(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】入出庫作業支援プログラム、入出庫作業支援方法、及び入出庫作業支援システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221228BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
B65G1/137 E
G01C21/34
(21)【出願番号】P 2018191038
(22)【出願日】2018-10-09
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊原 美樹
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-132529(JP,A)
【文献】特開2014-156299(JP,A)
【文献】国際公開第2017/109962(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
G01C 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台が移動する荷台通路と当該荷台通路と交差する複数の接続通路を有し作業者が移動する作業者通路とを備える保管エリアにて、作業者による複数の物品の入出庫を支援するシステムのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記作業者通路は、複数の前記接続通路と、前記荷台通路と並列に設けられて前記接続通路どうしを繋ぐ並列通路と、を備え、
前記プログラムは、前記コンピュータに、
前記並列通路の方向の横方向長さと前記接続通路の方向の縦方向長さとの縦横比が、予め設定された所定の比率以下であるか否かを判定する手順と、
作業者が前記荷台通路と前記作業者通路とを通り前記荷台を用いて前記複数の物品を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の前記接続通路の範囲で演算する手順
と、
を実行させる、
プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記荷台を前記荷台通路に停止させた作業者が前記接続通路から前記作業者通路に入って前記複数の物品を入出庫する最短経路を演算する手順を実行させる、
プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記荷台を前記接続通路に臨む前記荷台通路に停止させた作業者が、当該接続通路から前記作業者通路に入って前記複数の物品の入出庫を行い前記荷台に戻る経路を複数組み合わせて前記複数の物品を入出庫する最短経路を演算する手順を実行させる、
プログラム。
【請求項4】
請求項
1から3のいずれか1つに記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記縦横比が前記所定の比率よりも大きいと判定した場合に、前記所定数以内の前記接続通路の範囲で最短経路を演算する手順を実行させる、
プログラム。
【請求項5】
荷台が移動する荷台通路と当該荷台通路と交差する複数の接続通路を有し作業者が移動する作業者通路とを備える保管エリアにて、作業者による複数の物品の入出庫を支援するシステムのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
作業者が前記荷台通路と前記作業者通路とを通り前記荷台を用いて前記複数の物品を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の前記接続通路の範囲で演算する手順と、
予め設定された前記作業者通路の方向の縦方向長さの所定の上限値を超えない範囲で経路を演算する手順
と、
を実行させる、
プログラム。
【請求項6】
荷台が移動する荷台通路と当該荷台通路と交差する複数の接続通路を有し作業者が移動する作業者通路とを備える保管エリアにて、作業者による複数の物品の入出庫を支援する入出庫作業支援方法であって、
前記作業者通路は、複数の前記接続通路と、前記荷台通路と並列に設けられて前記接続通路どうしを繋ぐ並列通路と、を備え、
前記入出庫作業支援方法は、
前記並列通路の方向の横方向長さと前記接続通路の方向の縦方向長さとの縦横比が、予め設定された所定の比率以下であるか否かを判定する工程と、
作業者が前記荷台通路と前記作業者通路とを通り前記荷台を用いて前記複数の物品を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の前記接続通路の範囲で演算する工程
と、
を備える、
入出庫作業支援方法。
【請求項7】
荷台が移動する荷台通路と当該荷台通路と交差する複数の接続通路を有し作業者が移動する作業者通路とを備える保管エリアにて、作業者による複数の物品の入出庫を支援する入出庫作業支援システムであって、
前記作業者通路は、複数の前記接続通路と、前記荷台通路と並列に設けられて前記接続通路どうしを繋ぐ並列通路と、を備え、
前記入出庫作業支援システムは、前記並列通路の方向の横方向長さと前記接続通路の方向の縦方向長さとの縦横比が、予め設定された所定の比率以下であるか否かを判定し、作業者が前記荷台通路と前記作業者通路とを通り前記荷台を用いて前記複数の物品を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の前記接続通路の範囲で演算する最短経路演算部を備える、
入出庫作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の物品を保管エリアに対して入出庫する入出庫作業を支援する入出庫作業支援プログラム、入出庫作業支援方法、及び入出庫作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業者が商品棚から注文品を集める際に、作業者端末の位置情報を利用して作業者に作業ルートを指示する作業指示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の作業指示システムでは、注文品の個数が多い場合には、一度の作業で集めることが効率的でなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、作業者が複数の物品を効率的に入出庫できるように支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様によれば、荷台が移動する荷台通路と当該荷台通路と交差する複数の接続通路を有し作業者が移動する作業者通路とを備える保管エリアにて、作業者による複数の物品の入出庫を支援するシステムのコンピュータが実行可能なプログラムが提供される。前記作業者通路は、複数の前記接続通路と、前記荷台通路と並列に設けられて前記接続通路どうしを繋ぐ並列通路と、を備える。前記プログラムは、前記コンピュータに、前記並列通路の方向の横方向長さと前記接続通路の方向の縦方向長さとの縦横比が、予め設定された所定の比率以下であるか否かを判定する手順と、作業者が前記荷台通路と前記作業者通路とを通り前記荷台を用いて前記複数の物品を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の前記接続通路の範囲で演算する手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、作業者が複数の物品を効率的に入出庫できるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る入出庫作業支援システムを説明する概略図である。
【
図2】
図2は、入出庫作業支援システムにおける携帯端末を説明するブロック図である。
【
図3】
図3は、入出庫作業支援システムにおける支援装置を説明するブロック図である。
【
図4】
図4は、保管エリアでの入出庫作業における作業者の最短経路について説明する図である。
【
図5】
図5は、入出庫作業支援システムにおける作業者の経路を演算するためのフローチャートである。
【
図6】
図6は、保管エリアにおける作業領域の設定の例を説明する図である。
【
図7】
図7は、保管エリアにおいて設定された複数の作業領域の例を説明する図である。
【
図8】
図8は、保管エリアにおいて複数の物品を入出庫する作業の例を説明する図である。
【
図9A】
図9Aは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9C】
図9Cは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9D】
図9Dは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9E】
図9Eは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9F】
図9Fは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9G】
図9Gは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9H】
図9Hは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9I】
図9Iは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【
図9J】
図9Jは、
図8の入出庫作業にて携帯端末の表示部に表示される情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る入出庫作業支援システム100について説明する。
【0010】
まず、
図1を参照して、入出庫作業支援システム100が使用される保管エリア6について説明する。
【0011】
保管エリア6は、例えば、倉庫である。保管エリア6には、物品11を収納する複数のラック7が設置されている。また、保管エリア6の所定位置には、目印8が設置されている。
【0012】
保管エリア6は、荷台としてのカート4が移動する荷台通路3aと、作業者1が移動する作業者通路3bと、を備える。
【0013】
荷台通路3aは、作業者1がカート4を押して通行可能な幅に形成される。荷台通路3aには、カート4を一時的に停止させることが可能である。荷台通路3aは、カート4だけでなく作業者1も通行可能である。
【0014】
作業者通路3bは、荷台通路3aと比較して幅が狭く形成される。作業者通路3bには、カート4は進入せず、作業者1のみが通行する。作業者通路3bは、荷台通路3aと交差する複数の接続通路3cと、荷台通路3aと並列に設けられて接続通路3cどうしを繋ぐ複数の並列通路3dと、を有する。作業者通路3bは、接続通路3cと並列通路3dとが交差点を形成する格子状に形成される。
【0015】
目印8は、ラック7の間に形成される接続通路3cと並列通路3dとの交差点に設けられる。目印8は、作業者1から見やすく、入出庫作業の妨げにならないように、各交差点の天井部分に設置されている。
【0016】
物品11を入庫する場合には、荷台通路3aの停止位置にカート4を停止させた作業者1は、カート4から物品11を持ち出して接続通路3cから作業者通路3bに入り、物品11の入庫を行った後、接続通路3cから荷台通路3a上のカート4に戻る。一方、物品11を出庫する場合には、荷台通路3aの停止位置にカート4を停止させた作業者1は、接続通路3cから作業者通路3bに入り、物品11の出庫を行った後、接続通路3cから荷台通路3a上のカート4に戻り物品11を積む。
【0017】
このとき、作業者1が作業者通路3bに入るときに通る接続通路3cと作業者1が荷台通路3aに戻るときに通る接続通路3cとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。作業者1は、カート4に戻った後、次の停止位置までカート4を押して移動させる。
【0018】
次に、
図1から
図4を参照して、入出庫作業支援システム100の全体構成について説明する。
【0019】
図1に示すように、入出庫作業支援システム100は、作業者1が入出庫作業中に使用する携帯端末2と、入出庫作業を支援するための各種処理が実行される支援装置5と、を有する。携帯端末2と支援装置5とは、ネットワーク9を介して通信可能に接続されている。
【0020】
入出庫作業支援システム100は、保管エリア6にて作業者1による複数の物品11の入出庫作業を支援するものである。具体的には、入出庫作業支援システム100は、作業者1が物品11を保管エリア6に対して入庫又は出庫する入出庫作業の際に、入出庫対象の物品11に到達する最短経路に基づいて、入出庫作業の指示を作業者1が携帯する携帯端末2に表示する。
【0021】
携帯端末2は、スマートフォン若しくはタブレット型コンピュータである。
図2に示すように、携帯端末2は、ROM(Read Only Memory)21と、ROM21に記憶されている各種制御プログラムに従って各部を制御するCPU(Central Processing Unit)22と、CPU22のワークエリアとしてのRAM(Random Access Memory)23と、を備える。ROM21,CPU22,RAM23,及び後述する各構成は、内部バス24によって接続されている。
【0022】
また、ROM21,CPU22,及びRAM23は、保管エリア6全体のマップと、入庫出庫作業の対象物品11に作業者1を誘導するための目印8、及び目印8までの経路等の作業指示情報を提示する後述の処理を行う処理部として機能する。
【0023】
携帯端末2は、通信部25と、表示部26と、入力部27と、音声出力部28と、記憶部29と、を有する。
【0024】
通信部25は、携帯端末2をネットワーク9に無線接続する。
【0025】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)であり、LCDを起動するLCDドライバ(図示省略)によって、後述する支援装置5から送信された作業指示情報を表示する。
【0026】
入力部27は、表示部26と、表示部26における表示領域への接触検出センサ(図示省略)と、を組み合わせて構成されるタッチパネルである。入力部27は、入庫又は出庫作業中に、作業指示番号の選択、対象物品11を入庫又は出庫したことの入力等の作業者1からの操作を受け付ける。
【0027】
音声出力部28は、デジタルデータを音声に変換する回路と、スピーカと、を有する(図示省略)。音声出力部28は、支援装置5から送信された作業指示情報に基づいて、対象物品11に誘導するための目印8、及び目印8までの経路等の作業指示情報を音声にて出力する。
【0028】
記憶部29は、支援装置5から送信された作業指示情報を格納する。記憶部29としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0029】
記憶部29には、支援装置5から送信される作業指示情報を表示部26に表示するための処理を実行するためのプログラムが記憶されていてもよい。
【0030】
以上の構成を有することにより、携帯端末2は、通信部25を介して、入出庫作業の対象となる物品11に関する作業指示情報を支援装置5から受け取り、作業指示情報を表示部26に表示したり、音声出力部28から音声にて出力したりする。
【0031】
図3に示すように、支援装置5は、ROM51と、ROM51に記憶されている各種制御プログラムに従って各部を制御するCPU52と、CPU52のワークエリアとしてのRAM53と、を備える。これらROM51,CPU52,RAM53,及び後述する各構成は、内部バス54によって接続されている。
【0032】
ROM51,CPU52,及びRAM53は、物品11の入出庫作業を支援するための各種処理を実行する最短経路演算部55として機能する。支援装置5によって実行される処理の詳細は、後述する。
【0033】
支援装置5は、通信部56と、入力部57と、表示部58と、記憶部59と、を備える。
【0034】
通信部56は、支援装置5をネットワーク9に無線接続する。
【0035】
入力部57は、キーボード,マウス等であり、入庫又は出庫の対象物品11を指定するための各種設定操作及び登録操作を受け付ける。入力部57において入力される情報としては、入出庫作業の対象となる物品11を指定するための情報が挙げられる。
【0036】
物品11に、当該物品11を識別するための情報がRFIDタグ,バーコード,2次元コード等の識別媒体によって付されている場合には、入力部57として、これらを読み取る読取装置が含まれる。
【0037】
表示部58は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)であり、入出庫作業の対象となる物品11を選択するための操作や、入出庫作業を行うために必要な各種設定操作等のための必要事項を表示する。
【0038】
記憶部59は、仮想領域として、地図情報格納領域59Aと、保管場所情報格納領域59Bと、を有する。記憶部59としては、HDDやSSD等を用いることができる。地図情報格納領域59A及び保管場所情報格納領域59Bは、独立した記憶部として記憶部59とは別に用意されていてもよい。
【0039】
地図情報格納領域59Aには、保管エリア6の全体の地図情報と、保管エリア6に設定された複数の目印8の位置情報と、が格納される。
【0040】
保管エリア6に保管されるすべての物品11には、物品11を識別するための識別IDが付される。保管場所情報格納領域59Bには、物品11を識別する識別IDと保管エリア6における物品11の保管場所を示す保管場所情報とが対応付けて格納される。
【0041】
図4に示すように、保管エリア6全体の地図(エリアマップという)において、通路には、行番号A~Dと、列番号1~18が付けられている。行通路と列通路とが交差する交差点には、行番号と列番号との組み合わせによるA1,A2等の交差点番号が定義されている。本実施形態では、交差点番号が目印8(
図1参照)として設定されている。また、保管エリア6に設置される目印8には、作業者1に視認可能に交差点番号が表示されている。
【0042】
最短経路演算部55は、カート4を荷台通路3aに停止させた作業者1が接続通路3cから作業者通路3bに入って複数の物品11の入庫又は出庫する最短経路を演算する。具体的には、最短経路演算部55は、作業者1が選択した作業指示情報の対象となる複数の物品11を入庫又は出庫するための最短経路を演算する。まず、最短経路演算部55は、カート4をすべての接続通路3cに臨む荷台通路3a上の停止位置に停止させたとして、カート4の停止位置から複数の物品11を入庫又は出庫するために作業者1が通行するすべての経路を演算する。最短経路演算部55は、演算したすべての経路における作業者1の移動距離を比較し、最も移動距離が短い経路を最短経路とする。
【0043】
図4に示す例は、保管エリア6内の30個の物品11を入庫又は出庫する作業指示を実行するものである。
【0044】
まず、作業者1は、交差点A1にカート4を停止させる。作業者1は、交差点A1から接続通路3cを交差点B1に向かって進む。作業者1は、途中で1個の物品11を入庫又は出庫した後、接続通路3cを引き返して交差点A1に停止しているカート4に戻る。
【0045】
続いて、作業者1は、交差点A1からカート4を押して荷台通路3aを進み、交差点A6に停止させる。作業者1は、交差点A6から接続通路3cを交差点B6,C6に向かって進む。作業者1は、途中で25個の物品11を入庫又は出庫した後、交差点A12から荷台通路3aに出て、交差点A6に停止しているカート4に戻る。
【0046】
続いて、作業者1は、交差点A6からカート4を押して荷台通路3aを進み、交差点A16に停止させる。作業者1は、交差点A16から接続通路3cを交差点B16に向かって進む。作業者1は、途中で3個の物品11を入庫又は出庫した後、接続通路3cを引き返して交差点A16に停止しているカート4に戻る。
【0047】
続いて、作業者1は、交差点A16からカート4を押して荷台通路3aを進み、交差点A17に停止させる。作業者1は、交差点A17から接続通路3cを交差点B17に向かって進む。作業者1は、途中で1個の物品11を入庫又は出庫した後、接続通路3cを引き返して交差点A17に停止しているカート4に戻る。
【0048】
以上の経路を進むことにより、作業者1はすべての物品11を入庫又は出庫することができる。
【0049】
しかしながら、
図4に示す例では、作業者1は、交差点A6にカート4を停止させて作業者通路3bに入り、再び交差点A6に戻ってくる一度の作業で、全30個のうち25個の物品11を入庫又は出庫する。そのため、距離が最短であったとしても、作業者1が多くの物品11を持って移動する必要が生じるおそれがあり、作業者1が物品11を入庫又は出庫する作業を実行するためには、必ずしも効率的であるとは言えない。そこで、入出庫作業支援システム100では、次に説明するように、作業者1がカート4を離れてから物品11を入庫又は出庫して戻ってくるまでの後述する作業領域10を複数に分けて最短経路を演算する。
【0050】
次に、
図5から
図7を参照して、入出庫作業支援システム100を用いた入出庫作業支援方法について説明する。
【0051】
支援装置5は、
図5に示すルーチンを、例えば10ミリ秒ごとの一定時間隔で繰り返し実行する。ここでは、
図6及び
図7を併せて参照し、保管エリア6に対して複数の物品11を入庫又は出庫する場合を例として説明する。
【0052】
ステップS11では、最短経路演算部55は、最短経路を演算する。具体的には、最短経路演算部55は、作業者1が選択した作業指示情報の対象となる複数の物品11を入庫又は出庫するための最短経路を演算する。まず、最短経路演算部55は、カート4をすべての接続通路3cに臨む荷台通路3a上の停止位置に停止させたとして、カート4の停止位置から複数の物品11を入庫又は出庫するために作業者1が通行するすべての経路を演算する。最短経路演算部55は、演算したすべての経路における作業者1の移動距離を比較し、最も移動距離が短い経路を最短経路とする。
【0053】
ステップS12では、最短経路演算部55は、カート4が停止した各位置を起点として、カート4の停止位置ごとに作業領域10を作成する。具体的には、最短経路演算部55は、
図6に示すとおり、カート4から出発して再びカート4に戻るまでのすべての経路を含む領域(破線で示す領域)を作業領域10とする。ここでは、作業領域10における並列通路3dの方向の長さ(横方向の長さ)はWであり、接続通路3cの方向の長さ(縦方向の長さ)はDである。
【0054】
ステップS13では、最短経路演算部55は、作業領域10の縦横比(W/D)が所定値より大きいか否かを判定する。ステップS13にて、作業領域10の縦横比(W/D)が所定値より大きいと判定された場合には、ステップS15に移行する。ステップS13にて、作業領域10の縦横比(W/D)が所定値より大きくない、即ち所定値以下であると判定された場合には、ステップS14に移行して処理を抜ける。
【0055】
ここで、ステップS13にて使用される所定値は、例えば0.5に設定される。この所定値は、保管エリア6の形状や大きさに基づいて適切な値に設定される。
【0056】
図6に示す例では、作業領域10の縦横比(W/D)が0.5より大きい。よって、ステップS13における判定の結果、ステップS15に移行する。
【0057】
このように、最短経路演算部55は、並列通路3dの方向の横方向長さと接続通路3cの方向の縦方向長さとの縦横比(W/D)が、予め設定された所定の比率以下となるように最短経路を演算する。
【0058】
ここで、ステップS11にて演算された最短経路に基づく作業領域10が比較的大きい場合には、作業者1が入庫又は出庫する物品11の数が多くなるおそれがある。そこで、ステップS15からステップS17では、接続通路3cの数を利用して作業領域10を小さく分割する。
【0059】
具体的には、ステップS15では、最短経路演算部55は、作業領域10に含まれる接続通路3cの数が所定数より多いか否かを判定する。ステップS15にて、作業領域10に含まれる接続通路3cの数が所定数より多いと判定された場合には、ステップS16に移行する。ステップS15にて、作業領域10に含まれる接続通路3cの数が所定数よりも多くない、即ち所定数以下であると判定された場合には、ステップS14に移行して処理を抜ける。
【0060】
ここで、ステップS15にて使用される所定数は、例えば4に設定される。この所定数は、ステップS13にて使用される所定値との関係で設定される。具体的には、作業領域10の縦方向の長さDが保管エリア6の縦方向の長さである場合(最大である場合)に、ステップS13の所定値に基づいて設定される作業領域10の横方向の長さよりも短い範囲となるように所定数が設定される。
【0061】
図6に示す例では、作業領域10に含まれる接続通路3cの数は9であり、所定数として設定される4よりも多い。よって、ステップS15における判定の結果、ステップS16に移行する。
【0062】
ステップS16では、最短経路演算部55は、ステップS15にて使用された所定数の接続通路3cが含まれるように作業領域10を作成する。具体的には、
図6に示すように、4つの接続通路3cを含む領域(二点鎖線で示す領域)までで作業領域10を分割する。
【0063】
ステップS17では、最短経路演算部55は、ステップS16にて設定された作業領域10内で、ステップS11と同様に、作業者1が物品11を入庫又は出庫する最短経路を演算する。
【0064】
このように、最短経路演算部55は、作業者1が荷台通路3aと作業者通路3bとを通りカート4を用いて複数の物品11を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の接続通路3cの範囲で演算する。
【0065】
これにより、所定数の接続通路3cを含む領域を最大とする経路が形成される。よって、接続通路3cの数を利用して作業領域10を小さく分割するので、作業領域10が大きくなって作業者1が入庫又は出庫する物品11の数が多くなることが抑制される。したがって、作業者1が複数の物品11を効率的に入出庫できるように支援することができる。
【0066】
一方、ステップS14では、ステップS11にて演算された最短経路に基づく作業領域10が充分に小さく分割されたものであるため、当該最短経路をそのまま使用する。
【0067】
このように、最短経路演算部55は、作業領域10の縦横比(W/D)が所定の比率よりも大きい場合に、所定の通路数以内の範囲で最短経路を演算し、縦横比(W/D)が所定の比率以下である場合には、所定の通路数を超えていても所定の比率に基づいて演算された最短経路を使用する。
【0068】
そして、
図5に示すルーチンを繰り返すことにより、最短経路演算部55は、残りの保管エリア6内に保管される物品11についても最短経路を演算する。これにより、
図7に示すように、4つの接続通路3cを含む領域を最大とする複数の経路が作成される。即ち、最短経路演算部55は、カート4を接続通路3cに臨む荷台通路3aに停止させた作業者1が、当該接続通路3cから作業者通路3bに入って複数の物品11の入庫又は出庫を行いカート4に戻る経路を複数組み合わせて複数の物品11を入出庫する最短経路を演算する。
【0069】
なお、ステップS13における作業領域10の縦横比(W/D)が所定値より大きいか否かの判定を行わずに、ステップS15における作業領域10に含まれる接続通路3cの数が所定数より多いか否かの判定のみを行ってもよい。この場合、最短経路は、作業領域10に含まれる接続通路3cの数のみに基づいて演算される。
【0070】
また、最短経路演算部55は、作業領域10の縦方向長さDが、予め設定された作業者通路3bの方向の縦方向長さの所定の上限値を超えない範囲で経路を演算してもよい。この場合、作業領域10の縦方向の長さDが長くなりすぎるおそれがあるので、保管エリア6を分割して、縦方向長さが所定の上限値を超えないようにする。
【0071】
次に、
図8から
図9Jを参照して、入出庫作業支援システム100による作業者1への物品11の入庫又は出庫作業の支援の具体例について説明する。
【0072】
保管エリア6は、各々に個別の色情報が設定される複数の分割エリア6aに分割される。ここでは、例として、保管エリア6内の赤色の色情報が設定される分割エリア6aにて作業者1が出庫作業を行う場合について説明する。なお、作業者1が物品11を出庫する場合について説明するが、物品11を入庫する場合も同様である。
【0073】
まず、作業者1は、出庫作業の作業指示情報を選択する。作業者1は、作業指示情報の選択が完了したら、交差点A1から分割エリア6aにカート4を押しながら進入する。
【0074】
作業者1が携帯端末2を操作して支援装置5にログインすると、表示部26には、
図9Aに示す検索画面が表示される。検索画面の画面左側には、検索条件を入力するための検索設定エリア31が設定され、画面右側には、検索条件に合致する作業指示情報を表示するための作業指示情報エリア32が設定される。作業指示情報エリア32の下には、作業開始地点選択スイッチ33が設けられる。
【0075】
検索設定エリア31では、作業者1が入庫作業を行うか出庫作業を行うかの選択、作業者1が入庫又は出庫作業を行うエリアコードの選択、未着手案件か否かの選択、及び作業指示番号の手入力が可能である。
【0076】
図9Aに示す画面は、作業者1が、1階の赤色の色情報が設定された分割エリア6aにて、現在未着手の状態の出庫作業を行うように携帯端末2を操作して入力した状態である。検索設定エリア31の最下部には、検索結果として、この検索条件に3件の作業指示情報が合致する旨が表示されている。
【0077】
作業指示情報エリア32には、検索条件に合致した3件の作業指示情報の作業指示番号,ステータス,及びエリアコードが各々表示される。作業者1は、いずれかの作業指示情報を選択する。ここでは、作業者1は、1件目の作業指示番号「0003000109」を選択している。表示部26では、選択された作業指示情報がハイライトされている。
【0078】
作業開始地点選択スイッチ33は、最短経路演算部55が演算する経路の起点を荷台通路3a上の複数の地点から選択するためのものである。作業開始地点選択スイッチ33は、複数(ここでは3つ)の作業開始地点を選択可能なように設けられる。
【0079】
作業者1が、左側の第1地点選択スイッチ33aを選択すると、最短経路演算部55は、カート4が分割エリア6aの入口に位置する状態、即ち交差点A1にカート4が位置する状態から最短経路を演算する。作業者1が、中央の第2地点選択スイッチ33bを選択すると、最短経路演算部55は、カート4が分割エリア6aの入口から全体の1/3程度進んだ地点に位置する状態、即ち交差点A4近傍にカート4が位置する状態から最短経路を演算する。作業者1が、右側の第3地点選択スイッチ33cを選択すると、最短経路演算部55は、カート4が分割エリア6aの入口から全体の2/3程度進んだ地点に位置する状態、即ち交差点A8近傍にカート4が位置する状態から最短経路を演算する。
【0080】
このように、作業開始地点を選択可能にすることで、分割エリア6a内にて、作業者1が前回行った入庫又は出庫作業が完了したときに居る地点に近い位置から、次の入庫又は出庫作業を開始することができる。よって、作業者1は、入庫又は出庫作業を完了する度に毎回スタート地点(例えば、入口の交差点A1)まで戻らなくてよい。したがって、作業者1の移動距離を短くすることができる。
【0081】
作業者1が、第1地点選択スイッチ33a,第2地点選択スイッチ33b,及び第3地点選択スイッチ33cのいずれかを選択すると、最短経路演算部55は、上述した
図5に示すルーチンを実行する。これにより、作業者1が、作業開始地点選択スイッチ33によって選択された地点の近傍の荷台通路3aにカート4を停止させ、接続通路3cから作業者通路3bに入って複数の物品11の入庫又は出庫を行いカート4に戻る経路を複数組み合わせて、複数の物品11を入出庫する最短経路が演算される。
【0082】
図8に示す例では、作業者1が第1地点選択スイッチ33aを選択し、カート4が分割エリア6aの入口に位置する状態から最短経路が演算された状態を示している。なお、
図8に実線で示す経路では、表示部26には後述するナビゲーション画面が表示され、破線で示す経路では、表示部26には後述するデータ表示画面が表示される。
【0083】
表示部26は、
図9Bに示すナビゲーション画面に切り換えられる。即ち、表示部26には、最短経路演算部55によって演算された最短経路に基づいて出庫作業の指示が表示される。
【0084】
図9Bに示すように、ナビゲーション画面の左側には、カート4の経路情報を表示する荷台経路表示エリア34が設定され、右側には、作業者1の経路情報を表示する作業者経路表示エリア35が設定される。このように、ナビゲーション画面が表示される状態では、表示部26には、カート4の経路情報と、カート4の経路情報に基づく作業者1の経路情報とが、画面が分割されて同時に表示される。
【0085】
よって、作業者1は、カート4から離れて作業者通路3bを移動している間にも、カート4の停止位置が常に表示されているので、物品11を出庫した後でどの地点まで戻ればよいかを把握することができる。
【0086】
また、ナビゲーション画面の上端には検索画面にて作業者1が選択した作業指示番号が表示されており、ナビゲーション画面の右下には、作業領域10内で出庫を行う物品11の数が表示されている。
【0087】
荷台経路表示エリア34に表示されるカート4の経路情報は、カート4を停止させる荷台通路3a上の停止位置情報である。
図9Bに示す例では、カート4を押して荷台通路3aを進み交差点A3に停止させる作業指示情報が表示されている。
【0088】
作業者経路表示エリア35に表示される作業者1の経路情報は、カート4の停止位置情報に基づいてカート4を停止させた停止位置からの作業者1の経路を順次表示するナビゲーション情報である。
図9Bに示す例では、カート4を交差点A3に停止させた後、交差点A3から接続通路3cを奥へ進む旨の「A3 上ル」との作業指示情報が表示されている。
【0089】
ここで、「上ル」とは、
図8に示す分割エリア6aのエリアマップを荷台通路3aを下にした状態で平面視したときに上側(奥側)に向かう(荷台通路3aから離れる)ことを意味し、「下ル」とは、下側(手前側)に向かう(荷台通路3aに近付く)ことを意味する。
【0090】
ここでは、作業者1はカート4と共に荷台通路3a上を移動するので、カート4の経路情報を示す荷台経路表示エリア34が強調表示されている。これにより、作業者1は、表示部26を見たときに、現在必要な情報がどれかを認識することができる。強調表示は、分割エリア6aに設定される色情報(ここでは赤色)と同じ色で表示される。これにより、作業者1が現在どこの分割エリア6aで出庫作業を行っているかを視覚的に認識することができる。
【0091】
作業者1は、
図9Bに示すナビゲーション画面を見て、カート4を交差点A3まで押し進めて停止させる。作業者1が、交差点A3に到着してカート4を停止させた後に、表示部26(ここでは入力部27を兼ねる)をタップすると、表示部26は、
図9Cに示すデータ表示画面に切り換わる。
【0092】
図9Cに示すように、データ表示画面には、出庫する物品11のデータが表示される。ここでは、ラック7の「A3-11-2-01」に保管されている識別ID「01955803」の物品11を1つ出庫する作業指示情報が表示されている。作業者1が、指示された物品11の出庫作業を完了して表示部26をタップすると、表示部26は、
図9Dに示すナビゲーション画面に再び切り換わる。
【0093】
図9Dに示す例では、作業者経路表示エリア35には、交差点B3を経由して交差点B2から接続通路3cを奥へ進む旨の「B3 通路を通り B2 上ル」との作業指示情報が表示されている。
【0094】
このとき、作業者1は、カート4から離れて作業者通路3b上を移動するので、作業者1の経路情報を示す作業者経路表示エリア35が強調表示される。強調表示は、分割エリア6aに設定される色情報(ここでは赤色)と同じ色で表示される。
【0095】
作業者1は、
図9Dに示すナビゲーション画面を見て、接続通路3cを奥に進み交差点B3を通り、並列通路3dを移動して交差点B2に到着すると、接続通路3cを奥に進む方向を向く。作業者1が、交差点B2に到着した後に、表示部26をタップすると、表示部26は、データ表示画面に切り換わる。そして、作業者1が、指示された物品11の出庫作業を完了して表示部26をタップすると、表示部26は、
図9Eに示すナビゲーション画面に再び切り換わる。
【0096】
図9Eに示す例では、作業者経路表示エリア35には、交差点C2を経由して交差点C4から接続通路3cを手前へ進む旨の「C2 通路を通り C4 下ル」との作業指示情報が表示されている。
【0097】
作業者1は、
図9Eに示すナビゲーション画面を見て、接続通路3cを奥に進み交差点C2を通り、並列通路3dを移動して交差点C4に到着して接続通路3cを手前に進む方向を向く。作業者1が、交差点C4に到着した後に、表示部26をタップすると、表示部26は、データ表示画面に切り換わる。そして、作業者1が、指示された物品11の出庫作業を完了して表示部26をタップすると、表示部26は、
図9Fに示すナビゲーション画面に再び切り換わる。
【0098】
図8に示すように、作業者1は、1つ目の作業領域10内のすべての物品11を出庫完了したので、一旦カート4に戻って物品11をカート4に積む。そして、作業者1は、カート4を押して次の作業領域10に移動して出庫作業を行う。
図9Fに示す例では、荷台経路表示エリア34には、カート4を現在の停止位置である交差点A3から交差点A9に移動する作業指示情報が表示されている。また、作業者経路表示エリア35には、交差点A9から接続通路3cを奥に進む旨の「A9 上ル」との作業指示情報が表示されている。
【0099】
このように、表示部26には、作業者1が複数の物品11の入出庫を完了してカート4に戻るときに、カート4の停止位置情報と、カート4を次に停止させる停止位置情報とが同時に表示される。
【0100】
作業者1は、
図9Fに示すナビゲーション画面を見て、カート4を交差点A9まで押し進めて停止させる。作業者1が、交差点A9に到着してカート4を停止させた後に、表示部26をタップすると、表示部26は、
図9Gに示すデータ表示画面に切り換わる。
【0101】
図9Gに示すように、データ表示画面には、出庫する物品11のデータが表示される。ここでは、ラック7の「A9-11-5-04」に保管されている識別ID「05519534」の物品11を1つ出庫した後、ラック7の「A9-12-3-22」に保管されている物品11を1つ出庫する作業指示情報が表示されている。作業者1が、指示された1つ目の物品11の出庫作業を完了して表示部26をタップすると、
図9Hに示すように、1つ目の物品11の表示が消えて2つ目の物品11の情報のみが表示される。
【0102】
作業者1が、指示された2つ目の物品11の出庫作業を完了して表示部26をタップすると、
図9Iに示すナビゲーション画面に切り換わる。荷台経路表示エリア34には、
図9Iに示すように、カート4の現在の停止位置である交差点A9に戻る作業指示情報が表示される。
【0103】
作業者1が、交差点A9に停止しているカート4に戻って表示部26をタップすると、表示部26には、
図9Jに示すように、出庫作業完了の確認が表示される。作業者1が、表示部26の「はい」をタップすると、最初に選択した作業指示番号「0003000109」の作業を完了する。そして、表示部26には、
図9Aに示す検索画面が再び表示される。
【0104】
以上のように、作業者1は、携帯端末2の表示部26に表示される作業指示情報を参照しながら入庫又は出庫作業を行うことができる。ナビゲーション画面が表示される状態では、表示部26には、カート4の経路情報と、カート4の経路情報に基づく作業者1の経路情報とが、画面が分割されて同時に表示される。そのため、作業者1は、分割エリア6a内のどの位置に居て、最終的にどこに戻ればよいのかを容易に理解することができる。したがって、カート4を使用して作業者1が複数の物品11を入出庫する場合に、効率的に入出庫できるように作業者1を支援することができる。
【0105】
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0106】
最短経路演算部55は、作業者1が荷台通路3aと作業者通路3bとを通りカート4を用いて複数の物品11を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の接続通路3cの範囲で演算する。これにより、所定数の接続通路3cを含む領域を最大とする経路が形成される。よって、接続通路3cの数を利用して作業領域10を小さく分割するので、作業領域10が大きくなって作業者1が入庫又は出庫する物品11の数が多くなることが抑制される。したがって、作業者1が複数の物品11を効率的に入出庫できるように支援することができる。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0108】
例えば、上記実施形態では、作業者1が携帯端末2の入力部27を操作する(表示部26をタップする)ことで、物品11を入庫又は出庫したことを入力している。これに代えて、物品11を識別するための情報をRFIDタグ,バーコード,2次元コード等の識別媒体によって付しておき、これらの識別媒体を読取装置が読み取ることで、物品11を入庫又は出庫したことを入力してもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、最短経路演算部55は、支援装置5内に設けられて支援装置5内で最短経路の演算が実行される。これに代えて、最短経路演算部55を携帯端末2何に設けて、携帯端末2内で最短経路の演算を実行してもよい。
【0110】
また、コンピュータをインターネット上のクラウドサーバに接続し、携帯端末2及び支援装置5が実行主体である上記の各処理の実行主体をクラウドサーバとしてもよい。更に、上記の各処理の実行主体をクラウドサーバとする場合は、入出庫作業支援システム100がコンピュータを備えずに、携帯端末2等の各機器がインターネットを介してクラウドサーバに直接接続される構成としてもよい。
【0111】
また、上述した入出庫作業支援システム100における一連の処理は、コンピュータにこれを実行さるためのプログラムとして提供されてもよい。
【0112】
即ち、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに、作業者1が荷台通路3aと作業者通路3bとを通りカート4を用いて複数の物品11を入出庫する最短経路を、予め設定された所定数以内の接続通路3cの範囲で演算する手順を実行させるものである。
【0113】
上述した一連の処理を実行するためのプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体によって提供される。支援装置5においては、記憶部59に記憶されていてもよい。
【0114】
また、コンピュータが実行する各種プログラムは、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体に記憶されたものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0115】
100 入出庫作業支援システム
1 作業者
2 携帯端末
3a 荷台通路
3b 作業者通路
3c 接続通路
3d 並列通路
4 カート(荷台)
5 支援装置
6 保管エリア
6a 分割エリア
7 ラック
8 目印
9 ネットワーク
10 作業領域
11 物品
21 ROM
22 CPU
23 RAM
24 内部バス
25 通信部
26 表示部
27 入力部
28 音声出力部
29 記憶部
31 検索設定エリア
32 作業指示情報エリア
33 作業開始地点選択スイッチ
33a 第1地点選択スイッチ
33b 第2地点選択スイッチ
33c 第3地点選択スイッチ
34 荷台経路表示エリア
35 作業者経路表示エリア
51 ROM
52 CPU
53 RAM
54 内部バス
55 最短経路演算部
56 通信部
57 入力部
58 表示部
59 記憶部
59A 地図情報格納領域
59B 保管場所情報格納領域