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特許7201441取り替え可能接触先端部材及び処置案内部材を有する手持ち式眼科レーザー・システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】取り替え可能接触先端部材及び処置案内部材を有する手持ち式眼科レーザー・システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/009 20060101AFI20221227BHJP
   A61F 9/007 20060101ALI20221227BHJP
   A61F 9/008 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
A61F9/009
A61F9/007 160
A61F9/007 200A
A61F9/008 120B
A61F9/008 120E
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2018567846
(86)(22)【出願日】2017-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-11
(86)【国際出願番号】 US2017040001
(87)【国際公開番号】W WO2018005796
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-23
(31)【優先権主張番号】62/357,012
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144674
【氏名又は名称】イリデックス・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ブザワ,デイヴィッド
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5514125(US,A)
【文献】国際公開第2015/130821(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0142663(US,A1)
【文献】特表2008-544809(JP,A)
【文献】特表2010-533034(JP,A)
【文献】特表2008-523912(JP,A)
【文献】特開2013-99549(JP,A)
【文献】米国特許第6458120(US,B1)
【文献】特表2012-521808(JP,A)
【文献】特開2002-136599(JP,A)
【文献】特表2016-512616(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0073399(US,A1)
【文献】国際公開第2015/200875(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療光を患者の目の方に送出する手持ち式緑内障処置デバイスであって、前記手持ち式緑内障処置デバイスは、
ユーザの手により把持するハンドルを画定し、近位端部及び前記近位端部の反対側の遠位端部を有する処置デバイス筐体;
前記処置デバイス筐体内に配設した治療光源;
前記処置デバイス筐体内に配設し、前記治療光源によって生成した治療光を前記処置デバイス筐体の前記遠位端部の方に向けるように構成した光学機器;
近位端部及び遠位端部を有する取り替え可能接触先端部材
を備え、前記取り替え可能接触先端部材の前記近位端部は、前記処置デバイス筐体の前記遠位端部と取り外し可能に結合するように構成し、前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部は、目の表面と結合するように構成した接触表面を備え、前記取り替え可能接触先端部材は、前記治療光源によって生成した治療光を、前記処置デバイス筐体内に収容した前記光学機器を介して受け、前記受けた治療光における第1の部分を目の第1の処置部位の方に向けるように構成され、前記取り替え可能接触先端部材は、前記受けた治療光における第2の部分を前記目における第2の処置部位へ向けるように構成された反射器をさらに含むことで、前記治療光を前記第1の処置部位および第2の処置部位の両方へ同時に向けるように構成され、前記受けた治療光における第2の部分は、前記受けた治療光における前記第1の部分に対して所定の角度へ向けられている、手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項2】
前記処置デバイス筐体内に配設し、前記治療光源に電力供給するように構成した電源を更に備える、請求項1に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項3】
前記電源は電池を備える、請求項2に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項4】
前記取り替え可能接触先端部材の形状は、劈開若しくは研磨から作製した平坦表面であるか、又はエッチング若しくは焼成法により作製した湾曲表面である、請求項1~3のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項5】
前記取り替え可能接触先端部材の前記近位端部と前記処置デバイス筐体の前記遠位端部とを結合する可撓性光結合器を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項6】
前記可撓性光結合器は、近位端部及び遠位端部を有する可撓性光ファイバを備え、前記可撓性光ファイバの前記近位端部は、近位接続器と結合し、前記可撓性光ファイバの前記遠位端部は、遠位接続器と結合し、前記近位接続器は、前記取り替え可能接触先端部材の前記近位端部上の係合特徴部と同じ構成を有する係合特徴部を備え、前記遠位接続器は、前記処置デバイス筐体の前記遠位端部上の係合特徴部と同じ構成を有する係合特徴部を備える、請求項5に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項7】
前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部の前記接触表面は、患者の目に対する光ビームの入射角度を制御するように傾斜している、請求項1から6のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項8】
前記取り替え可能接触先端部材は、前記取り替え可能接触先端部材の前記近位端部から前記遠位端部までの細長軸を画定し、前記治療光は、前記細長軸に沿って遠位に放出され、前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部の前記接触表面は、前記取り替え可能接触先端部材により画定する前記細長軸に対して直交しない角度にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項9】
前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部の前記接触表面は、前記取り替え可能接触先端部材により画定する前記細長軸に対して30~60度の角度である、請求項8に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項10】
前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部は、目の一部分の湾曲に一致するように凹形である、請求項1~9のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項11】
前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部は、凸形であり、丸みを帯びた縁部を含み、前記取り替え可能接触先端部材の前記接触表面が目の表面にわたって掃引できるようにする、請求項1~10のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項12】
前記取り替え可能接触先端部材は、内部ビーム生成光学機器を備え、前記内部ビーム生成光学機器は、前記処置デバイス筐体内に収容した前記光学機器と光学的に結合するように構成する、請求項1~11のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項13】
前記取り替え可能接触先端部材の前記光学機器は、光ファイバを備え、前記光ファイバは、前記取り替え可能接触先端部材を前記処置デバイス筐体と結合した際に前記処置デバイス筐体内に収容した前記光学機器と光学的に結合する近位端部、及び前記取り替え可能接触先端部材の前記接触表面から突出する遠位端部を有する、請求項12に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項14】
前記光ファイバの前記遠位端部は、前記取り替え可能接触先端部材の前記接触表面から1mm以下突出する、請求項13に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項15】
前記光ファイバの前記遠位端部は、前記取り替え可能接触先端部材の前記接触表面から6mm以上突出する、請求項13に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項16】
前記取り替え可能接触先端部材の前記近位端部は、螺入係合を通じて前記処置デバイス筐体の前記遠位端部と結合する、請求項1~15のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項17】
前記取り替え可能接触先端部材の前記近位端部は、スナップ嵌合係合を通じて前記処置デバイス筐体の前記遠位端部と結合する、請求項1~16のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項18】
前記取り替え可能接触先端部材は、前記治療光源によって生成した治療光を受け、前記治療光を複数の個別のより小さなスポットにマッピングするように構成する、請求項1~17のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項19】
前記取り替え可能接触先端部材は、1mmスポット・サイズを有する入力光を受け、1mmスポット・サイズを有する前記入力光を複数の10μm以下のスポットにマッピングする、請求項18に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項20】
前記取り替え可能接触先端部材は、前記受けた治療光を49個のより小さなスポットにマッピングするように構成する、請求項18に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項21】
前記取り替え可能接触先端部材は、第1の取り替え可能接触先端部材であり、前記手持ち式緑内障処置デバイスは、近位端部及び遠位端部を有する第2の取り替え可能接触先端部材を更に備え、前記第2の取り替え可能接触先端部材の前記近位端部は、前記処置デバイス筐体の前記遠位端部と結合するように構成し、前記第2の取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部は、目の表面と接触するように構成した接触表面を備え、前記第2の取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部は、前記第1の取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部とは異なる構成を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項22】
前記第1の取り替え可能接触先端部材は、第1のコンピュータ可読コードを備え、前記第2の取り替え可能接触先端部材は、第2のコンピュータ可読コードを備え、前記処置デバイス筐体は、前記第1のコンピュータ可読コード及び前記第2のコンピュータ可読コードを検出する走査器を含み、前記第1の取り替え可能接触先端部材及び前記第2の取り替え可能接触先端部材のどちらが前記処置デバイス筐体の前記遠位端部と結合しているかを決定する、請求項21に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項23】
前記治療光源のパラメータは、前記第1のコンピュータ可読コード及び前記第2のコンピュータ可読コードのどちらを前記走査器が検出したかに基づいて調節する、請求項22に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項24】
光信号及び電気信号が、前記取り替え可能接触先端部材と前記処置デバイス筐体との間を通過可能であるように構成した境界面を更に備え、前記取り替え可能接触先端部材は、光センサを備える、請求項1~23のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項25】
光信号及び電気信号が、前記取り替え可能接触先端部材と前記処置デバイス筐体との間を通過可能であるように構成した境界面を更に備え、前記取り替え可能接触先端部材は、暗号化チップを備える、請求項1から24のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイス。
【請求項26】
眼科レーザー処置システムであって、前記眼科レーザー処置システムは、
請求項1~25のいずれか一項に記載の手持ち式緑内障処置デバイスと、
前記取り替え可能接触先端部材と目の周囲の1つ又は複数の処置位置とを位置合わせするため、目の表面に対して置かれるように構成した遠位表面、及び前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部と接続するように構成した近位表面を有する処置案内部材を備える、眼科レーザー処置システム。
【請求項27】
前記処置案内部材は、目の角膜縁と位置合わせするように構成した内側縁部、前記目の強膜表面に対して置くように構成した前記遠位表面、及び前記取り替え可能接触先端部材の前記遠位端部と接続するように構成した前記近位表面を備え、目の毛様体突起の周囲で前記取り替え可能接触先端部材を1つ又は複数の処置位置と位置合わせし、治療光を患者の目の方に送出する間、目に対する前記取り替え可能接触先端部材の接触圧力を制御する、請求項26に記載の眼科レーザー処置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願データの相互参照
本出願は、2016年6月30日出願の特許文献1に対する優先権及び利益を主張するものであり、この出願の全開示が、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、緑内障の目を処置する医療システム、デバイス及び方法に関する。いくつかの実施形態では、手持ち式処置デバイスは、治療光を標的組織の方に送出するように構成する。手持ち式処置デバイスは、取り替え可能遠位接触先端部材を備えることができる。更なる実施形態では、眼科処置システムを提供することができ、眼科処置システムは、治療光を標的組織の方に送出する処置デバイス及び患者の目に対して置くための処置案内部材を含み、処置案内部材は、処置デバイスの遠位端部と接続し、デバイスと、患者の目の周囲の1つ又は複数の処置位置とを位置合わせすることができる。
【背景技術】
【0003】
緑内障は、失明の主な原因である。緑内障は、視神経症の特徴的パターンでは網膜神経節細胞の消失を伴う。緑内障を処置しないと、視神経の永続的な損傷、及びその結果の視野欠損をもたらし、失明へと進行するおそれがある。緑内障による視野欠損は、長期間にわたり徐々に生じることが多く、欠損が既にかなり進んだときにしか認識されないことがある。視野が一度欠損すると、この損傷した視野は二度と回復することがない。
【0004】
眼圧亢進(IOP)は、緑内障になる顕著な危険因子である。IOPは、目の毛様体により房水を産生し、線維柱帯網、及びぶどう膜強膜路を含む全ての他の流出通路を通して排出する機能である。房水は、電解液、有機溶質、及び前眼房の非血管組織に栄養素を供給する他のたんぱく質の複合混合物である。房水は、毛様体から、水晶体及び毛様体小帯によって後方で境界され虹彩によって前方で境界される後眼房に流れる。次に、房水は、虹彩の瞳孔を通って流れ、虹彩によって後方で境界され角膜によって前方で境界される前眼房に入る。通常の房水の流出経路において、線維柱帯網は、前眼房からシュレム管を介して強膜神経叢及び全体的な血液循環に房水を排出する。開放隅角緑内障では、線維柱帯網を通る流れが低減する。閉塞隅角緑内障では、虹彩が線維柱帯網に対して前に押され、流体の出口が妨げられる。
【0005】
ぶどう膜強膜からの流出は、通常の経路ではないが、緑内障管理において重要性を増している。ぶどう膜強膜からの流出において、房水は、前眼房から毛様体筋に入り、前部又は後部強膜にわたって眉丘空間を通って出る。ぶどう膜強膜からの流出は、房水全体の流出に著しく寄与することができる。
【0006】
現在、緑内障の治療は、房水の産生を制限するか、又は房水の流出を増大させることによって、IOPを低減することを目的とする。ベータ遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬等の薬物は、房水の産生を低減させる初期の処置として使用される。薬物は、房水の排出を増大させる初期の治療として使用されることもある。縮瞳薬及びコリン作動薬は、線維柱帯からの流出を増大させる一方で、プロスタグランジン薬、例えば、ラタノプロスト及びビマトプロストは、ぶどう膜強膜からの流出を増大させる。しかし、こうした薬剤は、高額で、望ましくない副作用があり、経時的に服薬遵守に左右されるという問題を生じさせることがある。
【0007】
外科手術も、房水の流出の増大又は産生の低下に使用することができる。レーザー線維柱帯形成術は、線維柱帯網の領域にわたりレーザー・ビームを当て、流出を増大させるものである。毛様体冷凍凝固術及びレーザー毛様体光凝固術は、毛様体突起による房水の産生を低下させる外科的な試みである。こうした試みは、効果的であり得るが、これらの破壊手術による介入は、眼球萎縮という深刻な合併症のおそれのために、通常、緑内障管理における最後の手段として使用される。毛様体破壊手術処置に対する他の有害な副作用には、低眼圧症及び眼球前部の炎症を含むことがあり、黄斑発生の増加といった合併症に関連し得る。また他の有害な副作用には、一過性の前眼房出血及び前眼房滲出、ぶどう膜炎、失明及び壊死性強膜炎を含む。
【0008】
レーザー経強膜毛様体光凝固術において、強度の連続波(CW)赤外線レーザー・エネルギーは、毛様体ひだ部領域の選択部分を通して、毛様体、強膜層の下の組織及びその上を覆う結膜に向けられる。毛様体及び関連毛様体突起の選択部分は、永続的に破壊され、これにより、全体的な房水産生を低減させる。レーザー・エネルギーは、空気を通し、専用の細隙灯に向かって着座している患者に向けることができる。代替的に、レーザー・エネルギーは、患者の眼球と接触させて置いた光ファイバ・ハンドピースの使用により送出することができる。しかし、両方のレーザー・エネルギーの送出方法において、毛様体等、表面下の見えない標的にレーザー・ビームを正確に繰り返し向けることは、外科医にとって困難である場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国仮特許出願第62/357,012号
【文献】米国特許公開第2010/0076419号
【文献】米国特許公開第2015/0374539号
【文献】米国特許公開第2015/0305938号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のシステム、方法及びデバイスは、当技術分野において進歩をもたらしているが、更なる改善が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の実施形態は、一般に、眼科レーザー処置システムに関する。いくつかの実施形態では、眼科レーザー処置システムは、取り替え可能遠位先端部材を有する手持ち式処置デバイスを含むことができる。更なる実施形態では、眼科レーザー処置システムは、処置案内部材を含むことができ、処置案内部材は、手持ち式処置デバイスと協働し、処置デバイスと患者の目の標的組織とを優先的に位置合わせするように構成する。いくつかの態様では、処置デバイスは、治療光を毛様体突起の方に向けるように提供することができる。例えば、いくつかの実施形態では、処置デバイス及び/又は案内部材は、患者の目の毛様体光凝固術のために提供することができる。
【0012】
本開示の一実施形態では、治療光を患者の目の毛様体突起の方に送出する手持ち式緑内障処置デバイスを提供することができる。手持ち式緑内障処置デバイスは、処置デバイス筐体を含むことができ、処置デバイス筐体は、ユーザの手により把持する処置デバイスのハンドルを画定する。筐体は、近位端部、及び近位端部の反対側の遠位端部を有することができる。治療光源は、処置デバイス筐体内に収容することができる。光学機器も、処置デバイス筐体内に収容し、治療光源によって生成した治療光を処置デバイス筐体の遠位端部の方に向けるように構成することができる。近位端部及び遠位端部を有する取り替え可能接触先端部材を提供することができる。取り替え可能接触先端部材の近位端部は、処置デバイス筐体の遠位端部と解放可能に結合するように構成することができる。取り替え可能接触先端部材の遠位端部の接触表面は、目の表面と結合、接触及び/又は係合するように構成することができる。取り替え可能接触先端部材は、治療光源が生成した治療光を、処置デバイス筐体内に収容した光学機器を介して受け、受けた治療光を目の方に向けるように構成することができる。
【0013】
任意選択で、処置デバイス筐体は、治療光源に電力供給するように構成した電源を収容することができる。電源は、電池(例えば単回使用電池又は充電可能電池)とすることができる。
【0014】
処置デバイス筐体は、処置デバイス筐体の近位端部から遠位端部まで細長軸を画定することができる。治療光は、細長軸に沿って遠位に放出させることができる。取り替え可能接触先端部材の接触表面は、処置デバイス筐体によって画定する細長軸に対して90度ではない角度であってもよい(例えば、治療光は、取り替え可能接触先端部材の接触表面に対して直角ではない角度で向けられるようにする)。例えば、取り替え可能接触先端部材の接触表面は、処置デバイス筐体によって画定する細長軸に対して30~60度の角度とすることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材の接触表面は、目の一部分の湾曲に一致するように凹形とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、接触表面は、目の強膜の湾曲に一致するように構成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材の遠位端部は、目の角膜縁と位置合わせするように構成した位置合わせ縁部又は特徴部を有することができる。
【0017】
任意選択で、取り替え可能接触先端部材の遠位端部の接触表面は、凸形とすることができる。取り替え可能接触先端部材は、丸みを帯びた縁部を含むことができ、取り替え可能接触先端部材の遠位端部が目の表面にわたって掃引できるようにする。いくつかの実施形態では、丸みを帯びた縁部は、処置デバイスを目の表面にわたって掃引する際に、取り替え可能接触先端部材の遠位端部が目の組織表面に引っかかる可能性を低減する。
【0018】
取り替え可能接触先端部材は、内部光学機器を含むことができ、内部光学機器は、処置デバイス筐体内に収容した光学機器と光学的に結合するように構成する。例えば、取り替え可能接触先端部材の光学機器は、近位端部及び遠位端部を有する光ファイバとすることができる。近位端部は、取り替え可能接触先端部材を処置デバイス筐体の遠位端部と係合した際、処置デバイス筐体内に収容した光学機器と光学的に結合することができる。取り替え可能接触先端部材の内部光学機器の遠位端部は、取り替え可能接触先端部材の接触表面から突出させることができる。例えば、光ファイバの遠位端部は、取り替え可能接触先端部材の接触表面から1mm以下突出させることができる(例えば、IRIDEX Gプローブのケースでは0.5mm)。
【0019】
他の実施形態では、光ファイバの遠位端部は、取り替え可能接触先端部材の接触表面から2~10mm以上突出させることができる(例えば5mm)。
【0020】
いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材の近位端部は、螺入係合を通じて処置デバイス筐体の遠位端部と結合する。任意選択で、取り替え可能接触先端部材の近位端部は、スナップ嵌合係合を通じて処置デバイス筐体の遠位端部と結合する。
【0021】
また更なる実施形態では、取り替え可能接触先端部材は、治療光源により生成し、受けた治療光を複数の個別のより小さなスポットにマッピングするように構成することができ、複数の処置位置を同時に処置できるようにする。
【0022】
例えば、いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材は、1mm入力光を受け、1mmのスポット・サイズを有する入力光を複数の10μm以下のスポットにマッピングすることができる。
【0023】
任意選択で、取り替え可能接触先端部材は、受けた治療光を2から100個のスポット(例えばいくつかの実施形態では49個のスポット)にマッピングするように構成することができる。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材は、複数の取り替え可能接触先端部材の1つとすることができる。複数の取り替え可能接触先端部材のそれぞれは、(例えば異なる治療光パラメータを使用する)異なる処置のために提供するか、又は(例えば目の異なる標的領域と結合するため、処置案内部材と協働するため、異なる治療光送出方法等のため)異なる遠位端部構成を有することができる。
【0025】
例えば、複数の取り替え可能接触先端部材は、第1の取り替え可能接触先端部材及び第2の取り替え可能接触先端部材を含むことができる。第2の取り替え可能接触先端部材は、近位端部及び遠位端部を有することができる。第2の取り替え可能接触先端部材の近位端部は、処置デバイス筐体の遠位端部と結合するように構成することができる。第2の取り替え可能接触先端部材の遠位端部の接触表面は、目の表面と係合するように構成することができる。第2の取り替え可能接触先端部材の遠位端部は、もう一方の取り替え可能接触先端部材(第1の取り替え可能接触先端部材)の遠位端部とは異なる構成を有し、異なる様式で目と係合させることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の取り替え可能接触先端部材は、第1のコンピュータ可読コードを有し、第2の取り替え可能接触先端部材は、第2のコンピュータ可読コードを有することができる。処置デバイス筐体は、第1のコンピュータ可読コード及び第2のコンピュータ可読コードを検出するデバイス(例えば走査器)を含み、第1の取り替え可能接触先端部材及び第2の取り替え可能接触先端部材のどちらが処置デバイス筐体の遠位端部と結合しているかを決定することができる。治療光源のパラメータは、第1のコンピュータ可読コード及び第2のコンピュータ可読コードのどちらを走査器が検出したかに基づいて調節する。
【0027】
本発明の更なる態様では、治療光を患者の目の毛様体突起の方に送出する手持ち式緑内障処置デバイスを含む眼科処置システムを提供することができる。手持ち式緑内障処置デバイスは、処置デバイス筐体を含むことができ、処置デバイス筐体は、ユーザの手により把持する処置デバイスのハンドルを画定する。処置デバイス筐体は、近位端部、及び近位端部の反対側の遠位端部を有することができる。治療光源は、処置デバイス筐体内に収容することができる。光学機器は、処置デバイス筐体内に収容することができ、光学機器は、治療光源によって生成した治療光を処置デバイス筐体の遠位端部の方に向けるように構成する。近位端部及び遠位端部を有する取り替え可能接触先端部材を提供することができる。取り替え可能接触先端部材の近位端部は、処置デバイス筐体の遠位端部と取り外し可能に結合するように構成することができる。取り替え可能接触先端部材は、治療光源が生成した治療光を、処置デバイス筐体内に収容した光学機器を介して受け、受けた治療光を目の方に向けるように構成することができる。眼科レーザー処置システムは、処置案内部材を更に含むことができ、処置案内部材は、取り替え可能接触先端部材と目の周囲の1つ又は複数の処置位置とを位置合わせするため、目の表面に対して置かれるように構成した遠位表面、及び取り替え可能接触先端部材の遠位端部と接続するように構成した近位表面を有する。
【0028】
取り替え可能接触先端部材は、内部光学機器を含むことができ、内部光学機器は、処置デバイス筐体内に収容した光学機器と光学的に結合するように構成する。取り替え可能接触先端部材の光学機器は、近位端部を有する光ファイバとすることができ、この近位端部は、取り替え可能接触先端部材を処置デバイス筐体の遠位端部と結合した際、処置デバイス筐体内に収容した光学機器と光学的に結合することができる。光ファイバは、遠位端部を有することができ、遠位端部は、取り替え可能接触先端部材の遠位端部の接触表面から突出する。
【0029】
処置案内部材は、近位表面から遠位表面まで延在する開口を含むことができる。開口は、取り替え可能接触先端部材の遠位端部から遠位に突出する光ファイバの遠位端部を受け、光ファイバと標的組織とを位置合わせするように構成することができる。いくつかの実施形態では、開口は、光ファイバの遠位端部を開口内に受けた際に光ファイバの動きを制限することができる。
【0030】
遠位表面から近位表面までの処置案内部材の厚さ、取り替え可能接触先端部材の遠位端部から遠位に突出する光ファイバの長さは、処置案内部材の開口を通して光ファイバを受けた際に光ファイバの遠位端部が処置案内部材の遠位表面から遠位に突出するように寸法決定する。処置案内部材の厚さ及び光ファイバの長さは、光ファイバを処置案内部材の開口を通して受けた際に光ファイバの遠位端部が処置案内部材の遠位表面から少なくとも1mm遠位に突出するように寸法決定することができる。
【0031】
処置案内部材は、近位表面から遠位表面まで延在する複数の開口を有する接触リングとすることができる。開口は、接触リング周りに径方向に離間させることができる。いくつかの実施形態では、処置案内部材の遠位表面は、目(例えば強膜)の縁部外形と一致するように湾曲させることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材は、処置案内部材の開口と協働し、目の光学軸に対して平行ではない角度で標的組織の方に治療光を送出する。
【0033】
任意選択で、開口は、軌道とすることができ、取り替え可能接触先端部材は、軌道と摺動可能に係合するように構成し、治療光を標的組織に送出する間、取り替え可能接触先端部材が軌道に沿って並進できるようにする。
【0034】
処置案内部材は、周囲壁を含むことができ、周囲壁は、患者の眼瞼と係合し、目の表面に対し処置案内部材を当てている間、眼瞼の開放を維持するように構成することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、処置案内部材、処置デバイス又はこれらの両方は、照明光源を組み込み、毛様体又は眼球表面下の他の組織の位置を確認する目的で、目を徹照することができる。いくつかの実施形態では、照明光源は、1つ又は複数の光管と結合し、徹照を促進することができる。
【0036】
いくつかの態様では、本開示のいくつかの実施形態による処置案内部材を提供することができる。処置案内部材は、目の角膜縁と位置合わせするように構成した内側縁部を有することができる。処置案内部材の遠位表面は、目の表面に対して置かれるように構成することができ、近位表面は、処置デバイス接触先端部材の遠位端部と接続し、接触先端部材を目の周囲の1つ又は複数の処置位置に案内するように構成する。
【0037】
処置案内部材は、近位表面から遠位表面まで延在する開口を含むことができる。開口は、接触先端部材の遠位端部から遠位に突出する光ファイバの遠位端部を受け、光ファイバと標的組織とを位置合わせするように構成することができる。
【0038】
処置案内部材は、近位表面から遠位表面まで延在する複数の開口を有する接触リングを含むことができる。開口は、接触リング周りに径方向に離間させることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、接触先端部材は、処置案内部材の開口と協働し、目の光学軸に平行ではない角度で標的組織の方に治療光を送出することができる。
【0040】
開口は、軌道とすることができ、接触先端部材は、軌道と摺動可能に係合するように構成し、治療光を標的組織に送出する間、接触先端部材が軌道に沿って並進できるようにする。
【0041】
軌道は、目の光学軸周りに少なくとも30度延在することができる。例えば、軌道は、目の光学軸周りに180度延在することができ、いくつかの実施形態では、軌道は、目の光学軸周りに少なくとも270度延在することができる。
【0042】
任意選択で、処置案内部材は、周囲壁を含むことができ、周囲壁は、患者の眼瞼と係合し、目の表面に対し処置案内部材を当てている間、眼瞼の開放を維持するように構成することができる。
【0043】
また更なる実施形態では、患者の目を処置する方法を提供することができる。方法は、取り替え可能接触先端部材と、処置デバイス筐体内に収容した治療光源とを光学的に結合するため、取り替え可能接触先端部材の近位端部と処置デバイス筐体の遠位端部とを係合することを含むことができる。取り替え可能接触先端部材の遠位端部は、目の毛様体突起と位置合わせすることができる。その後、治療光源を起動し、治療光を生成し、治療光を目の毛様体突起の方に送出することができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法は、処置案内部材を目に当てることを更に含むことができる。取り替え可能接触先端部材の遠位端部と目の毛様体突起との位置合わせは、処置案内部材を目に当てた後に取り替え可能接触先端部材の遠位端部を処置案内部材と係合することを含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、処置案内部材は、リングとすることができ、患者の目の強膜にわたって配置することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、処置案内部材は、複数の個別の開口を含むことができ、開口は、取り替え可能接触先端部材の光ファイバの遠位端部を中に通して受けるように構成する。
【0047】
任意選択で、いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材は、処置案内部材の開口と係合し、目の光学軸に対して平行ではない角度で毛様体突起の方に治療光を送出する。
【0048】
取り替え可能接触先端部材の光ファイバの遠位端部は、処置案内部材の遠位表面から突出するように構成し、目の表面を凹ませることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、処置案内部材は、軌道を含むことができる。取り替え可能接触先端部材は、軌道と摺動可能に係合することができ、取り替え可能接触先端部材は、治療光を毛様体突起に送出する間、軌道に沿って並進することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、処置案内部材は、患者の眼瞼と係合するように構成した周囲壁を含むことができる。処置案内部材の周囲壁は、処置案内部材を目に当てている間、眼瞼の開放を維持することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法は、取り替え可能接触先端部材の近位端部を処置デバイス筐体の遠位端部と係合する前に、以前の接触先端部材を処置デバイス筐体から取り外すことを含むことができる。いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材は、コンピュータ可読コードを含むことができる。処置デバイス筐体は、第1のコンピュータ可読コードを検出する走査器を含むことができる。治療光源のパラメータは、走査器によって第1のコンピュータ可読コードを検出した後、調節することができる。
【0052】
本特許に含まれる本開示の実施形態は、本概要ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義する。本概要は、本開示の様々な態様に対する高水準の概要であり、以下の発明を実施するための形態の項で更に説明する概念の一部を導入するものである。本概要は、請求する主題の主要又は必須の特徴を特定することを意図するものでも、請求する主題の範囲を決定するために単独で使用することを意図するものでもない。主題は、本特許の明細書全体、いずれか又は全ての図面及び各請求項の適切な部分を参照して理解されたい。
【0053】
本開示の更なる詳細、態様及び実施形態を単に例として、図面を参照しながら説明する。図面において、同様の参照番号は、同様の要素又は機能的に類似の要素を特定するために使用する。図面内の要素は、簡単、明確にするために示すものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1A】関連部を有する目の解剖学的構造の図であり、図は、解剖学的構造の参照番号をもたらすために標示される。
図1B】目の解剖学的構造の更なる詳細図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、例示的眼科処置デバイスの図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、標的組織と位置合わせした例示的眼科処置デバイスの図である。
図4】いくつかの実施形態による、強膜の周囲の例示的処置スポットの図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による、標的組織と位置合わせした別の例示的眼科処置デバイスの図である。
図6】いくつかの実施形態による、強膜の周囲の例示的処置掃引の図である。
図7】いくつかの実施形態による、目を処置する例示的レーザー・パラメータのグラフである。
図8】例示的取り替え可能接触先端部材の図であり、取り替え可能接触先端部材は、いくつかの実施形態による本開示の眼科処置デバイス及びシステムと共に使用することができる。
図9A】別の例示的取り替え可能接触先端部材の図であり、取り替え可能接触先端部材は、いくつかの実施形態による本開示の眼科処置デバイス及びシステムと共に使用することができる。
図9B】別の例示的取り替え可能接触先端部材の図であり、取り替え可能接触先端部材は、いくつかの実施形態による本開示の眼科処置デバイス及びシステムと共に使用することができる。
図10】いくつかの実施形態による、患者の目に対して置いた図2の眼科処置デバイスの図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態と共に使用することができる例示的多重分離器の図である。
図12】別の例示的取り替え可能接触先端部材の図であり、取り替え可能接触先端部材は、いくつかの実施形態による本開示の眼科処置デバイス及びシステムと共に使用することができる。
図13】別の例示的取り替え可能接触先端部材の図であり、取り替え可能接触先端部材は、いくつかの実施形態による本開示の眼科処置デバイス及びシステムと共に使用することができる。
図14】本開示のいくつかの実施形態による、例示的処置案内部材の上面図である。
図15】本開示のいくつかの実施形態による、図14の処置案内部材の側部断面図である。
図16】本開示のいくつかの実施形態による、取り替え可能接触先端部材と処置案内部材との間の例示的係合の図である。
図17】本開示のいくつかの実施形態による、別の例示的処置案内部材の図である。
図18】本開示のいくつかの実施形態による、目を処置する例示的方法の図である。
図19】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性光ケーブルを有する例示的処置デバイスの図であり、可撓性光ケーブルは、接触先端部材をデバイス本体と結合する。
【発明を実施するための形態】
【0055】
眼科レーザー・システムは、一般に、レーザー・コンソール及びレーザー・プローブを必要とし、レーザー・コンソールは、レーザー源、電源及び制御器を含む。レーザー・プローブは、一般に、光ファイバ、及びレーザー・コンソールに取り付ける接続部を含む。レーザー・コンソールは、典型的には、患者の目から少なくとも数フィート離れた表面上に置かれるAC電力供給システムであり、コンソールからのレーザー出力光は、典型的には、光ファイバ(即ち導波路)によって患者の目まで運ばれ、光凝固ベースの処置を行うことができる。そのようなシステムは、典型的には、外部AC電力、光を端部アプリケータまで導くための長いマルチモード・ファイバ、走査器、又は手持ち式接触プローブを必要とし、端部アプリケータは、細隙灯適合器と共に実装することができる。
【0056】
本発明の実施形態は、標準的な眼科レーザー・システムに対しいくつかの利点及び改良点をもたらすことができる。例えば、いくつかの実施形態では、従来のレーザー・コンソールを含まない眼科レーザー・システムをもたらすことができる。代わりに、処置デバイスは、デバイスのハンドル内に処置光源を収容するように構成することができる。更に、いくつかの実施形態では、手持ち式処置デバイスは、ダイアル及びボタン等、治療光の様々なパラメータを調節するユーザ・インターフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、内蔵手持ち式処置デバイスは、AC電源から独立して操作することができる。例えば、いくつかの実施形態では、手持ち式処置デバイスは、電池により電力供給することができる。更に、手持ち式処置デバイスは、いくつかの実施形態では、使い捨てであるか、又は取り替え可能な遠位先端部材を利用することができる。多くの実施形態は、特に、経強膜毛様体光凝固術のために設計することができ、エネルギーは、毛様体ひだ部領域の選択部分を通して、毛様体、強膜層の下の組織及びその上を覆う結膜に向けられ、緑内障の目を処置する。
【0057】
図1A図1Bは、目の解剖学的構造の詳細を示す。例えば、図1Aは、目1の解剖学的構造を示し、関連部は、解剖学的構造を参照するために標示される。強膜2は、目の周りの丈夫な覆いであり、角膜縁4と呼ばれる円形接合部で角膜3に接する。角膜3の後ろには、虹彩5、水晶体6、並びに毛様体及び関連する毛様体突起7がある。前眼房は、瞳孔8のすぐ前にある、流体が充填された目1の中の室である。側面で見ると、前眼房は、前面ではドーム形の角膜3によって境界が付けられ、後面では色付きの虹彩5によって境界が付けられている。角膜3及び光彩5が収束すると、角膜3及び光彩5は、本明細書では前眼房角度と呼ぶ角度9を形成する。更に、目1は、視覚的/光学的な軸10を有することができる。図1Bは、外科的な目の解剖学的構造の更なる詳細を示す。
【0058】
本明細書で説明する処置デバイスの実施形態は、後部毛様体ひだ部から毛様体扁平部におよぶ眼内構造を標的とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、処置デバイスを使用し、毛様体及び/又は毛様体扁平部を標的とすることができる。代替的に、毛様体扁平部を標的とし、毛様体ひだ部、毛様体及び/又は他の毛様体突起を避けることができ、その逆も同様である。図2は、本開示のいくつかの実施形態による例示的眼科処置デバイス100(例えばプローブ)を示し、眼科処置デバイス100を使用して上記のような眼内組織を標的とすることができる。眼科処置デバイス100は、処置デバイス本体102及び取り替え可能又は単回使用先端部材104を備え、先端部材104は、処置デバイス本体102と取り外し可能に結合する。処置デバイス本体102は、外表面を有する筐体106を含むことができ、外表面は、ユーザが把持するハンドルを画定する。処置デバイス本体102は、治療光源108、関連電子機器110、1つ又は複数の電池112、ユーザ・インターフェース114、及び/又は内部光学機器116を更に含むことができる。
【0059】
眼科処置デバイス100は、様々な異なる方法で治療光を目の標的組織に送出するために使用することができる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献2は、複数の離間固定位置における標的組織に向けてエネルギーを送出する方法を記載している。図3は、本開示のいくつかの実施形態による、目1に対する例示的処置デバイス100aの例示的配置を示す。デバイス100aは、強膜2に対して配置し、目1の角膜縁4と位置合わせすることができる。例えば、遠位接触端部の内側縁部は、角膜縁4と位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、デバイス100aは、目1の視覚軸10に平行に保持することができる。次に、デバイス100aは、図4に示すように、角膜縁4の周囲の複数の離間固定位置117にエネルギーを印加することができる。
【0060】
更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献3は、光の送出と同時に、標的組織にわたって処置デバイスを摺動又は掃引することができる別の処置方法を記載している。例えば、図5は、本開示のいくつかの実施形態による、目1に対する別の例示的処置デバイス100bの例示的配置を示す。デバイス100bは、強膜2に対して配置し、目1の角膜縁4と位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、デバイス100bは、目1の視覚軸に平行ではない角度で保持することができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス100bは、強膜2にほぼ直交して保持することができる。次に、デバイス100bは、光エネルギーを印加する間、強膜2にわたって角膜縁4周りに摺動又は掃引することができる。例えば、図6は、約9:30~2:30の時計位置である第1の掃引動作118、及び約3:30~8:30の時計位置である別の掃引動作119を示す。これらの処置方法を詳細に説明するが、これらは例示的であり、非限定的であることを理解されたい。本開示の他の実施形態では、目に対するデバイスの配置及び目との位置合わせは、変えることができ、光の送出を変更することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、治療光源108は、半導体レーザー・ダイオード又はLED等とすることができる。いくつかの実施形態では、治療光源108は、パルス化810nmダイオード・レーザーから赤外線レーザー・エネルギーを送出することができる。いくつかの実施形態では、治療光源108及び関連電子機器110は、パルス化又は連続的な波放出モードで光エネルギーを送出するように構成することができる。
【0062】
例えば、いくつかの実施形態では、光源108及び関連電子機器110は、約500μsの「オン」時間及び約1100μsの「オフ」時間を伴う30%の動作周期で、約300μsの「オン」時間及び約1700μsの「オフ」時間を伴う約15%の動作周期で、又は約200μsの「オン」時間及び約1800μsの「オフ」時間を伴う約10%の動作周期で動作するように構成することができる。レーザー・エネルギー・パルスの「オン」及び「オフ」時間を注意深く選択すると、標的への望ましくない熱損傷を防ぐことができ、これは、次のエネルギー・パルスを「オン」時間の間に送出する前に、レーザーの「オフ」時間の間、標的を冷却可能にすることによる。動作周期は、「オフ」時間の間の不十分な冷却によって生じる累積的な熱の蓄積を回避できるように選択することができる。したがって、眼圧(IOP)の低下に必要な生物学的反応を作動させるのに十分な最小レベルに損傷を低減することができる。図7は、本発明のいくつかの実施形態で使用することができる例示的パルス化モードを示す。図示するモードは、2000μsの周期で100μsの「オン」時間及び1900μsの「オフ」時間を有することができる。
【0063】
目の処置領域にわたってデバイスを摺動させるいくつかの実施形態では、送出する処置レーザーは、パルス化レーザー・エネルギー(例えば、パルス化赤外線レーザー・エネルギー)を備えることができる。パルス化レーザー・エネルギーは、レーザー処置を摺動様式で送出する場合、0.1%~99%の間で、1から5msの周期の動作周期を有することができる。好ましくは、動作周期は、レーザー処置を摺動様式で送出する場合、1~5%の間とすることができる。これらの範囲は、経強膜処置の送出にも有利であり得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、デバイスは、レーザー、LED又は他の光源を組み込むことができ、他の光源は、細胞機能を改善することによって、例えば、ミトコンドリアによるエネルギー生成を担う生化学的経路を上方制御することによって、治療反応を直接刺激することができる。デバイスは、1つ又は複数のそのような治療光源を組み込むことができる。
【0065】
典型的な実施形態では、半導体レーザー・ダイオード又は半導体レーザー・ダイオード励起レーザー(例えばDPSS緑色/黄色レーザー)を眼科治療用光源として使用する。そのようなレーザーは、532nm、577nm又は810nm等の既定のレーザー発振波長を有し、±3nm等の既定のスペクトル線幅を有し、810nmレーザー・ダイオードで700mA等の既定の閾値電流を有し、既定の電気インピーダンスを有し、既定の電気インピーダンスは、任意の繰返し率(1kHz以上等)及び任意の値(1ns以上等)でのパルス幅で、延長期間(1ms以上等)の間、レーザーを電気的又は光学的に変調可能にする。
【0066】
実施形態における光源は、DFBレーザー等のシングルモードのレーザー、808nm広域レーザー等のマルチモードのレーザー、又は様々な色(緑色、黄色又は赤色)の可視スペクトルLED等の広域スペクトルLEDとすることができる。パルス・エネルギー、パルス幅及びパルス繰返し率(動作周期としても公知)は、マイクロ・パルス・パラメータによって示されるもの等、最適な処置効果をもたらすように調節することができる。
【0067】
電子機器110は、光源108の出力を制御するため、フィードバック制御を更に含むことができ、フィードバック制御は、ハードウェア内で実施され、ソフトウェア制御ループの反応よりも速い。ハードウェア光出力フィードバック制御は、好ましくは、市販のレーザー・ドライバ・チップにより実施し、レーザー・ドライバ・チップは、光検出器入力を使用する埋込み式自動出力制御特徴を有し、光検出器入力は、レーザー・ダイオードのバイアス電流を直接制御するレーザー出力と相関し、一定の出力レベルを達成する。このことは、典型的には、ソフトウェアのフィードバック・ループと比較すると、迅速でリアルタイムの出力制御をもたらす。
【0068】
いくつかの実施形態では、電池112は、アルカリ電池、鉛電池、リチウム・イオン電池、又はあらゆる他の充電可能な電池若しくは使い捨て電池とすることができる。いくつかの実施形態では、デバイス本体102は、電池112を受ける電池受けを含むことができ、筐体106は、必要な際に電池112を取り替えるための取り外し可能カバーを含むことができる。同じ筐体16内に収容した治療光源108に電力を供給する電池112の使用は、より好都合な処置を可能にすることができる。というのは、デバイス100を個別のレーザー・コンソールに繋がなくてもよいためである。レーザー・コンソールを繋がないことで、デバイス100に対する動作のより多大な自由及びより良好な組織の標的化を可能にし得る。更に、いくつかの実施形態では、電池により電力供給するデバイス100は、電気が利用不可能である田舎又は人里離れた地域におけるデバイス100の使用を可能にし得る。更に、光源108及び電源112を収容するデバイス100の実施形態は、可能性としては、製造費用を低減することができ、これにより、新興市場におけるデバイス100のより多大な利用可能性を可能にし得る。電池は、充電可能な種類のものであってもよく、充電はワイヤレスに行うことができる。
【0069】
ユーザ・インターフェース114は、1つ又は複数の機械式ダイアル、ボタン又はスイッチを備えることができ、これらは、治療光源のパラメータを調節するために使用することができ、タッチスクリーン若しくは専用電子表示器を伴うか、又はこれらを伴わない。ユーザ・インターフェースは、タッチスクリーン表示器を使用しても、使用しなくてもよい。非タッチスクリーンのユーザ・インターフェースを使用する場合、レーザー設定を表示する数字を使用する単純な機械式表示器を使用することができる。追加又は代替として、処置パラメータは、無線周波、例えばBluetooth(登録商標)を介してデバイスに伝達することができる。
【0070】
筐体106は、内部光学機器116を更に収容することができ、内部光学機器116は、光源108から生成した光を筐体106の遠位端部120に向けて案内する。用語「近位」及び「遠位」は、手持ち式デバイス100に関するものとして解釈されたい。「近位」は、デバイスを保持する従事者に比較的近く、「遠位」は、デバイスを保持する従事者から比較的遠いものとして理解されたい。いくつかの実施形態では、内部光学機器116は、光源108に機械的及び光学的に結合するコリメーティング・レンズ等のビーム成形光学構成要素を含むことができる。内部光学機器は、あらゆる必要なビーム成形要素を含むこともできる。合焦及び他のビーム調整光学機器は、デバイス内の光源の他の要素と分離可能であっても、他の要素と一体であってもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、筐体106は、任意選択で照明光源を含むことができる。照明光源は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献4に記載のように、目の中に光を向け、毛様体突起を照らすように構成することができる。組織を照らすことにより、治療光を送出する間、臨床医又は他の従事者がデバイス100と組織とを位置合わせするのを助けることができる。
【0072】
取り替え可能先端部材104は、近位端部122、及び近位端部122の反対側の遠位アプリケータ端部124を備えることができる。取り替え可能先端部材104は、光学機器126を更に含むことができ、いくつかの実施形態では、取り替え可能先端部材104は、以下でより詳細に説明するように、光センサ144、反射器146及び/又はコンピュータ可読媒体150を含むことができる。
【0073】
取り替え可能先端部材104の近位端部122は、1つ又は複数の係合特徴部を使用して、本体102の筐体106の遠位端部120と機械式に結合するように構成することができる。例えば、図8は、例示的取り替え可能先端部材104aを示し、取り替え可能先端部材104aの近位端部122は、螺入係合特徴部を有する。したがって、先端部材104aは、対応する螺入係合特徴部を有するデバイス本体102の筐体106と回転可能に係合、分離することができる。
【0074】
図9Aは、別の例示的取り替え可能先端部材104bを示す。例示的取り替え可能先端部材104bは、1つ又は複数の突起123を含む近位端部122を含み、1つ又は複数の突起123は、デバイス本体102の1つ又は複数の対応する係合特徴部内にスナップ嵌合することができる。これらの図示の実施形態は、例示的であって、非限定的なものではなく、他の変形形態が可能であることは理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス本体102は雄接続部を有することができ、取り替え可能先端部材104は雌接続部を有することができる、又はその逆も同様である。他の実施形態では、雄接続部と雌接続部との間にファイバ長さ部を有し、取り替え可能先端部材と手持ち式光源との間に可撓性光ケーブルを可能にすることができる。短い光ケーブルの使用は、限定はしないが、滅菌又は他の臨床的必要性に適している。図9Bは、また別の例示的取り替え可能先端部材104fを示す。例示的取り替え可能先端部材104fは、磁石142(例えば永久磁石)を使用してデバイス本体102に磁気的に取り付けることができる。例えば、先端部材104及びデバイス本体102は、磁石を含むか、又は磁性材料から作製するか、又は磁性材料を含むことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、取り替え可能先端部材104の遠位端部124の接触表面は、治療光源を送出する方向に対して角度を付けることができる。例えば、図10は、患者の目に対して置いた図2のデバイス100を示す。遠位端部124の角度を付けた接触表面は、遠位端部124を目1に対して置き、目1と位置合わせした際、あらゆる好ましい角度で治療光ビームを目1の中に案内することができる。いくつかの実施形態では、遠位端部124は、強膜の湾曲に一致するように構成した湾曲を有する凹形とすることができる。
【0076】
取り替え可能先端部材104は、光学機器126を含むことができる。取り替え可能先端部材104の光学機器126は、受動的であってもよい。いくつかの実施形態では、光学機器126は、目の表面下の領域内に光を合焦するように設けることができる。任意選択で、光学機器126は、目の表面下の領域内に光を拡散させることができる。いくつかの実施形態では、光学機器126は、近位端部128及び遠位端部130を有するマルチモード・ファイバを備えることができる。光学機器126の近位端部128は、デバイス本体102の光学機器116と光学的に結合するように構成することができる。更なる結合光学機器には、入口ポートと出口ポートとを接続するあらゆる導波路、並びに入口ポート及び出口ポートをマッピングするあらゆる自由空間光学要素等、当技術分野においてあらゆる公知のものを含むことができる。先端部材の遠位端部130における材料の屈折率は、ヒトの目の涙の屈折率にほぼ一致するように選択し、標的組織への光出力の高い割合の伝達を可能にする。光学機器126の遠位端部130は、平滑先端部材を形成することができる。いくつかの実施形態では、光学機器126の遠位端部130は、マルチモード・ファイバの末端部を融解させることによって形成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、遠位端部130は、半球状の構成とすることができる。光学機器126は、マルチモード・ファイバとして説明しているが、他の実施形態では、他の受動的光学機器を利用し得ることを理解されたい。例えば、受動的光学機器は、任意の数のレンズ、反射器、屈折器、非撮像光学機器及び/又は撮像光学機器を備えることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、遠位端部130の先端部材は、遠位端部124の接触表面を越えて0.15mmから1.0mmまで(例えば0.25mm~4mm)突出することができる。先端部材130の突出は、結膜及び強膜を通した赤外線レーザー・エネルギーの伝達を増大させ、ビームの広がりをもたらし、毛様体の前部(毛様体ひだ部)部分から後部(毛様体扁平部)部分を通じて毛様体構造を照射することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、先端部材104の光学機器126は多重分離器を含むことができる。例えば、図11は、本発明のいくつかの実施形態で使用することができる例示的多重分離器134を示す。多重分離器134は、近位端部136及び遠位端部138を有することができる。多重分離器134は、近位端部136から入力した治療光を、遠位端部138において複数のより小さいスポット140にマッピングするように構成することができる。いくつかの実施形態では、多重分離器134は、溶融ガラス部品とすることができる。いくつかの実施形態では、多重分離器134は、1000μm入力スポットを複数のより小さいスポット(例えば10μm等)にマッピングし、1000μm入力スポットよりも大きな領域にわたって広げることができる。入力光を3つのより小さなスポット140にマッピングするように示しているが、このことは例示的であり、非限定的であることを理解されたい。任意選択では、多重分離器134は、入力治療光を2つ以上のより小さなスポットにマッピングすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、入力治療光を64以上のスポットにマッピングすることが有益である場合がある。このことにより、単一入力光で多数の位置を処置することが可能であり得る。
【0079】
本開示のいくつかの実施形態では、取り替え可能先端部材104は、少なくとも1つの光センサ144(例えばフォトダイオード)を含むことができ、光センサ144は、処置中、目の組織に向けられた治療光から、目の組織による反射光又は散乱光を検出する。反射光又は散乱光は、光センサ144によって出力信号(例えば電気信号)に変換され、入射レーザー出力を評価又は計算するために使用することができる。光センサ144の出力信号は、例えば、以下でより詳細に説明する電気接触部によって、先端部材104とデバイス筐体106との間の境界面152にわたり伝送することができる。いくつかの実施形態では、出力信号又は計算された入射レーザー出力は、ユーザ・インターフェース114上に表示することができる。他の実施形態では、取り替え可能先端部材104は、他の種類のセンサ(例えば力センサ又は圧力センサ)を含むことができる。
【0080】
本開示のいくつかの実施形態では、取り替え可能先端部材104は、コンピュータ可読媒体150を含むことができる。コンピュータ可読媒体150は、光学バーコード(例えば2Dバーコード)、埋め込みチップ(例えば暗号化、RFID、NFC、直接読取りメモリ・チップ)等とすることができる。コンピュータ可読媒体150は、デバイス本体150に関連付けた、対応するセンサ又は走査器によって読み取ることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体150は、デバイス本体102が、認可されていない(例えば使用済み又は偽造された)取り替え可能先端部材104と共に使用されることを保護する安全特徴部であってもよい。例えば、暗号化チップ又はRFIDチップは、各処置についての取り替え可能先端部材104の単回使用を強化することができる。任意選択で、コンピュータ可読媒体150は、取り替え可能先端部材104に関連する処置パラメータ情報を伝達することができる。例えば、取り替え可能先端部材104は、デバイス本体102と結合させることができる。デバイス本体のセンサ、又は(例えば外部走査器上の)個別のセンサは、コンピュータ可読媒体150を読み取り、どの処置パラメータが、取り付けられている種類の先端部材104に関連するか、及び/又は取り替え可能先端部材が認可されているかどうかを決定することができる。その後、デバイス本体102の電子機器110は、特定の処置に対し治療光源108のパラメータを自動的に調節するように構成することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、境界面152は、先端部材104とデバイス筐体106との間に画定される光学的-電気的複合境界面とすることができる。境界面は、光出力及び/又は電気信号又は回路(例えば暗号化若しくはRFIDチップ、アンテナ整合回路)が、先端部材104の構成要素(例えばセンサ)と筐体106の内部に配置した構成要素(例えば電子機器)との間を横断することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、(例えば光ファイバ及び電気ワイヤの両方を有する)光ファイバを先端部材104と筐体106との間に設け、光出力及び/又は電気信号若しくは回路が境界面を介して横断することを可能にし得る。他の実施形態では、光出力及び/又は電気信号若しくは回路は、自由空間を介して境界面152を横断することができる。
【0082】
本開示のいくつかの実施形態では、取り替え可能先端部材104は、少なくとも1つの反射器146を含むことができる。反射器146は、第1の処置部位に向けた光に対しある角度(例えば直交角度)で、レーザー・ビーム又は治療光を第2の処置部位に向けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、反射器146は、「片側だき(side-fire)」として公知の様式で先端部材104の長手方向軸に対して横向きに治療光を向けることができる。このようにして、治療光は、患者の眼球表面上の腫瘍及び/又は第1の部位とは異なる第2の部位を処置するように向けることができる。例えば、第1の部位が目の毛様体である場合、第2の部位は、異なる眼内組織又は眼球表面の組織とすることができる。いくつかの実施形態では、光学機器126は、片側だき光ファイバを含むことができる。
【0083】
図示するデバイス100の取り替え可能先端部材104の遠位端部124は角度が付いているが、本開示の他の実施形態では、他の構成を使用することができる。例えば、図12は、例示的取り替え可能先端部材104cを示す。取り替え可能先端部材104cは、近位端部122c及び遠位端部124cを含む。近位端部122cは、関連するデバイス本体102と取り外し可能に結合するように構成する。遠位端部124cは、強膜の湾曲と一致しない、丸みを帯びた凸形表面とすることができる。丸みを帯びた凸形表面は、図5及び図6を参照して上記で説明したように、眼科処置の間、強膜にわたるデバイスの掃引を容易にすることができる。
【0084】
図13は、別の例示的取り替え可能接触先端部材104dを示し、取り替え可能接触先端部材104dは、いくつかの実施形態による本開示の眼科処置デバイス及びシステムと共に使用することができる。取り替え可能接触先端部材104dは、角度の付いた凹形遠位端部124dを含み、遠位端部124dは、強膜の湾曲部に一致するように構成される。先端部材104dは、照明光導管132を含むことができる。照明光導管は、デバイス本体102の筐体106内に収容した照明光源と結合させることができる。導管132は、参照により本明細書に既に組み込まれている特許文献4に記載のように、照明光を目に向かって遠位に向け、毛様体突起を照らすことができる。
【0085】
任意選択で、処置デバイス(例えば処置デバイス100)と標的組織との位置合わせを更に促進するために、処置案内部材を設けることができる。図14は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的処置案内部材200の上面図を示す。図15は、処置案内部材200の例示的側部断面図を示す。案内部材は、目の様々な標的領域への治療光の正確な標的化を促進することができる。そのような案内部材は、デバイスが典型的には手持ち式であるため、様々な緑内障処置の一貫性及び正確さの向上に役立ち得る。案内部材は、環状案内部材を備え、環状案内部材は、目の組織を係合し、複数の標的領域へのデバイスの手の動きを案内することができる。そのような案内部材は、患者に対し正確に重ね合わせる及び/又は載せることができ、触知可能なフィードバック、及び標的組織を越えたデバイスの動きを抑制する安全要素を与えることができる。更に、案内部材は、様々な目のサイズ又は目の処置に対して再構成可能であるように調節可能とすることができる。代替として、案内部材は、デバイスに取り付け、組織に対しデバイスを案内部材に沿って移動させることができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、処置案内部材は、様々なサイズの開口を含むことができ、各開口は、特定のサイズの使い捨て先端部材のために使用する。接触先端部材の形状は、劈開若しくは研磨による平坦表面とすることができるか、又はエッチング若しくは焼成による丸表面とすることができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、処置案内部材200は、リング202であってもよい。リング202は、近位表面204及び遠位表面206を有することができる。遠位表面206は、目の表面に対して置くことができる。例えば、いくつかの実施形態では、遠位表面206は、目の角膜周りに強膜に対して置くことができる。いくつかの実施形態では、リング202の内側縁部は、目の角膜縁と位置合わせするように構成することができる。案内部材200は、近位表面204から遠位表面206に延在する1つ又は複数の開口208を更に含むことができる。案内部材200の遠位表面206は、平坦なものとして示しているが、いくつかの実施形態では、凹形であり、強膜の湾曲に一致するように構成することができる。
【0088】
任意選択で、処置案内部材200は、リング202の遠位表面206から近位に延在する周囲壁201を含むことができる。周囲壁は、処置の間、患者の眼瞼を開けたままにするように構成することができる。
【0089】
開口208は、所望の処置を与える位置でリング202の周りに配置することができる。例えば、いくつかの実施形態では、開口208は、リング202の内側縁部から2.5mmと3.5mmとの間(又は特定の処置に最適化した距離)とすることができる。図15に示すように、開口208は、案内部材200を目に対して位置合わせし、配置する際、目の光学軸に対して任意の角度にあることができる(様々な目に対し、様々な角度の付いた設計を使用することができる)。角度の付いた開口208は、治療光が所望の角度で標的組織に向かって目に入るのを可能にし得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、開口は、対応する処置デバイスの位置決め特徴部を受けるように寸法決定し、目に対し所望の角度で処置デバイスを優先的に位置合わせすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、開口208は、取り替え可能先端部材のマルチモード・ファイバの遠位端部を受け、目の表面に対して好ましい角度でマルチモード・ファイバを位置合わせするように構成することができる。いくつかの実施形態では、開口208は、取り替え可能先端部材のマルチモード・ファイバを適合するように寸法決定することができ、案内部材に対するデバイスの並進移動を制限するようにする。
【0091】
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、処置デバイスの取り替え可能接触先端部材104と処置案内部材200との間の例示的係合を示す。図示のように、いくつかの実施形態では、接触先端部材104のマルチモード・ファイバの遠位端部130は、開口208内に延在することができる。いくつかの実施形態では、遠位端部130は、処置案内部材200の遠位表面206から遠位に延在することができる。いくつかの実施形態では、遠位端部130の長さ、及び近位表面204から遠位表面206までの処置案内部材200の厚さdは、ファイバ先端部材130が処置案内部材の遠位表面206から0.05mm~1mm遠位に延在するように寸法決定することができる。例えば、処置案内部材200が2mmの厚さdを有する場合、ファイバ先端部材130は、取り替え可能先端部材104の遠位表面124から2.05mm~3mm延在することができる。したがって、案内部材200の厚さdは、目の表面に対するファイバ先端部材130の接触圧力を制御することができる。任意選択で、いくつかの実施形態では、様々な厚さを有する複数の処置案内部材200を提供することができ、臨床医が、取り替え可能先端部材104と組み合わせて、特定の患者に好ましい量の圧力を可能にするものを選択できるようにする。
【0092】
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、別の例示的処置案内部材300の上面図を示す。処置案内部材300は、処置のためのデバイスの位置合わせ及び組織の標的化を促進することができ、治療光を送出する間、処置案内部材300内で、処置デバイスは目の上を掃引する。
【0093】
いくつかの実施形態では、処置案内部材300は、リング302であってもよい。いくつかの実装形態では、リング302の内側縁部は、目の角膜縁と位置合わせするように構成することができる。任意選択で、周囲壁301は、患者の眼瞼と係合し、処置の間、眼瞼の開放を維持するように設けることができる。リング302は、近位表面304、及び目の表面を係合する遠位表面を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、遠位表面は、目の角膜周りに強膜に対して置くことができ、案内部材は、眼瞼からの力、又は任意選択で手の力によって、適切に寸法決定したリングにより目の前部に配置し、固定し、処置セッションの間、固定されたままであるようにする。任意選択で、案内部材300の遠位表面は、凹形であり、強膜の湾曲に一致するように構成することができる。案内部材300は、1つ又は複数の弓形軌道308を更に含むことができ、1つ又は複数の弓形軌道308は、近位表面304から遠位表面に延在し、レーザー処置デバイスの先端部材と係合し、治療光を送出する間、レーザー処置デバイスの先端部材を軌道308に沿って案内するように構成する。いくつかの実施形態では、軌道308は、取り替え可能先端部材104の遠位端部130を軌道308内に受けるように寸法決定することができる。任意選択で、取り替え可能先端部材104の遠位端部130は、案内部材308の厚さ部を通して遠位に突出させることができ、取り替え可能先端部材104の遠位端部130が目の表面に対して接触圧力を加えることができるようにする。
【0094】
いくつかの実施形態では、軌道308は、リング302の内側縁部から約2.5mm~3.5mm離間させることができる。いくつかの実施形態では、軌道308は、リング302の30度~270度に及ぶことができる。任意選択で、軌道308は、上記の開口208と同様に、治療光が所望の角度で目に入るのを可能にするように構成することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、手持ち式レーザー及びその先端部材-案内部材により、目を安定させる必要性がなくなる。というのは、案内部材は、目の内部に留まり、目と共に移動することができるためである。更に、自由な手で、先端部材/案内部材と共にあるレーザー・デバイスを保持するため、位置合わせが常に維持される。案内部材200は、単回使用の取り替え可能先端部材104を有すると上記で説明したが、本明細書に記載の処置案内部材は、取り替え可能先端部材を有するレーザー・デバイスと共に使用し得るか、又は本明細書に組み込まれる引用文献に記載のもの等の他のレーザー・デバイスと共に使用し得ることを理解されたい。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明する処置案内部材(例えば案内部材200、案内部材300)は、規格の強膜レンズを修正することによって、構成又は製造することができる。例えば、案内部材の開口、軌道、穴又はスロットを強膜レンズ材料内に形成又は作製し、本明細書で説明する特定の特徴を有する案内部材をもたらすことができる。
【0097】
また更なる実施形態では、目の処置方法を提供することができる。図18は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的方法400を示す。方法400は、取り替え可能接触先端部材を処置デバイス筐体に取り付けることを含むことができる402。取り替え可能接触先端部材に関連するコンピュータ可読コード(例えばコード150)を検出することができる404。治療光パラメータは、検出したコンピュータ可読コードに基づき調節することができる406。処置案内部材を目の上に置くことができる408。その後、取り替え可能接触先端部材を処置案内部材と結合し、治療光と標的組織とを位置合わせすることができる410。デバイスと標的組織とを位置合わせした後、治療光を標的組織に向かって送出することができる312。
【0098】
取り替え可能接触先端部材(例えば先端部材104)は、上記の様式のいずれかで処置デバイス筐体(例えば本体102の筐体106)に取り付けることができる。例えば、先端部材は、対応するデバイス本体と螺入係合、スナップ嵌合又は磁気係合させることができる、及び/又は先端部材は、可撓性光ファイバ(例えばピグテール光ファイバ)によりデバイス筐体に接続され、デバイス筐体と取り替え可能先端部材との間の可撓性を可能にする。
【0099】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、可撓性光結合器160を有する例示的処置デバイス100eを示し、可撓性光結合器160は、処置デバイス本体102と取り替え可能先端部材104eとを結合する。処置デバイス本体102は、図2に示す本体と同様のものであってもよい。デバイス本体102は、治療光源、関連電子機器及び可搬電源を収容することができる。更に、デバイス本体102は、ユーザ・インターフェース114を組み込むことができる。ユーザ・インターフェースは、単純なスイッチ又はボタンとして示され、押下し、デバイス本体102内に収容した治療光源を起動し、治療光を本体102の遠位端部120に向かって送出することができる。ユーザ・インターフェース114は、単純なボタンとして示しているが、上記した治療光源のパラメータを調節する他のスイッチ及び/又はダイアルを更に含むことができる。
【0100】
可撓性光結合器160は、可撓性光ファイバ161(例えばピグテール光ファイバ)を備えることができる。可撓性光ファイバ161の近位端部は、近位接続器162と結合することができる。可撓性光ファイバ161の遠位端部は、遠位接続器164と結合することができる。近位接続器162は、デバイス本体102の遠位端部120と機械的に(螺入可能に、スナップ嵌合により、磁気的に等)結合するように構成することができる。近位接続器162をデバイス本体102の遠位端部120と結合すると、可撓性光ファイバ161は、デバイス本体102内に収容した治療光源と光学的に結合することができる。可撓性光結合器160の遠位接続器164は、取り替え可能先端部材104eの近位端部122eと機械的に(螺入可能に、スナップ嵌合により、磁気的に等)結合するように構成することができる。遠位接続器164を取り替え可能先端部材104eの近位端部122eと結合すると、取り替え可能先端部材104eの内部光学機器は、可撓性光ファイバ161と光学的に結合することができる。デバイス本体102、可撓性光結合器160及び取り替え可能先端部材104eを組み立てると、デバイス本体102内に収容した治療光源の起動により、光は、取り替え可能接触先端部材104eの遠位端部124eから向けられる。
【0101】
いくつかの実施形態では、取り替え可能接触先端部材104eの近位端部122eは、可撓性光結合器160の近位接続器162と同様の係合構成を有することができる。同様に、いくつかの実施形態では、デバイス本体102の遠位端部120は、可撓性光結合器160の遠位接続器164と同様の係合構成を有することができる。このことは、可撓性光結合器160を用いて又は用いずにシステム100eを使用することを可能にし得る。例えば、可撓性光結合器160が不要である特定の処置において、取り替え可能先端部材104eの近位端部122eが可撓性光結合器160の近位接続器162と同様の係合構成を有すると仮定すると、臨床医は、取り替え可能先端部材104eとデバイス本体102とを直接結合させることができ、これにより、取り替え可能先端部材104eの近位端部122eとデバイス本体102の遠位端部120との結合を可能にする。
【0102】
いくつかの実施形態では、電子機器を先端部材104e内に含む又は埋め込んだ場合、光ファイバ161は、光ファイバ及び電気ワイヤの両方を有する光学的-電気的複合ケーブルとして働くことができ、上述のように、先端部材104eと本体102との間の境界面に、電気信号及び光信号をもたらす。そのような構成では、接続器162及び164は、光ファイバ及び電気ワイヤの両方を支持することもできる。
【0103】
取り替え可能接触先端部材104eは、(光送出方向に直交する)平坦な遠位接触端部124eを有するものとして示すが、取り替え可能接触先端部材104eは、上記で説明したあらゆる構成を有し得ることを理解されたい。例えば、取り替え可能接触先端部材104eは、凸形(例えば摺動処置のため)、凹形(例えば目の表面と対合させるため)、又は角度を付けたもの(例えば治療光を目の表面に対し好ましい角度で送出するため)とすることができる。上記で示したように、多くの異なる取り替え可能先端部材構成を異なる処置のために提供することができる。更に、処置デバイス104eは、処置案内部材(例えば案内部材200、300等)を用いて又は用いずに使用し得ることを理解されたい。
【0104】
コンピュータ可読コードは、上記で説明したバーコード、RFID又は他の電子チップ等とすることができる。コンピュータ可読コードは、安全特徴部として働くこともでき、不適当なサード・パーティの処置先端部材をデバイス本体102と共に使用しないことを保証する。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、デバイス本体と結合する取り替え可能先端部材の真正性を検証することを含むことができる。任意選択で、治療光パラメータは、検出したコンピュータ可読コードに基づき調節することができる406。
【0105】
処置案内部材は、適切な処置のために目の上に置くことができる408。例えば、処置が複数の個別の処置スポットを必要とする場合、案内部材200のような処置案内部材を目に当てることができる。一方で、処置が、デバイスを目の一部分にわたって掃引しながら治療光の送達を必要とする場合、案内部材300のような処置案内部材を目に当てることができる。目の上に案内部材を置いた後、取り替え可能接触先端部材を処置案内部材と結合し、治療光を標的組織と位置合わせすることができる410。上記で示したように、いくつかの実施形態では、デバイス先端部材のマルチモード・ファイバの遠位端部は、案内部材の開口又は軌道を通して挿入し、デバイス先端部材を配置し、標的組織と位置合わせすることができる。任意選択で、マルチモード・ファイバの遠位端部は、案内部材の遠位表面から遠位に突出し、目の表面に圧力を加えることができる。デバイスと標的組織とを位置合わせした後、治療光を標的組織に向かって送出することができる312。
【0106】
1つ又は複数の計算デバイスは、コンピュータ可読形態にしたソフトウェア命令にアクセスすることによって、所望の機能を与えるように適合させることができる。ソフトウェアを使用する場合、あらゆる適切なプログラミング、スクリプティング又は他の種類の言語若しくは言語の組合せを使用し、本明細書に含まれる教示を実施することができる。しかし、ソフトウェアを排他的に使用する必要はない、又はソフトウェアを全く使用しなくてもよい。例えば、本明細書で説明する方法及びシステムのいくつかの実施形態は、固定配線された論理又は他の回路構成により実施することもでき、これらには、限定はしないが、特定用途向け回路を含む。コンピュータにより実行されるソフトウェアと、固定配線された論理又は他の回路構成との組合せも適切であり得る。
【0107】
本明細書で開示する方法の実施形態は、1つ又は複数の適切な計算デバイスにより実行することができる。そのようなシステム(複数可)は、本明細書に開示する方法の1つ又は複数の実施形態を実施するように適合させた1つ又は複数の計算デバイスを備えることができる。上記のように、そのようなデバイスは、コンピュータ可読命令を具現する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体にアクセスすることができ、コンピュータ可読命令を少なくとも1つのコンピュータによって実行すると、少なくとも1つのコンピュータは、本発明の主題の方法の1つ又は複数の実施形態を実施する。追加又は代替として、計算デバイス(複数可)は、回路構成を備えることができ、回路構成は、デバイス(複数可)を、本発明の主題の方法の1つ又は複数を実施するように動作可能にする。
【0108】
あらゆる適切なコンピュータ可読媒体又は複数の媒体を使用し、本発明で開示する主題を実施又は実行することができ、コンピュータ可読媒体又は複数の媒体は、限定はしないが、ディスケット、ドライブ、及び他の磁気ベースの記憶媒体、ディスク(例えばCD-ROM、DVD-ROM、これらの変形形態等)を含む光学記憶媒体、フラッシュ、RAM、ROM、及び他のメモリ・デバイス等を含む。
【0109】
本明細書において、本発明の主題を特定的に説明しているが、請求する主題は、他の方式で具現するか、異なる要素若しくはステップを含むか、又は他の既存の若しくは未来の技術と共に使用することができる。
【0110】
この説明は、個別のステップの順序又は要素の構成を明示的に記載している場合を除き、様々なステップ又は要素の中若しくは間であらゆる特定の順序又は構成を暗示するものとして解釈すべきではない。図示又は上記した構成要素の異なる構成のみならず、図示しない又は上記していない構成要素及びステップが可能である。同様に、一部の特徴及び下位組合せが有用であり、他の特徴及び下位組合せに関係なく利用することができる。本発明の実施形態は、例示的に、制限的ではない目的で説明しており、代替実施形態は、本特許の読者であれば明らかであろう。したがって、本発明は、上記又は図示した実施形態に限定するものではなく、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な実施形態及び修正形態を行うことができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19