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  • 特許-ドレン配管を必要としない空調システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】ドレン配管を必要としない空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 5/00 20060101AFI20221227BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20221227BHJP
   F25B 39/04 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
F24F5/00 101Z
F24F1/0007 361C
F24F13/22 222
F25B39/04 M
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018087006
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019190793
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 眞二
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-028158(JP,A)
【文献】特開2010-032094(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0209085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 5/00
F24F 1/0007
F24F 13/22
F25B 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調領域の外側に設けられ、前記空調領域の外側の空気と冷媒との熱交換を行う室外機と、
前記空調領域の内側に設けられ、水と前記空調領域の内側の空気との熱交換を行う室内機と、
前記室外機から送られた冷媒と水との熱交換を行い、熱交換した水を前記室内機に送り、前記室内機において熱交換された後の水の流入を受け付ける水流ユニットと、
前記室内機に設けられ、ドレン水と前記水流ユニットから送られた水とを含む水を蓄える室内側ドレンパンと、
前記水流ユニットに設けられ、ドレン水と前記室内機から流入する水とを含む水を蓄えるユニット側ドレンパンと、
前記室内機と前記水流ユニットとをつなぐ室内行き側配管と、
前記室内機と前記水流ユニットとをつなぐ室内戻り側配管と、
前記室内行き側配管に設けられ、前記ユニット側ドレンパンに蓄えられた水を前記室内機に送る室内行き側送水ポンプと、
前記室内戻り側配管に設けられ、前記室内側ドレンパンに蓄えられた水を前記水流ユニットに送る室内戻り側送水ポンプと、
前記室内側ドレンパンの水位を検出する室内側水位検出装置と、
前記ユニット側ドレンパンの水位を検出するユニット側水位検出装置と、
前記室内側水位検出装置の検出結果と前記ユニット側水位検出装置の検出結果とに基づいて算出された全体水量が予め設定された水量以下である場合に、前記室内行き側送水ポンプの動作と前記室内戻り側送水ポンプの動作とを停止させる制御装置と、
を備える空調システム。
【請求項2】
前記ユニット側ドレンパンへの給水を行うユニット側給水装置と、
前記ユニット側ドレンパンからの排水を行うユニット側排水装置と、
を備え、
前記制御装置は、予め設定された条件に基づいて前記ユニット側給水装置の動作と前記ユニット側排水装置の動作とを制御する請求項1に記載の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドレン配管を必要としない空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空調装置を開示する。当該空調装置によれば、ドレンパンを洗浄し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3060738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の空調装置においては、室内機の側にドレン配管が必要となる。ドレン配管においては、断熱処理、勾配確保等、制約条件が多い。このため、ドレン配管の施工品質が悪いと、水漏れ等が発生することもある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、室内機の側にドレン配管を要することなく、空調を行うことができる空調システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示に係る空調システムは、空調領域の外側に設けられ、空調領域の外側の空気と冷媒との熱交換を行う室外機と、空調領域の内側に設けられ、水と空調領域の内側の空気との熱交換を行う室内機と、室外機から送られた冷媒と水との熱交換を行い、熱交換した水を室内機に送り、室内機において熱交換された後の水の流入を受け付ける水流ユニットと、室内機に設けられ、ドレン水と前記水流ユニットから送られた水とを含む水を蓄える室内側ドレンパンと、水流ユニットに設けられ、ドレン水と前記室内機から流入する水とを含む水を蓄えるユニット側ドレンパンと、室内機と水流ユニットとをつなぐ室内行き側配管と、室内機と水流ユニットとをつなぐ室内戻り側配管と、室内行き側配管に設けられ、ユニット側ドレンパンに蓄えられた水を室内機に送る室内行き側送水ポンプと、室内戻り側配管に設けられ、室内側ドレンパンに蓄えられた水を水流ユニットに送る室内戻り側送水ポンプと、室内側ドレンパンの水位を検出する室内側水位検出装置と、ユニット側ドレンパンの水位を検出するユニット側水位検出装置と、室内側水位検出装置の検出結果とユニット側水位検出装置の検出結果とに基づいて算出された全体水量が予め設定された水量以下である場合に、室内行き側送水ポンプの動作と室内戻り側送水ポンプの動作とを停止させる制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、水流ユニットは、熱交換した水を室内機に送る。水流ユニットは、室内機において熱交換された後の水の流入を受け付ける。このため、室内機の側にドレン配管を要することなく、空調を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における空調システムの構成図である。
図2】実施の形態1における空調システムの制御装置の動作の例を説明するためのフローチャートである。
図3】実施の形態1における空調システムの制御装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における空調システムの構成図である。
【0011】
図1の空調システムにおいて、室外機1は、空調領域の外側に設けられる。室外機1は、空調領域の外側の空気と冷媒との熱交換を行い得るように設けられる。室内機2は、空調領域の内側に設けられる。室内機2は、水と空調領域の内側の空気との熱交換を行い得るように設けられる。水流ユニット3は、室内機2に隣接して設けられる。水流ユニット3は、室外機1から送られた冷媒と水との熱交換を行い得るように設けられる。水流ユニット3は、熱交換された水を室内機2に送り得るように設けられる。水流ユニット3は、室内機2において熱交換された後の水の流入を受け付け得るように設けられる。
【0012】
室内側ドレンパン4は、室内機2に設けられる。室内側ドレンパン4は、室内機2におけるドレン水等の水を蓄え得るように設けられる。ユニット側ドレンパン5は、水流ユニット3に設けられる。ユニット側ドレンパン5は、水流ユニット3におけるドレン水等の水を蓄え得るように設けられる。
【0013】
室内行き側配管6は、室内機2と水流ユニット3とをつなぐ。室内戻り側配管7は、室内機2と水流ユニット3とをつなぐ。
【0014】
室内行き側フィルタ8は、室内行き側配管6に設けられる。室内行き側フィルタ8は、室内行き側配管6を流れる水から異物を除去し得るように設けられる。室内戻り側フィルタ9は、室内戻り側配管7に設けられる。室内戻り側フィルタ9は、室内戻り側配管7を流れる水から異物を除去し得るように設けられる。
【0015】
室内行き側送水ポンプ10は、室内行き側配管6に設けられる。室内行き側送水ポンプ10は、室内行き側配管6を介してユニット側ドレンパン5に蓄えられた水を室内機2に送り得るように設けられる。室内戻り側送水ポンプ11は、室内戻り側配管7に設けられる。室内戻り側送水ポンプ11は、室内戻り側配管7を介して室内側ドレンパン4に蓄えられた水をユニット側ドレンパン5に送り得るように設けられる。
【0016】
ユニット側給水装置12は、水流ユニット3に設けられる。ユニット側給水装置12は、ユニット側ドレンパン5への給水を行い得るように設けられる。ユニット側排水装置13は、水流ユニット3に設けられる。ユニット側排水装置13は、ユニット側ドレンパン5からの排水を行い得るように設けられる。
【0017】
室内側水位検出装置14は、室内側ドレンパン4に設けられる。室内側水位検出装置14は、室内側ドレンパン4の水位を検出し得るように設けられる。ユニット側水位検出装置15は、ユニット側ドレンパン5に設けられる。ユニット側水位検出装置15は、ユニット側ドレンパン5の水位を検出し得るように設けられる。
【0018】
制御装置16は、空調システムの各種機器を制御し得るように設けられる。
【0019】
例えば、制御装置16は、予め設定された条件に基づいてユニット側給水装置12の動作とユニット側排水装置13の動作とを制御する。
【0020】
例えば、室内側水位検出装置14が予め設定された水位以上の水位を検出した場合、制御装置16は、室内行き側送水ポンプ10の動作を停止させる。
【0021】
例えば、ユニット側水位検出装置15が予め設定された水位以上の水位を検出した場合、制御装置16は、室内戻り側送水ポンプ11の動作を停止させる。
【0022】
例えば、室内側水位検出装置14の検出結果とユニット側水位検出装置15の検出結果とに基づいて算出された全体水量が予め設定された水量以下である場合、制御装置16は、室内行き側送水ポンプ10の動作と室内戻り側送水ポンプ11の動作とを停止させる。
【0023】
次に、図2を用いて、制御装置16の動作の例を説明する。
図2は実施の形態1における空調システムの制御装置の動作の例を説明するためのフローチャートである。
【0024】
ステップS1では、制御装置16は、水の入れ替え条件が成立したか否かを判定する。例えば、制御装置16は、現時刻が予め設定された水の入れ替え時刻か否かを判定する。
【0025】
ステップS1で水の入れ替え条件が成立した場合、制御装置16は、ステップS2の動作を行う。ステップS2では、制御装置16は、ユニット側給水装置12とユニット側排水装置13とを動作させる。その後、制御装置16は、ステップS1の動作を行う。
【0026】
ステップS1で水の入れ替え条件が成立していない場合、制御装置16は、ステップS3の動作を行う。ステップS3では、制御装置16は、室内側水位検出装置14が予め設定された水位以上の水位を検出しているか否かを判定する。
【0027】
ステップS3で室内側水位検出装置14が予め設定された水位以上の水位を検出していない場合、制御装置16は、ステップS4の動作を行う。ステップS4では、制御装置16は、ユニット側水位検出装置15が予め設定された水位以上の水位を検出しているか否かを判定する。
【0028】
ステップS4でユニット側水位検出装置15が予め設定された水位以上の水位を検出していない場合、制御装置16は、ステップS5の動作を行う。ステップS5では、制御装置16は、室内側水位検出装置14の検出結果とユニット側水位検出装置15の検出結果とに基づいて算出された全体水量が予め設定された水量以下であるか否かを判定する。
【0029】
ステップS5で室内側水位検出装置14の検出結果とユニット側水位検出装置15の検出結果とに基づいて算出された全体水量が予め設定された水量以下でない場合、制御装置16は、ステップS1の動作を行う。
【0030】
ステップS3で室内側水位検出装置14が予め設定された水位以上の水位を検出している場合、制御装置16は、ステップS6の動作を行う。ステップS6では、制御装置16は、室内行き側送水ポンプ10の動作を停止させる。
【0031】
ステップS4でユニット側水位検出装置15が予め設定された水位以上の水位を検出している場合、制御装置16は、ステップS7の動作を行う。ステップS7では、制御装置16は、室内戻り側送水ポンプ11の動作を停止させる。
【0032】
ステップS5で室内側水位検出装置14の検出結果とユニット側水位検出装置15の検出結果とに基づいて算出された全体水量が予め設定された水量以下である場合、制御装置16は、ステップS8の動作を行う。ステップS8では、制御装置16は、室内行き側送水ポンプ10の動作と室内戻り側送水ポンプ11の動作とを停止させる。
【0033】
以上で説明した実施の形態1によれば、水流ユニット3は、熱交換した水を室内機2に送る。水流ユニット3は、室内機2において熱交換された後の水の流入を受け付ける。このため、室内機2の側にドレン配管を要することなく、空調を行うことができる。
【0034】
また、室内行き側送水ポンプ10は、ユニット側ドレンパン5に蓄えられた水を室内機2に送る。室内戻り側送水ポンプ11は、室内側ドレンパン4に蓄えられた水を水流ユニット3に送る。このため、室内機2と水流ユニット3との間における水の循環を円滑に行うことができる。
【0035】
また、室内側水位検出装置14が予め設定された水位以上の水位を検出している場合、制御装置16は、室内行き側送水ポンプ10の動作を停止させる。このため、室内側ドレンパン4の水が溢れることを防止できる。
【0036】
また、ユニット側水位検出装置15が予め設定された水位以上の水位を検出している場合、制御装置16は、室内戻り側送水ポンプ11の動作を停止させる。このため、ユニット側ドレンパン5の水が溢れることを防止できる。
【0037】
また、室内側水位検出装置14の検出結果とユニット側水位検出装置15の検出結果とに基づいて算出された全体水量が予め設定された水量以下である場合、制御装置16は、室内行き側送水ポンプ10の動作と室内戻り側送水ポンプ11の動作とを停止させる。このため、空調システムからの水漏れが増えることを防止できる。
【0038】
また、制御装置16は、予め設定された条件に基づいてユニット側給水装置12の動作とユニット側排水装置13の動作とを制御する。このため、適切タイミングで室内機2と水流ユニット3との間を循環する水を入れ替えることができる。この際、ユニット側排水装置13を動作させて排水した後、ユニット側給水装置12を動作させて給水すればよい。その結果、室内機2と水流ユニット3との間において、より清浄な水を循環させることができる。
【0039】
なお、複数の室内機2に対して1つの水流ユニット3を適用してもよい。また、1つの室外機1に対して複数の水流ユニット3を適用してもよい。これらの場合も、室内機2の側にドレン配管を要することなく、空調を行うことができる。
【0040】
次に、図3を用いて、制御装置16の例を説明する。
図3は実施の形態1における空調システムの制御装置のハードウェア構成図である。
【0041】
制御装置16の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ17aと少なくとも1つのメモリ17bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える。
【0042】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ17aと少なくとも1つのメモリ17bとを備える場合、制御装置16の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ17bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ17aは、少なくとも1つのメモリ17bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置16の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ17aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ17bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0043】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア18を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、制御装置16の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、制御装置16の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0044】
制御装置16の各機能について、一部を専用のハードウェア18で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、エレベーターの運転モードを切り替える機能については専用のハードウェア18としての処理回路で実現し、エレベーターの運転モードを切り替える機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ17aが少なくとも1つのメモリ17bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0045】
このように、処理回路は、ハードウェア18、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで制御装置16の各機能を実現する。
【符号の説明】
【0046】
1 室外機、 2 室内機、 3 水流ユニット、 4 室内側ドレンパン、 5 ユニット側ドレンパン、 6 室内行き側配管、 7 室内戻り側配管、 8 室内行き側フィルタ、 9 室内戻り側フィルタ、 10 室内行き側送水ポンプ、 11 室内戻り側送水ポンプ、 12 ユニット側給水装置、 13 ユニット側排水装置、 14 室内側水位検出装置、 15 ユニット側水位検出装置、 16 制御装置、 17a プロセッサ、 17b メモリ、 18 ハードウェア
図1
図2
図3