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特許7201601回転子内の磁石の内部空冷システムを有する密閉型回転電気機械
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】回転子内の磁石の内部空冷システムを有する密閉型回転電気機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/06 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
H02K9/06 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019540419
(86)(22)【出願日】2018-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2018051120
(87)【国際公開番号】W WO2018137984
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】1750583
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591007826
【氏名又は名称】イエフペ エネルジ ヌヴェル
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
(73)【特許権者】
【識別番号】517357424
【氏名又は名称】マヴェル ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MAVEL S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ディブ、 ヴィサム
(72)【発明者】
【氏名】ファブレ、 ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ベットーニ、 ダヴィデ
【審査官】若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-211862(JP,A)
【文献】特開2013-183483(JP,A)
【文献】特開2012-110130(JP,A)
【文献】特表2013-533723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 9/06
H02K 1/32
H02K 19/10
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉型回転電気機械(100、200)であって、
収容体(130、230)内に配置され、巻線を有する固定子(190、290)と、
中心軸(X)の周りを回転するシャフト(160、260)に締結された本体を有する回転子(150、250)であって、前記固定子内で回転するように取り付けられ、磁束発生器(16)を収容する第1の凹部(22)と磁束バリヤを形成する第2の凹部(28)とを有し、前記第1の凹部および前記第2の凹部が細長い形状であり、軸(X)に沿って前記回転子の本体全体にわたって延びている回転子と、
各軸受が前記回転するシャフトの一方の端部を支持する軸受の対(171、172、271、272)と、
それぞれが前記収容体の互いに反対側に位置する前端部および後端部に配置された前部フランジおよび後部フランジであって、各々が、前記収容体を密に密封する密封手段(114a、114b、124a、124b)と、内面(111、121)と、外面(112、122)と、前記軸受の一方を受ける中央収容部(116a、126a、216a、226a)とを有し、前記各フランジの前記内面が、中央収容部(116a、126a、216a、226a)の周囲部上に配置されたフィン(113、123、213、223)を有する前部フランジおよび後部フランジと、
内部ファンの対(181、182、281、282)を有する冷却システムであって、各内部ファンが、回転子(150、250)の前記本体と前記軸受(171、172、271、272)の1つとの間において回転するシャフト(160、260)上に固定的に取り付けられ、前記シャフトの回転時に、前記回転子の第2の凹部(28)における第1の2方向空気流(2000,5000,3000)および各内部ファンと前記前部フランジまたは前記後部フランジの前記内面との間の第2の空気流(192)を生成する冷却システムと、を有し、
各内部ファン(181、182、281、282)は、内面と、外面と、回転シャフト(160、260)を通過させる中央開口部(6)と、前記内部ファンの前記表面を分割する交互に設けられた開放半径方向セクタ(2)および閉鎖半径方向セクタ(3)とを有し、前記開放半径方向セクタ(2)および前記閉鎖半径方向セクタ(3)は、前記内部ファンの前記外面上から突き出るブレード(13)を形成する軸(X)に直交する半径方向壁によって分離され
内部ファン(181、182、281、282)は、円形形状を有し、前記内部ファンの前記内面は、前記回転子(150、250)の本体上に位置し中心軸(X)に直交する平面部(4)を有し、前記平面部(4)は、各閉鎖半径方向セクタ(3)の位置では、傾斜平面部(3’)によって半径方向外側に延長され、各開放半径方向セクタ(2)の位置では、開口部(2’)によって半径方向外側に延長される、密閉型回転電気機械。
【請求項2】
前記回転子は、複数の磁束発生器(16)および複数の磁束バリヤによって形成されるn個の磁極を有し、
各磁極(20)は、内部ファンに隣接する閉鎖半径方向セクタ(3)および開放半径方向セクタ(2)によって覆われ、
前記2つの内部ファンは、中心軸(X)に実質的に平行な単一の軸に沿って一方の内部ファンの開放半径方向セクタ(2)と他方の内部ファンの閉鎖半径方向セクタ(3)とが重なるように回転シャフト(160、260)上にオフセットを有するように取り付けられる、請求項に記載の電気機械。
【請求項3】
内部ファンの開放半径方向セクタ(2)および閉鎖半径方向セクタ(3)の総数は2.nであり、
前記2つの内部ファンは、回転シャフト(160、260)上に360/(2.n)に等しい角度βの角度オフセットを有するように取り付けられ、
nは、2から12の間の範囲の偶数整数であり、好ましくは4または8に等しい、請求項に記載の電気機械。
【請求項4】
各内部ファン(181、182、281、282)および各フランジ(110、120)の内面(111、121)の各フィン(113、123、213、223)は、前記空気を、半径方向において固定子(190、290)の巻線ヘッド(191、291)へ向けて送り、次いで、前記空気流を、まず各巻線ヘッド(191、291)において軸(X)に平行な方向に沿って送り、次いで半径方向において回転シャフト(160、260)の方向へ送ることによって各巻線ヘッド(191、291)から前記各フランジの中心に戻すことができ、各内部ファンと前記前部フランジまたは前記後部フランジの前記内面との間に生成される前記第2の空気流(192)を形成する、請求項1からの何れか1項に記載の電気機械。
【請求項5】
前記各フランジの前記内面の各フィン(113、123、213、223)は、平面であり、中心軸(X)に直交する底辺と、収容部(116a、126a、216a、226a)の反対側で凹面を示す辺とを含む略台形状を有している、請求項1からの何れか1項に記載の電気機械。
【請求項6】
前記収容体ならびに前記前部フランジおよび前記後部フランジを冷却する外部冷却手段をさらに有する、請求項1からの何れか1項に記載の電気機械。
【請求項7】
前記外部冷却手段は、後部フランジ(120)の外面(122)と反対側に配置され、回転シャフト(160)上に固定的に取り付けられ、外気を収容体(130)に沿って前部フランジ(110)の方向に送る外部ファン(140)を有する、請求項に記載の電気機械。
【請求項8】
収容体(130)は、回転シャフト(160)の軸(X)に平行な軸に実質的に沿った細長い冷却フィン(131)の組を有する外面を有し、
後部フランジ(120)は、円筒形周囲部(128b)に連結された冠の形をした中心部(128a)と、後部フランジ(120)の前記中心部(128a)と前記周囲部(128b)との間に設けられた少なくとも1つの開口部(127)であって、収容体(130)の前記外面の前記冷却フィンの組(131)によって形成される通路内に外部ファン(140)によって送られる外気を導く開口部(127)と、を有する、請求項に記載の電気機械。
【請求項9】
外部ファン(140)は、回転シャフト(160)に締結された外気駆動輪と、前記外気が進入するのを可能にするオリフィス(129a)を有する保護プレート(129)とを有し、前記プレートが、後部フランジ(120)の周囲部(128b)に取り付けられる、請求項に記載の電気機械。
【請求項10】
前記外部冷却手段は、冷却媒体入口(233)と、冷却媒体出口(234)と、収容体(230)と接触する配管網(235)とを含む冷却媒体回路を有し、前記冷却媒体は、収容体(230)と、前記前部フランジ(210)と、前記後部フランジ(220)とを冷却するように循環し、前記配管網(235)は、好ましくは収容体(230)と一体化されたコイル(236)である、請求項に記載の電気機械。
【請求項11】
前記冷却媒体は水を含む、請求項1に記載の電気機械。
【請求項12】
前記機械は、好ましくは可変同期リラクタンス機械である、請求項1から1の何れか1項に記載の電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、回転電気機械の分野、特に回転電気機械の冷却に関する。
【0002】
より具体的には、密閉型可変同期リラクタンス回転電気機械の冷却に関する。
【背景技術】
【0003】
(一般的状況)
回転電気機械は従来、互いに関連して同軸に配置された、固定部、すなわち固定子と、回転移動部、すなわち回転子とを有する。回転子は一般に、回転子を回転駆動するのを可能にする磁界を生成する電気巻線を保持する固定子内に収容される。回転子は通常、積層体の束で構成され、回転シャフト上に配置された本体から成る。これらの積層体は、回転子の周囲に磁極を形成する永久磁石または巻線用の収容部を有する。各磁石は、回転子の表面に露出することができ、または、全てを回転子内に組み込むことができる。可変同期リラクタンス回転電気機械の場合、回転子は一般に、この回転子によって保持される磁束バリヤの近くに配置された永久磁石を有し、これらの磁束バリヤは通常、空間である。これらの機械は、永久磁石補助型同期リラクタンス機械とも呼ばれる。
【0004】
電気機械は、電磁損失(ジュール効果損失および鉄損)および機械的損失によって過熱する。この過熱は、電気機械の適切な動作を阻害し、性能を劣化させる。例えば、磁石が冷却されない場合、磁束の強度が低下し、トルクが失われ、したがって、電気機械の性能が劣化する。磁石の不可逆的な消磁が生じることもある。巻線はまた、昇温の影響を受けやすく、巻線温度が高いほど、銅の導電率が低くなり巻線の寿命が短くなる。銅の抵抗が高くなると、効率損失も生じる。したがって、電気機械部品において使用されるいくつかの絶縁材料と同時に、回転電気機械の様々な電磁部品は、動作時に発生する過熱の影響を受け易く、発生した熱を放散させて機械の良好な効率を維持し、性能再現性を実現し、機械の寿命を延ばし、機械のメンテナンスを制限するには、上記の電磁部品および絶縁材料を冷却することが不可欠である。
【0005】
したがって、効率的な冷却の探求は、回転電気機械製造者およびインテグレータの主要な関心事である。
【0006】
様々な種類の冷却システムがあり、それらのシステムは、多くの場合、機械の能力に適しており、そのようなシステムには、一般に効率が悪く、機械の内部に対する効果が低い空冷システム、例えば、水を使用し、特に、電気走行用モータの場合のように、特に顕著な損失が生じた直後に利用される液冷システム、または油冷システムが含まれる。液体窒素またはヘリウムを使用する他の冷却システムは、発電所における電気機械に利用することができる。
【0007】
機械、より厳密には、回転子と固定子とを含む機械の収容体(または筐体)を空冷することは、他の冷却システムと比較してコスト面で興味深い選択肢であるが、一般に効果が低く、したがって、低電力の電気機械の冷却に限定される。このことは、例えば、空冷が通常、電力が20kW未満の電気モータに使用される走行用途の場合に当てはまる。その他、液冷システムがしばしば実装される。
【0008】
さらに、空冷は、電気機械の外部と内部との間の空気循環を必要とすることがあり、それによって適用範囲がさらに限定され、この場合、「開放」電気機械、すなわち、非密封電気機械に限定される。
【0009】
機械筐体の外部の冷却に限定される「密閉型」(密封型)電気機械用の空冷システムでは、シャフトと一体的なファンによって強制空気対流が実現され、回転子で発生した熱が空隙の空気および固定子に奪われ、この熱が筐体を通して排出される。しかし、そのようなシステムは、機械内の、特に回転子で発生した熱を十分に排出せず、したがって、特に、非常に回転速度の高い電気機械の冷却に使用するのは困難になる。したがって、密閉型機械用のそのような空冷システムの効率は限定され、そのようなシステムの使用は、この場合も低電力機械に限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(発明の目的および概要)
本発明の目的は、前述の従来技術の欠点を解消し、密閉型回転電気機械用の効率的な冷却システムを提供して電気機械の所望の性能および効率を実現することである。
【0011】
特に、本発明の目的は、EN60529規格による高いIP保護コード、通常はIP67保護コードを有することができる回転電気機械の、回転子のシャフト、および、より詳細には、回転子によって保持される磁束バリヤの近くに配置された永久磁石、並びに巻線ヘッドを効率的に冷却することを可能にすることである。
【0012】
本発明の他の目的は、電力をまったく消費しない(受動システム)か、または、電力消費量が少なく、システムの動作に関する機械的損失を限定する冷却システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、前述の目的の少なくとも1つを実現するために、特に、密閉型回転電気機械であって、
収容体内に配置され、巻線を有する固定子と、
中心軸(X)の周りを回転するシャフトに締結された本体を有する回転子であって、固定子内で回転するように取り付けられ、磁束発生器を収容する第1の凹部と磁束バリヤを形成する第2の凹部とを有し、第1の凹部および第2の凹部が、細長い形状であり、軸(X)に沿って回転子の本体全体にわたって延びている回転子と、
回転シャフトの各端部を支持する軸受の対と、
それぞれが収容体の互いに反対側に位置する前端部および後端部に配置された前部フランジおよび後部フランジであって、各々が、収容体を密に密封する密封手段と、内面と、外面と、軸受の一方を受ける中央収容部とを有し、各フランジの内面が、中央収容部の周囲部上に配置されたフィンを有する前部フランジおよび後部フランジと、
内部ファンの対を有する冷却システムであって、各内部ファンが、回転子本体と軸受の1つと間において回転シャフト上に固定的に取り付けられ、シャフトの回転時に、回転子の第2の凹部における第1の2方向空気流および各内部ファンと前部フランジまたは後部フランジの内面との間の第2の空気流を生成する冷却システムと、を有する密閉型回転電気機械を提供する。
【0014】
各内部ファンは、内面と、外面と、回転シャフトを通過させる中央開口部と、内部ファンの表面を分割する交互に設けられた開放半径方向セクタおよび閉鎖半径方向セクタと、を有し、開放半径方向セクタおよび閉鎖半径方向セクタは、内部ファンの外面上から突き出るブレードを形成する軸(X)に直交する半径方向壁によって分離されていることが好ましい。
【0015】
有利なことに、内部ファンは、円形形状を有し、内部ファンの内面は、回転子本体上に位置し中心軸(X)に直交する平面部を有し、直交平面部が、各閉鎖半径方向セクタにおいて傾斜平面部によって延長され、各開放半径方向セクタにおいて開口部によって延長される。
【0016】
回転子は、複数の磁束発生器および複数の磁束バリヤによって形成されるn個の磁極を有し、各磁極は、内部ファンに隣接する閉鎖半径方向セクタおよび開放半径方向セクタによって覆われ、2つの内部ファンは、中心軸(X)に実質的に平行な単一の軸に沿って一方の内部ファンの開放半径方向セクタと他方の内部ファンの閉鎖半径方向セクタとが重なるように回転シャフト上に角度オフセットを有するように取り付けられることが好ましい。
【0017】
内部ファンの開放半径方向セクタおよび閉鎖半径方向セクタの総数は2.nであり、2つの内部ファンは、シャフト上に360/(2.n)に等しい角度βだけずらして取り付けられ、nは、2から12の間の範囲の偶数整数であり、4または8に等しいことが好ましい。
【0018】
有利なことに、各内部ファンおよび各フランジの内面の各フィンは、空気を半径方向において固定子の巻線ヘッドへ向けて送り、次いで、空気流を、まず各巻線ヘッドにおいて軸(X)に平行な方向に沿って送り、次いで半径方向において回転シャフトの方向へ送ることによって各巻線ヘッドからフランジの中心に戻すことができ、各内部ファンと前部フランジまたは後部フランジの内面との間に生成される第2の空気流を形成する。
【0019】
各フランジの内面の各フィンは、平面とすることができ、中心軸(X)に直交する底辺と収容部の反対側で凹面を示す辺とを含む略台形状を有している。
【0020】
有利なことに、機械は、収容体並びに前部フランジおよび後部フランジを冷却する外部冷却手段をさらに有する。
【0021】
一実施態様によれば、外部冷却手段は、後部フランジの外面の反対側に配置され、回転シャフト上に固定的に取り付けられ、外気を収容体に沿って前部フランジの方向に送る外部ファンを有する。
【0022】
この実施態様によれば、収容体は、回転シャフトの軸(X)に平行な軸に実質的に沿った細長い冷却フィンの組を有する外面を有することができ、後部フランジは、円筒形周囲部に連結された冠の形をした中心部と、中心部と周囲部との間に設けられた少なくとも1つの開口部であって、収容体の外面の冷却フィンの組によって形成される通路内に外部ファンによって送られる外気を導く開口部とを有することができる。
【0023】
外部ファンは、回転シャフトに締結された外気駆動輪と、外気が進入するのを可能にするオリフィスを有する保護プレートとを有し、プレートが、後部フランジの周囲部に取り付けられることが好ましい。
【0024】
別の実施態様によれば、外部冷却手段は、冷却媒体入口と、冷却媒体出口と、収容体と接触する配管網とを含む冷却媒体回路を含み、冷却媒体は、収容体と、前部フランジと、後部フランジとを冷却するように循環し、配管網は、好ましくは収容体と一体化されたコイルである。
【0025】
冷却媒体は水を含むことが好ましい。
【0026】
本発明による電気機械は、好ましくは同期リラクタンス電気機械である。
【0027】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図を参照する、非制限的な例による本発明の特定の実施形態についての以下の説明を読むことによって明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】機械の冷却が全体的に空冷によって実施される、本発明の第1の実施形態による電気機械の前部の斜視図である。
図1B】機械の冷却が全体的に空冷によって実施される、本発明の第1の実施形態による電気機械の後部の斜視図である。
図2】2つの内部ファンが取り付けられた本発明による電気機械の回転部の斜視図である。
図3】本発明による電気機械の回転子の半径方向断面図である。
図4A】本発明による電気機械の内部ファンの外面の斜視図である。
図4B】本発明による電気機械の内部ファンの内面の斜視図である。
図5A】本発明による電気機械の内部ファンの外面の正面図である。
図5B】本発明による電気機械の内部ファンの内面の正面図である。
図6A】本発明による電気機械の内部ファンの外面の図である。
図6B】本発明による電気機械の内部ファンの外面の図であり、図6Aの図に表された断面A-Aに沿った断面図である。
図6C】本発明による電気機械の内部ファンの外面の図であり、図6Aの図に表された断面B-Bに沿った断面図である。
図7】2つの内部ファンを含む本発明による電気機械の回転部の側面図である。
図8A】内部ファンを含む本発明による電気機械の回転部の一方の端部(前端部)の正面図である。
図8B】内部ファンを含む本発明による電気機械の回転部の一方の端部(前端部)の正面図であり、内部ファンを透視図で示した図である。
図9A】回転子における空気循環を示す図であり、本発明による電気機械の回転部の一方の端部の正面図である。
図9B】回転子における空気循環を示す図であり、図9Aに示されている断面C-Cに沿った断面図である。
図10A】本発明の第1の実施形態による電気機械の前部フランジの内面の斜視図である。
図10B】本発明の第1の実施形態による電気機械の前部フランジの外面の斜視図である。
図11A】本発明の第1の実施形態による電気機械の後部フランジの内面の斜視図である。
図11B】本発明の第1の実施形態による電気機械の後部フランジの外面の斜視図である。
図12】本発明の第1の実施形態による電気機械の長手方向断面図である。
図13】本発明の第1の実施形態による電気機械の上面図である。
図14A】本発明の第1の実施形態による電気機械の後部の切欠斜視図である。
図14B】本発明の第1の実施形態による電気機械の前部の切欠斜視図である。
図14C】外部ファンによって生成され収容体の外部を循環する外部空気流を示す電気機械の長手方向断面図である。
図15A】本発明の第1の実施形態による電気機械の背面の平面図である。
図15B】本発明の第1の実施形態による電気機械の背面の斜視図である。
図16A】機械の冷却が空冷および液冷によって実施される、本発明の第2の実施形態による電気機械の前部の斜視図である。
図16B】機械の冷却が空冷および液冷によって実施される、本発明の第2の実施形態による電気機械の後部の斜視図である。
図16C】本発明の第2の実施形態による電気機械の長手方向部分断面図である。
図17A】本発明の第2の実施形態による電気機械の前部の切欠部分斜視図である。
図17B】本発明の第2の実施形態による電気機械の後部の切欠部分斜視図である。
図17C】収容体内の液体循環をさらに示す、図17Bと同一の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
各図において、同じ参照番号は同一または類似の要素を示す。
【0030】
本発明の目的は、回転子の両端で回転子シャフト上に固定的に取り付けられ、回転子に含まれる永久磁石を囲む磁束バリヤを介した回転子内の二重空気循環を可能にする2つの内部ファンを有する冷却システムを含む密閉型回転電気機械を提供することである。各内部ファンは、内部ファンによって生成された内部空気流の向きを定め、空気流の熱を取り込むように適合されたフィンを有するフランジの内面に面している。
【0031】
密閉型電気機械は、回転子および固定子が筐体とも呼ばれる密封収容体内に密閉される電気機械であると理解される。
【0032】
本発明によれば、電気機械の回転子と固定子とを含む収容体は、2つのフランジによって密封される。
【0033】
冷却システムは、収容体および各フランジを冷却する外部冷却手段を有することもでき、この冷却手段は空冷手段であってもよく、または液冷手段であってもよい。
【0034】
この説明では、内部空気は、密閉型電気機械に含まれる空気、より正確に言えば、機械の密封収容体内に密閉された空気であると理解され、外気は、密閉型回転電気機械の外部の空気であると理解される。
【0035】
図1Aおよび図1Bは、本発明の第1の実施形態による密閉型電気機械を示しており、この電気機械は、電気車両またはハイブリッド車両における電気走行用モータとして使用することができる。
【0036】
例えば、図1Aおよび図1Bに示されているようなモータは、可変同期リラクタンスモータであり、同期リラクタンスモータとも呼ばれ、定電力が30kWで、過渡(ピーク)電力が52kWであり、350Vの直流バス電圧で動作することができる。このモータは、永久磁石補助型シンクロリラクタンス機械である。
【0037】
有利なことに、このモータは可変同期リラクタンス電気機械に適用されるが、本発明は、この電気機械形態に限定されず、より広範囲に、回転子全体にわたって延びる凹部から成る磁束バリヤを含む回転子を有する任意の種類の電気機械に関する。本発明による電気機械は、過渡電力(ピーク:30秒間過渡変化)が、例えば20kWから400kWの間の範囲である。より詳細には、第1の実施形態による電気機械は、20kWから75kWの間の範囲の電力を有することができ、後述の第2の実施形態による電気機械は、75kWから400kWの間の範囲の電力を有することができる。
【0038】
電気モータ100は、前部フランジ110および後部フランジ120によって密封された収容体130を有している。電気機械の、巻線を有する固定子および回転子は、密封された収容体130に含まれている。収容体130の内部は、以下にモータ冷却システムに関連して詳細に説明する図12によりよく示されている。接続される端子箱(図示せず)が、収容体130、詳細には、モータの前部で収容体を密封するフランジ110上に締結されている。収容体130並びにフランジ110および120は、金属、例えば、アルミニウムまたは鉄で作られている。
【0039】
本発明の第1の実施形態によれば、外部冷却手段は、後部フランジ120の外面と反対側に配置され、回転子の回転シャフト160上に固定的に取り付けられ、外気を収容体130に沿って前部フランジ110の方向に送る外部ファン140を含んでいる。
【0040】
軸(X)の周りを回転するシャフト160は、それぞれが収容体130の2つの反対側に位置する前端と後端に配置された前部フランジ110および後部フランジ120によって保持され、前部フランジ110は、収容体130の第1の端部に配置されており、回転シャフト160の負荷の駆動側を支持しており、後部フランジ120は、収容体の、第1の端部と反対側の第2の端部に配置され、回転シャフト160の負荷の駆動側の反対側を支持している。
【0041】
説明の残りの部分では、負荷が回転子の回転シャフトによって駆動される機械の側を、機械の前部と呼び、反対側を機械の後部と呼ぶ。
【0042】
より詳細には、前部フランジ110および後部フランジ120の各々は、図10A図10B図11A、および図11Bに示されているように、内面(111、121)と、外面(112、122)と、内面(111、121)の中央部に位置し、軸受を受けるようになっている中央収容部(116a、126a)とを有している。軸受171および172は、図7に示されており、回転シャフト160の負荷の駆動側160aおよび回転シャフトの負荷の駆動側の反対側160bを支持している。
【0043】
前部フランジ110および後部フランジ120は、収容体130を密に密封する密封手段を有している。
【0044】
図2は、本発明による機械の冷却システムに属する2つの内部ファン181および182が取り付けられた電気機械の回転部の斜視図である。
【0045】
つまり、本発明によれば、冷却システムは、内部ファンの対(181、182)を有しており、各内部ファンは、回転子150の本体と軸受(171、172)の一方との間において回転シャフト160上に固定的に取り付けられている。シャフトが回転すると、収容体130内に設けられシャフトと一体化された内部ファンの対(181、182)は、一方では、回転子内部において磁束バリヤを形成する凹部28を通過する第1の2方向空気流を生成し、他方では、各内部ファンと該ファンの反対側に位置するフランジの内面との間に第2の空気流を生成するのを可能にする。
【0046】
つまり、内部ファンは、空気を2方向空気流の形で回転子内に軸方向に注入するのを可能にし、それによって回転子の各内部磁石を冷却する。各ファンはまた、各フランジと相互作用することによって、各固定子巻線ヘッド、および電気機械のシャフトと回転子を、収容体内の第2の空気流によって冷却するのを可能にする。
【0047】
収容体130内部の冷却プロセスをより詳細に説明する前に、回転子および各内部ファンの構造について以下に詳述する。
【0048】
機械の回転子150は、固定子内で回転するように取り付けられており、回転シャフト160に締結された本体を有している。回転子は、本来公知のように、束状の同一の平面積層体14、好ましくは強磁性体を有している。回転子は、複数の磁束発生器16、ここでは、長さが回転子本体の長さに実質的に等しい矩形の棒の形をした永久磁石を有しており、各永久磁石は、各積層体14全体にわたって延びている(軸Xに沿って細長い)軸方向凹部28から成る磁束バリヤによって囲まれている。各磁束発生器16は、回転子全体にわたって延びている軸方向凹部内に収容されている。磁束バリヤを形成する磁束発生器16および凹部28は、例えば、図2に示されているように磁極20、8を形成するように回転子内で半径方向に分散されている。
【0049】
図3は、半径方向断面図において機械の回転子を詳細に示している。磁束発生器16は図示されていない。円形形状の各積層体14は、回転シャフト160が横切る中央孔18と、積層体全体にわたって延びている複数の軸方向凹部とを有している。
【0050】
公知のように、各積層体は、接着、プレス加工などの任意の公知の手段によって各孔および各凹部を重ねることによって互いに組み立てられる。このように組み立てられた各積層体は、シャフト160を保持する回転子150の本体を形成している。
【0051】
この構成では、本体は、磁束発生器16を収容する第1の一連の軸方向凹部22と、磁束バリヤを生成するのを可能にする他の一連の軸方向凹部28とを有している。
【0052】
第1の一連の軸方向凹部22は、例えば四辺形状、ここでは矩形状を有している。
【0053】
これらの凹部22は、磁束発生器16(不図示)、例えば、長さは本体の長さに実質的に等しい同様な矩形の棒の形をした永久磁石を受け入れている。これらの凹部は、以下の説明の残りの部分では「収容部」と呼ばれる。
【0054】
これらの収容部22、ここでは3つであるが、半径方向において上下に配置されており、かつ孔18の中心Oから互いに距離を置いて配置されている。
【0055】
この一連の3つの収容部は、点Oの周りにおいて、互いに角度が45°ずれた4つの軸AA’、BB’、CC’、およびDD’に沿って周方向に繰り返され、点Oの周りに均等に分散する一連の系を形成している。
【0056】
したがって、図3に示されているように、各半軸(OA、OA’、OB、OB’、OC、OC’、OD、OD’)は、より長い面が半軸に垂直であり、面寸法が中心Oから積層体の周囲に向かって小さくなる3つの軸方向収容部22を保持している。
【0057】
孔18に最も近い収容部22は、この孔と材料ブリッジ24を残しており、材料ブリッジ26が各収容部間に残っている。
【0058】
孔18から最も遠い収容部22は、本体の周縁から距離を置いて位置している。
【0059】
他の一連の凹部は、厚さが実質的に一定の厚さ「e」を有し、半径方向が傾斜しており、各収容部22から始まり各積層体14の縁部付近で終わる凹部28で構成されている。これらの凹部は、各収容部22の横方向縁部30から始まり、各収容部のより長い面のうちの1つを通過し、この付近で終わる平面から角度αを形成している。
【0060】
図3に示されているように、各傾斜孔は、収容部22に対して対称に配置されている。より正確に言えば、一連の3つの傾斜孔は、半軸の一方の側に位置しており、他の一連の3つの傾斜孔は、この半軸の他方の側に位置している。
【0061】
したがって、実質的にV字形であり平面状の底面を有する形状が都度形成されており、底平面は、収容部22によって形成されており、このV字の傾斜アームは、凹部28によって形成されている。したがって、3つの重ね合わされたV字形状が、各半軸上に得られ、互いに距離を置いて位置し、高さ寸法および幅寸法が孔18から本体の周囲に向かって小さくなっている。
【0062】
したがって、材料ブリッジ24、26に加えて、固体部分32が、各V字形状の孔28同士の間に残っており、孔18に最も近い一連の3つのV字形状の孔28と、孔18に最も近い隣接する一連の3つのV字形状の孔28との間に、別の固体部分34が残っている。
【0063】
したがって、各孔28によって形成される磁束バリヤが生成される。その場合、各磁石からの磁束は、各材料ブリッジおよび固体部分を通過せざるを得ない。磁束バリヤは、収容部22に収容された磁石の各側(半軸の各側)に配置され、この収容部22の各縁部30から始まる2つの凹部28によって形成されると考えられる。
【0064】
半軸(OA、OA’、OB、OB’、OC、OC’、OD、OD’)に沿って揃えられた3つの収容部22内に収容された3つの磁束発生器16と、各磁石の各側の3つの孔28、すなわち、3つの磁石に対する6つの孔28で構成された各組は、回転子の、ここでは8つの磁極20を形成している。本発明による機械の回転子において、各磁極は少なくとも1つの磁石と少なくとも1つの磁束バリヤとを有している。
【0065】
磁束発生器16および磁束バリヤによって形成される回転子の磁極20の数nは、好ましくは、2個から12個の間の範囲であり、好ましくは、4個または8個に等しく、好ましくは、図3に示されているように8個に等しい偶数の整数である。極の数は主として、回転子の直径によって決まる。一般に、極の数が多いほど、より少ない電流でより高いトルクになるが、この場合、モータの電気周波数の影響により、モータの制御がより複雑になる。
【0066】
回転子150の本体は、回転子を軽量化するために、材料ブリッジ24内およびシャフト160を受け入れる孔18の付近に、空洞36、例えば、図3に示されているように四辺形であり、中心Oの周りにおいて、好ましくは各半軸の間に均等に分散された8つの空洞をさらに有する。これらの空洞36は、回転子内で軸Xに沿って細長く、(機械の前部から後部まで)貫通している。この種の空洞は、多角形または五角形などの異なる形状の閉じた部分を有し、回転子の動的バランス質量を受けるために使用されてもよい。このバランス質量は、例えば円形断面の玉または棒であってもよい。空洞36は、各積層体を打ち抜き、各積層体を互いに組み立て、こうして、この空洞を形成することによって生成される。
【0067】
図2に関連し、また、ここでは2つの内部ファン181および182を備える電気機械の回転部を側面図で示す図7に関連して、第1の内部ファン181は、回転子150の本体と負荷駆動側160aにおいて回転シャフト160を支持する軸受171との間において回転シャフト160上に固定的に取り付けられている。したがって、第1の内部ファン181は、モータの前側に配置され、モータの前部フランジ110の内面111に面している。これとは対称的に、内部ファン182は、回転子150の本体と負荷駆動側の反対側160bにおいて回転シャフト160を支持する軸受172との間の回転シャフト160上に固定的に取り付けられている。したがって、内部ファン182は、モータの後部に配置され、後部フランジ120の内面121に面している。軸受171、172は、例えば、図7に示されている回転部の前面を示す図8Aおよび図8Bに見られるように玉軸受である。内部ファン181および182は、例えば、アルミニウムで作られ、ダイカストによって得られる。
【0068】
2つの内部ファン181および182は同一の構造を有している。
【0069】
収容体内に特定の空気循環を生じさせるために、内部ファン181、182は以下の構造を有することが好ましく、各内部ファン(181、182)は、
回転子150の本体の方に向けられた、図4Bおよび図5Bに示されているような内面と、
収容体を密閉するフランジの方に向けられた、図4Aおよび図5Aに示されているような外面と、
回転シャフト160の通過を可能にする中央開口部6と、
ファンの表面を分割し、中心軸(X)に直交する各半径方向壁によって分離された、交互に設けられた開放半径方向セクタ2および閉鎖半径方向セクタ3であって、その壁が、ファンの外面上から突き出るブレード13を形成する開放半径方向セクタ2および閉鎖半径方向セクタ3を有している。各閉鎖半径方向セクタは、軸方向にオリフィスを有さない半径方向セクタであると理解される。各開放半径方向セクタは、軸方向に少なくとも1つのオリフィスを有する半径方向セクタであると理解される。
【0070】
図9Aおよび図9Bに関連して以下に説明する循環パターンに従って、各開放半径方向セクタ2は、縦方向、すなわち、シャフトの軸方向に開口部2’を有しており、空気を回転子の凹部28に流入させるのを可能にし、一方、各閉鎖半径方向セクタ3は、傾斜面(3、3’、3”)の形をした、オリフィスを有さない表面を有しており、回転子の凹部28内を循環する空気を流出させるのを可能にする。
【0071】
内部ファンの表面は、より正確にいえば、均等な角度分布を有する2.n個の半径方向セクタ1に分割され、2.n個の半径方向セクタは、交互に設けられた各開放半径方向セクタ2および各閉鎖半径方向セクタ3に従って分散されている。開放半径方向セクタ2の数は閉鎖半径方向セクタ3の数に等しい。各半径方向セクタ1を区画する2つの半径方向壁の間に形成される角度βは、360/2.nである。nが回転子の磁極20の数であることに留意されたい。好ましくは、nは、2から12の間の範囲であり、4または8に等しいことが好ましく、8であることがより好ましい。したがって、内部ファンは、回転子が4つの磁極を有するときは8つの半径方向セクタ1を有し、各図に示されているように回転子が8つの磁極を有するより好ましい場合には16個の半径方向セクタ1を有する。回転子が8つの磁極を有するとき、内部ファンの各々は、角度βが22.5°である16個の半径方向セクタを有する。
【0072】
内部ファンは、好ましくは円形形状を有し、内部ファンの内面は、中心軸(X)に直交し回転子150の本体上に位置する平面部4を有し、直交平面部4は、中央開口部6からファンの周囲まで半径方向に広がっており、傾斜平面部3’によって延長されており、傾斜平面部3’は、平面部4の平面に対して傾斜し、平面6から始まり、閉鎖半径方向セクタ3におけるファンの周囲の方向へ広がっている。この部分3’は、軸X’に直交し、そして半径方向セクタ2における開口部2’を介して平面部4に平行な平面部3”によって延長されており、開口部は、回転子シャフトの軸方向に位置し、開口部は、各半径方向側壁13によって部分的に区切られている。「開口部」によって、この部分が少なくとも1つの通路穴を有することを意味する。閉鎖半径方向セクタ3における部分4、3’、および3”は、傾斜面の形をした表面を形成し、凹部28から流れる空気がこの表面上を滑り、固定子の方へ送られるのを可能にする。
【0073】
内部ファンの内面の平面部4は、各開放半径方向セクタ2において空洞36を有する回転子150の本体の部分を覆い、各凹部28によって形成される磁束バリヤ内にのみ空気循環を生じさせる。
【0074】
ファン181および182は、ファン181および182を回転子150の本体に固定するための締結リング7を有し、締結リング7は、ねじ用の通路穴8を備え、場合によっては、回転シャフト160上への内部ファンの、圧力による取付けを改善させるか、または、この取付けを置き換える。その場合、リング7は、内部ファンの中央開口部6を形成することができる。リング7は、ファン181および182の外面から突き出ている。
【0075】
内部ファンの外面は、半径方向セクタ1同士を分離する各半径方向壁から成る軸方向に突き出るブレード13を有しており、これによって、空気が、開放半径方向セクタ2の開口部2’を通して送られ、凹部28に流入し、空気を固定子の巻線ヘッドの方へ送ることによって各内部ファンと前部フランジまたは後部フランジの内面との間で実現される空気循環に関与する。ブレード13は、リング7の縁部上の中央開口部6の付近から始まっている。
【0076】
各内部ファンの外面は、軸(X)に直交し、リング7を囲み、突き出る各ブレード13の端部を保持する平面部5を有している。開放半径方向セクタ2において、平面部5は、傾斜平面部5’によってファンの周囲の方へ延長され、開口部2’用の余地を残すように面の内面の平面部4に対する面取りを形成している。閉鎖半径方向セクタ3において、平面部5は、内面の部分3’に平行な傾斜部9’によってファンの周囲の方へ延長されており、傾斜部9’自体は、内面の部分3”に平行な部分9”によって延長されている。
【0077】
閉鎖半径方向セクタ3および開放半径方向セクタ2のこの構造は、それぞれ、図6Aに示されている線A-Aに沿った開放半径方向セクタ2の断面図、および図6Aに示されている線B-Bに沿った閉鎖半径方向セクタ3の断面図に対応する図6Bおよび図6Cに明確に示されている。図6Bおよび図6Cにおける矢印は、回転子に流入し回転子から流出する空気を表している。図6Aは、内部ファンの外面の概略図である。
【0078】
各内部ファンは、互いに隣接する閉鎖半径方向セクタと開放半径方向セクタが回転子の磁極を覆うように取り付けられている。この構成は、ファン181を備える電気機械の回転部の前面を示す図8Aおよび図8Bに明確に示されている。図8B図8Aと同一である。ただし、ファン181は、凹部28で構成された磁束バリヤによって囲まれる磁石16を有する回転子150の各磁極に対する開放半径方向セクタおよび閉鎖半径方向セクタの配置をよりよく理解するために透視図で示されている。図9Aは、ファン171が取り付けられた回転子部分の前面を示す図8Bの図を取り上げており、ハッチングされた白い矢印2000および黒い矢印3000はそれぞれが、内部空気が各開放半径方向セクタ2を通して回転子に流入する状態と、回転子の回転時に各閉鎖半径方向セクタ3を通して回転子から流出する状態を示している。
【0079】
さらに、2つの内部ファン181、182は、回転シャフトに対して360/(2.n)に等しい角度βの角度オフセットを有するように取り付けられている。このオフセットは、図7に示されているように、中心軸(X)に実質的に平行な同じ軸に沿って内部ファンの開放セクタ2を他方の内部ファンの閉鎖セクタ3とが重なるのを可能にする。
【0080】
したがって、図9Aに描かれている断面C-C’に沿った電気機械の断面図を示す図9Bに示されているように、回転子内に2方向空気流を生成することが可能であり、内部空気は、矢印2000によって示されているように開放半径方向セクタ2の開口部2’を通って機械の一方の側に流入し、白い実線の矢印5000によって示されているように、各磁石16の同じ側に設けられた凹部28内を循環し、角度βによるファンのオフセット取付けによって、開放半径方向セクタ2の軸方向延長部に配置された閉鎖半径方向セクタを介して機械の他方の側に流出する。空気の循環方向は、例えば、図9Bの上部に示されているように機械の後部から前部への方向である。同時に、回転子の同じ磁極について、内部空気が回転子に流入し、回転子内を循環し、図9Bの下部に示されている循環パターンに従って、これらの磁石16の他方の側に配置された凹部28において、機械の前部から後部へと反対方向に流出する。したがって、回転子内で機械前後方向および逆の機械後前方向における2方向空気流が生成され、空気が、磁極毎に、各磁石の一方の側に設けられた軸方向凹部28内を一方の方向に循環し、各磁石の他方の側に設けられた凹部に関して逆方向に循環する。
【0081】
回転子内のこの2方向空気流によって、磁束発生器16が熱を放出して効率的に冷却される可能性が高くなり、循環空気自体の熱が各フランジに奪われ、各内部ファンと前部フランジまたは後部フランジの内面との間に実現される第2の内部空気流を介して収容体に奪われる。
【0082】
この第2の内部空気流について以下に詳細に説明する。
【0083】
収容体130を密閉する前部フランジ110および後部フランジ120は、内部空気循環および電気機械の冷却に関与している。
【0084】
前部フランジ110は図10Aおよび図10Bに示されている。
【0085】
前部フランジ110は、冠の形をした中心部118aと、円筒形の周囲部118bとを有している。
【0086】
前部フランジ110は、図10Aに示されている収容体130の内部の方に向けられた内面111と、図10Bに示されている外面112と、内面の中央部に位置し、軸受171を受けるようになっている中央収容部116aとを有している。この収容部116aは、回転子の回転シャフト160を通過させるようになっているオリフィス116bを収容部116aの中心に有している。シール(114b、114a)が、シャフト160を通過させるオリフィス116bと、収容体130と接触するようになっている周囲部118bの境界線上に設けられている。フランジ110の周囲部118bはまた、前部フランジ110を収容体130に締結する、図示のように、例えば4つの接続点115を有している。
【0087】
本発明によれば、前部フランジ110の内面111は、中央収容部116aの周囲に配置されたフィン113の組を有している。これらのフィン113の目的は、図14に関連して以下に説明するように、内部ファン(181、182)の回転によって生成され、回転子150から流出する空気流の向きを定め、この空気流の熱を取り込むことである。前部フランジ110の内面111は、例えば12個のフィン113を有する。
【0088】
各フィン113は、収容部116aの周りに均等に分散されることが好ましい。各フィンおよびフランジ本体は、例えば型を使用して製造される単一の実体(単体)を形成することが好ましい。有利なことに、各フィンの形状は、機械の巻線ヘッドおよび回転部を効率的に冷却するために特定の内部空気循環に寄与するような形状である。各フィンは好ましくは、平面であり、概ね台形状を有し、この台形の底辺(互いに平行な反対側に位置する辺)が軸(X)に直交し、収容部116aと反対側の辺が、直線ではなく、(フィンの半径方向延長部におけるフランジ118bの周囲に位置する点に関連して)凹状を示す曲線である。フィン縁部のこの凹面は、巻線ヘッドに対する最適な近さを実現し、一方、効率的な冷却のための最適な空気流を生成する。フィンについてのこの説明は、フランジの表面にある見える部分に基づくものである(フランジの断面に基づくものではない)。フィンの断面図によれば、フィンは、概形が直角台形であり、底辺と直角を形成する辺が収容部116の壁を構成している(図14に示されている)。内側フィンは、何となく鳥の羽の形状を有し、肩甲骨部がフランジの内面と向かい合っている。各フィンの寸法は、内部ファンと内部ファンと反対側に位置する各フィン113aの頂部との間に最大空間が設けられ、フランジと機械の各内部要素との間に残された空間内の空気循環を良好にするのに適した内部ファンに対する近さを維持するような寸法である。非制限的な例として、内径が約20cmであり、フランジを有する装置では、内部ファンと各フィンの頂部113aとの間に4~5mmの空間が残され、この場合、各フランジは、長さが約20mmの内部フィンを備え、各フィンの長さ(または高さ)は、軸(X)に沿った各フィンの寸法であると理解される。
【0089】
前部フランジ110の周囲部118bは、前部フランジ110の外面112上に熱放散フィン117をさらに有することが好ましい。熱放散フィン117は、回転子の軸(X)に平行な軸に沿って実質的に細長い。図13に示されているように収容体130が冷却フィン131の組を有する外面を有するとき、前部フランジ110の各フィン117は、収容体130の各冷却フィン131によって形成される各通路の延長部を形成する。
【0090】
図11Aおよび図11Bに後部フランジ120が示されている。
【0091】
後部フランジ120は、円筒形周囲部128bに連結された冠の形をした中心部128aを有している。
【0092】
前部フランジ110と同様に、後部フランジ120は、図11Aに示されている収容体130の内部の方に向けられた内面121と、図11Bに示されている外面122と、内面の中央部に位置し、軸受172を受けるようになっている中央収容部126aとを有している。この収容部126aは、回転シャフト160を通過させるオリフィス126bを収容部126aの中心に有している。シール(124b、124a)が、シャフト160を通過させるオリフィス126bと、収容体130と接触するようになっている周囲部128bの境界線上に設けられている。後部フランジ120の周囲部128bおよび中心部128aは、同じくこのフランジを収容体に締結する取付け点を含む接続部125を有している。例えば、後部フランジは、4つの接続部(例えば、ねじを通過させるオリフィス)を含む4つの接続部125を有している。
【0093】
本発明によれば、後部フランジ120の内面121は、前部フランジ110と同様に、軸受収容部126aの周囲に配置されたフィン123の組を有している。これらのフィン123の目的は同様に、図14に関連して以下に説明するように、各内部ファンの回転によって生成され回転子150から流出する空気流を方向付け、この空気流の熱を取り込むことである。後部フランジ120の内面121は、例えば、12個のフィン123を有している。
【0094】
各フィン123は、収容部126aの周りに均等に分散されることが好ましい。各フィン113の形状および寸法は、上述の前部フランジ110の内面111の各フィン113の形状および寸法と同一であることが好ましい。各フィン113と同様に、各フィン123の寸法は、内部ファンと内部ファン182と反対側に位置する各フィン123aの頂部との間に最大空間が設けられるような寸法である。
【0095】
後部フランジ120は、中心部128aと周囲部128bとの間に設けられ、外部ファン140によって収容体130に沿って送られる外気の向きを定め、特に、この空気を収容体130の外面の冷却ファン131の組によって形成される通路に送る少なくとも1つの開口部127を有している。後部フランジ120は、例えば、図11Aおよび図11Bに示されているような4つのそのような開口部を有している。これらの開口部207は、例えば、円弧形状を有し、フランジ120の中心部128aの周囲に一様に分散されている。
【0096】
図12は、本発明の第1の実施形態によるモータ100の断面図であり、機械の各要素を詳細に示し、かつ各内部ファンと密封された収容体内の前部フランジまたは後部フランジの内面との間の空気流(矢印によって示されている空気流192)を示し、この空気流は、動作時の内部ファン181および182と、収容体130内の機械の構造要素、特にフランジ110および120の内面の構造の間の相互作用によって生じる。
【0097】
モータ100は、収容体130内に配置され、巻線を有し、回転シャフト160に締結された回転子150が内部に回転可能に取り付けられた固定子190を有している。モータ冷却システムは、一方では、各フランジのフィンと相互作用する内部ファン181および182の対を有し、他方では、収容体並びに前部フランジおよび後部フランジを冷却する外部冷却手段、すなわち、第1の実施形態による外部ファン140を有している。
【0098】
内部ファン181および182は、回転子内の2方向空気流を生成することに加えて、回転子が回転するとき、前部フランジおよび後部フランジ(110、120)の内面111および121のフィン113および123と相互作用して、各内部ファンとフランジの内面との間に空気流を生成し、空気流の熱は、各フランジの内面のフィンによって捕捉される。
【0099】
より詳細には、前部フランジおよび後部フランジ(110、120)の内面(111、121)の各フィン(113、123)は、空気流192を、回転子から半径方向に固定子190の巻線ヘッド191へ送り(回転シャフト160の軸(X)の周りの遠心方向への流れ)、次いで空気流を、まず巻線ヘッドで軸(X)に平行な方向に送り、次いで半径方向において回転シャフトの方へ送ることによって(軸(X)に平行に流れ、次いで軸(X)の周りを求心方向に流れる)、巻線ヘッド191からフランジの中心に送るのに適している。したがって、そのような空気流が、回転子150の各側の、モータの前側および後側で実現される。フランジ113および123の内面の各フィンは、回転子から流出する内部空気流を方向付けることに加えて、空気流の熱を放散させ、したがって、巻線ヘッド191と、電気機械のシャフト160および回転子150を冷却するのを可能にする。
【0100】
内部空気の熱は、一部が電気機械の各フランジおよび収容体と接触することによって排出される。
【0101】
ファン140は、後部フランジ120の外面上に位置し、外気流を生成することによって収容体130および各フランジを冷却することに寄与し、この外気流は、まず半径方向において後部フランジ120の外面の周囲の方へ送られ、次いで回転軸(X)に平行な前部フランジ110の方へ送られる。外気流は、好ましくは冷却フィン131を備える収容体130の外面であって、好ましくは空気流を収容体130の外面自体に封じ込める金属プレート132によって覆われた収容体130の外面上を素早く通過する。
【0102】
図13は、本発明の第1の実施形態によるモータの上面図に対応し、収容体の外部、特にモータの左右部分を詳細に示している。収容体130は、通常、金属、例えば、鉄またはアルミニウムで作られており、回転子の軸(X)に実質的に平行な軸に沿って細長い冷却フィン131の組を収容体130の外面上に有することができる。軸(X)に実質的に平行とは、この軸(X)に対して25°以内を意味する。これらの冷却フィン131の目的は、熱の放散を増大させるために収容体の空気との交換面を広くし、外気流を収容体の表面の方へ送り、一方のフランジから別のフランジまで収容体の全長を覆うことである。前部フランジ110の周囲部が、放散フィン117も有するときに連続する外気の通路が生成され、放散フィン117は、好ましくは収容体130の冷却フィンと同じ方向に方向付けられ、したがって、収容体および前部フランジの冷却を改善させる。
【0103】
有利なことに、電気モータは金属プレート132をさらに有し、金属プレート132は、好ましくはアルミニウムで作られ、収容体130上に取り付けられ、各冷却フィン131を囲み、空気を、収容体に沿って循環する際に収容体130の外面および各冷却フィン131の近くに維持する。図13に示されているモータの例では、各金属プレート132は、収容体の外面の形状に従うようにわずかに湾曲している。図13では、金属プレート132は、上面構造を明らかにするために透視図で示されている。後部フランジ120についても同様であり、したがって、外部ファン140を明らかにする透視図で示されている。各金属プレート132は、好ましくは収容体の周りに均等に分散され、例えば、8つのプレートが収容体に取り付けられ、対単位でグループ分けされ、収容体の周りに間隔を置いて配置されたユニットを形成する。
【0104】
各金属プレート132は、外部ファン140によって送られる外気を循環させる通路が設けられるように収容体上に取り付けられている。したがって、後述の図14Aを見ると分かるように、各金属プレート132は後部フランジ120の周囲部上に配置することができる。
【0105】
外気は、好ましくは、軸(X)に沿って実質的に細長い冷却フィン131同士の間に設けられる各通路内を流れ、一方、各金属プレートと収容体130の外面との間に形成される空間に閉じ込められる。有利なことに、後部フランジ120の各開口部127は、ファン140によって、開口部の外面から、好ましくは、冷却ファン131を備える収容体130の外面に送られる外気用の通路を提供する。
【0106】
外気流は、それぞれ背面図、正面図、および長手方向図である、第1の実施形態によるモータを示す図14A図14B、および図14Cにおいて矢印193によって示されている。
【0107】
外部ファン140は、それぞれ、第1の実施形態によるモータの背面の平面図およびこの背面の斜視図である、図15Aおよび図15Bに明確に示されている。
【0108】
外部ファン140は、回転シャフト160に締結された外気駆動輪と、後部フランジ120の周囲部128bに取り付けられた保護プレート129とを有している。保護プレート129は、外部ファン140の駆動輪によって吸引される外気の流入を可能にするオリフィス129aを有している。外部ファン140は、内部ファン181および182よりも大きい寸法を有している。ファン140の寸法は、最適な冷却を確保するようにモータの電力および最大回転速度に応じて選択される。駆動輪は、中心軸(X)の周りに均等に分散された、例えば、図15Aおよび図15Bに示されているような冷却ファン13を備えた平面であってもよい。
【0109】
図16A図16B図16C、および図17A図17B図17Cに示されている第2の実施形態によれば、本発明による機械は、モータの収容体を液体によって冷却する装置を有している。
【0110】
本発明の第1の実施形態によるモータと同様に、モータ200は、
収容体230内に配置され、巻線を有する固定子290と、
中心軸(X)の周りを回転するシャフト260に締結された本体を有する回転子250であって、固定子内で回転するように取り付けられ、磁束発生器16を受け入れる収容部22と、磁束バリヤを形成する凹部28とを有し、収容部22および凹部28が、細長い形状であり、軸(X)に沿って回転子本体全体にわたって延びている回転子250と、
各軸受が、回転シャフトの一方の端部、すなわち、回転シャフト260の負荷260aの駆動側および回転シャフト260の負荷駆動側の反対側260bを支持する軸受の対(271、272)と、
収容体230の一方の端部に配置され、回転シャフト260の負荷の駆動側260aを支持する前部フランジ210と、
第1の端部の反対側の収容体230の第2の端部に配置され、回転シャフト260の負荷駆動側の反対側260bを支持する後部フランジ220と、を有し、
前部フランジおよび後部フランジは、収容体230を密に密封する密封手段を有し、各々が、内面と、外面と、軸受のうちの1つを受ける内面の中央部に位置する収容部(216a、226a)とを有し、モータは、
収容体内に配置され、回転子の回転時に収容体内に空気流を生成する内部ファンの対(281、281)を有し、各ファンが、回転子本体と軸受との間において回転シャフトに固定的に取り付けられる冷却システムをさらに有し、
各フランジの内面は、軸受収容部の周囲部上に配置され、回転子から流出する内部空気を方向付け、内部空気の熱を捕捉するフィン(213、223)を有する。
【0111】
第2の実施形態によれば、機械の内部の冷却は、本発明の第1の実施形態に関連して説明した冷却と同一であり、すなわち、内部ファンの対の各内部ファンが、回転子150の本体と軸受のうちの1つとの間において回転シャフト260上に固定的に取り付けられており、したがって、シャフトの回転時に、回転子の凹部28内の第1の2方向空気流と、各内部ファンと前部フランジまたは後部フランジの内面との間の第2の空気流を生成するのを可能にし、各内部ファン(281、282)と前部フランジおよび後部フランジの内面の各フィン(213、223)と、が相互作用する。
【0112】
この第2の実施形態によれば、収容体並びに前部フランジおよび後部フランジを冷却する外部冷却手段は、冷却媒体回路を有する。この回路は、冷却媒体入口233と、冷却媒体出口234と、収容体230と接触する配管網235とを有し、水または機械を冷却するのに適した任意の他の液体などの冷却媒体が、収容体230並びに前部フランジ210および後部フランジ220を冷却するために循環する。
【0113】
有利なことに、配管網は、図17Cに明確に示されているように収容体230と一体化されたコイル236であり、図17Cでは、コイル内の水循環が示されており、コイルに対応する各開口部235が、図16C図17A、および図17Bの断面図に示されている。
【0114】
図16A図16Cおよび図17A図17Bに示されているモータ200の例では、モータは密閉されており、すなわち、収容体230で構成された密封筐体と、前部フランジ210および後部フランジ220とを有している。各フランジは収容体を密に密封している。より詳細には、前部フランジ210および収容体230の一部が同じ部材を形成し、後部フランジ220および収容体230の一部が第2のそのような部材を形成し、2つの部材を結合した部材が密封筐体を形成しており、コイルを収容体230と一体化することを可能にする。
【0115】
冷却媒体回路は、フランジ210および220を含むモータ200の収容体230の全体をこれらの要素と冷却媒体との間の熱交換によって冷却するのを可能にする。
【0116】
本発明は有利なことに、可変同期リラクタンスモータに適用され、好ましくは、電力が20kWから400kWの間の範囲の機械に適用される。非限定的な例として、本発明に従って冷却されるモータは、定電力が30kWで、過渡(ピーク)電力が52kWであり、350Vの直流バス電圧で動作することができ、以下の寸法、すなわち、回転子外径134mm、固定子外径200mm、収容体外径250mm、モータ長さ214mm、(回転子の積層体の束の長さに対応する)能動部分の長さ100mmを有することができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9A-9B】
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C