(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】薬品管理装置及び薬品管理方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20221228BHJP
【FI】
B65G1/137 C
(21)【出願番号】P 2019158657
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2021-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】390030188
【氏名又は名称】ジーエルサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】秋武 将俊
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸治
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-012906(JP,A)
【文献】特開2013-056752(JP,A)
【文献】特開2011-197784(JP,A)
【文献】特開2019-083886(JP,A)
【文献】特開2018-045398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得する画像取得部と、
前記撮像画像において前記容器を特定する容器特定部と、
前記撮像画像に含まれている、前記容器の重量を計測する計測装置が表す計測結果の文字を認識し、認識した前記文字に対応する、前記画像取得部が前記撮像画像を取得した時点の前記薬品の残量を取得する残量取得部と、
前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する薬品管理装置。
【請求項2】
薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得する画像取得部と、
前記撮像画像において前記容器を特定する容器特定部と、
前記容器特定部が前記撮像画像において前記容器を特定した後に、前記薬品の残量を示す音声を取得し、前記音声を認識することによって、前記画像取得部が前記撮像画像を取得した時点の前記残量を取得する残量取得部と、
前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する薬品管理装置。
【請求項3】
薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得する画像取得部と、
前記容器に付されるラベルの複数のレイアウトのうち、前記撮像画像に含まれている前記ラベルが該当するレイアウトを特定するレイアウト特定部と、
前記レイアウト特定部が特定した前記レイアウトを用いて前記撮像画像に含まれている前記ラベルが表す文字を認識し、認識した前記文字に基づいて前記容器を特定する容器特定部と、
前記画像取得部が前記撮像画像を取得した時点の前記薬品の残量を取得する残量取得部と、
前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する薬品管理装置。
【請求項4】
前記残量取得部は、前記撮像画像の中で、前記薬品の上端の位置を認識することによって、前記残量を取得する、請求項
3に記載の薬品管理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記容器の表面に表されているマークを、前記容器識別情報と関連付けて記憶し、
前記容器特定部は、前記記憶部に記憶された前記マークと、前記撮像画像に含まれている前記マークと比較することによって、個々の前記容器を識別する、請求項1から4のいずれか一項に記載の薬品管理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記複数のレイアウトそれぞれに関連付けられた基準画像を記憶し、
前記レイアウト特定部は、前記基準画像を前記撮像画像と比較することによって、前記撮像画像に含まれている前記ラベルが該当する前記レイアウトを特定する、請求項
3に記載の薬品管理装置。
【請求項7】
前記レイアウト特定部は、ユーザが確認した前記撮像画像の少なくとも一部を、前記基準画像として前記記憶部に記憶させる、請求項
6に記載の薬品管理装置。
【請求項8】
前記容器特定部は、前記ラベルに含まれる1つ以上の領域それぞれに記載される文字の種類を示す前記レイアウトを用いて、前記文字を認識する、請求項
3、6又は7のいずれか一項に記載の薬品管理装置。
【請求項9】
前記レイアウトが示す1つ以上の領域のうち第1領域に含まれている前記文字に関連付けられた、前記薬品に関する薬品情報を取得する薬品情報取得部をさらに有し、
前記容器特定部は、前記薬品情報を用いて、前記レイアウトが示す前記1つ以上の領域のうち第2領域に含まれている前記文字を認識する、請求項
3、6から
8のいずれか一項に記載の薬品管理装置。
【請求項10】
プロセッサが実行する、
薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得するステップと、
前記撮像画像において前記容器を特定するステップと、
前記撮像画像に含まれている、前記容器の重量を計測する計測装置が表す計測結果の文字を認識するステップと、
前記
文字を認識するステップが認識した前記文字に対応する、前記撮像画像を取得するステップが前記撮像画像を取得した時点の前記薬品の残量を取得するステップと、
前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
を有する薬品管理方法。
【請求項11】
プロセッサが実行する、
薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得するステップと、
前記撮像画像において前記容器を特定するステップと、
前記容器を特定するステップが前記撮像画像において前記容器を特定した後に、前記薬品の残量を示す音声を取得するステップと、
前記音声を認識することによって、前記撮像画像を取得するステップが前記撮像画像を取得した時点の前記薬品の残量を取得するステップと、
前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
を有する薬品管理方法。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得するステップと、
前記容器に付されるラベルの複数のレイアウトのうち、前記撮像画像に含まれている前記ラベルが該当するレイアウトを特定するステップと、
前記レイアウトを特定するステップが特定した前記レイアウトを用いて前記撮像画像に含まれている前記ラベルが表す文字を認識するステップと、
前記
文字を認識するステップが認識した前記文字に基づいて前記容器を特定するステップと、
前記撮像画像を取得するステップが前記撮像画像を取得した時点の前記薬品の残量を取得するステップと、
前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
を有する薬品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬品を管理するための薬品管理装置及び薬品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、薬品の容器に貼り付けるための識別ラベルを印刷し、薬品を収納する際に識別ラベルを読み取ってから電子天秤で残量を計測することによって、薬品の残量や使用量を管理する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置では、識別ラベルを読み取る作業と残量の記録とが連動していなかったため、複数の容器がある場合に、各容器に保持された薬品の残量を誤って記録してしまうおそれがあった。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、容器に保持されている薬品の残量を誤って記録することを抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の薬品管理装置は、薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得する画像取得部と、前記撮像画像において前記容器を特定する容器特定部と、前記画像取得部が前記撮像画像を取得した時点の前記薬品の残量を取得する残量取得部と、前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、を有する。
【0007】
前記残量取得部は、前記撮像画像に含まれている前記残量を表す文字を認識することによって、前記残量を取得してもよい。
【0008】
前記残量取得部は、前記撮像画像の中で、前記薬品の上端の位置を認識することによって、前記残量を取得してもよい。
【0009】
前記残量取得部は、前記容器特定部が前記撮像画像において前記容器を特定した後に、前記残量を示す音声を取得し、前記音声を認識することによって前記残量を取得してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記容器の表面に表されているマークを、前記容器識別情報と関連付けて記憶し、前記容器特定部は、前記記憶部に記憶された前記マークと、前記撮像画像に含まれている前記マークと比較することによって、個々の前記容器を識別してもよい。
【0011】
前記容器に付されるラベルの複数のレイアウトのうち、前記撮像画像に含まれている前記ラベルが該当するレイアウトを特定するレイアウト特定部をさらに有し、前記容器特定部は、前記レイアウト特定部が特定した前記レイアウトを用いて前記撮像画像に含まれている前記ラベルが表す文字を認識し、前記文字に基づいて前記容器を特定してもよい。
【0012】
前記記憶部は、前記複数のレイアウトそれぞれに関連付けられた基準画像を記憶し、前記レイアウト特定部は、前記基準画像を前記撮像画像と比較することによって、前記撮像画像に含まれている前記ラベルが該当する前記レイアウトを特定してもよい。
【0013】
前記レイアウト特定部は、ユーザが確認した前記撮像画像の少なくとも一部を、前記基準画像として前記記憶部に記憶させてもよい。
【0014】
前記容器特定部は、前記ラベルに含まれる1つ以上の領域それぞれに記載される文字の種類を示す前記レイアウトを用いて、前記文字を認識してもよい。
【0015】
前記薬品管理装置は、前記レイアウトが示す1つ以上の領域のうち第1領域に含まれている前記文字に関連付けられた、前記薬品に関する薬品情報を取得する薬品情報取得部をさらに有し、前記容器特定部は、前記薬品情報を用いて、前記レイアウトが示す前記1つ以上の領域のうち第2領域に含まれている前記文字を認識してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の薬品管理方法は、プロセッサが実行する、薬品を保持する容器の画像が含まれている撮像画像を取得するステップと、前記撮像画像において前記容器を特定するステップと、前記撮像画像を取得するステップが前記撮像画像を取得した時点の前記薬品の残量を取得するステップと、前記容器の種別を識別するための容器識別情報と前記残量とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容器に保持されている薬品の残量を誤って記録することを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る薬品管理システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る薬品管理システムのブロック図である。
【
図3】画像取得部が取得した例示的な撮像画像を示す図である。
【
図4】レイアウト記憶部が記憶するレイアウトの模式図である。
【
図5】レイアウト特定部がレイアウトを特定する方法を説明する方法の模式図である。
【
図6】薬品情報取得部が取得した例示的な薬品情報の模式図である。
【
図7】薬品登録画面を表示している情報端末の正面図である。
【
図8】残量記録画面を表示している情報端末の正面図である。
【
図9】通知を表示している情報端末の正面図である。
【
図10】残量取得部が薬品容器の画像から残量を推定する方法の模式図である。
【
図11】実施形態に係る薬品管理システムが実行する薬品管理方法のうち登録処理のシーケンス図である。
【
図12】実施形態に係る薬品管理システムが実行する薬品管理方法のうち記録処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[薬品管理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る薬品管理システムSの模式図である。薬品管理システムSは、薬品管理装置1と、情報端末2と、計測装置3とを含む。薬品管理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。薬品管理システムSは、薬品を保持する薬品容器Cを管理するシステムである。薬品容器Cは、例えば薬品を保持している瓶、アンプル若しくは缶、又は該瓶、該アンプル若しくは該缶を収納している箱である。薬品は、例えば液体、固体、粉体又は顆粒の状態で薬品容器Cに保持される。薬品容器Cは、保管庫Wに保管される。
【0020】
薬品管理装置1は、情報端末2が撮像した撮像画像に基づいて薬品容器Cを特定し、特定した薬品容器Cを残量と関連付けて記録するコンピュータである。薬品管理装置1は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して、情報端末2と通信可能である。
【0021】
情報端末2は、ユーザの操作を受け付けるとともに、様々な情報を表示する通信端末である。ユーザは、例えば薬品を管理する管理者、又は薬品を使用する使用者である。情報端末2は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末、又はパーソナルコンピュータである。情報端末2は、ユーザによる操作を受け付け可能なタッチパネル等の操作部と、所定の撮像範囲を撮像する撮像部とを有する。
【0022】
計測装置3は、薬品容器Cの重量を計測する装置であり、例えば電子天秤である。計測装置3は、計測した重量を表示する液晶ディスプレイ等の表示部を有する。
【0023】
本実施形態に係る薬品管理システムSが薬品を管理する方法の概要を以下に説明する。
ユーザは、薬品容器Cを管理対象として新たに登録する際、又は管理対象の薬品容器Cの薬品の使用状況を記録する際に、情報端末2の撮像部を用いて薬品容器Cを撮像する。情報端末2は、薬品容器Cの撮像画像を、薬品管理装置1へ送信する。
【0024】
薬品管理装置1は、情報端末2が送信した撮像画像を取得する。薬品管理装置1は、取得した撮像画像において、薬品容器Cのラベルが表す文字を認識することによって、薬品容器Cを特定する。
【0025】
また、薬品管理装置1は、薬品容器Cの撮像画像を取得した時点の薬品の残量を取得する。例えば薬品管理装置1は、情報端末2の撮像部が撮像した撮像画像において計測装置3が示す値を残量として取得し、あるいは情報端末2においてユーザが入力した値又はユーザが発した音声が示す値を残量として取得する。
【0026】
そして薬品管理装置1は、特定した薬品容器Cの種別を識別するための容器識別情報と、取得した薬品の残量とを関連付けて、記憶部に記憶させる。
【0027】
このような構成により、薬品管理システムSは、薬品容器Cの画像が含まれている撮像画像に基づいて薬品容器Cを特定し、特定した薬品容器Cの容器識別情報を、撮像画像を取得した時点の薬品の残量と関連付けて記録する。そのため、薬品管理システムSは、複数の薬品容器Cがある場合であっても、薬品容器Cに保持されている薬品の残量を誤って記録することを抑制できる。
【0028】
[薬品管理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る薬品管理システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0029】
薬品管理装置1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、画像取得部111と、レイアウト特定部112と、容器特定部113と、薬品情報取得部114と、残量取得部115と、記憶制御部116とを有する。記憶部12は、レイアウト記憶部121と、薬品管理情報記憶部122とを有する。
【0030】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、薬品管理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。レイアウト記憶部121は、薬品容器Cのラベルのレイアウトを記憶する。薬品管理情報記憶部122は、薬品容器Cの容器識別情報と、薬品の残量とを関連付けた薬品管理情報を記憶する。レイアウト記憶部121及び薬品管理情報記憶部122は、それぞれ記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
【0031】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、画像取得部111、レイアウト特定部112、容器特定部113、薬品情報取得部114、残量取得部115及び記憶制御部116として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、制御部11がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0032】
情報端末2は、上述の操作部及び撮像部に加えて、制御部21と、記憶部22と、表示部23とを有する。制御部21は、送信部211と、受信部212とを有する。表示部23は、液晶ディスプレイ等、情報を表示可能な表示装置を含む。表示部23は、ユーザによる接触の位置を検出可能なタッチスクリーンであってもよい。
【0033】
記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、情報端末2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0034】
制御部21は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、送信部211及び受信部212として機能する。制御部21の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部は、制御部21がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0035】
本実施形態に係る薬品管理システムSは、
図2に示す具体的な構成に限定されない。薬品管理装置1及び情報端末2は、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。例えば薬品管理装置1は、単一のコンピュータによって構成されてもよく、互いに連携する複数のサーバによって構成されてもよく、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0036】
[登録処理の説明]
まず、本実施形態に係る薬品管理システムSが実行する薬品管理方法の中で、新たな薬品容器Cを管理対象として登録する登録処理を説明する。ユーザは、薬品容器Cを管理対象として新たに登録する際に、情報端末2の撮像部を用いて、薬品容器Cを撮像する。
【0037】
薬品容器Cが円筒状の容器や小さい容器や大きい容器である場合に、撮像部が1つの向きから撮像しても、薬品容器Cを特定するために必要な情報が撮像画像に含まれないことがある。このような場合に、情報端末2は、薬品容器Cの表面に沿ってパノラマ撮影をすることによって得られた1つの画像を、薬品容器Cの撮像画像として取得する。別の方法として、情報端末2は、薬品容器Cの表面において異なる複数の領域を撮像して得られた複数の画像の組を、薬品容器Cの撮像画像として取得してもよい。これにより、情報端末2は、薬品容器Cが円筒状の容器等の1つの向きから撮像しても、薬品容器Cを特定することが出来ない容器である場合であっても、薬品容器Cを特定するために必要な情報を含む撮像画像を取得できる。
【0038】
情報端末2は、計測装置3が薬品容器Cの重量を計測している状態で、薬品容器Cと計測装置3との両方を撮像することが望ましい。情報端末2は、薬品容器Cと計測装置3との両方を含む1つの画像を、薬品容器Cの撮像画像として取得してもよい。あるいは情報端末2は、薬品容器Cを撮像して得られた画像と、計測装置3を撮像して得られた画像との組を、薬品容器Cの撮像画像として取得してもよい。情報端末2の送信部211は、撮像部が取得した薬品容器Cの撮像画像を、薬品管理装置1へ送信する。
【0039】
薬品容器Cが瓶、アンプル又は缶を保持している箱の場合に、撮像部が箱を撮像した後、計測装置3は、瓶、アンプル又は缶を保持したままの箱の重量を計測してもよい。あるいは撮像部が箱を撮像した後、計測装置3は、箱から取り出された瓶、アンプル又は缶の重量を計測してもよい。
【0040】
薬品管理装置1において、画像取得部111は、情報端末2が送信した撮像画像を取得する。
図3は、画像取得部111が取得した例示的な撮像画像IMを示す図である。撮像画像IMは、
図3の例では1つの画像のみを含んでいるが、情報端末2が薬品容器Cの表面において異なる複数の領域を撮像して得られた複数の画像の組、又は情報端末2が薬品容器Cを撮像して得られた画像と計測装置3を撮像して得られた画像との組であってもよい。
【0041】
撮像画像IMは、薬品容器Cの画像と、計測装置3の画像とを含む。撮像画像IMにおいて、薬品容器Cの表面には、ラベルLBが付されている。ラベルLBは、薬品容器C内の薬品に関するラベル情報LB1と、薬品容器Cの表面にユーザが記入したマークLB2とを表している。ラベル情報LB1は、後述の容器特定部113が薬品容器Cの種別を特定するために用いられる。マークLB2は、後述の容器特定部113が個々の薬品容器Cを識別するために用いられる。また、撮像画像IMにおいて、計測装置3は、薬品容器Cの重量31を表している。
【0042】
レイアウト特定部112は、レイアウト記憶部121に予め記憶された複数のレイアウトのうち、画像取得部111が取得した撮像画像に含まれているラベルが該当するレイアウトを特定する。レイアウトは、ラベルに記載される情報の配置及び内容を示す情報である。レイアウトは、一般的に薬品の提供者(例えば製造業者、販売業者等)ごとに異なっている。1つの提供者が、複数のレイアウトのラベルを提供する場合もある。レイアウト記憶部121は、複数のレイアウトと、複数のレイアウトそれぞれを特定するための複数の基準画像とを関連付けて予め記憶している。1つのレイアウトに、1つの基準画像が関連付けられてもよく、複数の基準画像が関連付けられてもよい。
【0043】
図4は、レイアウト記憶部121が記憶するレイアウトLOの模式図である。レイアウトLOは、1つ以上の記載領域LO1と、薬品の提供者を識別可能な提供者識別情報LO2とを示す。レイアウトLOは、記載領域LO1の位置と、記載領域LO1に含まれる文字の種類とによって、記載領域LO1を示す。記載領域LO1の位置は、画像の中における記載領域LO1の位置であり、例えば座標範囲によって表される。記載領域LO1の文字の種類は、英語文字、日本語文字、数字及び記号がそれぞれどのように組み合わされるか(すなわち、英語文字、日本語文字、数字及び記号それぞれの文字数及び結合順)を示す情報である。例えば文字の種類は、ロット番号が、3文字の英語文字と、5文字の数字とを結合した文字列であることを示す。例えば文字の種類は、カタログ番号が、3文字の数字と、ハイフン記号と、5文字の数字とを結合した文字列であることを示す。提供者識別情報LO2は、例えば提供者を示すロゴマーク又は提供者を示す文字列である。
【0044】
図5は、レイアウト特定部112がレイアウトを特定する方法を説明する方法の模式図である。レイアウト特定部112は、画像取得部111が取得した撮像画像IMと、レイアウト記憶部121に予め記憶された複数の基準画像IM1それぞれとを比較することによって、撮像画像IMに含まれているラベルが該当するレイアウトを特定する。
【0045】
例えばレイアウト特定部112は、撮像画像IMと、複数の基準画像IM1それぞれとの間の類似度を算出する。そしてレイアウト特定部112は、レイアウト記憶部121において最も高い類似度の基準画像IM1に関連付けられたレイアウトを、画像取得部111が取得した撮像画像IMに含まれているラベルが該当するレイアウトとして特定する。
図5に例示したように、異なる薬品のラベルで同じレイアウトが用いられる場合があるため、撮像画像が示す薬品と基準画像が示す薬品とは異なっていてもよい。
【0046】
別の方法として、レイアウト特定部112は、撮像画像IMの一部と基準画像IM1の一部とを比較してもよい。この場合に、例えばレイアウト特定部112は、撮像画像IM及び基準画像IM1それぞれの中で、提供者識別情報(提供者を示すロゴマーク又は提供者を示す文字列)を示す領域同士を比較する。このような構成により、レイアウト特定部112は、画像の全体を比較する必要がないため、処理負荷を軽減できる。
【0047】
レイアウト特定部112がレイアウトを特定する方法は、ここに示した具体的な方法に限られない。例えばレイアウト特定部112は、薬品の提供者の選択をユーザから受け付けてもよい。この場合に、レイアウト特定部112は、薬品容器Cの撮像前又は撮像後に、情報端末2においてユーザから提供者の選択を受け付け、ユーザによって選択された提供者に関連付けられたレイアウトを、画像取得部111が取得した撮像画像に含まれているラベルが該当するレイアウトとして特定する。
【0048】
また、例えばレイアウト特定部112は、レイアウトの選択をユーザから受け付けてもよい。この場合に、レイアウト特定部112は、薬品容器Cの撮像前又は撮像後に、情報端末2においてユーザからレイアウトの選択を受け付け、ユーザによって選択されたレイアウトを、画像取得部111が取得した撮像画像に含まれているラベルが該当するレイアウトとして特定する。
【0049】
また、例えばレイアウト特定部112は、特定したレイアウトが正しいか否かの確認をユーザから受け付けてもよい。この場合に、レイアウト特定部112は、特定したレイアウトを情報端末2へ送信する。情報端末2は、受信したレイアウトを表示部23上に表示し、ユーザからレイアウトが正しいか否かの確認を受け付ける。ユーザによってレイアウトが正しいと確認された場合に、レイアウト特定部112は、該レイアウトを画像取得部111が取得した撮像画像に含まれているラベルが該当するレイアウトとして確定する。ユーザによってレイアウトが正しくないと確認された場合に、レイアウト特定部112は、該レイアウトとは異なるレイアウト(例えば次に高い類似度の基準画像に関連付けられたレイアウト)を特定し、再び特定したレイアウトが正しいか否かの確認をユーザから受け付ける。これにより、薬品管理装置1は、ラベルが該当している蓋然性の高いレイアウトを用いて、以降の処理を行うことができる。
【0050】
さらに、ユーザによってレイアウトが正しいと確認された場合に、レイアウト特定部112は、画像取得部111が取得した撮像画像の少なくとも一部を、該レイアウトと関連付けられた基準画像としてレイアウト記憶部121に記憶させてもよい。これにより、薬品管理装置1は、ユーザが確認した撮像画像を、次回以降のレイアウト特定における基準画像として用いることができ、レイアウト特定の精度を高めることができる。
【0051】
別の方法として、レイアウト特定部112は、撮像画像と、該撮像画像のレイアウトとの関係に対して、既知の機械学習処理を適用することによって、撮像画像が入力されると該撮像画像のレイアウトを識別するための情報を出力する学習モデルを生成してもよい。レイアウト特定部112は、撮像画像を学習モデルに入力することによって、該撮像画像のレイアウトを識別するための情報を取得することにより、撮像画像が該当するレイアウトを特定する。さらにレイアウト特定部112は、撮像画像と、ユーザによるレイアウトが正しいか否かの確認結果との関係に対して、機械学習処理を再度適用することによって、学習モデルの精度を向上させてもよい。
【0052】
容器特定部113は、画像取得部111が取得した撮像画像において薬品容器Cを特定する。まず容器特定部113は、レイアウト特定部112が特定したレイアウトが示す、1つ以上の記載領域の位置と、該記載領域に含まれる文字の種類とを取得する。容器特定部113は、取得した位置において、取得した文字の種類に限定して、既知の文字認識処理を適用することによって、撮像画像に含まれているラベルが表す文字を認識する。
【0053】
薬品容器Cのラベルは、薬品容器Cの表面に沿って湾曲していたり、異なる種類の文字で記載された情報を含んでいたりするため、従来の文字認識処理では文字の誤認識が起こりやすかった。それに対して、容器特定部113は、レイアウト特定部112が特定したレイアウトが含む記載領域ごとに定義された文字の種類を用いることによって、1つ以上の記載領域それぞれの文字を高い精度で認識できる。
【0054】
次に容器特定部113は、認識した文字に基づいて、薬品容器Cを特定する。例えば容器特定部113は、認識した文字が示す、薬品名、提供者及びロット番号を、薬品容器Cの種別を識別するための容器識別情報として取得し、該容器識別情報によって薬品容器Cを特定する。容器識別情報は、ここに示した情報に限られず、カタログ番号、容量等、その他の情報を含んでもよい。また容器特定部113は、ラベルに記載されたコード(バーコード、2次元コード等)を復号することによって得られたコード情報を含む容器識別情報を取得してもよい。
【0055】
また、容器特定部113は、容器識別情報に加えて、薬品容器Cの表面にユーザが記入したマーク(
図3のマークLB2)を、撮像画像から取得する。薬品管理装置1は、同一のロット番号の複数の薬品容器Cを管理する場合がある。このような場合に、薬品管理装置1は、上述の容器識別情報だけでは、個々の薬品容器Cを識別することができない。そこでユーザは薬品容器Cの表面に個々の薬品容器Cを識別するマークを記入し、薬品管理装置1が該マークを薬品容器Cと関連付けて記録することによって、個々の薬品容器Cを識別可能にする。
【0056】
マークは、1、2、3のような枝番号であってもよく、○、△、×のような記号であってもよい。薬品容器Cの表面に記入されるマークは、ユーザが任意に決定してもよく、薬品管理装置1が決定して情報端末2の表示部23に表示させてもよい。また、マークは、複数の文字であってもよい。例えば3文字のアルファベットであれば1万通り以上が存在するため、一般的な薬品管理の規模であれば個々の薬品容器Cを一意に識別することができる。
【0057】
例えば容器特定部113は、レイアウト特定部112が特定したレイアウトが含む記載領域の外部において所定の大きさ以上の図形を、ユーザが記入したマークとして取得する。容器特定部113は、撮像画像から、マークの画像を取得してもよく、あるいはマークの位置(座標範囲)を取得してもよい。
【0058】
容器特定部113は、薬品容器C内の薬品に関する薬品情報を用いて、撮像画像に対する文字認識処理を行ってもよい。この場合に、まず容器特定部113は、レイアウト特定部112が特定したレイアウトが含む複数の記載領域のうち第1領域に含まれている文字を、既知の文字認識処理によって特定する。第1領域は、例えばカタログ番号が記載される記載領域である。次に薬品情報取得部114は、第1領域に含まれている文字に関連付けられた薬品情報を、薬品情報を予め記憶している記憶部12から、又はネットワークを介して薬品管理装置1とは異なるサーバから取得する。
【0059】
図6は、薬品情報取得部114が取得した例示的な薬品情報の模式図である。
図6に示すように、カタログ番号には、薬品容器C内の薬品に関する薬品情報が関連付けられている。薬品情報は、例えば薬品名、提供者等の情報を含む。
【0060】
そして容器特定部113は、薬品情報取得部114が取得した薬品情報を用いて、レイアウト特定部112が特定したレイアウトが含む複数の記載領域のうち第1領域とは異なる第2領域に含まれている文字を、既知の文字認識処理によって特定する。第2領域は、例えば薬品名及び提供者が記載されている領域である。例えば容器特定部113は、薬品情報が含む情報の文字を優先するように、第2領域に含まれている文字を認識する。
【0061】
一般的に、英語文字や日本語文字の文字認識では、数字の文字認識に比べて、誤認識が発生しやすい。容器特定部113は、主に数字からなるカタログ番号が記載された第1領域を先に認識し、カタログ番号に関連付けられた薬品情報を用いて他の記載領域(薬品名や提供者)を認識することによって、ラベルに記載された文字をより高い精度で認識できる。
【0062】
次に、残量取得部115は、画像取得部111が撮像画像を取得した時点の薬品の残量を取得する。画像取得部111が撮像画像を取得した時点の薬品の残量は、画像取得部111が撮像画像を取得した時の同時又は後であって、次の撮像画像を取得する時の前に特定された残量である。
【0063】
例えば残量取得部115は、情報端末2の撮像部が撮像した撮像画像に対して、既知の文字認識処理を適用することによって、計測装置3が表す文字(
図3の薬品容器Cの重量31)を残量として取得する。本実施形態において、残量取得部115は、薬品の重量と薬品容器Cの重量との合計値を残量として取得しているが、薬品のみの重量を残量として取得してもよい。この場合に、例えば残量取得部115は、計測装置3が示す重量から、予め定義された薬品容器Cの重量を減算することによって、薬品の重量を算出する。
【0064】
また、薬品管理装置1は、残量として、重量ではなく体積を取得してもよい。この場合に、例えば残量取得部115は、撮像画像に対して既知の画像認識技術を適用することによって、撮像画像中の薬品が存在する領域内のエッジを検出し、エッジの位置を薬品の上端の位置であると判定することにより、薬品が存在する領域を抽出する。残量取得部115は、薬品容器Cの底の上面の位置から薬品の上端の位置までの長さ(すなわち高さ)に、薬品容器Cの断面積を乗算することにより、抽出した領域に対応する薬品の体積を算出する。
【0065】
撮像画像から残量を取得できない場合に、残量取得部115は、後述のように情報端末2においてユーザが入力した値又はユーザが発した音声が示す値を残量として取得してもよい。
【0066】
記憶制御部116は、容器特定部113が取得した容器識別情報と、残量取得部115が取得した残量とを示す情報を、情報端末2へ送信する。情報端末2は、薬品管理装置1が送信した容器識別情報及び残量を示す情報に基づいて、薬品登録画面を表示部23に表示させる。
【0067】
図7は、薬品登録画面を表示している情報端末2の正面図である。薬品登録画面は、薬品名欄231と、提供者欄232と、ロット番号欄233と、残量欄234と、音声入力ボタン235と、枝番号欄236と、保管場所欄237とを含む。薬品名欄231、提供者欄232及びロット番号欄233は、薬品管理装置1が送信した容器識別情報が示す薬品名、提供者及びロット番号を表示している。文字認識の結果が誤っている場合に、ユーザは、情報端末2を操作することによって、薬品名欄231、提供者欄232及びロット番号欄233の内容を入力することができる。
【0068】
残量欄234は、薬品管理装置1が送信した残量を表示している。薬品管理装置1が撮像画像から残量を取得できない場合に、残量欄234は空欄として表示される。残量が誤っている場合、又は残量欄234が空欄である場合に、ユーザは、情報端末2を操作することによって、残量欄234の内容を入力することができる。
【0069】
また、ユーザは、残量を示す音声を発することによって、残量を入力してもよい。具体的には、ユーザは、音声入力ボタン235を押下した後、残量を示す音声を発する。情報端末2の送信部211は、ユーザが発した音声を示す情報を、薬品管理装置1へ送信する。薬品管理装置1において、残量取得部115は、情報端末2が送信した音声を取得し、取得した音声に対して既知の音声認識処理を適用することによって、残量を取得する。そして残量取得部115は、取得した残量を情報端末2へ送信し、表示部23上に表示させる。これにより、薬品管理装置1は、計測装置3の示す値を認識しなくとも、薬品の残量を取得できる。音声認識処理は、情報端末2によって行われてもよい。
【0070】
枝番号欄236は、ユーザが薬品容器Cの表面に記入したマークの内容を入力する欄である。これにより、ユーザは、薬品容器Cの表面に記入したマークの内容を薬品管理装置1に登録することができ、登録された薬品容器Cを管理する際(例えば棚卸しの際)に薬品管理装置1に登録された個々の薬品容器Cを容易に識別することができる。
【0071】
保管場所欄237は、ユーザが薬品容器Cを保管する場所を選択する欄である。場所は、例えば保管庫W内の複数の領域それぞれに予め割り振られた番号や文字列である。これにより、ユーザは、薬品容器Cの保管場所を薬品管理装置1に登録することができ、登録された薬品容器Cを管理する際(例えば棚卸しの際)に薬品管理装置1に登録された薬品容器Cがどこに保管されているかを容易に知ることができる。
【0072】
情報端末2は、ユーザによって所定の操作(例えば送信ボタンの押下)が行われた場合に、薬品登録画面に入力された情報を、薬品管理装置1へ送信する。薬品管理装置1において、記憶制御部116は、情報端末2が送信した情報に基づいて、容器識別情報と残量とを関連付けた薬品管理情報を薬品管理情報記憶部122に記憶させることによって、薬品容器Cを管理対象として登録する。
【0073】
このとき記憶制御部116は、容器特定部113が取得した容器識別情報及び残量取得部115が取得した残量、又は情報端末2においてユーザによって入力された容器識別情報及び残量を、薬品管理情報記憶部122に記憶させる。ユーザによって入力された残量を用いる場合に、記憶制御部116は、画像取得部111が撮像画像を取得した時の後であって、画像取得部111が次の撮像画像を取得する時までの間に該残量が入力されたことを条件として、該残量を薬品管理情報記憶部122に記憶させる。さらに記憶制御部116は、画像取得部111が撮像画像を取得した時から所定の時間(例えば10秒)以内に該残量が入力されたことを条件として、該残量を薬品管理情報記憶部122に記憶させてもよい。これにより、薬品管理装置1は、ユーザが複数の薬品容器Cの残量を続けて記録する作業を行う場合であっても、薬品容器Cに誤った残量を関連付けて記録することを抑制できる。
【0074】
また、記憶制御部116は、容器特定部113が撮像画像からユーザが記入したマークを取得した場合に、該マークを容器識別情報及び残量と関連付けた薬品管理情報を、薬品管理情報記憶部122に記憶させる。記憶制御部116は、容器特定部113が撮像画像からユーザが記入したマークを取得できなかった場合(例えば薬品容器Cの表面にマークが記入されていない場合)に、容器識別情報及び残量をマークと関連付けなくてもよい。
【0075】
記憶制御部116は、薬品登録画面の表示を省略し、容器特定部113が取得した容器識別情報及び残量取得部115が取得した残量を、薬品管理情報記憶部122にそのまま記憶させてもよい。また、記憶制御部116は、薬品登録画面の表示に代えて、容器特定部113が取得した容器識別情報及び残量取得部115が取得した残量を、記憶部12(例えば確認フォルダ)に一時的なデータとして記憶し、ユーザが該データを確認したことを示す操作を情報端末2において行った場合に、該データを薬品管理情報として薬品管理情報記憶部122に記憶させてもよい。
【0076】
このように、薬品管理装置1は、薬品容器Cの画像が含まれている撮像画像に基づいて薬品容器Cを特定し、特定した薬品容器Cの容器識別情報を薬品の残量と関連付けて記録することによって、薬品容器Cを管理対象として容易に登録することができる。
【0077】
[記録処理の説明]
次に、本実施形態に係る薬品管理システムSが実行する薬品管理方法の中で、管理対象の薬品容器Cの残量を記録する記録処理を説明する。ユーザは、管理対象の薬品容器Cの残量を記録する際に、情報端末2の撮像部を用いて、薬品容器Cを撮像する。
【0078】
薬品管理装置1において、上述の登録処理と同様に、画像取得部111は撮像画像を取得し、レイアウト特定部112はレイアウトを特定し、容器特定部113は容器識別情報及びマークを撮像画像から取得する。
【0079】
容器特定部113は、取得した容器識別情報が、薬品管理情報記憶部122に記憶されているか否かを判定する。容器特定部113は、取得した容器識別情報が薬品管理情報記憶部122に記憶されていない(すなわち薬品容器Cが未登録である)と判定した場合に、上述の登録処理を行う。容器特定部113は、取得した容器識別情報が薬品管理情報記憶部122に記憶されている(すなわち薬品容器Cが登録済である)と判定した場合に、以降の記録処理を行う。
【0080】
容器特定部113は、薬品管理情報記憶部122において容器識別情報に関連付けられているマークを取得する。容器特定部113がマークを取得できた場合(すなわち薬品容器Cの表面にマークが記入されていた場合)に、容器特定部113は、取得した容器識別情報に関連付けられている1つ以上のマークそれぞれと、容器特定部113が取得したマークとを比較することによって、薬品容器Cを識別する。例えば容器特定部113は、容器特定部113が取得したマークと、1つ以上のマークそれぞれとの間の類似度を算出する。
【0081】
類似度が所定値以上であるマークが存在する場合に、容器特定部113は、最も高い類似度のマークに関連付けられた容器識別情報を、画像取得部111が取得した撮像画像に含まれている薬品容器Cの容器識別情報として特定する。類似度が所定値以上であるマークが存在しない場合に、容器特定部113は、薬品容器Cが未登録であると判定し、上述の登録処理を行う。別の方法として、容器特定部113は、マークに対して既知の文字認識処理を適用し、認識されたマークの内容が一致するか否かに基づいて、薬品容器Cを識別してもよい。
【0082】
これにより、容器特定部113は、同一ロット番号の複数の薬品容器Cが存在する場合であっても、薬品容器Cの表面に記入されたマークに基づいて個々の薬品容器Cを識別して残量を記録できる。容器特定部113がマークを取得できなかった場合(すなわち薬品容器Cの表面にマークが記入されていなかった場合)には、容器特定部113は、容器識別情報のみによって薬品容器Cを識別する。
【0083】
次に、残量取得部115は、登録処理と同様に、画像取得部111が撮像画像を取得した時点の薬品の残量を取得する。撮像画像から残量を取得できない場合に、残量取得部115は、後述のように情報端末2においてユーザが入力した値又はユーザが発した音声が示す値を残量として取得してもよい。
【0084】
記憶制御部116は、容器特定部113が取得した容器識別情報と、残量取得部115が取得した残量とを示す情報を、情報端末2へ送信する。情報端末2は、薬品管理装置1が送信した容器識別情報及び残量を示す情報に基づいて、残量記録画面を表示部23に表示させる。
【0085】
図8は、残量記録画面を表示している情報端末2の正面図である。残量記録画面は、薬品管理装置1が送信した容器識別情報に加えて、残量欄238と、音声入力ボタン239とを含む。容器識別情報は、
図7に示した薬品登録画面において表示又は入力された薬品名、提供者、ロット番号、枝番号及び保管場所を含む。
【0086】
残量欄238は、薬品管理装置1が送信した残量を表示している。薬品管理装置1が撮像画像から残量を取得できない場合に、残量欄238は空欄として表示される。残量が誤っている場合、又は残量欄238が空欄である場合に、ユーザは、情報端末2を操作することによって、残量欄238の内容を入力することができる。また、ユーザは、音声入力ボタン239を押下して残量を示す音声を発することによって、残量を入力してもよい。音声によって残量を入力する方法は、登録処理と同様である。
【0087】
情報端末2は、ユーザによって所定の操作(例えば送信ボタンの押下)が行われた場合に、残量記録画面に入力された情報を、薬品管理装置1へ送信する。薬品管理装置1において、記憶制御部116は、情報端末2が送信した情報に基づいて、容器識別情報、残量及びマークを関連付けた薬品管理情報を薬品管理情報記憶部122に記憶させることによって、管理対象の薬品容器Cの残量を記録する。このとき記憶制御部116は、残量取得部115が取得した残量、又は情報端末2においてユーザによって入力された残量を、容器特定部113が取得した容器識別情報及びマークと関連付けて薬品管理情報記憶部122に記憶させる。
【0088】
記憶制御部116は、薬品管理情報記憶部122において容器識別情報に関連付けられているマークを取得できなかった場合(例えば薬品容器Cの表面にマークが記入されていない場合)に、容器識別情報及び残量をマークと関連付けなくてもよい。
【0089】
記憶制御部116は、残量記録画面の表示を省略し、容器特定部113が取得した容器識別情報及び残量取得部115が取得した残量を、薬品管理情報記憶部122にそのまま記憶させてもよい。また、記憶制御部116は、残量記録画面の表示に代えて、容器特定部113が取得した容器識別情報及び残量取得部115が取得した残量を、記憶部12(例えば確認フォルダ)に一時的なデータとして記憶し、ユーザが該データを確認したことを示す操作を情報端末2において行った場合に、該データを薬品管理情報として薬品管理情報記憶部122に記憶させてもよい。
【0090】
このように、薬品管理装置1は、薬品容器Cの画像が含まれている撮像画像に基づいて薬品容器Cを特定し、特定した薬品容器Cの容器識別情報を薬品の残量と関連付けて記録することによって、管理対象の薬品容器Cの残量を容易に記録することができる。
【0091】
記憶制御部116は、残量取得部115が取得した今回の残量が、前回記録された残量と比較して所定の量以上の差がある場合に、情報端末2に対して通知してもよい。例えば記憶制御部116は、薬品管理情報記憶部122において容器特定部113が取得した容器識別情報に関連付けられた前回の残量を取得する。そして記憶制御部116は、今回の残量と、前回の残量との差が所定の条件を満たす場合に、情報端末2に対して所定の通知を送信する。例えば通知の条件は、前回の残量から今回の量を減算した値が所定値以上であること(すなわち残量が大幅に減少したこと)である。また、例えば通知の条件は、前回の残量から今回の量を減算した値が負の値であること(すなわち残量が増加したこと)である。
【0092】
図9は、通知を表示している情報端末2の正面図である。通知は、例えば残量が大幅に変化していることを表すメッセージを含む。これにより、薬品管理装置1は、ユーザに対して計測や入力の誤り等の確認を促すことができる。記憶制御部116は、情報端末2以外の装置(例えば管理者が利用する管理端末)へ通知の内容及び理由を送信してもよく、あるいは記憶部12に通知の内容及び理由を記憶させてもよい。
【0093】
残量取得部115は、上述の撮像画像から薬品の体積を算出する処理と同様に、撮像画像の中で、薬品容器C内の薬品の上端の位置を認識することによって、薬品の残量を推定してもよい。
図10は、残量取得部115が薬品の残量を推定する方法の模式図である。
【0094】
登録処理及び記録処理において、容器特定部113は、薬品容器Cを特定した際、画像取得部111が取得した撮像画像に対して既知の画像認識技術を適用することによって、撮像画像中で薬品の上端の位置を認識する。例えば容器特定部113は、薬品の上端の位置として、所定位置を基準とした薬品の上端の高さを算出する。所定位置は、例えば薬品容器Cの底の上面(すなわち薬品の下端)の位置である。
【0095】
容器特定部113が薬品の上端の位置を認識した際、薬品管理情報記憶部122において少なくとも2つの薬品の上端の位置が薬品容器C(すなわち容器識別情報及びマーク)と関連付けて記憶されていない場合に、残量取得部115は、上述のように、情報端末2の撮像部が撮像した撮像画像において計測装置3が示す値を残量として取得し、あるいは情報端末2においてユーザが入力した値又はユーザが発した音声が示す値を残量として取得する。そして残量取得部115は、薬品容器Cの薬品管理情報に、薬品の上端の位置を関連付けて、薬品管理情報記憶部122に記憶させる。
【0096】
容器特定部113が薬品の上端の位置を認識した際、薬品管理情報記憶部122において少なくとも2つの薬品の上端の位置が薬品容器C(すなわち容器識別情報及びマーク)と関連付けて記憶されている場合に、残量取得部115は、少なくとも2つの薬品の上端の位置と、該位置に対応する少なくとも2つの残量との間の関係に基づいて、容器特定部113が認識した位置に対応する残量を取得する。
【0097】
図10の例は、薬品管理情報記憶部122が、薬品の上端C1の高さH1及び残量R1と、薬品の上端C2の高さH2及び残量R2とを記憶している状況を表している。高さは残量に比例するため、残量取得部115は、高さH1、H2と、残量R1、R2とに基づいて、高さと残量との間の関係式(比例式)を生成する。そして容器特定部113が薬品の上端の高さH3を算出した場合に、残量取得部115は、生成した関係式を用いて、薬品の上端の高さH3に対応する残量を算出する。
【0098】
このような構成により、薬品管理装置1は、1つの薬品容器Cについて少なくとも2回の残量の記録を行った後(例えば登録処理及び1回目の記録処理の後)には、計測装置3によって残量を計測しなくとも、薬品容器Cの画像を含む撮像画像のみから薬品の残量を推定して記録できる。これにより、薬品管理装置1は、ユーザが残量を計測する手間を軽減できる。
【0099】
薬品管理装置1は、まず薬品容器Cの画像を含む撮像画像のみから薬品の残量を推定し、残量を推定できなかった場合(例えば薬品管理情報記憶部122において少なくとも2つの薬品の上端の位置が薬品容器Cと関連付けて記憶されていない場合)に、情報端末2に対して計測装置3によって残量を計測することを促す通知を送信してもよい。情報端末2は、薬品管理装置1が送信した通知を表示部23に表示する。これにより、ユーザは、計測装置3を使用する前に、薬品の残量が推定できるか否かを知ることができる。
【0100】
[薬品管理方法のシーケンス]
図11は、本実施形態に係る薬品管理システムSが実行する薬品管理方法のうち登録処理のシーケンス図である。ユーザは、薬品容器Cを管理対象として新たに登録する際に、情報端末2の撮像部を用いて、薬品容器Cを撮像する(S11)。情報端末2の送信部211は、撮像部が取得した薬品容器Cの撮像画像を、薬品管理装置1へ送信する。
【0101】
薬品管理装置1において、画像取得部111は、情報端末2が送信した撮像画像を取得する。レイアウト特定部112は、レイアウト記憶部121に予め記憶された複数のレイアウトのうち、画像取得部111が取得した撮像画像に含まれているラベルが該当するレイアウトを特定する(S12)。
【0102】
容器特定部113は、画像取得部111が取得した撮像画像において薬品容器Cを特定し、容器識別情報を取得する(S13)。ここで容器特定部113は、容器識別情報に加えて、薬品容器Cの表面にユーザが記入したマークを、撮像画像から取得してもよい。また、容器特定部113は、薬品情報取得部114が取得した薬品容器C内の薬品に関する薬品情報を用いて、撮像画像に対する文字認識処理を行ってもよい。
【0103】
残量取得部115は、画像取得部111が撮像画像を取得した時点の薬品の残量を取得する(S14)。残量取得部115は、撮像画像において計測装置3が示す値を残量として取得し、あるいはステップS16においてユーザが入力した値又はユーザが発した音声が示す値を残量として取得する。
【0104】
記憶制御部116は、容器特定部113が取得した容器識別情報と、残量取得部115が取得した残量とを示す情報を、情報端末2へ送信する(S15)。情報端末2は、薬品管理装置1が送信した容器識別情報及び残量を示す情報に基づいて、薬品登録画面を表示部23に表示させる。
【0105】
ユーザは、必要に応じて、情報端末2を操作することによって薬品登録画面に表示された情報を入力する(S16)。ここでユーザは、情報端末2に対して、残量を示す音声を発することによって、残量を入力してもよい。情報端末2は、ユーザによって所定の操作(例えば送信ボタンの押下)が行われた場合に、薬品登録画面に入力された情報を、薬品管理装置1へ送信する。
【0106】
記憶制御部116は、情報端末2が送信した情報に基づいて、容器識別情報と残量とを関連付けた薬品管理情報を薬品管理情報記憶部122に記憶させることによって、薬品容器Cを管理対象として登録する(S17)。ここで記憶制御部116は、容器特定部113が撮像画像からユーザが記入したマークを取得した場合に、該マークを容器識別情報及び残量と関連付けて記憶させる。
【0107】
図12は、本実施形態に係る薬品管理システムSが実行する薬品管理方法のうち記録処理のシーケンス図である。ユーザは、管理対象の薬品容器Cの残量を記録する際に、情報端末2の撮像部を用いて、薬品容器Cを撮像する(S21)。
【0108】
薬品管理装置1において、画像取得部111は、情報端末2が送信した撮像画像を取得する。レイアウト特定部112は、レイアウト記憶部121に予め記憶された複数のレイアウトのうち、画像取得部111が取得した撮像画像に含まれているラベルが該当するレイアウトを特定する(S22)。
【0109】
容器特定部113は、画像取得部111が取得した撮像画像において薬品容器Cを特定し、容器識別情報を取得する(S23)。ここで容器特定部113は、容器識別情報に加えて、薬品容器Cの表面にユーザが記入したマークを、撮像画像から取得してもよい。また、容器特定部113は、薬品情報取得部114が取得した薬品容器C内の薬品に関する薬品情報を用いて、撮像画像に対する文字認識処理を行ってもよい。
【0110】
容器特定部113は、取得した容器識別情報が、薬品管理情報記憶部122に記憶されているか否か(すなわち薬品容器Cが登録済であるか否か)を判定する(S24)。容器特定部113は、取得した容器識別情報が薬品管理情報記憶部122に記憶されていない(すなわち薬品容器Cが未登録である)と判定した場合に、記録処理を終了して登録処理を行う。容器特定部113は、取得した容器識別情報が薬品管理情報記憶部122に記憶されている(すなわち薬品容器Cが登録済である)と判定した場合に、以降の記録処理を行う。
【0111】
容器特定部113は、薬品管理情報記憶部122において容器識別情報に関連付けられているマークを取得し、取得したマークに基づいて個々の薬品容器Cを識別する(S25)。薬品容器Cの表面にマークが記入されていない場合には、容器特定部113は、容器識別情報のみによって薬品容器Cを識別してもよい。
【0112】
残量取得部115は、画像取得部111が撮像画像を取得した時点の薬品の残量を取得する(S26)。このとき残量取得部115は、撮像画像において計測装置3が示す値を残量として取得し、あるいはステップS28においてユーザが入力した値又はユーザが発した音声が示す値を残量として取得する。
【0113】
記憶制御部116は、容器特定部113が取得した容器識別情報と、残量取得部115が取得した残量とを示す情報を、情報端末2へ送信する(S27)。情報端末2は、薬品管理装置1が送信した容器識別情報及び残量を示す情報に基づいて、残量記録画面を表示部23に表示させる。
【0114】
ユーザは、必要に応じて、情報端末2を操作することによって残量記録画面に表示された情報を入力する(S28)。ここでユーザは、情報端末2に対して、残量を示す音声を発することによって、残量を入力してもよい。情報端末2は、ユーザによって所定の操作(例えば送信ボタンの押下)が行われた場合に、残量記録画面に入力された情報を、薬品管理装置1へ送信する。
【0115】
薬品管理装置1において、記憶制御部116は、情報端末2が送信した情報に基づいて、容器識別情報、残量及びマークを関連付けた薬品管理情報を薬品管理情報記憶部122に記憶させることによって、管理対象の薬品容器Cの残量を記録する(S29)。ここで記憶制御部116は、薬品管理情報記憶部122において容器識別情報に関連付けられているマークを取得できなかった場合(例えば薬品容器Cの表面にマークが記入されていない場合)に、容器識別情報及び残量をマークと関連付けなくてもよい。
【0116】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る薬品管理システムSにおいて、薬品管理装置1は、薬品容器Cの画像が含まれている撮像画像に基づいて薬品容器Cを特定し、特定した薬品容器Cの容器識別情報を、撮像画像を取得した時点の薬品の残量と関連付けて記録する。このような構成により、薬品管理システムSは、複数の薬品容器Cがある場合であっても、薬品容器Cに保持されている薬品の残量を誤って記録することを抑制できる。
【0117】
また、特許文献1に記載された装置では、識別ラベルをプリンタで印刷し、薬品容器Cに貼り付ける作業が必要であった。それに対して、薬品管理システムSによれば、識別ラベルの印刷をしなくとも、撮像画像に基づいて薬品容器Cを特定できるため、プリンタを導入するためのコストを削減できるとともに、ユーザの作業の手間を削減し、薬品の管理に要する時間を短縮できる。また、薬品管理システムSは、既存のコンピュータシステムから保管庫が離れている場合や、複数の保管庫が存在している場合であっても、薬品管理装置1とプリンタや電子天秤との間を接続する必要がないため、容易に導入可能である。
【0118】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0119】
薬品管理装置1及び情報端末2のプロセッサは、
図11、
図12に示す薬品管理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、薬品管理装置1及び情報端末2のプロセッサは、
図11、
図12に示す薬品管理方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して薬品管理システムSの各部を制御することによって、
図11、
図12に示す薬品管理方法を実行する。
図11、
図12に示す薬品管理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0120】
S 薬品管理システム
1 薬品管理装置
11 制御部
111 画像取得部
112 レイアウト特定部
113 容器特定部
114 薬品情報取得部
115 残量取得部
116 記憶制御部
12 記憶部
121 レイアウト記憶部
122 薬品管理情報記憶部