(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】部品実装装置および補正値管理方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
H05K13/04 B
(21)【出願番号】P 2021554481
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2019043547
(87)【国際公開番号】W WO2021090415
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大悟
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-113337(JP,A)
【文献】特開2015-2230(JP,A)
【文献】特開2017-194921(JP,A)
【文献】国際公開第2017/072887(WO,A1)
【文献】特開2007-268682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う部品実装装置であって、
情報を記憶する記憶部と、
前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定する設定部と、
実装処理に関するキャリブレーションが実行されると該キャリブレーションが実行された日時情報を前記記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行う補正部と、
を備える部品実装装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品実装装置であって、
前記記憶制御部は、前記生産プログラム毎に該生産プログラムが作成または更新された日時情報を前記記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記生産プログラムの最新の日時情報および前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させ、
前記補正部は、前記生産プログラムの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、前記生産プログラムの最新の日時情報および前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応する前記補正値を用いる
部品実装装置。
【請求項3】
生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う部品実装装置であって、
情報を記憶する記憶部と、
前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定する設定部と、
前記生産プログラム毎に該生産プログラムが作成または更新された日時情報を前記記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記生産プログラムの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記生産プログラムの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行う補正部と、
を備える部品実装装置。
【請求項4】
生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う際の前記部品の実装位置に関する補正値を管理する補正値管理方法であって、
(a)前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定するステップと、
(b)実装処理に関するキャリブレーションが実行されると該キャリブレーションが実行された日時情報を記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されるとキャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させるステップと、
(c)前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行うステップと、
を含む補正値管理方法。
【請求項5】
生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う際の前記部品の実装位置に関する補正値を管理する補正値管理方法であって、
(a)前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定するステップと、
(b)前記生産プログラム毎に該生産プログラムが作成または更新された日時情報を記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記生産プログラムの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させるステップと、
(c)前記生産プログラムの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行うステップと、
を含む補正値管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品実装装置および補正値管理方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の部品実装装置としては、基板への部品の実装状態の検査結果などから、部品を実装する際の生産プログラムに含まれる実装位置などの各種設定パラメータを補正するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、生産を一時停止してから再稼働後の所定時間毎にシーンを定義し、同じシーンでは品質変動の傾向が同じものとして同じ設定パラメータを用い、シーンが変わると設定パラメータを変化させることで、品質の安定化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した部品実装装置では、所定時間毎のシーンで設定パラメータなどの補正値を変化させることから、補正値の設定が煩雑となる場合がある。また、ある補正値で品質が安定している場合には、シーン毎に変化させるよりも、その補正値を使用し続ける方が好ましいことも考えられる。ただし、装置のキャリブレーションの実行や生産プログラムの更新など部品の実装状態に影響が及ぶような変化の前後では、同じ補正値を使用し続けないようにする必要がある。
【0005】
本開示は、煩雑な処理を伴うことなく、部品を実装する際の補正値を適切に使用することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示の第1の部品実装装置は、
生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う部品実装装置であって、
情報を記憶する記憶部と、
前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定する設定部と、
実装処理に関するキャリブレーションが実行されると該キャリブレーションが実行された日時情報を前記記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行う補正部と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
本開示の第1の部品実装装置は、実装処理に関するキャリブレーションが実行された日時情報を記憶部に記憶させ、補正値が設定されるとキャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて補正値を記憶部に記憶させる。そして、キャリブレーションの最新の日時情報に対応しない補正値を用いず、最新の日時情報に対応する補正値を用いて実装位置に関する補正を行う。これにより、キャリブレーションの実行前に設定された補正値がキャリブレーションの実行後も継続して用いられることにより、却って実装位置に関する不良が生じるのを抑制することができる。また、そのために、キャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて補正値を記憶する簡易な処理を行えばよく、煩雑な処理を行う必要はない。したがって、煩雑な処理を伴うことなく、部品を実装する際の補正値を適切に使用することができる。
【0009】
本開示の第2の部品実装装置は、
生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う部品実装装置であって、
情報を記憶する記憶部と、
前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定する設定部と、
前記生産プログラム毎に該生産プログラムが作成または更新された日時情報を前記記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記生産プログラムの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記生産プログラムの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行う補正部と、
を備えることを要旨とする。
【0010】
本開示の第2の部品実装装置は、生産プログラムが作成または更新された日時情報を記憶部に記憶させ、補正値が設定されると生産プログラムの最新の日時情報に対応付けて補正値を記憶部に記憶させる。そして、生産プログラムの最新の日時情報に対応しない補正値を用いず、最新の日時情報に対応する補正値を用いて実装位置に関する補正を行う。これにより、生産プログラムの更新前に設定された補正値が、生産プログラムの更新後も継続して用いられることにより、却って実装位置に関する不良が生じるのを抑制することができる。また、そのために、生産プログラムの最新の日時情報に対応付けて補正値を記憶する簡易な処理を行えばよく、煩雑な処理を行う必要はない。したがって、煩雑な処理を伴うことなく、部品を実装する際の補正値を適切に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】基板作業システム10の構成の概略を示す構成図。
【
図3】実装装置20と管理装置40と実装検査装置30の電気的な接続関係を示す説明図。
【
図4】検査結果に基づいて設定される補正値の一例を示す説明図。
【
図5】記憶処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【
図6】記憶処理ルーチンで記憶された各データの一例を示す説明図。
【
図7】実装処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本開示の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は基板作業システム10の構成の概略を示す構成図であり、
図2は実装装置20の構成の概略を示す構成図であり、
図3は実装装置20と管理装置40と実装検査装置30の電気的な接続関係を示す説明図である。なお、
図1,2中、左右方向をX方向とし、前後方向をY方向とし、上下方向をZ方向とする。
【0013】
基板作業システム10は、
図1に示すように、印刷装置12と、印刷検査装置14と、複数の実装装置20と、実装検査装置30と、管理装置40とを備え、これらがネットワークとしてのLAN18に接続されている。印刷装置12は、スクリーンマスクに形成されたパターン孔にはんだを押し込むことで基板S(
図2参照)に印刷する。印刷検査装置14は、印刷装置12で印刷されたはんだの状態を検査する。実装装置20は、基板Sの搬送方向(X方向)に沿って配置され、基板Sに部品を実装する。実装検査装置30は、実装装置20で基板Sに実装された部品の実装状態を検査する。管理装置40は、基板作業システム10の全体を管理する。印刷装置12と印刷検査装置14と複数の実装装置20と実装検査装置30とは、この順で基板Sの搬送方向に並べて設置されて生産ラインを構成する。なお、生産ラインが、これらの装置以外に、部品が実装された基板Sのリフロー処理を行うリフロー装置などを備えてもよく、実装検査装置30がリフロー装置の下流側に配置されていてもよい。
【0014】
実装装置20は、
図2,
図3に示すように、基板Sを搬送する基板搬送装置21と、部品を供給する部品供給装置22と、部品を吸着するノズル24が昇降可能に配設されたヘッド23と、ヘッド23をXY方向に移動させるヘッド移動装置25とを備える。基板搬送装置21は、
図2の前後に間隔を開けて設けられ左右方向に架け渡されたコンベアベルトを2対有しており、各コンベアベルトにより基板Sを図中左から右へと搬送する。部品供給装置22は、例えば部品が所定ピッチで収容されたテープを送り出すことで部品を供給するテープフィーダであり、複数種類の部品を供給可能となるように実装装置20に複数セットされている。また、実装装置20は、この他にマークカメラ26やパーツカメラ27、記憶部28、実装装置20の全体を制御する実装制御装置29とを備える。マークカメラ26は、ヘッド23に取り付けられ、基板Sに付された基準マークや基板IDなどを上方から撮像する。パーツカメラ27は、部品供給装置22と基板搬送装置21との間に設置され、ノズル24に吸着されている部品を下方から撮像する。記憶部28は、処理プログラムや部品の実装位置に関する補正値、各種履歴などの情報を記憶するHDDなどの装置である。
【0015】
実装制御装置29は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成されている。実装制御装置29は、基板搬送装置21やヘッド23、ヘッド移動装置25などに駆動信号を出力する。実装制御装置29には、マークカメラ26やパーツカメラ27からの画像が入力される。実装制御装置29は、例えば、マークカメラ26で撮像された基板Sの画像を処理して基板IDを取得したり、基板Sに付された基板マークの位置を認識することにより基板Sの位置を認識したりする。また、実装制御装置29は、パーツカメラ27で撮像された画像に基づいてノズル24に部品が吸着されているか否かを判定したり、部品の吸着姿勢を判定したりする。
【0016】
また、実装制御装置29は、機能ブロックとして、キャリブレーション部29aと、プログラム受付部29bと、タイムスタンプ発行部29cと、補正値設定部29dと、実装処理部29eとを備える。キャリブレーション部29aは、実装処理に関するキャリブレーションを行う。例えば、キャリブレーション部29aは、ヘッド23の移動位置に関するキャリブレーションやノズル24の昇降位置に関するキャリブレーション、マークカメラ26やパーツカメラ27の焦点距離や撮像中心位置などのパラメータに関するキャリブレーションなどを行う。プログラム受付部29bは、管理装置40が出力する生産プログラム(生産ジョブ)を受け付け、受け付けた生産プログラムを実装処理部29eに転送して実装処理を実行させる。タイムスタンプ発行部29cは、実装制御装置29の内部クロックの計測する時刻によってタイムスタンプを発行する。例えば、タイムスタンプ発行部29cは、キャリブレーション部29aによるキャリブレーションの実行が完了した際やプログラム受付部29bにより生産プログラムが受け付けられた際に、年月日および時分を示すタイムスタンプを発行する。
【0017】
補正値設定部29dは、実装検査装置30の検査結果における部品の位置ずれや回転ずれの傾向に基づいて、ずれを打ち消すように部品の実装位置に関する補正値を設定する。補正値設定部29dは、部品の実装位置に対しX方向のずれ量やY方向のずれ量に一定の傾向がある場合に、位置ずれとは反対側にX方向の補正値ΔXやY方向の補正値ΔYを設定する。また、補正値設定部29dは、部品の実装位置に対し回転ずれ量(角度)に一定の傾向がある場合に、回転ずれとは反対側に角度補正値Δθを設定する。
図4は検査結果に基づいて設定される補正値の一例を示す説明図である。
図4では、位置ずれのない正常な実装位置(
図4A)よりもX方向左側にずれ量Xaで部品が位置ずれして実装された様子を示す(
図4B)。また、複数の基板Sの検査結果において、同じ実装位置の部品に同様の位置ずれの傾向があり、位置ずれの原因究明よりも位置ずれの当面の対処が望まれているものとする。その場合、補正値設定部29dは、位置ずれを打ち消すため、図中右側にずれ量Xa分だけ実装位置を変更するための補正値ΔXを実装位置や部品種に対応付けて設定して、位置ずれに対する当面の対処を行う(
図4C)。この補正値ΔXに基づいて実装位置(X1,Y1)が補正されると、実装位置(X1+ΔX,Y1)となり、ずれ量Xaの位置ずれを当面抑えることが可能となる。ただし、ずれの発生原因が解消されると、X方向右側にΔX(ずれ量Xa)分ずれが生じることになる。なお、補正値設定部29dは、作業者や管理装置40から受け付けた補正値を設定してもよい。実装処理部29eは、プログラム受付部29bから転送された生産プログラムから部品種の情報や各部品の実装順の情報、各部品の実装位置や実装角度の情報などを取得して、部品を基板Sに実装する処理を実行する。また、補正値設定部29dにより設定された補正値がある場合には、その補正値を実装位置や実装角度に反映させた上で部品を基板Sに実装する。
【0018】
実装検査装置30は、
図2に示すように、部品が実装された基板Sを搬送する基板搬送装置32と、部品の実装状態を検査するための検査用画像を撮像する検査カメラ34と、検査カメラ34をXY方向に移動させるカメラ移動装置36と、実装検査装置30の全体を制御する検査制御装置39とを備える。基板搬送装置32とカメラ移動装置36は、それぞれ、実装装置20の基板搬送装置21とヘッド移動装置25と同様の構成である。
【0019】
検査制御装置39は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成されている。検査制御装置39は、基板搬送装置32や移動機構33への駆動信号や検査カメラ34への撮像信号を出力する。また、検査制御装置39は、検査カメラ34からの画像が入力され、その画像を処理して部品の実装位置の位置ずれや実装角度の回転ずれ、部品の欠け、部品の欠品などを検査する。検査制御装置39は、部品の位置ずれや回転ずれとして、部品の実装位置に対応付けて、X方向のずれ量とY方向のずれ量とを検出すると共に基準向きに対する回転ずれ量(角度)を検出する。また、検査制御装置39は、実装制御装置29や管理装置40の管理制御装置42とLAN18を介して通信可能に接続されており、検査結果に関する情報などを送信する。
【0020】
管理装置40は、
図3に示すように、管理制御装置42と、記憶部44と、入力デバイス46と、ディスプレイ48とを備える。管理制御装置42は、周知のCPUやROM、RAMなどで構成されている。記憶部44は、処理プログラムなどの各種情報を記憶するHDDなどの装置である。入力デバイス46は、作業者が各種指令を入力するキーボードおよびマウスなどを含む。ディスプレイ48は、各種情報を表示する液晶表示装置である。また、記憶部44には、生産プログラムが記憶されている。生産プログラムには、各実装装置20において、基板Sに実装する部品種の情報や各部品の実装順の情報、各部品の実装位置や実装角度の情報、各部品の形状の情報、各部品を供給する部品供給装置22の情報、部品の実装に用いるヘッド23の情報、部品を吸着するノズル24の情報、生産する基板Sの枚数の情報などが定められている。管理制御装置42は、実装制御装置29とLAN18を介して通信可能に接続されており、実装制御装置29から実装状況に関する情報を受信したり、実装制御装置29に生産プログラムを送信したりする。また、管理制御装置42は、検査制御装置39とLAN18を介して通信可能に接続されており、検査制御装置39から検査状況や検査結果に関する情報を受信したり、検査制御装置39に検査対象の基板Sの情報を送信したりする。管理制御装置42は、この他に印刷装置12や印刷検査装置14の図示しない各制御装置とLAN18を介して通信可能に接続されており、各装置から作業状況に関する情報を受信したり、作業指示を送信したりする。
【0021】
以下は、こうして構成された本実施形態の実装装置20の動作についての説明である。実装装置20における部品の実装処理では、実装制御装置29は、まず、ヘッド移動装置25を制御してヘッド23を部品供給装置22の部品供給位置の上方へ移動させ、ノズル24を下降させて部品供給位置に供給された部品をノズル24に吸着させる。次に、実装制御装置29は、ヘッド移動装置25を制御してヘッド23をパーツカメラ27の上方に移動させ、パーツカメラ27を制御してノズル24に吸着させた部品を撮像する。続いて、実装制御装置29は、得られた撮像画像に基づいてノズル24に吸着された部品の吸着位置ずれや吸着角度ずれを判定し、吸着位置ずれや吸着角度ずれが解消されるように当該部品の目標実装位置や目標実装角度を補正する。そして、実装制御装置29は、ヘッド移動装置25を制御してヘッド23を基板Sの上方へ移動させてノズル24を下降させ、部品を基板S上の目標実装位置および目標実装角度で実装する。なお、本実施形態では、生産プログラムから読み出した実装位置や実装角度に対し、実装検査装置30の検査結果に基づいて設定された補正値を用いて補正が行われた場合、補正後の実装位置や実装角度が目標実装位置や目標実装角度となる。また、そのような補正が行われなかった場合、生産プログラムから読み出した実装位置や実装角度が目標実装位置や目標実装角度となる。
【0022】
以下では、まず、各実装装置20の実装制御装置29がデータを記憶部28に記憶させる処理を説明する。
図5は記憶処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、
図6は記憶処理ルーチンで記憶された各データの一例を示す説明図である。このルーチンが開始されると、実装制御装置29は、まず、実装装置20でキャリブレーション部29aによるキャリブレーションが実行されたか否かを判定し(S100)、キャリブレーションが実行されてないと判定すると、S130に進む。一方、実装制御装置29は、キャリブレーションが実行されたと判定すると、タイムスタンプ発行部29cによりタイムスタンプを発行し(S110)、キャリブレーションの日時情報(第1日時情報,実行日時情報,キャリブレーション日時情報)CD*として記憶部28のキャリブレーションデータ28aに記憶させる(S120)。
図6に示すように、キャリブレーションデータ28aには、キャリブレーションが実行された年月日および時分が記憶(登録)されている。なお、説明の便宜上、複数の日時情報を示し、最新の日時情報201909061230(2019年9月6日12時30分)を日時情報CD1、1つ前の日時情報201909011150を日時情報CD2とする。ただし、キャリブレーションデータ28aに最新の日時情報CD1だけが記憶されていてもよい。
【0023】
次に、実装制御装置29は、管理装置40から送信された生産プログラムをプログラム受付部29bにより受け付けたか否かを判定し(S130)、生産プログラムを受け付けてないと判定すると、S160に進む。一方、実装制御装置29は、生産プログラムを受け付けたと判定すると、タイムスタンプ発行部29cによりタイムスタンプを発行して(S140)、生産プログラム名に対応付けて日時情報(第2日時情報,更新日時情報,生産プログラム日時情報)JD*として記憶部28の生産プログラムデータ28bに記憶させる(S150)。なお、管理装置40で生産プログラムの作成または更新が完了すると、実装制御装置29に送信されてS130で受け付けたと判定されるから、S140で発行されるタイムスタンプは、生産プログラムが作成または更新された年月日および時分に相当する。なお、生産プログラムの作成は、上述した各種情報を定めて新規の生産プログラムを生成することをいい、生産プログラムの更新は、作成済みの既存の生産プログラムに含まれる情報の一部を修正することをいう。
図6に示すように、生産プログラムデータ28bには、生産プログラムが作成または更新された年月日および時分を示す日時情報PD*がプログラム名に対応付けて複数記憶されている。例えば生産プログラムデータ28bには、生産プログラムPaに対応付けて日時情報PD2が対応付けられ、生産プログラムPbに対応付けて日時情報PD3が対応付けられ、生産プログラムPcに対応付けて日時情報PD1,PD4とが対応付けられている。即ち、生産プログラムPcには、最新の更新日時である日時情報PD1と、その前の作成または更新の日時である日時情報PD4が対応付けられている。なお、説明の便宜上、1の生産プログラム名に2以上の日時情報PD*が対応付けて記憶されているものを例示するが、1の生産プログラム名に最新の1の日時情報PD*のみが対応付けて記憶されていてもよい。
【0024】
続いて、実装制御装置29は、実装検査装置30の検査結果に基づいて補正値設定部29dが補正値を設定したか否かを判定し(S160)、補正値を設定してないと判定すると記憶処理ルーチンを終了する。一方、実装制御装置29は、補正値を設定したと判定すると、キャリブレーションデータ28aの最新の日時情報CD*と、生産プログラムデータ28bの該当する生産プログラム名の最新の日時情報PD*とに対応付けて記憶部28の補正データ28cに補正値を記憶させて(S170)、記憶処理ルーチンを終了する。
【0025】
図6に示すように、補正データ28cは、生産プログラムおよびその生産プログラムに含まれる実装位置や部品種などに対応付けて記憶されている。補正データ28cの(1)では、生産プログラムPaの実装位置(X1,Y1)の部品種P**1に位置補正値(ΔX,ΔY)が設定され、生産プログラムPaの実装位置(X2,Y2)の部品種P**2に角度補正値Δθが設定されている。なお、各実装位置に位置補正値と角度補正値の両方が設定されていてもよい。また、実装位置が異なっていても同じ部品種の部品に同じ補正値が設定されてもよいし、実装位置や部品種が異なっていても所定範囲に含まれる複数の実装位置に同じ補正値が設定されてもよい。また、補正データ28cでは、補正値が日時情報CD*と日時情報PD*とに対応付けて記憶されている。例えば、補正データ28cの(1)では、生産プログラムPaの補正値が、日時情報CD1と日時情報PD2とに対応付けられており、日時情報CD1のキャリブレーションの実行後、且つ、日時情報PD2の生産プログラムPaの受付後に設定されたことを示す。また、補正データ28cの(2)では、生産プログラムPbの補正値が、日時情報CD2と日時情報PD3とに対応付けられており、日時情報CD2のキャリブレーションの実行後であって日時情報CD1のキャリブレーションの実行前、且つ、日時情報PD3の生産プログラムPbの受付後に設定されたことを示す。また、補正データ28cの(3)では、生産プログラムPcの補正値が、日時情報CD2と日時情報PD4とに対応付けられており、日時情報CD1のキャリブレーションの実行後、且つ、日時情報PD4の生産プログラムPcの受付後であって日時情報PD1の生産プログラムPcの受付前に設定されたことを示す。
【0026】
次に、部品を基板Sに実装する際の実装装置20の動作を説明する。
図7は実装処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンが開始されると、実装制御装置29は、まず、実装処理を行う生産プログラムの生産プログラム名に該当する補正データが記憶部28にあるか否かを判定し(S200)、生産プログラム名に該当する補正データがないと判定すると、S250に進む。一方、実装制御装置29は、生産プログラム名に該当する補正データがあると判定すると、その補正データに対応付けられた日時情報CD*と日時情報PD*とを読み出す(S210)。
【0027】
続いて、実装制御装置29は、読み出した日時情報CD*がキャリブレーションデータ28aの最新の日時情報CD*に一致するか否か(S220)、読み出した日時情報PD*が生産プログラムデータ28bの該当する生産プログラム名の最新の日時情報PD*に一致するか否か(S230)、をそれぞれ判定する。そして、実装制御装置29は、日時情報CD*が最新の日時情報CD*に一致し、且つ、日時情報PD*が最新の日時情報PD*に一致する場合、補正データの各補正値を読み出して(S240)、S250に進む。一方、実装制御装置29は、日時情報CD*が最新の日時情報CD*に一致しないか、あるいは、日時情報PD*が最新の日時情報PD*に一致しない場合、S240をスキップしてS250に進む。即ち、実装制御装置29は、補正データに対応付けられた日時情報CD*と日時情報PD*とのうち、いずれか一方でも最新の日時情報CD*や最新の日時情報PD*に一致しない場合には、補正値を読み出さずにS250に進む。
【0028】
次に、実装制御装置29は、今回の生産プログラムから実装順に基づいて部品の実装位置や実装角度などを読み出し(S250)、S240の処理で補正値を読み出し済みであるか否か(S260)、読み出した補正値の反映が必要な実装位置であるか否か(S270)、をそれぞれ判定する。実装制御装置29は、補正値を読み出し済みであり、且つ、補正値の反映が必要であると判定すると、その補正値を用いて実装位置や実装角度を補正し(S280)、補正した実装位置や補正した実装角度を、上述した目標実装位置や目標実装角度として部品を実装する(S290)。例えば、実装制御装置29は、
図6の(1)の補正値を読み出し済みであり、今回の実装位置が実装位置(X1,Y1)や実装位置(X2,Y2)であれば補正値の反映が必要と判定して、S280で補正を行う。一方、実装制御装置29は、補正値を読み出し済みでなかったり、補正値の反映が必要でなかったりすると、S280をスキップし、生産プログラムから読み出した実装位置や実装角度を、上述した目標実装位置や目標実装角度として部品を実装する(S290)。こうして部品を実装すると、実装制御装置29は、実装対象の次の部品があるか否かを判定し(S300)、次の部品があると判定するとS250に戻って処理を行い、次の部品がないと判定すると実装処理ルーチンを終了する。
【0029】
例えば、
図6の補正データ28cの(2)の場合、実装制御装置29は、補正値に対応付けられた日時情報CD2と日時情報PD3とを読み出す。そして、実装制御装置29は、生産プログラムPbの最新の日時情報PD3に一致するものの、キャリブレーションデータ28aの最新の日時情報CD1に一致しないと判定する。ここで、部品の実装位置ずれや実装角度ずれは、原因が判明しているか否かに拘わらず、キャリブレーションが実行されると原因が解消されて発生しなくなる場合がある。その場合、キャリブレーションの実行前に設定された補正値をキャリブレーションの実行後も継続して用いると、却って位置ずれを引き起こすことになる。例えば、
図4においてキャリブレーションの実行によってX方向左側へのずれ量Xaの位置ずれが解消されたにも拘わらず補正値ΔXを用いると、X方向右側へΔXの位置ずれが発生する。そこで、実装制御装置29は、検査結果に基づく補正値が設定された場合に、キャリブレーションの日時情報CD*に対応付けて記憶しておくことで、最新の日時情報CD*に対応付けられた補正値を用いて補正を行うようにするのである。これにより、キャリブレーションの実行前に設定された補正値が、キャリブレーションの実行後に用いられるのを防止することができる。
【0030】
また、
図6の補正データ28cの(3)の場合、実装制御装置29は、補正値に対応付けられた日時情報CD1と日時情報PD4とを読み出す。そして、実装制御装置29は、キャリブレーションデータ28aの最新の日時情報CD1に一致するものの、生産プログラムデータ28bの生産プログラムPcの最新の日時情報PD1に一致せず、生産プログラムPcの1つ前の日時情報PD4に一致すると判定する。ここで、部品の実装位置ずれや実装角度ずれは、原因が判明しているか否かに拘わらず、生産プログラムの各種情報が修正されると原因が解消されて発生しなくなる場合がある。例えば、作業者が、位置ずれや角度ずれが生じている部品に関し、生産プログラムの実装位置や実装角度、部品の形状の情報などを見直して修正することにより、実装位置や実装ずれが解消する場合がある。その場合、生産プログラムの更新前に設定された補正値を生産プログラムの更新後も継続して用いると、却って位置ずれを引き起こすことになる。そこで、実装制御装置29は、検査結果に基づく補正値が設定された場合に、日時情報PD*に対応付けて記憶しておくことで、該当する生産プログラムの最新の日時情報PD*に対応付けられた補正値を用いて補正を行うようにするのである。これにより、生産プログラムの更新前に設定された補正値が、生産プログラムの更新後に用いられるのを防止することができる。
【0031】
一方、
図6の補正データ28cの(1)の場合、実装制御装置29は、補正値に対応付けられた日時情報CD1と日時情報PD2とを読み出し、それぞれ最新の日時情報CD1と生産プログラムPaの最新の日時情報PD2とに一致すると判定する。即ち、その補正値が設定された後に、キャリブレーションは実行されておらず、生産プログラムPaの更新も行われていない。このため、実装制御装置29は、補正データ28cの(1)の補正値を読み出し、その補正値に基づいて実装位置や実装角度を補正しながら、部品の実装処理を適切に行うことができる。
【0032】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の実装装置20が部品実装装置に相当し、記憶部28が記憶部に相当し、実装制御装置29の補正値設定部29dが設定部に相当し、
図5の記憶処理ルーチンを実行する実装制御装置29が記憶制御部に相当し、
図7の実装処理ルーチンのS220,(S230),S250~S280の処理を実行する実装制御装置29が補正部に相当する。なお、本実施形態では、実装装置20の動作を説明することにより本開示の補正値管理方法の一例も明らかにしている。
【0033】
以上説明した本実施形態の実装装置20では、検査結果に基づいて補正値が設定されると、キャリブレーションの最新の日時情報CD*に対応付けて補正値を記憶部28に記憶させる。そして、キャリブレーションの最新の日時情報CD*に対応しない補正値を用いず、最新の日時情報CD*に対応する補正値を用いて実装位置に関する補正を行う。これにより、最新の日時情報CD*に対応付けて補正値を記憶する簡易な処理により、キャリブレーションの実行前に設定された補正値がキャリブレーションの実行後も継続して用いられるのを防止して、補正値を適切に使用することができる。
【0034】
また、実装装置20は、検査結果に基づいて補正値が設定されると、生産プログラムの日時情報PD*に対応付けて補正値を記憶部28に記憶させる。そして、生産プログラムの最新の日時情報PD*に対応しない補正値を用いず、最新の日時情報PD*および最新の日時情報CD*に対応する補正値を用いる。このため、生産プログラムの更新前やキャリブレーションの実行前に設定された補正値が、生産プログラムの更新後またはキャリブレーションの実行後も継続して用いられることにより、却って実装位置に関する不良が生じるのを抑制することができる。
【0035】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0036】
例えば、上述した実施形態では、キャリブレーションの日時情報CD*と生産プログラムの日時情報PD*との両方に対応付けて記憶部28に補正値を記憶させたが、これに限られるものではない。例えば、日時情報CD*と日時情報PD*とのいずれか一方のみに対応付けて補正値を記憶部28に記憶させてもよい。例えば、実装制御装置29は、
図5の記憶処理ルーチンのS130~S150の処理を省略し、S170では日時情報CD*のみに対応付けて補正値を記憶し、
図7の実装処理ルーチンではS230の処理を省略してもよい。また、実装制御装置29は、
図5の記憶処理ルーチンのS100~S120の処理を省略し、S170では日時情報PD*のみに対応付けて補正値を記憶し、
図7の実装処理ルーチンではS220の処理を省略してもよい。
【0037】
あるいは、実装制御装置29は、日時情報CD*および日時情報PD*の少なくとも一方と、作業者により行われる実装装置20のメンテナンス作業の日時情報(第3日時情報,作業日時情報,メンテナンス日時情報)などを、補正値に対応付けてもよい。そのようにする場合、実装装置20の入力操作画面や管理装置40の入力デバイス46などにより、作業者がメンテナンス作業を行ったことを入力可能としておき、実装制御装置29は、メンテナンス作業の入力が受け付けられるとタイムスタンプを発行して記憶部28などに記憶する。そして、実装制御装置29は、検査結果に基づいて補正値が設定されると、メンテナンス作業の日時情報も補正値に対応付けて記憶部28に記憶し、メンテナンス作業の最新の日時情報に対応付けられていない補正値を用いず、メンテナンス作業の最新の日時情報に対応付けられた補正値を用いて補正を行う。なお、メンテナンス作業には、例えばマークカメラ26やパーツカメラ27の光軸の調整作業やカメラを固定するネジ、ボルトなどの締結部材の増し締め作業、マークカメラ26やパーツカメラ27のレンズからの埃やグリスなどの拭取(清掃)作業などが含まれる。
【0038】
上述した実施形態では、実装制御装置29がタイムスタンプを発行する機能を有したが、これに限られず、管理装置40から発行されたタイムスタンプなどをLAN18を介して通信により受信するものなどとしてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、補正値としてX方向の補正値ΔXやY方向の補正値ΔY,角度補正値Δθを例示したが、これに限られず、角度補正値Δθ以外のX方向の補正値ΔXやY方向の補正値ΔYを設定するなど、実装位置に関する補正値であればよい。
【0040】
ここで、本開示の部品実装装置は、以下のように構成してもよい。例えば、本開示の第1の部品実装装置において、前記記憶制御部は、前記生産プログラム毎に該生産プログラムが作成または更新された日時情報を前記記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記生産プログラムの最新の日時情報および前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させ、前記補正部は、前記生産プログラムの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、前記生産プログラムの最新の日時情報および前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応する前記補正値を用いるものとしてもよい。こうすれば、生産プログラムの更新前やキャリブレーションの実行前に設定された補正値が、生産プログラムの更新後またはキャリブレーションの実行後も継続して用いられることにより、却って実装位置に関する不良が生じるのを抑制することができる。
【0041】
本開示の第1の補正値管理方法は、生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う際の前記部品の実装位置に関する補正値を管理する補正値管理方法であって、(a)前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定するステップと、(b)実装処理に関するキャリブレーションが実行されると該キャリブレーションが実行された日時情報を記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されるとキャリブレーションの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させるステップと、(c)前記キャリブレーションの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行うステップと、を含むことを要旨とする。
【0042】
本開示の第1の補正値管理方法は、上述した第1の部品実装装置と同様に、キャリブレーションの実行前に設定された補正値がキャリブレーションの実行後も継続して用いられることにより、却って実装位置に関する不良が生じるのを抑制することができる。したがって、煩雑な処理を伴うことなく、部品を実装する際の補正値を適切に使用することができる。
【0043】
本開示の第2の補正値管理方法は、生産プログラムに基づいて部品を基板へ実装する実装処理を行う際の前記部品の実装位置に関する補正値を管理する補正値管理方法であって、(a)前記生産プログラムに含まれる前記部品の実装位置に関する補正値を設定するステップと、(b)前記生産プログラム毎に該生産プログラムが作成または更新された日時情報を記憶部に記憶させ、前記補正値が設定されると前記生産プログラムの最新の日時情報に対応付けて該補正値を前記記憶部に記憶させるステップと、(c)前記生産プログラムの最新の日時情報に対応しない前記補正値を用いず、該最新の日時情報に対応する前記補正値を用いて実装位置に関する補正を行うステップと、を含むことを要旨とする。
【0044】
本開示の第2の補正値管理方法は、上述した第2の部品実装装置と同様に、生産プログラムの更新前に設定された補正値が、生産プログラムの更新後も継続して用いられることにより、却って実装位置に関する不良が生じるのを抑制することができる。したがって、煩雑な処理を伴うことなく、部品を実装する際の補正値を適切に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本開示は、部品実装装置の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 基板作業システム、12 印刷装置、14 印刷検査装置、18 LAN、20 実装装置、21,32 基板搬送装置、22 部品供給装置、23 ヘッド、24 ノズル、25 ヘッド移動装置、26 マークカメラ、27 パーツカメラ、28 記憶部、28a キャリブレーションデータ、28b 生産プログラムデータ、28c 補正データ、29 実装制御装置、29a キャリブレーション部、29b プログラム受付部、29c タイムスタンプ発行部、29d 補正値設定部、29e 実装処理部、30 実装検査装置、34 検査カメラ、36 カメラ移動装置、39 検査制御装置、40 管理装置、42 管理制御装置、44 記憶部、46 入力デバイス、48 ディスプレイ、S 基板。