(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】風力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03D 1/06 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
F03D1/06 A
(21)【出願番号】P 2021188994
(22)【出願日】2021-10-27
【審査請求日】2022-05-06
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521461579
【氏名又は名称】田松 国広
(72)【発明者】
【氏名】田松 国広
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-281228(JP,A)
【文献】特開2005-237128(JP,A)
【文献】特開2006-219981(JP,A)
【文献】特開2001-132617(JP,A)
【文献】特開2011-085075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風洞(200)の径方向中央部において、回転風車(101)を有し、前記回転風車(101)の先端部をドーナツリング(102)で支持し、前記ドーナツリング(102)の内周側の軸心方向に両磁極を配し且つ前記ドーナツリング(102)の周方向に沿って同一磁極を揃えた第1永久磁石(103)を配列し、前記ドーナツリング(102)の軸心方向の前後面各々において径方向に両磁極を配し且つ前記ドーナツリング(102)の周方向に沿って同一磁極を揃えた第2永久磁石(104)及び第3永久磁石(105)を配列し、前記ドーナツリング(102)の外周に磁極を径方向に交互に向けて第4永久磁石(106)を配列してなる風力回転体(100)を備え、
前記風洞(200)は、前記ドーナツリング(102)の軸心方向の前後面各々に所定間隔で対面して支持リング(201,202)を設け、
前記両支持リング(201,202)の一方の支持リング(201)の対面側において前記第1永久磁石(103)の磁極に磁極を反発関係にして第5永久磁石(203)を当該一方の支持リング(201)の周方向に配列すると共に前記第2永久磁石(104)の各磁極に磁極を反発関係で対面する一対の第7永久磁石(205)を当該一方の支持リング(201)の周方向に配列し、
又、前記両支持リング(201,202)の他方の支持リング(202)の対面側において前記第1永久磁石(103)の磁極に磁極を反発関係にして第6永久磁石(204)を当該他方の支持リング(202)の周方向に配列すると共に前記第3永久磁石(105)の各磁極に磁極を反発関係で対面する一対の第8永久磁石(206)を当該他方の支持リング(202)の周方向に配列し、前記両支持リング(201,202)間の前記風洞
(200)の内壁に前記第4永久磁石(106)の回転方向に沿って電磁コイル(300)を固定配列したことを特徴とする風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動も可能な発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機或いは水力発電機は、回転軸に風又は水流を受けて回転する羽根を備え、該回転軸に発電モーターを連結しているのがスタンダードなタイプである。
これ等の発電機はいずれも回転軸の一端に羽根を他端に発電モーターを連結した長大なものである。したがって回転駆動ロスも大きい。
【0003】
最近特許文献1で紹介の風洞発電の方法がある。
この技術の目的は、小規模構造の一般家庭用から中規模以上の業務施設用まで幅広い対応能力、安全性を有する風力発電装置の提供である。
そして特徴とする内容は「内部に発電機能部を収めた支柱Bに、口径の異なる内外二重の円筒からなり水平回転自在の風向性を有した風胴体Aを回転動力部として載せ、円筒ドラム内壁に螺旋回転翼を固定して備え、風洞体A内部を貫通する風力によって円筒ドラム自体が回転する。その回転を円筒ドラム外壁部に固定された円盤状ギアにより、発電機能部へギア伝達する。その回転伝達時の抵抗による反作用を制御する機能として風洞体A風下に備えた方向舵の一部を任意可動の風向調整翼Cとする。内外二重構造の円筒風下側末端をそれぞれ外側へ拡大してそのディフューザ効果で風洞中央部の気流速度が増速される。加えて風胴体中心部に過剰風圧時の放圧調整バイパス機能を設ける。」である。
他に公知例として特許文献2~6を追加紹介する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-83237号公報「風洞発電の方法」
【文献】特開2009-281228号公報:引用文献1
【文献】特開2005-237128号公報:引用文献2
【文献】特開2006-219981号公報:引用文献3
【文献】特開2001-132617号公報:引用文献4
【文献】特開2011-85075号公報:引用文献5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に紹介の風洞発電装置は、特徴にあるように大変複雑な円筒ドラムを形成するが、螺旋回転翼の回転軸にギヤ-機構を介して発電機に連結する手段は従前と変わらず、回転駆動ロスも大きい。
【0006】
本発明は風力により回転駆動ロスが極めて極小でしかもコンパクトな機構にした簡単構造な風力発電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本考案は前記課題を満足するものであり、その技術的特徴は次の(1)の通りである。
(1)、風洞(200)の径方向中央部において、回転風車(101)を有し、前記回転風車(101)の先端部をドーナツリング(102)で支持し、前記ドーナツリング(102)の内周側の軸心方向に両磁極を配し且つ前記ドーナツリング(102)の周方向に沿って同一磁極を揃えた第1永久磁石(103)を配列し、前記ドーナツリング(102)の軸心方向の前後面各々において径方向に両磁極を配し且つ前記ドーナツリング(102)の周方向に沿って同一磁極を揃えた第2永久磁石(104)及び第3永久磁石(105)を配列し、前記ドーナツリング(102)の外周に磁極を径方向に交互に向けて第4永久磁石(106)を配列してなる風力回転体(100)を備え、
前記風洞(200)は、前記ドーナツリング(102)の軸心方向の前後面各々に所定間隔で対面して支持リング(201,202)を設け、
前記両支持リング(201,202)の一方の支持リング(201)の対面側において前記第1永久磁石(103)の磁極に磁極を反発関係にして第5永久磁石(203)を当該一方の支持リング(201)の周方向に配列すると共に前記第2永久磁石(104)の各磁極に磁極を反発関係で対面する一対の第7永久磁石(205)を当該一方の支持リング(201)の周方向に配列し、
又、前記両支持リング(201,202)の他方の支持リング(202)の対面側において前記第1永久磁石(103)の磁極に磁極を反発関係にして第6永久磁石(204)を当該
他方の支持リング(202)の周方向に配列すると共に前記第3永久磁石(105)の各磁極に磁極を反発関係で対面する一対の第8永久磁石(206)を当該他方の支持リング(202)の周方向に配列し、前記両支持リング(201,202)間の前記風洞(200)の内壁に前記第4永久磁石(106)の回転方向に沿って電磁コイル(300)を固定配列したことを特徴とする風力発電装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の風力発電装置は、前記風力回転体の前記第1永久磁石が前記両支持リングに固定した前記第5永久磁石及び第6永久磁石に対して無接触で浮遊回転して回転風車の回転軸方向の振動を防止する。しかも前記風力回転体の第2永久磁石及び第3永久磁石が前記第7永久磁石及び第8永久磁石に対しても無接触で浮遊回転して回転風車の径方向の振動を防止する。
この無接触浮遊回転により、風力回転体は回転駆動ロスが前記第4永久磁石と電磁コイル間の磁力のみとなり極めて極小に軽減されると共に回転風車の回転ブレを確実に防止して安定した回転作動をするので回転軸受けを原則不要となるが。回転軸受を設けることは一向に差し支えない。
また前記風力回転体と前記風洞とのコンパクト構造にしたものであり、製作的にも有利である。
利用分野としては、一般の風力発電装置として、或いは走行車両や列車はたまたドローンなどに併設して補助発電装置とする等々が揚げられ社会的利用価値が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1を示す説明図であり風洞に風力発電装置を設けた一部縦断面説明図である。
【
図2】
図1に示すに風力発電装置の要部を拡大して示す説明図である。
【
図3】
図1の矢視A-Aから見た横断面説明図の上部半分を示す概略図。
【
図4】
図1の矢視B-Bから見た横断面説明図の上部半分を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の風力発電装置を実施するための形態を
図1~
図4に示す実施例1により具体的に説明する。
【実施例1】
【0011】
本例の
図1~
図4において、風力発電装置は、風力回転体100と、風洞200の内壁部に設置の両支持リング201,202と電磁コイル300とからなる。
風力回転体100は、風洞200の中央部において、回転風車101を有し、前記回転風車101の先端部をドーナツリング102で支持する。
前記ドーナツリング102の
内周側には両磁極N,Sを
ドーナツリング102の軸方向に配し、且つ前記ドーナツリング102の周方向に沿って同一磁極(N同士、S同士)を揃えた第1永久磁石103を配列する。
前記ドーナツリング102の
軸方向の前後面各々において、径方向に両磁極N,Sを配し且つドーナツリング102の
中央の周方向に沿って同一磁極(N同士、S同士)を揃えた第2永久磁石104,
及び第3永久磁石105を配列する。
また前記ドーナツリング102の
外周にて磁極を径方向に交互に向けて
第4永久磁石106を配列する。
【0012】
前記風洞200は、前記ドーナツリング102の軸方向の前後面の各々に所定間隔で支持リング201,202を垂下設置する。
前記両支持リング201,202の対面側の内周側には、前記第1永久磁石103の両磁極の各々に反発関係となる磁極間隔で第5永久磁石203、第6永久磁石204を配列する。
更に、前記支持リング201,202の各対面側の中央部には、両磁極を支持リング201,202の径方向に配して前記第2永久磁石104,及び第3永久磁石105のそれぞれの対面磁極に対して磁極を反発関係にして各一対の第7永久磁石205及び第8永久磁石206を前記支持リング201,202の対面中央部の周方向に沿って各々配列する。
叉、前記両支持リング201,202間の風洞200内壁には前記第4永久磁石106の回転方向に沿って電磁コイル300を固定配列する。
【0013】
而して、前記風力回転体100の前記第1永久磁石103は、前記両支持リング201,202の前記第5永久磁石203、第6永久磁石204に対して無接触で浮遊回転して回転風車101の回転軸方向の振動を確実に防止する。
しかも前記風力回転体100の第2永久磁石及び第3永久磁石104、105は、第7永久磁石205及び第8永久磁石206に対しても無接触で浮遊回転して回転風車101の径方向の振動を確実に防止する。
これらの無接触回転により、風力回転体100は回転駆動ロスが極めて極小であると共に安定した浮遊回転作動をするので接触式の回転軸受けを原則不要となる。しかし回転軸受を設けることは一向に差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は前述の優れた作用効果を呈するため、一般家庭は勿論、発電産業界に貢献する事、多大なものが有り産業上の利用可能性は充分である。
【符号の説明】
【0015】
100:風力回転体
101:回転風車
102:ドーナツリング
103:第1永久磁石
104、第2永久磁石
105:第3永久磁石
106:第4永久磁石
200:風洞
201,202:支持リング
203:第5永久磁石
204:第6永久磁石
205:第7永久磁石
206:第8永久磁石
300:電磁コイル
【要約】 (修正有)
【課題】回転駆動ロスが極めて極小でしかもコンパクトな機構にした簡単構造な風力発電装置を提供する。
【解決手段】風洞の径方向中央部において、回転風車を有し、前記回転風車の先端部をドーナツリングで支持し、前記ドーナツリングの内周側の軸心方向に両磁極を配し且つ前記ドーナツリングの周方向に沿って同一磁極を揃えた第1永久磁石を配列し、前記ドーナツリングの軸心方向の前後面各々において径方向に両磁極を配し且つ前記ドーナツリングの周方向に沿って同一磁極を揃えた第2永久磁石及び第3永久磁石を配列し、前記ドーナツリングの外周に磁極を径方向に交互に向けて第4永久磁石を配列してなる風力回転体を備え、前記風洞は、前記ドーナツリングの軸心方向の前後面各々において所定間隔で対面して支持リングを設け、前記両支持リング間の前記風洞の内壁に前記第4永久磁石の回転方向に沿って電磁コイルを固定配列したことを特徴とする風力発電装置。
【選択図】
図1