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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】電子機器および電子機器の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20221226BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 630
G09G3/20 631H
G09G3/20 642A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021505450
(86)(22)【出願日】2019-03-14
(86)【国際出願番号】 JP2019010538
(87)【国際公開番号】W WO2020183699
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】砂流 博志
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-166271(JP,A)
【文献】特開2007-114733(JP,A)
【文献】特開平03-001686(JP,A)
【文献】米国特許第06128048(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号が入力され、所定の種類の信号を出力する映像信号処理部と、
今回のむら補正データと前回のむら補正データとの異なる部分に対応する補正部分データの転送を行う演算処理部と、
前記所定の種類の信号を前記今回のむら補正データに基づき補正するむら補正部と、有し、
前記演算処理部は、前記補正部分データの転送を行う第1の転送モード、第2の転送モード、第3の転送モードを有し、
前記第1の転送モードは、
前記補正部分データのうちの1データを転送するモードであり、
前記第2の転送モードは、
アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、各アドレスに対応する前記補正部分データを転送するモードであり、
前記第3の転送モードは、
アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、スタートアドレスに対応する前記補正部分データと同一のデータを転送するモードである
子機器。
【請求項2】
前記むら補正部は、前記前回のむら補正データと、前記演算処理部から転送された前記補正部分データと、から前記今回のむら補正データを求める
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記補正部分データは、前記今回のむら補正データにおける前記前回のむら補正データとは異なる部分に対応する補正データであり、
前記前回のむら補正データは、前記映像信号処理部に入力された前記映像信号において、前記演算処理部が前記今回のむら補正データを演算するまでの間に、前記むら補正部が補正に用いたデータであり、
前記今回のむら補正データは、前記映像信号処理部に入力される前記映像信号において、前記むら補正部が補正に用いるデータであって、前記前回のむら補正データにおいて、前記前回のむら補正データにおける前記今回のむら補正データとは異なる部分に対応する補正データを、前記補正部分データに置換した補正データである
請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記むら補正部は、
前記前回のむら補正データにおいて、前記今回のむら補正データとデータが異なる補正ポイントに対して、前記補正部分データとの置き換えを行い、置換後の補正データを用いてむらを補正する
請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記むら補正部は、前記所定の種類の信号のむらを補正するものであり、
前記むらは、色むらと輝度むらとを含む
請求項1から請求項4いずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記演算処理部は、
前回のむら補正データとは異なるデータであり、かつ当該データと同じデータが連続する回数を表す連続同一カウント数と、
前回のむら補正データとは異なるデータであり、かつ当該データと異なるデータが連続する回数を表す連続カウント数と、を用いて、
前記第1の転送モード、前記第2の転送モードおよび前記第3の転送モードを選択する
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記演算処理部は、
前記連続同一カウント数と、前記連続カウント数とに0を代入し、
今回のむら補正データの補正ポイントにおけるデータと前回のむら補正データの補正ポイントにおけるデータとが異なる場合、前回のむら補正データの補正ポイントに今回のむら補正データの補正ポイントにおけるデータを代入し、
さらに、今回のむら補正データの補正ポイントと、補正ポイントのアドレスを1増加した補正ポイントとが、同じデータを有する場合、前記連続同一カウント数を1増加させ、前記連続カウント数を0にし、
一方、今回のむら補正データの補正ポイントと、補正ポイントのアドレスを1増加した補正ポイントとが、異なるデータを有する場合、前記連続同一カウント数を0にし、前記連続カウント数を1増加させる第1カウント数変更処理を行う
請求項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記演算処理部は、
前記第1カウント数変更処理の結果、
前記連続同一カウント数が3以上の場合、前記第3の転送モードを選択し、前記連続同一カウント数のデータを転送し、その後、前記連続同一カウント数を0にし、
また、前記連続同一カウント数が3以上でなく、前記連続カウント数が2以上の場合、前記第2の転送モードを選択し、前記連続カウント数のデータを転送し、その後、前記連続カウント数を0にし、
また、前記連続同一カウント数が3以上でなく、前記連続カウント数が2以上でもない場合、前記第1の転送モードを選択し、1つのデータを転送し、その後、前記連続同一カウント数および前記連続カウント数を0にする第2カウント数変更処理を行う
請求項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記演算処理部は、
前記補正ポイントのアドレスを表すXの値を、X=0から1ずつ増加させ、Xが最終値になるまで、前記第1の転送モード、前記第2の転送モード、および前記第3の転送モードを、前記連続同一カウント数および前記連続カウント数に応じて選択する、
請求項または請求項に記載の電子機器。
【請求項10】
光源と、
前記所定の種類の信号に対応して、前記光源が照射する光の透過、遮断を行う液晶パネルと、
前記液晶パネルを通過した前記所定の種類の信号のスクリーンへの結像を行う投射レンズと、をさらに有する
請求項1から請求項いずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
映像信号処理部が、映像信号が入力され、所定の種類の信号を出力する信号出力工程と、
演算処理部が、今回のむら補正データと前回のむら補正データとの異なる部分に対応する補正部分データの転送を行う転送工程と、
むら補正部が、前記所定の種類の信号を前記今回のむら補正データに基づき補正する補正工程と、を含み、
前記演算処理部が行う転送工程は、前記補正部分データの転送を行う第1の転送モード、第2の転送モード、第3の転送モードを含み、
前記第1の転送モードは、
前記補正部分データのうちの1データを転送するモードであり、
前記第2の転送モードは、
アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、各アドレスに対応する前記補正部分データを転送するモードであり、
前記第3の転送モードは、
アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、スタートアドレスに対応する前記補正部分データと同一のデータを転送するモードである
子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および電子機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルからの光を用いて画像を表示するプロジェクタ、モニタなどの電子機器では、液晶パネルに起因する色むら発生量、および液晶パネルに光を照射する光学系(光源)に起因する輝度むら発生量を低減する必要がある。
【0003】
そのため、従来の液晶パネルプロジェクタ装置では、むら補正パターン(むら補正データ)を用いてRGB映像信号を補正する(むら補正を行う)ことにより、高品位な投射画像を得ようとしている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2006-153914号公報
【文献】日本国特開2014-113810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来においては、むら補正を行う際、大量の補正データを転送する必要があるため、転送のための時間がかかってしまうという問題があった。
【0006】
なお、特許文献2には、第一キャリブレーションの実行で得られた階調補正LUT(ルックアップテーブル)と、前回の第一キャリブレーションの実行で得られた参照階調補正LUTとの差分量(補正データの差分量に対応する)を用いて判定を行う画像形成装置が、開示されている。しかしながら、特許文献2には、判定結果に基づいて、いかなる量の補正データの転送をするかについては開示されていない。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、むら補正を行う際の補正データの転送量を少なくし、補正データの時間を低減することが可能となる電子機器および電子機器制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、映像信号が入力され、所定の種類の信号を出力する映像信号処理部と、今回のむら補正データと前回のむら補正データとの異なる部分に対応する補正部分データの転送を行う演算処理部と、前記所定の種類の信号のむらを補正する補正部であって前記所定の種類の信号を前記今回のむら補正データに基づき補正するむら補正部と、有し、前記演算処理部は、前記補正部分データの転送を行う第1の転送モード、第2の転送モード、第3の転送モードを有し、前記第1の転送モードは、前記補正部分データのうちの1データを転送するモードであり、前記第2の転送モードは、アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、各アドレスに対応する前記補正部分データを転送するモードであり、前記第3の転送モードは、アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、スタートアドレスに対応する前記補正部分データと同一のデータを転送するモードである電子機器である。
【0009】
また、本発明の一態様は、映像信号処理部が、映像信号が入力され、所定の種類の信号を出力する信号出力工程と、演算処理部が、今回のむら補正データと前回のむら補正データとの異なる部分に対応する補正部分データの転送を行う転送工程と、むら補正部が、前記所定の種類の信号を前記今回のむら補正データに基づき補正する補正工程と、を含み、前記演算処理部が行う転送工程は、前記補正部分データの転送を行う第1の転送モード、第2の転送モード、第3の転送モードを含み、前記第1の転送モードは、前記補正部分データのうちの1データを転送するモードであり、前記第2の転送モードは、アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、各アドレスに対応する前記補正部分データを転送するモードであり、前記第3の転送モードは、アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、スタートアドレスに対応する前記補正部分データと同一のデータを転送するモードである電子機器の制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、むら補正を行う際の補正データの転送時間を低減することが可能となる電子機器および電子機器制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
図2図1に示す演算処理部6が演算する補正データを説明するための図である。
図3図1に示す演算処理部6が演算する補正データを説明するための図である。
図4図1に示す演算処理部6が演算する補正データを説明するための図である。
図5図1に示す演算処理部6が演算する補正データを説明するための図である。
図6図1に示す演算処理部6が行う補正データの転送処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る電子機器の最少構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクタ100(電子機器)は、映像信号処理部4、CPU6(以下、演算処理部6と呼ぶ)、色むら補正部(むら補正部)9、光源10、液晶パネル11、投射レンズ12を含んで構成される。
【0013】
信号線1は、HDMI(登録商標;High Definition Multimedia Interface)の通信規格に基づく通信路を表す。映像信号処理部4には、映像信号であるHDMI信号が入力される。
【0014】
信号線2は、リモコン入力に基づく通信路を表す。演算処理部6には、リモコン入力が入力される。
【0015】
信号線3は、LAN入力に基づく通信路を表す。演算処理部6には、LAN入力が入力される。ここで、信号線3は、図1においては不図示のパソコンと接続され、当該パソコンは、例えば図2に示す色むら補正設定アプリケーション(詳細については後述する)がインストールされる。
【0016】
映像信号処理部4は、映像信号が入力され、所定の種類の信号を出力する。
例えば、映像信号処理部4は、HDMI信号が入力され、R(赤)/G(緑)/B(青)の3種の色信号であるRGB信号を、信号線8に出力する。ここで、映像信号処理部4は、RGB信号を変換し出力するか、或いはRGB信号を変換せずにそのままの状態で信号線8に出力する。
なお、所定の種類の信号は、RGB信号とは別フォーマットである、色方向の情報量を抑え輝度方向の情報量を広く取る、YUV(Y:輝度信号、U:輝度成分と青色成分の差分(CbやPbとも呼ばれる))、V:輝度成分と赤色成分の差分(CrやPrとも呼ばれる))信号であってもよい。
また、所定の種類の信号とは、液晶パネル11の解像度と同じ解像度の信号であってもよい。色むら補正部9における補正は、液晶パネル11の解像度と同じ解像度の信号に対して行う方が、むら補正の精度を高くすることができるためである。
【0017】
信号線8は、映像信号処理部4と色むら補正部9とを接続する信号線である。映像信号処理部4の出力であるRGB信号のうちR信号と色むら補正部Rとが接続される。また、映像信号処理部4の出力であるRGB信号のうちG信号と色むら補正部Gとが接続される。また、映像信号処理部4の出力であるRGB信号のうちB信号と色むら補正部Bとが接続される。
【0018】
また、映像信号処理部4は、信号線5から入力されるリモコン/LAN入力をもとにメニュー等を表示するオンスクリーンディスプレイ(以下、OSDと呼ぶ)機能を持つ。
信号線5は、演算処理部6から映像信号処理部4に対してOSDを表示させるための指示を行う信号線を表している。
【0019】
演算処理部6は、プロジェクタ100の基本動作を処理する。
演算処理部6は、色むら補正設定アプリケーションがインストールされたパソコンからのLAN入力に基づいて、色むらデータ(補正データ)を演算し、演算結果である補正データの一部(補正部分データ)を、色むら補正部9に転送する。
以下、本実施形態においては、補正データとして「前回のむら補正データ」と「今回のむら補正データ」とを使用して、説明を続ける。
ここで、「補正部分データ」とは、「今回のむら補正データ」における「前回のむら補正データ」とは異なる部分に対応する補正データである。
また、「前回のむら補正データ」とは、映像信号処理部4に入力された映像信号において、演算処理部6が「今回のむら補正データ」を演算するまでの間に、色むら補正部9が補正に用いたデータである。
そして、「今回のむら補正データ」とは、映像信号処理部4に入力される映像信号において、色むら補正部9が補正に用いるデータであって、「前回のむら補正データにおいて、「前回のむら補正データ」における「今回のむら補正データ」とは異なる部分に対応する補正データを、「補正部分データ」に置換した補正データである。
【0020】
つまり、「前回のむら補正データ」は、色むら補正部9が補正に用いたデータである。色むら補正部9は、「前回のむら補正データ」を、演算処理部6が「今回のむら補正データ」を演算するまでの間、補正に用いる。
そして、演算処理部6が「今回のむら補正データ」を演算した後、「今回のむら補正データ」における「前回のむら補正データ」とは異なる部分に対応する「補正部分データ」を色むら補正部9に転送する。
色むら補正部9は、「補正部分データ」を受信後、「前回のむら補正データ」において、「前回のむら補正データ」における「今回のむら補正データ」とは異なる部分に対応する補正データを、「補正部分データ」に置換し、「今回のむら補正データ」を作成し、作成した「今回のむら補正データ」を用いて補正を行う。もちろん、色むら補正部9が作成した「今回のむら補正データ」と、演算処理部6が演算した「今回のむら補正データ」とは、同一のデータとなる。
【0021】
信号線7は、演算処理部6にて演算されて、演算処理部6が持つ色むらデータ(補正データ)の一部である補正部分データを、色むら補正部9に転送するための3線シリアル信号(イネーブル信号、クロック信号、データ信号の3線により構成される)を表す。
【0022】
色むら補正部9は、入力されたRGB信号の各画素について、例えば、階調値に補正データを加算することにより、各画素の階調値を補正して、RGB信号の色むらを補正する。
ここで、本実施形態においては、色むら補正部9は、自身が作成した「今回のむら補正データ」に基づいて、映像信号処理部からのRGB信号に色むら補正を行う。
すなわち、演算処理部6が演算した「今回のむら補正データ」のうち、「補正部分データ」とは異なる部分に対応する補正データは、既に転送されていた「前回のむら補正データ」に含まれている。そのため、色むら補正部9は、今回の色むら補正では、演算処理部6が演算した「今回のむら補正データ」のうち、「補正部分データ」とは異なる部分に対応する補正データについては、「前回のむら補正データ」を用いる。
一方、色むら補正部9は、今回の色むら補正では、演算処理部6が演算した「今回のむら補正データ」のうち、「補正部分データ」に対応する補正データは、今回転送されてくる「補正部分データ」を用いる。
このように、色むら補正部9は、「前回のむら補正データ」において、演算処理部6が演算した「今回のむら補正データ」とは異なる補正データに対して、「補正部分データ」との置き換えを行い、置換後の補正データ(「今回のむら補正データ」)を用いて色むら補正を行う(詳細については後述する)。
なお、色むら補正部9は、画像処理/画像変換を行うスケーラもしくは液晶ドライバに内蔵されている。
【0023】
光源10は、ランプ、レーザーなどである。光源10は、液晶パネルに対して光を照射する。
【0024】
液晶パネル11は、R/G/Bの3枚のカラーフィルタを介して、3種の色RGBの画像(RGB信号)に対応して、光源10が照射する光の透過、遮断を行う。
【0025】
投射レンズ12は、液晶パネル11を通過した3種の色画像(RGB信号)のスクリーン(図1においては不図示)への結像を行う。
【0026】
ここで、図2図5を参照しつつ、演算処理部6が演算する補正データについて説明する。図2図5は、図1に示す演算処理部6が演算する補正データを説明するための図である。このうち、図2図4は、プロジェクタ100における投影画像であり、色むら、輝度むらが発生している例を示している。また、図3図5は、それぞれ図2図4に示す投影画像を、補正する際に用いるむら補正データ(補正データ)を示している。
また、図2は、前回の投影画像であり、図3は、図2の設定とした場合の色むら補正値(配列データData_Old)を表している。また、図4は、今回の投影画像であり、図5は、図4の設定とした場合の色むら補正値(配列データData_New)を表している。
【0027】
ここで、図2図5において、配列方向として、縦方向は行1~行10を、横方向は列1~列12を表している、以下、本実施形態では、配列データData_Oldを「前回の補正データData_Old[10×12]」と呼び、配列データData_Newを「今回の補正データData_New[10×12]」と呼ぶこととする。
また、前回の補正データData_Old[10×12]、今回の補正データData_New[10×12]においては、各行(1st、2nd、3rd、4th、…、10th)の上側の行に、Rの色むら補正データを、中側の行に、Gの色むら補正データを、下側の行に、Bの色むら補正データを、それぞれ示している。
【0028】
つまり、図2は、前回行った水平幅3、垂直幅3、R/G/B Gain 128、色むら補正中心点を1行-4列目とした図である。以下、中心点の表記を、座標1-4とする。また、図3は、図2の設定とした場合のR/G/B 色むら補正値(配列Data_Old[10×12])である。また、図4は、今回行った水平幅3、垂直幅3、R/B Gain 128、G Gain 96、色むら補正中心点を座標1-1とした図である。また、図5は、図4の設定とした場合のR/G/Bの色むら補正値(Data_New[10×12])である。
【0029】
また、図2に示す20は、前回の、リモコン入力及びOSDによるメニュー表示(ユーザからのリモコン入力)、もしくはPCアプリソフトにより指定される補正中心点を表している。
【0030】
また、図4に示す40は、今回の、リモコン入力及びメニュー表示、もしくはPCアプリソフトにより指定される補正中心点を示している。
【0031】
また、図5に示す50~52は、以下のような状態を示している。
【0032】
図5に示す50は、前のデータと異なるデータが連続する場合を示している。つまり、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、例えば、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正データは、128、96、64、32である。これに対して、図3に示す前回の補正データData_Old[10×12]において、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正データは、32、64、96、128である。すなわち、図5に示す50は、前のデータと異なるデータが連続する場合を示している。
【0033】
なお、図5において、前のデータと異なるデータが連続する場合としては、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正データ以外に、(行=1、列=1~4)におけるGの色むら補正データ、(行=1、列=1~4)におけるBの色むら補正データ、(行=2、列=1~4)におけるRの色むら補正データ、(行=2、列=1~4)におけるBの色むら補正データ、(行=3、列=1~4)におけるR/G/Bの色むら補正データ、(行=4、列=1~4)におけるRの色むら補正データ、(行=4、列=1~4)におけるBの色むら補正データ、の9つの場合がある。
【0034】
図5に示す51は、前のデータと異なるかつ同じデータが3つ連続する場合を示している。つまり、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、例えば、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正データは、0、0、0である。これに対して、図3に示す前回の補正データData_Old[10×12]において、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正データは、96、64、32である。すなわち、図5に示す51は、前のデータと異なるかつ同じデータが3つ連続する場合を示している。
【0035】
なお、図5において、前のデータと異なるかつ同じデータが3つ連続する場合としては、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正データ以外に、(行=1、列=5~7)におけるG/Bの色むら補正データ、(行=2、列=5~7)におけるR/G/Bの色むら補正データ、(行=3、列=5~7)におけるR/G/Bの色むら補正データ、(行=4、列=5~7)におけるR/G/Bの色むら補正データ、の11個の場合がある。
【0036】
図5に示す52は、前のデータと異なる部分と前のデータと同じ部分が混在する場合を示している。つまり、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、例えば、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データは、72、48、36、16である。これに対して、図3に示す前回の補正データData_Old[10×12]において、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データは、24、48、64、96である。すなわち、図5に示す52は、前のデータと異なる部分(列=1、3~4)と前のデータと同じ部分(列=2)が混在する場合を示している。
【0037】
なお、図5において、前のデータと異なる部分と前のデータと同じ部分が混在する場合としては、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データ以外に、(行=4、列=1~4)におけるGの色むら補正データ、の1つの場合がある。
【0038】
図1に戻って、むらと呼ばれる現象は、色むらと輝度むらに分かれるが、本実施例におけるプロジェクタ100では、色むら/輝度むらともに使用することが出来る。
ここで、色むらは、液晶パネル11の特性またはバラつきによって発生し、図2図5に示すとおり、R/G/Bの液晶パネル11毎に異なる。また、輝度むらは、光源10のばらつき、光源10から液晶パネル11への光の伝達具合等によって発生する。
また、図3図5に示すとおり、色むら補正データの値はR/G/B毎にあり、0は補正なしを示す。
【0039】
以上説明したパネルの特性/ばらつき等によって発生する色むら、光源のばらつき/光の拡散具合によって発生する輝度むらを低減する場合、本実施例におけるプロジェクタ100では、むら補正を用いる。
【0040】
その際に、演算処理部6は、xを、補正ポイントを表す変数(本実施形態では、x=1~120(=上述の行数10×列数12)とする)として、前回のむら補正データData_Old[x]を控えて(記憶して)おく。
ここで、補正ポイントとは、補正部分データにおける1つの補正データのアドレスを言う。
【0041】
すなわち、演算処理部6は、今回のむら補正データData_New[x]と前回のむら補正データData_Old[x]との異なる部分に対応する補正部分データの転送を行う。
そして、色むら補正部9は、前回のむら補正データData_Old[x]において、演算処理部6が演算した今回のむら補正データData_New[x]とデータが異なる補正ポイントに対して、補正部分データとの置き換えを行い、置換後の補正データである今回のむら補正データData_New[x]を用いて色むらを補正する。
【0042】
これにより、本実施形態では、演算処理部6が今回のむら補正データData_New[x]の全てを送ることなく、その一部である補正部分データを転送するので、データ転送時間を低減することを特徴とする。
【0043】
また、今回のむら補正データData_New[x]と前回のむら補正データData_Old[x]との異なり方により、下記3つの転送モード(第1の転送モード~第3の転送モード)を有している。
第1のモードは、補正部分データのうちの1データを転送するモードである。
第2のモードは、アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、各アドレスに対応する補正部分データを転送するモードである。
第3のモードは、アドレスを指定したスタートアドレスからN番目のアドレスまでインクリメントしながら、スタートアドレスに対応する補正部分データと同一のデータを転送するモードである。
【0044】
これにより、演算処理部6は、3つの転送モード(第1の転送モード~第3の転送モード)を使い分けることにより、データ転送時間を低減することを特徴とする。
【0045】
ここで、第1の転送モード~第3の転送モードについて詳述する。
【0046】
第1の転送モードは、1Data転送方式であり、データ転送量として、「MODE(0)+Addr+Data」を必要とする。
【0047】
また、第2の転送モードは、Addr自動INC方式であり、データ転送量として、「MODE(1)+Addr+Data1+Data2+…+DataN」を必要とする。
【0048】
また、第3の転送モードは、N個同一Data方式であり、データ転送量として、「MODE(2)+Addr+Data1+Data2(N)」を必要とする。
【0049】
ここで、MODEは1byteで、0:1Data転送方式/1:Addr自動INC方式/2:N個同一Data方式のどれで行うかを示し、Addrは2byte、Dataは5byte(1補正ポイント当たりの補正量)からなる。
【0050】
MODEで1を指定すると(演算処理部6が第2の転送モードを選択すると)、Addr自動INC方式で色むら補正部9は動作し、色むら補正部9はData(5Byte)が入力されるたびに、自動的にAddrをインクリメントする。上記の例ではAddrにData1(5Byte)を書き込み、Addr+NのアドレスにDataNを書き込む。
【0051】
MODEで2を指定すると(演算処理部6が第3の転送モードを選択すると)、Addr~Addr+Nのアドレスに全てData1の値を書き込む。また、10行×12列の場合、Data2(N)は最大120までの値となる。従って、Data2(N)は1byteである。
【0052】
次に、プロジェクタ100の補正部分データの転送処理について、図1図6を参照しつつ説明する。図6は、図1に示す演算処理部6が行う補正部分データの転送処理を示すフローチャートである。
【0053】
補正中心点 or H幅 or V幅 or R Gain or G Gain or B Gain設定を実行する(ステップST61)。
演算処理部6は、信号線2から入力されるリモコン入力及びOSDメニュー、もしくはパソコンにインストールされた色むら補正設定アプリケーションソフト(画面イメージは図4参照)により、信号線3から入力されるLAN入力を介して、今回の補正中心点 座標1-1、水平幅3、垂直幅3、R/B Gain 128、B Gain 96のいずれか、もしくは全てを、図4に示す40に設定する。
なお、いずれかひとつ設定した場合は、新たに設定した項目以外の設定は前回の設定を使用するものとする。
また、ひとつ前の設定では、補正中心点 座標1-4、水平幅3、垂直幅3、R/G/B Gain 128 を、図2に示す20に設定したものとする。
【0054】
10行×12列におけるR,G,B毎の補正値(Data_New)を求める(ステップST62)。
演算処理部6は、今回の設定値を元に10行×12列のR,G,B毎の補正値(図5に示す補正データData_New)を求める。
【0055】
x←1,連続同一カウント←0,連続カウント←0とする(ステップST63)。
演算処理部6は、変数であるxに初期値1,前のデータと異なるかつ同じデータが連続する回数である「連続同一Count」及び前と異なるデータと異なるデータが連続する回数である「連続Count」に初期値0を代入する。
【0056】
x<=(10×12)か、否かの判定を行う(ステップST64)。
x<=(10×12)の場合(ステップST64-Yes)、Data_Old[x]≠Data_New[x]か、否かの判定を行う(ステップST65)。
Data_Old[x]≠Data_New[x]の場合(ステップST65-Yes)、Data_Old[x]←Data_New[x]とする(ステップST66)。
Data_New[x]=Data_New[x+1]か、否かの判定を行う(ステップST67)。
Data_New[x]=Data_New[x+1]の場合(ステップST67-Yes)、連続同一Count←連続同一Count+1、連続Count←0とする(ステップST68)。
一方、Data_New[x]≠Data_New[x+1]の場合(ステップST67-No)、連続Count←連続Count+1、連続同一Count←0とする(ステップST69)。
【0057】
すなわち、演算処理部6は、変数xが10×12(10行×12列)以下の場合(ステップST64-Yes)、Data_New[x]とData_Old[x]が違う場合(ステップST65-Yes)は、Data_Old[x]にData_New[x]の値を代入し(ステップST66)、さらに Data_New[x]とData_New[x+1](アドレスを1増加した補正ポイントにおけるデータ)が同じ値(同じ補正値)の場合(ステップST67-Yes)は、「連続同一Count」に+1(1増加させる処理)を行い、「連続Count」を0にする(ステップST68)。
【0058】
一方、演算処理部6は、Data_New[x]とData_New[x+1](アドレスを1増加した補正ポイントにおけるデータ)が異なる値(異なる補正値)の場合(ステップST67-No)は、「連続Count」に+1(1増加させる処理)を行い、「連続同一Count」を0にする(ステップST69)。
なお、演算処理部6が、ステップST68、ステップST69において行う処理を「第1カウント数変更処理」と呼ぶ。
【0059】
連続同一Count>=3か、否かの判定を行う(ステップST70)。
連続同一Count<3の場合(ステップST70-No)、連続Count>=2か、否かの判定を行う(ステップST71)。
ここで、連続同一Count>=3の場合(ステップST70-Yes)、Mode:2として連続同一Count個 同一Data方式で転送を行う(ステップST72)。
そして、連続同一Count←0とする(ステップST75)。
また、連続Count>=2の場合(ステップST71-Yes)、Mode:1として連続Count個 Add自動INC方式で転送を行う(ステップST73)。
そして、連続Count←0とする(ステップST76)。
また、連続Count<2の場合(ステップST71-No)、Mode:0として1Data転送方式で転送を行う(ステップST74)。
そして、連続同一Count←0、連続Count←0とする(ステップST77)。
【0060】
すなわち、演算処理部6は、「連続同一Count」が3以上の場合(ステップST70-Yes)、MODE:2として上記N個同一Data方式(第3の転送モード)で、色むら補正部9に連続同一Count個を(連続同一カウント数)転送し(ステップST72)、「連続同一Count」を0にする。(ステップST75)。
【0061】
また、演算処理部6は、「連続同一Count」が3以上でなく(ステップST70-No)、「連続Count」が2以上の場合(ステップST71-Yes)、MODE:1として上記Add自動INC方式(第2の転送モード)で、色むら補正部9に連続Count個を(連続カウント数)転送し(ステップST73)、「連続Count」を0にする(ステップST76)。
【0062】
また、演算処理部6は、「連続同一Count」が3以上でなく(ステップST70-No)、「連続Count」が2以上でもない場合(ステップST71-No)、MODE:0として上記1Data転送方式(第1の転送モード)で、色むら補正部9に1Data転送を行い(ステップST74)、「連続同一Count」及び「連続Count」を0にする(ステップST77)。
なお、演算処理部6が、ステップST72、ステップST73、ステップST74において行う処理を「第2カウント数変更処理」と呼ぶ。
【0063】
X←X+1とする(ステップST78)。
演算処理部6は、変数xにx+1を代入し、すなわち1増加させ(ステップST78)、変数xが10×12(10行×12列)=120(最終値)を超えるまで(ステップST64-N)、上記の処理を行う。
【0064】
続いて、データ転送量の大小に関して、従来方式と本実施形態の方式による比較を行う。
従来方式では、図5の色むらデータを転送するために、転送方式としてAdd自動INC方式(第2の転送モード)を用いて、転送を行うため、「MODE(1)+RED Addr+Data1+Data2+…+Data120」=1+2+5×120=603byte、「MODE(1)+Green Addr+Data1+Data2+…+Data120」=1+2+5×120byte=603byte、「MODE(1)+BLUE Addr+Data1+Data2+…+Data120」=1+2+5×120=603byteの、計1809byteが必要であった。
【0065】
これに対して、本実施形態の方式では、下記(1)~(4)に示すデータ転送量となる。
【0066】
(1)図5に示す補正データData_Newにおける50、51、52の部分以外は、図3に示す補正データData_Oldにおける図5に示す50、51、52の部分に対応する部分以外とは、同じ補正値0であるため転送をしない。
【0067】
(2)図5に示す補正データData_Newにおける51の処理を行う部分
例えば、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正データは、前のデータと異なるかつ同じデータが3つ連続する場合を示している。
つまり、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正データは、0、0、0である。
一方、図3に示す前回の補正データData_Old[10×12]において、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正データは、96,64,32である。
【0068】
そこで、演算処理部6は、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正部分データを、Red Addを5とし、連続カウント数(連続Count)=3個の同一データ0を転送するMODE(2)、すなわちN(N=3)個同一Data方式(第3の転送モード)により、Data1(補正データ=0)、Data2(N=3)を転送すればよい。
すなわち、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正部分データのデータ転送量は、「MODE(2)+RED Addr+Data1:0+Data2:3」=1+2+5+1=9byteとなる。
【0069】
また、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=5~7)におけるR/Bの色むら補正データ、(行=2、列=5~7)におけるR/G/Bの色むら補正データ、(行=3、列=5~7)におけるR/G/Bの色むら補正データ、(行=4、列=5~7)におけるR/G/Bの色むら補正データも、(行=1、列=5~7)におけるRの色むら補正データと同じく、前のデータと異なるかつ同じデータが3つ連続する場合を示している。
【0070】
そのため、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、前のデータと異なるかつ同じデータが3つ連続する場合の補正部分データのデータ転送量は、9byte×3(R/G/B)×4(行=1(1st)~4(4th))=108byteとなる。
【0071】
(3)図5に示す補正データData_Newにおける50の処理を行う部分
例えば、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正データは、前のデータと異なるデータが連続する場合を示している。
つまり、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正データは、128、96、64、32である。
一方、図3に示す前回の補正データData_Old[10×12]において、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正データは、32、64、96、128である。
【0072】
そこで、演算処理部6は、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正部分データを、Red Addを1とし、連続同一カウント数(連続同一Count)=4個のデータを転送するMODE(1)、すなわちADD自動INC方式(第2の転送モード)により、Data1(補正データ=128)、Data2(補正データ=96)、Data3(補正データ=64)、Data4(補正データ=32)を転送すればよい。
よって、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正部分データのデータ転送量は、「MODE(1)+RED Addr+Data1~Data4」=1+2+5×4=23byteとなる。
【0073】
また、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=1、列=1~4)におけるG/Bの色むら補正データ、(行=2、列=1~4)におけるR/Bの色むら補正データ、(行=3、列=1~4)におけるR/G/Bの色むら補正データ、(行=4、列=1~4)におけるR/Bの色むら補正データも、(行=1、列=1~4)におけるRの色むら補正データと同じく、前のデータと異なるデータが連続する場合を示している。
【0074】
そのため、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、前のデータと異なるデータが連続する場合の補正部分データのデータ転送量は、23byte×10か所=230byteとなる。
【0075】
(4)図5に示す補正データData_Newにおける52の処理を行う部分
例えば、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データは、前のデータと異なる部分と前のデータと同じ部分が混在する場合を示している。
つまり、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データは、72、48、36、16である。
一方、図3に示す前回の補正データData_Old[10×12]において、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データは、24、48、64、96である。
すなわち、今回の補正データData_New[10×12]において、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データは、前のデータと異なる部分(列=1、3~4)と前のデータと同じ部分(列=2)が混在する場合を示している。
【0076】
そこで、演算処理部6は、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=2、列=1)におけるGの色むら補正部分データを、GREEN Addを1とし、1データを転送するMODE(0)、すなわち1Data転送方式(第1の転送モード)により、Data(補正データ=72)を転送する。
また、演算処理部6は、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=2、列=3~4)におけるGの色むら補正部分データを、GREEN Addを3とし、連続カウント数(連続Count)=2個のデータを転送するMODE(1)、すなわちADD自動INC方式(第2の転送モード)により、Data1(補正データ=36)、Data2(補正データ=16)を転送する。
【0077】
なお、演算処理部6は、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=2、列=2)におけるGの色むら補正データを、図3に示す補正データData_Oldの(行=2、列=2)におけるGの色むら補正データとは、同じ補正値48であるため、転送をしない。
【0078】
よって、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正部分データのデータ転送量は、「MODE(0)+GREEN Addr+Data」=1+2+5=8byteと、「MODE(2)+GREEN Addr+Data1+Data2」=1+2+5×2=13byteとの合計値21Byteとなる。
【0079】
また、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、(行=4、列=1~4)におけるGの色むら補正データも、(行=2、列=1~4)におけるGの色むら補正データと同じく、前のデータと異なる部分と前のデータと同じ部分が混在する場合を示している。
【0080】
そのため、図5に示す今回の補正データData_New[10×12]において、前のデータと異なる部分と前のデータと同じ部分が混在する場合の補正部分データのデータ転送量は、21byte×2か所=42byteとなる。
【0081】
以上より、前回と異なる補正部分データを転送する際のデータ転送量の総量は、総量=(1)0byte+(2)108byte+(3)230byte+(4)42byte=380byteとなる。
【0082】
このように本実施形態のプロジェクタ100では、従来の方式によるデータ転送量(上記説明では1809byte)を380byteまで小さくできるので、むら補正を行う際の補正データの転送時間を低減することが可能となる。
【0083】
また、従来の方式ではデータ転送量が多いため、映像が見えている期間(VSYNC期間以外)に色むらデータ転送を行うと、色むらデータはLUT(Lookup table:ルックアップテーブル)のため、映像のごみが表示されるという問題があった。映像のごみを表示させないために、VSYNC期間に色むらデータを転送すると時間がかかるため、色むらが順次補正している過程がユーザーに見えてしまうという問題があった。
本発明の方式を用いた場合、色むらデータ転送量が低減されるため、VSYNC期間中に転送を行っても、転送時間が短いために順次補正している過程がユーザーに気づかれにくいという利点もある。
【0084】
また、転送時間が低減されるため、演算処理部6の処理が占有される時間も低減され、さらにVSYNC期間に行うことにより演算処理部6の負荷も低減される。すなわち、転送中はCPUの処理が占有される/高負荷となるため、ユーザーが信号線2によりリモコン入力等によるオンスクリーンディスプレイ(OSD)を行うとユーザー操作、OSDが表示できない、という問題を解決することもできる。
【0085】
次に、図7を参照して、上記実施形態の最少構成について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る電子機器の最少構成を示す図である。
プロジェクタ100(電子機器)は、映像信号処理部4と、演算処理部6と、色むら補正部(むら補正部)9と、を備える。
映像信号処理部4は、HDMI信号(映像信号)が入力され、R/G/B信号(所定の種類の信号)を出力する。
演算処理部6は、今回のむら補正データと前回のむら補正データとの異なる部分に対応する補正部分データの転送を行う。
色むら補正部9は、R/G/B信号を今回のむら補正データに基づき補正する。
【0086】
以上のように本発明の実施形態や最少構成例によれば、演算処理部6が色むら補正部9へ転送する補正データの量を、従来に比べて少なくできるので、むら補正を行う際の補正データの転送時間を低減することが可能となる。
【0087】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。また、上記実施形態が有する1または複数のCPU等のコンピュータが実行するプログラムの一部または全部は、通信回線やコンピュータ読取可能な記録媒体を介して頒布することができる。
【符号の説明】
【0088】
1,2,3,5,7,8…信号線、4…映像信号処理部、6…演算処理部(CPU)、9…色むら補正部、10…光源、11…液晶パネル、12…投射レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7