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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】発電装置及び発電装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F01K 23/10 20060101AFI20221227BHJP
   F01D 17/00 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
F01K23/10 Q
F01D17/00 N
F01D17/00 P
F01D17/00 Q
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019177135
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021055568
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(73)【特許権者】
【識別番号】521362885
【氏名又は名称】コベルコ・コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】壷井 昇
(72)【発明者】
【氏名】桑原 英明
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐介
(72)【発明者】
【氏名】富岡 佑介
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0247056(US,A1)
【文献】特開2014-238041(JP,A)
【文献】特開2019-007379(JP,A)
【文献】特開2013-100807(JP,A)
【文献】特開2018-013046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 17/00
F01K 23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させることにより、前記蒸発器に供給された加熱媒体の熱を回収する熱回収部と、
前記膨張機によって駆動される発電機と、
前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路の管内圧力が所定の上限閾値を上回っているか否かを判定する上限判定処理と、前記管路内の前記作動媒体の過熱度が所定の制御目標範囲に収まっているか否かを判定する過熱度判定処理と、前記媒体ポンプの回転数が所定の回転数閾値を上回っているか否かを判定する回転数判定処理と、を実行する判定処理部と、
前記判定処理部の判定処理の結果に基づいて、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御する流入制御部と、を備え、
前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記過熱度判定処理の判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御し、
前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記管内圧力が前記上限閾値以下になるように前記流入量を低減させた上で、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御し、
前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られ、且つ、前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御し、
前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記媒体ポンプの前記回転数を前記回転数閾値以下の値に減らして、前記流入量を減らす、発電装置。
【請求項2】
前記判定処理部は、前記管内圧力が所定の下限閾値を下回っているか否かを判定する下限判定処理を更に実行し、
前記管内圧力が、前記下限閾値と前記上限閾値とによって定められた圧力範囲にあるときに、前記流入制御部は、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように、前記流入量を制御し、
前記管内圧力が、前記圧力範囲の外にあるときに、前記流入制御部は、前記管内圧力が前記圧力範囲に収まるように前記流入量を調整した上で、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御する
請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させることにより、前記蒸発器に供給された加熱媒体の熱を回収する熱回収部と、
前記膨張機によって駆動される発電機と、
前記蒸発器で前記作動媒体と熱交換して、前記作動媒体を蒸発させる前記加熱媒体の温度が所定の温度閾値を上回っているか否かを判定する温度判定処理と、前記温度判定処理において、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの判定結果が得られたとき、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路中の前記作動媒体の過熱度の制御目標範囲を上げて、前記過熱度が当該制御目標範囲に収まっているか否かを判定する過熱度判定処理と、を実行する判定処理部と、
前記過熱度判定処理の結果に基づいて、前記作動媒体の前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御する流入制御部と、を備えている
発電装置。
【請求項4】
媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させることにより、前記蒸発器に供給された加熱媒体の熱を回収する熱回収部と、
前記膨張機によって駆動される発電機と、
前記蒸発器で前記作動媒体と熱交換して、前記作動媒体を蒸発させる前記加熱媒体の温度が所定の温度閾値を上回っているか否かを判定する温度判定処理と、前記温度判定処理において、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値以下であるとの判定結果が得られたとき、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路中の前記作動媒体の過熱度が前記過熱度の第1制御目標範囲に収まっているか否かを判定し、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの判定結果が得られたとき、前記第1制御目標範囲よりも高い第2制御目標範囲に前記過熱度が収まっているか否かを判定する過熱度判定処理と、を実行する判定処理部と、
前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値以下であるとの前記判定結果が得られたとき、前記過熱度判定処理の結果に基づいて、前記過熱度が前記第1制御目標範囲に収まるように、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御し、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの前記判定結果が得られたとき、前記過熱度が前記第2制御目標範囲に収まるように、前記流入量を制御する流入制御部と、を備えている
発電装置。
【請求項5】
媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させるとともに、前記膨張機を用いて発電機を駆動する発電装置の制御方法であって、
前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路の管内圧力が所定の上限閾値を上回っているか否かを判定する上限判定処理を実行することと、
前記媒体ポンプの回転数が所定の回転数閾値を上回っているか否かを判定する回転数判定処理を実行することと、
前記管路内の前記作動媒体の過熱度が所定の制御目標範囲に収まっているか否かを判定する過熱度判定処理を実行することと、
前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記管路内の前記作動媒体の前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御することと、
前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記管内圧力が前記上限閾値以下になるように前記流入量を低減させた後、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御することと、
前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られ、且つ、前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御することと、
前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記媒体ポンプの前記回転数を前記回転数閾値以下の値に減らして、前記流入量を減らすことと、を備えている
発電装置の制御方法。
【請求項6】
媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させるとともに、前記膨張機を用いて発電機を駆動する発電装置の制御方法であって、
前記蒸発器で前記作動媒体と熱交換し、前記作動媒体を蒸発させる加熱媒体の温度が所定の温度閾値を上回っているか否かを判定する温度判定処理を実行することと、
前記温度判定処理において、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの判定結果が得られたとき、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路中の前記作動媒体の過熱度に対する制御目標範囲を上げて、前記制御目標範囲に前記過熱度が収まっているか否かを判定する過熱度判定処理を実行することと、
前記過熱度判定処理の結果に基づいて、前記作動媒体の前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御することと、を備えている
発電装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置及び発電装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸発器での加熱媒体との熱交換により気化した作動媒体を、発電機に接続された膨張機に供給し、作動媒体の膨張作用を用いて膨張機及び発電機を駆動する発電装置が開発されている(特許文献1を参照)。発電装置は、蒸発器、発電機及び膨張機に加えて、膨張機で膨張した作動媒体を凝縮する凝縮器と、凝縮した作動媒体を蒸発器へ送出する媒体ポンプとを有している。蒸発器から膨張機へ供給される作動媒体の過熱度が、所定の目標値に近づくように、媒体ポンプから蒸発器への作動媒体の流入量が調整されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-47632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱媒体の温度が高いとき、作動媒体の過熱度が上昇し、目標値を上回ることがある。このとき、過熱度を下げるために、蒸発器への作動媒体の流入量が増やされる。蒸発器への作動媒体の流入量の増加に伴って、高温の加熱媒体との熱交換の下で蒸発する作動媒体の量も増える。作動媒体の蒸発量の増加の結果、蒸発器から膨張機へ作動媒体を案内する管路の管内圧力が増加する。管内圧力が既に高い値に達しているときに、蒸発器への流入量が増やされると、管内圧力は、過度に大きくなる。
【0005】
本発明は、管内圧力を過度に大きくすることなく、高い発電量を達成する発電技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る発電装置は、媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させることにより、前記蒸発器に供給された加熱媒体の熱を回収する熱回収部と、前記膨張機によって駆動される発電機と、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路の管内圧力が所定の上限閾値を上回っているか否かを判定する上限判定処理と、前記管路内の前記作動媒体の過熱度が所定の制御目標範囲に収まっているか否かを判定する過熱度判定処理と、前記媒体ポンプの回転数が所定の回転数閾値を上回っているか否かを判定する回転数判定処理と、を実行する判定処理部と、前記判定処理部の判定処理の結果に基づいて、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御する流入制御部と、を備えている。前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記過熱度判定処理の判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御している。前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記管内圧力が前記上限閾値以下になるように前記流入量を低減させた上で、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御する。前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られ、且つ、前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御する。前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記流入制御部は、前記媒体ポンプの前記回転数を前記回転数閾値以下の値に減らして、前記流入量を減らす
【0007】
上記の構成によれば、管内圧力が上限閾値を上回っているとの判定結果が得られたときには、流入制御部は、管内圧力が上限閾値以下になるように蒸発器への作動媒体の流入量を低減させる。したがって、管内圧力は、過度に大きくならない。
【0008】
過熱度判定処理の判定結果に基づく流入量の制御は、管内圧力が上限閾値以下となっている条件下で行われる。したがって、過熱度判定処理の判定結果に基づく流入量の制御の結果、流入量が増やされても、管内圧力は、上限閾値以下の値で増加するにすぎず、過度に大きな値を取りにくい。したがって、管内圧力を過度に大きくすることなく、流入量を増やし、蒸発器での作動媒体の蒸発量を増やすことができる。作動媒体の蒸発量の増加の結果、発電機の発電量が増える。すなわち、管内圧力を過度に大きくすることなく、高い発電量を得ることができる。
【0009】
過熱度判定処理は、上限判定処理の後に行われる。仮に、過熱度判定処理に基づく流入量の制御が、上限判定処理の前に行われると、過熱度判定処理に基づく流入量の制御は、管内圧力が既に高い状態の下で行われることもある。過熱度判定処理において、過熱度が制御目標範囲の上限を上回っているとの判定結果が得られた場合、過熱度を制御目標範囲に収めるために蒸発器への作動媒体の流入量が増やされる。この場合、管内圧力が、更に増え、過度に高い値を取ることが想定される。一方、上限判定処理が、過熱度判定処理の前に行われると、管内圧力を上限閾値以下にした上で、過熱度が調整されるので、上述の如く、管内圧力が過度に大きな値を取ることが防止される。上限判定処理において、管内圧力が上限閾値以下であるとの判定結果が得られたとしても、媒体ポンプの回転数が高い状態が続くならば、管内圧力は、その後、過度に高い値を取りうる。上記の構成によれば、回転数判定処理において、媒体ポンプの回転数が回転数閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、流入制御部は、媒体ポンプの回転数を回転数閾値以下の値に減らす。この結果、管内圧力が過度に高い値を取ることが未然に防がれる。
【0010】
上記の構成に関して、前記判定処理部は、前記管内圧力が所定の下限閾値を下回っているか否かを判定する下限判定処理を更に実行してもよい。前記管内圧力が、前記下限閾値と前記上限閾値とによって定められた圧力範囲にあるときに、前記流入制御部は、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように、前記流入量を制御してもよい。前記管内圧力が、前記圧力範囲の外にあるときに、前記流入制御部は、前記管内圧力が前記圧力範囲に収まるように前記流入量を調整した上で、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、管内圧力が下限閾値と上限閾値とによって定められた圧力範囲の外にあるとき、流入制御部は、管内圧力が圧力範囲内に収まるように流入量を調整する。したがって、管内圧力が、過度に高い値を取ることもないし、過度に低い値を取ることもない。管内圧力が、下限閾値よりも低い場合、管内圧力を圧力範囲に収めるために、流入制御部は、蒸発器への作動媒体の流入量を増やす。この結果、膨張機によって駆動される発電機から出力される電力も増加する。
【0012】
過熱度判定処理における判定結果に基づく流入量の制御は、管内圧力が圧力範囲内に収まっているときに行われる。すなわち、過熱度判定処理における判定結果に基づく流入量の制御が行われるときには、管内圧力は、下限閾値を上回っている。過熱度判定処理における判定結果に基づく流入量の制御の結果、流入量が低減されても、管内圧力は、下限閾値以上の値から低減するにすぎず、過度に小さな値を取りにくい。したがって、膨張機の駆動力は、ある程度の水準以上に保たれ、膨張機によって駆動される発電機からの発電量もある程度の水準以上に保たれる。
【0015】
本発明の他の局面に係る発電装置は、媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させることにより、前記蒸発器に供給された加熱媒体の熱を回収する熱回収部と、前記膨張機によって駆動される発電機と、前記蒸発器で前記作動媒体と熱交換して、前記作動媒体を蒸発させる前記加熱媒体の温度が所定の温度閾値を上回っているか否かを判定する温度判定処理と、前記温度判定処理において、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの判定結果が得られたとき、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路中の前記作動媒体の過熱度の制御目標範囲を上げて、前記過熱度が当該制御目標範囲に収まっているか否かを判定する過熱度判定処理と、を実行する判定処理部と、前記過熱度判定処理の結果に基づいて、前記作動媒体の前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御する流入制御部と、を備えている。
【0016】
上記の構成によれば、温度判定処理において、加熱媒体の温度が温度閾値を上回っているとの判定結果が得られると、作動媒体の過熱度に対する制御目標範囲が上げられる。上限が高い値を有しているとき、過熱度は、上限を超えにくくなる。すなわち、過熱度が上限を超えたときにおける流入量を増加させる制御が行われにくくなる。一方、下限が高い値を有しているとき、過熱度は下限を下回りやすくなる。すなわち、過熱度が下回ったときにおける流入量を低減させる制御が行われやすくなる。したがって、加熱媒体の温度が温度閾値を上回っているとの判定結果が得られると、蒸発器への作動媒体の流入量の増加が抑制される。
【0017】
上述の制御目標範囲の設定は、加熱媒体の温度が大きく変化するときに有用である。加熱媒体の温度が高くなればなるほど、蒸発器での作動媒体の蒸発量が増え、蒸発器と膨張機とを繋ぐ管路の管内圧力が高くなりやすくなる。しかしながら、加熱媒体の温度が温度閾値を超えたときには、上述の如く、流入量の増加が抑制されるので、蒸発器内での作動媒体の蒸発量の増加も抑制される。したがって、管内圧力は過度に高くなりにくい。
【0018】
本発明の他の局面に係る発電装置は、媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させることにより、前記蒸発器に供給された加熱媒体の熱を回収する熱回収部と、前記膨張機によって駆動される発電機と、前記蒸発器で前記作動媒体と熱交換して、前記作動媒体を蒸発させる前記加熱媒体の温度が所定の温度閾値を上回っているか否かを判定する温度判定処理と、前記温度判定処理において、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値以下であるとの判定結果が得られたとき、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路中の前記作動媒体の過熱度が前記過熱度の第1制御目標範囲に収まっているか否かを判定し、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの判定結果が得られたとき、前記第1制御目標範囲よりも高い第2制御目標範囲に前記過熱度が収まっているか否かを判定する過熱度判定処理と、を実行する判定処理部と、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値以下であるとの前記判定結果が得られたとき、前記過熱度判定処理の結果に基づいて、前記過熱度が前記第1制御目標範囲に収まるように、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御し、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの前記判定結果が得られたとき、前記過熱度が前記第2制御目標範囲に収まるように、前記流入量を制御する流入制御部と、を備えている。
【0019】
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させるとともに、前記膨張機を用いて発電機を駆動する発電装置の制御に利用可能である。制御方法は、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路の管内圧力が所定の上限閾値を上回っているか否かを判定する上限判定処理を実行することと、前記媒体ポンプの回転数が所定の回転数閾値を上回っているか否かを判定する回転数判定処理を実行することと、前記管路内の前記作動媒体の過熱度が所定の制御目標範囲に収まっているか否かを判定する過熱度判定処理を実行することと、前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記管路内の前記作動媒体の前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように、前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御することと、前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記管内圧力が前記上限閾値以下になるように前記流入量を低減させた後、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御することと、前記上限判定処理において、前記管内圧力が前記上限閾値以下であるとの判定結果が得られ、且つ、前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値以下であるとの判定結果が得られたときに、前記過熱度判定処理の前記判定結果に基づいて、前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記流入量を制御することと、前記回転数判定処理において、前記媒体ポンプの前記回転数が前記回転数閾値を上回っているとの判定結果が得られたときに、前記媒体ポンプの前記回転数を前記回転数閾値以下の値に減らして、前記流入量を減らすことと、を備えている。
【0020】
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、媒体ポンプによって送り出された作動媒体を、蒸発器、膨張機及び凝縮器の順に通過させた後に前記媒体ポンプに戻すように循環させるとともに、前記膨張機を用いて発電機を駆動する発電装置の制御に利用可能である。制御方法は、前記蒸発器で前記作動媒体と熱交換し、前記作動媒体を蒸発させる加熱媒体の温度が所定の温度閾値を上回っているか否かを判定する温度判定処理を実行することと、前記温度判定処理において、前記加熱媒体の前記温度が前記温度閾値を上回っているとの判定結果が得られたとき、前記蒸発器と前記膨張機とを繋ぐ管路中の前記作動媒体の過熱度に対する制御目標範囲を上げて、前記制御目標範囲に前記過熱度が収まっているか否かを判定する過熱度判定処理を実行することと、前記過熱度判定処理の結果に基づいて、前記作動媒体の前記過熱度が前記制御目標範囲に収まるように前記蒸発器への前記作動媒体の流入量を制御することと、を備えている。
【発明の効果】
【0021】
上述の発電技術は、管内圧力を過度に大きくすることなく、高い発電量を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態の発電装置の概略図である。
図2】発電装置の判定処理部及び流入制御部の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。
図3】判定処理部及び流入制御部の他の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。
図4】回転数判定処理を行う発電装置の概略図である。
図5】回転数判定処理を行う判定処理部の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。
図6】第2実施形態の発電装置の概略図である。
図7】判定処理部の過熱度判定処理において用いられる判定基準の概念的なグラフである。
図8】判定処理部及び流入制御部の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。
図9】過熱度判定処理において用いられる判定基準の概念的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の発電装置100の概略図である。図1を参照して、発電装置100が説明される。
【0024】
発電装置100は、作動媒体を用いて、作動媒体より高温の加熱媒体から熱を回収するように構成された熱回収部110と、発電機120とを備えている。
【0025】
熱回収部110は、ランキンサイクルを実行するように構成されている。熱回収部110は、作動媒体を吐出する媒体ポンプ111と、媒体ポンプ111の吐出口と吸込口とに接続され、作動媒体が循環する循環経路を形成している循環路112とを備えている。熱回収部110は、循環路112上に配置された蒸発器113、膨張機114及び凝縮器115を更に備えている。蒸発器113、膨張機114及び凝縮器115は、媒体ポンプ111から送り出された作動媒体が、これらを順次通過するように配置されている。
【0026】
蒸発器113は、作動媒体を加熱媒体と熱交換させ、加熱媒体の熱を作動媒体に回収させるように構成されている。加熱媒体は、作動媒体を気化させるのに十分な高温の流体であり、発電装置100の外部から供給されている。加熱媒体は、エンジンからの排ガスや、作動媒体を気化させるのに十分に高い温度を有する他の流体であってもよい。
【0027】
膨張機114は、蒸発器113で気化した作動媒体を吸い込み、作動媒体の膨張作用によって、内部のロータが回転するように構成されている。膨張機114のロータは、発電機120に接続され、発電機120を駆動する。
【0028】
凝縮器115は、膨張機114から流出した作動媒体を、発電装置100の外部から供給された冷却媒体と熱交換させるように構成されている。冷却媒体として、作動媒体を液化させるのに十分に低い温度を有する流体(たとえば、海水、水やクーラントなど)が用いられている。
【0029】
媒体ポンプ111は、蒸発器113と膨張機114とを繋ぐ管路116(上述の循環路112の一部)の管内圧力(すなわち、蒸発器113の出口から膨張機114の入口へ至る循環路112の管内圧力)と、管路116を流れる作動媒体の過熱度とに基づいて制御される。媒体ポンプ111の制御に利用される制御関連部位として、発電装置100は、流入制御部131、圧力検出部132、温度検出部133及び判定処理部134を備えている。
【0030】
圧力検出部132及び温度検出部133はともに、管路116に取り付けられている。圧力検出部132として、管路116の管内圧力を検出可能な圧力センサが利用可能である。温度検出部133として、管路116を流れる作動媒体の温度を検出可能な温度センサが利用可能である。
【0031】
判定処理部134は、管内圧力及び作動媒体の温度を表す検出信号を圧力検出部132及び温度検出部133からそれぞれ受信するように、圧力検出部132及び温度検出部133に、有線式又は無線式に接続されている。判定処理部134は、圧力検出部132及び温度検出部133からの検出信号によって表される情報を用いて、所定の判定処理を行うように構成されている。加えて、判定処理部134は、判定処理から得られた判定結果を、流入制御部131に伝達するように構成されている。
【0032】
流入制御部131は、判定処理部134から伝達された判定結果に基づいて、媒体ポンプ111の回転数を維持するか、増加するか、低減するかのいずれかの動作内容を決定するように構成されている。流入制御部131は、媒体ポンプ111が、決定された動作内容で動作するように、駆動信号を生成するように構成されている。すなわち、流入制御部131は、判定処理部134から得られた判定結果に基づいて、媒体ポンプ111を制御するように構成されている。媒体ポンプ111に対する制御を通じて、蒸発器113への作動媒体の流入量が制御される。判定処理部134及び流入制御部131は、上述の判定処理及び動作内容の決定を行うプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)及び駆動信号を生成する信号生成回路を用いて形成されてもよい。
【0033】
発電装置100内の作動媒体の流れが以下に説明される。
【0034】
液相の作動媒体が、媒体ポンプ111によって、蒸発器113へ送り出される。作動媒体は、蒸発器113に流入し、加熱媒体と熱交換する。この結果、作動媒体は気化する。気化した作動媒体は、膨張機114に流入し、膨張機114内で膨張する。膨張機114内での作動媒体の膨張の結果、膨張機114のロータが回転し、ロータに接続された発電機120は、電力を生成する。膨張機114での仕事に利用された作動媒体は、膨張機114から凝縮器115に流入する。作動媒体は、凝縮器115で、冷却媒体と熱交換し、液相に戻る。液相の作動媒体は、媒体ポンプ111によって吸い込まれた後、蒸発器113へ再度送り込まれる。
【0035】
判定処理部134及び流入制御部131の動作が、図1及び図2を参照して、以下に説明される。図2は、判定処理部134及び流入制御部131の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。
【0036】
判定処理部134の判定処理のために、管路116の管内圧力に対して上限閾値が設定されている。上限閾値は、管内圧力が管路116の耐圧能力を上回らないように、管路116が許容する最大の内圧よりも小さな値に設定されている。上限閾値と管路116の最大内圧との間の差は、上限閾値を超えて増加する管内圧力が取ることが予測される最大値を考慮して定められることが好ましい。
【0037】
加えて、管路116を流れる作動媒体の過熱度に対して、制御目標範囲が設定されている。例えば、制御目標範囲の下限は、発電機120の発電量が下限許容値(発電量に対して許容される下限値又は発電機120の回転数が発電機120が安定して発電を行うことができる回転数の下限値)を下回らないように設定された所定の値を取っていてもよい。制御目標範囲の上限は、膨張機114及び発電機120の能力の上限を考慮して設定された所定の値を取っている。
【0038】
判定処理部134は、圧力検出部132及び温度検出部133からの検出信号の受信を待つ(ステップS110)。判定処理部134が、検出信号を受信すると、これらの検出信号が表す管内圧力及び作動媒体の温度から作動媒体の過熱度を算出する(ステップS120)。判定処理部134は、その後、上述の上限閾値を用いた上限判定処理を実行する(ステップS130)。上限判定処理に関して、判定処理部134は、圧力検出部132からの検出信号が表す管内圧力を、上限閾値と比較し、管内圧力が上限閾値を上回っているか否かを判定する。管内圧力が、上限閾値を上回っていれば(ステップS130:Yes)、管内圧力が、上限閾値を上回っていることを表す判定結果が、判定処理部134から流入制御部131に伝達される。この場合、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を低減することを決定する(ステップS150)。流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数が下がるように、駆動信号を生成する。駆動信号は、流入制御部131から媒体ポンプ111へ出力され、媒体ポンプ111は、低減された回転数で回転する。媒体ポンプ111の回転数が減らされると、蒸発器113への作動媒体の流入量及び蒸発器113での作動媒体の気化量が減り、管路116の管内圧力が減少する。その後、ステップS110が再度実行される。ステップS110、S120、S130及びS150からなる処理ループは、ステップS130の上限判定処理において、管内圧力が上限閾値を上回っていないとの判定結果が得られるまで繰り返される。
【0039】
管内圧力が、上限閾値を上回っていなければ(ステップS130:No)、判定処理部134は、上述の制御目標範囲を用いた過熱度判定処理を実行する(ステップS140)。過熱度判定処理に関して、判定処理部134は、上述の制御目標範囲の下限及び上限を、ステップS120で算出された過熱度と比較し、管路116内の作動媒体の過熱度が、制御目標範囲に収まっているか否かを判定する。過熱度が、制御目標範囲の下限以上上限以下であれば(ステップS140:Yes)、過熱度が制御目標範囲内にあるという判定結果が、判定処理部134から流入制御部131に伝達される。この場合、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を維持することを決定する(ステップS160)。流入制御部131は、流入制御部131の回転数を維持するように、駆動信号を生成する。駆動信号は、流入制御部131から媒体ポンプ111へ出力され、媒体ポンプ111は、回転数を変えることなく、作動媒体を蒸発器113へ吐出する。この結果、管路116内の作動媒体の過熱度は、制御目標範囲内に留まる。その後、ステップS110が再度実行される。
【0040】
過熱度が、制御目標範囲の下限を下回っていれば(ステップS140:No,下)、過熱度が、制御目標範囲の下限を下回っているという判定結果が、判定処理部134から流入制御部131に伝達される。この場合、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を低減することを決定する(ステップS150)。流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数が下がるように、駆動信号を生成する。駆動信号は、流入制御部131から媒体ポンプ111へ出力され、媒体ポンプ111は、低減された回転数で回転する。媒体ポンプ111の回転数が減らされると、媒体ポンプ111から蒸発器113への作動媒体の流入量が減るので、管路116内の作動媒体の過熱度が増加する。この結果、作動媒体の過熱度は、制御目標範囲に収まる。その後、ステップS110が再度実行される。
【0041】
過熱度が、制御目標範囲の上限を上回っていれば(ステップS140:No,上)、過熱度が、制御目標範囲の上限を上回っているという判定結果が、判定処理部134から流入制御部131に伝達される。この場合、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を増加することを決定する(ステップS170)。流入制御部131は、流入制御部131の回転数を増加するように、駆動信号を生成する。駆動信号は、流入制御部131から媒体ポンプ111へ出力され、媒体ポンプ111は、増加された回転数で回転する。媒体ポンプ111から蒸発器113への作動媒体の流入量が増えるので、管路116内の作動媒体の過熱度が低下する。この結果、作動媒体の過熱度は、制御目標範囲に収まる。その後、ステップS110が再度実行される。
【0042】
上述の如く、ステップS110、S120、S130及びS150からなる処理ループは、ステップS130の上限判定処理において、管内圧力が上限閾値を上回っていないとの判定結果が得られるまで繰り返される。したがって、ステップS140の過熱度判定処理は、管内圧力が上限閾値を上回っていないという条件の下で行われる。すなわち、過熱度判定処理に基づく作動媒体の流入量の制御は、管内圧力が上限閾値を上回っていないという条件の下で行われる。過熱度判定処理に基づく作動媒体の流入量の制御が行われるときに、蒸発器113への流入量が増やされても、管内圧力は、上限閾値以下の値から増加するにすぎず、管内圧力は、過度に大きな値にならない。
【0043】
過熱度判定処理に用いられる制御目標範囲の下限は、発電機120の発電量が、下限許容値を下回らないように設定されている。したがって、過熱度が制御目標範囲の下限以上であるときは、発電機120は、下限許容値を上回る電力を生成することができる。
【0044】
過熱度が、制御目標範囲の下限を下回っている状況の下で、過熱度を上昇させると、発電機120の発電量が増加する。図2を参照して説明された制御によれば、過熱度が、制御目標範囲の下限を下回っているとき、ステップS150が実行され、媒体ポンプ111の回転数が下げられる(すなわち、蒸発器113への作動媒体の流入量が減らされる)。この結果、蒸発器113から流出する作動媒体の過熱度が増加する。過熱度の増加の結果、発電機120の発電量は増加する。したがって、発電機120の発電量は、ある程度高い水準に保たれ得る。
【0045】
上限判定処理は、過熱度判定処理の前に行われる。仮に、過熱度判定処理が、上限判定処理の前に行われると、過熱度判定処理に基づく作動媒体の流入量の制御は、管内圧力が既に高い値に達している状況の下で行われうる。この場合、過熱度判定処理において、過熱度が制御目標範囲の上限よりも高いとの判定結果が得られるならば、蒸発器113への作動媒体の流入量が増やされ、管内圧力が更に増加する。一方、図2を参照して説明された制御によれば、上限判定処理が、過熱度判定処理の前に行われる。したがって、管内圧力が上限閾値を超えているときには、ステップS110、S120、S130及びS150からなる処理ループの下で、蒸発器113への作動媒体の流入量が減らされ、管内圧力が低減される。管内圧力の低減がなされた上で、過熱度判定処理に基づく作動媒体の流入量の制御が実行されるので、管内圧力は、過度に高い値を取らない。
【0046】
図2に示される判定処理において、管内圧力は、上限閾値と比較されている。しかしながら、管内圧力は、追加的に、所定の下限閾値と比較され、管内圧力が下限閾値を下回っているか否かが判定されてもよい(下限判定処理)。下限閾値は、管内圧力が下限閾値を下回ったとしても、発電機120の発電量が、下限許容値を下回らないように設定されていてもよい。加えて、過熱度の算出は、過熱度判定処理が行われるときに実行されてもよい。図3は、これらの変更が加えられた判定処理を表す概略的なフローチャートである。
【0047】
下限判定処理(ステップS131)は、ステップS110の後に、判定処理部134によって上限判定処理とともに行われる。下限判定処理において、管内圧力が下限閾値を下回っているとの判定結果が得られれば(ステップS131:No,下限閾値>管内圧力)、当該判定結果が、判定処理部134から流入制御部131へ出力される。流入制御部131は、判定結果に基づき、媒体ポンプ111の回転数を増加する(ステップS170)。
【0048】
下限判定処理において、管内圧力が下限閾値以上であるとの判定結果が得られ、且つ、上限判定処理において、管内圧力が上限閾値以下であるとの判定結果が得られたことを条件として(ステップS131:Yes)、過熱度の算出(ステップS132)及び過熱度判定処理(ステップS140)が行われる。ステップS132の過熱度の演算処理は、図2を参照して説明されたステップS120と同様である。
【0049】
上限判定処理に加えて、下限判定処理が行われるので、下限判定処理において、管内圧力が下限閾値よりも低いとの判定結果が得られたときには、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数が増加される。この結果、媒体ポンプ111から蒸発器113への作動媒体の流入量が増える。作動媒体の流入量の増加の結果、発電量が増加する。
【0050】
過熱度の算出は、過熱度判定処理が行われる条件(すなわち、管内圧力が下限閾値以上上限閾値以下の圧力範囲内にあるとの条件)が整ったときに行われる。過熱度判定処理が行われないときには、過熱度の算出は行われない。この結果、不必要な演算処理が削減され、判定処理部134の演算負荷が低減される。
【0051】
判定処理部134は、上限判定処理に加えて、媒体ポンプ111の回転数が、所定の回転数閾値を上回っているか否かを判定してもよい(回転数判定処理)。回転数閾値は、媒体ポンプ111の回転数が回転数閾値を超えて増加したときの予測される最大値を考慮して設定されている。媒体ポンプ111が、予測された最大値で回転しても、管内圧力が、管路116の耐圧能力以下に設定された所定の値を超えないように、回転数閾値の大きさが定められていてもよい。回転数判定処理を実行する発電装置100の概略図が、図4に示されている。回転数判定処理を含む判定処理部134の動作を表すフローチャートが、図5に示されている。図1及び図5を参照して、回転数判定処理が説明される。
【0052】
判定処理部134が、回転数判定処理を行う場合、媒体ポンプ111の回転数を表す回転数信号が、判定処理部134に出力される。回転数信号は、たとえば、媒体ポンプ111の回転数を検出するように媒体ポンプ111に取り付けられたエンコーダといった速度検出器136によって生成されてもよい。この場合、回転数信号は、速度検出器136から判定処理部134へ出力される。
【0053】
判定処理部134は、回転数信号を、圧力検出部132及び温度検出部133からの検出信号とともに受信する(ステップS111)。その後、過熱度の算出(ステップS120)及び上限判定処理(ステップS130)が順次実行される。上限判定処理の後に、回転数判定処理が実行される(ステップS133)。
【0054】
回転数判定処理に関して、判定処理部134は、回転数信号が表す回転数を、回転数閾値と比較する。媒体ポンプ111の回転数が、回転数閾値を上回っていれば(ステップS133:No)、回転数が、回転数閾値を上回っていることを表す判定結果が、判定処理部134から流入制御部131に伝達される。流入制御部131は、判定結果に基づいて、媒体ポンプ111の回転数を回転数閾値以下の値まで低減し(ステップS150)、媒体ポンプ111から蒸発器113への作動媒体の流入量を減らす。回転数判定処理において、回転数が、回転数閾値を上回っていないとの判定結果が得られたことを条件として(ステップS133:Yes)、判定処理部134は、過熱度判定処理(ステップS140)を実行する。
【0055】
媒体ポンプ111の回転数が、回転数閾値を超えている場合、圧力検出部132が検出している管内圧力が低くとも、管内圧力が、その後増加し、上限閾値を上回ることが予測される。しかしながら、回転数判定処理が行われ、媒体ポンプ111の回転数が、回転数閾値を超えている場合には、回転数が下げられるので、管内圧力が、上限閾値を上回ることが未然に防止される。
【0056】
図5に示される一連の処理において、回転数判定処理は、上限判定処理の後に行われている。しかしながら、回転数判定処理は、上限判定処理の前に行われてもよいし、上限判定処理と同時に行われてもよい。
【0057】
図5に示される一連の処理において、上限判定処理(ステップS130)を行っているが、これに代えて、図3に示される上限判定処理及び下限判定処理(ステップS131)を行うようにしてもよい。
【0058】
上述の実施形態に関して、過熱度判定処理は、上限判定処理の後に行われている。しかしながら、過熱度は、発電装置100が作動している間において常時監視されていてもよい。過熱度判定処理に基づく作動媒体の流入量の制御が、上限判定処理の後に行われている限り、管内圧力の過度の上昇が上述の如く抑制される。
【0059】
上述の実施形態に関して、熱回収部110は、蒸発器113で蒸発された作動媒体を更に加熱する過熱器を更に有していてもよい。
【0060】
上述の実施形態に関して、速度検出器136は、媒体ポンプ111の回転数を検出している。しかしながら、速度検出器136は、媒体ポンプ111を駆動するモータのインバータ周波数を検出してもよい。
【0061】
上述の実施形態に関して、蒸発器113への作動媒体の流入量は、媒体ポンプ111の回転数の制御を通じて調整されている。回転数に対する制御に加えて、媒体ポンプ111から吐出された作動媒体の一部が流入するとともに、流入した作動媒体が媒体ポンプ111を迂回して媒体ポンプ111の上流に戻るように構成されたバイパス流路を用いて、蒸発器113への流入量が調整されてもよい。この場合、バイパス流路に設けられた弁体の開度を制御することによって、蒸発器113への作動媒体の流入量が調整される。
【0062】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態の発電装置100Aの概略図である。図1及び図6を参照して、発電装置100Aが説明される。
【0063】
発電装置100Aは、蒸発器113に流入する加熱媒体の温度を検出する温度検出部135を更に備えている点及び判定処理部134の判定処理において、発電装置100とは相違している。これらの相違点を除いて、発電装置100の説明は、発電装置100Aに援用される。
【0064】
温度検出部135は、加熱媒体の流れ方向において、蒸発器113の上流で配管された管路に取り付けられている。温度検出部135は、蒸発器113の上流の管路を流れる加熱媒体の温度を検出可能な温度センサが利用可能である。
【0065】
温度検出部135は、加熱媒体の温度を表す検出信号を生成するように構成されている。検出信号が、温度検出部135から判定処理部134へ出力されるように、温度検出部135は、判定処理部134に有線式又は無線式に接続されている。
【0066】
判定処理部134は、上述の上限判定処理に代えて、温度判定処理を実行する。判定処理部134は、温度判定処理において、温度検出部135からの検出信号が表している加熱媒体の温度を、所定の温度閾値と比較し、加熱媒体の温度が温度閾値を上回っているか否かを判定する。
【0067】
判定処理部134は、温度判定処理の後に、過熱度判定処理を実行する。過熱度判定処理において、判定処理部134は、温度判定処理の結果に応じて相異なる判定基準を用いる。図7は、過熱度判定処理において用いられる判定基準の概念的なグラフである。図2図6及び図7を参照して、判定処理部134の過熱度判定処理が説明される。
【0068】
図7のグラフの横軸は、温度検出部135によって検出された加熱媒体の温度を表している。図7のグラフの縦軸は、管路116を流れている作動媒体の過熱度を表している。
【0069】
温度判定処理において、加熱媒体の温度が、温度閾値以下であるとの判定結果(ステップS134:No)が得られたとき、判定処理部134は、第1制御目標範囲を用いて、過熱度が第1制御目標範囲内に収まっているか否かを判定する。第1制御目標範囲の下限及び上限は、加熱媒体の温度によらず一定値を取っている。第1制御目標範囲は、図2を参照して説明された制御目標範囲と同様である。図2を参照して説明された制御目標範囲に関する説明は、第1制御目標範囲に援用される。
【0070】
温度判定処理において、加熱媒体の温度が、温度閾値を上回っているとの判定結果(ステップS134:Yes)が得られたとき、判定処理部134は、第1制御目標範囲よりも高い第2制御目標範囲を用いて、過熱度が第2制御目標範囲内に収まっているか否かを判定する。第2制御目標範囲の下限は、第1制御目標範囲の下限よりも大きな値に設定されている。第2制御目標範囲の上限は、第1制御目標範囲の上限よりも大きな値に設定されている。第2制御目標範囲の下限及び上限は、加熱媒体の温度が温度閾値よりも大きくなればなるほど、大きな値を取っている。図7において、加熱媒体の温度が温度閾値にあるとき、第1制御目標範囲の上限値は、第2制御目標範囲の上限値に一致し、第1制御目標範囲の下限値は、第2制御目標範囲の下限値に一致している。代替的に、加熱媒体の温度が温度閾値にあるとき、第2制御目標範囲の上限値は、第1制御目標範囲の上限値よりも大きくてもよく、第2制御目標範囲の下限値は、第1制御目標範囲の下限値よりも大きくてもよい。図7において、第2制御目標範囲の下限及び上限は、線形的に増加しているけれども、非線形的に増加してもよい。図7の第2制御目標範囲の上限と下限との差は、図7の第1制御目標範囲の上限と下限との差に等しい。代替的に、第2制御目標範囲の上限と下限との差は、第1制御目標範囲の上限と下限との差よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0071】
温度閾値及び第2制御目標範囲の設定に関して、第1制御目標範囲を用いた過熱度判定処理の下では、管路116の管内圧力が、管路116の耐圧能力を考慮して設定された設定圧力に近づきすぎる虞がある作動媒体の単位時間当たりの蒸発量が考慮されている。すなわち、温度閾値は、第1制御目標範囲を用いた過熱度判定処理の下では、単位時間の作動媒体の蒸発量が大きくなりすぎると予測される値に設定されている。第2制御目標範囲の下限及び上限は、温度閾値を超える加熱媒体の温度の下で、単位時間当たりの作動媒体の蒸発量が大きくなりすぎないように設定されている。
【0072】
判定処理部134及び流入制御部131の動作が、図6乃至図8を参照して、以下に説明される。図8は、判定処理部134及び流入制御部131の例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。
【0073】
判定処理部134は、温度検出部133,135及び圧力検出部132からの検出信号の受信を待ち(ステップS112)、これらの検出信号の受信の後、過熱度が算出される(ステップS120)。過熱度の算出の後、温度判定処理(ステップS134)が実行される。
【0074】
温度判定処理(ステップS134)において、判定処理部134は、温度検出部135からの検出信号が表している加熱媒体の温度を、温度閾値と比較する。加熱媒体の温度が温度閾値を上回っていないとの判定結果(ステップS134:No)が得られれば、判定処理部134は、第1制御目標範囲を用いて、過熱度判定処理(ステップS141)を実行する。加熱媒体の温度が温度閾値を上回っているとの判定結果(ステップS134:Yes)が得られれば、判定処理部134は、第2制御目標範囲を用いて、過熱度判定処理(ステップS142)を実行する。
【0075】
過熱度判定処理(ステップS141,S142)において、以下のいずれかの判定結果が得られる。
(判定結果1)算出された過熱度(ステップS120)が、第1制御目標範囲又は第2制御目標範囲の下限を下回っているとの判定結果(ステップS141:No,下、又は、ステップS142:No,下)。
(判定結果2)算出された過熱度(ステップS120)が、第1制御目標範囲又は第2制御目標範囲の範囲内に収まっているとの判定結果(ステップS141:Yes、又は、ステップS142:Yes)。
(判定結果3)算出された過熱度(ステップS120)が、第1制御目標範囲又は第2制御目標範囲の範囲を上回っているとの判定結果(ステップS141:No,上、又は、ステップS142:No,上)。
【0076】
得られた判定結果は、判定処理部134から流入制御部131へ伝達される。上述の判定結果1が、流入制御部131へ出力されると、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を下げる(ステップS150)。この場合、蒸発器113への作動媒体の流入量が減るので、管路116での作動媒体の過熱度が増加し、制御目標範囲に収まる。上述の判定結果2が、流入制御部131へ出力されると、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を維持する(ステップS160)。この場合、管路116での作動媒体の過熱度は、制御目標範囲内に留まる。上述の判定結果3が、流入制御部131へ出力されると、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を上げる(ステップS170)。この場合、蒸発器113への作動媒体の流入量が増えるので、管路116での作動媒体の過熱度が低下し、制御目標範囲に収まる。
【0077】
温度閾値よりも高い温度範囲では、第2制御目標範囲の上限は、第1制御目標範囲の上限よりも大きな値に設定されているので、判定結果3は、第2制御目標範囲が用いられているとき(ステップS142)において、第1制御目標範囲が用いられているとき(ステップS141)よりも得られにくい。一方、第2制御目標範囲の下限は、第1制御目標範囲の下限よりも大きな値に設定されている。したがって、判定結果1は、第2制御目標範囲が用いられているとき(ステップS142)において、第1制御目標範囲が用いられているとき(ステップS141)よりも得られやすい。したがって、ステップS142が実行されたときには、媒体ポンプ111の回転数を上げる制御(ステップS170)が行われにくくなっている一方で、媒体ポンプ111の回転数を下げる制御(ステップS150)が行われやすくなっている。すなわち、ステップS142が実行されたときには、媒体ポンプ111から蒸発器113への作動媒体の供給が抑制される。この結果、蒸発器113での作動媒体の蒸発及び管路116の管内圧力の増加も抑制される。
【0078】
上述の実施形態に関して、判定処理部134は、1つの温度閾値を用いて、判定処理を行っている。しかしながら、判定処理部134は、複数の温度閾値を用いて、判定処理を行ってもよい。複数の温度閾値が用いられたときの判定処理部134の判定処理が、図6及び図9を参照して説明される。図9は、過熱度判定処理において用いられる判定基準の概念的なグラフである。
【0079】
図9のグラフの横軸は、温度検出部135によって検出された加熱媒体の温度を表している。図9のグラフの縦軸は、管路116を流れている作動媒体の過熱度を表している。
【0080】
図9に示されている記号「T1」~「T4」は、温度判定処理に用いられる温度閾値である(T1<T2<T3<T4)。過熱度判定処理において、温度閾値T1~T4によって区分された5つの制御目標範囲が用いられる。温度判定処理において、加熱媒体の温度が、温度閾値T1以下であるとの判定結果が得られたときに、過熱度判定処理において用いられる制御目標範囲は、以下の説明において、「第1制御目標範囲」と称される。温度判定処理において、加熱媒体の温度が、温度閾値T1より大きく温度閾値T2以下であるとの判定結果が得られたときに、過熱度判定処理において用いられる制御目標範囲は、以下の説明において、「第2制御目標範囲」と称される。温度判定処理において、加熱媒体の温度が、温度閾値T2より大きく温度閾値T3以下であるとの判定結果が得られたときに、過熱度判定処理において用いられる制御目標範囲は、以下の説明において、「第3制御目標範囲」と称される。温度判定処理において、加熱媒体の温度が、温度閾値T3より大きく温度閾値T4以下であるとの判定結果が得られたときに、過熱度判定処理において用いられる制御目標範囲は、以下の説明において、「第4制御目標範囲」と称される。温度判定処理において、加熱媒体の温度が、温度閾値T4を上回っているとの判定結果が得られたときに、過熱度判定処理において用いられる制御目標範囲は、以下の説明において、「第5制御目標範囲」と称される。
【0081】
第1制御目標範囲乃至第5制御目標範囲それぞれの下限及び上限は、一定である。しかしながら、下限及び上限は、第1制御目標範囲乃至第5制御目標範囲間で互いに相違している。第2制御目標範囲の下限及び上限は、第1制御目標範囲の下限及び上限よりも大きい。第3制御目標範囲の下限及び上限は、第2制御目標範囲の下限及び上限よりも大きい。第4制御目標範囲の下限及び上限は、第3制御目標範囲の下限及び上限よりも大きい。第5制御目標範囲の下限及び上限は、第4制御目標範囲の下限及び上限よりも大きい。
【0082】
過熱度判定処理において、第1制御目標範囲乃至第5制御目標範囲のうちいずれか1つが、加熱媒体の温度(温度検出部135によって検出された温度)に基づいて選択される。過熱度判定処理において、過熱度が、選択された制御目標範囲の下限を下回っているとの判定結果が得られると、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を下げる。過熱度判定処理において、過熱度が、選択された制御目標範囲の上限を上回っているとの判定結果が得られると、流入制御部131は、媒体ポンプ111の回転数を上げる。図9に示される制御目標範囲の設定の下でも、加熱媒体の温度が増加するにつれて、媒体ポンプ111から蒸発器113への作動媒体の流入量及び管路116の管内圧力の増加が抑制される。
【0083】
上述の実施形態において、温度検出部135は、蒸発器113の上流で配管された管路を流れる加熱媒体の温度を検出している。しかしながら、温度検出部135は、蒸発器113の下流で配管された管路を流れる加熱媒体の温度を検出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
上述の実施形態の技術は、電力の生成が必要とされる様々な技術分野に好適に利用される。
【符号の説明】
【0085】
100,100A・・・・・発電装置
110・・・・・・・・・・熱回収部
111・・・・・・・・・・媒体ポンプ
113・・・・・・・・・・蒸発器
114・・・・・・・・・・膨張機
115・・・・・・・・・・凝縮器
120・・・・・・・・・・発電機
131・・・・・・・・・・流入制御部
134・・・・・・・・・・判定処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9