(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-23
(45)【発行日】2023-01-06
(54)【発明の名称】弾性複合繊維及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
D01F 8/14 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
D01F8/14 B
(21)【出願番号】P 2021547623
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2019102830
(87)【国際公開番号】W WO2020232876
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】201910423144.0
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521185343
【氏名又は名称】上海海凱生物材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【氏名又は名称】平田 緑
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【氏名又は名称】庄司 晃
(72)【発明者】
【氏名】蔡 涛
(72)【発明者】
【氏名】欧陽 文咸
(72)【発明者】
【氏名】馮 永生
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-172080(JP,A)
【文献】特開2007-186830(JP,A)
【文献】特表2006-524295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0388536(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107268118(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109137137(CN,A)
【文献】中国実用新案第205576365(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第1676685(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105908268(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F 8/00 - 8/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性複合繊維であって、繊維本体を含み、繊維本体が以下の重量割合の物質:低粘度PET10%-
50%、高粘度PET10%-
50%、PTT
12.5-
40%、PBT
12.5-
40%、で構成される複合紡糸によって形成することを特徴とする弾性複合繊維。
【請求項2】
前記低粘度PETの粘度は、0.4~0.7dL/gであり、前記高粘度PETの粘度は、0.7~0.9dL/gであり、前記PTTの粘度は、0.4~1.3dL/gであり、前記PBTの粘度は、0.7~1.3dL/gであり、前記繊維本体の
捲縮数は、1cmあたり5~15であることを特徴とする請求項1に記載された弾性複合繊維。
【請求項3】
前記低粘度PETの重量パーセントは、20%であり、前記高粘度PETの重量パーセントは、20%であり、前記PTTの重量パーセントは、30%であり、前記PBTの重量パーセントは、30%であることを特徴とする請求項2に記載された弾性複合繊維。
【請求項4】
弾性複合繊維の製造方法であって、下記のステップを含むことを特徴とする弾性複合繊維の製造方法;
ステップA:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTを水分含有量が15ppm未満まで乾燥させ、ここで、低粘度PETの粘度は、0.4~0.7dL/gであり、高粘度PETの粘度は、0.7~0.9dL/gであり、PTTの粘度は、0.4~1.3dL/gであり、PBTの粘度は、0.8~1.2dL/gである;
ステップB:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTをそれぞれスクリュー押出機に入れて溶融押出し、計量ポンプを介して計量して複合紡糸アセンブリに送られ、ここで、低粘度PETの重量パーセントは、全材料の10%-
50%を占め、高粘度PETの重量パーセントは、全材料の10%-
50%を占め、PTTの重量パーセントは、全材料の
12.5-
40%を占め、PBTの重量パーセントは、全材料の
12.5-
40%を占め、複合紡糸アセンブリからの溶融物は紡糸口金に導入され
、捲縮されていな
い繊維
前駆体を生成する;
ステップC:ステップBで得られた繊維
前駆体に対し、テンションをかけるヒートセットまたはテンションをかけないヒートセットを行い、前記テンションをかけるヒートセットは、第1トラクションローラー、第2トラクションローラー、第3トラクションローラー、第4トラクションローラーを採用
する。
【請求項5】
第1トラクションローラーの速度は、220-280m/minであり、温度は、150-170℃であり;第2トラクションローラーの速度は、222-282m/minであり、温度は、170-180℃であり;第3トラクションローラーの速度は、225-285m/minであり、温度は、170℃-180℃であり;第4トラクションローラーの速度は、230-290m/minであり、温度は、180℃であることを特徴とする請求項
4に記載された弾性複合繊維の製造方法。
【請求項6】
テンションをかけないヒートセットの温度は、80~120℃、時間は、2~6分であることを特徴とする請求項4又は5に記載された弾性複合繊維の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性複合繊維及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準の継続的な改善に伴い、服のスタイルに対する人々の要求も日々高まっている。ストレッチ生地は国際市場で人気があり、国産のハイストレッチ生地の原料は主にスパンデックスに依存する、しかし、スパンデックスは弾力性が高く、滑りやすく、生地だけで使用されることは、めったになく、一般的に、コアスパン糸やカバード糸は他の糸で織っている。スパンデックスの製織プロセスは複雑で染色性が悪い。現在では、三次元圧着弾性短繊維は、市場で開発され、これは、単一成分PET三次元圧着中空繊維を採用し、機械式圧着機で圧着し、そしてリラクゼーションヒートセッティング機を通って、セッティングされた生産方法により製造した機械圧着弾性繊維である。三次元中空繊維弾性で形成した製造方法は、主に圧着機で加工されている。中空繊維の製造方法を採用して製造された弾性繊維は、紡糸性、低密度、緩み性に優れていることが試験により証明されているが、従来の三次元中空繊維は、単一成分繊維であるため、かさばりや手触りがウールとは大きく異なり、しかも弾力性がほとんどまたはまったくない。
【0003】
近年、複合繊維が、広く注目され、研究され、その複合繊維は、一種の多成分繊維であり、同じ一本繊維のセクションに2つまたは2つ以上の非混和性ポリマー繊維があり、例えば、PET / PTT複合繊維、PET / PBT複合繊維等の複合繊維がある。また、出願番号201810987214.0(自社の出願)の中国発明特許出願は、弾性複合繊維及びその製造方法を開示しており、具体的には、繊維本体低粘度PET、高粘度PET、及びPTTを含み、3種類の材料を使用して対応するプロセスで弾性複合繊維を作成できている。しかしながら、前記弾性複合繊維は、一般的な3次元圧着と熱安定性の低下という欠点がある。
【0004】
このため、本願の発明者は、上記の問題について詳細に研究して、本願を提出する。
【発明の概要】
【0005】
上述した既存技術の欠点に対して、本発明の目的は、弾性複合繊維及びその製造方法を提供し、本発明は、PTT /PET /PBT複合繊維をつかい作成され、材料間の合理的な調整及び物理的と化学的特性の違いにより、よりふわふわで、より明白な3次元構造と、より優れた熱安定性を備えた材料を得ることができた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の技術手段を採用する。
【0007】
弾性複合繊維は、繊維本体を含み、繊維本体が以下の重量パーセントの物質である:低粘度PET:10%-90%、高粘度PET:10%-90%、PTT:10-80%、PBT:10-80%、で構成される複合紡糸によって形成することを特徴とする。
【0008】
本発明の好ましい方法として、前記低粘度PETの粘度は、0.4~0.7dL/gであり、前記高粘度PETの粘度は、0.7~0.9dL/gであり、前記PTTの粘度は、0.4~1.3dL/gであり、前記PBTの粘度は、0.7~1.3dL/gであり 、前記繊維本体の捲縮数は、1cmあたり5~15である。
【0009】
本発明の好ましい方法として、前記低粘度PETの重量パーセントは、20%であり、前記高粘度PETの重量パーセントは、20%であり、前記PTTの重量パーセントは、30%であり、前記PBTの重量パーセントは、30%である。
【0010】
これに対応して、本発明は、また、弾性複合繊維の製造方法を提供し、下記のステップを含む;
【0011】
ステップA:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTを、水分含有量が15ppm未満まで乾燥させる。ここで、低粘度PETの粘度は、0.4~0.7dL/gであり、高粘度PETの粘度は、0.7~0.9 dL/gであり、PTTの粘度は、0.4~1.3 dL/gであり、PBTの粘度は、0.8~1.2 dL/gである。
【0012】
ステップB:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTを、それぞれスクリュー押出機に入れて溶融押出し、計量ポンプを介して計量して複合紡糸アセンブリに送られる。低粘度PETの重量パーセントは、全材料の10%-90%を占め、高粘度PETの重量パーセントは、全材料の10%-90%を占め、PTTの重量パーセントは、全材料の10-80%を占め、PBTの重量パーセントは、全材料の10-80%を占め、複合紡糸アセンブリからの溶融物は、紡糸口金に導入されて噴出され、噴出した後、並んだ形状の真空トウを形成し、そして、紡糸、リングブロー、冷却、給油、巻き取り、及びバレル落下をへてから、捲縮されていないトップ繊維生糸を生成する;
【0013】
ステップC:ステップBで得られた繊維生糸を、20時間で平衡化してから成形する。成形には、テンションヒートセットまたはルーズ式成形を採用し、前記テンションヒートセットは、第1トラクションローラー、第2トラクションローラー、第3トラクションローラー、第4トラクションローラーを採用し、ストレッチ成形をする。
【0014】
本発明の好ましい方法として、前記複合紡糸アセンブリは、大容量デュアルチャネル複合紡糸装置の紡糸コンポーネントであり、上部ハウジング、フィルターキャビティ、分配プレートA、分配プレートB、分配プレートC、紡糸口金、プレスブロック、と下部ハウジングで構成する(特許番号2016203355293に開示されている装置)。
【0015】
本発明の好ましい方法として、第1トラクションローラーの速度は、220-280m/minであり、温度は、150-170℃であり;第2トラクションローラーの速度は、222-282m/minであり、温度は、170-180℃であり;第3トラクションローラーの速度は、225-285m/minであり、温度は、170℃-180℃であり;第4トラクションローラーの速度は、230-290m/minであり、温度は、180℃である。
【0016】
本発明の好ましい方法として、ルーズ式ヒートセットの温度は、80~120℃、時間は、2~6分である。
【発明の効果】
【0017】
従来の技術と比較して、本発明は、以下の有益な効果を有する:
【0018】
1.本発明は、PET、PTT、PBT等3種類繊維の複合弾性繊維の市場ギャップを解決する。
【0019】
2.本発明は、PET、PTT、PBT3種類繊維の利点を組み合わせ、良好な紡糸性、高強度、良好な弾性、柔らかさおよび快適さ、容易な染色、吸湿などの利点を有するだけでなく、材料間の合理的な調整及び物理的と化学的特性の違いにより、複合繊維の3次元構造がより顕著になり、熱安定性が向上する。
【0020】
3.本発明は、PET、PTTとPBTの異なる分子構造および結晶特性によって生成される複合自己圧着弾性特性を採用し、そして大容量デュアルチャネル複合紡糸装置の紡糸部材を介して平行PTT / PET / PBT複合弾性短繊維を生成し、前記短繊維は、ふわふわさ、柔らかさ、鮮やかな色を有し、しかも一定の弾力性と弾力性の回復があり、それによって、三次元構造がより目立ち、熱安定性が向上し、従来の弾性繊維の、高価な価格、かさばりの悪さ、手触りの悪さ、染色性の悪さ、脱色のしやすさ等の問題を解決できる。
【0021】
4.本発明は、スパンデックス材料に相対して、コアスパンヤーンの製造プロセスを低減し、操作プロセスを単純化し、人件費を大幅に節約し、そして資源の浪費を低減できる。
【0022】
5.本発明により製造される複合材料は、広く応用され、カーペット、私服、ファッション服、下着、スポーツウェア、水着、靴下などの製造に適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
下記は、実施例を併せて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の実施例は、これに限定されない。本発明の上述した技術的思想から逸脱することなく、当分野における共通の技術的知識および従来の手段に基づく、様々な代替および変更が本発明の範囲に含まれるものとする。
【0024】
実施例1
【0025】
弾性複合繊維の製造方法は、下記のステップを含む:
【0026】
ステップA:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTを水分含有量が15ppm未満まで乾燥する。低粘度PETの粘度は、0.42 dL/gであり、高粘度PETの粘度は、0.83 dL/gであり、PTTの粘度は、0.92 dL/gであり、PBTの粘度は、0.92 dL/gである。
【0027】
ステップB:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTをそれぞれスクリュー押出機に入れて溶融押出し、計量ポンプを介して計量して複合紡糸アセンブリに送られる。前記複合紡糸アセンブリは、大容量デュアルチャネル複合紡糸装置の紡糸コンポーネントであり、低粘度PETの重量パーセントは、全材料の20%を占め、高粘度PETの重量パーセントは、全材料の20%を占め、PTTの重量パーセントは、全材料の30%を占め、PBTの重量パーセントは、全材料の30%を占め、複合紡糸アセンブリからの溶融物は、紡糸口金に導入されて噴出され、噴出した後、並んだ形状の真空トウを形成し、そして、紡糸、リングブロー、冷却、給油、巻き取り、及びバレル落下を経て、圧着されていないトップ繊維生糸を生成する;
【0028】
ステップC:ステップBで得られた繊維生糸を20時間で平衡化してから成形する。成形には、テンションヒートセットを採用し、前記テンションヒートセットは、第1トラクションローラー、第2トラクションローラー、第3トラクションローラー、第4トラクションローラーを採用し、ストレッチ成形をしており、第1トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、160℃であり;第2トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、175℃であり;第3トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、175℃であり;第4トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、180℃である。この実施例では、複数の第1トラクションローラー、第2トラクションローラー、第3トラクションローラー、第4トラクションローラーを採用する。各トラクションローラーの温度が、順次上昇するため、繊維の温度が、より均一に加熱され、繊維の成型構造が、より良く、より安定する。
【0029】
実施例1によって、得られた複合繊維の関連性能のパラメーターは、次のとおり:
【0030】
【0031】
実施例2
【0032】
ステップA:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTを水分含有量が15ppm未満まで乾燥する。低粘度PETの粘度は、0.42 dL/gであり、高粘度PETの粘度は、0.83 dL/gであり、PTTの粘度は、0.92 dL/gであり、PBTの粘度は、0.92 dL/gである。
【0033】
ステップB:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTをそれぞれスクリュー押出機に入れて溶融押出し、計量ポンプを介して計量して複合紡糸アセンブリに送られる。前記複合紡糸アセンブリは、大容量デュアルチャネル複合紡糸装置の紡糸コンポーネントであり、低粘度PETの重量パーセントは、全材料の20%を占め、高粘度PETの重量パーセントは、全材料の20%を占め、PTTの重量パーセントは、全材料の30%を占め、PBTの重量パーセントは、全材料の30%を占め、複合紡糸アセンブリからの溶融物は、紡糸口金に導入されて噴出される。噴出した後、並んだ形状の真空トウを形成し、そして、紡糸、リングブロー、冷却、給油、巻き取り、及びバレル落下を経て、圧着されていないトップ繊維生糸を生成する;
【0034】
ステップC:ステップBで得られた繊維を成形する。成形は、ルーズ式成形を使用し、ルーズ式成形の温度は、100℃であり、時間は、4分である。繊維は、成形する過程に、内部応力が解放され、高分子の配列が最も安定した状態に達しておらず、繊維の圧着形態が安定する。ルーズ式成形は、張力のない状態を利用して、繊維を完全にリラックスさせ、繊維の内部応力を排除して、繊維構造を完全で安定させる。
【0035】
実施例2によって、得られた複合繊維の関連性能のパラメーターは、次のとおり:
【0036】
【0037】
実施例3
【0038】
弾性複合繊維の製造方法であって、下記のステップを含む:
【0039】
ステップA:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTを水分含有量が15ppm未満まで乾燥する。低粘度PETの粘度は、0.55 dL/gであり、高粘度PETの粘度は、0.75 dL/gであり、PTTの粘度は、0.95 dL/gであり、PBTの粘度は、0.95 dL/gである。
【0040】
ステップB:低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTをそれぞれスクリュー押出機に入れて溶融押出し、計量ポンプを介して計量して複合紡糸アセンブリに送られる。前記複合紡糸アセンブリは、大容量デュアルチャネル複合紡糸装置の紡糸コンポーネントであり、低粘度PETの重量パーセントは、全材料の20%を占め、高粘度PETの重量パーセントは、全材料の20%を占め、PTTの重量パーセントは、全材料の30%を占め、PBTの重量パーセントは、全材料の30%を占め、複合紡糸アセンブリからの溶融物は、紡糸口金に導入されて噴出される。噴出した後、並んだ形状の真空トウを形成し、そして、紡糸、リングブロー、冷却、給油、巻き取り、及びバレル落下を経て、圧着されていないトップ繊維生糸を生成する;
【0041】
ステップC:ステップBで得られた繊維生糸を20時間で平衡化してから成形する。成形するのは、テンションヒートセットを採用する。前記テンションヒートセットは、第1トラクションローラー、第2トラクションローラー、第3トラクションローラー、第4トラクションローラーを採用する。ストレッチ成形をしており、第1トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、160℃であり;第2トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、175℃であり;第3トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、175℃であり;第4トラクションローラーの速度は、250m/minであり、温度は、180℃である。
【0042】
実施例3によって、得られた複合繊維の関連性能のパラメーターは、次のとおり:
【0043】
【0044】
実施例4~6
【0045】
低粘度PET、高粘度PET、PTT、PBTの重量比率が異なることを除いて、製造方法は、実施例3と同じで、得られた弾性複合繊維の関連する性能パラメータは次のとおりである:
【表4】
【0046】
実施例7~9
【0047】
低粘度PET、高粘度PET、PTT、及びPBTの異なる粘度を除いて、製造方法は、実施例3の方法と同じで、得られた複合繊維の関連する性能パラメーターは次のとおりである:
【表5】
【0048】
本発明のスクリュー押出機において、スクリューは、5つのゾーンに分かれており、スクリューの5つのゾーンの温度は、それぞれ265℃、275℃、280℃、280℃、と275℃である。
【0049】
本発明において、紡糸口金から出てくる繊維は、循環吹氣冷卻を採用し、温度は20℃であり、風速は2m/秒である。
【0050】
本発明において、低粘度のPETは、テレフタル酸および過剰のグリコールで重合されている過程に得られたグリコールの過剰33%(モル比)を採用し、その中で、グリコールは、1,2-プロパンジオールとジエチレングリコールを使用し、1,2-プロピレングリコールとジエチレングリコールのモル比は、70:30-50:50に制御され、ジエチレングリコールのモル比が、増加すると、低粘度PETの流動性は、増加するが、強度は徐々に低下する。高粘度のPETは、従来のPETで増粘処理を通って、具体的には、液相増粘プロセスを採用して、液体の小さい分子を抽出することで精製と粘度作用の向上を実現し、増粘処理後のPETの剛性が増し、強度の向上が複合繊維の硬度向上に重要な役割を果たす。 本発明におけるPTTおよびPBTは、市販されている従来のPTTTおよびPBTを採用できる。
【0051】
比較例
【0052】
出願201810987214.0の技術方法
【0053】
低粘度PET、高粘度PET、PTT、及びPBTの重量比が異なることを除いて、製造方法は、実施例3の方法と同じで、得られた複合繊維の関連する性能パラメーターは次のとおりである:
【表6】
【0054】
本発明の実施例1~9で製造された複合繊維と比較例(出願201810987214.0の技術方案)で製造された複合繊維の関連パラメータを比較することにより、本発明の方法によって製造された複合繊維は、より高い強度を有するだけでなく、良好な三次元圧着度を有し、熱安定性が大幅に向上する。
【0055】
上述した実施例が説明されたが、当技術分野の当業者は、基本的な創造的概念を習得すると、これらの実施例に追加の変更及び修正を加えることができ、従って、上述した説明は、本発明の単なる例であり、本発明の特許保護の範囲を限定するものではなく、本発明の明細書を使用することによって行われる、又は他の関連する技術分野で直接的又は間接的に使用される任意の同等の構造又は同等のプロセス変換は、同様に本発明の特許保護の範囲に含まれる。