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特許7200660接続端子構造、この接続端子構造を用いる光源ユニットおよび照明器具
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  • 特許-接続端子構造、この接続端子構造を用いる光源ユニットおよび照明器具 図1
  • 特許-接続端子構造、この接続端子構造を用いる光源ユニットおよび照明器具 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】接続端子構造、この接続端子構造を用いる光源ユニットおよび照明器具
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/24 20060101AFI20221227BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20221227BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20221227BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20221227BHJP
【FI】
H01R13/24
H01R12/71
F21S8/04 130
F21V23/00 170
F21V23/00 120
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018241057
(22)【出願日】2018-12-25
(65)【公開番号】P2020102401
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】宮川 幸大
(72)【発明者】
【氏名】中畑 晋介
(72)【発明者】
【氏名】坂本 哲也
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】実公昭45-004110(JP,Y1)
【文献】特開2018-116876(JP,A)
【文献】実開昭56-174480(JP,U)
【文献】特開2017-174569(JP,A)
【文献】特開2000-260510(JP,A)
【文献】米国特許第2912668(US,A)
【文献】国際公開第2019/082809(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/24
H01R 12/71
F21S 8/04
F21V 23/00
H01R 33/00-33/975
H01R 13/11
H01H 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性材料からなる第1基体に配置され、板状を呈する導電性材料からなる複数の第1端子部材を有する入力端子部と、
第2基体に配置され、前記第1端子部材がそれぞれ挿入されるスリットが設けられ、前記各スリットの長手方向に沿って並べて設けられた複数の収納部および前記収納部を覆うケースカバーを有する絶縁性材料からなるケースと、前記各収納部にそれぞれ収納され、前記スリットに挿入された前記第1端子部材の板状の面に一端が弾性接触することにより電気的に接続するとともに前記第1端子部材を押圧力により固定し、他端が前記ケースに設けられた接続孔から外部へ延伸する、導電性材料からなる複数のコイルばねで構成された第2端子部材と、を有する出力端子部と、
を備え、
前記ケースは、前記スリットの長手方向に向かって傾斜した誘い面が設けられることを特徴とする接続端子構造。
【請求項2】
前記ケースの中央部に仕切り板が設けられ、前記スリットは前記仕切り板の両側に、それぞれ前記仕切り板と前記複数の収納部との間に形成されることを特徴とする請求項に記載の接続端子構造。
【請求項3】
前記ケース内において、
前記ケースの一面の壁面に平行して中央部に設けられる仕切り板と、
前記壁面に沿って並べて設けられ、前記壁面に対向する方向に向けて開口を有する複数の収納部による第1区画部と、
前記仕切り板に沿って並べて設けられ、前記第1区画部の収納部と同じ方向に向けた開口を有する複数の収納部による第2区画部と、を備え、
前記スリットは、一方が前記仕切り板および前記第1区画部との間に形成され、他方が前記第2区画部および前記壁面に対向する壁面との間に形成されることを特徴とする請求項に記載の接続端子構造。
【請求項4】
固体光源および前記固体光源が表面に配置される光源基板を有する光源部と、
電源基板を介して前記光源部に電力を供給する電源部と、
前記光源基板上に設置される絶縁性材料からなる第1基体に配置され、前記光源基板上の配線パターンと電気的に接続され、板状を呈する導電性材料からなる複数の第1端子部材を有する入力端子部と、
前記電源基板上に設置される第2基体に配置され、前記第1端子部材がそれぞれ挿入されるスリットが設けられ、前記各スリットの長手方向に沿って並べて設けられた複数の収納部および前記収納部を覆うケースカバーを有する絶縁性材料からなるケースと、前記各収納部にそれぞれ収納され、前記スリットに挿入された前記第1端子部材の板状の面に一端が弾性接触することにより電気的に接続するとともに前記第1端子部材を押圧力により固定し、他端が前記ケースに設けられた接続孔から外部へ延伸する、前記電源基板上の配線パターンと電気的に接続され、導電性材料からなる複数のコイルばねで構成された第2端子部材と、を有する出力端子部と、を備え
前記ケースは、前記スリットの長手方向に向かって傾斜した誘い面が設けられることを特徴とする光源ユニット。
【請求項5】
固体光源および前記固体光源が表面に配置される光源基板を有する光源部と、
電源基板を介して前記光源部に電力を供給する電源部と、
前記光源基板上に設置される絶縁性材料からなる第1基体に配置され、前記光源基板上の配線パターンと電気的に接続され、板状を呈する導電性材料からなる複数の第1端子部材を有する入力端子部と、
前記電源基板上に設置される第2基体に配置され、前記第1端子部材がそれぞれ挿入されるスリットが設けられ、前記各スリットの長手方向に沿って並べて設けられた複数の収納部および前記収納部を覆うケースカバーを有する絶縁性材料からなるケースと、前記各収納部にそれぞれ収納され、前記スリットに挿入された前記第1端子部材の板状の面に一端が弾性接触することにより電気的に接続するとともに前記第1端子部材を押圧力により固定し、他端が前記ケースに設けられた接続孔から外部へ延伸する、前記電源基板上の配線パターンと電気的に接続され、導電性材料からなる複数のコイルばねで構成された第2端子部材と、を有する出力端子部と、を備え、
前記ケースの中央部に仕切り板が設けられ、前記スリットは前記仕切り板の両側に、それぞれ前記仕切り板と前記複数の収納部との間に形成されることを特徴とす光源ユニット。
【請求項6】
固体光源および前記固体光源が表面に配置される光源基板を有する光源部と、
電源基板を介して前記光源部に電力を供給する電源部と、
前記光源基板上に設置される絶縁性材料からなる第1基体に配置され、前記光源基板上の配線パターンと電気的に接続され、板状を呈する導電性材料からなる複数の第1端子部材を有する入力端子部と、
前記電源基板上に設置される第2基体に配置され、前記第1端子部材がそれぞれ挿入されるスリットが設けられ、前記各スリットの長手方向に沿って並べて設けられた複数の収納部および前記収納部を覆うケースカバーを有する絶縁性材料からなるケースと、前記各収納部にそれぞれ収納され、前記スリットに挿入された前記第1端子部材の板状の面に一端が弾性接触することにより電気的に接続するとともに前記第1端子部材を押圧力により固定し、他端が前記ケースに設けられた接続孔から外部へ延伸する、前記電源基板上の配線パターンと電気的に接続され、導電性材料からなる複数のコイルばねで構成された第2端子部材と、を有する出力端子部と、を備え
前記ケース内において、
前記ケースの一面の壁面に平行して中央部に設けられる仕切り板と、
前記壁面に沿って並べて設けられ、前記壁面に対向する方向に向けて開口を有する複数の収納部による第1区画部と、
前記仕切り板に沿って並べて設けられ、前記第1区画部の収納部と同じ方向に向けた開口を有する複数の収納部による第2区画部と、を備え、
前記スリットは、一方が前記仕切り板および前記第1区画部との間に形成され、他方が前記第2区画部および前記壁面に対向する壁面との間に形成されることを特徴とす光源ユニット。
【請求項7】
前記光源部および前記電源部が取り付けられる取付部材を備えることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項8】
前記光源部を覆い、光拡散性を有する絶縁性材料からなるカバーを備えることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項9】
請求項4から8のいずれか1項に記載の光源ユニットと、前記光源ユニットが着脱可能に取付けられる器具本体とを備える照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源部における電気的接続を端子部材同士の機械的接続で実現する接続端子構造、およびこの接続端子構造を用いる光源ユニットと照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明器具の電源接続端子構造は、光源用基板と電気的かつ機械的に接続するように入力端子部が構成された複数の第1端子部材と、電源部の基板と電気的かつ機械的に接続するように出力端子部が構成された板バネ状に形成された複数の第2端子部材とが接触することで電気的接続する構造がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-174571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、入力端子部と電気的に接続される出力端子部(第2端子部材)の板バネ構造にて十分なバネ性を持たせるために、板バネのサイズをある程度以上に大きく持たせる必要がある。そのため、照明器具のサイズ増大と材料、組立コスト増大につながってしまい、製品を小型化することが困難であった。
また、第1端子部材と第2端子部材とを繋ぐ棒状の導電体を接続、挿入する組立作業の精度が高く要求され、自動組み立て装置の高度化、検査工程の追加などが懸念される。
【0005】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、製品サイズの小型化、組立工程の簡素化を実現できる接続端子構造、および、この接続端子構造を用いる光源ユニットと照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る接続端子構造は、絶縁性材料からなる第1基体に配置され、第1基体の長手方向に沿って板状を呈する導電性材料からなる複数の第1端子部材を有する入力端子部と、第2基体に配置され、第1端子部材がそれぞれ挿入されるスリットが設けられ、各スリットの長手方向に沿って並べて設けられた複数の収納部および収納部を覆うケースカバーを有する絶縁性材料からなるケースと、各収納部にそれぞれ収納され、スリットに挿入された第1端子部材の板状の面に一端が弾性接触することにより電気的に接続するとともに第1端子部材を押圧力により固定し、他端がケースに設けられた接続孔から外部へ延伸する、導電性材料からなる複数のコイルばねで構成された第2端子部材と、を有する出力端子部と、を備え、ケースは、スリットの長手方向に向かって傾斜した誘い面が設けられる
【0007】
本発明に係る光源ユニットは、固体光源および固体光源が表面に配置される光源基板を有する光源部と、電源基板を介して光源部に電力を供給する電源部と、光源基板上に設置される絶縁性材料からなる第1基体に配置され、光源基板上の配線パターンと電気的に接続され、第1基体の長手方向に沿って板状を呈する導電性材料からなる複数の第1端子部材を有する入力端子部と、電源基板上に設置される第2基体に配置され、第1端子部材がそれぞれ挿入されるスリットが設けられ、各スリットの長手方向に沿って並べて設けられた複数の収納部および収納部を覆うケースカバーを有する絶縁性材料からなるケースと、各収納部にそれぞれ収納され、スリットに挿入された第1端子部材の板状の面に一端が弾性接触することにより電気的に接続するとともに第1端子部材を押圧力により固定し、他端がケースに設けられた接続孔から外部へ延伸する、電源基板上の配線パターンと電気的に接続され、導電性材料からなる複数のコイルばねで構成された第2端子部材と、を有する出力端子部と、を備え、ケースは、スリットの長手方向に向かって傾斜した誘い面が設けられる
本発明に係る照明器具は、上述した光源ユニットと、この光源ユニットを収容し、かつ、着脱可能に取付けられる器具本体とを備える。

【発明の効果】
【0008】
本発明に係る接続端子構造によれば、端子部の小型化を実現すると同時に、製品サイズも小型化することができる。
また、本発明に係る接続端子構造を用いる光源ユニットと照明器具によれば、端子部の小型化を実現すると同時に、製品サイズも小型化できる。かつ、第1端子部材と電気的に接続される第2端子部材であるコイルばねは複数あるため、高精度な作業が不要で、組立作業を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る照明器具の断面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る照明器具の器具本体の斜視図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る照明器具の電源部と取付部材の斜視図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る照明器具の電源部と取付部材の長手方向の断面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る接続端子構造における入力端子部の斜視図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る接続端子構造における入力端子部の第1端子部材の斜視図である。
図7】本発明の実施の形態1に係る接続端子構造における出力端子部の斜視図である。
図8】本発明の実施の形態1に係る接続端子構造における出力端子部の内部構造の斜視図である。
図9】本発明の実施の形態1に係る接続端子構造における出力端子部の第2端子部材の斜視図である。
図10】本発明の実施の形態1に係る接続端子構造における入力端子部の第1端子部材と出力端子部の第2端子部材の接合箇所の短手方向の断面図である。
図11】本発明の実施の形態2に係る接続端子構造における出力端子部の内部楮の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る光源ユニット及び照明器具について説明する。
なお、以下に説明する実施形態は天井に取り付けられる照明器具を例示し、方向についても「上側」あるいは「下側」という表現を用いるが、実施形態の照明器具は壁などの天井以外の場所に取り付けられる照明器具であっても構わない。例えば壁に取り付ける照明器具の場合は、適宜「壁側」「室内側」等と置き換えて読むこととする。
【0011】
また、本発明は以下の実施の形態に限定されず、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて変更が可能である。
実施の形態1の照明器具1は、図1に示すように光源ユニット2と光源ユニット2を収容する器具本体10で構成される。器具本体10は吊りボルト200に固定され、天井100に直付けされる。光源ユニット2は器具本体10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0012】
器具本体10は、図2に示すように板金に曲げ加工を施すことで長尺かつ扁平な箱状に形成される。器具本体10は光源ユニット2を収容するための矩形凹部11が器具本体10の長手方向の全長に亘って設けられている。また、器具本体10の短手方向における矩形凹部11の両側にはそれぞれ傾斜部12が設けられている。傾斜部12は矩形凹部11の開口端縁から器具本体10の短手方向に延出し、かつ、器具の外側に延びるにつれて上方に向かうよう傾斜している。
また、矩形凹部11の上部である凹部天板111には、電源線30を通すための天板孔111Aが設けられている。さらにこの凹部天板111には、長手方向における両端寄りの位置に吊りボルト200を通すための天板孔111Bがそれぞれ設けられている。
【0013】
光源ユニット2は、取付部材20、光源部21、カバー210、電源部3を備える。
光源部21(図示せず)は、複数個の固体光源211、例えば、LEDモジュールを備えることが望ましい。固体光源211(図示せず)は、長手方向に長い矩形形状に形成された光源基板212の表面(図1において光源基板212の下面)に、複数個長手方向に並んで配置されている。
【0014】
図1において、カバー210は、光拡散性を有する絶縁性材料であり、例えば乳白色の半透明樹脂を用い、光源部21を覆うように、取付部材20側の面が開口する長尺の箱形に形成されている。また、カバー210は、短手方向において両端側から中央側に行くほど下側への突出量が大きくなるような凸レンズ形状の曲面部210Aを有している。
カバー210の短手方向における両端部には、図1に示すように、光源ユニット2を器具本体10に取り付けた状態で、上下方向において器具本体10の矩形凹部11の開口端縁より上側に入り込んだ位置において突出部210Bがそれぞれ設けられている。さらに、カバー210の短手方向において突出部210Bの内側には、上側に延びる爪部210Cが長手方向全長に亘って設けられている。また、器具本体10の矩形凹部11の開口端縁に相当する高さから、それぞれ内向きに支持片210Dが突出している。
【0015】
取付部材20は、板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成され、長尺かつ矩形形状に形成された底板201と、底板201の短手方向における両端から上向きに延出される一対の側板202とで構成される。
カバー210は、爪部210Cが取付部材20の側板202と嵌り合うことで、上下方向の固定がなされる。
【0016】
図3は電源部3と取付部材20の斜視図、図4は電源部3と取付部材20の長手方向の断面図である。取付部材20の底板201には切り起こし部201Aが設けられている。底板201の上に電源部3が乗るように配置されており、電源部3は切り起こし部201Aに接触する位置にある。
取付部材20には、入力端子部22と出力端子部31が貫通できるよう取付貫通部201Bが設けられている。電源部3が組立時に取付部材20に配置されるとき、電源部3に配置されている複数の出力端子部31は取付部材20の厚み方向から見て取付貫通部201Bと重なる位置に配置されている。複数の入力端子部22は取付部材20の厚み方向から見て取付貫通部201Bと重なる位置に配置されている。
電源部3が組立時に取付部材20に配置される前工程または後工程にて、光源部21の光源基板212は予め取付部材20の下面に配置されており、機械的方法または接着的方法により固定されている。
電源部3は、電源基板32を介して光源部21に電力を供給する。より具体的には、電源線30から供給される交流電流を、規定電圧の直流電流へと変換する。直流電流は電源基板32を介して出力端子部31から出力され、入力端子部22を介して光源部21の光源基板212へと供給される。
【0017】
図5は光源部21の光源基板212上に設置される入力端子部22の斜視図である。入力端子部22は、絶縁性材料からなる第1基体222、および第1基体222の長手方向に沿って板状を呈する複数の導電性材料からなる第1端子部材221を有する。第1端子部材221が第1基体222に配置され、第1基体222に支持されるように構成され、光源基板212上の配線パターンと電気的に接続されている。ここで、例えば、2個の第1端子部材221は、それぞれ正極と負極の入力電源端子に対応する。
図6は第1端子部材221の斜視図である。第1端子部材221には、基板貫通部221Aが形成されており、光源基板212の上下面を繋ぐ小孔を貫通して、光源基板212の下面の配線パターンと電気的に接続され、固体光源211まで電流を導通させる。
図7は電源部3の電源基板32に設置される出力端子部31の斜視図である。電源基板32の下面に配線パターンが設けられており、出力端子部31も電源基板32の下面に設けることで貫通孔を空けることなく電気的に接続することができる。
【0018】
出力端子部31は、複数のコイルばね311で構成された第2端子部材310と、第2端子部材310を覆うケース312で構成される。ケース312の端部には、第2端子部材310を構成する各コイルばね311のコイル端部311Aを外部へ延伸する複数個の接続孔312Aが設けられている。コイルばね311から延びるコイル端部311Aは適宜曲げ形状が設けられており、電源基板32の面にある配線パターンと接触または導電性を有する低融点金属による接合によって電気的に接続されている。絶縁性材料からなるケース312は、入力端子部22に対向して電源基板に当接する第2基体312Gに、仕切り板312C、長手方向のスリット312B、第1端子部材がスリットに挿入する方向に向かって誘い面312D、およびケースカバー312Fが設けられている。
【0019】
図8は、ケース312のケースカバー312Fを外し、内部構造が見えるようにした斜視図である。ケース312において、中央部に仕切り板312Cが設けられている。第2基体312G上に、第1端子部材221がそれぞれ挿入されるスリット312Bは、仕切り板312Cの両側に、それぞれ仕切り板312Cと複数の収納部312Eとの間に形成される。複数の小部屋状の収納部312Eは、スリット312Bの長手方向に沿って並べて配置されている。各収納部312Eにそれぞれ第2端子部材310を構成する導電性材料からなるコイルばね311が収納されている。
第2端子部材310を構成する各コイルばね311の一端がスリット312B内に挿入された第1端子部材221の板状の面に弾性接触することにより、電気的に接続するとともに第1端子部材221を押圧力により固定し、第2端子部材310を構成する各コイルばね311の他端がケース312に設けられた接続孔312Aから外部へ延伸し、電源基板上の配線パターンと電気的に接続される。ここで、例えば、仕切り板312Cの両側の複数個の収納部312Eには、それぞれ正極と負極の出力電源端子に対応する複数個のコイルばね311を収納する。
なお、ケースカバー312Fは、スリット312B部分を除いて収納部312Eの全体を覆うように設けられている。
また、第2基体312G、仕切り板312C、誘い面312Dおよび収納部312Eの壁は、絶縁性材料で一体成形されることが可能である。
図9は、第2端子部材310を構成する1つのコイルばね311の斜視図である。コイルばね311は、1回または複数回巻かれたコイル311Bの両端に、一端に製品組み立て時に入力端子部22の第1端子部材221と接触し電気的に接続される箇所となる接点部311Cを有し、他端に配線パターンと電気的に接続されるコイル端部311Aを有する。コイルばね311は、第1端子部材221と接続する一端の接点部311Cがスリット312B側に向けるように配置されている。
以上の接続端子構造によって、入力端子部22の複数個の第1端子部材221のそれぞれは、出力端子部31の第2端子部材310のうちの対応する複数のコイルばね311と電気的に接続される。
【0020】
図10は、入力端子部22と出力端子部31が接続される接続端子構造を有する接続部300の短手方向の断面図である。すなわち、図10に示すように、2枚の第1端子部材221はそれぞれ出力端子部31の仕切り板312Cの両側のスリット312Bに挿入し、収納部312Eに収納されるコイルばね311と接続される。
電源部底板33には、出力端子部31が貫通できるよう底板貫通部331が設けられている。電源部3の内部に電源基板32が配置されるとき、電源基板に配置されている1個または複数個の出力端子部31は、電源部底板33の厚み方向から見て底板貫通部331と重なる位置になるような位置関係で、出力端子部31が電源基板32の裏面に配置されている。
取付部材20には、入力端子部22と出力端子部31が貫通できるよう取付貫通部201Bが設けられている。電源部3が組立時に取付部材20に配置されるとき、電源部3に配置されている複数の出力端子部31は取付部材20の厚み方向から見て取付貫通部201Bと重なる位置に配置されている。複数の入力端子部22は取付部材20の厚み方向から見て取付貫通部201Bと重なる位置に配置されている。
【0021】
電源部3が組立時に取付部材20に配置される前工程または後工程にて、光源部21の光源基板212は予め取付部材20の下面に配置されており、機械的方法または接着的方法により固定されている。光源部21の光源基板212上面に配置されている入力端子部22の第1端子部材221と、電源部3の電源基板32下面に配置されている出力端子部31の第2端子部材310を構成するコイルばね311の接点部311Cが機械的に接触することで導通が取られている。
光源ユニットの接続構造を上記構成とすることにより、サイズの小型化および組立工程数の低減を実現することができる。
【0022】
第2端子部材310がコイルばね状に形成されていることにより、ケース312の高さを小さく抑え収納部312Eがごく狭い空間となった場合でも、機械的接触と電気的導通に必要なバネ性を大きくすることが可能となり、電源基板32裏面と光源部21の光源基板212上面との間というごく狭い領域内においても、入力端子部22と出力端子部31の機能を実現する機構を設けることができる。
出力端子部31のコイルばね311で構成された第2端子部材310を長手方向に複数個配置することで、入力端子部22と出力端子部31の位置決めが長手方向にずれた場合でも、入力端子部22の長手方向に長く、導電性を有する板状部材と確実に導通させることができる。
入力端子部22と出力端子部31の位置決めが短手方向にずれても、ケース312に第1端子部材221がスリット312Bに挿入する方向に向かって誘い面312Dを設けているため、組立挿入動作により自ら端子同士が導通する位置に誘い込まれるため、確実に電気的接続をすることができる。
【0023】
実施の形態1に係る接続端子構造、およびこの接続端子構造を用いる光源ユニットと照明器具によれば、端子部の小型化を実現すると同時に、製品サイズも小型化することができる。また、取付部材20に電源部3を取り付けることにより、第1端子部材と第2端子部との電気的接続が完結することで、組立作業を簡素化できる。
【0024】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る接続端子構造について説明する。実施の形態2では、本発明の実施の形態1と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略する。
実施の形態2では、出力端子部31および入力端子部22の接続端子構造が実施の形態1と異なる。光源ユニットと照明器具のほかの構成は実施の形態1と同様である。
【0025】
図11は、実施の形態2に係る出力端子部の内部構造の斜視図である。ケース312内において、ケース312の一面の壁面に平行して中央部に仕切り板312Cが設けられる。仕切り板312Cに平行するケース312の当該壁面に沿って並べて、当該壁面に対向する方向に向けて開口を有する複数の収納部312Eによる第1区画部312Iが設けられる。また、中央部の仕切り板312Cに沿って並べて、第1区画部312Iの収納部の開口方向と同じ方向に向けた開口を有する複数の収納部312Eによる第2区画部312Jが設けられる。スリット312Bの一方が仕切り板312Cと第1区画部312Iとの間に形成され、他方が第2区画部312Jおよび第1区画部312Iが設けられる壁面に対向する壁面との間に形成される。すなわち、第1端子部材221が挿入されるスリット312Bは、それぞれ中央部の仕切り板312Cの横、およびケース312の壁面の内側に設けられる。コイルばね311を収納する収納部312Eは、実施の形態1同様に、各スリット312Bの長手方向に沿って並べて配置され、スリット312Bに向けて開口を有する。
第1区画部312Iの収納部312Eに収納され、一方の第1端子部材221に弾性接続する1個または複数個の第2端子部材310を構成するコイルばね311の接点部311Cが、中央部の仕切り板312Cに近くなる側に配置される。第2区画部312Jの収納部312Eに収納され、他方の第1端子部材221に弾性接続する1個または複数個のコイルばね311の接点部311Cが、ケース312の壁面に近くなる側に配置されている。
実施の形態2の構成によれば、第1端子部材221は、それぞれ中央部の仕切り板312C側とケース312の壁面の内側とのスリット312Bに挿入することになる。ケース312の誘い面312Dも、1個または複数個の接点部311Cが存在する箇所に合わせて設ける。
また、実施の形態2に係る出力端子部31の構造に伴い、入力端子部22においても、広くなったスリット312Bの間の間隔に挿入するため、複数の第1端子部材221の間の間隔も広くでき、端子部材間の短絡が防止できる。
【0026】
実施の形態2に係る接続端子構造、およびこの接続端子構造を用いる光源ユニットと照明器具によれば、実施の形態1と同様の効果を実現すると同時に、入力端子部22の複数個の第1端子部材221の間の間隔を広くすることが可能となる。
【0027】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る光源ユニット及び照明器具について説明する。実施の形態3では、本発明の実施の形態1または実施の形態2と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略する。
実施の形態3では、出力端子部31および入力端子部22の接続端子構造が実施の形態1または実施の形態2と同じであるが、出力端子部31および入力端子部22の設置方向が異なる。光源ユニットと照明器具のほかの構成は実施の形態1または実施の形態2と同様である。
【0028】
実施の形態3では、光源部21の光源基板212の上面に配置されている入力端子部22を、第1端子部材221の導電性材料からなる板状形状が短手方向に平行になるよう配置する。電源部3の電源基板32の下面に配置されている出力端子部31を、ケース312に設けられたスリット312Bが短手方向に平行になるよう配置する。
また、光源部21の光源基板212の配線パターンと、電源部3の電源基板32の配線パターンを入力端子部22と出力端子部31に合わせて設計する。
【0029】
実施の形態3に係る接続端子構造、およびこの接続端子構造を用いる光源ユニットと照明器具によれば、実施の形態1または実施の形態2と同様の機能および効果を実現すると同時に、長手方向と短手方向の向きを入れ替えても同様に実現可能であるため、光源ユニット及び照明器具の設計の自由度が高くなる。
また、第1端子部材221の配置方向と、出力端子部31のケース312のスリット312Bの方向は、長手方向や短手方向に限定されない。出力端子部31の方向とスリット312Bの方向が電源部3の組立時に一致するように揃えてある限りにおいて、任意の角度に配置することが可能である。
【0030】
なお、本発明は、発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることや、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 照明器具、2 光源ユニット、3 電源部、10 器具本体、11 矩形凹部、12 傾斜部、20 取付部材、21 光源部、22 入力端子部、30 電源線、31 出力端子部、32 電源基板、33 電源部底板、100 天井、111 凹部天板、111A 天板孔、111B 天板孔、200 吊りボルト、200A ナット、201 底板、201A 切り起こし部、201B 取付貫通部、202 側板、210 カバー、210A 曲面部、210B 突出部、210C 爪部、210D 支持片、211 固体光源、212 光源基板、221 第1端子部材、221A 基板貫通部、222 第1基体、300 接続部、310 第2端子部材、311 コイルばね、311A コイル端部、311B コイル、311C 接点部、312 ケース、312A 接続孔、312B スリット、312C 仕切り板、312D 誘い面、312E 収納部、312F ケースカバー、312G 第2基体、312I 第1区画部、312J 第2区画部、331 底板貫通部
図1
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図11