(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】浮遊式水流発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 13/26 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
F03B13/26
(21)【出願番号】P 2019027329
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 宏幸
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-227964(JP,A)
【文献】特表2015-534004(JP,A)
【文献】中国実用新案第202991326(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機を収容し、水中に浮遊する浮体と、
水底に設置される錘と、
前記浮体を前記錘に連結する索状の係留部材と、を備え、
前記浮体は、前記発電機を収容する第1ポッド及び第2ポッドを有し、
前記係留部材は、
前記浮体に接続された上部索と、
前記錘に接続された下部索と、を有し、
前記上部索は、前記第1ポッドに接続された第1上部索体と、前記第2ポッドに接続された第2上部索体と、を有し、
前記下部索の上端は、前記第1上部索体及び前記第2上部索体の下端に接続され、
前記下部索の下端は、前記錘に接続され、
前記上部索の伸び性能は、前記下部索の伸び性能より高く、
前記下部索のクリープ性能は、前記上部索のクリープ性能より高い、浮遊式水流発電装置。
【請求項2】
前記第1上部索体の下端、前記第2上部索体の下端及び前記下部索の上端は、連結部によって互いに着脱可能に接続されている。請求項
1に記載の浮遊式水流発電装置。
【請求項3】
前記浮体は、前記発電機を収容する第1ポッド及び第2ポッドを有し、
前記係留部材は、
前記第1ポッドに接続された第1上部索体と、前記第1上部索体の下端及び前記錘に接続された第1下部索体と、を有する第1係留索と、
前記第2ポッドに接続された第2上部索体と、前記第2上部索体の下端及び前記錘に接続された第2下部索体と、を有する第2係留索と、を有する、請求項
1に記載の浮遊式水流発電装置。
【請求項4】
前記第1係留索は、前記第1上部索体の下端を前記第1下部索体の上端に着脱可能に連結する第1連結部を含み、
前記第2係留索は、前記第2上部索体の下端を前記第2下部索体の上端に着脱可能に連結する第2連結部を含む、請求項
3に記載の浮遊式水流発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浮遊式水流発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~5は、海中又は洋上において発電を行う発電システムを開示する。例えば、特許文献1に開示された水流発電システムは、複数のプロペラを備えた発電機システムによって、高速で流れる水流から電力を生成する。水中における発電機システムの位置は、アンカ係留綱によって所定の領域に留められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-227964号公報
【文献】特開2002-266743号公報
【文献】特開2003-074455号公報
【文献】特開2015-138579号公報
【文献】特開2011-132943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の発電機システムのように発電機を備えた浮体は、係留索を介してアンカーに接続されている。このアンカーは、海底に設置されており、海底に対して基本的には動かない。そうすると、浮体が受けた外力は、係留索に作用する。
【0005】
浮体に作用する外力は、例えば、浮体が浮遊する水域の流れの影響を受ける。この流れは、おおむね一定の状態を維持するものと仮定すると、浮体は、一定の外力を受け続ける。つまり、係留索にも一定の外力が作用し続ける。また、浮体に作用する外力は、例えば、浮体が浮遊する水域の波浪の影響を受ける。波浪に起因する外力は、力の大きさが所定の周期で強弱を繰り返す。その結果、浮体は、周期的に変化する外力を受け続ける。つまり、係留索にも周期的に変化する外力が作用する。
【0006】
そこで、本開示は、係留索に対して異なる態様の力が作用したとしても、長期間の運用に耐えることが可能な浮遊式水流発電装置を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態である浮遊式水流発電装置は、発電機を収容し、水中に浮遊する浮体と、水底に設置される錘と、浮体を錘に連結する索状の係留部材と、を備え、係留部材は、浮体に接続された上部索と、錘に接続された下部索と、を有し、上部索及び下部索は、一方が他方より伸び性能が高く、他方が一方よりクリープ性能が高い。
【0008】
伸び性能が高い部材は、波浪のように周期的に作用する力を吸収し、力のピークを低下させることが可能である。クリープ性能が高い部材は、一定の大きさの力が作用し続けても、所望の強度を維持することが可能である。係留部材は、伸び性能が高い部材とクリープ性能が高い部材とにより構成されているので、周期的に作用する力及び継続的に作用する力に対抗し、浮体を錘に係留し続けることができる。従って、浮遊式水流発電装置は、係留索に対して異なる態様の力が作用したとしても、長期間の運用に耐えることができる。
【0009】
上記の形態において、上部索の伸び性能は、下部索の伸び性能より高く、下部索のクリープ性能は、上部索のクリープ性能より高くてもよい。周期的に作用する力は、例えば、浮体側に作用しやすい。そして、浮体に作用した力は、上部索に作用する。ここで、上部索の伸び性能は、下部索の伸び性能より高い。従って、周期的に作用する力のピークは、上部索において低減される。その結果、周期的に作用する力が下部索に及ぼす影響を十分に低減することができる。従って、浮遊式水流発電装置は、長期間の運用に耐えることができる。
【0010】
上記の形態において、浮体は、発電機を収容する第1ポッド及び第2ポッドを有し、上部索は、第1ポッドに接続された第1上部索体と、第2ポッドに接続された第2上部索体と、を有し、下部索の上端は、第1上部索体及び第2上部索体の下端に接続され、下部索の下端は、錘に接続されてもよい。この構成によっても、浮遊式水流発電装置は、長期間の運用に耐えることができる。
【0011】
上記の形態において、第1上部索体の下端、第2上部索の下端及び下部索の上端は、連結部によって互いに着脱可能に接続されてもよい。この構成によれば、上部索の交換を容易に行うことができる。
【0012】
上記の形態において、浮体は、発電機を収容する第1ポッド及び第2ポッドを有し、係留部材は、第1ポッドに接続された第1上部索体と、第1上部索体の下端及び錘に接続された第1下部索体と、を有する第1係留索と、第2ポッドに接続された第2上部索体と、第2上部索体の下端及び錘に接続された第2下部索体と、を有する第2係留索と、を有してもよい。この構成によっても、浮遊式水流発電装置は、長期間の運用に耐えることができる。
【0013】
上記の形態において、第1索体は、第1上部索体の下端を第1下部索体の上端に着脱可能に連結する第1連結部を含み、第2索体は、第2上部索体の下端を第2下部索体の上端に着脱可能に連結する第2連結部を含んでもよい。この構成によれば、上部索の交換を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の浮遊式水流発電装置は、長期間の運用に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、第1実施形態の浮遊式水流発電装置を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の浮遊式水流発電装置を正面から見た図である。
【
図3】
図3は、第2実施形態の浮遊式水流発電装置を正面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本開示の浮遊式水流発電装置を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
<第1実施形態>
図1に示すように、浮遊式水流発電装置は、海流S1を受けて発電する。以下の説明において、浮遊式水流発電装置は、単に「発電装置1」と称する。発電装置1は、アンカー2(錘)と、浮体3と、係留ユニット4(係留部材)と、を有する。また、発電装置1は、送電ケーブルを有する。送電ケーブルは、浮体3で発電された電力を電力系統に送電する。しかし、送電ケーブルについては、説明の便宜上、図示を省略する。以下の説明において、「前部」は海流S1の上流側の部分を意味し、「後部」は海流S1の下流側の部分を意味する。「前方」は海流S1の上流側を意味し、「後方」は海流S1の下流側を意味する。「上」は、海面S3側を意味し、「下」は海底S2側を意味する。
【0018】
発電装置1は、海洋に設置され、海流S1によって発電する。浮体3は、係留ユニット4によりアンカー2に係留されている。浮体3は、2基の発電ポッド6A、6B(ポッド)と、発電ポッド6A、6Bを互いに連結するビーム7と、を有する。ビーム7は、例えば矩形の板状体を水平に配置して設けられる。発電ポッド6A、6Bには係留ユニット4の一端が取り付けられ、係留ユニット4の他端が海底S2に設置されるアンカー2に取り付けられている。
【0019】
アンカー2は、海中における浮体3の位置を所定の領域に留める。重量物であるアンカー2は、例えばコンクリート製又は金属製である。アンカー2は、重量の大きい構造物の自重により位置を維持するシンカーであってもよい。また、アンカー2は、重量と支持力と用いて位置を維持するグラウンドアンカであってもよい。
【0020】
発電ポッド6A、6Bは、互いに同様の構成を有する。以下、発電ポッド6A(第1ポッド)について詳細に説明し、発電ポッド6B(第2ポッド)の説明は省略する。発電ポッド6Aは、ポッド本体8と、ブレード9と、発電機11と、を有する。ポッド本体8は、前部及び後部が閉塞された中空の筒状体である。ポッド本体8の内部には、発電機11及びその他の発電に要する機器が収容されている。ポッド本体8の後部には、ブレード9が設けられている。ブレード9は、ポッド本体8に対して回転可能に設けられている。ブレード9は、海流S1を受けて回転力を発生させる翼部材である。当該回転力は、シャフト(不図示)を介して発電機11に提供される。なお、発電ポッド6が有するブレード9の構成は、
図1に示す構成に限定されない。例えば、発電ポッド6が有するブレード9の数は、3枚以上であってもよい。また、発電ポッド6は、ブレード9のピッチ角度を変更する機構を備えてもよい。
【0021】
発電機11は、ブレード9から提供された運動エネルギを電気エネルギに変換する。発電機11には、要求される出力態様に応じて、いくつかの装置を接続してもよい。例えば、発電機11には、インバータやパワーコンディショナを接続してもよい。
【0022】
係留ユニット4は、浮体3をアンカー2に係留する索体である。係留ユニット4の上端は、発電ポッド6A、6Bのそれぞれに接続されている。また、係留ユニット4の下端は、アンカー2に接続されている。以下、係留ユニット4について詳細に説明する。
【0023】
図2に示すように、係留ユニット4は、正面視してY字状を呈する。係留ユニット4は、一対の上部索12A、12Bと、下部索13と、連結具14(連結部)と、を有する。上部索12Aは、発電ポッド6Aに接続されている。上部索12Bは、発電ポッド6Bに接続されている。下部索13は、アンカー2に接続されている。例えば、上部索12A、12Bの長さは、下部索13の長さより長い。
【0024】
より詳細には、一方の上部索12Aの上端は、一方の発電ポッド6Aのポッド連結部6aに接続されている。また、一方の上部索12Aの下端は、連結具14に接続されている。他方の上部索12Bの上端は、他方の発電ポッド6Bのポッド連結部6aに接続されている。また、他方の上部索12Bの下端は、連結具14に接続されている。さらに、下部索13の上端は、連結具14に接続されている。下部索13の下端は、アンカー2のアンカー連結部16に接続されている。連結具14は、上部索12A、12Bの下端及び下部索13の上端を着脱可能に接続する。例えば、連結具14は、一方の上部索12Aの下端のみを取り外し、他方の上部索12B及び下部索13を接続した状態とすることができる。この連結具14によれば、一方の上部索12A又は他方の上部索12Bの交換を容易に行うことができる。
【0025】
上部索12A、12B及び下部索13は、複数の樹脂繊維を編み込んだ索状体である。例えば、上部索12A、12B及び下部索13に用いられる樹脂繊維の比重は、水と近似しており、一例として1.1としてもよい。一方、上部索12A、12B及び下部索13は、互いに異なる機械的性質を有する。本開示でいう機械的性質とは、伸び性能及びクリープ性能である。
【0026】
伸び性能とは、索体に対して引っ張り力が作用したときの伸び(長さ)と、引っ張り力の大きさとの関係である。例えば、伸び性能は、いわゆるヤングの法則に示されるバネ定数の逆数と同じ意味であるとみなしてもよい。従って、伸び性能は、索体のヤング率(剛性)と、に基づいて決定できる。伸び性能が高いとは、所定の引っ張り力に対する伸びが大きいことであると定義できる。逆に、伸び性能が低いとは、所定の引っ張り力に対する伸びが小さいことであると定義できる。
【0027】
伸び性能が高い索体は、引っ張り力が所定の振幅をもって繰り返し作用する場合に、好適に対応できる。以下の説明において、所定の振幅をもって繰り返し作用する引っ張り力を、「繰り返し力」と呼ぶ。つまり、伸び性能が高い索体は繰り返し力に応じて、柔軟に変形(伸び)することによって、繰り返し力のエネルギを消散する。その結果、繰り返し力の振幅を減少させることができる。換言すると、繰り返し力のピーク値を低減することができる。
【0028】
上記の伸び性能に基づけば、索体の伸びは、引っ張り力の大きさによって一意に決まる。しかし、引っ張り力の大きさが一定であったとしても、時間の経過と共に索体の伸びが増大する現象が知られている。この現象をクリープという。つまり、クリープ性能とは、索体に一定の力が作用したときに、時間の経過と共に増大する伸び量であるとしてよい。上記の伸び性能は、時間の影響を受けないのに対し、クリープ性能は時間の影響を受ける。以下の説明において、一定の大きさで継続的に作用し続ける力を「一定力」と呼ぶ。
【0029】
クリープ性能が高い索体は、一定力が継続的に作用する場合に、好適に対応できる。つまり、クリープ性能が高い索体は、一定力に作用する場合でも、時間の経過とともに伸びが増大し難い。
【0030】
伸び性能とクリープ性能とは、互いに相反する。つまり、伸び性能が高い索体は、クリープ性能が低い。換言すると、繰り返し力に対して好適に対応可能な索体は、一定力に対応しにくい。一定力に対して好適に対応可能な索体は、繰り返し力に対応し難い。
【0031】
海流S1が存在する海中に発電ポッド6A、6Bが浮遊するとき、発電ポッド6A、6Bは、互いに異なる態様の外力を受ける。まず、発電ポッド6A、6Bは、繰り返し力を受ける。この繰り返し力は、例えば、波浪、ブレード9の回転などに起因する。さらに、発電ポッド6A、6Bは、一定力を受ける。この一定力は、例えば、海流S1に起因する。
【0032】
そこで、本開示の発電装置1の係留ユニット4は、伸び性能を重視した上部索12A、12Bと、クリープ性能を重視した下部索13と、を有する。この構成によれば、上部索12A、12Bは、繰り返し力に好適に対応できる。また、下部索13は、一定力に対して好適に対応できる。つまり、伸び性能が高い索体は、周期的に作用する力を吸収し、力のピークを低下させることが可能である。クリープ性能が高い索体は、一定の大きさの力が作用し続けても、所望の強度を維持することが可能である。係留ユニット4は、伸び性能が高い上部索12A、12Bとクリープ性能が高い下部索13とにより構成されている。その結果、周期的に作用する力及び継続的に作用する力に対抗し、浮体3をアンカー2に係留し続けることができる。従って、発電装置1は、係留ユニット4に対して異なる態様の力が作用したとしても、長期間の運用に耐えることができる。
【0033】
さらに、周期的に作用する繰り返し力は、例えば、浮体3に作用しやすい。そして、浮体3に作用した力は、上部索12A、12Bに作用する。ここで、上部索12A、12Bの伸び性能は、下部索13の伸び性能より高い。従って、周期的に作用する繰り返し力のピークは、上部索12A、12Bにおいて低減される。その結果、繰り返し力が下部索13に及ぼす影響を十分に低減することができる。従って、発電装置1は、長期間の運用にさらに好適に耐えることができる。
【0034】
<第2実施形態>
図3に示すように第2実施形態の発電装置1Aは、係留ユニット4Aを有する。係留ユニット4Aは、正面視してV字状を呈する点で、第1実施形態の係留ユニット4と相違する。以下、係留ユニット4Aについて詳細に説明する。なお、浮体3及びアンカー2は、第1実施形態と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0035】
係留ユニット4Aは、第1係留索17Aと、第2係留索17Bと、を有する。第1係留索17Aは、一方の発電ポッド6Aをアンカー2に係留する。第2係留索17Bは、他方の発電ポッド6Bをアンカー2に係留する。
【0036】
第1係留索17Aは、第1上部索体18Aと、第1下部索体19Aと、第1連結具21A(第1連結部)と、を有する。第1上部索体18Aの上端は、一方の発電ポッド6Aのポッド連結部6aに接続されている。第1上部索体18Aの下端は、第1連結具21Aに接続されている。第1下部索体19Aの上端は、第1連結具21Aに接続されている。第1下部索体19Aの下端は、アンカー連結部16に接続されている。第1連結具21Aは、第1上部索体18Aの下端と、第1下部索体19Aの上端と、を互いに着脱可能に連結する。
【0037】
同様に、第2係留索17Bは、第2上部索体18Bと、第2下部索体19Bと、第2連結具21B(第2連結部)と、を有する。第2上部索体18Bの上端は、他方の発電ポッド6Bのポッド連結部6aに接続されている。第2上部索体18Bの下端は、第2連結具21Bに接続されている。第2下部索体19Bの上端は、第2連結具21Bに接続されている。第2下部索体19Bの下端は、アンカー連結部16に接続されている。第2連結具21Bは、第2上部索体18Bの下端と、第2下部索体19Bの上端と、を互いに着脱可能に連結する。
【0038】
第1上部索体18A及び第2上部索体18Bは、伸び性能を重視した機械的特性を有する。一方、第1下部索体19A及び第2下部索体19Bは、クリープ性能を重視した機械的特性を有する。つまり、第1上部索体18A及び第2上部索体18Bのそれぞれの伸び性能は、第1下部索体19A及び第2下部索体19Bのそれぞれの伸び性能より高い。さらに、第1下部索体19A及び第2下部索体19Bのそれぞれのクリープ性能は、第1上部索体18A及び第2上部索体18Bのそれぞれのクリープ性能より高い。
【0039】
このような係留ユニット4Aを備える発電装置1Aも、長期間の運用に耐えることができる。
【0040】
以上、本開示の浮遊式水流発電装置について説明したが、浮遊式水流発電装置は、上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施してよい。
【0041】
例えば、係留ユニットは、クリープ性能を重視した上部索と、伸び性能を重視した下部索と、を有してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A 発電装置
2 アンカー(錘)
3 浮体
4,4A 係留ユニット(係留部材)
6A 発電ポッド(第1ポッド)
6B 発電ポッド(第2ポッド)
7 ビーム
6 発電ポッド
6a ポッド連結部
8 ポッド本体
9 ブレード
11 発電機
12A 上部索
12B 上部索
13 下部索
14 連結具(連結部)
16 アンカー連結部
17A 第1係留索
17B 第2係留索
18A 第1上部索体
18B 第2上部索体
19A 第1下部索体
19B 第2下部索体
21A 第1連結具(第1連結部)
21B 第2連結具(第2連結部)
S1 海流
S2 海底(水底)