IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エアレックスの特許一覧

<>
  • 特許-除染装置 図1
  • 特許-除染装置 図2
  • 特許-除染装置 図3
  • 特許-除染装置 図4
  • 特許-除染装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】除染装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/18 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
A61L2/18 102
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019062333
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020156970
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599053643
【氏名又は名称】株式会社エアレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100121784
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 稔
(72)【発明者】
【氏名】川崎 康司
(72)【発明者】
【氏名】角田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】益留 純
(72)【発明者】
【氏名】二村 はるか
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 至洋
(72)【発明者】
【氏名】北野 司
(72)【発明者】
【氏名】郭 志強
(72)【発明者】
【氏名】小川 亜由美
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-537345(JP,A)
【文献】実開平1-178041(JP,U)
【文献】特開2006-198120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0360077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00-2/28
A61L 9/00-9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業室の内部に配備される除染装置であって、
ミスト供給手段とミスト循環分散機構とを備え、
前記ミスト供給手段は、除染用薬液を除染用ミストに変換し、これを当該作業室の内部に供給し、
前記ミスト循環分散機構は、前記作業室の内部壁面近傍に配置した震動盤を具備し、当該震動盤を超音波振動させて盤面から垂直方向に超音波による音響流を発生させ、
前記作業室内に供給された前記除染用ミストに音響放射圧による押圧を作用させることにより、当該除染用ミストを前記作業室内に循環分散させることを特徴とする除染装置。
【請求項2】
前記ミスト循環分散機構は、複数の震動盤を具備し、
前記複数の震動盤は、互いにその盤面を対向させることなく配置することにより、各震動盤から発生する超音波から定在波音場を発生させることがないので、
前記除染用ミストは、前記作業室の内部を旋回するように移動することを特徴とする請求項1に記載の除染装置。
【請求項3】
前記震動盤は、基盤と複数の送波器とを具備し、
前記基盤の平面上に前記複数の送波器の送波方向を統一して配置すると共にこれらの送波器を同位相で作動させることにより、
前記複数の送波器の正面方向の超音波を互いに強め合うと共に、当該複数の送波器の横方向の超音波を互いに打ち消し合うようにして、前記震動盤の盤面から垂直方向に指向性の強い超音波による音響流を発生させることを特徴とする請求項1又は2に記載の除染装置。
【請求項4】
前記作業室内に供給された前記除染用ミストは、前記震動盤から発生する超音波振動により更に微細化することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の除染装置。
【請求項5】
前記震動盤から発生する超音波の周波数と出力を可変とする、及び/又は、超音波を断続的に送波する制御手段を具備し、前記作業室内を循環分散する前記除染用ミストの移動速度を制御することを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の除染装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルームやアイソレーター装置などの内部を除染する除染装置に関するものであり、特にミスト循環分散機構を備えた除染装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医薬品或いは食品などを製造する製造現場、或いは、手術室などの医療現場においては、室内の無菌状態を維持することが重要である。特に医薬品製造の作業室である無菌室の除染においては、GMP(Good Manufacturing Practice)に即した高度な除染バリデーションを完了させる必要がある。
【0003】
近年、無菌室などの作業室(以下、除染対象室という)の除染には、過酸化水素(ガス又はミスト)が広く採用されている。この過酸化水素は、強力な滅菌効果を有し、安価で入手しやすく、且つ、最終的には酸素と水に分解する環境に優しい除染ガスとして有効である。
【0004】
この過酸化水素による除染効果は、除染対象部位の表面に凝縮する過酸化水素水の凝縮膜によるものであることが下記特許文献1に記載されている。従って、除染対象室の除染効果の完璧を図るには、過酸化水素の供給量を多くして発生する過酸化水素水の凝縮膜を厚く或いは高濃度にすればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公昭61-4543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、除染対象室に過剰量の過酸化水素を供給すると過度な凝縮が起こり、除染対象室の内部に設置されている各種製造設備や精密測定機器或いは除染対象室の壁面などが発生した高濃度の過酸化水素水の凝縮膜により腐食されるという不具合が生じる。また、過酸化水素による除染の後には、除染対象室の内部に残留した過酸化水素や凝縮膜を清浄空気で除去するエアレーションを行う。しかし、過剰量の過酸化水素を供給した場合には、除染対象室の壁面などに発生した高濃度の過酸化水素水の凝縮膜を除去するエアレーションに多くに時間を要するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、ミスト循環分散機構を採用することにより、除染対象室に対する適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、ミスト循環分散機構に超音波振動を採用し、除染対象室に供給した過酸化水素水のミストを微細化すると共に除染対象室内で効率よく循環することにより適正な凝縮膜の生成を図ることができるものと考え本発明の完成に至った。
【0009】
即ち、本発明に係る除染装置は、請求項1の記載によれば、
作業室(10)の内部に配備される除染装置(20)であって、
ミスト供給手段(30)とミスト循環分散機構(40)とを備え、
前記ミスト供給手段は、除染用薬液を除染用ミストに変換し、これを当該作業室の内部に供給し、
前記ミスト循環分散機構は、前記作業室の内部壁面近傍に配置した震動盤(41、42)を具備し、当該震動盤を超音波振動させて盤面から垂直方向に超音波による音響流を発生させ、
前記作業室内に供給された前記除染用ミストに音響放射圧による押圧を作用させることにより、当該除染用ミストを前記作業室内に循環分散させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の除染装置であって、
前記ミスト循環分散機構は、複数の震動盤(241、242、243、244)を具備し、
前記複数の震動盤は、互いにその盤面を対向させることなく配置することにより、各震動盤から発生する超音波から定在波音場を発生させることがないので、
前記除染用ミストは、前記作業室の内部を旋回するように移動することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1又は2に記載の除染装置であって、
前記震動盤は、基盤(45)と複数の送波器(46)とを具備し、
前記基盤の平面(45a)上に前記複数の送波器の送波方向を統一して配置すると共にこれらの送波器を同位相で作動させることにより、
前記複数の送波器の正面方向の超音波を互いに強め合うと共に、当該複数の送波器の横方向の超音波を互いに打ち消し合うようにして、前記震動盤の盤面から垂直方向に指向性の強い超音波による音響流を発生させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1~3のいずれか1つに記載の除染装置であって、
前記作業室内に供給された前記除染用ミストは、前記震動盤から発生する超音波振動により更に微細化することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項1~4のいずれか1つに記載の除染装置であって、
前記震動盤から発生する超音波の周波数と出力を可変とする、及び/又は、超音波を断続的に送波する制御手段を具備し、前記作業室内を循環分散する前記除染用ミストの移動速度を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、本発明に係る除染装置は、ミスト供給手段とミスト循環分散機構とを備えている。ミスト供給手段は、除染用薬液を除染用ミストに変換し、これを当該作業室の内部に供給する。ミスト循環分散機構は、作業室の内部壁面近傍に配置した震動盤を具備し、当該震動盤を超音波振動させて盤面から垂直方向に超音波による音響流を発生させる。このことにより、作業室内に供給された除染用ミストを超音波振動により微細化すると共に、音響放射圧による押圧を作用させ、当該除染用ミストを作業室内に循環分散させることができる。
【0015】
このように、ミスト循環分散機構を採用することにより、除染対象室に対する適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置を提供することができる。
【0016】
また、上記構成によれば、ミスト循環分散機構は、複数の震動盤を具備してもよい。この複数の震動盤は、互いにその盤面を対向させることなく配置することにより、各震動盤から発生する超音波から定在波音場を発生させることがない。このことにより、除染用ミストは、作業室の内部を旋回するように移動する。よって、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0017】
また、上記構成によれば、震動盤は、基盤と複数の送波器とを具備し、基盤の平面上に複数の送波器の送波方向を統一して配置すると共にこれらの送波器を同位相で作動させる。その結果、複数の送波器の正面方向の超音波を互いに強め合うと共に、当該複数の送波器の横方向の超音波を互いに打ち消し合うようになる。このことにより、震動盤の盤面から垂直方向に指向性の強い超音波による音響流を発生させることができる。よって、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0018】
また、上記構成によれば、作業室内に供給された除染用ミストは、震動盤から発生する超音波振動により更に微細化される。このことにより、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0019】
また、上記構成によれば、震動盤から発生する超音波の周波数と出力を可変とする制御手段を具備してもよい。また、超音波を断続的に送波する制御手段を具備してもよい。このことにより、作業室内を循環分散する除染用ミストの微細化及び移動速度を制御することができる。よって、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る除染装置を配置したアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。
図2図1の除染装置が具備する震動盤においてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置した状態を示す概要斜視図である。
図3図1の変形例を示すアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。
図4】従来のアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。
図5】第2実施形態に係る除染装置を配置したアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明において「ミスト」とは、広義に解釈するものであって、微細化して空気中に浮遊する除染剤の液滴の状態、除染剤のガスと液滴が混在した状態、除染剤がガスと液滴との間で凝縮と蒸発との相変化を繰り返している状態などを含むものとする。また、粒径に関しても、場合によって細かく区分されるミスト・フォグ・液滴などを含んで広義に解釈する。
【0022】
よって、本発明に係るミストにおいては、場合によってミスト(10μm以下と定義される場合もある)或いはフォグ(5μm以下と定義される場合もある)と呼ばれるもの、及び、それ以上の粒径を有するものも含むものとする。なお、本発明においては、超音波振動の作用により、ミスト・フォグ・液滴などの3μm~10μm或いはそれ以上の液滴であっても、3μm以下の超微細粒子に均一化されて高度な除染効果を発揮するものと考えられる(後述する)。
【0023】
以下、本発明に係る除染装置を各実施形態により詳細に説明する。なお、本発明は、下記の各実施形態にのみ限定されるものではない。
【0024】
《第1実施形態》
本第1実施形態においては、除染対象である作業室としてアイソレーターを例にして説明する。図1は、第1実施形態に係る除染装置を配置したアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。
【0025】
図1において、アイソレーター10は、その内部に除染装置20を配置している。除染装置20は、ミスト供給装置30とミスト循環分散装置40と制御装置(図示せず)とから構成されている。本第1実施形態においては、ミスト供給装置30として二流体スプレーノズル30を使用し、アイソレーター10の底壁面11に設置されている。また、本第1実施形態においては、除染剤として過酸化水素水(H水溶液)を使用した。
【0026】
二流体スプレーノズル30は、コンプレッサー(図示せず)からの圧縮空気により過酸化水素水をミスト化して過酸化水素水ミスト31とし、アイソレーター10の内部に供給する。なお、本発明においては、ミスト供給装置に関しては二流体スプレーノズルに限るものではなく、ミスト発生機構及び出力等について特に限定するものではない。
【0027】
ここで、ミスト循環分散装置40について説明する。本第1実施形態においては、ミスト循環分散装置40は、2台の震動盤41、42を具備している。2台の震動盤41、42は、アイソレーター10の内部の図示右壁面下部及び図示左壁面上部の2か所に側壁面12、13を背にして震動面41a、42aをアイソレーター10の内部に水平方向に向けて配置されている。これら2台の震動盤41、42は、互いに盤面(震動面)を対向(盤面同士が互いに正面に向き合うこと)させることなく配置されている。2台の震動盤41、42を対向させずに配置する理由、及び、過酸化水素水ミスト31の挙動については後述する。
【0028】
ここで、震動盤41(42も同じ)について説明する。図2は、図1の除染装置が具備する震動盤においてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置した状態を示す概要斜視図である。図2において、震動盤41は、基盤と複数の送波器とを具備している。本第1実施形態においては、基盤としてスピーカー基盤45を使用し、送波器として超音波スピーカー46を使用した。本第1実施形態においては、スピーカー基盤45の平面45a上に25個の超音波スピーカー46をそれらの震動面46aの送波方向(図示正面左方向)を統一して配置されている。なお、超音波スピーカーの個数は、特に限定するものではない。
【0029】
本第1実施形態においては、超音波スピーカー46として超指向性の超音波スピーカーを使用した。具体的には、周波数40KHz付近の超音波を送波する周波数変調方式の超音波スピーカー(DC12V、50mA)を使用した。なお、超音波スピーカーの種類、大きさと構造、出力等に関しては、特に限定するものではない。また、本発明においては、ミスト循環分散装置が具備する震動盤に関しては超音波スピーカーに限るものではなく、超音波の発生機構、周波数域及び出力等について特に限定するものではない。
【0030】
本第1実施形態において、複数(25個)の超音波スピーカー46の震動面46aの送波方向を統一すると共にこれらの送波器を同位相で作動させることにより、各超音波スピーカー46の正面方向の超音波が互いに強め合うと共に、各超音波スピーカー46の横方向の超音波が互いに打ち消し合うようになる。その結果、スピーカー基盤45に配置された超音波スピーカー46が超音波振動すると、各震動面46aから垂直方向に空気中を進行する指向性の強い音響流が発生する。なお、制御装置(図示せず)により超音波スピーカー46の周波数と出力を制御することにより、効率的な除染操作が可能となる。
【0031】
次に、上記構成に係る除染装置20を配置したアイソレーター10の内部における過酸化水素水ミスト31の挙動について説明する。なお、図1においては、アイソレーター10の内部の図示右下に配置した震動盤41は、その震動面41a(超音波スピーカー46の震動面46aの方向と同じ)を図示左方向に向けている。
【0032】
この状態で超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面41aから垂直方向(図示左方向)に進行する指向性の強い音響流41bが二流体スプレーノズル30から放出された過酸化水素水ミスト31を取り込んで、音響放射圧による押圧を作用させ、音響流41bの進行方向(図示左方向)に移動させる。この際に過酸化水素水ミスト31は、音響流41bによる超音波振動の作用により微細化された微細ミスト31aとなりアイソレーター10の内部に循環分散される。
【0033】
一方、アイソレーター10の内部の図示左上に配置した震動盤42は、その震動面42a(超音波スピーカー46の震動面46aの方向と同じ)を図示右方向に向けている。この状態で、超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面42aから垂直方向(図示右方向)に進行する指向性の強い音響流42bが音響流41bの作用により微細化され送られてきた微細ミスト31aに音響放射圧による押圧を作用させ、音響流42bの進行方向(図示右方向)に移動させる。この際に微細ミスト31aは、音響流42bによる超音波振動の作用により更に安定した微細ミスト31bとなりアイソレーター10の内部に循環分散される。
【0034】
このように、アイソレーター10の内部では、震動盤41と震動盤42とが互いの震動面41a、42aを正面から対向させずに配置されている。震動盤41の震動面41aと震動盤42の震動面42aが正面から対向した場合には、各震動盤41、42から発生する超音波が互いに作用して定在波音場を発生させる。定在波音場が発生した場合には、微細ミスト31a、31bが音響放射圧による押圧を受けることがなく移動できないからである。
【0035】
このように、アイソレーター10の内部では、音響流41b及び音響流42bにより微細安定化された微細ミスト31a、31bが、図示矢印方法(図示右回り)に旋回するように循環する。なお、音響流41b及び音響流42bは、平面上で伝わる安定した定常波の縦波であって、ミストノズルからの直接方式やファン方式に比べ、風速差のない気流として伝搬する。
【0036】
このとき、微細ミスト31a、31bは、超音波振動の作用で微細化され粒径が小さく表面積が大きくなることから、ミストの蒸発効率が高く蒸発と凝縮とを繰り返しているものと考えられる。また、微細ミスト31a、31bは、高度に微細化されたミストでありアイソレーター10の内壁面に均一且つ薄層の凝縮膜を形成する。従って、従来の除染操作に比べアイソレーター10の内壁面に部分的でムラ及び厚みのある凝縮膜を生じさせることがない。
【0037】
このように、過酸化水素の微細ミスト31a、31bは、超音波振動の作用を常に受けながらアイソレーター10の内部で蒸発と凝縮と微細化を繰り返しながら循環する。また、アイソレーター10の内壁面においても、超音波振動の作用を常に受け均一且つ薄層の凝縮膜の再蒸発と凝縮とが繰り返される。これらのことにより、アイソレーター10の内部には過酸化水素の3μm以下の超微細粒子と過酸化水素ガスとが相変化しながら共存して高度な除染環境を発現するものと考えられる。
【0038】
また、アイソレーター10の内壁面に均一且つ薄層で形成された凝縮膜が再蒸発と凝縮とを繰り返すことにより、除染ミスト中の除染剤濃度を上げることが可能で、少量の除染剤で効率の良い除染を可能にする。また、少量の除染剤で効率よく除染できるので、除染後のエアレーションの効率も向上し除染操作の短時間化も可能である。更に、副次的効果であるが、音響流41b及び音響流42bによる超音波振動及び音響放射圧によって、アイソレーター10の内壁面への付着物の除去効果も得られる。
【0039】
ここで、本第1実施形態の変形例について説明する。これまで説明した図1において、2台の震動盤41、42は、アイソレーター10の内部の図示右壁面下部及び図示左壁面上部の2か所に側壁面12、13を背にして(側壁面と平行に)震動面41a、42aをアイソレーター10の内部に水平方向に向けて配置されている。本第1実施形態の変形例においては、震動盤41、42の方向に変化を持たせるものである。図3は、図1の変形例を示すアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。
【0040】
図3の変形例において、2台の震動盤41、42は、アイソレーター10の内部の図示右壁面下部及び図示左壁面上部の2か所に側壁面12、13を背にし、且つ、側壁面12、13と所定の角度でもって傾斜した方向に震動面41a、42aを向けて配置されている。具体的には、図示右壁面下部に配置された震動盤41は、その震動面41aを側壁面12から底壁面11に傾斜した方向に向けて配置されている。一方、図示左壁面上部に配置された震動盤42は、その震動面42aを側壁面13から上壁面14に傾斜した方向に向けて配置されている。
【0041】
このように2台の震動盤41、42を配置した図3において、アイソレーター10の内部の図示右下に配置した震動盤41は、その震動面41aを図示左下方向の底壁面11に向けて傾斜している。この状態で超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面41aから垂直方向(図示左下方向)に進行する指向性の強い音響流41bが二流体スプレーノズル30から放出された過酸化水素水ミスト31を取り込んで、音響放射圧による押圧を作用させ、音響流41bの進行方向(図示左下方向)に底壁面11に沿って移動させる。この際に過酸化水素水ミスト31は、音響流41bによる超音波振動の作用により微細化された微細ミスト31aとなりアイソレーター10の内部、特に底壁面11近傍に循環分散される。
【0042】
一方、アイソレーター10の内部の図示左上に配置した震動盤42は、その震動面42aを図示右上方向の上壁面14に向けて傾斜している。この状態で、超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面42aから垂直方向(図示右上方向)に進行する指向性の強い音響流42bが音響流41bの作用により微細化され送られてきた微細ミスト31aに音響放射圧による押圧を作用させ、音響流42bの進行方向(図示右上方向)に上壁面14に沿って移動させる。この際に微細ミスト31aは、音響流42bによる超音波振動の作用により更に安定した微細ミスト31bとなりアイソレーター10の内部、特に上壁面14近傍に循環分散される。
【0043】
このように、アイソレーター10の内部では、震動盤41と震動盤42とが互いの震動面41a、42aを底壁面11又は上壁面14に向けて傾斜して配置されている。このことにより、アイソレーター10の内部では、音響流41b及び音響流42bにより微細安定化された微細ミスト31a、31bが、図示矢印方法(図示右回り)に旋回すると共に、特に各壁面に沿うようにして循環する。よって、各壁面近傍のミストの密度が増して除染効率が更に向上するものと考えられる。
【0044】
ここで、本第1実施形態に対して、従来の除染作用を比較する。図4は、従来のアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。図4においても、図1と同様にアイソレーター内部のクリーン領域のみ記載し、給排気ファン、HEPAフィルタ、制御装置、及び、内部に配備された機器類等は省略する。
【0045】
図4において、アイソレーター110は、底壁面111に除染剤ミストを内部に供給するミスト供給装置130と2台の循環ファン141、142を備えている。ここで、ミスト供給装置には図1と同じ二流体スプレーノズル130を使用し、除染剤には過酸化水素水(H水溶液)を使用した。二流体スプレーノズル130は、コンプレッサー(図示せず)からの圧縮空気により過酸化水素水をミスト化して過酸化水素水ミスト131とし、アイソレーター110の内部に供給する。
【0046】
2台の循環ファン141、142は、アイソレーター110の内部の図示右壁面下部及び図示左壁面上部の2か所に側壁面を背にして送風面141a、142aをアイソレーター110の内部に水平方向に向けて配置されている。これら2台の循環ファン141、142は、互いに送風面141a、142aを対向させることなく配置されている。
【0047】
次に、上記構成に係るアイソレーター110の内部における過酸化水素水ミスト131の挙動について説明する。なお、図4においては、アイソレーター110の内部の図示右下に配置した循環ファン141は、その送風面141aを図示左方向に向けている。
【0048】
この状態で循環ファン141が作動すると、送風面141aから垂直方向(図示左方向)に進行する送風が二流体スプレーノズル130から放出された過酸化水素水ミスト131を取り込んで、その進行方向(図示左方向)に移動させる。この際に過酸化水素水ミスト131は微細化されることなく、またミスト合一による粗大ミストを形成しながらミスト131aとしてアイソレーター110の内部を移動する。
【0049】
一方、アイソレーター110の内部の図示左上に配置した循環ファン142は、その送風面142aを図示右方向に向けている。この状態で、循環ファン142が作動すると、送風面142aから垂直方向(図示右方向)に進行する送風が発生する。この際に循環ファン141から送られてきたミスト131a微細化されることなく、またミスト合一による粗大ミストを形成しながらミスト131bとしてアイソレーター110の内部を移動する。
【0050】
このように、アイソレーター110の内部では、循環ファン141、142によりミスト131a、131bが、図示矢印方法(図示右回り)に旋回するように循環する。しかし、循環ファン141、142による送風は、安定した定常波となることなく風速差及び風速変化のある気流として伝搬する。また、ミスト131a、131bは、微細化されることがなく、またミスト合一による粗大ミストを形成しながらアイソレーター110の内壁面に部分的でムラのある凝縮を引き起こす。
【0051】
また、ミスト131a、131bは、微細化されておらず粒径が大きく表面積が小さいことから、ミストの蒸発効率が低くアイソレーター110の内部空間全域を均一加湿及び均一除染することが難しい。このことにより、除染ミストの濃度を上げることができず除染剤の量を削減することは難しい。また、従来の除染操作では、除染後のエアレーションの効率も悪く除染操作の短時間化も難しい。よって、従来の除染操作に比べ、本第1実施形態に係る除染装置を使用することの意義が大きいことが分かる。
【0052】
次に、実施例により本第1実施形態に係る除染装置20を配置したアイソレーター10の除染作用を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例
【0053】
本実施例においは、模擬アイソレーターとして容積0.4mの閉鎖空間(内壁面はステンレス板)を使用し、本実施形態1と同様に2台の震動盤を配置した(図1参照)。なお、過酸化水素水(35W/V%)をミスト化するミスト供給装置としては、二流体スプレーノズルに替えて超音波加湿器(ネブライザー)を使用した。閉鎖空間への過酸化水素水の投入量は、投入速度0.4g/分として10分間投入した(10g/mに相当)。除染中の閉鎖空間の状態は、温度23℃、湿度50%であった。その後、25分間のエアレーションにより閉鎖空間内の過酸化水素を除去した。
【0054】
閉鎖空間内の除染効果は、酵素インジケーター:EI(Enzyme Indicator)で確認した。EIは、試験後に残存酵素活性を蛍光測定し除染効果を確認するものであり、従来のBI(Biological Indicator)に比べ、培養操作が不要で短時間で効果を確認することができる。近年、BIとの比較同等性が確認され、普及が進んでいる。除染後のEIの蛍光強度から菌数の対数減少によるLRD値(Log Spore Reduction)を計算し、アイソレーター内部の充分な除染効果として認められる4~6LRD又はそれ以上を合格と判断した。
【0055】
模擬アイソレーターとしての閉鎖空間におけるEIの配置を図1に示す。図1において、図示左上手前にEI-1、図示左上奥にEI-2を配置した。また、図示左下手前にEI-3、図示左下奥にEI-4を配置した。また、図示右上手前にEI-5、図示右上奥にEI-6を配置した。また、図示右下手前にEI-7、図示右下奥にEI-8を配置した。なお、閉鎖空間内に配置した2台の震動盤を作動させた場合を実施例とし、2台の震動盤を作動させない場合を比較例として試験した。除染操作後の実施例及び比較例のEI-1~8のLRD値を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1から分かるように、2台の震動盤を作動により閉鎖空間内のLRD値は、いずれの位置においても十分な効果を確認し、均一に除染されていることが分かる。これに対して比較例のLRD値は、4LRDに達しない除染不十分領域が多く認められた。また、今回は試験を行っていないが、この容量の閉鎖空間を循環ファンによる方式(図4参照)で完全に除染するには、経験値として投入速度0.7g/分で25分間(44g/mに相当)の過酸化水素水が必要であり、その後に必要なエアレーションの時間は45分間である。これらのことから、本実施形態1に係る除染装置の効果として、過酸化水素水投入量の大幅削減が明らかである。また、これに伴い、除染後のエアレーションの時間も短縮されることが分かる。
【0058】
よって、本第1実施形態によれば、ミスト循環分散機構を採用することにより、除染対象室に対する適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置を提供することができる。
【0059】
《第2実施形態》
上記第1実施形態が2台の震動盤を具備した除染装置に関するものであることに対して、本第2実施形態においては、4台の震動盤を具備した除染装置をアイソレーターに配置して説明する。図5は、本第2実施形態に係る除染装置を配置したアイソレーターの内部を側面から見た概要断面図である。
【0060】
図5において、アイソレーター210は、その内部に除染装置220を配置している。除染装置220は、ミスト供給装置230とミスト循環分散装置240と制御装置(図示せず)とから構成されている。本第2実施形態においては、ミスト供給装置230として上記第1実施形態と同じ二流体スプレーノズル230を使用し、アイソレーター210の底壁面211に設置されている。また、本第2実施形態においては、除染剤として上記第1実施形態と同じ過酸化水素水(H水溶液)を使用した。
【0061】
二流体スプレーノズル230は、コンプレッサー(図示せず)からの圧縮空気により過酸化水素水をミスト化して過酸化水素水ミスト231とし、アイソレーター210の内部に供給する。なお、本発明においては、ミスト供給装置に関しては二流体スプレーノズルに限るものではなく、ミスト発生機構及び出力等について特に限定するものではない。
【0062】
ここで、ミスト循環分散装置240について説明する。本第2実施形態においては、ミスト循環分散装置240は、4台の震動盤241、242、243、244を具備している。4台の震動盤241、242、243、244は、アイソレーター210の内部の図示右壁面下部、図示左壁面下部、図示左壁面上部、及び、図示右壁面上部の4か所に配置されている。
【0063】
震動盤241、243は、それぞれ図示右壁面下部及び図示左壁面上部に配置され、左右の側壁面を背にして震動面241a、243aをアイソレーター210の内部に水平方向に向けて配置されている。一方、震動盤242、244は、それぞれ図示左壁面下部及び図示右壁面上部に配置され、底壁面及び上壁面を背にして震動面242a、244aをアイソレーター210の内部に垂直方向に向けて配置されている。これら4台の震動盤241、242、243、244は、互いに盤面(震動面)を対向させることなく配置されている。
【0064】
ここで、震動盤241、242、243、244について説明する。これらの震動盤241、242、243、244は、上記第1実施形態の震動盤41、42と同様の構造をしたものを使用した(図2参照)。また、これらの震動盤241、242、243、244の周波数及び出力も上記第1実施形態の震動盤と同様のものを使用した。
【0065】
次に、上記構成に係る除染装置220を配置したアイソレーター210の内部における過酸化水素水ミスト231の挙動について説明する。なお、図5においては、アイソレーター210の内部の図示右下に配置した震動盤241は、その震動面241aを図示左方向に向けている。
【0066】
この状態で超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面241aから垂直方向(図示左方向)に進行する指向性の強い音響流241bが二流体スプレーノズル230から放出された過酸化水素水ミスト231を取り込んで、音響放射圧による押圧を作用させ、音響流241bの進行方向(図示左方向)に移動させる。この際に過酸化水素水ミスト231は、音響流241bによる超音波振動の作用により微細化された微細ミスト231aとなりアイソレーター210の内部に循環分散される。
【0067】
次に、アイソレーター210の内部の図示左下に配置した震動盤242は、その震動面242aを図示上方向に向けている。この状態で、超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面242aから垂直方向(図示上方向)に進行する指向性の強い音響流242bが音響流241bによる超音波振動の作用により微細化され送られてきた微細ミスト231aに音響放射圧による押圧を作用させ、音響流242bの進行方向(図示上方向)に移動させる。この際に微細ミスト231aは、音響流242bによる超音波振動の作用により更に安定した微細ミスト231bとなりアイソレーター210の内部に循環分散される。
【0068】
次に、アイソレーター210の内部の図示左上に配置した震動盤243は、その震動面243aを図示右方向に向けている。この状態で、超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面243aから垂直方向(図示右方向)に進行する指向性の強い音響流243bが音響流242bによる超音波振動の作用により微細化され送られてきた微細ミスト231bに音響放射圧による押圧を作用させ、音響流243bの進行方向(図示右方向)に移動させる。この際に微細ミスト231bは、音響流243bによる超音波振動の作用により更に安定した微細ミスト231cとなりアイソレーター210の内部に循環分散される。
【0069】
次に、アイソレーター210の内部の図示右上に配置した震動盤244は、その震動面244aを図示下方向に向けている。この状態で、超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面244aから垂直方向(図示下方向)に進行する指向性の強い音響流244bが音響流243bによる超音波振動の作用により微細化され送られてきた微細ミスト231cに音響放射圧による押圧を作用させ、音響流244bの進行方向(図示下方向)に移動させる。この際に微細ミスト231cは、音響流244bによる超音波振動の作用により更に安定した微細ミスト231dとなりアイソレーター210の内部に循環分散される。
【0070】
このように、アイソレーター210の内部では、音響流241b、242b、243b、244bにより微細安定化された微細ミスト231a、231b、231c、231dが、図示矢印方法(図示右回り)に旋回するように循環する。なお、音響流241b、242b、243b、244bは、平面上で伝わる安定した定常波の縦波であって、ミストノズルからの直接方式やファン方式に比べ、風速差のない気流として伝搬する。このとき、微細ミスト231a、231b、231c、231dは、高度に微細化されたミストでありアイソレーター210の内壁面に部分的でムラのある凝縮を起こすことがない。
【0071】
また、微細ミスト231a、231b、231c、231dは、超音波振動の作用で微細化され粒径が小さく表面積が大きいことから、ミストの蒸発効率が高くアイソレーター210の内部空間全域の均一加湿及び均一除染を可能にする。このことにより、除染ミストの濃度を上げることが可能で少量の除染剤で効率の良い除染を可能にする。また、少量の除染剤で効率よく除染できるので、除染後のエアレーションの効率も向上し除染操作の短時間化も可能である。更に、副次的効果であるが、音響流241b、242b、243b、244bによる超音波振動及び音響放射圧によって、アイソレーター210の内壁面への付着物の除去効果も得られる。
【0072】
よって、本第2実施形態によれば、ミスト循環分散機構を採用することにより、除染対象室に対する適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置を提供することができる。
【0073】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態においては、除染対象である作業室としてアイソレーターを例にして説明した。しかし、これに限るものではなく、クリーンルーム、LABS、パスボックスなどの除染を行うようにしてもよい。また、除染装置のミスト供給装置やミスト循環分散装置(震動盤)は、作業室内に固定してもよく、或いは、除染の際にのみ投入するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態においては、ミスト循環分散装置の震動盤の台数が2台及び4台のものについて説明した。しかし、これに限るものではなく、本発明においては震動盤の台数を限定するものではない。従って、1台の震動盤で除染対象室内に除染剤ミストを循環するようにしてもよい。また、5台以上の震動盤を所定に位置に配置するようにしてもよい。
(3)上記各実施形態においては、ミスト供給装置として二流体スプレーノズルを使用した。しかし、これに限るものではなく、実施例で使用した超音波加湿器(ネブライザー)や一流体スプレーノズルなどを使用するようにしてもよい。また、複数種類のミスト供給装置を組み合わせて使用するようにしてもよい。
(4)上記各実施形態においては、ミスト循環分散装置の震動盤としてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置したものを使用した。しかし、これに限るものではなく、震動盤として一定面積を有するステンレス板にランジュバン型震動子を固定した震動盤やその他の超音波振動する盤面を有するものであればどのような震動盤を使用するようにしてもよい。
(5)上記各実施形態においては、ミスト循環分散装置の震動盤としてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置したものを使用し、超音波スピーカーの送波方向を統一して配置すると共にこれらの超音波スピーカーを同位相で作動させるようにした。しかし、これに限るものではなく、複数の超音波スピーカーを異なる位相で作動させるようにしてもよい。
(6)上記各実施形態においては、除染剤として過酸化水素水(H水溶液)を使用した。しかし、これに限るものではなく、除染剤として使用される液体状の除染剤であればどのようなものを使用するようにしてもよい。
(7)上記各実施形態においては、除染剤ミストが垂直方向に循環するものについて説明した。しかし、これに限るものではなく、除染剤ミストが水平方向に循環するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10、110、210…アイソレーター、
11、111、211…底壁面、12、13…側壁面、14…上壁面、
20、220…除染装置、
30、130、230…ミスト供給手段(二流体スプレーノズル)、
31、131、231…過酸化水素水ミスト、131a、131b…ミスト、
31a、31b、231a、231b、231c、231d…微細ミスト、
40、240…ミスト循環分散機構、
41、42、241、242、243、244…震動盤、
41a、42a、241a、242a、243a、244a…震動面、
41b、42b、241b、242b、243b、244b…音響流、
45…スピーカー基盤、45a…スピーカー基盤の平面、
46…超音波スピーカー、46a…超音波スピーカーの震動面、
141、142…循環ファン、141a、142a…送風面、
EI-1~EI-8…酵素インジケーター(Enzyme Indicator)。
図1
図2
図3
図4
図5