(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】低鉛銅合金
(51)【国際特許分類】
C22C 9/04 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
C22C9/04
(21)【出願番号】P 2019063630
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】P 2018061912
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩士
(72)【発明者】
【氏名】廣田 修平
(72)【発明者】
【氏名】松葉 昌平
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 幸代
(72)【発明者】
【氏名】山本 匡昭
【審査官】立木 林
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/157413(WO,A1)
【文献】特開平11-036028(JP,A)
【文献】特開平03-068733(JP,A)
【文献】特開2014-240517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Znを13.0質量%以上21.0質量%以下、Snを1.2質量%以上5.7質量%以下、Pbを
0.50質量%以上4.0質量%以下、Pを0.5質量%以下含有し、
残部がCuと不可避不純物である銅合金。
【請求項2】
請求項1の構成要素に加えて、さらに1.5質量%以下のNiを含有する銅合金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉛の含有量を抑えた鉛含有青銅合金に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水道用資機材や給水装置の部品に用いられてきた青銅鋳物(JIS H5120 CAC406)は、鋳造性、耐食性、切削性、耐圧性に優れており、バルブ、ポンプ部品、給水用具、水道用資機材、軸受、一般機械部品など、様々な分野に用いられている。この青銅鋳物(CAC406)は、鉛を4.0~6.0重量%含むことで高い切削性を有しており、加工しやすいという特徴がある。しかし、含有する鉛は、近年、人体や環境への影響が懸念されるため、水質規制やRoHS、REACH指令などの環境規制の整備とともに、使用環境が制限されつつある。このため、鉛の浸出量を削減することを目標として、鉛の含有量を低下させた、又は鉛を使用しない鉛フリー銅合金が検討されている。
【0003】
例えば特許文献1には、Cuを71.5~78.5質量%、Siを2.0~4.5質量%、鉛を0.005質量%以上0.02質量%未満の範囲で含有し、かつ残部がZnからなる合金組成をなす快削性銅合金が開示されている。この銅合金では上記の範囲でさらに、次の条件をみたすことで、求める性能を発揮させている。まず、Cu、Si、及びPbが質量%単位で61-50Pb≦Cu-4Si≦66+50Pbの不等式を満足し、かつ、0.5質量%を超えないFeを不純物として含む合金組成をなす。その上で、α相からなるマトリックスにγ相及び/又はκ相が均一に分散されており且つ総相面積においてα相≧30%、0%≦β相≦5%、0%≦μ相≦20%及び18-500(Pb)%≦κ相+γ相+0.3μ相-β相≦56+500(Pb)%を満足する金属組織をなす。これにより鉛を超低量含む快削銅合金となる。
【0004】
また、特許文献2には、Sn:0.8~8.0重量%、Bi:0.2~7.0重量%、Niを0.2~3.0重量%、及び残部のCuからなり、合金内にCu-Sn-Ni化合物を析出させて切削性を向上させた、鋳塊・溶接に向いた鉛フリー銅合金が開示されている。Pbの含有量は不純物として含まれうる0.02~0.03重量%程度である。また、さらにこの合金に、Se:0.1~3.0重量%未満を含有させる旨、P:0.5重量%未満を含有させる旨が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、0.5~15mass%のSnと、0.001~0.049mass%のZrと、0.01~0.35mass%のPと、0.01~15mass%のPb、0.01~15mass%のBi、0.01~1.2mass%のSe及び0.05~1.2mass%のTeから選択された1種以上の元素と、残部であって73mass%以上のCuとからなり、Fe及び/又はNiが不可避不純物として含有される場合であって、その何れかが含有される場合にはFe又はNiの含有量が0.2mass%以下に、またFe及びNiが含有される場合にはそれらの合計含有量が0.25mass%以下に、夫々制限されており、f1=[P]/[Zr]=0.5~100、f2=3[Sn]/[Zr]=300~15000、f3=3[Sn]/[P]=40~2500、f4=[Zn]+3[Sn]=10~43及びf5=[Cu]-0.5[Sn]-3[P]+0.5([Pb]+[Bi]+[Se]+[Te])-0.5([As]+[Sb])-1.8[Al]+[Mn]+[Mg]=60~90(元素aの含有量を[a]mass%とし、含有しない元素aについては[a]=0とする)であり、α相、γ相及びδ相の合計含有量が面積率で95%以上であり、溶融固化時のマクロ組織での平均結晶粒径が300μm以下であることを特徴とする被削性、強度、耐摩耗性及び耐蝕性に優れた銅合金鋳物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4951623号公報
【文献】特開2003-193157号公報
【文献】特許第5111853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された鉛フリー銅合金では、従来のCAC406に比べて実際の鋳造現場において取り扱う際の注意点が大きく変わってしまうため、従来のCAC406を用いた鋳造や加工工程などの製造手順からスムーズな移行を行うことが難しい。また、鉛含有銅合金で製造する現場との間でコンタミネーションが起きるおそれがあり、欠陥が増大する懸念もあった。
【0008】
また、特許文献3に記載の合金のようにZrを含有させると、青銅鋳物系においてはSiのように微細引け巣を誘発するため、健全な製品を製造することが困難となり、CAC406での習熟された手順を踏まえた移行が難しくなった。
【0009】
一方、近年の自動車業界におけるEV化推進に必要な電気系統製品需要の高まりを受けて、純銅を中心とした銅の使用量が拡大しており、銅の供給不足や価格高騰が懸念されている。このため、銅の使用量はできるだけ低下させる必要性に迫られている。
【0010】
そこでこの発明は、鉛の浸出を抑えるだけでなく、銅の使用量も抑制しながら、従来からスタンダードとなっているCAC406に近い手順で扱うことが出来る青銅合金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、Znを13.0質量%以上21.0質量%以下、Snを1.2質量%以上5.7質量%以下、Pbを0.30質量%以上4.0質量%以下、Pを0.5質量%以下含有し、残部がCuと不可避不純物とである銅合金により、上記の課題を解決したのである。
【0012】
また、上記の成分に加えて、1.5質量%以下のNiを含有する構成を選択することもできる。
【0013】
この発明にかかる銅合金は、鉛を4.0~6.0質量%含有するCAC406に比べて鉛の含有量を低下させることで、鉛の規制に対応することができる。また、Znを適切な範囲で増加させSnを適切な範囲に調整することでCuの必要量を削減することができる。
【0014】
この銅合金は、他の不可避不純物として混入しうる元素を限定的に含んでいてもよい。ただし、その合計量は、本発明の効果を阻害しない範囲に留める必要があり、0.5質量%未満であると好ましく、かつ一つの当該元素あたりの含有量が0.1質量%未満であると好ましい。
【発明の効果】
【0015】
この発明により、Pbの使用量を抑制しつつ、Cuの必要量も削減しながら、必要な強度や伸びを確保し、かつ従来のCAC406に近い取り扱いが出来る銅合金を得ることができる。これにより、従来はCAC406が用いられていた様々な銅合金製品について、製造現場における手順変更の負荷を抑制しながら、低鉛化と使用する銅の節約とを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例において機械的性質試験に用いる14A号試験片の模式図
【
図2】(a)CAC406の切粉の例を示す写真、(b)実施例3の切粉の例を示す写真、(c)比較例5の切粉の例を示す写真、(d)実施例9の切粉の例を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明は、CAC406に比して、Pbの含有量を抑制すると共にCuの使用量を削減した青銅系の銅合金である。
【0018】
上記銅合金のZn含有量は、13.0質量%以上である必要がある。13.0質量%未満であると、CAC406に比べて引張強さおよび伸びが悪化しすぎてしまい、従来通りには扱いにくくなってしまう。一方で、21.0質量%以下である必要があり、19.5質量%以下であると好ましい。Zn含有量が21.0質量%を超えると引張強さが悪化してしまう。
【0019】
上記銅合金のSn含有量は、1.2質量%以上である必要があり、2.0質量%以上であると好ましい。1.2質量%未満であると耐力が低くなりすぎてしまう。一方、5.7質量%以下である必要があり、4.0質量%以下であると好ましい。5.7質量%を超えると伸びと引張強さが極端に悪くなってしまう。
【0020】
上記銅合金のPb含有量は、0.30質量%以上である必要があり、0.50質量%を超えると好ましい。0.30質量%未満では、CAC406と同一条件で切削加工を行うと切粉がヘリカルに繋がってしまい、切削不良が起きやすくなる。0.30質量%以上0.50質量%以下では、切削性は多少改善し、切粉が一部ヘリカルに繋がってしまうものの、切粉の分断は起きるため、多少の切削性の低下を許容することで利用可能である。一方、Pb含有量は、4.0質量%以下が必要であり、3.9質量%以下が好ましく、3.5質量%以下であるとより好ましい。3.5質量%を超えると引張強さの低下が起き始める。さらに、4.0質量%を超えると、環境規制に対応できなくなってしまう。
【0021】
上記銅合金のP含有量は、0.5質量%以下である必要がある。Pが過剰に含まれていると、引け巣の増大などが懸念されるが、0.5質量%までは特に問題なく含めることができる。上記の範囲でPが含まれていると、溶湯の健全性に寄与し、脱酸効果を発揮して鋳造後の機械的性質を安定化させる。含有させる場合、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。ただし、上記銅合金はZnの含有量が比較的高いことから、Pによる脱酸工程を省いてもある程度安定した品質の鋳物を得ることができる。
【0022】
上記銅合金は、上記の元素の他に、Niを含んでいてもよい。上記銅合金においてNiは全率固溶型元素であり、強度や伸びを安定させる。Niの添加は、引張強さおよび伸びを、添加しない場合よりも向上させる。一方で、1.5質量%以下であることが必要である。1.5質量%を超えると、水素吸収の増加による溶湯の品質低下が懸念される。また、鋳造された製品のNiの溶出量の増大も懸念される。
【0023】
上記銅合金は、残分としてCuの他に、この発明にかかる効果を阻害しない範囲で、不純物となる上記以外の元素を含有してもよい。ただし、含有する量は原材料や製造時の問題から不可避的に含有される不可避不純物として含まれる程度に抑えることが好ましい。その不可避不純物となる元素の合計量は、0.5質量%未満であると好ましく、0.1質量%未満であるとより好ましい。予期せぬ元素が多すぎると上記の元素の範囲であっても、物性に支障を来すおそれがあるからである。また、一つの元素あたりの含有量は、0.1質量%未満であると好ましい。
【0024】
上記銅合金が含有しうる不可避不純物となる元素のうち、Biの含有量は、0.1質量%未満であると好ましく、0.05質量%未満であるとより好ましく、検出限界未満であると最も好ましい。Biは、Cuに固溶せずに分散し、同じく分散されているPbと低融点(125℃)の共晶化合物を作る。Biの含有量が多いと、分散されたPb-Biの共晶化合物が多くなり引張強さなどの強度低下を招く起点となってしまうおそれがある。また、分散したBiによって砂型鋳造時に引け巣が発生しやすくなる傾向にある。さらに、Biが多すぎると、上記銅合金を用いて製造した鋳造製品をリサイクルするにあたり、リサイクルする合金にBiが混入することで生じる機械的性質の低下などの様々なデメリットを生じるため、当該鋳造製品を別途回収しなければならなくなってしまう。
【0025】
上記銅合金が含有しうる不可避不純物となる元素のうち、特に、Zrの含有量は、0.003質量%未満であると好ましく、検出限界未満であるとより好ましい。Znを多く含んだ青銅系合金において、Zrは微量でも含まれていると物性に大きな影響を及ぼす可能性が高いためである。
【0026】
上記銅合金が含有しうる不可避不純物となる元素のうち、特に、Siの含有量は、0.01質量%未満であると好ましく、0.005質量%未満であるとより好ましい。Siが多すぎると引け巣を助長し、健全な鋳物ができなくなってしまう。
【0027】
上記銅合金が含有しうる不可避不純物となる元素のうち、Bの含有量は、0.02質量%未満であると好ましく、0.01質量%未満であるとより好ましい。Bは微量でも性質に与える影響が大きく、0.02質量%以上であると切削性の低下や引張強度の低下が無視できなくなる。
【0028】
上記銅合金が含有しうるその他の不可避不純物となる元素は、いずれも0.1質量%未満であると好ましく、0.05質量%未満であるとより好ましく、検出限界未満であるとさらに好ましい。このような不純物としては、例えば、Fe、Mn、Cr、Mg、Ti、Te、Se、Cd、Sbなどが挙げられる。この中でも特に、毒性が知られているSe、Cdは、0.1質量%未満であることが望ましく、検出限界未満であるとさらに望ましい。
【0029】
なお、この発明における含有量の値は、原料における比ではなく、合金として得られた素材あるいは鋳造や鍛造などにより製品を製造した時点における含有量を示す。
【0030】
上記銅合金の残分はCuである。この発明にかかる銅合金は、一般的な銅合金の製造方法で得ることができ、この銅合金で製品を製造する際には、一般的な鋳造方法(例えば砂型鋳造)により製造することができる。例えば、重油炉、ガス炉、高周波誘導溶解炉などを用いて合金の溶解を行い、各形状の鋳型に鋳造する方法が挙げられる。
【実施例】
【0031】
以下、この発明にかかる銅合金を実際に製造した例を挙げて報告する。まず、銅合金に対して行う試験方法について説明する。
【0032】
<機械的性質試験>
10t-Yブロック(10mm×70mm×100mm)のCO
2鋳型へ鋳造し、最下部を底から10mmで切り出したもの(10mm×70mm×10mm)を、JIS Z2241で規定する14A号試験片に加工した。具体的形状は、
図1の通りであり、平行部の原断面積S
0と原標点距離L
0とがL
0=5.65×S
0^(1/2)の関係にある比例試験片である。棒状部の直径d
0は5mm、原標点距離L
0は25mm、円柱状とした並行部長さL
cは30mm、肩部の半径Rは15mmとした。(L
0=5.65×(2.5×2.5×π)^(1/2)=25.03)
【0033】
この試験片について、JIS Z2241に従って引張強さと伸びと耐力とを測定した。その機械的性質としての評価基準を表1に、製造した銅合金の成分比と評価結果を表2に示す。
【0034】
【0035】
【0036】
<切削性試験>
10t-Yブロック(10mm×70mm×100mm)のCO2鋳型へ鋳造し、最下部を底から10mmで切り出した(10mm×70mm×10mm)。この切り出した試料をφ8mm×70mmの円柱状に加工した試験片を汎用旋盤により、超硬ロウ付けバイトを用いて、送り0.15mm/rev、回転数550rpmにて乾式切削加工を行い、発生した切粉を次のように評価した。評価結果を表2に示す。
・×:切粉が繋がりヘリカルに伸びたもの
・○:分断されているが、ヘリカルなものが含まれる
・◎:分断され、切粉が二重巻き以下である
【0037】
なお、基準材となるCAC406を同様に切削した際の写真を
図2(a)として示す。
【0038】
<製造方法>
それぞれの元素を構成する材料を混合し、高周波誘導溶解炉にて溶製した後、CO2鋳型により鋳造して表2に記載の含有量となる各々の例で供試材を作製した。なお、含有量の値は全て質量%であり、製造後の測定値である。それぞれの得られた銅合金について、上記の試験を行った。表中「―」は検出限界未満であることを示す。なお、いずれの例においても、B、Bi、Sb、Si、Feは検出限界未満であった。また、比較例6以外はZrも検出限界未満であった。総合評価は、試験した項目全てが◎であれば◎とし、試験した項目のうち一つでも○があれば○とし、一つでも×があれば×とした。
【0039】
まず、Snの含有量を変化させ、Sn以外の元素の含有量をできるだけ近いものとした比較例1、実施例1~5、比較例2を調製した。表2中の第一項目においてこれらをSnの含有量順に並べた。Snが5.7質量%を超える比較例2では、引張強さおよび伸びが悪化する傾向が見られた。一方、Snが1.2質量%を下回る比較例1では耐力に問題を生じてしまった。また、切粉の形状はいずれも良好であった。実施例3の切粉の写真を
図2(b)として示す。
【0040】
次に、実施例3を基準としてZnの含有量を変化させ、Zn以外の元素の含有量を出来るだけ近いものとした比較例3、実施例6、7、8、比較例4を調製した。表2中の第二項目にこれらをZnの含有量順に並べた。Znが13.0質量%を下回る比較例3では、引張強さが悪化してしまった。一方、Znが19.5質量%を超える実施例8ではやや伸びが低下する傾向を示し、Znが21.0質量%を超える比較例4ではさらに伸びが低下し、また、引張強さに問題を生じてしまった。
【0041】
次に、実施例3を基準としてPbの含有量を変化させ、Pb以外の元素の含有量を出来るだけ近いものとした比較例5、実施例9、10、11、12、13を調製した。表2中の第三項目にこれらをPbの含有量順に並べた。Pbが0.30質量%を下回る比較例5では、切粉がヘリカル構造を示してしまい、切削性が著しく問題となった。その写真を
図2(c)に示す。Pbが0.50質量%となる実施例9ではややヘリカルではあるものの、分断された切粉が得られた。その写真を
図2(d)に示す。
【0042】
次に、実施例3を基準としてPの含有量を変化させ、P以外の元素の含有量を出来るだけ近いものとした実施例14、15、16を調製した。いずれの実施例も良好な結果を示した。
【0043】
次に、追加的要素として、実施例3に近い構成要素で、さらにNiを追加した実施例17、18、19を調製した。Niが添加されると、添加されていない実施例3と比べ、引張強さおよび伸びがよりよくなる傾向を示した。
【0044】
さらに、微量のZrを追加した比較例6を調製したところ、機械的性質にいずれも大きな問題を生じてしまった。