(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】人工知能およびユーザ入力を用いて発達進度を判定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20221226BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20221226BHJP
【FI】
A61B10/00 H
G06N20/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132229
(22)【出願日】2021-08-16
(62)【分割の表示】P 2018527844の分割
【原出願日】2016-08-11
【審査請求日】2021-08-16
(32)【優先日】2015-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518048514
【氏名又は名称】コグノア, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブレント ボーガン
(72)【発明者】
【氏名】クララ ラジョンシェアー
(72)【発明者】
【氏名】デニス ウォール
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ ハック
(72)【発明者】
【氏名】チャーリー ハック
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0304200(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0330576(US,A1)
【文献】特開2007-249878(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0262357(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の発達障害に関して対象を評価するための装置であって、前記装置は、
プロセッサと、
命令を含む非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令は、
(a)複数の特徴
からの特徴に対応する入力
データを受け取ることであって、前記特徴は、前記1つ以上の発達障害に関連する前記対象の1つ以上の臨床特性に対応し、前記複数の特徴
のうちの
提示されていない1つ以上の
候補特徴は、前記対象が前記1つ以上の発達障害を有する尤度を決定するために最も予測に役立つ次の特徴を含
み、前記最も予測に役立つ次の特徴は、前記複数の特徴のうちの提示された特徴の次に最も予測に役立つ特徴である、ことと、
(b)特徴推奨モジュールを使用して、前記最も予測に役立つ次の特徴を識別することであって、前記特徴推奨モジュールは、
アルゴリズムを備え、前記アルゴリズムは、
(i)
複数の可能な入力
データの各々の予測有用性であって、前記アルゴリズムは、前記1つ以上の発達障害に関して前記対象を正しく評価する際の前記アルゴリズムの有効性を評価することによって1つ以上の対象母集団上で妥当性検証されている、予測有用性と、
(ii)前記対象によって提供される前記複数の可能な入力
データの前記各々の
確率と
の組み合わせに基づいて、前記最も予測に役立つ次の特徴を識別する
、ことと
を前記プロセッサに行わせるように構成されている、非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体と
を備える、装置。
【請求項2】
インターフェースと、
前記インターフェースに結合されたディスプレイと
をさらに備え、前記命令は、前記インターフェースを介して前記特徴を表示して前記入力
データを受け取ることと、前記識別された最も予測に役立つ次の特徴を表示することとを前記プロセッサに行わせる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ディスプレイは、グラフィカルユーザインターフェースまたはウェブベースのユーザインターフェースのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記命令は、前記最も予測に役立つ次の特徴に対する入力
データを受け取ることと、前記最も予測に役立つ次の特徴に対する前記入力
データに応答して第2の最も予測に役立つ次の特徴を識別することとを前記プロセッサに行わせる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記命令は、予測モジュールを使用して、前記入力
データを含むデータセットを評価することにより、前記1つ以上の発達障害の予測された恐れを生成することを前記プロセッサにさらに行わせ、前記予測された恐れは、閾値信頼性を満たさない、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記命令は、前記予測された恐れが前記閾値信頼性を満たすまでステップ(a)~(b)を繰り返すことを前記プロセッサにさらに行わせる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記命令は、ステップ(b)において、前記最も予測に役立つ次の特徴を含む第1の複数の最も予測に役立つ次の特徴を識別することを前記プロセッサに行わせる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記命令は、前記第1の複数の最も予測に役立つ次の特徴に対する入力
データを受け取ることを前記プロセッサにさらに行わせる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記命令は、前記第1の複数の最も予測に役立つ次の特徴に対する前記入力
データに少なくとも基づいて、第2の複数の最も予測に役立つ次の特徴を決定することを前記プロセッサにさらに行わせる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の可能な入力
データの前記各々の前記予測有用性は、前記1つ以上の発達障害のうちの発達障害の臨床診断との前記複数の可能な入力
データの前記各々の相関に対応している、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記対象によって提供される前記複数の可能な入力
データの前記各々の前記
確率は、前記対象の前記1つ以上の臨床特性に対応する前記対象の1つ以上の入力
データに応答して決定される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記特徴推奨モジュールは、前記複数の可能な入力
データの前記各々の前記予測有用性と、前記対象によって提供される前記複数の可能な入力
データの前記各々の前記
確率との前記組み合わせを決定するために統計を適用する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記統計は、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定株、機能ツリー、ロジスティックモデルツリー、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、ニューラルネットワーク、サポートベクタマシン、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、一式の線形分類器、ブースティングアルゴリズム、確率的勾配降下法で訓練されたブースティングアルゴリズム、訓練データ加重を含むブースティングアルゴリズム、訓練データ加重の更新を含むブースティングアルゴリズム、または誤分類訓練データをより高い加重で更新することを含むブースティングアルゴリズムのうちの1つ以上を用いて決定された統計を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
入力
データが既に受け取られた第2の特徴と高い共分散を有する第1の特徴は、前記最も予測に役立つ次の特徴として識別されない、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記命令は、少なくとも85%の信頼区間を伴って前記対象が前記1つ以上の発達障害のうちの発達障害の恐れがあると決定することを前記プロセッサに行わせる、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記命令は、少なくとも90%の信頼区間を伴って前記対象が前記1つ以上の発達障害のうちの発達障害の恐れがあると決定することを前記プロセッサに行わせる、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記1つ以上の発達障害は、自閉スペクトラム症、あるレベルの自閉スペクトラム症(ASD)、レベル1のASD、レベル2のASD、レベル3のASD、自閉症(「典型的自閉症」)、アスペルガー症候群(「高機能自閉症」)、広汎性発達障害(PDD「非典型的自閉症」)、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、自閉スペクトラム症に関連する発達障害、限局性学習症(SLD)、強迫性障害(OCD)、社会的コミュニケーション障害、知的障害、学習障害、感覚処理障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、発話障害、言語障害、対人コミュニケーション能力の欠如、対人交流能力の欠如、限定的反復的行動(RBB)、限定的反復的興味、限定的反復的活動、全般的発達遅延、または他の行動、知的、もしくは発達遅延を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記1つ以上の発達障害は、関連症状を有する複数の障害を含み、前記複数の障害は、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、注意欠如多動性障害(ADHD)、限局性学習症、強迫性障害(OCD)、または社会的コミュニケーション障害のうちの1つ以上の関連症状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つ以上を備え、前記命令は、前記ローカルプロセッサまたは前記遠隔サーバのうちの1つ以上に記憶されている統計を用いて前記最も予測に役立つ次の特徴を選択することを前記プロセッサに行わせる、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
1つ以上の発達障害に関して対象を評価するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、
(a)複数の特徴
からの特徴に対応する入力
データを受け取ることであって、前記特徴は、前記1つ以上の発達障害に関連する前記対象の1つ以上の臨床特性に対応し、前記複数の特徴
のうちの
提示されていない1つ以上の
候補特徴は、前記対象が前記1つ以上の発達障害を有する尤度を決定するために最も予測に役立つ次の特徴を含
み、前記最も予測に役立つ次の特徴は、前記複数の特徴のうちの提示された特徴の次に最も予測に役立つ特徴である、ことと、
(b)特徴推奨モジュールを使用して、前記最も予測に役立つ次の特徴を識別することであって、前記特徴推奨モジュールは、
アルゴリズムを備え、前記アルゴリズムは、
(i)
複数の可能な入力
データの各々の予測有用性であって、前記アルゴリズムは、前記1つ以上の発達障害に関して前記対象を正しく評価する際の前記アルゴリズムの有効性を評価することによって1つ以上の対象母集団上で妥当性検証されている、予測有用性と、
(ii)前記対象によって提供される前記複数の可能な入力
データの前記各々の
確率と
の組み合わせに基づいて、前記最も予測に役立つ次の特徴を識別するアルゴリズムを備える、ことと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2015年8月11日に出願され“Methods and Apparatus to Determine Developmental Progress with Artificial Intelligence and User Input”と題された米国仮出願第62/203,777号[代理人管理番号第46173-702.101]に対する優先権を主張するものであり、該米国仮出願の全体の開示は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本願の主題は、2014年4月24日に出願され“Enhancing Diagnosis of Disorder Through Artificial Intelligence and Mobile Health Technologies Without Compromising Accuracy”と題された米国出願第14/354,032号[代理人管理番号第46173-701.831]にも関連しており、該米国出願の全体の開示は、参照により本明細書中に援用される。
【背景技術】
【0003】
人々を発達障害であると診断するための従来の方法および装置は、少なくともいくつかの点において準理想的であり得る。残念ながら、準理想的な時間量、エネルギー、および費用が、対象が、例えば、自閉症、自閉スペクトラム症、注意欠陥障害、注意欠如多動性障害、および限局性学習症等の発達障害の恐れがあるかどうかの診断を得る、または判定するために要求され得る。医療制度は、より低いコストで看護を届けることの増加する圧力下にあって、対象が発達障害の恐れがあると臨床上診断または識別するための従来の方法および装置は、理想的であろうものより費用および負担を医療制度にもたらし得る。さらに、少なくとも一部の対象は、理想的に生じるであろうものほど迅速に治療されず、したがって、医療制度への負担は、これらの対象に対して要求される付加的看護に伴って増加される。
【0004】
対象における発達障害の識別は、正確度および効率の両方の観点から困難な技術的問題を提示する。そのような障害を識別するための多くの公知の方法は、多くの場合、時間がかかり、資源集約的であって、対象の地理的場所に応じて、人数および可用性が限定され得る、有資格臨床医の管理の下、対象が、多数の質問に回答する、または広範な観察を受けることを要求する。加えて、発達障害を識別するための多くの公知の方法は、準理想的な正確度および一貫性を有し、そのような方法を使用して評価される対象は、多くの場合、捕捉および分類が困難であり得る、広範囲のばらつきを提示する。そのような技術的問題に対する技術的解決策が望ましく、技術的解決策は、既存の方法の正確度および効率の両方を改良することができるであろう。理想的には、そのような技術的解決策は、発達障害を識別するための方法を管理するために要求される時間および資源を削減し、対象を横断して識別結果の正確度および一貫性を改良するであろう。
【0005】
質問を用いた従来の長時間の試験は、対象を発達障害の恐れがあると診断または識別するために、両親等の介護者に課され、そのような試験は、非常に長くかつ煩わしくあり得る。例えば、これらの試験の少なくとも一部は、100を上回る質問を有し、1回を上回るそのような長時間の試験が、課され、医療介護提供者および介護者への負担をさらに増加させ得る。対象の臨床観察等の付加的データも、要求され得、臨床訪問はさらに、時間量および医療制度への負担を増加させ得る。その結果、対象が評価される必要があると識別されてから、発達遅延の恐れがあるとして臨床上識別される、またはそのように診断されるまでの時間は、数ヶ月、いくつかの事例では、1年を超え得る。
【0006】
評価の必要性が識別されてから臨床診断までの間の遅延は、少なくともいくつかの事例では、準理想的看護をもたらし得る。いくつかの発達障害は、適時介入を伴って治療されることができる。しかしながら、介護者が最初に評価の必要性の見込みを識別してから、対象をその恐れがあると臨床上診断する、または対象を臨床上識別するまでの長期間の間隔は、準理想的な治療をもたらし得る。少なくともいくつかの事例では、発達障害は、ある治療期間を有する場合があり、治療期間が、逸失される場合もあり、または対象が、治療期間の一部にわたってのみ治療される場合もある。
【0007】
従来の方法および装置は、尋ねられる質問の数を減少させるように提案されているが、そのような従来の方法および装置は、少なくともいくつかの点において準理想的であり得る。従来の方法および装置は、それぞれ、方法および装置を訓練ならびに妥当性検証のために、訓練および試験データセットに依拠しているが、そのような方法および装置の実際の臨床結果は、臨床環境が訓練および試験データセットより困難な症例を提示し得るため、準理想的であり得る。臨床環境は、いくつかの可能性として考えられる発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものを有し得る対象を提示し得、質問のサブセットに依拠することは、試験される発達障害の準理想的な感度および特異性をもたらし得る。また、1つのみの発達障害、例えば、自閉症を診断するための1つのみの試験の使用は、他の発達障害に由来する対象の行動が、1つの発達障害を標的とする質問のサブセットの感度および特異性を低下させる、交絡変数を提示し得るため、意図される発達障害および他の障害を診断するための準理想的な結果を提供し得る。また、所定のサブセットへの依拠は、理想的であろうものより多くの質問が尋ねられ得るため、かつ尋ねられる質問が特定の対象に対する質問の理想的サブセットではない場合があるため、準理想的な結果をもたらし得る。
【0008】
さらに、多くの対象は、2つまたはそれを上回る関連障害または状態を有し得る。各試験が、単一障害または状態のみを診断もしくは識別するように設計される場合、複数の障害を呈する対象は、複数の試験を受けることが要求され得る。複数の診断試験を使用した対象の評価は、長時間、高価、不便、かつ準備が論理的に困難であり得る。十分な感度および特異性を伴って複数の関連障害または状態を識別もしくは診断することが可能である、単一診断試験を使用して対象を試験する方法を提供することが望ましいであろう。
【0009】
前述に照らして、その恐れがある対象を診断および識別する改良された方法および装置が、必要とされる。理想的には、そのような方法および装置は、より少ない質問、短縮された時間量を要求し、複数の発達障害を判定し、臨床または非臨床環境において、臨床上容認可能感度および特異性を提供するであろう。理想的には、そのような方法および装置はまた、対象の発達進度を判定するためにも使用されることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書に開示される方法および装置は、臨床または非臨床環境において、対象の発達進度を判定することができる。例えば、説明される方法および装置は、対象が1つまたはそれを上回る発達領域において発達上進歩していることを識別する、または対象が発達上退歩している、もしくは1つまたはそれを上回る発達障害を有する恐れがあることを識別することができる。開示される方法および装置は、査定モデルに基づいて対象の複数の特性または特徴を分析することによって、対象の発達進度を判定することができ、査定モデルは、機械学習アプローチを使用して、関連対象母集団の大量のデータセットから生成されることができる。本明細書に開示される方法および装置は、単一試験を使用して、対象が複数の障害の中のある障害であると診断するための改良された論理構造およびプロセスを備える。
【0011】
本明細書に開示される方法および装置は、臨床または非臨床設定において、より少ない質問を用いて、短縮された時間量で、かつ臨床環境における臨床上容認可能感度および特異性を伴って、対象を複数の発達障害の中の1つまたはそれを上回る発達障害を有する恐れがあると診断または識別することができる。プロセッサは、ある人物が、より少ない質問を用いて、その恐れがあると診断または識別され得るように、最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成されることができる。複数の回答に応答して、最も予測に役立つ次の質問を識別することは、より少ない質問を用いて、感度および特異性を増加させる利点を有する。本明細書に開示される方法および装置は、単一試験を使用して、複数の関連発達障害に関して対象を評価し、単一試験を使用して、複数の発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものの恐れがあると対象を診断または判定するように構成されることができる。提示される質問の数を減少させることは、特に、対象が複数の可能性として考えられる発達障害を呈する場合、有用であり得る。単一試験のみを使用して、複数の可能性として考えられる障害に関して対象を評価することは、評価手順の長さおよびコストを大幅に削減することができる。本明細書に開示される方法および装置は、重複する症状を有し得る複数の可能性として考えられる発達障害の中の単一発達障害を有する恐れがあると対象を診断または識別することができる。
【0012】
最も予測に役立つ次の質問は、多くの方法で判定されることができるが、多くの事例では、最も予測に役立つ次の質問は、前の最も予測に役立つ次の質問から成り得る、先行する質問に対する複数の回答に応答して判定される。最も予測に役立つ次の質問は、統計的に判定され、可能性として考えられる最も予測に役立つ次の質問のセットは、最も予測に役立つ次の質問を判定するために評価されることができる。多くの事例では、可能性として考えられる最も予測に役立つ次の質問のそれぞれに対する回答は、質問の関連性に関連し、質問の関連性は、質問に対する各可能性として考えられる回答の組み合わせられる特徴重要性に応答して判定されることができる。
【0013】
一側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置である。本装置は、プロセッサであって、質問を対象に提示し、質問は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成されるための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。有形媒体はさらに、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する回答を受信するための命令で構成される。有形媒体はさらに、回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成される。
【0014】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置である。本装置は、その上に記憶される査定モデルを有する有形媒体を備え、査定モデルは、2つまたはそれを上回る関連発達障害の複数の臨床特性および臨床診断間の統計的相関を備える、プロセッサを備える。有形媒体は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する回答を受信するための命令で構成される。有形媒体はさらに、回答および査定モデルに応答して、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成される。
【0015】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を共存症を有する2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置である。本装置は、プロセッサであって、質問を対象に提示し、質問は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成されるための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。有形媒体はさらに、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する回答を受信するための命令で構成される。有形媒体はさらに、回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、対象が共存症を伴う2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害および第2の発達障害の恐れがあるかどうかを判定するための命令で構成される。
【0016】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置である。本装置は、プロセッサであって、複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信するための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。複数の回答は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する。複数の質問の複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む。有形媒体はさらに、複数の回答に基づいて、対象が2つまたはそれを上回る発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成される。有形媒体はさらに、2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いことの対象の判定に応答して、複数の残りの尋ねられていない質問の中の最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成される。
【0017】
第1の発達障害の最も予測に役立つ質問は、第1の発達障害の恐れがより高いことの対象の判定に応答して、最も予測に役立つ次の質問として識別されてもよい。第2の発達障害の最も予測に役立つ質問は、第2の発達障害の恐れがより高いことの対象の判定に応答して、最も予測に役立つ次の質問として識別されてもよい。
【0018】
プロセッサは、質問および最も予測に役立つ次の質問を表示するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、複数の対象の臨床特性に対応する複数の回答に応答して最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令を備えてもよい。複数の回答は、一連の最も予測に役立つ次の質問に対する一連の回答を含んでもよい。
【0019】
プロセッサは、各残りの質問の推定される予測有用性に応答して、最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成されてもよい。各残りの質問の推定される予測有用性は、各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性と該各可能性として考えられる回答の確率の組み合わせに応答して判定されてもよい。各残りの質問の推定される予測有用性は、該各可能性として考えられる回答の確率と組み合わせられた各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性を含む積の和を用いて判定されてもよい。各可能性として考えられる回答の予測有用性は、該可能性として考えられる回答毎の発生の確率で乗算されてもよい。各可能性として考えられる回答の予測有用性は、該各可能性として考えられる回答と第1の発達障害の臨床診断の相関に対応してもよい。該各可能性として考えられる回答の確率は、1つまたはそれを上回る対象の臨床特性に対応する対象の1つまたはそれを上回る回答に応答して判定されてもよい。
【0020】
プロセッサは、第1の発達障害を最も予測する最も予測に役立つ次の質問を識別するための十分な統計で構成されてもよい。十分な統計は、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、一式の線形分類器、ブースティングアルゴリズム、確率的勾配降下法で訓練されたブースティングアルゴリズム、訓練データ加重を含むブースティングアルゴリズム、訓練データ加重の更新を含むブースティングアルゴリズム、または誤分類訓練データをより高い加重で更新することを含むブースティングアルゴリズムのうちの1つまたはそれを上回るものを用いて判定された十分な統計を含んでもよい。十分な統計は、1つまたはそれを上回る対象母集団で訓練および妥当性検証された分類器の十分な統計を含んでもよい。プロセッサは、複数の対象の臨床特性に対応する複数の回答、複数の残りの質問、および十分な統計を用いて判定された複数の残りの質問の各質問の情報性に応答して、最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令を備えてもよい。最も予測に役立つ次の質問は、複数の対象の臨床特性に対応する複数の回答に応答して判定された最も予測に役立つ次の質問の情報性または推定される予測有用性のうちの1つまたはそれを上回るものに応答して識別されてもよい。プロセッサは、ロジスティック回帰を用いて判定された確率係数の推定を含む確率論的グラフィカルモデルの出力に応答して、最も予測に役立つ次の質問の情報性を判定するための命令を備えてもよい。
【0021】
プロセッサは、第1の発達障害の恐れがより高いことを最も予測する最も予測に役立つ次の質問を識別するために、複数の臨床上査定された対象母集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計で構成されてもよい。プロセッサは、2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれに関する最も予測に役立つ次の質問の推定される予測有用性に応答して、最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、または一式の線形分類器のうちの1つまたはそれを上回るものを用いて次の最も予測に役立つ質問を識別するための命令で構成されてもよい。
【0022】
プロセッサは、第1に、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別し、第2に、第1の障害に関連する第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の複数の回答に応答して、第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、直前の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、複数の次の最も予測に役立つ質問のそれぞれを識別するように構成されてもよい。プロセッサは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに判定し、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答を受信するための命令で構成されてもよく、プロセッサは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、第2の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに判定するように構成されてもよい。
【0023】
プロセッサは、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問および第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の回答および第2の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第2の回答に応答して、第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問毎に、第1の障害に関連する第1の特徴重要性と、第2の複数の次の最も予測に役立つ質問毎に、第2の障害に関連する第2の特徴重要性とを判定するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、第1の障害および第2の障害の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成されてもよい。
【0024】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、複数の質問に応答して、対象の発達進度を判定するための装置である。本装置は、プロセッサであって、複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信するための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。複数の回答は、発達進度に関連する対象の臨床特性に対応し、複数の質問の複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む。有形媒体はさらに、複数の回答に基づいて、対象の発達進度を判定するための命令で構成される。有形媒体はさらに、対象の発達進度の判定に応答して、複数の残りの尋ねられていない質問の中の最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成される。
【0025】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を複数の発達領域の中のある発達領域において発達上進歩していると評価するための装置である。本装置は、プロセッサであって、複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信するための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。複数の回答は、複数の発達領域に関連する対象の臨床特性に対応し、複数の質問の複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む。有形媒体はさらに、複数の回答に基づいて、対象が複数の発達領域の第2の発達領域と比較して第1の発達領域において発達上進歩しているかどうかを判定するための命令で構成される。有形媒体はさらに、複数の発達領域の第2の発達領域と比較して第1の発達領域において発達上進歩していることの対象の判定に応答して、複数の残りの尋ねられていない質問の中の最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成される。
【0026】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る発達障害の中の発達障害を有する恐れがあると評価するための装置である。本装置は、プロセッサであって、2つまたはそれを上回る発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する入力データを受信するための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。有形媒体はさらに、入力データに応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成される。
【0027】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置である。本装置は、その上に記憶される査定モデルを有するメモリであって、査定モデルは、2つまたはそれを上回る関連発達障害の複数の臨床特性と臨床診断との間の統計的相関を備える、メモリを備える。本装置はさらに、プロセッサであって、2つまたはそれを上回る発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する入力データを受信するための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。有形媒体はさらに、入力データおよび査定モデルに応答して、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成される。
【0028】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る発達障害の中の発達障害を有する恐れがあると評価するための装置である。本装置は、プロセッサであって、2つまたはそれを上回る発達障害に関連する対象の第1の臨床特性に対応する入力データを受信するための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサを備える。有形媒体はさらに、入力データに応答して、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成される。有形媒体はさらに、第1の発達障害の恐れがより高いことの対象の判定に応答して、第1の発達障害の最も予測に役立つ第2の臨床特性を識別するための命令で構成される。有形媒体はさらに、対象の第2の臨床特性に対応する付加的入力データを受信するための命令で構成される。
【0029】
入力データは、質問に対する対象の回答、対象との構造的相互作用の結果、ゲームにおける対象の成績、刺激に対する対象の応答、対象に可視であるディスプレイ上での刺激に対する対象の応答、その指で泡を弾くように求められたときの対象の応答、対象の観察、対象のビデオ観察、または対象の臨床観察のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。
【0030】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、本装置はさらに、その上に記憶される査定モデルを有するメモリであって、査定モデルは、2つまたはそれを上回る発達障害の複数の臨床特性および臨床診断間の統計的相関を備える、メモリを備えてもよい。プロセッサはさらに、査定モデルに応答して、対象が第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成されてもよい。
【0031】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、第1の発達障害および第2の発達障害は、共存症を含んでもよい。第1の発達障害および第2の発達障害は、共存症を含み得、対象は、第2の障害より第1の障害の恐れが高くあり得る。
【0032】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、複数の質問は、複数の所定の質問を含んでもよい。対象によってすでに回答された質問と高共分散を有する質問は、最も予測に役立つ次の質問として識別され得ない。
【0033】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、本装置はさらに、入力および入力に結合されるディスプレイを備えてもよい。プロセッサは、複数の質問を表示し、入力を介して、複数の質問に対する複数の回答を受信し、識別された最も予測に役立つ次の質問を表示するための命令で構成されてもよい。
【0034】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、プロセッサは、少なくとも85%の信頼区間または少なくとも85%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、対象を発達障害の恐れがあると判定するように構成されてもよい。プロセッサは、少なくとも90%の信頼区間または少なくとも90%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、対象を発達障害の恐れがあると判定するように構成されてもよい。プロセッサは、対象を2つまたはそれを上回る発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものと診断するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、対象が2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれを有する恐れを判定するための命令で構成されてもよい。
【0035】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、プロセッサは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の信頼性を伴って、対象を発達障害の恐れがあると判定するための命令で構成されてもよい。プロセッサは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の感度および少なくとも80%(パーセント)の特異性を伴って、対象を2つまたはそれを上回る発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものの恐れがあると判定するための命令で構成されてもよい。
【0036】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、2つまたはそれを上回る発達障害は、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)IVまたはDSM Vのうちの2つまたはそれを上回る障害を含んでもよい。2つまたはそれを上回る発達障害は、自閉スペクトラム症、あるレベルの自閉スペクトラム症(ASD)、レベル1のASD、レベル2のASD、レベル3のASD、自閉症(「典型的自閉症」)、アスペルガー症候群(「高機能自閉症」)、広汎性発達障害(PDD「非典型的自閉症」)、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、自閉スペクトラム症に関連する発達障害、限局性学習症(SLD)、強迫性障害(OCD)、社会的コミュニケーション障害、知的障害、学習障害、感覚処理障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、発話障害、言語障害、対人コミュニケーション能力の欠如、対人交流能力の欠如、限定的反復的行動(RBB)、限定的反復的興味、限定的反復的活動、全般的発達遅延、または他の行動、知的、もしくは発達遅延のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。2つまたはそれを上回る発達障害は、関連症状を有する複数の障害を含んでもよく、複数の障害は、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、ADHD、限局性学習症、OCD、または社会的コミュニケーション障害のうちの1つまたはそれを上回るものの関連症状を有する。
【0037】
本明細書に開示されるような対象を評価するための任意の装置では、プロセッサは、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るものを備えてもよい。プロセッサは、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るものを備えてもよく、プロセッサは、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るもの上に記憶される十分な統計を用いて次の質問を選択するように構成されてもよい。
【0038】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法である。本方法は、質問を対象に提示するステップであって、質問は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ステップを含む。本方法はさらに、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する回答を受信するステップを含む。本方法はさらに、回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップを含む。
【0039】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法である。本方法は、質問を対象に提示するステップであって、質問は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ステップを含む。本方法はさらに、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する回答を受信するステップを含む。本方法はさらに、回答に応答して、2つまたはそれを上回る関連発達障害の複数の臨床特性と臨床診断との間の統計的相関を備える査定モデルに応答して、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップを含む。
【0040】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法である。本方法は、質問を対象に提示するステップであって、質問は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ステップを含む。本方法はさらに、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する回答を受信するステップを含む。本方法はさらに、回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、対象が共存症を伴う2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害および第2の発達障害の恐れがあるかどうかを判定するステップを含む。
【0041】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法である。本方法は、複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信するステップであって、複数の回答は、2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する対象の臨床特性に対応する、ステップを含む。複数の質問の複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む。本方法はさらに、複数の回答に基づいて、対象が2つまたはそれを上回る発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップを含む。本方法はさらに、2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いことの対象の判定に応答して、複数の残りの尋ねられていない質問の中の最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含む。
【0042】
第1の発達障害の最も予測に役立つ質問は、第1の発達障害の恐れがより高いことの対象の判定に応答して、最も予測に役立つ次の質問として識別されてもよい。第2の発達障害の最も予測に役立つ質問は、第2の発達障害の恐れがより高いことの対象の判定に応答して、最も予測に役立つ次の質問として識別されてもよい。
【0043】
識別するステップは、複数の対象の臨床特性に対応する複数の回答に応答して最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含んでもよい。複数の回答は、一連の最も予測に役立つ次の質問に対する一連の回答を含んでもよい。
【0044】
識別するステップは、各残りの質問の推定される予測有用性に応答して、複数の残りの尋ねられていない質問の最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含んでもよい。各残りの質問の推定される予測有用性は、各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性と該各可能性として考えられる回答の確率の組み合わせに応答して判定される。各残りの質問の推定される予測有用性は、該各可能性として考えられる回答の確率と組み合わせられた各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性を含む積の和を用いて判定されてもよい。各可能性として考えられる回答の予測有用性は、該可能性として考えられる回答毎の発生の確率で乗算されてもよい。各可能性として考えられる回答の予測有用性は、該各可能性として考えられる回答と第1の発達障害の臨床診断の相関に対応してもよい。該各可能性として考えられる回答の確率は、1つまたはそれを上回る対象の臨床特性に対応する対象の1つまたはそれを上回る回答に応答して判定されてもよい。
【0045】
識別するステップは、十分な統計を用いて、第1の発達障害を最も予測する最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含んでもよい。十分な統計は、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、一式の線形分類器、ブースティングアルゴリズム、確率的勾配降下法で訓練されたブースティングアルゴリズム、訓練データ加重を含むブースティングアルゴリズム、訓練データ加重の更新を含むブースティングアルゴリズム、または誤分類訓練データをより高い加重で更新することを含むブースティングアルゴリズムのうちの1つまたはそれを上回るものを用いて判定された十分な統計を含んでもよい。十分な統計は、1つまたはそれを上回る対象母集団で訓練および妥当性検証された分類器の十分な統計を含んでもよい。
【0046】
識別するステップは、複数の対象の臨床特性に対応する複数の回答、複数の残りの質問、および十分な統計を用いて判定された複数の残りの質問の各質問の情報性に応答して、最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含んでもよい。最も予測に役立つ次の質問は、複数の対象の臨床特性に対応する複数の回答に応答して判定された最も予測に役立つ次の質問の情報性または推定される予測有用性のうちの1つまたはそれを上回るものに応答して識別されてもよい。本方法はさらに、ロジスティック回帰を用いて判定された確率係数の推定を含む確率論的グラフィカルモデルの出力に応答して、最も予測に役立つ次の質問の情報性を判定するステップを含んでもよい。
【0047】
識別するステップは、複数の臨床上査定された対象母集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計を使用して、第1の発達障害の恐れがより高いことを最も予測する最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含んでもよい。識別するステップは、2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれに関する最も予測に役立つ次の質問の推定される予測有用性に応答して、最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含んでもよい。識別するステップは、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、または一式の線形分類器のうちの1つまたはそれを上回るものを用いて次の最も予測に役立つ質問を識別するステップを含んでもよい。
【0048】
複数の質問は、複数の所定の質問を含んでもよい。対象によってすでに回答された質問と高共分散を有する質問は、最も予測に役立つ次の質問として識別され得ない。
【0049】
本方法はさらに、複数の質問をディスプレイ上に表示するステップと、ディスプレイに結合される入力を介して、複数の質問に対する複数の回答を受信するステップと、識別された最も予測に役立つ次の質問をディスプレイ上に表示するステップとを含んでもよい。
【0050】
識別するステップは、第1に、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別し、第2に、第1の障害に関連する第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の複数の回答に応答して、第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別するステップを含んでもよい。識別するステップは、直前の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、複数の次の最も予測に役立つ質問のそれぞれを識別するステップを含んでもよい。識別するステップは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに識別し、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答を受信するステップと、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、第2の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに識別するステップとを含んでもよい。
【0051】
識別するステップは、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問および第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別するステップを含んでもよい。第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問は、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して識別されてもよい。第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問の次の最も予測に役立つ質問は、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の回答および第2の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第2の回答に応答して識別されてもよい。本方法はさらに、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問毎に、第1の障害に関連する第1の特徴重要性と、第2の複数の次の最も予測に役立つ質問毎に、第2の障害に関連する第2の特徴重要性とを判定するステップを含んでもよい。
【0052】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、判定するステップは、2つまたはそれを上回る発達障害の複数の臨床特性および臨床診断間の統計的相関を備える査定モデルに応答して判定するステップを含んでもよい。判定するステップは、査定モデルに応答して、対象が第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップを含む。判定するステップは、対象が共存症を伴う第1の発達障害および第2の発達障害の恐れがあるかどうかを判定するステップを含んでもよい。判定するステップは、対象が共存症を伴う第1の発達障害および第2の発達障害の恐れがあるかどうかと、対象が第2の障害より第1の障害の恐れが高いかどうかとを判定するステップを含んでもよい。
【0053】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、判定するステップは、少なくとも85%の信頼区間または少なくとも85%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、対象を発達障害の恐れがあると判定するステップを含んでもよい。プロセッサは、少なくとも90%の信頼区間または少なくとも90%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、対象を発達障害の恐れがあると判定するように構成されてもよい。
【0054】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、本方法はさらに、対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものと診断するステップを含んでもよい。本方法はさらに、対象が2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれを有する恐れを判定するステップを含んでもよい。
【0055】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、判定するステップは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の信頼性を伴って、対象を発達障害の恐れがあると判定するステップを含んでもよい。判定するステップは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の感度および少なくとも80%(パーセント)の特異性を伴って、対象を2つまたはそれを上回る発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものの恐れがあると判定するステップを含んでもよい。
【0056】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、2つまたはそれを上回る関連発達障害は、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)IVまたはDSM Vのうちの2つまたはそれを上回る障害を含んでもよい。2つまたはそれを上回る関連発達障害は、自閉スペクトラム症、あるレベルの自閉スペクトラム症(ASD)、レベル1のASD、レベル2のASD、レベル3のASD、自閉症(「典型的自閉症」)、アスペルガー症候群(「高機能自閉症」)、広汎性発達障害(PDD「非典型的自閉症」)、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、自閉スペクトラム症に関連する発達障害、限局性学習症(SLD)、強迫性障害(OCD)、社会的コミュニケーション障害、知的障害、学習障害、感覚処理障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、発話障害、言語障害、対人コミュニケーション能力の欠如、対人交流能力の欠如、限定的反復的行動(RBB)、限定的反復的興味、限定的反復的活動、全般的発達遅延、または他の行動、知的、もしくは発達遅延のうちの1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。2つまたはそれを上回る関連発達障害は、関連症状を有する複数の障害を含んでもよく、複数の障害は、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、ADHD、限局性学習症、OCD、または社会的コミュニケーション障害のうちの1つまたはそれを上回るものの関連症状を有する。
【0057】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、本方法はさらに、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るもの上に記憶される十分な統計を用いて次の質問を選択するステップを含んでもよい。本方法はさらに、複数の質問および最も予測に役立つ次の質問を表示するステップを含んでもよい。
【0058】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、本方法はさらに、第1の障害および第2の障害の次の最も予測に役立つ質問を判定するステップを含んでもよい。
【0059】
本明細書に開示されるような対象を評価する任意の方法では、回答されていない質問に対するフィールドは、ある値が提供されてもよい。
【0060】
別の側面では、本明細書に開示されるのは、本明細書に開示されるような対象の恐れを評価するための装置を提供するための方法である。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置であって、
プロセッサであって、
質問を前記対象に提示することであって、前記質問は、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ことと、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する回答を受信することと、
前記回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、前記対象が前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサ
を備える、装置。
(項目2)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置であって、
その上に記憶される査定モデルを有する有形媒体を備えるプロセッサであって、前記査定モデルは、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害の複数の臨床特性および臨床診断間の統計的相関を備え、前記プロセッサは、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する回答を受信することと、
前記回答および前記査定モデルに応答して、前記対象が前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを前記査定モデルに応答して判定することと
を行うための命令で構成される、プロセッサ
を備える、装置。
(項目3)
対象を共存症を有する2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置であって、
プロセッサであって、
質問を前記対象に提示することであって、前記質問は、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ことと、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する回答を受信することと、
前記回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、前記対象が共存症を伴う前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害および第2の発達障害の恐れがあるかどうかを判定することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサ
を備える、装置。
(項目4)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置であって、
プロセッサであって、
複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信することであって、前記複数の回答は、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応し、前記複数の質問のうちの複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む、ことと、
前記複数の回答に基づいて、前記対象が前記2つまたはそれを上回る発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定することと、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いことの前記対象の判定に応答して、前記複数の残りの尋ねられていない質問の中の前記最も予測に役立つ次の質問を識別することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサ
を備える、装置。
(項目5)
前記第1の発達障害の最も予測に役立つ質問は、前記第1の発達障害の恐れがより高いことの前記対象の判定に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問として識別される、項目4に記載の装置。
(項目6)
前記第2の発達障害の最も予測に役立つ質問は、前記第2の発達障害の恐れがより高いことの前記対象の判定に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問として識別される、項目4に記載の装置。
(項目7)
その上に記憶される査定モデルを有するメモリをさらに備え、前記査定モデルは、前記2つまたはそれを上回る発達障害の複数の臨床特性および臨床診断間の統計的相関を備える、項目1、3、および4のいずれか1項に記載の装置。
(項目8)
前記プロセッサはさらに、前記査定モデルに応答して、前記対象が前記第1の発達障害または前記第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するための命令で構成される、項目7に記載の装置。
(項目9)
前記第1の発達障害および前記第2の発達障害は、共存症を含む、項目1、2、および4のいずれか1項に記載の装置。
(項目10)
前記第1の発達障害および前記第2の発達障害は、共存症を含み、前記対象は、前記第2の障害より前記第1の障害の恐れが高い、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目11)
前記プロセッサは、前記質問および前記最も予測に役立つ次の質問を表示するための命令で構成される、項目4に記載の装置。
(項目12)
前記プロセッサは、前記対象の複数の臨床特性に対応する複数の回答に応答して前記最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令を備える、項目4に記載の装置。
(項目13)
前記複数の回答は、一連の最も予測に役立つ次の質問に対する一連の回答を含む、項目12に記載の装置。
(項目14)
前記プロセッサは、各残りの質問の推定される予測有用性に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成される、項目4に記載の装置。
(項目15)
各残りの質問の推定される予測有用性は、各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性と前記各可能性として考えられる回答の確率との組み合わせに応答して判定される、項目14に記載の装置。
(項目16)
各残りの質問の推定される予測有用性は、前記各可能性として考えられる回答の確率と組み合わせられた各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性を含む積の和を用いて判定される、項目15に記載の装置。
(項目17)
各可能性として考えられる回答の予測有用性は、前記各可能性として考えられる回答に対する発生の確率で乗算される、項目16に記載の装置。
(項目18)
各可能性として考えられる回答の予測有用性は、前記各可能性として考えられる回答と前記第1の発達障害の臨床診断との相関に対応する、項目15に記載の装置。
(項目19)
前記各可能性として考えられる回答の確率は、前記対象の1つまたはそれを上回る臨床特性に対応する前記対象の1つまたはそれを上回る回答に応答して判定される、項目15に記載の装置。
(項目20)
前記プロセッサは、前記第1の発達障害を最も予測する最も予測に役立つ次の質問を識別するための十分な統計で構成される、項目4に記載の装置。
(項目21)
前記十分な統計は、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、一式の線形分類器、ブースティングアルゴリズム、確率的勾配降下法で訓練されたブースティングアルゴリズム、訓練データ加重を含むブースティングアルゴリズム、訓練データ加重の更新を含むブースティングアルゴリズム、または誤分類訓練データをより高い加重で更新することを含むブースティングアルゴリズムのうちの1つまたはそれを上回るものを用いて判定された十分な統計を含む、項目20に記載の装置。
(項目22)
前記十分な統計は、1つまたはそれを上回る対象母集団で訓練および妥当性検証された分類器の十分な統計を含む、項目20に記載の装置。
(項目23)
前記プロセッサは、前記対象の複数の臨床特性に対応する複数の回答、複数の残りの質問、および前記十分な統計を用いて判定された前記複数の残りの質問の各質問の情報性に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令を備える、項目20に記載の装置。
(項目24)
前記最も予測に役立つ次の質問は、前記対象の複数の臨床特性に対応する複数の回答に応答して判定された前記最も予測に役立つ次の質問の情報性または推定される予測有用性のうちの1つまたはそれを上回るものに応答して識別される、項目20に記載の装置。
(項目25)
前記プロセッサは、ロジスティック回帰を用いて判定された確率係数の推定を含む確率論的グラフィカルモデルの出力に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問の情報性を判定するための命令を備える、項目20に記載の装置。
(項目26)
前記プロセッサは、前記第1の発達障害の恐れがより高いことを最も予測する前記最も予測に役立つ次の質問を識別するために、複数の臨床上査定された対象母集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計で構成される、項目4に記載の装置。
(項目27)
前記プロセッサは、前記2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれに関する前記最も予測に役立つ次の質問の推定される予測有用性に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問を識別するための命令で構成される、項目4に記載の装置。
(項目28)
前記プロセッサは、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、または一式の線形分類器のうちの1つまたはそれを上回るものを用いて前記次の最も予測に役立つ質問を識別するための命令で構成される、項目4に記載の装置。
(項目29)
前記複数の質問は、複数の所定の質問を含む、項目4に記載の装置。
(項目30)
入力と、
前記入力に結合されるディスプレイと
をさらに備え、
前記プロセッサは、前記複数の質問を表示し、前記入力を介して、前記複数の質問に対する複数の回答を受信し、前記識別された最も予測に役立つ次の質問を表示するための命令で構成される、項目4に記載の装置。
(項目31)
前記対象によってすでに回答された質問と高共分散を有する質問は、前記最も予測に役立つ次の質問として識別されない、項目4に記載の装置。
(項目32)
前記プロセッサは、少なくとも85%の信頼区間または少なくとも85%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、前記対象を前記発達障害の恐れがあると判定するように構成される、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目33)
前記プロセッサは、少なくとも90%の信頼区間または少なくとも90%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、前記対象を前記発達障害の恐れがあると判定するように構成される、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目34)
前記プロセッサは、前記対象を前記2つまたはそれを上回る発達障害のうちの1つもしくはそれを上回るものと診断するための命令で構成される、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目35)
前記プロセッサは、前記対象が前記2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれを有する恐れを判定するための命令で構成される、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目36)
前記プロセッサは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の信頼性を伴って、前記対象を前記発達障害の恐れがあると判定するための命令で構成される、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目37)
前記プロセッサは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の感度および少なくとも80%(パーセント)の特異性を伴って、前記対象を前記2つまたはそれを上回る発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものの恐れがあると判定するための命令で構成される、項目2-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目38)
前記2つまたはそれを上回る発達障害は、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)IVまたはDSM Vのうちの2つまたはそれを上回る障害を含む、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目39)
前記2つまたはそれを上回る発達障害は、自閉スペクトラム症、あるレベルの自閉スペクトラム症(ASD)、レベル1のASD、レベル2のASD、レベル3のASD、自閉症(「典型的自閉症」)、アスペルガー症候群(「高機能自閉症」)、広汎性発達障害(PDD「非典型的自閉症」)、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、自閉スペクトラム症に関連する発達障害、限局性学習症(SLD)、強迫性障害(OCD)、社会的コミュニケーション障害、知的障害、学習障害、感覚処理障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、発話障害、言語障害、対人コミュニケーション能力の欠如、対人交流能力の欠如、限定的反復的行動(RBB)、限定的反復的興味、限定的反復的活動、全般的発達遅延、または他の行動、知的、もしくは発達遅延のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目40)
前記2つまたはそれを上回る発達障害は、関連症状を有する複数の障害を含み、前記複数の障害は、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、ADHD、限局性学習症、OCD、または社会的コミュニケーション障害のうちの1つまたはそれを上回るものの関連症状を有する、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目41)
前記プロセッサは、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るものを備える、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目42)
前記プロセッサは、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るものを備え、前記プロセッサは、前記ローカルプロセッサまたは前記遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るもの上に記憶される十分な統計を用いて次の質問を選択するように構成される、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目43)
前記プロセッサは、第1に、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別し、第2に、前記第1の障害に関連する前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の複数の回答に応答して、第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別するための命令で構成される、項目4に記載の装置。
(項目44)
前記プロセッサは、直前の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、前記複数の次の最も予測に役立つ質問のそれぞれを識別するように構成される、項目4に記載の装置。
(項目45)
前記プロセッサは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに判定し、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答を受信するための命令で構成され、前記プロセッサは、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、第2の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに判定するように構成される、項目4に記載の装置。
(項目46)
前記プロセッサは、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問および第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成される、項目4に記載の装置。
(項目47)
前記プロセッサは、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、前記第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成される、項目46に記載の装置。
(項目48)
前記プロセッサは、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の回答および前記第2の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第2の回答に応答して、前記第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成される、項目46に記載の装置。
(項目49)
前記プロセッサは、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問の各々に対し、前記第1の障害に関連する第1の特徴重要性と、前記第2の複数の次の最も予測に役立つ質問の各々に対し、前記第2の障害に関連する第2の特徴重要性とを判定するための命令で構成される、項目46に記載の装置。
(項目50)
前記プロセッサは、第1の障害および第2の障害の次の最も予測に役立つ質問を判定するための命令で構成される、項目1-4のいずれか1項に記載の装置。
(項目51)
複数の質問に応答して、対象の発達進度を判定するための装置であって、
プロセッサであって、
複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信することであって、前記複数の回答は、前記発達進度に関連する前記対象の臨床特性に対応し、前記複数の質問の複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む、ことと、
前記複数の回答に基づいて、前記対象の発達進度を判定することと、
前記対象の発達進度の判定に応答して、前記複数の残りの尋ねられていない質問の中の前記最も予測に役立つ次の質問を識別することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサ
を備える、装置。
(項目52)
対象を複数の発達領域の中のある発達領域において発達上進歩していると評価するための装置であって、
プロセッサであって、
複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信することであって、前記複数の回答は、前記複数の発達領域に関連する前記対象の臨床特性に対応し、前記複数の質問の複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む、ことと、
前記複数の回答に基づいて、前記対象が前記複数の発達領域の第2の発達領域と比較して第1の発達領域において発達上進歩しているかどうかを判定することと、
前記複数の発達領域の第2の発達領域と比較して前記第1の発達領域において発達上進歩していることの前記対象の判定に応答して、前記複数の残りの尋ねられていない質問の中の前記最も予測に役立つ次の質問を識別することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサ
を備える、装置。
(項目53)
対象を2つまたはそれを上回る発達障害の中の発達障害を有する恐れがあると評価するための装置であって、
プロセッサであって、
前記2つまたはそれを上回る発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する入力データを受信することと、
前記入力データに応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、前記対象が前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサ
を備える、装置。
(項目54)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価するための装置であって、
その上に記憶される査定モデルを有するメモリであって、前記査定モデルは、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害の複数の臨床特性と臨床診断との間の統計的相関を備える、メモリと、
プロセッサであって、
前記2つまたはそれを上回る発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する入力データを受信することと、
前記入力データおよび前記査定モデルに応答して、前記対象が前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサと
を備える、装置。
(項目55)
対象を2つまたはそれを上回る発達障害の中の発達障害を有する恐れがあると評価するための装置であって、
プロセッサであって、
前記2つまたはそれを上回る発達障害に関連する前記対象の第1の臨床特性に対応する入力データを受信することと、
前記入力データに応答して、前記対象が前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定することと、
前記第1の発達障害の恐れがより高いことの前記対象の判定に応答して、前記第1の発達障害の最も予測に役立つ第2の臨床特性を識別することと、
前記対象の第2の臨床特性に対応する付加的入力データを受信することと
を行うための命令で構成される有形媒体を備える、プロセッサ
を備える、装置。
(項目56)
前記入力データは、質問に対する前記対象の回答、前記対象との構造的相互作用の結果、ゲームにおける対象の成績、刺激に対する前記対象の応答、前記対象に可視であるディスプレイ上での刺激に対する前記対象の応答、その指で泡を弾くように求められたときの前記対象の応答、前記対象の観察、前記対象のビデオ観察、または前記対象の臨床観察のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、項目53、54、または55に記載の装置。(項目57)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法であって、
質問を前記対象に提示するステップであって、前記質問は、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ステップと、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する回答を受信するステップと、
回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、前記対象が前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップと、
を含む、方法。
(項目58)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法であって、
質問を前記対象に提示するステップであって、前記質問は、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ステップと、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する回答を受信するステップと、
前記回答に応答して、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害の複数の臨床特性と臨床診断との間の統計的相関を備える査定モデルに応答して、前記対象が前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップと、
を含む、方法。
(項目59)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法であって、
質問を前記対象に提示するステップであって、前記質問は、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する臨床特性を査定するように構成される、ステップと、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応する回答を受信するステップと、
前記回答に応答して、少なくとも80%の感度および特異性を伴って、前記対象が共存症を伴う前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害および第2の発達障害の恐れがあるかどうかを判定するステップと、
を含む、方法。
(項目60)
対象を2つまたはそれを上回る関連発達障害の中のある発達障害を有する恐れがあると評価する方法であって、
複数の質問の中の複数の尋ねられた質問に対する複数の回答を受信するステップであって、前記複数の回答は、前記2つまたはそれを上回る関連発達障害に関連する前記対象の臨床特性に対応し、前記複数の質問のうちの複数の残りの尋ねられていない質問は、最も予測に役立つ次の質問を含む、ステップと、
前記複数の回答に基づいて、前記対象が前記2つまたはそれを上回る発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップと、
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの第1の発達障害または第2の発達障害の恐れがより高いことの前記対象の判定に応答して、前記複数の残りの尋ねられていない質問の中の前記最も予測に役立つ次の質問を識別するステップと、
を含む、方法。
(項目61)
前記第1の発達障害の最も予測に役立つ質問は、前記第1の発達障害の恐れがより高いことの前記対象の判定に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問として識別される、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記第2の発達障害の最も予測に役立つ質問は、前記第2の発達障害の恐れがより高いことの前記対象の判定に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問として識別される、項目60に記載の方法。
(項目63)
前記判定するステップは、前記2つまたはそれを上回る発達障害の複数の臨床特性および臨床診断間の統計的相関を備える査定モデルに応答して判定するステップを含む、項目57、59、および60のいずれか1項に記載の方法。
(項目64)
前記判定するステップは、前記査定モデルに応答して、前記対象が前記第1の発達障害または前記第2の発達障害の恐れがより高いかどうかを判定するステップを含む、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記判定するステップは、前記対象が共存症を伴う前記第1の発達障害および前記第2の発達障害の恐れがあるかどうかを判定するステップを含む、項目57、58、および60のいずれか1項に記載の方法。
(項目66)
前記判定するステップは、前記対象が共存症を伴う前記第1の発達障害および前記第2の発達障害の恐れがあるかどうかと、前記対象が前記第2の障害より前記第1の障害の恐れが高いかどうかとを判定するステップを含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目67)
前記方法はさらに、前記複数の質問および前記最も予測に役立つ次の質問を表示するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目68)
前記識別するステップは、前記対象の複数の臨床特性に対応する複数の回答に応答して前記最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目69)
前記複数の回答は、一連の最も予測に役立つ次の質問に対する一連の回答を含む、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記識別するステップは、各残りの質問の推定される予測有用性に応答して、前記複数の残りの尋ねられていない質問の前記最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目71)
各残りの質問の推定される予測有用性は、各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性と前記各可能性として考えられる回答の確率との組み合わせに応答して判定される、項目70に記載の方法。
(項目72)
各残りの質問の推定される予測有用性は、前記各可能性として考えられる回答の確率と組み合わせられた各残りの質問に対する各可能性として考えられる回答の予測有用性を含む積の和を用いて判定される、項目71に記載の方法。
(項目73)
各可能性として考えられる回答の予測有用性は、前記各可能性として考えられる回答に対する発生の確率で乗算される、項目72に記載の方法。
(項目74)
各可能性として考えられる回答の予測有用性は、前記各可能性として考えられる回答と前記第1の発達障害の臨床診断との相関に対応する、項目71に記載の方法。
(項目75)
前記各可能性として考えられる回答の確率は、前記対象の1つまたはそれを上回る臨床特性に対応する前記対象の1つまたはそれを上回る回答に応答して判定される、項目71に記載の方法。
(項目76)
前記識別するステップは、十分な統計を用いて、前記第1の発達障害を最も予測する前記最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目77)
前記十分な統計は、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、一式の線形分類器、ブースティングアルゴリズム、確率的勾配降下法で訓練されたブースティングアルゴリズム、訓練データ加重を含むブースティングアルゴリズム、訓練データ加重の更新を含むブースティングアルゴリズム、または誤分類訓練データをより高い加重で更新することを含むブースティングアルゴリズムのうちの1つまたはそれを上回るものを用いて判定された十分な統計を含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記十分な統計は、1つまたはそれを上回る対象母集団で訓練および妥当性検証された分類器の十分な統計を含む、項目76に記載の方法。
(項目79)
前記識別するステップは、前記対象の複数の臨床特性に対応する複数の回答、複数の残りの質問、および前記十分な統計を用いて判定された前記複数の残りの質問の各質問の情報性に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含む、項目76に記載の方法。
(項目80)
前記最も予測に役立つ次の質問は、前記対象の複数の臨床特性に対応する複数の回答に応答して判定された前記最も予測に役立つ次の質問の情報性または推定される予測有用性のうちの1つまたはそれを上回るものに応答して識別される、項目76に記載の方法。
(項目81)
前記方法はさらに、ロジスティック回帰を用いて判定された確率係数の推定を含む確率論的グラフィカルモデルの出力に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問の情報性を判定するステップを含む、項目76に記載の方法。
(項目82)
前記識別するステップは、複数の臨床上査定された対象母集団に応答して構成される機械学習アルゴリズムの十分な統計を使用して、前記第1の発達障害の恐れがより高いことを最も予測する前記最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目83)
前記識別するステップは、前記2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれに関する前記最も予測に役立つ次の質問の推定される予測有用性に応答して、前記最も予測に役立つ次の質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目84)
前記識別するステップは、バイナリツリー、ランダムフォレスト、決定ツリー、複数の決定ツリー、制御された分散を伴う複数の決定ツリー、多項ロジスティック回帰、単純ベイズ分類器、線形分類器、または一式の線形分類器のうちの1つまたはそれを上回るものを用いて前記次の最も予測に役立つ質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目85)
前記複数の質問は、複数の所定の質問を含む、項目60に記載の方法。
(項目86)
前記複数の質問をディスプレイ上に表示するステップと、前記ディスプレイに結合される入力を介して、前記複数の質問に対する複数の回答を受信するステップと、前記識別された最も予測に役立つ次の質問を前記ディスプレイ上に表示するステップとをさらに含む、項目60に記載の方法。
(項目87)
前記対象によってすでに回答された質問と高共分散を有する質問は、前記最も予測に役立つ次の質問として識別されない、項目60に記載の方法。
(項目88)
前記判定するステップは、少なくとも85%の信頼区間または少なくとも85%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、前記対象を前記発達障害の恐れがあると判定するステップを含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目89)
前記プロセッサは、少なくとも90%の信頼区間または少なくとも90%の感度および特異性のうちの1つまたはそれを上回るものを伴って、前記対象を前記発達障害の恐れがあると判定するように構成される、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
前記方法はさらに、前記対象を前記2つまたはそれを上回る関連発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものと診断するステップを含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目91)
前記方法はさらに、前記対象が前記2つまたはそれを上回る発達障害のそれぞれを有する恐れを判定するステップを含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目92)
前記判定するステップは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の信頼性を伴って、前記対象を前記発達障害の恐れがあると判定するステップを含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目93)
前記判定するステップは、臨床または非臨床設定において、少なくとも80%(パーセント)の感度および少なくとも80%(パーセント)の特異性を伴って、前記対象を前記2つまたはそれを上回る発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものの恐れがあると判定するステップを含む、項目58-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目94)
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害は、精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)IVまたはDSM Vのうちの2つまたはそれを上回る障害を含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目95)
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害は、自閉スペクトラム症、あるレベルの自閉スペクトラム症(ASD)、レベル1のASD、レベル2のASD、レベル3のASD、自閉症(「典型的自閉症」)、アスペルガー症候群(「高機能自閉症」)、広汎性発達障害(PDD「非典型的自閉症」)、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、自閉スペクトラム症に関連する発達障害、限局性学習症(SLD)、強迫性障害(OCD)、社会的コミュニケーション障害、知的障害、学習障害、感覚処理障害、注意欠陥障害(ADD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、発話障害、言語障害、対人コミュニケーション能力の欠如、対人交流能力の欠如、限定的反復的行動(RBB)、限定的反復的興味、限定的反復的活動、全般的発達遅延、または他の行動、知的、もしくは発達遅延のうちの1つまたはそれを上回るものを含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目96)
前記2つまたはそれを上回る関連発達障害は、関連症状を有する複数の障害を含み、前記複数の障害は、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)、ADHD、限局性学習症、OCD、または社会的コミュニケーション障害のうちの1つまたはそれを上回るものの関連症状を有する、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目97)
前記方法はさらに、ローカルプロセッサまたは遠隔サーバのうちの1つまたはそれを上回るもの上に記憶される十分な統計を用いて次の質問を選択するステップを含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目98)
前記識別するステップは、第1に、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別し、第2に、前記第1の障害に関連する前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の複数の回答に応答して、第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目99)
前記識別するステップは、直前の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、前記複数の次の最も予測に役立つ質問のそれぞれを識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目100)
前記識別するステップは、第1の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに識別し、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答を受信するステップと、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して、第2の複数の次の最も予測に役立つ質問をともに識別するステップとを含む、項目60に記載の方法。
(項目101)
前記識別するステップは、第1の障害の第1の複数の次の最も予測に役立つ質問および第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問を識別するステップを含む、項目60に記載の方法。
(項目102)
前記第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問は、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する回答に応答して識別される、項目101に記載の方法。
(項目103)
前記第2の障害の第2の複数の次の最も予測に役立つ質問の次の最も予測に役立つ質問は、前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第1の回答および前記第2の複数の次の最も予測に役立つ質問に対する第2の回答に応答して識別される、項目101に記載の方法。
(項目104)
前記第1の複数の次の最も予測に役立つ質問の各々に対し、前記第1の障害に関連する第1の特徴重要性と、前記第2の複数の次の最も予測に役立つ質問の各々に対し、前記第2の障害に関連する第2の特徴重要性とを判定するステップをさらに含む、項目101に記載の方法。
(項目105)
第1の障害および第2の障害の次の最も予測に役立つ質問を判定するステップをさらに含む、項目57-60のいずれか1項に記載の方法。
(項目106)
前記項目のいずれか1項に記載の装置を提供するステップを含む、方法。
(項目107)
回答されていない質問に対するフィールドは、ある値が提供される、前記項目のいずれか1項に記載の方法または装置。
【0061】
(参照による引用)
本明細書に記載される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的に個々に参照することによって組み込まれるように示される場合と同様に、本明細書に参照することによって組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明の新規特徴は、添付の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、例証的実施形態を記載し、本発明の原理が利用される、以下の発明を実施するための形態と、付随の図とを参照することによって得られるであろう。
【0063】
【
図1A】
図1Aおよび1Bは、本明細書に説明されるような査定手順を使用して評価され得る、いくつかの例示的発達障害を示す。
【
図1B】
図1Aおよび1Bは、本明細書に説明されるような査定手順を使用して評価され得る、いくつかの例示的発達障害を示す。
【0064】
【
図2】
図2は、本明細書に説明されるような査定手順を提供するための例示的データ処理モジュールの概略図である。
【0065】
【
図3】
図3は、ランダムフォレスト分類器に基づく例示的査定モデルの一部を図示する、概略図である。
【0066】
【
図4】
図4は、本明細書に説明されるような予測モジュールの例示的動作フローである。
【0067】
【
図5】
図5は、本明細書に説明されるような特徴推奨モジュールの例示的動作フローである。
【0068】
【
図6】
図6は、本明細書に説明されるような特徴推奨モジュールによって行われるような予期される特徴重要性判定アルゴリズムの例示的動作フローである。
【0069】
【
図7】
図7は、本明細書に説明されるような査定手順を管理する方法を図示する。
【0070】
【
図8】
図8は、本明細書に説明される方法および装置とともに組み込むために好適なコンピュータシステムを示す。
【0071】
【
図9】
図9は、本明細書に説明されるような例示的査定モデルのための受信者動作特性(ROC)曲線マッピング感度対脱落者数を示す。
【0072】
【
図10】
図10は、本明細書に説明されるような特徴推奨モジュールのための性能メトリックを図示する、散布図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
本発明の種々の実施形態が、本明細書に図示および説明されるが、そのような実施形態が一例のみとして提供されていることは、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、採用されてもよいことを理解されたい。本発明の異なる側面は、個々に、集合的に、または相互に組み合わせて認識され得ることを理解されたい。
【0074】
用語「~に基づいて」および「~に応答して」は、本開示では同義的に使用される。
【0075】
用語「プロセッサ」は、ローカルプロセッサ、遠隔プロセッサ、またはプロセッサシステム、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを包含する。
【0076】
用語「特徴」は、対象の発達進度を判定することに関連する特性または属性を説明するために本明細書で使用される。例えば、「特徴」は、1つまたはそれを上回る発達障害に関する対象の臨床評価または診断に関連する、臨床特性(例えば、年齢、ごっこ遊びに従事する対象の能力等)を指し得る。用語「特徴値」は、本明細書では、対応する特徴に関する特定の対象の値を説明するために使用される。例えば、「特徴値」は、1つまたはそれを上回る発達障害に関連する対象の臨床特性(例えば、特徴が「年齢」である場合、特徴値は、3であり得る。特徴が「ごっこ遊びに従事する対象の能力」である場合、特徴値は、「種々のごっこ遊び」または「無ごっこ遊び」であり得る。)を指し得る。
【0077】
本明細書に説明されるのは、対象の発達進度を判定するための方法および装置である。例えば、説明される方法および装置は、1つまたはそれを上回る発達領域において発達上進歩している、もしくは1つまたはそれを上回る認知機能において認知上退歩していると対象を識別する、または発達上退歩している、もしくは1つまたはそれを上回る発達障害を有する恐れがあると対象を識別することができる。開示される方法および装置は、査定モデルに基づいて、対象の複数の特性または特徴を分析することによって、対象の発達進度を判定することができ、査定モデルは、機械学習アプローチを使用して、関連対象母集団の大量のデータセットから生成されることができる。
【0078】
方法および装置は、本明細書では、対象の1つまたはそれを上回る発達障害を識別する文脈において説明されるが、本方法および装置は、対象の任意の発達進度を判定する際に使用するために非常に好適である。例えば、本方法および装置は、対象が進歩される1つまたはそれを上回る発達領域を識別することによって、対象を発達上進歩していると識別するために使用されることができる。1つまたはそれを上回る進歩している発達領域を識別するために、本方法および装置は、例えば、進歩している、または秀でた行動に関連する、対象の1つまたはそれを上回る特徴または特性を査定するように構成されてもよい。説明されるような方法および装置はまた、対象の1つまたはそれを上回る認知機能を評価することによって、1つまたはそれを上回る認知機能において認知上退歩していると対象を識別するために使用されることができる。
【0079】
本明細書に説明されるのは、対象における1つまたはそれを上回る発達障害の恐れを診断または査定するための方法および装置である。本方法は、複数の発達障害または状態のうちの1つまたはそれを上回るものに関して対象をスクリーニングするための査定手順を構築および管理するために利用され得る、データ処理モジュールを提供するステップを含んでもよい。査定手順は、対象の複数の特徴または特性を評価することができ、各特徴は、対象が手順によってスクリーニング可能な複数の発達障害のうちの少なくとも1つを有する尤度に関連し得る。各特徴は、対象が2つまたはそれを上回る関連発達障害を有する尤度に関連し得、2つまたはそれを上回る関連障害は、1つまたはそれを上回る関連症状を有してもよい。特徴は、多くの方法で査定されることができる。例えば、特徴は、本明細書にさらに詳細に説明されるように、質問に対する対象の回答、対象の観察、または対象との構造化された相互作用の結果を介して査定されてもよい。
【0080】
単一スクリーニング手順内で対象の複数の発達障害の中で区別するために、手順は、前に提示される特徴(例えば、前の質問に対する回答)に関する対象の値に基づいて、手順の管理の間、対象において評価される特徴を動的に選択することができる。査定手順は、コンピューティングデバイスによって提供されるユーザインターフェースを用いて、対象または対象の介護者に与えられることができる。コンピューティングデバイスは、ユーザがユーザインターフェースを通してデータ処理モジュールと相互作用することを可能にするためのその上に記憶される命令を有する、プロセッサを備える。査定手順は、対象に実施するために10分未満、例えば、5分またはそれ未満かかり得る。したがって、本明細書に説明される装置および方法は、単一の比較的に短いスクリーニング手順を使用して、対象が複数の発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものを有する恐れの予測を提供することができる。
【0081】
本明細書に開示される方法および装置は、対象の前に識別された特徴に基づいて、対象の特徴に関連する最も関連する次の質問を判定するために使用されることができる。例えば、本方法および装置は、対象に関連する前に回答された質問に応答して、最も関連する次の質問を判定するように構成されることができる。最も予測に役立つ次の質問は、各前の質問が回答された後に識別され、一連の最も予測に役立つ次の質問および対応する一連の回答が、生成されることができる。一連の回答は、対象の回答プロファイルを含んでもよく、最も予測に役立つ次の質問は、対象の回答プロファイルに応答して生成されることができる。
【0082】
本明細書に開示される方法および装置は、例えば、前の回答に応答して最も予測に役立つ次の質問を識別することによって、より少ない質問に応答して、対象をその恐れがあると診断または識別するために使用され得る、前の質問との組み合わせのために非常に好適である。
【0083】
図1Aおよび1Bは、本明細書に説明されるような査定手順を使用して評価され得る、いくつかの例示的発達障害を示す。査定手順は、2つまたはそれを上回る関連発達障害等、対象が1つまたはそれを上回る発達障害を有する恐れを評価するように構成されることができる。発達障害は、対象の症状または特徴において少なくとも一部の重複を有し得る。そのような発達障害は、広汎性発達障害(PDD)、自閉スペクトラム症(ASD)、社会的コミュニケーション障害、限定的反復的行動、興味、および活動(RRB)、自閉症(「典型的自閉症」)、アスペルガー症候群(「高機能自閉症」、特定不能のPDD(PDD-NOS、「非典型的自閉症」)、注意欠如多動性障害(ADHD)、限局性学習症、強迫性障害(OCD)、知的障害、学習障害、または精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)の任意の版に定義された障害等の任意の他の関連発達障害を含んでもよい。査定手順は、対象が複数の障害のそれぞれを有する恐れを判定するように構成されてもよい。査定手順は、複数の障害のうちの第1の障害または第2の障害の恐れがより高いと対象を判定するように構成されてもよい。査定手順は、対象が共存症を伴う第1の障害および第2の障害の恐れがあると判定するように構成されてもよい。査定手順は、対象が正常発達を有する、または手順がスクリーニングするように構成される障害のいずれも有する恐れが低いと予測するように構成されてもよい。査定手順はさらに、障害に関する異なる重症度評定の中で区別するために、高感度および特異性を有するように構成されてもよい。例えば、手順は、対象が、DSM(DSM-V)の第5版に定義されるようなレベル1ASD、レベル2ASD、またはレベル3ASDを有する恐れがあると予測するように構成されてもよい。
【0084】
多くの発達障害は、類似または重複する症状を有し、したがって、対象の発達障害の査定を複雑にし得る。本明細書に説明される査定手順は、1つまたはそれを上回る発達障害に関連し得る、対象の複数の特徴を評価するように構成されることができる。手順は、大量の臨床上妥当性が検証されたデータを使用して訓練され、対象の特徴と1つまたはそれを上回る発達障害の臨床診断との間の統計的関係を学習した査定モデルを備えることができる。したがって、対象が査定手順に参加する際、評価される特徴(例えば、質問に対する対象の回答)毎の対象の特徴値が、査定モデルにクエリされ、該当する場合、対象の特徴値と1つまたはそれを上回るスクリーニングされた発達障害の統計的相関を識別することができる。対象によって提供される特徴値および査定モデルによって判定されるようなそれらの値と予測される1つまたはそれを上回る発達障害の恐れとの間の関係に基づいて、査定手順は、対象において評価されるべき次の特徴の選択を動的に調節することができる。評価されるべき次の特徴の選択は、対象がスクリーニングされている複数の障害のうちの特定の障害の恐れがあることの判定に基づいて、次の最も予測に役立つ特徴の識別を含んでもよい。例えば、対象が、査定手順の最初の5つの質問に回答した後、査定モデルが、対象における自閉症の恐れが低く、ADHDの恐れが比較的により高いと予測する場合、査定手順は、対象において次に評価されるために、ADHDとより高い関連性を伴う特徴を選択してもよい(例えば、その回答がADHDの臨床診断と高い相関がある質問が、次に対象に提示されてもよい)。したがって、本明細書に説明される査定手順は、特定の対象の恐れのプロファイルに動的に調整され、高レベルの粒度を伴って、対象の障害の評価を可能にすることができる。
【0085】
図2は、本明細書に説明されるような査定手順を提供するための例示的データ処理モジュール100の概略図である。データ処理モジュール100は、概して、事前処理モジュール105と、訓練モジュール110と、予測モジュール120とを備える。データ処理モジュールは、訓練データ150をデータベースから抽出する、または新しいデータ155をユーザインターフェース130に取り込むことができる。事前処理モジュールは、1つまたはそれを上回る変換を適用し、訓練モジュールまたは予測モジュールのために訓練データまたは新しいデータを標準化することができる。事前処理された訓練データは、訓練モジュールに渡されることができ、これは、訓練データに基づいて、査定モデル160を構築することができる。訓練モジュールはさらに、妥当性検証モジュール115を備えてもよく、任意の適切な妥当性検証アルゴリズム(例えば、層化k分割交差検証)を使用して、訓練された査定モデルの妥当性を検証するように構成される。事前処理された新しいデータは、予測モジュールに渡されることができ、これは、新しいデータを訓練モジュール内で構築された査定モデルに適合させることによって、対象の発達障害の予測170を出力してもよい。予測モジュールはさらに、対象に関して前に提供された特徴値に基づいて、対象において評価されるべき次の特徴を選択または推奨するように構成される、特徴推奨モジュール125を備えてもよい。
【0086】
査定モデルを構築するために訓練モジュールによって使用される、訓練データ150は、複数の対象からの複数のデータセットを備えることができ、各対象のデータセットは、特徴および対応する特徴値のアレイならびに対象の発達障害または状態の分類を備える。本明細書に説明されるように、特徴は、対象に尋ねられた質問のうちの1つまたはそれを上回るもの、対象の観察、または対象との構造化された相互作用を介して、対象において評価されてもよい。特徴値は、例えば、質問に対する回答のうちの1つまたはそれを上回るもの、ビデオ画像に基づく特性評価等の対象の観察、または構造化された相互作用に対する対象の応答を備えてもよい。各特徴は、1つまたはそれを上回る発達障害または状態の識別に関連してもよく、各対応する特徴値は、具体的対象における特徴の存在の程度を示してもよい。例えば、特徴は、想像上の遊びまたはごっこ遊びに従事する対象の能力であってもよく、特定の対象に関する特徴値は、0、1、2、3、または8のいずれかのスコアであってもよく、各スコアは、対象における特徴の存在の程度に対応する(例えば、0=種々のごっこ遊び;1=ある程度のごっこ遊び;2=時折のごっごまたは高度に反復的ごっこ遊び;3=無ごっこ遊び;8=該当せず)。特徴は、対象または両親等の介護者に提示される質問を介して対象において評価されてもよく、質問に対する回答は、特徴値を備える。代替として、または組み合わせて、特徴は、例えば、ある行動に従事する対象のビデオを用いて、対象において観察されてもよく、特徴値は、観察を通して識別されてもよい。特徴および対応する特徴値のアレイに加え、訓練データ内の各対象のデータセットはまた、対象の分類を備える。例えば、分類は、自閉症、自閉スペクトラム症(ASD)、または非スペクトラムであってもよい。好ましくは、分類は、生成される査定モデルの予測正確度を改良するために、正規臨床心理学者等の有資格人員によって割り当てられた臨床診断を備える。訓練データは、自閉症遺伝資源交換(AGRE)から利用可能な自閉症診断面接(改訂版)(ADI-R)データおよび/または自閉症診断観察スケジュール(ADOS)データまたは任意の他の好適なデータリポジトリから利用可能な任意のデータセット(例えば、ボストン自閉症協会(AC)、サイモンズ財団、米国自閉症研究データベース等)等の大量のデータリポジトリから利用可能なデータセットを備えてもよい。代替として、または組み合わせて、訓練データは、ユーザからクラウドソーシングされ得る(例えば、ウェブサイト、モバイルアプリケーション等を介して)、大量の自己報告データセットを備えてもよい。
【0087】
事前処理モジュール105は、例えば、1つまたはそれを上回る変換を抽出された訓練データに適用し、データを整理および正規化するように構成されることができる。事前処理モジュールは、スプリアスメタデータを含有する、または非常に少ない観察を含有する、特徴を破棄するように構成されることができる。事前処理モジュールはさらに、特徴値のエンコードを標準化するように構成されることができる。異なるデータセットは、多くの場合、データセットのソースに応じて、異なる方法でエンコードされた同一特徴値を有し得る。例えば、「900」、「900.0」、「904」、「904.0」、「-1」、「-1.0」、「None」、および「NaN」は全て、「欠測」特徴値に関してエンコードし得る。事前処理モジュールは、同一特徴値に関するエンコード変形を認識し、データセットを標準化し、所与の特徴値に関する均一エンコードを有するように構成されることができる。事前処理モジュールは、したがって、訓練および予測モジュールのための入力データにおける不規則性を低減させ、それによって、訓練および予測モジュールのロバスト性を改良することができる。
【0088】
データを標準化することに加え、事前処理モジュールはまた、ある特徴値を異なるデータ表現に再エンコードするように構成されることができる。いくつかの事例では、データセット内の特徴値のオリジナルデータ表現は、査定モデルの構築のために理想的ではない場合がある。例えば、対応する特徴値が1~9の整数としてエンコードされるカテゴリ特徴に関して、各整数値は、他の値から独立した異なる意味論コンテンツを有し得る。例えば、「1」の値および「9」の値は両方とも、具体的分類と高度に相関し得る一方、「5」の値は、そうではない。特徴値が整数自体としてエンコードされた特徴値のオリジナルデータ表現は、値が線形モデルで表されるため、各値の一意の意味論コンテンツを捕捉不可能であり得る(例えば、「5」の回答は、特徴が単独で検討されるとき、対象を「1」と「9」との間で公正に捉えるであろう。しかしながら、そのような解釈は、「1」および「9」が所与の分類と高度に相関する一方、「5」がそうではない前述の場合では、正しくないであろう)。各特徴値の意味論コンテンツが査定モデルの構造内で捕捉されることを確実にするために、事前処理モジュールは、例えば、「ワンホット」方式でカテゴリ特徴に対応する特徴値等、ある特徴値を再エンコードするための命令を備えてもよい。「ワンホット」表現では、特徴値は、特徴に関して可能性として考えられる値の数に対応するビットの数である、0または1の値を有するビットのアレイとして表されてもよい。対象に関する特徴値のみが、「1」として表され、全ての他の値は、「0」として表され得る。例えば、対象が、その可能性として考えられる回答が整数1~9を備える質問に対して、「4」と回答した場合、オリジナルデータ表現は、[4]であり得、ワンホット表現は、[000100000]であり得る。特徴値のそのようなワンホット表現は、そのような表現が必要であろう場合、全ての値が他の可能性として考えられる値から独立して検討されることを可能にすることができる。したがって、特徴毎に最も適切なデータ表現を使用して、訓練データを再エンコードすることによって、事前処理モジュールは、訓練データを使用して構築される査定モデルの正確度を改良することができる。
【0089】
事前処理モジュールはさらに、下流モジュールがデータを正しく処理し得るように、任意の欠測データ値を割り振るように構成されることができる。例えば、訓練モジュールに提供される訓練データセットが、質問のうちの1つに対する回答を欠測したデータを備える場合、事前処理モジュールは、データセットが訓練モジュールによって正しく処理され得るように、欠測値を提供することができる。同様に、予測モジュールに提供される新しいデータセットが、1つまたはそれを上回る特徴値を欠測している(例えば、クエリされているデータセットが、尋ねられるべき一連の質問内の第1の質問に対する回答のみを備える)場合、事前処理モジュールは、予測モジュールによるデータセットの正しい処理を可能にするように、欠測値を提供することができる。カテゴリ特徴値(例えば、ある範囲の対象におけるある行動の表出)を有する特徴に関して、欠測値が、必要に応じて、そのように具体的に指定されるデータ表現に提供されることができる。例えば、カテゴリ特徴が、本明細書に説明されるようなワンホット表現でエンコードされる場合、事前処理モジュールは、欠測カテゴリ特徴値を「0」ビットのアレイとしてエンコードし得る。継続特徴値(例えば、対象の年齢)を有する特徴に関して、可能性として考えられる値の全ての平均が、欠測値の代わりに提供されることができる(例えば、4歳)。
【0090】
訓練モジュール110は、例えば、機械学習アルゴリズムまたは他のアルゴリズムを利用して、査定手順において使用されるべき査定モデルを構築および訓練することができる。査定モデルは、訓練データに基づいて、該当する場合、所与の特徴値と査定手順によってスクリーニングされるべき具体的発達障害との間の統計的関係を捕捉するように構築されることができる。査定モデルは、例えば、複数の臨床特性と1つまたはそれを上回る発達障害の臨床診断との間の統計的相関を備えてもよい。所与の特徴値は、査定手順において評価されるべき複数の発達障害のそれぞれを分類するための異なる予測有用性を有してもよい。例えば、想像上の遊びまたはごっこ遊びに従事する対象の能力を備える特徴の前述の実施例では、「3」の特徴値または「種々のごっこ遊び無し」は、自閉症を分類するための高予測有用性を有し得る一方、同一特徴値は、ADHDを分類するための低予測有用性を有し得る。故に、特徴値毎に、査定手順によってスクリーニングされるべき複数の発達障害のそれぞれを予測するための具体的特徴値の確率を説明する、確率分布が、抽出されてもよい。機械学習アルゴリズムが、これらの統計的関係を訓練データから抽出し、1つまたはそれを上回る特徴値を備えるデータセットがモデルに適合されるとき、発達障害の正確な予測をもたらし得る、査定モデルを構築するために使用されることができる。
【0091】
変数減少特徴選択を展開するサポートベクタマシンおよび/またはグラフィカルモデル(両方とも、特徴間の相互作用を推測する利点を有し得る)等の1つまたはそれを上回る機械学習アルゴリズムが、査定モデルを構築するために使用されてもよい。例えば、交代性決定ツリー(ADTree)、決定株、機能ツリー(FT)、ロジスティックモデルツリー(LMT)、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、線形分類器、または当技術分野において公知の任意の機械学習アルゴリズムもしくは統計的アルゴリズム等の機械学習アルゴリズムまたは他の統計的アルゴリズムが、使用されてもよい。1つまたはそれを上回るアルゴリズムは、ともに使用され、アンサンブル法を生成してもよく、アンサンブル法は、ブースティング(例えば、AdaBoost、LPBoost、TotalBoost、BrownBoost、MadaBoost、LogitBoost等)等の機械学習アンサンブルメタアルゴリズムを使用して最適化され、バイアスおよび/または分散を低減させてもよい。いったん査定モデルが、訓練データから導出されると、モデルは、予測ツールとして使用され、対象が1つまたはそれを上回る発達障害を有する恐れを査定してもよい。機械学習分析は、例えば、R、Weka、Python、および/またはMatlab等の当技術分野において公知の多くのプログラミング言語およびプラットフォームのうちの1つまたはそれを上回るものを使用して行われてもよい。
【0092】
概して、複数の決定ツリーを備え、出力予測が個々のツリーの予測される分類の最頻値である、ランダムフォレスト分類器は、訓練データへの過剰適合を低減させる際に有用であり得る。決定ツリーのアンサンブルは、各分裂または決定ノードにおける特徴のランダムサブセットを使用して構築されることができる。ジニ基準が、最良パーティションを選定するために採用されてもよく、最低計算ジニ不純度指数を有する決定ノードが、選択される。予測時、「投票」が、決定ツリーの全てにわたって行われ得、過半数投票数(または予測される分類の最頻値)が、予測される分類として出力されることができる。
【0093】
図3は、ランダムフォレスト分類器に基づく例示的査定モデル160の一部を図示する、概略図である。査定モジュールは、決定ツリー165aおよび165b等の複数の個々の決定ツリー165を備えてもよく、それぞれ、訓練データ内の特徴のランダムサブセットを使用して、独立して生成されることができる。各決定ツリーは、
図3に示される決定ノード166および167等の1つまたはそれを上回る決定ノードを備えてもよく、各決定ノードは、述語条件を規定する。例えば、決定ノード16は、ある個人の所与のデータセットに関して、ADI-R質問#86(異常が最初に明白となったときの年齢)に対する回答が4またはそれ未満である条件を述語とする。決定ノード167は、所与のデータセットに関して、ADI-R質問#52(物の提示および指向性注意)に対する回答が8またはそれ未満である条件を述語とする。各決定ノードにおいて、決定ツリーは、決定ノードに付随する述語条件が真であるかどうかに基づいて分裂され、予測ノード(例えば、166a、166b、167a、167b)につながることができる。各予測ノードは、査定モデルによって評価されている分類または条件のうちの1つまたはそれを上回るものに関する「投票数」を表す、出力値(
図3では「value」)を備えることができる。例えば、
図3に示される予測ノードでは、出力値は、個人が自閉症または非スペクトラムを有すると分類されるための投票数を備える。予測ノードは、1つまたはそれを上回る付加的下流決定ノード(
図3には図示せず)につながることができ、各決定ノードは、対応する出力値を有する対応する予測ノードと関連付けられた決定ツリー内の付加的分裂につながる。ジニ不純度が、情報性特徴を見出すための基準として使用されることができ、それに基づいて、各決定ツリー内の分裂が、構築され得る。
【0094】
査定モデル内でクエリされているデータセットが、「リーフ」またはさらなる下流分裂を伴わない最終予測ノードに到達すると、リーフの出力値は、特定の決定ツリーに関する投票数として出力されることができる。ランダムフォレストモデルは、複数の決定ツリーを備えるため、フォレスト内の全ツリーを横断した最終投票数が、総和され、最終投票数および対象の対応する分類をもたらすことができる。2つのみの決定ツリーが
図3に示されるが、モデルは、任意の数の決定ツリーを備えることができる。多数の決定ツリーは、各個々の決定ツリーの分散を低減させることによって、訓練データへの査定モデルの過剰適合を低減させることに役立ち得る。例えば、査定モデルは、少なくとも約10個の決定ツリー、例えば、少なくとも約100個の個々の決定ツリーまたはそれを上回って備えることができる。
【0095】
一式の線形分類器もまた、本明細書に説明されるような査定モデルの導出のために好適であり得る。各線形分類器は、「切片項」を伴わずに、確率的勾配降下法を用いて個々に訓練されることができる。切片項の欠如は、分類器が任意の有意性を欠測特徴値から導出しないように防止することができる。例えば、対象が、質問に回答せず、したがって、該質問に対応する特徴値が、対象のデータセット内で「0」ビットのアレイとして表される場合、切片項を伴わずに訓練された線形分類器は、任意の有意性を「0」ビットのアレイに起因すると考えないであろう。得られた査定モデルは、それによって、特徴の選択または対象によって回答された質問とモデルによって判定されるような対象の最終分類との間の相関の確立を回避することができる。そのようなアルゴリズムは、特徴または質問ではなく、対象提供特徴値または回答のみが、対象の最終分類に織り込まれることを確実にすることに役立ち得る。
【0096】
訓練モジュールは、特徴選択を備えてもよい。1つまたはそれを上回る特徴選択アルゴリズム(サポートベクタマシン、畳み込みニューラルネットワーク等)が、ある発達障害の有無に関して個人間で区別可能な特徴を選択するために使用されてもよい。特徴の異なるセットが、異なる障害の識別に関連性があるとして選択されてもよい。変数減少アルゴリズムが、他のアルゴリズムとともに使用されてもよい。特徴選択手順は、最適数の特徴の判定を含んでもよい。
【0097】
訓練モジュールは、導出される査定モデルの性能を評価するように構成されてもよい。例えば、データを分類する際のモデルの正確度、感度、および特異性が、評価されることができる。評価は、好適な機械学習アルゴリズムまたはそのパラメータを選択する際の指針として使用されることができる。訓練モジュールは、したがって、導出される査定モデルを更新および/または精緻化し、感度(真陽性率)にわたる特異性(真陰性率)を最大限にすることができる。そのような最適化は、特に、クラス不均衡またはサンプルバイアスが訓練データ内に存在するときに有用であり得る。
【0098】
少なくともいくつかの事例では、利用可能な訓練データは、具体的発達障害があると診断された個人に対して歪曲され得る。そのような事例では、訓練データは、別様に十分な論証が行われない限り、モデルが対象が具体的発達障害の恐れがあると仮定するように、そのサンプルバイアスを反映する査定モデルを生成し得る。そのような特定のサンプルバイアスを組み込む査定モデルは、訓練データ内に存在するものに類似するサンプルバイアスを備え得ない、新しいデータが対象母集団から導かれ得るため、新しいまたは未分類データの予測を生成する際、準理想的性能を有し得る。歪曲された訓練データを使用して査定モデルを構築する際のサンプルバイアスを低減させるために、サンプル加重が、査定モデルを訓練する際に適用されてもよい。サンプル加重は、モデル訓練プロセスの間、具体的サンプルのセットに対して比較的に大きい有意性の程度を与えることを含み得る。例えば、モデル訓練の間、訓練データが、自閉症と診断された個人に対して歪曲される場合、より高い有意性は、自閉症と診断されていない個人からのデータに起因すると考えられ得る(例えば、自閉症と診断された個人からのデータより最大50倍の有意性)。そのようなサンプル加重技法は、訓練データ内に存在するサンプルバイアスを実質的に平衡化し、それによって、実世界におけるデータを分類する際、低減されたバイアスおよび改良された正確度を伴って査定モデルを生成することができる。査定モデルの生成への訓練データサンプルバイアスの寄与をさらに低減させるために、ブースティング技法が、訓練プロセスの間に実装されてもよい。ブースティングは、反復プロセスを備え、1回の訓練反復後、各サンプルデータ点の加重が、更新される。例えば、反復後に誤分類されたサンプルは、より高い有意性で更新されることができる。訓練プロセスは、次いで、訓練データのために更新された加重を用いて繰り返されることができる。
【0099】
訓練モジュールはさらに、訓練データを使用して構築される査定モデルの妥当性を検証するように構成される、妥当性検証モジュール115を備えてもよい。例えば、妥当性検証モジュールは、層化k分割交差検証を実装するように構成されてもよく、kは、訓練データが交差検証のために分裂されるパーティションの数を表す。例えば、kは、査定モデルを訓練データに過剰適合する危険度に応じて、3、4、5、6、7、8、9、または10等の1を上回る任意の整数、もしくは可能性としてより高くあることができる。
【0100】
訓練モジュールは、モデルが、訓練モジュールによる修正のために、または予測モジュール120による予測の生成のために読み出され得るように、訓練された査定モデルをローカルメモリおよび/または遠隔サーバに保存するように構成されてもよい。
【0101】
図4は、本明細書に説明されるような予測モジュール120の方法の例示的動作フロー400である。予測モジュール120は、新しいデータを訓練モジュール内で構築される査定モデルに適合することによって、所与の対象の予測される分類(例えば、発達障害)を生成するように構成されることができる。ステップ405では、予測モジュールは、例えば、本明細書に説明されるように、スプリアスメタデータをドロップし、特徴値の均一エンコードを適用し、異なるデータ表現を使用して選択特徴を再エンコードし、および/または欠測データ点を割り振ることによって、事前処理モジュールによって処理され、データを標準化し得る、新しいデータを受信することができる。新しいデータは、特定の対象に関する特徴および対応する特徴値のアレイを備えることができる。本明細書に説明されるように、特徴は、対象に提示される複数の質問、対象の観察、または対象に割り当てられるタスクを備えてもよい。特徴値は、尋ねられる質問に対する対象の回答または対象の応答等の対象の特性に対応する対象からの入力データを備えてもよい。予測モジュールに提供される新しいデータは、データと関連付けられた既知の分類または診断を有し得る、またはそうではない場合がある。いずれの場合も、予測モジュールは、対象に関する予測される分類を生成する際、任意の事前に割り当てられた分類情報を使用しなくてもよい。新しいデータは、複数の発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものを有する恐れがあると診断または査定された対象に関して事前に収集された完全データセットを備えてもよい。代替として、または組み合わせて、新しいデータは、対象によって提供される各新しい特徴値が査定モデルに対して連続してクエリされるにつれて、完全データセットがリアルタイムで取り込まれ得るように、例えば、本明細書にさらに詳細に説明されるようなユーザインターフェースを用いて、対象または対象の介護者からリアルタイムで収集されるデータを備えてもよい。
【0102】
ステップ410では、予測モジュールは、訓練モジュールによって構築された事前に保存された査定モデルをモデルを記憶するように構成されるローカルメモリおよび/または遠隔サーバからロードすることができる。ステップ415では、新しいデータが、査定モデルに適合され、対象の予測される分類を生成する。ステップ420では、モジュールは、データの適合が、閾値を超える信頼区間内、例えば、90%またはそれを上回る高い信頼区間内、例えば、95%またはそれを上回って、1つまたはそれを上回る具体的障害(例えば、自閉症、ADHD等)の予測を生成し得るかどうかをチェックすることができる。該当する場合、ステップ425に示されるように、予測モジュールは、対象が有する恐れがある1つまたはそれを上回る発達障害を対象の診断または障害として出力することができる。予測モジュールは、対象が設定閾値を超えてその恐れがあると判定される複数の発達障害を出力し、随意に、それを有する恐れの順番で複数の障害を提示してもよい。予測モジュールは、対象が最も有する恐れがあると判定される1つの発達障害を出力してもよい。予測モジュールは、対象が共存症を伴う恐れがあると判定される、2つまたはそれを上回る発達障害を出力してもよい。予測モジュールは、査定モデル内の1つまたはそれを上回る発達障害毎に判定される恐れを出力してもよい。予測モジュールが、指定される閾値またはそれを上回る信頼区間内でデータを任意の具体的発達障害に適合することができない場合、予測モジュールは、ステップ430において、クエリされ得る任意の付加的特徴が存在するかどうかを判定してもよい。新しいデータが以前に収集された完全データセットを備え、対象が任意の付加的特徴値のためにクエリされることができない場合、「無診断」が、ステップ440に示されるように、予測される分類として出力されてもよい。新しいデータが、データセットが予測モジュールに提供される各新しい入力データ値で更新され、各更新されたデータセットが査定モデルに適合されるように、予測プロセスの間、対象または介護者からリアルタイムで収集されるデータを備える場合、予測モジュールは、付加的特徴値のために対象にクエリ可能であってもよい。予測モジュールが、査定モジュール内に含まれる全特徴に関してすでに得られたデータを有する場合、予測モジュールは、ステップ440に示されるように、「無診断」を対象の予測される分類として出力してもよい。ステップ435に示されるように、対象にまだ提示されていない特徴が存在する場合、予測モジュールは、例えば、付加的質問を対象に提示することによって、付加的入力データ値を対象から得てもよい。付加的入力データを含む、更新されたデータセットは、次いで、査定モデルに再び適合されてもよく(ステップ415)、ループは、予測モジュールが出力を生成し得るまで継続してもよい。
【0103】
図5は、非限定的実施例として本明細書に説明されるような特徴推奨モジュール125の例示的動作フロー500である。予測モジュールは、対象に関して前に提供された特徴値に基づいて、対象において評価されるべき次の最も予測に役立つまたは関連特徴を識別、選択、または推奨するように構成される、特徴推奨モジュール125を備えてもよい。例えば、特徴推奨モジュールは、質問推奨モジュールであることができ、モジュールは、前に提示された質問に対する回答に基づいて、対象または介護者に提示されるべき最も予測に役立つ次の質問を選択することができる。特徴推奨モジュールは、特定の対象の発達障害を分類する際に最高予測有用性を有する、1つまたはそれを上回る次の質問または特徴を推奨するように構成されることができる。特徴推奨モジュールは、したがって、予測モジュールが、短縮された査定の長さならびに改良された感度および正確度を伴って、予測を生成することを可能にするように、対象に対する査定手順を動的に調整することに役立ち得る。さらに、特徴推奨モジュールは、対象によって前に提供された特徴値に基づいて特定の対象が有する可能性が最も高い1つまたはそれを上回る具体的発達障害を予測する際、最も関連がある対象に提示されるべき特徴を選択することによって、予測モジュールによって生成される最終予測の特異性を改良することに役立ち得る。
【0104】
ステップ505では、特徴推奨モジュールは、査定手順において対象からすでに得られたデータを入力として受信することができる。入力対象データは、対象によって提供される特徴および対応する特徴値のアレイを備えることができる。ステップ510では、特徴推奨モジュールは、対象、介護者、または臨床医のうちの1人またはそれを上回る人に提示されるべき次の特徴としての推奨のために、「候補特徴」として検討されるべき1つまたはそれを上回る特徴を選択することができる。すでに提示された特徴は、検討されるべき候補特徴群から除外されることができる。随意に、ある基準を満たす付加的特徴もまた、本明細書にさらに詳細に説明されるように、候補特徴群から除外されてもよい。
【0105】
ステップ515では、特徴推奨モジュールは、各候補特徴の「予期される特徴重要性」を評価することができる。候補特徴は、具体的対象に関する具体的発達障害を予測する際の各候補特徴のその「予期される特徴重要性」または推定される有用性に関して評価されることができる。特徴推奨モジュールは、(1)具体的発達障害を予測する際の具体的特徴値の重要性または関連性と、(2)対象が具体的特徴値を提供し得る確率とに基づいて、アルゴリズムを利用してもよい。例えば、ADOS質問B5に対する「3」の回答が、自閉症の分類と高度に相関する場合、本回答は、自閉症を予測するための高有用性を有する特徴値と見なされ得る。当該対象がまた、該質問B5に対して「3」と回答する高確率を有する場合、特徴推奨モジュールは、本質問を高予期特徴重要性を有すると判定することができる。特徴の予期される特徴重要性を判定するために使用され得る、アルゴリズムは、例えば、
図6を参照してさらに詳細に説明される。
【0106】
ステップ520では、特徴推奨モジュールは、ステップ515において判定されるような特徴の予期される特徴重要性に基づいて、次に対象に提示されるべき1つまたはそれを上回る候補特徴を選択することができる。例えば、各候補特徴の予期される特徴重要性は、スコアまたは実数として表されてもよく、これは、次いで、他の候補特徴と比較してランク付けされることができる。所望のランク、例えば、上位10、上位5、上位3、上位2、または最高ランクを有する候補特徴が、次に対象に提示される特徴として選択されてもよい。
【0107】
図6は、本明細書に説明される特徴推奨モジュール125によって行われるような予期される特徴重要性判定アルゴリズム127を判定する方法の例示的動作フロー600である。
【0108】
ステップ605では、アルゴリズムは、具体的発達障害を予測する際、具体的特徴値の重要性または関連性を判定することができる。具体的発達障害を予測する際の具体的特徴値の重要性または関連性は、訓練データを使用して構築される査定モデルから導出されることができる。そのような「特徴値重要性」は、対象の最終分類を判定する際に存在する場合または存在しない場合の所与の特徴値の役割の関連性の程度の測定値として概念化されることができる。例えば、査定モデルが、ランダムフォレスト分類器を備える場合、具体的特徴値の重要性は、その特徴がランダムフォレスト分類器の分岐内に位置付けられる場所の関数であり得る。概して、決定ツリー内の特徴の平均位置が比較的に高い場合、特徴は、比較的に高特徴重要性を有し得る。具体的査定モデルに与えられる特徴値の重要性は、特徴推奨モジュールまたは訓練モジュールのいずれかによって効率的に算出されることができ、訓練モジュールは、算出された統計を特徴推奨モジュールに渡してもよい。代替として、具体的特徴値の重要性は、該特徴値が対象によって提供される場合に生じるであろう、実際の予測信頼性の関数であることができる。所与の候補特徴に関して可能性として考えられる特徴値毎に、特徴推奨モジュールは、対象の前に提供された特徴値および現在仮定される特徴値に基づいて、1つまたはそれを上回る発達障害を予測するための実際の予測信頼性を計算するように構成されることができる。
【0109】
各特徴値は、査定手順がスクリーニングするように設計される発達障害毎に、異なる重要性を有し得る。故に、各特徴値の重要性は、評価されている複数の発達障害毎に正確な予測をもたらす特徴値の確率を記述する、確率分布として表されてもよい。
【0110】
ステップ610では、特徴推奨モジュールは、対象が提供した各特徴値の確率を判定することができる。対象が具体的特徴値を提供し得る確率は、任意の適切な統計的モデルを使用して算出されることができる。例えば、大規模な確率論的グラフィカルモデルが、以下等の方程式の値を見出すために使用されることができる。
確率(E=1|A=1,B=2,C=1)
式中、A、B、およびCは、予測モジュール内の異なる特徴または質問を表し、整数1および2は、特徴に関する異なる可能性として考えられる特徴値(または質問に対する可能性として考えられる回答)を表す。対象が具体的特徴値を提供する確率が、次いで、以下等の方程式を用いて、ベイズの定理を使用して算出されてもよい。
確率(E=1|A=1,B=2,C=1)=確率(E=1,A=1,B=2,C=1)/確率(A=1,B=2,C=1)
そのような方程式は、算出時間および要求される処理資源の両方の観点から、算出上高価であり得る。ベイズの定理を使用して確率を明示的に算出することの代替として、またはそれと組み合わせて、ロジスティック回帰または他の統計的推定量が、使用されてもよく、確率は、機械学習アルゴリズムから導出されるパラメータを使用して推定される。例えば、以下の方程式が、対象が具体的特徴値を提供し得る確率を推定するために使用されてもよい。
【数1】
式中、a1、a2、a3、およびa4は、訓練された査定モデルから判定され、本方程式を最大限に正しくすることを試みるように最適化アルゴリズムを使用して学習された定数係数であって、sigmoidは、本方程式が確率に変換されることを可能にする非線形関数である。そのようなアルゴリズムは、訓練が迅速であり得、結果として生じる方程式は、適用の際、例えば、査定手順の管理の間、迅速に算出され得る。4つの係数を参照するが、有用である数の係数が、当業者に認識されるであろうように、使用されてもよい。
【0111】
ステップ615では、各特徴値の予期される重要性が、ステップ605および610において計算されたメトリックの組み合わせに基づいて判定されることができる。これらの2つの要因に基づいて、特徴推奨モジュールは、具体的発達障害を予測する際、具体的特徴値の予期される有用性を判定することができる。本明細書では、乗算を介して予期される重要性の判定が行われるように参照されるが、予期される重要性は、例えば、ルックアップテーブル、論理、または除算等を用いて、多くの方法において係数およびパラメータを組み合わせることによって判定されることができる。
【0112】
ステップ620では、ステップ605-615が、候補特徴毎の全ての可能性として考えられる特徴値に関して繰り返されることができる。例えば、特定の質問が、4つの可能性として考えられる回答を有する場合、4つの可能性として考えられる回答のそれぞれの予期される重要性が、判定される。
【0113】
ステップ625では、各候補特徴の総合的な予期される重要性または予期される特徴重要性が、判定されることができる。各特徴の予期される特徴重要性は、ステップ620において判定されるような特徴に関する全ての可能性として考えられる特徴値の特徴値重要性を総和することによって判定されることができる。したがって、所与の特徴に関する全ての可能性として考えられる特徴値を横断して予期される有用性を総和することによって、特徴推奨モジュールは、前の回答に応答して具体的発達障害を予測するための特徴の総合的な予期される特徴重要性を判定することができる。
【0114】
ステップ630では、ステップ605-625が、特徴推奨モジュールによって検討されている全ての候補特徴に関して繰り返されることができる。候補特徴は、質問等の可能性として考えられる特徴のサブセットを備えてもよい。したがって、全ての候補特徴に関する予期される特徴重要性スコアが、生成されることができ、候補特徴は、最高から最低の予期される特徴重要性の順序でランク付けされることができる。
【0115】
随意に、ステップ605および610において判定される2つの要因に加え、第3の要因もまた、各特徴値の重要性を判定する際に考慮されてもよい。対象の前に提供された特徴値に基づいて、複数の発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものを有する対象の確率が、判定されることができる。そのような確率は、対象によって提供される特徴値に基づいて対象が複数のスクリーニングされる発達障害のそれぞれを有する確率を示す査定モデル内に記憶される確率分布に基づいて、判定されることができる。対象に提示されるべき次の特徴を選択する際、アルゴリズムは、より重い加重を当該対象が有する確率が最も高い1つまたはそれを上回る発達障害を予測するために最も重要または関連する特徴値に与えるように構成されてもよい。例えば、対象の前に提供された特徴値が、対象が評価されている他の発達障害のいずれかよりも知的障害または限局性学習症のいずれかを有する確率が高いことを示す場合、特徴推奨モジュールは、自閉症、ADHD、または査定がスクリーニングするために設計されている任意の他の発達障害を予測するための高重要性を有する特徴ではなく、知的障害または限局性学習症のいずれかを予測するための高重要性を有する特徴値に有利に働き得る。特徴推奨モジュールは、したがって、予測モジュールが、予測プロセスを当該対象に対して調整し、対象の潜在的発達障害に関連するより多くの特徴を提示し、より高い粒度および信頼性を伴って最終分類をもたらすことを可能にすることができる。
【0116】
前述のステップは、予期される特徴重要性判定アルゴリズム127の例示的動作フロー600を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序で完了されてもよい。ステップは、追加または削除されてもよい。ステップのうちのいくつかは、他のステップのサブステップを備えてもよい。ステップの多くは、ユーザの所望に応じた回数だけ繰り返されてもよい。
【0117】
特徴推奨モジュールの例示的実装が、ここで説明される。対象Xは、査定手順において、質問(特徴)A、B、およびCに対して回答(特徴値)を提供した。
対象X={‘A’:1,‘B’:2,‘C’:1}
特徴推奨モジュールは、質問Dまたは質問Eが、予測に役立つ信頼性を最大限に増加させるために、次に提示されるべきかどうかを判定することができ、それを用いて、最終分類または診断に到達することができる。対象Xの前の回答を前提として、特徴推奨モジュールは、対象Xが質問DおよびEのそれぞれに対して提供する各可能性として考えられる回答の確率を以下のように判定する。
確率(E=1|A=1,B=2,C=1)=0.1
確率(E=2|A=1,B=2,C=1)=0.9
確率(D=1|A=1,B=2,C=1)=0.7
確率(D=2|A=1,B=2,C=1)=0.3
質問DおよびEのそれぞれに対する各可能性として考えられる回答の特徴重要性が、説明されるような査定モデルに基づいて算出されることができる。代替として、質問DおよびEのそれぞれに対する各可能性として考えられる回答の特徴重要性は、対象が具体的回答を与える場合に生じるであろう、実際の予測信頼性として算出されることができる。各回答の重要性は、任意の適切な数値スケール上の値の範囲を使用して表されることができる。例えば、以下である。
重要性(E=1)=1
重要性(E=2)=3
重要性(D=1)=2
重要性(D=2)=4
算出された確率および特徴値重要性に基づいて、特徴推奨モジュールは、各質問の予期される特徴重要性を以下のように算出することができる。
期待値[重要性(E)]=(確率(E=1|A=1,B=2,C=1)*重要性(E=1)
+(確率(E=2|A=1,B=2,C=1)*重要性(E=2)
=0.1*1+0.9*3
=2.8
期待値[重要性(D)]=(確率(D=1|A=1,B=2,C=1)*重要性(D=1)
+(確率(D=2|A=1,B=2,C=1)*重要性(D=2)
=0.7*2+0.3*4
=2.6
故に、質問Eの回答からの予期される特徴重要性(関連性とも称される)は、質問Dが、概して、その回答に関するより高い特徴重要性を有するにもかかわらず、質問Dのものより高く判定される。特徴推奨モジュールは、したがって、質問Eを対象Xに提示されるべき次の質問として選択することができる。
【0118】
対象に提示されるべき次の最良特徴を選択するとき、特徴推奨モジュール125はさらに、候補特徴がすでに対象に提示された特徴と高共分散を有する場合、1つまたはそれを上回る候補特徴を検討から除外するように構成されてもよい。異なる特徴の共分散が、訓練データに基づいて判定されてもよく、訓練モジュールによって構築される査定モデル内に記憶されてもよい。候補特徴が前に提示された特徴と高共分散を有する場合、候補特徴は、比較的に少ない付加的予測有用性を追加し得、故に、査定手順の効率を最適化するために、対象への将来的提示から省略され得る。
【0119】
予測モジュール120は、ユーザインターフェース130を用いて、査定手順に参加する人物(例えば、対象または対象の介護者)と相互作用してもよい。ユーザインターフェースは、パーソナルコンピュータ、タブレット、またはスマートフォン等、ユーザが予測モジュールにアクセスすることを可能にし得る、任意のコンピューティングデバイスのディスプレイ等のユーザインターフェースを提供されてもよい。コンピューティングデバイスは、例えば、モバイルアプリケーションの形態でユーザインターフェースを提供するための命令を備える、プロセッサを備えてもよい。ユーザインターフェースは、予測モジュールからの命令をユーザに表示する、および/またはコンピューティングデバイスによって提供される入力方法を用いて、入力をユーザから受信するように構成されることができる。したがって、ユーザは、例えば、予測モジュールによって提示される質問(特徴)に応答して回答(特徴値)を提供することによって、ユーザインターフェースを用いて予測モジュールと相互作用することによって、本明細書に説明されるような査定手順に参加することができる。ユーザインターフェースは、ユーザが一度に1つの質問に回答し、予測モジュールが、特徴推奨モジュールによって行われる推奨に基づいて、尋ねるべき次の最良質問を選択し得るように、査定手順をリアルタイムで管理するように構成されてもよい。代替として、または組み合わせて、ユーザインターフェースは、例えば、ユーザが特徴のセットに対応する特徴値の完全セットをアップロードすることを可能にすることによって、新しいデータの完全セットをユーザから受信するように構成されてもよい。
【0120】
本明細書に説明されるように、1つまたはそれを上回る発達障害を識別することに関連する着目特徴は、多くの方法で対象において評価されてもよい。例えば、対象または介護者もしくは臨床医が、着目特徴が対象に存在する程度を査定するように設計された一連の質問を尋ねられてもよい。提供される回答は、したがって、対象の対応する特徴値を表すことができる。ユーザインターフェースは、本明細書に説明されるように候補質問のセットから動的に選択され得る、一連の質問を対象(または対象の代わりに査定手順に参加する任意の人物)に提示するように構成されてもよい。そのような質問および回答ベースの査定手順は、機械によって全体的に管理されることができ、故に、対象の発達障害の非常に迅速な予測を提供することができる。
【0121】
代替として、または組み合わせて、対象における着目特徴は、対象の行動の観察を用いて、例えば、対象のビデオを用いて、評価されてもよい。ユーザインターフェースは、対象または対象の介護者が、対象の1つまたはそれを上回るビデオを記録またはアップロードすることを可能にするように構成されてもよい。ビデオ映像が、続いて、有資格人員によって、着目特徴に関する対象の特徴値を判定するために分析されてもよい。代替として、または組み合わせて、特徴値の判定のためのビデオ分析は、機械によって行われてもよい。例えば、ビデオ分析は、物体(例えば、対象、対象の空間位置、顔、眼、口、手、四肢、指、つま先、足等)を検出した後、物体の移動の追跡が続いてもよい。ビデオ分析は、対象の性別および/または対象の発話言語の熟練度を推測してもよい。ビデオ分析は、顔全体または鼻、眼、唇、および口等の顔上の具体的目印を識別し、顔の表情を推測し、これらの表情を経時的に追跡してもよい。ビデオ分析は、眼、四肢、指、つま先、手、足を検出し、その動きを経時的に追跡し、行動を推測してもよい。ある場合には、分析はさらに、行動の意図を推測してもよく、例えば、子供は、雑音または大音量の音楽に憤慨する、自傷行動に従事する、別の人物の動作を模倣する等が挙げられる。ビデオファイル内に記録される音および/または音声もまた、分析されてもよい。分析は、対象の行動の文脈を推測してもよい。音/音声分析は、対象の感情を推測してもよい。人間および/または機械によって行われる対象のビデオの分析は、着目特徴に関する特徴値をもたらし得、これは、次いで、予測モジュールへの入力のために適切にエンコードされることができる。対象の発達障害の予測が、次いで、訓練データを使用して構築される査定モデルへの対象の特徴値の適合に基づいて生成され得る。
【0122】
代替として、または組み合わせて、対象における着目特徴は、対象との構造化された相互作用を通して評価されてもよい。例えば、対象は、コンピュータゲーム等のゲームをプレーするように求められてもよく、ゲーム上の対象の成績が、対象の1つまたはそれを上回る特徴を評価するために使用されてもよい。対象は、1つまたはそれを上回る刺激(例えば、ディスプレイを介して対象に提示される視覚的刺激)を提示されてもよく、刺激に対する対象の応答が、対象の特徴を評価するために使用されてもよい。対象は、あるタスクを行うように求められてもよく(例えば、対象は、その指を用いて泡を弾くように求められてもよい)、要求に対する対象の応答または要求されたタスクを実施するための対象の能力が、対象の特徴を評価するために使用されてもよい。
【0123】
本明細書に説明される方法および装置は、次の最も予測に役立つまたは関連質問を判定するために、多くの方法で構成されることができる。本明細書に説明されるようなソフトウェア命令の少なくとも一部は、ユーザインターフェースを提供し、質問を提示し、質問に対する回答を受信するように、ローカルデバイス上でローカルに起動するように構成されることができる。ローカルデバイスは、最も予測に役立つ次の質問に関して遠隔サーバにクエリするために、アプリケーションプログラムインターフェース(API)のソフトウェア命令で構成されることができる。APIは、例えば、本明細書に説明されるように、特徴重要性に基づいて、識別された質問を返すことができる。代替として、または組み合わせて、ローカルプロセッサは、前の回答に応答して、最も予測に役立つ次の質問を判定するための命令で構成されることができる。例えば、予測モジュール120は、遠隔サーバのソフトウェア命令、またはローカルプロセッサのソフトウェア命令、およびそれらの組み合わせを備えてもよい。代替として、または組み合わせて、特徴推奨モジュール125は、例えば、最も予測に役立つ次の質問を判定するように構成される、遠隔サーバのソフトウェア命令、またはローカルプロセッサのソフトウェア命令、およびそれらの組み合わせを備えてもよい。本明細書に説明される特徴推奨モジュール125によって行われるような予期される特徴重要性判定アルゴリズム127を判定する方法の例示的動作フロー600は、例えば、本明細書に説明されるように、1つまたはそれを上回るプロセッサを用いて行われることができる。
【0124】
図7は、本明細書に説明されるような査定手順を管理する方法700を図示する。方法700は、コンピューティングデバイス上に提供されるユーザインターフェースを用いて行われてもよく、コンピューティングデバイスは、ディスプレイと、ディスプレイ上に提供される命令に応答してユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースとを備える。査定手順に参加するユーザは、対象自体または対象の介護者等の対象の代わりに手順に参加する別の人物であってもよい。ステップ705では、N番目の特徴に関連するN番目の質問が、ディスプレイを用いてユーザに提示されることができる。ステップ710では、対応するN番目の特徴値を含有する対象の回答が、受信され得る。ステップ715では、当該対象に関するデータセットは、対象に関して提供されたN番目の特徴値を含むように更新されることができる。ステップ720では、更新されたデータセットは、査定モデルに適合され、予測される分類を生成することができる。ステップ720は、本明細書に説明されるように、予測モジュールによって行われてもよい。ステップ725では、データの適合が、十分な信頼性(例えば、少なくとも90%信頼区間以内)を伴って、具体的発達障害(例えば、自閉症、ADHD等)の予測を生成し得るかどうかを判定するために、チェックが行われ得る。該当する場合、ステップ730に示されるように、予測される発達障害が、ユーザに表示されることができる。該当しない場合、ステップ735では、クエリされ得る任意の付加的特徴が存在するかどうかを判定するために、チェックが行われ得る。該当する場合、ステップ740に示されるように、特徴推奨モジュールは、ユーザに提示されるべき次の特徴を選択してもよく、ステップ705-725は、最終予測(例えば、具体的発達障害または「無診断」)が対象に表示され得るまで、繰り返されてもよい。付加的特徴が対象に提示され得ない場合、「無診断」が、ステップ745に示されるように、対象に表示されてもよい。
【0125】
前述のステップは、査定手順を管理する例示的方法700を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序で完了されてもよい。ステップは、追加または削除されてもよい。ステップのうちのいくつかは、他のステップのサブステップを備えてもよい。ステップの多くは、ユーザの所望の回数だけ繰り返されてもよい。
【0126】
本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムされる、コンピュータ制御システムを提供する。
図8は、本明細書に説明される方法および装置とともに組み込むために好適なコンピュータシステム801を示す。コンピュータシステム801は、例えば、質問および回答、応答、統計的分析等の本開示の情報の種々の側面を処理することができる。コンピュータシステム801は、ユーザの電子デバイスまたは電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムであることができる。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであることができる。
【0127】
コンピュータシステム801は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、もしくは並列処理用の複数のプロセッサであり得る、中央処理装置(CPU、本明細書ではまた、「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)805を含む。コンピュータシステム801はまた、メモリまたはメモリ場所810(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット815(例えば、ハードディスク)、1つまたはそれを上回る他のシステムと通信するための通信インターフェース820(例えば、ネットワークアダプタ)、ならびにキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス825を含む。メモリ810、記憶ユニット815、インターフェース820、および周辺デバイス825は、マザーボード等の通信バス(実線)を通してCPU805と通信してもよい。記憶ユニット815は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム801は、通信インターフェース820の助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)830に動作可能に連結することができる。ネットワーク830は、インターネット、インターネットおよび/またはエクストラネット、もしくはインターネットと通信しているイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。ネットワーク830は、場合によっては、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク830は、クラウドコンピューティング等の分散コンピューティングを可能にすることができる、1つまたはそれを上回るコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク830は、場合によっては、コンピュータシステム801の助けを借りて、コンピュータシステム801に連結されたデバイスがクライアントまたはサーバとして行動することを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0128】
CPU805は、プログラムまたはソフトウェアで具現化することができる、一連の機械可読命令を実行することができる。命令は、メモリ810等のメモリ場所に記憶されてもよい。命令は、後に、本開示の方法を実装するようにCPU805をプログラムするか、または別様に構成することができる、CPU805に指向することができる。CPU805によって行われる動作の実施例は、フェッチ、復号、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0129】
CPU805は、集積回路等の回路の一部であり得る。システム801の1つまたはそれを上回る他の構成要素を、回路に含むことができる。場合によっては、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0130】
記憶ユニット815は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラム等のファイルを記憶することができる。記憶ユニット815は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選好およびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム801は、場合によっては、イントラネットまたはインターネットを通してコンピュータシステム801と通信している遠隔サーバ上に位置するもの等、コンピュータシステム801の外部にある1つまたはそれを上回る付加的なデータ記憶ユニットを含むことができる。
【0131】
コンピュータシステム801は、ネットワーク830を通して1つまたはそれを上回る遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム1101は、ユーザ(例えば、両親)の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。遠隔コンピュータシステムおよびモバイル通信デバイスの実施例は、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(R)iPad(登録商標)、Samsung(R)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(R)iPhone(登録商標)、Android対応デバイス、Blackberry(R))、または携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク830を用いてコンピュータシステム801にアクセスすることができる。
【0132】
本明細書で説明される方法は、例えば、メモリ810または電子記憶ユニット815上等のコンピュータシステム801の電子記憶場所上に記憶された、機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを介して実装することができる。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態で提供することができる。使用中に、コードは、プロセッサ805によって実行することができる。場合によっては、コードは、記憶ユニット815から取り出し、プロセッサ805による容易なアクセスのためにメモリ810上に記憶することができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット815を排除することができ、機械実行可能命令がメモリ810上に記憶される。
【0133】
コードは、コードを実行するように適合されるプロセッサを有する機械とともに使用するために事前にコンパイルして構成することができるか、または実行時間中にコンパイルすることができる。コードは、事前コンパイルされた、またはコンパイルされた時点の様式で、コードが実行されることを可能にするように選択することができる、プログラミング言語で供給することができる。
【0134】
コンピュータシステム801等の本明細書で提供されるシステムおよび方法の側面は、プログラミングで具現化することができる。本技術の種々の側面は、典型的には、一種の機械可読媒体上で搬送されるか、またはその中で具現化される、機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連データの形態の「製品」もしくは「製造品」と考えられてもよい。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスク等の電子記憶ユニット上に記憶することができる。「記憶」型媒体は、ソフトウェアプログラミングのためにいかなる時でも非一過性の記憶装置を提供し得る、コンピュータ、プロセッサ、または同等物の有形メモリ、もしくは種々の半導体メモリ、テープドライブ、ハードドライブ、および同等物等のそれらの関連モジュールのうちのいずれかまたは全てを含むことができる。ソフトウェアの全てまたは部分は、時として、インターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを通して伝達されてもよい。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへ、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を持ち得る別の種類の媒体は、ローカルデバイス間の物理的インターフェースを横断し、有線および光学地上通信線ネットワークを通し、および種々のエアリンクを経由して使用されるような光波、電波、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光学リンク、もしくは同等物等のそのような波動を搬送する物理的要素もまた、ソフトウェアを持つ媒体と見なされてもよい。本明細書で使用されるように、非一過性の有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のために命令をプロセッサに提供することに参加する任意の媒体を指す。
【0135】
したがって、コンピュータ実行可能コード等の機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含むが、それらに限定されない、多くの形態を成してもよい。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベース等を実装するために使用されるような、任意のコンピュータまたは同等物の中の記憶デバイスのうちのいずれか等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリ等のダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブル、すなわち、コンピュータシステム内のバスを備えるワイヤを含む、銅線および光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、電気または電磁信号、もしくは高周波(RF)および赤外線(IR)データ伝送中に生成されるもの等の音波または光波の形態を成してもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンを伴う任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を輸送する搬送波、そのような搬送波を輸送するケーブルまたはリンク、もしくはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行するために1つまたはそれを上回る命令の1つまたはそれを上回るシーケンスをプロセッサに搬送することに関与し得る。
【0136】
コンピュータシステム801は、例えば、質問および回答、分析結果、推奨を提供するためのユーザインターフェース(UI)840を備える、電子ディスプレイ835を含むか、またはそれと通信することができる。UIの実施例は、限定ではないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0137】
本開示の方法およびシステムは、1つまたはそれを上回るアルゴリズムを介して、かつ本明細書に開示されるような1つまたはそれを上回るプロセッサを用いて提供される命令で実装されることができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット805による実行に応じて、ソフトウェアを介して実装されることができる。アルゴリズムは、例えば、ランダムフォレスト、グラフィカルモデル、サポートベクタマシン、またはその他であることができる。
【0138】
前述のステップは、ある実施例に従ってシステムの方法を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序で完了されてもよい。ステップは、追加または削除されてもよい。ステップのうちのいくつかは、サブステップを備えてもよい。ステップの多くは、プラットフォームに有益である回数だけ繰り返されてもよい。
【0139】
本明細書に説明されるような実施例はそれぞれ、1つまたはそれを上回る他の実施例と組み合わせられることができる。さらに、1つまたはそれを上回る実施例の1つもしくはそれを上回る構成要素は、他の実施例と組み合わせられることができる。
【0140】
実験データ
【0141】
本明細書に説明されるようなデータ処理モジュールが、Python 2.7, Anaconda Distribution上に構築された。査定モデルを構築および訓練するために使用される訓練データは、ADI-RおよびADOSデータを両親および子供からその自宅で収集するために家庭内査定を行った、自閉症遺伝資源交換(AGRE)によって生成されたデータを含んだ。ADI-Rは、合計93個の質問を提示する両親面接を備え、自閉症または無自閉症の診断をもたす。ADOSは、自閉症、ASD、または無診断の診断をもたらす、子供の半構造化された面接を備え、子供は、言語レベルに基づいて、4つの可能性として考えられるモジュールのうちの1つが与えられ、各モジュールは、約30個の質問を備える。データは、査定から導出された子供の臨床診断を含んだ。単独の子供が、矛盾するADI-R対ADOS診断を有した場合、正規臨床心理学者が、質問における子供に関するデータセットに対して協議診断を割り当てた。訓練データは、合計3,449個のデータ点を含み、3,315例の症例(自閉症またはASD)および134例の対照(非スペクトラム)を用いた。訓練データにおいて評価される特徴は、3つの重要となる領域、すなわち、言語、社会的コミュニケーション、および反復行動を標的とした。
【0142】
ブースティングランダムフォレスト分類器が、本明細書に説明されるような査定モデルを構築するために使用された。査定モデルを訓練データ上で訓練することに先立って、訓練データは、本明細書に説明されるように、事前処理され、データを標準化し、ワンホット表現でカテゴリ特徴を再エンコードした。訓練データは、自閉症またはASDを有する個人に対して歪曲されていたため、サンプル加重が、自閉症/ASD個人からのデータと比較して非スペクトラム個人からのデータに最大50倍高い有意性に起因すると考えられるように適用された。査定モデルが、ブースティングを用いて反復的に訓練され、各反復後、データ点の加重を更新し、誤分類されたデータ点に起因すると考えられる有意性を増加させ、更新された有意性を用いて再訓練した。
【0143】
訓練されたモデルは、k=5を伴う層化k分割交差検証を使用して妥当性が検証された。交差検証は、約93~96%の正確度をもたらし、正確度は、バイナリ分類タスク(自閉症/非スペクトラム)内のモデルを使用して正しく分類された対象のパーセンテージとして定義された。訓練データがサンプルバイアスを含有していたため、混同行列が、計算され、モデルが一方のクラス(自閉症または非スペクトラム)と別のクラスを混同した頻度を判定した。正しく分類された自閉症個人のパーセンテージは、約95%であった一方、正しく分類された非スペクトラム個人のパーセンテージは、約76%であった。しかしながら、モデルは、一方のクラス対別のクラスにより近似して適合するように調節され得、その場合、クラス毎の正しい分類のパーセンテージは、変化し得ることに留意されたい。
図9は、本明細書に説明されるような例示的査定モデルに関する受信者動作特性(ROC)曲線マッピング感度対脱落者数を示す。自閉症の診断に関する真陽性率(感度)は、x-軸上にマップされた診断に関する偽陽性率(脱落者数)の関数として、y-軸上にマップされる。「層#0」、「層#1」、および「層#2」と標識された3つの曲線はそれぞれ、交差検証手順の異なる「層」に対応し、各層に関して、訓練データの一部が、データセットを「自閉症」として分類するために必要な予測信頼性閾値を変動させながら、査定モデルに適合された。所望に応じて、または必要に応じて、モデルは、モデルのROC曲線に従って、脱落者数のある程度の増加と引き換えに感度を増加させる、または脱落者数の減少の代わりに、感度を低下させるように調節されてもよい。
【0144】
特徴推奨モジュールが、本明細書に説明されるように構成され、各質問の予期される特徴重要性が、算出され、候補質問が、アプリケーションプログラムインターフェース(API)を用いたサーバへの呼出を用いて算出された重要性の順序でランク付けされた。情報性質問を推奨するための特徴推奨モジュールの能力が、質問の推奨スコアと推奨される質問への回答から得られた予測正確度の増加との間の相関を判定することによって評価された。以下のステップが、相関メトリックを算出するために行われた。(1)データが、交差検証のために層に分裂された。(2)すでに回答された質問が、妥当性検証セットからランダムに除去された。(3)予期される特徴重要性(質問推奨/スコア)が、質問毎に生成された。(4)ステップ2において除去された質問のうちの1つが、現れ、後続予測正確度における相対的改良が、測定された。(5)相対的改良と予期される特徴重要性との間の相関が、算出された。計算されたピアソン相関係数が、0.2~0.3に及び、予期される特徴重要性スコアと相対的改良との間の中程度の相関度を示した。
図10は、質問毎の予期される特徴重要性(「予期される情報性スコア」)と相対的改良(「相対的分類改良」)との間の相関を示す、散布図である。プロットは、2つの変数間の中程度の線形関係を示し、特徴推奨モジュールが、実際、予測正確度を増加させるであろう質問を推奨可能であることを実証する。
【0145】
開発された予測モジュールおよび特徴推奨モデルを使用して出力を生成するための時間の長さが、測定された。予測モジュールは、ある個人の自閉症の恐れの予測を行うために約46msかかった。特徴推奨モジュールは、ある個人に関する質問推奨を生成するために約41msかかった。これらの測定は、APIを通してサーバへの呼出を用いて行われたが、算出は、例えば、ローカルで行われることもできる。
【0146】
図9-10に関して説明されるデータ処理モジュールの査定モデルは、対象を自閉症を有する、または自閉症を有していないと分類するように構築および訓練されたが、類似アプローチは、対象が本明細書に説明されるような複数の発達障害のうちの1つまたはそれを上回るものを有すると分類することができるように査定モデルを構築するために使用されてもよい。
【0147】
当業者は、過度の実験を伴わずに、付加的データセットを生成および得て、本明細書に開示される方法および装置の感度および特異性ならびに信頼区間を改良し、改良された結果を得ることができる。これらの測定は、例示的データセットを用いて行われたが、本方法および装置は、過度の実験を伴わずに、本明細書に説明されるような付加的データセットで構成され、対象は、臨床環境において、80%の信頼区間を伴って、その恐れがあると識別されることができる。臨床環境における80%またはそれを上回る感度および特異性は、過度の実験を伴わずに、当業者によって提供される本明細書の教示を用いて、例えば、付加的データセットを用いて、同様に得られることができる。
【0148】
付加的データセットは、自閉症遺伝資源交換(AGRE)、ボストン自閉症協会(AC)、サイモンズ財団、米国自閉症研究データベース、および同等物等、本明細書に説明されるような大規模なアーカイブデータリポジトリから得られてもよい。代替として、または組み合わせて、付加的データセットは、種々のシミュレーションアルゴリズムを使用してアーカイブデータに基づいて生成される、数学的にシミュレートされたデータを備えてもよい。代替として、または組み合わせて、付加的データセットは、対象が本明細書に説明されるような査定手順を自己実施し、その査定からのデータを寄与する、クラウドソーシングを介して得られてもよい。自己実施された査定からのデータに加え、対象はまた、査定手順のための比較の標準を提供するように、有資格臨床医から得られる臨床診断を提供してもよい。
【0149】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書で説明される本発明の実施形態の種々の代替案が、本発明を実践する際に採用されてもよいことを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、それにより、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法ならびに構造が網羅されることが意図される。