(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】車両の走行状況データ収集システム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20221227BHJP
G06Q 30/0201 20230101ALI20221227BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
G06Q30/02 300
(21)【出願番号】P 2019058087
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100100103
【氏名又は名称】太田 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100173163
【氏名又は名称】石塚 信洋
(74)【代理人】
【識別番号】100134522
【氏名又は名称】太田 朝子
(74)【代理人】
【識別番号】100135024
【氏名又は名称】本山 敢
(72)【発明者】
【氏名】岡田 朋之
(72)【発明者】
【氏名】澄川 瑠一
(72)【発明者】
【氏名】竹林 洋亮
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-62691(JP,A)
【文献】特開2005-44058(JP,A)
【文献】特開2013-120143(JP,A)
【文献】特開2002-150343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01M 17/007
G07C 5/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状況データ収集システムは、
複数の情報処理装置と、
サーバと、
を含み、
前記複数の情報処理装置は、
複数の車両において、それぞれの車両の走行状況データを取得し、
前記サーバは、
依頼者により設定された、車両の走行状況データ収集の依頼の内容を含む依頼データを少なくとも一つ含む依頼データ群を記憶し、
前記依頼データ群のうちの少なくとも一つの前記依頼データを、前記複数の情報処理装置のうちの少なくとも一の車両の情報処理装置へ送信し、
前記少なくとも一の車両の情報処理装置または前記サーバは、
前記少なくとも一の車両とは異なる他の車両の情報処理装置に対して、前記走行状況データを取得することへの協力を要請し、
前記少なくとも一の車両の情報処理装置は、
受信した前記依頼データに基づいて、前記他の車両と協力して取得した前記走行状況データを前記サーバへ送信する、車両の走行状況データ収集システム。
【請求項2】
前記少なくとも一の車両の情報処理装置または前記サーバは、
前記他の車両の情報処理装置に対して、協力を要請するに際し、
前記他の車両に関する情報または、前記他の車両の乗員に関する情報または前記他の車両に関する情報に基づいて、当該他の車両の情報処理装置に協力を要請するか否かを判定する、請求項1に記載の車両の走行状況データ収集システム。
【請求項3】
前記他の車両の乗員に関する情報には、当該乗員が、過去に前記走行状況データの取得への協力において、非協力的な行動を行ったか否かの情報が含まれる、請求項2に記載の車両の走行状況データ収集システム。
【請求項4】
前記依頼データは、前記依頼に対する報酬を含み、
前記サーバ、前記依頼者または、前記少なくとも一の車両の情報処理装置は、前記走行状況データに応じて、前記他の車両の情報処理装置に対して前記報酬に関する報酬データを送信する、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両の走行状況データ収集システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記依頼データを前記複数の車両のそれぞれの情報処理装置へ送信し、
前記複数の車両のそれぞれの情報処理装置は、互いに協力して前記依頼データに基づいて前記走行状況データを取得し、
前記それぞれの情報処理装置の少なくとも一つは、取得した前記走行状況データを前記サーバへ送信する、請求項1に記載の車両の走行状況データ収集システム。
【請求項6】
前記依頼データは、前記依頼に対する報酬を含み、
前記サーバ、または前記依頼者は、前記走行状況データの取得状態に応じて、前記複数の車両のそれぞれの情報処理装置に対して前記報酬に関する報酬データを送信する、請求項5に記載の車両の走行状況データ収集システム。
【請求項7】
依頼者により設定された、車両の走行状況データ収集の依頼の内容を含む依頼データを少なくとも一つ含む依頼データ群を記憶
する記憶部と、
前記依頼データ群のうちの少なくとも一つの前記依頼データを、複数の情報処理装置のうちの少なくとも一の情報処理装置へ送信し、前記少なくとも一の情報処理装置とは異なる他の情報処理装置に対して、前記走行状況データを取得することへの協力を要請する
処理を実行するコンピュータと、
を備えたサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行状況データ収集システム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な条件下での車両の走行状況に関するデータを収集することが求められている。例えば、下記特許文献1には、新車の購入に際して、販売済みの車両の走行状況に関するデータを収集、提供するサーバを含むデータ収集システムに関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、依頼者が希望する走行状況に関するデータが、複数の車両が協力することで取得できる場合、単独の車両にデータ収集を依頼するだけでは依頼者の希望に沿ったデータが収集されないおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数の車両の協力を得ながら車両の走行状況データを収集することを容易にする、新規かつ改良された車両の走行状況データ収集システム及びサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両の走行状況データ収集システムは、複数の情報処理装置と、サーバと、を含み、上記複数の情報処理装置は、複数の車両において、それぞれの車両の走行状況データを取得し、上記サーバは、依頼者により設定された、車両の走行状況データ収集の依頼の内容を含む依頼データを少なくとも一つ含む依頼データ群を記憶し、上記依頼データ群のうちの少なくとも一つの上記依頼データを、上記複数の情報処理装置のうちの少なくとも一の車両の情報処理装置へ送信し、上記少なくとも一の車両の情報処理装置または上記サーバは、上記少なくとも一の車両とは異なる他の車両の情報処理装置に対して、上記走行状況データを取得することへの協力を要請し、上記少なくとも一の車両の情報処理装置は、受信した上記依頼データに基づいて、上記他の車両と協力して取得した上記走行状況データを上記サーバへ送信する、車両の走行状況データ収集システムが提供される。
【0007】
上記少なくとも一の車両の情報処理装置または上記サーバは、上記他の車両の情報処理装置に対して、協力を要請するに際し、上記他の車両に関する情報または、上記他の車両の乗員に関する情報または上記他の車両に関する情報に基づいて、当該他の車両の情報処理装置に協力を要請するか否かを判定してもよい。
【0008】
上記他の車両の乗員に関する情報には、当該乗員が、過去に上記走行状況データの取得への協力において、非協力的な行動を行ったか否かの情報が含まれてもよい。
【0009】
上記依頼データは、上記依頼に対する報酬を含み、上記サーバ、上記依頼者または、上記少なくとも一の車両の情報処理装置は、上記走行状況データに応じて、上記他の車両の情報処理装置に対して上記報酬に関する報酬データを送信してもよい。
【0010】
上記サーバは、上記依頼データを上記複数の車両のそれぞれの情報処理装置へ送信し、上記複数の車両のそれぞれの情報処理装置は、互いに協力して上記依頼データに基づいて上記走行状況データを取得し、上記それぞれの情報処理装置の少なくとも一つは、取得した上記走行状況データを上記サーバへ送信してもよい。
【0011】
上記依頼データは、上記依頼に対する報酬を含み、上記サーバ、または上記依頼者は、上記走行状況データの取得状態に応じて、上記複数の車両のそれぞれの情報処理装置に対して上記報酬に関する報酬データを送信してもよい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、依頼者により設定された、車両の走行状況データ収集の依頼の内容を含む依頼データを少なくとも一つ含む依頼データ群を記憶する記憶部と、上記依頼データ群のうちの少なくとも一つの上記依頼データを、複数の情報処理装置のうちの少なくとも一の情報処理装置へ送信し、上記少なくとも一の情報処理装置とは異なる他の情報処理装置に対して、上記走行状況データを取得することへの協力を要請する処理を実行するコンピュータと、を備えた、サーバが提供される。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、複数の車両の協力を得ながら車両の走行状況データの収集を容易にする車両の走行状況データ収集システム及びサーバが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るネットワーク構成例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係る情報処理装置のブロック構成例を示す図である。
【
図3】同実施形態に係る走行状況データ収集システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図4A】同実施形態に係る走行状況データ取得の一の協力例を説明する図である。
【
図4B】同実施形態に係る走行状況データ取得の一の協力例を説明する図である。
【
図5A】同実施形態に係る走行状況データ取得の他の協力例を説明する図である。
【
図5B】同実施形態に係る走行状況データ取得の他の協力例を説明する図である。
【
図5C】同実施形態に係る走行状況データ取得の他の協力例を説明する図である。
【
図6A】同実施形態に係る走行状況データ収集システムの一の変形例を示すシーケンス図である。
【
図6B】同変形例に係る走行状況データ収集システムのシーケンス図である。
【
図7】同実施形態に係る他の変形例における走行経路の選択について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
<1.第1の実施形態>
[1.1.車両の走行状況データ収集システムの概要]
まず、
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100の概要について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るネットワーク構成例を示す図である。本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100は、車両の走行状況データを収集するためのシステムである(なお、以下の説明において、車両の走行状況データ収集システムを、単に「データ収集システム」と称することがある)。
図1に示すように、本実施形態に係るデータ収集システム100では、走行状況データの収集を依頼する立場(依頼者101)からのデータ収集の依頼が、サーバ103を介して当該依頼を受託する立場(受託者105)へ伝達される。さらに、受託者105による当該依頼が達成された結果が走行状況データとして収集される。
【0017】
より具体的には、データ収集システム100において、依頼者101が設定したデータ収集の依頼の内容を含む依頼データは、サーバ103に記憶される。例えば、依頼者101a、依頼者101b、および依頼者101cから、それぞれ依頼A、依頼B、および依頼Cがなされると、サーバ103には依頼データA、依頼データB、および依頼データCを含む依頼データ群が記憶される。サーバ103は、依頼データ群の中から少なくとも一つの依頼データを、受託者105側の情報処理装置200へ送信する。受託者105は、情報処理装置200が受信した依頼データから依頼の内容を確認し、依頼を受託し、協力して実行する。依頼の実行結果としての走行状況データは、情報処理装置200からサーバ103へ送信される。サーバ103は、収集された走行状況データを依頼者側情報処理装置109へと送信する。
【0018】
依頼者101は、個人に限定されるものではなく、企業、自治体、公共機関その他の団体も含まれる。また、受託者105は、車両107の乗員または所有者である。受託者105には、複数の受託者105a~105cが含まれる。
【0019】
走行状況データには、車両107自体の状態、車両107の有する機能、装備の状態、および、天気や路面状況等の車両107の周辺の環境等、車両107の走行に関する種々の情報が含まれる。
【0020】
依頼の内容としては、走行状況データの収集に関するものであればよく、特に限定されない。例えば、依頼者101が、道路管理会社である場合、特定の道路の路面状況や天気等の情報に関する走行状況データの収集の依頼がなされる。また、依頼者101が、自動車メーカである場合、販売後の自動車およびその装備が、ユーザによってどのように使用されているか等の走行状況データの収集の依頼がなされる。その他、依頼者101が旅行を計画している、または旅行中である場合、行き先の天気、風景、目的地までの到達時間、渋滞状況等の走行状況データの収集の依頼がなされる。
【0021】
また、依頼の内容には、複数の車両107a~107cにより取得可能な走行状況データの収集に関するものが含まれる。
【0022】
[1.2.ネットワーク構成例]
引き続き、
図1を参照しながら、本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100のネットワーク構成例について説明する。
図1に示すように、データ収集システム100は、サーバ103と、車両107において走行状況データを取得する情報処理装置200と、を含んで構成される。また、データ収集システム100は、依頼者側情報処理装置109を含んでもよい。
【0023】
サーバ103は、依頼者101により設定された、走行状況データ収集の依頼の内容を含む少なくとも一つの依頼データ群を記憶する機能を有する。また、サーバ103は、依頼データ群のうちの少なくとも一つの依頼データを情報処理装置200へ送信する機能を有する。また、サーバ103は、依頼データを、複数の車両107a~107cにおいて走行状況データを取得する複数の情報処理装置200a~200cの内、少なくともいずれか一つの車両の情報処理装置200へ送信する機能を有する。また、サーバ103は、情報処理装置200から送信された走行状況データを依頼者側情報処理装置109へ送信する機能を有してもよい。
【0024】
情報処理装置200は、ネットワーク111aを介してサーバ103と通信可能に接続されている。また、情報処理装置200は、サーバ103から受信した依頼データに基づいて、車両107の走行状況データを取得する機能を有する。また、情報処理装置200は、取得した走行状況データをサーバ103へ送信する機能を有する。また、複数の情報処理装置200a~200cは、複数の車両107a~107cにおいて、それぞれ走行状況データを取得する機能を有する。一の車両107aにおける情報処理装置200aは、他の車両107b、107cの情報処理装置200b、200cと互いに通信可能に接続されている。情報処理装置200についての詳細は後述する。
【0025】
依頼者側情報処理装置109は、ネットワーク111bを介してサーバ103と通信可能に接続されている。依頼者101は、依頼者側情報処理装置109を利用して、依頼の内容を含む走行状況データの収集の依頼に関する設定をすることができる。依頼者側情報処理装置109は、ネットワーク111bを介して、依頼データをサーバ103へ送信する機能を有する。依頼者側情報処理装置109は、サーバ103との通信および依頼データの入力受付が可能な装置であればよく、特に限定されない。依頼者側情報処理装置109として、例えば、
図1に示すように、スマートフォン109a、パーソナルコンピュータ109b、車載制御装置109c等が挙げられる。
【0026】
[1.3.情報処理装置の構成例]
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置200の構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置200のブロック構成例を示す図である。情報処理装置200は、制御部210と、通信部220とを有する。
【0027】
制御部210は、走行状況データを取得するために必要なセンサ群310の制御、取得した走行状況データの記録、通信部220への出力等の各種機能を発揮するために必要な制御を行う。
【0028】
通信部220は、ネットワーク111aを介して情報処理装置200の外部と通信する機能を有する。また、一の車両107aにおける情報処理装置200aの通信部は、他の車両107b、107cの情報処理装置200b、200cの通信部と通信する機能を有する。
【0029】
情報処理装置200の一例としては、車載制御装置が挙げられる。また、制御部210の機能は、一例として、情報処理装置に搭載されたCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の協働により実現される。また、通信部220としての機能は、一例として、無線通信用インタフェースにより実現される。
【0030】
制御部210は、データ取得部211と、データ記録部213とを有する。データ取得部211は、データ計測装置311および車両位置計測装置313から出力される各種データを取得する機能を有する。また、データ記録部213は、データ取得部211が取得した各種データを一時的または永続的に記憶しておく機能を有する。
【0031】
データ計測装置311は、センサ群310から取得されるセンサ信号に基づいて車両107の走行状況に関する情報を検出する。センサ群310は、走行状況データとしての各種データを取得するための複数のセンサである。例えば、センサ群310は、車輪速センサ、車速センサ、加速度センサ、角速度センサ、温度センサ、湿度センサ、雨滴センサ、照度センサ、荷重センサ、操舵角センサ、集音センサ(マイク)、振動センサ、撮像カメラ、レーダ又は超音波センサのうちの少なくともいずれかを含む。データ計測装置311は、例えば、車両107の速度、加速度、角加速度、路面の粗さの推定値、周辺の気温、湿度等を計測する。また、データ計測装置311は、車両107の周辺の静止画、動画の撮影、または音声を検出する。
【0032】
車両位置計測装置313は、車両107の現在位置計測を行う。車両位置計測装置313の例としては、GPS(Global Positioning System)アンテナが挙げられる。
【0033】
出力装置320は、制御部210の処理結果等を外部へ出力する機能を有する。出力装置320の一例としては、表示パネル、ヘッドアップディスプレイ、スピーカ等である。また、入力装置330は、情報処理装置200の利用者からの入力を受け付ける機能を有する。入力装置330の一例としては、ボタン、タッチ入力式の画面、マイク等である。
【0034】
なお、情報処理装置200は、走行状況データを取得できればよく、車載制御装置に限定されない。例えば、情報処理装置200は、車両107の各種センサと通信可能なスマートフォン、タブレット型コンピュータ等であってもよい。この場合、出力装置320および入力装置330は、情報処理装置200と一体となっていてもよい。また、センサ群310の内の一部または全部として、スマートフォン等に搭載された各種センサ、機能が使用されてもよい。
【0035】
[1.4.データ収集システムの動作例]
次に、
図3、
図4A、および
図4Bを参照して、本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100の動作例について説明する。
図3は、本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100の動作例を示すシーケンス図である。
図4Aおよび
図4Bは、本実施形態に係る走行状況データ取得の一の協力例を説明する図である。
【0036】
図3に示すように、まず依頼者101は、依頼者側情報処理装置109を利用して、依頼データをサーバ103に送信する(S101)。サーバ103は、依頼者側情報処理装置109から受信した依頼データを依頼データ群として記憶する(S103)。
【0037】
サーバ103は、依頼データ群の中から送信対象となる、一または複数の依頼データを選択し、情報処理装置200へ当該依頼データを送信する(S105)。依頼データを受信した情報処理装置200は、受託者105が当該依頼データの依頼について受託の意思があるか否かについて判定する(S107)。特に、情報処理装置200が複数の依頼データを受信した場合、複数の依頼データの内のいずれか、または全部について受託者105に受託の意思があるか否かを判定する。ステップS107において、受託の意思があると判定された場合、依頼は受託される(S109)。一方、ステップS107において、受託の意思があると判定されなかった場合、本実施形態に係る処理は終了する。
【0038】
ステップS109で依頼が受託された後、サーバ103は、依頼データの依頼の内容に基づいて、依頼の実行に協力可能、または協力する車両(協力車両)が必要か否かを判定する(S111)。協力車両が必要であると判定されない場合、単独の車両での依頼の実行が可能であるから、本実施形態に係る処理は、終了する。一方、ステップS111において、協力車両が必要であると判定された場合、サーバ103は、協力車両を探索する。例えば、サーバ103は、車両107から提供されるGPS位置情報、または高速道路もしくは主要幹線道路の走行履歴に基づいて、協力車両を探索する。
【0039】
なお、サーバ103と車両107の情報処理装置200との通信状態が悪いときは、情報処理装置200が、車車間通信によって、協力車両を探索してもよい。この場合、探索結果は、情報処理装置200からサーバ103へ送信される。
【0040】
ステップS113における探索の結果、サーバ103により協力車両がいるか否かが判定される(S115)。協力車両がいると判定されなかった場合、ステップS113に戻って再度、車両探索を行う。一方、ステップS115で、協力車両がいると判定された場合、サーバ103は、協力車両に関する情報を情報処理装置200へ送信する(S117)。
【0041】
情報処理装置200は、走行状況データの取得を開始する(S119)。具体的には、情報処理装置200のデータ取得部211は、データ計測装置311又は車両位置計測装置313から出力された、依頼の達成に必要な情報を取得する。また、情報処理装置200は、依頼内容に応じて、運転者に対して情報(指定された運転方法、経路等)を音声、画像等で出力する。
【0042】
また、情報処理装置200は、サーバ103から受信した情報に基づいて、協力車両を特定する。さらに、情報処理装置200は、協力車両の情報処理装置に対して、依頼の実行に関して協力を要請する。より具体的には、走行状況データを取得する際の複数の車両の協力例として、
図4A、
図4Bに示すように、自車両よりも前方を走行中の協力車両に対し、進路を譲るよう要請する例が挙げられる。すなわち、
図4Aに示すように、車両107aの前方に車両107bが走行中であるとする。このとき、車両107aが所定速度での走行に関する依頼を実行中である場合、車両107aの情報処理装置200aは、協力車両としての車両107bの情報処理装置200bに対し、進路を譲るように要請する。具体的には、車両107aの情報処理装置200aと、車両107bの情報処理装置200bとの間で車間通信がなされ、進路変更に関する情報が、車両107bの運転者に通知される。
【0043】
その後、
図4Bに示すように、車両107bは、車線変更して、車両107aに進路を譲る。車両107aは、所定速度走行の依頼を実行する。このように、複数の車両が協力して、走行状況データが取得される。
【0044】
なお、ステップS117における協力車両の情報処理装置への協力の要請は、サーバ103から行われるようにしてもよい。
【0045】
図3の説明に戻り、ステップS117において走行状況データが取得された後、情報処理装置200は、依頼が達成されたか否かを判定する(S121)。ステップS119において、依頼が達成されたと判定された場合、情報処理装置200は、サーバ103へ走行状況データを送信する(S125)。複数の依頼が受託されている場合、走行状況データは、依頼が達成されるごとにサーバ103へ送信されてもよいし、複数の依頼に関する走行状況データがまとめてサーバ103へ送信されてもよい。
【0046】
一方、ステップS119において、依頼が達成されたと判定されない場合、受託者105に依頼続行の意思があるか否かが判定される(S123)。受託者105に依頼続行の意思がある場合、ステップS119の処理に戻って、走行状況データの取得が行われる。一方、ステップS123において、受託者105に依頼続行の意思があると判定されない場合、本実施形態に係る処理は終了する。以上、本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100の動作例について説明した。
【0047】
本実施形態によれば、複数の車両が協力して走行状況データを取得する。これにより、単独の車両では取得が困難な、複数の車両が協力した場合に取得可能な走行状況データが取得される。
【0048】
なお、本実施形態において、走行状況データを取得する際の複数の車両の協力例として、協力車両に対し進路を譲るよう要請する例を説明したが、本発明における協力例は、これに限定されない。
【0049】
以下、走行状況データを他の車両と協力して取得するその他の例について、
図5A~5Cを参照しながら説明する。
図5A~5Cは、本実施形態に係る走行状況データ取得の他の協力例を説明する図である。本実施形態において、走行状況データを他の車両と協力して取得する例として、複数の車両による隊列走行が行われる例が挙げられる。
【0050】
具体的には、情報処理装置200aが、複数の車両による隊列走行が必要な依頼データを受信したとする。このとき、
図5Aに示すように、複数の車両107a~107cは、異なる地点を走行中である。そこで、情報処理装置200aは、協力車両である車両107b、107cの情報処理装置200b、200cと通信し、隊列走行への協力を要請する。この結果、
図5Bに示すように、複数の車両107a~107cは、一旦、駐車場や一時駐車可能な路側帯に集合する。その後、
図5Cに示すように、複数の車両107a~107cにより隊列走行が行われ、走行状況データが取得される。
【0051】
隊列走行において、取得可能な走行状況データの例として、荷重センサまたはマイクによる隊列走行時の空力計測結果が挙げられる。その他の例として、隊列走行時の消費エネルギー効率(燃費、電費)の計測結果が挙げられる。また、その他の例として、マイクによる隊列走行時の騒音計測結果が挙げられる。具体的な騒音としては、ロードノイズ、エンジン音が挙げられる。
【0052】
また、隊列走行時に取得可能な走行状況データには、各車両がそれぞれ取得した各種走行状況データも含まれる。隊列走行時、各車両はほぼ同一の条件で走行しているため、このとき取得された走行状況データは、同一条件下で取得された走行状況データとなる。従って、同一条件下の走行状況データ数が増え、データの信頼性が向上する。
【0053】
また、隊列走行時に取得可能な走行状況データには、一定速度で走行した場合の交通流の調整結果が含まれる。さらに、隊列走行時に取得可能な走行状況データには、定速走行・車間距離制御装置(ACC;Adaptive Cruise Control)、定速走行制御装置(CC;Cruise Control)の性能評価結果が含まれる。具体的には、ステレオカメラ等の前方車間距離センサを用いて、定速走行・車間距離制御装置、定速走行制御装置を複数の車両において使用した場合の車間距離の変化、各車両における加減速のタイミングの違い等の測定結果が、走行状況データとして取得される。
【0054】
また、隊列走行時に取得可能な走行状況データには、自動運転機能の性能評価結果が含まれる。具体的には、自動運転機能の作動時、車両が高速道路や主要幹線道路へ合流する際の所要時間、合流先の車間距離もしくは合流された側の車両のブレーキの使用の有無もしくは程度の測定結果が、隊列走行時の走行状況データとして含まれる。
【0055】
隊列走行以外に複数の車両が協力して走行状況データを取得する例には、次のような例も含まれる。例えば、同一車線を走行する車両だけではなく、対向車線を走行する協力車両と協力する例も含まれる。この場合、例えば、協力車両である対向車と協力して、照度センサ、撮像カメラにより、ヘッドライト性能評価が行われる。その測定結果(照度、照射範囲または照射角度、色温度等)が、走行状況データとして取得される。
【0056】
また、その他の複数の車両が協力して走行状況データを取得する例として、複数の車両による並列走行の例が挙げられる。並列走行において、取得可能な走行状況データの例として、横風の影響に関する測定結果が挙げられる。具体的には、荷重センサ、加速度センサまたは操舵角センサにより、自車両側方を走行する協力車両から受ける横風の影響を測定した結果が、走行状況データとして取得される。
【0057】
また、その他の複数の車両が協力して走行状況データを取得する例として、所定距離だけ離れた協力車両と協力する例が挙げられる。具体的には、所定距離離れた場所に位置する協力車両において発生したロードノイズ、エンジン音をマイクにより測定した結果が、走行状況データとして取得される。
【0058】
また、その他の複数の車両が協力して走行状況データを取得する例として、同一の車種、型式、色の車両が集まって協力する例が挙げられる。同一の車種、色の車両が集まって走行する、または特定の場所で駐車している様子を撮像カメラで撮影した結果が、走行状況データとして取得される。以上、走行状況データを他の車両と協力して取得する例について説明した。
【0059】
<1.5.変形例1>
次に、本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100の変形例について説明する。本変形例において、情報処理装置200は、協力可能な車両に協力を要請する際に、協力車両の乗員に関する情報、または協力車両に関する情報に基づいて、協力要請を行うか否かを判定する。なお、本変形例におけるその他の構成については、第1の実施形態と共通するので、説明は省略する。
【0060】
本変形例における、協力車両への協力要請処理(
図3のステップS117に相当)において、情報処理装置200は、協力車両の乗員に関する情報、または協力車両に関する情報に基づいて、協力車両に協力の要請を行うか否かを判定する。ここで、協力車両の乗員に関する情報には、性別、年齢、運転経験もしくは技能等が含まれる。また、協力車両に関する情報には、車両の車種、型式、使用年数、走行距離、外観もしくは内装の状態、または搭載された設備もしくは機能の種類、性能もしくは精度等が含まれる。
【0061】
協力車両の乗員に関する情報、または協力車両に関する情報はサーバ103に記録されている。情報処理装置200は、依頼への協力を要請するに際し、サーバ103からこれらの情報を受信し、当該情報に基づいて、協力車両に協力を要請するか否かを判定する。例えば、依頼の内容が複数の車両107a~107cによる同一条件下での走行状況データ取得であるとき、車両の条件を揃えるため、情報処理装置200は、協力車両の車種に基づいて協力要請するか否かを判定する。
【0062】
協力車両の乗員に関する情報には、当該乗員が、過去に走行状況データの取得への協力において、非協力的な行動を行ったか否かに関する情報が含まれる。ここで、非協力的な行動とは、意図的に依頼の達成を妨げるような行動をいう。例えば、協力車両に対し、進路を後続車両に譲るという協力が要請されたとき、データの取得を妨害する目的で進路を譲らない等の行為が挙げられる。情報処理装置200は、協力車両の乗員に関する情報に、過去の非協力的な行動を行ったことが含まれる場合、協力要請を行わないと判定する。
【0063】
情報処理装置200は、協力要請に関する判定の結果に基づいて、協力要請を行う。
【0064】
本変形例によれば、協力要請に際し、情報処理装置200において、協力要請をするか否か判定がされるので、不要な協力要請をすることがなく、協力して走行状況データを取得することが容易となる。
【0065】
本変形例によれば、車両の乗員に関する情報の内、乗員が過去に非協力的な行動を行ったか否かに基づいて、協力要請を行うか判定されるので、不要な協力要請をすることがなく、協力して走行状況データを取得することが容易となる。
【0066】
なお、本変形例において、協力要請を行うか否かの判定が、情報処理装置200において行われる例を示したが、本変形例はこれに限定されない。例えば、サーバ103において、協力車両に対して協力要請を行うか否かの判定がなされてもよい。この場合、当該判定結果に基づいて、情報処理装置200から協力車両へ協力要請がされてもよいし、サーバ103から協力車両へ協力要請がされてもよい。
【0067】
<1.6.変形例2>
次に、
図6Aおよび
図6Bを参照して、本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100の変形例について説明する。
図6Aおよび
図6Bは、本変形例に係る走行状況データ収集システム100の動作例を示すシーケンス図である。本変形例において、依頼データには、依頼者101により設定された、依頼に対する報酬に関する情報が含まれる。さらに、受託者105が依頼を受託し、達成した場合、依頼者101から依頼に対する報酬が支払われ、分配される。なお、本変形例におけるその他の構成については、第1の実施形態と共通するので、説明は省略する。
【0068】
図6Aに示すように、依頼者101は、依頼データをサーバ103に送信する際に、依頼の内容とともに、当該依頼に対する報酬に関する情報も設定し、依頼データを送信する(S101’)。その後の本変形例に係るステップS103~S125の処理は、
図3に記載のシーケンス図と同様な処理が行われる。
【0069】
ステップS125において、情報処理装置200からサーバ103へ走行状況データが送信された後、
図6Bに示すように、サーバ103は、走行状況データを受信し(S127)、依頼者側情報処理装置109へ走行状況データを送信する(S129)。依頼者101は、依頼の達成結果の情報を確認し、達成結果に応じた報酬を支払う(S131)。報酬の支払に関する処理は、依頼者側情報処理装置109から報酬に関する報酬データが情報処理装置200へ送信されることで行われる。受託者105は、依頼に対する報酬の情報について確認するとともに、協力車両との間で報酬を分配する(S133)。具体的には、車両107の情報処理装置200は、走行状況データに応じて、協力車両の情報処理装置に対して報酬に関する報酬データを送信してもよい。また、依頼者101から直接、協力車両の情報処理装置に対して、報酬に関する報酬データが送信されてもよい。
【0070】
本変形例において、報酬は、依頼者101からではなく、サーバ103から自動的に支払われるようにしてもよい。この場合、報酬に関し、依頼者101へ別途請求が行われる。
【0071】
また、報酬は、金銭、ポイント等の経済的な価値を有するものだけでなく、名誉または肯定的な評価もしくはコメント等の社会的な価値を有するものでもよい。また、報酬は、金銭だけでなく、役務の提供であってもよい。
【0072】
また、報酬の支払に関する処理は、本実施形態に係るデータ収集システム100とは、異なる情報処理システムにおいて行われてもよい。具体的には、電子通貨、仮想通貨、クレジットカード決済などを用いた電子的決済システムを用いて、依頼者101から受託者105へ報酬の支払処理が行われる。この場合、報酬に関する報酬データは、受託者105に対して送信されなくてもよいし、報酬データには報酬の支払に関する事前又は事後の通知のみが記載されてもよい。
【0073】
本変形例によれば、依頼の達成により、受託者105に報酬が支払われるので、受託者105による依頼の受託に対するインセンティブが生じる。また、受託者105は、依頼を受託するか検討する際、報酬によって受託するか否かを判断することができる。このため、受託者105が積極的に依頼を受託し、依頼をよく達成するようになる。また、協力車両も報酬を得られるので、依頼の達成に協力するようになる。この結果、複数の車両が協力して取得可能な走行状況データが収集される。
【0074】
<1.7.変形例3>
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100のその他の変形例について説明する。
図7は、本実施形態に係る走行経路の選択について説明する図である。本変形例では、依頼データを受信した情報処理装置200は、当該依頼データに基づいて車両の走行経路を示す走行経路データを算出する。なお、本変形例におけるその他の構成については、第1の実施形態と共通するので、説明は省略する。
【0075】
具体的には、本変形例における、サーバ103から送信対象となる依頼データを情報処理装置200へ送信する処理(
図3のステップS107に相当)において、サーバ103は、依頼データを情報処理装置200へ送信する。情報処理装置200は、サーバ103から送信された依頼データを受信後、受信した依頼データの依頼の内容の情報を考慮し、効率的に依頼を達成するための一つまたは複数の走行経路データを算出する。
【0076】
例えば、受託者105が、3件の依頼A、依頼Bおよび依頼Cを受託した場合、情報処理装置200は、依頼A、依頼Bおよび依頼Cの依頼の内容等を考慮して、車両107の走行経路を算出する。このとき、
図7に示すように、受託者105には、情報処理装置200が算出した走行経路である、依頼達成経路1(点線)および依頼達成経路2(二点鎖線)が示される。さらに、このとき受託者105には、依頼達成経路ごとに、要する時間、走行距離、達成した場合に得られる報酬等の情報が併せて示される。受託者105は、これらの情報を基に走行経路を選択する。
【0077】
本変形例によれば、情報処理装置200は受信した依頼データに基づいて走行経路データを算出するので、受託者105は、より効率的に依頼を実行できる。この結果、より効率的に、複数の車両が協力して走行状況データが収集される。
【0078】
なお、本変形例において、走行経路データが情報処理装置200において算出される例を示したが、本変形例はこれに限定されない。例えば、サーバ103は、送信対象となる依頼データから走行経路を算出し、走行経路データを情報処理装置200へ送信してもよい。特に、サーバ103は、情報処理装置200に依頼データを送信する際に、走行経路データを合わせて送信するようにしてもよい。
【0079】
これにより、情報処理装置200に不要な負担をかけることなく、走行経路データが算出され、走行経路が受託者105に示される。また、依頼データとともに走行経路データがサーバ103から送信されるので、受託者105は、依頼データ受信の後、すぐに走行経路の確認ができ、走行経路も考慮しつつ受託する依頼を選択できるとともに迅速な依頼の開始が実現される。
【0080】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100の動作例について説明する。本実施形態に係る車両の走行状況データ収集システム100は、サーバ103から複数の車両の情報処理装置200へ依頼データが送信され、複数の車両により協力して走行状況データが取得される点で、第1の実施形態と相違する。なお、本実施形態に係るデータ収集システム100の内、第1の実施形態と共通する部分については、説明を省略する。
【0081】
本実施形態における、サーバ103が情報処理装置200へ送信対象となる依頼データを送信する処理(
図3のステップS105に相当)においては、サーバ103から複数の車両107a~107cのそれぞれの情報処理装置200a~200cへ依頼データが送信される。それぞれの情報処理装置200a~200cは、受信した依頼データに基づいて、互いに協力して走行状況データを取得する。この際、情報処理装置200a~200cが互いに協力するために、情報処理装置200a~200cの間で通信が行われてもよい。
【0082】
具体的には、複数の車両の内の車両107aが、所定の速度で走行している時の走行状況データを取得しているときに、他の車両107bが、車両107aの走行する車線を走行しているとする。このとき、サーバ103から受信した依頼データに基づいて、他の車両107bは、後続の車両107aに進路を譲る等の協力を行う。
【0083】
その他の協力例として、複数の情報処理装置200a~200cが受信した依頼データに基づいて、複数の車両107a~107cにより隊列走行が行われ、隊列走行時の走行状況データが取得されてもよい。
【0084】
それぞれの情報処理装置200a~200cの少なくとも一つは、協力して取得した走行状況データをサーバ103へ送信する。また、サーバ103は、受信した走行状況データを依頼者側情報処理装置109へ送信してもよい。
【0085】
本実施形態によれば、サーバ103から直接複数の車両のそれぞれの情報処理装置に依頼データが送信され、協力して走行状況データが取得される。これにより、複数の車両が協力して取得可能な走行状況データが収集される。
【0086】
なお、本実施形態において、依頼データには、依頼者101により設定された、依頼に対する報酬に関する情報が含まれてもよい。さらに、複数の受託者105a~105cが依頼を受託し、協力して達成した場合、依頼者101またはサーバ103から依頼に対する報酬に関する報酬データが、それぞれの情報処理装置200a~200cへ送信されてもよい。このとき、依頼者101またはサーバ103は、協力して取得された走行状況データの取得状態に応じて、複数の情報処理装置200a~200cに対して報酬データを送信する。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0088】
特に、上記実施形態において説明したシーケンス図における処理は一部のステップが省略されてもよいし、追加的なステップが含まれてもよい。さらに、複数のステップが同時に処理されてもよく、また、図示された順番で実行されなくてもよい。
【符号の説明】
【0089】
100 車両の走行状況データ収集システム
101 依頼者
103 サーバ
105 受託者
107 車両
109 依頼者側情報処理装置
200 情報処理装置
210 制御部
211 データ取得部
220 通信部