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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20221227BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
H02J50/20
H05K9/00 P
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019016141
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020124084
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽根 康介
(72)【発明者】
【氏名】平井 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰行
(72)【発明者】
【氏名】小田 康太
(72)【発明者】
【氏名】桑山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】山岸 傑
(72)【発明者】
【氏名】高野 豊久
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-178964(JP,A)
【文献】特表2015-521459(JP,A)
【文献】特開2013-169129(JP,A)
【文献】特開2004-007851(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0303693(US,A1)
【文献】特開2012-054369(JP,A)
【文献】特開平10-260215(JP,A)
【文献】特開2008-199882(JP,A)
【文献】国際公開第2012/127868(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/20
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される給電装置であって、
電子機器に設けられた受電部が受信可能なマイクロ波を送信する送電部と、
前記送電部が内部に設置された状態で少なくとも1つの前記電子機器を収容可能な収容部と、を備え、
前記収容部を構成する壁部は、前記マイクロ波を遮断する遮断体を含んでおり、
前記送電部は、前記壁部の一部である蓋部の内面に取り付けられている給電装置。
【請求項2】
前記蓋部は、前記収容部における前記電子機器を収容するための開口を閉状態にする閉位置と、前記開口を開放状態にする開位置との間を変位可能とされており、
前記蓋部が閉位置に配された際に、前記送電部をオフ状態からオン状態に切り換え、前記蓋部が閉位置から開位置に向かって変位する際に、前記送電部をオン状態からオフ状態に切り換えるスイッチ機構をさらに備える請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記収容部の開口縁部と前記蓋部との間には、前記蓋部が閉位置に配置された際に、前記収容部の開口縁部と前記蓋部とに密着して前記マイクロ波を遮断するシールド部材が設けられている請求項2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記送電部は、前記壁部のうち、前記収容部の上部を構成する上壁に取り付けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項5】
前記電子機器と無線通信可能な通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記収容部の壁部に取り付けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項6】
前記収容部には、複数の前記電子機器が収容可能とされており、
前記収容部は、前記送電部から送信される前記マイクロ波の送信方向に前記電子機器が並んで配置されることを防ぐ規制部を有している請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項7】
前記遮断体の一部は、入射する電磁波を位相回転0°で反射する人工磁気導体とされている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項8】
前記遮断体は、所定の周波数を選択的に遮断する電磁遮蔽材とされている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項9】
前記送電部は、前記マイクロ波を出力する出力部を少なくとも2つ以上有しており、
2つ以上の前記出力部のうち少なくとも1つの前記出力部から出力される前記マイクロ波の位相を制御して所定位置における前記マイクロ波の強度を高くする位相器をさらに有し、
前記位相器は、前記マイクロ波の位相を制御することによって前記マイクロ波の強度が高くなる位置を前記収容部の前記電子機器が配置可能な領域において移動させる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項10】
前記遮断体は、前記マイクロ波を反射する電波反射体であり、
前記収容部内には、前記電波反射体によって反射した前記マイクロ波が集中する電波集中領域が構成されるようになっており、
前記収容部は、前記電波集中領域に前記電子機器を配置する配置部を有している請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の給電装置。
【請求項11】
前記収容部には、複数の前記電子機器が収容可能とされており、
前記収容部は、前記電波集中領域に複数の前記電子機器を並べて配置する規制部を有している請求項10に記載の給電装置。
【請求項12】
前記規制部は、前記送電部から送信される前記マイクロ波の送信方向に前記電子機器が並んで配置されることを防ぐ請求項11に記載の給電装置。
【請求項13】
前記収容部は、前記車両のアームレスト、コンソールもしくはドアポケットに設けられている請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、電子機器に無線給電する給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話やスマートフォンなどの電子機器に給電するための非接触型電力伝送装置として、特開2018-121036号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。この非接触型電力伝送装置は、電子機器に設けられる受電コイルと、基板に設けられた送電コイルとを有しており、送電コイルと受電コイルとを非接触に対向配置させて、対向したコイルの電磁誘導により電子機器に電力が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-121036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の給電装置は、送電および受電コイルに位置ずれが生じると、送受電の効率が著しく減少するため、上述の非接触型電力伝送装は、送電コイルの長手方向の長さ寸法を、受電コイルの辺の長さ寸法の2倍以上となるように設定し、受電コイルと送電コイルの厳密な位置合わせを不要としている。
【0005】
ところが、送電コイルを配置する領域が限られている場合には、送電コイルを大きくすることができず、送受電の効率が減少することを抑制することができなくなってしまう。
【0006】
本明細書では、位置合わせをせずに電子機器を無線給電する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書によって開示される技術は、車両に搭載される給電装置であって、電子機器に設けられた受電部が受信可能なマイクロ波を送信する送電部と、前記送電部が内部に設置された状態で少なくとも1つの前記電子機器を収容可能な収容部と、を備え、前記収容部を構成する壁部は、前記マイクロ波を遮断する遮断体を含んでいる構成とした。
【0008】
このような構成の給電装置によると、送電部から送信されるマイクロ波を電子機器の受電部によって受信する、いわゆるマイクロ送電によって電子機器に無線給電することができる。つまり、電磁誘導方式のように、送電コイルと受電コイルとが位置ずれしないように対向配置させて電子機器を配置する必要がなく、送電部を大型化する必要がないから、車両内の限られた領域に給電装置を配置することができる。
【0009】
また、収容部を構成する壁部はマイクロ波を遮断する遮断体を有しているから、収容部からマイクロ波が漏れることを防ぐことができる。
【0010】
本明細書によって開示される給電装置は、以下の構成としてもよい。
【0011】
前記壁部の一部である蓋部は、前記収容部における前記電子機器を収容するための開口を閉状態にする閉位置と、前記開口を開放状態にする開位置との間を変位可能とされており、前記蓋部が閉位置に配された際に、前記送電部をオフ状態からオン状態に切り換え、前記蓋部が閉位置から開位置に向かって変位する際に、前記送電部をオン状態からオフ状態に切り換えるスイッチ機構をさらに備える構成としてもよい。
【0012】
このような構成によると、蓋部が閉位置に至ると、スイッチ機構によって送電部がオン状態に切り換えられ、電子機器を自動的に給電することができる。また、蓋部が閉位置から開位置に向かって変位する際に、スイッチ機構によって送電部がオフ状態に切り換えられてマイクロ波の送信が停止するから、蓋部を開閉する際に、収容部の開口からマイクロ波が漏れることを確実に防ぐことができる。
【0013】
前記収容部の開口縁部と前記蓋部との間には、前記蓋部が閉位置に配置された際に、前記収容部の開口縁部と前記蓋部とに密着して前記マイクロ波を遮断するシールド部材が設けられている構成としてもよい。
【0014】
このような構成によると、収容部の開口縁部と蓋部との間にマイクロ波を遮断するシールド部材が設けられているから、収容部の開口と蓋部との間からマイクロ波が漏れることを確実に防止することができる。
【0015】
前記送電部は、前記壁部のうち、前記収容部の上部を構成する上壁もしくは前記収容部の下部を構成する下壁に取り付けられている構成としてもよい。
【0016】
このような構成によると、収容部の上壁もしくは下壁に送電部が取り付けられている場合には、例えば、収容部の側方に配された壁部に送電部が取り付けられている場合に比べて、送電部から送信されるマイクロ波が他の電子機器などによって遮られることを防ぎ、収容部内に収容された全ての電子機器にマイクロ波を送電して無線給電することができる。
【0017】
前記電子機器と無線通信可能な通信部をさらに備え、前記通信部は、前記収容部の壁部に取り付けられている構成とした。
【0018】
電子機器が無線通信可能な場合、電子機器が収容部に収容されると、収容部の壁部における遮断体によって無線通信が遮断されることが懸念される。しかしながら、このような構成によると、電子機器と無線通信可能な通信部が収容部の壁部に取り付けられているから、電子機器に無線給電しつつ、電子機器が無線通信できなくなることを防ぐことができる。
【0019】
前記収容部には、複数の前記電子機器が収容可能とされており、前記収容部は、前記送電部から送信される前記マイクロ波の送信方向に前記電子機器が並んで配置されることを防ぐ規制部を有している構成としてもよい。
【0020】
例えば、複数の電子機器がマイクロ波の送信方向に並ぶと、送電部に近い手前の電子機器によってマイクロ波が吸収されて遮られ、送電部から遠い電子機器へのマイクロ波の伝搬が小さくなってしまうことが懸念される。
ところが、このような構成によると、送電部のマイクロ波の送信方向に複数の電子機器が並ばないように配置することができる。つまり、送電部から出力されるマイクロ波が他の電子機器によって遮られることを防ぎ、それぞれの電気機器へのマイクロ波の伝搬が小さくなることを抑制することができる。
【0021】
前記遮断体の一部は、入射する電磁波を位相回転0°で反射する人工磁気導体とされている構成としてもよい。
このような構成によると、遮断体の一部を人工磁気導体にすることよって、収容部内においてマイクロ波の分布を変更することなく、収容部を小型化することができる。
【0022】
前記遮断体は、所定の周波数を選択的に遮断する電磁遮蔽材とされている構成としてもよい。
このような構成によると、電磁遮断材によって構成された遮断体によってマイクロ波を選択的に遮断し、無線通信などで使用する電波を透過させることができる。これにより、電子機器に無線給電しつつ、電子機器が無線通信できなくなることを防ぐことができる。
【0023】
前記送電部は、前記マイクロ波を出力する出力部を少なくとも2つ以上有しており、2つ以上の前記出力部のうち少なくとも1つの前記出力部から出力される前記マイクロ波の位相を制御して所定位置における前記マイクロ波の強度を高くする位相器をさらに有し、前記位相器は、前記マイクロ波の位相を制御することによって前記マイクロ波の強度が高くなる位置を移動させる構成としてもよい。
【0024】
例えば、収容部全体のマイクロ波の強度を高くするためには、送電部を大型化する方法が考えられる。しかしながら、送電部を配置するための場所が限られている場合には、収容部全体に対して強度が高いマイクロ波を送信することができなくなってしまう。
【0025】
ところが、このような構成によると、位相部が、収容部においてマイクロ波の強度が高くなる位置を移動させるから、収容部全体に対して強度が高いマイクロ波を送信することができる。これにより、収容部内に配置された電子機器に対して均一に無線給電を行うことができる。
【0026】
前記遮断体は、前記マイクロ波を反射する電波反射体であり、前記収容部内には、前記電波反射体によって反射した前記マイクロ波が集中する電波集中領域が構成されるようになっており、前記収容部は、前記電波集中領域に前記電子機器を配置する配置部を有している構成としてもよい。
このような構成によると、収容部内に電子機器を収容した際に、電子機器が配置部によってマイクロ波が集中する電波集中領域に自然と配置される。これにより、電子機器の給電効率を高めることができる。
【0027】
前記収容部には、複数の前記電子機器が収容可能とされており、前記収容部は、前記電波集中領域に複数の前記電子機器を並べて配置する規制部を有している構成としてもよい。
このような構成によると、規制部によって収容部内に収容される複数の電子機器を電波集中領域に並べて配置することができる。これにより、それぞれの電子機器の給電効率を高めつつ、それぞれの電子機器を均一に無線給電することができる。
【0028】
前記規制部は、前記送電部から送信される前記マイクロ波の送信方向に前記電子機器が並んで配置されることを防ぐ構成としてもよい。
このような構成によると、複数の電子機器を並べて配置する規制部を、マイクロ波の送信方向に電子機器が並ばないように電子機器の配置を規制する規制部として兼用することができる。
【0029】
前記収容部は、前記車両のアームレスト、コンソールもしくはドアポケットに設けられている構成としてもよい。
【0030】
車両に設置されるアームレスト、コンソール、ドアポケットなどの設置領域には限りがある。
【0031】
ところが、当該構成は、電磁誘導方式のように、送電コイルと受電コイルとが位置ずれしないように対向配置させて電子機器を配置する必要がなく、送電部を大型化する必要がない。つまり、車両のアームレスト、コンソール、ドアポケットなどに当該構成を適用することは非常に有効である。
【発明の効果】
【0032】
本明細書によって開示される技術によれば、位置合わせをせずに電子機器を無線給電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態1に係るコンソールが車両に設置された状態を示す概略図
図2】蓋部を閉位置に配した状態のコンソールの斜視図
図3】蓋部を閉位置に配した状態のコンソールの正面図
図4】蓋部を閉位置に配した状態のコンソールの平面図
図5】蓋部を閉位置に配した状態のコンソールの側面図
図6図4のA-A線における一部拡大断面図
図7】蓋部を開位置に配した状態のコンソールを斜め前から視た斜視図
図8】蓋部を開位置に配した状態のコンソールを斜め後から視た斜視図
図9】蓋部を開位置に配した状態のコンソールの正面図
図10】蓋部を開位置に配した状態のコンソールの平面図
図11】蓋部を開位置に配した状態のコンソールの側面図
図12図10のB-B線における一部拡大断面図
図13】蓋部を閉位置に配した状態のコンソールの電気的構成の概要図
図14】実施形態2にかかるコンソール内の配置部材上に電子機器を配置した状態を示す断面概念図
図15参考例3にかかるコンソール内の配置部材上に電子機器を配置した状態を示す断面概念図
図16参考例4にかかるコンソール内の配置部材上に電子機器を配置した状態を示す平面図
図17】コンソール内の配置部材上に電子機器を配置した状態を示す断面概念図
図18】実施形態5にかかるコンソールの蓋部に電子機器を配置した状態を示す断面図
図19参考例6にかかるコンソールの背面収容部に電子機器を配置した状態を示す断面図
図20】実施形態7にかかるコンソール内の位相器によってマイクロ波の到達位置を移動させている状態を示す概要図
図21】実施形態8にかかるコンソールの電気的構成の概要図
【発明を実施するための形態】
【0034】
<実施形態1>
本明細書に開示された技術における実施形態1について図1から図13を参照して説明する。
【0035】
本実施形態は、車両Cに搭載されるコンソール(「給電装置」の一例)10であって、図1に示すように、複数の電子機器1が収容可能なコンソール10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは図3および図5における上下方向を基準とし、左右方向とは図4および図5における左右方向を基準とする。また、左右方向とは、図4における上下方向を基準とし、図示上方を右方、図示下方を左方として説明する。
【0036】
電子機器1は、例えば、スマートフォン、タブレット、小型パソコンなどであって、本実施形態の電子機器1はスマートフォンとされている。
【0037】
電子機器1は、図13に示すように、通信用の内蔵通信アンテナ2と、マイクロ波を受信するための内蔵受電アンテナ(「受電部」の一例)3と、整流回路5を有する受電モジュール4と、受電モジュール4に接続された蓄電池6とを備えて構成されている。
【0038】
内蔵通信アンテナ2は、LTEやWi-Fi無線通信用のアンテナとされており、電子機器1は、内蔵通信アンテナ2を通じて外部通信できるようになっている。
【0039】
内蔵受電アンテナ3は、マイクロ波を受信可能とされている。内蔵受電アンテナ3は、受電モジュール4に接続されており、受電モジュール4は、内蔵受電アンテナ3において受信したマイクロ波を、整流回路5によって直流電流に変換する。
【0040】
受電モジュール4は、蓄電池6に接続されており、受電モジュール4は、整流回路5によって変換した直流電流を蓄電池6に給電することができるようになっている。
【0041】
コンソール10は、図2から図6に示すように、前後方向に長い略直方体状をなしており、車両Cの図示しない運転席と助手席との間に設置されている。
【0042】
コンソール10の前部は、平面視丸孔状に窪んだ2つのドリンクホルダ部11とされており、コンソール10の中央部から後部までの領域は、ワイヤレス給電部(「収容部」の一例)20とされている。
【0043】
ワイヤレス給電部20は、複数の電子機器1を収容可能な収容凹部21と、収容凹部21の上部に組み付けられて収容凹部21と共に収容空間Sを構成する蓋部(「壁部」および「上壁」の一例)30とを備えて構成されている。
【0044】
収容凹部21は、図7から図12に示すように、上方に向かって略矩形状に開口する上端開口22を有しており、前後方向に長い略矩形状の底壁(「壁部」の一例)23と、底壁23の各側縁に連なる4つの側壁(「壁部」の一例)24とによって構成されている。
【0045】
収容凹部21内の上下方向の深さ寸法は、コンソール10の上下方向の高さ寸法の2/3程度とされており、収容凹部21内の左右方向の長さ寸法は、コンソール10の左右方向の長さ寸法よりもやや小さい大きさとされている。
【0046】
収容凹部21の後壁(後側の側壁24)24Bには、車両Cの外部アンテナC1に接続された通信アンテナ(「通信部」の一例)T1が取り付けられている。
【0047】
通信アンテナT1は、略矩形平板状に形成されており、後壁24Bの前側内面に両面テープや接着剤、樹脂クリップ、タッピングねじなどの公知の方法のいずれかの方法によって取り付けられている。通信アンテナT1には、図13に示すように、通信線W1が接続されており、通信線W1は、後壁24Bに埋設された中継コネクタCN1を介して外部アンテナC1に接続されている。したがって、収容凹部21内に収容された電子機器1は、通信アンテナT1と無線通信可能であって、通信アンテナT1および外部アンテナC1を通じて外部通信できるようになっている。
【0048】
ワイヤレス給電部20の収容凹部21における上端開口22の外周縁部には、図7図8図10および図12に示すように、下方に向かって窪んだ装着溝26が設けられている。装着溝26は、上端開口22に沿うように略矩形の枠状をなしており、装着溝26には、シールドパッキン(「シールド部材」の一例)27が装着されている。シールドパッキン27は、例えば、フェライトと合成ゴムとの混合材によってマイクロ波を遮断可能に形成されており、柔軟性を有する略矩形枠板状をなしている。
【0049】
一方、蓋部30は、図7から図12に示すように、やや厚みのある前後方向に長い矩形板状をなしている。蓋部30の前後方向の長さ寸法はコンソール10の前後方向の長さ寸法の半分よりもやや大きく、蓋部30の左右方向の長さ寸法は収容凹部21の左右方向の長さ寸法よりもやや大きく設定されている。
【0050】
したがって、蓋部30が収容凹部21の上部に載置されると、図4から図6に示すように、収容凹部21の上端開口22が蓋部30によって上方から完全に覆われるようになっている。
【0051】
また、蓋部30は、蓋部30の後端部30Aと収容凹部21の後壁24Bとの間を繋ぐヒンジ32によって収容凹部21に固定されている。蓋部30は、収容凹部21の上部に蓋部30が配されて収容凹部21の上端開口22が塞がれた閉位置(図5および図6を参照)と、蓋部30が収容凹部21の後壁24Bから上方に向かって延びて収容凹部21の上端開口22が開放されたる開位置(図10および図12を参照)との間を、ヒンジ32を支点に回動変位可能とされている。
【0052】
蓋部30の収容凹部21側の面である内面33には、図7図9および図12に示すように、略矩形の枠状をなす突出リブ34が設けられている。
【0053】
突出リブ34は、蓋部30の外周縁に沿うように蓋部30の内面33から突出しており、蓋部30が閉位置に配置されると、図6に示すように、収容凹部21の装着溝26内に進入するようになっている。突出リブ34が装着溝26内に進入すると、突出リブ34が装着溝26内のシールドパッキン27を上方から押圧し、突出リブ34とシールドパッキン27とが収容凹部21の上端開口22を全周に亘って囲んで密着するようになっている。
【0054】
つまり、蓋部30が閉位置に配置されると収容凹部21の上端開口22が蓋部30に覆われ、収容凹部21の4つの側壁24および底壁23と蓋部30とによって構成される収容空間Sは、完全密閉されるようになっている。言い換えると、ワイヤレス給電部20の内部には、4つの側壁24と、底壁23と、蓋部30との6つの壁によって収容空間Sが構成されるようになっている。
【0055】
また、図6および図7に示すように、蓋部30の前端部の内面(下面)33における突出リブ34の内側の位置には、収容凹部21内に設けられたロック受部28と係止するロック片35が設けられている。収容凹部21のロック受部28は、図6および図8に示すように、収容凹部21における前壁(前側の側壁24)24Fに突出して設けられている。ロック受部28は、横長のブロック状に形成されており、ロック受部28の下面は、係止面28Aとされている。
【0056】
ロック片35は、蓋部30の内面33から下方に向かって延出する左右方向に幅広な板状に形成されており、前後方向に弾性変位可能とされている。ロック片35の先端部(下端部)は、前方に向かって屈曲した係止部36とされている。
【0057】
ロック片35は、図6および図7に示すように、蓋部30が開位置から閉位置に至る直前で係止部36がロック受部28の後面に乗り上げることにより後方に弾性変位し、蓋部30が閉位置に至ると、係止部36がロック受部28を乗り越えることにより弾性復帰するようになっている。そして、ロック片35の係止部36がロック受部28を乗り越えると、図6に示すように、ロック片35の係止部36とロック受部28の係止面28Aとが上下方向に係止することにより蓋部30が閉位置に保持されるようになっている。なお、蓋部30は、蓋部30が閉位置に配された状態では、蓋部30の前端部を上方に押し上げることによりロック片35が後方に弾性変位し、係止部36とロック受部28の係止面28Aとの係止が解除されることにより蓋部30を閉位置から開位置へ回動変位させることができるようになっている。
【0058】
さて、蓋部30の内面33における突出リブ34の内側の領域には、図7に示すように、電子機器1に設けられた内蔵受電アンテナ3が受信可能なマイクロ波を送信する送電パネル(「送電部」の一例)40が取り付けられており、ワイヤレス給電部20の収容空間Sを構成する4つの側壁24と、底壁23と、蓋部30とは、図6および図12に示すように、マイクロ波を遮断する電波遮断体(「遮断体」の一例)37を含んでいる。本実施形態は、蓋部30の上壁本体38Uの内側(下面)の表面に電波遮断体37が取り付けられ、4つの側壁24、底壁23の下壁本体38Dの内側の表面に電波遮断体37が取り付けられて構成されている。
【0059】
電波遮断体37は、例えば、フェライトと合成ゴムとの混合材からなる電波吸収体やアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属板材からなる電波反射体を平板状に加工して形成されており、上壁本体38Uおよび下壁本体38Dの内側の表面全体に接着剤や両面テープ、樹脂クリップなどの公知の方法のいずれかの方法によって取り付けられている。
【0060】
したがって、収容凹部21および蓋部30の内面は、電波遮断体37によって覆われており、図6に示すように、蓋部30が閉位置に配置された状態になると、収容空間Sは6つの電波遮断体37およびシールドパッキン27によって完全に覆われて密閉された状態となり、ワイヤレス給電部20から外部にマイクロ波が漏れ出すことが防止されるようになっている。
【0061】
送電パネル40は、図7および図9に示すように、略矩形平板状をなすパネル本体41と、パネル本体41の表面に取り付けられた複数のアンテナ素子43とを備えて構成されている。パネル本体41の裏面には、各アンテナ素子43に接続される出力線W2が接続されている。
【0062】
各アンテナ素子43は、マイクロ波を放射可能とされている。放射されるマイクロ波は、周波数帯が0.1GHzから100GHz程度とされており、本実施形態のアンテナ素子43は、2.40GHzから2.45GHz帯のマイクロ波を放射送信可能とされている。
【0063】
そして、パネル本体41に取り付けられた全てのアンテナ素子43からマイクロ波が出力されると、収容空間S全体にマイクロ波が放射されるようになっている。
【0064】
また、アンテナ素子43から出力されるマイクロ波は、図7から図10に示すように、蓋部30と収容凹部21のロック受部28とに亘って設けられたスイッチ機構50によってオン/オフ状態が切り換えられるようになっている。
【0065】
スイッチ機構50は、蓋部30の内面33に設けられた凹型コネクタ39と、凹型コネクタ39と嵌合可能にロック受部28に設けられた凸型コネクタ部29とを備えて構成されている。
【0066】
凹型コネクタ39は、図7および図9に示すように蓋部30が閉位置に配置された状態では、蓋部30の内面33から下方に向けて突出している。凹型コネクタ39の下端部には、凸型コネクタ部29が嵌合可能な嵌合凹部39Aが設けられており、嵌合凹部39Aの奥面には、左右方向に複数個の蓋側接点部39Bが設置されている。
【0067】
ロック受部28の凸型コネクタ部29は、図8および図10に示すように、ロック受部28の上部において突状に形成されており、凸型コネクタ部29の突出面である上面29Aには、凹型コネクタ39の蓋側接点部39Bに対応する複数個の収容部側接点部29Bが左右方向に並んで設置されている。
【0068】
凹型コネクタ39と凸型コネクタ部29とは、蓋部30が閉位置に配置されると、図6に示すように、嵌合されるようになっており、凹型コネクタ39と凸型コネクタ部29とが嵌合されることにより、蓋側接点部39Bと収容部側接点部29Bとが接続されるようになっている。
【0069】
したがって、蓋部30が閉位置に配置されると、凹型コネクタ39と凸型コネクタ部29とが嵌合されて蓋側接点部39Bと収容部側接点部29Bとが接続され、スイッチ機構50がオン状態となる。これにより、送電パネル40がオン状態となってマイクロ波が放射される。
【0070】
一方、蓋部30が閉位置から開位置に向かって変位すると、凸型コネクタ部29から凹型コネクタ39が離脱して蓋側接点部39Bと収容部側接点部29Bとの接続が解除され、スイッチ機構50がオフ状態となる。これにより、送電パネル40がオフ状態となってマイクロ波の送信が停止される。
【0071】
次に、コンソール10の電気的構成を、図13を参照して説明する。
【0072】
コンソール10は、ワイヤレス給電部20の下方に、マイクロ波標準信号を発信するマイクロ波標準信号発生器(以下、「SG」ともいう)12と、SG12に接続された増幅器13とを備えている。SG12は、増幅器13を介して送電パネル40に対して出力線W2によって接続されている。増幅器13に接続された出力線W2は、蓋部30に設けられた中継コネクタCN2を介して蓋部30の内面33まで引き込まれ、送電パネル40に接続されている。
【0073】
したがって、本実施形態のようにマイクロ波が受信可能な電子機器1は、ワイヤレス給電部20の収容凹部21内に収容され、蓋部30が閉じられて閉位置に配置されると、蓋部30の送電パネル40から放射されるマイクロ波を受信して、蓄電池6が給電されるようになっている。
【0074】
以上のように本実施形態のコンソール10は、図1図6および図13に示すように、車両Cに搭載されるコンソール(給電装置)10であって、電子機器1に設けられた内蔵受電アンテナ(受電部)3が受信可能なマイクロ波を送信する送電パネル(送電部)40と、送電パネル40が内部に設置された状態で電子機器1が収容可能なワイヤレス給電部(収容部)20と、を備え、ワイヤレス給電部20を構成する底壁23および側壁24(壁部)および蓋部30は、マイクロ波を遮断する電波遮断体(遮断体)37を含んでいる。
【0075】
すなわち、本実施形態のコンソール10によると、送電パネル40から送信されるマイクロ波を電子機器1の内蔵受電アンテナ3によって受信する、いわゆるマイクロ送電によって電子機器1に給電することができる。
【0076】
つまり、電磁誘導方式のように、送電コイルと受電コイルとが位置ずれしないように対向配置させて電子機器を配置する必要がなく、送電パネル40を大型化する必要がないから、車両C内の限られた領域(運転席と助手席との間の狭い領域)にワイヤレス給電部20を設置することができる。また、ワイヤレス給電部20を構成する収容凹部21の底壁23および側壁24(壁部)と蓋部30とはマイクロ波を遮断する電波遮断体37を含んでいるから、ワイヤレス給電部(収容凹部21と蓋部30とによって構成される収容空間S)20からマイクロ波が漏れることを防ぐことができる。
【0077】
また、ワイヤレス給電部20の壁部の一部である蓋部30は、図5および図6に示すように、ワイヤレス給電部20において電子機器1を収容するための上端開口(開口)22を閉状態にする閉位置と、図10および図12に示すように、上端開口22を開放状態にする開位置との間を変位可能とされており、蓋部30が閉位置に配された際に、送電パネル(送電部)40をオフ状態からオン状態に切り換え、蓋部30が閉位置から開位置に向かって変位する際に、送電パネル40をオン状態からオフ状態に切り換えるスイッチ機構50をさらに備えている。
【0078】
つまり、本実施形態によると、蓋部30が閉位置に至ると、スイッチ機構50によって送電パネル40がオン状態に切り換えられて送電パネル40からマイクロ波が送信され、電子機器1を自動的に給電することができる。また、蓋部30が閉位置から開位置に向かって変位する際に、スイッチ機構50によって送電パネル40がオフ状態に切り換えられてマイクロ波の送信が停止されるから、蓋部30を開閉する際に、ワイヤレス給電部20からマイクロ波が漏れることを確実に防ぐことができる。
【0079】
また、本実施形態によると、ワイヤレス給電部(収容部)20の開口縁部と蓋部30との間には、蓋部30が閉位置に配置された際に、ワイヤレス給電部20の開口縁部と蓋部30とに密着してマイクロ波を遮断するシールドパッキン(シールド部材)27が設けられている。
【0080】
つまり、ワイヤレス給電部20の開口縁部と蓋部30との間にマイクロ波を遮断するシールドパッキン27が設けられているから、ワイヤレス給電部20の開口縁部と蓋部30との間からマイクロ波が漏れることを確実に防止することができる。
【0081】
また、送電パネル(送電部)40は、図6および図7に示すように、壁部のうち、ワイヤレス給電部(収容部)20の上部構成する蓋部(上壁)30の内面33に取り付けられているから、例えば、ワイヤレス給電部の壁部の一部である側壁に送電パネルが取り付けられている場合に比べて、送電パネル40から送信されるマイクロ波が他の電子機器などによって遮られることを防ぐことができる。これにより、ワイヤレス給電部20の収容空間Sに収容された全ての電子機器1にマイクロ波を送信して各電子機器1に給電することができる。
【0082】
さらに、本実施形態によると、電子機器1と無線通信可能な通信アンテナ(通信部)T1をさらに備え、通信アンテナT1は、ワイヤレス給電部(収容部)20の後壁24B(壁部)の内面に取り付けられている。
【0083】
例えば、電子機器が無線通信可能な場合、電子機器がワイヤレス給電部内に収容されると、ワイヤレス給電部の壁部における遮断体によって無線通信が遮断されることが懸念される。しかしながら、本実施形態によると、電子機器1と無線通信可能な通信アンテナT1がワイヤレス給電部20内に取り付けられているから、電子機器1が無線通信できなくなることを防ぐことができる。
【0084】
また、ワイヤレス給電部(収容部)20は、車両Cのアームレストもしくはコンソール10に設けられている。
【0085】
車両Cにおけるアームレストの設置領域には限りがあり、コンソール10についても、他の物品を収容するスペースを確保する必要があるため、設置領域には限りがある。
【0086】
ところが、本実施形態のようにマイクロ送電によって電子機器1に給電することができるから、電磁誘導方式のように、送電コイルと受電コイルとが位置ずれしないように対向配置させて電子機器を配置する必要がなく、送電パネルなどの送電部を大型化する必要がない。つまり、本実施形態の構成を車両Cのアームレストもしくはコンソール10に適用することは非常に有効である。
【0087】
<実施形態2>
次に、実施形態2について図14を参照して説明する。
実施形態2は、実施形態1におけるワイヤレス給電部20の電波遮断体37を電波反射体(「遮断体」の一例)137によって構成すると共に、ワイヤレス給電部20内に配置部材(「配置部」の一例)60を配置したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0088】
実施形態2のワイヤレス給電部(「収容部」の一例)120における電波反射体137は、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、銅合金などの金属板材を加工して形成されている。電波反射体137は、上壁本体38Uおよび下壁本体38Dの内側の表面全体に接着剤や両面テープ、樹脂クリップなどの公知の方法のいずれかの方法によって取り付けられている。
したがって、ワイヤレス給電部120内は、6方向から電波反射体137よって囲まれた状態となっている。
【0089】
また、収容凹部21の電波反射体137と蓋部30の電波反射体137とは、収容凹部21の上部に蓋部30が載置された閉位置に蓋部30が配置されると、接合部が連続的に電気的に接続される。すなわち、収容凹部21の電波反射体137と蓋部30の電波反射体137との接触部分が連続的に電気的に接続される。したがって、ワイヤレス給電部120内は、6つの電波反射体137によって完全に覆われた状態となる。これにより、ワイヤレス給電部120から外部にマイクロ波が漏れ出すことが防止されるようになっている。
【0090】
ここで、送電パネル40からマイクロ波が放射送信されると、マイクロ波が電波反射体137によって反射される。すると、ワイヤレス給電部120内には、反射したマイクロ波が集中する電波集中領域A10と、マイクロ波が消失する電波消失領域LAとが構成される。
【0091】
電波集中領域A10は、マイクロ波の集中密度が高い高電波領域A11と、マイクロ波の集中密度が低い低電波領域A12とを含んでおり、各電波領域A11,A12は、領域の中心ほどマイクロ波の密度が高くなっている。
【0092】
高電波領域A11は、送電パネル40のやや下方の位置に構成され、低電波領域A12は、高電波領域A11よりもやや下方の位置に構成されるようになっている。つまり、電波集中領域A10は、送電パネル40から離れるほど、マイクロ波の集中密度が低くなるように構成されるようになっている。
電波消失領域LAは、反射したマイクロ波が互いに干渉することによって電波集中領域A10の周辺に構成される。
【0093】
配置部材60は、合成樹脂製であって、電子機器1を載置可能な板状の設置板61を有している。設置板61には、下方に延びる複数の脚部62が設けられている。設置板61は、複数の脚部62によって支持されることにより電波集中領域A10に配置されている。
【0094】
詳細には、設置板61は、電波集中領域A10において高電波領域A11のやや下方に配置されており、設置板61上に電子機器1が載置されると、電子機器1が高電波領域A11に配置されるようになっている。
【0095】
言い換えると、本実施形態の電波遮断体(遮断体)は、マイクロ波を反射する電波反射体137である。そして、ワイヤレス給電部120内には、電波反射体137によって反射したマイクロ波が集中する電波集中領域A10が構成される。また、ワイヤレス給電部120は、電波集中領域A10に電子機器1を配置する配置部材(配置部)60を有している。
【0096】
すなわち、本実施形態によると、収容凹部21内に電子機器1が収容され、蓋部30が収容凹部21の上部に載置されると、電子機器1が配置部材60によってマイクロ波が集中する電波集中領域A10の高電波領域A11に自然と配置される。これにより、電子機器1の給電効率を高めることができるようになっている。
【0097】
また、ワイヤレス給電部120内に配置部材60を配置したことにより、ワイヤレス給電部120内において、設置板61および脚部62によって囲まれた空間を他の用途に利用することができる。
なお、本実施形態には、実施形態1に示したシールドパッキン27、スイッチ機構50が取り付けられていないが、シールドパッキンやスイッチ機構を必要に応じて取り付けてもよい。
【0098】
参考例3
次に、参考例3について図15を参照して説明する。
参考例3のワイヤレス給電部(「収容部」の一例)220は、実施形態2のワイヤレス給電部120における送電パネル40を下壁本体38D上に取り付ける共に、配置部材60の各脚部62の長さを短く設定している。実施形態1および実施形態2と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態2と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0099】
参考例3のワイヤレス給電部220は、実施形態2のワイヤレス給電部120と同様に、送電パネル40からマイクロ波が放射送信されると、マイクロ波が電波反射体137によって反射される。したがって、蓋部30が収容凹部21の上部に載置されると、反射したマイクロ波が集中する電波集中領域A20と、反射したマイクロ波が互いに干渉してマイクロ波が消失する電波消失領域LAとが構成される。
【0100】
ここで、本実施形態は、送電パネル40が下壁本体38D上に取り付けられているから、電波集中領域A20は、送電パネル40から上方に向かうほど、マイクロ波の集中密度が低くなるように構成される。これにより、高電波領域A21は、送電パネル40のやや上方の位置に構成され、低電波領域A22は、高電波領域A21よりもやや上方の位置に構成される。
【0101】
配置部材(「配置部」の一例)160は、脚部162の長さ寸法が短く形成されている。配置部材160が収容凹部21内に配置されると、配置部材160の設置板161は、送電パネル40のやや上方の位置であって、電波集中領域A10の高電波領域A11のやや下方に配置されるようになっている。したがって、設置板161上に電子機器1が載置されると、電子機器1が高電波領域A21に配置されるようになっている。
【0102】
すなわち、本実施形態によると、実施形態2と同様に、ワイヤレス給電部220内に電子機器1を収容した際に、電子機器1が配置部材160によってマイクロ波が集中する電波集中領域A20の高電波領域A21に自然と配置される。これにより、電子機器1の給電効率を高めることができるようになっている。
【0103】
また、配置部材160および電子機器1がワイヤレス給電部220の下壁本体38D付近に配置されるから、ワイヤレス給電部220内において、電子機器1が配置される位置よりも上方の空間を他の用途に利用することができる。
なお、本実施形態には、実施形態1に示したシールドパッキン27、スイッチ機構50が取り付けられていないが、シールドパッキンやスイッチ機構を必要に応じて取り付けてもよい。
【0104】
参考例4
次に、参考例4について図16および図17を参照して説明する。
参考例4のワイヤレス給電部(「収容部」の一例)320は、参考例3のワイヤレス給電部220における配置部材160の形態を変更したものであって、実施形態1および参考例3と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、参考例3と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0105】
参考例4にかかる配置部材(「配置部」の一例)260は、図17に示すように、設置板261の上面から上方に向かって延出する仕切部(「規制部」の一例)263を有している。
仕切部263は、図16に示すように、ワイヤレス給電部320内を前後左右に仕切る格子状に形成されている。したがって、仕切部263は、図17に示すように、ワイヤレス給電部320内において電子機器1が上下方向に並んで配置されることを防ぐと共に、図16に示すように、電波集中領域A10に複数の電子機器1を前後左右に並べて配置することができるようになっている。
【0106】
すなわち、本実施形態によると、仕切部263によって複数の電子機器1を電波集中領域A20に並べて配置することができるから、それぞれの電子機器1の給電効率を高めつつ、それぞれの電子機器1を均一に無線給電することができる。
【0107】
また、本実施形態によると、送電パネル40からのマイクロ波の送信方向Fに複数の電子機器1が並ばないように配置することができる。つまり、例えば、複数の電子機器1がマイクロ波の送信方向に並ぶと、送信パネルに近い手前の電子機器1によってマイクロ波が吸収されて遮られ、送信パネルから遠い電子機器1へのマイクロ波の伝搬が小さくなってしまう嫌いがある。
【0108】
ところが、本実施形態によると、送電パネル40から出力されるマイクロ波が他の電子機器1によって遮られることを防ぎ、それぞれの電子機器1へのマイクロ波の伝搬が小さくなることを抑制することができる。また、本実施形態によると、仕切部263によって複数の電子機器1を電波集中領域A10に並べて配置すると、送電パネル40におけるアンテナ素子43の偏波方向と、電子機器1の内蔵受電アンテナ3の偏波方向とが自然と一致するように配置され、マイクロ波の伝送効率が向上するようになっている。
【0109】
なお、本実施形態には、実施形態1に示したシールドパッキン27、スイッチ機構50が取り付けられていないが、シールドパッキンやスイッチ機構を必要に応じて取り付けてもよい。
【0110】
<実施形態5>
次に、実施形態5について図18を参照して説明する。
実施形態5のコンソール410(「給電装置」の一例)は、ワイヤレス給電部(「収容部」の一例)420が、実施形態1におけるコンソール10の蓋部30内に形成されたものであって、収容凹部21には、給電しない部材が収容可能とされている。実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0111】
実施形態5のワイヤレス給電部420における蓋部430は、電子機器1を収容可能な蓋側凹部432を有する蓋本体431と、蓋側凹部432を塞ぐように蓋本体431の下面に取り付けられる閉止部433とを備えている。
【0112】
蓋側凹部432は、蓋本体431の下面431Aから上方に向けて断面視略矩形状に凹んだ形態とされている。蓋側凹部432の内側には、実施形態1と同様の構成の電波遮断体37が、実施形態1と同様の固定方法によって取り付けられている。蓋側凹部432の内側上面に取り付けられた電波遮断体37の表面には、送電パネル40が取り付けられている。
【0113】
閉止部433は平板状に形成されている。閉止部433は、蓋本体431の後端部に設けられた図示しないヒンジによって蓋本体431に組み付けられている。閉止部433の上面には、実施形態1と同様の構成の電波遮断体37が、実施形態1と同様の固定方法によって取り付けられており、閉止部433の電波遮断体37の表面には、電子機器1が載置可能とされている。
【0114】
そして、閉止部433が蓋側凹部432の下側の開口を塞ぐように蓋本体431の下面に固定されると、電子機器1が6方向から電波遮断体37に囲まれた状態でワイヤレス給電部420内に収容されるようになっている。
【0115】
したがって、本実施形態によると、収容凹部21は、給電とは関係のない部材を収容する部分として活用することができ、車両C内の限られた領域であるコンソール410の蓋部430にワイヤレス給電部420を設置することができる。
【0116】
なお、本実施形態には、実施形態1に示したシールドパッキン27、スイッチ機構50が取り付けられていないが、シールドパッキンやスイッチ機構を必要に応じて取り付けてもよい。
【0117】
また、蓋側凹部432の電波遮断体37と、閉止部433の電波遮断体37とは、閉止部433が蓋側凹部432の下側の開口を塞ぐように蓋本体431の下面に固定されると、接合部が連続的に電気的に接続される。すなわち、蓋側凹部432の電波遮断体37と閉止部433の電波遮断体37との接触部分が、連続的に電気的に接続される。したがって、ワイヤレス給電部420内が、6つの電波遮断体37によって完全に覆われた状態となる。これにより、ワイヤレス給電部420から外部にマイクロ波が漏れ出すことが防止されるようになっている。
【0118】
参考例6
次に、参考例6について図19を参照して説明する。
参考例6のワイヤレス給電部(「収容部」の一例)520は、実施形態1のコンソール10とは異なり、コンソール(「給電装置」の一例)510において蓋部30が取り付けられた位置よりもやや後方に突出したコンソール510の後端部に設けられている。実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0119】
参考例6にかかるワイヤレス給電部520は、電子機器1を収容可能な上下方向に長い小型収容凹部571と、小型収容凹部571の上面に取り付けられる小型蓋部572とを備えている。
【0120】
小型収容凹部571は、上方に向かって開口するようにコンソール510の上面から下方に凹んで形成されている。小型収容凹部571の内側には、実施形態1と同様の構成の電波遮断体537が、実施形態1と同様の固定方法によって取り付けられている。小型収容凹部571の内側後面に取り付けられた電波遮断体537の表面には、送電パネル40が取り付けられている。
【0121】
小型蓋部572は、コンソール410の後端部に設けられた図示しないヒンジによって小型収容凹部571に組み付けられている。小型蓋部572の下面には、実施形態1と同様の構成の電波遮断体537が、実施形態1と同様の固定方法によって取り付けられている。
【0122】
小型蓋部572は、小型収容凹部571の上面に取り付けられると、小型収容凹部571の開口を塞ぎ、電子機器1が6方向から電波遮断体537に囲まれた状態でワイヤレス給電部520内に収容されるようになっている。
【0123】
したがって、本実施形態によると、収容凹部21は、給電とは関係のない部材を収容する部分として活用することができ、車両C内の限られた領域であるコンソール510の後端部にワイヤレス給電部520を設置することができる。
なお、本実施形態には、実施形態1に示したシールドパッキン27、スイッチ機構50が取り付けられていないが、シールドパッキンやスイッチ機構を必要に応じて取り付けてもよい。
【0124】
また、小型収容凹部571の電波遮断体537と小型蓋部572の電波遮断体537とは、小型蓋部572が小型収容凹部571の上面に取り付けられると、接合部が連続的に電気的に接続される。すなわち、小型収容凹部571の電波遮断体537と小型蓋部572の電波遮断体537との接触部分が連続的に電気的に接続される。したがって、ワイヤレス給電部520内が、6つの電波遮断体37によって完全に覆われた状態となる。これにより、ワイヤレス給電部520から外部にマイクロ波が漏れ出すことが防止されるようになっている。
【0125】
<実施形態7>
次に、実施形態7について図20を参照して説明する。
実施形態7のコンソール(「給電装置」の一例)610におけるワイヤレス給電部(「収容部」の一例)620は、ビームフォーミング機能によってマイクロ波の電波強度が高くなる位置を移動させて収容凹部21内に収容された複数の電子機器1を均一に給電するものである。
【0126】
ワイヤレス給電部620は、実施形態1の送電パネル40のおけるアンテナ素子43の形状およびアンテナ素子43の数を変更すると共に、少なくとも1つのアンテナ素子43が、位相器80を介してSG12に接続されている。実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0127】
実施形態7におけるワイヤレス給電部620の送電パネル(「送電部」の一例)640は、図20に示すように、略矩形状に形成された2つのアンテナ素子(「出力部」の一例)643を有している。2つのアンテナ素子643のうちの一方のアンテナ素子643は、増幅器13から出力されたマイクロ波を2つに分岐させる分配器14に接続される第1アンテナ素子643Aとされており、他方のアンテナ素子643は、位相器80を介して分配器14に接続される第2アンテナ素子643Bとされている。
【0128】
位相器80は、第2アンテナ素子643Bから送信されるマイクロ波の位相を制御するものである。位相器80は、第2アンテナ素子643Bから送信されるマイクロ波の位相を、第1アンテナ素子643Aから送信されるマイクロ波の位相と所定位置において同じになるように制御し、所定位置におけるマイクロ波の電波強度を高くする。また、位相器80は、第2アンテナ素子643Bから送信されるマイクロ波の位相を制御し、電波強度が高くなる位置を、収容凹部21における電子機器1が配置可能な領域において移動させる。
【0129】
すなわち、本実施形態は、例えば、位相器80において単位時間毎にマイクロ波の電波強度が高くなる領域を移動させることにより、収容凹部21内に配置された複数の電子機器1に対して均一に給電することができる。
【0130】
ところで、一般に、所定位置におけるマイクロ波の電波強度が高くなると、ワイヤレス給電部620からの電波漏れが懸念される。ところが、本実施形態は、収容凹部21および蓋部30が電波遮断体37を有しているから、ワイヤレス給電部620からの電波漏れを防ぎつつ、電子機器1に給電することができる。
【0131】
<実施形態8>
次に、実施形態8について図21を参照して説明する。
実施形態8のコンソール(「給電装置」の一例)710におけるワイヤレス給電部(「収容部」の一例)720は、実施形態1におけるワイヤレス給電部20の電波遮断体37を所定の周波数を選択的に遮断する電磁遮蔽材(「遮断体」の一例)737に変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
【0132】
実施形態8のワイヤレス給電部720における電磁遮蔽材737は、シート状の合成樹脂、布、紙などに電波遮蔽層を印刷することによって形成されている。
電磁遮蔽材737は、電波遮蔽層の形状を変更することによって所定の電波のみを遮蔽する。本実施形態の電磁遮蔽材737は、2.40GHzから2.45GHz帯の電波である第1電波M1を遮蔽し、その他の電波である第2電波M2は透過させる。
【0133】
電磁遮蔽材737は、例えば、「Ben A. Munk, Frequency Selective Surfaces: Theory and Design. New York, NJ John Wiley & Sons, Inc., 2000.」に記載のもの、「E. A. Parker, R. J. Langley, R. Cahill, J. C. Vardaxoglou "Frequency Selective Surfaces," IEE Proc., ICAP'83, Norwich, UK, 1, pp. 459-463, Apr. 1983.」に記載のもの、もしくは三菱電線工業株式会社製の周波数選択性電磁遮蔽材などが挙げられる。
【0134】
すなわち、本実施形態によると、送電パネル40から送信される2.40GHzから2.45GHz帯のマイクロ波である第1電波M1は、電磁遮蔽材737によって遮蔽されるものの、その他の電波(例えば、携帯電話の周波数帯(800MHz、2GHz等))である第2電波M2は電磁遮蔽材737を透過する。これにより、電子機器1は、ワイヤレス給電部720内に収容されて給電された状態であっても、外部通信できるようになっている。
【0135】
また、本実施形態の電磁遮蔽材737は、例えば、金属板材によって形成された電波遮断体に比べて、軽量化を図ることができる。また、電磁遮蔽材737の厚さ寸法を薄く加工できるから、例えば、金属板材によって形成された電波遮断体に比べて小型化を図ることができる。
【0136】
<実施形態9>
次に、実施形態9について説明する。
実施形態9のコンソール(「給電装置」の一例)におけるワイヤレス給電部(「収容部」の一例)は、参考例3におけるワイヤレス給電部220の蓋部30に取り付けられる電波反射体137を人工磁気導体(AMC:Artificial Magnetic Conductor)によって構成したものであって、参考例3と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。
【0137】
人工磁気導体とは、完全磁気導体の性質を人工的に実現した構造体であり、ある周波数において、入射する電磁波を位相回転0°で反射する特性を持つ人工媒質である。つまり、AMCは、完全導体(Perfect Electric Conductor)とは逆の性質を示すものであって、AMCに平面波が入射した場合、反射波の位相は反転せずに同位相となる(完全導体に平面波が入射した場合、反射波の位相が反転する)。
【0138】
AMCは、実施形態8と同様の電磁遮蔽材と、導電性を有する金属板からなる導体板とを重ねて構成することができる。また、AMCは、完全磁気導体特性だけではなく、反射波の位相を自由に制御できることから、任意の反射位相を持っている。つまり、AMCは、電磁遮蔽材を所望の特性に応じて選択し、所望の特性を持つようにパラメータを選ぶことにより、任意の反射位相を持つ反射面を構成することができる。
【0139】
本実施形態では、電磁遮蔽材は、例えば、2.4GHzや5GHz帯の電波を遮蔽し、その他の電波は透過させるものを適宜選択することができる。また、導体版を構成する金属としては、銅、アルミニウムなど、必要に応じて導電性を有する任意の金属を適宜に選択することができる。
【0140】
すなわち、本実施形態によると、蓋部30にAMCを取り付けることよって、蓋部30と下壁本体38Dとの間の距離を小さくしつつ、参考例3と同様の電波集中領域A20を構成することができる。つまり、ワイヤレス給電部を小型化しつつ、参考例3と同様の高電波領域A21を有する電波集中領域A20を構成することができる。
【0141】
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、ワイヤレス給電部20をコンソール10に適用した構成とした。しかしながら、これに限らず、車両の座席に取り付けられたアームレストや車両のドアポケットにワイヤレス給電部を適用してもよい。
【0142】
(2)上記実施形態では、送電パネル40、640を上壁本体38Uの内面33に取り付けた構成にした。しかしながら、これに限らず、送電パネルを側壁の内面に取り付ける構成にしてもよく、送電パネルを複数の壁部に取り付ける構成にしてもよい。
【0143】
(3)上記実施形態では、蓋部30がワイヤレス給電部20の上部を構成した。しかしながら、これに限らず、蓋部は、ワイヤレス給電部の側壁を構成してもよい。
(4)上記実施形態では、蓋部30を回動変位可能に構成した。しかしながら、これに限らず、蓋部をスライド可能に構成してもよい。
【0144】
(5)上記実施形態では、側壁24、下壁本体38D、上壁本体38Uなどの表面に電波遮断体37を取り付けた構成にした。しかしながら、これに限らず、各壁部および蓋部の壁本体内部に電波遮断体を埋設してもよく、壁本体を電波遮断体によって構成してもよい。
【0145】
(6)上記実施形態7では、送電パネル40が2つのアンテナ素子43を有する構成とした。しかしながら、これに限らず、送電パネルに3つ以上のアンテナ素子を設けて、電波強度が高くなる位置を複数構成してもよい。
【符号の説明】
【0146】
1:電子機器
3:内蔵受電アンテナ(「受電部」の一例)
10,410,510,610,710:コンソール(「給電装置」の一例)
20,120,220,320,420,520,620,720:ワイヤレス給電部(「収容部」の一例)
23:底壁(「壁部」および「下壁」の一例)
24:側壁(「壁部」の一例)
27:シールドパッキン(「シールド部材」の一例)
30,430:蓋部(「壁部」および「上壁」の一例)
37,537:電波遮断体(「遮断体」の一例)
38D:下壁本体(下壁」の一例)
38U:上壁本体(「上壁」の一例)
40,640:送電パネル(「送電部」の一例)
50:スイッチ機構
60,160,260:配置部材(「配置部」の一例)
80:位相器
137:電波反射体(「遮断体」の一例)
263:仕切部(「規制部」の一例)
643:アンテナ素子(「出力部」の一例)
643A:第1アンテナ素子(「出力部」の一例)
643B:第2アンテナ素子(「出力部」の一例)
737:電磁遮蔽材(「遮断体」の一例)
A10:電波集中領域
A11:高電波領域(「電波集中領域」の一例)
A12:低電波領域(「電波集中領域」の一例)
A21:高電波領域(「電波集中領域」の一例)
A22:低電波領域(「電波集中領域」の一例)
C:車両
F:マイクロ波の送信方向
T1:通信アンテナ(「通信部」の一例)
図1
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