(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】モータ駆動装置、制御方法、車両及び可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H02P 27/06 20060101AFI20221227BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20221227BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20221227BHJP
B60L 53/24 20190101ALI20221227BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20221227BHJP
B60L 58/25 20190101ALI20221227BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221227BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20221227BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
H02P27/06
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/24
B60L58/12
B60L58/25
H02J7/00 P
H02J7/00 L
H02M7/48 E
H02M7/48 F
H02M3/155 H
H02M3/155 W
(21)【出願番号】P 2021536283
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 CN2019125979
(87)【国際公開番号】W WO2020125626
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-20
(31)【優先権主張番号】201811574157.X
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】廉玉波
(72)【発明者】
【氏名】凌和平
(72)【発明者】
【氏名】潘▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼▲飛▼▲躍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼利▲軍▼
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-233355(JP,A)
【文献】特開2014-230434(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0019174(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 27/06
B60L 50/60
B60L 53/14
B60L 53/24
B60L 58/12
B60L 58/25
H02J 7/00
H02M 7/48
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次接続された三相インバータ、三相モータ及び降圧側コンデンサを含み、
前記降圧側コンデンサは給電モジュールの正極及び負極に接続され、前記三相インバータの第1の端は動力電池の正極に接続され、前記三相インバータの第2の端は前記動力電池の負極に接続され、前記降圧側コンデンサの第1の端は前記三相モータの三相コイルの接続点に接続され、前記降圧側コンデンサの第2の端は前記三相インバータの第2の端に接続され、前記三相モータの三相コイルはそれぞれ前記三相インバータの三相アームの中間点に接続され
、
前記給電モジュールが前記動力電池を充電する際に、前記三相インバータは、前記三相モータの各相電流の電流値とその方向を調整して、前記三相インバータを加熱する、モータ駆動装置。
【請求項2】
インダクタをさらに含み、
前記インダクタは前記三相モータの三相コイルの接続点と前記降圧側コンデンサの第1の端との間に接続される、
請求項1に記載のモータ駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモータ駆動装置の制御方法であって、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するステップと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、前記三相モータの各相電流の電流値及び方向を調整することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ
を流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するステップと、
を含む、
モータ駆動装置の制御方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のモータ駆動装置の制御方法であって、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するステップと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、前記三相モータの目標入力電流、及び、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を、取得するステップと、
前記目標入力電流に基づいて前記給電モジュールの入力電流を受け入れ、かつ、前記第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ
を流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するステップと、
を含む、
モータ駆動装置の制御方法。
【請求項5】
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、前記三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップは、
前記降圧側コンデンサの目標電圧を取得するステップと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力、モータのゼロトルク出力及び前記目標電圧に基づいて、前記三相モータの目標入力電流を計算するステップと、
を含む、
請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、前記三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップは、さらに、
モータ回転子の位置、前記必要な加熱電力、前記目標入力電流及びモータのゼロトルク出力に基づいて、前記三相モータの各相電流の目標電流を取得するステップと、
前記各相電流の目標電流、前記目標入力電流、前記降圧側コンデンサの目標電圧及び前記動力電池の電圧に基づいて、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップと、
を含む、
請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
モータ回転子の位置、前記必要な加熱電力、前記目標入力電流及びモータのゼロトルク出力に基づいて、各相電流の目標電流を取得する前記ステップは、
前記必要な加熱電力、モータ回転子の位置及びモータのゼロトルク出力に基づいて、
式1、
【数1】
式2、IA+IB+IC=I
式3、P=(IA×IA+IB×IB+IC×IC)×R
(式中、αは回転子ヒステリシス角度であり、IA、IB、ICは三相コイルの各相電流であり、Iは前記目標入力電流であり、Teはモータのゼロトルク出力であり、λ、ρ、L
d、L
qはモータパラメータであり、Pは加熱電力であり、Rは三相モータの等価インピーダンスである)
に従って、三相モータの各相電流の目標電流を計算するステップを含む、
請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
前記各相電流の目標電流、前記目標入力電流、前記降圧側コンデンサの目標電圧及び前記動力電池の電圧に基づいて、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得する前記ステップは、
前記降圧側コンデンサの目標電圧、前記目標入力電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得するステップと、
前記平均デューティ比、前記目標入力電流、前記各相電流の目標電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップと、
を含む、
請求項6又は7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記降圧側コンデンサの目標電圧、前記目標入力電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得する前記ステップは、
前記降圧側コンデンサの目標電圧、前記目標入力電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、
U
2=U
1×D
0-I×R
(式中、U
2は降圧側コンデンサの目標電圧であり、U
1は動力電池の電圧であり、D
0は三相モータ制御パルスの平均デューティ比であり、Iは前記目標入力電流であり、Rは三相モータの等価インピーダンスである)
に従って、三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得するステップと、
前記平均デューティ比、前記目標入力電流、前記各相電流の目標電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、
【数2】
(式中、I
1は各相電流の目標電流であり、R
1は各相コイルの等価抵抗であり、D
1は各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比である)
に従って、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップと、
を含む、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記モータ駆動装置はさらにインダクタを含み、
前記降圧側コンデンサの目標電圧、前記目標入力電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得する前記ステップは、
前記降圧側コンデンサの目標電圧、前記目標入力電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、
U
2=U
1×D
0-I×R-I×R
L
(式中、U
2は降圧側コンデンサの目標電圧であり、U
1は動力電池の電圧であり、D
0は三相モータ制御パルスの平均デューティ比であり、Iは前記目標入力電流であり、Rは三相モータの等価インピーダンスであり、R
Lはインダクタインピーダンスである)
に従って、三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得するステップと、
前記平均デューティ比、前記目標入力電流、前記各相電流の目標電流及び前記動力電池の電圧に基づいて、
【数3】
(式中、I
1は各相電流の目標電流であり、R
1は各相コイルの等価抵抗であり、D
1は各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比である)
に従って、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップと、
を含む、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項11】
前記第1の目標デューティ比に基づいて、各相アームを制御する前記ステップの後に、さらに、
前記三相モータの実際入力電流を取得し、前記三相モータの実際入力電流及び目標入力電流に基づいて、PID調節器によりPID制御演算を行って、三相モータ制御パルスの平均デューティ比の変化量を取得するステップと、
前記第1の目標デューティ比及び前記平均デューティ比の変化量に基づいて、第2の目標デューティ比を取得するステップと、
前記第2の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ
を流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するステップと、
を含む、
請求項4に記載の制御方法。
【請求項12】
前記三相モータの実際入力電流及び目標入力電流に基づいて、PID調節器によりPID制御演算を行って三相モータ制御パルスの平均デューティ比の変化量を取得する前記ステップは、
前記三相モータの実際入力電流と目標入力電流との電流差分値を取得するステップと、
前記三相モータの実際入力電流が前記目標入力電流より大きい場合、前記電流差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、前記三相モータ制御パルスの平均デューティ比の変化増分を計算するステップと、
前記三相モータの実際入力電流が前記目標入力電流より小さい場合、前記電流差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、前記三相モータ制御パルスの平均デューティ比の変化減分を計算するステップと、
を含む、
請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記第1の目標デューティ比に基づいて、各相アームを制御する前記ステップの後に、さらに、
前記各相電流の実際電流を取得し、前記各相電流の実際電流及び目標電流に基づいて、PID調節器によりPID制御演算を行って各相アームの制御パルスのデューティ比の変化量を取得するステップと、
前記第1の目標デューティ比及び前記デューティ比の変化量に基づいて、第3の目標デューティ比を取得するステップと、
前記第3の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ
を流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するステップと、
を含む、
請求項4~10のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項14】
前記各相電流の実際電流及び目標電流に基づいて、PID調節器によりPID制御演算を行って各相アームの制御パルスのデューティ比の変化量を取得する前記ステップは、
各相電流の実際電流と目標電流との間の電流差分値を取得するステップと、
前記各相電流の目標電流が前記実際電流より大きい場合、前記電流差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、該相アームのデューティ比の変化増分を計算するステップと、
前記各相電流の目標電流が前記実際電流より小さい場合、前記電流差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、該相アームのデューティ比の変化減分を計算するステップと、を含む、
請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するデータ取得モジュールと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、前記三相モータの各相電流の電流値及び方向を調整することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ
を流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御する制御モジュールと、
をさらに含む、
請求項1又は2に記載のモータ駆動装置。
【請求項16】
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するデータ取得モジュールと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、前記三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得する目標デューティ比取得モジュールと、
前記目標入力電流に基づいて前記給電モジュールの入力電流を受け入れ、かつ、前記第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ
を流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するPWM制御モジュールと、
をさらに含む、
請求項1又は2に記載のモータ駆動装置。
【請求項17】
メモリ、プロセッサを含み、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み取って、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行することにより、請求項3~14のいずれか一項に記載の制御方法を実現する、車両。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、請求項3~14のいずれか一項に記載の制御方法を実現する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連開示の相互参照)
本開示は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2018年12月21日に提出した、発明の名称「モータ駆動装置、制御方法、車両及び可読記憶媒体」の中国特許出願第「201811574157.X」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、モータ駆動の技術分野に関し、特にモータ駆動装置、制御方法、車両及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、エネルギー危機及び環境汚染の問題が日々深刻になり、電気自動車は、新規な交通機関として、「ゼロエミッション」を実現することができるだけでなく、構造が簡単で、エネルギー利用率が高く、騒音が小さいなどの利点を有するため、今後の自動車の発展において主導的地位を占める。直流ラインが架設された新エネルギー自動車は、直流給電ラインにより電気エネルギーを取得して、三相モータがトルクを出力するように駆動することができる。低温環境での車両の走行を考慮すると、車両はさらに加熱機能を備え、すなわち、車両内部の低温装置を加熱する必要があり、また、動力電池の電力量が低い場合、動力電池を充電する必要がある。現在、三相モータのトルク出力過程、車両内部の装置への加熱過程及び動力電池への充電過程がいずれもそれぞれ制御されるため、車両内部の全体制御ポリシーが複雑となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、動力電池への充電過程、三相モータのトルク出力過程及び車両内部装置への加熱過程を同時に制御することを実現することができる、モータ駆動装置、制御方法、車両及び可読記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は以下のようにして実現される。本開示の第1の態様は、モータ駆動装置を提供し、前記モータ駆動装置は、順次接続された三相インバータ、三相モータ及び降圧側コンデンサを含み、前記降圧側コンデンサは給電モジュールの正極及び負極に接続され、前記三相インバータの第1の端は動力電池の正極に接続され、前記三相インバータの第2の端は動力電池の負極に接続され、前記降圧側コンデンサの第1の端は前記三相モータの三相コイルの接続点に接続され、前記降圧側コンデンサの第2の端は前記三相インバータの第2の端に接続され、前記三相モータの三相コイルはそれぞれ前記三相インバータの三相アームの中間点に接続される。
【0006】
本開示の第2の態様は、第1の態様のモータ駆動装置の制御方法を提供し、前記モータ駆動装置の制御方法は、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するステップと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの各相電流の電流値及び方向を調整することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ又は前記三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するステップと、を含む。
【0007】
本開示の第3の態様は、第1の態様のモータ駆動装置の制御方法を提供し、前記モータ駆動装置の制御方法は、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するステップと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップと、
前記目標入力電流に基づいて前記給電モジュールの入力電流を受け入れ、かつ前記第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ又は前記三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するステップと、を含む。
【0008】
本開示の第4の態様は、モータ駆動装置を提供し、前記モータ駆動装置は、第1の態様のモータ駆動装置において、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するデータ取得モジュールと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの各相電流の電流値及び方向を調整することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ又は前記三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御する制御モジュールと、をさらに含む。
【0009】
本開示の第5の態様は、モータ駆動装置を提供し、前記モータ駆動装置は、第1の態様のモータ駆動装置において、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するデータ取得モジュールと、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得する目標デューティ比取得モジュールと、
前記目標入力電流に基づいて前記給電モジュールの入力電流を受け入れ、かつ前記第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ又は前記三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するPWM制御モジュールと、をさらに含む。
【0010】
本開示の第6の態様は、車両を提供し、前記車両は、メモリ、プロセッサを含み、前記プロセッサは、前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み取って、前記実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行することにより、第2の態様又は第3の態様の制御方法を実現する。
【0011】
本開示の第7の態様は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、第2の態様又は第3の態様の制御方法を実現する。
【発明の効果】
【0012】
本開示の技術手段は、モータ駆動装置、制御方法、車両及び可読記憶媒体を提供し、モータ駆動装置の制御方法は、必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するステップと、必要な加熱電力、必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップと、目標入力電流に基づいて給電モジュールの入力電流を受け入れ、かつ前記第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、給電モジュールの動力電池への充電過程、三相モータのゼロトルク出力、及び三相インバータと三相モータに三相インバータ又は三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するステップと、を含む。本開示の技術手段は、昇圧充電モジュール及び加熱モジュールを追加することなく、ゼロトルク出力と、動力電池の充電と、動力電池の加熱との協調制御方法を実現し、直流給電ラインを部分的に架設した車両に求められるゼロトルク出力と、電池充電と、電池加熱機能との協調動作の問題を効果的に解決し、加熱機能により動力電池を加熱するだけでなく、乗員室を加熱することができ、回路構造が簡単であり、コストが低く、かつ失効リスクが小さいなどの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0014】
【
図1】本開示の実施例1のモータ駆動装置の回路図である。
【
図2】本開示の実施例1のモータ駆動装置の別の回路図である。
【
図3】本開示の実施例2のモータ駆動装置の制御方法のフローチャートである。
【
図4】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法のフローチャートである。
【
図5】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法におけるステップS21のフローチャートである。
【
図6】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法におけるステップS21の別のフローチャートである。
【
図7】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法におけるステップS22より後のフローチャートである。
【
図8】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法におけるステップS23のフローチャートである。
【
図9】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法におけるステップS22より後の別のフローチャートである。
【
図10】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法におけるステップS26のフローチャートである。
【
図11】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法の制御構造ブロック図である。
【
図12】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法における三相制御パルスの概略図である。
【
図13】本開示の実施例3のモータ駆動装置の制御方法における電流分配概略図である。
【
図14】本開示の実施例4のモータ駆動装置の概略構造図である。
【
図15】本開示の実施例5のモータ駆動装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照して、本開示をさらに詳細に説明する。なお、ここに記載する具体的な実施例は、本開示を解釈するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0016】
本開示の技術手段を説明するために、以下、具体的な実施例により説明する。
【0017】
本開示の実施例1は、モータ駆動装置を提供し、
図1に示すように、モータ駆動装置は、順次接続された三相インバータ101、三相モータ102及び降圧側コンデンサC2を含み、降圧側コンデンサC2は給電モジュール103の正極及び負極に接続され、三相インバータ101の第1の端は動力電池104の正極に接続され、三相インバータ101の第2の端は動力電池104の負極に接続され、降圧側コンデンサC2の第1の端は三相モータ102の三相コイルの接続点に接続され、降圧側コンデンサC2の第2の端は三相インバータ101の第2の端に接続され、三相モータ102の三相コイルはそれぞれ三相インバータ101の三相アームの中間点に接続される。
【0018】
三相インバータ101について、具体的には、三相インバータ101は、第1のパワースイッチユニット、第2のパワースイッチユニット、第3のパワースイッチユニット、第4のパワースイッチユニット、第5のパワースイッチユニット及び第6のパワースイッチユニットを含み、第1のパワースイッチユニット、第3のパワースイッチユニット及び第5のパワースイッチユニットの入力端は、共通接続され、三相インバータ101の第1の端を構成し、第2のパワースイッチユニット、第4のパワースイッチユニット及び第6のパワースイッチユニットの出力端は、共通接続され、三相インバータ101の第2の端を構成し、三相モータ102の第1相のコイルは、第1のパワースイッチユニットの出力端及び第4のパワースイッチユニットの入力端に接続され、三相モータ102の第2相のコイルは、第3のパワースイッチユニットの出力端及び第6のパワースイッチユニットの入力端に接続され、三相モータ102の第3相のコイルは、第5のパワースイッチユニットの出力端及び第2のパワースイッチユニットの入力端に接続される。
【0019】
三相インバータ101には、第1のパワースイッチユニットは、第1の上アームVT1及び第1の上アームダイオードVD1を含み、第2のパワースイッチユニットは、第2の下アームVT2及び第2の下アームダイオードVD2を含み、第3のパワースイッチユニットは、第3の上アームVT3及び第3の上アームダイオードVD3を含み、第4のパワースイッチユニットは、第4の下アームVT4及び第4の下アームダイオードVD4を含み、第5のパワースイッチユニットは、第5の上アームVT5及び第5の上アームダイオードVD5を含み、第6のパワースイッチユニットは、第6の下アームVT6及び第6の下アームダイオードVD6を含み、三相モータ102は、三相四線式であり、永久磁石同期モータ又は非同期モータであってよく、三相コイルの連結中間点から中性線が引き出され、中性線は、給電モジュール103に接続され、モータの三相コイルは、それぞれ三相インバータ101におけるA、B、C相上下アームの間の中間点に接続される。
【0020】
給電モジュール103について、直流充電スタンドが提供した直流電流であってもよく、単相、三相交流充電スタンドが整流した後に出力した直流電流であってもよく、燃料電池が発電した電気エネルギーであってもよく、エンジンなどのレンジエクステンダが回転して発電機を発電するように駆動し、発電機コントローラにより整流された直流電流などの電源形式であってもよい。
【0021】
本開示の実施例では、動力電池、三相インバータ、三相モータ及び給電モジュールの接続構造を設置することにより、三相モータの三相コイルの接続点により給電モジュールに接続され、給電モジュールが入力した電流を受け入れ、モータ駆動装置が加熱及び充電を行う必要がある場合、必要な加熱電力、必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力を取得し、必要な加熱電力、必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相インバータの三相アームを制御することにより、加熱過程、充電過程及びモータのゼロトルク出力過程を同時に行う。
【0022】
さらに、
図2に示すように、モータ駆動装置は、インダクタL、スイッチK1及びスイッチK2をさらに含み、スイッチK1の第1の端は三相モータ102の三相コイルの接続点に接続され、スイッチK1の第2の端はインダクタLの第1の端に接続され、インダクタLの第2の端は降圧側コンデンサC2の第1の端に接続され、降圧側コンデンサC2の第2の端はスイッチK2の第1の端に接続され、スイッチK2の第2の端は三相インバータ101の第2の端に接続される。
【0023】
インダクタLは、フィルタリング及びエネルギー貯蔵を行い、スイッチK1及びスイッチK2は、給電モジュール103のオンオフを制御する。
【0024】
本開示の実施例2は、実施例1のモータ駆動装置の制御方法を提供し、
図3に示すように、モータ駆動装置の制御方法は、以下のステップS10~S11を含む。
【0025】
ステップS10では、必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得する。
【0026】
ステップS10では、必要な加熱電力は、車両コントローラにより加熱対象の部材の温度を検出することにより取得した加熱電力であってよく、加熱対象の部材は充電電池であってよく、必要な充電電力は、車両コントローラが動力電池の現在の電力量状態に基づいて取得した充電電力であり、この場合、車両は非駆動状態にあり、モータのトルク出力値はゼロである。
【0027】
ステップS11では、必要な加熱電力、必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの各相電流の電流値及び方向を調整することにより、給電モジュールの動力電池への充電過程、三相モータのゼロトルク出力、及び三相インバータと三相モータに三相インバータ又は三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御する。
【0028】
ステップS11では、各相電流の電流方向とは、三相コイルに流入する方向又は三相コイルから流出する方向であり、各相電流の電流値とは、三相コイルに流入するか又は三相コイルから流出する電流の大きさであり、例えば、三相インバータにおけるA相アームに接続されたコイルから三相モータに流入し、三相インバータにおけるB相及びC相アームに接続されたコイルから三相モータを流出し、三相モータの各相電流の電流大きさを調整することにより必要な加熱電力及びゼロトルク出力を調整することができ、かつ三相モータの各相電流の電流大きさの和が三相モータの三相コイルの接続点の入力電流に等しいため、該入力電流により充電電力を調整することができ、三相モータの各相電流の電流大きさ及び方向を調整することにより、給電モジュールの動力電池への充電過程、三相モータのゼロトルク出力、及び三相インバータと三相モータに三相インバータ又は三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御することができる。
【0029】
本開示は、必要な加熱電力、必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの各相電流の電流大きさ及び方向を調整することにより、昇圧充電モジュール及び加熱モジュールを追加することなく、ゼロトルク出力と、動力電池の充電と、動力電池の加熱との協調制御方法を実現し、直流給電ラインを部分的に架設した車両に求められるトルク出力と、電池充電と、電池加熱機能との協調動作の問題を効果的に解決し、加熱機能により動力電池を加熱するだけでなく、乗員室を加熱することができ、回路構造が簡単であり、コストが低く、かつ失効リスクが小さいなどの利点を有する。
【0030】
本開示の実施例3は、実施例1のモータ駆動装置の制御方法を提供し、
図4に示すように、モータ駆動装置の制御方法は、以下のステップS20~S22を含む。
【0031】
ステップS20では、必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得する。
【0032】
ステップS21では、必要な加熱電力、必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得する。
【0033】
ステップS22では、目標入力電流に基づいて給電モジュールの入力電流を受け入れ、かつ第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、給電モジュールの動力電池への充電過程、三相モータのゼロトルク出力、及び三相インバータと三相モータに三相インバータ又は三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御する。
【0034】
ステップS20について、ステップS20がステップS10と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0035】
ステップS21について、三相モータの目標入力電流とは、給電モジュールが三相モータに出力する電流であり、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比とは、各相アームに出力された、各相アーム上のパワースイッチユニットのオン/オフを制御するPWM信号のデューティ比であり、必要な加熱電力、必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて三相モータの目標入力電流を計算して取得し、さらに目標入力電流に基づいて各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を計算する。
【0036】
1つの実施形態として、
図5に示すように、ステップS21は、以下のステップS211~ステップS212を含む。
【0037】
ステップS211では、降圧側コンデンサの目標電圧を取得する。
【0038】
ステップS211では、動力電池の現在電圧を取得し、給電モジュールと通信して給電モジュールの最高出力電圧を取得し、動力電池の現在電圧及び給電モジュールの最高出力電圧に基づいて降圧側コンデンサの目標電圧を確定し、降圧側コンデンサの目標電圧は、1、降圧側コンデンサの目標電圧が給電モジュールの最高出力電圧より小さいという要件と、2、降圧側コンデンサの目標電圧が動力電池の現在電圧より小さいという要件と、3、降圧側コンデンサの目標電圧として、できるだけ大きい値を選択するが、上記1及び2の要件を満たし、一定の電圧マージンを残すという要件とを満たし、したがって、降圧側コンデンサの目標電圧を、動力電池の現在電圧と充電スタンドの最高出力電圧の両者のうちの最小値にすることができる。
【0039】
車両の制御モジュールと給電モジュールとのインタラクティブ過程は以下のステップ1~ステップ5を含む。
【0040】
ステップ1では、制御モジュールにおけるBMS(BATTERY MANAGEMENT SYSTEM、電源管理システム)は、メッセージにより給電モジュールの最高出力電圧を取得する。
【0041】
ステップ2では、BMSは、給電モジュールの最高出力電圧及び動力電池の現在電圧に基づいて、一定のマージンを残す場合、降圧側コンデンサ電圧の目標値を取得し、制御モジュールに送信する。
【0042】
ステップ3では、制御モジュールにおけるモータコントローラは、降圧側コンデンサの目標電圧に基づいて、三相の平均デューティ比を制御することにより、降圧側コンデンサ電圧を目標電圧値に達させる。
【0043】
ステップ4では、BMSは、メッセージにより外部給電モジュールに車両端の電圧値(すなわち、降圧側の電圧値)を通知する。
【0044】
ステップ5では、外部給電モジュールは、降圧側の電圧値を検出し、メッセージにより受信された電圧値と比較し、両者の差分値が所定の基準を満たすと、充電を開始する。
【0045】
ステップS212では、必要な加熱電力、必要な充電電力、モータのゼロトルク出力及び目標電圧に基づいて、三相モータの目標入力電流を計算する。
【0046】
ステップS212では、式
【数1】
に基づいて目標入力電流を計算し、式中、Pは必要な加熱電力であり、P
2は必要な充電電力であり、U
2は降圧側コンデンサの目標電圧である。
【0047】
さらに、
図6に示すように、ステップS21は、以下のステップS213~ステップS214をさらに含む。
【0048】
ステップS213では、モータ回転子の位置、必要な加熱電力、目標入力電流及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの各相電流の目標電流を取得する。
【0049】
ステップS213は、
モータ回転子の位置、必要な加熱電力、目標入力電流及びモータのゼロトルク出力に基づいて、式1、
【数2】
式2、IA+IB+IC=I
式3、P=(IA×IA+IB×IB+IC×IC)×R(式中、αは回転子ヒステリシス角度であり、IA、IB、ICは三相モータの各相電流の目標電流であり、Iは目標入力電流であり、Teはモータのゼロトルク出力であり、λ、ρ、L
d、L
qはモータパラメータであり、Pは必要な加熱電力であり、Rは三相モータの等価インピーダンスである)に従って三相モータの各相電流の目標電流を計算するステップを含む。
【0050】
ステップS214では、各相電流の目標電流、目標入力電流、降圧側コンデンサの目標電圧及び動力電池の電圧に基づいて、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得する。
【0051】
ステップS214は、以下のステップS2141~ステップS2142を含む。
【0052】
ステップS2141では、降圧側コンデンサの目標電圧、目標入力電流及び動力電池の電圧に基づいて、三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得する。
【0053】
ステップS2141は、
降圧側コンデンサの目標電圧、目標入力電流及び動力電池の電圧に基づいて、式4、U2=U1×D0-I×R(式中、U2は降圧側コンデンサの目標電圧であり、U1は動力電池の電圧であり、D0は三相モータ制御パルスの平均デューティ比であり、Iは目標入力電流であり、Rは三相モータの等価インピーダンスである)に従って三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得するステップを含む。
【0054】
式中、U1×D0は三相インバータの両端の電圧であり、I×Rは三相モータの電圧降下であり、三相インバータの両端の電圧が三相モータの電圧降下と降圧側コンデンサの目標電圧との和に等しいことに基づいて上記式を得ることができる。
【0055】
ステップS2142では、平均デューティ比、目標入力電流、各相電流の目標電流、降圧側コンデンサの目標電圧及び動力電池の電圧に基づいて、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得する。
【0056】
ステップS2142は、
平均デューティ比、目標入力電流、各相電流の目標電流及び動力電池の電圧に基づいて、式5、
【数3】
(式中、I
1は各相電流の目標電流であり、R
1は各相コイルの等価インピーダンスであり、D
1は各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比である)に従って、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップを含む。
【0057】
各相アームと各相コイルの接続点の電圧が該相コイルの電圧降下と降圧側コンデンサの目標電圧との和に等しく、すなわちU1×D1=R1×I1+U2であるため、上記式4を結合すれば、式5を得ることができ、すなわち各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を得ることができる。
【0058】
図2に示す回路図において、モータ駆動装置は、インダクタをさらに含む。
【0059】
ステップS2141では、降圧側コンデンサの目標電圧、目標入力電流及び動力電池の電圧に基づいて、三相モータ制御パルスの平均デューティ比を取得するステップは、
降圧側コンデンサの目標電圧、目標入力電流及び動力電池の電圧に基づいて、U2=U1×D0-I×R-I×RL(式中、U2は降圧側コンデンサの目標電圧であり、U1は動力電池の電圧であり、D0は三相モータ制御パルスの平均デューティ比であり、Iは目標入力電流であり、Rは三相モータの等価インピーダンスであり、RLはインダクタインピーダンスである)に従って三相電気制御パルスの平均デューティ比を取得するステップを含む。
【0060】
インダクタが設置されるため、インダクタにインダクタンスインピーダンスがあるため、該公式にはさらにインダクタの電圧降下が含まれる。
【0061】
ステップS2142では、平均デューティ比、目標入力電流、各相電流の目標電流及び動力電池の電圧に基づいて、
【数4】
(式中、I
1は各相電流の目標電流であり、R
1は各相コイルの等価インピーダンスであり、D
1は各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比である)に従って、各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得するステップを含む。
【0062】
本実施例は、必要な加熱電力、必要な充電電力、モータのゼロトルク出力に基づいて三相モータの目標入力電流を計算し、次にモータ回転子の位置、必要な加熱電力、目標入力電流及びモータのゼロトルク出力に基づいて三相モータの各相電流の目標電流を取得し、さらに目標入力電流及び三相モータの各目標電流に基づいて各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を計算し、第1の目標デューティ比に基づいて三相アームを制御することにより、昇圧充電モジュール及び加熱モジュールを追加することなく、ゼロトルク出力と、動力電池の充電と、動力電池の加熱との協調制御方法を実現し、直流給電ラインを部分的に架設した車両に求められるトルク出力と、電池充電と、電池加熱機能との協調動作の問題を効果的に解決し、加熱機能により動力電池を加熱するだけでなく、乗員室を加熱することができ、回路構造が簡単であり、コストが低く、かつ失効リスクが小さいなどの利点を有する。
【0063】
さらに、
図7に示すように、ステップS22では、第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御した後に、さらに以下のステップS23~ステップS25を含む。
【0064】
ステップS23では、三相モータの実際入力電流を取得し、三相モータの実際入力電流及び目標入力電流に基づいて、PID調節器によりPID制御演算を行って三相モータ制御パルスの平均デューティ比の変化量を取得する。
【0065】
ステップS24では、第1の目標デューティ比及び平均デューティ比の変化量に基づいて、第2の目標デューティ比を取得する。
【0066】
ステップS25では、第2の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、給電モジュールの動力電池への加熱過程及び三相モータの出力トルクを同時に制御する。
【0067】
ステップS23では、PID制御(比例-積分-微分制御)を行うPID調節器は、工業制御応用において一般的なフィードバック回路部品であり、比例ユニットP、積分ユニットI及び微分ユニットDで構成される。比例は、システムの現在偏差を反映し、比例係数により調節して誤差を減少させることができ、積分は、システムの積算偏差を反映し、システムに関して定常偏差をなくし、無差別度を向上させることができ、また、誤差があるため、積分調節は誤差がないまで行われ、微分は、システムの偏差信号の変化率を反映し、予測可能性を有し、偏差変化の傾向を予見し、前向きな制御作用を生成し、偏差がまだ形成されない前に、微分調節作用により除去されるため、システムの動的性能を改善することができる。
【0068】
1つの実施形態として、
図8に示すように、ステップS23は、以下のステップS231~ステップS233を含む。
【0069】
ステップS231では、三相モータの実際入力電流と目標入力電流との電流差分値を取得する。
【0070】
ステップS232では、三相モータの実際入力電流が目標入力電流より大きい場合、電流差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、三相モータ制御パルスの平均デューティ比の変化増分を計算する。
【0071】
ステップS233では、三相モータの実際入力電流が目標入力電流より小さい場合、電圧差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、三相モータ制御パルスの平均デューティ比の変化減分を計算する。
【0072】
上記ステップでは、三相モータの実際入力電流が目標入力電流より大きい場合、出力された三相モータ制御パルスの平均デューティ比を徐々に増大させることにより、三相モータの実際入力電流を減少させ、三相モータの実際入力電流が目標入力電流より小さい場合、出力された三相モータ制御パルスの平均デューティ比を徐々に減少させることにより、三相モータの実際入力電流を増大させる。
【0073】
上記ステップでは、三相モータの実際入力電流は、モータコントローラにより三相モータ制御パルスの平均デューティ比を調整することにより実現され、三相モータの目標入力電流がI*であり、取得した三相モータの実際入力電流がIであると仮定すると、電流差分値(I*-I)をPID調節器に入力し、PID調節器により計算した後に三相パルスの平均デューティ比K(I*-I)を出力し、式中、KはPID調節器に設定された比例係数であり、三相モータの実際入力電流Iが三相モータの目標入力電流I*より小さい場合、PID調節器から出力された三相モータ制御パルスの平均デューティ比が減少するため、三相モータの実際の入力電流が増加し、逆に、三相モータの実際入力電流Iが三相モータの目標入力電流I*より大きい場合、PID調節器から出力された三相モータ制御パルスの平均デューティ比が増加するため、三相モータの実際の入力電流が減少する。
【0074】
さらに、
図9に示すように、ステップS22では、第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御した後に、さらに以下のステップS26~ステップS28を含む。
【0075】
ステップS26では、各相電流の実際電流を取得し、各相電流の実際電流及び目標電流に基づいて、PID調節器によりPID制御演算を行って各相アームの制御パルスのデューティ比の変化量を取得する。
【0076】
ステップS27では、第1の目標デューティ比及びデューティ比の変化量に基づいて、第3の目標デューティ比を取得する。
【0077】
ステップS28では、第3の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、給電モジュールの動力電池への加熱過程及び三相モータの出力トルクを同時に制御する。
【0078】
さらに、
図10に示すように、ステップS26は、以下のステップS261~ステップS263を含む。
【0079】
ステップS261では、各相電流の実際電流と目標電流との間の電流差分値を取得する。
【0080】
ステップS262では、各相電流の目標電流が実際電流より大きい場合、電流差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、該相アームのデューティ比の変化増分を計算する。
【0081】
ステップS263では、各相電流の目標電流が実際電流より小さい場合、電流差分値とPID調節器との比例係数に基づいて、該相アームのデューティ比の変化減分を計算する。
【0082】
上記ステップでは、各相アームの目標電流が実際電流より大きい場合、出力されたデューティ比の変化増分を徐々に増大させることにより、各相アームの実際電流を増加させ、各相アームの目標電流が実際電流より小さい場合、出力されたデューティ比の変化減分を徐々に減少させることにより、各相アームの実際電流を低下させる。
【0083】
三相アーム電流の制御は、主に、三相モータ制御パルスの平均デューティ比に基づいて増分を重畳することにより実現される。A相から出力された実際電流がIsであり、目標値がIs*であると仮定すると、電流差(Is-Is*)をPID調節器に入力し、PID計算を行った後にA相パルスデューティ比の増分値を出力する。A相の実際電流Isが目標値Is*より小さい場合、PID調節器から出力されたA相デューティ比が増加するため、A相の出力電流が増加し、逆に、A相の実際電流Isが目標値Is*より大きい場合、PID調節器から出力されたA相デューティ比が減少するため、A相の出力電流が低下し、B相及びC相の電圧制御はA相と同じであり、ここで説明を省略する。
【0084】
本実施形態では、平均デューティ比に基づいて、重畳量を増加させることにより、三相電流へ制御を完了して、三相電流の実際値を三相電流の目標値に達させる。ある相の実際充電電流が目標値より小さい場合、該相デューティ比の重畳量を増加させ、逆に、実際充電電流が目標値より大きい場合、該相デューティ比の重畳量を減少させ、また、PID自動制御により、三相の実際電流が常に目標値の近傍であるようにし、三相電流に対する制御により、ゼロトルク出力、充電及び加熱の同時制御を実現する。
【0085】
以下、具体的な例を挙げて本開示の実施例をさらに説明する。
【0086】
本開示の実施例のモータ駆動装置の構造は、
図2に示すように、動力電池、バスコンデンサC1、モータコントローラ、三相モータ、インダクタ及びスイッチを含み、電池はDCリンクコンデンサC1によりモータコントローラに接続され、モータコントローラは三相線により三相モータ102に接続され、三相モータ102は三線コイルの接続点から引き出された中性線によりスイッチK1に接続され、スイッチK1はインダクタLに接続され、インダクタLは降圧側コンデンサC2により充電スタンドに接続され、動力電池の負極はスイッチK2に接続され、スイッチK2の他端は給電モジュールに接続され、スイッチK1及びK2の操作によりシステムは走行駆動モード及び駐車充電モードに分けられ、また電気駆動システムは電池システムの冷却回路に接続され、冷却液の流れにより電気駆動システムから電池システムへの熱量の伝達を実現する。
【0087】
まず、車両の走行モードを取得し、車両が走行駆動モードにある場合、スイッチK1及びK2をオフにするように制御することにより、インダクタが帯電しないことを確保し、モータコントローラは、トルク制御関連アルゴリズムに基づいてモータのトルク制御を行い、走行駆動の機能を完了する。
【0088】
車両が駐車充電モードにある場合、スイッチK1及びK2をオフにするように制御し、車両と給電モジュールで構成された充電回路をオンにし、給電モジュールは、定電圧充電及び定電流充電の2つのモードを含み、現在、定電流充電モードで具体的に説明する。
【0089】
まず、低温環境での加熱需要及び動力電池の充電需要に応じて、トルク出力目標値、必要な加熱電力及び必要な電池充電電力を取得する。
【0090】
モータ駆動装置と給電モジュールとがインタラクティブし、電池マネージャーはモータコントローラに降圧命令を送信し、モータコントローラは三相デューティ比制御により、降圧側コンデンサC2を電圧Uまで充電し、充電スタンドはUを検出した後に充電を開始し、同時に電池マネージャーは自身の充電能力に基づいて、降圧側コンデンサ電圧及び給電モジュールの出力電流を取得し、充電スタンドに目標出力電流を送信し、充電スタンドは目標充電電流に応じて出力する。
【0091】
さらに、ゼロトルク出力、加熱電力及び充電電力の需要に応じて、三相電流目標値を計算し、計算式は以下のとおりである。
【数5】
IA+IB+IC=I
P=(IA×IA+IB×IB+IC×IC)×R1
式中、αは回転子ヒステリシス角度であり、IA、IB、ICは三相コイルの各相電流であり、Iは前記三相モータの入力電流であり、駆動、電池充電及び加熱の3つの方面の電力需要を満たし、Teはモータのゼロトルク出力であり、λ、ρ、L
d、L
qはモータパラメータであり、Pは加熱電力である。
【0092】
三相電流IA、IB、IC及び三相モータの実際入力電流Iをサンプリングし、次にそれぞれ各々のPID制御ループにより降圧側コンデンサの実際電圧及び加熱電力の制御を実現し、三相モータの目標入力電流I
*を電池システムによりモータコントローラに送信し、モータコントローラは実際入力電流と目標入力電流とを比較した後、PID調節器の制御により三相デューティ比の平均目標値を出力し、実際入力電流に対する制御を実現し、実際入力電流が目標入力電流より大きい場合、PID制御を行った後に三相の平均デューティ比が増加するため、実際入力電流を低下させ、逆に、実際入力電流が目標入力電流より小さい場合、PID制御を行った後に三相の平均デューティ比が減少するため、実際入力電流を向上させ、同時に実際三相電流IA、IB及びICと目標電流IA
*、IB
*及びIC
*とを比較し、各々のPID制御により三相デューティ比を調整し、デューティ比が大きいほど該相からモータに流入する電流が大きくなり、デューティ比が小さいほどモータから流出する電流が小さくなり、
図11及び
図12に示すように、加熱電力について、1つのPID制御ループを用いて、三相間の電流制御を実現し、充電電流又は充電電圧について、別のPID制御
ループを用いて、充電電流又は電圧の制御を実現し、同時に2つのPID制御により充電電圧及び加熱電力の同時、独立及び連続制御を実現し、閉ループ制御を実現し、ゼロトルク出力条件で、充電電力と加熱電力の協調制御を実現し、低温環境下での電池の充電電力及び加熱電力に対する両面の需要を満たす。
【0093】
低温環境で充電する時、モータ駆動装置において、動力電池に対する充電、昇温及びトルク出力制御は、一般的に3つの段階を経る。
【0094】
まず、加熱を主とする充電段階であり、該段階では、動力電池の温度が低いため、充電能力が弱く、充電電流が小さく、この場合、加熱電力を最大に制御し、動力電池の小電流充電条件での大電力加熱を実現し、電池温度をできるだけ向上させる。該段階は加熱を主とし、電流分配は
図13の中間図に示されており、充電スタンドは電流IをバスコンデンサC1に出力した後、加熱制御によりコンデンサの電力量を消費し、両者が相殺した後に動力電池の充電電流が非常に小さい。したがって、インダクタ上の電流が小さいが、三相モータ及びモータコントローラを流れる電流が大きく、リアルタイムな温度検出及び保護を行う必要があり、デバイスを焼損しない前提で、電池の加熱電力を最大にすることを確保する。
【0095】
その後に、動力電池温度の上昇に伴い、動力電池の充電能力が増強し続け、充電電流が増加し続け、同時に大きな加熱電力も保障され、動力電池の温度も上昇し続け、また充電電流が大きいため、動力電池内部にも一定の発熱量がある。電流分配は
図13の右図に示されており、充電スタンドがバスコンデンサC1に出力した電流Iが大きく、加熱制御により消費されたコンデンサの電流が小さく、両者が相殺した後に電池の充電電流が大きい。したがって、インダクタ、三相モータ及びモータコントローラを流れる電流はいずれも大きく、リアルタイムな温度検出及び保護を行う必要があり、デバイスを焼損しない前提で、電池の充電及び加熱電力を協調して最適化することを確保する。
【0096】
最後に電池温度が高いと、大電力の直流充電を行うことができ、電池内部に大幅な発熱が発生し、電池温度の保持に役立つため、加熱電力に対する需要が低下し、該段階では主に充電を行う。電流分配は
図13の左図に示されており、充電スタンドがバスコンデンサC1に出力した電流が大きく、加熱制御により消費されたコンデンサ上の電流が非常に小さく、両者が相殺した後に充電電流が大きい。したがって、インダクタを流れる電流が大きく、リアルタイムな温度検出及び保護を行う必要があり、デバイスを焼損しない前提で、電池の充電電力を最大にすることを確保する。
【0097】
毎回の充電過程においてモータ回転子が、ある位置にあるままであり、トルク制御アルゴリズム及び加熱電力に基づいて計算したところ、三相電流も変わらず、かつ三相が不平衡であるが、車両の使用周期が一般的に数年であり、モータ回転子が、ある位置に出現することがランダムであり、三相電流の大きさもランダムであり、各相電流の大きさが均等であるため、使用周期全体から見ると、三相は平衡であり、ある相が過度に使用されて劣化が深刻となるという問題は存在しない。
【0098】
また、充電電流は三相で共に担当され、モータ及びモータコントローラの電力容量を十分に発揮することができ、インダクタを単独で最適化した後に、より大きな電力の充電を実現することができる。
【0099】
本開示の実施例におけるトルク出力と、動力電池の充電と、動力電池の加熱との協調制御方法は、主にモータコントローラにおける6つの電力スイッチトランジスタの制御パルスのデューティ比を調整することにより実現され、まず、三相デューティ比の平均値を制御することにより充電電流又は充電電圧を制御し、三相デューティ比の差分値により三相間の電流を制御し、該電流は三相の間に流れ、例えば電流はA相からモータに流入し、次にモータBCから流出し、該三相電流はモータのトルク及び加熱電力制御を実現する。
図12に示すように、左から順に充電、加熱、充電と加熱の同時制御での三相デューティ比分配の例である。閉ループを実現することにより、ゼロトルク出力条件で、充電電力と加熱電力の協調制御を実現し、低温環境下での電池の充電電力及び加熱電力に対する両面の需要を満たす。
【0100】
本開示の技術手段は、従来の電気駆動システムに基づいて、トルク出力と、動力電池の充電と、動力電池の加熱との協調制御方法により、モータのゼロトルク出力を実現し、充電時の車両のトルク安全を確保し、低温環境での動力電池の充電及び加熱必要なを満たす。
【0101】
本開示の実施例4は、モータ駆動装置50を提供し、
図14に示すように、モータ駆動装置は、実施例1のモータ駆動装置において、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するデータ取得モジュール501と、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの各相電流の電流大きさ及び方向を調整することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ又は前記三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御する制御モジュール502と、をさらに含む。
【0102】
本開示の実施例5は、モータ駆動装置60を提供し、
図15に示すように、モータ駆動装置は、実施例1のモータ駆動装置において、
必要な加熱電力及び必要な充電電力を取得するデータ取得モジュール601と、
前記必要な加熱電力、前記必要な充電電力及びモータのゼロトルク出力に基づいて、三相モータの目標入力電流及び各相アームの制御パルスの第1の目標デューティ比を取得する目標デューティ比取得モジュール602と、
前記目標入力電流に基づいて前記給電モジュールの入力電流を受け入れ、かつ前記第1の目標デューティ比に基づいて各相アームを制御することにより、前記給電モジュールの前記動力電池への充電過程、前記三相モータのゼロトルク出力、及び前記三相インバータと前記三相モータに前記三相インバータ又は前記三相モータのうちの少なくとも1つを流れる熱交換媒体を加熱させる過程を同時に制御するPWM制御モジュール603と、をさらに含む。
【0103】
本開示の別の実施例は、車両を提供し、前記車両は、メモリ、プロセッサを含み、
プロセッサは、メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み取って、実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行することにより、実施例2及び実施例3の制御方法を実現する。
【0104】
本開示の別の実施例は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該プログラムは、プロセッサにより実行されると、実施例2及び実施例3の制御方法を実現する。
【0105】
以上の実施例は、本開示の技術手段を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、前述の実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者にとっては理解されるべきであるように、依然として、前述の各実施例に記載の技術手段を修正するか、又はその技術的特徴の一部を均等物で置き換えることができ、これらの修正や置換は、対応する技術手段の本質を本開示の各実施例の技術手段の精神及び範囲から逸脱させることはなく、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。