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特許7201499車両用装飾部品及びその2色射出成形方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】車両用装飾部品及びその2色射出成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/16 20060101AFI20221227BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
B29C45/16
B29C45/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019054785
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020100134
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】P 2018238232
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390026538
【氏名又は名称】ダイキョーニシカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高岡 哲也
(72)【発明者】
【氏名】井口 大輔
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-134805(JP,A)
【文献】特開2017-019313(JP,A)
【文献】特開2017-205978(JP,A)
【文献】国際公開第2018/008484(WO,A1)
【文献】特開2002-046465(JP,A)
【文献】特開2001-293747(JP,A)
【文献】特開2011-156749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00-45/84
B29C 33/00-33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の基材(3)と、当該基材(3)の表側に一体に設けられた装飾部材(15)とを備えた車両用装飾部品であって、
上記基材(3)には、表裏方向に貫通する貫通部(11)が形成され、
上記基材(3)は、上記貫通部(11)を囲む環状部(9)を備え、
上記基材(3)の環状部(9)の表面の外周端部には、表側に突出する凸条部(9a)が全周に亘って形成され、
上記装飾部材(15)は、上記基材(3)とは色及び材質の少なくとも一方が異なる樹脂材(R2)で上記貫通部(11)を表側から覆うように二色成形により上記基材(3)と一体に形成され、
上記装飾部材(15)の裏面における上記基材(3)の貫通部(11)に臨む貫通部対向領域(RE1)には、ゲート跡(15b)が形成され
上記装飾部材(15)の裏面の外周端部には、表側に凹む凹条部(15d)が全周に亘って形成され、
上記基材(3)の凸条部(9a)が、上記装飾部材(15)の凹条部(9a)に接合していることを特徴とする車両用装飾部品。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用装飾部品において、
上記基材(3)は、上記貫通部(11)を囲む複数の環状部(9)と、当該複数の環状部(9)を互いに連結する連結部(13)とを備え、
上記装飾部材(15)は、各環状部(9)の表面に形成されていることを特徴とする車両用装飾部品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用装飾部品を成形する2色射出成形方法であって、
上記基材(3)の裏面及び上記装飾部材(15)の裏面を成形する成形面(211)を有し、当該成形面には、上記基材(3)の貫通部(11)を成形するための凸部(212)が突設され、当該凸部(212)の先端面に装飾部材成形用ゲート(215)が形成されたコア型(210)と、上記基材(3)の表面及び端面を成形する第1キャビティ型(220)と、上記装飾部材(15)の表面及び端面を成形する成形面(233)を有し、かつ成形された基材(3)の環状部(9)と上記コア型(210)の凸部(212)とを収容可能な凹部(232)を有する第2キャビティ型(230)とを用意し、
上記コア型(210)と第1キャビティ型(220)とを型締めして両者間に第1キャビティ(C1)を形成し、当該第1キャビティ(C1)内に第1樹脂材(R1)を射出充填することにより、上記貫通部(11)が形成された基材(3)を成形し、
その後、上記コア型(210)に上記基材(3)が保持された状態で、上記コア型(210)と上記第2キャビティ型(230)とを型締めして、上記コア型(210)及び上記基材(3)と上記第2キャビティ型(230)との間に第2キャビティ(C2)を形成し、当該第2キャビティ(C2)を形成した状態で、上記第2キャビティ型(230)の凹部(232)に上記基材(3)の環状部(9)とコア型(210)の凸部(212)とを収容するとともに、上記凹部(232)の内周面に、上記基材(3)の凸条部(9a)の先端を全周に亘って当接させ、その後、当該第2キャビティ(C2)内に上記装飾部材成形用ゲート(215)から第2樹脂材(R2)を射出充填することにより、上記貫通部対向領域(RE1)に上記ゲート跡(15b)が形成された装飾部材(15)を成形することを特徴とする車両用装飾部品の2色射出成形方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の車両用装飾部品を成形する2色射出成形方法であって、
上記基材(3)の裏面及び上記装飾部材(15)の裏面を成形する成形面(211)を有し、当該成形面には、上記基材(3)の貫通部(11)を成形するための凸部(212)が突設され、当該凸部(212)の先端面に装飾部材成形用ゲート(215)が形成されたコア型(210)と、上記基材(3)の表面及び端面を成形する第1キャビティ型(220)と、上記装飾部材(15)の表面及び端面を成形する成形面(233)を有し、かつ成形された基材(3)の環状部(9)と上記コア型(210)の凸部(212)とを収容可能な凹部(232)を有する第2キャビティ型(230)とを用意し、
上記コア型(210)と第1キャビティ型(220)とを型締めして両者間に第1キャビティ(C1)を形成し、当該第1キャビティ(C1)内に第1樹脂材(R1)を射出充填することにより、上記貫通部(11)が形成された基材(3)を成形し、
その後、上記コア型(210)に上記基材(3)が保持された状態で、上記コア型(210)と上記第2キャビティ型(230)とを型締めして、上記コア型(210)及び上記基材(3)と上記第2キャビティ型(230)との間に第2キャビティ(C2)を形成し、当該第2キャビティ(C2)を形成した状態で、上記第2キャビティ型(230)の凹部(232)に上記基材(3)の環状部(9)とコア型(210)の凸部(212)とを収容するとともに、上記基材(3)の凸条部(9a)の先端を上記凹部(232)の内周面から離間させ、その後、当該第2キャビティ(C2)内に上記装飾部材成形用ゲート(215)から第2樹脂材(R2)を射出充填することにより、上記貫通部対向領域(RE1)に上記ゲート跡(15b)が形成された装飾部材(15)を成形し、上記第2キャビティ(C2)内に上記第2樹脂材(R2)を射出充填する過程で、上記第2樹脂材(R2)の圧力で上記基材(3)の凸条部(9a)を外周側に撓ませて当該凸条部(9a)の先端を上記凹部(232)の内周面に全周に亘って当接させることを特徴とする車両用装飾部品の2色射出成形方法。
【請求項5】
請求項に記載の車両用装飾部品の2色射出成形方法において、
上記基材(3)の凸条部(9a)は、突出高さ(H)が0.5mm以上2.0mm以下で幅(TH)が、0.3mm以上0.8mm以下に設定されていることを特徴とする車両用装飾部品の2色射出成形方法。
【請求項6】
請求項のいずれか1項に記載の車両用装飾部品の2色射出成形方法において、
上記装飾部材(15)の成形時の第2樹脂材(R2)の樹脂温度は、上記第1樹脂材(R1)の溶融温度以下に設定されることを特徴とする車両用装飾部品の2色射出成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製の基材と、当該基材の表側に一体に設けられた装飾部材とを備えた車両用装飾部品及びその2色射出成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、樹脂製の基材と、当該基材の表側に一体に設けられた装飾部材からなる車両用装飾部品として、基材にボス孔を設けるとともに、装飾部材にピンを設け、基材のボス孔に装飾部材のピンを係合させたものが開示されている。この車両用装飾部品は、基材のボス孔に装飾部材のピンを係合させるだけで基材に装飾を施すことができ、マスキング作業及びマスキング除去作業が不要なので、光輝処理や着色処理により基材に装飾を施す場合に比べ、製造が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-163124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、装飾部材の製造後、装飾部材のピンを基材のボス孔に係合させる組付作業が必要なので、製造コストの高騰を招く。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両用装飾部品の製造コストを削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明は、装飾部材を基材に二色成形により一体に形成したことを特徴とする。
【0007】
具体的には、第1の発明は、樹脂製の基材と、当該基材の表側に一体に設けられた装飾部材とを備えた車両用装飾部品を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0008】
すなわち、第1の発明は、上記基材には、表裏方向に貫通する貫通部が形成され、上記基材は、上記貫通部を囲む環状部を備え、上記基材の環状部の表面の外周端部には、表側に突出する凸条部が全周に亘って形成され、上記装飾部材は、上記基材とは色及び材質の少なくとも一方が異なる樹脂材で上記貫通部を表側から覆うように二色成形により上記基材と一体に形成され、上記装飾部材の裏面における上記基材の貫通部に臨む貫通部対向領域には、ゲート跡が形成され、上記装飾部材の裏面の外周端部には、表側に凹む凹条部が全周に亘って形成され、上記基材の凸条部が、上記装飾部材の凹条部に接合していることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の車両用装飾部品において、上記基材は、上記貫通部を囲む複数の環状部と、当該複数の環状部を互いに連結する連結部とを備え、上記装飾部材は、各環状部の表面に形成されていることを特徴とする。
【0010】
の発明は、第1又はの発明の車両用装飾部品を成形する2色射出成形方法であって、上記基材の裏面及び上記装飾部材の裏面を成形する成形面を有し、当該成形面には、上記基材の貫通部を成形するための凸部が突設され、当該凸部の先端面に装飾部材成形用ゲートが形成されたコア型と、上記基材の表面及び端面を成形する第1キャビティ型と、上記装飾部材の表面及び端面を成形する成形面を有し、かつ成形された基材の環状部と上記コア型の凸部とを収容可能な凹部を有する第2キャビティ型とを用意し、上記コア型と第1キャビティ型とを型締めして両者間に第1キャビティを形成し、当該第1キャビティ内に第1樹脂材を射出充填することにより、上記貫通部が形成された基材を成形し、その後、上記コア型に上記基材が保持された状態で、上記コア型と上記第2キャビティ型とを型締めして、上記コア型及び上記基材と上記第2キャビティ型との間に第2キャビティを形成し、当該第2キャビティを形成した状態で、上記第2キャビティ型の凹部に上記基材の環状部とコア型の凸部とを収容するとともに、上記凹部の内周面に、上記基材の凸条部の先端を全周に亘って当接させ、その後、当該第2キャビティ内に上記装飾部材成形用ゲートから第2樹脂材を射出充填することにより、上記貫通部対向領域に上記ゲート跡が形成された装飾部材を成形することを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第1又は第2の発明の車両用装飾部品を成形する2色射出成形方法であって、上記基材の裏面及び上記装飾部材の裏面を成形する成形面を有し、当該成形面には、上記基材の貫通部を成形するための凸部が突設され、当該凸部の先端面に装飾部材成形用ゲートが形成されたコア型と、上記基材の表面及び端面を成形する第1キャビティ型と、上記装飾部材の表面及び端面を成形する成形面を有し、かつ成形された基材の環状部と上記コア型の凸部とを収容可能な凹部を有する第2キャビティ型とを用意し、上記コア型と第1キャビティ型とを型締めして両者間に第1キャビティを形成し、当該第1キャビティ内に第1樹脂材を射出充填することにより、上記貫通部が形成された基材を成形し、その後、上記コア型に上記基材が保持された状態で、上記コア型と上記第2キャビティ型とを型締めして、上記コア型及び上記基材と上記第2キャビティ型との間に第2キャビティを形成し、当該第2キャビティを形成した状態で、上記第2キャビティ型の凹部に上記基材の環状部とコア型の凸部とを収容するとともに、上記基材の凸条部の先端を上記凹部の内周面から離間させ、その後、当該第2キャビティ内に上記装飾部材成形用ゲートから第2樹脂材を射出充填することにより、上記貫通部対向領域に上記ゲート跡が形成された装飾部材を成形し、上記第2キャビティ内に上記第2樹脂材を射出充填する過程で、上記第2樹脂材の圧力で上記基材の凸条部を外周側に撓ませて当該凸条部の先端を上記凹部の内周面に全周に亘って当接させることを特徴とする。
【0012】
の発明は、第の発明の車両用装飾部品の2色射出成形方法において、上記基材の凸条部は、突出高さが0.5mm以上2.0mm以下で幅が、0.3mm以上0.8mm以下に設定されていることを特徴とする。
【0013】
の発明は、第~第の発明のいずれか1つの車両用装飾部品の2色射出成形方法において、上記装飾部材の成形時の第2樹脂材の樹脂温度は、上記第1樹脂材の溶融温度以下に設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、装飾部材が二色成形により基材と一体に形成され、装飾部材を基材に組み付ける工程が不要となり、製造工数が少なくなるので、製造コストを削減できる。
【0015】
また、装飾部材のゲート跡が装飾部材の裏面に形成され、表側から見えないので、車両用装飾部品の外観見栄えを向上できる。
【0016】
また、基材を成形した後、装飾部材成形用のキャビティを形成した状態で、基材の凸条部を成形型に当接させることで、装飾部材成形用の樹脂が成形型と基材の環状部の外周面との間に流れ込むのを抑制できる。したがって、基材の環状部の外周面上に装飾部材のバリが発生するのを抑制し、基材と装飾部材との境界周りの見栄えを向上できる。
【0017】
の発明によれば、複数の環状部と連結部とが一体に形成され、複数の環状部と連結部とを組み付ける手間が必要ないので、製造コストを削減できる。
【0018】
また、各装飾部材の裏面を成形する成形面にゲートが形成されるので、複数の装飾部材をランナーで互いに連結しなくてよく、当該ランナーを切り離す工程が不要となる。したがって、製造工数及び製造コストを削減できる。
【0019】
の発明によれば、第1の発明と同様の効果が得られる。
【0020】
また、第2キャビティを形成した状態で、基材の凸条部の先端が第2キャビティ型の凹部の内周面に当接して、第2樹脂材が第2キャビティ型の凹部の内周面と基材の環状部の外周面との間に流れ込むのを規制するので、基材の環状部の外周面上に装飾部材のバリが発生するのを抑制し、基材と装飾部材との境界周りの見栄えを向上できる。
【0021】
第4の発明によれば、第1の発明と同様の効果が得られる。
【0022】
また、第2キャビティに第2樹脂材を射出充填する過程で、基材の凸条部の先端が第2キャビティ型の凹部の内周面に当接して、第2樹脂材が第2キャビティ型の凹部の内周面と基材の環状部の外周面との間に流れ込むのを規制するので、基材の環状部の外周面上に装飾部材のバリが発生するのを抑制し、基材と装飾部材との境界周りの見栄えを向上できる。
【0023】
の発明によれば、基材の凸条部の突出高さが2.0mm以下に設定され、かつ凸条部の幅が0.3mm以上に設定されているので、凸条部の突出高さが2.0mmを超えるか、又は凸条部の幅が0.3mmを下回る場合に比べ、第1キャビティにおける凸条部対応箇所に第1樹脂材をより確実に行き渡らせることができる。したがって、欠肉のない車両用装飾部品をより確実に成形できる。
【0024】
また、基材の凸条部の突出高さが0.5mm以上に設定され、かつ凸条部の幅が0.8mm以下に設定されているので、凸条部の突出高さが0.5mmを下回るか、又は凸条部の幅が0.8mmを上回る場合に比べ、第2キャビティに第2樹脂材を射出充填する過程で凸条部をより確実に撓ませて凹部の内周面に当接させることができる。したがって、基材の環状部の外周面上に装飾部材のバリが発生するのをより確実に抑制できる。
【0025】
の発明によれば、装飾部材の成形時に基材の凸条部が溶融して第2樹脂材と混ざるのを抑制できるので、基材と装飾部材との境界周りの見栄えを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態1に係る車両用装飾部品としてのバンパーグリルの車両右側端部の正面図である。
図2図1のII部拡大図である。
図3図2のIII-III線における断面図である。
図4図2のIV-IV線における断面図である。
図5】本発明の実施形態1に係る成形方法において、第1キャビティ内に第1樹脂材を射出充填した第1樹脂材充填工程を示す成形工程図である。
図6】第1樹脂材充填工程における図3対応図である。
図7】第1樹脂材充填工程における図4対応図である。
図8図6のVIII部拡大図である。
図9図7のIX部拡大図である。
図10】コア型と第1キャビティ型とを型開きした型開き工程における図6相当図である。
図11】型開き工程における図7相当図である。
図12】基材をコア型に保持した状態で、第2キャビティ型をコア型に対向させたキャビティ型交換工程における図5相当図である。
図13】キャビティ型交換工程における図6相当図である。
図14】キャビティ型交換工程における図7相当図である。
図15】コア型と第2キャビティ型とを型締めして第2キャビティを形成した第2キャビティ形成工程における図9相当図である。
図16】第2キャビティ内に第2樹脂材を射出充填した第2樹脂材充填工程における図5相当図である。
図17】第2樹脂材充填工程における図6相当図である。
図18】第2樹脂材充填工程における図7相当図である。
図19】第2樹脂材充填工程における図8相当図である。
図20】第2樹脂材充填工程における図9相当図である。
図21】スプルーに残留して固化した残留部を装飾部材から切り離す工程における図5相当図である。
図22】コア型と第2キャビティ型とを型開きした工程における図5相当図である。
図23】実施形態2の図8相当図である。
図24】実施形態2の図9相当図である。
図25】実施形態2の図15相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0028】
(実施形態1)
図1~4は、本発明の実施形態1に係る車両用装飾部品としてのバンパーグリル1を示す。このバンパーグリル1は、自動車のフロントバンパー(図示せず)のバンパーフェース(図示せず)に形成された外気導入用開口部(図示せず)にその表面を前方に向けた状態で配設される。
【0029】
このバンパーグリル1は、樹脂製の略板状の基材3を備えている。当該基材3は、黒色の第1樹脂材R1からなり、第1樹脂材R1としては、AAS(アクリロニトリル-アクリル-スチレン共重合体)樹脂が用いられる。当該基材3は、車体下側に向かって徐々に幅狭となる略台形状に形成された板状のメッシュ部5と、該メッシュ部5を囲むように該メッシュ部5と一体に形成された平面視略台形状の環状の枠部7とを有している。上記メッシュ部5は、その内側空間を表裏方向に開放させ、メッシュ部5の面に沿う方向に互いに間隔を空けて形成された複数の環状部としての筒状部9を備えている。筒状部9の断面は、上下方向に長い矩形状をなしている。該筒状部9の内側空間は、筒状部9に囲まれ、かつ表裏方向に貫通する貫通部11を構成している。各筒状部9の表面の外周端部には、断面矩形状で表側に突出する凸条部9aが全周に亘って突設されている。凸条部9aの断面は、突出方向に長い長方形状をなしている。凸条部9aの幅THは、突出高さ全体に亘って0.3mm以上0.8mm以下に設定されている。また、凸条部9aの突出高さHは、0.5mm以上2.0mm以下に設定されている。これら筒状部9は、メッシュ部5の面に沿う方向に延びる長尺状の連結部13により互いに一体に連結されている。当該連結部13の端部は、筒状部9の左右両側の外周面の上端部近傍及び下端部近傍に、筒状部9の裏側端部から表裏方向中途部に亘って連結されている。
【0030】
上記基材3の各筒状部9の表面には、板面を表裏方向に向けた矩形板状の主壁部15aを有する装飾部材15が上記主壁部15aで上記貫通部11全体を表側から覆うように二色成形により一体に形成されている。当該装飾部材15は、シルバー色に着色された第2樹脂材R2からなり、第2樹脂材R2としては、AAS樹脂が用いられる。上記主壁部15aの裏面における上記基材3の貫通部11に臨む貫通部対向領域RE1には、後述する装飾部材成形用ゲート215に対応するゲート跡15bが形成されている。上記主壁部15aの外周部には、環状の周壁部15cが全周に亘って裏側に向かって突設されている。当該周壁部15cの先端面(裏面)の外周端部には、表側に凹む凹条部15dが全周に亘って形成されている。当該凹条部15dには、上記基材3の凸条部9aが接合し、当該凸条部9aの外周面と、凹条部15dよりも表側の装飾部材15の外周面とが、全周に亘って面一をなしている。
【0031】
図5~22は、本発明の実施形態1に係る車両用装飾部品の2色射出成形方法として、上述のように構成されたバンパーグリル1の2色射出成形方法を示す。
【0032】
製造に際し、図5図12図16図21、及び図22に示すような射出成形装置100を用意する。射出成形装置100は成形型200を備えている。この射出成形装置100は、基材3と装飾部材15とを共通の成形型200によって成形できるように構成された、いわゆるダイスライドタイプの装置である。
【0033】
成形型200は、コア型210、第1キャビティ型220、及び第2キャビティ型230を備えている。上記コア型210には、引っ張りリンク240を介してストリッパープレート250が後側から上記コア型210に対して前後方向に接離可能に取り付けられている。コア型210は、固定側取付板260に取り付けられ、第1キャビティ型220、及び第2キャビティ型230は、可動側取付板270に取り付けられている。
【0034】
コア型210は、基材3の裏面及び装飾部材15の裏面を成形する成形面211を有する。当該成形面211には、図6図7図10図11図13図14図17、及び図18にも示すように、上記基材3の貫通部11を成形するための略四角柱状の複数の凸部212がその長手方向を共通の方向に向けて互いに間隔を空けて突設されている。また、成形面211の基材3の枠部7に対応する領域には、基材3成形用の複数の基材成形用ゲート213が形成されている。当該基材成形用ゲート213は、基材成形用ランナー214の一端に形成され、基材成形用ランナー214の他端は、基材成形用スプルー(図示せず)を介して当該基材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)に連通している。当該基材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)は、コア型210の外周側に配設されている。また、各凸部212の先端面には、装飾部材15成形用の装飾部材成形用ゲート215が形成されている。該装飾部材成形用ゲート215は、装飾部材成形用ランナー216の一端に形成され、該装飾部材成形用ランナー216の他端は装飾部材成形用スプルー217の一端に連通し、該装飾部材成形用スプルー217の他端は装飾部材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)に連通している。当該装飾部材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)は、固定側取付板260の後側に配設されている。
【0035】
第1キャビティ型220には、第1凹所221が形成され、該第1凹所221の内面が、上記基材3の表面及び端面を成形する成形面222を構成している。第1凹所221は、上記基材3の筒状部9を成形するための複数の第1凹部223を有し、第1凹部223の底面の外周端部には、図6~9にも示すように、上記基材3の凸条部9aを成形するための凹溝部224が全周に亘って形成されている。また、凹溝部224の外周面の抜き勾配は、第1凹部223における凹溝部224よりも裏側の外周面の抜き勾配よりもきつくなっている。詳しくは、凹溝部224の外周面の第1キャビティ型220及び第2キャビティ型230の進退方向(図9中、矢印Yで示す)に対する傾斜角αは、3°、第1凹部223における凹溝部224よりも裏側の外周面の第1キャビティ型220及び第2キャビティ型230の進退方向Yに対する傾斜角βは、7°に設定されている。各第1凹部223は、上記基材3の連結部13を成形するための複数の第1溝部225と連続している。
【0036】
第2キャビティ型230は、成形された基材3とコア型210の凸部212とを収容可能な第2凹所231を有している。第2凹所231は、成形された基材3の筒状部9とコア型210の凸部212とを収容可能な複数の第2凹部232を有し、当該第2凹部232の底面と内周面の反開放側端部とが、上記装飾部材15の表面及び外周面(端面)を成形する成形面233を構成している。また、各第2凹部232は、上記基材3の連結部13を収容可能な第2溝部234と連続している。
【0037】
上記第1キャビティ型220と第2キャビティ型230は、図示しない型駆動装置によって両キャビティ型220の隣接方向に駆動される。
【0038】
そして、図5~9に示すように、コア型210と第1キャビティ型220とを型締めして両者間に第1キャビティC1を形成する。この状態で、第1キャビティ型220の第1凹部223の底面にコア型210の凸部212の先端面が当接する。そして、この状態で、第1樹脂材R1を基材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)から射出することにより、第1樹脂材R1を基材成形用スプルー(図示せず)及び基材成形用ランナー214を経て基材成形用ゲート213から第1キャビティC1内に射出充填する。これにより、コア型210の凸部212に対応する貫通部11が各筒状部9の内側に形成された基材3が成形される。
【0039】
次に、図10及び図11に示すように、第1キャビティ型220を後退させてコア型210と第1キャビティ型220とを型開きする。このとき、成形された基材3は、コア型210に保持されており、コア型210の凸部212が筒状部9の貫通部11に嵌合することで、基材3のコア型210からの落下が防止されている。
【0040】
次に、第1キャビティ型220と第2キャビティ型230とを図示しない型駆動装置の駆動により両キャビティ型220,230の隣接方向に移動させることにより、図12~14に示すように、第2キャビティ型230をコア型210に対向させ、第2キャビティ型230を進出させてコア型210に接近させる。図12中、両キャビティ型220,230の移動方向を矢印Xで示す。
【0041】
その後、図15及び図16に示すように、コア型210に基材3が保持された状態で、さらに第2キャビティ型230を進出させてコア型210と第2キャビティ型230とを型締めして基材3及びコア型210と第2キャビティ型230との間に第2キャビティC2を形成する。この型締めの過程で、基材3の凸条部9aの先端の外周側の角部は、第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に摺接するが、基材3の凸条部9aよりも裏側の筒状部9の外周面と第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面との間には、基材3の収縮により隙間Sが形成されるので、基材3の凸条部9aよりも裏側の筒状部9の外周面は第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に摺接しない。また、第2キャビティC2を形成した後であって、かつ第2キャビティC2に第2樹脂材R2を射出充填する前の状態で、第2キャビティ型230の第2凹部232に基材3の筒状部9とコア型210の凸部212とが収容されるとともに、第2キャビティ型230の第2凹部232の底面とコア型210の凸部212の先端面とが離間している。また、第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に、基材3の凸条部9aの先端の外周側の角部が全周に亘って当接する。また、基材3の収縮により、第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面と基材3の筒状部9の外周面との間に全周に亘って微小な隙間Sが形成される。また、基材3の筒状部9の表面における凸条部9a非形成領域は、コア型210の凸部212の先端面よりも凸部212の基端側に位置している。その後、この第2キャビティC2形成状態で、図17~20にも示すように、第2樹脂材R2を装飾部材成形用スプルー217及び装飾部材成形用ランナー216を経て装飾部材成形用ゲート215から第2キャビティC2内に射出充填して上記貫通部対向領域RE1にゲート跡15bが形成された装飾部材15を成形する。このとき、基材3の凸条部9aの先端の外周側の角部は、型閉めの過程で第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に摺接することにより白化が生じていても、第2樹脂材R2の熱により半溶融し、黒色に戻る。また、このとき、成形された装飾部材15には、装飾部材成形用スプルー217に残留して固化した残留部17が付着している。このとき、第2キャビティC2形成状態で、基材3の凸条部9aの先端が第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に当接して、第2樹脂材R2が第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面と基材3の筒状部9の外周面との隙間Sに流れ込むのを規制するので、基材3の筒状部9の外周面上に装飾部材15のバリが発生するのが抑制され、基材3と装飾部材15との境界周りの見栄えが向上する。また、装飾部材15の成形時(第2樹脂材R2の射出充填時)の第2樹脂材R2の樹脂温度は、第1樹脂材R1の溶融温度以下に設定される。これにより、基材3の凸条部9aが溶融して第2樹脂材R2と混ざるのが抑制されるので、基材3と装飾部材15との境界周りの見栄えが向上する。
【0042】
その後、図21に示すように、ストリッパープレート250を後退させて残留部17を装飾部材15から切り離し、図22に示すように、第2キャビティ型230を後退させてコア型210と第2キャビティ型230とを型開きして、基材3の表面に複数の装飾部材15が一体に形成されたバンパーグリル1を取り出す。
【0043】
したがって、本実施形態1によると、装飾部材15が二色成形により基材3と一体に形成され、装飾部材15を基材3に組み付ける工程が不要となり、製造工数が少なくなるので、製造コストを削減できる。
【0044】
また、装飾部材15のゲート跡15bが装飾部材15の裏面に形成され、表側から見えないので、バンパーグリル1の外観見栄えを向上できる。
【0045】
また、複数の筒状部9と連結部13とが一体に形成され、複数の筒状部9と連結部13とを組み付ける手間が必要ないので、製造コストを削減できる。
【0046】
また、各装飾部材15の裏面を成形する成形面211に装飾部材成形用ゲート215が形成されるので、複数の装飾部材15をランナーで互いに連結しなくてよく、当該ランナーを切り離す工程が不要となる。したがって、製造工数及び製造コストを削減でき、切り離したランナー痕によって見栄えを損ねることがない。
【0047】
(実施形態2)
図23~25は、本発明の実施形態2に係る車両用装飾部品としてのバンパーグリル1の2色射出成形方法を示す。本実施形態2では、第1キャビティ型220の凹溝部224の外周面の抜き勾配が、第1凹部223における凹溝部224よりも裏側の外周面の抜き勾配と等しくなっている。
【0048】
また、図25に示すように、第2キャビティC2を形成した後であって、かつ第2樹脂材R2を射出充填する前の状態で、基材3の凸条部9aの先端が第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面から離間する。その後、第2キャビティC2に第2樹脂材R2を射出充填する過程で、第2樹脂材R2の圧力で基材3の凸条部9aが外周側に撓んで凸条部9aの先端が第2凹部232の内周面に全周に亘って当接する。
【0049】
なお、基材3の凸条部9aの突出高さHを2.0mm以下に設定し、かつ凸条部9aの幅THを0.3mm以上に設定したのは、凸条部9aの突出高さHが2.0mmを超えるか、又は凸条部9aの幅THが0.3mmを下回ると、第1キャビティC1における凸条部9a対応箇所に第1樹脂材R1が行き渡らず、基材3に欠肉を発生させる虞があるからである。
【0050】
また、基材3の凸条部9aの突出高さHを0.5mm以上に設定し、かつ凸条部9aの幅THを0.8mm以下に設定したのは、凸条部9aの突出高さHが0.5mmを下回るか、又は凸条部9aの幅THが0.8mmを上回ると、第2キャビティC2に第2樹脂材R2を射出充填する過程で凸条部9aが十分撓まず、第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に当接しなくなる虞があるからである。
【0051】
その他のバンパーグリル1及び射出成形装置100の構成、及びバンパーグリル1の2色射出成形方法は実施形態1と同じであるので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0052】
したがって、本実施形態2によると、基材3の凸条部9aの突出高さHが2.0mm以下に設定され、かつ凸条部9aの幅THが0.3mm以上に設定されているので、凸条部9aの突出高さHが2.0mmを超えるか、又は凸条部9aの幅THが0.3mmを下回る場合に比べ、第1キャビティC1における凸条部9a対応箇所に第1樹脂材R1をより確実に行き渡らせることができる。したがって、欠肉のないバンパーグリル1をより確実に成形できる。
【0053】
また、基材3の凸条部9aの突出高さHが0.5mm以上に設定され、かつ凸条部9aの幅THが0.8mm以下に設定されているので、凸条部9aの突出高さHが0.5mmを下回るか、又は凸条部9aの幅THが0.8mmを上回る場合に比べ、第2キャビティC2に第2樹脂材R2を射出充填する過程で凸条部9aをより確実に撓ませて第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に当接させることができる。したがって、基材3の筒状部9の外周面上に装飾部材15のバリが発生するのをより確実に抑制できる。
【0054】
なお、上記実施形態1,2では、第1樹脂材R1及び第2樹脂材R2の材質を、AAS樹脂としたが、第1樹脂材R1として、バイオポリカーボネート等、AAS樹脂以外の樹脂材を用いてもよい。また、第2樹脂材R2として、バイオポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリカーボネート等、AAS樹脂以外の樹脂材を用いてもよい。
【0055】
また、上記実施形態1,2では、第2樹脂材R2として、基材を構成する第1樹脂材R1と色が異なり、かつ材質が共通する樹脂材を用いたが、第1樹脂材R1と色及び材質の両方が異なる樹脂材を用いてもよいし、色が共通し、材質だけが異なる樹脂材を用いてもよい。
【0056】
また、上記実施形態1では、凸条部9aの幅THを、突出高さ全体に亘って0.3mm以上0.8mm以下に設定したが、0.8mmよりも大きくかつ1.0mm以下に設定してもよい。
【0057】
また、上記実施形態1では、第2キャビティC2を形成した後であって、かつ第2キャビティC2に第2樹脂材R2を射出充填する前の状態で、基材3の凸条部9aを、第2キャビティ型230の第2凹部232の内周面に全周に亘って当接させたが、基材3の凸条部9aが、基材3の収縮により第2凹部232の内周面から離間するようにしてもよい。そして、その後、実施形態2と同様に、第2樹脂材R2の圧力で基材3の凸条部9aを外周側に撓ませて第2凹部232の内周面に当接させるようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態1,2では、装飾部材15の表面にメッキを施さなかったが、施すようにしてもよい。装飾部材15の表面にメッキを施す場合には、第1樹脂材R1としてPP(ポリプロピレン)、第2樹脂材R2としてABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂を用いることにより、装飾部材15にメッキを付着しやすくするとともに、基材3にメッキが付着するのを抑制できる。
【0059】
また、上記実施形態1,2では、略矩形筒状の筒状部9を環状部としたが、環状部を、貫通部11としての開口部を有する環状の平板等、他の形状としてもよい。
【0060】
また、上記実施形態1,2では、貫通部11が基材3で周方向全体から囲まれていたが、貫通部11の周方向一部が基材3の面方向に開放するようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態1,2では、基材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)をコア型210の外周側に配設し、装飾部材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)を固定側取付板260の後側に配設したが、その逆で、基材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)を固定側取付板260の後側に配設し、装飾部材成形用射出機(図示せず)のノズル(図示せず)をコア型210の外周側に配設するようにしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態1,2では、本発明をバンパーグリル1に適用したが、本発明は、車両用の加飾パネル等、バンパーグリル以外の車両用装飾部品にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、樹脂製の基材と、当該基材の表側に一体に設けられた装飾部材とを備えた車両用装飾部品及びその2色射出成形方法として有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 バンパーグリル(車両用装飾部品)
3 基材
9 筒状部(環状部)
9a 凸条部
11 貫通部
13 連結部
15 装飾部材
15b ゲート跡
15d 凹条部
210 コア型
211 成形面
212 凸部
215 装飾部材成形用ゲート
220 第1キャビティ型
230 第2キャビティ型
232 第2凹部
233 成形面
RE1 貫通部対向領域
C1 第1キャビティ
R1 第1樹脂材
C2 第2キャビティ
R2 第2樹脂材
H 突出高さ
TH 幅
図1
図2
図3
図4
図5
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