(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】コード変換方法
(51)【国際特許分類】
H03M 7/16 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
H03M7/16
(21)【出願番号】P 2021185047
(22)【出願日】2021-11-12
(62)【分割の表示】P 2017222727の分割
【原出願日】2017-11-20
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】藤 耕一郎
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-147112(JP,A)
【文献】特開2012-063344(JP,A)
【文献】特開昭64-075990(JP,A)
【文献】国際公開第2008/086237(WO,A2)
【文献】M. C. ER,On generating the N-ary Reflected Gray Codes,IEEE Transactions on Computers,1984年,Vol. C-33, No. 8,pp.739-741
【文献】K. Jaya Sankar et al.,Generalized Gray Codes,Proceedings of 2004 International Symposium on Intelligent Signal Processing and Communication Systems (ISPACS 2004),2004年,pp.654-659
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3進数と2値変化が発生しない3進グレイコード
とを変換するコード変換方法において、
変換元の下位桁から順に変換対象の桁を設定し、
前記変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が、0
乃至は偶数の場合、あるいは奇
数且つ前記変換対象の桁の数値が1の場合には、前記変換対象の桁の数値をそのまま維持し、
前記変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が奇数であり、前記変換対象の数値が0の場合には、前記変換対象の桁の数値を2に変換し、
前記変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が奇数であり、前記変換対象の数値が2の場合には、前記変換対象の桁の数値を0に変換することを特徴とするコード変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
服飾店で衣服を新調したり又は衣服のサイズ直しをする場合、店員がメジャーを用いて寸法を計測するのが一般的である。店員は測定データを客毎の寸法票に手書きで記入し、その後店舗の端末等に手動で測定データを入力している。この場合、測定データを寸法票に記入する作業及び測定データを端末に入力する作業が必要となり、二度手間になっていた。
【0003】
この問題を解決するため、寸法票を用いずに測定データを端末に入力することができる装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、測定対象(人又は物)の各部の寸法を測定するメジャー及びその測定データを送信する機能を備えたメジャー付きの送信器と、送信器より送信された信号を受信し、測定データをプリントするメジャー信号受信・記録器とを備えている。送信器では、メジャーに付された白ドット及び黒ドットで構成されるバイナリコードを読み取り器で光学的に読み取り、読み取ったデータをデコードし、デコードしたデータを受信・記録器に送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
バイナリコードを用いる場合、測定対象の長さが長くなるほど、バイナリコードの桁数が増加する。このため、多桁数のバイナリコードをメジャーに付す場合には、メジャーの幅を太くする必要がある。また、多桁数のバイナリコードを読み取るために、読み取り器の読み取りセンサー数を増やす必要がある。このため、送信器の大型化が避けられないという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、装置の小型化を図ることが可能なコード変換方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、明細書に開示されたコード変換方法は、3進数と2値変化が発生しない3進グレイコードとを変換するコード変換方法において、変換元の下位桁から順に変換対象の桁を設定し、前記変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が、0乃至は偶数の場合、あるいは奇数且つ前記変換対象の桁の数値が1の場合には、前記変換対象の桁の数値をそのまま維持し、前記変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が奇数であり、前記変換対象の数値が0の場合には、前記変換対象の桁の数値を2に変換し、前記変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が奇数であり、前記変換対象の数値が2の場合には、前記変換対象の桁の数値を0に変換することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る長さ計測器の構成図である。
【
図2】3進数のカラーパターンの読取処理を示す図である。
【
図3】(A)は、3進数のカラーパターンの例を示す図である。(B)は、3進グレイコードによるカラーパターンの例を示す図である。
【
図4】3進グレイコードによるカラーパターンの読取処理を示す図である。
【
図5】3色を用いた3進グレイコードを改良したコードのカラーパターンの例を示す図である。
【
図6】3進グレイコードから2値変化が発生しない3進グレイコードを作成する方法を示す図である。
【
図7】計測器の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る長さ計測器の構成図である。
【0012】
長さ計測器(以下「計測器」という)1は、複数桁のカラーパターン付きのメジャー7aのカラーパターンを読み取る読取部2と、読取部2で読み取られたデータから測定対象の長さを計測する計測手段としてのマイコン3と、算出された測定対象の長さのデータを有線又は無線で外部端末10に送信する通信装置4と、測定の開始をマイコン3に指示するスイッチ5と、読取部2、マイコン3及び通信装置4に電力を供給するバッテリ6と、メジャー7aを格納する格納部7とを備えている。
【0013】
読取部2は、カラーパターンに対して光を照射するLED(Light Emitting Diode)8と、カラーパターンからの反射光を受光し、受光量を電流値又は電圧値に変換するフォトトランジスタ(PT)9とを備えている。LED8は、赤外線、可視光線及び紫外線の少なくとも1つを照射し、PT9はカラーパターンで反射された赤外線、可視光線及び紫外線の少なくとも1つを受光する。本実施の形態ではLED8及びPT9はカラーパターンの桁数分設けられ、
図1では、LED8及びPT9のセットが6個あるが、セット数はこれに限定されるものではない。また、本実施の形態では、発光手段としてLED8を、受光手段としてPT9を用いているが、LED以外の発光素子やPT以外の受光素子を用いてもよい。
【0014】
マイコン3はLED8のオン/オフを制御し、PT9の電流値又は電圧値を読み取る。カラーパターンの色によって反射率が異なり、PT9の受光量は反射率に応じて変動するため、マイコン3はPT9から出力される電流値又は電圧値によって色の判断が可能である。例えば、PT9から出力される電圧値が2.0V、1.5V又は1.0Vである場合には、マイコン3はカラーパターンの色をそれぞれ白、青又は黒と判断する。
【0015】
メジャー7aでは、おもて面に目盛りが長さ方向に沿って印刷されており、例えば裏面にN(N≧3。以下同様)色を用いたN進グレイコードを改良したコードのカラーパターンが一定の長さ毎に印刷されている。尚、N進グレイコードを改良したコードについては後述する。また、カラーパターンの各桁ではN色の異なる色ではなく、例えばN個以上の異なる濃度を有する同一色が使われていてもよい。ただし、このような濃度の違いなども本願では「異なる色」として扱う。格納部7は計測器1の筐体に取り付けられており、計測器1の筐体から取り外し可能である。
【0016】
外部端末10は、コンピュータ又はスマートホンのような有線又は無線の通信機能を有する通信端末であり、測定対象の長さのデータを通信装置4から受信し、データベースに登録して管理する。測定対象の長さのデータを登録するデータベースは、外部端末10に内蔵されていてもよいし、アクセス可能な状態で外部端末10の外部に設けられていてもよい。
【0017】
図2は、3進数のカラーパターンの読取処理を示す図である。
【0018】
3進数のカラーパターン11は、例えば、6桁で構成され、3進数の0、1、2に対応する色として白、青及び黒の3色が採用されているものとする。反射率は、白、青、黒の順で低くなっている。
図2では、説明の便宜上、各色に対応する3進数の数値や桁番号が記載されているが、実際のカラーパターンには3進数の数値や桁番号は記載されていない。また、PT9から出力される電圧値はアナログデータであり、白、青及び黒を読み取った場合、PT9から出力される電圧値はそれぞれ2.0V、1.5V及び1.0Vであるとする。
【0019】
1セットのLED8及びPT9は、カラーパターン11の1桁分のパターンを読み取るように割り当てられている。
【0020】
カラーパターン11の領域21が読み取られたときは、白の桁番号1~桁番号3に対応するPT9は2.0Vを出力し、青の桁番号4及び桁番号6に対応するPT9は1.5Vを出力し、黒の桁番号5に対応するPT9は1.0Vを出力する。マイコン3は、各PT9からの電圧値に基づいて各桁の色を判断し、対応する3進数に変換する。
図2の例では、領域21のパターンが3進数「000121」に変換される。マイコン3は、3進数の「000121」を10進数に変換することで測定対象の長さを算出する。領域21では、3進数の「000121」は10進数の「16」に変換される。
図2では、領域21を読み取った結果得られた数値は、領域21に割り当てられた数値と一致する。
【0021】
一方、カラーパターン11の領域22は2つの行にまたがっているため、領域22が読み取られると、双方の行が白い桁番号1~桁番号3に対応するPT9は2.0Vを出力するが、一方の行が白く他方の行が青い桁番号4に対応するPT9は1.75Vを出力し、一方の行が白く他方の行が黒い桁番号5及び桁番号6に対応するPT9は1.5Vを出力する。このように、PT9から出力される電圧値はアナログデータであるため、カラーパターン11の境目を読み取った場合は隣接する上下パターンの色の中間値が計測される。
【0022】
マイコン3は、各PT9からの電圧値に基づいて、領域22のパターンを3進数の「000011」又は「000111」に変換し、この値を10進数に変換して測定対象の長さを算出する。しかし、3進数の「000011」又は「000111」から変換された10進数の「4」または「13」は、ともに領域22の位置に対応する10進数の「8」又は「9」と同一ではないため、マイコン3で算出された測定対象の長さと実際の長さとが一致せず、読み取り誤差が生じてしまう。このように、カラーパターン11の境目で読み取り誤差が生じてしまうため、計測器1では
図2のカラーパターン11を採用することはできない。
【0023】
図3(A)は、3進数のカラーパターン11の例を示す図であり、
図3(B)は、3進グレイコードによるカラーパターン12の例を示す図である。
【0024】
上述したように、カラーパターンの境目では隣接する上下パターンの中間値が計測されるため、
図3(A)のようなカラーパターンを使用すると、実際の測定対象の長さとマイコン3で算出された測定対象の長さとの間に誤差が生じる場合がある。
【0025】
誤差が生じる原因の1つは、
図3(A)の領域23~25に示すように、互いに隣接する上下のパターンにおいて、色変化(数値変化)が複数の桁で発生することである。例えば、領域23、24では、色変化が桁番号5及び桁番号6で発生している。領域25では、色変化が桁番号4~桁番号6で発生している。
【0026】
誤差発生を解消するために、
図3(B)に示すような3進グレイコードによるカラーパターン12を採用することが考えられる。カラーパターン12は、互いに隣接する上下のパターンにおいて色変化が1桁のみで発生する。
【0027】
図4は、3進グレイコードによるカラーパターン12の読取処理を示す図である。
【0028】
カラーパターン12の領域27が読み取られると、白の桁番号1~桁番号3に対応するPT9は2.0Vを出力し、青の桁番号4及び桁番号6に対応するPT9は1.5Vを出力し、黒の桁番号5に対応するPT9は1.0Vを出力する。マイコン3は、各PT9からの電圧値に基づいて各桁の色を判断し、対応する3進グレイコードに変換する。
図4の例では、領域27のパターンから3進グレイコード「000121」が求められる。マイコン3は、3進グレイコードの「000121」を10進数に変換することで測定対象の長さを算出する。尚、3進グレイコードを3進数に変換する方法や3進数を10進数に変換する方法は公知の方法を利用する。領域27では、3進グレイコード「000121」は10進数の「10」に変換される。カラーパターン12の領域27の位置は10進数の「10」に対応するため、マイコン3で算出された測定対象の長さとメジャー7aが示す長さとが一致し、読み取り精度は良好である。
【0029】
一方、カラーパターン12の領域28が読み取られると、上下が白い桁番号1~4に対応するPT9はそれぞれ2.0Vを出力し、上下が青の桁番号5及び一方の行が黒く他方の行が白い桁番号6に対応するPT9はそれぞれ同じ1.5Vを出力する。
図4の例では、領域28のパターンに対応する3進グレイコードは「000011」である。マイコン3は、3進グレイコードの「000011」を10進数に変換することで測定対象の長さを算出する。領域28の3進グレイコード「000011」は10進数の「5」に変換される。カラーパターン12の領域28の位置は10進数の「3」又は「4」に対応するため、マイコン3で算出された10進数と一致しない。従って、計測器1ではカラーパターン12も採用することはできない。
【0030】
カラーパターン12を利用しても誤差が生じる原因は、カラーパターン12の境目に隣接する上下パターンの各桁で、2値変化が生じる場合があるためである。2値変化とは上下パターンの同一桁の数値の差が2以上であること、つまり
図4のカラーパターン12では白⇔黒の変化があることを意味している。
【0031】
カラーパターン12の領域28の桁番号6では、境目に隣接する上パターンが黒(2)で、下パターンが白(0)である。この場合、桁番号6に対応するPT9は1.5Vを出力するが、これは青を読み取った場合のPT9の出力値と同一であるため、マイコン3は桁番号6を青色と判断してしまう。このため、実際の測定対象の長さとマイコン3で算出された測定対象の長さとの間に誤差が生じる。
【0032】
カラーパターン12の隣接する上下パターン間の数値変化が1値変化であれば、このような誤差は生じない。1値変化とは、上下パターンの同一桁の数値の差が1であること、つまり
図4のカラーパターン12では白⇔青又は青⇔黒の変化であることを意味している。
【0033】
図5は、3色を用いた3進グレイコードを改良したコードのカラーパターン13の例を示す図である。
【0034】
カラーパターン13では、互いに隣接する上下のパターンの色変化又は数値変化が1桁のみで生じ、且つその数値変化が1値変化である。従って、カラーパターン13は、2値変化が発生しない3進グレイコードに対応する。換言すれば、カラーパターン13では、それぞれが1つの異なる数字に割り当てられたパターンが複数配列され、当該複数のパターンのそれぞれは、N進数(Nは3以上)の数値が割り当てられた桁を複数有し、各桁は割り当てられている数値に応じた異なる色を有している。そして、複数のパターンは昇順あるいは降順に配列され、配列方向に隣り合うパターン同士のハミング距離は1であり、隣り合うパターン同士の桁間の数値の変化量は1である。
【0035】
カラーパターン13を使用することで、隣接する上下パターンの境目を読み取って隣接する上下パターンの中間の電圧値がPT9から出力されても、マイコン3は当該電圧値を上下パターンのいずれかに対応する10進数に変換できるので、実際の測定対象の長さとマイコン3で算出された測定対象の長さとの間に実質的な誤差が生じなくなる。
【0036】
図6は、
3進数のコードから2値変化が発生しない3進グレイコードを作成する方法を示す図である。
【0037】
3進数のコードから2値変化が発生しない3進グレイコードを作成する変換ルールは、以下の通りである。
(1)変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が0又は偶数の場合には、変換対象の桁の数値を維持する。
(2)変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が奇数であり、且つ変換対象の桁の数値が1である場合には、変換対象の桁の数値を維持する。
(3)変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が奇数であり、且つ変換対象の桁の数値が2である場合には、変換対象の桁の数値を0に変換する。
(4)変換対象の桁よりも上位の桁の数値の合計が奇数であり、且つ変換対象の桁の数値が0である場合には、変換対象の桁の数値を2に変換する。
【0038】
尚、桁番号1が最上位の桁であり、桁番号6が最下位の桁であるとする。また、
図6の変換前の
3進数のコードには桁番号0の桁が存在するが、この桁番号0は桁番号1の数値変換処理のために便宜上設定されている桁であり、桁番号0の桁には固定値として0が設定されている。
【0039】
一例として、
図6に示す「001010」の
3進数のコードから2値変化が発生しない3進グレイコードを作成する方法を示す。
【0040】
まず、変換前の桁番号6の「0」の変換を検討する。桁番号6よりも上位の桁番号0~桁番号5の数値の合計は2(偶数)になるため、上記(1)の変換ルールに従って桁番号6の「0」は維持される。次いで、変換前の桁番号5よりも上位の桁番号0~桁番号4の数値の合計は1(奇数)であり、且つ桁番号5の数値が「1」であるため、上記(2)の変換ルールに従って桁番号5の「1」は維持される。
【0041】
次いで、変換前の桁番号4よりも上位の桁番号0~3の数値の合計は1(奇数)であり、且つ桁番号4の数値が「0」であるため、上記(4)の変換ルールに従って桁番号4の「0」は「2」に変換される。次いで、変換前の桁番号3よりも上位の桁番号0~2の数値の合計は0になるため、上記(1)の変換ルールに従って桁番号3の「1」は維持される。
【0042】
変換前の桁番号2よりも上位の桁番号0~1の数値の合計は0になるため、上記(1)の変換ルールに従って桁番号2の「0」は維持される。最後に、変換前の桁番号1よりも上位の桁番号0の数値は0になるため、上記(1)の変換ルールに従って桁番号1の「0」は維持される。
【0043】
このような手順により、
図6に示す「001010」は、2値変化が発生しない3進グレイコード「001210」に変換される。
【0044】
尚、上記(1)~(4)の変換ルールに従って、2値変化が発生しない3進グレイコードから元の3進数のコードに逆変換することもできる。
【0045】
このように、N進数のコードに対応する変換ルールを決めることで、N進数のコードから2値変化が発生しないN進グレイコードを作成することができる。
【0046】
図7は、計測器1の処理動作を示すフローチャートである。
【0047】
まず、スイッチ5が押下されると、測定の開始がマイコン3に指示される(S1)。マイコン3は各LED8をオンにし(S2)、LED8はカラーパターン13に光を照射する(S3)。各PT9はカラーパターン13からの反射光を受光し、受光量を電流値又は電圧値に変換する(S4)。マイコン3は、各PT9の電流値又は電圧値を読み取る(S5)。
【0048】
マイコン3は各PT9から出力される電流値又は電圧値によって2値変化が発生しないN進グレイコードによって表現されたカラーパターン13の色を判断し、N進数のコードに対応する変換ルールに基づいてカラーパターン13からN進数の値を求め、さらにN進数の値を公知の変換方法に基づいて10進数の値に変換する(S6)。マイコン3は、カラーパターン13の色と10進数の値との対応関係を示すテーブルを予め備えておいて、このテーブルに基づいて10進数の値を算出してもよい。そして、マイコン3は、10進数に変換された測定対象の長さのデータを、通信装置4を介して外部端末10に送信し(S7)、本処理を終了する。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態によれば、計測器1は、それぞれが1つの異なる数字に割り当てられたパターンが複数配列され、複数のパターンのそれぞれは、N進数(Nは3以上)の数値が割り当てられた桁を複数有し、各桁は割り当てられている数値に応じた異なる色を有し、複数のパターンは昇順あるいは降順に配列され、配列方向に隣り合うパターン同士のハミング距離は1であり、隣り合うパターン同士の桁間の数値の変化量は1であるコードが印刷されたメジャー7aと、上記パターンを光学的に読み取る読取部2と、読取部2による読み取り結果から測定対象の長さを計測するマイコン3と、を備える。
【0050】
従って、パターンが3以上のN進数であるので、バイナリコードをメジャーに付す場合に比べて、パターンを構成する桁数を減らすことができ、メジャー7aの幅を細くすることができる。また、多数の桁数のパターンを読み取るための読み取りセンサー数、即ちLED8及びPT9の個数を減らすことができる。このため、装置の小型化を図ることができる。
【0051】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 長さ計測器
2 読取部
3 マイコン
4 通信装置
7 格納部
7a メジャー
8 LED
9 フォトトランジスタ