(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】論理回路
(51)【国際特許分類】
H04L 25/02 20060101AFI20221226BHJP
G06F 13/38 20060101ALI20221226BHJP
G06F 13/42 20060101ALI20221226BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
H04L25/02 301
G06F13/38 350
G06F13/42 310
B41J29/00 D
(21)【出願番号】P 2021523069
(86)(22)【出願日】2018-12-03
(86)【国際出願番号】 US2018063633
(87)【国際公開番号】W WO2020117196
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】パンシン,ステファン,ディー
(72)【発明者】
【氏名】リン,スコット,エイ
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-525004(JP,A)
【文献】特開平05-289778(JP,A)
【文献】特開2018-116423(JP,A)
【文献】特開2011-168004(JP,A)
【文献】特開平08-181686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/02
G06F 13/38
G06F 13/42
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル・データ・バスを介して、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路のアドレスに送信された、第1の時間期間を指定する第1のコマンドに応答して、
前記論理回路により、前記第1の時間期間に基づいて
設定された持続時間にわたって前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成し、
前記シリアル・データ・バスのクロック信号と無関係に、前記論理回路のタイマーを用いて、前記低電圧状態の持続時間を監視し、
前記第1の時間期間
に基づいて設定された持続時間外で、前記シリアル・データ・バスが高および/またはデフォルトの異なる電圧状態または電圧状況になるように、前記低電圧状態を解除することを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の時間期間
の持続時間
と実質的に同じである持続時間にわたって、前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリアル・データ・バスのシリアル・データ・ライン上に低電圧状態を生成することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記低電圧状態の持続時間は、少なくとも1つのサンプリング期間を含み、サンプリングが前記サンプリング期間の間に印刷装置の処理回路により実行される、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記低電圧状態を生成することは、前記シリアル・データ・バス上にクロック信号がない状態と一致する、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のコマンドは、書き込みコマンドを示す識別フィールド、及び停止状態のしるしを含み、
方法は、前記論理回路により、前記停止状態のしるしの受領後に前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することを更に含む、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
読み出しモードを示す識別フィールドを有する第2のコマンドに応答して、前記論理回路により、読み出し操作を行うことを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記低電圧状態の電圧値は、前記印刷装置における前記交換可能な印刷装置構成要素の位置を示す、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
交換可能な印刷装置構成要素と関連する論理回路パッケージであって、
ロジック、タイマー及びシリアル・データ・バス・インターフェースを含み、
前記シリアル・データ・バス・インターフェースは、印刷装置のシリアル・データ・バスと接続して機能することができ、
前記ロジックは、前記シリアル・データ・バス・インターフェースに接続された前記シリアル・データ・バスを介して前記論理回路パッケージの第1のアドレスに送信された、第1の時間期間を指定する第1のコマンドに応答して、
前記第1の時間期間に基づいて
設定された持続時間にわたって、前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成し、
前記シリアル・データ・バスのクロック信号と無関係に、前記タイマーを用いて前記第1の時間期間
に基づいて設定された持続時間を監視し、
前記第1の時間期間
に基づいて設定された持続時間外で、前記シリアル・データ・バスを高および/またはデフォルトの異なる電圧状態または電圧状況にすることができる、論理回路パッケージ。
【請求項10】
前記タイマーは、
クロック周波数より速く計数し、且つ
クロック信号のタイミングに関係無く計数することを開始および停止するように構成される、請求項9に記載の論理回路パッケージ。
【請求項11】
前記第1のコマンドは、交換可能な印刷装置構成要素の場所を求めることになる、請求項9又は10に記載の論理回路パッケージ。
【請求項12】
前記ロジックは、前記第1のコマンドを受信した際に前記低電圧状態を生成する前に、確認応答を出力することができる、請求項9~11の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
【請求項13】
前記ロジックは、前記
第1の時間期間の持続時間内で前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することができる、請求項9~12の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
【請求項14】
前記ロジックは、前記第1のコマンドに指定された前記
第1の時間期間にわたって前記低電圧状態を生成するように構成される、請求項9~13の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
【請求項15】
前記ロジックは、前記
第1の時間期間
の持続時間
と実質的同じである持続時間にわたって前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することができる、請求項9~14の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
【請求項16】
メモリを更に含み、第2のコマンドに応答して、前記ロジックは、前記シリアル・データ・バス・インターフェースを介して受信したデータを前記メモリに書き込むことができる、請求項9~15の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
【請求項17】
メモリを更に含み、第3のコマンドに応答して、前記ロジックは、前記メモリからデータを読み出して、前記シリアル・データ・バス・インターフェースを介してデータ信号を送信することができる、請求項9~16の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
【請求項18】
前記シリアル・データ・バス・インターフェースがI2Cデータ・バス・インターフェースである、請求項9~17の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
【請求項19】
2つ以上のI2Cアドレスを介して、同じI2Cバス・インターフェースにわたって通信し、
異なる二次I2Cアドレスを一時的に用いて、第2の時間期間を含むコマンドと関連付けられたコマンドを受信し、
前記第2の時間期間を監視し、
前記第2の時間期間中に前記二次I2Cアドレスに向けられたコマンドに応答するように構成されている、請求項18に記載の論理回路パッケージ。
【請求項20】
前記第2の時間期間が前記タイマーを用いて監視される、請求項19に記載の論理回路パッケージ。
【請求項21】
請求項9~20の何れか1項に記載の論理回路パッケージを含む、交換可能な印刷装置構成要素。
【請求項22】
印刷装置に接続するための交換可能な印刷装置カートリッジであって、
着色された印刷材料を含むリザーバと、
請求項9~20の何れか1項に記載の論理回路パッケージとを含み、前記交換可能な印刷装置カートリッジは、請求項9~20の何れか1項に記載の前記交換可能な印刷装置構成要素である、印刷装置カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
アイ・スクエアド・シー(I2C、又はI2C(その表記が本明細書で採用される))プロトコル及びシリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)プロトコルのようなシリアル・データ・バス・プロトコルにより、少なくとも1つの「マスター」集積回路(IC)が、少なくとも1つの「スレーブ」ICと通信することが可能となり、例えば、バスI2C、及び他の通信プロトコルを介して、クロック周期に従ってデータを通信することが可能となる。例えば、電圧信号が生成されることができ、この場合、電圧の値は、データと関連付けられる。例えば、x以上の電圧値は論理「1」を示すことができる一方で、x電圧未満の電圧値は論理「0」を示すことができ、この場合、xは所定の数値である。一連のクロック周期のそれぞれにおいて適切な電圧を生成することにより、データは、バス又は別の通信リンクを介して伝達され得る。
【0002】
幾つかの2D及び3D印刷システムは、印刷材料容器(例えば、インクジェット・カートリッジ、トナー・カートリッジ、インク補給品、構築材料補給品など)、インクジェット・プリントヘッド・アセンブリ、及び同類の物のような、1つ又は複数の交換可能な印刷装置構成要素を含む。幾つかの例において、交換可能な印刷装置構成要素(単数または複数)と関連付けられる論理回路は、当該交換可能な印刷装置構成要素が装着される印刷装置の論理回路と通信し、例えば、それらの正体(身元、同一性)、容量、ステータス、及び同類の物のような情報を伝達する。
【0003】
幾つかの例において、これらの通信は、I2C通信を利用する。係る例において、マスターICは一般に、印刷装置の一部として提供されることができ(「ホスト」と呼ばれ得る)、交換可能な印刷装置構成要素は、「スレーブ」ICを含むが、これは必ずしも全ての例における事例ではない。I2C通信リンクに接続された複数のスレーブIC(例えば、異なる色の印刷剤の容器)が存在することができる。スレーブIC(単数または複数)は、印刷システムの論理回路からの要求に応答する前にデータ操作を行うための論理回路を含むことができる。
【0004】
幾つかの例において、シリアル・バスに沿って取り付けられるスレーブ・デバイスの物理的位置を検出することが意図され得る。例えば、交換可能な印刷装置構成要素のようなデバイスが、印刷装置内の特定の指定された物理的場所を占有することが意図され得る。例えば、シリアル・バスに取り付けられたインク供給デバイスを備える印刷装置において、例えば、ブラック・カートリッジ、イエロー・カートリッジ、シアン・カートリッジ及びマゼンタ・カートリッジ用の予想される場所が存在することができ、それらのそれぞれは、通信プロトコル下で特定のアドレスを有することができる。特定のインク色のカートリッジが誤って装着されたか否か、又は交換されたか否かを検出することにより、間違った色または意図されていない色による印刷が防止され得る。従来の特許情報開示は、特許文献1である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2011/0029705号
【文献】国際特許出願公開第2016/028272号
【文献】国際特許出願公開第2018/009235号
【文献】国際特許出願公開第2015/016860号
【文献】欧州特許出願公開第0941856号
【文献】米国特許第9619663号
【文献】米国特許第9561662号
【0006】
さて、制限しない例が、添付図面に関連して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路の動作方法の一例を示す図である。
【
図5】印刷装置論理回路、及びシリアル・バスに接続された交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路の概略的例を示す図である。
【
図6】交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路の動作の別の方法の一例を示す図である。
【
図8】論理回路パッケージを含む交換可能な印刷装置構成要素の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
本明細書において、I2C通信の応用形態に関する幾つかの例が、印刷装置の文脈で説明される。しかしながら、全ての例が係る応用形態に制限されず、本明細書で提示される原理の少なくとも幾つかは、他の文脈で使用され得る。
【0009】
幾つかの例において、印刷装置内の論理回路は、通信インターフェースを介して、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路から情報を受け取ることができるか、及び/又は交換可能な印刷装置構成要素にコマンドを送ることができる。例示的な印刷装置は、インクジェット・プリンタ、乾式トナー・プリンタ、液体トナー・プリンタ、3D粉末床インクジェット・プリンタなどのような、二次元イメージング装置および三次元積層造形装置を含む。例示的な印刷装置構成要素は、インク・タンク;インク・ボトル;プリントヘッド;インクジェット・プリントヘッド・カートリッジ;乾式トナー・リザーバ;乾式トナー・カートリッジ;光導電体カートリッジ;プロセス・カートリッジ;液体トナー・リザーバ;インク、刺激剤、接着剤、阻害剤などを含む三次元印刷剤;三次元印刷構築材料;印刷装置サービス構成要素;及び/又はホスト印刷装置に対して交換可能であることができ且つ印刷材料を含むことができる又は含むことができない任意の他の構成要素を含む。本開示において、印刷材料または印刷剤は、インク、乾式トナー又は液体トナー、三次元印刷剤、三次元構築材料(プラスチック、金属など)、ファイバ(線維)などを含むことができる。上述されたリザーバは、着色された印刷材料を含むことができる。
【0010】
印刷装置と当該装置に装着された交換可能な印刷装置構成要素との間の通信は、様々な機能を提供することができる。例えば、交換可能な印刷装置構成要素の正体(身元)、機能および/またはステータス、及び/又はそれと関連付けられた論理回路は、通信インターフェースを介して、印刷装置の論理回路に伝達(通信)され得る。例えば、印刷剤容器と関連付けられた(又は当該容器上に又は当該容器内に設けられた)論理回路は、製造番号および/または商標(ブランド)のような正体、及び/又は色(カラー)、カラー・マップ、カラー・マップ再構成レシピ、最大印刷剤容量または機能のような識別特性を、当該容器が装着される印刷装置に伝達することができ、例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、又は特許文献5を参照されたい。充填レベルのようなステータスは、例えば、印刷装置がユーザに充填レベルの表示を生成することができるように、通信インターフェースを介して提供され得る。幾つかの例において、検証過程が、印刷装置により実行され得る。例えば、印刷装置は、交換可能な印刷装置構成要素が公認の供給元に由来するかを検証して、その品質を保証することができる。例えば、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路は、秘密鍵を格納することができ、プリンタに対する認証暗号応答を生成するためのセッション鍵、セッション鍵識別子および/またはメッセージ確認コードを生成するように構成されることができ、例えば、特許文献6を参照されたい。また、当該論理回路は更に、所定の比較的短い時間ウィンドウ内で応答を計算するための専用ハードウェアのような認証メカニズムも含むことができ、例えば、特許文献7を参照されたい。幾つかの例において、検証過程は、交換可能な印刷装置構成要素および/またはそれと関連付けられた論理回路が予想通りに機能していることを保証するために一貫性チェックを含むことができる。
【0011】
次に、タスクを実行するための命令が、通信インターフェースを介して、印刷装置と関連付けられた論理回路から印刷装置構成要素の論理回路へ送られ得る。例えば、これらは、認証機能または暗号化機能、印刷材料レベル検知機能、印刷タスク、又は他のタスクを実行するための命令を含むことができる。
【0012】
後述される例の少なくとも幾つかにおいて、論理回路パッケージが説明される。論理回路パッケージは、例えばそれに取り付けられている交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられ得る、又はそのハウジング内に少なくとも部分的に構成されることができ、印刷装置の一部として提供されるバスを介して、データを印刷装置コントローラとやりとりするように適合される。
【0013】
「論理回路パッケージ」は、当該用語が本明細書で使用される際、互いに相互接続され得る又は互いに通信可能にリンクされ得る1つ又は複数の論理回路を意味する。2つ以上の論理回路が提供される場合、これらは単一ユニットとしてカプセル化され得る、又は別個にカプセル化され得る、又はカプセル化されない、又はそれらの幾つかの組み合わせであることができる。各パッケージは、シリアル・バス・インターフェースを介して通信するように構成され得る。
【0014】
幾つかの例において、各論理回路パッケージには、少なくとも1つのプロセッサ及びメモリが設けられる。一例において、論理回路パッケージは、マイクロコントローラ又はセキュア・マイクロコントローラであることができる、又はマイクロコントローラ又はセキュア・マイクロコントローラとして機能することができる。使用中、論理回路パッケージは、交換可能な印刷装置構成要素に付着され得る、又は交換可能な印刷装置構成要素と一体化され得る。
【0015】
幾つかの例において、論理回路パッケージは、ホスト(例えば、印刷装置)からの様々なタイプの要求(又はコマンド)に応答することができる。要求は、データ、例えば識別情報および/または認証情報に対する要求(例えば、「読み出し」要求)を含むことができる。他の例において、要求は、「書き込み」要求を含むことができる。ホストからの別の要求は、少なくとも1つの測定を実行する、又は印刷タスク又は同類の物を実行するような、動作を実行するための要求であることができる。別のタイプの要求は、データ処理動作のための要求であることができる。
【0016】
相互作用(対話)の例において、ホストは、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路パッケージにコマンドを送ることができ、当該論理回路パッケージは、当該コマンドを実行して、結果として生じるデータをメモリ(幾つかの例において、バッファ及び/又はメモリの特定のレジスタ)へロードすることができる。ホストは、応答を読み出すために更なるコマンドを送ることができ、それにより当該応答が、接続されたバスを介してシリアル・データとして伝送される。係るプロセス(過程)は例えば、論理回路パッケージのメモリに保持されたデータを取得するために使用され得る。例えば、第1の要求は、そのパッケージの識別子の要求であることができ、当該パッケージが識別子をメモリ・バッファへロードするという結果になることができる。その後の「読み出し」要求は、データが当該バッファから読み出されて、シリアル・データ信号として伝送されるという結果になることができる。
【0017】
少なくとも幾つかの例において、複数の係る論理回路パッケージ(それらの各々が異なる交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられ得る)は、I2Cバスに接続され得る。
【0018】
図1は、印刷システム100の一例である。印刷システム100は、通信リンク106を介して、交換可能な印刷装置構成要素104と通信する印刷装置102を含む。明確にするために、交換可能な印刷装置構成要素104は印刷装置102の外部として示されるが、幾つかの例において、交換可能な印刷装置構成要素104は、印刷装置内に収容され得る。印刷装置102は、任意のタイプの2D印刷装置または3D印刷装置であることができる。
【0019】
交換可能な印刷装置構成要素104は例えば、印刷装置102の消費可能資源、又は印刷装置102の寿命より短い(幾つかの例において、大幅に短い)寿命を有する可能性がある構成要素を含むことができる。例えば、当該印刷装置構成要素104は、インク、トナー、3D印刷剤、又は3D印刷構築粉末を物理的に貯蔵することができ、実質的な枯渇後に交換されることが意図され得る。交換可能な印刷装置構成要素104は例えば、印刷材料容器またはカートリッジ(3D印刷用の構築材料容器、又は2D又は3D印刷用の液体印刷剤容器であることができる)を含むことができる。幾つかの例において、交換可能な印刷装置構成要素104は、プリントヘッド又は他の吐出構成要素を含むことができる。この例において、単一の交換可能な印刷装置構成要素104が示されるが、他の例において、例えば、異なる色の印刷剤容器、プリントヘッド(当該容器に一体化され得る)、又は同類の物を含む複数の交換可能な印刷装置構成要素が存在することができる。
【0020】
幾つかの例において、通信リンク106は、シリアル・バス、例えばI2C対応バス又はI2C互換性バス(本明細書において以降は、I2Cバス)を含むことができる。
【0021】
図2は、
図1の交換可能な印刷装置構成要素104を提供することができる交換可能な印刷装置構成要素200の一例を示す。交換可能な印刷装置構成要素200は、論理回路パッケージ204へ統合(一体化)されたデータ・インターフェース202を含む。交換可能な印刷装置構成要素200の使用中、論理回路パッケージ204は、データ・インターフェース202を介して受け取ったデータを復号する。データ・インターフェース202は、I2Cインターフェースを含むことができる。
【0022】
幾つかの例において、論理回路パッケージ204は更に、データ・インターフェース202を介して伝送するためのデータを符号化するように構成され得る。幾つかの例において、単一の構成要素200に対して設けられた2つ以上のデータ・インターフェース202が存在することができる。
【0023】
幾つかの例において、論理回路パッケージ204は、I2C通信における「スレーブ」としての役割を果たすように構成され得る。
【0024】
この例における交換可能な印刷装置構成要素200は、上述した印刷材料の例の何れかを収容することができる印刷材料リザーバ206を含む。
【0025】
図3は、印刷装置300の一例を示す。印刷装置300は、
図1の印刷装置102を提供することができる。印刷装置300は、交換可能な印刷装置構成要素と通信するためのインターフェース302及び通信バス306を含むコントローラ304を含む。コントローラ304は論理回路を含む。幾つかの例において、インターフェース302は、I2Cインターフェースであり、通信バス306は、I2C対応通信バスである。
【0026】
幾つかの例において、コントローラ304は、I2C通信において、ホスト又はマスターとしての役割を果たすように構成され得る。コントローラ304は、少なくとも1つの交換可能な印刷装置構成要素200にコマンドを生成および送信することができ、それから応答を受信して、受信した応答を復号することができる。
【0027】
係る印刷装置102、300、及び交換可能な印刷装置構成要素(単数または複数)104、200、及び/又はその論理回路パッケージは、別個に製造され得る、及び/又は販売され得る。一例において、ユーザは、印刷装置102、300を手に入れることができ、長年にわたって当該装置102、300を持ち続けることができる一方で、複数の交換可能な印刷装置構成要素104、200が、それらの長年において、例えば印刷剤が印刷出力を生成する際に使用される場合、購入され得る。従って、印刷装置102、300と交換可能な印刷装置構成要素104、200との間で少なくとも或る程度の上位互換性および/または下位互換性が存在する場合がある。
【0028】
図4は、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路パッケージにより実行され得る方法の一例である。幾つかの例において、方法は、交換可能な印刷装置構成要素が装着される印刷装置が交換可能な印刷装置構成要素の物理的位置を求めることができるように、実行され得る。本明細書で説明される方法は、シリアル・ペリフェラル・インターフェース(SPI)プロトコルのような、I2C以外の通信プロトコルと共に使用され得るが、留意されるべきは、I2Cプロトコルにおいて、複数のデバイスは、それらの物理的位置または順序を即座に求める又は指定する任意の手段なしに、単一のバス上にシリアル(直列)に接続される。しかしながら、例えばSPIを考察する場合、2つの配線構成、並列およびデイジー・チェーンが存在する。並列配線構成において、各「スレーブ」論理回路に専用の別個のライン(線)が存在し、デイジー・チェーン構成において、デバイスは特定の順序で逐次に配線され、そのため、それらの相対的な位置は、何か他の方法で有効化される場合がある。従って、本明細書で説明される方法は、I2Cのような、デバイスの物理的位置を検証することが難しいプロトコルを用いる特定のユーティリティを有することができる。しかしながら、それは、それに制限されない。
【0029】
ブロック402は、シリアル・データ・バス(例えば、I2Cバス)を介して、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路のアドレスに送信された第1のコマンドを受信することを含む。幾つかの例において、第1のコマンドは、動作モードの指示であることができる。幾つかの例において、第1のコマンドは時間期間の指示であることができる。アドレスは、論理回路/論理回路パッケージに格納された及び/又は配線で接続されたI2Cバス・インターフェース・アドレスであることができる。第1のコマンドは、印刷装置のコントローラにより、当該アドレスに送信され得る。第1のコマンドは、所定のコマンドであることができる。
【0030】
ブロック404は、論理回路により、シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することを含む。以下でより詳細に説明されるように、これは実質上、シリアル・データ・バス(より具体的には、シリアル・データ・バスのデータ・ライン)と接地との間の接続を提供することを含むことができる。一例において、低電圧は、公称の接地または約0Vのような基準電圧である。以下でも説明されるように、低電圧は、高い又はデフォルトの電圧状態または電圧状況より低い。
【0031】
ブロック406は、論理回路のタイマーを用いて、低電圧状態の持続時間を監視することを含む。タイマーは、論理回路の内部の一体型タイマーからなることができ、例えば、タイマーとして働くように構成された抵抗容量(RC)回路、カウンターと共に構成された論理ゲート、水晶発振器またはリング発振器、位相ロック・ループ(フェーズロックド・ループとしても知られる)又は同類の物、又は交換可能な印刷装置構成要素に関連して設けられた論理回路の一部を論理的に構成する任意のタイマーを含む。タイマーは、シリアル・データ・バス上にクロック信号が無くても提供される内部クロック信号を提供することができる。タイマーは、計数(カウント)することができ、ひいては第1のコマンドで指定されたタイマー期間の持続時間の決定を可能にする。
【0032】
タイマーは、コマンドの時間期間を測定することに捧げられ得る。特定の例において、タイマーは、I2Cクロック・サイクル及び/又はホスト装置または論理回路の中央処理装置の処理サイクルのような、動作しているI2C論理回路パッケージにおける他の汎用サイクルに関係無い時間を測定することに捧げられる。例えば、タイマーは、クロック周波数より速く計数するように構成されることができ、クロック信号のタイミングに関係無く、計数することを開始および停止することができる。タイマーは、論理回路/ホスト装置の中央処理装置のプロセッサ速度に関係無く計数するように構成されることができ、例えば中央処理装置に関係無い公称の仕様を有する。
【0033】
他の例において、論理回路/論理回路パッケージは、外部クロックのような外部タイマーを監視することに基づいて、又は特定の例において、時間期間の持続時間を求めるのに適切であることができる外部または内部の波形信号、発振(振動)信号などを監視することにより、時間期間を監視することができる。一例において、論理回路パッケージのタイマーは、論理回路と無線でリンクされたタイマーであることができる(そのため、1つのタイマーが、より多い論理回路により共用され得る)。
【0034】
方法は、シリアル・データ・バスが異なる及び/又はデフォルトの高い電圧状態または電圧状況になるような時間期間の終わりで、バスを解放すること、又は低電圧状態を解除することを含むことができる。これは例えば、接地への接続を遮断することを含む。時間期間外で、例えば第1のコマンドに応答して開始されるような時間期間の持続時間の前と後で、論理回路/論理回路パッケージは、高電圧状態を生成することができる。代案として、係る高電圧状態は、後述されるように、バス上に「プルアップ」抵抗を含むことにより生じるデフォルト状態であることができる。
【0035】
例えば、I2Cデータ・バスを考察すると、これは、2つの通信ライン、即ちシリアル・データ・ライン(SDA)及びシリアル・クロック・ライン(SCL)を含む。SDA及びSCLは、電流源またはプルアップ抵抗を介して、正の電圧源に接続された双方向性ラインであることができる。
【0036】
ライン上に信号がない場合(即ち、SCL上にクロック信号が無い、及び/又はデータ・ライン上にデータ信号が無い)、双方のラインは、高(HIGH)電圧状態のデフォルトにされ得る。高電圧状態の電圧の正確な値は、多くの動作因子に依存するが、幾つかの例において、例えば約3ボルトから6ボルトの間の数ボルトであることができる。従って、一般に「高」電圧は比較的低い場合があるが、これは、例えば1ボルト未満であることができるバスの「低」電圧状態に比べて高い。
【0037】
マスター/ホスト・デバイス(例えば、本文脈において、交換可能な印刷装置構成要素が装着される印刷装置の処理回路またはコントローラ)は、SCLラインの電圧を低(LOW)状態に引き下ろすことにより(例えば、接地への短絡を事実上提供するためのオープンドレイン構成を用いて)、クロック信号を生成することができる。例えば、スイッチ(電界効果トランジスタのような)が付勢されて(閉じられて)、低電圧状態をもたらすことができ、次いで、ライン上のプルアップ抵抗が電圧を高(HIGH)状態まで引っ張ることを可能にするように再び開かれる。他の例において、オープンコレクタ構成が使用されることができ、この場合、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)が同様の効果のために使用され得る。プルダウン及び解放のタイミングは、マスター・デバイスの処理回路により制御されるクロック信号を提供する。
【0038】
データを伝送するために、マスター・デバイス又はスレーブ(この例において、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路)は、電圧を低(LOW)に引っ張る(例えば、接地への接続を提供する)ことにより、又は電圧を「フロート高(HIGH)」にする(例えば、接地への接続を遮断する)ことにより、同様にSDA上の電圧を選択的に制御することができる。これは、クロック信号で、即ちI2Cプロトコルに従ってタイミングをとられ、SCLラインが高(HIGH)である際のSDAラインの状態が、少なくとも1つのデータ・ビットを提供する。通常、SCLが高(HIGH)である際にSDAラインが低(LOW)(及び安定)である場合、これはバイナリの0を示し、SCLが高(HIGH)(及び安定)である際にSDAラインが高(HIGH)である場合、これはバイナリの1を示すが、これは慣例であり、そのため、所与のシステムにおいて変更され得る。
【0039】
図4の方法の一例において、SCLラインが高である状態と一致するようにタイミングをとられるデータ信号を提供する代わりに、SCLラインの状態は考慮されない。実際には、電圧は、論理回路のタイマーにより監視される持続時間にわたって低に引っ張られ(やはり、例えば接地への接続を提供することにより)、次いで、「解放」される又はデフォルトの高(HIGH)状態になるようにされる(例えば、その接続を遮断することにより)。実際には、幾つかの実施形態において、低電圧状態の持続時間の少なくとも部分的にわたって、及び幾つかの例においてその全体にわたって、マスター・デバイスにより提供されるクロック信号が存在しない場合がある。
【0040】
上述されたように、この方法は、ここで
図5に関連して説明されるように、交換可能な印刷装置構成要素の物理的位置を検出する文脈で利用され得る。例えば、この方法は、印刷材料補給物のような交換可能な印刷装置構成要素が意図された位置に装着されたか否かを検出する際に利用され得る。幾つかの例において、これは、「機械的キー係合」の使用を取り除く又は低減することができ、「機械的キー係合」において、交換可能な印刷装置構成要素は、相補的な形状を有する「スロット」に一致するように特に形作られている。その結果として、これは、例えば異なる色のような異なる印刷材料タイプの交換可能な印刷装置構成要素が共通の物理的設計を有することができるので、製造の複雑性を低減する。幾つかの例において、機械的キー係合および本明細書で説明された技術の組み合わせが使用され得る。例えば、幾つかの応用形態において、ブラック(K)着色剤は、他の色に比べて頻繁に吐出される傾向があるので(例えば、テキストが印刷されることが多い文脈において)、ブラック印刷材料供給カートリッジは、例えば、CMYKカートリッジ・セットにおいて、シアン、マゼンタ又はイエローの印刷材料供給カートリッジより物理的に大きい場合がある。従って、幾つかの例において、機械的キー係合(例えば、ブラック・カートリッジ対他の色の純然たるサイズにより)が、ブラック・カートリッジに使用されることができ、それは、ブラック・カートリッジが意図された「スロット」に配置されることを保証するのに十分であることができ、本明細書で説明された技術は、他の色のカートリッジが意図されたように配置されることを保証するために使用され得る。
【0041】
幾つかの例において、例えば、タイマーによる時間期間監視機能は、他の目的に使用され得る。例えば、論理回路パッケージは、例えば、論理回路パッケージの同じI2Cバス・インターフェースにわたって(例えば、同じ単一のデータ相互接続パッド、同じ単一の電力パッド、同じ単一の接地パッド及び/又は同じ信号クロック・パッドを介して)、当該パッケージに含まれる異なる論理回路または異なる機能との通信を容易にするために、2つ以上のI2Cアドレスを有するように構成され得る。例えば、デフォルトのデータ読み出し/書き込み通信および低電圧生成および/または検出は、前述されたパッケージ・アドレスである、論理回路パッケージの一次アドレスと関連付けられ得る。論理回路パッケージは、一時的に二次(例えば、一時的に、対応するコマンドを受け取る際のI2Cアドレス)に「切り替わる」(即ち、それに向けられたコマンドに応答して)ことができるように適合され得る。このコマンドは、第2の時間期間を含むことができる。この第2の時間期間は、論理回路パッケージが第2のアドレスを介して受信したコマンドに応答することができる時間を決定するために、例えばタイマーを用いて、論理回路パッケージにより監視され得る。例えば、論理回路は、第1の時間期間に対して一次アドレスと関連付けられ、第2の時間期間に対して二次アドレスと関連付けられることができ、この場合、第2の時間期間は、タイマーを用いて監視され得る。本文脈において、第1の時間期間は、第2の時間期間外の任意の時間期間であることができる。特定の実施例において、この第2の時間期間は、第2のアドレスを介したデータ通信用の十分な時間を容易にするために、低電圧状態を生成するための時間期間より長くすることができ、その時間期間は、例えば本開示の交換可能な印刷装置構成要素の装着場所検出より長くすることができる。少なくとも1つの異なるアドレスを活性化することは、例えば、論理回路パッケージのアドレスを示すメモリの一部に異なるアドレスを書き込むことにより、異なるアドレス(例えば、一時的な二次アドレス)の設定(例えば、書き込み、書き直し又は変更)又は異なるアドレスの設定をトリガすることを含むことができる。
【0042】
論理回路は、第1のアドレスに送信された命令に応答して、第1の組の応答を提供するように、又は第1のモードで動作するように構成され、第2のアドレスに送信された命令に応答して、第2の組の応答を提供するように、又は第2のモードで動作するように構成され得る。言い換えれば、アドレスは、回路により提供された異なる機能をトリガすることができる。幾つかの例において、第1の組の応答は、第1のアドレスに送信されたコマンドに応答してアクセス可能であり、第2のアドレスに送信されたコマンドに応答してアクセス可能でなく、第2の組の応答は、第2のアドレスに送信されたコマンドに応答して利用可能であり、第1のアドレスに送信されたコマンドに応答して利用可能でない。幾つかの例において、第1の組の応答は、暗号論的に認証されることができ(例えば、メッセージ認証により付随されて、又は暗号論的に「サインされた」及び/又は暗号化された)、第2の組の応答は、暗号論的に認証されない。幾つかの例において、例えば第2のアドレスは、論理回路に設けられ得る又は論理回路と関連付けられ得る他のセル又はセンサ又は同類の物にアクセスするために利用され得る。
【0043】
時間期間の監視機能を多目的にすることにより、これら複数のタスク(例えば、位置検出および二次アドレス通信)を実行するための時間は、例えば、速度、能力、論理回路パッケージの仕様、単一のバスに対して潜在的に接続可能である交換可能な構成要素の数、バス速度などを含む、各印刷装置のプラットフォーム特性に依存して指定され得る。
【0044】
図5は、合計で4つのライン、即ち、上述されたような2つのアクティブなライン、SDA及びSCL、電圧源接続Vdd及び接地接続GNDを含むシリアル・バス500の一例を示す。アクティブなラインは双方向性である。電圧源接続Vddは第1の電圧源502に接続され、SDAラインは、プルアップ抵抗506を介して第2の電圧源504に接続される。
【0045】
例えば、アナログ・デジタル変換器510と関連付けられた印刷装置コントローラを含むマスター・デバイス508は、バス500に取り付けられる。バス500、マスター・デバイス508及びアナログ・デジタル変換器510は、印刷装置により提供され得る。マスター・デバイス508は、印刷装置と関連付けられた(幾つかの例において、印刷装置内に設けられた)処理回路を含む。交換可能な印刷装置構成要素514a~514dと関連付けられた、この例において当該交換可能な印刷装置構成要素514a~514dに取り付けられた論理回路を含む4つの「スレーブ・デバイス」512a~512dも、バス500に取り付けられる。この例において、交換可能な印刷装置構成要素514a~514dのそれぞれは、所与の色のインク・カートリッジを含む。
【0046】
この例において、バス500に取り付けられた各スレーブ・デバイス512a~512dは、それ自体の一意のアドレスを有し、レシーバ及び/又はトランスミッタであることができる。典型的な動作において、シリアル・クロック信号およびシリアル・データ信号が、クロック信号ラインSCL及びデータ・ラインSDAを介してマスター・デバイス508から提供されるが、スレーブ・デバイスの動作電圧は、電圧源ラインVddと接地ラインGNDとの間で提供される。また、データ信号は、スレーブ・デバイス512からマスター・デバイス508に送信され得る。
【0047】
一例において、開始(START)状態から始まって停止(STOP)状態で終了する通信は、I2C「パケット」と呼ばれ得る。マスター・デバイス508により送信されるI2Cパケットの一例において、これは、スレーブ・デバイスのアドレス、コマンドが読み出し又は書き込みコマンドであるか否かのしるし(幾つかの例において、これらは合わさってバイトを構成することができる)、コマンド・コード(第2のバイトのデータであることができる)、及び幾つかの例において、任意の追加のコマンド・データ(例えば、1つ又は複数の後続のデータ・バイトであることができる、追加のコマンド・パラメータ、メッセージ認証コード(MAC)、周期的冗長検査(CRC)及び同類の物)を含むことができる。
【0048】
図4の方法を実行する際の動作の一例において、マスター・デバイス508は、接続されたスレーブ・デバイス512の全てに対する「注意」信号として働く、開始(START)状態を最初に発行することができる。これは例えば、SCL電圧が高(HIGH)である間のSDAラインの電圧の低下により、特徴付けられ得る。次いで、マスター・デバイス508は、マスター・デバイス508がアクセスすることを望むスレーブ・デバイス512のアドレスを含む1バイト、及びアクセスが読み出し操作または書き込み操作であるか否かのしるしを提供する1ビットを送信することができる。
【0049】
アドレス・バイトの受信後、全てのスレーブ・デバイス512a~512dは、それをそれら自体のアドレスと比較する。一致しない場合、スレーブ・デバイス512は一般に、マスター・デバイス508により開始される次の開始(START)状態を待つ。
【0050】
しかしながら、アドレスが一致する場合、そのスレーブ・デバイス512a~512dの回路は、後続のコマンド情報を受信し、その後、確認応答信号(「ACK」信号)を生成する(特定のクロック期間においてSDAラインを低(LOW)に引っ張ることを含むことができる)。
【0051】
本明細書で説明される幾つかの例において、コマンドは、スレーブ・デバイス512が、或る時間期間にわたって低電圧状態を生成するためのコマンドであることができる。低電圧状態は、ACK応答信号の生成後にもたらされ得る。次いで、マスター・デバイス508は、停止(STOP)状態を生成することができる。
【0052】
ひとたびマスター・デバイス508が確認応答信号を受信すれば(及び幾つかの例において、停止(STOP)状態の生成後に)、マスター・デバイス508は、スレーブ・デバイス512がSDA上に低(LOW)電圧状態を生成したかを確認しようと試みることができる(及び幾つかの例において、この低(LOW)電圧状態が予想される間にSCL上にクロック信号を送信することを停止することができる)。
【0053】
この例において、スレーブ・デバイス512の個々の物理的位置を電子的に求めることを可能にするために、シリアル・バス500のSDAラインには、抵抗分圧器回路網が設けられる。特に、直列の分圧器抵抗516a~516dがデータ・ラインSDAに設けられ、データ・ラインSDAからアナログ・デジタル変換器(ADC)510への接続518が存在する。この構成は、はしご型分割器回路網(又ははしご型抵抗器回路網)を形成し、デバイス512が異なる位置において当該はしご型分割器回路網に接続される際、当該はしご型分割器回路網により、各デバイス512からの信号の電圧は、デバイス512の物理的位置に依存して変化する。例えば、スレーブ・デバイス512dからの信号は、分割器抵抗516の4つを通過するが、スレーブ・デバイス512aからの信号は、分割器抵抗516aの1つのみを通過する。電圧値を検出することにより、低電圧状態を生成しているスレーブ・デバイス512の位置が求められ得る。言い換えれば、各スレーブ・デバイス512は、異なる低電圧状態を生成する。電圧は、ADC510を用いて検出され得る。ADC510は、電圧レベルを示すデジタル信号へアナログ電圧を変換する回路を含む。このデジタル信号は、マスター・デバイス508により使用されて、スレーブ・デバイス512からの信号の電圧レベルに基づいてバス上のスレーブ・デバイス512の物理的場所を電子的に区別する。電圧は、コマンドに使用されたアドレスを有するデバイス512の予想された電圧と比較され得る。
【0054】
ADC510は、通信リンク(別の通信バスであることができる)を介してマスター・デバイス508からの制御信号を受信し且つデータをマスター・デバイス508に提供することができる。ADC510がマスター・デバイス508とは別に示されるが、ADC510は、物理的にマスター・デバイス508の一部であることができ、又は別個の場所に存在することができる。
【0055】
ADC510及びはしご型分割器回路網は、データ伝送に使用される高(HIGH)と低(LOW)状態の識別に干渉せずに、バス500上のデバイスの電圧順序を検出することによって場所の区別を可能にするように動作するために構成され得る。言い換えれば、各スレーブ・デバイス512によってバス上に生成された特徴的な低電圧の全ては、高(HIGH)又は低(LOW)であるとして各データ・ビットを特徴付けるための閾値から比較的離れることができる。
【0056】
一例を考察すると、マスター・デバイス508は、データを受信する際、閾値未満の任意の信号を低(LOW)電圧状態であるように検出するように構成され得る。例えば、SCL電圧が高(HIGH)である際の2V未満または1V未満の何らかの電圧は、低(LOW)データ・ビット(幾つかの例において、0)として識別されることができる一方で、この閾値以上の値は、高(HIGH)データ・ビットとして識別され得る(幾つかの例において、1)。幾つかの例において、低(LOW)データ・ビットを検出するための閾値は、1.3V未満の電圧である。
【0057】
しかしながら、ADC510からの変換された電圧を用いるマスター・デバイス508は、位置の識別を可能にするために、この閾値未満である特定の信号とゼロ(又は公称0V)(例えば、約数百ミリボルト(mV)まで)以上の或る量とを区別するように構成され得る。各分割器抵抗516は、分割器抵抗516の合計とプルアップ抵抗504との間に生成される電圧が低(LOW)電圧閾値未満の電圧であるように十分な抵抗を有することができる。しかしながら、分割器抵抗516の抵抗は、通常動作中にマスター・デバイス508からの高(HIGH)電圧信号の識別が過度に脅かされない、即ち高(HIGH)電圧が第2の電圧源504により提供される最大電圧に比較的接近した状態のままであるように十分に小さくなるように選択され得る。
【0058】
一実施形態において、分割器抵抗516はそれぞれ、約51オームの抵抗を有するが、これは、使用され得る多くの抵抗レベルの1つに過ぎず、抵抗レベルは、異なる抵抗516の間で変化する場合がある。係る例において、第1及び第2の電圧源502、504はそれぞれ、約3.3ボルトを提供することができ、プルアップ抵抗506は、約1000オーム(1キロオーム)の抵抗であり、即ち、分割器抵抗516より大幅に大きい抵抗値であることができる。
【0059】
言い換えれば、分割器抵抗516は、SDAライン上の個々の「追加」のプルアップ抵抗として働くことができ、それが公称0Vまで降下するのを防止する。これは例えば、上記で指定された値ならば、約100~200mVの電圧差を提供することができる。これは、ADC510による「カウント(計数)」の観点から測定され得る。例えば、3.3Vシステムにおいて、9ビットADCが設けられる場合、その結果として、これは、各計数が約6mV(3.3Vを512で割ることにより求められる)を表すことを意味する。従って、ADC510は、最も低い電圧のカートリッジの約20カウントから最も高い電圧のカートリッジの約80カウントまでを記録することが予想され得る。
【0060】
上述されたように、少なくとも幾つかの交換可能な印刷装置構成要素が、本明細書で説明される方法の代わりに機械的キー係合を用いて確認されるそれらの位置を有することができる場合がある。従って、検出される電圧レベルの数は、例えば使用される印刷供給カートリッジの数より小さい場合がある。
【0061】
留意されるべきは、交換可能な印刷装置構成要素514a~514dと関連付けられる特定のアドレスが存在するので、特定のコマンドが例えば514aに送信されることができて、電圧がサンプリングされ、次いで当該処理は、交換可能な印刷装置構成要素514b、514c、及び514dのそれぞれに対して次々に繰り返される。交換可能な印刷装置構成要素514a~514dがそれらの予想された場所にいる場合、その順序で測定されるなら、より低い電圧値からより高い電圧値の漸進的な変化になると予想され得る。しかしながら、交換可能な印刷装置構成要素514a~514dが予想された場所にいない場合、このパターン(より具体的には、予想される相対電圧)は看取されず、警告が生成され得る。
【0062】
実際には、SDAラインが低に保持されている時間期間は、サンプリング時間期間より大きい場合がある。例えば、スレーブ・デバイス512は、マスター・デバイス508により、50msにわたってSDAラインを低に保持するように命令され得る。この時間中、データ・ラインSDAは、ホスト装置のADC510により、特定の回数(例えば、3回~10回)だけサンプリングされ得る。幾つかの例において、これら読取り値の少なくとも1つが特定の閾値範囲内にない場合、コマンドが再び実行されることができ、新たなサンプルが取得され得る。他の例において、サンプルは、閾値数の「良好な」サンプルが存在するまで、取得され得る。幾つかの係る例において、エラー状態が宣言されるまでに許可されるサンプルの最大数が存在することができ、例えば、サンプルは、予想される範囲内である5つのサンプルが取得されるまで続き、又は最大10個のサンプルが取得される。「良好な」サンプルのセットが取得されない場合、エラーが示されることができる。サンプルは、その交換可能な印刷装置構成要素514a~514dの代表値を生成するために平均化され得る。
【0063】
サンプリング期間は、比較的短くすることができる。例えば、スレーブ・デバイス512がSDAラインを低に保持するように命令された後、マスター・デバイス508は、バスが安定することを可能にするためにバスをサンプリングする前に、待つことができる(例えば、約10msの間)。サンプルの取得は、約1ms内に行われ得る。しかしながら、SDAラインがより長い期間(例えば、50ms)にわたって低に保持されて再テストなどを可能にすることができる。この期間は、指定され得る、又は幾つかの例において、第1のコマンドと関連付けられ得る(例えば、スレーブ・デバイス512に保持されたルックアップ・テーブル又はレジスタの参照により)。
【0064】
従って、SDAラインは、適用できる場合、第1のコマンドにより又は第1のコマンドで指定された時間期間の全部にわたって低に保持される必要がない場合がある。しかしながら、試行の許容できるセットの少なくとも1つで、SDAラインが低に保持される時間中に、サンプリング期間が生じやすいように、スレーブ・デバイス512が、少なくとも統計的に、SDAラインを低に保持することができる場合がある。
【0065】
理解されるべきは、SDAラインは、実際には低電圧状態と関連付けられた一連のデータ・ビット(例えば、一連の0ビット)で作られているデータ信号を送信することにより、低に保持され得る。これは、SDAラインが時間期間にわたって低に保持されているという結果になる。しかしながら、データ信号を送信する際、スレーブ・デバイス512は、高(HIGH)状態に戻ることを可能にするためにSDAラインをいつ解放するか(即ち、シリアル・データ・バスが異なる高および/またはデフォルトの電圧状態または電圧状況となるように、低電圧状態をいつ解除するか)を決定するために、それ自体の内部タイマーの代わりに、SCL上の信号を参照することができる。しかしながら、本明細書で説明される方法において、第1のコマンドの後に適用される低電圧状態は、SCLバス上の任意のクロック信号とは無関係に適用される(場合よっては、SCLバス上に任意の係るクロック信号が無い)。
【0066】
図6は、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路(例えば、上述されたような論理回路パッケージ)の動作に関する方法の別の例を示す。この例では、ブロック602において、論理回路は、I2Cデータ・バスを介して、第1の時間期間を指定する第1のコマンドを受信する。この例において、第1のコマンドは、開始(START)状態のしるし、論理回路パッケージのアドレス、書き込みコマンドを示す識別フィールド、及び停止(STOP)状態のしるしも含む(例えば、クロック・パルスの高(HIGH)部分の間にデータ・ライン上の立ち上がる電圧)。
【0067】
幾つかの例において、時間期間は、ホスト・デバイスの属性、又はその回路に基づいて選択され得る。一般に、時間期間は、良好なサンプルが捕捉されることを可能にするほど十分に長くなることができるが、交換可能な印刷装置構成要素の位置を検証するのに費やす時間を過度に長くしないぐらいである。
【0068】
ブロック604は、論理回路により、停止(STOP)状態(それ自体はコマンドの送信に続く)のしるしの受領後に及び第1の時間期間の実質的な持続時間にわたってI2Cバスのシリアル・データ・ライン上に低電圧状態を生成することを含む。上述されたように、幾つかの例において、低電圧状態は時間期間の全体にわたって生成され得るが、幾つかの例において、方法は、第1の時間期間の一部の間にシリアル・データ・ラインを「フロート高(HIGH)」にすること(即ち、ラインは中断される態様で低に保持され得る)を含むことができる。幾つかの例において、シリアル・データ・ラインは、第1の時間期間の少なくとも60%、又は第1の時間期間の少なくとも70%、又は第1の時間期間の少なくとも80%、又は第1の時間期間の少なくとも90%、又は第1の時間期間の少なくとも95%にわたって、低に保持され得る。幾つかの例において、電圧は、サンプリング期間と確実に一致するのに十分な一部にわたって低に保持される。低電圧状態の持続時間は、少なくとも1つのサンプリング期間を含み、この場合、サンプリングは、上述されたように、印刷装置の処理回路により実行される。更に、データ・ラインが過度に長い時間期間にわたって低に保持される場合、これが通信を阻止するので、これにより、例えばホスト装置は、タイムアウト・エラー又は同類の物を生成することができる。
【0069】
停止(STOP)状態のしるしの受領後に低電圧状態を生成することは、バスが、データ・パケットの進行している伝送中に阻止されないことを意味する。
【0070】
この例において、低電圧状態を生成することは、シリアル・データ・バス上にクロック信号が存在しない状態と一致し、ブロック606は、論理回路の内部タイマーを用いて、低電圧状態の持続時間を監視することを含む。
【0071】
方法は更に、ブロック608において、読み出しモードを示す識別フィールドを有する読み出し要求に応答して、論理回路により、読み出し操作を実行することを含む。言い換えれば、本明細書で説明された特殊機能に加えて、論理回路はI2Cスレーブ・デバイスとして機能することができる。論理回路は、I2Cスレーブ・デバイスの他の特徴、例えば、認証および/または検証の交換に参加すること、読み出し及び/又は書き込みコマンドを受信すること又は読み出し及び/又は書き込みコマンドに作用すること、処理タスクなどを引き受けることなどを呈することができる。
【0072】
図7は、交換可能な印刷装置構成要素と関連する論理回路パッケージ700の一例であり、論理回路パッケージ700は、ロジック(論理回路)702、シリアル・データ・バス・インターフェース704、タイマー706、及びこの例においてメモリ708を含む。論理回路パッケージ700の使用中、ロジック702は、シリアル・データ・バス・インターフェース704に接続されたシリアル・データ・バスを介して論理回路パッケージ700に送信された第1のコマンドに応答し、論理回路パッケージ700はこの例においてシリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成するように構成され、タイマー706を用いて時間期間の持続時間を監視する。幾つかの例において、タイマー706は、例えば有線リンク又は無線リンクを介して、ロジック702と通信することができる。幾つかの例において、タイマー706は、ロジック702と共通の基板上に設けられ得る。
【0073】
幾つかの例において、ロジック702は、シリアル・データ・バスのクロック信号と無関係に時間期間の持続時間を監視するように構成され得る。シリアル・データ・バス・インターフェース704は、I2Cデータ・バス・インターフェースを含むことができる。
【0074】
第1のコマンドは、時間期間を指定することができ、ロジック702は、第1の時間期間の実質的な持続時間にわたってシリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成するように構成され得る。ロジック702は、上記
図4~
図6に関連して説明された方法の何らかの態様を実行することができる。
【0075】
第2のコマンドに応答して、ロジック702は、シリアル・データ・バス・インターフェース704を介して受信したデータをメモリ708に書き込むように構成され得る。読み出し要求に応答して、ロジック702は、メモリ708からデータを読み出して、シリアル・データ・バス・インターフェース704を介してデータ信号を送信するように構成され得る。
【0076】
図8は、
図7に示されたような論理回路パッケージを含む交換可能な印刷装置構成要素の一例を示す。この例において、交換可能な印刷装置構成要素は、高さより短い幅を有するハウジング802を備える印刷カートリッジ800である。印刷液体出力804(この例において、出口がカートリッジ800の下側に設けられる)、空気入力806、及びリセス808がカートリッジ800の前面に設けられる。リセス808は、カートリッジ800の上部を横切って延び、論理回路パッケージ812(例えば、上述された論理回路パッケージ700)のI2Cバス・コンタクト810が、ハウジング802の上部および前面に隣接してハウジング802の側壁の内壁に対向してリセス808の側面に設けられる。この例において、論理回路パッケージ812は、側壁の内側に当接して設けられる。
【0077】
本開示の例は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又は同類の物の任意の組み合わせのような、方法、システム又は機械可読命令として提供され得る。係る機械可読命令は、機械可読記憶媒体(以下に限定されないが、ディスク記憶装置、CD-ROM、光学式記憶措置などを含む)に含まれることができ、当該機械可読記憶媒体は、その中に又はその上に機械可読プログラム・コードを有する。
【0078】
本開示は、本開示の例による、方法、デバイス及びシステムの流れ図およびブロック図に関連して説明される。上述された流れ図は実行の特定の順序を示すが、実行の順序は、示された順序と異なることができる。1つの流れ図に関連して記載されたブロックは、別の流れ図のブロックと組み合わされ得る。理解されるべきは、流れ図およびブロック図、並びにそれらの組みあわせの少なくとも幾つかのブロックは、機械可読命令により実現され得る。
【0079】
機械可読命令は例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、説明および図面に記載された機能を実現するための他のプログラム可能なデータ処理デバイスの組み込みプロセッサ又はプロセッサにより、実行され得る。特に、プロセッサ又は処理回路は、機械可読命令を実行することができる。かくして、装置およびデバイスの機能モジュール(例えば、論理回路および/またはコントローラ)は、メモリに格納された機械可読命令を実行するプロセッサにより、又は論理回路に埋め込まれた命令に従って動作するプロセッサにより、具現化され得る。用語「プロセッサ」は、CPU、処理ユニット、ASIC、論理ユニット又はプログラム可能ゲート・アレイなどを含むように広く解釈されるべきである。方法および機能モジュールは全て、単一のプロセッサによって実行され得る、又は幾つかのプロセッサ間で分担され得る。
【0080】
また、係る機械可読命令は、機械可読記憶装置(例えば、有形の機械可読媒体)に格納されることもでき、特定のモードで動作するためにコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理デバイスを案内することができる。
【0081】
また、係る機械可読命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置上へロードされることができ、そのため、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置は、コンピュータにより実現される処理を生成するために一連の演算を実行し、かくして、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置上で実行された命令は、流れ図および/またはブロック図のブロック(単数または複数)により指定された機能を実現する。
【0082】
更に、本明細書の教示は、コンピュータ・ソフトウェア製品の形態で具現化されることができ、当該コンピュータ・ソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、本開示の例に記載された方法をコンピュータ・デバイスに具現化させるための複数の命令を含む。
【0083】
方法、装置および関連した態様は特定の例に関連して説明されたが、様々な変形、変更、省略、及び置換は、本開示の精神から逸脱せずに行われ得る。従って、方法、装置および関連した態様は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲によってのみ制限されることが意図されている。留意されるべきは、上述した例は、本明細書で説明されたことを制限するために示したのではなく、当業者は添付の特許請求の範囲から逸脱せずに多くの代替の具現化形態を設計することができる。一例に関連して説明された特徴は、別の例の特徴と組み合わされ得る。
【0084】
用語「含む」は、特許請求の範囲に列挙されたもの以外の要素の存在を排除せず、「a」又は「an」は複数を除外せず、単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載された幾つかのユニットの機能を実現することができる。
【0085】
任意の従属請求項の特徴は、独立請求項または他の従属請求項の何れかの特徴と組み合わされ得る。
【0086】
ステートメント
幾つかの例において、方法は、以下のステートメントの何れかにより説明され得る。
ステートメント1.
シリアル・データ・バスを介して、交換可能な印刷装置構成要素と関連付けられた論理回路のアドレスに送信された第1のコマンドに応答して、
前記論理回路により、前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成し、
前記論理回路のタイマーを用いて、前記低電圧状態の持続時間を監視することを含む、方法。
ステートメント2.前記第1のコマンドが第1の時間期間を指定し、前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することは、前記第1の時間期間に基づいて前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することを含む、ステートメント1に記載の方法。
ステートメント3.前記第1の時間期間の実質的な持続時間にわたって、前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することを含む、ステートメント2に記載の方法。
ステートメント4.前記シリアル・データ・バスのシリアル・データ・ライン上に低電圧状態を生成することを含む、ステートメント1~3の何れか1項に記載の方法。
ステートメント5.前記低電圧状態の持続時間は、少なくとも1つのサンプリング期間を含み、サンプリングが前記サンプリング期間の間に印刷装置の処理回路により実行される、ステートメント1~4の何れか1項に記載の方法。
ステートメント6.前記低電圧状態を生成することは、前記シリアル・データ・バス上にクロック信号がない状態と一致する、ステートメント1~5の何れか1項に記載の方法。
ステートメント7.前記第1のコマンドは、書き込みコマンドを示す識別フィールド、及び停止状態のしるしを含み、
方法は、前記論理回路により、前記停止状態のしるしの受領後に前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することを更に含む、ステートメント1~6の何れか1項に記載の方法。
ステートメント8.読み出しモードを示す識別フィールドを有する読み出し要求に応答して、前記論理回路により、読み出し操作を行うことを更に含む、ステートメント7に記載の方法。
ステートメント9.前記低電圧状態の電圧値は、前記印刷装置における前記交換可能な印刷装置構成要素の位置を示す、ステートメント1~8の何れか1項に記載の方法。
ステートメント10.前記シリアル・データ・バスが異なる高および/またはデフォルトの電圧状態または電圧状況になるように、前記低電圧状態を解除することを更に含む、ステートメント1~9の何れか1項に記載の方法。
ステートメント11.交換可能な印刷装置構成要素と関連する論理回路パッケージであって、
ロジック及びシリアル・データ・バス・インターフェースを含み、
前記シリアル・データ・バス・インターフェースは、印刷装置のシリアル・データ・バスと接続して機能することができ、
前記ロジックは、前記シリアル・データ・バス・インターフェースに接続された前記シリアル・データ・バスを介して前記論理回路パッケージに送信された第1のコマンドに応答して、前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成して、時間期間の持続時間を監視することができる、論理回路パッケージ。
ステートメント12.タイマーを更に含み、前記ロジックは、前記タイマーを用いて前記時間期間の持続時間を監視することができる、ステートメント11に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント13.前記ロジックは、前記時間期間の終わりで前記シリアル・データ・バス上の前記低電圧状態を解除することができる、ステートメント11又は12に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント14.前記ロジックは、前記時間期間外で、前記シリアル・データ・バスを異なる高および/またはデフォルトの電圧状態または電圧状況にするように構成されている、ステートメント11~13の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント15.前記ロジックは、前記第1のコマンドを受信した際に前記低電圧状態を生成する前に、確認応答を出力することができる、ステートメント11~14の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント16.前記ロジックは、前記シリアル・データ・バスのクロック信号に無関係に前記時間期間の持続時間を監視することができる、ステートメント11~15の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント17.前記第1のコマンドは時間期間を指定し、前記ロジックは、前記時間期間の持続時間内で前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することができる、ステートメント11~16の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント18.前記ロジックは、前記第1のコマンドに指定された前記時間期間にわたって前記低電圧状態を生成するように構成される、ステートメント11~17の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント19.前記第1のコマンドは、時間期間を指定し、前記ロジックは、前記時間期間の実質的な持続時間にわたって前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成することができる、ステートメント11~18の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント20.メモリを更に含み、第2のコマンドに応答して、前記ロジックは、前記シリアル・データ・バス・インターフェースを介して受信したデータを前記メモリに書き込むことができる、ステートメント11~19の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント21.メモリを更に含み、読み出し要求に応答して、前記ロジックは、前記メモリからデータを読み出して、前記シリアル・データ・バス・インターフェースを介してデータ信号を送信することができる、ステートメント11~20の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント22.前記シリアル・データ・バス・インターフェースがI2Cデータ・バス・インターフェースである、ステートメント11~21の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント23.2つ以上のI2Cアドレスを介して、同じI2Cバス・インターフェースにわたって通信し、
異なる二次I2Cアドレスを一時的に用いて、第2の時間期間を含むコマンドと関連付けられたコマンドを受信し、
前記第2の時間期間を監視し、
前記第2の時間期間中に前記二次I2Cアドレスに向けられたコマンドに応答するように構成されている、ステートメント11~22の何れか1項に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント24.前記論理回路パッケージは、タイマーを含み、前記第2の時間期間が前記タイマーを用いて監視される、ステートメント12に従属するステートメント22に記載の論理回路パッケージ。
ステートメント25.ステートメント11~24の何れか1項に記載の論理回路パッケージを含む、交換可能な印刷装置構成要素。
ステートメント26.印刷装置に接続するための交換可能な印刷装置カートリッジであって、
着色された印刷材料を含むリザーバと、
論理回路パッケージとを含み、
前記論理回路パッケージは、
ロジック及びシリアル・データ・バス・インターフェースを含み、
前記シリアル・データ・バス・インターフェースは、印刷装置のシリアル・データ・バスに接続されることができ、
前記ロジックは、前記印刷装置に接続された際に前記交換可能な印刷装置カートリッジの場所を求めるために、前記シリアル・データ・バス・インターフェースに接続されたシリアル・データ・バスを介して前記論理回路パッケージに送信された第1のコマンドに応答して、前記シリアル・データ・バス上に低電圧状態を生成し、時間期間の持続時間を監視することができる、交換可能な印刷装置カートリッジ。
ステートメント27.ステートメント11~25の何れか1項に記載された特徴の何れかを更に含む、ステートメント26に記載の交換可能な印刷装置カートリッジ。
ステートメント28.内部にはしご型抵抗回路網を有する通信バスを含み、ステートメント11~25の何れか1項に記載された論理回路パッケージの少なくとも2つを受容するように適合された印刷装置であって、前記論理回路パッケージは異なるI2Cアドレスを有し、各論理回路パッケージは、前記はしご型抵抗回路網の異なる箇所で前記通信バスに接続されて、所定のコマンドに応答して前記通信バス上に異なる低電圧状態を生成する、印刷装置。