(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】除染装置及びこれを配置したパスボックス
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
A61L2/18 102
(21)【出願番号】P 2019062731
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599053643
【氏名又は名称】株式会社エアレックス
(74)【代理人】
【識別番号】100121784
【氏名又は名称】山田 稔
(72)【発明者】
【氏名】川崎 康司
(72)【発明者】
【氏名】角田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】益留 純
(72)【発明者】
【氏名】二村 はるか
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 至洋
(72)【発明者】
【氏名】北野 司
(72)【発明者】
【氏名】郭 志強
(72)【発明者】
【氏名】小川 亜由美
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-537345(JP,A)
【文献】実開平1-178041(JP,U)
【文献】特開2006-198120(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0360077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00-2/28
A61L 9/00-9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業室の内部に収容された物品を除染する除染装置であって、
ミスト供給手段とミスト制御機構とを備え、
前記ミスト供給手段は、除染用薬液を除染用ミストに変換して前記物品を収容した前記作業室の内部に供給し、
前記ミスト制御機構は、前記作業室の内部壁面近傍に配置した震動盤を具備し、当該震動盤を超音波振動させて盤面から垂直方向に超音波による音響流を発生させ、
前記作業室内に供給された前記除染用ミストに音響放射圧による押圧を作用させることにより、当該除染用ミストを前記物品の外表面に集中して作用させることを特徴とする除染装置。
【請求項2】
前記ミスト制御機構は、複数の震動盤を具備し、
前記複数の震動盤は、前記物品を間に介すると共に互いにその盤面を対向させて配置することにより、前記音響放射圧による押圧が主として各震動盤から前記物品の方向に集中して、
前記除染用ミストは、前記物品の外表面に集中して作用するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の除染装置。
【請求項3】
前記ミスト制御機構は、複数の震動盤を具備し、
前記複数の震動盤は、前記物品を間に介すると共に互いにその盤面を対向させることなく配置することにより、前記音響放射圧による押圧が主として各震動盤から前記物品の側面に沿うように通過して、
前記除染用ミストは、前記作業室の内部を旋回するように移動して前記物品の外表面に集中して作用するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の除染装置。
【請求項4】
前記震動盤は、基盤と複数の送波器とを具備し、
前記基盤の平面上に前記複数の送波器の送波方向を統一して配置すると共にこれらの送波器を同位相で作動させることにより、
前記複数の送波器の正面方向の超音波を互いに強め合うと共に、当該複数の送波器の横方向の超音波を互いに打ち消し合うようにして、前記震動盤の盤面から垂直方向に指向性の強い超音波による音響流を発生させることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の除染装置。
【請求項5】
前記作業室内に供給された前記除染用ミストは、前記震動盤から発生する超音波振動により更に微細化することを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の除染装置。
【請求項6】
前記震動盤から発生する超音波の周波数と出力を可変とする、及び/又は、超音波を断続的に送波する制御手段を具備し、前記物品の外表面に集中して作用するように制御される前記除染用ミストの位置又は移動速度を制御することを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の除染装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載の除染装置を内部に配置したパスボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイソレーターやこれに付随したパスボックス内の物品を効率よく除染する除染装置に関するものであり、特にミスト制御機構を備えた除染装置に関するものである。また、本発明は、ミスト制御機構を備えた除染装置を内部に配置したパスボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
医薬品或いは食品などを製造する製造現場、或いは、手術室などの医療現場においては、室内の無菌状態を維持することが重要である。特に医薬品製造の作業室である無菌室の除染においては、GMP(Good Manufacturing Practice)に即した高度な除染バリデーションを完了させる必要がある。
【0003】
このような無菌環境での小規模な作業においては、作業室として小型のチャンバーを採用し、作業者はこのチャンバーの外部からグローブやハーフスーツを介して作業することのできるアイソレーターが使用される。このアイソレーターのチャンバーには、外部環境から汚染物質が混入しないように無菌状態を維持する吸排気装置が設けられている。また、無菌状態のアイソレーターの内部に外部環境から必要な器具や物品を搬入する際にも、無菌状態の維持が図られている。
【0004】
例えば、アイソレーターの内部に物品を搬入する際には、パスボックスと呼ばれる小型の搬入用予備室が設けられている。物品をアイソレーターの内部に搬入しようとする作業者は、まず物品をパスボックス内に搬入する。このとき、アイソレーターとパスボックスとの間の搬入扉は封鎖されている。次に、パスボックスと外部環境との間の搬入扉を封鎖して、パスボックス内部と共に物品を除染する。パスボックスでの除染が完了し除染用ガスなどを排除してから、アイソレーターとパスボックスとの間の搬入扉を開放して物品をアイソレーターの内部に搬入する。
【0005】
近年、アイソレーターやパスボックスなどの作業室(以下、除染対象室という)及び搬入しようとする物品の除染には、過酸化水素(ガス又はミスト)が広く採用されている。この過酸化水素は、強力な滅菌効果を有し、安価で入手しやすく、且つ、最終的には酸素と水に分解する環境に優しい除染ガスとして有効である。
【0006】
この過酸化水素による除染効果は、除染対象部位の表面に凝縮する過酸化水素水の凝縮膜によるものであることが下記特許文献1に記載されている。従って、除染対象室の除染効果のかんぺき完璧を図るには、過酸化水素の供給量を多くして発生する過酸化水素水の凝縮膜を厚く或いは高濃度にすればよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、除染対象室に過剰量の過酸化水素を供給すると過度な凝縮が起こり、除染対象室の壁面などが発生した高濃度の過酸化水素水の凝縮膜により腐食されるという不具合が生じる。また、過酸化水素による除染の後には、除染対象室の内部に残留した過酸化水素や凝縮膜を清浄空気で除去するエアレーションを行う。しかし、過剰量の過酸化水素を供給した場合には、除染対象室の壁面などに発生した高濃度の過酸化水素水の凝縮膜を除去するエアレーションに多くに時間を要するという問題があった。また、アイソレーターに搬入しようとする物品の形状が複雑であると、エアレーションに更に多くの時間を要するという問題があった。
【0009】
また、パスボックスを介してアイソレーター内に物品を搬入しようとする際には、パスボックス内の物品の除染が主な操作である。パスボックスの内壁面は、物品搬入前には既に除染された状態にある。従って、搬入された物品の表面に集中して過酸化水素などの除染剤を投入することが好ましく、パスボックスの内壁面に過剰の除染剤が凝縮することを回避することにより除染効率が向上する。
【0010】
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、ミスト制御機構を採用することにより、搬入しようとする物品の表面に除染用ミストを集中させ、適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置及びこれを配置したパスボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、ミスト制御機構に超音波振動を採用し、除染対象室に供給した過酸化水素水のミストを微細化すると共に除染対象室内の物品の表面に過酸化水素ミストを集中させることにより適正な凝縮膜の生成を図ることができるものと考え本発明の完成に至った。
【0012】
即ち、本発明に係る除染装置は、請求項1の記載によれば、
作業室(10,110)の内部に収容された物品(50、150)を除染する除染装置(20、120)であって、
ミスト供給手段(30、130)とミスト制御機構(40、140)とを備え、
前記ミスト供給手段は、除染用薬液を除染用ミストに変換して前記物品を収容した前記作業室の内部に供給し、
前記ミスト制御機構は、前記作業室の内部壁面近傍に配置した震動盤(41、42、43、44、141、142)を具備し、当該震動盤を超音波振動させて盤面(41a、42a、43a、44a、141a、142a)から垂直方向に超音波による音響流(41b、42b、43b、44b、141b、142b)を発生させ、
前記作業室内に供給された前記除染用ミストに音響放射圧による押圧を作用させることにより、当該除染用ミストを前記物品の外表面に集中して作用させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の除染装置であって、
前記ミスト制御機構は、複数の震動盤を具備し、
前記複数の震動盤は、前記物品を間に介すると共に互いにその盤面を対向させて配置することにより、前記音響放射圧による押圧が主として各震動盤から前記物品の方向に集中して、
前記除染用ミストは、前記物品の外表面に集中して作用するように制御されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1に記載の除染装置であって、
前記ミスト制御機構は、複数の震動盤を具備し、
前記複数の震動盤は、前記物品を間に介すると共に互いにその盤面を対向させることなく配置することにより、前記音響放射圧による押圧が主として各震動盤から前記物品の側面に沿うように通過して、
前記除染用ミストは、前記作業室の内部を旋回するように移動して前記物品の外表面に集中して作用するように制御されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1~3のいずれか1つに記載の除染装置であって、
前記震動盤は、基盤と複数の送波器とを具備し、
前記基盤の平面上に前記複数の送波器の送波方向を統一して配置すると共にこれらの送波器を同位相で作動させることにより、
前記複数の送波器の正面方向の超音波を互いに強め合うと共に、当該複数の送波器の横方向の超音波を互いに打ち消し合うようにして、前記震動盤の盤面から垂直方向に指向性の強い超音波による音響流を発生させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項1~4のいずれか1つに記載の除染装置であって、
前記作業室内に供給された前記除染用ミストは、前記震動盤から発生する超音波振動により更に微細化することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項1~5のいずれか1つに記載の除染装置であって、
前記震動盤から発生する超音波の周波数と出力を可変とする、及び/又は、超音波を断続的に送波する制御手段を具備し、前記物品の外表面に集中して作用するように制御される前記除染用ミストの位置又は移動速度を制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るパスボックスは、請求項7の記載によれば、
請求項1~6のいずれか1つに記載の除染装置を内部に配置している。
【発明の効果】
【0019】
上記構成によれば、本発明に係る除染装置は、ミスト供給手段とミスト制御機構とを備えている。ミスト供給手段は、除染用薬液を除染用ミストに変換して物品を収容した作業室の内部に供給する。ミスト制御機構は、作業室の内部壁面近傍に配置した震動盤を具備し、当該震動盤を超音波振動させて盤面から垂直方向に超音波による音響流を発生させる。このことにより、作業室内に供給された除染用ミストに音響放射圧による押圧を作用させ、当該除染用ミストを物品の外表面に集中して作用させることができる。
【0020】
このように、ミスト制御機構を採用することにより、搬入しようとする物品の表面に除染用ミストを集中させ、適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置を提供することができる。
【0021】
また、上記構成によれば、ミスト制御機構は、複数の震動盤を具備してもよい。この複数の震動盤は、物品を間に介すると共に互いにその盤面を対向させて配置することにより、音響放射圧による押圧が主として各震動盤から物品の方向に集中する。このことにより、除染用ミストは、物品の外表面に集中して作用するように制御される。よって、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0022】
また、上記構成によれば、ミスト制御機構は、複数の震動盤を具備してもよい。この複数の震動盤は、物品を間に介すると共に互いにその盤面を対向させることなく配置することにより、音響放射圧による押圧が主として各震動盤から物品の側面に沿うように通過する。このことにより、除染用ミストは、作業室の内部を旋回するように移動して物品の外表面に集中して作用する。よって、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0023】
また、上記構成によれば、震動盤は、基盤と複数の送波器とを具備し、基盤の平面上に複数の送波器の送波方向を統一して配置すると共にこれらの送波器を同位相で作動させる。その結果、複数の送波器の正面方向の超音波を互いに強め合うと共に、当該複数の送波器の横方向の超音波を互いに打ち消し合うようになる。このことにより、震動盤の盤面から垂直方向に指向性の強い超音波による音響流を発生させることができる。よって、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0024】
また、上記構成によれば、作業室内に供給された除染用ミストは、震動盤から発生する超音波振動により更に微細化される。このことにより、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0025】
また、上記構成によれば、震動盤から発生する超音波の周波数と出力を可変とする制御手段を具備してもよい。また、超音波を断続的に送波する制御手段を具備してもよい。このことにより、物品の外表面に集中して作用するように制御される除染用ミストの位置又は移動速度を制御することができる。よって、上記作用効果をより具体的に発揮することができる。
【0026】
また、上記構成によれば、本発明に係るパスボックスは、請求項1~7のいずれか1つに記載の除染装置を内部に配置している。
【0027】
このように、ミスト制御機構を備えた除染装置を配置することにより、搬入しようとする物品の表面に除染用ミストを集中させ、適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできるパスボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1実施形態に係る除染装置を配置したパスボックスの内部の概要を示す(A)正面断面図、(B)平面断面図である。
【
図2】
図1の除染装置が具備する震動盤においてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置した状態を示す概要斜視図である。
【
図3】実施例で使用した医薬用輸液バッグの概要を示す正面図である。
【
図4】実施例に使用したパスボックスの内部の概要を示す(A)正面断面図、(B)平面断面図である。
【
図5】第2実施形態に係る除染装置を配置したパスボックスの内部の概要を示す(A)正面断面図、(B)平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明において「ミスト」とは、広義に解釈するものであって、微細化して空気中に浮遊する除染剤の液滴の状態、除染剤のガスと液滴が混在した状態、除染剤がガスと液滴との間で凝縮と蒸発との相変化を繰り返している状態などを含むものとする。また、粒径に関しても、場合によって細かく区分されるミスト・フォグ・液滴などを含んで広義に解釈する。
【0030】
よって、本発明に係るミストにおいては、場合によってミスト(10μm以下と定義される場合もある)或いはフォグ(5μm以下と定義される場合もある)と呼ばれるもの、及び、それ以上の粒径を有するものも含むものとする。なお、本発明においては、超音波振動の作用により、ミスト・フォグ・液滴などの3μm~10μm或いはそれ以上の液滴であっても、3μm以下の超微細粒子に均一化されて高度な除染効果を発揮するものと考えられる(後述する)。
【0031】
以下、本発明に係る除染装置及びこれを配置したパスボックスを各実施形態により詳細に説明する。なお、本発明は、下記の各実施形態にのみ限定されるものではない。
【0032】
《第1実施形態》
本第1実施形態においては、パスボックスに除染装置を配置して説明する。
図1は、本第1実施形態に係る除染装置を配置したパスボックスの内部の概要を示す(A)正面断面図、(B)平面断面図である。
【0033】
図1において、パスボックス10は、ステンレス製の筐体であって、アイソレーター(図示せず)の壁面に開閉扉(内部扉)を介して連接し、他の壁面に外部環境への開閉扉(外部扉)を有している。なお、パスボックス10とアイソレーターとの連接状態及び開閉扉の構造は特に限定するものではなく、従来のパスボックスの構造と同様である。また、アイソレーターに対するパスボックスの位置は、側壁面に限るものではなく上壁面又は底壁面に連接するようにしてもよい。また、パスボックス内部には、除染及びエアレーションのための給排気装置を有するようにしてもよい。なお、
図1においては、内部扉、外部扉及び給排気装置等を図示していない。
【0034】
図1においては、パスボックス10の内部中央に外部環境からアイソレーターの内部に搬入する物品50が搬入されている。本第1実施形態においては、この物品50が除染対象であり、パスボックス内で除染装置20により除染された後にアイソレーターの内部に搬入される。
図1(A)において、物品50は、その底面が除染されやすいように架台51で支持されている。なお、架台51は必ずしも必要ではなく、物品50の底面形状により、或いは、超音波振動により物品50を共振させることで底面に除染ミストを侵入させるようにしてもよい。
【0035】
図1においては、パスボックス10は、その内部に除染装置20を配置している。除染装置20は、ミスト供給装置30とミスト制御装置40と超音波制御装置(図示せず)とから構成されている。本第1実施形態においては、ミスト供給装置30として二流体スプレーノズル30を使用し、パスボックス10の底壁面11に設置されている(
図1(A)参照)。また、本第1実施形態においては、除染剤として過酸化水素水(H
2O
2水溶液)を使用した。
【0036】
二流体スプレーノズル30は、コンプレッサー(図示せず)からの圧縮空気により過酸化水素水をミスト化して過酸化水素水ミスト31とし、パスボックス10の内部に供給する。なお、本発明においては、ミスト供給装置に関しては二流体スプレーノズルに限るものではなく、ミスト発生機構及び出力等について特に限定するものではない。
【0037】
ここで、ミスト制御装置40について説明する。本第1実施形態においては、ミスト制御装置40は、4台の震動盤41、42、43、44を具備している。4台の震動盤41、42、43、44は、パスボックス10の4面の側壁の内部に側壁面を背にして震動面41a、42a、43a、44aをパスボックス10の内部に水平方向に向けて配置されている。これら4台の震動盤41、42、43、44は、2台ずつ互いに盤面(震動面)を対向(盤面同士が互いに正面に向き合うこと)させて配置されている。具体的には、震動盤41と震動盤43、震動盤42と震動盤43とが、それぞれ震動面を対向させて配置されている(
図1(B)参照)。これらの震動面を対向させて配置する理由、及び、過酸化水素水ミスト31の挙動については後述する。
【0038】
ここで、震動盤41(42、43、44も同じ)について説明する。
図2は、
図1の除染装置が具備する震動盤においてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置した状態を示す概要斜視図である。
図2において、震動盤41は、基盤と複数の送波器とを具備している。本第1実施形態においては、基盤としてスピーカー基盤45を使用し、送波器として超音波スピーカー46を使用した。本第1実施形態においては、スピーカー基盤45の平面45a上に25個の超音波スピーカー46をそれらの震動面46aの送波方向(図示正面左方向)を統一して配置されている。なお、超音波スピーカーの個数は、特に限定するものではない。
【0039】
本第1実施形態においては、超音波スピーカー46として超指向性の超音波スピーカーを使用した。具体的には、周波数40KHz付近の超音波を送波する周波数変調方式の超音波スピーカー(DC12V、50mA)を使用した。なお、超音波スピーカーの種類、大きさと構造、出力等に関しては、特に限定するものではない。また、本発明においては、ミスト制御装置が具備する震動盤に関しては超音波スピーカーに限るものではなく、超音波の発生機構、周波数域及び出力等について特に限定するものではない。
【0040】
本第1実施形態において、複数(25個)の超音波スピーカー46の震動面46aの送波方向を統一すると共にこれらの送波器を同位相で作動させることにより、各超音波スピーカー46の正面方向の超音波が互いに強め合うと共に、各超音波スピーカー46の横方向の超音波が互いに打ち消し合うようになる。その結果、スピーカー基盤45に配置された超音波スピーカー46が超音波振動すると、各震動面46aから垂直方向に空気中を進行する指向性の強い音響流が発生する。なお、超音波制御装置(図示せず)により超音波スピーカー46の周波数と出力を制御することにより、効率的な除染操作が可能となる。
【0041】
次に、上記構成に係る除染装置20を配置したパスボックス10の内部における過酸化水素水ミスト31の挙動について説明する。なお、
図1においては、パスボックス10の内部の4面の側壁に配置した震動盤41、42、43、44は、その震動面41a、42a、43a、44a(超音波スピーカー46の震動面46aの方向と同じ)をパスボックス10の中央部に向けている。
【0042】
この状態で各震動盤の超音波スピーカー46が超音波振動すると、4つの震動面41a、42a、43a、44aからそれぞれ垂直方向に進行する指向性の強い音響流41b、42b、43b、44bが発生する。これらの音響流41b、42b、43b、44bは、二流体スプレーノズル30から放出された過酸化水素水ミスト31を取り込んで、それぞれ音響放射圧による押圧を作用させ、パスボックス10の中央部に移動させる。この際に過酸化水素水ミスト31は、音響流41b、42b、43b、44bによる超音波振動の作用により微細化された微細ミスト31aとなる。
【0043】
図1において、2台の震動盤41、43は、物品50を間に挟むようにして互いの震動面41a、43aを対向させた状態に配置されている。一方、他の2台の震動盤42、44は、物品50を間に挟むようにして互いの震動面42a、44aを対向させると共に、震動盤41、43の震動面41a、43aと略直角をなす状態に配置されている。
【0044】
この状態において、パスボックス10の中央部に搬入された物品50は、4台の震動盤41、42、43、44の各震動面41a、42a、43a、44aによって4方を囲まれた状態にある。本発明者らは、この状態において音響流41b、42b、43b、44bによる超音波振動の作用により微細化された微細ミスト31aが、4方からパスボックス10の中央部に位置する物品50の外表面に集中して作用することを見出した(
図1参照)。この理由については定かではないが、各震動盤から発生する音響波が物品に到達した時に一部しか反射せず、主に物品表面に吸収又は散乱することにより、音響放射圧の押圧作用が物品の方向に集中するためと考えられる。
【0045】
このとき、微細ミスト31aは、超音波振動の作用で微細化され粒径が小さく表面積が大きくなることから、ミストの蒸発効率が高く蒸発と凝縮とを繰り返しているものと考えられる。また、微細ミスト31aは、高度に微細化されたミストであり物品50の外表面に集中すると共に、均一且つ薄層の凝縮膜を物品50の外表面に形成する。従って、パスボックス10の内壁面に無駄な凝縮を起こすことがない。
【0046】
このように、過酸化水素の微細ミスト31aは、超音波振動の作用を常に受けながら蒸発と凝縮と微細化を繰り返しながら物品50の周囲に集中する。また、物品50の外表面においても、超音波振動の作用を常に受け均一且つ薄層の凝縮膜の再蒸発と凝縮とが繰り返される。これらのことにより、物品50の周囲には過酸化水素の3μm以下の超微細粒子と過酸化水素ガスとが相変化しながら共存して高度な除染環境を発現するものと考えられる。
【0047】
また、物品50の外表面に均一且つ薄層で形成された凝縮膜が再蒸発と凝縮とを繰り返すことにより、除染ミスト中の除染剤濃度を上げることが可能で、少量の除染剤で効率の良い除染を可能にする。また、少量の除染剤で効率よく除染できるので、除染後のエアレーションの効率も向上し除染操作の短時間化も可能である。更に、副次的効果であるが、音響流41b、42b、43b、44bによる超音波振動及び音響放射圧によって、物品50の外表面やアイソレーター10の内壁面への付着物の除去効果も得られる。
【0048】
次に、実施例により本第1実施形態に係る除染装置20を配置したパスボックス10の除染作用を具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
本実施例においは、パスボックス内で医薬用輸液バッグの外表面を除染して、アイソレーター内に搬入する除染操作について実施した。
図3は、本実施例で使用した医薬用輸液バッグの概要を示す正面図である。
図3において、医薬用輸液バッグ60は、ポリエチレン素材の縦20cm、横24cm、厚さ0.2cmのパウチであって、本実施例においては、内部に薬液に替えて蒸留水61と空気62を封入して実施した。なお、医薬用輸液バッグ60の中央下方の表面には、熱電対63を設置した。
【0050】
医薬用輸液バッグ60の外表面の除染効果は、酵素インジケーター:EI(Enzyme Indicator)で確認した。EIは、試験後に残存酵素活性を蛍光測定し除染効果を確認するものであり、従来のBI(Biological Indicator)に比べ、培養操作が不要で短時間で効果を確認することができる。近年、BIとの比較同等性が確認され、普及が進んでいる。除染後のEIの蛍光強度から菌数の対数減少によるLRD値(Log Spore Reduction)を計算し、パスボックス内部の充分な除染効果として認められる4~6LRD又はそれ以上を合格と判断した。なお、医薬用輸液バッグ60の外表面の4か所にEI-1~EI-4を配置した(
図3参照)。
【0051】
本実施例においては、
図1のパスボックスに比べ医薬用輸液バッグ60に対応させた小型のパスボックスを使用した。
図4は、本実施例に使用したパスボックスの内部の概要を示す(A)正面断面図、(B)平面断面図である。パスボックス10として、容積0.012m
3(縦30cm、横35cm、奥行12cm、内壁面はステンレス板)を使用し、4台の震動盤41、42、43、44を配置した。なお、過酸化水素水(35W/V%)をミスト化するミスト供給装置としては、二流体スプレーノズルに替えて超音波加湿器70(ネブライザー)を使用した。なお、その他の構成は、本実施形態1と同様であった。
【0052】
パスボックス110への過酸化水素水の投入量は、1.8g(投入速度0.6g/分で3分除染)、及び、5.5g(5.5g/分で1分除染)の2水準とした。また、除染後のエアレーション条件は、空気投入量50L/3分とし各震動盤を作動して行った。過酸化水素水の各投入量に対して、パスボックス内に配置した4台の震動盤を作動させた場合を実施例とし、4台の震動盤を作動させない場合を比較例として試験した。なお、医薬用輸液バッグ60の温度は、常温でスタートした。除染操作後の実施例及び比較例のEI-1~EI-4のLRD値を表1に示す。
【0053】
【0054】
表1から分かるように、過酸化水素水の投入量が少量(1.8g)の場合には、4台の震動盤の作動によりパスボックス内のLRD値は、いずれの位置においても十分な除染効果を確認し、均一に除染されていることが分かる。これに対して比較例のLRD値は、4LRDに達しない除染不十分領域が医薬用輸液バッグの上部に認められた。一方、過酸化水素水の投入量が多量(5.5g)の場合には、4台の震動盤の作動・停止に拘らず、いずれの場合にも十分な除染効果を確認した。これらのことから、本実施形態1に係る除染装置を使用することにより、少量の過酸化水素水の供給でも十分な除染効果が得られることが分かった。
【0055】
よって、本第1実施形態によれば、ミスト制御機構を採用することにより、搬入しようとする物品の表面に除染用ミストを集中させ、適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置及びこれを配置したパスボックスを提供することができる。
【0056】
《第2実施形態》
上記第1実施形態が互いに対向する4台の震動盤を具備した除染装置に関するものであることに対して、本第2実施形態においては、互いに対向しない2台の震動盤を具備した除染装置をパスボックスに配置して説明する。
図5は、本第2実施形態に係る除染装置を配置したパスボックスの内部の概要を示す(A)正面断面図、(B)平面断面図である。
【0057】
図5において、パスボックス110は、ステンレス製の筐体であって、アイソレーター(図示せず)の壁面に開閉扉(内部扉)を介して連接し、他の壁面に外部環境への開閉扉(外部扉)を有している。なお、パスボックス110とアイソレーターとの連接状態及び開閉扉の構造は特に限定するものではなく、従来のパスボックスの構造と同様である。また、アイソレーターに対するパスボックスの位置は、側壁面に限るものではなく上壁面又は底壁面に連接するようにしてもよい。また、パスボックス内部には、除染及びエアレーションのための給排気装置を有するようにしてもよい。なお、
図5においては、内部扉、外部扉及び給排気装置等を図示していない。
【0058】
図5においては、パスボックス110の内部中央に外部環境からアイソレーターの内部に搬入する物品150が搬入されている。本第2実施形態においては、この物品150が除染対象であり、パスボックス内で除染装置120により除染された後にアイソレーターの内部に搬入される。
図5(A)において、物品150は、その底面が除染されやすいように架台151で支持されている。
【0059】
図5においては、パスボックス110は、その内部に除染装置120を配置している。除染装置120は、ミスト供給装置130とミスト制御装置140と超音波制御装置(図示せず)とから構成されている。本第2実施形態においては、ミスト供給装置130として二流体スプレーノズル130を使用し、パスボックス110の底壁面111に設置されている(
図5(A)参照)。また、本第2実施形態においては、除染剤として過酸化水素水(H
2O
2水溶液)を使用した。
【0060】
二流体スプレーノズル130は、コンプレッサー(図示せず)からの圧縮空気により過酸化水素水をミスト化して過酸化水素水ミスト131とし、パスボックス110の内部に供給する。なお、本発明においては、ミスト供給装置に関しては二流体スプレーノズルに限るものではなく、ミスト発生機構及び出力等について特に限定するものではない。
【0061】
ここで、ミスト制御装置140について説明する。本第2実施形態においては、ミスト制御装置140は、2台の震動盤141、142を具備している。2台の震動盤141、142は、パスボックス110の内部の
図5(B)右壁面下部及び左壁面上部の2か所に側壁面を背にして震動面141a、142aをパスボックス110の内部に水平方向に向けて配置されている。これら2台の震動盤141、142は、互いに盤面(震動面)を対向させることなく配置されている。2台の震動盤141、142を対向させずに配置する理由、及び、過酸化水素水ミスト131の挙動については後述する。
【0062】
ここで、震動盤141、142について説明する。これらの震動盤141、142は、上記第1実施形態の震動盤41、42、43、44と同様の構造をしたものを使用した(
図2参照)。また、これらの震動盤141、142の周波数及び出力も上記第1実施形態の震動盤と同様のものを使用した。
【0063】
次に、上記構成に係る除染装置120を配置したパスボックス110の内部における過酸化水素水ミスト131の挙動について説明する。なお、
図5(B)においては、パスボックス110の内部の図示右下に配置した震動盤141は、その震動面141aを図示左方向に向けている。
【0064】
この状態で超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面141aから垂直方向(
図5(B)左方向)に進行する指向性の強い音響流141bが二流体スプレーノズル130から放出された過酸化水素水ミスト131を取り込んで、音響放射圧による押圧を作用させ、音響流141bの進行方向(
図5(B)左方向)に移動させる。この際に過酸化水素水ミスト131は、音響流141bによる超音波振動の作用により微細化された微細ミスト131aとなりパスボックス110の内部を旋回するように循環する。
【0065】
一方、パスボックス110の内部の
図5(B)左上に配置した震動盤142は、その震動面142aを図示右方向に向けている。この状態で、超音波スピーカー46が超音波振動すると、震動面142aから垂直方向(
図5(B)右方向)に進行する指向性の強い音響流142bが音響流141bによる超音波振動の作用により微細化され送られてきた微細ミスト131aに音響放射圧による押圧を作用させ、音響流142bの進行方向(
図5(B)右方向)に移動させる。この際に微細ミスト131aは、音響流142bによる超音波振動の作用により更に安定した微細ミストとなりパスボックス110の内部を旋回するように循環する。
【0066】
このように、パスボックス110の内部では、音響流141b及び音響流142bにより微細安定化された微細ミスト131aが、
図5(B)の曲がった矢印方法(図示右回り)に旋回するように循環する。このとき、本発明者らは、この状態において音響流141b、142bによる超音波振動の作用により微細化された微細ミスト131aが、パスボックス10の中央部に位置する物品50の外表面付近に集中して旋回するように循環することを見出した(
図5(B)参照)。この理由については定かではないが、各震動盤から発生する音響波が物品に到達した時に音響放射圧による押圧が主として各震動盤から物品の側面に沿うように回折するためと考えられる。
【0067】
また、微細ミスト131aは、微細化されて粒径が小さく表面積が大きいことから、ミストの蒸発効率が高く物品150の外表面の均一加湿及び均一除染を可能にする。また、微細ミスト131aが物品150の外表面に集中するので、パスボックス110の内壁面に無駄な凝縮を起こすことがない。
【0068】
このことにより、除染ミストの濃度を上げることが可能で少量の除染剤で効率の良い除染を可能にする。また、少量の除染剤で効率よく除染できるので、除染後のエアレーションの効率も向上し除染操作の短時間化も可能である。更に、副次的効果であるが、音響流141b、142bによる音響放射圧によって、パスボックス110の内壁面への付着物の除去効果も得られる。
【0069】
よって、本第2実施形態によれば、ミスト制御機構を採用することにより、搬入しようとする物品の表面に除染用ミストを集中させ、適正量の除染剤の供給で除染効果の完璧を図ると共に、エアレーションなどの作業時間を短縮して除染作業の効率化を図ることのできる除染装置及びこれを配置したパスボックスを提供することができる。
【0070】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態においては、除染対象である作業室としてパスボックスを例にして説明した。しかし、これに限るものではなく、アイソレーター、LABSなどの内部で局所的な除染を行うようにしてもよい。また、除染装置のミスト供給装置やミスト制御装置(震動盤)は、作業室内に固定してもよく、或いは、除染の際にのみ投入するようにしてもよい。
(2)上記各実施形態においては、ミスト供給装置として二流体スプレーノズルを使用した。しかし、これに限るものではなく、実施例で使用した超音波加湿器(ネブライザー)や一流体スプレーノズルなどを使用するようにしてもよい。また、複数種類のミスト供給装置を組み合わせて使用するようにしてもよい。
(3)上記各実施形態においては、ミスト制御装置の震動盤としてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置したものを使用した。しかし、これに限るものではなく、震動盤として一定面積を有するステンレス板にランジュバン型震動子を固定した震動盤やその他の超音波振動する盤面を有するものであればどのような震動盤を使用するようにしてもよい。
(4)上記各実施形態においては、ミスト循環分散装置の震動盤としてスピーカー基盤に複数の超音波スピーカーを配置したものを使用し、超音波スピーカーの送波方向を統一して配置すると共にこれらの超音波スピーカーを同位相で作動させるようにした。しかし、これに限るものではなく、複数の超音波スピーカーを異なる位相で作動させるようにしてもよい。
(5)上記各実施形態においては、除染剤として過酸化水素水(H2O2水溶液)を使用した。しかし、これに限るものではなく、除染剤として使用される液体状の除染剤であればどのようなものを使用するようにしてもよい。
(6)上記第1実施形態においては、4面の側壁に4台の震動盤を配置した。しかし、これに限るものではなく、上壁面や底壁面を加えた6面のうち2~6面に震動盤を配置するようにしてもよい。
(7)上記第1実施形態においては、2台の震動盤を互いに対向する位置に配置した。しかし、これに限るものではなく、1台の震動盤に対して超音波の反射盤を互いに対向する位置に配置するようにしてもよい。
(8)上記第2実施形態においては、2面の側壁に2台の震動盤を互いに対向しない位置に配置して、除染剤ミストが水平方向に循環するものについて説明した。しかし、これに限るものではなく、上壁と底壁に2台の震動盤を互いに対向しない位置に配置して、除染剤ミストが垂直方向に循環するようにしてもよい。
(9)上記第2実施形態においては、2面の側壁に2台の震動盤を互いに対向しない位置に配置して、除染剤ミストが水平方向に循環するものについて説明した。しかし、これに限るものではなく、4面の側壁に4台の震動盤を互いに対向しない位置に配置して、除染剤ミストが水平方向に循環するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10、110…パスボックス、11、111…底壁面、
20、120…除染装置、
30、130…ミスト供給手段(二流体スプレーノズル)、
31、131…過酸化水素水ミスト、31a、131a…微細ミスト、
40、140…ミスト制御機構、
41、42、43、44、141、142…震動盤、
41a、42a、43a、44a、141a、142a…震動面、
41b、42b、43b、44b、141b、142b…音響流、
45…スピーカー基盤、45a…スピーカー基盤の平面、
46…超音波スピーカー、46a…超音波スピーカーの震動面、
50、150…物品、51、151…架台、
60…医薬用輸液バッグ、61…蒸留水、62…空気、63…熱電対、
70…超音波加湿器(ネブライザー)、
EI-1~EI-4…酵素インジケーター(Enzyme Indicator)。