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特許7202309ブロー成形装置及びブロー成形装置が備えるインターフェース装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】ブロー成形装置及びブロー成形装置が備えるインターフェース装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/06 20060101AFI20221228BHJP
   B29C 49/78 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
B29C49/06
B29C49/78
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019548839
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(86)【国際出願番号】 JP2018039250
(87)【国際公開番号】W WO2019078371
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-13
(31)【優先権主張番号】P 2017203982
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227032
【氏名又は名称】日精エー・エス・ビー機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 美香子
(72)【発明者】
【氏名】小林 孝至
(72)【発明者】
【氏名】日高 康裕
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-205417(JP,A)
【文献】特開2004-255589(JP,A)
【文献】特開2007-21827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/06
B29C 49/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形したプリフォームをブロー成形して中空体を形成するブロー成形装置が備えるインターフェース装置であって、
複数の制御対象の制御条件を設定するための情報を、メイン表示部とサブ表示部を含む設定画面に表示する表示手段と、
前記設定画面の表示状態を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記メイン表示部に、前記制御条件を設定するための第一メニューアイコンを含む第一画面を表示させると共に、前記サブ表示部に、前記制御対象の運転状態を把握できるステータス情報と、表示切替え用アイコンと、を常時表示させ
前記表示制御手段は、前記第一メニューアイコンが操作されると、前記第一画面に代えて前記制御条件を設定するための情報を含む第二画面を、前記メイン表示部に表示させ、
前記表示制御手段は、前記表示切替え用アイコンが操作されると、前記制御対象の操作用アイコンを、前記第一メニューアイコンに加えて前記メイン表示部に表示させ
ことを特徴とするインターフェース装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインターフェース装置であって、
前記サブ表示部は、前記メイン表示部の上側に設けられるヘッダー部と、前記メイン表示部の下側に設けられるフッター部と、を含み、
前記表示制御手段は、前記ヘッダー部に前記ステータス情報を表示させると共に、前記フッター部に前記表示切替え用アイコンを表示させる
ことを特徴とするインターフェース装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のインターフェース装置であって、
前記表示制御手段は、相関性がある複数の前記制御対象の制御条件群を示す第二メニューアイコンを前記第二画面内に表示させる
ことを特徴とするインターフェース装置。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のインターフェース装置であって、
前記表示制御手段は、予め設定された制御グループ群に含まれる複数の前記制御対象の制御条件群を示す第二メニューアイコンを、前記第二画面内に表示させる
ことを特徴とするインターフェース装置。
【請求項5】
射出成形したプリフォームをブロー成形して中空体を形成するブロー成形装置であって、
複数の制御対象の制御条件を設定するための情報を、メイン表示部とサブ表示部を含む設定画面に表示する表示手段と、
前記設定画面の表示状態を制御する表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記メイン表示部に、前記制御条件を設定するための第一メニューアイコンを含む第一画面を表示させると共に、前記サブ表示部に、前記制御対象の運転状態を把握できるステータス情報と、表示切替え用アイコンと、を常時表示させ
前記表示制御手段は、前記第一メニューアイコンが操作されると、前記第一画面に代えて前記制御条件を設定するための情報を含む第二画面を、前記メイン表示部に表示させ、
前記表示制御手段は、前記表示切替え用アイコンが操作されると、前記制御対象の操作用アイコンを、前記第一メニューアイコンに加えて前記メイン表示部に表示させ
ことを特徴とするブロー成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製の中空容器を成形するブロー成形装置に関し、特に、複数の制御対象の制御条件(動作条件、成形条件等)の設定時の作業性や、制御対象の操作性を向上したブロー成形装置が備えるインターフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、合成樹脂製の中空体の成形方法として、射出成形あるいは押出し成形により得られたプリフォームをブロー成形装置によってブロー成形して中空体とする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-305000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなブロー成形装置は、射出成形装置と比べて制御対象となる駆動機器や成形パラメーターが多く、さらに各制御対象について複数の制御条件を設定する必要がある。例えば、ブロー成形装置が備える成形ステーションにおいては、制御条件(制御項目)として、各機器の動作条件(駆動部の速度や位置等)や、成形条件(温度、ブロー圧、ブローエアの導入のタイミング等)が存在するだけでなく、これら動作条件、成形条件に付随する制御条件も多数存在する。さらに成形ステーションでは、制御条件はキャビティ毎に設定されなければならない場合もある。
【0005】
したがって、作業者はブロー成形装置を操作してブロー成形を実施するにあたり、インターフェース装置(ヒューマンインターフェース装置)を介して非常に多くの制御条件を設定しておく必要性がある。
【0006】
通常、ブロー成形装置における最適な各制御条件は、容器の形状や仕様(スペック)、生産量(成形サイクルタイム)等により変動するため、試行錯誤の上に決定される。このため、作業者は、各制御条件を変更や調整するために、例えば、インターフェース装置のディスプレイの設定画面を何度も操作する必要がある。ここで、従来のブロー成形装置のインターフェース装置では、作業者が各種制御条件を設定/修正するにあたり、画面遷移が多くなる等、操作性が良好とは言えないという課題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複数の制御対象の制御条件の設定/修正といった作業を設定画面で比較的容易に行うことができるブロー成形装置及びブロー成形装置が備えるインターフェース装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の一つの態様は、射出成形したプリフォームをブロー成形して中空体を形成するブロー成形装置が備えるインターフェース装置であって、複数の制御対象の制御条件を設定するための情報を設定画面に表示する表示手段と、前記設定画面の表示状態を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、メイン表示部に、前記制御条件を設定するための情報を必要に応じて表示させると共に、サブ表示部に、前記制御対象の運転状態を把握できるステータス情報と、前記制御対象の操作用アイコンを前記メイン表示部に表示させるための表示切替え用アイコンと、を常時表示させることを特徴とするインターフェース装置にある。
【0009】
ここで、前記サブ表示部は、前記メイン表示部の上側に設けられるヘッダー部と、前記メイン表示部の下側に設けられるフッター部と、を含み、前記表示制御手段は、前記ヘッダー部に前記ステータス情報を表示させると共に、前記フッター部に前記表示切替え用アイコンを表示させることが好ましい。
【0010】
また前記表示制御手段は、相関性がある複数の前記制御対象の制御条件群を、必要に応じて前記メイン表示部に一画面で表示させることが好ましい。
【0011】
また前記表示制御手段は、予め設定された制御グループ群に含まれる複数の前記制御対象の制御条件群を必要に応じて前記メイン表示部に一画面で表示させることが好ましい。
【0012】
また本発明の他の態様は、射出成形したプリフォームをブロー成形して中空体を形成するブロー成形装置であって、複数の制御対象の制御条件を設定するための情報を設定画面に表示する表示手段と、前記設定画面の表示状態を制御する表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、メイン表示部に、前記制御条件を設定するための情報を必要に応じて表示させると共に、サブ表示部に、前記制御対象の運転状態を把握できるステータス情報と、前記制御対象の操作用アイコンを前記メイン表示部に表示させるための表示切替え用アイコンと、を常時表示させることを特徴とするブロー成形装置にある。
【発明の効果】
【0013】
かかる本発明によれば、ブロー成形装置において、複数の制御対象の制御条件の設定/修正といった作業を比較的容易に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係るブロー成形装置の概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係るブロー成形装置が備えるインターフェース装置の外観を示す正面図である。
図3】本実施形態に係るインターフェース装置が備えるディスプレイの画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係るインターフェース装置の設定変更手順を説明するフローチャートである。
図5】本実施形態に係るインターフェース装置が備えるディスプレイの画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係るインターフェース装置が備えるディスプレイの画面の一例を示す図である。
図7】本実施形態に係るインターフェース装置が備えるディスプレイの画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態に係るインターフェース装置が備えるディスプレイの画面の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係るインターフェース装置が備えるディスプレイの画面の一例を示す図である。
図10】本実施形態に係るインターフェース装置が備えるディスプレイの画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まずは図1を参照して、本発明に係るブロー成形装置の全体構成について簡単に説明する。
【0016】
本発明に係るブロー成形装置は、樹脂容器を製造するための装置であり、複数のステーションを備えている。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係るブロー成形装置1は、プリフォームを形成するための射出装置11を含む射出成形部(射出成形ステーション)10と、射出成形部10で成形されたプリフォームの温度を調整するための温調部(温調ステーション)20と、プリフォームをブロー成形して容器とするブロー成形部(ブロー成形ステーション)30と、形成された容器を取り出すための取出部(取出ステーション)40と、を備えている。ブロー成形装置1は、全体としては、ホットパリソン式や1ステージ式と称される構成になっている。またこのような構成のブロー成形装置1は、射出ブロー成形装置とも呼ばれる。
【0018】
ブロー成形装置1では、射出成形部10、温調部20、ブロー成形部30及び取出部40は、搬送機構50を中心として水平方向に所定角度(本実施形態では、90度)毎に回転した位置に設けられている。なお搬送機構50は、射出成形部10、温調部20、ブロー成形部30及び取出部40からなる処理ユニットと同数の移送板を備えている。本実施形態では、移送板が、平面視にて90度間隔で4枚配置されている(図示は省略)。搬送機構50は、これらの移送板を間欠的に回転させて各処理ユニットに配置させる。
【0019】
ブロー成形装置1は、少なくとも、温調部20、ブロー成形部30及び取出部40が備える制御対象となる各種機器を制御する機器制御手段71を有する制御装置70を備えている。機器制御手段71は、射出成形部10、温調部20、ブロー成形部30及び取出部40等が備える各種機器の動作を制御する。
【0020】
制御部70は、例えば、記憶装置(ROM、RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等で構成され、さらに各種機器の設定値の入出力や、各種機器の操作を行うためのインターフェース装置(ヒューマンインターフェース装置)700を備えている。そして本発明は、このインターフェース装置700の構成に特徴がある。以下では、このインターフェース装置700の構成について詳しく説明する。
【0021】
インターフェース装置700は、図2に外観を示すように、制御対象となる各種機器の制御条件を設定するための設定情報を画面に表示する比較的大型のディスプレイ(表示手段)710を備えており、このディスプレイ710の画面の表示状態を制御する表示制御手段720を備えている(図1参照)。本実施形態では、ディスプレイ710は、例えば、タッチパネル等で構成されており、作業者が各種制御条件(各種機器の動作条件や各成形ステーションの成形条件等)を入力する入力手段や、作業者がブロー成形装置1を操作する操作手段としても機能する。
【0022】
本発明では、ブロー成形装置1を操作するためのボタンやスイッチのほとんどは、ディスプレイ710の所定部位に設けられている。さらにディスプレイ710の下方には、安全面や操作性の観点から、1つの機械式ボタン730と、3つの機械式スイッチ740(740a,740b,740c)が設けられている。これらの機械式ボタン730及び機械式スイッチ740の数や配置は特に限定されるものではく、必要に応じて適宜決定されればよい。
【0023】
本実施形態では、機械式ボタン730には、安全面で非常に重要であるブロー成形装置1の非常停止機能が割り当てられている。また、機械式スイッチ740のそれぞれには、例えば、繊細な操作が要求されたり、アナログ方式が操作しやすい機能がそれぞれ割り当てられている。本実施形態では、各機械式スイッチ740には、射出装置11の前進後退を操作する機能、スクリューの前進後退を操作する機能、射出コア型の昇降を操作する機能がそれぞれ割り当てられている。
【0024】
なお機械式ボタン730はON・OFFの二段階式である。機械式スイッチ740は回動量に応じて各制御対象(可動部材)の移動スピードが変化するように構成されている。具体的には、機械式スイッチ740は、回転方向の中央部を中立位置とし、中立位置から図中左方向に回転させることで各制御対象(可動部材)が前進や上昇し、図中右方向へ回転させることで各操作対象が後退や下降するように構成されている。
【0025】
ディスプレイ710には、各種情報を必要に応じて表示可能(変更可能)なメイン表示部711と、特定の情報等を常時表示させるサブ表示部712とが設けられている。本実施形態では、ディスプレイ710の中央部の領域がメイン表示部711として機能し、メイン表示部711の上側のヘッダー部713と、メイン表示部711の下側のフッター部714とがサブ表示部712として機能する。
【0026】
表示制御手段720は、メイン表示部711に、制御条件を設定するための情報を必要に応じて表示させる。例えば、図3に示すように、表示制御手段720は、ディスプレイ710の初期画面において、メイン表示部711に特定の複数のメニューアイコン100を表示させる。そして、作業者が、これらのメニューアイコン100の何れかを選択すると、表示制御手段720が、選択したメニューアイコン100に応じて、メイン表示部711に表示されている情報を適宜切替える。
【0027】
また表示制御手段720は、サブ表示部712に、制御対象の運転状態を把握できるステータス情報102と、制御対象の操作用アイコンをメイン表示部711に表示させるための表示切替え用アイコン101と、を常時表示させる。具体的には、表示制御手段720は、ヘッダー部713に制御対象となる各種機器に関するステータス情報102を表示させると共に、フッター部714に表示切替え用アイコン(装置操作用アイコン)101を表示させる。なお、メニューアイコン100や表示切替え用アイコン101等の表記は、記号・図・文字の何れであっても良く、また、それらを併用しても構わない。
【0028】
本実施形態では、ヘッダー部713に、ステータス情報102として、稼働ステータス表示群102a、選択済みモジュール表示群(「Module lamps」)102b、サイクル時間等表示群(「Cycle time」「Oil temp」)102cのそれぞれの情報が表示されている。勿論、ヘッダー部713に表示するステータス情報の内容は、特に限定されないが、ヘッダー部713には、ブロー成形装置1の稼働状態に関する情報が少なくとも3つ表示されていることが好ましい。
【0029】
稼働ステータス表示群(「Status lamp」)102aは、ポンプが稼働状態にあるか、手動と自動の何れの運転モードが選択されているか等の情報を、対応する各種アイコンによって表示する。選択済みモジュール表示群102bは、温調部20やブロー成形部30の各種駆動装置(各種モジュール)が使用可能な状態になっているか等の情報を、対応する各種アイコンによって表示する。サイクル時間等表示群102cは、成形サイクル時間は何秒であるかや作動油が何度であるか等の実測値の情報を、所定時間ごとに表示する。
【0030】
ヘッダー部713にはさらにアラームアイコン103が設けられ、何れの設定管理画面からでもブロー成形装置1の警報情報を表示できるようになっている。なおアラームアイコン103の代わりに、あるいはアラームアイコン103と共に、ブロー成形装置1の故障や動作不良が発生した部位を確認して特定できるアラーム表示群(「ALARM」)を、常時表示されるヘッダー部71(メイン表示部711)に設けるようにしてもよい。
【0031】
また、フッター部714には、表示切替え用アイコン101として、全般操作用アイコン群(「General control switches」)101a、モジュール選択用アイコン群(「Module select switches」)101b及び手動操作用アイコン群(「Manual control switches」)101cが表示されている。勿論、フッター部714に表示する表示切替え用アイコン101の種類や数は、特に限定されないが、フッター部714には、複数の表示切替え用アイコン101が選択可能に表示させていることが好ましい。
【0032】
そして、全般操作用アイコン群101aを選択すると、ディスプレイ710には、手動運転、自動運転、ポンプ駆動、ポンプ停止、運転開始、運転停止、等のブロー成形装置1の全般的な動作に係る複数のアイコンが、選択可能に表示される。
【0033】
モジュール選択用アイコン群101bを選択すると、ディスプレイ710には、射出装置11における射出筒の昇温動作やスクリューの進退駆動、温調部20やブロー成形部30における型開閉駆動等の各種モジュールの使用(稼働)可否を指定する複数のアイコンが、選択可能に表示される。
【0034】
手動操作用アイコン群101cを選択すると、ディスプレイ710には、搬送機構50の回転動作、リップ型や射出コア型等の昇降動作、ブロー型の開閉動作等に対応する複数のモジュール操作用アイコンが表示される。なおモジュール操作用アイコンは、全般操作用アイコン群101aの手動運転のアイコンが指定されている時に使用可能となり、押圧時間(タッチ時間)に応じた時間長で各種モジュールの稼働時間等を変更することができる。(図3および図8参照)。
【0035】
また表示制御手段720は、詳しくは後述するが、相関性がある複数の制御対象(各種機器や各種成形ステーション)の制御条件や成形条件を、必要に応じてメイン表示部711に一画面で表示させる。
【0036】
さらに表示制御手段720は、予め設定された制御グループ群に含まれる複数の制御対象の制御条件を必要に応じてメイン表示部711に一画面で表示させる。
【0037】
ここで、図4のフローチャート及び図3図5図9の画面の一例を参照して、各種機器の制御条件を設定/変更する際のディスプレイ710の画面の切り替わり(状態遷移)について説明する。
【0038】
インターフェース装置700の画面は、複数のメニューアイコン(第一のメニューアイコン)100がメイン表示部711に表示された状態が初期画面となる(図3参照)。
【0039】
図4に示すように、まずは作業者が、この初期画面で何れかのメニューアイコン100を選択すると(ステップS1:Yes)、メイン表示部711が切り替えられて、選択されたメニューアイコン100に対応する情報(設定管理画面)が表示される。
【0040】
例えば、メニューアイコン100のうち、成形工程設定総覧(「Process settings」)が選択された場合、図5に示すようにメイン表示部711が切り替わり、メイン表示部711のヘッダー部713との境界付近に、相関性がある制御グループ毎にまとめた制御条件群のアイコン(第二のメニューアイコン)104が表示される(ステップS2)。そして、何れかの制御条件群のアイコン104が選択されると(ステップS3:Yes)、選択された制御条件群に応じた設定管理画面がメイン表示部711に表示される(ステップS4)。なお、後述する図5図6および図9において、白枠は各種制御条件を入力(設定/修正)する部位であり、黒枠部位には対応する制御条件の実測値が表示される。
【0041】
図5の例では、成形工程設定総覧(「Process settings」)の制御条件群(制御項目群)として、成形条件簡易設定群(「Mold parameters」)、射出成形条件設定群(「Injection」)、温調条件設定群(「Heater」)、ブロー成形条件設定群(「Blow」)、タイマー条件設定群(「Timer」)及びポンプ条件設定群(「Pump」)のアイコン104が、表示されている。そして、その中から選択された、設定群に関連する制御条件を備えた設定管理画面が、アイコン104より下方のメイン表示部711に表示される。
【0042】
例えば、制御条件群から温調条件設定群(「Heater」)のアイコン104が選択された場合は、メイン表示部711の表示が切替えられて、図5に示すように、「Heater」(加熱・温調という語句)に対応したカテゴリーであり、高温の温度設定を要する機器(部位)、例えば、射出筒(「Barrel」)やホットランナー(「Hot runner」)、温調装置(「Conditioning」)の設定管理画面(制御条件)が区分けされて上下に表示される。メイン表示部711の各白枠部位には、例えば、摂氏温度を単位とする制御条件値や成形条件値が入力させる。
【0043】
これにより作業者は、「Heater」(加熱・温調)というカテゴリーと相関性がある各種機器の動作条件や成形ステーションの成形条件を、一画面で簡単に把握でき、かつ、設定/修正(調整・変更)が可能となる。
【0044】
なお、図5の例では、メイン表示部711に温調温度装置(「Conditioning」)の設定管理画面は表示されていない。しかしながら、ディスプレイ710は画面のタッチ操作でスクロール可能になっているため、作業者は画面をスクロールして任意に必要な設定管理画面(例えば、温調装置(「Conditioning」)の設定管理画面)を表示させて、各種制御条件の設定/修正を行うことができる。
【0045】
また制御条件群から成形条件簡易設定群(「Mold parameters」)のアイコン104が選択された場合には、各々の制御条件群の中でも使用頻度の高い制御条件の設定画面が、メイン表示部711に表示されるようになっている。
【0046】
例えば、図6に示すように、成形条件簡易設定群(「Mold parameters」)のアイコン104が選択されると、射出成形条件設定群(「Injection」)、温調条件設定群(「Heater」)、ブロー成形条件設定群(「Blow」)、タイマー条件設定群(「Timer」)及びポンプ条件設定群(「Pump」)の中でも使用頻度の高い特定の制御条件や成形条件の設定管理画面が、メイン表示部711に表示されるようになっている。
【0047】
その他の各制御条件群における使用頻度の高い制御条件や成形条件としては、例えば、下記のようなものが挙げられる。
【0048】
・射出成形条件設定群(「Injection」):射出時間(充填時間、「Injection time」)、冷却時間(「Cooling time」)、充填時の圧力(「Pressure」)や速度(「Velocity」)、速度―圧力制御切り替え位置(「V-P」)、保圧時間(「M1」)
・温調条件設定群(「Conditioning」又は「Heater」):温調コアや温調ポットの上下動開始時間(「Heating core DW start」、「Heating core UP start」、「Heating pot DW start」、「Heating pot UP start」」)、温調ブロー開始時間(「Cond. blow start」)、温調ブロー継続時間(「Cond. blow」)、温調ブロー排気時間(「Cond. blow decomp.」)
・ブロー成形条件設定群(「Blow」):ブロー成形総計時間(「Blow」)、ブロー排気時間(「Decomp.」)、一次圧(低圧)ブロー開始時間(「Pri.」)、二次圧(高圧)ブロー開始時間(「Sec.」)、ストレッチロッド下降開始時間(「Stretch」)、底型上昇開始時間(「Bottom UP start」)
【0049】
成形条件簡易設定群(「Mold parameters」)の各白枠部位には、例えば、時間関連では秒、圧力関連ではMPa、位置関連ではmmを単位した制御条件値または成形条件値が入力される。
【0050】
このように各々の制御条件群の中でも使用頻度の高い制御条件の設定画面が、まとめて一画面に表示されるようにしておくことで、各種制御条件/成形条件の設定/修正作業の作業性が向上する。また、対応する実測値を確認しつつ制御条件の変更が可能なため、各種制御条件/成形条件の最適化が従前のインターフェース装置よりも容易に実施できる。
【0051】
またメイン表示部711の上部に表示させる制御条件群(アイコン104)の並びは、作業者が予め設定するようにしてもよいし、使用頻度の高い制御条件群(アイコン104)の順に自動的に並び変わって表示されるようにしてもよい。
【0052】
ここで、メニューアイコン100が表示された初期画面において、成形条件設定総覧(「Process settings」)以外が選択された場合の例についても説明する。
【0053】
初期画面において、例えば、ポジションモニター総覧(「Position monitor」)が選択された場合、メイン表示部711の表示が切替えられ、図7に示すように、メイン表示部711のヘッダー部713との境界付近に、所定の制御条件群のアイコン104が表示される。すなわち、予め設定された制御グループに含まれる複数の制御対象の制御条件群(アイコン)がメイン表示部711に一画面で表示される。また、これらの中から選択された制御条件群に関する詳細情報(設定管理画面)がメイン表示部711に表示される。
【0054】
図7に示す例では、制御条件群(制御項目群)として、射出成形部関連部材位置群(「Injection」)、搬送機構関連群(「Rotation table」)、温調部関連部材位置群(「Conditioning」)、ブロー成形部関連部材位置群(「Blow」)、取出部関連部材位置群(「Eject」)、可動部材原点位置群(「Initial」)、等のアイコン104が表示されている。その中から射出成形部関連部材位置群(「Injection」)を選択すると、相関性がある射出装置(「Injection」)や射出成形部用金型(「Injection mold」)に関する位置の詳細情報(設定表示画面)が、メイン表示部711に表示される。
【0055】
この設定表示画面では、各制御対象(可動部材)の位置情報が把握・確認できる。例えば、射出成形部10の射出コア型が型開き駆動時に正常な位置での減速や停止した場合は、射出成形部用金型(「Injection mold」)の画面にある射出コア型スローダウン(「Core OP slow down」)や射出コア型型開き(Core OP)のランプが点灯する。これにより、作業者は、各可動部材が正常に位置にあるかや正常に動作するか等の情報の把握や確認ができ、各可動部材の不正位置や不正動作等に伴う破損を未然に防止することができる。
【0056】
また初期画面において、例えば、モニター総覧(「Monitor」)が選択された場合も、メイン表示部711の表示が切替えられ、図8に示すように、メイン表示部711のヘッダー部713との境界付近に、所定の制御条件群のアイコン104が表示される。すなわち、予め設定された制御グループに含まれる複数の制御対象の制御条件群(アイコン)がメイン表示部711に一画面で表示される。また、これらの中から選択された制御条件群に関する詳細情報(設定管理画面)がメイン表示部711に表示される。
【0057】
図8に示す例では、成形サイクル時間情報群(「Cycle time」)、サイクル時間履歴情報群(「Cycle time history」)、オペレーション回数情報群(「Number of operations」)、等のアイコン104が表示され、その中から選択された成形サイクル時間情報群(「Cycle time」)の詳細情報(設定管理画面)が、メイン表示部711に表示されている。
【0058】
成形サイクル時間情報群(「Cycle time」)の画面では、成形サイクル時間(「Cycle time」)、射出装置(「Injection」)の速度―圧力制御切り替え時間(「V-P」)や射出時間(「Charge」)、射出成形用金型(「Injection mold」)に属する各種金型の型開閉動作時間(「Core OP」、「Core CL」、…)、温調部(「Conditioning」)における各種可動部材の昇降動作時間(「Heating core UP」、「Heating core DW」、…)、ブロー成形用金型(「Blow mold」)に属する各種金型の開閉動作時間(「Blow mold CL」、「Blow mold OP」)等、各種可動部材の実際の動作時間を設定値と対比して確認できる(図8では省略しているが、実測値が左側に、設定値が右側に並んで表示される)。これにより、作業者は、成形サイクル時間をどの成形ステーションで短縮できるかや各種可動部材が適正な時間で動作しているか等について、確認・検証できる。
【0059】
なお初期画面において、例えば、生産モニター総覧(「Production monitor」)が選択された場合には、メイン表示部711の表示が切替えられるが、図9に示すように、制御条件群のアイコン104は表示されることなく、生産モニター情報群(「Production monitor」)、消費電力量情報群(「Power consumption」)等の詳細情報(設定管理画面)がメイン表示部711に表示される。生産モニター情報群(「Production monitor」)では、計画生産数量(「Planed bottle quantity」)の白枠部分について作業者が設定でき、それ対する各種実測値(現生産数量(「Bottle quantity」)、生産率(「%」)、一時間あたりのボトル生産量(「BPH」)を確認できる。消費電力量情報群(「Power consumption」)では、成形サイクル毎の消費電力量が表示される。これにより、作業者は生産計画に遅れが生じないかや消費電力量が適切か等について、確認・検討できる。
【0060】
さらに、初期画面において、メニューアイコン100が選択されず(ステップS1:No)、フッター部714に表示されている表示切替え用アイコン101である全般操作用アイコン群(「General control switches」)101a、モジュール選択用アイコン群(「Module select switches」)101b、手動操作用アイコン群(「Manual control switches」)101cの何れかが選択されると(ステップS5:Yes)、図10に示すように、これらの各表示切替え用アイコン101に対応して、制御対象である各種機器を操作するための操作用アイコン105が表示される(ステップS6)。
【0061】
図10に示す例は、上記の全てのアイコン群101а,101b,101cが選択された例であるが、作業者は、必要に応じて、任意のアイコン群101a,101b,101cを選択することができる。したがって、作業者は、3つのアイコン群101a,101b,101cから必要な対象のみを選択すれば、不要は操作用アイコン105は非表示にし、必要な操作用アイコン105だけを表示した状態で、ブロー成形装置1の操作を行うことができる。よって、制御条件や成形条件、機器や成形情報が表示されるメイン表示部711のスペースを広くし使用することができる。
【0062】
なお、メニューアイコン100には、従来のブロー成形装置に設けられていた機械式の操作ボタン(操作スイッチ)が、非常停止ボタンや射出装置の前進後退スイッチ等の一部を除き、全て網羅されている。
【0063】
以上説明したように、本実施形態では、各種設機器の設定画面や詳細情報を表示するメイン表示部711の上下に、サブ表示部712であるヘッダー部713及びフッター部714を設け、ヘッダー部713にはブロー成形装置1の運転状態を把握できるステータス表示機能を、フッター部714には、ブロー成形装置1を操作するためのアイコン(操作用アイコン、モード選択用アイコン等)を表示させるための表示切替え用アイコンを表示する機能を設けた。
【0064】
ヘッダー部713及びフッター部714は、メイン表示部711の表示が切替えられても表示され続けるため、作業者は、ブロー成形装置1の運転状態を常に把握でき、任意にブロー成形装置1を操作したり、モード選択(変更)したりすることができる。また、ブロー成形装置1の操作は、画面上のアイコン類をタッチすることで行えるため、操作スイッチ(機械式スイッチ)を従来の装置に比べて減らすことができる。さらに、機種毎に相違するスイッチ類の変更は設定画面上で対応するため、操作パネルの共通化を図ることができる。
【0065】
また、相関性がある制御条件(制御項目)を一画面に表示した状態で、各制御条件の設定/修正することができる。さらに、頻繁に操作する制御条件のアイコンが表示されるようにしたので、複数ステーションの制御条件を迅速且つ容易に、設定/修正することができる。
【0066】
さらに、従来のブロー成形装置では、制御条件が多いステーションの設定では画面を何度も切替える必要性があった。本発明では、一定の制御グループ群(例えば、射出成形部や温調部)に属する全ての制御項目を一画面中に網羅してタッチ操作で自由に表示変更可能としており、操作性を向上させている。
【0067】
また携帯端末とのワイヤレス接続を可能とし、携帯端末を介した設定作業やデータ表示作業等を行うことができるようにしてもよい。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能なものである。
【0069】
上述の実施形態では、本発明に係るブロー成形装置として、射出成形部、温調部、ブロー成形部及び形取出部と、を備える、いわゆる射出ブロー成形装置を例示したが、ブロー成形装置は、必ずしも射出成形部を備えていなくてもよい。すなわちブロー成形装置は、全体として、コールドパリソン式や2ステージ式と称される構成になっていてもよい。
【0070】
また上述の実施形態では、ブロー成形装置が、射出成形部で成形されたプリフォームの温度を調整するための温調部(温調ステーション)を備える構成を例示したが、ブロー成形装置は、温調部の代わりに、プリフォームを加熱する加熱部(加熱ステーション)を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 ブロー成形装置
10 射出成形部
11 射出装置
20 温調部
30 ブロー成形部
40 取出部
50 搬送機構
70 制御部(制御装置)
71 機器制御手段
100 メニューアイコン
101 表示切替え用アイコン
102 ステータス情報
103 アラームアイコン
104 制御条件群のアイコン
105 操作用アイコン
700 インターフェース装置
710 ディスプレイ
711 メイン表示部
712 サブ表示部
713 ヘッダー部
714 フッター部
720 表示制御手段
730 機械式ボタン
740 機械式スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10