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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20221228BHJP
   H05K 5/06 20060101ALN20221228BHJP
【FI】
H05K13/04 Z
H05K13/04 A
H05K5/06 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019016177
(22)【出願日】2019-01-31
(65)【公開番号】P2020123706
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畔▲柳▼ 光孝
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-263069(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090234(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0021910(US,A1)
【文献】特開2017-152594(JP,A)
【文献】国際公開第2016/163029(WO,A1)
【文献】特開2011-082466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08;5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板に品を実装する部品実装装置であって、
前記部品実装装置の電装品ユニットを収容し、通気口が設けられた電装品ボックスと
前記通気口に設けられたフィルタと
前記基板を搬送する基板搬送部と
前記基板搬送部によって搬入された前記基板に前記部品を実装する部品実装部と
を備え、
前記フィルタは、前記電装品ボックスに支持され、前記基板搬送部による前記基板の搬送方向及び垂直方向のそれぞれに直交する第1方向にスライド可能なプレート枠と、前記プレート枠の口に着脱可能に取付けられるフィルタ部材と、を備え、
前記プレート枠は、前記電装品ボックスの側面であって前記搬送方向と平行に延びる第1側面から引き出された第1位置と、その少なくとも一部が前記電装品ボックス内に位置して前記フィルタ部材が前記通気口を塞ぐ第2位置と、に移動可能となっており、
前記プレート枠が前記第1位置に移動すると、前記フィルタ部材が前記電装品ボックスの外側に位置
前記電装品ボックスの内部の空間は、第1空間と第2空間とを有し、
前記電装品ボックスは、前記第1空間と連通する第1の通気口と、前記第2空間と連通する第2の通気口と、を備え、
前記プレート枠は、前記第1の通気口に対応する第1の開口と、前記第2の通気口に対応する第2の開口を備え、
前記第1の開口には第1のフィルタ部材が着脱可能に取付けられ、前記第2の開口には第2のフィルタ部材が着脱可能に取付けられており、
前記部品実装装置は、
前記電装品ボックスの内側の空気を前記電装品ボックスの外側に排気するための排気ファンをさらに備え、
前記排気ファンが作動した状態では、前記第1空間から前記第2空間に向かって空気が流れ、
前記電装品ボックスは、前記第1空間と前記第2空間を区切る仕切り壁を有しており、
前記排気ファンが作動した状態では、前記第1空間から前記第1の通気口を通って前記電装品ボックスの外側に空気が流れ、前記電装品ボックスの外側に流れた空気の一部は前記第2の通気口を通って前記第2空間に流れる、部品実装装置。
【請求項2】
前記電装品ボックスは、複数の前記通気口を備え、
前記プレート枠は、前記複数の前記通気口に対応する複数の開口を備え、
前記複数の開口のそれぞれには、前記フィルタ部材が着脱可能に取付けられている、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記部品を供給する部品供給部をさらに備え、
前記第1方向に沿って、前記第1空間と前記第2空間は位置しており、
前記電装品ボックスの前記部品供給部が取り付け可能な側に前記第1空間は位置し、前記電装品ボックスの前記第1空間とは反対側に前記第2空間は位置する、
請求項又はに記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記通気口は、前記電装品ボックスにおいて、前記第1側面に垂直な第2側面に設けられている、請求項1からのいずれか一項に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、部品実装装置が開示されている。この部品実装装置は、基板に部品を実装する部品実装装置であって、基板を搬送する基板搬送部と、その基板搬送部によって搬送された基板に部品を実装する部品実装部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-016145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品実装装置には、通常、電装品ユニットを収容する電装品ボックスが装備されている。電装品ユニットは発熱するため、電装品ボックスに通気口が設けられ、通気口から導入した空気によって電装品ユニットが冷却される。そして、電装品ボックス内への埃や塵の侵入を防止するため、通気口にはフィルタ部材が取付けられている、部品実装装置の稼働に伴って、フィルタ部材には塵や埃が付着していくため、メンテナンス作業においてフィルタ部材の交換等を行うことがある。しかしながら、一般に、部品実装装置の基板搬送方向には、前工程及び/又は後工程の装置が配置されることがあるので、基板搬送方向と直交する方向に作業スペースが設けられることが多い。そのため、部品実装装置のメンテナンス作業を行うためには、まず部品実装装置自体を作業スペースまで基板搬送方向と直交する方向に移動させるといったように、その作業は煩雑であり作業時間も長くなり易い。本明細書では、部品実装装置のフィルタ部材の交換を容易に行うことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、基板に部品を実装する部品実装装置を開示する。部品実装装置は、当該部品実装装置の電装品ユニットを収容し、通気口が設けられた電装品ボックスと、通気口に設けられたフィルタと、基板を搬送する基板搬送部と、基板搬送部によって搬入された基板に部品を実装する部品実装部とを備える。フィルタは、電装品ボックスに支持され、基板搬送部による基板の搬送方向及び垂直方向のそれぞれに直交する第1方向にスライド可能なプレート枠と、プレート枠の開口に着脱可能に取付けられるフィルタ部材とを備える。プレート枠は、電装品ボックスの側面であって搬送方向と平行に延びる第1側面から引き出された第1位置と、その少なくとも一部が電装品ボックス内に位置してフィルタ部材が通気口を塞ぐ第2位置とに移動可能となっており、プレート枠が第1位置に移動すると、フィルタ部材が電装品ボックスの外側に位置する。
【0006】
上記の部品実装装置では、電装品ユニットを収容する電装品ボックスにフィルタが設けられている。フィルタのプレート枠が電装品ボックスに対してスライド可能となっており、電装品ボックスの側面から引き出された第1位置に移動することができる。プレート枠が第1位置に移動すると、フィルタ部材が電装品ボックスの外側に位置し、フィルタ部材の交換を行うことができる。特に、部品実装装置の基板搬送方向には前工程及び/又は後工程の装置が配置されることがある一方で、基板搬送方向と直交する第1方向には作業者の作業スペースが設けられることが多い。フィルタが基板搬送方向と直交する第1方向にスライドして基板搬送方向と平行に延びる側面から引き出されるため、作業者はフィルタ部材の交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例の部品実装機10を示す斜視図。
図2】部品実装モジュール10aの上部の内部構造を説明する模式図。
図3】電装品ボックス12の内部構造を示す断面図。
図4】フィルタ20の構成を説明する図。
図5】プレート枠22が取付位置に位置決めされている態様を示す斜視図であって、電装品ボックス12及びフィルタ20のみを図示する。
図6】プレート枠22が電装品ボックス12から第1方向に引き出された態様を示す斜視図であって、電装品ボックス12及びフィルタ20のみを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本技術の一実施形態では、電装品ボックスは、複数の通気口を備え、プレート枠は、複数の通気口に対応する複数の開口を備え、複数の開口のそれぞれには、フィルタ部材が着脱可能に取付けられていてもよい。このような構成によると、一回のプレート枠の引き出しにより複数のフィルタ部材を一斉にスライドすることができ、複数のフィルタ部材の交換を容易に行うことができる。
【0009】
本技術の一実施形態では、電装品ボックスの内部の空間は、第1空間と第2空間とを有していてもよい。その場合に、電装品ボックスは、第1空間と連通する第1の通気口と、第2空間と連通する第2の通気口とを備えていてもよい。さらに、プレート枠は、第1の通気口に対応する第1の開口と、第2の通気口に対応する第2の開口を備え、第1の開口には第1のフィルタ部材が着脱可能に取付けられ、第2の開口には第2のフィルタ部材が着脱可能に取付けられていてもよい。
【0010】
上記に加え、電装品ボックスの内側の空気を電装品ボックスの外側に排気するための排気ファンをさらに備え、この排気ファンが作動した状態では、第1空間から第2空間に向かって空気が流れてもよい。
【0011】
上記に加え、電装品ボックスは、第1空間と第2空間を区切る仕切り壁を有していてもよい。さらに、排気ファンが作動した状態では、第1空間から第1の通気口を通って電装品ボックスの外側に空気が流れ、電装品ボックスの外側に流れた空気の一部は第2の通気口を通って第2空間に流れてもよい。このような構成によると、第1空間と第2空間が仕切り壁によって仕切られているため、第1空間で発生した埃や塵が第2空間に直接流入することを防止することができる。また、第1空間で発生した埃や塵等が電装品ボックスの外部に流出するのが防止されるとともに、(第1空間から流出したものを含む)外部からの埃や塵等が第2空間に流入することを防止することができる。従って、特に第2空間への埃や塵の流入を効果的に防止することができる。この場合、例えば埃や塵等によって影響を受けやすい電装品ユニット(例えば制御用電装品)を第2空間に配置することで、電装品ユニットに埃や塵等が付着することを効率的に抑制することができる。
【0012】
本技術の一実施形態では、部品を供給する部品供給部をさらに備え、第1方向に沿って、第1空間と第2空間は位置しており、電装品ボックスの部品供給部が取り付け可能な側に第1空間は位置し、電装品ボックスの第1空間とは反対側に第2空間が位置していてもよい。
【0013】
本技術の一実施形態では、通気口は、電装品ボックスにおいて、第1側面に垂直な第2側面に設けられていてもよい。
【実施例
【0014】
図面を参照して、実施例の部品実装機10について説明する。部品実装機10は、本明細書が開示する技術における部品実装装置の一例であり、基板4に部品2を実装する装置である。部品実装機10は、表面実装機又はチップマウンタとも称される。通常、部品実装機10は、はんだ印刷機、他の部品実装装置及び基板検査機と共に併設され、一連の実装ラインを構成する。図1、2に示すように、部品実装機10は、ベース10bと、ベース10b上に設置される部品実装モジュール10aとを備える。図1にはベース10b上に1台の部品実装モジュール10aが設置された状態が図示されているが、ベース10b上には、複数台の部品実装モジュール10aが設置可能となっている。ベース10b内には、複数の部品実装モジュール10aに共通する部品が装備されている。部品実装モジュール10aは、基板搬送部30と、部品実装部40と、部品供給部50と、操作パネル70と、これらの各装置30、40、50、70を制御する制御装置60とを備える。部品実装モジュール10aにおいて、基板搬送部30と、部品実装部40と、部品供給部50と、操作パネル70は上側部分に配設され、制御装置60は下側部分に配設されている。なお、ベース10b上に配置される部品実装モジュール10aの数は特に限定されないが、ベース10b上には複数の部品実装モジュール10aがX方向に並んで取り付け可能であり、べ―ス10bから着脱可能に構成されている。
【0015】
基板搬送部30は、基板4の部品実装部40への搬入、部品実装部40への位置決め、及び部品実装部40からの搬出を行う装置である。基板搬送部30には、例えば一対のベルトコンベア32と、ベルトコンベア32に取り付けられると共に、基板4を下方から支持する支持装置(不図示)と、ベルトコンベア32を駆動する駆動装置34とが含まれる。基板4は、部品実装機10内の実装位置に位置決めされ、その実装位置において部品2が装着されると、基板4は実装位置から、部品実装機10の外に搬送される。一対のベルトコンベア32は、部品実装機10を含む実装ライン(図中のX方向に延びる)に沿って延びており、基板4をX方向に搬送する。
【0016】
部品供給部50は、基板4に実装する部品2を供給する装置である。部品供給部50には、フィーダ保持部54と複数の部品フィーダ52とが含まれる。フィーダ保持部54には、複数の部品フィーダ52が着脱可能となっている。部品フィーダ52は、複数の部品2を収容している。部品フィーダ52は、フィーダ保持部54に着脱可能に取り付けられ、部品実装部40へ部品2を供給する。部品フィーダ52の具体的な構成は特に限定されない。各々の部品フィーダ52は、例えば、巻テープ上に複数の部品2を収容するテープ式フィーダ、トレイ上に複数の部品2を収容するトレイ式フィーダ、又は、容器内に複数の部品2をランダムに収容するバルク式フィーダのいずれであってもよい。
【0017】
部品実装部40は、部品供給部50から供給された部品2を基板搬送部30から搬入された基板4に実装する装置である。部品実装部40には、移動装置42と、移動ベース44と、実装ヘッド46とが含まれる。移動装置42は、基板4に対して実装ヘッド46を移動させる装置であり、制御装置60によって駆動される。移動装置42は、移動ベース44をX方向及びY方向に駆動するXYロボット機構を備える。移動装置42は、移動ベース44を案内するガイドレールや移動ベース44をガイドレールに沿って移動させる移動機構や、その移動機構を駆動するモータ等によって構成されている。実装ヘッド46は、移動ベース44に取り付けられており、移動装置42によって、一対のベルトコンベア32と部品フィーダ52との間の上方を移動する。
【0018】
実装ヘッド46は、部品2を吸着する吸着ノズル48を有する。吸着ノズル48は、実装ヘッド46に対して着脱可能に取り付けられている。吸着ノズル48は、実装ヘッド46に収容されたアクチュエータ(図示省略)によって、Z方向(図面上下方向)に移動可能に構成されている。上述したように、吸着ノズル48がZ方向に移動することができ、加えて、移動ベース44がX方向及びY方向に移動することで、吸着ノズル48はX方向及びY方向に移動することもできる。従って、吸着ノズル48を種々の方向に移動させることで、吸着ノズル48に部品2を吸着でき、また、吸着ノズル48に吸着した部品2を基板4に装着することができる。従って、実装ヘッド46により部品2を基板4に実装するには、まず、吸着ノズル48を部品フィーダ52から供給される部品2に対してXY方向に位置決めすると共に、吸着ノズル48の吸着面(下面)が当接するまで、吸着ノズル48を下方に移動させる。吸着ノズル48の吸着面が部品2に当接すると、吸着ノズル48に部品2を吸着し、吸着ノズル48を上方に移動させる。次いで、移動装置42によって、吸着ノズル48に吸着した部品2を基板4に対して位置決めする。この際、部品2が基板4の予め設定された位置に位置決めされるように、部品2のXY方向の位置及び向きが調整される。次いで、部品2が基板4に当接するまで、吸着ノズル48を下方に移動させることによって、基板4に部品2が装着される。
【0019】
操作パネル70は、作業者の指示を受け付ける入力装置であると共に、作業者に対して各種の情報を表示する表示装置でもある。
【0020】
制御装置60は、CPU、ROM、RAMを備えたコンピュータを用いて構成されている。制御装置60は、基板搬送部30と部品実装部40と部品供給部50と操作パネル70とに通信可能に接続されている。制御装置60は、予めインストールされたプログラムを実行することで、接続された各装置30、40、50、70を駆動する。
【0021】
図1、3に示すように、部品実装モジュール10aは、上記した制御装置60を含む電装品ユニット16と、電装品ボックス12と、フィルタ20と、排気ファン(図示省略)とを備える。電装品ボックス12は、部品実装モジュール10aの下側(即ち、ベース10b側)に装備されており、電装品ユニット16を収容する。電装品ボックス12は、基板搬送部30の搬送方向(図中のX方向)と平行に延びる第1側面12aと、その第1側面12aに垂直な第2側面12bとを有している。電装品ボックス12の後端は閉じられている一方で、電装品ボックス12の前端(第1側面12aの開口)は解放されており、部品供給部50が配置されている。電装品ボックス12の第2側面12bには、複数の通気口14a、14bが設けられている。これにより、部品実装機10が駆動することで発熱した電装品ユニット16は、複数の通気口14a、14bから電装品ボックス12の内部に導入した空気によって冷却される。但し、電装品ボックス12における通気口14a、14bが形成される位置は、特に限定されない。
【0022】
ここで、図1図3図4を参照して、電装品ボックス12の内部構造について説明する。図3に示すように、電装品ボックス12の内部空間は、第1空間S1と第2空間S2とを有している。具体的には、電装品ボックス12は、仕切り壁18を有しており、電装品ボックス12の内部空間は、仕切り壁18によって第1空間S1と第2空間S2に区切られている。第1空間S1と第2空間S2は、基板4の搬送方向及び基板4の垂直方向(図中のZ方向)のそれぞれに直交する第1方向(図中のY方向であって部品実装機10の前後方向)に沿って配置されている。第1空間S1は、電装品ボックス12の第1方向における一方側(部品実装機10の前方側)に位置し、第2空間S2は、第1空間S1とは反対側に位置する電装品ボックス12の第1方向における他方側(部品実装機10の後方側)に位置する。第1空間S1には、部品供給部50が配置可能となっており、部品供給部50が部分的に電装品ボックス12の内側に位置している。また、第1空間S1には、装置類の配線及び/又は廃棄部材等が収容されている。第2空間S2には、電装品ユニット16が収容されている。上述した複数の通気口14a、14bには、第1空間S1と連通する第1の通気口14aと、第2空間S2と連通する第2の通気口14bとが含まれる。
【0023】
排気ファンは、電装品ボックス12の内側の空気を電装品ボックス12の外側に排気する装置である。本実施例では、電装品ボックス12の第2空間S2に排気ファンが配置されており、排気ファンが作動した状態では、第1空間S1から第2空間S2に向かって空気が流れているように構成されている。詳しくは、排気ファンが作動した状態では、第1空間S1から第1の通気口14aを通って電装品ボックス12の外側に空気が流れ、電装品ボックス12の外側に流れた空気の一部が第2の通気口14bを通って第2空間S2に流れるように構成されている。
【0024】
電装品ボックス12の通気口14a、14bには、フィルタ20が設けられている。図4に示すように、フィルタ20は、長尺状の板状のプレート枠22と、複数のフィルタ部材26a、26bとを有する。複数のフィルタ部材26a、26bには、複数の第1のフィルタ部材26aと複数の第2のフィルタ部材26bが含まれる。またプレート枠22には、複数の開口24a、24bが設けられている。複数の開口24a、24bには、複数の第1の開口24aと複数の第2の開口24bが含まれており、第1の開口24aには第1のフィルタ部材26aが着脱可能に取り付けられている。同様に第2の開口24bには第2のフィルタ部材26bが着脱可能に取り付けられている。複数のフィルタ部材26a、26bは、例えば不織布といった、繊維状の材料で構成されている。電装品ボックス12は、フィルタ20を内側で支持している。それとともに、フィルタ20のプレート枠22は、第1方向(図中のY方向)にスライド可能に構成されている。
【0025】
図5図6を参照して、このプレート枠22のスライド機構について説明する。プレート枠22は、電装品ボックス12の第1方向(Y方向)にスライド移動する。通常、部品実装機10が稼働するときには、プレート枠22は、図5に示すように、プレート枠22の略全体が電装品ボックス12の内側に位置して、フィルタ部材26a、26bが通気口14a、14bを塞ぐ取付位置に位置している。従って、プレート枠22が取付位置に位置決めされているときには、通気口14a、14bにはフィルタ部材26a、26bが取付られた状態になるため、部品実装機10の稼働に伴って、電装品ボックス12の第2空間S2内への埃や塵の侵入を防止する。このとき、プレート枠22は、プレート枠22の略全体が電装品ボックス12の内側に位置している必要はなく、プレート枠22の少なくとも一部が電装品ボックス12の内側に位置していればよい。一方、図6に示すように、プレート枠22を第1方向(Y方向)にスライド移動させ、電装品ボックス12の第2側面12bから平行に引き出された引出位置にプレート枠22が位置決めされると、フィルタ部材26a、26bは電装品ボックス12の外側に位置する。
【0026】
上述したように本実施例の部品実装機10では、電装品ユニット16を収容する電装品ボックス12にフィルタ20が設けられている。フィルタ20のプレート枠22が電装品ボックス12に対してスライド可能となっており、プレート枠22が引出位置に移動すると、フィルタ部材26a、26bが電装品ボックス12の外側に位置する。そのため、フィルタ部材26a、26bの交換を容易に行うことができる。特に、部品実装機10の基板搬送方向には前工程及び/又は後工程の装置が配置されることがある一方で、基板搬送方向と直交する第1方向(Y方向)には、本実施例のように操作パネル70が設けられる等、作業者の作業スペースが設けられることが多い。フィルタ20が基板搬送方向と直交する第1方向(Y方向)にスライドして第1側面12aから引き出されるため、作業者はフィルタ部材26a、26bの交換を容易に行うことができる。
【0027】
本実施例では、電装品ボックス12は、複数の通気口14a、14bを備えており、プレート枠22は、その複数の通気口14a、14bに対応する複数の開口24a、24bを備えている。複数の開口24a、24bのそれぞれには、フィルタ部材26a、26bが着脱可能に取付けられている。このような構成によると、一回のプレート枠22の引出位置への引き出しにより、複数のフィルタ部材26a、26bを一斉にスライドすることができ、複数のフィルタ部材26a、26bの交換を容易に行うことができる。但し、通気口14a、14b、それに対応するプレート枠22の開口24a、24b、及び開口24a、24bに取り付けられたフィルタ部材26a、26bの数は特に限定されない。
【0028】
本実施例では、電装品ボックス12は、第1空間S1と第2空間S2を区切る仕切り壁18を有しており、排気ファンが作動した状態では、第1空間S1から第1の通気口14aを通って電装品ボックス12の外側に空気が流れ、電装品ボックス12の外側に流れた空気の一部は第2の通気口14bを通って第2空間S2に流れるように構成されている。このような構成によると、第1空間S1と第2空間S2が仕切り壁18によって仕切られているため、第1空間S1で発生した埃や塵が第2空間S2に直接流入することを防止することができる。また、第1のフィルタ部材26aによって、第1空間S1で発生した埃や塵等が電装品ボックス12の外部に流出するのが防止されるとともに、仮に第1空間S1から埃や塵等が流出したとしても、これらを含む外部からの埃や塵等が第2空間S2に流入することを第2のフィルタ部材26bによって防止することができる。従って、第2空間S2への埃や塵の流入を効果的に防止することができる。なお、本実施例では、第1空間S1に部品供給部50が配設されており、第1空間S1で発生した埃や塵等には、部品フィーダ52から廃棄される、例えばテープ等の廃棄部材が含まれる。特に、第2空間S2には、埃や塵等によって影響を受けやすい、例えば制御装置60等を含む電装品ユニット16が配設されている。これにより、電装品ユニット16に埃や塵等が付着することを効率的に抑制することができる。
【0029】
(対応関係)
上述したが、「部品実装機10」は、本明細書が開示する技術における「部品実装装置」の一例である。「引出位置」は、本明細書が開示する技術における「第1位置」の一例であり、「取付位置」は、本明細書が開示する技術における「第2位置」の一例である。
【0030】
以上、いくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
【符号の説明】
【0031】
2:部品
4:基板
10:部品実装機
10a:部品実装モジュール
10b:ベース
12:電装品ボックス
12a:第1側面
12b:第2側面
14a:第1の通気口
14b:第2の通気口
16:電装品ユニット
18:仕切り壁
20:フィルタ
22:プレート枠
24a:第1の開口
24b:第2の開口
26a:第1のフィルタ部材
26b:第2のフィルタ部材
30:基板搬送部
32:ベルトコンベア
34:駆動装置
40:部品実装部
42:移動装置
44:移動ベース
46:実装ヘッド
48:吸着ノズル
50:部品供給部
52:部品フィーダ
54:フィーダ保持部
60:制御装置
70:操作パネル
S1:第1空間
S2:第2空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6