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特許7202146熱収縮性筒状ラベルおよびラベル付き容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】熱収縮性筒状ラベルおよびラベル付き容器
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/04 20060101AFI20221228BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20221228BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
G09F3/04 C
G09F3/10 J
B65D23/00 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018209140
(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2020076837
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101823
【弁理士】
【氏名又は名称】大前 要
(74)【代理人】
【識別番号】100181412
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 康浩
(72)【発明者】
【氏名】田頭 秀識
(72)【発明者】
【氏名】宮本 寛之
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-228842(JP,A)
【文献】特開2013-186154(JP,A)
【文献】特開2013-216382(JP,A)
【文献】特開2015-121743(JP,A)
【文献】米国特許第06613410(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00-5/04
B65D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の胴部に装着される熱収縮性筒状ラベルにおいて、
前記熱収縮性筒状ラベルは、上端から下端まで延びる一対の第1のミシン目と、
前記一対の第1のミシン目を間に挟んで両側に設けられた、前記熱収縮性筒状ラベルの上下の少なくとも一方の端部から中央側に伸びる一対の第2のミシン目と、を備え、
前記一対の第2のミシン目は、その近傍に位置する前記一対の第1のミシン目と接続されており、
前記容器に装着した状態における、前記第2のミシン目と前記第1のミシン目とのなす角が45°以下で、且つ、前記第2のミシン目と前記熱収縮性筒状ラベルの端部とのなす角が45~155°であり、
前記第2のミシン目の穴を繋ぐ線が、直線ではない、
熱収縮性筒状ラベル。
【請求項2】
前記熱収縮性筒状ラベルの端部における前記第2のミシン目相互間の距離が、10~20mmであり、
前記端部から第1のミシン目と第2のミシン目との合流点までの距離は、5~10mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性筒状ラベル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱収縮性筒状ラベルが装着されてなるラベル付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に熱収縮性筒状ラベルに関するものであり、より特定的には、ミシン目の開封性を向上させた熱収縮性筒状ラベルに関する。この発明は、また、そのような熱収縮性筒状ラベルが装着されたラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料等を充填するペットボトルには、様々なデザインが施された、熱収縮性で筒状のラベルが装着されている。このようなペットボトルは、使用後に回収・リサイクルされることが望ましいが、このためには、容器本体・キャップ・ラベルを別個に回収する必要がある。容器とラベルの分離を容易に行うために、これらのラベルには、その上端から下端に渡る全長に渡って1本又は2本のミシン目が設けられている。
【0003】
ここで、ミシン目を細かいピッチで形成すると、取扱中に誤ってボトルを落下した場合に、ミシン目の特に中央部分が衝撃で破損するという問題が発生する。一方、ミシン目を粗いピッチで形成すると、今度は開封性が低下するという問題が生じる。
【0004】
本発明者らは、プラスチック容器の側面に装着される、落下等の事態が起こっても安心して使用でき、かつ易開封性を実現できる熱収縮性筒状ラベルに関する技術を提案している(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-158554号公報
【文献】特開2014-219541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら近年では、子供の力でも開封が容易な、より易開封なラベルが求められるようになってきている。
【0007】
図5に、従来の熱収縮性筒状ラベルを装着した容器の正面斜視図を示す。この熱収縮性筒状ラベル1は、ラベルの両端部が重ねあわされ接着された接着部15を有している。この接着部15を挟んで両側には、上端から下端まで延びる一対のミシン目12が設けられ、この一対のミシン目12を間に挟んで両側に、ラベルの上下端部から、中央側に向かって延びる一対の長さの短い第2のミシン目13が設けられている。
【0008】
このようなラベルでは、第2のミシン目13に切れ目を作って切り離していくと、ミシン目が設けられていない部分を破っていく必要があり、これには大きな力を必要とする。
【0009】
本発明の目的は、落下等の事態が起こっても安心して使用でき、且つより小さい力で開封可能な熱収縮性筒状ラベルを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、そのような熱収縮性筒状ラベルが装着された容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる熱収縮性筒状ラベルは、容器の胴部に装着されるものであって、上端から下端まで延びる一対の第1のミシン目と、一対の第1のミシン目を間に挟んで両側に設けられた、熱収縮性筒状ラベルの上下の少なくとも一方の端部から中央側に伸びる一対の第2のミシン目と、を備えている。一対の第2のミシン目は、その近傍に位置する一対の第1のミシン目とそれぞれ接続されている。第2のミシン目と第1のミシン目とのなす角が45°以下で、且つ、第2のミシン目と熱収縮性筒状ラベルの端部とのなす角が45~155°である。第2のミシン目の穴を繋ぐ線が、直線ではない。なお、以下の説明において特に明記しない場合には、距離や角度の値はすべて容器に装着した状態における値とする。
【0012】
本発明によれば、一対のミシン目を間に挟んで両側に、一対の第2のミシン目が形成されているので、この第2のミシン目によって切れ目のきっかけが与えられる。また、第2のミシン目は、熱収縮性筒状ラベルの端部(第2のミシン目とつながっている端部)とのなす角が45~155°に規制されている。このため、切れ目のきっかけが与えられ、この間の領域を指でつまんで他方の端部側に引っ張っていくと、切れ目は第2のミシン目に確実に伝播していく。
【0013】
また、この第2のミシン目は、第1のミシン目に接続されており、且つ、第1のミシン目とのなす角が、45°以下に規制されている。このため、第2のミシン目で生じた切れ目は第1のミシン目に確実に伝播していくので、ラベルを容器から容易に剥がすことができる。
【0014】
ここで、「第2のミシン目は第1のミシン目に接続されている」、とは、第1のミシン目の穴を繋いだ線と第2のミシン目の穴を繋いだ線とが繋がっているか、あるいは両者の穴の最短距離が1.5mm以下であることを意味する。好ましくは、最短距離は1.0mm以下とし、より好ましくは0.5mm以下とする。
【0015】
端部における第2のミシン目相互間の距離は、10~20mmとすることが好ましい。このような幅であると、指でつまんで切り離すのに適している。端部における第2のミシン目相互間の距離は、より好ましくは12~18mmとし、さらに好ましくは14~16mmとする。
【0016】
第2のミシン目と第1のミシン目とのなす角は、45°以下であることがより好ましく、40°以下であることがさらに好ましい。また、第2のミシン目と熱収縮性筒状ラベルの端部とのなす角は、45~155°であることがより好ましく、40~150°であることがさらに好ましい。
【0017】
第2のミシン目は、第1のミシン目よりも切り離しやすいことが好ましく、具体的には、第2のミシン目のピッチが、第1のミシン目のピッチよりも小さい構成、第2のミシン目の穴が、第1のミシン目の穴よりも大きい構成、両者をともに満たした構成などとすることが好ましい。
【0018】
ミシン目の大きさ等について、さらに詳細に説明する。第1のミシン目において、穴の直径は、0.2~0.7mmが好ましく、穴と穴の間の距離(ピッチ)は1.4~3.5mmが好ましい。第2のミシン目において、穴の直径は、0.3~1.0mmが好ましく、穴と穴の間の距離(ピッチ)は0.1~1.3mmが好ましい。
【0019】
また、熱収縮性筒状ラベルは、シームレスの筒状であってもよく、基材フィルムの端部が重ねあわされ、重ね合わせ部が接着された構造であってもよい。接着された構造の場合、第1のミシン目や第2のミシン目は、全て接着部上に存在しない構造であってもよく、一部が接着部上に存在する構造であってもよい。切り離しやすさの観点から、第1のミシン目が接着部を挟んで形成されていることが好ましい。
【0020】
熱収縮性筒状ラベルの材料は、熱収縮性を有するものであればよく、好ましくはシール溶剤で接着できるものがよいが、特に限定されない。ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂あるいはこれらの積層物で形成されるのが好ましい。
【0021】
また、上記容器は、ポリオレフィン系の樹脂あるいはポリエステル系樹脂で形成されるのが好ましいが、特に限定されない。
【0022】
また、熱収縮性筒状ラベルの材料には、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、滑剤、静電気防止剤、抗菌剤、安定剤等、各種公知の添加剤や異なる樹脂等を合目的的に添加してもよい。
【0023】
シール溶剤は、基材フィルムにポリエステル系フィルムを使用する場合、1,3ジオキソランまたはテトラヒドロフランが好ましい、またポリスチレン系フィルムを使用する場合は、テトラヒドロフランまたはメチルエチルケトンが好ましい。
【0024】
本発明のラベル付き容器は、例えば、お茶、コーヒー、紅茶、水、清涼飲料水、炭酸飲料、ジュース、乳酸菌飲料などの飲料;日本酒、ワイン等の酒類;液状の洗剤類;しょうゆ、みりん、めんつゆ、油などの調味料類、化粧水、乳液などの化粧品類などの容器として利用できる。
【0025】
上記第1、第2のミシン目の穴の形状は、円形が好ましいが、これに限られるものではない。
【0026】
この発明にかかるラベル付き容器は、上述の熱収縮性筒状ラベルが容器の胴部に装着されてなるものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、剥離時において、上記第2のミシン目によって切れ目のきっかけが与えられると、その切れ目は第1のミシン目に確実に伝播していき、熱収縮性筒応ラベルを小さい力で容器から剥がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】(a)は実施の形態1に係る熱収縮性筒状ラベルの正面斜視図であり、(b)は当該熱収縮性筒状ラベルを装着した容器の正面斜視図である。
図2】実施の形態1に係る熱収縮性筒状ラベルの上端近傍のミシン目の配置関係を説明する図である。
図3】第2のミシン目の変形例を示す図である。
図4】実施の形態2に係る熱収縮性筒状ラベルの正面斜視図である。
図5】従来の熱収縮性筒状ラベルを装着した容器の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施の形態1)
以下、本発明を、図面を参照して説明する。図1(a)は実施の形態1に係る熱収縮性筒状ラベルの正面斜視図であり、図1(b)は当該熱収縮性筒状ラベルを装着した容器の正面斜視図である。本実施の形態に係る熱収縮性筒状ラベル1は、熱収縮性で筒状の基材フィルム3を備えている。基材フィルム3は、その一方端部3aが他方端部3b上に重ね合わされ、重ね合わせ部が接着されて(接着部15が形成されて)筒状となっている。熱収縮性筒状ラベル1には、上端から下端まで延びる一対の第1のミシン目12が形成されており、一対のミシン目12を間に挟んで両側に、熱収縮性筒状ラベルの上下の少なくとも一方の端部(図1では上下両方の端部)からの中央側に向かって延びる、一対の第2のミシン目13が形成されている。一対の第2のミシン目13は、一対の第1のミシン目12に繋がっている。
【0030】
図2は、実施の形態1に係る熱収縮性筒状ラベルの上端近傍のミシン目の配置関係を説明する図である。説明の便宜上、同図では、ミシン目を穴を繋いだ線として表現している。ここで、第2のミシン目13と第1のミシン目12とのなす角θ1は、45°以下であり、第2のミシン目13とラベルの上端線とのなす角θ2は、45~155°である。θ2がこのように規制されているため、第2のミシン目13の端部を爪などで切りはがして切れ目を進行させていくことが容易となる。そして、第2のミシン目13と第1のミシン目12とがつながっており、θ1がこのように規制されているため、第2のミシン目13で生じた切れ目は確実に第1のミシン目12に伝播して、熱収縮性筒状ラベル1を容器2から容易に剥がすことができる。なお、ミシン目が曲線の場合には、接点における接線とのなす角度が、上記範囲内であればよい。
【0031】
また、第2のミシン目13の接線と、ラベルの端部とのなす角θ3は、常に45~155°であることが好ましい。このようにすることで、切れ目の間を指でつまんで他方端部側に引っ張ったとき、切れ目を第2のミシン目13に沿って進行させることが容易となる。θ3は、好ましくは45~155°とし、より好ましくは50~150°とし、より好ましくは55~145°とする。なお、θ2、θ3は、第1のミシン目側が0°側、第1のミシン目と反対側が180°側とする。
【0032】
この熱収縮性筒状ラベル1は、図1(b)に示すように、ペットボトル等の容器2の胴部に装着される。これは、熱収縮性筒状ラベル1を容器2の胴部に装着し、装着した容器をシュリンクトンネルに通して、熱収縮させることにより行われる。容器への内容物の充填は、容器に熱収縮性ラベルを装着する前に行っても良いし、シュリンクトンネルを通して収縮させた後に行っても良い。
【0033】
ここで、接着部15の幅L1は、接着強度やコストなどの観点から、3~6mmであることが好ましく、3~5mmであることがより好ましく、3~4mmであることがさらに好ましい。
【0034】
また、一対の第1のミシン目12の間隔L2は、8~15mmであることが好ましく、9~14mmであることがより好ましく、10~13mmであることがさらに好ましい。
【0035】
また、一対の第2のミシン目13の間隔L3は、指でのつまみやすさ、切れ目の作りやすさなどの観点から、10~20mmであることが好ましく、12~18mmであることがより好ましく、14~16mmであることがさらに好ましい。
【0036】
また、第1のミシン目12と溶着部との距離L4は、2~6mmであることが好ましく、2~5mmであることがより好ましく、2~4mmであることがさらに好ましい。
【0037】
また、上端部における第1のミシン目12と第2のミシン目13との距離L5は、1~3mmであることが好ましく、1.5~2.5mmであることがより好ましく、1.5~2.0mmであることがさらに好ましい。
【0038】
また、上端から第1のミシン目12と第2のミシン目13との合流点までの距離L6は、5~10mmであることが好ましく、6~9mmであることがより好ましく、6~8mmであることがさらに好ましい。さらにL6は、ラベルの長さの20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。
【0039】
本発明によれば、第2のミシン目13によって切れ目のきっかけが与えられると、第2のミシン目13と第1のミシン目12とがつながっており、且つなす角度が45°以下であるため、その切れ目は確実に第1のミシン目12に伝播して、熱収縮性筒状ラベル1を容器2から容易に剥がすことができる。
【0040】
一方、第2のミシン目13の上下方向長さL6は上記範囲内であり、落下時の衝撃によって、容器2の中央部分が膨れても、その力によって第2のミシン目13が破壊されることはない。
【0041】
(変形例)
図3は、ミシン目の配置関係の変形例を示す図である。第2のミシン目13は、図3(a)に示すように、ラベルの上端から第1のミシン目12まで直線状につなぐものであってもよい。また、図3(b)に示すように曲線状であってもよく、図3(c)、(d)に示すように曲線と直線とが組み合わされている形状であってもよい。また、図3(d)に示すように、上端部近傍においては第2のミシン目13が第1のミシン目12よりも遠ざかるような形状であってもよい。
【0042】
第2のミシン目13の形状(穴を繋いだ線の形状)は、左右対称、左右非対称のいずれでもよいが、切り離しやすさの観点から、左右対称であることが好ましい。また、上下端両方に第2のミシン目を設ける場合、第2のミシン目13の形状(穴を繋いだ線の形状)は、上下対称であっても上下非対称であってもよい。
【0043】
(実施の形態2)
図4は実施の形態2に係る熱収縮性筒状を装着した容器の正面斜視図である。本実施の形態に係る熱収縮性筒状ラベル1は、容器の肩部までも覆っていること以外は、上記実施の形態1と同様である。このような場合、熱収縮性筒状ラベル1の上端は径が小さく変化していく容器2の肩部に存在し、この付近において第1のミシン目12と第2のミシン目13は同一平面上にない可能性が生じうる。
【0044】
このような場合には、熱収縮性筒状ラベル1の上端部における、第1のミシン目12の中間点における接平面に対して、この接平面に垂直な方向から投影した投影図における、第1のミシン目12と第2のミシン目13とのなす角度を、両者の角度とする。いずれか一方ないし双方が曲線になる場合には、接点における接線のなす角と定義する。また、熱収縮性筒状ラベル1の上端と第2のミシン目13とのなす角度についても同様に、上記投影図における角度とする。さらに、熱収縮性筒状ラベル1の下側が容器の底の一部を覆うように形成されている場合においても、上記と同様にして角度は定義される。
【0045】
(実施例1)
熱収縮性の基材フィルムとして、グンゼ社製の「HST」タイプを用意した。このフィルムの一方端部を他方端部に重ね合わせ、重ね合わせ部分を、シール溶剤を用いて接着した。この接着部の幅は4mmである。
【0046】
この接着部の外側右3mm左5mmの位置に、直線状の第1のミシン目を、ミシン刃により形成した。さらに、図2に示すような形状の第2のミシン目を、ラベル上端部にレーザにより形成した。このときの(収縮前の)θ2は90°、L6は7mm、L5は1.5mmとした。また、第2のミシン目の第1のミシン目と平行な部分の長さは3.5mmとした。また、第1のミシン目の穴の形状は直径0.5mmの円とし、その間隔は1.5mmとした。第2のミシン目の穴の形状は直径0.6mmの円とし、その間隔は0.8mmとした。
【0047】
一対の第1のミシン目の間の領域に、幅0.8mm、長さ30mmのニチバン製のテープを貼り付けた。この後、ポリエチレンテレフタレート製の容器の胴部に装着し、装着した容器を85℃のシュリンクトンネルに通して、熱収縮させて、実施例1にかかるラベル付き容器を作製した。このときの平均収縮率は10%であり、収縮後のL3は16mm、θ1は30°、θ2は90°である。
【0048】
(実施例2)
第2のミシン目の形状を図3(a)に示すものとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2にかかるラベル付き容器を作製した。ラベル作製時のL5は1.5mm、L6は7mmである。収縮後のL3は16mm、θ1は30°、θ2は90°である。
【0049】
(実施例3)
ラベル作製時の第2のミシン目と第1のミシン目との間隔L5を3.0mmとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3にかかるラベル付き容器を作製した。収縮後のL3は19mm、θ1は40°、θ2は90°である。
【0050】
(実施例4)
第2のミシン目と第1のミシン目との間隔L5を3.0mmとしたこと以外は、上記実施例2と同様にして、実施例4にかかるラベル付き容器を作製した。収縮後のL3は19mm、θ1は40°、θ2は90°である。
【0051】
(比較例1)
第2のミシン目の形状を図5に示すものとしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2にかかるラベル付き容器を作製した。ラベル作製時のL5は1.5mm、L6は7mmである。
【0052】
(比較例2)
第2のミシン目と第1のミシン目との間隔L5を3.0mmとしたこと以外は、上記比較例1と同様にして、比較例2にかかるラベル付き容器を作製した。
【0053】
(剥離試験)
AIKOH製のプッシュプルゲージRX-20を用い、上記実施例1~4、比較例1、2のラベルに取り付けたテープを摘んでミシン目間の領域を剥離していき、第2のミシン目から第1のミシン目に切れ目が移行する際の力を測定した。また、第2のミシン目への移行が行われなかった数も測定した。この結果を下記表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
上記表1から、実施例では第2のミシン目から第1のミシン目に確実に切れ目が移行しているのに対し、比較例1、2ではそれぞれ10サンプル中2、4個において、第1のミシン目への切れ目の移行が行われていないことが分かる。なお、切れ目の移行がなかったものについて、試験結果の母数には含めていない。
【0056】
また、実施例1~4から、収縮後の上端部における第1のミシン目と第2のミシン目とのL5が大きくなると剥がすのに必要な力が大きくなること、ミシン目の形状は図2のほうが図3(a)のものよりも剥がすのに必要な力が小さいことが分かる。
【0057】
以上のことから、本発明のごとく第1のミシン目につながった第2のミシン目を設けることにより、小さい力で確実な切り離しが可能になることが分かる。
【0058】
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、より小さい力で開封可能な収縮性筒状ラベルが得られ、その産業上の意義は大きい。
【符号の説明】
【0060】
1 熱収縮性筒状ラベル
2 容器
3 基材フィルム
3a 一方端部
3b 他方端部
12 第1のミシン目
13 第2のミシン目
15 接着部
図1
図2
図3
図4
図5