態のメラミンが、このように使用することができることは驚きであった。しかしながら、油水界面で固体形態のメラミンでの重付加反応を実施することが実施可能であったことだけではなく、メラミンを溶解する必要がないため、望ましくない工業的に非実用的な希釈ステップを回避することができた。いかなる具体的な理論に拘束されるつもりはないが、メラミンなどの難溶性多官能性アミンの固体粒子は、油水界面において吸収または溶解され、このようにして他のシェル形成モノマーとの重付加反応の位置において利用可能となり、反応は、次に油水界面における多官能性アミンの吸収または溶解のプロセスを促進するように見える。
【0102】
固体形態の多官能性アミンは、粉末形態で使用してもよく、または水相中の固体分散体として使用してもよい。
【0103】
水中油型エマルションにまだ組み込まれていない場合、シェル形成モノマーは、上記で言及された添加の順序に従って撹拌下で水中油型エマルションに添加してもよい。
【0104】
本発明の別の具体的な態様に従って、シェル形成モノマーは、多官能性アミンプレ縮合物、より具体的にはメラミンおよびアルデヒドとの尿素プレ縮合物、および特にホルムアルデヒドから選択される。かかるシェル形成モノマーに基づくマイクロカプセルを得る方法は、多官能性アミンおよび多官能性アクリラートについて上記で説明した方法と実質的に同一であるが、(i)反応のpH範囲は、酸性のドメインであり、このケースにおいて、より具体的には3および6の間、例えば4.4±0.5である。加えて、この具体的な態様に従って、ホルムアルデヒドスカベンジャーを、最終的なスラリーにおけるホルムアルデヒドのレベルを低下させるために用いてもよく、ここでホルムアルデヒドスカベンジャーは、スラリーを室温まで冷却する前、間または後に添加してよい。
【0105】
代替的に、または加えて、熱硬化性樹脂シェルの形成の間、所望される場合、単官能性アクリラートモノマーを反応混合物に添加してもよい。このようにして、単官能性アクリラートモノマーが、シェルが形成される過程にあるので、シェルに包埋される。メラミンの添加と同時に単官能性アクリラートモノマーを添加することも実行可能であるが、好ましくは、メラミン添加のいくらか後の時点で添加する。より具体的には、これは、メラミン添加のいくらか後、およびシェルが完全に形成する前に添加する。
【0106】
本発明の別の具体的な態様に従って、シェルは、フリーラジカル化学を介する連鎖重合、およびとりわけジビニルベンゼン(DVB)および(メタ)アクリル酸またはそのエステル、たとえばメタクリル酸メチルの反応によって形成してもよく。DVB-コ-メタクリル酸メチルポリマーで構成される熱硬化性樹脂シェルを含むマイクロカプセルは、本発明の具体的な態様を形成する。
【0107】
かかるフリーラジカル重合メカニズムに基づいてマイクロカプセルを得る方法は、多官能性アミンおよび多官能性アクリラートについて上記で説明した方法と実質的に同一であるが、(i)反応のpH範囲は、酸性のドメインであり、このケースにおいて、より具体的には3および6の間、例えば4.4±0.5であり、および(ii)フリーラジカル重合は、ラジカル開始剤によって引き起こされる。開始剤は油溶性、たとえばジアゾ化合物およびジアシル過酸化物、または水溶性、たとえば金属ペルオキソジスルファート、金属ペルオキソジホスファートまたは過酸化水素であってよい。具体的な態様において、油溶性および水溶性開始剤の両方を使用する。
【0108】
多官能性アミンおよびイソシアナートを、シェル形成モノマーとして使用する場合、本発明のカプセル化された組成物を形成する具体的なプロセスを構成する。当該プロセスは、以下のステップを含む:
- ポリマー安定剤、少なくとも1つの香料成分を含有する油および水相を含む水中油型エマルションを形成する;
- 水中油型エマルションに、少なくとも1つのポリイソシアナート、とりわけポリイソシアナート(A)および、ポリイソシアナート(A)とは異なるポリイソシアナート(B)を添加する;
- 水中油型エマルションに少なくとも1つの多官能性アミンを添加する;
- 水中油型エマルションの液滴の周りにシェルを形成させ、マイクロカプセルの分散体を得る。
【0109】
水中油型エマルションは、pH3.5~7、好ましくは4.5~6で形成することができる。形成は、高温、より具体的に言うと35±5℃で行うことができる。水中油型エマルションは、任意に、撹拌下および先述の温度に、約2時間またはそれ以上、例えば2時間±0.5時間まで維持することができる。
【0110】
有機イソシアナートは、イソシアナート基が、有機残基に結合した化合物(R-N=C=OまたはR-NCO)である。本発明の内容において、ポリイソシアナート(または多官能性イソシアナート)は、2以上(例として3、4、5、等々)のイソシアナート基を分子内に有する有機イソシアナートである。好適なポリイソシアナートは、実例として、芳香族、脂環式または脂肪族である。
【0111】
アニオン修飾されたポリイソシアナートは、少なくとも2つのイソシアナート基、およびアニオン性またはアニオン生成性である少なくとも1つの官能基を含む。「アニオン生成性官能基」は、化学的環境、実例としてpHに応じて、アニオン性になることができる基である。好適なアニオン性またはアニオン生成性基は、実例として、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基およびそれらの塩である。
【0112】
アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は、1以上のスルホン酸基またはそれらの塩を含むことができる。好適な塩は、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩であり得る。アンモニウム塩が好ましい。
【0113】
好ましくは、アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は、ポリイソシアナートの2-(シクロヘキシルアミノ)-エタンスルホン酸および/または3-(シクロヘキシルアミノ)-プロパンスルホン酸との反応により得られる。
【0114】
より好ましくは、アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は、ポリイソシアナートの2-(シクロヘキシルアミノ)-エタンスルホン酸および/または3-(シクロヘキシルアミノ)-プロパンスルホン酸との反応により得られ、ここでポリイソシアナートは、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、2,4-および2,6-トルイレンジイソシアナートおよび異性体それらの混合物、ジフェニルメタンジイソシアナート、前記のポリイソシアナートのビウレット、アロファネートおよび/またはイソシアヌラートから選択される
【0115】
アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は、それぞれの場合において、アニオン修飾されたヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌラートおよびそれらの混合物から選択することができる。
【0116】
好ましくは、アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は以下を有する:
- 少なくとも1.8の平均イソシアナート官能性,
- 4.0~26.0wt.%のイソシアナート基の含量(NCO;分子量=42として算出)
- 0.1~7.7wt.%のスルホナート基の含量(SO;分子量=80)
- 任意に、0~19.5wt.%のポリエーテル鎖内で結合したエチレンオキシドユニットの含量(CO;分子量=44として算出)、ここでポリエーテル鎖は、5~55エチレンオキシドユニットの統計的平均を含む。
【0117】
とりわけ、アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は、ヘキサメチレンジイソシアナート、アニオン修飾されたヘキサメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのアニオン修飾されたイソシアヌラートおよびそれらの混合物から選択することができる。
【0118】
特に好ましい態様において、アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は式IIに従うことができる:
【化2】
【0119】
式IIは、市販のアニオン修飾されたポリイソシアナートを示し、これはヘキサメチレンジイソシアナート修飾されたイソシアヌラートであり、Bayhydur(登録商標)XP2547の商標でCovestroから販売されている。
【0120】
本発明に従うプロセスにおいて、ポリイソシアナート(B)は非イオン性ポリイソシアナートであり得る。
【0121】
非イオン性ポリイソシアナートは、1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,5-ジイソシアナト-2-メチルペンタン、1,5-ジイソシアナト-3-メチルペンタン、1,4-ジイソシアナト-2,3-ジメチルブタン、2-エチル-1,4-ジイソシアナトブタン、1,5-ジイソシアナトペンタン、1,4-ジイソシアナトブタン、1,3-ジイソシアナトプロパン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,2-ジイソシアナトシクロ-ブタン、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-1-イソシアナト-シクロヘキサン、イソホロンジイソシアナート(IPDI)、ヘキサメチレン1,6ジイソシアナート(HDI)、水素化4,4ジフェニルメタンジイソシアナート(HMDI)からなる群から選択される。
【0122】
ポリイソシアナート(B)は、1,6-ジイソシアナトヘキサンのホモポリマーなどの、上述のイソシアナートモノマーに基づく非イオン性オリゴマーでもあることもできる。すべてのそれらのモノマーおよびオリゴマーは、商品名Desmodur(登録商標)でCovestro AGから販売されている。
【0123】
好ましくは、非イオン性ポリイソシアナート(B)は、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、2,4-および2,6-トルイレンジイソシアナートおよび異性体それらの混合物、2,4’-および4,4’-ジフェニルメタンジイソシアナートおよび異性体それらの混合物、キシリレンジイソシアナート(例えば、Covestroによって販売されるDesmodur(登録商標)quix 175)、任意にトリメチロールプロパン(TMP)付加体(例えば、商標TakenateTM D-110Nで市販)として、上記のポリイソシアナートのビウレット、アロファネートおよび/またはイソシアヌラートまたはそれらの混合物から選択される。
【0124】
好ましい市販の非イオン性ポリイソシアナート(B)は、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、とりわけ商標Desmodur(登録商標) W1でCovestro AGから販売されているものである。
【0125】
好ましい市販の非イオン性ポリイソシアナート(B)は、ヘキサメチレンジイソシアナート、とりわけ商標Desmodur(登録商標)N3200でCovestro AGから販売されているものである。
【0126】
好ましい市販の非イオン性ポリイソシアナート(B)は、イソホロンジイソシアナート、とりわけ商標Desmodur(登録商標)ZでCovestro AGから販売されているものである。
【0127】
これらのポリイソシアナートは、非芳香族であり、したがってより持続可能であり、より酸化しにくいという利点を有しながら、ポリアミンとの高い反応性および不浸透性のカプセル化樹脂の形成に好適な分子構造を持つ。
【0128】
本発明の好ましい態様において、アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)は、アニオン修飾されたヘキサメチレンジイソシアナート、アニオン修飾されたイソホロンジイソシアナート、アニオン修飾されたジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートアニオン修飾されたイソシアヌラートおよびそれらの混合物から選択され、非イオン性ポリイソシアナート(B)は、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートのイソシアヌラートおよびそれらの混合物から選択される。
【0129】
アニオン修飾されたポリイソシアナート(A)の非イオン性ポリイソシアナート(B)との重量比は、10:1~1:10の範囲内、より好ましくは1:1~1:5の範囲内およびとりわけ1:2~1:4の範囲内であり得る。これらの重量比率は、最も高い不浸透性を有する樹脂を提供し、したがってカプセル化のために最も好適である。
【0130】
本発明の内容において、用語「多官能性アミン」は、NCO基と反応することができる少なくとも2つの基を含むアミンを示し、ここでNCO基と反応することができる少なくとも1つの基は、一級または二級アミノ基である。多官能性アミンが、たった1つの一級または二級アミノ基を含有する場合、これは、ポリマー化反応においてNCO基と反応することが1以上の追加の官能基を含むであろう。多官能性アミンの基は、NCO基に対して反応性であり、好ましくはヒドロキシル基および一級または二級アミノ基から選出される。NCO基のアミノ基との反応は、尿素基の形成をもたらす。NCO基のOH基との反応は、ウレタン基の形成をもたらす。しかしながら、OH基との反応は、しばしば触媒を要する。導入される多官能性アミンの量は大抵、遊離イソシアネート基を変換するのに必要な化学量論量に対してモル過剰である。
【0131】
多官能性アミンは、好ましくはジアミン、トリアミン、テトラアミン、および高次の多官能性アミン、アミノアルコール、メラミン、尿素、ヒドラジン、ポリマーポリアミン、およびそれらの混合物から選択される。
【0132】
好適なジアミンは、例えば、1,2-エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,3-ジアミノ-1-メチルプロパン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペラジンまたはそれらの混合物である。
【0133】
好適なアミノアルコールは、例えば、2-アミノエタノール、2-(N-メチルアミノ)エタノール、3-アミノプロパノール、4-アミノブタノール、1-エチルアミノブタン-2-オール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、4メチル-4-アミノペンタn-2-オールまたはそれらの混合物である。
【0134】
好適なポリマーポリアミンは、原則として、少なくとも2つの一級または二級アミノ基を有する直鎖または分岐鎖ポリマーである。加えて、これらのポリマーは、三級のアミノ基をポリマー鎖に有することができる。
【0135】
ポリマーポリアミンは、好ましくは、ポリアルキレンアミン、ポリビニルアミン、ポリエーテルアミンおよびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、ポリマーポリアミンは、ポリアルキレンイミン、とりわけポリエチレンイミンから選択される。
【0136】
少なくとも300g/molの重量平均分子量を有するポリマーポリアミンが好ましい。より好ましくは、ポリマーポリアミンは、500~2,000,000g/mol、とりわけ700~1,000,000g/mol、さらにより具体的には800~500,000g/molの重量平均分子量を有する。
【0137】
好ましい態様において、多官能性アミンは、少なくとも1つのポリエチレンイミンを含むか、またはからなる。
【0138】
多官能性アミンは、以下の反復ユニットを含有するポリエチレンイミンであり得る:
【化3】
式中
xは、8~1500、好ましくは10~1000であり;
yは、0~10、好ましくは0~5、とくに0であり;
zは、2+yである。
【0139】
これらのポリエチレンイミンにより、とりわけ、抽出的な媒体における漏れに関して、良好な結果を達成することができた。
【0140】
好ましいポリエチレンイミンは、直鎖ポリエチレンイミン、ここでxは8~1500であり、yは0であり、zは2である。
【0141】
好ましい市販のポリエチレンイミンは、BASF SEから商標Lupasol(登録商標)、特にLupasolTM G100で販売されている。
【0142】
ポリエチレンイミンおよびイソシアナート化合物を1:1~1:5、とくに1:2~1:3の重量比において、または1:1~1:10、とくに1:4~1:6の乾燥重量比で使用することが好ましい。これらの重量比率は、最も高いカプセル化効率を有する樹脂を提供し、およびしたがってカプセル化に最も好適である。
【0143】
液滴の周りのシェルの形成は、加熱によって引き起こすことができおる。これは、充分で迅速な反応プロセスを確実とするために少なくとも50℃、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは65℃~90℃の範囲の温度において達成することができる。反応が本質的に完了するまで、温度を連続的または段階的に(例えば、いずれの場合も5℃ずつ)上昇させることが好ましい場合がある。その後、分散体を室温まで冷却してもよい。
【0144】
液滴の周りのシェルの形成のために、水相のpHを4~8、好ましくは5~7の範囲に、例えばほぼ6に調整することができるに。pHは、無機塩基、例えば水酸化ナトリウム溶液、またはカーボネート緩衝塩を使用して調整することができる。
【0145】
反応時間は、典型的には、反応性壁形成材料の性質、用いられる該材料の量、および使用する温度に依存する。反応のための期間は、数分~数時間(a few minutes to several hours)の範囲である。大抵、マイクロカプセル形成は、およそ60分~6hの間または8hまで、上で定義した温度において引き起こされる。
【0146】
本発明のプロレスに従って調製されたマイクロカプセルは、コーティング材料でコーティングしてもよい。
【0147】
本発明の具体的な態様において、コーティング材料は、マイクロカプセルシェルに共有結合的にグラフとすることができる。グラフトステップは、実例として多官能性アクリラートシェル形成モノマーのあらゆる残留未反応アクリラート官能基などの、コアシェルマイクロカプセルに存在する官能基と反応性のある官能基を含有するコーティング材料で処理することにより実施してもよい。
【0148】
上で述べたように、コーティング材料は、事前形成ポリマーであってもよく、これは、マイクロカプセルシェルに共有結合的にグラフとすることができる。代替的に、コーティングプロセスの間の好適なモノマーの重合によってin situで形成されるポリマーであり得る。
【0149】
好ましくは、コーティング材料は、マイクロカプセルシェルに存在する残留アクリラート官能基と反応することができる重合性モノマーから形成される。コーティング材料を形成するために好適な具体的な重合性モノマーは、これらに限定されないが、アクリラートまたはメタクリラート、たとえばメタクリル酸メチル(MMA)、ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA)、およびブチルメタクリラート(BMA)、およびオレフィン基を含有する四級化化合物、たとえばジアリルジメチルアンモニウム塩化物(DADMAC)を包含する。
【0150】
結果的に、本発明の具体的な態様において、マイクロカプセルおよびこれを含有するカプセル化された組成物の形成方法が提供され、該方法は以下のステップを含む:
- 本明細書に記載の上記プロセスに従ってマイクロカプセルスラリーを形成する;
- 重合性モノマーをスラリーに添加し、およびモノマーを重合させ、マイクロカプセルシェル内に含有される残余アクリラート官能基と反応させ、コアシェルマイクロカプセルのシェルに共有結合的に結合したコーティング材料を形成する。
【0151】
コーティング材料の形成およびコアシェルマイクロカプセルへのそのグラフトは、高温、例として約50℃~約100℃、より具体的には約55~95℃、さらにより具体的には約60~約90℃、例えば80±5℃において実施する。反応は、約1時間~約10時間、より具体的には約2時間~約8時間、さらにより具体的には約3時間~約6時間に期間行ってもよい。反応は、フリーラジカル開始剤、たとえば2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過硫酸カリウム、過酸化ベンゾイル、またはかかる目的にために好適なあらゆる他の開始剤で開始することができる。
【0152】
コーティング材料は、とりわけ少なくとも1つのコアシェルマイクロカプセルのシェルが、ポリ尿素シェルである場合、カチオン性ポリマーであり得る。
【0153】
ポリ尿素マイクロカプセルを調製する上記方法において、カチオン性ポリマーをシェル形成の間に添加することができ、その場合、ポリマーがシェル形成に関与し得、例えば、シェルに物理的に封入されるか、またはこれに共有結合的に結合する。カチオン性ポリマーはシェル形成後に添加してもよく、その場合、ポリマーはシェル形成には関与せず、おそらくシェル表面に堆積する。
【0154】
カチオン性ポリマー中のカチオン性基はpH非依存であり得る。カチオン性ポリマー中のカチオン性基は四級アンモニウム基であり得る。
【0155】
カチオン性ポリマーは、四級アンモニウム官能性を有する少なくとも1つのモノマーから誘導することができる。とりわけ、カチオン性モノマーは、四級化ジメチルアミノエチルアクリラート(ADAME)、四級化ジメチルアミノエチルメタクリラート(MADAME)、ジメチルジアリルアンモニウム塩化物(DADMAC)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物(APTAC)およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物(MAPTAC)からなる群から選択することができる。
【0156】
カチオン性ポリマーは、水溶性ビニルモノマー、より具体的にはアクリルアミド、メタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピリジンおよび/またはN-ビニルピロリドンからなる群から選択される非イオン性モノマーからさらに誘導することができる。
【0157】
代替的に、コーティング材料は両性ポリマーであり得る。本発明の内容において、「両性ポリマー」は、カチオン性およびアニオン性基の両方を含む、または対応するイオン化可能な基を含むポリマーとして理解される。両性ポリマーは、アニオン性基またはアニオンを形成することができる基よりも、カチオン性基をより多く含むことができ、そのため、正味の正電荷を有することができる。
【0158】
両性ポリマーは、1mol%から99mol%までのカチオン性基および1mol%から99mol%までのアニオン性基またはアニオンを形成することができる基を含むことができる。本発明の好ましい態様において、両性ポリマーは、2~99mol%、とりわけ30~95mol%、およびより具体的には60~90mol%のカチオン性基および1~98mol%、とりわけ5~70mol%、およびより具体的には10~40mol%のアニオン性基またはアニオンを形成することができる基を含む。
【0159】
両性ポリマーは、とりわけ少なくとも1つの四級アンモニウム基を含有する、カチオン性モノマーまたはカチオンを形成することができるモノマーから誘導されたコポリマーであり得、アニオン性モノマーまたはアニオンを形成することができるモノマーは、とりわけアクリル酸、メタクリル酸またはそれらの誘導体、および任意に非イオン性モノマーに基づく。かかるポリマーは、シェルと適合性があり、良好な分散効率、良好な流動特性および上述の様々な基質との優れた親和性を有する、最適な組み合わせを提供する。
【0160】
両性ポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸および強酸モノマーを含むアクリルベースモノマー、例えば、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、スチレンスルホン酸などのスルホン酸またはホスホン酸型機能を有するモノマーからなる群から選択されるモノマーから誘導し得る。アクリルベースのモノマーは、これらのモノマーの水溶性塩のいずれかであってもよく、ここで塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの塩である。最も好ましくはアクリルベースのモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、またはそれらの水溶性塩である。
【0161】
より具体的な態様において、両性コポリマーは、アクリル酸ジメチルジアリルアンモニウム塩化物(DADMAC)のコポリマーである。
【0162】
両性ポリマーは、当業者に周知の重合技法を使用して調製することができる。これらの既知の重合技法は、溶液重合、ゲル重合、沈殿重合、逆乳化重合、水性乳化重合、懸濁重合およびミセル重合を包含する。
【0163】
両性ポリマーを、組成物の重量に基づいて、1~20wt%、より具体的には2~10wt%の量で、本発明に従うカプセル化フレグランス組成物において用いてもよい。
【0164】
本発明に従って形成されたカプセル化香料組成物は、水性の懸濁媒体に分散したコアシェルカプセルのスラリーからなり、これは、重量/重量ベースで、スラリーの20および50%の間隔内のレベルのコアシェルカプセルを含有してもよい。よりさらに、コアシェルカプセルは、約80および95wt%の間のカプセル化された油および約5および20wt%の間のシェルからなる。
【0165】
スラリーは、あらゆる種類の消費者製品において香料組成物として直接使用することができる。代替的に、乾燥粉末の形態のカプセル化香料組成物をもたらすために、スラリーを既知の乾燥技法のいずれかを用いて、例えば噴霧乾燥によって脱水することができる。
【0166】
本発明の組成物において使用するためのフレグランス材料は、エッセンシャルオイル、アブソリュート、レジノイド、樹脂、コンクリートなどの天然産物、および炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、アセタール、ケタールおよびニトリル、飽和および不飽和の化合物、脂肪族、炭素環式および複素環式化合物、または上記のいずれかの前駆体を含む、合成香料構成要素から選択されてもよい。
【0167】
好ましい香料成分の例は、以下のいずれかから選択される:ADOXAL(2,6,10-トリメチルウンデカ-9-エナール);AGRUMEX(2-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);ALDEHYDE C 10 DECYLIC(デカナール);ALDEHYDE C 11 MOA(2-メチルデカナール);ALDEHYDE C 11 UNDECYLENIC(ウンデカ-10-エナール);ALDEHYDE C 110 UNDECYLIC(ウンデカナール);ALDEHYDE C 12 LAURIC(ドデカナール);ALDEHYDE C 12 MNA PURE(2-メチルウンデカナール);ALDEHYDE ISO C 11((E)-ウンデカ-9-エナール);ALDEHYDE MANDARINE 10%/TEC((E)-ドデカ-2-エナール);ALLYL AMYL GLYCOLATE(アリル2-(イソペンチルオキシ)アセタート);ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE(アリル3-シクロヘキシルプロパノアート);ALLYL OENANTHATE(アリルヘプタノアート);AMBER CORE(1-((2-(tert-ブチル)シクロヘキシル)オキシ)ブタン-2-オール);AMBERMAX(1,3,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-.ベータ.,1,1,5,5-ペンタメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8-エタノール);AMYL SALICYLATE(ペンチル2-ヒドロキシベンゾアート);APHERMATE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチルホルマート);
【0168】
BELAMBRE((1R,2S,4R)-2’-イソプロピル-1,7,7-トリメチルスピロ[ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,4’-[1,3]ジオキサン]);BIGARYL(8-(sec-ブチル)-5,6,7,8-テトラヒドロキノリン);BOISAMBRENE FORTE((エトキシメトキシ)シクロドデカン);BOISIRIS((1S,2R,5R)-2-エトキシ-2,6,6-トリメチル-9-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン);BORNYL ACETATE((2S,4S)-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);BUTYL BUTYRO LACTATE(1-ブトキシ-1-オキソプロパン-2-イルブチラート);BUTYL CYCLOHEXYL ACETATE PARA(4-(tert-ブチル)シクロ酢酸ヘキシル);
【0169】
CARYOPHYLLENE((Z)-4,11,11-トリメチル-8-メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン);CASHMERAN(1,1,2,3,3-ペンタメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-インデン-4(5H)-オン);CASSYRANE(5-tert-ブチル-2-メチル-5-プロピル-2H-フラン);CITRAL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRAL LEMAROME N((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール);CITRATHAL R((Z)-1,1-ジエトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);CITRONELLAL(3,7-ジメチルオクタ-6-エナール);CITRONELLOL(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);CITRONELLYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルアセタート);CITRONELLYL FORMATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルホルマート);CITRONELLYL NITRILE(3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル);CITRONELLYL PROPIONATE(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イルプロピオナート);CLONAL(ドデカンニトリル);CORANOL(4-シクロヘキシル-2-メチルブタン-2-オール);COSMONE((Z)-3-メチルシクロテトラデカ-5-エノン);CYCLAMEN ALDEHYDE(3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール);CYCLOGALBANATE(アリル2-(シクロヘキシルオキシ)アセタート);CYCLOHEXYL SALICYLATE(シクロヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート); CYCLOMYRAL(8,8-ジメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-カルバルデヒド);
【0170】
DAMASCENONE((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE ALPHA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DAMASCONE DELTA((E)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン);DECENAL-4-TRANS((E)-デカ-4-エナール);DELPHONE(2-ペンチルシクロペンタノン);DIHYDRO ANETHOLE(プロパン二酸1-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エチル)3-エチルエステル);DIHYDRO JASMONE(3-メチル-2-ペンチルシクロペンタ-2-エノン);DIMETHYL BENZYL CARBINOL(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-オール);DIMETHYL BENZYL CARBINYL ACETATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルアセタート);DIMETHYL BENZYL CARBINYL BUTYRATE(2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イルブチラート);DIMETHYL OCTENONE(4,7-ジメチルオクタ-6-エン-3-オン);DIMETOL(2,6-ジメチルヘプタン-2-オール);DIPENTENE(1-メチル-4-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-1-エン);DUPICAL((E)-4-((3aS,7aS)-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-5(6H)-イリデン)ブタナール);
【0171】
EBANOL((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);ETHYL CAPROATE(エチルヘキサノアート);ETHYL CAPRYLATE(エチルオクタノアート);ETHYL LINALOOL((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ETHYL LINALYL ACETATE((Z)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);ETHYL OENANTHATE(ヘプタン酸エチル);ETHYL SAFRANATE(エチル2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボキシラート);EUCALYPTOL((1s,4s)-1,3,3-トリメチル-2-オキサビシクロ[2.2.2]オクタン);
【0172】
FENCHYL ACETATE((2S)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアセタート);FENCHYL ALCOHOL((1S,2R,4R)-1,3,3-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オール);FIXOLIDE(1-(3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);FLORALOZONE(3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール);FLORHYDRAL(3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール);FLOROCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルプロピオナート);FLOROPAL(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン);FRESKOMENTHE(2-(sec-ブチル)シクロヘキサノン);FRUITATE((3aS,4S,7R,7aS)-エチルオクタヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-3a-カルボキシラート);FRUTONILE(2-メチルデカンニトリル);
【0173】
GALBANONE PURE(1-(3,3-ジメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);GARDOCYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルイソブチラート);GERANIOL((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);GERANYL ACETATE SYNTHETIC((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);GERANYL ISOBUTYRATE((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルイソブチラート);GIVESCONE(エチル2-エチル-6,6-ジメチルシクロヘキサ-2-エンカルボキシラート);
【0174】
HABANOLIDE((E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン);HEDIONE(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);HERBANATE((2S)-エチル3-イソプロピルビシクロ[2.2.1]へプタ-5-エン-2-カルボキシラート);HEXENYL-3-CIS BUTYRATE((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルブチラート);HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE((E)-2-ベンジリデンオクタナール);HEXYL ISOBUTYRATE(ヘキシルイソブチラート);HEXYL SALICYLATE(ヘキシル2-ヒドロキシベンゾアート);
【0175】
INDOFLOR(4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d][1,3]ダイオキシン);IONONE BETA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRISONE ALPHA((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);IRONE ALPHA((E)-4-(2,5,6,6-テトラメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);ISO E SUPER(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);ISOCYCLOCITRAL(2,4,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);ISONONYL ACETATE(3,5,5-トリメチル酢酸ヘキシル);ISOPROPYL METHYL-2-BUTYRATE(イソプロピル2-メチルブタノアート);ISORALDEINE 70((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);
【0176】
JASMACYCLENE((3aR,6S,7aS)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-4,7-メタノインデン-6-イルアセタート);JASMONE CIS((Z)-3-メチル-2-(ペンタ-2-エン-1-イル)シクロペンタ-2-エノン);KARANAL(5-(sec-ブチル)-2-(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-5-メチル-1,3-ジオキサン);KOAVONE((Z)-3,4,5,6,6-ペンタメチルへプタ-3-エン-2-オン);LEAF ACETAL((Z)-1-(1-エトキシエトキシ)ヘキサ-3-エン);LEMONILE((2E,6Z)-3,7-ジメチルノナ-2,6-ジエンニトリル);LIFFAROME GIV((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルメチルカーボネート);LILIAL(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール);LINALOOL(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);LINALYL ACETATE(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イルアセタート);
【0177】
MAHONIAL((4E)-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-4-デカエナール);MALTYL ISOBUTYRATE(2-メチル-4-オキソ-4H-ピラン-3-イルイソブチラート);MANZANATE(エチル2-メチルペンタノアート);MELONAL(2,6-ジメチルへプタ-5-エナール);MENTHOL(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール);MENTHONE(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノン);METHYL CEDRYL KETONE(1-((1S,8aS)-1,4,4,6-テトラメチル-2,3,3a,4,5,8-ヘキサヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-7-イル)エタノン);METHYL NONYL KETONE EXTRA(ウンデカン-2-オン);METHYL OCTYNE CARBONATE(メチルノナ2-ニノアート);METHYL PAMPLEMOUSSE(6,6-ジメトキシ-2,5,5-トリメチルヘキサ-2-エン);MYRALDENE(4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);
【0178】
NECTARYL(2-(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロピル)シクロペンタノン);NEOBERGAMATE FORTE(2-メチル-6-メチレンオクタ-7-エン-2-イルアセタート);NEOFOLIONE((E)-メチルノナ2-エノアート);NEROLIDYLE((Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-イルアセタート);NERYL ACETATE HC((Z)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルアセタート);NONADYL(6,8-ジメチルノナン-2-オール);NONENAL-6-CIS((Z)-ノナ-6-エナール);NYMPHEAL(3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール);ORIVONE(4-(tert-ペンチル)シクロヘキサノン);
【0179】
PARADISAMIDE(2-エチル-N-メチル-N-(m-トリル)ブタンアミド);PELARGENE(2-メチル-4-メチレン-6-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);PEONILE(2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル);PETALIA(2-シクロヘキシリデン-2-(o-トリル)アセトニトリル);PIVAROSE(2,2-ジメチル-2-フェニルエチルプロパノアート);PRECYCLEMONE B(1-メチル-4-(4-メチルペンタ-3-エン-1-イル)シクロヘキサ-3-エンカルバルデヒド);PYRALONE(6-(sec-ブチル)キノリン);RADJANOL SUPER((E)-2-エチル-4-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オール);RASPBERRY KETONE (N112)(4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン-2-オン);RHUBAFURANE(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);ROSACETOL(2,2,2-トリクロロ-1-フェニル酢酸エチル);ROSALVA(デカ-9-エン-1-オール);ROSYFOLIA((1-メチル-2-(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル)-メタノール);ROSYRANE SUPER(4-メチレン-2-フェニルテトラヒドロ-2H-ピラン);
【0180】
SERENOLIDE(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);SILVIAL(3-(4-イソブチルフェニル)-2-メチルプロパナール);SPIROGALBANONE(1-(スピロ[4.5]デカ-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン);STEMONE((E)-5-メチルヘプタン-3-オンオキシム);SUPER MUGUET((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);SYLKOLIDE((E)-2-((3,5-ジメチルヘキサ-3-エン-2-イル)オキシ)-2-メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート);
【0181】
TERPINENE GAMMA(1-メチル-4-プロパン-2-イルシクロヘキサ-1,4-ジエン);TERPINOLENE(1-メチル-4-(プロパン-2-イリデン)シクロヘキサ-1-エン);TERPINYL ACETATE(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-イルアセタート);TETRAHYDRO LINALOOL(3,7-ジメチルオクタン-3-オール);TETRAHYDRO MYRCENOL(2,6-ジメチルオクタン-2-オール);THIBETOLIDE(オキサシクロヘキサデカン-2-オン);TRIDECENE-2-NITRILE((E)-トリデカ-2-エンニトリル);UNDECAVERTOL((E)-4-メチルデカ-3-エン-5-オール);VELOUTONE(2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン);VIRIDINE((2,2-ジメトキシエチル)ベンゼン);ZINARINE(2-(2,4-ジメチルシクロヘキシル)ピリジン);およびそれらの混合物。
【0182】
別の具体的な態様において、コアシェルマイクロカプセルは、香料成分に加えて、またはこれの代わりに、化粧品活性成分をカプセル化することができる。好ましくは、化粧品活性物質は、1.5またはそれ以上、より好ましくは3またはそれ以上の計算されたオクタノール/水分配係数(ClogP)を有する。好ましくは、化粧品活性物質のClogPは、約2~約7である。
【0183】
特に有用な化粧品活性物質は、エモリエント(emollients)、スムージング活性物質、灰奴隷ティング活性物質、スージングおよびリラクシング活性物質、装飾活性物質、デオドラント、老化防止活性物質、ドレイニング活性物質、リモデリング活性物質、皮膚リべリング活性物質、防腐剤、抗酸化剤、抗細菌または静細菌活性物質、クレンジング活性物質、潤滑活性物質、構造活性物質、ヘアコンディショニング活性物質、ホワイトニング活性物質、テクスチャリング活性物質、軟化活性物質、フケ防止活性物質、および角質除去活性物質からなる群から選択されてもよい。
【0184】
特に有用な化粧品活性物質は、これらに限定されないが、アルキルジメチルシロキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリエチレン、ポリイソブチレン、スチレン-エチレン-スチレンおよびスチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー等の疎水性ポリマー;水素化イソパラフィン、シリコーン油等の鉱油;アルガンオイル、ホホバオイル、アロエベラオイルなどの植物油;脂肪酸および脂肪アルコールおよびそれらのエステル;糖脂質;ホスホ脂質;セラミドなどのスフィンゴ脂質;ステロールおよびステロイド;テルペン、セスキテルペン、トリテルペンおよびそれらの誘導体;アルニカオイル、アルテミシアオイル、バークツリーオイル、バーチリーフオイル、カレンデュラオイル、シナモンオイル、エキナセアオイル、ユーカリオイル、ジンセンオイル、ナツメオイル、ヘリアンサスオイル、ジャスミンオイル、ラベンダーオイル、ロータスシードオイル、エゴマオイル、ローズマリーオイル、サンダルウッドオイル、ティーツリーオイル、タイムオイル、バレリアンオイル、ワームウッドオイル、イランイランオイル、ユッカオイル等のエッセンシャルオイルを包含する。
【0185】
一態様において、化粧品活性物質は、Fusanus Spicatusカーネルオイルなどのサンダルウッドオイル、パンテニルトリアセタート(CAS-No: 94089-18-6)、トコフェリルアセタート(CAS-No: 7695-91-2)、トコフェロール(CAS-No: 1406-66-2/10191-41-0/2074-53-5/59-02-9/148-03-8/119-13-1/54-28-4)、ナリンギニン(CAS-No: 480-41-1)、エチルリノレアート、ファルネシルアセタート、ファルネソール、シトロネリルメチルクロトネート(CAS-No: 20770-40-5)、セラミド-2(1-ステアロイル-C18-スフィンゴシン、CAS-No: 100403-19-8)、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0186】
本発明のカプセル化組成物は、あらゆる種類の消費者製品において使用するために、香料などの活性成分を送達するための送達システムとして用いても良い。用語「消費者製品」は、とりわけホームケア製品、テキスタイルケア製品、またはボディケア製品やヘアケア製品などのパーソナルケア製品を指す。
【0187】
本発明に従うカプセル化組成物は、最適な香水類の利益を送達するために、マイクロカプセルが、それらが適用される基質に十分に接着することを必要とする、消費者製品において、香料送達ビヒクルとして特に有用に用いられる。かかる消費者製品は、ヘアシャンプーおよびコンディショナー、ならびにランドリー洗浄剤およびコンディショナーなどのテキスタイル処理製品を包含する。
【0188】
次に、本発明をさらに説明するのに役立つ一連の例を示す。
例1
ホルムアルデヒドを含まないメラミン-アクリラートマイクロカプセルの調製
第1の例(例1.1)において、ホルムアルデヒドを含まないメラミン-ペンタエリスリトールテトラアクリラートマイクロカプセルを以下のステップを実施することで調製した:
例1
ホルムアルデヒドを含まないメラミン-アクリラートマイクロカプセルの調製
第1の例(例1.1)において、ホルムアルデヒドを含まないメラミン-ペンタエリスリトールテトラアクリラートマイクロカプセルを以下のステップを実施することで調製した:
1) 3-アミノプロピルトリエトキシシランを含むコア組成物を、0.5gの3-アミノプロピルトリエトキシシランおよび40gのフレグランス組成物を混合することにより調製する;
2) ステップ1)において得られたコア組成物を、35gの水および15gのZeMac E400の10wt%水溶液(=1.5g固体ZeMac E400)の混合物中で、傾斜したビームを有するクロスビーム撹拌機を使用して、600rpmの撹拌スピード、35±2℃の温度において操作して、乳化する;
3) 0.7gの20%NH3水溶液でpHを4.4±0.2に調製し、ステップ2)における撹拌を維持しながら、システムを35±2℃の温度に1時間維持する;
4) ステップ2)における撹拌を維持しながら、1.1gの粉末形態のメラミンおよび2.9gのペンタエリスリトールテトラアクリラート(PETA)を添加し、次いで、3.8±1gの20%NH3水溶液を添加することでpHを8.7±0.2に上昇させること;
5) ステップ2)において得られた混合物を80±5℃まで1時間で加熱し、この温度および撹拌を3時間維持し、マイクロカプセルのスラリーを得ること;
6) スラリーを室温まで120分の期間の間に冷却する。
【0189】
スラリーの固形分を、120℃で操作する熱天秤を使用して測定した。天秤に堆積した最初のスラリーの重量パーセンテージとして表される固形分は、乾燥によって誘発された重量変化率が0.1%/分を下回った時点で取得した。例1.1の固形分は、スラリーの総重量に基づいて45wt%であった。カプセル化フレグランス組成物を、フレグランス組成物の名目上の量で割った比率として表されるカプセル化の収量は100%であった。カプセルの体積平均直径は、Dv(50)=19μmであった。
【0190】
別の代替例(例1.2)において、プロセスを例1.1のように実施したが、追加のステップ7)において、1gのメタクリル酸メチル、3gの4%カリウムペルオキソジスルファート水溶液および0.2gアゾイソブチロニトリル(AIBN)を、ステップ5)において得られたスラリーに添加し、およびメタクリル酸メチルを、1時間、80±5℃にて、連続的な撹拌下で、フリーラジカル重合により重合させた。120℃での固形分は、スラリーの総重量に基づいて44.7wt%であった。カプセル化の収量カプセル化は98%であり、カプセルの体積平均直径Dv(50)=16μmであった。
【0191】
別の代替例(試料1.3)において、プロセスを例1.1のように実施したが、0.5gのポリ(スチレン-コ-無水マレイン酸)(PSMA)、クメン末端(PSMA)、および10gのZeMac E400溶液をステップ2)において使用した。120℃での固形分は、スラリーを参照して、45wt%であり、カプセルの体積平均直径は、Dv(50)=12μmであった。
【0192】
比較例(例1.4)において、3-アミノプロピルトリエトキシシランを省略し、ZeMac E400を従来の乳化剤として使用した。このケースにおいてカプセルは得られなかった。
【0193】
例2
アミノプラストマイクロカプセルの調製
アミノプラストマイクロカプセルを以下のステップを実施することにより調製した:
1) 3-アミノプロピルトリエトキシシランを含むコア組成物を、0.5gの3-アミノプロピルトリエトキシシランおよび40gのフレグランス組成物を混合することにより調製する;
2) ステップ1)において得られたコア組成物を、35gの水および1gのZeMac E400の10wt%水溶液(=1.5g固体ZeMac E400)の混合物中で、傾斜したビームを有するクロスビーム撹拌機を使用して、600rpmの撹拌スピード、35±2℃の温度において操作して、乳化する;
3) 0.7gの20%NH3水溶液でpHを4.4±0.2に調製し、およびステップ2)における撹拌を維持しながら、システムを35±2℃の温度に1時間維持する;
4) 1.65gのメラミンプレ縮合物Luracoll SDおよび1.04gの尿素を添加し、撹拌下でさらに一時間、温度を35±2℃に維持する;
5) 温度を一時間かけて88±5℃に上げ、次いでこの温度および撹拌条件をさらに維持し、コーティングしていないマイクロカプセルのスラリーを得ること;
6) 1.65gのLuracoll SDおよび3.8gの30%のエチレン尿素水溶液を添加し、温度を88℃に追加で10分維持し、次いでスラリーを40℃未満に冷却し、スラリーのpHを2.16gの10wt%NaOH水溶液で7±0.5に調整し、本発明に従うアミノプラストマイクロカプセルのスラリー(例2.1)を得ること。
【0194】
例2.1において得られたスラリーを、例1において記載したように特徴づけた。例2.1において形成されたスラリーの固形分は48wt%であった。カプセル化フレグランス組成物を、フレグランス組成物の名目上の量で割った比率として表されるカプセル化の収量は100%であった。カプセルの体積平均直径は、Dv(50)=13μmであった。
【0195】
比較例(例2.2)において、WO2017/001672A1、例1に従って従来のアミノプラストマイクロカプセルを調製した。
【0196】
例3
アクリラート-コ-ジビニルベンゼンマイクロカプセルの調製
アクリラート-コ-ジビニルベンゼンマイクロカプセルを以下のステップを実施することにより調製した:
1) 3-アミノプロピルトリエトキシシランを含むコア組成物を、0.56gの3-アミノプロピルトリエトキシシランおよび40gのフレグランス組成物を混合することにより調製する;
2) ステップ1)において得られたコア組成物を、35gの水および15gのZeMac E400の10wt%水溶液(=1.5g固体ZeMac E400)の混合物中で、傾斜したビームを有するクロスビーム撹拌機を使用して、600rpmの撹拌スピード、35±2℃の温度において操作して、撹拌を維持しながら、乳化する;
3) 0.7gの20%NH3水溶液でpHを4.4±0.2に調製し、およびステップ2)における撹拌を維持しながら、システムを35±2℃の温度に1時間維持する;
4) 1.72gのジビニルベンゼン、0.98gのメタクリル酸メチルおよび0.48gのアゾイソブチロニトリル(AIBN)をスラリーに添加し、温度を65°±5℃に上げ、この温度を3時間、撹拌下で維持する;
5) 5.48gの4wt%カリウムペルオキソジスルファートを水に添加する、および追加の2時間、撹拌下で温度を85℃とする;
6) スラリーを40℃未満まで冷却し、スラリーのpHを10wt%NaOH水溶液で7±0.5に調整し、本発明に従うアクリラート-コ-ジビニルベンゼンマイクロカプセルのスラリー(試料3.1)をえること。
【0197】
例3.1において得られたスラリーを例1において記載したように特徴づけた。例3.1において形成されたスラリーの固形分は42wt%であった。カプセル化フレグランス組成物を、フレグランス組成物の名目上の量で割った比率として表されるカプセル化の収量は97%であった。カプセルの体積平均直径は、Dv(50)=10μmであった。
【0198】
比較例(例3.2)において、例3.1のプロセスを繰り返したが、3-アミノプロピルトリエトキシシランを省略した。このケースにおいてカプセルは得られなかった。
【0199】
例4
ポリ尿素-ベースのマイクロカプセルの調製
ポリ尿素-ベースのマイクロカプセルを以下のステップを実施することにより調製した:
1) 3-アミノプロピルトリエトキシシランを含むコア組成物を、2.0gの3-アミノプロピルトリエトキシシランおよび300gのフレグランス組成物を混合することにより調製する;
2) ステップ1)において得られたコア組成物を、556gのZeMac E400の3wt%水溶液(=556g固体ZeMac E400ZeMac E400)中で、傾斜したビームを有するクロスビーム撹拌機を使用して、900rpmで、35±2℃の温度で乳化する;
3) 10wt%NaOH水溶液を添加することでpHを6.0に調整し、ステップ2)のようにシステム撹拌を、35±2℃の温度で1時間維持する;
4) ヘキサメチレンジイソシアナート(Bayhydur(登録商標)XP2547、Covestro)に基づく2gの水分散性イソシアネートおよび22gのジイソシアナート4,4ジシクロヘキシルメタンジイル(Desmodur(登録商標)W1、Covestro)をエマルションに添加し、ステップ2)および3)のようにシステム撹拌を、35±2℃の温度で30分間維持する;
5) 8gのポリエチレンイミン溶液(Lupasol(登録商標)G100、BASF)をワンステップで添加し、加熱反応混合物を徐々に85度まで2時間加熱する;
6) アクリル酸およびジアリルジメチルアンモニウム塩化物のコポリマーの40wt%水溶液(Merquat 281、Lubrizol)を添加し、反応混合物をさらに85℃まで2時間加熱する;
7) 10gのアンモニア溶液および3gのヒドロキシエチルセルロース(NatrosolTM 250HX、Ashland)を添加し、混合物を室温まで冷却する;
8) 懸濁の最終的なpHをクエン酸溶液で4.0±0.2に調整する(例4.1)。
装置を使用した光散乱測定で得られた体積平均カプセルサイズ分布は、Dv(50)=18μmおよびDv(90)=27μmであった。ゼータ電位は+25mVであった。
【0200】
例5
粒子サイズおよび粒子 サイズ分布の比較
Mie理論を使用した光散乱によって測定した、例1~4で得られたカプセルの固形分および粒子サイズ分布を、以下の表に報告する。粒子サイズ分布は、そのDv(10)、Dv(50)およびDv(90)値で示され、ここでDv(10)値は、試料の質量の10%がこの値未満の直径を有するカプセルで構成される直径であり、Dv(50)値は、中央値のカプセル直径であり、体積平均カプセルサイズとしてみなされ、およびDv(90)値は、90%がこの値未満の直径を有するカプセルで構成される直径である。スパンは、(Dv(90)-Dv(10))/Dv(50)として定義され、多分散性の粗い尺度として使用される。
表は、3-アミノプロピルトリエトキシシランあり(例1.1)およびなし(例1.4)での例1のステップ1)~3)のみを実施することにより得られたエマルジョンのサイズ分布も示す。
【0201】
【表1】
【0202】
スパン値から明らかなように、本発明に従うプロセスを実施することにより、すなわち3-アミノプロピルトリエトキシシランをZeMac E400またはPSMAと反応させることでin situで合成された新しい乳化剤を用いることにより得られたマイクロカプセルは、著しく単分散であある。化学的に類似したマイクロカプセルは、従来の乳化剤としてZeMac E400を使用して得ることができ(例2.2)、これらの後者のマイクロカプセルは、より大きくおよび有意に多分散である。しかしながら、例1および3に示されるとおり、代替の化学物質、たとえばメラミン-アクリラート化学物質またはポリ(ジビニルベンゼン-コ-メチルメタクリレート)化学物質は、新しい乳化剤を、従来の乳化剤で置き換えた場合、実行可能ではない。
この例および例1~3は、従来の非修飾ZeMac E400乳化剤と比較した修飾されたZemacおよびPSMA乳化剤の優位性を確認する。
【0203】
例6
新しいおよび従来のアミノプラストマイクロカプセルの嗅覚性能の比較
本発明に従うマイクロカプセルおよび従来のマイクロカプセルを、特許取得済みの香料が付されていない粉末ランドリー洗浄剤ベースにおいて評価した。75gのこのベースをサイドロード式洗濯機(容量20L、テリータオル1kgを入れた)で使用する;選択サイクルは40℃の温度で行われ、これに続きスピン乾燥する。
【0204】
摩擦前の嗅覚評価は、機械から取り出したばかりの濡れたランドリーおよび4時間後に行った。この評価のために、マイクロカプセルが機械的に破損するリスクを最小限に抑えるために、テリータオルを慎重に扱った。摩擦後の嗅覚評価は、テリータオルを室温で24時間ライン乾燥した後に行った。この評価は、テリータオルの一部を同じテリータオルの別の部分にそっとこすりつけることによって行なった。嗅覚性能(強度)は、4名の専門パネルによって1~5のスケールで評価された(1=ほとんど感じない、2=弱い、3=中程度、4=強い、および5=極めて強い)。関連する場合、知覚される匂いの方向に関する定性的なコメントを記録した。
【0205】
【表2】
【0206】
結果は、本発明に従うアミノプラストおよびポリ尿素-ベースのマイクロカプセルが、従来のアミノプラスとおよびポリ尿素ベースのマイクロカプセルと比較して、乾燥布地における摩擦前および摩擦後の同等の性能を維持しながら、増強された香料放出を濡れたおよび湿った布地において提供することを示す。