(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】振分装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/46 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
B65G47/46 A
(21)【出願番号】P 2018019700
(22)【出願日】2018-02-06
【審査請求日】2021-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(72)【発明者】
【氏名】對馬 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】早川 照生
(72)【発明者】
【氏名】内田 光治
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-500398(JP,A)
【文献】特開昭53-116677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に商品を搬送させる搬送部と、
前記商品の前記搬送路に沿って配置される第一姿勢と、前記搬送路に斜めに横断して配置される第二姿勢とに切り替え可能な振分アームを備え、
前記振分アームは、前記第一姿勢において前記商品と当接することで前記商品を搬送方向に案内するガイド面と、前記第二姿勢において前記商品と当接することで前記商品を前記搬送路から排除する方向に振り分ける振分面とを含み、
前記搬送部上における前記
商品が搬送される搬送面に対して直交する方向において、前記ガイド面の幅は、前記
振分面の幅よりも狭く構成されている、振分装置。
【請求項2】
前記振分アームは、少なくとも前記第一姿勢において前記ガイド面を形成するガイドプレートと、前記ガイドプレートが取り付けられる支持部材とを含む、請求項1に記載の振分装置。
【請求項3】
前記振分アームは、前記搬送路の両側に、各々対となるよう少なくとも1つずつ配置されるとともに、対となる一方の振分アームが第一姿勢をとり、他方の振分アームが第二姿勢をとることにより、前記商品を前記搬送路から排除し、
対となる前記振り分けアームの各々は、前記商品を排除する際に少なくとも一部が上下に交差して重なるように構成されている、請求項1に記載の振分装置。
【請求項4】
商品の搬送路に沿って配置される第一姿勢と、前記搬送路に斜めに横断して配置される第二姿勢とに切り替え可能な振分アームを備え、
前記振分アームは、前記第一姿勢において前記商品と当接することで前記商品を搬送方向に案内するガイド面と、前記第二姿勢において前記商品と当接することで前記商品を前記搬送路から排除する方向に振り分ける振分面とを含み、
前記振分アームは、前記搬送路の両側に、各々対となるよう少なくとも1つずつ配置されるとともに、対となる一方の振分アームが第一姿勢をとり、他方の振分アームが第二姿勢をとることにより、前記商品を前記搬送路から排除し、
対となる前記振り分けアームの各々は、前記商品を排除する際に少なくとも一部が上下に交差して重なるように構成されている、振分装置。
【請求項5】
前記振分アームは、少なくとも前記第一姿勢において前記ガイド面を形成する一対のガイドプレートと、前記ガイドプレートが取り付けられるとともに前記振分面を形成する一対の支持部材とを含み、
一対の前記支持部材は、前記搬送路に対して高さが略等しく、前記搬送路の面と対向する取付面を各々有し、
一対の前記ガイドプレートは、異なる高さで前記支持部材に取り付けられており、前記支持部材から前記搬送路の側に張り出すように、かつ、対となる一方が前記取付面の上面に、他方が前記取付面の下面に取り付けられている、請求項3又は請求項4に記載の振分装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される商品を振り分ける振分アームを備える振分装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送される商品を振り分ける振分アームを備える振分装置が知られている。
【0003】
検査結果に応じて商品を振り分ける振分ラインには、商品の特性に応じた種々の振分装置が導入される。その代表的なものの一例として、下記特許文献に記載の振分装置が知られている。
【0004】
特許文献1には、水平方向に回動する振分アームが商品の搬送路を斜めに横断した状態で待機し、そこへ搬送されてきた商品が当ると、商品が振分アームに沿って搬送路の側方へ排出されるように構成された振分装置が記載されている。このような振分装置は、多くの商品加工分野で使用されており、搬送路の両サイドに振分アームの回動中心を配置することによって、正常な商品を搬送方向にそのまま搬送させ、不良の生じた商品を搬送方向と交差する左右方向に振り分ける。
【0005】
また、特許文献2には、振分アームが商品を両サイドから挟んだ状態で回動して下流の複数の搬送ラインへ振り分けるように構成された振分装置が記載されている。この振分装置は、転倒しやすい商品であっても、商品を転倒させることなく下流の複数の搬送ラインに選択的に振り分けることを課題としていると考えられる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の振分装置では、安定性の悪い商品、たとえば、包装「おにぎり」等を(側面の検査等を行うために)起立姿勢のまま搬送する場合に、商品に転倒が生じてしまう。ここで、仮に、転倒防止用のガイド板を搬送路に沿って配置しても、回動する振分アームとガイド板とが干渉するため、この種の振分装置では、転倒しやすい商品は、振り分けられないという不都合がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の振分装置では、振分アームが回動する際に、振分アームの向く方向が必ずしも搬送方向に沿っておらず、商品が振分アームに到達するタイミングによっては、搬送方向に向いた力を(搬送路を介して)底面に受けた商品が転倒して(少なくとも修正不可能な傾きが生じて)しまう。その結果、下流において商品の詰まりが生じてしまう不都合があると考えられる。なお、この振分装置により不良品を正常な搬送ラインから排除しようとすると、下流の複数の搬送ラインの一部を不良排出ラインにせざるを得ない。したがって、特許文献1に記載の振分装置と比較して、装置全体の搬送方向が長く(振り分け装置を代替して)既設の振分ラインに組み込むことが困難であるという不都合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-001513号公報
【文献】特開2008-105833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、転倒しやすい商品に対して、搬送時には転倒させずに搬送し、振分時には商品を適切に振り分けることができる振分装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における振分装置は、商品の搬送路に沿って配置される第一姿勢と、搬送路を斜めに横断して配置される第二姿勢とに切り替え可能な振分アームを備え、振分アームは、第一姿勢において商品と当接することで商品を搬送方向に案内するガイド面と、第二姿勢において商品と当接することで商品を搬送路から排除する方向に振り分ける振分面とを含む。
【0011】
この発明の第1の局面による振分測装置では、上記のように、振分アームを、(商品の搬送路に沿って配置される)第一姿勢において商品と当接することで商品を搬送方向に案内するガイド面と、第二姿勢において商品と当接することで商品を搬送路から排除する方向に振り分ける振分面とを含むように構成する。これにより、第一姿勢をとる振分アームのガイド面が搬送される商品と接しながら商品を支えて搬送方向に搬送するので、転倒しやすい軽い商品であっても、転倒させることなく下流側へ搬送することができる。すなわち、第一姿勢をとる場合、振分アームは、商品の転倒を防止するガイドの役割を担う。また、第二姿勢をとる場合、振分アームは、商品を搬送路から適切に排除することができる。その結果、転倒しやすい商品に対して、搬送時には転倒させずに搬送し、振分時には商品を適切に振り分けることができる。また、転倒による商品の損傷や、転倒時の振動に起因した振動が(別途設置された)計量コンベアに伝搬して計量精度が悪化することを抑制することができる。また、振分アームの第一姿勢は商品の搬送路に沿って配置されている。これにより、商品を搬送方向に連続的に案内することができるとともに、商品の搬送方向とガイド面の案内する方向との不一致が生じず、搬送路から移動方向と異なる向きの力を受けた商品が転倒する(修正不可能な傾きを生じる)ことを防止することができる。
【0012】
上記一の局面による振分装置において、好ましくは、ガイド面における搬送方向に直交する方向の幅は、振分面における搬送方向に直交する方向の幅よりも狭く構成されている。このように構成すれば、商品を搬送する場合に(第一姿勢において)、商品に接触するガイド面の面積が比較的が小さくなるので、振分アームと商品との摩擦による滞りや、商品との接触に起因し印字等に生じるすれを低減することができる。また、商品を振り分ける場合に(第二姿勢において)、商品に接触する振分面の面積が比較的大きくなるので、商品に転倒が生じ、商品の振分面とする部分の大きさが小さく(低く)なったとしても、振分アームは、十分に商品をとらえて排除することができる。
【0013】
上記ガイド面における搬送方向に直交する方向の幅が振分面における搬送方向に直交する方向の幅よりも狭い振分装置において、好ましくは、振分アームは、少なくとも第一姿勢においてガイド面を形成するガイドプレートと、ガイドプレートが取り付けられる支持部材とを含む。このように構成すれば、搬送方向に直行する方向において、振分面の幅よりも小さい幅のガイド面を、ガイドプレート31により容易に形成することができる。その結果、商品の大きさ(搬送面からの高さ)に合わせて適切な形状および大きさ(搬送面に垂直な方向の幅、および、支持部材から搬送される商品の側に延ばされた長さ)のガイドプレートを取り付けることにより、商品の転倒を防止ことができる。
【0014】
上記一の局面による振分装置において、好ましくは、振分アームは、搬送路の両側に、各々対となるように少なくとも1つずつ配置されるとともに、対となる一方の振分アームが第一姿勢をとり、他方の振分アームが第二姿勢をとることにより、商品を搬送路から排除し、対となる振り分けアームの各々は、商品を排除する際に少なくとも一部が上下に交差して重なるように構成されている。ここで、上下に交差して重なるとは、たとえば、振分アームを、天地を逆にしたL字状の部材で構成したときに、向かい合う互いの水平な上面の部分が上下(搬送面に直行する方向)に重なることをいう。このように構成すれば、第二姿勢をとる鉛直に延びる振分面(天地逆L字状部材の縦線にあたる部分)の先端部分(回動の支点と反対側の端部)を、第一姿勢をとる他方の振分アームの搬送方向側端部、すなわち商品と接してそれを搬送方向に案内するガイド面に可及的に近接させることができる。これにより、対となる近接した2つの振分アームの間に生じる隙間を小さくすることができるので、搬送される商品を、第一姿勢の(一方の)振分アームから第二姿勢の(他方の)振分アームにスムーズに引き継がせて排出することができる。その結果、商品に包装の綻び(めくれ等)やラベルの貼付ミス(糊面の露出等)等があっても振り分けアームとの引っ掛かりが生じにくくなるので、搬送されてきた商品を停滞させずに振り分ける(排出する)ことができる。
【0015】
この場合、好ましくは、振分アームは、少なくとも第一姿勢においてガイド面を形成する一対のガイドプレートと、ガイドプレートが取り付けられるとともに振分面を形成する一対の支持部材とを含み、一対の支持部材は、搬送路に対して高さが略等しく、搬送路の面と対向する取付面を各々有し、一対のガイドプレートは、異なる高さで支持部材に取り付けられており、支持部材から搬送路の側に張り出すように、かつ、対となる一方が取付面の上面に、他方が取付面の下面に取り付けられている。このように構成すれば、一対のガイドプレートの取付を一対の支持部材が各々有する取付面のそれぞれ上面と下面とに行うことにより、一対のガイドプレートの各々の位置(高さ)を取付面の上側と下側とで容易に異ならせることができる。その結果、ガイドプレート(振分アーム)を、商品を排除する際に少なくとも一部が上下に交差して重なるように構成することが容易にできる。また、ガイドプレートの形成するガイド面の高さが取付面の有する厚み分程度しか異ならないので、ガイド面が商品とそれぞれ当接(ガイド)する位置(高さ)が略同一になる。そのため、当接する位置の違いに起因して搬送方向を軸として回転する方向に商品が転倒することを抑制することができる。
【0016】
上記振分アームが搬送路の両側に各々対となるように少なくとも1つずつ配置される振分装置において、好ましくは、振分アームは、正常な商品を排出せずに搬送させるとともに、搬送方向から見て左右の面において印刷またはラベルの不良がある商品を第一方向に排出し、印刷またはラベルの不良ではない不良が生じた商品の少なくとも一部を第一方向とは逆側の第二方向に排出するように構成されている。このように構成すれば、商品の中身(内容物)そのものには問題のない印刷またはラベルの不良がある商品と、印刷またはラベルの不良ではない不良が生じた商品とを別方向に振り分けて管理することができる。なお、本発明による振分装置では、(第一姿勢において)商品を倒さずに搬送することができるので、立位の状態において側面(搬送方向から見て左右の面)の部分に対して画像撮像検査等を受け、不良がなかった商品をそのまま立位の(起立した)状態で搬送する振り分ける際に特に好適である。
【0017】
上記振分アームが搬送路の両側に各々対となるように少なくとも1つずつ配置される振分装置において、好ましくは、振分アームは、正常な商品を排出せずに搬送させるとともに、異物の混入ではない不良が生じた商品を第一方向に排出し、異物が混入した商品を第一方向とは逆側の第二方向に排出するように構成されている。このように構成すれば、消費者に誤って配送されることを特に防止する必要がある異物が混入した商品と、異物の混入ではない不良が生じた商品とを別方向に振り分けて管理することができる。
【0018】
上記一の局面による振分装置において、好ましくは、搬送路に沿って配置され、商品が転倒しないように接して支える複数のガイド板をさらに備え、ガイド板は、第二姿勢をとる際に水平方向に回動する振分アームが侵入する領域に切り欠き部が設けられている。このように構成すれば、商品を搬送路に沿って搬送する(振分アームが第一姿勢をとる)場合、搬送路に配置されたガイド板と、第一姿勢の振分アームとにより、商品の転倒を防止するガード(商品と接しながら支える壁となる部分)を搬送方向に沿って連続的に設けることができる。その結果、転倒しやすい商品であっても転倒させることなく下流側へ搬送することができる。また、商品を搬送路から振り分け排除する(振分アームが第二姿勢をとる)場合、搬送時には転倒を防止していた振分アームが、ガイド板の切り欠き部に侵入し、搬送路側面のガードを開放するとともに、振分アームの振分面によりガード壁の無くなった搬送路側面から商品を排除することができる。また、切り欠き部の(搬送面に直行する)上下部分により当接して商品を搬送方向に案内することができるので、上方もしくは下方のみで商品を案内する場合と比較して、振分アームを通過する際に傾きが生じた商品を立たせ(正しく起立させ)直すことができる。
【0019】
この場合、好ましくは、ガイド板の各々が含む転倒防止面と、振り分けアームが含むガイド面とは、搬送方向に向いた略同一線上に配置されている。これにより、ガイド面と転倒防止面とに商品がまたがる際(商品の接する対象が移り変わる際)に、商品に引っ掛かり搬送を滞らせる突出部分や、商品の転倒の原因となる隙間(搬送路の幅の方向の空間)の増加が不必要に生じることを抑制することができる。その結果、搬送される商品に厚さの変化や包装フイルムの綻び、膨らみ、或いは貼付されたラベルの部分的な飛び出し等がある場合でも、商品を、転倒させることなく下流側へスムーズに搬送することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、転倒しやすい商品に対して、搬送時には転倒させずに搬送し、振分時には商品を適切に振り分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る振分装置の外観斜視図。
【
図3】
図1の振分装置の振分アームが第二姿勢を採った状態の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、
図1~
図4を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。なお、この実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、この実施形態では、転倒しやすい商品の一例として包装された「おにぎり」を例示しているが、これに限定されるものではなく、たとえばスタンドパウチのように、搬送時や乗り継ぎ時に転倒しやすい自立型の包装商品等であっても良い。
【0023】
[本実施形態の構成]
以下、
図1~
図4を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
振分装置1は、中央のベルトコンベア2と、その両側(サイド)に配置された一対の振分アーム3と、商品Mの転倒を防止する左右のガイド板4と、ベルトコンベア2の両サイドに配置されベルトコンベヤ2から排除される商品Mを滑落させる傾斜板5と、これらを支持する装置フレームとを備えている。
【0025】
ベルトコンベア2は、駆動ローラ21と従動ローラ22との間に架け渡されたエンドレスベルト20を駆動ローラ21の回転で走行させるようにしたものである。具体的には、ベルトコンベア2の支持フレーム23は、左右の支持プレート24を介して装置本体50に支持され、駆動ローラ21を回転させる図示しないモータは、装置本体50内に収納されて、その回転軸に設けられたプーリと、駆動ローラ21のプーリとの間にタイミングベルト25が架け渡されて、駆動ローラ21が矢印Dの方向に回転するようになっている。したがって、商品Mを搬送するベルト20が商品Mの搬送路Rとなる
【0026】
ここで、振分装置1の備える振分アームは、商品Mの搬送路に沿って配置される第一姿勢と、前記搬送路を斜めに横断して配置される第二姿勢とに切り替え可能に構成されている。また、振分アーム3は、搬送路Rの両側に対となるように1つずつ設けられている。また、振分アーム3は、第一姿勢において商品Mと当接することで商品Mを搬送方向に案内するガイド面310と、第二姿勢において商品Mと当接することで商品Mを前記搬送路から排除する方向に振り分ける振分面300とを含む。
【0027】
具体的には、振分アーム3に取り付けられたガイドプレート31のガイド面310が物品の転倒を防ぐガイドとして作用するようになっている。また、ガイドプレート31のガイド面310と、ガイド板42、42と略同一線上のガード壁として機能するようになっている
【0028】
また、一対の振分アーム3の各々は、支持部材30とガイドプレート31とを含んでいる。一対の支持部材30の各々は、ガイドプレート31が取り付けられている。一対のガイドプレート31の各々は、第二姿勢においてガイド面310を形成する。
【0029】
また、ガイド面310の搬送面Rに直行する方向の幅は、振分面300の搬送面Rに直行する方向の幅よりも狭く構成されている。
【0030】
また、振分アーム3は、対となる一方の振分アーム3が第一姿勢をとり、他方の振分アーム3が第二姿勢をとることにより、商品Mを搬送路から排除し、対となる振り分けアーム3の各々は、商品Mを排除する際に少なくとも一部が上下に交差して重なるように構成されている。
【0031】
また、振分アーム3は、第一姿勢においてガイド面310を形成する一対のガイドプレート31と、ガイドプレート31が取り付けられるとともに振分面を形成する一対の支持部材30とを含む。また、一対の支持部材30は、搬送路Rに対して高さが略等しく、搬送路Rの面と対向する取付面301を各々有している。また、一対のガイドプレート31は、異なる高さで支持部材30に取り付けられており、支持部材30から搬送路Rの側に張り出すように、かつ、対となる一方(
図2の右側)が取付面301の上面に、他方(
図2の左側)が取付面301の下面に取り付けられている。
【0032】
また、左右(一対)の支持部材30の各々は、横断面がコの字形の板金で形成されている。また、左右(一対)のガイドプレート31の各々は、支持部材30の取付面301(コの字形の板金の上面)に取り付けられている。そのため、左右(一対)のガイドプレート31は、板金の厚み分だけ離れた状態で、一方が第2姿勢をとる際に、上下(搬送方向に直交する方向)に重なるように構成されている。したがって、上下のガイドプレート31間には、板金の厚み分だけのクリアランスを有したほぼ同一の高さに配置される。また、左右(一対)のガイドプレート31は、商品Mの転倒(傾き)を抑制するために、商品Mの重心位置よりも高い位置に配置されている。
【0033】
また、一対の振分アーム3が、搬送路Rを挟み向かい合わせに配置されいてる。また、振分アーム3は、
図2の矢印方向F(各々F1およびF2)に水平に回動させる図示しない駆動機構とガイドアーム3(支持部材30)の含む回転軸32を介して連結されている。連結された駆動機構が駆動されると、回転軸32が水平方向に回動され、
図2のような搬送路Rに沿って商品Mを通過させる第一姿勢から、
図4のような商品Mを左右方向(
図4では右方向である排出方向E)に振り分ける第二姿勢に、振り分けアーム3の姿勢が切り替えられる(回動される)。この第二姿勢は、振分アーム3を搬送路Rに対し、斜めに横断させた姿勢であって、これにより、振分アーム3(支持部材30)の振分面300は、搬送方向Tに搬送され振り分け面300に衝突した商品Mを斜め側方の排出方向E(
図4参照)へ排除する。ただし、一方の振分アーム3が第二姿勢のときは、他方の振分アーム3は、第一姿勢をとるように、図示しない振分装置1のコントローラによって駆動制御される。
【0034】
ここで、使用する駆動機構としては、たとえば、電動モータやロータリーソレノイド、エアーシリンダとクランクを組合せて直線運動を回転運動に変換する機構等から適宜なものを使用することができる。ここでは、図示しない減速機構付の電動モータを使用し、その回転軸を振分アーム3(支持部材30)の回転軸32に連結して、第一姿勢から第二姿勢へ、第二姿勢から第一姿勢へ切り替える。なお、これらの駆動機構は、装置本体50に隣接するボックス51内に収納されている。
【0035】
駆動機構を制御する振り分け装置1のコントローラは、ボックス51内に納められ、上流側装置(上流に存在する検査装置、後述)から振分指令(信号)を受け取ると、指示された方向の振分アーム3を第一姿勢から第二姿勢へ、振分完了後は、逆方向へと切り替えるように制御する。ただし、一方の振分アーム3を第二姿勢に切り替えたときは、他方の振分アーム3は、第一姿勢に保持されるようになっている。そして、振り分け対象となる商品Mが上流側装置(コンベア)からベルトコンベア2に乗り移るタイミングでは、指定された振分アーム3は、第二姿勢に切り替わるように制御される。続いて商品Mが
図4の第二姿勢の振分アーム3に衝突すると、商品Mは、走行するベルト20に押されて、矢印で示す方向に斜めに排除されていく。なお、搬送路Rから排除された商品Mは、傾斜板5を滑走して図示しない回収箱に回収される。また、振り分けが指示されていない商品Mの場合は、コントローラは、各振分アーム3を第一姿勢に保持したままでそれを通過させる。
【0036】
図2に示すように、振分アーム3に取り付けたガイドプレート31を搬送路側に張り出させたガイド面310により、搬送路Rを移動する商品Mを左右方向から支持して転倒させないガイド板として作用させている。これにより、振分アーム3が第一姿勢をとるときは、ガイド板41、42が欠落している領域(後述)において、ガイドプレート31が商品Mの転倒を防止するガード壁となる。
【0037】
また、商品Mを搬送路Rから排除するときは、商品Mの転倒を防止していたガイドプレート31が、
図3に示すように、ガイド板42の切り欠け部45(後述)に侵入して、搬送路R側面のガード壁を開放し、第二姿勢の振分アーム3に衝突した商品Mは、ガード壁の無くなった搬送路側面から排除される。これにより、(振り分けアーム30のいずれかが第2姿勢を取り、)商品Mを振り分ける際に、商品Mが通過する経路を確保するためにガイド板41、42によるガイドを一部欠落させながら、(一対の振り分けアーム30の各々が第一姿勢を取り、)商品Mを搬送方向Tに通過させる際に、ガイドプレート31の張り出し部分の縁部であるガイド面310が当接して商品Mが転倒しないように支える。
【0038】
そのため、ガイドプレート31は、
図2に示すように、ガイドプレート31のガイド面310の上流側約3/5の縁部が、斜めにカットされたカット部分311が設けられ、商品Mがスムーズに左右のガイドプレート31間に送り込まれるようになっている。すなわち、カット部分311は、第一姿勢において、ガイド面310を構成するとともに、搬送方向Tから見て左右方向に偏って搬送されてくる商品Mを左右中心に案内する呼び込みの役割も果たしている。
【0039】
また、このようにカット部分311を設けることで、
図4に示すように、第二姿勢をとった振分アーム3の先端部分302が、搬送される商品Mと接触しない位置(一対のガイド板41の下流側端点を搬送方向に延長した2本の直線の外側)まで回動可能となる。これにより、商品Mの包装に綻びや膨らみがあっても、第二姿勢の振分アーム3に衝突した商品Mは、先端部分302に接触することなく、スムーズに移動方向が(搬送方向Tから排出方向Eに)切り替わり、搬送路Rから排除される。その結果、先端部分302等に商品Mが引っ掛かり、排出途中でジャミング(詰まり)が生じることを防止することができる。
【0040】
なお、
図2では、ガイドプレート31のガイド面310がガイド板42のガード壁より若干内側に張り出した状態で示しているが、これは商品Mの左右方向の幅に応じて適宜に調整可能である。そのため、ガイドプレート31を振分アーム3へ取り付ける(調整可能な遊びのあるボルト穴である)馬鹿孔36が、長円形に形成されており、取付時のガイドプレート31を左右方向(搬送方向Tと直行する水平方向)にスライドすることによって、左右のガイドプレート31の幅が変更可能に構成されている。また、ガイドプレート31は、搬送させる商品Mの大きさ(左右方向の幅等)に対応させて、大きさ(左右方向の幅や搬送方向Tの長さ)や形状が異なる適切なものと交換可能に構成されている。
【0041】
また、振分アーム3は、正常な商品Mを排出せずに搬送方向Rへ搬送させるとともに、印刷またはラベルの不良ではない不良を含む異物の混入ではない不良が生じた商品Mを第一方向に排出し、異物が混入した商品Mを第一方向とは逆側の第二方向に排出するように構成されている。
【0042】
具体的には、振分装置1の上流側に配置される装置として、たとえば商品Mが適正な重量範囲内であるか否かを検査する重量チェッカー(計量コンベア)、商品Mに貼付されたラベルの表示内容が、実際の商品名と一致しているか否かをカメラ撮像等で捉えて検査する画像検査装置、内容物に異物が含まれているか否かを検査するX線検査装置や金属検出器等が配置されている。実際には、これらの検査装置は、ユーザの要望によって振り分け装置1の上流の搬送ライン(コンベア)に適宜に組み込まれる。このような上流側検査装置から発せられる振分指令(信号)と、図示しない光電センサから発せられる振分対象となった商品Mがベルトコンベア2に到達するタイミング信号とを受け取ると、図示しない振り分け装置1の(制御を行う)コントローラは、指定された側の振分アーム3を駆動制御して商品を搬送路Rから排除する。
【0043】
ここで、たとえば、
図4のように、右側の振分アーム3が回動して第二姿勢をとるとともに、左側の振分アーム3が第一姿勢をとり、商品Mを右側に振り分ける。また、図示は省略したが、左側の振分アーム3が回動して第二姿勢をとるとともに、右側の振分アーム3が第一姿勢をとり、商品Mを左側に振り分けるようになっている。いずれの方向にどのような不良の商品Mを振り分けるかは適宜設定可能に構成されて水る。たとえば、右側(第二方向)には、(金属検出またはX線検査により)異物を含む不良が検知された商品Mが振り分けられる。このとき、異物を含む商品Mは、消費者の下に流されないように特に注意を要するため、鍵付の回収箱に振り分けられ、容易に取り出せないようにしてもよい。また、左側(第一方向)には、異物混入以外の不良(たとえば、画像検査によるラベルまたは印字の内容誤りを含む不良や、重量検査による欠品、重量不足、近赤外検査による噛み込み)が検知された商品Mが振り分けられる。
【0044】
また、振分装置1は、搬送路に沿って配置され、商品Mが転倒しないように接して支える複数のガイド板4(41,42)を備えている。ガイド板4は、第二姿勢をとる際に振分アーム3が侵入する領域に切り欠き部が設けられている。
【0045】
また、ガイド板4(41,42)の各々が形成する転倒防止面400と、振り分けアームが形成するガイド面310とは、搬送方向に向いた略同一線上に配置されている。
【0046】
具体的には、左右(一対)のガイド板4は、
図2、
図4に示すように、上流側のガイド板41と、下流側のガイド板42とを含み、搬送路R上に離間して配置されている。ベルトコンベア2の駆動により、商品Mは、ガイド41からガイド42の方向(搬送方向T)に搬送される。このとき、商品Mが通過する搬送路Rの幅は、左右(一対)のガイド板4の有する転倒防止面400により規制されている。搬送路Rの幅が、商品Mが転倒を防止可能で、かつ、商品Mの摩擦による引っ掛かりや印字部分のすれが生じない程度となるように調整されている。
【0047】
上流側のガイド板41と、下流側のガイド板42とは、搬送路R上に離間して配置されているため、一対の転倒防止面400が搬送方向Tに向かって途切れる領域が存在する。しかしながら、この途切れた領域には、一対の振分アーム3の(ガイドプレート31が形成する)ガイド面310が、第一姿勢において略同じ幅で配置される。そのため、搬送される商品Mは、ガイド板41からガイド板42に(振り分け装置の上流から下流に)至るまで、搬送方向Tに沿って連続的にガイドされる。
【0048】
また、左右の支持アーム43は、ボックス51から立ち上がる床から延びる支持脚フレーム52に取り付けられ、ノブ付ボルト44で固定されている。ノブ付ボルト44を手で回して支持アーム43を左右方向にスライドさせれば、左右のガイド板41、42の間隔が調整できるようになっている。
【0049】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
本実施形態では、上記のように、振分アーム3を、第一姿勢において商品Mと当接することで商品Mを搬送方向Tに案内するガイド面310と、第二姿勢において商品Mと当接することで商品Mを搬送路Rから排除する方向に振り分ける振分面300とを含むように構成する。これにより、第一姿勢をとる振分アーム3のガイド面310が搬送される商品Mと接しながら商品Mを支えて搬送方向Tに搬送するので、転倒しやすい軽い商品Mであっても、転倒させることなく下流側(ガイド板41からガイド板42に至る方向)へ搬送することができる。すなわち、第一姿勢をとる場合、振分アーム3は、商品Mの転倒を防止するガイドの役割を担う。また、第二姿勢をとる場合、振分アーム3は、商品Mを搬送路から適切に排除することができる。その結果、搬送時には転倒しやすい商品Mを転倒させずに搬送し、振分時には商品Mを適切に振り分けることができる。また、転倒による商品Mの損傷や、転倒時の振動に起因した振動が(別途設置された)計量コンベアに伝搬して計量精度を悪化させることを防止することができる。また、振分アーム3の第一姿勢は商品Mの搬送路R(すなわち、搬送方向T)に沿って配置されているこれにより、商品Mを搬送方向Tに連続的に案内することができるとともに、商品Mの搬送方向Tとガイド面の案内する方向との不一致が生じず、搬送路Rから移動方向と異なる向きの力を受けた商品Mが転倒する(修正不可能な傾きを生じる)ことを防止することができる。
【0051】
また、上記の構成によれば、振分装置1を含む上流および下流に繋がる搬送システム全体の搬送方向の長さを変えずに、既設の振分ラインに組み込むことが容易にできる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド面310の搬送面(搬送路Rの面)に直行する方向の幅を、振分面300の搬送面(搬送路Rの面)に直行する方向の幅よりも狭く構成する。これにより、商品Mを支えて搬送する場合に(第一姿勢において)、商品Mに接触するガイド面310の面積が比較的小さくなるので、商品Mとの摩擦による滞りや、商品Mとの接触に起因し印字等に生じるすれを低減することができる。また、商品Mを振り分ける場合に(第二姿勢において)、商品Mに接触する振分面300の面積が比較的大きくなるので、商品Mに転倒が生じて振分面300と接触する部分の大きさが小さく(低く)なったとしても、十分に商品Mを捉えて排除することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、振分アーム3を、少なくとも第二姿勢においてガイド面310を形成するガイドプレート31と、ガイドプレート31が取り付けられる支持部材30とを含むように構成する。これにより、搬送方向Tに直行する方向(搬送面に垂直な方向)において、振分面300の幅よりも小さい幅のガイド面310を、ガイドプレート31により容易に形成することができる。その結果、商品Mの大きさ(搬送面からの高さ)に合わせて適切な形状および大きさ(搬送面に垂直な方向の幅、および、支持部材30から搬送される商品Mの側面に至るまで延ばされた長さ)のガイドプレート31を取り付けることにより、商品Mの転倒を防止ことができる。
【0054】
また、従来型のガイド面を有していない(振分面のみを有する支持部材に相当する)振分アームに搬送路側に張り出したガイドプレートを取り付けることにより、転倒しやすい商品を転倒させずに搬送可能な振分装置を構成することができる。すなわち、ガイドプレートを取り付けることで、既設の振分装置に対応することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、振分アーム3を、搬送路Rの両側に、各々対となるように少なくとも1つずつ配置されるとともに、対となる一方の振分アーム3が第一姿勢をとり、他方の振分アーム3が第二姿勢をとることにより、商品Mを搬送路から排除し、対となる振り分けアーム3の各々は、商品Mを排除する際に少なくとも一部が上下(搬送面に垂直な方向)に交差して重なるように構成する。このように構成すれば、第二姿勢をとる搬送面に直行する方向に延びる振分面300の先端部分302(回動の支点と反対側の端部)を、第一姿勢をとる一方の振分アーム3の水平部分方向に延びるガイドプレート31の端部に、すなわち商品Mと接してそれを搬送方向Tに案内するガイド面310に可及的に近接させることができる。これにより、対となる近接した2つの振分アーム3の間に生じる隙間を小さく(ゼロに)することができるので、搬送される商品Mを、第一姿勢の(一方の)振分アーム3から第二姿勢の(他方の)振分アーム3にスムーズに引き継がせて排出することができる。その結果、商品Mに包装の綻び(めくれ等)やラベルの貼付ミス(糊面の露出等)等があっても振り分けアーム3との引っ掛かりが生じにくくなるので、搬送されてきた商品Mを停滞させずに振り分ける(排出する)ことができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、振分アーム3を、少なくとも第一姿勢においてガイド面310を形成する一対のガイドプレート31と、ガイドプレート31が取り付けられるとともに振分面300を形成する一対の支持部材30とを含み、一対の支持部材30を、搬送路Rに対して高さが略等しく、搬送路Rの面(搬送面)と対向する取付面301を各々有し、一対のガイドプレート31は、異なる高さで支持部材30に取り付けられており、支持部材30から搬送路Rの側に張り出すように、かつ、対となる一方が取付面301の上面に、他方が取付面301の下面に取り付けられるように構成する。これにより、一対のガイドプレート31の取付を一対の支持部材30が各々有する取付面301のそれぞれ上面と下面とに行うことにより、一対のガイドプレート31の各々の位置(高さ)を取付面301の上側と下側とで容易に異ならせることができる。その結果、ガイドプレート31(振分アーム3)を、商品Mを排除する際に少なくとも一部が上下に交差して重なるように構成することが容易にできる。ガイドプレート31の形成するガイド面310の高さが取付面301の有する厚み分程度しか異ならないため、ガイド面310が商品Mとそれぞれ当接(ガイド)する位置(高さ)が略同一になる。そのため、当接する位置の違いに起因して搬送方向Tを軸として回転する方向に商品Mが転倒する(または、傾く)ことを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、振分アーム3を、正常な商品Mを排出せずに搬送させるとともに、搬送方向Tから見て左右の面において印刷またはラベルの不良がある商品Mを第一方向に排出し、印刷またはラベルの不良ではない不良が生じた商品Mの少なくとも一部を第一方向とは逆側の第二方向に排出するように構成する。これにより、商品Mの中身(内容物)そのものには問題のない印刷またはラベルの不良がある商品と、印刷またはラベルの不良ではない不良が生じた商品Mとを別方向に振り分けて管理することができる。なお、本実施形態による振分装置1では、(第一姿勢において)商品Mを倒さずに搬送することができるので、立位の状態で側面部分に対して画像撮像による検査等を受けた不良のない商品Mを立位の状態のまま搬送する場合、特に好適である。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、振分アーム3を、正常な商品Mを排出せずに搬送させるとともに、異物の混入ではない不良が生じた商品Mを第一方向に排出し、異物が混入した商品Mを第一方向とは逆側の第二方向に排出するように構成する。これにより、消費者に誤って配送されることを特に防止する必要がある異物が混入した商品Mと、異物の混入ではない不良が生じた商品Mとを別方向に振り分けて管理することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、振分装置1を、搬送路Rに沿って配置され、商品Mが転倒しないように接して支える複数のガイド板4(41,42)をさらに備え、ガイド板4に、第二姿勢をとる際に振分アーム3が侵入する領域に切り欠き部45(
図3参照)を設ける。これにより、商品Mを搬送路Rに沿って搬送する(振分アーム3が第一姿勢をとる)場合、搬送路Rに配置されたガイド板4と、第一姿勢の振分アーム3とにより、商品Mの転倒を防止するガード(商品と接しながら支える壁となる部分)を搬送方向Tに沿って連続的に設けることができる。その結果、転倒しやすい商品Mであっても転倒させることなく下流側へ搬送することができる。また、商品Mを搬送路Rから振り分け排除する(振分アーム3が第二姿勢をとる)場合、搬送時には転倒を防止していた振分アーム3が、ガイド板4(41,42)の切り欠き部45に侵入し、搬送路Rの側面のガードを開放するとともに、振分アーム3の振分面300によりガード壁の無くなった搬送路Rから商品Mを排除することができる。また、切り欠き部45の(搬送面Rに直交する)上下部分により当接して商品Mを搬送方向Tに案内することができるので、上方もしくは下方のみで商品Mを案内する場合と比較して、振分アーム3を通過する際に傾きが生じた商品Mを立たせ(正しく起立させ)直すことができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド板4(41,42)の各々が形成する転倒防止面400と、振り分けアーム3が形成するガイド面310とを、搬送方向に向いた略同一線上に配置する。これにより、ガイド面310と転倒防止面400とに商品Mがまたがる際(接する対象が移り変わる際)に、商品Mに引っ掛かり搬送を滞らせる突出部分や、商品Mの転倒の原因となる隙間(搬送路の幅の方向の空間)の増加が不必要に生じることを抑制することができる。その結果、搬送される商品Mに厚さの変化や包装フイルムの綻び、膨らみ、貼付されたラベルの部分的な飛び出し等がある場合でも、商品Mを下流側へスムーズに搬送することができる。
【0061】
[変形例]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内で種々の変更も可能である。
【0062】
たとえば、上記実施形態では、左右の振分アーム3(支持部材30)の取り付け位置は、固定されている(変更可能に構成されていない)が、本発明はこれに限られない。本発明では、左右の振分アーム3(支持部材30)の取り付け位置を、ガイド板41、42と同様に、その取り付け位置を左右方向にスライド可能に構成してもよい。この場合、たとえば、異なる大きさのガイドプレートを多種類用意することなく異なる大きさの商品Mに対応することができるようになるので、さらに汎用性の高い振分装置1とすることができる。
【0063】
また、上記実施形態では、振分アーム3が、支持部材30とガイドプレート31とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、振分アームを1つの部材で構成してもよい。たとえば、横断面形状がL字状となる部材を、天地を逆にして振分アームを構成し、その水平部分を搬送路側に向けることにより、その水平部分の先端縁が幅の狭い線状のガイド面となるようにしてもよい。この場合、L字状の部材の鉛直部分は、第二姿勢において商品を搬送路から排除するガイド面に対応する。その他、振分アームの横断面形状を、L字状の部材を天地を逆にした形状に限らず、たとえば、横断面形状が四角形のブロック体により支持部材を形成し、その上面(または、ブロック体いずれかの位置)から搬送路側に張り出す(突出する)ようにガイドプレートを取り付けてもよい。この場合にも、一対の(左右の)ガイドプレートの各々は、一部が上下に交差して重なるように取り付けられる。この場合でも、第二姿勢をとるガイドプレートと、第一姿勢をとるガイドプレートとが上下に交差し、干渉が生じないため、第二姿勢をとる振分アームの先端部分を、第一姿勢をとる振分アームの搬送路側に可及的に近接させることができる。
【0064】
また、上記実施形態では、振分アーム3は、商品Mの搬送路Rを挟む両側に一対配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、振分アーム3は、搬送路Rの片側だけに配置されてもよいし、二対以上を搬送方向Tに沿って向かい合わせで並べて(すなわち、三方向以上に振り分け可能となるように)配置してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 振分装置
3 振り分けアーム
4 ガイド板
30 支持部材
31 ガイドプレート
41 上流側ガイド板
42 下流側ガイド板(振分アームと干渉するガイド板)
45 切り欠き部
300 振分面
301 取付面
310 ガイド面
M 商品
R 搬送路
T 搬送方向