(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】建設機械のブーム取付構造
(51)【国際特許分類】
E02F 3/38 20060101AFI20221227BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
E02F3/38 B
E02F9/00 F
(21)【出願番号】P 2019049110
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136250
【氏名又は名称】立石 博臣
(74)【代理人】
【識別番号】100198719
【氏名又は名称】泉 良裕
(72)【発明者】
【氏名】和田 一朗
(72)【発明者】
【氏名】宮野 幸雄
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-059693(JP,A)
【文献】実公平01-028136(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/28-3/413
E02F 9/00-9/18
E02F 9/24-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械においてブームをアッパーフレームに取り付けるためのブーム取付構造であって、
前記アッパーフレームは、底板と前記底板に立設される左右一対の縦板とを含むセンターセクションを有し、
前記左右一対の縦板を構成する左側の縦板のうち左側を向く面には、上下方向を挿通方向とする左側ガイド穴が形成された部材が設けられ、
前記左右一対の縦板を構成する右側の縦板のうち右側を向く面には、上下方向を挿通方向とする右側ガイド穴が形成された部材が設けられ、
前記ブームの基端側には、前記ブームの基端部と前記ブームを起伏させるブームシリンダの基端部とをそれぞれ回動可能に連結するアダプタが取り付けられており、
前記アダプタの左右側板を構成する左側板のうち左側を向く面には、上下方向に長尺で前記左側ガイド穴に挿脱可能な左側ガイドピンが設けられ、
前記アダプタの左右側板を構成する右側板のうち右側を向く面には、上下方向に長尺で前記右側ガイド穴に挿脱可能な右側ガイドピンが設けられ、
前記ブームが前記アッパーフレームに取り付けられる場合に、前記左側ガイドピンが前記左側ガイド穴に挿通すると共に前記右側ガイドピンが前記右側ガイド穴に挿通するように構成されていることを特徴とする建設機械のブーム取付構造。
【請求項2】
前記センターセクションには、凹部を有する左右一対のブラケットが設けられ、
前記アダプタは、後端側一部が機械後方に張り出した左右一対の後方張出部を有し、
前記左右一対の後方張出部には、ピン孔がそれぞれ形成され、
前記ピン孔には、位置決めピンの左右端部が突出するように前記位置決めピンが挿入されて固定され、
前記ブームが前記アッパーフレームに取り付けられる場合に、前記位置決めピンの胴部
のうち前記左右一対の後方張出部に形成された前記ピン孔から左右外側に突出した部分が前記左右一対のブラケットの前記凹部にそれぞれ嵌合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械のブーム取付構造。
【請求項3】
前記ブームが前記アッパーフレームに取り付けられる場合に、前記左側ガイドピン及び前記右側ガイドピンの一方が他方に先立って前記左側ガイド穴及び前記右側ガイド穴の一方に挿入するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建設機械のブーム取付構造。
【請求項4】
前記アダプタが前記アッパーフレームから離れた時点において、前記左側ガイドピン及び前記右側ガイドピンの少なくとも一方は、前記左側ガイド穴又は前記右側ガイド穴の少なくとも一方に挿入された状態を維持するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れかに記載の建設機械のブーム取付構造。
【請求項5】
前記左側ガイド穴及び前記右側ガイド穴の少なくとも一方は、側面視において機械外側から視認可能な位置に配置されることを特徴とする請求項1から4のうち何れかに記載の建設機械のブーム取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械のアッパーフレームにブームを取り付けるためのブーム取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建設機械の上部旋回体に作業装置(ブーム等)を取り付けるための技術が提案されている。例えば、特許文献1では、車体フレームの縦板と作業装置との間に中間結合体(アダプタ)を介在させる構成において中間結合体を正確に位置決めするための技術が提案されている。
【0003】
具体的には、特許文献1の
図4に示されるように、中間結合体(14)を上方から左右の縦板(6,7)に向けて下ろすときに、左右の結合体側ガイド(20,21)の下向き突起部(20A,21A)は、中間結合体(14)の自重により、左右の縦板側ガイド(12,13)の縦案内溝(12A,13A)に沿って下方に移動した後、斜め下前方に移動するように構成されている。これにより、左右の結合体側ガイド(20,21)の前向き突起部(20B,21B)は、左右の縦板側ガイド(12,13)の前係合溝(12B,13B)に自動的に係合する構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、左右の縦板側ガイド(12,13)が左右の縦板(6,7)の内側に形成されている関係上、機械側方からの視認が難しく、結果として位置合わせ作業し難いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、建設機械のアッパーフレームに対してブームを取り付ける際に両者を容易に位置合わせすることが可能な建設機械のブーム取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、建設機械においてブームをアッパーフレームに取り付けるためのブーム取付構造であって、前記アッパーフレームは、底板と前記底板に立設される左右一対の縦板とを含むセンターセクションを有し、前記左右一対の縦板のうち外側を向く面には、左側ガイド穴と右側ガイド穴とがそれぞれ形成され、前記ブームの基端側には、前記ブームの基端部と前記ブームを起伏させるブームシリンダの基端部とをそれぞれ回動可能に連結するアダプタが取り付けられており、前記アダプタの左右側板のうち外側を向く面には、前記左側ガイド穴に挿脱可能な左側ガイドピンと前記右側ガイド穴に挿脱可能な右側ガイドピンとがそれぞれ設けられ、前記ブームが前記アッパーフレームに取り付けられる場合に、前記左側ガイドピンが前記左側ガイド穴に挿通すると共に前記右側ガイドピンが前記右側ガイド穴に挿通するように構成されていることを特徴とする建設機械のブーム取付構造を提供している。
【0008】
ここで、前記センターセクションには、凹部を有する左右一対のブラケットが設けられ、前記アダプタは、後端側一部が機械後方に張り出した左右一対の後方張出部を有し、前記左右一対の後方張出部には、ピン孔がそれぞれ形成され、前記ピン孔には、位置決めピンの左右端部が突出するように前記位置決めピンが挿入されて固定され、前記ブームが前記アッパーフレームに取り付けられる場合に、前記位置決めピンの胴部うち前記左右一対の後方張出部に形成された前記ピン孔から左右外側に突出した部分が前記左右一対のブラケットの前記凹部にそれぞれ嵌合するように構成されているのが好ましい。
【0009】
また、前記ブームが前記アッパーフレームに取り付けられる場合に、前記左側ガイドピン及び前記右側ガイドピンの一方が他方に先立って前記左側ガイド穴及び前記右側ガイド穴の一方に挿入するのが好ましい。
【0010】
また、前記アダプタが前記アッパーフレームから離れた時点において、前記左側ガイドピン及び前記右側ガイドピンの少なくとも一方は、前記左側ガイド穴又は前記右側ガイド穴の少なくとも一方に挿入された状態を維持するように構成されているのが好ましい。
【0011】
更に、前記左側ガイド穴及び前記右側ガイド穴の少なくとも一方は、側面視において機械外側から視認可能な位置に配置されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、センターセクションを構成する左右一対の縦板のうち外側を向く面に左側ガイド穴と右側ガイド穴とがそれぞれ形成され、アダプタの左右側板のうち外側を向く面に左側ガイドピンと右側ガイドピンとがそれぞれ設けられる。そのため、アダプタをセンターセクションに取り付ける際に、左右のガイドピンと左右のガイド穴との挿通状況を機械側方から視認することができる。したがって、建設機械のアッパーフレームに対してブームを取り付ける際に両者を容易に位置合わせすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る油圧ショベルの一部を示す斜視図。
【
図2】上部旋回体のアッパーフレームを示す斜視図。
【
図3】アッパーフレームを機械左側から見た側面図。
【
図4】アッパーフレームを機械右側から見た側面図。
【
図5】ブーム及びアダプタが分解された状態を示す側面図。
【
図6】アダプタが装着された状態のブームを機械左側から見た側面図。
【
図7】アダプタが装着された状態のブームを機械右側から見た側面図。
【
図8】アダプタがアッパーフレームに取り付けられる様子を示す平面図。
【
図11】アダプタがアッパーフレームから離れた時点の状態を機械左側から見た側面図。
【
図12】アダプタがアッパーフレームに取り付けられた状態を機械左側から見た側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<1.実施形態>
本発明の実施形態による建設機械のブーム取付構造について
図1から
図12に基づき説明する。以下、本発明に係る建設機械の一例として、
図1に示される油圧ショベル1を例示する。
【0015】
図1に示されるように、油圧ショベル1は、図示しない下部走行体と、下部走行体上に搭載される上部旋回体3と、上部旋回体3に装着されるブーム5(作業アタッチメントを構成する一部品)とを備えて構成される。
【0016】
図2に示されるように、上部旋回体3は、キャビン(運転室)等の各種設備や機器類を搭載可能なアッパーフレーム31を備えている。アッパーフレーム31は、車幅方向(左右方向)の中央部に位置するセンターセクション4を備えている。
【0017】
センターセクション4は、底板41と、底板41に立設する左右一対の縦板43L,43Rと、縦板43L,43Rの上端縁部にそれぞれ設けられる背板45L,45Rとを備えて構成される。
【0018】
図2及び
図3に示されるように、左側の縦板43Lのうち外側(左側)を向く面には、上下方向を挿通方向とするガイド穴430Lが形成されている。ガイド穴430Lは、後述のガイドピン75L(
図5参照)が挿通可能な大きさを有している。
【0019】
また、左側の背板45Lの上面には、凹部を備えたブラケット450Lが設けられている。ブラケット450Lの凹部は、後述の位置決めピン79(
図8参照)の胴部の一部に面接触可能なR形状を有している。
【0020】
図4に示されるように、右側の縦板43Rのうち外側(右側)を向く面には、上下方向を挿通方向とするガイド穴430Rが形成されている。ガイド穴430Rは、後述のガイドピン75R(
図7参照)が挿通可能な大きさを有している。
【0021】
また、
図2及び
図4に示されるように、右側の背板45Rの上面には、凹部を備えたブラケット450Rが設けられている。ブラケット450Rの凹部は、後述の位置決めピン79(
図8参照)の胴部の一部に面接触可能なR形状を有している。
【0022】
図5に示されるように、ブーム5には、ブーム5を起伏させるためのブームシリンダ51が装着される。
【0023】
また、ブーム5の基端側には、ブーム5とブームシリンダ51とを一体状態で分解・組立するためのアダプタ7(サブフレーム等とも称する)が取り付けられる。アダプタ7には、ブーム5の基端部を回動可能に連結する連結ピンの挿通孔71と、ブームシリンダ51の基端部を回動可能に連結する連結ピンの挿通孔73とが形成されている。
【0024】
このような構成により、
図6に示されるように、ブーム5の基端部及びブームシリンダ51の基端部がアダプタ7に対して回動可能に取り付けられ、ブーム5とブームシリンダ51とが一体状態で保持される。
【0025】
図5に示されるように、アダプタ7の左側板のうち外側(左側)を向く面には、上下方向に長尺なガイドピン75Lが設けられている。ガイドピン75Lは、上述したガイド穴430L(
図2及び
図3)に挿脱可能な太さで構成されている。
【0026】
図7に示されるように、アダプタ7の右側板のうち外側(右側)を向く面には、上下方向に長尺なガイドピン75Rが設けられている。ガイドピン75Rは、上述したガイド穴430R(
図4)に挿脱可能な太さで構成されている。
【0027】
また、
図5~
図8に示されるように、アダプタ7は、後端側一部が機械後方に張り出した左右一対の後方張出部77L,77Rを有している。後方張出部77L,77Rには、ピン孔78L,78Rがそれぞれ形成されている。ピン孔78L,78Rには、
図8に示される位置決めピン79が挿入されて固定される。
【0028】
図8に示されるように、位置決めピン79は、左右両端一部がピン孔78L,78Rから左右外側にそれぞれ突出するように取り付けられている。後に詳述するように、アダプタ7をアッパーフレーム31に装着する際、位置決めピン79の胴部うちピン孔78L,78Rから左右外側に突出した部分がブラケット450L,450Rの凹部にそれぞれ嵌合する。
【0029】
ブーム5(アダプタ7)をアッパーフレーム31に装着する場合、まずは、左右のガイドピン75L,75Rが左右のガイド穴430L,430Rに挿通するように図示しないクレーン等を用いてブーム5を徐々に下げていく。
【0030】
本実施形態では、左右のガイド穴430L,430Rは略同じ高さに配置されているものの、左側のガイドピン75Lが右側のガイドピン75Rよりも長くなるように構成されている。そのため、ブーム5を徐々に下げていくと、
図9及び
図10に示されるように、先に左側のガイドピン75Lが左側のガイド穴430Lに挿通し、更にブーム5を下げていくと、反対側(右側)のガイドピン75Rが右側のガイド穴430Rに挿通する。
【0031】
左右のガイドピン75L,75Rが左右のガイド穴430L,430Rにそれぞれ挿通すると、ブーム5(アダプタ7)のおよその位置が決まる。その後、ブーム5を更に下げていくと、最終的には、上述した位置決めピン79(
図8参照)が左右のブラケット450L,450Rの凹部に嵌合する。詳細には、位置決めピン79の胴部うちピン孔78L,78Rから左右外側に突出した部分がブラケット450L,450Rの凹部にそれぞれ面接触して嵌合する。これにより、ブーム5の最終的な位置が決まる。
【0032】
また、ブーム5をアッパーフレーム31から取り外す場合、図示しないクレーン等を用いてブーム5を徐々に持ち上げていく。ブーム5を徐々に持ち上げていくと、ブーム5に装着されたアダプタ7がアッパーフレーム31から離れる時点がある。なお、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れる時点とは、アダプタ7の左右側板と、センターセクション4を構成する左右の縦板43L,43Rとが機械幅方向(左右方向)において重ならなくなった時点をいう。
【0033】
本実施形態では、
図11に示されるように、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れた時点において、左側のガイドピン75Lは、左側のガイド穴430Lに挿通された状態を維持している。なお、図示は省略するが、反対側(右側)のガイドピン75Rも右側のガイド穴430Rに挿通された状態を維持している。すなわち、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れた時点において、左右のガイドピン75L,75Rは左右のガイド穴430L,430Rに挿通された状態を維持する長さで構成されている。
【0034】
また、
図12に示されるように、左側のガイドピン75Lは、側面視(左側方から見た場合)において機械外側(左側)から視認可能な位置に配置される。詳細には、左側のガイドピン75Lは、前後方向に関して、図示しないキャビンが設置されるチルトデッキ81と作動油タンク83との間に配置される。
【0035】
以上、本実施形態によれば、縦板43Lのうち外側(左側)を向く面にガイド穴430L(
図2及び
図3参照)が形成され、縦板43Rのうち外側(右側)を向く面にガイド穴430R(
図4参照)が形成される。また、アダプタ7の左側板のうち外側(左側)を向く面にガイドピン75L(
図5参照)が設けられ、アダプタ7の右側板のうち外側(右側)を向く面にガイドピン75R(
図7参照)が設けられる。そのため、アダプタ7をセンターセクション4に取り付ける際に、左右のガイドピン75L,75Rと左右のガイド穴430L,430Rとの挿通状況を機械側方から視認することができる。したがって、センターセクション4に対してブーム5(アダプタ7)を取り付ける際に両者を容易に位置合わせすることが可能である。
【0036】
また、本実施形態によれば、左右のガイドピン75L,75Rが左右のガイド穴430L,430Rにそれぞれ挿通すると、ブーム5のおよその位置が決まる。そして、位置決めピン79の胴部うちピン孔78L,78Rから左右外側に突出した部分がブラケット450L,450Rの凹部にそれぞれ嵌合すると、ブーム5の最終的な位置が決まる。すなわち、本実施形態では、ブーム5が2段階で位置決めされる構成となっている。よって、ブームが1段階で位置決めされる構成のものに比べ、より簡易にブーム5を位置合わせすることが可能である。
【0037】
また、本実施形態によれば、左右のガイド穴430L,430Rは略同じ高さに配置される一方、左側のガイドピン75Lが右側のガイドピン75Rよりも長くなるように構成されている。そのため、ブーム5を徐々に下げていくと、
図9及び
図10に示されるように、先にガイドピン75Lがガイド穴430Lに挿通し、更にブーム5を下げていくと、反対側のガイドピン75Rがガイド穴430Rに挿通する。したがって、ガイドピン75L,75Rがガイド穴430L,430Rに同時に挿通するものに比べて、挿通作業が容易になり、作業性が高い。
【0038】
また、本実施形態によれば、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れた時点において、左右のガイドピン75L,75Rは、左右のガイド穴430L,430Rにそれぞれ挿通された状態を維持している。そのため、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れたことに起因するアダプタ7の荷振れを抑制し、周辺に配置されたタンクやガードにアダプタ7が接触するのを防止することが可能である。
【0039】
また、本実施形態によれば、左側のガイドピン75Lは、前後方向に関して、図示しないキャビンが設置されるチルトデッキ81と作動油タンク83との間に配置される。そのため、少なくとも左側のガイドピン75Lに関しては左側のガイド穴430Lへの挿通状況を機械側方から確実に視認することが可能である。
【0040】
<2.変形例>
本発明による建設機械のブーム取付構造は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0041】
例えば、上記実施形態では、左右のブラケット450L,450Rが左右の背板45L,45Rに設けられる場合を例示したが、これに限定されず、左右の縦板43L,43Rの上端縁部に対して直接設けられるようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、左右のガイド穴430L,430Rは略同じ高さに配置され、左側のガイドピン75Lが右側のガイドピン75Rよりも長くなるように構成される場合を例示したが、これに限定されない。
【0043】
例えば、左右のガイドピン75L,75Rを略同じ長さに構成し、左側のガイド穴430Lが右側のガイド穴430Rよりも高い位置に配置されるように構成してもよい。かかる変形例においても、先にガイドピン75Lをガイド穴430Lに挿通させ、その後、反対側のガイドピン75Rをガイド穴430Rに挿通させることが可能である。
【0044】
また、上記実施形態では、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れた時点において、左右のガイドピン75L,75Rが左右のガイド穴430L,430Rにそれぞれ挿通された状態を維持している場合を例示したが、これに限定されない。
【0045】
例えば、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れた時点において、左右のガイドピン75L,75Rのうち一方が左右のガイド穴430L,430Rの一方に挿通された状態を維持するようにしてもよい。すなわち、アダプタ7がアッパーフレーム31から離れた時点において、左右のガイドピン75L,75Rのうち一方が左右のガイド穴430L,430Rの一方に挿通された状態を維持する長さを有するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように本発明にかかる建設機械のブーム取付構造は、油圧ショベル等においてブームをアッパーフレームに装着するのに適している。
【符号の説明】
【0047】
1 油圧ショベル、3 上部旋回体、4 センターセクション、5 ブーム、
7 アダプタ、31 アッパーフレーム、41 底板、43L,43R 側板、
45L,45R 背板、51 ブームシリンダ、71 挿通孔、73 挿通孔、
75L,75R ガイドピン、77L,77R 後方張出部、78L,78R ピン孔、
79 位置決めピン、81 チルトデッキ、83 作動油タンク、
430L,430R ガイド穴、450L,450R ブラケット