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  • 特許-エリスロポエチン産生促進剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】エリスロポエチン産生促進剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20221227BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20221227BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221227BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20221227BHJP
   A23L 2/52 20060101ALN20221227BHJP
   A23L 2/02 20060101ALN20221227BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K36/185
A61P43/00 105
A61P7/06
A23L2/00 F
A23L2/02 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022095900
(22)【出願日】2022-06-14
【審査請求日】2022-06-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507307260
【氏名又は名称】宇航人ジャパン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】309033932
【氏名又は名称】株式会社フィネス
(73)【特許権者】
【識別番号】512310435
【氏名又は名称】株式会社ネイチャーツリー
(73)【特許権者】
【識別番号】521342201
【氏名又は名称】株式会社キュリラ
(73)【特許権者】
【識別番号】521305583
【氏名又は名称】株式会社デジタルプランツ
(73)【特許権者】
【識別番号】509248486
【氏名又は名称】株式会社常春堂
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】楊 建標
(72)【発明者】
【氏名】祖父江 守恒
【審査官】関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107260890(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111434344(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1634525(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1994398(CN,A)
【文献】特開2020-132561(JP,A)
【文献】ZHOU, J. Y. et al.,Protective Effect of Total Flavonoids of Seabuckthorn (Hippophae rhamnoides) in Simulated High-Altitude Polycythemia in Rats,Molecules,Vol. 17,2012年,pp. 11585-11597
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A61K
A61P
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サジー果汁および/またはサジー果汁の乾燥物を有効成分として含有することを特徴とするエリスロポエチン産生促進剤。
【請求項2】
経口用組成物である、請求項1に記載のエリスロポエチン産生促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリスロポエチン産生促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
エリスロポエチン(EPO)は、赤血球系幹細胞(前駆細胞)に対して分化誘導を刺激し、赤血球産生を促進する糖蛋白ホルモンである。その産生は主として腎臓で行なわれ、動脈血中の酸素分圧に応じて調節されている。エリスロポエチンの投与は、腎性貧血の治療や、疲労感の改善、運動持久力の向上などが期待でき、遺伝子組み換え型の人工エリスロポエチンやエリスロポエチン類似化合物などのエリスロポエチン製剤が知られている。また、体内でエリスロポエチンの産生を促進する化合物も提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-132561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新たなエリスロポエチン産生促進剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> サジー果実の処理物を有効成分として含有することを特徴とするエリスロポエチン産生促進剤。
<2> 前記サジー果実の処理物が、サジー果汁および/またはサジー果汁の乾燥物である、前記<1>に記載のエリスロポエチン産生促進剤。
<3> 前記サジー果実が、果皮、果肉および種子を含むサジー果実である、前記<1>または<2>に記載のエリスロポエチン産生促進剤。
<4> 経口用組成物である、前記<1>から<3>のいずれかに記載のエリスロポエチン産生促進剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新たなエリスロポエチン産生促進剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1およびコントロール試験のエリスロポエチン濃度を示す図である。なお、図中、*はp<0.05、であることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
【0010】
<本発明のエリスロポエチン産生促進剤>
本発明は、サジー果実の処理物を有効成分として含有するエリスロポエチン産生促進剤に関するものである。本発明者らは、サジー果実の処理物が、エリスロポエチンの産生を促進できることを新たに見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
【0011】
(サジー果実の処理物)
サジー(沙棘、学名:Hippophae rhamnoides L.、英語名:Sea buckthorn)は、ユーラシア大陸原産のグミ科ヒッポファエ属の植物であり、7千万年以上も前から生育していたと言われている。サジー果実の処理物は、サジーの果実を処理して得られるものである。果実は、果皮や種子を含む状態で用いてもよいし、果皮を取り除いて用いてもよいし、果皮及び種子を取り除いた果肉部分のみを用いてもよい。サジー果実の処理物としては、サジー果汁や、サジー果汁の乾燥物、サジー果実乾燥物、サジー果実抽出物などが挙げられ、サジー果汁および/またはサジー果汁の乾燥物であることが好ましい。
【0012】
(サジー果汁)
サジー果汁は、サジー果実に対して圧力をかける処理(圧搾処理)を行うことによって得られる果汁、またはこの果汁を濃縮した濃縮果汁、この果汁を希釈した希釈果汁である。また、サジー果汁は、液状物であっても、ピューレやペーストのような半液状物であってもよく、これらの混合物であってもよい。圧力をかける処理(圧搾処理)は、破砕処理や磨砕処理などを含むものであり、具体的には、ミキサー、磨砕機、破砕機、クラッシャー、圧搾機などの装置を1以上用いることでサジー果汁を得ることができる。
【0013】
サジー果汁は、サジー果実に圧力をかけて処理した後、適宜、遠心分離や、ろ過、裏ごししたものを使用してもよい。裏ごしは、メッシュ(例えば、40~60メッシュ)を通過させることなどで行うことができる。裏ごしを行うことで、果皮や種子、果肉の繊維質の少なくとも一部を取り除くことができる。
【0014】
サジー果汁は、果皮を含むサジー果実から得られる果汁であることが好ましく、果皮、果肉及び種子を含む果実から得られる果汁であることがより好ましい。例えば、果皮、果肉及び種子を含むサジー果実を、圧力をかけて処理することで得られる液状物または半液状物や、果皮、果肉及び種子を含むサジー果実を、圧力をかけて処理し、更に裏ごしを行うことで得られる液状物または半液状物、これらの混合物を、サジー果汁として使用することができる。
【0015】
(サジー果汁の乾燥物)
サジー果汁の乾燥物は、サジー果汁を乾燥させたものである。乾燥は、例えば、天日乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥(フリーズドライ)、噴霧乾燥等の公知の乾燥方法で行うことができる。また、乾燥物は粉砕したり、噴霧乾燥などを利用して乾燥のときに粉末化したりするなどして、乾燥粉末とすることが好ましい。
【0016】
(対象)
本発明のエリスロポエチン産生促進剤の使用対象は、ヒトを含む動物である。ヒト以外の動物としては、イヌやネコなどが挙げられる。
【0017】
サジー果実の処理物は、エリスロポエチン産生促進作用を有するため、本発明のエリスロポエチン産生促進剤は、腎性貧血等の貧血の予防や治療のために使用することができる。腎性貧血とは、鉄の不足によりヘモグロビンが十分産生されないことによって引き起こされる鉄欠乏性貧血とは異なり、腎臓の機能低下によって、腎臓からのエリスロポエチンの分泌が減り、赤血球を作る能力が低下することで引き起こされる貧血である。具体的には、本発明のエリスロポエチン産生促進剤は、腎性貧血や貧血を既に罹患している対象が腎性貧血や貧血の改善のために使用してもよく、未だ罹患していない健康な対象が腎性貧血や貧血の予防のために使用することもできる。
【0018】
サジー果実の処理物は、そのまま製品にしたり、製品に配合したりすることができる。従来、手軽に摂取することで、エリスロポエチンの産生を促進できる化合物はあまり知られていない。サジー果実の処理物は、天然物由来であるため、安全で嗜好性にも優れ、日常的に摂取しやすい形態にも加工しやすい。そのため、本発明のエリスロポエチン産生促進剤は、経口用組成物とすることが好ましい。サジー果実の処理物をそのまま経口用組成物として製品にしたり、経口用組成物にサジー果実の処理物を配合したりして、サジー果実の処理物を含有する経口用組成物とすることができる。経口用組成物としての用途は特に限定されず、食品組成物や、経口投与用の医薬品組成物などとして用いることができる。
【0019】
(食品組成物)
サジー果実の処理物を日常的に経口摂取しやすい食品組成物とすることで、長期的に摂取することも容易である。そのため、有効成分としてサジー果実の処理物を含有するエリスロポエチン産生促進用の食品組成物とすることが好ましい。この食品組成物は、一般の食品だけでなく、特別用途食品、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等、健康の維持・増進の目的で摂取する食品および/又は飲料も含む。この中でも保健機能食品である特定保健用食品や機能性表示食品、栄養機能食品が好ましい態様である。
【0020】
食品組成物の形状は特に限定されず、固体状、液体状、半固体状、ゲル状、ゾル状等のいずれの形状であってもよい。サジー果汁をそのまま用いることができ、その含有量を高めることができるため、飲料(液体飲料やピューレなど)の形態とすることが好ましい。
【0021】
食品組成物として製品化する場合には、サジー果実の処理物からなる製品としてもよいし、食品、飲料に配合してもよい。また、食品組成物として製品化する場合には、サジー果実の処理物以外にも、食品、飲料に用いられる様々な添加剤を添加してもよい。具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料、甘味料等を添加していてもよい。
【0022】
食品組成物の対象となる、食品、飲料は特に限定されるものではない。例えば、食品として、ソーセージ、ハム、魚介加工品、ゼリー、キャンディー、チューインガムなどの食品類が挙げられる。また、飲料としては、各種の果汁飲料、茶類、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンクなどが挙げられる。
【0023】
また、動物用食品組成物としてもよく、また、ペットフード等の動物用食品組成物へサジー果実の処理物を添加することもできる。
【0024】
(医薬品組成物)
サジー果実の処理物は、薬学的に許容される担体とともに配合し、経口投与用の医薬品組成物とすることができる。なお、本発明において、医薬品組成物は、医薬品のみならず医薬部外品も含む。医薬品組成物の剤形は、特に限定されず、固体製剤であっても液体製剤であってもよい。具体的には、例えば、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられる。薬学的に許容される担体としては、例えば、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝材、増粘剤、着色剤、分散剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤等が挙げられる。
【0025】
サジー果実の処理物を含有する組成物(食品組成物や医薬品組成物など)における、サジー果実の処理物の配合量は、その態様等により異なり、適宜調整される。例えば、サジー果実の処理物を含有する組成物中のサジー果実の処理物の含有量(固形分換算)は、1質量%以上や、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、5質量%以上などが好ましい。その上限に特に限定はないが、サジー果実の処理物の含有量(固形分換算)が20質量%以下や、15質量%などのように上限を適宜設定してもよい。なお、サジー果実の処理物の固形分量は、サジー果実の処理物から水分や溶媒を除いた質量である。例えば、サジー果汁は、含まれる水分量が80~90質量%程度であるため、固形分量は10~20質量%程度である。サジー果実の処理物の含有量(固形分換算)は、このサジー果実の処理物の固形分量をサジー果実の処理物を含有する組成物の質量で除した値を百分率で表したものである。
【0026】
また、サジー果汁をサジー果実の処理物とする場合、サジー果汁をそのまま、あるいは、サジー果汁に添加剤等を配合したサジー果汁含有組成物をエリスロポエチン産生促進用の経口用組成物とすることができる。経口用組成物中のサジー果汁の含有量(サジー果汁の質量/経口組成物の質量×100(%))は、30質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上の順で含有量が多いほど好ましい。また、経口用組成物中のサジー果汁の含有量は、100質量%以下や、99.99質量%以下、99.98質量%などのように上限を適宜設定してもよい。
【0027】
サジー果実の処理物を含有する組成物(食品組成物や医薬品組成物など)の摂取量は、摂取対象の性別、体重、年齢、利用目的などに応じて適宜選択すればよい。例えば、成人ヒトの場合、サジー果実の処理物(乾燥固形分換算)の1日あたりの摂取量は、0.1~45gや、1~35gや、2~15gなどとすることができる。サジー果汁を含むサジー果汁含有組成物の場合、例えば、成人のヒトの1日の摂取量は、1~300gや、10~250g、15~200g、20~100gなどとすることができる。また、摂取は、1日に1回または複数回に分けて行うことができ、数日~数週間、数か月間にわたり継続して摂取してもよい。
【実施例
【0028】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
[実施例]
I.サジージュースの調製
H.rhamnoidesの果実(果肉および果皮、内モンゴル蛮漢山産)を枝葉がついた状態で-18℃に冷凍し、冷凍状態のまま枝葉を取り除き、飲用水で洗浄した。傷んだ果実を除去した。次いで、果実を果皮がついた状態でミキサーに投入し、ピューレ状にした後、ろ過(60メッシュ)し、果皮残渣および種子を取り除き、高温瞬間殺菌を行い、サジー果汁を得た。サジー果汁にステビアを加え、メッシュ(40メッシュ)で異物を取りのぞきながら、調合し、加熱殺菌して、サジー果汁を99.95質量%含有するサジージュースを得た。
【0030】
II.EPO濃度の測定
上記Iで得たサジージュースの凍結乾燥物をHep-G2細胞へ添加し、細胞上清におけるエリスロポエチン(EPO)産生量を評価した。
【0031】
(i)サンプル溶液の調整
予め凍結させたサジージュースを凍結乾燥器に入れ、-50℃、40Paの条件下で数日間静置し、凍結乾燥物を得た。サジージュースの凍結乾燥物は0.02mg/mL、0.2mg/mL、2mg/mL、20mg/mL、40mg/mLおよび80mg/mLに滅菌水にて溶解した。その後、ヒト肝癌由来細胞株(HepG2細胞)へのサンプル添加前に無血清のEMEM(含1%ペニシリン-ストレプトマイシン)にて200倍希釈した(終濃度0.1μg/mL、1μg/mL、10μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、および400μg/mL)。200倍希釈したサンプル溶液を100μLずつ細胞へ添加した。
【0032】
(ii)試験
ヒト肝癌由来細胞株(HepG2細胞)は、Eagle’s minimal essential Medium (EMEM)(含1%ペニシリン-ストレプトマイシンおよび10%ウシ胎児血清(FBS))を用いて、コンフルエントになるまでφ10cmディッシュにて前培養した。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、培地に再懸濁後、96穴プレートに0.5×105cells/wellの濃度で播種しCO2インキュベーター(37℃,5%CO2)でオーバーナイト培養した。
上記(i)で調製したサンプル溶液添加後、再びCO2インキュベーター(37℃,5%CO2)で24時間培養した。
【0033】
(iii)コントロール試験
サンプル溶液の代わりに滅菌水を使用し、上記(ii)と同様に行った。
【0034】
(iv)ELISA法によるエリスロポエチン産生量の評価
評価サンプル添加24時間後のHepG2細胞培養上清を回収した。Enzyme-Linked Immunosorbent Assay(ELISA) kit for Erythropoietin(EPO)(Cloud-Clone Crop.)を使用し、培養上清におけるEPO産生量を算出した。EPOスタンダード、サンプルおよびブランク(サンプルを含まないバッファのみ)を抗体がコーティングされたプレートへ添加した。その後、各サンプルを取り除き、検出試薬Aを加え、37℃にて1時間静置した。検出試薬Aを除去し、ウォッシュ試薬で3回ウェルを洗浄した。続いて、検出試薬Bを加え、37℃にて30分静置した。検出試薬Bを除去し、ウォッシュ試薬でウェルを5回洗浄した。基質溶液を加え、遮光条件で37℃にて20分静置した。反応停止液を加え、マイクロプレートリーダーで450nmにおける吸光度を測定した。
【0035】
図1に、実施例1およびコントロール試験のエリスロポエチン濃度を示す。図1に示す通り、サジージュース凍結乾燥物(200μg/mL処理区)添加により、コントロールと比較して有意なEPO産生促進が認められた(p<0.05)。1μg/mL処理区、10μg/mL処理区、100μg/mL処理区、400μg/mL処理区においてもコントロールと比較してEPO産生量増加が認められた。
【0036】
サジージュースは、水分の他はサジージュース凍結乾燥物と同様の成分を含むため、サジージュースでも同様の効果が期待できる。なお、上記Iで得たサジージュースに含まれる水分量は86質量%であった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のエリスロポエチン産生促進剤は、食品や医薬品等に利用することができ、産業上有用である。
【要約】
【課題】新たなエリスロポエチン産生促進剤を提供する。
【解決手段】サジー果実の処理物を有効成分として含有することを特徴とするエリスロポエチン産生促進剤。
【選択図】 図1
図1