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特許7201285飛翔体、飛翔体の座具付きキャビン、飛翔体のキャビン、及び、飛翔体の座具
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  • 特許-飛翔体、飛翔体の座具付きキャビン、飛翔体のキャビン、及び、飛翔体の座具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】飛翔体、飛翔体の座具付きキャビン、飛翔体のキャビン、及び、飛翔体の座具
(51)【国際特許分類】
   B64B 1/22 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
B64B1/22
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022163906
(22)【出願日】2022-10-12
【審査請求日】2022-10-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520365229
【氏名又は名称】株式会社岩谷技研
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 圭介
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4619422(US,A)
【文献】米国特許第2950881(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0048203(US,A1)
【文献】特開2003-212190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64B 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンであって、
乗員を収容する空間を形成する本体と、
前記本体の内側に設けられ、前記乗員が座るための座具を吊り下げる2以上の索体である吊索の各々に関し、当該吊索が連結される被連結部と
を備えるキャビン。
【請求項2】
前記被連結部を3以上備える
請求項1に記載のキャビン。
【請求項3】
前記被連結部の1以上は、前記本体の壁又は天井の内側面上に設けられている
請求項1に記載のキャビン。
【請求項4】
前記本体の内側の、前記本体の壁から離れた位置に設けられた柱を備え、
前記被連結部の1以上は、前記柱の外側面上に設けられている
請求項1に記載のキャビン。
【請求項5】
前記被連結部を上側被連結部とするとき、
前記本体の内側に設けられ、前記座具を下方向、斜め下方向、及び、横方向のいずれかに引っ張る1以上の索体である張索の各々に関し、当該張索が連結される被連結部である下側被連結部を備える
請求項1に記載のキャビン。
【請求項6】
前記下側被連結部を2以上備える
請求項5に記載のキャビン。
【請求項7】
前記下側被連結部の1以上は、前記本体の壁又は床の内側面上に設けられている
請求項5に記載のキャビン。
【請求項8】
前記本体の内側の、前記本体の壁から離れた位置に設けられた柱を備え、
前記下側被連結部の1以上は、前記柱の外側面上に設けられている
請求項5に記載のキャビン。
【請求項9】
周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンに収容された乗員が座るための座具であって、
前記キャビンから下方向に伸びる2以上の索体である吊索の各々に関し、当該吊索に連結される被連結部を備え、
前記被連結部に連結された吊索によって前記キャビンの内側に吊り下げられた状態で前記乗員を保持する
座具。
【請求項10】
前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である本体と、
前記本体の右上部と前記本体の右下部とに連結された右吊索と、
前記本体の左上部と前記本体の左下部とに連結された左吊索と
を備え、
前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記右吊索に連結されており、
前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記左吊索に連結されている
請求項9に記載の座具。
【請求項11】
前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である本体と、
前記本体の右上部から伸びる索体である右上吊索と、
前記本体の右下部から伸びる索体である右下吊索と、
前記本体の左上部から伸びる索体である左上吊索と、
前記本体の左下部から伸びる索体である左下吊索と
を備え、
前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記右上吊索と前記右下吊索の各々に連結されており、
前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記左上吊索と前記左下吊索の各々に連結されている
請求項9に記載の座具。
【請求項12】
前記被連結部を上側被連結部とするとき、
前記キャビンから上方向、斜め上方向、及び、横方向のいずれかに伸びる1以上の索体である張索の各々に関し、当該張索に連結される下側被連結部を備え、
前記下側被連結部に連結された張索によって下方向、斜め下方向、及び、横方向のいずれかに引っ張られた状態で前記乗員を保持する
請求項9に記載の座具。
【請求項13】
前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である本体を備え、
前記下側被連結部は、前記本体の下面上又は縁部に設けられている
請求項12に記載の座具。
【請求項14】
前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である可撓性シート状の本体を備える
請求項9に記載の座具。
【請求項15】
前記乗員を保持した状態において前記乗員の太腿に接して前記乗員の安定性を高める帯状部材を備える
請求項9に記載の座具。
【請求項16】
前記乗員を保持した状態において前記乗員の肩に接して前記乗員の安定性を高める帯状部材を備える
請求項9に記載の座具。
【請求項17】
周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンと、
前記キャビンに収容されている乗員が座るための座具であって、前記キャビンの内側において2以上の索体である吊索により吊り下げられた状態で前記乗員を保持する座具と、
前記2以上の吊索と
を備える座具付きキャビン。
【請求項18】
周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢と、
前記気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンと、
前記キャビンに収容されている乗員が座るための座具であって、前記キャビンの内側において2以上の索体である吊索により吊り下げられた状態で前記乗員を保持する座具と、
前記2以上の吊索と
を備える飛翔体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の空気より軽量な空気を収容する気嚢に生じる浮力により飛翔する飛翔体に関する。
【背景技術】
【0002】
周囲の空気より軽量な気体(以下、「軽量ガス」という)を収容する袋体である気嚢を備え、気嚢に生じる浮力により飛翔する気球(ガス気球、熱気球等)、飛行船等の飛翔体のあるものは、乗員(人間)を乗せて飛翔するように設計されている。そのような飛翔体(以下、「有人飛翔体」という)は、乗員を収容する容器であるキャビンを備える。
【0003】
例えば、特許文献1には、乗員を収容したドローン本体を気球で吊って飛翔させる構造を備えた有人ドローンが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-97345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飛翔体は飛翔中、風等の力を受けて大きく動揺する場合がある。有人飛翔体のキャビンに収容される乗員が有人飛翔体の動揺により転倒等をすると、乗員が怪我をしたり、キャビンが損傷したりする危険がある。
【0006】
上記の事情に鑑み、本発明は、気嚢により飛翔する有人飛翔体により飛翔する乗員を安定的に保持する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンであって、乗員を収容する空間を形成する本体と、前記本体の内側に設けられ、前記乗員が座るための座具を吊り下げる2以上の索体である吊索の各々に関し、当該吊索が連結される被連結部とを備えるキャビンを第1の態様として提案する。
【0008】
第1の態様に係るキャビンによれば、吊索で座具を吊り下げることで、その座具に座る乗員を安定的に保持できる。
【0009】
第1の態様に係るキャビンにおいて、前記被連結部を3以上備える、という構成が第2の態様として採用されてもよい。
【0010】
第2の態様に係るキャビンによれば、3以上の吊索で座具を吊ることで、2本の吊索で座具を吊る場合と比較し、座具がより安定する。
【0011】
第1の態様に係るキャビンにおいて、前記被連結部の1以上は、前記本体の壁又は天井の内側面上に設けられている、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
【0012】
第3の態様に係るキャビンによれば、吊索を介して座具を吊るための柱等の構造物を要さないため、それらの構造物を要する場合と比較し、飛翔体のロードが軽量化される。
【0013】
第1の態様に係るキャビンにおいて、前記本体の内側の、前記本体の壁から離れた位置に設けられた柱を備え、前記被連結部の1以上は、前記柱の外側面上に設けられている、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
【0014】
第4の態様に係るキャビンによれば、キャビンの形状や大きさによって全ての被連結部をキャビンの壁又は天井に取り付けられない場合であっても、キャビン内の必要な位置に柱を設けることで、座具を吊索により吊り下げることができる。
【0015】
第1の態様に係るキャビンにおいて、前記被連結部を上側被連結部とするとき、前記本体の内側に設けられ、前記座具を下方向、斜め下方向、及び、横方向のいずれかに引っ張る1以上の索体である張索の各々に関し、当該張索が連結される被連結部である下側被連結部を備える、という構成が第5の態様として採用されてもよい。
【0016】
第5の態様に係るキャビンによれば、座具が吊索により引き上げられる方向とは異なる方向に張索により引っ張られることにより、座具がより安定する。
【0017】
第5の態様に係るキャビンにおいて、前記下側被連結部を2以上備える、という構成が第6の態様として採用されてもよい。
【0018】
第6の態様に係るキャビンによれば、2以上の張索で座具を異なる方向に引っ張ることで、1本の張索で座具を引っ張る場合と比較し、座具がより安定する。
【0019】
第5の態様に係るキャビンにおいて、前記下側被連結部の1以上は、前記本体の壁又は床の内側面上に設けられている、という構成が第7の態様として採用されてもよい。
【0020】
第7の態様に係るキャビンによれば、張索を介して座具を引っ張るための柱等の構造物を要さないため、それらの構造物を要する場合と比較し、飛翔体のロードが軽量化される。
【0021】
第5の態様に係るキャビンにおいて、前記本体の内側の、前記本体の壁から離れた位置に設けられた柱を備え、前記下側被連結部の1以上は、前記柱の外側面上に設けられている、という構成が第8の態様として採用されてもよい。
【0022】
第8の態様に係るキャビンによれば、キャビンの形状や大きさによって全ての下側被連結部をキャビンの壁又は天井に取り付けられない場合であっても、キャビン内の必要な位置に柱を設けることで、座具を張索により引っ張ることができる。
【0023】
また、本発明は、周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンに収容された乗員が座るための座具であって、前記キャビンから下方向に伸びる2以上の索体である吊索の各々に関し、当該吊索に連結される被連結部を備え、前記被連結部に連結された吊索によって前記キャビンの内側に吊り下げられた状態で前記乗員を保持する座具を第9の態様として提案する。
【0024】
第9の態様に係る座具によれば、キャビン内で乗員を吊り下げた状態で安定的に保持できる。
【0025】
第9の態様に係る座具において、前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である本体と、前記本体の右上部と前記本体の右下部とに連結された右吊索と、前記本体の左上部と前記本体の左下部とに連結された左吊索とを備え、前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記右吊索に連結されており、前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記左吊索に連結されている、という構成が第10の態様として採用されてもよい。
【0026】
第10の態様に係る座具によれば、右吊索と左吊索の長さを変更することで、座具の左右の傾きを調整できる。また、右吊索と左吊索の各々に対する被連結部の位置を変更することで、右吊索と左吊索の一部に負荷が集中しないように調整できる。
【0027】
第9の態様に係る座具において、前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である本体と、前記本体の右上部から伸びる索体である右上吊索と、前記本体の右下部から伸びる索体である右下吊索と、前記本体の左上部から伸びる索体である左上吊索と、前記本体の左下部から伸びる索体である左下吊索とを備え、前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記右上吊索と前記右下吊索の各々に連結されており、前記2以上の被連結部のうちの1つは、前記左上吊索と前記左下吊索の各々に連結されている、という構成が第11の態様として採用されてもよい。
【0028】
第11の態様に係る座具によれば、右上吊索、右下吊索、左上吊索、及び、左下吊索の長さを変更することで、座具の吊られる位置や左右の傾きを調整できる。
【0029】
第9の態様に係る座具において、前記被連結部を上側被連結部とするとき、前記キャビンから上方向、斜め上方向、及び、横方向のいずれかに伸びる1以上の索体である張索の各々に関し、当該張索に連結される下側被連結部を備え、前記下側被連結部に連結された張索によって下方向、斜め下方向、及び、横方向のいずれかに引っ張られた状態で前記乗員を保持する、という構成が第12の態様として採用されてもよい。
【0030】
第12の態様に係る座具によれば、吊索により引き上げられる方向とは異なる方向に張索により引っ張られることにより、乗員をより安定的に保持できる。
【0031】
第12の態様に係る座具において、前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である本体を備え、前記下側被連結部は、前記本体の下面上又は縁部に設けられている、という構成が第13の態様として採用されてもよい。
【0032】
第13の態様に係る座具によれば、乗員が座ったときに下側被連結部が乗員の邪魔にならない。
【0033】
第9の態様に係る座具において、前記乗員を保持した状態において前記乗員の臀及び背中が接触する部分である可撓性シート状の本体を備える、という構成が第14の態様として採用されてもよい。
【0034】
第14の態様に係る座具は、軽量に実現できる。
【0035】
第9の態様に係る座具において、前記乗員を保持した状態において前記乗員の太腿に接して前記乗員の安定性を高める帯状部材を備える、という構成が第15の態様として採用されてもよい。
【0036】
第15の態様に係る座具によれば、乗員の太腿に接する帯状部材により、座った乗員の姿勢がより安定する。
【0037】
第9の態様に係る座具において、前記乗員を保持した状態において前記乗員の肩に接して前記乗員の安定性を高める帯状部材を備える、という構成が第16の態様として採用されてもよい。
【0038】
第16の態様に係る座具によれば、乗員の肩に接する帯状部材により、座った乗員の姿勢がより安定する。
【0039】
また、本発明は、周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンと、前記キャビンに収容されている乗員が座るための座具であって、前記キャビンの内側において2以上の索体である吊索により吊り下げられた状態で前記乗員を保持する座具と、前記2以上の吊索とを備える座具付きキャビンを第17の態様として提案する。
【0040】
第17の態様に係る座具付きキャビンによれば、乗員を吊り下げた状態で安定的に保持できる。
【0041】
また、本発明は、周囲の空気より軽量な気体を収容する気嚢と、前記気嚢に吊られて前記気嚢の飛翔に伴い飛翔するキャビンと、前記キャビンに収容されている乗員が座るための座具であって、前記キャビンの内側において2以上の索体である吊索により吊り下げられた状態で前記乗員を保持する座具と、前記2以上の吊索とを備える飛翔体を第18の態様として提案する。
【0042】
第18の態様に係る飛翔体によれば、乗員はキャビン内で吊り下げた状態で安定的に保持されながら飛翔できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】一実施形態に係る飛翔体の外観を示した図。
図2】一実施形態に係るキャビンの内側に配置されている構成部を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る飛翔体1の外観を示した図である。飛翔体1はガス気球である。飛翔体1は、外から見える構成部として、気嚢11と、気嚢11から下方に伸びる複数のキャビン吊索12と、複数のキャビン吊索12により吊り下げられるキャビン13を備える。
【0045】
気嚢11は、周囲の空気よりも軽量な気体を収容し、生じる浮力により、吊り下げられたロード(主に、キャビン13及びキャビン13内に収容された人間又は物)と共に飛翔する。
【0046】
キャビン13は、外から見える構成部として、内部に乗員を収容する空間を形成するキャビン本体131(キャビンの本体の一例)と、キャビン本体131の例えば側面内に設けられた可視光を透過する窓132と、キャビン本体131の上部の外面上に設けられた複数のキャビン外被連結部133を備える。
【0047】
窓132は、キャビン13に収容されている乗員がキャビン13の外を見ることができるように設けられている。
【0048】
キャビン外被連結部133は、キャビン吊索12の下端が連結される部材である。
【0049】
図2は、飛翔体1の構成部のうち、キャビン13のキャビン本体131の内側に配置されている構成部を示した図である。
【0050】
キャビン13は、内側に配置されている構成部として、キャビン本体131を構成する壁の上部の内側面上に設けられている4つのキャビン内上側被連結部134(キャビンの被連結部、又は、上側被連結部の一例)と、キャビン本体131を構成する壁の下部の内側面上に設けられている4つのキャビン内下側被連結部135(キャビンの下側被連結部の一例)を備える。
【0051】
キャビン内上側被連結部134の各々には、座具14を吊り下げる索体である座具吊索15(吊索の一例)が連結されている。図2の例では、座具14の右上側の概ね同じ高さに前後に1つずつ、また、座具14の左上側の概ね同じ高さに前後に1つずつ、キャビン内上側被連結部134が配置されている。ただし、図2においては、左上側のキャビン内上側被連結部134は図示が省略されている。そして、右上側の2つのキャビン内上側被連結部134には、座具14から右斜め上方向に伸びる座具吊索15が連結され、左上側の2つのキャビン内上側被連結部134には、座具14から左斜め上方向に伸びる座具吊索15が連結されている。
【0052】
キャビン内下側被連結部135の各々には、座具14を斜め下方向に引っ張る索体である座具張索16(張索の一例)が連結されている。図2の例では、座具14の右下側の概ね同じ高さに前後に1つずつ、また、座具14の左下側の概ね同じ高さに前後に1つずつ、キャビン内下側被連結部135が配置されている。ただし、図2においては、左下側のキャビン内下側被連結部135は図示が省略されている。そして、右下側の2つのキャビン内下側被連結部135には、座具14から右斜め下方向に伸びる座具張索16が連結され、左下側の2つのキャビン内下側被連結部135には、座具14から左斜め下方向に伸びる座具張索16が連結されている。
【0053】
キャビン13の内側には、既述のように、座具14と、座具14を吊り下げる4本の座具吊索15と、座具14を斜め下方向に引っ張る4本の座具張索16が配置されている。
【0054】
座具14は、乗員が座るための器具であり、座具吊索15によってキャビン13の内側に吊り下げられた状態で乗員を保持する。
【0055】
座具14は、乗員を保持した状態において乗員の臀及び背中が接触する部分である可撓性シート状の部材である座具本体141(座具の本体の一例)と、座具本体141の高さ方向における中腹の部分から右側及び左側の各々に拡がる可撓性シート状の部材である上側部パーツ142と、座具本体141の下側の部分から右側及び左側の各々に拡がる可撓性シート状の部材である下側部パーツ143を備える。なお、本願において「シート状」とは、Sheet状、すなわち、薄板状を意味する。
【0056】
また、座具14は、座具本体141の上端の右側の部分と右側の上側部パーツ142とに連結されている帯状部材、及び、座具本体141の上端の左側の部分と左側の上側部パーツ142とに連結されている帯状部材であるショルダーベルト144を備える。
【0057】
ショルダーベルト144は、座具14が乗員を保持した状態において、乗員の肩に接して乗員の安定性を高める役割を果たす。左右のショルダーベルト144の各々は、例えばコキ等の長さ調整機構(図示略)により、長さ調整が可能である。
【0058】
また、座具14は、右側のショルダーベルト144と左側のショルダーベルト144に連結されている帯状部材であるチェストベルト145を備える。
【0059】
チェストベルト145は、左右のショルダーベルト144が乗員の肩からずれ落ちることを防止する役割を果たす。チェストベルト145は、例えばワンタッチバックル等の連結機構(図示略)により、中腹で連結及び分離が可能である。また、チェストベルト145は、例えばコキ等の長さ調整機構(図示略)により、長さ調整が可能である。
【0060】
また、座具14は、右側の下側部パーツ143と左側の下側部パーツ143に連結されている帯状部材であるレッグベルト146を備える。
【0061】
レッグベルト146は、座具14が乗員を保持した状態において、乗員の太腿に接して乗員の安定性を高める役割を果たす。レッグベルト146は、例えばワンタッチバックル等の連結機構(図示略)により、中腹で連結及び分離が可能である。また、レッグベルト146は、例えばコキ等の長さ調整機構(図示略)により、長さ調整が可能である。
【0062】
また、座具14は、右側の上側部パーツ142と右側の下側部パーツ143に連結されている帯状部材、及び、左側の上側部パーツ142と左側の下側部パーツ143に連結されている帯状部材である吊ベルト147(座具の右吊索、及び、左吊索の一例)を備える。
【0063】
吊ベルト147は、座具上側被連結部148(座具の被連結部、又は、上側被連結部の一例)を介して座具吊索15により斜め上方向に吊り上げられることで、座具本体141を横から見た場合に「し」の字のように湾曲した形状とする役割を果たす。左右の吊ベルト147の各々は、例えばコキ等の長さ調整機構(図示略)により、長さ調整が可能である。
【0064】
また、座具14は、右側の吊ベルト147及び左側の吊ベルト147の各々に取り付けられた座具上側被連結部148を備える。
【0065】
座具上側被連結部148は、座具吊索15に連結される部材である。
【0066】
また、座具14は、座具本体141の下面の下右側の部分と下左側の部分の各々に取り付けられた座具下側被連結部149(座具の下側被連結部の一例)を備える。なお、図2において、右側の座具下側被連結部149は座具本体141の背後にあるため、描かれていない。
【0067】
座具下側被連結部149は、座具張索16に連結される部材である。
【0068】
座具本体141は、左右の各々において、上側部パーツ142と下側部パーツ143に連結された吊ベルト147が座具上側被連結部148を介して座具吊索15により吊り下げられると、自重により横方向から見た形状が「し」の字のように湾曲した形状になる。
【0069】
既述のように、座具吊索15は、座具14を吊り下げる索体である。各々の座具吊索15は、例えばコキ等の長さ調整機構(図示略)により、長さ調整が可能である。
【0070】
また、既述のように、座具張索16は、座具14を斜め下方向に引っ張る索体である。座具張索16は、座具14の位置を安定させる役割を果たす。座具張索16が無ければ、座具吊索15に吊り下げられた座具14はキャビン13の動揺に伴い、ブランコが揺れるように動揺する場合がある。また、座具張索16が無ければ、座具吊索15に吊り下げられた座具14はキャビン13の急な下降に伴い、キャビン13に対し相対的に上方に移動し、座具14に保持されている乗員の頭部等がキャビン13の天井等にぶつかる危険性がある。座具張索16は、そのような座具14の動揺や上方への移動を低減する役割を果たす。各々の座具張索16は、例えばコキ等の長さ調整機構(図示略)により、長さ調整が可能である。
【0071】
座具吊索15と座具張索16の長さは、座具14がそれらの索体により4方向に引っ張られることでちょうど良い位置に固定されるように、調整されている。
【0072】
乗員が座具14に座る前に、チェストベルト145とレッグベルト146は各々、左右に分離された状態にされる。
【0073】
その状態で、乗員は、座具本体141の下側の部分(概ね水平方向に拡がる部分)の上に臀を乗せ、座具本体141の上側の部分(概ね鉛直方向に拡がる部分)に背中をもたせかけることで、座具14に座ることができる。
【0074】
続いて、乗員は、左右のショルダーベルト144の内側に左右の腕を通した後、左右のショルダーベルト144を左右の肩に乗せる。続いて、乗員は、左右のショルダーベルト144の長さを調整して、ショルダーベルト144が自分の肩を程良い強さで保持するようにする。
【0075】
続いて、乗員は、左右に分離されたチェストベルト145を連結した後、左右のショルダーベルト144が自分の肩からずり落ちないように、チェストベルト145の長さを調整する。
【0076】
続いて、乗員は、左右に分離されたレッグベルト146を左右の太腿の上で連結した後、レッグベルト146の長さを調整して、レッグベルト146が自分の太腿を程良い強さで保持するようにする。
【0077】
これにより、乗員が座具14に座って座具14に安定的に保持された状態となる。なお、乗員が座具本体141の上に乗った後に行う動作の順序は、必ずしも上述した順序に限られない。例えば、乗員は、ショルダーベルト144を肩にかける動作の前に、レッグベルト146で太腿を保持する動作を行ってもよい。
【0078】
乗員は、座具14から離脱する場合、上述した動作と逆の動作を行えばよい。
【0079】
上述した飛翔体1によれば、乗員がキャビン13内で吊り下げられた状態で安定的に保持される。
【0080】
気嚢に生じる浮力によって飛翔する飛翔体は、総重量がその浮力より軽くなければ飛翔できない。また、気嚢に生じる浮力より総重量が軽い程、飛翔体は高速に上昇できる。従って、一般的に、飛翔体のロードはできるだけ軽い方が望ましい。上述した飛翔体1が備える座具14は、主要なパーツが可撓性シート状部材又は帯状部材で構成されている。そのため、座具14は、例えば、通常の旅客機のキャビン内において乗員が座るシート等と比較して、著しく軽量に実現できる。すなわち、上述した飛翔体1によれば、乗員を軽量な構成でキャビン13内に安定的に保持できる。
【0081】
また、気嚢に生じる浮力によって飛翔する飛翔体のロードには既述のような重量の制約があるため、一般的に、飛翔体のキャビン内の収容空間は必要最低限の広さに設計される。主要なパーツが可撓性シート状部材又は帯状部材で構成されている飛翔体1の座具14は、不使用時に折り畳む等により、容易にコンパクトにできる。従って、上述した飛翔体1によれば、キャビン内の限られた収容空間を有効利用できる。
【0082】
[変形例]
上述した飛翔体1は本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形されてよい。以下に変形の例を示す。以下の変形例の2以上が適宜、組み合わされてもよい。
【0083】
(1)飛翔体1の種類はガス気球に限られない。例えば、飛翔体1が熱気球等のガス気球以外の気球であってもよいし、飛行船であってもよい。
【0084】
(2)キャビン内上側被連結部134及びキャビン内下側被連結部135は、キャビン本体131と異なる部品として構成され、キャビン本体131にネジ止め、接着等により取り付けられてもよいし、キャビン本体131と一体に成形されてもよい。
【0085】
(3)キャビン内上側被連結部134とキャビン内下側被連結部135の位置は、上述した位置に限られない。例えば、キャビン内上側被連結部134の少なくとも1つが、キャビン本体131の天井の内側面上に設けられていてもよい。また、キャビン内下側被連結部135の少なくとも1つが、キャビン本体131の床の内側面上に設けられていてもよい。
【0086】
また、キャビン13が、キャビン本体131の内側の、キャビン本体131の壁から離れた位置に柱(すなわち、上下方向に延伸し、キャビン本体131に固定された部材)を備えるように構成し、キャビン内上側被連結部134の1以上、又は、キャビン内下側被連結部135の1以上が、その柱の外側面上に設けられていてもよい。
【0087】
(4)1つの座具上側被連結部148に連結される座具吊索15の数は2本に限られない。例えば、1つの座具上側被連結部148に1本の座具吊索15が連結されてもよい。また、1つの座具下側被連結部149に連結される座具張索16の数は2本に限られない。例えば、1つの座具下側被連結部149に1本の座具張索16が連結されてもよい。
【0088】
(5)座具吊索15とキャビン内上側被連結部134の数は、2以上であれば、いずれの数であってもよい。ただし、座具14の安定性の観点からは、座具吊索15及びキャビン内上側被連結部134の数は3以上であることが望ましい。
【0089】
また、座具張索16とキャビン内下側被連結部135は無くてもよい。ただし、座具14の安定性の観点からは、座具張索16とキャビン内下側被連結部135は有った方が望ましい。その場合、座具張索16とキャビン内下側被連結部135の数は、1以上であれば、いずれの数であってもよい。ただし、座具張索16とキャビン内下側被連結部135の数が2以上であれば、座具14は座具吊索15と座具張索16により4以上の方向に引っ張られるため、しっかりと安定し、望ましい。
【0090】
(6)キャビン13内に2以上の座具14が配置されてもよい。その場合、キャビン13は2以上の座具14の各々に応じたキャビン内上側被連結部134とキャビン内下側被連結部135を備える。また、飛翔体1は、キャビン13内に、2以上の座具14の各々に応じた座具吊索15と座具張索16を備える。
【0091】
(7)座具吊索15とキャビン内上側被連結部134の連結、座具吊索15と座具上側被連結部148の連結、座具張索16とキャビン内下側被連結部135の連結、及び、座具張索16と座具下側被連結部149の連結の方法は、いずれの方法であってもよい。例えば、環状の被連結部に対し、索体が結び付けにより連結されてもよい。また、環状の被連結部に対し、索体の端部に取り付けられたフックが引っ掛けられることで、被連結部に対する索体の連結が行われてもよい。また、ワンタッチバックル等の名称で知られる連結と分離が容易に切り替えられるオス部材とメス部材で構成される連結機構が用いられてもよい。その場合、例えば、被連結部がメス部材により構成され、索体に端部に取り付けられたオス部材がメス部材である被連結部に挿入されることで、被連結部に対する索体の連結が行われてもよい。
【0092】
(8)上述した実施形態において、左右の座具上側被連結部148の各々には2本の分離された座具吊索15が各々、連結されるものとした。これに代えて、左右の各々において、一方の端部が前側のキャビン内上側被連結部134に連結され、他方の端部が後側のキャビン内上側被連結部134に連結された1本の座具吊索15が、座具上側被連結部148に連結されてもよい。
【0093】
その場合、例えば、環状の座具上側被連結部148の内側に通された座具吊索15が座具上側被連結部148の内側を自由に移動可能であってもよい。その場合、座具吊索15の上を座具上側被連結部148が移動し、座具14がちょうど安定する位置で留まる。その位置において、座具吊索15に座具上側被連結部148を固定する固定機構が採用されてもよい。
【0094】
座具下側被連結部149と座具張索16に関しても同様である。すなわち、左右の各々において、一方の端部が前側のキャビン内下側被連結部135に連結され、他方の端部が後側のキャビン内下側被連結部135に連結された1本の座具張索16が、座具下側被連結部149に連結されてもよい。そして、座具張索16上を座具下側被連結部149が移動し、座具14がちょうど安定し留まった位置で、座具張索16に座具下側被連結部149を固定する固定機構が採用されてもよい。
【0095】
(9)上述した実施形態において、左右の各々の座具上側被連結部148に対し、1本の吊ベルト147が連結されている。
【0096】
すなわち、右側の吊ベルト147は、一方の端部が右側の上側部パーツ142を介して座具本体141の右上部に連結され、他方の端部が右側の下側部パーツ143を介して座具本体141の右下部に連結されている、1本の索体(右吊索の一例)であり、その1本の索体が、例えば環状の部材である右側の座具上側被連結部148の内側に通された状態で、その座具上側被連結部148に連結されている。
【0097】
同様に、左側の吊ベルト147は、一方の端部が左側の上側部パーツ142を介して座具本体141の左上部に連結され、他方の端部が左側の下側部パーツ143を介して座具本体141の左下部に連結されている、1本の索体(左吊索の一例)であり、その1本の索体が、例えば環状の部材である左側の座具上側被連結部148の内側に通された状態で、その座具上側被連結部148に連結されている。
【0098】
これに代えて、左右の各々の吊ベルト147が、上側部パーツ142と座具上側被連結部148とに連結される上吊索と、下側部パーツ143と座具上側被連結部148とに連結される下吊索とにより構成されてもよい。
【0099】
すなわち、右側の吊ベルト147は、右側の上側部パーツ142を介して座具本体141の右上部から伸びる索体である右上吊索と、右側の下側部パーツ143を介して座具本体141の右下部から伸びる索体である右下吊索とで構成され、右側の座具上側被連結部148が、右上吊索と右下吊索の各々に連結されていてもよい。
【0100】
同様に、左側の吊ベルト147は、左側の上側部パーツ142を介して座具本体141の左上部から伸びる索体である左上吊索と、左側の下側部パーツ143を介して座具本体141の左下部から伸びる索体である左下吊索とで構成され、左側の座具上側被連結部148が、左上吊索と左下吊索の各々に連結されていてもよい。
【0101】
(10)上述した実施形態において、座具上側被連結部148に連結される座具吊索15は、キャビン13から斜め下方向に伸び、座具14を斜め上方向に吊り上げる。これに代えて、座具吊索15がキャビン13から下方向に伸び、座具14を上方向に吊り上げてもよい。
【0102】
また、上述した実施形態において、座具下側被連結部149に連結される座具張索16は、キャビン13から斜め上方向に伸び、座具14を斜め下方向に引っ張る。これに代えて、座具張索16がキャビン13から上方向又は横方向に伸び、座具14を下方向又は横方向に引っ張ってもよい。
【0103】
(11)座具14を構成する互いに隣接する2以上の構成部は、個別の部品が縫製、接着等により連結されて構成されていてもよいし、1つの部材として一体に構成されていてもよい。例えば、座具本体141と左右の上側部パーツ142と左右の下側部パーツ143は各々が異なる可撓性シート状部材であってもよいし、1枚の可撓性シート状部材であってもよい。
【0104】
(12)座具14の細部のデザインは適宜変更されてよい。例えば、上述した実施形態におけるレッグベルト146は、座具14に座った状態の乗員の左右の太腿を保持する1本の帯状部材であるものとしたが、各々が乗員の左右いずれかの太腿を保持する2本の帯状部材によってレッグベルト146が構成されてもよい。
【0105】
また、レッグベルト146が、座具本体141の下端中央から延伸する中央ベルトと、左側の下側部パーツ143(又は座具本体141の左端部)から延伸する左側ベルトと、右側の下側部パーツ143(又は座具本体141の右端部)から延伸する右側ベルトの3本の帯状部材によって構成されてもよい。その場合、レッグベルト146は、3本の帯状部材をY字状(又はT字状)に連結するワンタッチバックル等の連結部材を備えるとよい。
【0106】
また、チェストベルト145がなくてもよい。その場合、例えば、ワンタッチバックル等の連結部材によって、座具14に座る乗員の胸の前で左右のショルダーベルト144が連結されてもよい。
【0107】
また、例えば、上述した実施形態における座具下側被連結部149は、座具本体141の下面上に設けられているが、座具本体141の縁部に設けられてもよい。
【0108】
また、例えば、左右の座具上側被連結部148に加えて、座具本体141の上端部(図2の例では、座具14に座った乗員の首筋あたりが接触する部分)にも座具上側被連結部148を設けて、その座具上側被連結部148に連結された座具吊索15により、座具14が斜め上後方に吊り上げられてもよい。
【0109】
また、上述した実施形態において、座具本体141、左右の上側部パーツ142、及び、左右の下側部パーツ143は可撓性シート状部材であるものとした。可撓性シート状部材を用いることで、座具14を軽量化できると同時に、不使用時に折り畳む等により容易にコンパクトにでき、望ましい。ただし、例えば、飛翔体1の飛翔中、乗員が常時、座具14に座っている場合や、キャビン13内のスペースに余裕がある場合等には、座具14の主要な構成部(座具本体141等)が、可撓性シート状部材ではない部材、例えば、繊維強化プラスチック等の軽量な素材を椅子形状に成形した部材等で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1…飛翔体、11…気嚢、12…キャビン吊索、13…キャビン、14…座具、15…座具吊索、16…座具張索、131…キャビン本体、132…窓、133…キャビン外被連結部、134…キャビン内上側被連結部、135…キャビン内下側被連結部、141…座具本体、142…上側部パーツ、143…下側部パーツ、144…ショルダーベルト、145…チェストベルト、146…レッグベルト、147…吊ベルト、148…座具上側被連結部、149…座具下側被連結部。
【要約】
【課題】気嚢により飛翔する有人飛翔体により飛翔する乗員を安定的に保持する手段を提供する。
【解決手段】キャビン13は有人気球のキャビンである。座具14は可撓性シート状部材でできた座具本体141と、座具本体141の上下方向における中腹の部分から左右に各々拡がる上側部パーツ142と、座具本体141の下側の部分から左右に各々拡がる下側部パーツ143と、左右において座具本体141の上側の部分と上側部パーツ142とに連結されるショルダーベルト144と、左右において上側部パーツ142と下側部パーツ143に連結される吊ベルト147と、左右において吊ベルト147に取り付けられた座具上側被連結部148を備える。座具14は、左右の座具上側被連結部148に連結された座具吊索15により、キャビン13内において吊り下げられた状態で、座った乗員を安定的に保持する。
【選択図】図2
図1
図2