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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】データ処理装置及びデータ処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/04 20120101AFI20221227BHJP
   G06Q 40/12 20230101ALI20221227BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q40/00 400
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021575068
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 JP2021046568
【審査請求日】2021-12-16
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】葛 鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】小俣 智
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴亮
(72)【発明者】
【氏名】早川 将和
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-300208(JP,A)
【文献】特開2010-206439(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073102(WO,A1)
【文献】特許第6759489(JP,B1)
【文献】特開2007-241732(JP,A)
【文献】特許第5974773(JP,B2)
【文献】特許第4159429(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証憑を送信する対象となる複数の宛先事業者それぞれに対して、第1の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第1宛先識別情報、第2の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第2宛先識別情報及び第3の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第3宛先識別情報の少なくともいずれかと、を関連付けた宛先データを記憶する記憶部と、
前記宛先事業者を示す情報を含む経理データを取得し、取得した前記経理データに基づいて、前記宛先事業者を示す情報と、前記証憑を識別する証憑識別情報と、を少なくとも含む、前記宛先事業者へ送信する前記証憑の電子データである証憑データを生成する生成部と、
前記宛先データにおいて、取得された経理データに含まれる前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されている場合は前記第1の送信方法を送信方法として選択し、前記宛先データにおいて取得された経理データに含まれる前記宛先事業者の前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合は前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法を送信方法として選択する選択部と、
前記選択部が選択した送信方法により、当該送信方法に対応する宛先識別情報を用いて前記証憑データを送信する送信部と、
を有し、
前記第1の送信方法は、標準化された形式の証憑データをネットワークに参加する参加者同士で授受するためのネットワークであるインボイスネットワークを経由して証憑データを送信する方法であって、
前記送信部は、前記選択部が選択した送信方法が前記第1の送信方法である場合、前記生成部が生成した、前記インボイスネットワークで送受信可能な形式の前記証憑データを、前記インボイスネットワークにおいて証憑データの授受を中継する中継装置に送信する、
データ処理装置。
【請求項2】
前記生成部が生成した前記証憑データのデータ形式を、前記選択部が選択した前記送信方法ごとに異なるデータ形式へ変換する変換部をさらに有し、
前記送信部は、前記選択部が選択した前記送信方法に対応する前記データ形式に前記変換部が変換した前記証憑データを送信する、
請求項1に記載するデータ処理装置。
【請求項3】
前記送信部が送信した前記証憑データが、前記第1の送信方法において前記証憑データを中継する中継装置へ到達したか否かを判定する判定部をさらに有し、
前記送信部は、前記第1の送信方法で前記証憑データを送信後、送信した前記証憑データが前記中継装置へ到達していないと前記判定部が判定した場合、前記証憑データを前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法により送信する、
請求項1又は2に記載するデータ処理装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記第1の送信方法で前記証憑データを送信後、送信した前記証憑データが前記中継装置へ到達していないと前記判定部が判定した場合において、前記宛先データにおいて前記宛先事業者の前記第2宛先識別情報及び前記第3宛先識別情報が記憶されていない場合、前記証憑データが送信できないことをユーザに警告する警告情報をユーザが使用する端末に送信する、
請求項3に記載するデータ処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記宛先事業者と、前記第1宛先識別情報と、前記第2宛先識別情報と、前記第3宛先識別情報と、前記第2の送信方法及び前記第3の送信方法それぞれの優先度とを関連付けた前記宛先データを記憶し、
前記選択部は、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合は、前記優先度に基づいて前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法のいずれかを前記送信方法として選択する、
請求項1から4のいずれか1項に記載するデータ処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記宛先事業者と、前記第1宛先識別情報と、前記第2宛先識別情報と、前記第3宛先識別情報と、前記第1の送信方法、前記第2の送信方法及び前記第3の送信方法それぞれの優先度と、を関連付けた前記宛先データを記憶し、
前記選択部は、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記優先度が記憶されている場合、前記優先度に基づいて前記第1の送信方法、前記第2の送信方法及び前記第3の送信方法のいずれかを前記送信方法として選択し、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記優先度が記憶されておらず、かつ、前記第1宛先識別情報が記憶されている場合、前記第1の送信方法を前記送信方法として選択し、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記優先度及び前記宛先事業者の前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合、前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法を前記送信方法として選択する、
請求項1から4のいずれか1項に記載するデータ処理装置。
【請求項7】
前記送信部が前記第1の送信方法により前記証憑データを送信後、前記第1の送信方法において前記証憑データを中継する中継装置から前記証憑データの送信結果を受信し、前記証憑データに含まれる前記証憑識別情報と前記送信結果とを関連付けて前記記憶部に記憶させる送信結果受信部をさらに有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載するデータ処理装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記送信部が送信した1以上の前記証憑データそれぞれが前記宛先事業者において参照されたか否かを示す参照有無データをさらに記憶し、
前記送信結果受信部は、前記送信部が前記第1の送信方法により送信した前記証憑データが前記宛先事業者において参照されたことを示す参照通知と送信した前記証憑データの前記証憑識別情報とを関連付けてさらに受信し、前記参照通知を受信した場合に前記証憑データが参照されたことを前記参照有無データに記憶させる、
請求項7に記載するデータ処理装置。
【請求項9】
前記参照有無データの表示要求を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記表示要求を受け付けると、前記記憶部に記憶された前記1以上の参照有無データを表示させるよう制御する表示制御部と、
をさらに有する、請求項8に記載するデータ処理装置。
【請求項10】
前記生成部は、前記証憑に対する入金期限をさらに含む前記証憑データを生成し、
前記送信部は、送信した前記証憑データを前記記憶部に記憶させ、
前記データ処理装置は、取引先からの入金を示す入金情報を取得する入金情報取得部と、
前記入金期限が到来した前記証憑データのうち、前記入金情報が取得されていない証憑データを表示させるよう制御する警告情報表示部と、
をさらに有する請求項1から9のいずれか1項に記載するデータ処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
宛先事業者を示す情報を少なくとも含む経理データを取得するステップと、
取得した前記経理データに基づいて、前記宛先事業者を示す情報と、証憑を識別する証憑識別情報と、を少なくとも含む、前記宛先事業者へ送信する前記証憑の電子データである証憑データを生成するステップと、
記憶部に記憶された証憑を送信する対象となる複数の宛先事業者それぞれに対して、第1の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第1宛先識別情報、第2の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第2宛先識別情報及び第3の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第3宛先識別情報の少なくともいずれかと、を関連付けた宛先データを参照し、前記宛先データにおいて、前記取得するステップにおいて取得した前記経理データに含まれる前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されている場合は前記第1の送信方法を送信方法として選択するステップと、
前記宛先データにおいて、前記取得するステップにおいて取得した前記経理データに含まれる前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合は前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法を送信方法として選択するステップと、
前記選択するステップにおいて選択した送信方法により、当該送信方法に対応する宛先識別情報を用いて前記証憑データを送信するステップと、
を有し、
前記第1の送信方法は、標準化された形式の証憑データをネットワークに参加する参加者同士で授受するためのネットワークであるインボイスネットワークを経由して証憑データを送信する方法であって、
前記送信するステップにおいては、前記選択するステップにおいて選択した送信方法が前記第1の送信方法である場合、前記生成するステップにおいて生成した、前記インボイスネットワークで送受信可能な形式の前記証憑データを前記インボイスネットワークにおいて証憑データの授受を中継する中継装置に送信する、
データ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置及びデータ処理方法
【背景技術】
【0002】
請求書をオンラインで送受信する請求書管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/73102号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、受発注や請求にかかる電子文書をネットワーク上でやり取りするための標準化が進められている。我が国においても、電子インボイスの新たな標準仕様であるPEPPOL(Pan-European Public Procurement Online)に準拠させることが発表されている。ここで、証憑を受領する宛先事業者が電子文書をやり取りする新たなネットワークに対応していない場合に、宛先事業者へ証憑を届ける手段を確認する必要が生じ、証憑を発行する発行事業者における処理が煩雑となる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、証憑の宛先事業者が受領できる送信方法により証憑データを送信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のデータ処理装置においては、証憑の宛先事業者と、第1の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第1宛先識別情報、第2の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第2宛先識別情報及び第3の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第3宛先識別情報の少なくともいずれかと、を関連付けた宛先データを記憶する記憶部と、前記宛先事業者を示す情報と、前記証憑を識別する証憑識別情報と、を少なくとも含む、前記宛先事業者へ送信する前記証憑の電子データである証憑データを生成する生成部と、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されている場合は前記第1の送信方法を送信方法として選択し、前記宛先データにおいて前記宛先事業者の前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合は前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法を送信方法として選択する選択部と、前記選択部が選択した送信方法により前記証憑データを送信する送信部と、を有する。
【0007】
前記生成部が生成した前記証憑データのデータ形式を、前記選択部が選択した前記送信方法ごとに異なるデータ形式へ変換する変換部をさらに有し、前記送信部は、前記選択部が選択した前記送信方法に対応する前記データ形式に前記変換部が変換した前記証憑データを送信してもよい。
【0008】
前記送信部が送信した前記証憑データが、前記第1の送信方法において前記証憑データを中継する中継装置へ到達したか否かを判定する判定部をさらに有し、前記送信部は、前記第1の送信方法で前記証憑データを送信後、送信した前記証憑データが前記中継装置へ到達していないと前記判定部が判定した場合、前記証憑データを前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法により送信してもよい。
【0009】
前記送信部は、前記第1の送信方法で前記証憑データを送信後、送信した前記証憑データが前記中継装置へ到達していないと前記判定部が判定した場合において、前記宛先データにおいて前記宛先事業者の前記第2宛先識別情報及び前記第3宛先識別情報が記憶されていない場合、前記証憑データが送信できないことをユーザに警告する警告情報をユーザが使用する端末に送信してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記宛先事業者と、前記第1宛先識別情報と、前記第2宛先識別情報と、前記第3宛先識別情報と、前記第2の送信方法及び前記第3の送信方法それぞれの優先度とを関連付けた前記宛先データを記憶し、前記選択部は、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合は、前記優先度に基づいて前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法のいずれかを前記送信方法として選択してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記宛先事業者と、前記第1宛先識別情報と、前記第2宛先識別情報と、前記第3宛先識別情報と、前記第1の送信方法、前記第2の送信方法及び前記第3の送信方法それぞれの優先度と、を関連付けた前記宛先データを記憶し、前記選択部は、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記優先度が記憶されている場合、前記優先度に基づいて前記第1の送信方法、前記第2の送信方法及び前記第3の送信方法のいずれかを前記送信方法として選択し、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記優先度が記憶されておらず、かつ、前記第1宛先識別情報が記憶されている場合、前記第1の送信方法を前記送信方法として選択し、前記宛先データにおいて、前記生成部が生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記優先度及び前記宛先事業者の前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合、前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法を前記送信方法として選択してもよい。
【0012】
前記送信部が前記第1の送信方法により前記証憑データを送信後、前記第1の送信方法において前記証憑データを中継する中継装置から前記証憑データの送信結果を受信し、前記証憑データに含まれる前記証憑識別情報と前記送信結果とを関連付けて前記記憶部に記憶させる送信結果受信部をさらに有してもよい。
【0013】
前記記憶部は、前記送信部が送信した1以上の前記証憑データそれぞれが前記宛先事業者において参照されたか否かを示す参照有無データをさらに記憶し、前記送信結果受信部は、前記送信部が前記第1の送信方法により送信した前記証憑データが前記宛先事業者において参照されたことを示す参照通知と送信した前記証憑データの前記証憑識別情報とを関連付けてさらに受信し、前記参照通知を受信した場合に前記証憑データが参照されたことを前記参照有無データに記憶させてもよい。
【0014】
前記参照有無データの表示要求を受け付ける受付部と、前記受付部が前記表示要求を受け付けると、前記記憶部に記憶された前記1以上の参照有無データを表示させるよう制御する表示制御部と、をさらに有してもよい。
【0015】
前記生成部は、前記証憑に対する入金期限をさらに含む前記証憑データを生成し、前記送信部は、送信した前記証憑データを前記記憶部に記憶させ、前記データ処理装置は、取引先からの入金を示す入金情報を取得する入金情報取得部と、前記入金期限が到来した前記証憑データのうち、前記入金情報が取得されていない証憑データを表示させるよう制御する警告情報表示部と、をさらに有してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様のデータ処理方法においては、コンピュータが実行する、宛先事業者を示す情報と、証憑を識別する証憑識別情報と、を少なくとも含む、前記宛先事業者へ送信する前記証憑の電子データである証憑データを生成するステップと、記憶部に記憶された証憑の宛先事業者と、第1の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第1宛先識別情報、第2の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第2宛先識別情報及び第3の送信方法による前記宛先事業者の宛先識別情報である第3宛先識別情報の少なくともいずれかと、を関連付けた宛先データを参照し、前記宛先データにおいて、前記生成するステップにおいて生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されている場合は前記第1の送信方法を送信方法として選択するステップと、前記宛先データにおいて、前記生成するステップにおいて生成した前記証憑データの前記宛先事業者に関連付けて前記第1宛先識別情報が記憶されていない場合は前記第2の送信方法又は前記第3の送信方法を送信方法として選択するステップと、選択した前記送信方法により前記証憑データを送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、証憑の宛先事業者が受領できる送信方法により証憑データを送信することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】データ処理システムSの構成を説明する図である。
図2】データ処理システムSにおける処理の概要を説明する図である。
図3】データ処理装置1の構成を示すブロック図である。
図4】記憶部12が記憶する宛先データのデータ構造の一例を示す図である。
図5】記憶部12が記憶する送信記録データの一例を示す図である。
図6】記憶部12が記憶する入金記録データの一例を示す図である。
図7】データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[データ処理装置1の概要]
図1は、データ処理システムSの構成を説明する図である。データ処理システムSは、証憑を電子的に処理するためのシステムである。データ処理システムSは、データ処理装置1、情報端末2A、情報端末2B、会計処理装置3及びFAX受信機4を有する。データ処理装置1は、受領側事業者における情報端末2B、会計処理装置3及びFAX受信機4とそれぞれ異なる通信方法により通信可能に接続されている。
【0020】
データ処理装置1は、一例として、インボイスネットワークN1を介して会計処理装置3へ証憑データを送信し、インターネットN2を介して電子メールにより情報端末2Bへ証憑データを送信し、又は公衆電話網N3を介してFAXによりFAX受信機4へ証憑データを送信する。受領側事業者は全ての受信手段を具備しなくてもよく、情報端末2B、会計処理装置3及びFAX受信機4の少なくともいずれかにより証憑データを受信することができる。
【0021】
データ処理装置1は、発行した証憑の電子データである証憑データを証憑の宛先事業者に応じた送信方法で送信する装置である。データ処理装置1は、例えばサーバである。情報端末2Aは、データ処理装置1を操作する端末である。情報端末2Bは、会計処理装置3を操作し、受領した証憑データを閲覧するための端末である。情報端末2A及び情報端末2Bは例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータである。証憑データは例えば、納品書、請求書、受領書、領収書等の取引の事実を証明する書類の電子データである。
【0022】
会計処理装置3は、証憑データを受信し、受信した証憑データの仕訳等の処理をするための装置である。会計処理装置3は、例えばサーバである。
【0023】
インボイスネットワークN1は、ネットワークに参加する参加者同士で証憑データを授受するためのネットワークである。インボイスネットワークN1においては、例えばPEPPOLの仕様に準拠した証憑データが授受される。インボイスネットワークN1は、インターネット又はイントラネット等、他のネットワークを含んでもよい。
【0024】
図2は、データ処理システムSにおける処理の概要を説明する図である。図2の例では、インボイスネットワークN1を介して証憑データを送信する例を説明する。情報端末2Aは、経理データをデータ処理装置1に送信する(図2における(1))。経理データは、証憑データを生成するために必要な情報である。経理データは例えば、宛先事業者名、宛先事業者を識別する事業者識別番号、請求対象となる商品名又はサービス名、請求額等を含む。
【0025】
データ処理装置1は、情報端末2Aから受信した経理データに基づいて証憑データを生成する(図2における(2))。データ処理装置1は、宛先データを参照し受領側事業者に証憑データを送信する方法を選択する(図2における(3))。宛先データは、宛先事業者と、宛先事業者が対応する少なくとも1以上の送信方法それぞれにおける宛先事業者の宛先識別情報とを関連付けた情報である。
【0026】
データ処理装置1は、証憑データを中継装置5に送信する(図2における(4))。中継装置5は、インボイスネットワークN1において証憑データの授受を中継する装置である。中継装置5は、例えば、PePPOL AP(Access Point)である。そして、中継装置5は、会計処理装置3に証憑データを送信する(図2における(5))。
【0027】
図3は、データ処理装置1の構成を示すブロック図である。データ処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、生成部131、選択部132、変換部133、送信部134、判定部135、送信結果受信部136、受付部137、表示制御部138、入金情報取得部139及び警告情報表示部140を有する。
【0028】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置と通信するための通信インターフェースである。記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部12は、制御部13を機能させるための各種のプログラムを記憶する。
【0029】
記憶部12は、証憑の宛先事業者と、第1の送信方法による宛先事業者の宛先識別情報である第1宛先識別情報、第2の送信方法による宛先事業者の宛先識別情報である第2宛先識別情報及び第3の送信方法による宛先事業者の宛先識別情報である第3宛先識別情報の少なくともいずれかと、を関連付けた宛先データを記憶する。
【0030】
図4は、記憶部12が記憶する宛先データのデータ構造の一例を示す図である。図4に示す宛先データにおいては、事業者と、各事業者が対応可能な送信方法における宛先識別情報と、が関連付けて記憶されている。送信方法1(第1の送信方法とも言う)には、インボイスネットワークN1を介して証憑データを送信する場合の宛先識別情報が記憶されている。送信方法1の宛先識別情報は例えばPePPOL ID(Identification)である。送信方法2(第2の送信方法とも言う)には、電子メールで証憑データを送信する場合の宛先識別情報であるメールアドレスが記憶されている。送信方法3(第3の送信方法とも言う)には、FAXで証憑データを送信した場合の宛先識別情報である電話番号が記憶されている。
【0031】
なお、事業者は少なくとも1以上の送信方法に対応すればよい。宛先識別情報が空欄の送信方法は、事業者が当該送信方法により送信された証憑データの受信に対応していないことを示す。図4における宛先データにおいては、事業者Bは送信方法3に対応していないことを示している。
【0032】
記憶部12は、宛先事業者と、第1宛先識別情報と、第2宛先識別情報と、第3宛先識別情報と、第1の送信方法、第2の送信方法及び第3の送信方法それぞれの優先度と、を関連付けた宛先データを記憶する。図4に示す宛先データにおいては、宛先事業者と関連付けて、それぞれの送信方法における優先度が記憶されている。一例として優先度は、数値で表され、値が小さいほど優先順位が高いことを示す。図4に示す宛先データの「事業者」Aにおいては、送信方法1(優先度1)、送信方法3(優先度2)、送信方法2(優先度3)の順に優先順位が高いことを示している。
【0033】
なお、記憶部12は、宛先データが変更された場合に宛先データの変更履歴を示す履歴情報を記憶してもよい。この場合、記憶部12は、宛先データの変更処理を行ったユーザID、変更の承認を行ったユーザID、変更された日時、変更された内容等の情報を履歴情報として記憶する。
【0034】
記憶部12は、送信部134が送信した1以上の証憑データそれぞれが宛先事業者において参照されたか否かを示す参照有無データをさらに記憶する。記憶部12が記憶する送信記録データの一例を示す図である。図5に示す送信記録データにおいては、証憑識別情報と、宛先事業者と、送信方法と、送信日時と、送信結果と、参照有無データと、が関連付けて記憶されている。
【0035】
送信記録データにおける送信方法は、証憑データを送信した際に選択された送信方法が記憶されている。「1」は送信方法1に、「2」は送信方法2に、「3」は送信方法3にそれぞれ対応する。送信記録データにおける送信結果は、証憑データを正常に送信できたか否かを示している。ここで、「OK(到達)」は、送信方法1での送信が完了しており、中継装置5から正常に送信されたことを示す送信結果情報を受信したことを示す。「NG(送信方法2で再送済み)」は、送信方法2での送信後、送信結果情報を受信出来ない等の異常があり、送信方法2で再送したことを示す。「NG」は、証憑データを送信できなかったことを示す。
【0036】
送信記録データにおける参照有無データは、送信方法1で証憑データが送信された場合に、送信先の事業者において証憑データが参照されたか否かを示す情報である。参照有無データにおいては、送信結果受信部136が参照通知を受信した場合に「済」が記憶され、参照通知を受信していない場合は「未」が記憶される。参照有無データにおける「-」は送信方法1で送信されていないことを示している。
【0037】
図6は、記憶部12が記憶する入金記録データの一例を示す図である。入金記録データは、送信した証憑に対応する入金がされたか否かを示す情報である。入金記録データは少なくとも証憑識別情報、宛先事業者、証憑の入金期限、入金有無を含む。入金有無は入金情報を受信したか否かを示す情報である。
【0038】
図3に戻り、制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより、生成部131、選択部132、変換部133、送信部134、判定部135、送信結果受信部136、受付部137、表示制御部138、入金情報取得部139及び警告情報表示部140として機能する。
【0039】
生成部131は、宛先事業者を示す情報と、証憑を識別する証憑識別情報と、を少なくとも含む、宛先事業者へ送信する証憑の電子データである証憑データを生成する。生成部131は、情報端末2Aより経理データを取得し、取得した経理データに基づいて証憑データを生成する。証憑データは、例えば、宛先事業者名、宛先事業者識別番号、発行元事業者名、発行元事業者識別番号、証憑番号、発行日、請求書対象となる商品名又はサービス名、請求額、税額、振込先口座番号等を含む。証憑データには、証憑に対する入金期限が含まれていてもよい。
【0040】
選択部132は、宛先データにおいて、生成部131が生成した証憑データの宛先事業者に関連付けて第1宛先識別情報が記憶されている場合は第1の送信方法を送信方法として選択し、宛先データにおいて宛先事業者の第1宛先識別情報が記憶されていない場合は第2の送信方法又は第3の送信方法を送信方法として選択する。選択部132は、記憶部12に記憶された宛先データを参照し、証憑データに含まれる宛先事業者に対応する送信方法を選択する。選択部132は、選択した送信方法における宛先識別情報を取得し、送信部134に入力する。
【0041】
例えば、証憑データの宛先事業者が「事業者A」である場合、送信方法1の宛先識別情報が記憶されているため、選択部132は、送信方法1を選択する。また、証憑データの宛先事業者が「事業者C」である場合、送信方法1の宛先識別情報が記憶されていないため、選択部132は、送信方法2又は送信方法3のいずれかを送信方法として選択する。
【0042】
なお、送信方法2と送信方法3の両方が選択可能な場合における選択方法は任意である。送信部134は、例えば前回送信した送信方法を参照して選択してもよいし、後述するように優先度に従って選択してもよい。
【0043】
送信部134は、選択部132が選択した送信方法により証憑データを送信する。送信部134は、選択部132から取得した宛先識別情報を宛先として、選択部132が選択した送信方法により、生成部131から取得した証憑データを送信する。送信部134は、送信した証憑データを記憶部12に記憶させてもよい。
【0044】
ところで、選択部132が選択した送信方法ごとに送信可能なデータ形式が異なる場合がある。そこで、データ処理装置1が、生成した証憑データを、選択した送信方法に対応するデータ形式に変換すると、ユーザが送信方法ごとに異なるデータ形式を意識しなくてよいため、ユーザの利便性が高い。
【0045】
変換部133は、生成部131が生成した証憑データのデータ形式を、選択部132が選択した送信方法ごとに異なるデータ形式へ変換する。変換部133は、一例として、送信方法1が選択された場合、証憑データのデータ形式をインボイスネットワークにおける標準化されたデータ形式であるXML形式に変換する。変換部133は、送信方法2が選択された場合、証憑データのデータ形式をPDF形式に変換する。変換部133は、送信方法3が選択された場合、証憑データのデータ形式を画像データに変換する。そして、送信部134は、選択部132が選択した送信方法に対応するデータ形式に変換された証憑データを送信する。
【0046】
例えばネットワークやサーバの障害等により選択した送信方法により証憑データを送信できないことが考えられる。このような場合に、選択した送信方法とは異なる送信方法により証憑データを再送するように送信部134が構成されると、ユーザの利便性が向上する。
【0047】
判定部135は、送信部134が送信した証憑データが、第1の送信方法において証憑データを中継する中継装置5に到達したか否かを判定する。具体的には、送信結果受信部136は、送信部134が、送信方法1で証憑データを送信した場合、中継装置5から証憑データを正常に受信したか否かを示す送信結果情報を受信する。
【0048】
判定部135は、受信した送信結果情報が証憑データを受信したことを示す場合、証憑データが中継装置5に到達したと判定する。判定部135は、送信結果受信部136が所定の期間内に中継装置5から送信結果情報を受信しない場合又は受信した送信結果情報が正常に受信できなかったことを示す場合に、証憑データが中継装置5に到達しなかったと判定する。判定部135は判定した結果を送信部134に入力する。
【0049】
送信部134は、第1の送信方法で証憑データを送信後、送信した証憑データが中継装置5へ到達していないと判定部135が判定した場合、証憑データを第2の送信方法又は第3の送信方法により送信する。すなわち、証憑データが中継装置5に到達しなかったと判定部135が判定した場合、選択部132は、記憶部12に記憶された宛先データを参照し、送信方法2又は送信方法3のうち証憑データに含まれる宛先事業者に対応する送信方法を選択する。選択部132は、選択した送信方法における宛先識別情報を取得し、送信部134に入力する。そして、送信部134は、選択部132から取得した宛先識別情報を宛先として、選択部132が選択した送信方法により、証憑データを送信する。
【0050】
ところで、宛先の事業者が送信方法2及び送信方法3のいずれにも対応していない場合に、データ処理装置1が他の手段で再送できなかったことを示す警告メッセージを表示すると、証憑を発行する事業者におけるユーザが適切な対応を取ることができる。
【0051】
そこで、送信部134は、第1の送信方法で証憑データを送信後、送信した証憑データが中継装置5へ到達していないと判定部135が判定した場合において、宛先データにおいて宛先事業者の第2宛先識別情報及び第3宛先識別情報が記憶されていない場合、証憑データが送信できないことをユーザに警告する警告情報をユーザが使用する情報端末2Aに送信する。証憑データが中継装置5に到達しなかったと判定部135が判定した場合において、選択部132が記憶部12に記憶された宛先データを参照した結果、宛先事業者が送信方法2及び送信方法3のいずれの宛先識別情報も記憶されていない場合、送信部134は、情報端末2Aに警告情報を送信する。
【0052】
ところで、送信方法1に対応していない事業者であって、送信方法2と送信方法3とのいずれにも対応可能な事業者に対して、宛先事業者ごとに設定された優先度に基づいて送信方法を選択することで、請求書を受領する事業者の要望に柔軟に応えることができる。
【0053】
選択部132は、宛先データにおいて、生成部131が生成した証憑データの宛先事業者に関連付けて第1宛先識別情報が記憶されていない場合は、優先度に基づいて第2の送信方法又は第3の送信方法のいずれかを送信方法として選択する。宛先事業者が送信方法1に対応していない場合、選択部132は、記憶部12に記憶された宛先データにおける優先度を参照し優先順位が最も高い送信方法を選択する。例えば、証憑データの宛先事業者が「事業者D」である場合、送信方法2の優先度が「1」であり、送信方法3の優先度が「2」であるため、優先順位がより高い送信方法2を送信方法として選択する。
【0054】
なお、上記の例では送信方法1に対応していない事業者に証憑データを送信する際に優先度に基づいて送信方法を選択する例を説明したが、宛先データに優先度が記憶されている場合は、送信方法を含む宛先事業者が対応可能な送信方法から、優先度に基づいて送信方法を選択するようデータ処理装置1が構成されてもよい。
【0055】
この場合、選択部132は、宛先データにおいて、生成部131が生成した証憑データの宛先事業者に関連付けて優先度が記憶されている場合、優先度に基づいて第1の送信方法、第2の送信方法及び第3の送信方法のいずれかを送信方法として選択する。そして、選択部132は、宛先データにおいて、生成部131が生成した証憑データの宛先事業者に関連付けて優先度が記憶されておらず、かつ、第1宛先識別情報が記憶されている場合、第1の送信方法を送信方法として選択し、宛先データにおいて、生成部131が生成した証憑データの宛先事業者に関連付けて優先度及び宛先事業者の第1宛先識別情報が記憶されていない場合、第2の送信方法又は第3の送信方法を送信方法として選択する。
【0056】
ところで、データ処理装置1が送信した証憑データの送信結果を管理し、表示要求に基づいて送信結果を表示することができると、発行側事業者におけるユーザが証憑の発行状況を管理しやすくなる。
【0057】
そこで、送信結果受信部136は、送信部134が第1の送信方法により証憑データを送信後、第1の送信方法において証憑データを中継する中継装置5から証憑データの送信結果を受信し、証憑データに含まれる証憑識別情報と送信結果とを関連付けて記憶部12に記憶させる。すなわち、送信結果受信部136は、上述の送信結果情報を受信し、送信記録データに受信した送信結果情報が示す送信結果を記憶させる。
【0058】
受付部137は送信結果の表示要求を情報端末2Aから表示要求を受信し、表示制御部138は、送信記録データを参照し、証憑識別情報と証憑の送信結果とを少なくとも含む情報を情報端末2Aに表示させる。
【0059】
また、証憑データの送信先の事業者において証憑データが参照されたか否かを管理し、発行側の事業者において閲覧できるように構成されてもよい。データ処理装置1がこのように構成されることで、発行側事業者は証憑データが送信先の事業者で参照されていない場合に必要な対応をとることができる。
【0060】
送信結果受信部136は、送信部134が第1の送信方法により送信した証憑データが宛先事業者において参照されたことを示す参照通知と送信した証憑データの証憑識別情報とを関連付けてさらに受信し、参照通知を受信した場合に証憑データが参照されたことを参照有無データに記憶させる。この場合、受領側事業者の会計処理装置3は、受領側事業者のユーザが証憑データを参照した場合、受信した証憑データの証憑識別情報と関連付けられた参照通知を、中継装置5を介してデータ処理装置1に送信する。そして、送信結果受信部136は、参照通知を受信した場合、参照通知に関連付けられた証憑識別情報に送信記録データにおいて対応する証憑データの参照有無データに、参照されたことを示す「済」を記憶させる。
【0061】
受付部137は、参照有無データの表示要求を受け付ける。受付部137は、情報端末2Aから表示要求を受信する。表示制御部138は、受付部137が表示要求を受け付けると、記憶部12に記憶された1以上の参照有無データを表示させるよう制御する。表示制御部138は、1以上の証憑識別情報と参照有無データとを少なくとも含む画面を情報端末2Aに表示させる。
【0062】
なお、受付部137は、宛先事業者において参照されていない証憑データを表示する要求を情報端末2Aから受信してもよい。この場合、表示制御部138は送信記録データに記憶された証憑データのうち、参照有無データに「未」が記憶されているデータを表示させる。
【0063】
データ処理装置1において、送信した証憑データが入金されたか否かを管理できると、入金がされていない場合に発行側事業者において未入金を確認することができ、必要な対応を取ることができる。
【0064】
入金情報取得部139は、取引先からの入金を示す入金情報を取得する。入金情報取得部139は、入金の対象となる証憑識別情報と、入金額と、を少なくとも含む入金情報を不図示の入金管理サーバから取得する。そして、入金情報取得部139は、入金情報に含まれる証憑識別情報に送信記録データにおいて対応する証憑データが入金されたことを記憶させる。
【0065】
警告情報表示部140は、入金期限が到来した証憑データのうち、入金情報が取得されていない証憑データを表示させるよう制御する。例えば、警告情報表示部140は、送信記録データを参照し、入金期限が到来している証憑データであって、入金されていないことを示す証憑データを抽出する。一例として、警告情報表示部140は、所定の周期(例えば24時間)で入金されていない証憑データを抽出する処理を実施する。そして、入金されていない証憑データが存在する場合、警告情報表示部140は、情報端末2Aがデータ処理装置1にアクセスした場合に入金されていない証憑データの一覧を表示させるよう制御する。
【0066】
[データ処理装置1における処理の流れ]
図7、データ処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、情報端末2Aが経理データを送信する準備ができた時点から開始している。
【0067】
生成部131は、経理データを情報端末2Aから取得する(S01)。生成部131は、取得した経理データより証憑データを生成する(S02)。選択部132は、記憶部12に記憶された宛先データを参照し、経理データに含まれる宛先事業者に対応する送信方法を選択する(S03)。選択部132は、選択した送信方法に対応する宛先事業者の宛先識別情報を取得する。
【0068】
変換部133は、証憑データのデータ形式を、選択した送信方法に対応するデータ形式に変換する(S04)。そして、選択した送信方法に対応する宛先へ、変換した証憑データを送信する(S05)。
【0069】
判定部135は、選択部132が選択した送信方法が第1の送信方法であるかを判定する(S06)。選択部132が選択した送信方法が第1の送信方法でない場合(S06におけるN)、データ処理装置1は処理を終了する。選択部132が選択した送信方法が第1の送信方法である場合(S06におけるY)、送信結果受信部136は、送信結果情報を取得する(S07)。
【0070】
判定部135は、取得した送信結果情報に基づいて、証憑データが中継装置5に到達したか否かを判定する(S08)。証憑データが中継装置5に到達している場合(S08におけるY)、データ処理装置1は、処理を終了する。
【0071】
証憑データが中継装置5に到達していない場合(S08におけるN)、選択部132は、宛先事業者に対応する他の送信方法があるかを判定する(S09)。選択部132は、例えば、宛先データにおいて、宛先事業者の第2の送信方法又は第3の送信方法に対応する宛先識別情報が記憶されている場合、他の送信方法があると判定する。
【0072】
他の送信方法がある場合(S09におけるY)、送信部134は、他の送信方法のいずれかの送信方法を選択し、選択した送信方法により証憑データを再送し(S10)、データ処理装置1は、処理を終了する。送信部134は、例えば、宛先データに記憶された優先度に従って送信方法を選択する。
【0073】
他の送信方法がない場合(S09におけるN)、送信部134は、証憑データが送信できないことをユーザに警告する警告情報を情報端末2Aに送信し(S11)、データ処理装置1は処理を終了する。
【0074】
[データ処理装置1による効果]
以上説明したように、データ処理装置1においては、証憑の宛先事業者と、第1の送信方法による宛先事業者の宛先識別情報である第1宛先識別情報、第2の送信方法による宛先識別情報である第2宛先識別情報及び第3の送信方法による宛先識別情報である第3宛先識別情報の少なくとも1以上の送信方法による宛先事業者の宛先識別情報を関連付けた宛先データを記憶する記憶部12と、宛先事業者へ送信する証憑データを生成する生成部131と、宛先データにおいて、生成部131が生成した証憑データの宛先事業者に関連付けて第1宛先識別情報が記憶されている場合は第1の送信方法を送信方法として選択し、宛先データにおいて宛先事業者の第1宛先識別情報が記憶されていない場合は第2の送信方法又は第3の送信方法を送信方法として選択する選択部132と、選択部132が選択した送信方法により証憑データを送信する送信部134と、を有する。
【0075】
データ処理装置1がこのように構成されることで、証憑の宛先事業者に応じた送信方法により証憑データを送信することができる。
【0076】
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0077】
1 データ処理装置
2 情報端末
3 会計処理装置
4 FAX受信機
5 中継装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 生成部
132 選択部
133 変換部
134 送信部
135 判定部
136 送信結果受信部
137 受付部
138 表示制御部
139 入金情報取得部
140 警告情報表示部
【要約】
証憑の宛先事業者と、第1の送信方法による宛先情報である第1宛先識別情報、第2の送信方法による宛先情報である第2宛先識別情報及び第3の送信方法による宛先情報である第3宛先識別情報の少なくともいずれかと、を関連付けた宛先データを記憶する記憶部12と、宛先事業者を示す情報と、証憑を識別する証憑識別情報と、を少なくとも含む、宛先事業者へ送信する証憑データを生成する生成部131と、宛先データにおいて、生成部が生成した証憑データの宛先事業者に関連付けて第1宛先識別情報が記憶されている場合は第1の送信方法を送信方法として選択し、宛先データにおいて宛先事業者の第1宛先識別情報が記憶されていない場合は第2の送信方法又は第3の送信方法を送信方法として選択する選択部132と、選択部が選択した送信方法により証憑データを送信する送信部133と、を有するデータ処理装置1である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7