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特許7201609ピロリジノン及びこれらを調製するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】ピロリジノン及びこれらを調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 207/277 20060101AFI20221227BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
C07D207/277
C07D401/04 CSP
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019551583
(86)(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 US2018022835
(87)【国際公開番号】W WO2018175226
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】62/474,206
(32)【優先日】2017-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ユゾン・チェン
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-506210(JP,A)
【文献】国際公開第2016/196593(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIの化合物及びその塩
【化1】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、かつA3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
2は、H又はC1-C4アルキルである]。
【請求項2】
1がメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
2がH又はメチルである、
請求項1に記載の化合物及びその塩。
【請求項3】
メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート、及び
(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボン酸
からなる群から選択される、請求項2に記載の化合物及びその塩。
【請求項4】
式II-Aの化合物
【化2】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、かつA3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
2はHである]
を調製するためのプロセスであって、
式IIIの化合物
【化3】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、A3はCOCHF2である]
を、アルキル化剤によりアルキル化することを含む、プロセス。
【請求項5】
1がC1-C4アルキルであり、
式IIIの化合物をアルキル化することを含み、前記アルキル化剤がジアルキルサルフ
ェートである、
請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
式IVの化合物及びその塩
【化4】
[式中、A1がCCF3であり、A2がCHであり、かつA3がCHであるか、
又は、
1がCHであり、A2がCCF3であり、かつA3がCHであるか、
又は、
1がNであり、A2がCCF3であり、かつA3がCHであるか、
又は、
1がCCH3であり、A2がNであり、かつA3がCOCHF2であり、
1がC1-C4アルキルであり、
各R3a及びR3bが、独立してC1-C4アルキルであり、かつ
4が、 1 -C 4 アルキル、C 1 -C 4 アルコキシ若しくはC 1 -C 4 アルケニル置換ベンジル又は非置換ベンジルである]。
【請求項7】
1がメチル、エチル、又はプロピルであり、
各R3a及びR3bが独立してメチル又はエチルであり、
4が非置換ベンジルである、
請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
1,3-ジメチル2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエート
である、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
式II-Bの化合物
【化5】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、かつA3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
2はC1-C4アルキルである]
を調製するためのプロセスであって、
式IVの化合物
【化6】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、かつA3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
各R3a及びR3bは、独立してC1-C4アルキルであり、かつ
4は、 1 -C 4 アルキル、C 1 -C 4 アルコキシ若しくはC 1 -C 4 アルケニル置換ベンジル又は非置換ベンジルである]
を還元剤により還元することを含む、プロセス。
【請求項10】
式II-Bの化合物において、1がメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
2がメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はt-ブチルで
あり、
式IVの化合物
[式中、R1はメチル、エチル、又はプロピルであり、
各R3a及びR3bは独立してメチル又はエチルであり、
4は非置換ベンジルである]
を還元することを含み、
前記還元剤が触媒を含む、
請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
式Iの化合物
【化7】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、かつA3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
1はCFであり、B2はCHであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はCFであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はNであり、B3はCFである]
を調製するためのプロセスであって
式II-Aの化合物
【化8】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、A3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
2はHである]
を、
式VIの化合物
【化9】
[式中、
1はCFであり、B2はCHであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はCFであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はNであり、B3はCFである]
と接触させることを含み、
式II-Aの化合物は、式III
【化10】
[式中、
1 はCCF 3 であり、A 2 はCHであり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCHであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はNであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCCH 3 であり、A 2 はNであり、A 3 はCOCHF 2 である]
の化合物のアルキル化剤によるアルキル化を含むプロセスにより調製される、プロセス。
【請求項12】
式Iの化合物において、1がメチル、エチル、又はプロピルであり、
II-Aの化合物
[式中、R1はメチル、エチル、又はプロピルである]
を、
式VIの化合物と接触させることを含む、
請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
式IIIの化合物をアルキル化することを含む請求項11に記載のプロセスを使用して、式II-Aの化合物を調製する、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
式II-Aの化合物が、まず式II-B
【化11】
[式中、
1 はCCF 3 であり、A 2 はCHであり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCHであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はNであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCCH 3 であり、A 2 はNであり、かつA 3 はCOCHF 2 であり、
1 はC 1 -C 4 アルキルであり、
2 はC 1 -C 4 アルキルである]
の化合物を加水分解することにより調製される、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
式Iの化合物
【化12】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、かつA3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
1はCFであり、B2はCHであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はCFであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はNであり、B3はCFである]
を調製するためのプロセスであって
式II-Bの化合物
【化13】
[式中、
1はCCF3であり、A2はCHであり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCHであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はNであり、A2はCCF3であり、かつA3はCHであるか、
又は、
1はCCH3であり、A2はNであり、かつA3はCOCHF2であり、
1はC1-C4アルキルであり、
2はC1-C4アルキルである]
を、
式VIの化合物
【化14】
[式中、
1はCFであり、B2はCHであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はCFであり、B3はCHであるか、
又は、
1はCFであり、B2はNであり、B3はCFである]
と接触させることを含み
式II-Bの化合物は、請求項9のプロセスにより調製される、プロセス。
【請求項16】
式Iの化合物において、1がメチル、エチル、又はプロピルであり、

II-Bの化合物
[式中、R1はメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
2はメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はt-ブチルで
ある]
を、
式VIの化合物と接触させることを含む、請求項15に記載のプロセス
【請求項17】
式IV
【化15】
[式中、
1 はCCF 3 であり、A 2 はCHであり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCHであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はNであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCCH 3 であり、A 2 はNであり、かつA 3 はCOCHF 2 であり、
1 はC 1 -C 4 アルキルであり、
各R 3a 及びR 3b は、独立してC 1 -C 4 アルキルであり、かつ
4 は、C 1 -C 4 アルキル、C 1 -C4アルコキシ若しくはC 1 -C 4 アルケニル置換ベンジル又は非置換ベンジルである]
の化合物を還元剤により還元することを含む請求項9に記載のプロセスを使用して、式II-Bの化合物を調製する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
式IVの前記化合物を還元することを含む請求項9に記載のプロセスを使用して、式II-Bの化合物を調製し、式V
【化16】
[式中、
1 はCCF 3 であり、A 2 はCHであり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCHであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はNであり、A 2 はCCF 3 であり、かつA 3 はCHであるか、
又は、
1 はCCH 3 であり、A 2 はNであり、かつA 3 はCOCHF 2 であり、
1 はC 1 -C 4 アルキルであり、
4 は、C 1 -C 4 アルキル、C 1 -C 4 アルコキシ若しくはC 1 -C 4 アルケニル置換ベンジル又は非置換ベンジルである]
又はその塩を、
の化合物又はその塩を、ジ-(C1-C4アルキル)マロネート又はその塩と反応させることを含む方法を使用して、式IVの化合物を調製する、請求項15に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のピロリジノン、中間体、及びそれらを調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2015/084796号、及び同第2016/196593号は、様々な置換環式アミド、これらの除草剤としての使用方法、及び、これらの調製方法について開示している。国際公開第2016/094117号は、特定の3-オキソ-3(アリールアミノ)プロパノエート、これらの塩及び組成物、これらを調製するためのプロセス、並びに、除草剤として有用な特定のピロリジノンの調製における、これらの使用について開示している。
【0003】
本発明のピロリジノン、及びこれらを調製するためのプロセスは、これらの広報に開示されていない。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、式IIの化合物、及びその塩に関する。
【0005】
【化1】
【0006】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
は、H又はC-Cアルキルである]
【0007】
本出願はまた、式II-Aの化合物
【0008】
【化2】
【0009】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
はHである]
を調製するためのプロセスであって、
式IIIの化合物
【0010】
【化3】
【0011】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、AはCOCHFである]
を、アルキル化剤によりアルキル化することを含む、プロセスに関する。
【0012】
本出願はまた、式IVの化合物及びその塩に関する。
【0013】
【化4】
【0014】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
各R3a及びR3bは、独立してC-Cアルキルであり、かつ
は、置換又は非置換ベンジルである]
【0015】
本出願はまた、式II-Bの化合物
【0016】
【化5】
【0017】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキルである]
を調製するためのプロセスであって、
式IVの化合物
【0018】
【化6】
【0019】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
各R3a及びR3bは、独立してC-Cアルキルであり、かつ
は、置換又は非置換ベンジルである]
を、還元剤により還元することを含む、プロセスに関する。
【0020】
本出願はまた、式IVの化合物
【0021】
【化7】
【0022】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
各R3a及びR3bは、独立してC-Cアルキルであり、かつ
は、置換又は非置換ベンジルである]
を調製するプロセスであって、
式Vの化合物
【0023】
【化8】
【0024】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
は、置換又は非置換ベンジルである]、
又はその塩を、
ジ-(C-Cアルキル)マロネートと反応させることを含む、プロセスに関する。
【0025】
本出願はまた、化合物Iの化合物
【0026】
【化9】
【0027】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
はCFであり、BはCHであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはCFであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはNであり、BはCFである]
を調製するためのプロセスであって、
式II-Aの化合物を調製するための、[発明の概要]にて記載されているプロセスにより調製された、
【0028】
【化10】
【0029】
式II-Aの化合物
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、AはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
はHである]
を、
式VIの化合物
【0030】
【化11】
【0031】
[式中、
はCFであり、BはCHであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはCFであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはNであり、BはCFである]
と接触させることを含む、プロセスに関する。
【0032】
本出願はまた、式Iの化合物
【0033】
【化12】
【0034】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
はCFであり、BはCHであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはCFであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはNであり、BはCFである]
を調製するためのプロセスであって、
式II-Bの化合物を調製するための、[発明の概要]にて記載されているプロセスにより調製された、式II-Bの化合物
【0035】
【化13】
【0036】
[式中、
はCCFであり、AはCHであり、かつAはCHであるか、又は、
はCHであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はNであり、AはCCFであり、かつAはCHであるか、又は、
はCCHであり、AはNであり、かつAはCOCHFであり、
はC-Cアルキルであり、
はC-Cアルキルである]
を、
式VIの化合物
【0037】
【化14】
【0038】
[式中、
はCFであり、BはCHであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはCFであり、BはCHであるか、又は、
はCFであり、BはNであり、BはCFである]
と接触させることを含む、プロセスに関する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本明細書で使用する場合、用語「~を含む(comprises、comprising)」、「~を含む(includes、including)」、「~を有する(has、having)」、「~を含有する(contains、containing)」、「~を特徴とする」、又はこれらの任意の他のバリエーションは、明示的に示されるあらゆる制限を受けて、非排他的な包含に及ぶことが意図される。例えば、要素の一覧を含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではないものの、明示的に示されていない他の要素、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含んでよい。
【0040】
移行句「~からなる」は、明記されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する。請求項に存在する場合、その語句は請求項を、通常関連する不純物を除いて、引用されるもの以外の材料を含めるものまで閉鎖する。語句「~からなる」が、プリアンブルの直後に続くのではなく、請求項本体の節に現れる場合、この語句は、その節で説明される要素のみを限定し、他の要素は、特許請求の範囲全体から除外されない。
【0041】
従来の語句「~から本質的になる」は、文字通りに開示されているものに加えて、材料、工程、特徴、構成成分、又は要素を含む組成物、方法、又は装置を定義するために使用される。ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、構成成分、又は要素は、特許請求された発明の基本的かつ新規の特徴に、実質的に影響を及ぼすものではない。用語「~から本質的になる」は、「~を含む」と「~からなる」との中間の立場を占めている。
【0042】
出願者らが、「~を含む」などのオープンエンドの用語により、発明又はその一部を定義している場合、(別様に記載されない限り)その説明は、用語「~から本質的になる」又は「~からなる」を用いた発明もまた説明するように解釈されるべきであることが速やかに理解されなければならない。
【0043】
更に、逆の意味が明示的に記載されない限り、「又は」は、包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指すもではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つにより満たされる:Aが真であり(又は存在し)、かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、かつBが真である(又は存在する)、並びに、A及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0044】
また、本発明の要素又は構成成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は構成成分の例(即ち、発生)の数に関して非限定的であることが意図される。それ故、「a」又は「an」は1つ、又は少なくとも1つを含むように読解されなければならず、その要素又は構成成分の単数形は、その数が明らかに単数であることを意味する場合を除いて、複数もまた含む。
【0045】
上記の詳細説明において、用語「アルキル」は、直鎖又は分枝鎖アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は異なるブチル異性体を含む。
【0046】
「非置換ベンジル」とは、あらゆる置換を含まないベンジル基(即ち、-CHPh)を意味する。「置換ベンジル」とは、ベンジル基を構成するメチレン部分又はフェニル部分のいずれかにおいて置換が行われているベンジル基を意味する。ベンジル基の置換は、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、又はC-Cアルケニルによるものであり、用語「アルキル」は上で定義したとおりであり、「アルコキシ」は、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、及び異なるブトキシ異性体を含み、「アルケニル」は直鎖又は分枝鎖アルケン(例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、及び異なるブテニル異性体)を含む。「アルケニル」は、1,2-プロパジエニルなどのポリエンもまた含む。
【0047】
置換基中の炭素原子の総数は、接頭辞「C-C」により表され、式中i及びjは1~4の数である。例えば、C-Cアルキルは、メチルからブチルを表し、CアルコキシはCHCHO-を表し、Cアルケニルは例えば、CH=CHCH-を表す。
【0048】
式I、II、II-A、II-B、III、IV、及びVの化合物において、変数A、A、及びAを含有する環は、展示1に示す以下の構造により表すことができ、右に向かって投影されている結合は、式I、II、II-A、II-B、III、IV、又はVの残部に対する結合点を示す。
【0049】
【化15】
【0050】
式I及びVIの化合物において、変数B、B、及びBを含有する環は、展示2に示す以下の構造により表すことができ、左に向かって投影されている結合は、式Iの残部、又は式VIの-NHに対する結合点を示す。
【0051】
【化16】
【0052】
本発明の化合物(即ち、式I及びVIの化合物)は、1つ以上の立体異性体として存在することができる。様々な立体異性体としては、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、及び幾何異性体が挙げられる。立体異性体は、構成が同じであるが、空間での原子配置が異なる異性体であり、エナンチオマー、ジアステレオマー、cis-trans異性体(幾何異性体としても知られている)、及びアトロプ異性体が挙げられる。アトロプ異性体は、回転障壁が、異性体種の分離を可能にするのに十分高い単結合を中心にした、回転が制限されることにより生じる。本発明の方法により、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、及び幾何異性体の混合物を含有する化合物が生じ得る。当業者は、当該異性体を分離し、濃縮し、かつ/又は選択的に調製する方法を知っている。本発明の化合物(又は、これらを調製するために使用するプロセス)は、立体異性体の混合物、個別の立体異性体として、又は光学的に活性な形態として存在することができる(又は、調製されることができる)。
【0053】
例えば、C=O(NH)部分(ピロリジノン環の3位にて炭素に結合している)、並びに、変数A、A、及びAを含有する環(ピロリジノン環の4位にて炭素に結合している)は通常、trans構成にて見出される。これら2つの炭素原子はそれぞれ、キラル中心を有する。エナンチオマーの2つの最も一般的な対は、式I’及び式I’’として示され、キラル中心が同定されている(即ち、3S,4Sとして、又は3R,4Rとして)。本発明は全ての立体異性体に関係するものの、生物学的作動性に関して好ましい鏡像異性対は、式I’(即ち3S,4S)、そして好ましくはtrans構成として同定されている。立体異性のあらゆる側面についての包括的な議論については、Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley & Sons,1994を参照のこと。
【0054】
【化17】
【0055】
本明細書に記載する分子描写は、立体化学を記載するための標準的な慣習に従う。立体構造を示すために、図面の平面から生じる実線、及び観察者に向かう結合は実線の楔により示され、ここでは、楔の幅が広い末端は、観察者に向かう図面の平面から生じる原子に結合している。図面の平面の下に向かう結合、及び観察者から離れる結合は破線の楔により示され、ここでは、楔の幅が狭い末端が、観察者に近い原子に結合している。一定幅の線は、実線又は破線の楔で示される結合に対して反対の、又は中立の方向を有する結合を示し、一定幅の線は、特定の立体構造の明記が意図されない分子、又は分子の一部における結合もまた表す。
【0056】
本発明はラセミ混合物、例えば等しい量の、式I’及びI’’のエナンチオマー、並びに対応する、式II、II-A、II-B、及びIIIのピロリジノンを含む。同様に、本発明は、式IV及びVのピロリジノン化合物のラセミ混合物を含む。更に、本発明は、ラセミ混合物と比較して濃縮された化合物を含む。式I、II、II-A、II-B、III、IV、及びVの化合物の、実質的に純粋なエナンチオマーもまた含まれる。
【0057】
鏡像異性濃縮された際、あるエナンチオマーが他のエナンチオマーより多く存在し、濃縮の程度は、キラル高性能液体クロマトグラフィーにより測定される2種類のエナンチオマーの相対面積として表される、鏡像異性比(ER)の表現(%)により定義することができる。
【0058】
本発明の本歳差により調製される化合物は、好ましくは少なくとも50% ER、より好ましくは少なくとも75% ER、更により好ましくは少なくとも90% ER、そして最も好ましくは少なくとも、94% ERの、より活性な異性体を有する。より所望される異性体の、鏡像異性的に純粋な実施形態を具体的に記載する。鏡像体過剰率(e.e.)は、鏡像異性比から計算することができる。
【0059】
式II及びIVの化合物は典型的には2種類以上の形態で存在するため、存在する化合物のあらゆる結晶形及び非結晶形を含む。非結晶形としては、蝋及びゴムなどの、固体の実施形態、並びに、溶液及び溶融物などの液体の実施形態が挙げられる。結晶形としては、本質的に単結晶型を表す実施形態、及び多形体(即ち、異なる結晶の種類)の混合物を表す実施形態が挙げられる。用語「多形体」とは、異なる結晶形で結晶化可能な、化学化合物の特定の結晶形、結晶格子内の分子が異なる配置及び/又は構造を有する、これらの形態を意味する。多形体は同一の化学的組成を有することができるものの、これらはまた、格子内で弱く、又は強く結合可能な、共結晶化された水又は他の分子の有無により、組成物中で異なることもあり得る。多形体は、結晶の形状、密度、硬さ、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、及び溶解速度などの化学的性質及び物理的性質が異なることができる。当業者は、式II又はIVの化合物の多形体は、式II又はIVの同一化合物の、別の多形体又は多形体の混合物に対して有益な効果(例えば、単離に対する安定性、又は後続の工程で使用して収率を改善する)を示すことができることを理解するであろう。式II又はIVの化合物の特定の多形体の、調製及び単離は例えば、選択した溶媒及び温度を使用する結晶化を含む、当業者に周知の方法により行うことができる。式I、II、II-A、II-B、III、IV、及びVの化合物の調製方法により、1つ以上の特異的な多形体が生成する場合がある。多型の包括的な議論については、R.Hilfiker,Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006を参照のこと。
【0060】
当業者は、窒素は、酸化してオキシドになるために、利用可能な非共有電子対を必要とするため、全ての窒素含有複素環が、N-オキシドを形成可能であるわけではないことを理解するであろう。当業者は、N-オキシドを形成可能な窒素含有複素環を理解するであろう。当業者はまた、三級アミンがN-オキシドを形成可能であることを理解するであろう。複素環類及び三級アミンのN-オキシドを調製するための合成方法は、複素環及び三級アミンを、過酢酸及びm-クロロ過安息香酸(MCPBA)などのペルオキシ酸;過酸化水素;t-ブチルヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキシド;過ホウ酸ナトリウム;並びにジメチルジオキシランを用いて酸化することを含めて、当業者に周知である。N-オキシドを調製するためのこれらの方法は、文献にて包括的に記載及び確認されている。例えば、T.L.Gilchrist in Comprehensive Organic Synthesis,vol.7,pp 748-750,S.V.Ley,Ed.,Pergamon Press;M.Tisler and B.Stanovnik in Comprehensive Heterocyclic Chemistry,vol.3,pp 18-20,A.J.Boulton and A.McKillop,Eds.,Pergamon Press;M.R.Grimmett and B.R.T.Keene in Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.43,pp 149-161,A.R.Katritzky,Ed.,Academic Press;M.Tisler and B.Stanovnik in Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.9,pp 285-291,A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press;G.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk in Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.22,pp 390-392,A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press及びを参照のこと。
【0061】
式II及びIVの化合物の塩としては、臭化水素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、又は吉草酸などの無機酸又は有機酸による、酸付加塩が挙げられる。式II及びIVの化合物がカルボン酸又はフェノールなどの酸部分を含有する場合、塩もまた、ピリジン、トリエチルアミン、若しくはアンモニア、又はナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、又はバリウムのアミド、水素化物、ヒドロキシド、若しくはカーボネートなどの、有機塩基又は無機塩基により形成したものを含む。したがって、本発明は、式II及びIVの化合物、N-オキシド、並びに農業的に好適なこれらの塩から選択される化合物を含む。
【0062】
[発明の概要]に記載した本発明の実施形態は、以下を含む:
実施形態A1.AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、[発明の概要]に記載した式IIの化合物又はその塩。
【0063】
実施形態A2.AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、[発明の概要]に記載した式IIの化合物又はその塩。
【0064】
実施形態A3.AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、[発明の概要]に記載した式IIの化合物又はその塩。
【0065】
実施形態A4.RがHである、実施形態A1~A3のいずれか1つに記載の化合物。
【0066】
実施形態A5.RがC-Cアルキルである、実施形態A1~A3のいずれか1つに記載の化合物。
【0067】
実施形態A6.Rがメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はt-ブチルである、実施形態A5に記載の化合物。
【0068】
実施形態A7.Rがメチル又はエチルである、実施形態A6に記載の化合物。
【0069】
実施形態A8.Rがメチルである、実施形態A7に記載の化合物。
【0070】
実施形態A9.RがH以外である、実施形態A1~A3、又はA5~A8のいずれか1つに記載の化合物。
【0071】
実施形態A10.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態A1~A9のいずれか1つに記載の化合物。
【0072】
実施形態A11.Rがメチル又はエチルである、実施形態A10に記載の化合物。
【0073】
実施形態A12.Rがメチルである、実施形態A11に記載の化合物。
【0074】
実施形態A13.メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート、及び(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボン酸からなる群から選択される、式IIの化合物。
【0075】
実施形態A14.メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートである、実施形態A13に記載の化合物。
【0076】
実施形態A15.(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボン酸である、実施形態A13に記載の化合物。
【0077】
実施形態B1.AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、式II-Aの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0078】
実施形態B2.AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、式II-Aの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0079】
実施形態B3.AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、式II-Aの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0080】
実施形態B4.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態B1~B3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0081】
実施形態B5.Rがメチル又はエチルである、実施形態B4に記載のプロセス。
【0082】
実施形態B6.Rがメチルである、実施形態B5に記載のプロセス。
【0083】
実施形態B7.式IIIの化合物において、AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、実施形態B1~B6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0084】
実施形態B8.式IIIの化合物において、AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、実施形態B1~B6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0085】
実施形態B9.式IIIの化合物において、AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、実施形態B1~B6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0086】
実施形態B10.アルキル化剤がジアルキルサルフェートを含む、実施形態B1~B9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0087】
実施形態B11.アルキル化剤がジメチルサルフェート、ジエチルサルフェート、又はジプロピルサルフェートからなる群から選択される、実施形態B10に記載のプロセス。
【0088】
実施形態B12.アルキル化剤がジメチルサルフェート又はジエチルサルフェートからなる群から選択される、実施形態B11に記載のプロセス。
【0089】
実施形態B13.アルキル化剤がジメチルサルフェートである、実施形態B12に記載のプロセス。
【0090】
実施形態B14.アルキル化が好適な溶媒内にて行われる、実施形態B1~B13のいずれか1つに記載のプロセス。
【0091】
実施形態B15.好適な溶媒がアルコールである、実施形態B14に記載のプロセス。
【0092】
実施形態B16.好適な溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、及びt-ブタノールからなる群から選択される、実施形態B15に記載のプロセス。
【0093】
実施形態B17.好適な溶媒がアセトニトリルである、実施形態B14に記載のプロセス。
【0094】
実施形態B18.好適な溶媒が水とアセトニトリルとの混合物である、実施形態B14に記載のプロセス。
【0095】
実施形態B19.アルキル化剤がブロモメタンを含み、カリウムt-ブトキシドの存在下にて実施され、かつテトラヒドロフラン中で実施される、実施形態B1~B9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0096】
実施形態B20.アルキル化が塩基の存在下において実施される、実施形態B1~B9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0097】
実施形態B21.塩基が無機塩基である、実施形態B20に記載のプロセス。
【0098】
実施形態B22.塩基が水酸化カリウムである、実施形態B21に記載のプロセス。
【0099】
実施形態C1.AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、[発明の概要]に記載した式IVの化合物及びその塩。
【0100】
実施形態C2.AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、[発明の概要]に記載した式IVの化合物及びその塩。
【0101】
実施形態C3.AがNであり、AがCCF3であり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、[発明の概要]に記載した式IVの化合物及びその塩。
【0102】
実施形態C4.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態C1~C3のいずれか1つに記載の化合物。
【0103】
実施形態C5.Rがメチル又はエチルである、実施形態C4に記載の化合物。
【0104】
実施形態C6.Rがメチルである、実施形態C5に記載の化合物。
【0105】
実施形態C7.各R3a及びR3bは独立してメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態C1~C6のいずれか1つに記載の化合物。
【0106】
実施形態C8.各R3a及びR3bは独立してメチル又はエチルである、実施形態C7に記載の化合物。
【0107】
実施形態C9.各R3a及びR3bは独立してメチルである、実施形態C8に記載の化合物。
【0108】
実施形態C10.Rが置換ベンジルである、実施形態C1~C9のいずれか1つに記載の化合物。
【0109】
実施形態C11.Rが、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、又はC-Cアルケニルで置換されたベンジルである、実施形態C10に記載の化合物。
【0110】
実施形態C12.Rが非置換ベンジルである、実施形態C10に記載の化合物。
【0111】
実施形態C13.1,3-ジメチル2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエートである、式IVの化合物。
【0112】
実施形態D1.AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、式II-Bの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0113】
実施形態D2.AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、式II-Bの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0114】
実施形態D3.AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、式II-Bの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0115】
実施形態D4.RがC-Cアルキルである、実施形態D1~D3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0116】
実施形態D5.Rがメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はt-ブチルである、実施形態D4に記載のプロセス。
【0117】
実施形態D6.Rがメチル又はエチルである、実施形態D5に記載のプロセス。
【0118】
実施形態D7.Rがメチルである、実施形態D6に記載のプロセス。
【0119】
実施形態D8.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態D1~D7のいずれか1つに記載のプロセス。
【0120】
実施形態D9.Rがメチル又はエチルである、実施形態D8に記載のプロセス。
【0121】
実施形態D10.Rがメチルである、実施形態D9に記載のプロセス。
【0122】
実施形態D11.式IVの化合物において、AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、実施形態D1~D10のいずれか1つに記載のプロセス。
【0123】
実施形態D12.式IVの化合物において、AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、実施形態D1~D10のいずれか1つに記載のプロセス。
【0124】
実施形態D13.式IVの化合物において、AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、実施形態D1~D10のいずれか1つに記載のプロセス。
【0125】
実施形態D14.式IVの化合物において、Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態D1~D13のいずれか1つに記載のプロセス。
【0126】
実施形態D15.式IVの化合物において、Rがメチル又はエチルである、実施形態D14に記載のプロセス。
【0127】
実施形態D16.式IVの化合物において、Rがメチルである、実施形態D15に記載のプロセス。
【0128】
実施形態D17.式IVの化合物において、各R3a及びR3bは独立してメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態D1~D16のいずれか1つに記載のプロセス。
【0129】
実施形態D18.式IVの化合物において、各R3a及びR3bは独立してメチル又はエチルである、実施形態D17に記載のプロセス。
【0130】
実施形態D19.式IVの化合物において、各R3a及びR3bは独立してメチルである、実施形態D18に記載のプロセス。
【0131】
実施形態D20.式IVの化合物において、Rが非置換ベンジルである、実施形態D1~D19のいずれか1つに記載のプロセス。
【0132】
実施形態D21.式IVの化合物において、Rが置換ベンジルである、実施形態D1~D19のいずれか1つに記載のプロセス。
【0133】
実施形態D22.Rが、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、又はC-Cアルケニルで置換されたベンジルである、実施形態D21に記載のプロセス。
【0134】
実施形態D23.還元することが還元剤の存在下において実施される、実施形態D1~D22のいずれか1つに記載のプロセス。
【0135】
実施形態D24.還元剤が触媒を含む、実施形態D23に記載のプロセス。
【0136】
実施形態D25.還元剤が白金(I)、パラジウム(II)、及びニッケル(I)からなる群から選択される、実施形態D24に記載のプロセス。
【0137】
実施形態D26.還元剤が白金(I)及びパラジウム(II)からなる群から選択される、実施形態D25に記載のプロセス。
【0138】
実施形態D27.還元剤が、パラジウム(I)炭素、及び水酸化パラジウム(II)炭素からなる群から選択される、実施形態D26に記載のプロセス。
【0139】
実施形態D28.還元することが好適な溶媒内にて行われる、実施形態D1~D27のいずれか1つに記載のプロセス。
【0140】
実施形態D29.好適な溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、酢酸、及びトルエンからなる群から選択される、実施形態D28に記載のプロセス。
【0141】
実施形態D30.好適な溶媒がメタノール、エタノール、又はプロパノールからなる群から選択される、実施形態D29に記載のプロセス。
【0142】
実施形態D31.好適な溶媒が酢酸である、実施形態D29に記載のプロセス。
【0143】
実施形態D32.還元剤が白金、パラジウム、及びニッケルからなる群から選択される、実施形態D24に記載のプロセス。
【0144】
実施形態D33.還元剤が白金及びパラジウムからなる群から選択される、実施形態D25に記載のプロセス。
【0145】
実施形態D34.還元剤がパラジウム炭素、及び水酸化パラジウム(II)炭素からなる群から選択される、実施形態D26に記載のプロセス。
【0146】
実施形態E1.AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、式IVの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0147】
実施形態E2.AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、式IVの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0148】
実施形態E3.AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、式IVの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0149】
実施形態E4.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態E1~E3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0150】
実施形態E5.Rがメチル又はエチルである、実施形態E4に記載のプロセス。
【0151】
実施形態E6.Rがメチルである、実施形態E5に記載のプロセス。
【0152】
実施形態E7.各R3a及びR3bは独立してメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態E1~E6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0153】
実施形態E8.各R3a及びR3bは独立してメチル又はエチルである、実施形態E7に記載のプロセス。
【0154】
実施形態E9.各R3a及びR3bは独立してメチルである、実施形態E8に記載のプロセス。
【0155】
実施形態E10.Rが置換ベンジル又は非置換ベンジルである、実施形態E1~E9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0156】
実施形態E11.Rが非置換ベンジルである、実施形態E10に記載のプロセス。
【0157】
実施形態E12.式Vの化合物又はその塩において、AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、実施形態E1~E11のいずれか1つに記載のプロセス。
【0158】
実施形態E13.式Vの化合物又はその塩において、AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、実施形態E1~E11のいずれか1つに記載のプロセス。
【0159】
実施形態E14.式Vの化合物又はその塩において、AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、実施形態E1~E11のいずれか1つに記載のプロセス。
【0160】
実施形態E15.式Vの化合物又はその塩において、Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態E1~E14のいずれか1つに記載のプロセス。
【0161】
実施形態E16.式Vの化合物又はその塩において、Rがメチル又はエチルである、実施形態E15に記載のプロセス。
【0162】
実施形態E17.式Vの化合物又はその塩において、Rがメチルである、実施形態E16に記載のプロセス。
【0163】
実施形態E18.式Vの化合物において、塩酸塩である、実施形態E12~E17のいずれか1つに記載のプロセス。
【0164】
実施形態E19.ジ-(C-Cアルキル)マロネート又はその塩が、ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジイソプロピルマロネート、若しくはジ-n-プロピルマロネート、又はそれらのナトリウム塩、リチウム塩、若しくはカリウム塩からなる群から選択される、実施形態E1~E18のいずれか1つに記載のプロセス。
【0165】
実施形態E20.ジ-(C-Cアルキル)マロネート又はその塩が、ジメチルマロネート若しくはジエチルマロネート、又はそれらのナトリウム塩若しくはカリウム塩からなる群から選択される、実施形態E19に記載のプロセス。
【0166】
実施形態E21.反応させることが好適な塩基の存在下にて実施される、実施形態E1~E20のいずれか1つに記載のプロセス。
【0167】
実施形態E22.塩基が無機塩基である、実施形態E21に記載のプロセス。
【0168】
実施形態E23.塩基がナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、及び炭酸カリウムからなる群から選択される、実施形態E22に記載のプロセス。
【0169】
実施形態E24.反応させることが好適な溶媒の存在下にて実施される、実施形態E1~E23のいずれか1つに記載のプロセス。
【0170】
実施形態E25.溶媒が有機溶媒である、実施形態E24に記載のプロセス。
【0171】
実施形態E26.溶媒がアセトニトリル、ジクロロメタン、及びトルエンからなる群から選択される、実施形態E25に記載のプロセス。
【0172】
実施形態E27.溶媒がアセトニトリルである、実施形態E26に記載のプロセス。
【0173】
実施形態F1.AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、式Iの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0174】
実施形態F2.AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、式Iの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0175】
実施形態F3.AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、式Iの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0176】
実施形態F4.BがCFであり、BがCHであり、かつBがCHである、実施形態F1~F3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0177】
実施形態F5.BがCFであり、BがCFであり、かつBがCHである、実施形態F1~F3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0178】
実施形態F6.BがCFであり、BがNであり、かつBがCFである、実施形態F1~F3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0179】
実施形態F7.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態F1~F6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0180】
実施形態F8.Rがメチル又はエチルである、実施形態F7に記載のプロセス。
【0181】
実施形態F9.Rがメチルである、実施形態F8に記載のプロセス。
【0182】
実施形態F10.式II-Aの化合物において、AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、実施形態F1~F9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0183】
実施形態F11.式II-Aの化合物において、AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、実施形態F1~F9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0184】
実施形態F12.式II-Aの化合物において、AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、実施形態F1~F9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0185】
実施形態F13.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態F10~F12のいずれか1つに記載のプロセス。
【0186】
実施形態F14.Rがメチル又はエチルである、実施形態F13に記載のプロセス。
【0187】
実施形態F15.Rがメチルである、実施形態F14に記載のプロセス。
【0188】
実施形態F16.式II-Aの化合物を活性剤と接触させて、活性化中間体を調製することを更に含む、実施形態F1~F15のいずれか1つに記載のプロセス。
【0189】
実施形態F17.活性剤がハロゲン化剤又はスルホン化剤である、実施形態F16に記載のプロセス。
【0190】
実施形態F18.活性化中間体を式VIの化合物と接触させることを更に含む、実施形態F1~F17のいずれか1つに記載のプロセス。
【0191】
実施形態F19.式VIの化合物において、BがCFであり、BがCHであり、かつBがCHである、実施形態F18に記載のプロセス。
【0192】
実施形態F20.式VIの化合物において、BがCFであり、BがCFであり、かつBがCHである、実施形態F18に記載のプロセス。
【0193】
実施形態F21.式VIの化合物において、BがCFであり、BがNであり、かつBがCFである、実施形態F18に記載のプロセス。
【0194】
実施形態F22.式II-Aの化合物は、式II-Bの化合物を加水分解することにより調製される、実施形態F1~F18のいずれか1つに記載のプロセス。
【0195】
実施形態G1.AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、式Iの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0196】
実施形態G2.AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、式Iの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0197】
実施形態G3.AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、式Iの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセス。
【0198】
実施形態G4.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態G1~G3のいずれか1つに記載のプロセス。
【0199】
実施形態G5.Rがメチル又はエチルである、実施形態G4に記載のプロセス。
【0200】
実施形態G6.Rがメチルである、実施形態G5に記載のプロセス。
【0201】
実施形態G7.BがCFであり、BがCHであり、かつBがCHである、実施形態G1~G6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0202】
実施形態G8.BがCFであり、BがCFであり、かつBがCHである、実施形態G1~G6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0203】
実施形態G9.BがCFであり、BがNであり、かつBがCFである、実施形態G1~G6のいずれか1つに記載のプロセス。
【0204】
実施形態G10.式II-Bの化合物において、AがCCFであり、AがCHであり、かつAがCHである、[発明の概要]に記載した、又は実施形態G1~G9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0205】
実施形態G11.式II-Bの化合物において、AがCHであり、AがCCFであり、かつAがCHである、[発明の概要]に記載した、又は実施形態G1~G9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0206】
実施形態G12.式II-Bの化合物において、AがNであり、AがCCFであり、かつAがCHであるか、又は、AがCCHであり、AがNであり、かつAがCOCHFである、[発明の概要]に記載した、又は実施形態G1~G9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0207】
実施形態G13.Rがメチル、エチル、又はプロピルである、実施形態G10~G12のいずれか1つに記載のプロセス。
【0208】
実施形態G14.Rがメチル又はエチルである、実施形態G13に記載のプロセス。
【0209】
実施形態G15.Rがメチルである、実施形態G14に記載のプロセス。
【0210】
実施形態G16.Rがメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はt-ブチルである、実施形態G10~G15のいずれか1つに記載のプロセス。
【0211】
実施形態G17.Rがメチル又はエチルである、実施形態G16に記載のプロセス。
【0212】
実施形態G18.Rがメチルである、実施形態G17に記載のプロセス。
【0213】
実施形態G19.式VIの化合物において、BがCFであり、かつBがCHである、実施形態G1~G18のいずれか1つに記載のプロセス。
【0214】
実施形態G20.式VIの化合物において、BがCFであり、かつBがCFである、実施形態G1~G18のいずれか1つに記載のプロセス。
【0215】
実施形態G21.接触させることが周囲温度を上回って行われる、[発明の概要]、又は実施形態G1~G20のいずれか1つに記載のプロセス。
【0216】
実施形態G22.接触させることが100℃を上回って行われる、実施形態G21に記載のプロセス。
【0217】
実施形態G23.接触させることが120℃を上回って行われる、実施形態G21に記載のプロセス。
【0218】
実施形態G24.接触させることが140℃を上回って行われる、実施形態G21に記載のプロセス。
【0219】
実施形態G25.接触させることが160℃を上回って行われる、実施形態G21に記載のプロセス。
【0220】
実施形態G26.接触させることが200℃を下回って行われる、実施形態G21~G25のいずれか1つに記載のプロセス。
【0221】
実施形態G27.接触させることが式VIの化合物の沸点にて行われる、実施形態G1~G21のいずれか1つに記載のプロセス。
【0222】
実施形態G28.接触させることが好適な溶媒内にて実施される、実施形態G1~G27のいずれか1つに記載のプロセス。
【0223】
実施形態G29.溶媒が式VIの化合物を含む、実施形態G28に記載のプロセス。
【0224】
実施形態G30.好適な溶媒がトルエン、キシレン、又はクロロベンゼンから選択される、実施形態G28に記載のプロセス。
【0225】
実施形態G31.好適な溶媒がキシレンである、実施形態G30に記載のプロセス。
【0226】
実施形態H1.式II-Aの化合物が、式IIIの化合物をアルキル化することを含む、[発明の概要]、又は実施形態B1~B16のいずれか1つに記載の方法を使用して調製される、[発明の概要]、又は実施形態F1~F22のいずれか1つに記載の、式Iの化合物を調製するためのプロセス。
【0227】
実施形態H2.式II-Aの化合物が、まず式II-Bの化合物を加水分解することにより調製される、[発明の概要]、又は実施形態F1~F22のいずれか1つに記載の、式Iの化合物を調製するためのプロセス。
【0228】
実施形態H3.式II-Bの化合物が、式IVの化合物を還元することを含む、[発明の概要]、又は実施形態D1~D31のいずれか1つに記載の方法を使用して調製される、[発明の概要]、又は実施形態G1~G29のいずれか1つに記載の、式Iの化合物を調製するためのプロセス。
【0229】
実施形態H4.式II-Bの化合物が、式IVの化合物を還元することを含む、[発明の概要]、又は実施形態D1~D31のいずれか1つに記載の方法を使用して調製され、かつ、式IVの化合物が、式Vの化合物又はその塩を、ジ-(C~Cアルキル)マロネート又はその塩と反応させることを含む、[発明の概要]、又は実施形態E1~E27のいずれか1つに記載の方法を使用して調製される、[発明の概要]、又は実施形態G1~G29のいずれか1つに記載の、式Iの化合物を調製するためのプロセス。
【0230】
実施形態H5.式II-Bの化合物が、式IVの化合物を還元することを含む、[発明の概要]、又は実施形態D1~D31のいずれか1つに記載のプロセスにより調製される、実施形態H2に記載のプロセス。
【0231】
実施形態H6.式IVの化合物が、式Vの化合物又はその塩を、ジ-(C-Cアルキル)マロネート又はその塩により還元することを含む、[発明の概要]、又は実施形態E1~E27のいずれか1つに記載のプロセスにより調製される、実施形態H5に記載のプロセス。
【0232】
実施形態H7.「プロセスにより調製される」が、「化合物を調製することを特徴とする」を意味する、式Iの化合物を調製するためのプロセス。
【0233】
化合物について記載している実施形態A1~A15、及びC1~C13、並びに、プロセスについて記載している実施形態B1~B16(又は、B1~B22)、D1~D31(又は、D1~D34)、E1~E27、F1~F22、G1~G29(又は、G1~G31)、及びH1~H7のいずれかを含む、本発明の実施形態、並びに、本明細書に記載する任意の他の実施形態を、任意の方法で組み合わせることが可能であり、実施形態における変数の説明は、式II及びIVの化合物だけでなく、式I、II、及びIVの化合物の調製に有用な、式II-A、II-B、III、IV、V、及びVIの出発化合物及び中間体化合物にも関係する。
【0234】
化合物について記載している実施形態A1~A15、及びC1~C13、並びに、プロセスについて記載している実施形態B1~B16(又は、B1~B22)、D1~D31(又は、D1~D34)、E1~E27、F1~F22、G1~G29(又は、G1~G31)、及びH1~H7の組み合わせは、以下により説明される:
実施形態1A.Rがメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
がH又はメチルである、
[発明の概要]に記載した式IIの化合物及びその塩。
【0235】
実施形態1B.RがC-Cアルキルであり、
式IIIの化合物をアルキル化することを含み、アルキル化剤がジアルキルサルフェートである、
[発明の概要]に記載した、式II-Aの化合物を調製するためのプロセス。
【0236】
実施形態1C.Rがメチル、エチル、又はプロピルであり、
各R3a及びR3bは独立してメチル又はエチルであり、
が非置換ベンジルである、
[発明の概要]に記載した式IVの化合物及びその塩。
【0237】
実施形態1D.Rがメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
がメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はt-ブチルであり、
式IVの化合物を還元することを含み、
がメチル、エチル、又はプロピルであり、
各R3a及びR3bは独立してメチル又はエチルであり、
が非置換ベンジルであり、
還元剤が触媒を含む、
[発明の概要]に記載した式II-Bの化合物を調製するためのプロセス。
【0238】
実施形態1E.Rがメチル、エチル、又はプロピルであり、
各R3a及びR3bは独立してメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
が非置換ベンジルであり、
式Vの化合物
[式中、Rはメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
は非置換ベンジルである]、
又はその塩を、ジメチルマロネート、ジエチルマロネート、ジイソプロピルマロネート、若しくはジ-n-プロピルマロネート、又はそれらのナトリウム塩、リチウム塩、若しくはカリウム塩からなる群から選択されるジ-(C-Cアルキル)マロネート又はその塩と反応させることを含む、
[発明の概要]に記載した式IVの化合物を調製するためのプロセス。
【0239】
実施形態1F.Rがメチル、エチル、又はプロピルであり、
式II-Aの化合物を調製するための、[発明の概要]に記載したプロセスにより調製した式II-Aの化合物
[式中、Rはメチル、エチル、又はプロピルである]
を、式VIの化合物と接触させることを含む、
[発明の概要]に記載した、式Iの化合物を調製するプロセス。
【0240】
実施形態1G.Rがメチル、エチル、又はプロピルであり、
式II-Bの化合物を調製するための、[発明の概要]にて記載されているプロセスにより調製された、式II-Bの化合物
[式中、Rはメチル、エチル、又はプロピルであり、かつ
はメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はt-ブチルである]
を、式VIの化合物と接触させることを含む、
[発明の概要]に記載した式Iの化合物を調製するためのプロセス。
【0241】
式I及びIVの化合物は、合成有機化学の当該技術分野において既知の一般的な方法により、調製することができる。スキーム1~11に記載されている以下の方法、及び変形の1つ以上を使用して、式I及びIVの化合物を調製することができる。以下の式I、II、及びIVの化合物の調製に有用な、式II-A、II-B、III、IV、V、及びVIの化合物における、A、A、A、R、R、R3a、R3b、B、B、及びBの定義は、特に断りのない限り、上記[発明の概要]にて定義したとおりである。
【0242】
スキーム1に示すように、式Iの化合物は、プロピルホスホン無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド、N,N’-カルボニルジイミダゾール、2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリウム塩化物、又は2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨウ化物などの、脱水性カップリング剤の存在下において、式II-Aの酸(即ち、RがHである)を、式VIのアミンと反応させることにより調製することができる。ポリマー担持シクロヘキシルカルボジイミドなどのポリマー担持試薬もまた、好適である。これらの反応は典型的には、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンなどの塩基の存在下において、ジクロロメタン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、又は酢酸エチルなどの溶媒内で、0~60℃の範囲の温度にて実行される。プロピルホスホン無水物を用いるカップリング条件については、Organic Process Research & Development 2009,13,900-906を参照のこと。あるいは、式II-Aの化合物(即ち、RがHである)を、塩化チオニルなどの塩素化試薬を用いて酸塩化物を調製することにより、まず活性化することができる。次に、活性化中間体を式VIの化合物と接触させ、式Iの化合物を調製することができる。
【0243】
【化18】
【0244】
スキーム2にて示すように、有機溶媒の不存在下において、又は存在下において、式II-Bの化合物(即ちRがC-Cアルキルである)を、式VIのアミンと加熱することにより、式Iの化合物を得ることができる。溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリジノン、キシレン、トルエン、クロロベンゼンなどの、1種類の溶媒、あるいは任意の2種類又は3種類の溶媒の組み合わせのいずれかであることができる。温度は、1~20時間の間で100℃~200℃、好ましくは3~10時間の間で140℃~150℃の範囲であることができる。
【0245】
【化19】
【0246】
がCHであり、残りの変数を以下に定義する、式Iの化合物を記載する。
【0247】
【表1】
【0248】
式II-Bのエステルは、当業者に周知の方法により加水分解を行い、式4のエステルの、式II-Aの酸にすることができる。この加水分解は、典型的には共溶媒の存在下において、水性塩基又は酸性水溶液を用いて実施することができる。反応用の好適な塩基としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの水酸化物、並びに炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどの炭酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。反応用の好適な酸としては、塩酸、臭化水素酸、及び硫酸などの無機酸、並びに酢酸及びトリフルオロ酢酸などの有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。メタノール、エタノール、及びテトラヒドロフランを含むがこれらに限定されない、様々な共溶媒が反応に好適である。反応は、-20℃から溶媒の沸点の範囲の温度、典型的には0~100℃において、実施される。
【0249】
スキーム3に示すように、塩基の存在下において、式IIIの化合物をアルキル化試薬と反応させることにより、式II-Aの化合物を調製することができる。反応に好適なメチル化試薬としては、ハロゲン化アルキル、ジアルキルサルフェート、ジアルキルカーボネート、又はトリアルキルホスフェートが挙げられる。反応に好適な塩基としては、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物、又は、ナトリウムイソプロポキシド及びカリウムtert-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、又は、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、又は、炭酸カリウム及び炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩、又は、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、及びジクロロメタンなどの溶媒中の、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、及びリチウムジイソプロピルアミドなどの塩基が挙げられる。
【0250】
【化20】
【0251】
がCHであり、残りの変数を以下に定義する、式II-Aの化合物を記載する。
【0252】
【表2】
【0253】
スキーム4に示すように、式IVの化合物の還元、及び、得られる中間体アミンの、後でのin situ環化により、式II-Bの化合物を得ることができる。式IVの化合物からベンジル基を除去する方法は、パラジウム炭素の存在下における触媒水素化、ラネーニッケル又は移動水素反応を用いた還元を含み、文献にて既知である(例えば、Bull.Chem.Soc.Japan 2004,77(7),1405-1406、及びSynthesis 1987,1,53-55を参照のこと)。
【0254】
【化21】
【0255】
がCHであり、残りの変数を以下で定義する、式II-Bの化合物を記載する。
【0256】
【表3】
【0257】
スキーム5に示すように、有機溶媒(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリジノン、アセトニトリル)中において、式Vのクロロ化合物を、マロネートアルカリ塩(例えばカリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、又はセシウム塩)と反応させることにより、式IVの化合物を調製することができる。ジ-(C-Cアルキル)マロネートを、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、又は炭酸セシウムが挙げられるがこれらに限定されない無機塩基と反応させることにより、マロネートアルカリ塩をin situで生成することができる。典型的には、反応は約15℃~約60℃、好ましくは約25℃の温度で実施する。
【0258】
【化22】
【0259】
がCHであり、R3aがCHであり、R3bがCHであり、RがCHPh(即ち、非置換ベンジル)であり、残りの変数を以下で定義する、式IVの化合物を記載する。
【0260】
【表4】
【0261】
スキーム6に示すように、式VII-Aのアミノアルコールを、限定されないが塩化チオニル又は塩化オキサリルなどの塩素化試薬により処理することにより、式Vの化合物を調製することができる。一般に、反応は、限定されないがエチレンクロリド、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、又はテトラヒドロフランなどの溶媒中で、0℃~40℃の範囲の温度にて、1~2当量の塩素化試薬を用いて実施することができる。あるいは、塩基の存在下において、式VII-Bのアミノアルコールを、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、又はp-塩化トルエンスルホニルクロリド、o-トルエンスルホニルクロリド、m-トルエンスルホニルクロリドと反応させることにより、式Vの化合物を調製することができる。この反応に好適な塩基としては、ピペリジン、モルホリン、又はトリエチルアミン、ピリジン、又はN,N-ジイソプロピルエチルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。溶媒としては、エチレンクロリド、1,2-ジクロロエタン、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、又はテトラヒドロフランであることができるが、これらに限定されない。典型的には、反応は、0℃~40℃の範囲の温度にて、1~4当量の塩素化試薬を用いて実施する。
【0262】
【化23】
【0263】
スキーム7に示すように、式VIIIのエポキシド(即ち、オキシラン)を、式IXのアミンと反応させることにより、式VII-Aの化合物を調製することができる。典型的には、反応は、約80℃~160℃の温度にて、純粋に実施される。反応は、約80℃~160℃の範囲の温度にて、溶媒(例えば、アセトニトリル、トルエン、キシレン、メシチレン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、及びN-メチル-2-ピロリジノン)中でもまた実施することができる。式IXのアミンは、式VIIIのエポキシド(即ちオキシラン)に対して、1~5当量、好ましくは約1.1当量で使用することができる。あるいは、式Xのα-アミノケトン、又はその塩化水素塩形態、臭化水素塩形態、若しくはトリフルオロ酢酸塩形態の非対称還元により、式VII-Aの化合物を調製することができる。このような非対称還元は、触媒の存在下における水素化により実施可能であることが、当業者により認識されている。この反応に好適な触媒としては、ルテニウムベースの系(例えば、Am.Chem.Soc.1988,110,629-631;J.Am.Chem.Soc.2000,122,6510-6511;Tetrahedron:Asymmetry,2010,2479-2486を参照のこと)、及びロジウムベースの系(J.Am.Chem.Soc.1990,112,5876-5878を参照のこと)が挙げられる。
【0264】
【化24】
【0265】
式VIIIの(S)-エナンチオマーを、式IXのアミンと反応させることにより、及び、式Xのα-アミノケトンの非対称還元により式VII-Bの鏡像異性化合物を調製することができることが、当業者により認識されている。
【0266】
スキーム8に示すように、式XI(式中、XはCl又はBrである)のα-ハロメチルケトンを非対称還元し、続いて、塩基を用いて処理した後、in situで環化することにより、式VIIIの化合物を調製することができる。水素源としてのギ酸又はギ酸塩の存在下における、非対称移動水素化(例えば、J.Am.Chem.Soc.1996,118,2521-2522;J.Org.Chem.2005,70,3188-3197;Org.Lett.2002,4,4373-4376;Tetrahedron 2004,60,7411-7417を参照のこと)により、又は、水素源としての水素(ガス)の存在下における水素化(例えば、J.Am.Chem.Soc.2011,133,14960-14963;Org Lett 2007,9,255を参照のこと)により、非対称還元を実施可能であることが、当業者により認識されている。
【0267】
【化25】
【0268】
スキーム9に示すように、式XIのα-ハロメチルケトンを、限定されないが、アセトン、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン、キシレン、メシチレン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、又はN-メチル-2-ピロリジノンなどの溶媒中で、式IXのアミンと、約20℃~130℃にて、好ましくは20℃~60℃にて反応させることにより、式Xの化合物を調製することができる。式IXのアミンを、約1~約5当量、好ましくは1.1当量の量で使用することができる。
【0269】
【化26】
【0270】
スキーム10に示すように、塩素化試薬により、式XIIのメチルケトンをハロゲン化することにより、式XIの化合物を調製することができる。塩素化試薬は、塩化アンモニウムの存在下において、N-クロロコハク酸イミド、塩素、塩化スルフリル、イソシアヌルクロリド、オキソン、又は、塩化ナトリウムの存在下において過硫酸カリウムであることができる。式XIIIのブロモ化合物を、マグネシウム金属、ジイソプロピルマグネシウムクロリド、又はジイソプロピルマグネシウムブロミドと反応させてアリールマグネシウム化合物を形成し、その後N-メトキシル-N-メチルクロロアセトアミドと反応させることにより、式XIの化合物を調製することができることが、当業者により認識されている(Tetrahedron 2003,59,1317-1325を参照のこと)。あるいは、式XIIIの化合物をn-ブチルリチウムと、-30℃~-78℃、好ましくは-60℃~-78℃にて反応させ、続いて、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、1,4-ジオキサンなどの溶媒中、好ましくはtert-ブチルメチルエーテル中の、-78℃~0℃のN-メトキシル-N-メチルクロロアセトアミドによりin situで生成したアリールリチウム中間体をクエンチすることにより、式XIの化合物を調製することができる。
【0271】
【化27】
【0272】
変数を以下に定義する式XIの化合物を記載する。
【0273】
【表5】
【0274】
スキーム11に示すように、式IIIの化合物の、2回の連続アルキル化により、式II-Bの化合物を調製することができる。本方法では、スキーム3(N-アルキル化)について上述した条件、続いて第2のアルキル化剤を用いるin situアルキル化により、式II-Bの化合物を調製する(O-アルキル化)ことを使用して、II-Aの化合物を調製する。この順序は代替的に、「2工程・1ポット」反応として知られている。O-アルキル化を容易にするための条件としては、調製した式II-Aの化合物を、十分なジメチルサルフェート(RがMeである)、又はジエチルサルフェート(RがEtである)、及び追加の塩基(例えば炭酸カリウム)と接触させて、式II-Bの化合物を調製することが挙げられる。あるいは、調製した式II-Aの化合物を酸(例えば硫酸)、及び追加のメタノール(RがMeである)、又はエタノール(RがEtである)と接触させることにより、酸性条件下でO-アルキル化を行うことができる。「2工程・1ポット」反応用の適切な溶媒は、スキーム3における式II-Aの化合物の調製について列挙したものと同一である。
【0275】
【化28】
【0276】
様々な官能基を別の官能基に転換して、異なる式Iの化合物を得ることができることが、当業者により認識されている。簡便か明快な方法で官能基の転換を説明している、価値ある資料については、Larock,R.C.,Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,2nd Ed.,Wiley-VCH,New York,1999を参照のこと。
【0277】
式Iの化合物を調製するために上述した試薬及び反応条件の中には、中間体に存在する特定の官能基と適合しない場合のものがあり得ることが認識されている。これらの例において、保護/脱保護の順序、又は官能基の相互転換を合成に組み込むことが、所望の生成物を得るのに役立つ。保護基の使用及び選択は、化学合成の当業者には明らかであろう(例えば、Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照のこと)。当業者は、場合によっては、任意の個別のスキームで示されているように所与の試薬を導入した後、詳述されていない追加のルーチン合成工程を行い、式Iの化合物の合成を完了することが必要となる場合があることを理解するであろう。具体的に示されたものにより示唆されるもの以外の順序で、上記スキームに示される工程の組み合わせを実施し、式Iの化合物を調製する必要があり得ることもまた、当業者は理解するであろう。
【0278】
式Iの化合物、及び本明細書に記載する中間体を、様々な救電子性反応、求核性反応、ラジカル反応、有機金属反応、酸化反応、及び還元反応に通して、置換基を加える、又は存在する置換基を修飾可能であることもまた、当業者は理解するであろう。
【0279】
更なる説明無しに、先行する説明を用いる当業者は、本発明を最大限に活用することが可能であると考えられている。それ故、以下の実施例は単なる例示として解釈されるべきであり、本開示を他のいかなる方法で限定するものではない。以下の実施例における工程は、全体の合成変換における各工程の手順、及び、各工程の出発物質が必ずしも、手順が他の実施例又は工程で説明されている特定の調製の実施により調製される必要はないことについて示している。クロマトグラフ溶媒混合液、又は別様に指示される場合を除いて、百分率は重量による。クロマトグラフ溶媒混合液の部及び百分率は、特に断りのない限り、体積による。特に指示がない限り、H NMRスペクトルは500MHzにおけるCDCl溶液中の、テトラメチルシランから低磁場において、ppmで報告される。「s」はシングレットを意味し、「d」はダブレットを意味し、「dd」はダブレットのダブレットを意味し、「t」はトリプレットを意味し、「q」はカルテットを意味し、「m」はマルチプレットを意味し、「br t」はブロードなトリプレットを意味し、「br d」はブロードなダブレットを意味し、「br s」はブロードなシングレットを意味する。鏡像体過剰率(e.e.)は、30℃のカラム温度にて、1.0~1.5mL/分の範囲の流速で、ヘキサン/イソプロパノールの混合物(85:15~99:1の範囲)により溶出するChiralpak(登録商標)AD-H、又はChiralpak(登録商標)ASを用いる、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析により測定した鏡像異性比(ER)から計算した。
【0280】
合成例1
(3S,4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
工程A:(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボン酸の調製
イソプロピルアルコール(350mL)中の、(3R,4S)-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボン酸(50g、0.183mol)及び水酸化カリウム(34.2g、0.549mol)の混合物に、20℃にてジメチルサルフェート(57.6g、0.458mol)を滴加した。反応混合物を1時間20℃にて撹拌し、水(200mL)でクエンチした。減圧下にて得られた溶液を濃縮して過剰のイソプロピルアルコールを除去し、次いで、濃塩酸により酸性化してジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。tert-ブチルメチルエーテル/ヘプタンから濃縮及び結晶化を行うことにより、表題化合物をオフホワイト固体として得た(37g、0.132mol、93% e.e.)。
【0281】
H NMR(400MHz,dmso-d)δ 2.81(s,3H),3.40(dd,1H),3.64(d,1H),3.76(dd,1H),3.97(dd,1H),7.70-7.58(m,3H),7.76(s,1H),12.83(br s,1H).M.P.=93.1℃。
【0282】
工程B:(3S,4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボン酸(即ち、工程Aで得た生成物)(150g、0.522mol)のジクロロメタン(600mL)溶液に、温度を10℃未満に維持しながら、トリエチルアミン(57.1g、0.564mol)及びメタンスルホニルクロリド(62.8g、0.548mol)を添加した。得られた混合物を5℃にて1時間撹拌し、次いで2-フルオロアニリン(60.9g、0.548mol)を10℃未満の温度にて滴加した。反応混合物を5℃にて30分間撹拌し、次いでトリエチルアミン(57.1g、0.564mol)を10℃未満の温度にて滴加した。15℃にて1時間撹拌した後、1N 塩酸(600mL)で反応をクエンチし、有機層を収集した。次に、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(600mL)、続いて水(600mL)により有機層を洗浄した。減圧下にて濃縮し、イソプロピルアルコールから結晶化することにより、表題化合物を白色結晶性固体として得た(149g、0.392mol、99% e.e.)。
【0283】
H NMR(dmso-d)δ 2.85(s,3H),3.50-3.44(m,1H),3.84-3.79(m,1H),4.10-4.04(m,2H),7.18-7.12(m,2H),7.28-7.24(m,1H),7.66-7.59(m,2H),7.70-7.69(m,1H),7.76(s,1H),8.00-7.97(m,1H),10.13(s,1H).M.P.=141.9℃。
【0284】
合成例2
(3S,4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの代替調製
工程A:2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-「3-(トリフルオロメチル)フェニル]-エタノン1:1塩酸塩の調製
2-ブロモ-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-エタノン(8.6g、32.2mmol)、及びN-メチル-ベンゼンメタンアミン(3.7g、30.6mmol)のジクロロメタン(300mL)溶液に、炭酸カリウム(8.9g、64.4mmol)を添加し、得られた混合物を室温にて5時間撹拌した。水(20mL)を添加し、更に3時間撹拌した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、減圧下にて濾過濃縮し、淡黄色の油を得た。粗油をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、塩酸のジエチルエーテル(15mL、2M)水溶液を10分間にわたり、室温にて添加した。得られた白色スラリーを濾過し、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄して、吸引乾燥して表題生成物を白色固体として得た(9.2g)。
【0285】
H NMR(dmso-d)δ 2.81(br s,3H),4.29(br s,1H),4.47-4.52(m,1H),5.07-5.16(m,2H),7.48(br s,3H),7.62(br s,2H),7.88(br t,1H),8.14(br d,1H),8.27(d,2H),10.39(br s,1H)。
【0286】
工程B:(αS)-α-[[メチル(フェニルメチル)アミノ]メチル]-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノールの調製
2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-「3-(トリフルオロメチル)フェニル]-エタノン1:1塩酸塩(即ち、工程Aで得た生成物)(1.57g、4.57mmol)、イソプロピルアルコール(40mL)、水酸化カリウム(1.8mL、HO中に5M)を仕込んだオートクレーブ反応器に、ジクロロ[(R)-(+)-2,2’,6,6’-テトラメトキシ-4,4’-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)-3,3’ビピリジン][(1R,2R)-(+)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン]ルテニウム(II)(CAS登録番号478308-93-9)(2.3mg、0.0018mmol)を添加した。窒素を1,379kPa(200psi)で圧力を掛けて放出し(5サイクル)、続いて水素を1,379kPa(200psi)で圧力を掛けて放出する(3サイクル)ことにより、混合物を脱気し、次いで、2758kPa(400psi)の水素で圧力を掛けて、60℃にて1時間撹拌した。水素を放出し、反応混合物を減圧下にて濃縮して酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(50mL)及びブラインで洗浄してMgSO上で乾燥させ、濾過濃縮して表題生成物を薄い茶色の油として得た(1.3g、98% e.e.)。
【0287】
H NMR δ 2.34(s,3H),2.56(m,2H),3.56(d,1H),3.76(d,1H),4.78(dd,1H),7.29-7.37(m,5H),7.44(t,1H),7.53(d,2H),7.62(s,1H)。
【0288】
同様に、触媒としてジクロロ[(S)-(-)-2,2’,6,6’-テトラメトキシ-4,4’-ビス(ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ)-3,3’-ビピリジン][(1S,2S)-(-)-1,2-ジフェニルエチレンジアミン]ルテニウム(II)(CAS登録番号821793-37-7)を使用して、エナンチオマーである(αR)-α-[[メチル(フェニルメチル)アミノ]メチル]-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノールを調製した。
【0289】
工程C (βS)-β-クロロ-N-メチル-N-(フェニルメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンエタンアミンの調製
(αR)-α-[[メチル(フェニルメチル)アミノ]メチル]-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール(即ち、工程Bで得た生成物)(5.6g、18mmol)の、ジクロロメタン(100mL)氷冷溶液(5℃)に、塩化チオニル(2.3g、19.3mmol)を2分にわたり添加した。添加の完了後、氷浴を取り外し黄色混合物を23℃にて3時間撹拌し、次に重炭酸ナトリウム飽和水溶液(50mL)でクエンチし、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過濃縮し、表題生成物をオレンジ色の油として得(6.2g)、これを次工程にて直接使用した。
【0290】
(αS)-α-[[メチル(フェニルメチル)アミノ]メチル]-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンメタノール(16g、52mmol)のジクロロメタン(180mL)氷冷溶液(10℃)に、塩化メタンスルホニル(13.4g、117mmol)を2分にわたり、続いてトリエチルアミン(18mL、129mmol)を5分にわたり添加した。添加の完了後、氷浴を取り外し黄色混合物を23℃にて2時間撹拌し、次に飽和重炭酸ナトリウム溶液(100mL)でクエンチし、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過濃縮し、表題生成物をオレンジ色の油として得た(18g)。
【0291】
H NMR δ 2.29(s,3H),2.96(m,2H),3.49(d,1H),3.60(d,1H),4.91(t,1H),7.13(m,2H),7.24(m,3H),7.46(m,2H),7.56(m,2H)。
【0292】
工程D:1,3-ジメチル2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエートの調製
(βS)-β-クロロ-N-メチル-N-(フェニルメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンエタンアミン(工程Cの、6.2gの粗オレンジ色の油)のアセトニトリル(100mL)溶液に、ジメチルマロネート(2.8g、22.7mmol)、及び炭酸カリウム(5g)を周囲温度にて添加した。混合物を25℃にて24時間撹拌し、塩化アンモニウム飽和水溶液(50mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL)で抽出し、有機層を分離して減圧下にて濃縮し、淡黄色の油を得た(8.2g)。粗油をメタノール/水(40mL:10mL)から結晶化し、表題生成物(5g、97% e.e.)を白色固体として得た。
【0293】
H NMR δ 2.18(s,3H),2.60(dd,1H),2.70(dd,1H),3.40(d,1H),3.44(s,3H),3.55(d,1H),3.72(s,3H),3.73(m,1H),3.77(m,1H),7.12(m,2H),7.22-7.27(m,3H),7.36-7.40(m,3H),7.48(d,1H)。
【0294】
工程E:メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
500mLのパールシェーカーに、1,3-ジメチル2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエート(即ち、工程Dで得た生成物)(8.1g、19.1mmol)、メタノール(50mL)、及び10%パラジウム炭素(2.0g、~50%の水を含有)を添加した。混合物を、水素345kPa(50psi)で圧力を掛けて放出する(5サイクル)ことにより脱気し、次いで、水素(345kPa・50psi)下にて、24℃で6時間振盪させた。混合物を濾過してパラジウム炭素を除去し、濾液を減圧下にて濃縮して、表題生成物を白色固体として得た(5.8g、97% e.e.)。
【0295】
H NMR δ 2.96(s,3H),3.44(dd,1H),3.58(d,1H),3.79(s,3H),3.83(t,1H),4.08(q,1H),7.43(d,1H),7.48(m,2H),7.56(d,1H)。
【0296】
工程F:(3S,4S)-N-(2-フルオロフェニル)-1-メチル2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(即ち、工程Eで得た生成物)(5.8g、19.2mmol)、2-フルオロアニリン(2.6g、23mmol)、及びキシレン(50mL)の混合物を、還流温度まで12時間加熱する間に、生成したメタノールを蒸留し、ポット温度を142℃にて維持した。転化率が97%を超えるまで、反応の進行をHPLCにより監視した。混合物を、蒸留により約15mLまで濃縮し、50℃まで冷却した後ヘキサン(60mL)を添加し、氷浴により混合物を2℃まで冷却した。スラリーを濾過し、得られた濾塊をヘキサン(30mL)で洗い流し、真空下にて乾燥し、表題生成物(6.6g、97% e.e.)をオフホワイト固体として得た。
【0297】
H NMR δ 3.02(s,3H),3.47(dd,1H),3.64(d,1H),3.82(t,1H),4.19(q,1H),7.04-7.10(m,3H),7.50-7.61(m,4H),8.23(dt,1H),9.90(br s,1H)。
【0298】
メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(即ち、工程Eで得た生成物)(2.55g、8.4mmol)のメタノール(30mL)溶液に、水(10mL)、続いて4N 水酸化ナトリウム水溶液(20mL)を室温にて添加し、得られた混合物を室温にて2時間撹拌した。混合物を減圧下にて約20mLまで濃縮し、次に氷浴中で冷却し、1N 塩塩酸を用いて酸性化し、pH=2とした。得られたスラリーを酢酸エチル(50mL)で抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過濃縮して2.5gの白色固体を得た。固体をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、N,N-ジメチルホルムアミド(2滴)及び塩化オキサリル(1.0mL)を添加し、得られた混合物を1時間室温にて撹拌した後、減圧下にて濃縮し、淡黄色固体を得た。この黄色固体にジクロロメタン(50mL)、炭酸カリウム(2g)、及び2-フルオロアニリン(0.9mL)を添加し、得られた混合物を30分間室温にて撹拌した後、水(50mL)及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下にて濾過濃縮しオフホワイト固体を得、これをヘキサン/酢酸エチル(100mL~5mL)から再結晶し、表題生成物(2.38g、97% e.e.)を白色固体として得た。
【0299】
合成例3
(3S,4S)-N-(2,6-ジフルオロ-3-ピリジニル)1-メチル-2-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
工程A:(2R)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシランの調製
2-クロロ-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-エタノン(22g、98.8mmol)、アセトニトリル(85mL)、及び[N-((1[N-[(1S,2S)-2-(アミノ-κN)-1,2-ジフェニルエチル]-4-メチルベンゼンスルホンアミダート-κN]クロロ[(1,2,3,4,5,6-η)-1,3,5-トリメチルベンゼン]-ルテニウム(CAS登録番号174813-81-1、123mg、0.198mmol)の混合物に、ギ酸ナトリウム(30.3g、494mmol)の水(85mL)溶液を添加した。得られた混合物を40℃にて3.5時間撹拌し、次いで4N水酸化ナトリウム水溶液(50mL)を添加して、室温にて5時間撹拌した。有機層を分離し、減圧下にて濃縮して茶色油を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を透明油として得た(16g、94% e.e.)。
【0300】
H NMR δ 2.78(dd,1H),3.19(dd,1H),3.92(m,1H),7.40(d,2H),7.61(d,2H)。
【0301】
工程B:(βS)-β-クロロ-N-メチル-N-(フェニルメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンエタンアミンの調製
(2R)-2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]オキシラン(即ち、工程Aで得た生成物)(36.4g、193mmol)、及びN-メチル-ベンゼンメタンアミン(23.5g、193mmol)の混合物を、100℃にて3時間撹拌し(進行はHPLCにより監視した)、室温まで冷却した後ジクロロメタン(400mL)を添加し、混合物を氷浴中で5℃まで冷却した後、塩化チオニル(24.2g、203mmol)を20分にわたり添加した。氷浴を取り外し、反応混合物を周囲温度(23℃)にて5時間撹拌した。得られた黄色溶液を氷水(400mL)に注いだ。有機層を分離し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下にて濾過濃縮し、表題化合物(51g)を薄い茶色の油として得た。
【0302】
H NMR δ 2.30(s,3H),2.96(m,2H),3.49-3.60(dd,2H),4.90(t,1H),7.12(m,2H),7.23-7.29(m,3H),7.40(d,2H),7.58(d,2H)。
【0303】
工程C:1,3-ジメチル2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエートの調製
(βS)-β-クロロ-N-メチル-N-(フェニルメチル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンエタンアミン(即ち、工程Bで得た生成物)(36gの薄茶色の粗油、110mmol)のアセトニトリル(500mL)溶液に、ジメチルマロネート(17.4g、132mmol)及び炭酸カリウム(22.8g、165mmol)を周囲温度にて添加し、25℃にて24時間撹拌した。混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(300mL)で希釈し、酢酸エチル(300mL)で抽出して有機層を分離し、減圧下にて濃縮して淡黄色の油を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して表題生成物(40g)を淡黄色固体として得た。
【0304】
H NMR δ 2.19(s,3H),2.57(dd,1H),2.68(dd,1H),3.39(d,1H),3.45(s,3H),3.53(d,1H)3.71(d,1H),3.73(s,3H),3.77(m,1H),7.10(m,2H),7.22-7.28(m,5H),7.52(d,2H)。
【0305】
工程D:メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキシレート
500mLのパールシェーカーに、1,3-ジメチル2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]プロパンジオエート(即ち、工程Cで得た生成物)(44g、104mmol)、メタノール(300mL)、及び10%パラジウム炭素(8.0g、約50%の水を含有)を添加した。混合物を、水素345kPa(50psi)で圧力を掛けて放出する(5サイクル)ことにより脱気し、次いで、水素(345kPa・50psi)下にて、24℃で6時間振盪させた。混合物を濾過してパラジウム炭素を除去し、濾液を減圧下にて濃縮し、表題生成物を白色固体として得た(29g、97% e.e.)。
【0306】
H NMR δ 2.96(s,3H),3.42(dd,1H),3.57(d,1H),3.79(s,3H),3.83(dd,1H),4.07(q,1H),7.35(d,2H),7.61(d,2H)。
【0307】
工程E:(3S,4S)-N-(2,6-ジフルオロ-3-ピリジニル)1-メチル-2-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
メチル(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]3-ピロリジンカルボキシレート(即ち、上記工程Dで得た生成物)(5g、16.6mmol)、2,6-ジフルオロピリジン-3-アミン(2.37g、18.2mmol)及びキシレン(45mL)の混合物を、還流温度(142℃)まで10時間加熱する間に、生成したメタノールを蒸留し、ポット温度を142℃にて維持した。転化率が97%を超えるまで、反応の進行をHPLCにより監視した。混合物を減圧下にて濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン中の35%酢酸エチルにより溶出して5.88gのオフホワイト固体を得、これを、n-クロロブタン(50mL)及びヘキサン(75mL)から再結晶し、表題生成物(2.3g、99.8% e.e.)を白色固体として得た。
【0308】
H NMR δ 3.02(s,3H),3.48(dd,1H),3.64(d,1H),3.81(dd,1H),4.12(q,1H),6.78(dd,1H),7.49(d,2H),7.65(d,2H),8.72(m,1H),10.07(s,1H)。
【0309】
合成例4
(3S,4S)-N-(2,3-ジフルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-4-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
工程A:2-クロロ-1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エタノンの調製
5-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(20.3g、90mmol)の、冷却(-76℃)tert-ブチルメチルエーテル(500mL)溶液に、n-ブチルリチウム溶液(50mL、シクロヘキサン中に2M)を40分にわたり添加した。得られた薄茶色の溶液を30分間撹拌しながら、ドライアイス-アセトン浴中で、温度を-76℃~-72℃に維持した。2-クロロ-N-メトキシ-N-メチルアセトアミド(14.1g、103mmol)の、tert-ブチルメチルエーテル(100mL)溶液を、-70℃~-73℃にて30分にわたり添加し、得られた混合物を1時間にわたり5℃まで温め、塩酸アンモニウム飽和水溶液(300mL)でクエンチし、有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、減圧下にて濾過濃縮し表題化合物をオレンジ色の油として得た(24g)。
【0310】
H NMR δ 4.70(s,2H),7.87(d,1H),8.45(d,1H),9.26(s,1H)。
【0311】
工程B:5-(2R)-2-オキシラニル-2-(トリフルオロメチル)ピリジンの調製
2-クロロ-1[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エタノン(即ち、工程Aで得た粗生成物、22g)のアセトニトリル(200mL)溶液に、5:2ギ酸/トリエチルアミン混合物(19.6g)、及び[N-(1[N-[(1S,2S)-2-(アミノ-κN)-1,2-ジフェニルエチル]-4-メチルベンゼンスルホンアミダート-κN]クロロ[(1,2,3,4,5,6-η)-1,3,5-トリメチルベンゼン]-ルテニウム(CAS登録番号174813-81-1、500mg、0.8mmol)を添加した。得られた混合物を室温にて15時間撹拌し、その間、残留エタノンが1%未満となるまで、HPLCにより進行を監視した。反応混合物に4N水酸化ナトリウム水溶液(100mL)を添加して2時間撹拌し、有機層を分離して減圧下にて濃縮し、茶色油を得て、これをカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を淡黄色の油として得た(13.7g)。
【0312】
H NMR δ 2.82(dd,1H),3.26(dd,1H),3.99(m,1H),7.68(d,1H),7.74(d,1H),8.70(s,1H)。
【0313】
工程C:(βS)-β-クロロ-N-メチル-N-(フェニルメチル)-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジンエタンアミンの調製
5-(2R)-2-オキシラニル-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(即ち、工程Bの生成物)(13.5g、71mmol)、及びN-メチル-ベンゼンメタンアミン(9.0g、74mmol)の混合物を、100℃にて3時間撹拌し、その間、進行をHPLCにより監視した。室温まで冷却した後、ジクロロメタン(200mL)を添加し、混合物を氷浴中で10℃まで冷却した後、塩化チオニル(10.2g、86mmol)を30分にわたり添加した。氷浴を取り外し、反応混合物を室温(23℃)にて2時間撹拌した。黄色溶液を氷水(200mL)に注ぎ、有機層を分離して重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、減圧下にて濾過濃縮し表題化合物(14g)を薄い茶色の油として得た。
【0314】
H NMR δ 2.33(s,3H),2.95(m,2H),3.45(d,1H),3.58(d,1H),4.88(t,1H),7.05(m,2H),7.21-7.23(m,3H),7.60(d,1H),7.72(d,1H),8.60(s,1H)。
【0315】
工程D:1,3-ジメチル-2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]プロパンジオエートの調製
(βS)-β-クロロ-N-メチル-N-(フェニルメチル)-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジンエタンアミン(即ち、工程Cで得た生成物)(前工程からの、14gの粗薄茶色油)のアセトニトリル(250mL)溶液に、マロン酸ジメチルナトリウム(16g、104mmol、テトラヒドロフラン中の水素化ナトリウム及びジメチルマロネートから新規に調製)を周囲温度にて添加し、25℃にて24時間撹拌した。混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(100mL)で希釈し、酢酸エチル(200mL)で抽出し、有機層を分離し、減圧下にて濃縮して淡黄色油を得た。粗油をカラムクロマトグラフィーにより精製した、表題生成物(29g)を淡黄色固体として得た。
【0316】
H NMR δ 2.22(s,3H),2.60(dd,1H),2.68(dd,1H),3.36(d,1H),3.49(s,3H),3.54(d,1H),3.74(s,3H),3.75-3.78(m,2H),7.04-7.06(m,2H),7.21-7.24(m,3H),7.55(d,1H),7.60(d,1H),8.52(s,1H)。
【0317】
工程E:メチル-(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
500mLのパールシェーカーに、1,3-ジメチル2-[(1S)-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]-1-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]エチル]プロパンジオエート(即ち、工程Dで得た生成物)(14g、33mmol)、メタノール(80mL)、及び5%パラジウム炭素(2.3g)を添加した。混合物を、水素で345kPa(50psi)まで圧力を掛けて放出する(5サイクル)ことにより脱気し、次いで、水素(345kPa・50psi)下にて、24℃で6時間振盪させた。混合物を濾過してパラジウム炭素を除去し、濾液を減圧下にて濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題生成物を白色固体として得た(7.2g、77% e.e.)。
【0318】
H NMR δ 2.97(s,3H),3.44(dd,1H),3.57(d,1H),3.81(s,3H),3.87(dd,1H),4.13(q,1H),7.69(d,1H),7.75(d,1H),7.86(s,1H)。
【0319】
工程F:(3S,4S)-N-(2,3-ジフルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-4-[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジニル]-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
メチル-(3R,4S)-1-メチル-2-オキソ-4-[6-(トリフルオロメチル)3-ピリジニル]-3-ピロリジンカルボキシレート(即ち、工程Eで得た生成物)(9.3g、31mmol、77% e.e.)、及び2,3-ジフルオロアニリン(18g、142mmol)の混合物を135℃にて10時間加熱し、転化率が98%を超えるまで、反応の進行をHPLCにより監視した。混合物を周囲温度まで冷却し、得られた固化残留物を、ジクロロメタン(50mL)によりスラリー化し、n-クロロブタン(50mL)を周囲温度にて30分間添加し、スラリーを濾過して吸引乾燥させ、表題生成物(7.1g、98% e.e.)をオフホワイト固体として得た。
【0320】
H NMR δ 3.04(s,3H),3.53(dd,1H),3.64(d,1H),3.83(dd,1H),4.19(q,1H),6.87-6.93(m,1H),7.00-7.05(m,1H),7.71(d,1H),7.90(d,1H),7.95(t,1H),8.79(s,1H),10.0(s,1H)。
【0321】
合成例5
メチル-(3S,4S)-4-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]-N-(2,3-ジフルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
工程A:2-(ジフルオロメトキシ)-4-(1-エトキシエテニル)-6-メチル-ピリジンの調製
窒素で脱気した無水N,N-ジメチルホルムアミド(660mL)に、トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(73g、202mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.7g、8.39mmol)、続いて4-ブロモ-2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-ピリジン(40g、168mmol)を添加した。得られた反応混合物を、撹拌しながら80℃にて加熱した。40時間後、追加量のパラジウム触媒(2.0g、1.7mmol)を導入し、反応が完了したと測定されるまで、加熱を続けた(57時間)。周囲温度まで冷却すると、反応混合物を、フッ化カリウム(122g、2.1mol)の撹拌水溶液(0.9L)に注ぎ、得られた懸濁液をCelite(登録商標)珪藻土濾過助剤に通して濾過した。濾塊をジエチルエーテルにより完全に洗浄し、濾液を分液漏斗に注いだ。水層を分離し、ジエチルエーテル/ヘキサンの混合物(1:1)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて、低温浴(14℃)中で1/4体積まで濃縮した。残存する粗物質をシリカゲルクロマトグラフィー(20:1~8:1の、酢酸エチル中のヘキサン)により精製し、表題化合物を油として得た(35.8g)。
【0322】
H NMR δ 1.43(t,3H),2.47(s,3H),3.91(q,2H),4.35(d,1H),4.80(d,1H),6.92(s,1H),7.15(s,1H),7.51(t,1H)。
【0323】
工程B:2-ブロモ-1-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]エタノンの調製
テトラヒドロフラン(1.05L)及び(72mL)中で撹拌している2-(ジフルオロメトキシ)-4-(1-エトキシエテニル)-6-メチル-ピリジン(即ち、工程Aで得た生成物)(35g、0.153mol)に、N-ブロモスクシンイミド(32.7g、0.184mol)を添加した。反応混合物を完了するまで、周囲温度にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残存する水性混合物をジクロロメタン(80mL)と水(50mL)との間で分画した。水層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を亜硫酸水素ナトリウム水溶液、水、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過した。濾液を減圧下にて濃縮し、残留粗油をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物をオフホワイト固体として得た(38g)。
【0324】
H NMR δ 2.56(s,3H),4.37(s,2H),7.15(s,1H),7.40(s,1H),7.52(t,1H)。
【0325】
工程C:2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-(2R)-2-オキシラニルピリジンの調製
2-ブロモ-1-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]エタノン(即ち、工程Bで得た生成物)(15.0g、53.56mmol)の、アセトニトリル(無水、265mL)撹拌溶液に、ギ酸/トリエチルアミン複合体(5:2、9.74g)、続いて[N-(1[N-[(1S,2S)-2-(アミノ-κN)-1,2-ジフェニルエチル]-4-メチルベンゼンスルホンアミダート-κN]クロロ[(1,2,3,4,5,6-η)-1,3,5-トリメチルベンゼン]-ルテニウム(CAS登録番号174813-81-1、123mg、0.198mmol)(1.13mg、1.823mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度にて撹拌した。反応は10分で完了した(この、中間体2-ブロモ-1-(2-ジフルオロメトキシ-6-メチル-ピリジン-4-イル)-エタノールの鏡像異性体過剰率を測定すると、93%であった)。反応混合物を10℃まで冷却した。反応温度を10℃に維持しながら、水酸化ナトリウム(54mL、HO中に4N)を5分にわたり滴加した。得られた混合物を室温にて50分間撹拌した。層を分離した。水層をジエチルエーテルで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させて濾過した。得られた溶液を減圧下にて濃縮することにより、表題生成物を、次工程にて使用する暗色油として得た(7.5g)。
【0326】
H NMR δ 2.45(s,3H),2.73(dd,1H),3.16(dd,1H),3.80(dd,1H),6.62(s,1H),6.85(s,1H),7.49(t,1H)。
【0327】
工程D:(βS)-β-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)-N,6-ジメチル-N-(フェニルメチル)-4-ピリジンエタンアミンの調製
冷却水冷却管を装着した丸底フラスコ内の、2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-(2R)-2-オキシラニルピリジン(即ち、工程Cで得た生成物)(25g、0.124mol)、及びN-メチル-ベンゼンメタンアミン(15.76g、0.13mol)の混合物を、100℃まで1時間、撹拌しながら温めた。混合物を周囲温度まで冷却し、ジクロロメタン(250mL)を添加した。本溶液を-5℃まで冷却し、塩化チオニル(18g、0.151mol、50mLのジクロロメタン中に希釈)を、反応温度を5℃未満に維持する速度にて添加した。添加後、反応混合物を更に室温にて13時間撹拌し、注意深く水に添加した。混合物のpHを、重炭酸ナトリウム水溶液を用いて~8に調節した。水層を分離し、ジクロロメタンで2回抽出した。合わせた有機部分をMgSO上で乾燥させ、減圧下にて濾過濃縮し、表題生成物を油として得(38g)、これを次工程にて直接使用した。
【0328】
H NMR δ 2.31(s,3H),2.43(s,3H),2.89(d,2H),3.48(d,1H),3.59(d,1H),6.60(s,1H),6.81(s,1H),7.14-7.27(m,5H),7.50(t,1H)。
【0329】
工程E:1,3-ジメチル-2-[(1S)-1-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]エチル]プロパンジオエートの調製
(βS)-β-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)-N,6-ジメチル-N-(フェニルメチル)-4-ピリジンエタンアミン(即ち、工程Dで得た粗茶色油)(54g、158mmol)のアセトニトリル(750mL)溶液に、マロン酸ジメチルナトリウム(34g、221mmol、水素化ナトリウム及びジメチルマロネート及びテトラヒドロフランから新規に調製)を周囲温度にて添加し、周囲温度にて24時間撹拌した。混合物を飽和NHCl(水溶液)(500mL)で抽出し、酢酸エチル(750mL)で抽出した。有機層を分離し、減圧下にて濃縮して淡黄色の油を得た。粗油をカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題生成物(56g、80% e.e.)を、ジメチルマロネートで汚染された淡黄色の油として得た。メタノール(500mL)を添加し、周囲温度にて20時間撹拌した。白色固体(表題化合物の生成物の、少ないe.e.率を占めていた)を濾過により除去した。濾液を減圧下にて濃縮し、表題生成物(47g、94% e.e.)を、ジメチルマロネートもまた含有する淡黄色の油として得た。
【0330】
H NMR δ 2.19(s,3H),2.41(s,3H),2.51-2.60(m,2H),3.38(d,1H),3.53(s,3H),3.54(d,1H),3.64-3.69(m,2H),3.73(s,3H),6.45(s,1H),6.71(s,1H),7.13-7.14(m,2H),7.23-7.28(m,3H),7.48(t,1H)。
【0331】
工程F:メチル(3R,4S)-4-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]-1-メチル2-オキソ-3-ピロリジンカルボキシレートの調製
500mLのパールシェーカーに、1,3-ジメチル-2-[(1S)-1-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]-2-[メチル(フェニルメチル)アミノ]エチル]プロパンジオエート(即ち、工程Eで得た生成物)(16g、36.7mmol)、メタノール(100mL)、及び10%パラジウム炭素(8g)を添加した。窒素-水素(3サイクル)により混合物を脱気し、水素345kPa(50psi)下で、周囲温度にて2時間振盪させた。混合物を濾過してパラジウム(0)炭素を除去し、濾液を減圧下にて濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物を白色固体として得た(9.9g)。
【0332】
H NMR δ 2.46(s,3H),2.95(s,3H),3.38(dd,1H),3.53(d,1H),3.81(s,3H),3.80-3.82(m,1H),3.95(dd,1H),6.55(s,1H),6.79(s,1H),7.50(t,1H)。
【0333】
工程G:メチル(3S,4S)-4-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]-N-(2,3-ジフルオロフェニル)-1-メチル-2-オキソ-3-ピロリジンカルボキサミドの調製
メチル(3R,4S)-4-[2-(ジフルオロメトキシ)-6-メチル-4-ピリジニル]-1-メチル2-オキソ-3-ピロリジンカルボキシレート(即ち、工程Fで得た生成物)(29g、92.2mmol)、2,3-ジフルオロアニリン(15.3g、118mmol)、及び(300mL)の混合物を142℃にて16時間加熱し、転化率が98%を超えるまで、反応の進行をNMRにより監視した。周囲温度まで冷却した後、混合物を減圧下にて、50mLまで濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題生成物(32g、94% e.e.)をオフホワイト固体として得た。
【0334】
H NMR δ 2.48(s,3H),3.01(s,3H),3.43(dd,1H),3.62(d,1H),3.78(dd,1H),4.06(dd,1H),6.69(s,1H),6.88-6.93(m,1H),6.95(s,1H),7.01-7.05(m,1H),7.51(t,1H),7.97-8.01(m,1H),10.03(s,1H)。