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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-26
(45)【発行日】2023-01-10
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20221227BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
E02F3/43 E
E02F9/20 Q
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022509495
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(86)【国際出願番号】 JP2021008785
(87)【国際公開番号】W WO2021192932
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2020053351
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】早川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】泉 枝穂
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/047695(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/174154(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/009341(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/43
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と,
前記車体に取り付けられた作業装置と,
前記車体の位置を演算する車体位置演算装置と,
前記作業装置の姿勢を検出する姿勢センサと,
前記作業装置を駆動する複数のアクチュエータの駆動状態を検出する駆動状態センサと,
前記車体位置演算装置で演算された前記車体の位置と,前記姿勢センサの検出データから演算される前記作業装置の位置とに基づいて,前記作業装置に設定されたモニタポイントの位置情報を演算し,前記位置情報を利用して前記作業装置の作業対象の現況形状データを更新するコントローラとを備えた作業機械において,
前記コントローラは,
前記駆動状態センサの検出データと,前記作業装置に作用する力またはモーメントの少なくとも1つのつり合いの関係とを利用して前記作業装置が接地状態にあるか否かを判定し,
前記作業装置が接地状態にあると判定された接地期間中における前記作業装置に設定されたモニタポイントの移動軌跡と前記作業装置の外形形状とに基づいて,前記作業装置によって形成される作業対象の部分形状データを生成し,前記部分形状データに基づいて前記作業対象の現況形状データを更新することを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1の作業機械において,
前記モニタポイントは,前記作業装置に複数設定されており,
前記外形形状は,前記複数のモニタポイントの位置によって規定されることを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項2の作業機械において,
前記コントローラは,
前記作業装置が接地状態にあると判定された接地期間中の第1時刻における前記複数のモニタポイントの位置によって規定される第1外形形状と,前記接地期間中の前記第1時刻より後の第2時刻における前記複数のモニタポイントの位置によって規定される第2外形形状と,前記第1時刻から前記第2時刻までの間における前記複数のモニタポイントの移動軌跡とに基づいて,前記部分形状データを生成することを特徴とする作業機械。
【請求項4】
請求項2の作業機械において,
前記作業装置を操作するための操作レバーをさらに備え,
前記コントローラには,前記作業装置の施工対象の目標形状が規定された目標面が記憶されており,
前記コントローラは,
前記操作レバーに入力される操作量と,前記作業装置から前記目標面までの距離である目標面距離とを含むデータに基づいて前記作業装置の動作判定を行い,前記動作判定の結果から前記作業装置が接地していると推定される接地領域を決定し,
前記移動軌跡は,前記作業装置に複数設定されたモニタポイントのうち前記接地領域に属するモニタポイントの移動軌跡であることを特徴とする作業機械。
【請求項5】
請求項4の作業機械において,
前記作業装置の先端はバケットとなっており,
前記複数のモニタポイントは前記バケットに設定された複数の点であり,前記複数の点には前記バケットの爪先に設定された第1点と,前記バケットの底面における後端に設定された第2点とが含まれており,
前記コントローラは,
前記動作判定の結果が掘削動作のときは前記接地領域として前記第1点を含む第1接地領域を選択し,
前記動作判定の結果が締め固め動作のときは前記接地領域として前記第2点を含む第2接地領域を選択し,
前記動作判定の結果が土羽打ち動作のときは前記接地領域として前記第1点及び前記第2点を含む第3接地領域を選択することを特徴とする作業機械。
【請求項6】
請求項5の作業機械において,
前記コントローラは,
前記動作判定の結果が前記掘削動作のときは前記移動軌跡に基づいて前記部分形状データを生成し,
前記動作判定の結果が前記締め固め動作のときは前記移動軌跡に基づいて前記部分形状データを生成し,
前記動作判定の結果が前記土羽打ち動作のときは前記作業装置が接地状態にあると判定された接地期間中における前記複数の点の位置によって規定される前記外形形状に基づいて前記部分形状データを生成することを特徴とする作業機械。
【請求項7】
請求項3の作業機械において,
前記コントローラは,前記第1外形形状,前記第2外形形状及び前記移動軌跡で囲まれた領域である作業装置通過領域を水平方向において複数の区間に分割し,その分割後の各区間において重力方向下側に位置する線分に基づいて前記部分形状データを生成することを特徴とする作業機械。
【請求項8】
請求項3の作業機械において,
前記作業装置の先端はバケットになっており,
前記複数のモニタポイントは前記バケットに設定された複数の点であり,
前記コントローラは,前記第1外形形状,前記第2外形形状及び前記移動軌跡で囲まれた領域である作業装置通過領域を前記バケットの回動中心を通過する複数の放射状の直線で複数の区間に分割し,その分割後の各区間において前記バケットの回動中心から最も遠い線分に基づいて前記部分形状データを生成することを特徴とする作業機械。
【請求項9】
請求項3の作業機械において,
前記コントローラには,前記作業装置の施工対象の目標形状が規定された目標面が記憶されており,
前記コントローラは,前記第1外形形状,前記第2外形形状及び前記移動軌跡で囲まれた領域である作業装置通過領域を前記目標面に沿った方向において複数の区間に分割し,その分割後の各区間において前記目標面に最も近い線分に基づいて前記部分形状データを生成することを特徴とする作業機械。
【請求項10】
請求項3の作業機械において,
前記コントローラは,前記第1外形形状,前記第2外形形状及び前記移動軌跡で囲まれた領域である作業装置通過領域を前記現況形状データが規定する現況形状に沿った方向において複数の区間に分割し,その分割後の各区間において前記現況形状の下方に位置しかつ前記現況形状から最も遠い線分に基づいて前記部分形状データを生成することを特徴とする作業機械。
【請求項11】
請求項1の作業機械において,
前記コントローラは,前記部分形状データに基づいて更新された前記現況形状データを用いて前記作業装置による作業の進捗状況データを生成し,
前記コントローラによって生成された前記進捗状況データを表示するモニタをさらに備えることを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業装置を備える油圧ショベルなどの作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,油圧ショベルを代表とする作業機械の分野では,施工対象の完成形状を3次元で定義した目標面データを利用して高効率・高精度な施工を実現する情報化施工対応作業機械が知られている。例えば,情報化施工に対応した油圧ショベルには,作業装置を構成する各フロント部材(ブーム,アーム,バケット)や車体の位置と姿勢を車体の周囲の目標面データとともにモニタに表示するマシンガイダンス機能や,掘削動作時にバケットが目標面に沿って動くように少なくとも1つのアクチュエータを制御するマシンコントロール機能を備えるものがある。
【0003】
近年では,これらの機能を提供するために演算された作業装置の位置情報(所定の3次元座標情報)を,時刻情報とともに施工履歴データとして記録し,活用する動きが広まっている。その代表的な例として,施工履歴データに記録されたバケットの軌跡情報(位置情報の時系列)から油圧ショベル(作業装置)によって形成された地形(出来形)のデータ(地形データ)を生成し,出来高部分払いや浚渫工における出来高管理に活用する,といった事例がある。
【0004】
このような,施工履歴データを基に地形データを生成する手法として,特許文献1に記載の出来形情報処理装置では,アームクラウド動作をパイロット圧やアームシリンダ圧により検出し,作業装置に予め設定した計測点(モニタポイント)の3次元位置の計測結果に基づいて地形データ(出来形情報)を更新する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-200185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された手法は,アームクラウド動作が検出されている間のモニタポイント(例えばバケット先端)の位置情報を利用して地形データ(施工対象の現況形状のデータ)を更新しているが,作業装置(バケット)が実際に掘削動作を行っているか否かを判定していない。そのため,例えば空中でアームクラウド動作が行われ実際には掘削動作が行われていない場合にもそのときのモニタポイントの位置情報から地形データを生成してしまう。すなわち実際と異なる形状が地形データとして記録される可能性がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的は,施工履歴データに基づいて実際の施工対象の形状に近い現況形状データを生成できる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが,その一例を挙げるならば,車体と,前記車体に取り付けられた作業装置と,前記車体の位置を演算する車体位置演算装置と,前記作業装置の姿勢を検出する姿勢センサと,前記作業装置を駆動する複数のアクチュエータの駆動状態を検出する駆動状態センサと,前記車体位置演算装置で演算された前記車体の位置と,前記姿勢センサの検出データから演算される前記作業装置の位置とに基づいて,前記作業装置に設定されたモニタポイントの位置情報を演算し,前記位置情報を利用して前記作業装置の作業対象の現況形状データを更新するコントローラとを備えた作業機械において,前記コントローラは,前記駆動状態センサの検出データと,前記作業装置に作用する力またはモーメントの少なくとも1つのつり合いの関係とを利用して前記作業装置が接地状態にあるか否かを判定し,前記作業装置が接地状態にあると判定された接地期間中における前記作業装置に設定されたモニタポイントの移動軌跡と前記作業装置の外形形状とに基づいて,前記作業装置によって形成される作業対象の部分形状データを生成し,前記部分形状データに基づいて前記作業対象の現況形状データを更新する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば実際の施工対象の形状に近い現況形状データをユーザに提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る油圧ショベルの構成図。
図2】各フロント部材の回動角度と上部旋回体の傾斜角と車体座標系の説明図。
図3】本発明の実施形態に係る油圧ショベルのシステム構成図。
図4】作業装置に作用する力の説明図。
図5】作業装置に関する各部の長さや角度の説明図。
図6】ブームシリンダ周辺部における各部の長さと角度の説明図。
図7】モニタポイントをバケットに設定した場合の説明図。
図8】ある時刻t0と,t0の直後に作業装置及び車体の位置データ及び姿勢データが更新された時刻t1におけるバケットの姿勢を示す図。
図9】第2の生成方法を採用した場合の部分形状データ生成部による部分形状データの生成プロセスの一例を示す図。
図10】第2の生成方法を採用した場合の部分形状データ生成部による部分形状データの生成プロセスの一例を示す図。
図11】第2の生成方法を採用した場合の部分形状データ生成部による部分形状データの生成プロセスの一例を示す図。
図12】第2の生成方法を採用した場合の部分形状データ生成部による部分形状データの生成プロセスの一例を示す図。
図13】現況地形データ生成部が行う現況地形データの生成処理の一例を示す図。
図14】現況地形データ生成部が行う現況地形データの生成処理の一例を示す図。
図15】現況地形データ生成部が行う現況地形データの生成処理の一例を示す図。
図16】現況地形データ生成部が行う現況地形データの生成処理の一例を示す図。
図17】第1の生成方法を採用した場合におけるコントローラ(接地状態判定部及び部分形状データ生成部)による具体的な処理のフローチャートの一例。
図18】部分形状データに重複部分が存在する場合に利用される抽出条件を選択するためのフローチャートの一例。
図19】第1の生成方法を採用する場合にバケットに設定するモニタポイント及び接地領域の一例を示す図。
図20】動作判定結果ごとの部分形状データの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下,本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお,以下では,作業装置の先端のアタッチメントがバケット4になっている油圧ショベルを例示するが,バケット以外のアタッチメントを備える油圧ショベルや,ブルドーザーなどの作業機械に本発明を適用しても構わない。
【0012】
(油圧ショベルの概略構成)
図1は本発明の実施形態に係る油圧ショベルの構成図である。図1に示すように,油圧ショベル1は,垂直方向にそれぞれ回動する複数のフロント部材(ブーム2,アーム3及びバケット4)を連結して構成された多関節型の作業装置(フロント作業装置)1Aと,上部旋回体1BA及び下部走行体1BBからなる車体1Bとで構成されている。
【0013】
作業装置1Aの基端側に位置するブーム2の基端は上部旋回体1BAの前部に上下方向に回動可能に取り付けられている。上部旋回体1BAは下部走行体1BBの上部に旋回可能に取り付けられている。
【0014】
また上部旋回体1BAには,作業装置1Aに設定された複数のモニタポイントの位置データ(位置情報)を演算し,その位置データを利用することで油圧ショベル1の周囲の現況地形データ(現況形状データとも言う。現況形状データは作業装置1Aの作業対象(地形)の形状を規定するデータでもある。)を更新する機能を有するコントローラ100と,現況地形データを取得して油圧ショベル1内のコントローラ100に入力するための現況地形データ入力装置22とが取り付けられている。図1に示した油圧ショベル1には現況地形データ入力装置22の一例としてステレオカメラが取り付けられているが,3次元レーザスキャナなど公知の装置が利用可能である。また,現況地形データが記憶されたフラッシュメモリやリムーバブルメディア等も現況地形データ入力装置22として利用可能である。
【0015】
ブーム2,アーム3,バケット4,上部旋回体1BA及び下部走行体1BBは,それぞれ,ブームシリンダ5,アームシリンダ6,バケットシリンダ7,旋回油圧モータ8及び左右の走行油圧モータ9(油圧アクチュエータ)により駆動される被駆動部材を構成する。それら複数の被駆動部材の動作は,上部旋回体1BA上の運転室内に設置された走行右レバー10a,走行左レバー10b,操作右レバー11a及び操作左レバー11b(これらを操作レバー10,11と総称することがある)がオペレータにより操作されることにより発生する制御信号(例えばパイロット圧や電気信号)によって制御される。
【0016】
オペレータが操作レバー10,11を介して入力する各油圧アクチュエータ5-9に対する操作量は複数の操作量センサ20によって検出されてコントローラ100に入力されている(図3参照)。操作レバー10,11が出力する制御信号がパイロット圧の場合,操作量センサ20としては圧力センサが利用できる。
【0017】
ブームシリンダ5にはその駆動状態センサとして,ブームシリンダ5のロッド側及びボトム側の作動油圧Pr,Pbを検出するための複数の圧力センサ19が取り付けられている。圧力センサ19によって検出された作動油圧Pr,Pbからはブームシリンダ5の駆動状態を判断できる。
【0018】
上記の複数の被駆動部材を駆動する制御信号には,操作レバー10,11の操作によって出力されるものだけでなく,油圧ショベル1に搭載された複数の比例電磁弁(図示せず)の一部(増圧弁)が所定の条件下で操作レバー10,11の操作とは無関係に動作して出力するパイロット圧や,複数の比例電磁弁の一部(減圧弁)が動作して操作レバー10,11の操作によって出力されたパイロット圧を減圧したものが含まれる。このように複数の比例電磁弁(増圧弁及び減圧弁)から出力されたパイロット圧は,予め定められた条件に従ってブームシリンダ5,アームシリンダ6及びバケットシリンダ7を動作させるいわゆるマシンコントロールを発動できる。
【0019】
作業装置1Aには,ブーム2,アーム3,バケット4の回動角度α,β,γ(図2参照)を測定可能なように,ブームピンにブーム角度センサ12が,アームピンにアーム角度センサ13が,バケットリンク15にバケット角度センサ14が取付けられている。上部旋回体1BAには,基準面(例えば水平面)に対する上部旋回体1BA(車体1B)の前後方向の傾斜角であるピッチ角θp(図2参照)を検出する車体前後傾斜角センサ(ピッチ角センサ)16aと,上部旋回体1BA(車体1B)の左右方向の傾斜角であるロール角φ(図示せず)を検出する車体左右傾斜角センサ(ロール角センサ)16bとが取付けられている。なお,これらの角度センサはIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置),ポテンショメータ,ロータリエンコーダなどのセンサを用いてもよいし,各シリンダ5,6,7の長さをストロークセンサにより測定して回動角度に換算してもよい。また,バケット角度センサ14はバケットリンク15でなくバケット4に取り付けられていてもよい。
【0020】
上部旋回体1BAには第1GNSSアンテナ17aと第2GNSSアンテナ17bが配置されている。第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bはRTK-GNSS(Real Time Kinematic - Global Navigation Satellite Systems)用のアンテナであり,複数のGNSS衛星(測位衛星)から送信されるされる電波(航法信号)を受信して受信機4012(図3参照)に出力する。
【0021】
受信機(車体位置演算装置)4012は第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bが受信した航法信号に基づいて,作業現場に設定された現場座標系における第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bの位置を演算する。演算した第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bの位置に基づいて受信機4012は上部旋回体1BAや作業装置1Aの方位角θy(図示せず)を演算できる。なお,本実施形態では現場座標系の座標値を出力する受信機4012を用いて説明するが,受信機4012は地理座標系,平面直角座標系,地心直交座標系または現場座標系の少なくとも1つの座標系の座標値を第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bの位置として出力可能なものであればよい。また,地理座標系における座標値は緯度,経度及び楕円体高からなる。平面直角座標系,地心直交座標系及び現場座標系の座標値はX,Y,Z座標等からなる3次元直交座標系である。地理座標系座標値はガウス・クリューゲルの等角投影法などを用いて平面直角座標系などの3次元直交座標系に変換可能である。また,平面直角座標系,地心直交座標系及び現場座標系はアフィン変換またはヘルマート変換などを用いることで相互に変換可能である。
【0022】
図2中に記されているX軸及びZ軸は,ブームピンの軸心上の点(例えば中央点)を原点とし,車体上方方向をZ軸,車体前方方向をX軸,車体右方向をY軸とする車体座標系を表したものである。
【0023】
車体座標系と現場座標系は公知の方法で求められる座標変換パラメータを用いることで相互に変換可能である。例えばこの座標変換パラメータは,第1GNSSアンテナ17aの車体座標系における座標値が既知であるとき,傾斜角センサ16a,16bにより取得される車体1Bのピッチ角θ及びロール角φと,第1及び第2GNSSアンテナ17a,17bの位置関係から受信機4012で演算される方位角θyと,第1GNSSアンテナ17aの車体座標系における座標値と,第1GNSSアンテナ17aのGNSS測位(好ましくはRTK-GNSS測位)による現場座標系における座標値から求めることができる。
【0024】
作業装置1A上の任意のモニタポイントの車体座標系における位置データは,ブーム2,アーム3,バケット4の回動角度α,β,γと,各フロント部材2,3,4の寸法値Lbm,Lam,Lbkから演算可能であることから,当該任意のモニタポイントの現場座標系における位置データを求めることが可能である。
【0025】
上部旋回体1BAには,作業装置1Aの施工対象(例えば土砂,岩石等)の目標形状(完成形)が規定された目標面のデータ(目標面データ)を入力するための目標面データ入力装置21が搭載されている。目標面データ入力装置21は,例えば,フラッシュメモリなどの半導体メモリや無線通信を介して外部(例えば,設計データが格納されたコンピュータやサーバ)から取得した目標面データをコントローラ100に入力する。
【0026】
油圧ショベル1の運転室内にはモニタ405が設置されている。モニタ405の画面上には,各種角度センサ12,13,14,16の出力から演算された作業装置1Aの姿勢データや,第1及び第2GNSSアンテナ17a,17bの受信信号から演算された上部旋回体1BAの位置データ等を基に作業装置1Aを側面視した画像及び目標面の断面形状を表示しても良い。
【0027】
(コントローラ100周辺の構成)
図3は本実施形態に係る油圧ショベル1のシステム構成図である。本実施形態の油圧ショベル1は,図3に示すように,コントローラ100と,複数の圧力センサ19と,複数の操作量センサ20と,目標面データ入力装置21と,現況地形データ入力装置22と,角度センサ12,13,14と,第1及び第2GNSSアンテナ17a,17bと,車体の傾斜角センサ(ピッチ角センサ,ロール角センサ)16a,16bと,モニタ45とを備えている。
【0028】
コントローラ100としては,例えば,CPU等の演算処理装置4061と,RAM,ROM等の半導体記憶装置又はHDD等の磁気記憶装置からなる記憶装置4062と,各種センサやアクチュエータなどとの間で情報をやり取りする入出力インタフェース(図示せず)とを備えたコンピュータが利用可能であり,単体または複数のコンピュータから構成できる。また,コントローラ100の一部またはすべてを油圧ショベル1上の各種装置とネットワークを介して接続されるサーバ等で構成してもよい。
【0029】
コントローラ100は,記憶装置4062に格納されたプログラムを演算処理装置4061に実行させることで,作業機姿勢演算部4011,車体角度演算部4013,接地状態判定部4021,モニタポイント位置演算部4022,部分形状データ生成部4023,現況地形データ生成部4032及び進捗管理情報生成部404として機能する。すなわち,図3でコントローラ100内に矩形で示した各部はコントローラ100が演算処理を行って発揮する機能をブロックで分類したものである。なお,第1及び第2GNSSアンテナ17a,17bを利用したGNSS測位を行う受信機4012は,図3に示すようにコントローラ100内の機能の一部である車体位置演算部4012としても良いし,上述のようにコントローラ100から独立した装置としても良い。以下,コントローラ100内の各部で行われる処理の詳細について説明する。
【0030】
(作業機姿勢演算部4011)
作業機姿勢演算部4011は,ブーム角度センサ12,アーム角度センサ13,バケット角度センサ14のセンサ値を入力とし,作業装置1Aの姿勢情報としてブーム2,アーム3,バケット4の回動角度α,β,γ(図2参照)を演算する。ここで演算される角度データは作業装置1Aの姿勢データとして利用可能である。
【0031】
(車体位置演算部(受信機)4012)
車体位置演算部(受信機)4012は,第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bが受信した航法信号に基づいて,現場座標系における第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bの位置座標(位置データ)を演算する。ここで演算される位置データは車体1Bの位置データとして利用可能である。
【0032】
(車体角度演算部4013)
車体角度演算部4013は,車体位置演算部4012で演算された現場座標系における第1GNSSアンテナ17a及び第2GNSSアンテナ17bの位置座標に基づいて現場座標系における作業装置1A(上部旋回体1BA)の方位角θyを演算する。また車体角度演算部4013は,車体前後傾斜角センサ(ピッチ角センサ)16a,車体左右傾斜角センサ(ロール角センサ)16bのセンサ値を入力として,上部旋回体1BAのロール角θr及びピッチ角θpを演算する。ここで演算される角度データは車体1Bの姿勢データとして利用可能である。
【0033】
(接地状態判定部4021)
接地状態判定部4021は,作業機姿勢演算部4011,車体位置演算部4012及び車体角度演算部4013が演算した作業装置1A及び車体1Bの位置データ及び姿勢データと,圧力センサ19が出力するブームシリンダ5の作動油圧Pr,Pbのデータ(圧力データ)とを入力として,作業装置1Aが接地状態にあるか否かを判定し,その判定結果(接地状態判定結果)を出力する。
【0034】
より具体的には,接地状態判定部4021,圧力センサ19が検出した信号と,作業装置1Aに作用する力またはモーメントの少なくとも1つのつり合いの関係とを利用して,地面の反力または地面の反力によるモーメントの少なくとも1つを演算し,その演算結果が所定の閾値以上であるかどうか判定することにより接地状態を判定する。
【0035】
本実施形態の接地状態判定部4021は,まず,作業装置1A及び車体1Bの位置データ及び姿勢データから,バケット4の位置情報が更新されたかどうかを確認する。そしてバケット4の位置情報が更新されていた場合,圧力センサ19が検出した信号と,ブームフートピン周りのモーメントのつり合いの関係とを用いて地面の反力を演算し,演算した反力が所定の閾値以上であるときにバケット4が接地状態であると判定している。
【0036】
ここで地面による反力の導出方法について,図4図6を用いて説明する。
【0037】
図4に示すように,作業装置1Aはブームフートピンによる支持力の他に,ブーム2,アーム3,バケット4の質量に応じた荷重,地面からの反力F及びブームシリンダ5による力が働いている。地面からの反力FによるモーメントをMF,ブームシリンダ5の力FcylによるモーメントをMcyl,ブーム2,アーム3,バケット4の荷重によるモーメントをそれぞれMbm,Mam,Mbkとすると,これらのモーメントは下記式1のように釣り合う。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】
ここで,地面からの反力Fによるモーメントは上記式2のように表せることから,式1,式2より地面からの反力Fは下記式3により求めることができる。地面からの反力Fが作用すると推定できる場所の車体座標系X座標をXbkmpとした。地面からの反力が作用すると推定できる場所は後述するモニタポイント位置演算部4022により推定したモニタポイントでもよいし,バケットの爪先などの特定の場所に固定してもよい。
【0041】
【数3】
【0042】
Xbkmpは,ブーム長さLbm,アーム長さLam,バケットピンからモニタポイントまでの距離Lbkmp,バケットモニタポイントとバケットピンを結ぶ直線とバケットピンとバケット爪先を結ぶ直線のなす角γmpを用いて,下記式4により導出できる。
【0043】
【数4】
【0044】
各部の長さや角度を図5に示す。式3における各モーメントのうち,荷重によるモーメントであるMbm,Mam,Mbkは下記式5,6,7により求めることができる。ただし,下記式5,6,7中のmbm,mam,mbkはブーム2,アーム3,バケット4の質量,gzは重力加速度の車体座標系Z軸方向成分,α’,β’,γ’はブーム2,アーム3,バケット4の角速度,fbm,fam,fbkはブーム2,アーム3,バケット4の角速度をもとに慣性力を計算する関数である。なお,fbm,fam,fbkは、ブーム2,アーム3,バケット4の角速度が十分小さいとき,無視してもよい。また,式5-7で使用されている,ブーム2,アーム3,バケット4の重心の車体座標系X座標Xbmg,Xamg,Xbkgは,それぞれ下記式8-10により導出できる。ただし,式中のLbmg,Lamg,Lbkgは各部のピンから重心位置までの距離,αg,βg,γgは各部の重心位置と各部の根本のピンを結ぶ直線と,各部の先端と根本を結ぶ直線のなす角である(図5参照)。
【0045】
【数5】
【0046】
【数6】
【0047】
【数7】
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
【0050】
【数10】
【0051】
図6にブームシリンダ周辺部の各部の長さと角度を示す。上記式3における各モーメントのうち,ブームシリンダ5によるモーメントMcylは下記式11により導出できる。式11中の力Fcylは,圧力センサ19で検出されるブームシリンダ5のロッド側及びボトム側の作動油圧Pr,Pbと,それぞれの受圧面積Sr,Sbを用いて下記式12のように表せる。また,下記式11におけるLrodはブームピンとブームシリンダロッドピン間の距離,φはブームピンとブームシリンダロッドピンを結ぶ直線と,ブームシリンダロッドピンとブームシリンダボトムピンを結ぶ直線のなす角である。このφは,余弦定理を用いてブームシリンダの長さStcylを下記式13のようにして求め,下記式14を用いて導出できる。
【0052】
【数11】
【0053】
【数12】
【0054】
【数13】
【0055】
【数14】
【0056】
本実施形態においてはモーメントのつり合いにより地面の反力Fを導出したが,力のつり合いを用いて地面の反力を求めてもよい。その場合,ブームピンにおける支持力を,荷重センサやひずみセンサを用いて検出し,演算に用いてもよい。
【0057】
以上のようにして求めた地面の反力Fが所定の閾値以上であるとき,接地状態判定部4021はバケット4が接地状態であると判定する。接地状態判定部4021によって作業装置1A(バケット4)が接地状態にあると判定された期間を接地期間と称することがある。
【0058】
接地判定に用いる閾値は,地面の固さや作業内容等を勘案して適切な値を設定する。たとえば軟らかい地面の掘削作業を行う場合,掘削作業中の地面からの反力Fは相対的に小さくなるため当該閾値を相対的に小さな値に,逆に固い地面を掘削する場合は閾値を相対的に大きな値とする。また,ここで設定する閾値は固定の値でなくてもよい。例えば,バケット4を地面に押し付ける力の最大値は,バケットの位置に応じて変動するため,閾値を車体座標系X座標の関数などで設定してもよい。その際,閾値の関数f(Xkmp)が下記式15のように,ある定数ConstにXbkmpの逆数をかけたものに設定した場合,下記式16に示すように地面からの反力FによるモーメントMFと定数Constを比較することによって接地状態を判定することができることから,閾値の設定条件によっては,地面からの反力を求めず,地面からの反力によるモーメントと閾値の比較で接地状態を判定してもよい。なお,ここで設定する閾値は,地面からの反力及び地面からの反力によるモーメントの両方を組み合わせて設定してもよい。
【0059】
【数15】
【0060】
【数16】
【0061】
(モニタポイント位置演算部4022)
モニタポイント位置演算部4022は,作業機姿勢演算部4011,車体位置演算部4012及び車体角度演算部4013が演算した作業装置1A及び車体1Bの位置データ及び姿勢データに基づいて,作業装置1Aの動作平面41(図7参照)上かつ作業装置1Aに設定された複数のモニタポイントMpm(図7参照)の位置を演算して記憶装置4062に記憶する。モニタポイントMpmの位置演算は例えば所定の間隔で行っても良いし,作業装置1Aの動作が確認されている間に所定の間隔で行っても良い。これら各条件に対して,接地状態判定部4021によって作業装置1Aが接地状態にあると判定されている間という条件を加えても良い。
【0062】
図7はモニタポイントをバケット4に設定した場合の説明図である。バケット4の左右側面の外形上にそれぞれk個(kは正の整数)のモニタポイントを設定し,左側面側のモニタポイントPlm(m=1~k)(図示せず)と,右側面側のモニタポイントPrm(m=1~k)(図示せず)とにおいてmが同じ値の2つのモニタポイントを結んだ線分をLm(m=1~k)とする。そして線分Lmが作業装置1Aの動作平面41と交差する点にモニタポイントMpm(m=1~k)を設定し,時刻tにおけるモニタポイントをMpm(t)とおく。例えばバケット4に設定した座標系におけるモニタポイントPlm,Prmの位置を予め計測しておけば,作業装置1A及び車体1Bの位置データ及び姿勢データから時刻tにおけるモニタポイントMpm(t)の位置を演算できる。
【0063】
(部分形状データ生成部4023)
部分形状データ生成部4023は,接地状態判定部4021によって作業装置1Aが接地状態にあると判定された接地期間中における少なくとも1つのモニタポイントMpmの移動軌跡63(図8参照)と作業装置1Aの外形形状61,62とに基づいて,作業装置1Aによって形成される作業対象の部分形状データ65を生成する。部分形状データ65は,現況地形の一部を接地期間中のモニタポイントMpmの時系列データを利用して近似したデータとも言える。モニタポイントは作業装置1Aに複数設定することが好ましく,その場合,作業装置1Aの外形形状61,62は当該複数のモニタポイントの位置によって規定される。
【0064】
より具体的に説明すると,部分形状データ生成部4023は,接地状態判定部4021によって作業装置1Aが接地状態にあると判定された接地期間中の第1時刻(t0)における複数のモニタポイントMpm(t0)の位置によって規定される第1外形形状61(図8参照)と,接地期間中の第1時刻より後の第2時刻(t1)における前記複数のモニタポイントMpm(t1)の位置によって規定される第2外形形状62(図8参照)と,第1時刻(t0)から第2時刻(t1)までの間における前記複数のモニタポイントの移動軌跡63(図8参照)とに基づいて,第1時刻(t0)から第2時刻(t1)までに間に作業装置1Aによって形成される作業対象の部分形状データ65(図9-12,20参照)を生成する。
【0065】
図8は,ある時刻t0と,t0の直後に作業装置1A及び車体1Bの位置データ及び姿勢データが更新された時刻t1におけるバケット4の姿勢を表している。図の例では3つのモニタポイントMp1,Mp2,Mp3がバケット4に設定されている。図8(B)に示すように,第1外形形状61は時刻t0(第1時刻)における3つのモニタポイントMp1,Mp2,Mp3によって規定されるバケット4の外形形状である。第2外形形状62は時刻t1(第2時刻)における3つのモニタポイントMp1,Mp2,Mp3によって規定されるバケット4の外形形状である。移動軌跡63は,各モニタポイントについてt0の時の位置とt1の時の位置とを接続した線によって規定される各モニタポイントの軌跡である。また,図8(C)に示すように,第1外形形状61,第2外形形状62及び移動軌跡63で囲まれる領域(ドットを付した領域)をバケット通過領域(作業装置通過領域)64と称する。
【0066】
次に部分形状データ生成部4023による部分形状データ65の生成例として主要な2つの方法を説明する。
【0067】
(部分形状データの第1の生成方法)
図19-20を用いて第1の生成方法について説明する。
【0068】
部分形状データ生成部4023は,記憶装置4062に格納された目標面データを用いて,バケットモニタポイントMpmから目標面までの距離(目標面距離)を求める。目標面距離の演算は目標面から最も近いバケットモニタポイントMpだけでも良い。部分形状データ生成部4023は,複数の操作量センサ20の検出値に基づいて,各フロント部材2,3,4(各油圧シリンダ5,6,7)に対する各操作レバー11a,11bの操作量を演算する。なお,操作量は,操作量センサ20により操作される際のパイロット圧や電圧,操作レバー11a,11bの傾斜角度など,各操作レバー11a,11bを操作した際の操作内容に応じて変化する物理量を指す。
【0069】
次に部分形状データ生成部4023は,演算した目標面距離と操作量とに基づいて作業装置1Aの動作判定を行う。判定される動作としては図20に示すように,バケット4で施工対象を掘削する(a)掘削動作と,バケット底面を接地させた状態でアーム押し動作またはアーム引き動作をすることで施工対象を目標面の形状に近づける(b)締め固め動作と,ブーム下げ操作によりバケット底面を施工対象に打ち付けることで施工対象を目標面の形状に近づける(c)土羽打ち動作がある。なお,動作判定には目標面距離と操作量以外の他の情報(データ)を利用しても良い。
【0070】
本実施形態での動作判定は,例えば「操作レバー11のアーム引き操作量が所定の閾値以上」かつ「目標面距離が最小となるバケットモニタポイントMpmがバケット爪先」のときに掘削動作と判定し,「操作レバー11のブーム下げ操作量が所定の閾値以上」かつ「操作レバー11のアーム・バケット操作量が所定の閾値未満」のときに土羽打ち動作と判定し,それ以外のときを締固め動作と判定する。なお,ここで利用される各種閾値は,オペレータの操作の癖などによって適切な値が異なることが考えられる。そのため,例えば掘削,土羽打ち,締固めと言った動作を実際に少なくとも一定回数行い,その際の操作量を基に設定しても良い。
【0071】
部分形状データ生成部4023は,作業装置1Aが施工対象に接触(接地)していると推定される作業装置1A上の領域(接地領域)を上記の動作判定結果に基づいて決定する。
【0072】
ここでは図19のようにバケット4の側面における外形に沿って5つのモニタポイントMp1-Mp5が設定されているとする。このうちMp1はバケット4の爪先に設定されたモニタポイント(第1点)であり,Mp2はバケット底面における後端に設定されたモニタポイント(第2点)である。なお,本稿における「バケット底面」とはモニタポイントMp1からモニタポイントMp2までの領域とする。
【0073】
・掘削動作の場合
動作判定の結果が掘削動作のとき,部分形状データ生成部4023は,バケット爪先を少なくとも含む所定の領域である第1接地領域Ga1(図19参照)を接地領域として選択する。図19に示した5つのモニタポイントMp1-Mp5のうち第1接地領域Ga1に属するものはモニタポイントMp1のみであり,部分形状データ生成部4023は,図20(a)に示すようにモニタポイントMp1の時刻t0からt1までの移動軌跡63を部分形状データ65として生成する。なお,第1接地領域Ga1に複数のモニタポイントが含まれている場合には,上記の移動軌跡63に第1外形形状61をさらに追加したものを部分形状データ65としても良い。
【0074】
・締め固め動作の場合
動作判定の結果が締め固め動作のとき,部分形状データ生成部4023は,バケット底面の後端を少なくとも含む所定の領域である第2接地領域Ga2(図19参照)を接地領域として選択する。図19に示した5つのモニタポイントMp1-Mp5のうち第2接地領域Ga2に属するものはモニタポイントMp2のみであり,部分形状データ生成部4023は,図20(b)に示すようにモニタポイントMp2の時刻t0からt1までの移動軌跡63を部分形状データ65として生成する。なお,第2接地領域Ga2に複数のモニタポイントが含まれている場合には,上記の移動軌跡63に第2外形形状62をさらに追加したものを部分形状データ65としても良い。
【0075】
・土羽打ち動作の場合
動作判定の結果が土羽打ち動作のとき,部分形状データ生成部4023は,バケット爪先とバケット底面の後端を少なくとも含む所定の領域である第3接地領域Ga3(図19参照)を接地領域として選択する。図19に示した5つのモニタポイントMp1-Mp5のうち第3接地領域Ga3に属するものは2つのモニタポイントMp1,Mp2であり,部分形状データ生成部4023は,図20(c)に示すように時刻t1(第2時刻)において2つのモニタポイントMp1,Mp2を接続した線分(すなわち第2外形形状62)を部分形状データ65として生成する。
【0076】
・処理フローの具体例
ここで部分形状データ生成部4023が第1の生成方法を採用した場合における接地状態判定部4021及び部分形状データ生成部4023による具体的な処理の流れの1つを図17のフローチャートを用いて説明する。なお,各処理の詳細については上記の説明を参照されたい。
【0077】
まず,接地状態判定部4021は,作業機姿勢演算部4011,車体位置演算部4012及び車体角度演算部4013が演算した作業装置1A及び車体1Bの位置データ及び姿勢データを取得する(S170)。次に接地状態判定部4021は,S170で取得したデータに基づいてバケット4の位置に変化があるか否かを判定する(S171)。S171においてバケット位置に変化があったと判定された場合にはS172へ進み,反対にバケット位置に変化が無いと判定された場合にはS170に戻る。
【0078】
S172において,接地状態判定部4021は,S170で取得した作業装置1A及び車体1Bの位置データ及び姿勢データと,圧力センサ19から出力されるブームシリンダ5の作動油圧Pr,Pbのデータ(圧力データ)とを用いて地面からの反力Fを演算する。演算した反力Fが所定の閾値以上の場合にはバケット4が接地状態にあると判断してS174に進み,逆に反力Fが閾値未満の場合にはバケット4は接地していないと判断してS170に戻る。
【0079】
S174では,部分形状データ生成部4023は,バケット4に設定された複数のモニタポイントMpm(図19参照)の位置データをモニタポイント位置演算部4022から入力する。
【0080】
S175では,部分形状データ生成部4023は,S174で入力した各モニタポイントMpmの位置データと,記憶装置4062に格納された目標面データとに基づいて,各モニタポイントMpmと目標面との距離(目標面距離)を演算する。
【0081】
S176では,部分形状データ生成部4023は,操作量センサ20の検出データから演算される操作レバー11a,11bと,S175で演算した目標面距離とに基づいて,作業装置1Aの動作が掘削動作,締め固め動作,土羽打ち動作のいずれであるかを判定する。
【0082】
S177では,部分形状データ生成部4023は,バケット4に設定された3つの接地領域Ga1,Ga2,Ga3(図20参照)の中から1つの接地領域をS176で判定された動作に基づいて決定する。
【0083】
S178では,部分形状データ生成部4023は,S177で決定された接地領域に属するモニタポイントの移動軌跡63または第2外形形状62に基づいて部分形状データ65を生成し(図20参照),生成した部分形状データ65を記憶装置4062に出力してコントローラ100に記憶させる。S178が完了したらS170に戻る。
【0084】
なお,図17のフローでは,S173でバケット4が接地状態にあると判断された場合にバケット4に設定されたモニタポイントMpmの位置情報を取得することとしたが,バケット4の接地状態に関わらずモニタポイントMpmの位置情報を取得しておき,それと並行してバケット4の接地状態を判定する処理を行っておき,接地状態にあると判断された時刻情報を格納しておき,
なお,図17のフローでは,S173でバケット4が接地状態にあると判断された場合にS174-S178の処理を行うものとして説明したが,S171の完了後は接地状態を判定する処理(S172,S173)を飛ばしてS174-S178の処理を実行し,例えば接地状態を判定する処理(S172,S173)は別途独立したフローで所定の間隔で実行しておき,接地状態にない状態で生成された部分形状データは記憶装置4062から削除する処理を行っても良い。また,S170,S171の処理についても同様に独立させ,バケット位置に変化がない状態で生成された部分形状データは記憶装置4062から削除する処理を行っても良い。
【0085】
(部分形状データの第2の生成方法)
図9-12を用いて第2の生成方法について説明する。部分形状データ生成部4023は図9-12に示した方法のいずれか1つを利用して部分形状データを生成する。
【0086】
図9の例では,部分形状データ生成部4023は,第1外形形状61,第2外形形状62及び移動軌跡63で囲まれた領域であるバケット通過領域64を水平方向において複数の区間に分割する(図9の例では3つの区間Sct1,Sct2,Sct3)。通常,このような複数の区間でバケット通過領域64を分割すると,各区間に複数の線分が存在することとなるが,その場合に各区間でどの線分を選択して部分形状データを生成すべきなのかが問題となる。そこで図9の例では,部分形状データ生成部4023は,分割後の各区間Sct1,Sct2,Sct3において重力方向下側に位置する線分に基づいて部分形状データ65を生成している。
【0087】
図10の例では,部分形状データ生成部4023は,第1外形形状61,第2外形形状62及び移動軌跡63で囲まれた領域であるバケット通過領域64をバケット4の回動中心(バケットピン)を通過する複数の放射状の直線で複数の区間に分割し(図10の例では4つの区間Sct1,Sct2,Sct3,Sct4),その分割後の各区間Sct1,Sct2,Sct3,Sct4においてバケット4の回動中心から最も遠い線分に基づいて部分形状データ65を生成する。このように部分形状データ65を生成すると,目標面が鉛直に近い傾斜や鉛直を超えた傾斜(オーバーハング状態)を持っている場合にも適切な形状の部分形状データを生成できる。なお,ここではバケット4の回動中心を基準点としたが,アーム3の回動中心(アームピン)を基準点としても良い。
【0088】
図11の例では,部分形状データ生成部4023は,第1外形形状61,第2外形形状62及び移動軌跡63で囲まれた領域であるバケット通過領域64を目標面の延在方向に沿った方向において複数の区間に分割し(図11の例では3つの区間Sct1,Sct2,Sct3),その分割後の各区間Sct1,Sct2,Sct3において目標面に最も近い線分に基づいて部分形状データ65を生成する。
【0089】
図12の例では,部分形状データ生成部4023は,第1外形形状61,第2外形形状62及び移動軌跡63で囲まれた領域であるバケット通過領域64を,記憶装置4062の現況地形データが規定する現況地形(コントローラ100上の現況地形)の延在方向に沿った方向において複数の区間に分割し(図12の例では3つの区間Sct1,Sct2,Sct3),その分割後の各区間Sct1,Sct2,Sct3において,記憶装置4062の現況地形データが規定する現況地形の下方に位置しかつ当該現況地形から最も遠い線分に基づいて部分形状データ65を生成する。
【0090】
上記のように部分形状データ生成部4023が生成した部分形状データ65は,コントローラ100内の記憶装置4062に格納される。
【0091】
なお,上記では第1の生成方法と第2の生成方法を分けて説明したが,双方を行うことで部分形状データ65を生成しても良い。その場合の順番はいずれの方法が先でも構わない。また,上記のようにして得られた部分形状データ65は,例えば,面の方程式,頂点の座標と頂点を結ぶ辺の順番などの面情報,または部分形状データ65が規定する面上の点群の座標などの形式で現況地形データ生成部4032に出力できる。
【0092】
(現況地形データ生成部4032)
現況地形データ生成部4032は,部分形状データ生成部4023によって生成された複数の部分形状データ65に基づいて,記憶装置4062に記憶されている作業対象の現況地形データ(現況形状データ)を更新する。以下では現況地形データ生成部4032による現況地形データの生成方法のいくつかについて説明するが,以下に説明する以外の生成方法を利用しても構わない。
【0093】
現況地形データ生成部4032は,まず記憶装置4062に記録された複数の部分形状データ65に対し,各部分形状データ65の生成時刻(各部分形状データ65を構成するモニタポイントの位置の演算時刻でも良い),動作判定結果,接地領域の選択結果及び目標面距離などを用いて,現況地形データを生成する処理である地形化処理を行う対象のフィルタリングを行う。次に,このフィルタリングにより地形化処理の対象となった複数の部分地形データ(バケット軌跡)65について,重複する部分が存在するか否かを判定する。この重複判定は,各部分形状データ65A,65Bを水平面に投影し(図13),または各部分形状データ65A,65Bを目標面の法線方向に投影し(図14),投影後の各形状66A,66Bに重複する領域があるかどうかにより判定する。他の部分形状データ65と一切重複しない部分形状データ65はその全部を現況地形データとして採用する。一方,他の部分形状データ65と重複する部分形状データ65については,以下に説明する所定の抽出条件(部分形状抽出条件)を充足する部分形状データの一部または全部を抽出し,その抽出した一部または全部の部分形状データを現況地形データとして採用する。
【0094】
上記の抽出条件としては,例えば,各部分形状データ65の位置情報を比較して,鉛直方向の位置が最低の部分,鉛直方向の位置が最高の部分,目標面との鉛直方向の距離(目標面距離)が最小の部分,目標面の法線方向の距離が最低の部分,または目標面の法線方向の距離が最高の部分を現況地形データとして採用するものがある。あるいは,各部分形状データ65の生成時刻(すなわちバケット4による施工が行われた推定時刻)を比較して,時刻が最も古いもの,または時刻が最も新しいものを現況地形データとして採用するものがある。
【0095】
抽出条件の具体例の1つを図18に示す。まず,コントローラ100(現況地形データ生成部4032)は,抽出条件を充足するか否かの確認対象となっている全ての部分形状データ65に目標面距離のデータが含まれているか否かを判定する(S181)。目標面距離データが含まれている場合には,現況地形は目標面に漸近すると考えられるため,目標面の法線方向において目標面との距離が最小の部分を現況地形データとして採用する(S182)。
【0096】
S181の判定で目標面距離データが含まれていない部分形状データ65が存在する場合には,コントローラ100(現況地形データ生成部4032)は,抽出条件を充足するか否かの確認対象となっている部分形状データ65に盛り土部分が含まれているか否かを判定する(S183)。盛り土部分が含まれている場合には,現況地形の高さは高くなったり低くなったりを繰り返し得るため,高さ方向の条件ではなく生成時刻の条件,すなわち重複部分で生成時刻が最新のものを現況地形データとして採用する(S184)。
【0097】
S183の判定で盛り土部分が一切無いと判定された場合(すなわち切り土部分のみが存在すると判定された場合)には,現況地形の高さは常に低くなる方向に変化すると考えられるため,鉛直方向の位置が最低の部分を現況地形データとして採用する(S185)。
【0098】
なお,上記では2つの部分形状データ65で重複している部分(すなわち抽出条件の充足を確認した部分)の取り扱いについて触れたが,当該2つの部分形状データ65で重複していない部分(抽出条件の充足を確認していない残りの部分)の取り扱いは次のようにできる。すなわち,図15に示すように,2つの部分形状データ65A,65Bのうち抽出条件を充足した部分が属するものの全体(すなわち図15では部分形状データ65Bの全体)を地形データとして採用することができる。また,図16に示すように,2つの部分形状データ65A,65Bのうち抽出条件を充足した部分が属するものの全体(すなわち図16では部分形状データ65Bの全体)を地形データとして採用した上で,抽出条件を充足しなかった部分が属するもの(すなわち図16では部分形状データ65A)については,重複が発生していない部分(図16の部分形状データ65Aの実線部分)を地形データとして採用することもできる。
【0099】
現況地形データ生成部4032は,上記のように生成した現況地形データを記憶装置4062に出力してコントローラ100内に記憶させることで現況地形データを更新する。記憶装置4062への出力の際,例えば点群データまたはTIN(triangulated irregular network, 不整三角形網)データに変換しても良い。現況地形データは油圧ショベル1内のコントローラ100だけでなく,油圧ショベル1の外部のデバイス(例えばサーバなど)に出力しても良い。
【0100】
(進捗管理情報生成部404)
進捗管理情報生成部404は,現況地形データ生成部4032によって更新された記憶装置4062内の現況地形データを入力して,最新の現況地形,指定日や指定期間の現場出来高や各ショベルの出来高,現場全体の作業進捗率や各ショベル(各オペレータ)の作業進捗率,施工が完了した部分(出来形)の位置情報などを含む進捗管理情報を生成し,生成した情報をモニタ405等を介して油圧ショベル1のオペレータを含むユーザに提示する。なお,進捗管理情報生成部404による情報処理や情報提示の一部は,油圧ショベル1上に設置されたモニタ405だけでなく,油圧ショベル1の外に存在するスマートフォン,タブレットまたはパーソナルコンピュータなどのデバイスに表示しても良い。
【0101】
(効果)
(1)以上のように構成された油圧ショベル1によれば,作業装置1Aが接地している期間(接地期間中)のモニタポイントMpmの位置によって規定される外形形状61,62,及び移動軌跡63に基づいて部分形状データ65が生成されるので,作業装置1Aを空中で動作させたときのモニタポイントMpmの軌跡が現況地形データとして記録されることがなくなり,従前よりも実際の地形に近い正確な現況地形データを生成できる。
【0102】
(2)上記の油圧ショベル1では,操作量と目標面距離に基づいて作業装置1Aの動作判定を行い,その動作判定に応じて決定される接地領域によって部分形状データの生成に利用するモニタポイントMpmを選択しているので,従前よりも正確な現況地形データを生成できる。この点に関して,上記の特許文献1の技術では,掘削動作のみが検出可能であり,アームダンプ動作やブーム下げ動作を用いた締固め動作などは検出できない。また,同じアームクラウド動作をする場面であっても,掘削動作ではバケット爪先,締固め動作ではバケット背面と言ったように,記録されるべきモニタポイントが異なるが,特許文献1にはモニタポイントの設定方法について特に記載がない。
【0103】
(3)上記の油圧ショベル1では,作業装置1Aによる動作が掘削動作,締め固め動作および土羽打ち動作のうちいずれかであるかを判定し,その判定結果に応じた接地領域を利用することで,部分形状データの生成に利用するモニタポイントMpmを選択しているので,従前よりも正確な現況地形データを生成できる。
【0104】
(4)上記の油圧ショベル1では,作業装置1Aの動作が掘削動作と判定された場合には少なくとも移動軌跡63に基づいて部分形状データ65を生成し,締め固め動作と判定された場合には少なくとも移動軌跡63に基づいて部分形状データ65を生成し,土羽打ち動作と判定された場合には第2外形形状62に基づいて部分形状データ65を生成することとしたので,各動作で不要なモニタポイントMpmに基づく演算が実行されことが防止され,部分形状データ65の生成効率を向上できる。
【0105】
(5)部分形状データ65の候補が複数存在する場合には,図9に示す例のように重力方向下側に位置する線分に基づいて部分形状データ65が生成されるので,従前よりも正確な現況地形データを生成できる。
【0106】
(6)部分形状データ65の候補が複数存在する場合には,図10に示す例のようにバケット4やアーム3の回動中心から最も遠い線分に基づいて部分形状データ65が生成されるので,従前よりも正確な現況地形データを生成できる。特に目標面の角度が鉛直(90度)に近い場合や90度以上の場合にこの方法は顕著な効果を発揮する。
【0107】
(7)部分形状データ65の候補が複数存在する場合には,図11に示す例のように目標面の法線方向において最も目標面に近い線分に基づいて部分形状データ65が生成されるので,従前よりも正確な現況地形データを生成できる。
【0108】
(8)部分形状データ65の候補が複数存在する場合には,図12に示す例のようにコントローラ100上の現況地形の下方に位置し,かつ,コントローラ100上の現況地形から最も遠い線分に基づいて部分形状データ65が生成されるので,従前よりも正確な現況地形データを生成できる。
【0109】
(その他)
上記では車体1Bの位置を演算するための車体位置演算装置として,複数の測位衛星から送信される複数の航法信号に基づいて車体1Bの位置を演算する受信機4012を利用したが,例えば車体1Bに複数のターゲット(プリズム)を取り付け,当該複数のターゲットまでの距離をトータルステーションで測定することで車体1Bの位置を演算しても良い。すなわち,車体位置演算装置としてはトータルステーションも利用可能である。
【0110】
なお,本発明は,上記の実施の形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例が含まれる。例えば,本発明は,上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず,その構成の一部を削除したものも含まれる。また,ある実施の形態に係る構成の一部を,他の実施の形態に係る構成に追加又は置換することが可能である。
【0111】
また,上記のコントローラ100に係る各構成や当該各構成の機能及び実行処理等は,それらの一部又は全部をハードウェア(例えば各機能を実行するロジックを集積回路で設計する等)で実現しても良い。また,上記のコントローラ100に係る構成は,演算処理装置(例えばCPU)4061によって読み出し・実行されることでコントローラ100の構成に係る各機能が実現されるプログラム(ソフトウェア)としてもよい。当該プログラムに係る情報は,例えば,半導体メモリ(フラッシュメモリ,SSD等),磁気記憶装置(ハードディスクドライブ等)及び記録媒体(磁気ディスク,光ディスク等)等に記憶することができる。
【0112】
また,上記の実施の形態の説明では,制御線や情報線は,当該実施の形態の説明に必要であると解されるものを示したが,必ずしも製品に係る全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えて良い。
【符号の説明】
【0113】
1…油圧ショベル,1A…作業装置(フロント作業装置),1B…車体,1BA…上部旋回体,1BB…下部走行体,2…ブーム,3…アーム,4…バケット,5…ブームシリンダ,6…アームシリンダ,7…バケットシリンダ,11a…操作レバー,11b…操作左レバー,12…ブーム角度センサ,13…アーム角度センサ,14…バケット角度センサ,16a…車体前後傾斜角センサ(ピッチ角センサ),16b…車体左右傾斜角センサ(ロール角センサ),17a…第1GNSSアンテナ,17b…第2GNSSアンテナ,19…圧力センサ,20…操作量センサ,21…目標面データ入力装置,22…現況地形データ入力装置,41…動作平面,45…モニタ,61…第1外形形状,62…第2外形形状,63…移動軌跡,64…バケット通過領域(作業装置通過領域),65…部分形状データ,100…コントローラ,404…進捗管理情報生成部,405…モニタ,4011…作業機姿勢演算部,4012…車体位置演算部(受信機),4013…車体角度演算部,4021…接地状態判定部,4022…モニタポイント位置演算部,4023…部分形状データ生成部,4032…現況地形データ生成部,4061…演算処理装置(例えばCPU),4062…記憶装置
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