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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20221228BHJP
【FI】
H02M7/48 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019071394
(22)【出願日】2019-04-03
(65)【公開番号】P2020171135
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000103792
【氏名又は名称】オリエンタルモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】板橋 正也
【審査官】柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/119929(WO,A1)
【文献】特開2004-048885(JP,A)
【文献】特開2017-212869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流を交流に変換するスイッチング回路と、該スイッチング回路をPWM制御するPWM制御部とを有する電力変換装置であって、
前記PWM制御部は、
電流指令と、前記スイッチング回路から負荷へと供給される電流とに基づいて、電圧指令を算出する電流制御部と、
前記電圧指令のN相変調用補正量と、前記電圧指令の(N-1)相変調用補正量との比率を、前記電流指令に基づいて算出するスケジューラーであって、前記Nは3以上の整数である、スケジューラーと、
前記比率に基づいて、前記N相変調用補正量と前記(N-1)相変調用補正量とを前記電圧指令に加えることにより、補正付き電圧指令を算出するPWMデューティー生成部と
を備えることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記スケジューラーは、前記比率を定める0以上1以下の係数Kを前記電流指令に基づいて算出し、
前記PWMデューティー生成部は、前記N相変調用補正量に前記係数Kを乗じて得られる値と、前記(N-1)相変調用補正量に、1から前記係数Kを引いた値を乗じて得られる値とを、前記電圧指令に加えることにより、前記補正付き電圧指令を算出することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電流指令が入力されるローパスフィルターと、
前記ローパスフィルターの出力信号の絶対値を算出する絶対値算出部と
をさらに備え、
前記スケジューラーは前記絶対値に基づいて前記比率を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWM制御を行い、モーター等の負荷に電力を供給する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、2相/3相変調選択手段を備えた電力変換装置が記載されている。この2相/3相変調選択手段は、電流制御の精度が重視されるか、発熱を抑制することが重視されるかによって、2相変調用の電圧指令値を選択するか、3相変調用の電圧指令値を選択するかを選択指示する。さらに、2相/3相変調選択手段は、トルク電流指令値の絶対値が所定の基準値よりも大きい場合に、2相変調用の電圧指令値を選択指示する電流値判定手段を備える点も同文献に記載されている。
【0003】
特許文献2には、PWMインバータの制御装置が記載されている。この制御装置において、周波数指令を3相変調波形成部に入力して3相変調波信号が生成され、この3相変調波信号が2相変調演算部と加算部にそれぞれ出力される。外部からの2相変調指令入力時には3相変調波を基準に2相変調波との差分を演算する2相変調演算部の出力が前記加算部に出力され、3相変調指令入力時には前記加算部への2相変調演算部の出力を阻止することで2相変調波又は3相変調波が生成される。前記2相変調演算部の出力側に切換状態信号生成部を設け、外部からの3相変調状態と2相変調状態との相互の切換指令信号発生時に、前記切換状態信号生成部から中間状態信号が所定期間発生して前記加算部に出力される。前記切換状態信号生成部が出力する中間状態信号は、段階状、もしくは傾斜状を有した出力である点も同文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-48885号公報
【文献】特開2009-100613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
変調方式を2相変調及び3相変調の一方から他方へと切り替える場合、電力変換装置に接続されるモーター等の負荷においてトルク衝撃が発生する可能性がある。本発明は、変調方式の切替えにおけるトルク衝撃の発生を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る直流を交流に変換するスイッチング回路と、該スイッチング回路をPWM制御するPWM制御部とを有する電力変換装置の前記PWM制御部は、電流指令と、前記スイッチング回路から負荷へと供給される電流とに基づいて、電圧指令を算出する電流制御部と、前記電圧指令のN相変調用補正量と、前記電圧指令の(N-1)相変調用補正量との比率を、前記電流指令に基づいて算出するスケジューラーであって、前記Nは3以上の整数である、スケジューラーと、前記比率に基づいて、前記N相変調用補正量と前記(N-1)相変調用補正量とを前記電圧指令に加えることにより、補正付き電圧指令を算出するPWMデューティー生成部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、変調方式の切替えにおけるトルク衝撃の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】3相PWMにおける3相変調方式のバイアス付きの電圧指令と出力電圧のパルス波形を示す説明図である。
図2】3相PWMにおける2相変調方式のバイアス付きの電圧指令と出力電圧のパルス波形を示す説明図である。
図3】一実施形態における電力変換装置を示す説明図である。
図4】トルク負荷率と係数Kとの関係を示す説明図である。
図5】3相PWMにおいて3相変調から中間状態の変調を経て2相変調に移行する場合のバイアス付きの電圧指令と出力電圧のパルス波形を示す説明図である。
図6】3相PWMにおける2相変調方式(6ステップ)のバイアス付きの電圧指令と出力電圧のパルス波形を示す説明図である。
図7】3相PWMにおいて3相変調(6ステップ)から中間状態の変調(6ステップ)を経て2相変調(6ステップ)に移行する場合のバイアス付きの電圧指令と出力電圧のパルス波形を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
【0010】
まず、3相PWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調方式)の3相変調及び2相変調について説明する。
【0011】
3相PWMのデューティー配分の方式において、出力要求する交流電圧の中心値となる0[V]に相当するデューティー50%をバイアスとして、各相のデューティーを配分する。つまり、0[V]にデューティーのバイアス50%を持たせる。この方式を「3相変調」と称する。
【0012】
電流指令と、スイッチング回路から負荷へと供給される電流の検出値とに基づいて電流制御を行う電流制御部から出力される各相の電圧指令をV、V及びVとする。そして、3相変調によるバイアス付きの電圧指令をW3U,W3V,W3Wとする。50%デューティーに相当する電圧バイアスをAとする。バイアス付きの、3相変調の電圧指令は次のようになる。
3U=V+A
3V=V+A
3W=V+A
【0013】
図1の上段に、搬送波である三角波と、3相変調におけるU相、V相及びW相の電圧指令(W3U,W3V,W3W)との時間的変化を示す。同図の下段に、各相の出力電圧のパルス波形を示す。
【0014】
別の方式として、最も(-)側の最大を発生させる1つの相をハイサイド0%(すなわちローサイド100%)とし、他の相とのデューティー差により各相の電圧を発生する方式がある。これを3相PWMの場合、「2相変調」と称する。ローサイド100%となった相はスイッチングが休止される。2相変調においては、バイアスにより3相のうち最低電圧の相のデューティーを0%にしている。
【0015】
前述のとおり、電流制御部から各相の電圧指令V、V及びVが出力される。そして、2相変調によるバイアス付きの電圧指令をW2U,W2V,W2Wとし、V、V及びVのうちの最低電圧を符号反転させたものをBとする。なお、3相交流の場合、最低電圧は負の値になる。バイアス付きの、2相変調の電圧指令は次のようになる。
2U=V+B
2V=V+B
2W=V+B
【0016】
図2の上段に、搬送波である三角波と、2相変調におけるU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令(W2U,W2V,W2W)との時間的変化を示す。図1に示した、3相変調におけるU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令(W3U,W3V,W3W)を参考までに図2にも示している。図2の下段に、各相の出力電圧のパルス波形を示す。
【0017】
3相変調の特徴を以下に述べる。
・常に3相のスイッチングが行われるため、出力素子のスイッチング損失が比較的大きい。
・電流リップルは、PWM周期に対して2回に分散されて波高値が小さく、騒音も小さくなる。
・搬送波周波数が数kHz以上の場合、PWM騒音の主成分の周波数が高い方が、ヒトの聴感として感度が鈍い(PWM周期に全相ハイと全相ローの区間が1回ずつ発生し、それ以外の区間でPWM周期あたり2回、パルス電圧が発生するため、リップルの周波数が2倍になる)。例えば、搬送波周波数が8kHzの場合、リップルの周波数は16kHzとなる。可聴域の最大値を15kHzとすれば、リップルの周波数16kHzはこの可聴域外であるため、騒音は小さい。
【0018】
これに対し、2相変調は以下の特徴を有する。
・常に、いずれかの1相はスイッチングが休止するため、出力素子のスイッチング損失が3相変調に比べて低減する。
・電流リップルはPWM周期と等倍の成分が発生し、騒音が3相変調に比べて大きい。
【0019】
このように、3相変調と2相変調を比較すると、3相変調ではスイッチング損失が大きいものの騒音は小さく、2相変調ではスイッチング損失が小さいものの騒音が大きい。そのため、高負荷の場合は、損失をなるべく抑えるために、スイッチング損失が小さい2相変調を選択する一方、低負荷の場合は、損失を差し置き、騒音の小さい3相変調を選択することが望ましい。
【0020】
負荷の変化に伴い、変調方式を2相変調及び3相変調の一方から他方へと切り替える場合がある。この切替え時のトルク衝撃を低減するための実施形態を以下に説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図3に、負荷であるモーター1と、モーター1に交流電力を供給する電力変換装置10とを示す。電力変換装置10は、直流を、モーター1に供給するための交流に変換するスイッチング回路2と、スイッチング回路2をPWM制御するPWM制御部3とを備えている。PWM制御部3は、電流制御部31と、PWMデューティー生成部32と、ローパスフィルター33と、絶対値算出部34と、スケジューラー35とを備えている。電力変換装置10には、外部から電流指令(q軸電流指令)が入力される。この電流指令はトルク指令に相当する。
【0022】
電流制御部31には、上記電流指令と、スイッチング回路2からモーター1へと供給される供給電流の検出値とが入力される。電流制御部31は、モーター1への供給電流の検出値が上記電流指令に一致するように電流を制御すべく、電圧指令V、V及びVを算出する。電流制御部31によって算出された電圧指令は、PWMデューティー生成部32へと送られる。
【0023】
ローパスフィルター33にも上記電流指令が入力される。ローパスフィルター33は、入力された上記電流指令のうち、所定の周波数より高い周波数の成分を減衰させ、該所定の周波数より低い周波数の成分をほとんど減衰させずに通過させるフィルターである。ローパスフィルター33の出力信号は絶対値算出部34へ入力される。
【0024】
絶対値算出部34は、ローパスフィルター33の出力信号の入力を受け、該出力信号の絶対値を算出する。これにより、電流指令(トルク指令)の符号が正に揃えられる。絶対値算出部34の出力信号は、スケジューラー35へ入力される。
【0025】
スケジューラー35は、絶対値算出部34から入力された、符号が正に揃えられた電流指令(トルク指令)に基づいて係数Kを算出する。
【0026】
係数Kは、0.0以上1.0以下であり、3相変調用の電圧指令を算出するためのバイアスA(電圧補正値)と、2相変調用の電圧指令を算出するためのバイアスB(電圧補正値)との比率を定める係数である。K=1.0であれば3相変調、K=0.0であれば2相変調、0.0<K<1.0であれば、2相変調と3相変調との間の中間状態の変調方式となる。
【0027】
図4に、定格トルクを100%とするトルク負荷率と係数Kとの関係を一例として示す。トルク負荷率が50%以下である場合、K=1.0である。トルク負荷率が60%以上の場合、K=0.0である。トルク負荷率が50%よりも大きく、かつ60%未満の場合、Kは0.0よりも大きく、かつ1.0未満である。50%以上60%以下のトルク負荷率とKとの関係は、傾きが負の一次関数で表される。
【0028】
このように、スケジューラー35は、絶対値算出部34から入力された、符号が正に揃えられた電流指令(トルク指令)に基づいてトルク負荷率を算出し、そのトルク負荷率と図4に示した関係とから係数Kを算出する。算出された係数Kは、PWMデューティー生成部32へ入力される。
【0029】
PWMデューティー生成部32は、電流制御部31から入力された電圧指令V、V、Vと、スケジューラー35から入力された係数Kとに基づいて、補正したバイアス付きの電圧指令(補正付き電圧指令)W、W、Wを以下のように算出する。
=V+K・A+(1-K)・B
=V+K・A+(1-K)・B
=V+K・A+(1-K)・B
【0030】
前述のとおり、K=0.0の場合は2相変調であり、K=1.0の場合は3相変調である。また、0.0<K<1.0の場合は2相変調と3相変調との間の中間状態の変調である。係数Kにより、3相変調用のバイアスAと、2相変調用のバイアスBとの比率が定められる。そして、この比率に応じたバイアスA及びBが電圧指令V、V及びVの各々に加えられて、バイアス付きの電圧指令W、W及びWが算出される。
【0031】
PWMデューティー生成部32はさらに、算出されたバイアス付きの電圧指令W、W及びWと搬送波との比較によりパルスを生成する。このパルスがスイッチング回路2へと送られ、スイッチング回路2がPWM制御される。
【0032】
図5の上段に、搬送波である三角波と、3相変調から中間状態の変調を経て2相変調へと移行した場合のU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令(W,W,W)との時間的変化を示す。図1に示した、3相変調におけるU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令(W3U,W3V,W3W)を参考までに図5にも示している。図5の下段に、各相の出力電圧のパルス波形を示す。
【0033】
[第2実施形態]
上記実施形態においては、2相変調を生成するにあたり、3相電圧指令の最低電圧からバイアスを算出した。他の方法として、最高電圧と最低電圧の双方を考慮してハイサイドまたはローサイドの近い方にバイアスさせることもできる。この場合、ハイサイド100%またはローサイド100%になる相の状態が、電気角の周回に対して6ステップ存在することになる。
【0034】
図6の上段に、搬送波である三角波と、3相変調におけるU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令と、2相変調(6ステップ)におけるU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令との時間的変化を示す。同図の下段に、各相の出力電圧のパルス波形を示す。
【0035】
3相変調方式及び2相変調方式(6ステップ)についても、両変調方式のバイアスに係数Kを乗ずることにより、両変調方式の中間状態の変調方式(6ステップ)を実現することができる。
【0036】
図7の上段に、搬送波である三角波と、3相変調から中間状態の変調(6ステップ)を経て2相変調(6ステップ)へと移行した場合のU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令との時間的変化を示す。図5に示した、3相変調におけるU相、V相及びW相のバイアス付きの電圧指令を参考までに図7にも示している。図7の下段に、各相の出力電圧のパルス波形を示す。
【0037】
上記第1実施形態及び第2実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
・発熱が大きくなる高負荷時には2相変調が選択されて損失を抑制できる一方、低負荷時には3相変調が選択されて騒音を抑えることができる。
・負荷の変化に伴って、2相変調及び3相変調の一方から、中間状態の変調方式を経て、2相変調及び3相変調の他方へと変調方式がスムースに切り替わる。そのため、中間状態の変調を経ずに、2相変調及び3相変調の一方から他方へと切り替える場合に比べて、トルク衝撃の発生を抑えることができる。
・負荷が高負荷と低負荷との間の中間的な状態(例えば、図4においてトルク負荷率が50%から60%の状態)である場合、中間状態の変調の状態で安定して動作する。負荷が中間的である状態が継続する場合、その継続時間の長短に関わらず、中間状態の変調が継続して行われる。
【0038】
従来とは異なり、2相変調及び3相変調の二者択一ではなく、その中間状態の変調方式も選択できる。そして、中間状態の変調においては、負荷に応じて連続的に変化する係数Kを用いて、2相変調用の補正値(電圧バイアス)と3相変調用の補正値(電圧バイアス)との比率が定められる。
【0039】
2相変調、3相変調、中間状態の変調の選択にあたって、特定の操作は不要である。変調方式の選択は、トルクに応じて行われる。時間的な制約はない。すなわちトルク感応型の制御が実現できる。
【0040】
図3に示したローパスフィルター33及び絶対値算出部34は必須ではないが、これらを設けることで、係数Kの急変に伴う制御不安定を回避することができる。
【0041】
以上のように、3相PWMのデューティーを配分することにより低騒音化と低損失化の両立が図られる。
【0042】
図4において、一例として、トルク負荷率が50%から60%である場合に中間状態の変調が行われることとした。しかし、中間状態の変調が行われるトルク負荷率は適宜変更することができる。
【0043】
これまで、3相の交流PWMにおける3相変調と2相変調とその中間状態の変調方式とについて説明したが、上記の実施形態は、N相の交流PWMにおけるN相変調と(N-1)相変調とその中間状態の変調方式とに拡張して適用可能である。ただし、Nは3以上の整数である。
【0044】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 モーター
2 スイッチング回路
3 PWM制御部
10 電力変換装置
31 電流制御部
32 PWMデューティー生成部
33 ローパスフィルター
34 絶対値算出部
35 スケジューラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7