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特許7202357ゴルフクラブヘッドの溝及びゴルフクラブヘッドの溝を製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッドの溝及びゴルフクラブヘッドの溝を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20221228BHJP
【FI】
A63B53/04 J
A63B53/04 K
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020506216
(86)(22)【出願日】2018-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-08
(86)【国際出願番号】 US2018045443
(87)【国際公開番号】W WO2019028477
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/541,445
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/962,969
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルバン エス. ワン
(72)【発明者】
【氏名】ショジェン チン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エイ. ヒグドン
(72)【発明者】
【氏名】レス ジェー. ブライアント
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アール. ジャーツソン
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ディ. セラーノ
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0197121(US,A1)
【文献】米国特許第9545547(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0375325(US,A1)
【文献】米国特許第6200229(US,B1)
【文献】米国特許第6336869(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0035703(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0255922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00-53/14
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パタータイプのゴルフクラブヘッドであって、
フロントエンドと、
トウエンドと、
前記トウエンドの反対側のヒールエンドと、
トップレールと、
前記トップレールの反対側のソールと、
前記フロントエンドと前記ソールの間に位置する前縁と、
前記フロントエンドから後方に延びる凹部と、
前記凹部内に位置するフェース・インサートと、を備えており、
前記フェース・インサートが、
フェース・インサート・ベースと、
フロント打表面とリア表面を含むボール打面プレートであって、前記リア表面が前記フェース・インサート・ベースのフロント表面に隣接する、ボール打面プレートと、
前記トップレールと前記ソールの間の前記ボール打面プレートに設けられている複数の溝であって、前記複数の溝の各々が前記トウエンドと前記ヒールエンドの間を延びている、複数の溝と、を有しており、
前記フェース・インサートは、前記ゴルフクラブヘッドの前記フロントエンドと前記ソールの一部を形成しており、
前記複数の溝は、第1の湾曲方向に延びている複数の第1の湾曲溝と、第2の湾曲方向に延びている複数の第2の湾曲溝と、を備えており、
前記第1の湾曲方向は、前記第2の湾曲方向に対して反対であり、
前記複数の第1の湾曲溝の前記第1の湾曲方向は、前記ソールから前記トップレールまで同一であり、
前記複数の第2の湾曲溝の前記第2の湾曲方向は、前記ソールから前記トップレールまで同一であり、
前記ヒールエンドと前記トウエンドの間を伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化しており、
前記トップレールから前記ソールに伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化している、パタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記トップレールと前記ソールの間を伸びる方向、及び、前記ヒールエンドと前記トウエンドの間を伸びる方向において、前記溝の深さが変化しており、
少なくとも1つの前記溝の最も深い部分が、前記溝の概ね平坦な底面部分によって画定される、請求項1に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記ボール打面プレートは、
前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒールエンド近傍のヒール部分と、
前記ゴルフクラブヘッドの前記トウエンド近傍のトウ部分と、
前記ヒール部分と前記トウ部分の間に位置する中心部分と、を有しており、
前記ボール打面プレートの前記中心部分に位置する前記溝の深さは、前記ヒール部分と前記トウ部分の前記溝の深さよりも大きい、請求項1に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記ボール打面プレートは、
前記ゴルフクラブヘッドの前記トップレール近傍のトップレール部分と、
前記ゴルフクラブヘッドの前記ソール近傍のソール部分と、
前記トップレール部分と前記ソール部分の間に位置する中央部分と、を有しており、
前記ボール打面プレートの前記中央部分に位置する前記溝の深さは、前記トップレール部分と前記ソール部分の前記溝の深さよりも大きい、請求項1に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記ボール打面プレートは第1の材料を含み、前記フェース・インサート・ベースが第2の材料を含む、請求項1に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
ショアD硬度が35から55の範囲のPEBAXポリマーが前記第1の材料であり、ショアD硬度が50から75の範囲のPEBAXポリマーが前記第2の材料である、請求項に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
パタータイプのゴルフクラブヘッドであって、
フロントエンドと、
トウエンドと、
前記トウエンドの反対側のヒールエンドと、
トップレールと、
前記トップレールの反対側のソールと、
前記フロントエンドと前記ソールの間に位置する前縁と、
前記フロントエンドから後方に延びる凹部と、
前記凹部内に位置するフェース・インサートと、を備えており、
前記フェース・インサートが、
フェース・インサート・ベース凹部を有するフェース・インサート・ベースと、
フロント打表面とリア表面を含むボール打面プレートであって、前記ボール打面プレートが前記フェース・インサート・ベース凹部内に位置する、ボール打面プレートと、
前記トップレールと前記ソールの間の前記ボール打面プレートに設けられている複数の溝であって、前記複数の溝の各々が前記トウエンドと前記ヒールエンドの間を延びている、複数の溝と、を有しており、
前記フェース・インサートは、前記ゴルフクラブヘッドの前記フロントエンドと前記ソールの一部を形成しており、
前記複数の溝は、第1の湾曲方向に延びている複数の第1の湾曲溝と、第2の湾曲方向に延びている複数の第2の湾曲溝と、を備えており、
前記第1の湾曲方向は、前記第2の湾曲方向に対して反対であり、
前記複数の第1の湾曲溝の前記第1の湾曲方向は、前記ソールから前記トップレールまで同一であり、
前記複数の第2の湾曲溝の前記第2の湾曲方向は、前記ソールから前記トップレールまで同一であり、
前記ヒールエンドと前記トウエンドの間を伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化しており、
前記トップレールから前記ソールに伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化している、パタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記トップレールと前記ソールの間を伸びる方向、及び、前記ヒールエンドと前記トウエンドの間を伸びる方向において、前記溝の深さが変化しており、
少なくとも1つの前記溝の最も深い部分が、前記溝の概ね平坦な底面部分によって画定される、請求項7に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記ボール打面プレートは、
前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒールエンド近傍のヒール部分と、
前記ゴルフクラブヘッドの前記トウエンド近傍のトウ部分と、
前記ヒール部分と前記トウ部分の間に位置する中心部分と、を有しており、
前記ボール打面プレートの前記中心部分に位置する前記溝の深さは、前記ヒール部分と前記トウ部分の前記溝の深さよりも大きい、請求項7に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記ボール打面プレートは、
前記ゴルフクラブヘッドの前記トップレール近傍のトップレール部分と、
前記ゴルフクラブヘッドの前記ソール近傍のソール部分と、
前記トップレール部分と前記ソール部分の間に位置する中央部分と、を有しており、
前記ボール打面プレートの前記中央部分に位置する前記溝の深さは、前記トップレール部分と前記ソール部分の前記溝の深さよりも大きい、請求項7に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記ボール打面プレートは第1の材料を含み、前記フェース・インサート・ベースが第2の材料を含む、請求項7に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
ショアD硬度が35から55の範囲のPEBAXポリマーが前記第1の材料であり、ショアD硬度が50から75の範囲のPEBAXポリマーが前記第2の材料である、請求項11に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
パタータイプのゴルフクラブヘッドであって、
フロントエンドと、
トウエンドと、
前記トウエンドの反対側のヒールエンドと、
トップレールと、
前記トップレールの反対側のソールと、
前記フロントエンドと前記ソールの間に位置する前縁と、
前記フロントエンドから後方に延びる凹部と、
前記凹部内に位置するフェース・インサートと、を備えており、
前記フェース・インサートが、
ポリマー材料と、
フレームと、
前記トップレールと前記ソールの間の前記フェース・インサートに設けられている複数の溝であって、前記複数の溝の各々が前記トウエンドと前記ヒールエンドの間を延びている、複数の溝と、を有しており、
前記フェース・インサートは、前記ゴルフクラブヘッドの前記フロントエンドと前記ソールの一部を形成しており、
前記複数の溝は、第1の湾曲方向に延びている複数の第1の湾曲溝と、第2の湾曲方向に延びている複数の第2の湾曲溝と、を備えており、
前記第1の湾曲方向は、前記第2の湾曲方向に対して反対であり、
前記複数の第1の湾曲溝の前記第1の湾曲方向は、前記ソールから前記トップレールまで同一であり、
前記複数の第2の湾曲溝の前記第2の湾曲方向は、前記ソールから前記トップレールまで同一であり、
前記ヒールエンドと前記トウエンドの間を伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化しており、
前記トップレールから前記ソールに伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化している、パタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記フレームは、金属材料を含む、請求項13に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記ポリマー材料と前記フレームは、前記パタータイプのゴルフクラブヘッドの前記前縁の周りを包む、請求項13に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記フレームは、前記ポリマー材料の周りに周囲を形成する、請求項15に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記フレームは、前記ポリマー材料を、トウエンド部分とヒールエンド部分と中心部分に分割する、請求項15に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記フレームは、前記フロントエンドの周囲から前記フロントエンドの中心に向けて内向きに延びている、請求項17に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記フレームは、前記パターゴルフクラブヘッドの前記トップレールから前記ソールに向けて延びている2つの垂直部分を有している、請求項17に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記フレームは、挟持力によって前記ポリマー材料を固定する、請求項13に記載のパタータイプのゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
パタータイプのゴルフクラブヘッドであって、
フロントエンドと、
トウエンドと、
前記トウエンドの反対側のヒールエンドと、
トップレールと、
前記トップレールの反対側のソールと、
前記フロントエンドと前記ソールの間に位置する前縁と、
前記フロントエンドから後方に延びる凹部と、
前記凹部内に位置するフェース・インサートと、を備えており、
前記フェース・インサートが、
ポリマー材料と、
フレームと、
前記トップレールと前記ソールの間の前記フェース・インサートに設けられている複数の溝であって、前記複数の溝の各々が前記トウエンドと前記ヒールエンドの間を延びている、複数の溝と、を有しており、
前記フェース・インサートは、前記ゴルフクラブヘッドの前記フロントエンドと前記ソールの一部を形成しており、
前記ヒールエンドと前記トウエンドの間を伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化しており、
前記トップレールから前記ソールに伸びる方向において、前記複数の溝の各々の幅が変化しており、
前記ポリマー材料と前記フレームは、前記パタータイプのゴルフクラブヘッドの前記前縁の周りを包み、
前記フレームは、前記ポリマー材料を、トウエンド部分とヒールエンド部分と中心部分に分割する、パタータイプのゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年8月4日に出願された米国特許仮出願第62/541,445号、2016年1月11日に出願された米国特許仮出願第62/277,358号、2015年12月16日に出願された米国特許仮出願第62/268,011号、2015年9月25日に出願された米国特許仮出願第62/233,099号及び2015年8月14日に出願された米国特許仮出願第62/205,550号の利益を主張する、2016年8月12日に出願され、現在では米国特許第9,987,530号である米国特許出願第15/236,112号の継続出願である、2018年4月25日に出願された米国特許出願第15/962,969号の一部継続出願である。本出願はまた、2012年9月7日に出願された米国特許仮出願第61/697,994号及び2011年9月30日に出願された米国特許仮出願第61/541,981号の利益を主張する、2012年9月27日に出願された米国特許出願第13/628,685号の継続出願である、2013年2月7日に出願された米国特許出願第13/761,778号の継続出願である、2014年3月4日に出願された米国特許出願第14/196,313号の継続出願である、2014年10月31日に出願された米国特許出願第14/529,590号の一部継続出願である。これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概してゴルフ用品に関し、より具体的には、ゴルフクラブヘッドの溝と、ゴルフクラブヘッドの溝を製造する方法と、に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、ゴルフクラブヘッドは、トウエンドとヒールエンドとの間に伸びる複数の平行な溝を有するクラブフェースを含むことができる。特に、アイアン型クラブヘッドの複数の溝は、ゴルフボールとクラブフェースとの間の水、砂、芝生、及び/又は、他の破片を取り除くことができる。ゴルフクラブフェースは、四角形もしくは箱型の溝、V字型の溝、又はU字型の溝などの、さまざまな形を有する溝を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】一実施例による、パターを示した図である。
【0005】
図2】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0006】
図3】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0007】
図4図3のボール打面の溝の概略平面図である。
【0008】
図5図3の断面5-5から見た、図4の溝の水平断面図である。
【0009】
図6図3のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0010】
図7図3のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0011】
図8】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0012】
図9図8のボール打面の溝の概略平面図である。
【0013】
図10図8の断面10-10から見た、図9の溝の水平断面図である。
【0014】
図11図8のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0015】
図12図8のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0016】
図13】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0017】
図14図13のボール打面の溝の概略平面図である。
【0018】
図15図13の断面15-15から見た、図14の溝の水平断面図である。
【0019】
図16図13のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0020】
図17図13のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0021】
図18】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0022】
図19図18のボール打面の溝の概略平面図である。
【0023】
図20図18の断面20-20から見た、図19の溝の水平断面図である。
【0024】
図21図18のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0025】
図22図18のボール打面の別の溝の水平断面図である。
【0026】
図23】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0027】
図24図23の断面24-24から見た、図23のボール打面の溝の垂直断面の別の実施例の図である。
図25図23の断面24-24から見た、図23のボール打面の溝の垂直断面の別の実施例の図である。
図26図23の断面24-24から見た、図23のボール打面の溝の垂直断面の別の実施例の図である。
【0028】
図27】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0029】
図28】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0030】
図29】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図30】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図31】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図32】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図33】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図34】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図35】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図36】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
図37】パターのボール打面の溝の例示的水平断面の概略図である。
【0031】
図38】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
図39】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
図40】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
図41】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
図42】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
図43】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
図44】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
図45】パターのボール打面の例示的溝の概略平面図である。
【0032】
図46】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0033】
図47】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0034】
図48】一実施例による、パターの溝の水平断面図である。
【0035】
図49】一実施例による、パターの垂直概略断面図である。
【0036】
図50】一実施例による、パターの垂直概略断面図である。
【0037】
図51】別の実施例による、パターフェースの図である。
【0038】
図52】別の実施例による、パターフェースの図である。
【0039】
図53】一実施例による、ゴルフクラブを製造する方法の図である。
【0040】
図54】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0041】
図55図54のボール打面の溝の断面図である。
【0042】
図56】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0043】
図57図56のボール打面の溝の断面図である。
【0044】
図58】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0045】
図59図58のボール打面の溝の断面図である。
【0046】
図60】一実施形態による、パターのボール打面の概略図である。
【0047】
図61図60のボール打面の溝の概略平面図である。
【0048】
図62図60の断面62-62から見た、図61の溝の水平断面図である。
【0049】
図63】溝を切るためのツールの図である。
【0050】
図64】一実施例による、V字型溝の図である。
【0051】
図65】一実施例による、V字型溝の図である。
【0052】
図66】一実施例による、溝の概略平面図である。
【0053】
図67図66の溝の水平断面図である。
【0054】
図68】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0055】
図69】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0056】
図70】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0057】
図71】一実施例による、パターのボール打面の概略図である。
【0058】
図72】一実施例によるパターと楕円形パターンの拡大図である。
【0059】
図73図72の断面図を底面から見た図である。
【0060】
図74図73の2つの最も内側の部分の楕円形溝の拡大図である。
【0061】
図75図73の2つの最も外側の部分の楕円形溝の拡大図である。
【0062】
図76】一実施例による、パターである。
【0063】
図77図76の中央エリアである。
【0064】
図78図76の断面図を底面から見た図である。
【0065】
図79図78の幾何学的中心の近くの突出部の拡大図である。
【0066】
図80図78のトウエンドの近くの突出部の拡大図である。
【0067】
図81】一実施形態による、ゴルフクラブヘッドのフェース・インサートである。
【0068】
図82図81のゴルフクラブヘッドのフェース・インサートとは別のフェース・インサートである。
【0069】
図83図82のフェース・インサートの分解図である。
【0070】
図84図82のボール打面の概略図である。
【0071】
図85】他の実施形態による、パターの正面図である。
【0072】
図86図84のパターの代替図である。
【0073】
図87A図84のパターのフェース・インサートの正面図である。
【0074】
図87B図86Aのフェース・インサートの背面図である。
【0075】
図88図84のパターの斜視図である。
【0076】
図89】一実施形態による、パターの斜視図である。
【0077】
図90図89のパターの分解図である。
【0078】
図91】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0079】
図92図91のパターの分解図である。
【0080】
図93】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0081】
図94図93のパターの分解図である。
【0082】
図95】他の実施形態による、パターのフェース・インサートである。
【0083】
図96図95のフェース・インサートの断面図である。
【0084】
図97図95のフェース・インサートのボール打面プレートである。
【0085】
図98】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0086】
図99】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0087】
図100】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0088】
図101】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0089】
図102】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0090】
図103】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0091】
図104】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0092】
図105】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0093】
図106】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【0094】
図107】他の実施形態による、パターの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0095】
本開示は、パッティングストローク中にゴルフボールをインパクトしたときのより柔らかい感触を提供する様々なフェース・インサートを有するパターゴルフクラブヘッドである。フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドの凹部に受け入れらえるように構成され得る。多くの実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのフロント打表面とソールの一部を形成する。他の実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのヒールエンド、トウエンド、トップレール、又は、それらの任意の組み合わせの一部を形成することができる。いくつかの実施形態では、パターゴルフクラブヘッドは、ボール打面プレートのような単一部品を備える。いくつかの実施形態では、パターゴルフクラブヘッドは、ボール打面プレートとフェース・インサート・ベース、ポリマー材料とフレーム、及び、複数の開口部のような多部品を備える。フェース・インサートがボール打面プレートとフェース・インサート・ベースを有する実施形態では、ボール打面プレートは、ボール打面プレートとフェース・インサート・ベースを一緒に機械的に結合するための結合構造を備えることができる。多くの実施形態において、フェース・インサートは、テープ、非常に強い接着テープ、接着剤、エポキシ、又は、任意のタイプの接着剤化合物などの接着剤によって凹部に結合することができる。多くの実施形態では、フェース・インサートは、ポリマータイプの材料を備えることができる。これらの実施形態では、ポリマータイプの材料は、金属フェースよりもボールインパクト時により柔らかく独特な音/感触の利点を提供することができる。ポリマータイプの材料は、ゴルフボールインパクト時の望まない音を取り除くために振動を減衰する。ポリマー材料とフレームを有するフェース・インサートのようないくつかの実施形態では、フレームはフロント打表面の中心にボールが整列するのを助けてプレーヤに視覚補助を提供する。
【0096】
概して、ゴルフクラブヘッドの溝及びゴルフクラブヘッドの溝を製造するための方法が、本明細書で説明される。本明細書で説明する方法、装置、及び/又は製造品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時期のゴルフのルールに適合しても、適合しなくてもよい。さらに、本明細書で提供する図は、例示目的のためであり、図のうちの1つ又は複数は、正しい縮尺で描かれていない場合がある。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点について限定されない。
【0097】
図1の実施例では、パター100が示されている。本明細書ではパター100の溝及びフェース・インサートを説明するが、本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、他の種類のクラブヘッド(たとえば、ドライバー型クラブヘッド、フェアウェイ・ウッド型クラブヘッド、ハイブリッド型クラブヘッド、アイアン型クラブヘッドなど)に適用可能であり得る。しかしながら、パター型ゴルフクラブヘッドは、ドライバー型クラブヘッド、フェアウェイ・ウッド型クラブヘッド、ハイブリッド型クラブヘッド、アイアン型クラブヘッド及びウェッジ型クラブヘッドではない。
【0098】
パターゴルフクラブヘッドはロフト角を備えている。パターゴルフクラブヘッドのロフト角は、フェース上の概ね平坦面とシャフトの中心軸の間の角度である。パターゴルフクラブヘッドのロフト角は、パターゴルフクラブヘッドのシャフトからフェースへの後方への角度である。多くの実施形態では、パターゴルフクラブヘッドのロフト角は、10度以下であり得る。いくつかの実施形態では、パターゴルフクラブヘッドのロフト角は、9度以下、8度以下、7度以下、6度以下、5度以下、又は4度以下であり得る。いくつかの実施形態では、パターゴルフクラブヘッドのロフト角は、0度から10度、0度から9度、0度から8度、1度から10度、1度から9度、1度から8度、2度から10度、2度から9度、2度から8度、3度から10度、3度から9度、又は3度から8度の範囲であり得る。例えば、パターゴルフクラブヘッドのロフト角は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10度であり得る。
【0099】
ボール打面プレートは、トウエンド180近傍のトウ部分、ヒールエンド190近傍のヒール部分、及びトウ部分とヒール部分の間に位置する中心部分の3つの部分に水平方向で分けることができる。ボール打面プレートはさらに、トップレール182近傍のトップレール部分、ソール192近傍のソール部分、及びトップレール部分とソース部分の間に位置する中央部分の3つの部分に垂直方向で分けることができる。ボール打面プレートのトウ部分とヒール部分と中心部分とトップレール部分とソース部分と中央部分は、以下の図81及び図84に示されるボール打面プレート1912のトウ部分1970とヒール部分1974と中心部分1972とトップレール部分1976とソース部分1980と中央部分1978に類似し得る。
【0100】
パターゴルフクラブヘッドのフロント打表面は、複数の溝を備えることができる。フロント打面の複数の溝は、ボール打面/ボール打表面/フロント打表面上の複数の溝に類似し得る:以下で示される、112、212、312、412、512、612、712、1012、1312、1412、1500、1612、1728、1812、1911、2212、2312、4212、5212、6011、6111、6311、6411、6511、6611、6711、6811、6911、7011、7111、7211、又は7311。いくつかの実施形態では、フロント打面の複数の溝は、米国特許出願第14/196,313号(米国特許第9,452,326号)に記載される溝に類似することができ、その溝は変化する深さ、変化する幅、又は変化する深さと幅を備えることができる。フェース・インサートの溝は、直線状の溝、放物線状の溝、2つの放物線状の溝、又は任意の他の種類のパターンの溝のような、任意のパターンであり得る。いくつかの実施形態では、溝は、トップレール182とソール192の間を伸びる方向、ヒールエンド190とトウエンド180の間を伸びる方向に沿って変化する溝の深さを備える。より詳細には、溝は、トウ部分からヒール部分に向けて、及び、トップレール部分からソール部分に向けて、変化する。溝の深さは、トウ部分及びヒール部分から中心部分に向けて、増加する。同様に、溝の深さは、トップレール部分及びソール部分から中央部分に向けて、増加する。少なくとも1つの溝の最も深い部分は、溝の概ね平坦表面部分によって画定される。概ね平坦表面部分は、溝の中心部分と中央部分が重なったところに位置する。
【0101】
多くの実施形態では、フェース・インサートの溝は、中心を外した打撃又は打ち損なったときにボールの軌道を修正する利点を提供することができる。フェース・インサートの溝は、プレーヤに対してより大きなショット寛容性を提供することができ、これにより、より正確なショットを提供し得る。さらに、溝の変化する深さ及び/又は変化する幅は、フロント打表面に亘るより標準化された打撃を許容することによって寛容性を増加する。
【0102】
さらに、いくつかの実施形態では、フロント打表面の溝は、ヒールエンド190からトウエンド180に伸びる変化する幅を備えることができる。いくつかの実施形態では、フロント打表面の溝は、ソール192からトップレール182に伸びる変化する幅を備えることができる。いくつかの実施形態では、フロント打表面の溝は、ヒールエンド190からトウエンド180に伸びる変化する幅、及び、ソール192からトップレール182に伸びる変化する幅を備えることができる。
【0103】
パター100は、パターフェース110を有するパターヘッド102を含む。パターフェース110は、概して平面的であって、アドレス位置において鉛直方向に延びていてよい。パターフェース110は、一般に、パターフェース110と同じ平面上にあり得る、又はパターフェース110から外側にわずかに突出し得る、ボール打面112を含む。ボール打面112は、パターフェース110と同じ大きさであってよく、又は(図1に示す通り)パターフェース110よりも小さくてよい。ボール打面112は、(図示しない)ゴルフボールを打つために一般に使用される、パターフェース110上の領域であってよい。しかしながら、人はまたボールを、ボール打面112の外側であるパターフェース110の一部分で打つことがある。
【0104】
ボール打面112は、パターフェース110の連続した部分又は一体部分であってよく、又はパターフェース110に取り付けられるインサートとして形成され得る。そのようなインサートを、パターフェース110と同じ材料又は異なる材料から作り、その後、パターフェース110に取り付けることができる。ボール打面112は、概して溝120として示す1つ又は複数の溝と、1つ又は複数の山部170と、を含むことができる。たとえば、ボール打面112は、概して122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、及び144として示す、12の溝を有して示されている。溝120は、概して120などの1つの参照番号を用いて参照することができる。しかしながら、ボール打面112上の溝のうちの1つを具体的に説明するときには、その具体的な溝の参照番号を使用することができる。
【0105】
2つの隣接する溝を、山部170によって分けることができる。各溝120と隣接溝120との間の山部170は、別の対の隣接する溝120間の山部170と同じ又は異なる幅を有することができる。山部170は、また、ボール打面112の上面を画定することができる。一般に、溝120のうちの2つ以上は、互いに平行であってよい。たとえば、溝122及び溝124は、互いに平行であってよい。しかしながら、溝120を、互いに対して任意の方法で配向することができる。たとえば、溝120のうちの任意のものを、対角に、垂直に、及び/又は水平に向けることができる。図2の実施例で示す通り、溝120のうちの1つ又は複数は、実質的に直線で、隣接溝120に対して概して平行であってよく、パターフェース110のトウエンド180とヒールエンド190との間に伸びることができる。
【0106】
以下で詳細に説明する通り、溝120の深さ、長さ、幅、水平断面形状、及び/又は垂直断面形状は、直線に、非直線に、均一な又は非均一な段階的間隔で、アーチ状に、及び/又は1つ又は複数の幾何学的図形にしたがって、パターヘッド102の、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、及び/又はトップレール182からソール192にかけて、増加、減少、及び/又は変化することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0107】
図2を参照すると、ボール打面112は、溝122~溝144を有して示されている。ボール打面112は、パターフェース110と一緒に製造されるものなど、パターフェース110の一体部分であってよい。代替的に、ボール打面112は、パターフェース110に取り付けられるインサートであってよい。溝120の各々は、トウエンド180からヒールエンド190にかけて伸びて、対応する長さ193を画定することができる(溝144の長さ193のみが図2に示されている)。溝120のうちの一部又は全部の長さ193は、トップレール182からソール192への方向で変化することができ、各溝120が、ボール打面112の外周の形状に一般に合うようにすることができる。たとえば、溝の長さは、トップレール182の近くからボール打面112の中心184にかけて増加し、中心184からソール192の近くにかけて減少することができる。中心184は、ボール打面112の幾何学的中心であってよい。代替的に、中心184は、ボール打面112の慣性又は重量に関連する中心を表すことができる。しかしながら、中心184を、通常ボールを打つボール打面112の領域として、一般に定義することができる。図1に示す通り、溝120の長さ193は、類似であってよい。図2に示す実施例などの他の実施例では、溝の長さ193は、トップレール182の近くから中心184にかけて減少し、ソール192の近くから中心184にかけて減少することができる。したがって、ボール打面112上に配置される任意の溝の長さは、本開示の範囲内である。
【0108】
図3に示す別の実施例では、ボール打面212は、(具体的に溝222~溝244として示す)溝220を含むことができる。ボール打面212は、パターフェース110の一体部分、又はパターフェース110に取り付けられる別の部品であってよい。したがって、ボール打面212を説明するときには、パター100とパターヘッド102との部分は、上記で説明したものと同じ参照番号を用いて参照される。
【0109】
図4は、溝232の概略図を示しており、図5は、図3の切断線5-5から見た、溝232の水平断面を示している。溝232は、一般に領域271~領域275として示されている、水平に広がった領域に分けられて示されており、それらは、図3図4とにおいて、垂直な境界線によって視覚的に画定されている。水平領域271~水平領域275は、トウエンド180の近くからヒールエンド190の近くにかけて、及び/又はトップレール182の近くからソール192の近くにかけて、溝232の水平断面形状の変化を画定することができる。溝の水平断面形状は、溝の特定の部分の長さ、深さ、幅、断面形状、及び/又は構成材料などの、溝の長さ293に沿った溝の任意の特性を指すことができる。図3図7の実施例では、溝220は、溝220の長さ293を画定する、第1の垂直壁250と第2の垂直壁252とを含む。溝220の各々は、溝220の深さを画定する、底面254を有する。各溝の深さは、領域271~領域275における溝220の断面形状にしたがって、第1の壁250から第2の壁252にかけて変化することができる。各溝220は、また、溝220の垂直境界を画定する、第1の水平壁256と第2の水平壁258とを含む。第1の水平壁256と第2の水平壁258との間の距離は、溝220の幅280を画定する。幅280は、図38図45の実施例で示す通り、第1の垂直壁250から第2の垂直壁252にかけて変化することができ、その場合、溝は、長さ590、第1の幅594、第2の幅595、及び/又は第3の幅596を有することができる。しかしながら、図3図7の実施例では、第1の水平壁256及び第2の水平壁258は、一般に一定の幅280を画定するために、一般に平行である。
【0110】
図5を参照すると、領域271の底面254は、第1の深さ282を領域271と領域272との間の境界において画定するために、下向きに傾斜又はカーブしている。領域272の底面254は、より急な下向きのカーブを有して、第1の深さ282から、領域272と領域273との間の境界における第2の深さ284に、推移する。底面254が領域273において平坦な場合、第2の深さ284は、一般に、溝232の最大の深さを画定することができる。しかしながら、底面254が平坦でない場合、溝232の最大の深さは、領域273の別の部分で画定され得る。溝220のうちの任意のものは、垂直軸yに対して対称であってよい。したがって、y軸の各側での溝220の形状は、y軸の他方の側の溝232の形状を映すことができる。しかしながら、溝220のうちの任意のものは、非対称であってよい。領域271及び領域275は、溝232の浅い部分を画定し、領域273は、溝232のより深い中心部分を画定する。溝220のうちの任意のものの最も深い部分は、溝220の中心にあってよい。領域272及び領域274は、深さ282から深さ284への底面254の推移を容易にする。
【0111】
図3図5とを参照すると、溝220の各々の一般的断面形状は、トップレール182からソール190にかけて、一般に同様のままであってよい。しかしながら、溝220の各々の領域271~領域275の長さ、幅、及び/又は深さを含む断面形状は、トップレール182からソール192にかけて徐々に変化することができる。図6図7とでは、溝238と溝244との水平断面が、それぞれ示されている。たとえば、溝238の領域271~領域275は、溝232の領域271~領域275よりも、それぞれ長さが短い。同様に、溝244の領域271~領域275は、溝238の領域271~領域275よりも、それぞれ長さが短い。別の実施例では、溝238の領域271~領域275は、溝232の領域271~領域275よりも、それぞれ、より浅い深さを有することができる。同様に、溝244の領域271~領域275は、溝238の領域271~領域275よりも、それぞれ、より浅い深さを有することができる。
【0112】
溝222~溝232の領域271~領域275の長さ、深さ、及び/又は幅が、トップレール182からボール打面212の大まかな中心にかけて徐々に増加すること、及び/又は溝232~溝244の領域271~領域275の大きさが、ボール打面212の大まかな中心からソール192にかけて減少することにより、(図3に示す)中央ストライクゾーン260を形成し、中央ストライクゾーン260は、アドレスをとった個人が見たときに、ゴルフボールの形状に似ていることができる。ゴルフボールのおおよその視覚的表現は、個人がボール打面212をボールに揃えることを、助けることができる。溝220の最も深い部分を画定する領域273は、ボール打面212の中心で、長さがより長く、トップレール182とソール192とに向かって、長さを徐々に減らすことができる。同様に、推移領域272及び推移領域274は、ボール打面212の中心で最大の長さを有し、トップレール182とソール192とに向かって、長さを徐々に減らすことができる。領域271~領域275の長さは、ボール打面212上の溝220の位置により変化し得るが、各溝220の同様な領域の深さは、同様又は異なってよい。たとえば、溝232の最大の深さは、溝244の最大の深さと同様であってよい。代替的に、溝222~溝244の深さは、ボール打面212に対する溝220の位置に基づいて変化することができる。さらに代替的に、溝222~溝244の深さは、任意の方法で、トップレール182からソールにかけて、変化することができる。上記の実施例は、特定の数の水平領域を説明し得るが、本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、より多くの、又はより少ない水平領域を含むことができる。
【0113】
図8に示す別の実施例では、ボール打面312は、(具体的には溝322~溝344として示されている)溝320を含む。ボール打面312は、パターフェース110の一体部分、又はパターフェース110に取り付けられる別の部品であってよい。したがって、ボール打面312を説明するときには、パター100とパターヘッド102との部分は、上記で説明したものと同じ参照番号を用いて参照される。
【0114】
図9は、溝332の概略図を示し、図10は、図8の切断線10-10から見た、溝332の水平断面を示している。溝332は、水平に広がった領域371~領域375に分けられて示されており、それらは、図8図9とにおいて、垂直境界線によって視覚的に画定されている。水平領域371~水平領域375は、トウエンド180の近くからヒールエンド190の近くにかけて、及び/又はトップレール182の近くからソール192の近くにかけての、溝332の水平断面形状の変化を画定することができる。溝の水平断面形状は、溝の特定の部分の長さ、深さ、幅、断面形状、及び/又は構成材料などの、溝の長さ393に沿った溝の任意の特性を指すことができる。図8図12の実施例では、溝320は、溝320の長さ393を画定する、第1の垂直壁350と第2の垂直壁352とを含む。溝320の各々は、溝320の深さを画定する、底面354を有する。各溝の深さは、領域371~領域375における溝320の断面形状にしたがって、第1の壁350から第2の壁352にかけて、変化することができる。各溝320は、また、溝320の垂直境界を画定する、第1の水平壁356と第2の水平壁358とを含む。第1の水平壁356と第2の水平壁358と間の距離は、溝320の幅380を画定する。幅380は、図38図45の実施例で示す通り、第1の垂直壁350から第2の垂直壁352にかけて、変化することができる。しかしながら、図8図12の実施例では、第1の水平壁256及び第2の水平壁258は、概して一定の幅380を画定するために、概ね平行である。
【0115】
図10を参照すると、領域371における底面354は、第1の深さ382を、371と372との間の境界において画定するために、概ね平坦及び/又はわずかに傾斜していてよい。領域372における底面354は、第1の深さ382から、領域372と領域373との間の境界における第2の深さ384に、下向きに段階的に推移する。領域372における底面354は、溝320が領域372において概して均一の深さ384を有するように、概ね平坦及び/又はわずかに傾斜していてよい。領域372内の底面354は、第2の深さ384から第3の深さ386にかけて、下向きに段階的に推移する。領域373内の底面354は、溝320が領域373において概して均一の深さ386を有するように、概ね平坦又はわずかに傾斜していてよい。溝320のうちの任意のものは、垂直軸yに対して対称であってよい。したがって、y軸の各側の溝320の形状は、y軸の他方の側の溝320の形状を映す。しかしながら、溝320のうちの任意のものは、非対称であってよい。深さ386は、溝320の最大の深さを表す。
【0116】
図10図12を参照すると、溝320の一般的断面形状は、トップレール182からソール190にかけて、概ね同様なままでよい。しかしながら、溝320の各々の領域371~領域375の長さ、幅、及び/又は深さを含む断面形状は、トップレール182からソール192にかけて、徐々に変化することができる。図11図12とでは、溝338と溝344との水平断面が、それぞれ示されている。たとえば、溝338の領域371~領域375は、溝332の領域371~領域375よりも、それぞれ、長さが短い。同様に、溝344の領域371~領域375は、溝338の領域371~領域375よりも、それぞれ、長さが短い。別の実施例では、溝338の領域371~領域375は、溝332の領域371~領域375よりも、それぞれ、より浅い深さを有することができる。同様に、溝344の領域371~領域275は、溝338の領域371~領域375よりも、それぞれ、より浅い深さを有することができる。
【0117】
溝322~溝332の領域371~領域375の長さ、深さ、及び/又は幅が、トップレール182からボール打面312の中心にかけて徐々に増加すること、及び/又は溝332~溝344の領域371~領域375の大きさが、ボール打面312の中心からソール192にかけて徐々に減少することにより、(図8に示す)中央ストライクゾーン360を形成し、中央ストライクゾーン360は、アドレスをとった個人が見たときに、ゴルフボールの形状に個々に似ることができる。ゴルフボールの大まかな視覚的表現は、個人がボール打面312をボールに揃えることを、助けることができる。溝360の最も深い部分を画定する領域373は、ボール打面312の中心において長さがより長く、トップレール182とソール192とに向かって、長さを徐々に減少させることができる。同様に、推移領域372及び推移領域374は、ボール打面312の中心において最大の長さを有し、トップレール182とソール192とに向かって、長さを徐々に減少させることができる。領域371~領域375の長さは、ボール打面312上の溝320の位置によって変化するが、各溝320の同様の領域の深さは、同様又は異なってよい。たとえば、溝344の最大の深さは、溝332の最大の深さと同様であってよい。代替的に、溝322~溝344の深さは、ボール打面312上の溝320の位置に基づいて、変化することができる。さらに代替的に、溝322~溝344の深さは、任意の方法で、トップレール182からソールにかけて、変化することができる。上記の実施例は、特定の数の水平領域を説明し得るが、本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、より多くの、又はより少ない水平領域を含むことができる。
【0118】
図13に示した別の実施例では、ボール打面412は、(具体的には溝422~溝444として示す)溝420を含む。ボール打面412は、パターフェース110の一体部分、又はパターフェース110に取り付けられる別の部品であってよい。したがって、ボール打面412を説明するときには、パター100とパターヘッド102との部分は、上記で説明したものと同じ参照番号を用いて参照される。
【0119】
図14は、溝432の概略図を示し、図15は、図13の切断線15-15から見た、溝432の水平断面を示している。溝432は、水平に広がった領域471と領域472とに分けられて示されており、それらは、図13図14とにおいて、溝432の境界線と溝432の中心における垂直線とによって視覚的に画定されている。水平領域471及び水平領域472は、トウエンド180の近くからヒールエンド190の近くにかけて、及び/又はトップレール182の近くからソール192の近くにかけて、溝432の水平断面形状の変化を画定することができる。溝の水平断面形状は、溝の特定の部分の長さ、深さ、幅、断面形状、及び/又は構成材料などの、溝の長さ493に沿った溝の任意の特性を指す。図13図17の実施例では、溝420は、溝420の長さ493を画定する、第1の垂直壁450と第2の垂直壁452とを含む。溝420の各々は、溝420の深さを画定する、底面454を有する。各溝の深さは、領域471と領域472とにおける溝420の断面形状にしたがって、第1の壁450から第2の壁452にかけて、変化することができる。各溝420は、また、溝420の垂直境界を画定する、第1の水平壁456と第2の水平壁458とを含む。第1の水平壁456と第2の水平壁458との間の距離は、溝420の幅480を画定する。幅480は、図38図45の実施例で示す通り、第1の垂直壁450から第2の垂直壁452にかけて、変化することができる。しかしながら、図13図17の実施例では、第1の水平壁456及び第2の水平壁458は、概して一定の幅480を画定するために、概ね平行である。
【0120】
図15を参照すると、領域471における底面454は、線形形状を有し、下向きに傾斜している。溝450は、中心垂直軸yに対して対称である。したがって、領域472における底面454は、領域471における底面454と同様の線形形状を有し、同様に下向きに傾斜している。したがって、溝420の深さは、第1の壁452と第2の壁454とにおける深さ482から、溝420の中心における深さ484に、徐々に増加する。深さ484は、溝420の最も深い部分を表し、それは、溝420の中心にあり得る。
【0121】
図15図17を参照すると、溝420の一般的断面形状は、トップレール182からソール190にかけて、概ね同様なままであってよい。しかしながら、溝420の各々の領域471と領域472との長さ及び/又は深さを含む断面形状は、トップレール182からソール192にかけて、徐々に変化することができる。たとえば、溝438の領域471及び領域472は、溝332の領域471と領域472とよりも、それぞれ、長さが短い。同様に、溝444の領域471及び領域471は、溝438の領域471と領域472とよりも、それぞれ、長さが短い。別の実施例では、溝438の領域471及び領域472は、溝432の領域471と領域472とよりも、それぞれ、浅い深さを有することができる。同様に、溝444の領域471及び領域472は、溝438の領域471と領域472とよりも、それぞれ、浅い深さを有することができる。
【0122】
溝422~溝432の領域471と領域472との長さ、深さ、及び/又は幅が、トップレール182からボール打面412の中心にかけて、徐々に増加すること、及び/又は溝432~溝444の領域471と領域472との大きさが、ボール打面412の中心からソール192にかけて、徐々に減少することにより、(図13に示す)中央ストライクゾーン460を形成する。領域471及び領域472は、ボール打面412の中心において最大の長さを有し、トップレール182とソール192とに向かって、長さを徐々に減少させることができる。領域471と領域472との長さは、ボール打面412上の溝420の位置により変化するが、各溝420の同様の領域の深さは、同様又は異なってよい。たとえば、溝444の最大の深さは、溝432の最大の深さと同様であってよい。代替的に、溝422~溝444の深さは、ボール打面412上の溝420の位置に基づいて、変化することができる。さらに代替的に、溝422~溝444の深さは、任意の方法で、トップレール182からソールにかけて、変化することができる。上記の実施例は、特定の数の水平領域を説明し得るが、本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、より多くの、又はより少ない領域を含むことができる。
【0123】
図18に示した別の実施例では、ボール打面512は、(具体的には溝522~溝544として示す)溝520を含む。ボール打面512は、パターフェース110の一体部分、又はパターフェース110に取り付けられる別の部品であってよい。したがって、ボール打面512を説明するときには、パター100とパターヘッド102との部分は、上記で説明したものと同じ参照番号を用いて参照される。
【0124】
図19は、溝532の概略図を示し、図20は、図18の切断線20-20から見た、溝532の水平断面を示している。溝532は、水平に広がった領域571と領域572とに分けられて示されており、それらは、図18図19とにおいて、溝532の境界線と溝532の中心における垂直線とによって視覚的に画定されている。水平領域571及び水平領域572は、トウエンド180の近くからヒールエンド190の近くにかけて、及び/又はトップレール182の近くからソール192の近くにかけて、溝532の水平断面形状の変化を画定することができる。溝の水平断面形状は、溝の特定の部分の長さ、深さ、幅、断面形状、及び/又は構成材料などの、溝の長さ593に沿った溝の任意の特性を指す。図18図22の実施例では、溝520は、溝520の長さ593を画定する、第1の垂直壁550と第2の垂直壁552とを含む。溝520の各々は、溝520の深さを画定する、底面554を有する。各溝の深さは、領域571と領域572との溝520の断面形状にしたがって、第1の壁550から第2の壁552にかけて、変化することができる。各溝520は、また、溝520の垂直境界を画定する、第1の水平壁556と第2の水平壁558とを含む。第1の水平壁556と第2の水平壁558との間の距離は、溝520の幅580を画定する。幅580は、図38図45の実施例で示す通り、第1の垂直壁550から第2の垂直壁552にかけて、変化することができる。しかしながら、図18図22の実施例では、第1の水平壁556及び第2の水平壁558は、概して一定の幅580を画定するために、概ね平行である。
【0125】
図20を参照すると、領域571における底面554は、線形形状を有し、下向きに傾斜している。領域572における底面554も、また、線形形状を有し、下向きに傾斜している。しかしながら、第2の壁552が第1の壁550よりも長いために、領域572における底面554は、領域571における底面554よりも小さな傾きを有する。したがって、本実施例の溝550は、垂直中心軸yに対して非対称である。したがって、溝250は、第1の壁550によって画定される第1の深さ582と、第2の壁552によって画定される第2の深さ584と、中心深さ586と、を有し、中心深さ586は、領域571と領域572との下向きに傾斜した底面554にそれぞれしたがって、深さ582と深さ584とから徐々に到達される。中心深さ586は、溝520の最も深い部分の深さであってよい。
【0126】
図20図22を参照すると、溝520の一般的断面形状は、トップレール182からソール190にかけて、概ね同様のままであり得る。しかしながら、溝520の各々の領域571と領域572との長さ、幅、及び/又は深さを含む断面形状は、トップレール182からソール192にかけて、徐々に変化することができる。図21図22とでは、溝538と溝544との水平断面が、それぞれ、示されている。たとえば、溝538の領域571及び領域572は、溝532の領域571と領域572とよりも、それぞれ、長さが短い。同様に、溝544の領域571及び領域572は、溝538の領域571と領域572とよりも、それぞれ、長さが短い。別の実施例では、溝538の領域571及び領域572は、溝532の領域571と領域572とよりも、それぞれ、浅い深さを有することができる。同様に、溝544の領域571及び領域572は、溝538の領域571と領域572とよりも、それぞれ、浅い深さを有することができる。
【0127】
溝522~溝532の領域571と領域572との長さ、深さ、及び/又は幅が、トップレール182からボール打面512の中心にかけて、徐々に増加すること、及び/又は溝532~溝544の領域571と領域572との大きさが、ボール打面512の中心からソール192にかけて、徐々に減少することにより、(図18に示す)中央ストライクゾーン560を形成する。領域571及び領域572は、ボール打面512の中心において最大の長さを有し、トップレール182とソール192とに向かって、長さを徐々に減少させることができる。領域571と領域572との長さは、ボール打面512上の溝520の位置によって変化するが、各溝520の同様の領域の深さは、同様又は異なってよい。たとえば、溝544の最大の深さは、溝532の最大の深さに同様であってよい。代替的に、溝522~溝544の深さは、ボール打面512上の溝520の位置に基づいて、変化することができる。さらに代替的に、溝522~溝544の深さは、任意の方法で、トップレール182からソールにかけて、変化することができる。上記の実施例は、特定の数の水平領域を説明し得るが、本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、より多くの、又はより少ない水平領域を含むことができる。
【0128】
上記で説明した溝220、溝320、溝420、及び溝520は、パター100と共に使用するための溝の水平断面形状の4つの実施例を例示している。水平断面形状の他の実施例を、図29図37に示し、ここで、各溝は、長さ590、第1の深さ591、第2の深さ592、及び/又は第3の深さ593を有することができる。溝を、任意の数の水平領域によって画定することができ、その場合、任意の1つ又は複数の領域は、同様の特性又は異なる特性を有する。y軸に対して対称又は非対称であり得る溝は、たとえば、線形又は非線形の形状の複雑な組み合わせを有する底面を有し、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、同様又はさまざまな深さを画定することができる。そのような溝を、多数の水平領域を用いて説明することができ、その場合、各領域は、述べた複雑な形状のうちの1つ又は複数を画定する。したがって、上記で説明した、水平範囲の数、配置、大きさ、及び他の特性は、本開示による溝の断面形状をまったく限定しない。
【0129】
上記の実施例では、各対応するボール打面上の溝は、同様の形状を有する。しかしながら、ボール打面上の溝は、異なる形状を有することができる。たとえば、ボール打面は、溝220と溝320との組み合わせを含むことができる。別の実施例では、ボール打面は、溝420と溝520との組み合わせを含むことができる。したがって、溝の断面形状の任意の組み合わせをボール打面上で使用して、特定のボール打特性をパターに与えることができる。
【0130】
溝の水平断面形状は、トップレール182からボール打面の中心にかけて、徐々に、また比例的に、変化することができ、ボール打面の中心からソール192にかけて、徐々に変化することができる。述べた徐々の変化は、ボールストライクゾーンを画定することができ、ボールストライクゾーンは、ボール打面の中心において、トップレール182とソール192との近くよりも大きい。さらに、溝の水平断面形状の徐々の述べられた変化は、ボール打面の中心とボール打面の中心の周りにおいて、トップレール182とソール192との近くの溝よりも、より長く深い溝部分を有する溝を提供する。しかしながら、溝の上述の徐々の変化は、例示的であり、他の徐々の変化スキームを使用して、特定のボール打特性を、ボール打面のさまざまな部分に与えることができる。
【0131】
図23を参照すると、別の実施例によるボール打面612は、溝620を有して示されている。図24図26は、図23の切断線24-24から見た、溝620の垂直断面形状を示している。図24では、溝620の垂直断面形状は、箱型、長方形、又は正方形である。図25では、溝620の垂直断面形状は、V字型である。図26では、溝620の垂直断面形状は、U字型である。図24図26の垂直断面溝形状は、本開示による任意の溝に適用可能である。たとえば、溝220の垂直断面形状は、図24の溝620にしたがった長方形又は正方形であってよい。別の実施例では、溝620の垂直断面形状は、図25の溝620にしたがったV字型であってよい。さらに、溝の垂直断面形状は、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、変化することができる。たとえば、図4図5とを参照すると、溝220は、正方形又は長方形の垂直断面形状を領域271と領域275とにおいて、U字型の垂直断面形状を領域271と領域274とにおいて、V字型の垂直断面形状を領域273において、有することができる。加えて、溝の垂直断面形状は、また、トップレール182からソール190にかけて、変化することができる。たとえば、トップレール182とソール192との近くの溝は、正方形の垂直断面形状を有することができ、一方で、クラブフェースの中心における溝は、U字型の垂直断面形状を有することができる。
【0132】
上記の実施例におけるパターのボール打面は、溝を、トップレール182からソール192にかけて有して示されている。しかしながら、ボール打面は、より多くの、又はより少ない溝を有することができ、又は溝のない部分を有することができる。たとえば、ボール打面は、いくつかの溝を、ボール打面の中心部分で有することができ、トップレール182又はソール192の近くの部分において、溝がなくてよい。
【0133】
溝は、ボール打面に渡って水平の伸びることに限定されない。ボール打面は、上記で説明した、深さの変化する垂直溝、又は可変の水平及び/又は垂直の断面形状を有する、垂直溝と水平溝との組み合わせ、を有することができる。溝の方向は、マトリックス状のボール打面をパター上に提供するようになっていてよい。
【0134】
図27を参照すると、溝720を有するボール打面712を、3つの部分に、水平に分けることができ、それらは、トウ部分780、中心部分785、及びヒール部分790である。ボール打面712は、上記で説明した、ボール打面212とボール打面312とに同様であってよい。したがって、溝720は、上記で説明した溝220と溝320とにそれぞれ類似の、領域271~領域275と領域371~領域375とを有する。上記で説明した3つの部分は、ボール打面712を水平に分け、トップレール182からソール192にかけて、垂直に広がる。トウ部分780は、トウエンド180の近くであり、ヒール部分790は、ヒールエンド190の近くであり、中心部分785は、トウ部分780とヒール部分790との間である。さまざまな実施例によると、トウ部分780とヒール部分790とにおける溝720の深さは、中心部分785における溝720の深さよりも大きくなり得ない。一実施例では、トウエンド180の最も近く又はヒールエンド190の最も近くであり得る、溝720の最も浅い深さは、約0.003インチであってよい。中心部分785又はその近くでは、溝720の深さは、上述した通り、約0.017インチの深さまで増加することができる。変化する深さは、少なくとも0.020インチであるが0.022インチ未満の深さを有する部分を含むことができる。変化する幅は、少なくとも0.035インチであるが0.037インチ未満の幅を有する部分を含むことができる。
【0135】
図28を参照すると、ボール打面712を、3つの部分に垂直に分けることができ、それらは、トップレール部分782、中央部分786、及びソール部分792である。これらの部分は、ボール打面712を垂直に分け、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、水平に広がる。トップレール部分782は、トップレール182の近くであり、ソール部分792は、ソール192の近くであり、中央部分786は、トップレール部分782とソール部分792との間である。溝720の最も深い部分の長さは、トップレール部分782から中央部分786にかけて、また、中央部分786からソール部分792にかけて、変化することができる。たとえば、上記で説明した実施例に関して、溝の最も深い部分の長さは、トップレール部分782とソール部分792との間の中央近くに位置する溝720を指すことができる。図27図28とに示す通り、溝710の長さは、中央部分786において最大であり得、トップレール部分782に向かって、またソール部分792に向かって、徐々に減少することができる。
【0136】
図29図37は、本開示による、異なる溝水平断面形状の実施例を示している。上記の実施例では、溝220と溝320と溝420と溝520との幅は、長方形の形状を有して示されている。しかしながら、本開示による溝は、図38図45の実施例によって示す通り、異なる幅の形状を有することができる。したがって、本開示による溝は、任意の水平断面形状、垂直断面形状、幅形状、及び/又は深さ形状を有することができる。
【0137】
溝の長さ、深さ、幅、及び/又は断面形状の変化物を含む溝の断面形状は、ボールの速度、制御、及び/又は回転に影響を与えることができる。開示の変化する深さの溝は、パターフェースで打たれた後のボールの速度の一貫性を、プラスチックのパターフェース・インサートよりも約50%、溝のないアルミニウムのパターフェース・インサートよりも約40%、改善することができる。ボールを、本開示による溝を有するパターを用いて打つことは、(1)より遅いボール速度という結果になり得、それにより、ボールロールアウト距離の減少という結果になり得、(2)ヒール打ち及びトウ打ちが、中心打ちに比較して、ボール速度が減少するという結果になり得、また、より短いボールロールアウト距離という結果になり得、(3)比較的軽度及び重度の障害を持つプレーヤが、ボールを、パターフェース上の異なる位置で打つことを可能にする(より重度の障害を持つプレーヤは、ボール打面のより下の方で打つ傾向があり、一方で、より軽度の障害を持つプレーヤは、ボール打面のより上の方で打つ傾向がある。また、比較的重度の障害を持つプレーヤは、より広い範囲の打位置を有することができ、一方で、比較的軽度の障害を持つプレーヤは、より狭い範囲の打位置を有することができ、及び/又は(4)フェースの中心に溝を有するパターフェースは、中心打ちにおいて、ボール速度/ロールアウト距離が減少するという結果になり得、それにより、中心/ヒール/トウ打ちにおいて、より一貫したボール速度/ロールアウト距離という結果になり得る。
【0138】
図46を参照すると、可変断面形状の溝を有するパターフェース810の別の実施例が、示されている。パターフェース810は、14の溝を有して示されており、それらは、トウエンド180の近くの溝822~溝828と、パターフェース810の中心における溝830~溝840と、ヒールエンド190の近くの溝842~溝848と、にグループ分けされている。本実施例では、より顕著な溝は、パターフェース810の中心に配置されており、あまり顕著でない溝は、中心の周辺にある。より顕著な溝は、あまり顕著でない溝に比較して、より大きな深さ及び/又は幅を有する溝を指すことができる。図46に示す通り、溝832~溝838は、パターフェース810の残りの溝よりも、より顕著であり得る。さらに、パターフェース810の部分は、溝がなくてよい。これらの部分は、参照番号850を用いて参照される。
【0139】
図47を参照すると、可変断面形状の溝を有するパターフェース910の別の実施例が、示されている。パターフェース910は、10の溝922~溝940を有して示されている。各溝の長さは、トップレール182からソール190にかけて、徐々に増加する。溝922~溝940の各々又は溝922~溝940のグループは、異なる垂直断面形状を有することができる。たとえば、溝922~溝930は、箱型垂直断面を有して示されており、一方で、溝932~溝940は、V字型垂直断面を有して示されている。
【0140】
図48を参照すると、別の実施形態による溝922の水平断面が示されている。溝922の底面954は、溝の縁950と縁952とから、溝922の最大の深さ951にかけて、徐々に減少して示されている。本開示による溝のうちの任意のものは、溝922と同じ水平断面形状を有することができる。本開示による溝のうちの任意のものは、同じ深さ951を有することができる。しかしながら、深さ951は、溝の長さが減少するにつれて、比例的に減少することができる。
【0141】
図49に示す別の実施例では、ボール打面1012は、(具体的には溝1222~溝1256として示す)溝1220を含むことができる。ボール打面1012は、パター100と共に使用するためであってよい。したがって、パター100とパターヘッド102との部分は、上記で提示したものと同じ参照番号を用いて参照される。溝は、本開示による断面形状と、長さと、幅と、を有することができる。
【0142】
図49を参照すると、別の実施例による、溝1220を有するボール打面1012の側断面図が示されている。ボール打面1012を、溝1220に対して2つの部分に分けることができる。ボール打面1012は、トップレール部分1282とソール部分1286とを含むことができる。トップレール部分1282及びソール部分1286は、ボール打面1012を垂直に分け、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、水平に広がることができる。トップレール部分1282は、中心線1284によって表されるボール打面1012の中心部分からトップレール182の近くにかけて、一般に伸び、溝1222を含むことができる。ソール部分1286は、ソール192の近くから中心部分1284にかけて、一般に伸び、溝1224を含むことができる。ソール部分1286の溝1224は、各溝1224に沿った1つ又は複数の場所において、トップレール部分1282の溝1222よりも大きな深さを有することができる。より浅い溝1222をトップレール部分1282において有することによって、パターによって打たれた後にゴルフボールが前方に転がる速度は、より一貫し、滑らかなボールのロールアウトを提供するように、増加することができる。代替的に、溝1220の深さは、中心部分1284から(図示しない)トップレール182にかけて、1つ又は複数の溝において段階的に、徐々に減少することができる。別の実施例では、溝のペアの深さは、中心部分1284から(図示しない)トップレール182にかけて、徐々に減少することができる。したがって、溝の深さがソール192からトップレール182にかけて減少することは、各溝、溝のペア、又は溝のさまざまなグループに対してであってよい。
【0143】
図50を参照すると、ソール部分1286の溝1224は、各溝1224に沿った1つ又は複数の位置において、トップレール部分1282の溝1222よりも小さな深さを有することができる。代替的に、溝1220の深さは、中心部分1284及び/又はソール192から(図示しない)トップレール182にかけて、1つ又は複数の溝において段階的に、徐々に増加することができる。別の実施例では、溝のペアの深さは、中心部分1284及び/又はソール192から(図示しない)トップレール182にかけて、徐々に増加することができる。したがって、溝の深さが中心部分1284及び/又はソール192からトップレール182にかけて増加することは、各溝、溝のペア、又は溝のさまざまなグループに対してであってよい。
【0144】
図51及び図52は、本開示による他の実施例を示している。図51を参照すると、パターヘッド1300は、複数の水平溝1320と垂直溝1322とを有する、ボール打面1312を含む。溝1320と溝1322との各々は、可変断面形状、深さ形状、幅形状、長さ形状、及び/又は他の溝の特性などの、別の溝と比べて異なる構成を、トウエンド1380からヒールエンド1390の近くにかけて、及び/又はトップレール1382からソール1392にかけて、有することができる。たとえば、水平溝1320の深さは、トップレール1382からソール1386にかけて、1つ又は複数の溝において段階的に、増加することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0145】
図52を参照すると、パターヘッド1400は、ボール打面1412を含み、ボール打面1412は、複数の第1の斜め溝1420と第2の斜め溝1422とを有する。第1の斜め溝1420は、互いに概ね平行であってよい。同様に、第2の斜め溝1422は、互いに概ね平行であってよい。第1の斜め溝1420及び第2の斜め溝1422は、図52に示す通り、互いを横断していてよい。たとえば、第1の斜め溝1420は、第2の斜め溝1422と、30°、45°、60°、又は90°の角度で交差することができる。溝1420と溝1422との各々は、可変断面形状、深さ形状、幅形状、長さ形状、及び/又は他の溝の特性などの、別の溝と比べて異なる構成を、トウエンド1480からヒールエンド1490の近くにかけて、及び/又はトップレール1482からソール1492にかけて、有することができる。たとえば、第1の斜め溝1420の深さは、1つ又は複数の溝において段階的に、トップレール1482からソール1486にかけて、徐々に増加することができる。図68及び図69は、パターヘッド1400の実施形態の変形例を示す。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0146】
図54を参照すると、別の実施例によるボール打面2212が示されている。ボール打面2212を、3つの部分に垂直に分け、3つの部分によって画定することができ、それらは、トップレール部分2282、中央部分2286、及びソール部分2292である。トップレール部分2282、中央部分2286、及びソール部分2292は、ボール打面2212を垂直に分け、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、を水平に広がる。トップレール部分2282は、トップレール182の近くであり、ソール部分2292は、ソール192の近くであり、中央部分2286は、トップレール部分2282とソール部分2292との間である。図54では、ボール打面2212は、12の溝2222~溝2244を有することができ、それらを、集合的に溝2220と呼ぶことができる。たとえば、溝2222、溝2224、溝2226、及び溝2228は、トップレール部分2282内にあるとみなすことができ、溝2230、溝2232、溝2234、及び溝2236は、中央部分2286内にあるとみなすことができ、溝2238、溝2240、溝2242、及び溝2244は、ソール部分2292内にあるとみなすことができる。しかしながら、溝2220のうちの1つ又は複数は、3つの垂直に分けられた部分の2つの隣接部分内にある、つまり、溝2220の一部が隣接する部分に重なる、とみなすことができる。溝2220の長さは、中央部分2286において最大であってよく、トップレール部分2282に向かって、またソール部分2292に向かって、徐々に減少することができる。代替的に、溝2220の長さは、ボール打面2212の周囲形状にしたがって、変化することができる。トップレール部分2282、中央部分2286、及びソール部分2292は、例示的であり、ボール打面2212上の部分を画定することができ、そのような部分に配置され得る溝2220は、1つ又は複数の同様の構成又は特徴を有する。したがって、ボール打面2212を、1つ又は複数の溝の構成又は特徴に関連する、さまざまな垂直部分及び/又は水平部分によって、画定することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0147】
図55は、溝2234における、ボール打面2212の水平断面を示している。各溝2220は、底面2255を有する中心部分2254を含むことができ、底面2255は、溝2220の最大の深さ2257を画定することができる。中心部分2254は、長さ2259を有し、長さ2259は、ボール打面2212上の溝2220の位置によって、変化することができる。図54の実施例では、中央部分2286の溝2220の中心部分2254は、概ね同じ長さを有する。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0148】
ボール打面2212の中心を、y軸2261によって画定することができる。y軸2261は、また、図54図55とに示す通り、中心部分2254の中心軸を画定することができる。しかしながら、中心部分2254は、y軸2261に対して、(図示しない)オフセットされてよい。図55の実施例によると、溝2230と溝2232と溝2234と溝2236との底面2255の各々は、y軸2261から、トウエンド180に向かって、またヒールエンド190に向かって、実質的に等しく伸びる。図55に示す通り、y軸2261と中心部分2254のトウエッジ部分2264との間の距離を、長さ2262と画定することができる。トウエッジ部分2264を、y軸2261とトウエンド190との間の溝の部分として画定することができ、溝の深さは、深さ2257から増加し、溝の開口部又は最上部にかけて推移する。y軸2261と中心部分2254のヒールエッジ部分2268との間の距離を、長さ2266と画定することができる。ヒールエッジ部分2268を、y軸2261とヒールエンド180との間の溝の部分として画定することができ、溝の深さは、深さ2257から増加し、溝の開口部又は最上部にかけて推移する。図54図55との実施例によると、長さ2262は、長さ2266と実質的に同じである。図54に示すボール打面2212を有するパターは、まっすぐなパットストロークを有する個人にとって適切であり得る。
【0149】
図56を参照すると、別の実施例によるボール打面3212が示されている。ボール打面3212を、3つの部分に垂直に分け、3つの部分によって画定することができ、それらは、トップレール部分3282、中央部分3286、及びソール部分3292である。トップレール部分3282、中央部分3286、及びソール部分3292は、ボール打面3212を垂直に分け、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、水平に広がる。トップレール部分3282は、トップレール182の近くであり、ソール部分3292は、ソール192の近くであり、中央部分3286は、トップレール部分3282とソール部分3292との間である。図56では、ボール打面3212は、12の溝3222~溝3244を有することができ、それらを、集合的に溝3220と呼ぶことができる。たとえば、溝3222、溝3224、溝3226、及び溝3228は、トップレール部分3282内にあるとみなすことができ、溝3230、溝3232、溝3234、及び溝3236は、中央部分3286内にあるとみなすことができ、溝3238、溝3240、溝3242、及び溝3244は、ソール部分3292内にあるとみなすことができる。しかしながら、溝3220のうちの1つ又は複数は、3つの垂直に分けられた部分のうちの2つの隣接する部分内にある、つまり、溝3220の一部が隣接する部分に重なる、とみなすことができる。溝3220の長さは、中央部分3286において最大であってよく、トップレール部分3282に向かって、またソール部分3292に向かって、徐々に減少することができる。代替的に、溝3220の長さは、ボール打面3212の周囲形状にしたがって、変化することができる。トップレール部分3282、中央部分3286、及びソール部分3292は、例示的であり、ボール打面3212上の部分を画定することができ、そのような部分内に配置され得る溝3220は、1つ又は複数の同様の構成又は特徴を有する。したがって、ボール打面3212を、1つ又は複数の溝の構成又は特徴に関連する、さまざまな垂直部分及び/又は水平部分によって画定することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0150】
図57は、溝3234における、ボール打面3212の水平断面を示している。各溝3220は、底面3255を有する中心部分3254を含むことができ、底面3255は、溝3220の最大の深さ3257を画定することができる。中心部分3254は、長さ3259を有し、長さ3259は、ボール打面3212上の溝3220の位置によって、変化することができる。図56の実施例では、中央部分3286の溝3220の中心部分3254は、概ね同じ長さを有する。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0151】
ボール打面3212の中心を、y軸3261によって画定することができる。y軸3261は、また、図56図57とに示す中心部分3254の中心軸を画定することができる。しかしながら、中心部分3254は、y軸3261に対して、(図示しない)オフセットされてよい。図57の実施例によると、溝3230と溝3232と溝3234と溝3236との底面3255との各々は、トウエンド180に向かってy軸3261から、図54の溝2234の底面2255よりも長い長さで伸びる。図57に示す通り、y軸3261と中心部分3254のトウエッジ部分3264との間の距離を、長さ3262として画定することができる。トウエッジ部分3264を、y軸3261とトウエンド190との間の溝の部分として画定することができ、溝の深さは、深さ3257から増加し、開口部又は溝の最上部まで推移する。y軸3261と中心部分3254のヒールエッジ部分3268との間の距離を、長さ3266として画定することができる。ヒールエッジ部分3268を、y軸3261とヒールエンド180との間の溝の部分として画定することができ、溝の深さは、深さ3257から増加し、開口部又は溝の最上部まで推移する。図57の実施例によると、長さ3262は、図55の長さ2266よりも長い。長さ3262は、また、長さ3266よりも長くてよい。代替的に、長さ3262は、長さ3266と実質的に同様であってよいが、図55の長さ2266よりも長い。したがって、図56のボール打面3212の溝3220の一部又は全部のうちの最も深い部分は、トウエンド190に向かって、図54のボール打面2212の溝2220の最も深い部分よりも伸びる。図56に示すボール打面3212を有するパターは、わずかに弧を描くパットストロークを有する個人にとって適切であり得る。
【0152】
図58を参照すると、別の実施例によるボール打面4212が示されている。ボール打面4212を、3つの部分に垂直に分け、3つの部分によって画定することができ、それらは、トップレール部分4282、中央部分4286、及びソール部分4292である。トップレール部分4282、中央部分4286、及びソール部分4292は、ボール打面4212を垂直に分け、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、水平に広がる。トップレール部分4282は、トップレール182の近くであり、ソール部分4292は、ソール192の近くであり、中央部分4286は、トップレール部分4282とソール部分4292との間である。図58では、ボール打面4212は、12の溝4222~溝4244を有することができ、それらを、集合的に溝4220と呼ぶことができる。たとえば、溝4222、溝4224、溝4226、及び溝4228は、トップレール部分4282内にあるとみなすことができ、溝4230、溝4232、溝4234、及び溝4236は、中央部分4286内にあるとみなすことができ、溝4238、溝4240、溝4242、及び溝4244は、ソール部分4292内にあるとみなすことができる。しかしながら、溝4220のうちの1つ又は複数は、3つの垂直に分けられた部分の2つの隣接する部分内にある、つまり、溝4220の一部が隣接する部分に重なる、とみなすことができる。溝4220の長さは、中央部分4286において最大であってよく、トップレール部分4282に向かって、またソール部分4292に向かって、徐々に減少することができる。代替的に、溝4220の長さは、ボール打面4212の周囲形状にしたがって、変化することができる。トップレール部分4282、中央部分4286、及びソール部分4292は、例示的であり、ボール打面4212上の部分を画定することができ、そのような部分内に配置され得る溝4220は、1つ又は複数の同様の構成又は特徴を有する。したがって、ボール打面4212を、1つ又は複数の溝の構成又は特徴に関連する、さまざまな垂直部分及び/又は水平部分によって画定することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0153】
図59は、溝4232における、ボール打面4212の水平断面を示している。各溝4220は、底面4255を有する中心部分4254を含むことができ、底面4255は、溝4220の最大の深さ4257を画定することができる。中心部分4254は、長さ4259を有し、長さ4259は、ボール打面4212上の溝4220の位置によって、変化することができる。図58の実施例では、中央部分4286の溝4220の中心部分4254は、概ね同じ長さを有する。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0154】
ボール打面4212の中心を、y軸4261によって画定することができる。y軸4261は、また、図58図59とに示す中心部分4254の中心軸を画定することができる。しかしながら、中心部分4254は、y軸4261に対して、(図示しない)オフセットされてよい。図59の実施例によると、溝4230と溝4232と溝4234と溝4236との底面4255の各々は、トウエンド180に向かってy軸4261から、図56の溝3234の底面3255よりも長い長さで伸びる。図59に示す通り、y軸4261と中心部分4254のトウエッジ部分4264との間の距離を、長さ4262として画定することができる。トウエッジ部分4264を、y軸4261とトウエンド190との間の溝の部分として画定することができ、溝の深さは、深さ4257から増加し、溝の開口部にまで推移する。y軸4261と中心部分4254のヒールエッジ部分4268との間の距離を、長さ4266と画定することができる。ヒールエッジ部分4268を、y軸4261とヒールエンド180との間の溝の部分として画定することができ、溝の深さは、深さ4257から増加し、溝の開口部にまで推移する。図59の実施例によると、長さ4262は、図57の長さ3266よりも長く、したがって、図55の長さ2266よりも長い。長さ4262は、長さ4266よりも長くてよい。代替的に、長さ4262は、長さ4266と実質的に同様であってよいが、図57の長さ3266よりは長い。したがって、図58のボール打面4212の溝4220の一部又は全部のうちの最も深い部分は、トウエンド190に向かって、図56のボール打面3212の溝3220の最も深い部分よりも伸びる。図58に示すボール打面4212を有するパターは、強い弧を描くパットストロークを有する個人にとって適切であり得る。
【0155】
図54図59の実施例によると、個人の能力を個人のパットストロークに基づいて最適化するように、パター上の溝を構成することができる。個人のパットストロークにおける弧の程度により、本明細書で説明する溝のうちの任意のものをパター上に提供して、溝の深さを一般に画定する溝の全部のうちのいくつかの部分が、パターの打面の中心部分からトウエンドにかけて、特定の長さで伸びて、パターを使用したときの個人の能力を最適化するようにする。したがって、溝の最も深い部分の長さを、個人のパットストロークにおける弧の程度に比例させることができる。たとえば、強く弧を描くパットストロークとわずかに弧を描くパットストロークとの間のパットストロークを有する個人に対して、溝の深さを一般に画定する溝の部分は、y軸からトウエンド190に向かって、ボール打面3212の溝3230と溝3232と溝3234と溝3236とよりも長いが、ボール打面4212の溝4230と溝4232と溝4034と溝4036とよりも短く、伸びることができる。図54図59の実施例では、溝の深さを画定する打面の中央部分の溝の部分は、個人のパットストロークのタイプに基づいて異なる。しかしながら、トップレール部分とソール部分との溝を含む打面上の溝の全部を、個人のパットストロークのタイプに基づいた上記の実施例にしたがって、構成することができる。さらに、図54図59の実施例による溝は、任意の形状又は構成を有することができる。たとえば、図54図59の実施例によるボール打面は、図5図7図10図12図15図17及び/又は図31図35の溝の実施例による溝断面形状を有することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0156】
図54図59の実施例によるゴルフクラブヘッド、ボール打面、及び/又は溝は、本明細書で説明する、方法のうちの任意のものによって、及び/又は材料のうちの任意のものを用いて、製造され得る。各溝は、約0.032インチ(0.081cm)の幅を有することができ、約0.003インチ(0.008cm)と約0.017インチ(0.043cm)との間の深さを有することができる。本明細書で詳細に説明する通り、ボール打面2212、ボール打面3212、又はボール打面4212の任意のものは、ゴルフクラブヘッド又はゴルフクラブヘッド内の対応する形状のくぼみへのインサートという形態であってよい。インサートは、基準面を画定し得るゴルフクラブヘッドのフェースの残りの部分と同一平面上にあってよい。したがって、ボール打面の溝は、ゴルフクラブヘッドの中にそれ、又は基準面の下である。代替的に、インサートの全部又は一部は、溝の全部又は一部が基準面の上に位置するように、基準面から突出することができる。パターなどの1つ又は複数のゴルフクラブで取り換え可能なボール打面を有することによって、ゴルフクラブヘッドのボール打面を、個人の能力を向上させるために、自身のパットスタイルに基づいて別のボール打面に交換することができる。たとえば、パットスタイルが特定の期間の間に変化した個人は、自身のパターのボール打面を、本開示による別のボール打面と交換し、パターが、個人の現在のパットスタイルにより良く合うようにすることができる。取り換え可能なボール打面を有する代わりに、図54図59の例示的溝を含む本明細書で説明する溝のうちの任意のものを、ゴルフクラブヘッド上に製造することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0157】
図60に示す別の実施例では、ボール打面5212は、(具体的には溝5222~溝5244として示す)溝5220を含むことができる。ボール打面5212は、パターフェース110の一体部分、又はパターフェース110に取り付けられる別の部分であってよい。したがって、ボール打面5212を説明するときには、パター100とパターヘッド102との部分を、上記で説明したものと同じ参照番号を用いて参照する。本明細書で説明する他の実施例と同様に、各溝5220の深さ、長さ、及び/又は幅は、パターヘッド102の、トウエンド180からヒールエンド190にかけて、及び/又はトップレール182からソール192にかけて、増加、減少、及び/又は変化することができる。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0158】
図61は、溝5232の概略平面図を示しており、図62は、以下で説明する溝5220の構成を例示するために、溝5232の水平断面を示している。溝5220の各々は、溝の垂直境界を画定する、第1の水平壁5256と第2の水平壁5258とを含む。各溝5220は、また、第1の端壁5250と第2の端壁5252とを含むことができる。溝5220の各々は、溝5220の深さ5255を画定する、底面5254を有する。各溝5220の深さ5255は、第1の壁5250から第2の壁5252にかけて、変化することができる。溝5220は、端壁を有しないことがあり、それは、各溝5220の深さが、底面5254がボール打面5212に触れるまで、徐々に減少し得るからである。溝に沿った任意の位置における第1の水平壁5256と第2の水平壁5258との間の距離は、その位置における溝5220の幅5280を画定する。第1の端壁5250と第2の端壁5252との間の距離は、溝5220の長さ5293を画定する。
【0159】
各溝5220の幅5280の変化に対する各溝5220の深さ5255の変化は、溝5220を製造するために使用される切削ツールに依存し得る。一実施例によると、溝の幅の変化は、溝の長さに沿った溝の深さの変化に類似であってよい。たとえば、溝の深さの1ミリの増加毎に、溝の幅も、また、1ミリずつ増加する。別の実施例によると、溝の深さは、溝の長さに沿った溝の幅の変化の倍数で変化し得る。たとえば、溝の深さが1ミリ増加する毎に、溝の幅は、0.5ミリずつ増加する。したがって、各溝の深さの変化は、各溝の長さに沿った各溝の幅の変化に線形に関連し得る。
【0160】
図63は、材料に溝を切るための切削ブレード5301を有する、典型的な切削ビット5300を示している。マシンは、切削ブレード5301が材料に穴を開けることができるように、切削ビット5300を回転させ、マシンは、切削される材料を動かし、又は切削ビット5300を動かして、溝を、移動の経路に沿って作る。切削ビット5300は、角度5302を有し、角度5302は、図64図65とに示す、切削ブレード5301によって切削される溝の角度5304を画定する。図63の例示的な切削ビットは、約90°の角度5302を有し、それは、図65に示す溝を、約90°の角度5304で切削することができる。図64は、約60°の溝角度5304を有する溝を示している。図64の溝を切るための(図示しない)切削ビットは、約60°の角度を有する切削ビットを有する。
【0161】
各溝の深さをy、各溝の幅をx、及び切削ブレードの角度をαで示すと、各溝の長さに沿った、各溝の深さと各溝の幅との関係を、以下によって表すことができる。
【数1】
【0162】
溝の長さに沿った、各溝の深さに対する各溝の幅の変化を、以下によって表すことができる。
【数2】
【0163】
方程式(2)によると、切削ブレード5301が約90°の角度を有するとき、溝の幅は、溝の深さに対して、溝の長さに沿って、2倍で変化する。たとえば、溝の深さが1ミリ増加する毎に、溝の幅は、2ミリずつ増加する。切削ブレードが60°の角度を有するとき、溝の幅は、溝の深さに対して、約1.15倍で変化する。たとえば、溝の深さが1ミリ増加する毎に、溝の幅は、1.15ミリずつ増加する。切削ブレードが30°の角度を有するとき、溝の幅は、溝の深さに対して、約0.54倍で変化する。たとえば、溝の深さが1ミリ増加する毎に、溝の幅は、約0.54ミリずつ増加する。したがって、切削ツールを用いて各溝を切ることは、溝の長さに沿って互いに対して線形に変化する、幅と深さとを有する溝を提供する。
【0164】
方程式(2)によると、図61に示す溝の幅形状は、図62による溝の深さ形状に類似の形状であってよい。言い換えると、溝が、1つの端壁5250又は端壁5252から溝の中心部分にかけて深くなるにつれて、溝の幅も、また、溝の角度又は切削ツールの角度に関連する倍数で増加する。したがって、溝の幅は、溝の長さに沿った溝の深さの変化に対して、線形に変化し、溝の幅形状及び深さ形状は、同様であってよい。
【0165】
方程式(2)によると、溝の幅の変化に対する溝の深さの変化は、線形である。しかしながら、溝の幅の変化に対する溝の深さの変化は、一定又は非線形であってよい。溝を製造するための1つ又は複数の切削ツールを使用して、溝の深さが、溝の幅の変化に対して、非線形の関係にしたがって、変化するようにすることができる。たとえば、溝の幅の変化に対する溝の深さの変化を、以下の方程式によって画定することができる。
【数3】
【0166】
方程式(3)によると、溝の幅は、溝の深さの平方根の2倍であり、以下の方程式によって表すことができる。
【数4】
【0167】
したがって、溝の深さの変化と幅の変化との間の関係は、非線形であってよい。別の実施形態によると、溝の深さ及び/又は断面形状は、変化することができるが、溝の幅は、一定のままであってよい。たとえば、溝は、溝の深さが溝の一端から溝の他方の端にかけて変化する一方で、溝の幅が一定のままである、正方形の断面形状を有することができる。別の実施例によると、溝の幅は、溝の一端から溝の他方の端にかけて、一定のままであってよいが、溝の断面形状及び/又は深さは、溝の一端から溝の他方の端にかけて、変化することができる。別の実施形態によると、溝の深さは、溝の一端から溝の他方の端にかけて、一定のままであってよいが、溝の幅は、溝の一端から溝の他方の端にかけて、変化する及び/又は一定のままである。
【0168】
図66図67とに示した別の実施例によると、溝5320の深さ5355は、溝の中心部分5356などの溝の部分に沿って、一定であってよい。したがって、溝の幅5380は、また、上記で詳細に説明した通り、溝5356の中心部分に沿って一定である。図66図67との溝5320を製造するために、切削ツール5300などの切削ツールは、溝の中心部分5356において一定の深さ5355で使用され、したがって、溝5320の中心部分5356において、一定の幅5380という結果になる。
【0169】
パターの重心近くでより深く、より広い溝を有する溝エリアは、より速い予測ボール速度を提供することができ、一方で、トー部分とヒール部分との近くのより浅く、より狭い溝エリアは、より遅い予測ボール速度を提供することができる。さらに、パターの中心部分におけるより大きな溝の幅及び深さは、ゴルフボールとの接点における質量を減らすことができ、それによって、各可能性のある接点における質点を同等とみなすことによって、ボール速度をパターフェース内で正規化し、中心からずれた当たり、トー、ヒール、ハイ、又はローでの当たりでも、ボール速度が、パターフェースの中心に当たった場合と一般に同じになるようにする。
【0170】
図63の切削ツールは、例示的な切削ツールである。異なる形状を有する他の切削ツールを使用することができ、したがって、異なる形状の溝という結果になる。図63の切削ツールは、V字型であり、これは、V字型溝という結果になる。しかしながら、(図示しない)U字型切削ツールは、U字型溝という結果になり得る。一実施形態によると、平坦な先又は先端を有する切削ツールを、底部が平坦な溝を製造するために使用することができる。たとえば、切削ツールは、とがった先の代わりに平坦な先を有するV字型切削ツールであってよい。したがって、平坦な底部を有するV字型溝を製造することができる。したがって、溝の底部は、実質的に、点(つまり、幅をほとんど有さない)から、溝の幅(つまり、長方形又は正方形の断面の溝形状)と同じ幅まで、であってよい。一実施例によると、溝の底部は、平坦であってよく、約0.003インチ(0.0076センチメートル)の幅を有することができる。平坦な底部を有する溝は、パット能力を向上させることができる。溝を、上記で説明した1つの切削ツール又は複数の切削ツールを使用することによって製造することができる。たとえば、複数の切削ツールを使用して1つの溝を製造し、溝の一端から溝の他方の端にかけて、異なる溝の断面形状及び/又は寸法を、提供することができる。
【0171】
図68~71を参照すると、パターヘッド1800は、複数の第1の湾曲溝1820及び第2の湾曲溝1822を有するボール打面1812を備えている。第1の溝1820の第1の湾曲方向1814は、第2の溝1822の第2の湾曲方向1816と概ね反対であってもよい。第1の溝1820の第1の湾曲方向1814及び第2の溝1822の第2の湾曲方向1816は、トウエンド1880からヒールエンド1890まで同じであってもよく(図71に示される)、又は、第1の溝1820の第1の湾曲方向1814及び第2の溝1822の第2の湾曲方向1816は、トウエンド1880からヒールエンド1890まで変化してもよい(図70に示される)。他の例では、第1の溝1820の第1の湾曲方向1814及び第2の溝1822の第2の湾曲方向1816は、ソール1892からトップレール1882まで同じであってもよく(図84に示される、又は、第1の溝1820の第1の湾曲方向1814及び第2の溝1822の第2の湾曲方向1816は、ソール1892からトップレール1882まで変化してもよい。第1の湾曲溝1820は、1つ以上の第2の湾曲溝1822に沿った任意の点又は複数の点で第2の湾曲溝1822と交差してもよい。溝1820,1822のそれぞれは、可変断面プロファイル、深さプロファイル、幅プロファイル、長さプロファイル、及び/又は、上述のパターヘッドの溝(例えば、1300及び1400)と同様な、トウエンド1880からヒールエンド付近まで及び/又はトップレール1882からソール1892までの他の溝特性など、別の溝と比較して異なる構成を有してもよい。例えば、第1の湾曲溝1820の深さは、1つ以上の溝毎にトップレール1882からソール1892まで次第に増加してもよい。本明細書に記載の装置、方法及び製品は、この点に関して限定されない。
【0172】
図72~75は、本発明の別の実施形態によるボール打面1500を有するパター100の別の例を示す。新しい実施形態を説明する場合、パター100のいくつかの部分は、上記と同じ参照番号で参照される。ボール打面1500は、複数のランド1515及び複数の楕円形溝1520を画定するパターン1510を含む。ランド1515及び楕円形溝1520は、最も内側のランド1516又は最も内側の楕円形溝1521の幾何学的中心1511で始まる。ランド1515と楕円形溝1520は、幾何学的中心1511から外向きに交互に続いている。幾何学的中心1511は、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190及びソール192に対して位置合わせされるボール打面1500に対して位置決めされる。幾何学的中心1511は、パターヘッド102の実際の幾何学的中心であっても、そうでなくてもよい。
【0173】
図72に示すように、ボール打面1500は、複数のランド1515及び複数の楕円形溝1520を画定するパターン1510を含む。図に示すように、ボール打面1500は、7つのランド1515と7つの楕円形溝1520を含む。しかしながら、他の実施形態では、ボール打面1500は、図示された7つのランド1515よりも多い又は少ないランド1515を含むことができ、図示された7つの楕円形溝1520より多い又は少ない楕円形溝1520を含むことができる。例えば、ボール打面1500は、1個の楕円形溝、1個のランド1515、2個の楕円形溝、2個のランド1515、3個の楕円形溝、3個のランド1515、4個の楕円形溝、4個のランド1515、5個の楕円形溝、5個のランド1515、6個の楕円形溝、6個のランド1515、7個の楕円形溝、7個のランド1515、8個の楕円形溝、8個のランド1515、9個の楕円形溝、9個のランド1515、10個の楕円形溝、10個のランド1515、11個の楕円形溝、11個のランド1515、12個の楕円形溝、12個のランド1515、又は、それ以上を含むことができる。
【0174】
図72に示すように、パターン1510は、長軸1560と短軸1564を規定する。長軸1560は、楕円形溝1520が最も大きい直径で測定される場所であり、一方、短軸1564は、楕円形溝1520が最も小さい直径で測定される場所である。長軸は、幾何学的中心1511を通り、トウエンド180からヒールエンド190まで伸びている。短軸1564は、幾何学的中心1511を通り、トップレール182からソール192まで伸びている。他の実施形態では、長軸1560は、幾何学的中心1511を通り、トップレール182およびソール192に沿って伸びてもよく、一方、短軸1562は、幾何学的中心1511を通り、トウエンド180を通ってヒールエンド190まで伸びてもよい。
【0175】
図73~75に示されるように、楕円形溝1520のそれぞれは、ボール打面1500の表面に対する楕円形溝1520の深さを画定する底面1554を有する。楕円形溝1520の深さは、0.001インチから0.020インチ(例えば、0.002、0.004、0.006、0.008、0.010、0.012、0.014、0.016、0.018又は0.020)の範囲であり得る。楕円形溝1520の深さは、ボール打面1500の全体にわたって変化する。楕円形溝1520の深さは、楕円形溝1520がトップレール182から幾何学中心1511に移動するにつれて次第に増加し、楕円形溝が幾何学中心1511からソール192に移動するにつれて次第に減少する。同様に、楕円形溝1520の深さは、楕円形溝1520がトウエンド180から幾何学中心1511に移動するにつれて次第に増加し、楕円形溝1520が幾何学中心1511からヒールエンド190に移動するにつれて次第に減少する。幾何学的中心1511の楕円形溝は最大の深さを有し、トウエンド180、ヒールエンド190、トップレール182及びソール192の近くの楕円形溝は最も浅い深さを有する。楕円形溝1520は、ボール打面1500上の垂直軸yに垂直な水平軸xに関して対称であってもよい。楕円形溝1520の深さは、トップレール182とソール192で類似していてもよい。同様に、楕円形溝1520の深さは、トウエンド180とヒールエンド190で類似していてもよい。
【0176】
一実施形態では、楕円形溝1520の深さは、個々の楕円形溝1520ごとに均一な深さを有してもよいが、1つの楕円形溝1520から次に外側の楕円形溝1520まで変化してもよい。他の実施形態では、楕円形溝1520の深さは、個々の楕円形の溝1520内で変化してもよい。溝がトウエンド180及びヒールエンド190に向かって移動するにつれて、1つの楕円形溝1520内において深さが徐々に減少してもよい。長軸1560がトップレール182とソール192に沿って伸び、短軸がトウエンド180とヒールエンド190に沿って伸びる例では、クラウンとフェースとソール192の境界において、深さがトップレール182に向かって徐々に減少してもよい。溝が幾何学的中心1511から遠ざかるにつれて、次に最も外側の楕円形溝1520は、同じ変化する深さパターンに従うが、全体的に浅くなってもよい。図74及び図75に示されるように、楕円形溝1521,1522は、最も深い深さを有する楕円形溝1521及び最も浅い深さを有する楕円形溝1527を有する楕円形溝1526,1527よりも大きく変化する深さを有し得る。
【0177】
楕円形溝1520のそれぞれは、内側境界線1530と外側境界線1540を有する。内側境界線1530は、楕円形溝1520の幾何学的中心1511に最も近い境界線である。外側境界線1540は、楕円形溝1520の幾何学的中心1511から最も遠い境界線である。楕円形の溝1520の内側境界線1530から外側境界線1540までは、幅1580を画定する。楕円形溝1520の幅1580は、約0.001インチから約0.035インチ(例えば、0.001、0.005、0.010、0.015.0.020、0.025、0.030、又は、0.035)の間の範囲であり得る。幅1580は、楕円形溝1520内で一定であってもよい。幅1580はまた、楕円形溝1520内で変化してもよい。さらに、幅1580は、ボール打面1500上の全ての楕円形溝1520で一定に保つことができる。幅は、ボール打面1500上の楕円形溝1520毎に変化してもよい。一実施形態では、幅1580は、最も内側の楕円形溝1520から最も外側の楕円形溝1520まで増加してもよい。例えば、楕円形溝1は0.015インチの幅を有してもよく、楕円形溝7は0.035インチの幅を有してもよい。別の実施形態では、幅1580は、最も内側の楕円形溝1520から最も外側の楕円形溝1520まで減少してもよい。他の実施形態は、各楕円形溝1520内、及び、楕円形溝1520毎において、一定幅および可変幅の両方の任意の組み合わせを含むことができる。
【0178】
隣り合う楕円形溝1520の内側境界線1530に対する1つの楕円形溝の外側境界線1540は、ランド1515を画定する。ランド1515は、ボール打面1500上の各楕円形溝1520の間の部分であり、厚さを規定する。図72に示すように、幾何学的中心1511は、ランド1515に形成される。幾何学的中心1511のランドは中実の円筒形であり、幾何学的中心1511からさらに移動すると、各ランド1515がより大きな内径および外径を有する円筒形である。
【0179】
一実施形態では、ランド1515のそれぞれの厚さは、パターン1510の全体で一定であってもよい。別の実施形態では、ランド1515のそれぞれの厚さは、パターン1510の全体にわたって変化してもよい。さらに、ランド1515の厚さは、各楕円形溝1520間で一定であってもよいし、各楕円形溝1520間で変化してもよい。ランド1515のそれぞれの厚さは、約0.001インチから約0.050インチの範囲であり得る。一例では、ランド1515は、幾何学的中心1511から最も外側の楕円形溝1527に移動するに毎に増加してもよい。別の例では、ランド1515は、幾何学的中心1511から最も外側の楕円形溝1527に移動する毎に減少してもよい。増加分は、0.001、0.005、0.010、0.015.0.020、0.025、0.030、又は、0.035インチである。他の実施形態は、各楕円形溝1520の間、及び、楕円形溝1520から隣り合う楕円形溝1520までの一定のランド面積と変動するランド面積の両方の任意の組み合わせを含むことができる。
【0180】
上述したように、図24~26は、図72の切断線30-30から見た楕円形溝1520の幾何学的断面形状を示す。図24では、楕円形溝1520の幾何学的断面形状が、箱形、長方形又は正方形である。図25では、楕円形溝1520の幾何学的断面形状が、V字形である。図26では、楕円形溝1520の幾何学的断面形状が、U字形である。幾何学的断面形状は、楕円形溝1520内で一定のままであってもよい。幾何学的断面形状はまた、楕円形溝1520内で変化してもよい。例えば、楕円形溝1520は、時計回りに移動するトップレール182からソール192までの正方形の幾何学的断面形状、及び、時計回りに移動するソール192からトップレール182までのU字形の幾何学的断面形状を有してもよい。さらに、楕円形溝1520の幾何学的断面形状は、楕円形溝1520ごとに変化してもよい。例えば、1つの楕円形溝1520がU形状の幾何学的断面形状を有してもよく、次の楕円形溝1520がV字形の幾何学的断面形状を有してもよい。他の実施形態は、各楕円形溝1520内および楕円形溝1520ごとの3つの幾何学的断面形状の任意の組み合わせを含むことができる。
【0181】
楕円形溝1520によって作成される変化する深さパターンは、ボールに伝達される運動エネルギーに減衰効果をもたらす。深さが大きいほど、より多くの運動エネルギーが吸収される。対して、深さが小さいほど、運動エネルギーの吸収が少なくなる。楕円形溝1520の深さは幾何学的中心1511の近くで最大であることから、幾何学的中心1511の近くは減衰が最大の場所である。楕円形溝1520が幾何学的中心1511から離れて深さが浅くなると、減衰が減少する。楕円形溝1520におけるこの変化する深さパターンは、ボール打面1500に亘って一貫したボール速度を可能にする。例えば、ボール打面1500がトウエンド180、幾何学的中心1511及びヒールエンド190でボールを打ったときに、ボールは同様の速度となる。
【0182】
図76~80は、本発明の他の実施形態であるボール打表面1620を備えたパター100の別の例を示している。新しい実施形態を説明する場合、パター100のいくつかの部分は、上記と同じ参照番号で参照される。ボール打表面1612は、底面1616から延びる複数の突出部1640を含む。底面1616は、図78-80に示されるように、輪郭付けられている。底面1616は、ボール打撃面1612の中央範囲1618にくぼみ又は凹部を含む。図77に示すように、中央範囲1618は卵形であってもよい。他の実施形態では、中央範囲1618は、円、卵形又は他の適切な形状として画定されてもよい。
【0183】
突出部1640は円錐台形であり、高さおよび幅が可変である。突出部1640はさらに、基部1620及び上面1624を含む。基部1620は底面1616に接続され、上面1624はボール打面1612の平坦面を形成する。突出部1640は、ボール打面1612の幾何学的中心1611から外側に広がっている。幾何学的中心1611は、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190及びソール192と位置合わせされるボール打面1612に対して位置決めされる。幾何学的中心1611は、パターヘッド102の実際の幾何学的中心であっても、そうでなくてもよい。
【0184】
図76に示されるように、ボール打面1612は、x軸1628及びy軸1632を規定する。x軸1628は、幾何学的中心1611を通り、トウエンド180からヒールエンド190まで伸びている。y軸1632は、幾何学的中心1611を通り、トップレール182を通ってソール192まで伸びている。突出部1640の特性は、x軸1628、y軸1632、又はx軸1628とy軸1632の両方に関して鏡映されてもよい。
【0185】
図79、80に示されるように、突出部1640は、高さ及び幅が変化する。幾何学的中心において、突出部1640は、幾何学的中心1611からさらに離れた突出部よりも高い高さを有する。言い換えれば、突出部1640の高さは、幾何学的中心からトウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190及びソール192に向かって外側に移動するときに徐々に変化する。
【0186】
突出部1640の高さ1644は、底面から上面1624までで測定される。各突出部1640の高さ1644は、底面1616に依存する。底面1616の輪郭が変化するにつれて、突出部1640の高さ1644も変化し得る。例えば、底面1616のくぼみ又は凹部では、突出部の高さ1644が最大である。多くの実施形態では、高さ1644は幾何学的中心1611で最大であり、突出部1640が幾何学的中心1611から離れるにつれて減少する。トウエンド180での突出部1640の高さ1644は、ヒールエンド190での突出部の高さ1644と同一又は類似であってもよい。トップレール182での突出部の高さ1644は、ソール192での突出部の高さ1644と同一又は類似であってもよい。トウエンド180、ヒールエンド190、トップレール182及びソール192における突出部の高さ1644は、同一又は類似であってもよい。さらに、突出部1640の高さ1644は、約0.001インチから0.020インチ(例えば、0.002、0.004、0.006、0.008、0.010、0.012、0.014、0.016、0.018又は0.020インチ)の範囲であり得る。
【0187】
加えて、突出部1640は、幾何学的中心において隣接する突出部間により大きいギャップ又は距離1636を有する。幾何学的中心1611からさらに離れると、隣接する突出部1640間の距離1636は徐々に小さくなる。また、言い換えれば、突出部間の距離は、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190及びソール192に向かって幾何学的中心から外側に移動すると徐々に変化する。距離1636は、突出部1640の各上面1624間の空間として示されている。突出部1640間の距離1636は、基部1620が上面1624に向かって先細りになる円錐台形の表面によって作り出される。突出部1640のテーパーが大きくなるほど、隣接する突出部1640間の距離1636が大きくなる。同様に、突出部1640のテーパーが少ないほど、隣接する突出部1640間の距離が小さくなる。
【0188】
図79および80に示されるように、各突出部1640は、突出部の円錐台形状のために、その高さに沿って変化する直径1648を含む。各突出部の基部1620における直径1648が最大であり、上面1624に向かって小さくなる。各突出部1640の直径は、各突出部の高さ1644と相関している。高さ1644が大きいほど、突出部1640のテーパーが大きくなり、上面1624における直径1648が小さくなる。多くの実施形態では、上面1624の直径1648は、幾何学的中心1611で最小である。突出部1640が幾何学的中心1611からさらに離れるにつれて、上面1624の直径1648は徐々に大きくなり得る。トウエンド180における突出部1640の上面1624の直径1648は、ヒールエンド190における突出部1640の上面1624の直径1648と同一又は類似であってもよい。トップレール182における突出部1640の上面1624の直径1648は、ソール192における突出部1640の上面1624の直径1648と同一又は類似であってもよい。トウエンド180、ヒールエンド190、トップレール182及びソール192における突出部の上面1624の直径1648は、同一又は類似であってもよい。上面1624の直径1648は、約0.001インチから0.035インチ(例えば、0.005、0.010、0.015、0.020、0.025、0.030又は0.035インチ)の範囲であり得る。
【0189】
他の構造では、突出部1640は、代替の形状および断面1652を備えてもよい。断面1652は、任意の適切な形状(例えば、円形、三角形、五角形、六角形など)のものであり得る。
【0190】
突起1640の上面1624の距離1636、高さ1644及び直径1648は、ゴルフボールに伝達される運動エネルギーに減衰効果をもたらす。距離1636が大きく、高さ1644が大きいほど、より多くの運動エネルギーが吸収される。同様に、距離1636が小さく、高さ1644が小さいほど、吸収される運動エネルギーは少なくなる。あるいは、直径が大きいほど、運動エネルギーの吸収が少なくなる。直径が小さいほど、より多くの運動エネルギーが吸収される。幾何学的中心1611の近くで距離1636及び高さ1644が最大であり、直径1648が最小であるため、幾何学的中心1611の近くは減衰が最大の場所である。幾何学的中心1611からより遠くに移動して距離1636及び高さ1644が減少し、直径が増加すると、減衰が減少する。突出部1640の変化する特性は、ボール打表面1612に亘って一貫したボール速度を可能にする。例えば、ボール打表面1612がトウエンド180、幾何学的中心1611及びヒールエンド190でボールを打ったときに、ボールは同様の速度となる。

フェース・インサート
【0191】
多くの実施形態では、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサートを備えることができる。様々なフェース・インサートの実施形態は、上述のような溝を有することができる(すなわち、変化する幅、変化する深さ、又は、変化する幅及び深さ)。以下の実施形態を説明するとき、パター100のいくつかの部分は、上記と同じ参照番号で参照される。パターゴルフクラブヘッドは、フロントエンド196、フロントエンド196の反対側のリアエンド194、トウエンド180、トウエンド180の反対側のヒールエンド190、トップレール182、トップレール182の反対側のソール192、及び、フロントエンド196とソール192の間に位置する前縁を含む。パターゴルフクラブヘッドの外表面は、凹部を形成することができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、パタータイプのゴルフクラブヘッドのトップ壁、トウ壁、トウ壁の反対側のヒール壁、及び、後壁は、凹部を形成することができる。いくつかの実施形態では、パターゴルフクラブヘッドのトップ壁、トウ壁、トウ壁の反対側のヒール壁、後壁、及び、トップ壁の反対側のボトム壁は、凹部を形成することができる。パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196は、ゴルフボールを打つように構成され得る。パターゴルフクラブヘッドの凹部は、フロントエンド196の後方にリアエンド194に向かって延びることができる。
【0192】
パターゴルフクラブヘッドの凹部は、フロントエンド196からリアエンド194までの垂直距離として測定される深さを含む。多くの実施形態では、凹部の深さは0.150から0.250インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、凹部の深さは、0.150から0.200インチ、0.150から0.220インチ、0.150から0.240インチ、0.160から0.200インチ、0.160から0.220インチ、0.160から0.240インチ、0.160から0.250インチ、0.170から0.200インチ、0.170から0.220インチ、0.170から0.240インチ、0.170から0.250インチ、0.180から0.200インチ、0.180から0.220インチ、0.180から0.240インチ、又は、0.180から0.250インチの範囲であり得る。例えば、凹部の深さは、0.150、0.160、0.170、0.180、0.190、0.200、0.210、0.220、0.230、0.240、0.250インチとすることができる。
【0193】
他の実施形態では、凹部の深さは、0.20から0.80インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、凹部の深さは、0.20から0.50インチ、0.30から0.60インチ、0.40から0.70、又は、0.50から0.80インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、凹部の深さは、0.20から0.40インチ、0.30から0.50、0.40から0.60インチ、0.50から0.70インチ、又は、0.60から0.80インチの範囲であり得る。例えば、凹部の深さは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、又は、0.80インチとすることができる。
【0194】
パターゴルフクラブヘッドの凹部は、フェース・インサートを受け入れるように構成され得る。多くの実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドの凹部と相補的な形状であってもよい。他の実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドの凹部と相補的な形状でなくてもよい。凹部がフェース・インサートを受け入れると、フェース・インサートが凹部の後壁に当接する。多くの実施形態において、フェース・インサートは、テープ、非常に強い接着テープ、接着剤、エポキシ、又は、任意のタイプの接着剤化合物などの接着剤によって凹部に接合することができる。他の実施形態では、フェース・インサートは、留め具又はピン(図示せず)によって凹部に結合することができる。他の実施形態では、フェース・インサートは、圧入又は摩擦嵌めによって凹部に結合することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートは、アンダーカット又は複数のフック構造などの機械的インタロック構造で凹部に結合することができる。
【0195】
フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196、ソール192、ヒールエンド190、トウエンド180、トップレール182、又は、これらの任意の組み合わせの一部を形成することができる。多くの実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196及びソール192の一部を形成する。他の実施形態では、フェース・インサートは、フロントエンド19の一部のみを形成する。他の実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196、ソール192及びトップレール182の一部を形成する。
【0196】
多くの実施形態では、フェース・インサートは、凹部の深さに対応する厚さを含む。凹部の深さと同様に、フェース・インサートの厚さは、パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196からリアエンド194までの垂直距離として測定される。多くの実施形態では、フェース・インサートの厚さは、0.150から0.250インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサートの厚さは、0.150から0.200インチ、0.150から0.220インチ、0.150から0.240インチ、0.160から0.200インチ、0.160から0.220インチ、0.160から0.240インチ、0.160から0.250インチ、0.170から0.200インチ、0.170から0.220インチ、0.170から0.240インチ、0.170から0.250インチ、0.180から0.200インチ、0.180から0.220インチ、0.180から0.240インチ、又は、0.180から0.250インチの範囲であり得る。例えば、フェース・インサートの厚さは、0.150、0.160、0.170、0.180、0.190、0.200、0.210、0.220、0.230、0.240、0.250インチとすることができる。
【0197】
他の実施形態では、フェース・インサートの厚さは、0.20から0.80インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサートの厚さは、0.20から0.50インチ、0.30から0.60インチ、0.40から0.70、又は、0.50から0.80インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサートの厚さは、0.20から0.40インチ、0.30から0.50、0.40から0.60インチ、0.50から0.70インチ、又は、0.60から0.80インチの範囲であり得る。例えば、フェース・インサートの厚さは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、又は、0.80インチとすることができる。多くの実施形態では、凹部の深さは、フェース・インサートの厚さと同じにすることができる。いくつかの実施形態では、凹部の深さは、フェース・インサートの厚さと異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、凹部の深さは、フェース・インサートの厚さより大きくすることができ、逆もまた同様である。いくつかの実施形態では、凹部の深さは、フェース・インサートの厚さより小さくすることができ、逆も同様である。
【0198】
多くの実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196及び/又はソールの一部を形成することができる。多くの実施形態では、フェース・インサートは、フロントエンド196の70%以上を形成することができる。 いくつかの実施形態では、フェース・インサートは、フロントエンド196の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は、100%を形成することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートは、フロントエンド196の75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以上を形成することができる。多くの実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのソールの少なくとも10%を形成することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのソールの少なくとも12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、25%、26%、28%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%又は80%を形成することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートは、パターゴルフクラブヘッドのソールの10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%又は80%以上を形成することができる。
【0199】
多くの実施形態では、フェース・インサートは、ポリマータイプの材料を含むことができる。ポリマータイプの材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、又は、他のポリマータイプの材料を含むことができる。多くの実施形態では、フェース・インサートは、PEBAXを含むことができる。より具体的には、PEBAXは、ポリエーテルブロックアミドであり、柔軟性のあるポリエーテルと硬質ポリアミドで作られた熱可塑性エラストマーである。硬質ポリアミドはナイロンを含むことができる。PEBAXは、異なるショアD硬度値、ポリエーテルの割合及び/又はポリアミドの割合に対応するさまざまな化合物を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAXは、PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)又はPEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)を含むことができる。PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)は、53重量%のテラメチレンオキシドとナイロン12を備えている。PEBAX 6333(フランス、パリのアルケマ)は、ナイロン11を備えている。
【0200】
PEBAXは、体積においてある割合のポリエーテルを含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAXは、体積で0%から10%、10%から20%、15%から30%、20%から30%、30%から40%、30%から50%、30%から60%、40%から50%、40%から60%、50%から60%、又は、60%から70%のポリエーテルを含むことができる。例えば、PEBAXは、体積で0%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、又は、70%のポリエーテルを含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAXは、体積で0%から10%、10%から20%、15%から30%、20%から30%、30%から40%、30%から50%、40%から50%、40%から60%、50%から60%、又は、60%から70%のポリアミドを含むことができる。例えば、PEBAXは、体積で0%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、又は、70%のポリアミドを含むことができる。ポリエーテルの割合が増加すると、PEBAXの硬度が低下する。ポリアミドの割合が増加すると、PEBAXの硬度が増加する。例えば、PEBAX 4033(フランス、パリのアルケマ)は、体積で40%から60%のポリエーテルと体積で15%から30%のポリアミドを含むことができる。PEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)は、体積で15%から30%のポリエーテルと体積で40%から60%のポリアミドを含むことができる。
【0201】
多くの実施形態では、PEBAXはショアD25からショアD75までの範囲の硬度を含むことができる。いつかの実施形態では、PEBAXの硬度は、ショアD25からショアD35、ショアD35からショアD45、ショアD36からショアD44、ショアD38からショアD42、ショアD45からショアD55、ショアD55からショアD65、ショアD5からショアD64、ショアD60からショアD65、又は、ショアD65からショアD75の範囲であり得る。例えば、PEBAXの硬度は、ショアD25、30、35、40、45、50、55、60、65又は70であり得る。
【0202】
多くの実施形態では、PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)は、PEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)よりも低い硬度を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)は、ショアD35からショアD55の範囲の硬度を含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)は、ショアD38からショアD42、又は、ショアD39からショアD41の範囲の硬度を含むことができる。例えば、PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)は、40のショアDの硬度を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)は、ショアD50からショアD75の範囲の硬度を含むことができる。いくつかの実施形態では、PEBAX 6333(フランス、パリのアルケマ)は、ショアD55からショアD70、又は、ショアD60からショアD65の範囲の硬度を含むことができる。例えば、PEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)は、63のショアDの硬度を含むことができる。
【0203】
いくつかの実施形態では、フェース・インサートは、スチール、スチール合金、タングステン、タングステン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、バナジウム、バナジウム合金、クロム、クロム合金、コバルト、コバルト合金、ニッケル、ニッケル合金、その他の金属、その他の金属合金、複合ポリマー材料、又は、それらの組み合わせなどの材料を含むことができる。
【0204】
フェース・インサートは、さまざまなプロセスで形成することができる。さまざまな成形プロセスには、射出成形、キャスティング、ブロー成形、圧縮成形、共成形、レーザー成形、フィルムインサート成形、ガスアシスト成形、回転成形、熱成形、レーザー切断、3-D印刷、鍛造、スタンピング、電鋳、機械加工、成形、又は、それらの任意の組み合わせを含む。さらに、フェース・インサートは、上記の厚さ及び成形プロセスの任意の組み合わせを有することができる。

単一部品のフェース・インサート
【0205】
いくつかの実施形態では、フェース・インサートは、単一部品システムを含むことができる。これらの実施形態では、フェース・インサートは、ボール打面プレート、又は、任意の他の単一部品を含むことができる。単一部品システムを含むフェース・インサートは、上記の溝を含むことができる。
【0206】
図85~88は、パター1700の別の実施形態を示している。パター1700は、パターヘッド1702を備えている。したがって、パターヘッド1702を説明するとき、パターヘッド102の部分は、上記と同じ参照番号で参照することができる。パターヘッド1702は、パターフェース1710を備え、パターフェース1710は、凹部1712を備えている。他の例では、パターヘッドはさらに、トップレール182又はソール192に配置されたスロット(図示せず)を含むことができ、スロットは凹部1712内に一体的に延びている。
【0207】
図86に示されるように、凹部1712は、平坦面1716と周囲1718とを含む。いくつかの例では、凹部1712の平坦面1716は、穴1722を含むことができる。穴1722は直径を含み、ねじ切りをさらに備えることができる。他の例では、凹部1712の周囲1718はリップ(図示せず)を備えることができ、リップは周囲1718全体に沿って延びることができる。さらに他の例では、リップは周囲1718の一部に沿って延びることができる。例えば、リップは、トップレール182及びソール192に沿って延びることができる。さらに、凹部1712は、フェース・インサート1726を受け入れることができる。
【0208】
図87A,87Bに示されるように、フェース・インサート1726は、ボール打表面1728と、ボール打表面1728の反対側の背面1730とを含む。図85に示すように、ボール打表面1728は、トウエンド180近傍のトウ部分1770、ヒールエンド190近傍のヒール部分1774、及び、トウ部分1770とヒール部分1774の間に位置する中心部分1772の3つの部分に水平方向に分けられる。図87Aに示されるように、ボール打表面プレートはさらに、トップレール182近傍のトップレール部分1776、ソール192近傍のソール部分1780、及び、トップレール部分1776とソール部分1780との間に位置する中央部分である3つの部分に垂直方向に分けられる。フェース・インサート1726のボール打表面1728は溝を含むことができる。溝は、パター100の溝の例と同様の特徴を含むことができる。より具体的には、溝は、すべてのボール打面/ボール打表面112、212、312、412、512、612、712、1012、1412、1500、1612、1812、2212、3212、4212及び5212の溝に類似していてもよい。溝は深さを備え、溝の深さは、トウ部分1770からヒール部分1774に向かって、及び、トップレール部分1776からソール部分1780に向かって変化する。溝の深さは、トウ部分1770及びヒール部分1774から中心部分1772に向かって増加する。同様に、溝1720の深さは、トップレール部分1776及びソール部分1780から中央部分1778に向かって増加する。溝1720の最も深い部分は、溝1720の中心部分1772及び中央部分1778にある。例示的な実施形態における溝1720の変化する深さは、ボール打表面1728に亘ってより標準化された打撃を許容することによって寛容性を増加する。
【0209】
フェース・インサート1726の背面1730は、円筒状突出部1732を含むことができる。円筒状突出部1732は、凹部1712の穴1722の直径に等しい直径を含む。さらに、円筒状突出部1732は、穴1722と相補的である。フェース・インサート1726が凹部1712に結合されると、円筒状突出部1732は、穴1722と同心に整列することができる。さらに、フェース・インサート1726は、凹部1712と相補的であり、フェース・インサート1726のボール打表面1728は、凹部1712内に結合されたときにパターフェース1710と同一平面にある。
【0210】
フェース・インサート1726はさらに、幅1734及び長さ1736をさらに含む。図87Aでは、フェース・インサート1726の幅1734は、フェース・インサート1726の第1の側面1737からフェース・インサート1726の第2の側面1738までで測定された距離である。フェース・インサート1726の幅1734は、1.65インチから2.10インチの範囲であり得る。例えば、フェース・インサート1726の幅1734は、1.68インチ、1.72インチ、1.76インチ、1.80インチ、1.84インチ、1.88インチ、1.92インチ、1.96インチ、又は2.00インチとすることができる。一例では、フェース・インサート1726の幅1734は1.68インチとすることができ、これはほぼボールの直径である。フェース・インサート1726が1.68インチの幅1734を含む例では、幅はボールを整列させる視覚的補助として機能することができる。
【0211】
図87Bに示されるように、フェース・インサート1726の長さ1736は、フェース・インサート1726のトップエンド1740からフェース・インサート1726のボトムエンド1742までで測定された距離である。図85に示されるように、フェース・インサート1726の長さ1736は、ソール192からパターヘッド1702のトップレール182までの完全な距離に及ぶことができ、トップエンド1740はトップレール182の一部を形成することができ、ボトムエンド1742はソール192の一部を形成することができる。いくつかの例では、フェース・インサート1726の長さ1736は、トップレール182からソール192近傍までに及ぶことができ、図88に見られるように、トップエンド1740はトップレール182の一部を形成することができる。他の例では、フェース・インサート1726の長さ1736は、ソール192からレール182近傍まで及ぶことができ、ボトムエンド1742はソール192の一部を形成することができる。フェース・インサート1726の長さ1736は、パターフェース1710又はボール打表面1728の周囲1744の代わりに、インパクトのときにボールがフェース・インサート1726に一貫して衝突することを可能にする。インパクトのときのフェース・インサート1726に一貫して当たるボールは、一貫した感触を可能にする。
【0212】
他の例では、フェース・インサート1726はさらに、エッジ・インデントを含むことができる。エッジ・インデントは、ボール打表面1728の全周囲1744に沿って延びることができる。他の例では、エッジ・インデントは、ボール打表面1728の周囲1744の一部に沿って延びることができる。例えば、エッジ・インデントは、第1の側面1737および第2の側面1738に沿って延びることができる。別の例では、エッジ・インデントは、第1の側面1737、ボトムエンド1742及び第2の側面1738に沿って延びることができる。さらに、エッジ・インデントは、凹部1712のリップを補完するものである。
【0213】
一例では、フェース・インサート1726は、エポキシ、接着剤、テープ、又は他の固定化合物などの接着剤によってパターフェース1710の凹部1712に結合することができる。フェース・インサート1726はさらに、穴1722内に配置された円筒状突出部1732の圧縮嵌めにより凹部1712に結合することができる。
【0214】
別の例では、フェース・インサート1726をスロットに挿入することにより、フェース・インサート1726を凹部1712に結合することができる。次に、シート(図示せず)をスロットに挿入し、フェース・インサート1726と凹部1712の間に配置することができ、ソール1922/トップレール182は凹部1712内に配置されたフェース・インサート1726とシートと同一面になる。シートは、フェース・インサート1726のエッジ・インデントを凹部1712のリップに対して圧縮し、フェース・インサート1726を凹部1712内に固定する。シートは、凹部1712内に結合されたときにシートの露出面上に配置された湾曲開口(図示せず)を含むことができる。湾曲した開口は、スロットからシートを取り外すための抜き取りツールを受け入れることができる。シートを取り外すことにより、フェース・インサート1726を凹部1712内で緩めることができ、その後、取り外して異なる材料のフェース・インサート1726と交換することができる。異なる材料のフェース・インサート1726は、衝撃時の異なる感触と音を可能にする。
【0215】
フェース・インサートは、スチール、タングステン、アルミニウム、チタン、複合材、その他の金属、金属合金、ポリマー、又は、その他の材料で形成されていてもよい。シートはまた、スチール、タングステン、アルミニウム、チタン、複合材料、他の金属、金属合金、ポリマー、又は、他の材料で形成されていてもよい。さらに、シートは減衰材料であってもよい。さらになお、シートは、いくつかの例ではフェース・インサートと同じ材料であってもよく、又は、他の例では別の材料で形成されていてもよい。
【0216】
別の実施形態では、図89,90に示されるように、パターゴルフクラブヘッド6000は、フロントエンド196、リアエンド194、トウエンド184、ヒールエンド190、トップレール182、ソール192及び前縁6015を備えている。パターゴルフクラブヘッド6000の外表面は、凹部6022を形成する。より具体的には、パターゴルフクラブヘッド6000のトップ壁6023、トウ壁6024、トウ壁6024の反対側のヒール壁6025、及び、後壁6026のすべては、凹部6022を形成する。パターゴルフクラブヘッド6000の凹部6022は、フロントエンド196からリアエンド194に向かって後方に延びることができる。
【0217】
パターゴルフクラブヘッド6000は、フェース・インサート6010を備えることができる。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド6000のフェース・インサート6010は、ボール打面プレート6012を含むことができる。ボール打面プレート6012は、フロント打表面6011と、フロント打表面6011の反対側のリア表面6013とを含むことができる。ボール打面プレート6012のフロント打表面6011は、上述の溝と同様の溝6020を含むことができる。ボール打面プレート6012のリア表面6013は、凹部6022の後壁6026に隣接し、当接する。多くの実施形態では、フェース・インサート6010は、接着剤6016によって凹部6022に結合することができる。接着剤6016は、フェース・インサート6010と凹部6022の間にあり得る。接着剤6016は、上述の接着剤と同様であり得る。多くの実施形態では、フェース・インサート6010は、フロントエンド196及びソール192の一部を形成することができる。
【0218】
多くの実施形態において、フェース・インサート6010は、フェース・インサートのないパターフェースよりもゴルフボールインパクトのときにより柔らかく独特な音/感触という利点を提供することができる。ゴルフボールインパクトのときのより柔らかく独特の音/感触は、フェース・インサート6010の硬度及び材料に対応する。フェース・インサート6010の材料及び硬度は、上記の材料及び硬度と同様であり得る。柔らかな感触と音は、プレーヤにとって心地よく、他のゴルフクラブのヘッドが大きな衝撃音で引き起こす気を散らすものを防ぐことができる。ゴルフボールインパクトのときのこの柔らかく独特な音/感触は、プレーヤの精神的な集中を助け、プレーヤのスコアを向上させることができる。

多部品フェース・インサート
【0219】
いくつかの実施形態では、フェース・インサートは二部品システムを備えることができる。これらの実施形態では、フェース・インサートの二部品システムは、ボール打面プレートとフェース・インサート・ベース、ポリマー材料とフレーム、又は、複数の開口部を含むことができる。二部品システムを含むフェース・インサートは、上述の溝を含むことができる。

ボール打面プレートとフェース・インサート・ベース
【0220】
一実施形態では、フェース・インサートは二部品システムを備えることができる。二部品システムは、ボール打面プレートとフェース・インサート・ベースを備えることができる。フェース・インサートのボール打面プレートは、第一の材料を含むことができる。フェース・インサートのフェース・インサート・ベースは、第2の材料を含むことができる。多くの実施形態では、ボール打面プレートの第1の材料とフェース・インサート・ベースの第2の材料は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの第1の材料とフェース・インサート・ベースの第2の材料は同一でもよい。多くの実施形態では、ボール打面プレートの第1の材料は、ポリマータイプの材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの第1の材料は、金属材料を含むことができる。多くの実施形態では、フェース・インサート・ベースの第2の材料は、ポリマータイプの材料を含むことができる。
【0221】
第1の材料又は第2の材料は、ポリマータイプの材料を含むことができる。ポリマータイプの材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、又は、他のポリマータイプの材料を含むことができる。多くの実施形態では、フェース・インサートは、PEBAXを含むことができる。より具体的には、PEBAXは、ポリエーテルブロックアミドであり、柔軟性のあるポリエーテルと硬質ポリアミドで作られた熱可塑性エラストマーである。硬質ポリアミドはナイロンを含むことができる。PEBAXは、異なるショアD硬度値、ポリエーテルの割合及び/又はポリアミドの割合に対応するさまざまな化合物を含むことができる。多くの実施形態では、PEBAXは、PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)又はPEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)を含むことができる。PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)は、53重量%のテラメチレンオキシドとナイロン12を備えている。PEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)は、ナイロン11を備えている。第1の材料及び第2の材料は、上記と同様のポリエーテル割合、ポリアミド割合、又は、ショアD硬度値を含むことができる。
【0222】
第1の材料は、スチール、スチール合金、タングステン、タングステン合金、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、バナジウム、バナジウム合金、クロム、クロム合金、コバルト、コバルト合金、ニッケル、ニッケル合金、その他の金属合金、複合ポリマー材料、又は、それらの任意の組み合わせなどの金属を含むことができる。
【0223】
いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの第1の材料は半透明材料を含むことができ、フェース・インサート・ベースの第2の材料は金属材料を含むことができる。これらの実施形態では、第2の材料は、デザイン(例えば、印刷、エッチング、スタンプ、押し出しなど)をさらに含むことができる。第2の材料は、半透明の第1の材料を通して見えるデザインを含むことができる。多くの実施形態では、第1の材料の半透明材料は、無色又は青色であり得る。他の実施形態では、第1の材料の半透明材料は、任意の半透明色を含むことができる。
【0224】
フェース・インサートのボール打面プレートは、厚さを含むことができる。多くの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.015から0.115インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.015から0.045インチ、0.020から0.050インチ、0.025から0.055インチ、0.050から0.100インチ、0.055から0.105インチ、0.060から0.110、又は、0.065から0.115インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、少なくとも0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.105、0.110、又は0.115インチであり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.105、0.110、又は、0.115インチ以上であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040、0.045、0.050、0.055、0.060、0.065、0.070、0.075、0.080、0.085、0.090、0.095、0.10、0.105、0.110、又は、0.115インチであり得る。
【0225】
他の実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.115から0.40インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.115から0.20インチ、0.15から0.30インチ、0.20から0.30インチ、0.25から0.35インチ、又は0.30から0.40インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、少なくとも0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、又は、0.40インチであり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、又は、0.40以上であり得る。いくつかの実施形態では、ボール打面プレートの厚さは、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、又は、0.40インチ以下であり得る。例えば、ボール打面プレートの厚さは、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、又は、0.40インチであり得る。
【0226】
フェース・インサートのフェース・インサート・ベースは、厚さを含むことができる。多くの実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.05から0.20インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.05から0.10インチ、又は、0.10から0.20インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、少なくとも0.05、0.10、0.15、又は、0.20インチであり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.05、0.10、0.15、又は、0.20インチ以上とすることができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.05、0.10、0.15、又は、0.20インチ以下であり得る。例えば、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.05、0.10、0.15、又は、0.20インチであり得る。
【0227】
他の実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.20から0.80インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.20から0.50インチ、0.30から0.60インチ、0.40から0.70インチ、又は、0.50から0.80インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベースの厚さは、0.20から0.40インチ、0.30から0.50インチ、0.40から0.60インチ、0.50から0.70インチ、又は、0.60から0.80インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのフェース・インサート・ベースは、少なくとも0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、又は、0.80インチであり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのフェース・インサート・ベースは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、又は、0.80インチ以上であり得る。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのフェース・インサート・ベースは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、又は、0.80インチ以下であり得る。例えば、フェース・インサートのフェース・インサート・ベースは、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、又は、0.80インチであり得る。

I.金属ボール打面プレートとポリマー・フェース・インサート・ベース
【0228】
図81~84は、フェース・インサート1910を含むパターヘッドの別の実施形態を示す。パターヘッドは、パターヘッドのフロント表面に配置された凹部(図示せず)をさらに含む。フェース・インサート1910は、凹部内に配置される。フェース・インサート1910は、ボールとの衝突時に独特の感触と音を作り出すことができる。金属フェース・インサートだけでは、硬い音と感触を作る。本明細書に記載の金属及び/又は非金属材料の組成物を含むため、フェース・インサート1910は、金属フェース・インサートよりも柔らかい音及び感触を作り出す。
【0229】
フェース・インサート1910は、ボール打面プレート1912とフェース・インサート・ベース1914を含む。ボール打面プレート1912は、フロント打表面1911と、フロント打表面1911の反対側のリア表面1913とを含む。フェース・インサート・ベース1914はフロント表面1918を含む。ボール打面プレート1912のリア表面1913は、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の一部と整列する。それにより、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918は、ボール打面プレート1912のリア表面1913に隣接している。ボール打面プレート1912のリア表面1913がフェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918上に配置されると、ボール打面プレート1912は、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の91%超、92%超、93%超、94%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、又は、100%を被覆する。
【0230】
図81に示されるように、ボール打面プレート1912は、トウエンド180近傍のトウ部分1970、ヒールエンド190近傍のヒール部分1974、及び、トウ部分1970とヒール部分1970との間に位置する中心部分1972の3つの部分に水平方向に分けられる。図84に示されるように、ボール打面プレートはさらに、トップレール182近傍のトップレール部分1976、ソール192近傍のソール部分1980、及び、トップレール部分1976とソール部分1980との間に位置する中央部分1978の3つの部分に垂直方向に分けられる。
【0231】
ボール打面プレート1912はさらに、フロント打表面1911に配置された溝1920を含み、溝1920はボール打面/ボール打表面の溝の実施形態と同様である:112、212、312、412、512、612、712、1012、1312、1412、1500、1612、1812、2212、2312、4212及び5212。溝1920は深さを備え、溝1920の深さは、ヒールエンド190とトウエンド180との間を伸びる方向で、トップレール182とソール192との間を伸びる方向で変化する。より具体的には、溝1920は、トウ部分1970からヒール部分に向かって、トップレール部分1976からソース部分1980に向かって変化する。溝1920の深さは、トウ部分1970及びヒール部分1974から中心部分1972に向かって増加する。同様に、溝1920の深さは、トップレール部分1976及びソール部分1980から中央部分1978に向かって増加する。少なくとも1つの溝1920の最も深い部分は、溝1920の概ね平坦表面部分によって画定される。概ね平坦表面部分は、溝1920の中心部分1972と中央部分1978が重なったところに位置する。例示的な実施形態における溝1920の変化する深さは、ボール打面プレート1912に亘って標準化された打撃を許容することによって寛容性を増加する。
【0232】
いくつかの例では、フェース・インサート1610のボール打面プレート1912とフェース・インサート・ベース1914は同じ材料で形成することができる。材料は、スチール、タングステン、アルミニウム、チタン、複合材料、その他の金属、金属合金、ポリマー、複合ポリマー、又は、任意の他の材料であり得る。図81に示されるように、フェース・インサート1910の打面プレート1912及びフェース・インサート・ベース1914の両方は、ポリアミドおよびポリエーテルのブロックなどのポリマー又は複合ポリマーで形成されている。他の例では、フェース・インサート1910のボール打面プレート1912は、フェース・インサート・ベース1914とは異なる材料を含むことができる。図82に示すように、ボール打面プレート1912は金属材料で作られ、フェース・インサート・ベース1914は非金属材料で作られている。ボール打面プレート1912の金属材料は、スチール、タングステン、アルミニウム、ニッケル、チタン、合金、複合材料、又は、他の金属であり得る。フェース・インサート・ベース1914は、ポリマー、高比重フィラー又はフレークを有するポリマー、複合ポリマー、複合材料又は任意の種類のポリマーなどの非金属材料であり得る。複合ポリマー又はポリマーは、ポリアミドとポリエーテルのブロック共重合体であり得る。ポリマーは、ポリウレタン又はイソシアネートを含むポリマーではない。ボール打面プレート1912は、ボール打面プレート1912のリア表面1913がフェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918に隣接するように、フェース・インサート・ベース1914上に配置されてもよい。
【0233】
ボール打面プレート1912とフェース・インサート・ベース1914が同じ材料を含む例では、フェース・インサート1910全体の厚さは0.100インチから0.200インチ、0.100インチから0.125インチ、0.125インチから0.150インチ、0.150インチから0.175インチ、0.175インチから0.200インチ、0.100インチから0.150インチ、又は、0.150インチから0.200インチであり得る。例えば、フェース・インサート1910は、厚さが0.100インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、0.160インチ、0.170インチ、0.180インチ、0.190インチ又は0.200インチであり得る。ボール打面プレート1912とフェース・インサート・ベース1914が異なる材料を含む例では、ボール打面プレート1912は厚さを含み、フェース・インサート・ベース1914は厚さを含む。ボール打面の厚さは、0.005インチから0.035インチ、0.005インチから0.010インチ、0.010インチから0.015インチ、0.015インチから0.020インチ、0.020インチから0.025インチ、0.025インチから0.030インチ、0.030インチから0.035インチ、又は、0.013インチから0.025インチの範囲であり得る。例えば、ボール打面プレート1912の厚さは、0.005インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ又は0.035インチであり得る。フェース・インサート・ベース1914の厚さは、0.095インチから0.200インチ、0.095インチから0.115インチ、0.115インチから0.135インチ、0.135インチから0.155インチ、0.155インチから0.175インチ、0.175インチから0.200インチ、又は、0.135インチから0.200インチの範囲であり得る。例えば、フェース・インサート・ベース1914の厚さは、0.095インチ、0.105インチ、0.115インチ、0.125インチ、0.135インチ、0.145インチ、0.155インチ、0.165インチ、0.175インチ、0.185インチ、0.195インチ又は200インチであり得る。
【0234】
フェース・インサート1610は、多くの異なるプロセスにより形成され得る。異なる成形プロセスには、射出成形、キャスティング、ブロー成形、圧縮成形、レーザー成形、フィルムインサート成形、ガスアシスト成形、回転成形、熱成形、レーザー切断、3D印刷、又は、それらの任意の組み合わせが含まれる。さらに、フェース・インサートは、上記の厚さ及び成形プロセスの任意の組み合わせを有することができる。ボール打面プレート1912は、鍛造、フォーミング、スタンピング、電鋳、キャスティング、成形、機械加工又はそれらの組み合わせなど、多くの異なるプロセスによって製造することができる。同様に、フェース・インサート・ベース1914は、射出成形、キャスティング、ブロー成形、圧縮成形、フィルムインサート成形、ガスアシスト成形、回転成形、熱成形、レーザー切断、3D印刷、又は、任意のそれらの組み合わせなど、さまざまなプロセスで製造することができる。さらに、ボール打面プレート1912及びフェース・インサート・ベース1914は、上記の厚さ及び成形プロセスの任意の組み合わせを有することができる。
【0235】
フェース・インサート1910は、テープ、接着剤、エポキシ又は任意の種類の接着剤などの接着剤1922により、パターヘッドのフロント表面の凹部内に配置することができる。フェース・インサート1910はさらに、留め具又はピン(図示せず)によってパターヘッドのフロント表面に配置することができる。ボール打面プレート1912がフェース・インサート・ベース1914とは異なる材料を含む例では、ボール打面プレート1912は、ボール打面プレート1912のリア表面1913とフェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918との間に配置された、エポキシ、接着剤、テープ、又は、任意の他の固定化合物などの接着剤1916によってフェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918に固定することができる。例えば、ボール打面プレート1912は、厚さ0.010~0.015インチの非常に高い接着(VHB)テープ、厚さ0.003インチのスプレー接着剤、又は、ブラシ仕上げ接着剤により、フェース・インサート・ベース1914に接着することができる。
【0236】
フェース・インサート1910は、コーティングをさらに含むことができる。例えば、フェース・インサート1910は物理蒸着(PVD)又はタイプII陽極酸化処理を含むことができ、それらはフェース・インサート1910の摩耗性能を向上させることができる。PVDコーティングとタイプII陽極酸化処理は、ニッケル、クロム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タンタル、チタン又はその他の金属もしくは材料など、任意の材料であり得る。

A.VHBテープで結合された金属ボール打面プレートとポリマー・フェース・インサート・ベース
【0237】
図82に示すように、ボール打面プレート1912は、アルミニウムシートから鍛造された金属材料で作られ、0.030インチの厚さを有する。ボール打面プレート1912はさらに、トウ部分1970及びヒール部分1974から中心部分1972に向かって増加し、トップレール部分1976及びソール部分1980から中央部分1978に向かって増加する、変化する溝1920を含む。溝1920の概ね平坦な底面部分は、溝1920の深さが最大の場所である。概ね平坦な底面部分は、中央部分1978と中心部分1972が重なったところにある。フェース・インサート・ベース1914は、ポリアミドとポリエーテルのブロック共重合体で形成されており、厚さは0.105インチである。ボール打面プレート1912は、VHBテープによってフェース・インサート・ベース1914に接着され、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の96%以上を被覆するが、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の91%、92%、93%、94%、95%、97%、98%、99%以上、又は100%を被覆することができる。フェース・インサート1910はPVDでコーティングされている。ボール打面プレート1912の金属材料とポリアミドとポリエーテルのブロック共重合体の組み合わせにより、インパクトのときのより柔らかい音と感触が可能になる。さらに、溝1920の深さが中央部分1978及び中心部分1872で最も深くなる、溝1920の深さの変化は、より寛容な打撃を可能にする。

B.エポキシで結合された金属ボール打面プレートとポリマー・フェース・インサート・ベース
【0238】
他の例では、ボール打面プレート1912は、アルミニウムシートから形成又は打ち抜きされた金属材料で作られ、0.030インチの厚さを有することができる。ボール打面プレート1912はさらに、トウ部分1970及びヒール部分1974から中心部分1972に向かって増加し、トップレール部分1976及びソール部分1980から中央部分1978に向かって増加する、変化する溝1920を含む。溝1920の概ね平坦な底面部分は、溝1920の深さが最大の場所である。概ね平坦な底面部分は、中央部分1978と中心部分1972が重なったところにある。フェース・インサート・ベース1914は、ポリアミドとポリエーテルのブロック共重合体で形成されており、厚さは0.113インチである。ボール打面プレート1912は、ボール打面プレート1912のリア表面1913とフェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918との間に位置するエポキシによってフェース・インサート・ベース1914に接着される。ボール打面プレート1912は、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の92%以上を被覆するが、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の91%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上、又は100%を被覆することができる。フェース・インサート1910はタイプII陽極酸化処理でコーティングされている。フェース・インサート1910はPVDでコーティングされている。ボール打面プレート1912の金属材料とポリアミドとポリエーテルのブロック共重合体の組み合わせにより、インパクトのときのより柔らかい音と感触が可能になる。さらに、溝1920の深さが中央部分1978及び中心部分1872で最も深くなる、溝1920の深さの変化は、より寛容な打撃を可能にする。

C.接着剤で結合された金属ボール打面プレートとポリマー・フェース・インサート・ベース
【0239】
他の例では、ボール打面プレート1912は、ニッケルシートから電鋳された金属材料で作られ、0.030インチの厚さを有することができる。ボール打面プレート1912はさらに、トウ部分1970及びヒール部分1974から中心部分1972に向かって増加し、トップレール部分1976及びソール部分1980から中央部分1978に向かって増加する、変化する溝1920を含む。溝1920の概ね平坦な底面部分は、溝1920の深さが最大の場所である。概ね平坦な底面部分は、中央部分1978と中心部分1972が重なったところにある。フェース・インサート・ベース1914は、ポリアミドとポリエーテルのブロック共重合体で形成されており、厚さは0.140インチである。ボール打面プレート1912は、ボール打面プレート1912のリア表面1913とフェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918との間に位置するエポキシによってフェース・インサート・ベース1914に接着される。ボール打面プレート1912は、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の100%を被覆するが、フェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918の91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上を被覆することができる。フェース・インサート1910はタイプII陽極酸化処理でコーティングされている。フェース・インサート1910はPVDでコーティングされている。ボール打面プレート1912の金属材料とポリアミドとポリエーテルのブロック共重合体の組み合わせにより、インパクトのときのより柔らかい音と感触が可能になる。さらに、溝1920の深さが中央部分1978及び中心部分1872で最も深くなる、溝1920の深さの変化は、より寛容な打撃を可能にする。

II.ポリマー・ボール打面プレートとポリマー・フェース・インサート・ベース
【0240】
他の実施形態では、図91,92に示されるように、パターゴルフクラブヘッド6100は、フロントエンド196、リアエンド194、トウエンド180、ヒールエンド190、トップレール182、ソール192、及び、前縁6115を含む。パターゴルフクラブヘッド6100の外表面は、凹部6122を形成することができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、パタータイプのゴルフクラブヘッドのトップ壁6123、トウ壁6124、トウ壁6124の反対側のヒール壁6125、及び、後壁6126の全ては、凹部6122を形成することができる。パターゴルフクラブヘッ6100の凹部6122は、フロントエンド196からリアエンド194に向かって後方に延びることができる。
【0241】
パターゴルフクラブヘッド6100は、フェース・インサート6110を含むことができる。フェース・インサート6110は、フロントエンド196の一部を形成する。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド6100のフェース・インサート6110は、ボール打面プレート6112及びフェース・インサート・ベース6114を含むことができる。ボール打面プレート6112は、フロント打表面6111と、フロント打表面6111の反対側のリア表面6113とを含むことができる。ボール打面プレート6112のフロント打表面611は、上述の溝と同様の溝6120を含むことができる。ボール打面プレート6112のリア表面6113は、図83に示すボール打面プレート1912のリア表面1913と同様であり得る。フェース・インサート・ベース6114は、フロント表面6118を含むことができる。フェース・インサート・ベース6114のフロント表面6118は、図83に示すフェース・インサート・ベース1914のフロント表面1918と同様であり得る。ボール打面プレート6112のリア表面6113は、フェース・インサート・ベース6114のフロント表面6118の一部に隣接している。
【0242】
ボール打面プレート6112のリア表面6113がフェース・インサート・ベース6114のフロント表面6118上に配置されると、ボール打面プレート6112は、フェース・インサート・ベース6114のフロント表面6118の70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、91%超、92%超、93%超、94%超、95%超、96%超、97%超、98%超、99%超、又は、100%を被覆する。ボール打面プレート6112のフロント打表面6111は、上述の溝と同様の溝6120を含むことができる。
【0243】
いくつかの実施形態では、ボール打面プレート6112及びフェース・インサート・ベース6114は同じ大きさと形を有することができ、ボール打面プレート6112及びフェース・インサート・ベース6114の全ての縁部が互いに面一である同じ大きさ及び形状を有することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベース6114は、ボール打面プレート6112の周りに連続的な境界又は周囲を形成することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベース6114は、ボール打面プレート6112の周りを包むことができる。他の実施形態では、フェース・インサート・ベース6114は、ソール192、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190、又は、それらの任意の組み合わせでボール打面プレート6112の周りを包むことができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベース6114は、前縁6115を形成することができる。他の実施形態では、フェース・インサート・ベース6114及びボール打面プレート6112は、前縁6115を形成することができる。他の実施形態では、フェース・インサート・ベース6114は、ボール打面プレート6112の周りに部分的な境界又は周囲を形成することができる。これらの実施形態では、フェース・インサート・ベース6114は、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190、ソール192、前縁6115、又は、それらの任意の組み合わせでボール打面プレート6112の周りに部分的な境界を形成することができる。一実施形態では、フェース・インサート・ベース6114は、前縁6115でボール打面プレート6112に接することができる。
【0244】
パターゴルフクラブヘッド6100の凹部6112がフェース・インサート6110を受け入れると、ボール打面プレート6112のリア表面6113はフェース・インサート・ベース6114のフロント表面6118に当接し、フェース・インサート・ベース6114は凹部6122の後壁6126に当接する。多くの実施形態において、ボール打面プレート6112及びフェース・インサート・ベース6114は、図83に示されるボール打面プレート1912、フェース・インサート・ベース1914及び接着剤1916と同様の接着剤によって互いに結合され得る。多くの実施形態において、フェース・インサート・ベース6114は、図83に示されるフェース・インサート・ベース1914及び接着剤6122と同様に、接着剤によって凹部に結合され得る。ボール打面プレート6112及びフェース・インサート・ベース6114をパターゴルフクラブヘッド6000に結合するために使用される接着剤の種類は、上記の接着剤と同様であり得る。

III.ポリマー・ボール打面プレート及び凹部を含むポリマー・フェース・インサート・ベース
【0245】
他の実施形態では、図93,94に示されるように、パターゴルフクラブヘッド6200は、フロントエンド196、リアエンド194、トウエンド180、ヒールエンド190、トップレール182、ソール192、及び、前縁6215を含む。パターゴルフクラブヘッド6200の外表面は、凹部6222を形成することができる。より具体的には、パタータイプのゴルフクラブヘッドのトップ壁6223、トウ壁6224、ヒール壁6125、及び、後壁6126の全ては、凹部6222を形成することができる。パターゴルフクラブヘッ6200ドの凹部6222は、フロントエンド196からリアエンド194に向かって後方に延びることができる。
【0246】
パターゴルフクラブヘッド6200は、フェース・インサート6210を含むことができる。フェース・インサート6210は、フロントエンド196の一部を形成する。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド6200のフェース・インサート6210は、ボール打面プレート6212及びフェース・インサート・ベース6114を含むことができる。ボール打面プレート6312は、フロント打表面6211と、フロント打表面6211の反対側のリア表面6213とを含むことができる。
【0247】
フェース・インサート・ベース6214の外表面は、フェース・インサート・ベース凹部6230を形成する。より具体的には、フェース・インサート・ベース6214のフェース・インサート・ベース・トップ壁6233、フェース・インサート・ベース・トウ壁6234、フェース・インサート・ベース・ヒール壁6235、フェース・インサート・ベース後壁6236、及び、フェース・インサート・ベース底壁6237の全ては、フェース・インサート・ベース凹部6230を形成する。
【0248】
フェース・インサート・ベース凹部6230は、ボール打面プレート6212を受け入れるように構成することができる。ボール打面プレート6312のリア表面6213は、フェース・インサート・ベース凹部6230に隣接している。具体的には、フェース・インサート・ベース6214のフェース・インサート・ベース・トップ壁6233、フェース・インサート・ベース・トウ壁6234、フェース・インサート・ベース・ヒール壁6235、フェース・インサート・ベース後壁6236、及び、フェース・インサート・ベース底壁6237の全ては、ボール打面プレート6212を受け入れるように構成されている。この実施形態では、フェース・インサート・ベース6214は、ボール打面プレート6312の周りに境界又は周囲を形成することができる。さらに、ボール打面プレート6312は、フェース・インサート・ベース6214の凹部6220と相補的な形状とすることができ、それにより、フェース・インサート・ベース6214と同一平面のフロント打表面を有する。ボール打面プレート6212のフロント打表面6211は、上述の溝と同様の溝6220を含むことができる。
【0249】
凹部6222がフェース・インサート6210を受け入れると、ボール打面プレート6212のリア表面6213がフェース・インサート・ベース凹部6230内に収容され、フェース・インサート・ベース6214が凹部6222の後壁6226に当接する。多くの実施形態では、ボール打面プレート6212及びフェース・インサート・ベース6214は、上述の接着剤と同様の接着剤、又は、圧入によって結合することができる。多くの実施形態では、フェース・インサート・ベース6214は、上述の接着剤によって凹部に結合することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベース凹部6230は、ボール打面プレート6212を挟持力又は圧入で固定することができる。より具体的には、フェース・インサート・ベース6214のフェース・インサート・ベース・トップ壁6233、フェース・インサート・ベース・トウ壁6234、フェース・インサート・ベース・ヒール壁6235、フェース・インサート・ベース後壁6236、及び、フェース・インサート底壁6237は、ボール打面プレート6212を挟持力又は圧入で固定することができる。

IV.ボール打面プレートとフェース・インサート・ベースの結合構造
【0250】
別の実施形態では、図95,96に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート6310を含むことができる。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド6300(図示せず)のフェース・インサート6310は、ボール打面プレート6312とフェース・インサート・ベース6314を含むことができる。ボール打面プレート6312は、フロント打表面6312と、フロント打表面6312の反対側のリア表面6313とを含むことができる。フェース・インサート・ベース6314は、フロント表面(図示せず)を含むことができる。フェース・インサート6310はさらに、ボール打面プレート6312とフェース・インサート・ベース6314を接着剤、テープ又は他の非機械的インタロック結合を必要とせずに結合するように構成された結合構造6390を含むことができる。結合構造6390は、アンダーカット、複数のフック、複数のタブ、複数のスロット、複数のタブ及びスロット、又は、他の適切な機械的インタロック構造を含むことができる。例示的な実施形態では、フェース・インサート6310の結合構造6390は、アンダーカットを含むことができる。多くの実施形態では、ボール打面プレート6312はアンダーカットを含むことができ、ボール打面プレート6312はフェース・インサート・ベース6314の相補的な形状を受け入れる。いくつかの実施形態では、フェース・インサート・ベース6314はアンダーカット(図示せず)を含むことができ、フェース・インサート・ベース6314はボール打面プレート6312の相補的な形状を受け入れる。ボール打面プレート6312のフロント打表面6311は、上述の溝と同様の溝6320を含むことができる。
【0251】
さらに、別の実施形態では、図97に示すように、結合構造6390は、複数のフックを含むことができる。多くの実施形態では、結合構造6390の複数のフックは、ボール打面プレート6312のリア表面6313上に配置することができ、フェース・インサート・ベース6310はボール打面プレート6312の複数のフックを受け入れるように構成された相補的なスロット又は凹部を含むことができる。いくつかの実施形態では、結合構造6390の複数のフックをフェース・インサート・ベース6314のフロント表面上に配置することができ、ボール打面プレート6312はフェース・インサート・ベース6314の複数のフックを受け入れるように構成された相補的なスロット又は凹部を含むことができる。
【0252】
フェース・インサート1910、6100、6200、6300は、ゴルフボールインパクトのときのより柔らかく独特な音/感触という利点を提供することができる。ゴルフボールインパクトのときの柔らかく独特な音/感触は、フェース・インサートの硬度に対応する。多くの実施形態において、上述したように、ボール打面プレートはより低い硬度を有するPEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)を含むことができ、フェース・インサート・ベースはより高い硬度を有するPEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)を含むことができる。硬度が低いボール打面プレートと高度が高いフェース・インサート・ベースの組み合わせにより、ゴルフボールインパクトのときのより柔らかい音/感触が得られる。柔らかな感触と音は、プレーヤにとって心地よく、金属製のフェース・インサートが大きな衝撃音で引き起こす気を散らすものを防ぐことができるので、この柔らかい感触は、金属製のフェース・インサートよりも有利である。ゴルフボールインパクトのときのこの柔らかくて独特な音/感触は、プレーヤの精神的な集中を助け、プレーヤのスコアを向上させることができる。

ポリマー材料とフレーム
【0253】
二成分システムを含むフェース・インサートの別の実施形態では、パターゴルフクラブヘッドは、ポリマー材料とフレームを含むフェース・インサートを備えることができる。ポリマー材料及びフレームを有するフェース・インサートを含むパターゴルフクラブヘッドは、フロントエンド196、リアエンド194、トウエンド184、ヒールエンド190、トップレール182、ソール192、及び、前縁を含む。パターゴルフクラブヘッドの外表面は、凹部(図示せず)を形成する。より具体的には、パターゴルフクラブヘッドのトップ壁(図示せず)、トウ壁(図示せず)、トウ壁の反対側のヒール壁(図示せず)、及び、後壁(図示せず)の全ては、凹部を形成する。パターゴルフクラブヘッドの凹部は、フロントエンド196からリアエンド194に向かって後方に延びることができる。
【0254】
フェース・インサートのポリマー材料は、フロントエンド196、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190、ソール192、前縁、又は、それらの任意の組み合わせの一部を形成することができる。フェース・インサートのフレームは、パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190、ソール192、前縁、又は、それらの任意の組み合わせの一部を形成することができる。パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196は、フロント打表面を備え、フロント打表面は、上述の溝と同様の溝を備える。
【0255】
多くの実施形態では、フレームは、ポリマー材料よりも小さなフェース・インサートの部分を形成することができる。いくつかの実施形態において、フレームは、ポリマー材料よりも大きなフェース・インサートの部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、フレームは、フェース・インサートのポリマー材料よりもフロントエンド196の大部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、フレームは、フェース・インサートのポリマー材料よりも前縁の大部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、フレームは、ポリマー材料よりもソール192の大部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、フェース・インサートのフレームよりもフロントエンド196の大部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、フェース・インサートのフレームよりも前縁の大部分を形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、フェース・インサートのフレームよりもソール192の大部分を形成することができる。
【0256】
多くの実施形態において、フェース・インサートのフレームは、ポリマー材料の周りに連続的な境界又は周囲を形成する。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのフレームは、ポリマー材料の周りに部分的な境界又は周囲を形成する。これらの実施形態では、フェース・インサートのフレームは、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190、ソール192、前縁、又は、それらの任意の組み合わせで部分的な境界又は周囲を形成することができる。フェース・インサートのポリマー材料は、PEBAX、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、又は、上記の他のポリマータイプ材料などを含むことができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのフレームは、スチール、アルミニウム、チタン、又は、上記の他の金属などの金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのフレームは、PEBAX、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビニル、又は、上記の他のポリマータイプ材料などのポリマータイプ材料を含むことができる。
【0257】
多くの実施形態では、ポリマー材料及びフレームを含むフェース・インサートは、台形形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマー材料及びフレームを含むフェース・インサートは、長方形、三角形、五角形、多角形、又は、任意の他の適切な形状を含むことができる。多くの実施形態では、フェース・インサートのポリマー材料は、台形、長方形、三角形、五角形、多角形、又は、他の適切な形状など、フェース・インサートと同様の形状を含むことができる。さらに、多くの実施形態では、フェース・インサートのフレームは、台形、長方形、三角形、五角形、多角形、又は、他の適切な形状など、フェース・インサートと同様の形状を含むことができる。フェース・インサートのフレームおよび/又はポリマー材料の形状は、パターゴルフクラブヘッドのフロントエンド196、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190、又は、ソール192に配置することができる。
【0258】
一実施形態では、図98に示されるように、パターゴルフクラブヘッドは、フェース・インサート6410を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6400のフェース・インサート6410は、ポリマー材料6412及びフレーム6414を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6400は、フロントエンド196とソール192との間に前縁6415を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6400のフロントエンド196は、フロント打表面6411を含むことができる。フロントエンド196のフロント打表面6411は、上述の溝と同様の溝6420を含むことができる。この実施形態では、フレーム6414は、ポリマー材料6412の周りに境界又は周囲を形成することができる。この実施形態では、フレーム6414は台形形状を形成することができ、フレーム6414はパターゴルフクラブヘッド6400の輪郭に従う。より具体的には、フレーム6414は、トウエンド180においてソール192からトップレール182までフロントエンド196を垂直に延び、トウエンド180からヒールエンド190までトップレール182と平行に延び、ヒールエンド190においてトップレール182からソール192まである角度で延び、及び、ソール192上でリアエンド194に向かって距離を延ばす。フレーム6414は、フロントエンド196からリアエンド194に向かって後方に延びることができる。多くの実施形態では、フレーム6414及びポリマー材料6412は、パターゴルフクラブヘッド6400のフロントエンド196からソール192まで前縁6415の周りを包むことができる。さらに、フェース・インサート6410のポリマー材料6412及びフレーム6414は、フロント打表面6411、前縁6415、及び、ソール192の一部を形成することができる。この実施形態では、ポリマー材料6412は、フレーム6414よりもフェース・インサート6410の大部分を形成することができる。
【0259】
別の実施形態では、図99に示されるように、パターゴルフクラブヘッドは、フェース・インサート6510を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6500のフェース・インサート6510は、ポリマー材料6512とフレーム6514を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6500は、フロントエンド196とソール192との間に前縁6515を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6500のフロントエンド196は、フロント打表面6511を含むことができる。フロントエンド196のフロント打表面6511は、上述の溝と同様の溝6520を含むことができる。この実施形態では、フレーム6514は、ポリマー材料6512を、トウエンド180近傍のトウ部分とヒールエンド190近傍のヒール部分とに分離することができる。この実施形態では、フレーム6514は、フロントエンド196に台形形状を含み、ソール192に長方形形状を含むことができる。この実施形態では、ポリマー材料6512のトウエンド部分及びヒールエンド部分は、フロントエンド196に三角形の形状を含み、ソール192に三角形の形状を含むことができる。多くの実施形態では、フレーム6514及びポリマー材料6512は、パターゴルフクラブヘッド6500のフロントエンド196からソール192まで前縁6615の周りを包むことができる。この実施形態では、フレーム6514は、フロント打表面6511、前縁6515、及び、ソール192の一部を形成することができる。この実施形態では、フレーム6514は、ポリマー材料6512よりもフェース・インサート6510及び/又はフロント打表面6511の大部分を形成することができる。
【0260】
別の実施形態では、図100に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート6610を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6600のフェース・インサート6610は、ポリマー材料6612とフレーム6614を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6600は、フロントエンド196とソール192との間に前縁6615を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6500のフロントエンド196は、フロント打表面6611を含むことができる。フロントエンド196のフロント打表面6611は、上述の溝と同様の溝6620を含むことができる。この実施形態では、フレーム6614は、ポリマー材料6612の周りに境界又は周囲を形成することができる。この実施形態では、フレーム6614は、ポリマー材料6612を、トウエンド180近傍のトウエンド部分と、ヒールエンド190近傍のヒールエンド部分と、フロント打表面6611の中心近傍の中心部分とに分離することができる。フレーム6614は、フロント打表面6611の周囲に延びることができる。さらに、フレーム6614の一部は、フロント打表面6611の周囲からフロント打表面6611の中心に向かって内向きに延びることができる。内側に延びるフレーム6614の一部は、ポリマー材料6612を、トウエンド部分と、ヒールエンド部分と、中心部分とに分離することができる。ポリマー材料6612のトウエンド部分、ヒールエンド部分及び中心部分は、台形形状を備えることができる。この実施形態では、フレーム6614は、フロント打表面6611、前縁6615及びソール192の一部を形成することができる。この実施形態では、ポリマー材料6612は、フレーム6614よりもフェース・インサート6610及び/又はフロント打表面6611の大部分を形成することができる。
【0261】
別の実施形態では、図101に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート6710を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6700のフェース・インサート6710は、ポリマー材料6712とフレーム6714を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6700は、フロントエンド196とソール192との間に前縁6715を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6700のフロントエンド196は、フロント打表面6711を含むことができる。フロントエンド196のフロント打表面6711は、上述の溝と同様の溝6720を含むことができる。この実施形態では、フレーム6714は、ポリマー材料6712を、トウエンド180近傍のトウエンド部分、ヒールエンド190近傍のヒールエンド部分、及び、フロント打表面6711の中心近傍の中心部分とに分離することができる。さらに、フレーム6714の一部は、フロント打表面6711の周囲からフロント打表面6711の中心に向かって内向きに延びることができる。内側に延びるフレーム6714の一部は、ポリマー材料6712を、トウエンド部分、ヒールエンド部分、及び中心部分とに分離することができる。ポリマー材料6712のトウエンド部分、ヒールエンド部分、及び、中心部分は、フロント打表面6711上に台形形状を備えることができる。ポリマー材料6712のトウエンド部分及びヒール部分は、ソール192上に三角形の形状を含むことができ、ポリマー材料6712の中心部分は、ソール192上に長方形の形状を含むことができる。
【0262】
さらに、フレーム6714は、フロント打表面6711及びソール192上のポリマー材料6712の中心部分の周りに境界又は周囲を形成する。フレーム6714は、ソール192上のポリマー材料6712のトウエンド部分及びヒールエンド部分の周りに部分的な境界又は周囲を形成する。この実施形態では、ポリマー材料6712及びフレーム6714は、フロント打表面6711、前縁6715、及び、ソール192の一部を形成することができる。この実施形態では、ポリマー材料6712は、フェース・インサート6710、フロント打表面6711及び/又はソール192の大部分を形成することができる。
【0263】
別の実施形態では、図102に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート6810を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6800のフェース・インサート6810は、ポリマー材料6812とフレーム6814を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6800は、フロントエンド196とソール192との間に前縁6815を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6800のフロントエンド196は、フロント打表面6811を含むことができる。フロントエンド196のフロント打表面6811は、上述の溝と同様の溝6820を含むことができる。この実施形態では、フレーム6814は、ポリマー材料6812を、フロント打表面6811及びソール192に沿って長方形と三角形とに分離することができる。この実施形態では、フレーム6814は、フロント打表面6811上のポリマー材料6812の周りに境界又は周囲を形成することができる。フレーム6814は、トウエンド180及びヒールエンド190においてソール192上のポリマー材料6812の周りに部分的な境界又は周囲を形成することができる。
【0264】
さらに、フレーム6814は、フロント打表面6811の周囲の輪郭に従うことができる。フレーム6814はさらに、トップレール182からソール192に向かって延びる2つの垂直部分を有することができる。フレーム6814の2つの垂直部分は、ポリマー材料6812を、トウエンド180近傍のトウエンド部分、ヒールエンド190近傍のヒールエンド部分、及び、フロント打表面6711の中心近傍の中心部分とに分離することができる。ポリマー材料6812のトウエンド部分、ヒール部分、及び、中心部分は、フロント打表面6811で長方形の形状を有することができる。ポリマー材料6812のトウエンド部分及びヒールエンド部分は、ソール192で三角形の形状を有することができ、ポリマー材料6812の中心部分は、ソール192で長方形の形状を有することができる。多くの実施形態において、フレーム6814及びポリマー材料6812は、フロントエンド196からソール192まで前縁6815の周りを包むことができる。この実施形態では、ポリマー材料6812及びフレーム6814は、フロント打表面6811、前縁6815、及び、ソール192の一部を形成することができる。この実施形態では、ポリマー材料6812は、フェース・インサート6810、フロント打表面6811及び/又はソール192の大部分を形成することができる。
【0265】
別の実施形態では、図103に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート6910を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6900のフェース・インサート6910は、ポリマー材料6912とフレーム6914を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6900は、フロントエンド196とソール192との間に前縁6915を含むことができる。パターゴルフクラブヘッド6900のフロントエンド196は、フロント打表面6911を含むことができる。フロントエンド196のフロント打表面6911は、上述の溝と同様の溝6920を含むことができる。この実施形態では、フレーム6914は、フロント打表面6911上のポリマー材料6912の周りに境界又は周囲を形成することができる。この実施形態では、フレーム6914は、ソール192上のポリマー材料6912の周りに部分的な境界又は周囲を形成することができる。より具体的には、フレーム6914は、ソール192のトウエンド180及びヒールエンド190において、ポリマー材料6912の周りに部分的な境界又は周囲を形成する。
【0266】
さらに、ポリマー材料6912は、フロント打表面6911上の台形形状、ソール192のトウエンド180及びヒールエンド190における三角形形状、及び、前縁6915近くのソール192の中心における長方形形状を含むことができる。多くの実施形態では、フレーム6914及びポリマー材料6912は、フロントエンド196からソール192まで前縁の周りを包むことができる。この実施形態では、ポリマー材料6912及びフレーム6914は、フロント打表面6911及びソール192の一部を形成することができる。この実施形態では、ポリマー材料は、フェース・インサート6910、フロント打表面6911、前縁6915及び/又はソール192の大部分を形成する。
【0267】
パターゴルフクラブヘッド6400、6500、6600、6700、6800、6900の凹部は、フェース・インサート6410、6510、6610、6710、6810、6910をそれぞれ受け入れるように構成されている。多くの実施形態では、ポリマー材料とフェース・インサートのフレームを凹部に一緒に結合することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのポリマー材料及びフレームは、凹部に別々に結合することができる。多くの実施形態では、ポリマー材料及びフレームを含むフェース・インサートは、上記の接着剤で凹部に結合することができる。いくつかの実施形態では、フェース・インサートのフレームは、挟持力又は圧入によりポリマー材料を固定することができる。
【0268】
フェース・インサート6410、6510、6610、6710、6810、6910は、ゴルフボールのインパクトのときの音、感触及び視覚の改善という利点を提供する。ポリマー材料及びフェース・インサートのフレームは、ゴルフボールのインパクトのときにより柔らかい音/感触という利点を提供することができる。柔らかい音/感触は、フェース・インサートの硬度に対応する。多くの実施形態では、ポリマー材料はPEBAXを含むことができ、フレームは上記の金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマー材料はPEBAXを含むことができ、フレームは上述のPEBAXを含むことができる。PEBAXと金属の組み合わせ、又は、ポリマー材料とフレームのPEBAXとPEBAXの組み合わせにより、ゴルフボールのインパクトのときのより柔らかい感触/音が得られる。柔らかな感触と音は、プレーヤにとって心地よく、金属製のフェース・インサートが大きな衝撃音で引き起こす気を散らすものを防ぐことができるので、この柔らかい感触は、金属製のフェース・インサートよりも有利である。さらに、フェイス・インサートのフレームは、プレーヤの視覚補助として機能する。フェース・インサートのフレームは、プレーヤがゴルフボールをフロンド打表面の中心に配置してショットの軌道を最適化するのに役立つことができる。他のシナリオでは、フェース・インサートのフレームは、プレーヤがゴルフボールをフロント打表面のトウエンド又はヒールエンドに配置してショットの軌道を最適化するのに役立つことができる。

複数の開口部
【0269】
別の実施形態では、パターゴルフクラブヘッドは、複数の開口部を含むフェース・インサートを備えることができる。フェース・インサートの複数の開口部は、開口、割れ目、溝、スロット、又は、ギャップを含むことができる。フェース・インサートの複数の開口部は、フロントエンド196、前縁、リアエンド194、トウエンド180、トップレール182、ヒールエンド190、ソール192、又は、それらの任意の組み合わせに配置することができる。
【0270】
フェース・インサートの複数の開口部は、パターゴルフクラブヘッドのヒールエンド190からトウエンド180、及び/又は、ソール192からトップレール182まで、直線的、非直線的又はランダムに配置することができる。さらに、複数の開口部は、ヒールエンド190とトウエンド180、及び/又は、ソール192とトップレール182との間において、同じ、漸進的に増加、漸進的に減少、変動、又は、それらの任意の組み合わせのサイズを含むことができる。
【0271】
さらに、複数の開口部は、開口部内のいくつかに充填物を含むことができる。開口部内のいくつかの充填物は、パターゴルフクラブヘッドの所望の端部に向かって、増加、減少、変化、又は、それらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、開口部内のいくつかの充填物は、ヒールエンド190、トウエンド180、ソール192、及び/又は、トップレール182に向かって増加、減少、変化、又は、それらの任意の組み合わせが可能である。
【0272】
多くの実施形態では、フェース・インサートの複数の開口部は、円形、三角形、長方形、正方形、五角形、多角形、又は、他の適切な形状を含むことができる。多くの実施形態では、複数の開口部は単一の形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の開口部は、1つ以上、2つ以上、又は、3つ以上の形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の開口部は複数の形状を含むことができる。
【0273】
一実施形態では、図104に示されるように、パターゴルフクラブヘッド7000は、フロントエンド196、リアエンド194、トウエンド184、ヒールエンド190、トップレール182、及び、ソール192を含む。パターゴルフクラブヘッド7000の外表面は、凹部7022を形成する。より具体的には、パターゴルフクラブヘッド7000のトップ壁7023、トウ壁7024、トウ壁7024の反対側のヒール壁7025、後壁7026、及び、ボトム壁7027の全ては、凹部7022を形成する。パターゴルフクラブヘッド7000の凹部7022は、フロントエンド196からリアエンド194に向かって後方に延びることができる。
【0274】
パターゴルフクラブヘッドは、フェース・インサート7010を含むことができる。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド7000のフェース・インサート7010は、ボール打面プレート7012を含むことができる。ボール打面プレート7012は、フロント打表面7011と、フロント打表面7011の反対側のリア表面7013とを含むことができる。フロント打表面7011は、複数の開口部7092をさらに備えることができる。この実施形態では、複数の開口部7092は、トウエンド180とヒールエンド190の間、及び、ソール192とトップレール182の間において、列状に直線的に配置することができる。ボール打面プレート7012のリア表面7013は、パターゴルフクラブヘッド7000の凹部7022の後壁7026に隣接し、当接する。多くの実施形態では、フェース・インサート7010は、上述の接着剤によって凹部7022に結合される。フロント打表面7011に配置された複数の開口部7092は、上述の溝と同様の溝として機能することができる。
【0275】
別の実施形態では、図105に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート7110を含むことができる。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド7100のフェース・インサート7110は、複数の開口部7192を備えることができる。この実施形態では、複数の開口部7192は、フロント打表面7111、ヒールエンド190、及び、トップレール182に配置することができる。複数の開口部7192は、フロント打表面7111及びトップレール182の全長にわたって、トウエンド180からヒールエンド190まで延びることができる。さらに、複数の開口部7192は、トップレール182からソール192まで、ヒールエンド190及び/又はトウエンド180の周りを包むことができる。この実施形態では、フロント打表面7111に配置された複数の開口部7192は、上述の溝と同様の溝として機能することができる。
【0276】
別の実施形態では、図106に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート7210を含むことができる。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド7200のフェース・インサート7210は、複数の開口部7292を含むことができる。この実施形態では、複数の開口部7292は、フロント打表面7211及びソール192に配置することができる。複数の開口部7292は、フロント打表面7211及びソール192の全長にわたって、トウエンド180からヒール端部190まで延びることができる。この実施形態では、フロント打表面面7211に配置された複数の開口部7292は、上述の溝と同様の溝として機能することができる。いくつかの実施形態では、複数の開口部7292は、パターゴルフクラブヘッド7200のソール192及び/又はフロント打表面7211に特定のデザインを表示することができる。
【0277】
別の実施形態では、図107に示されるように、パターゴルフクラブヘッドはフェース・インサート7310を含むことができる。この実施形態では、パターゴルフクラブヘッド7300のフェース・インサート7310は、リアエンド194に配置された開口部7392を含むことができる。いくつかの実施形態では、パターゴルフクラブヘッド7300は、上述のパターゴルフクラブヘッド7000、7100又は7200と同様の位置に複数の開口部7392を含むことができる。多くの実施形態では、開口部7392は、パターゴルフクラブヘッド7310のリアエンド7325に特定のデザインを表示することができる。
【0278】
図53を参照すると、一実施例によるゴルフクラブヘッドを製造するプロセス2000が示されている。プロセス2000は、トウエンドとヒールエンドとトップレールとソールとによって画定されるゴルフクラブフェースを形成すること(ブロック2002)を含む。ゴルフクラブフェースを、ゴルフクラブヘッド及びゴルフクラブフェースが1つの連続する部分であるように、ゴルフクラブヘッドと共に形成することができる。代替的に、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブフェースとを、別々に形成することができる。ゴルフクラブフェースを、その後、ゴルフクラブフェースに、接着剤、テープ、溶接、はんだ付け、締め具、及び/又は他の適切な方法とデバイスとを使用することによって、取り付けることができる。ゴルフクラブヘッド及び/又はゴルフクラブフェースは、任意の材料から製造され得る。たとえば、ゴルフクラブヘッド及び/又はゴルフクラブフェースは、チタニウム、チタニウム合金、他のチタニウムベースの材料、スチール、アルミニウム、アルミニウム合金、他の金属、金属合金、プラスチック、木、複合材料、又は他の適切な種類の材料から作られ得る。ゴルフクラブヘッド及び/又はゴルフクラブフェースは、スタンピング(つまり、機械プレス又はスタンピングプレスを使用した押し抜き、ブランキング、型押し、曲げ加工、フランジ成形、又は印圧加工、鋳造)、射出成型、鍛造、機械加工、又はそれらの組み合わせ、金属、プラスチック、及び/又は複合部品を製造するための使用される他のプロセス、及び/又は他の適切なプロセスなどのさまざまなプロセスを使用して、形成され得る。一実施例では、パターヘッドを製造するとき、パターフェース及び/又はボール打面の材料は、特定のボール打特性とローリング特性とをパターフェースに与えるように、決定され得る。別の実施例では、ボール打面112、212、312、412、512、612、712、1012、1312、1412、1812、1500、2212、3212、4212、5212がパターフェース110、810、910とは別であり、パターフェース110、810、910上の対応する形状のくぼみの中に挿入され、取り付けられるときには、打面112、212、312、412、512、612、712、1012、1312、1412、1812、1500、2212、3212、4212、5212を、パターフェース110、810、910よりも軽い材料から作成して、パターの合計重量を一般に減少させることができる。
【0279】
プロセス2000によると、溝は、トップレールとソールとの間のクラブフェース及び/又はクラブヘッド上に形成され、各溝が、トウエンドとヒールエンドとの間に伸び、溝の深さが、トップレールとソールとの間に伸びる方向と、ヒールエンドとトウエンドとの間に伸びる方向と、において変化するようにする(ブロック2004)。溝を、鋳造、鍛造、機械加工、回転フライス加工、及び/又は他の適切なプロセスなどのさまざまなプロセスを使用して、形成することができる。溝の垂直断面形状は、溝を製造する方法に依存することができる。たとえば、溝を機械加工するときの切削ビットの種類は、溝の垂直断面形状を決定することができる。溝の垂直断面形状は、上記で説明した実施例など、対照であってよく、又は(図示しない)非対称であってよい。一実施例では、溝の幅は、0.032インチであってよく、それは、切削ビットの幅であり得る。したがって、溝を機械加工するとき、切削ビットの形状及び寸法は、溝の形状と寸法とを決定することができる。
【0280】
溝は、ボール打面を回転フライス加工することによって、又は溝をボール打面にスタンピング又は鍛造することによって、製造され得る。溝を、また、上記で説明したボール打面をパターヘッド上に直接作るように、パターヘッド上に直接製造することができる。溝は、溝をパターヘッド上にプレス成型することによって製造され得る。たとえば、プレスは、パターヘッド上の材料を変形及び/又は動かして、溝を作ることができる。溝を、フライス加工プロセスによって製造することができ、その場合、フライス加工ツールの回転軸は、パターフェースに対して垂直である。フライス加工ツールの回転軸を、パターフェースに対して垂直とは別の角度に向けることができる。溝は、スルー溝を形成するようにきれいにカットした1つの材料を、ベース材料又は固体材料上に重ねることによって、製造され得る。溝は、パターフェース材料を、レーザー及び/又は熱でエッチング又は浸食することによって、製造され得る。溝は、感光性マスクを使用して、パターフェース材料を化学的に侵食することによって、製造され得る。溝は、ワックス又は石油化学物質などの化学マスクを使用して、パターフェース材料を電子/化学浸食することによって、製造され得る。溝は、砂などの摩耗材料の搬送媒体として空気又は水を使用して、フェース材料を摩耗させることによって、製造され得る。上記で説明した方法のうちの任意の1つ又は組み合わせを使用して、溝のうちの1つ又は複数をパターヘッド上に製造することができる。さらに、くぼみを任意の材料に作成するために使用される他の方法を使用して、溝を製造することができる。

実施例1
【0281】
PEBAX材料を含むフェース・インサート6110を有する例示的なパターゴルフクラブヘッド6100は、ボール打面プレートにPEBAX材料がない、同様のコントロールパターゴルフクラブヘッドと比較された。例示的なパターゴルフクラブヘッドのフェース・インサート6010は、ボール打面プレート6112とフェース・インサート・ベース6114を含む。フェース・インサート6110のボール打面プレート6112及びフェース・インサート・ベース6114はPEBAX材料を含み、ここで、ボール打面プレート6112はPEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)を含み、フェース・インサート・ベース6114はPEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)を含む。PEBAX4033(フランス、パリのアルケマ)は、PEBAX6333(フランス、パリのアルケマ)よりも硬度が低い。コントロールパターゴルフクラブヘッドのフェース・インサートは、ボール打面プレートとアルミニウムスクリーンを備えている。コントロールパターゴルフクラブヘッドのアルミニウムスクリーンはアルミニウム材料を含み、コントロールパターゴルフクラブヘッドのボール打面プレートはPEBAX材料を含む。
【0282】
例示的なパターゴルフクラブヘッド6100とコントロールパターゴルフクラブヘッドとの間の音、感触、及び、全体的な満足度を測定するために、プレーヤーテストが実施された。その結果によると、多くのプレーヤーは、コントロールパターゴルフクラブヘッドに対するパターゴルフクラブヘッド6100のインパクト感触、インパクト音、インパクトフィードバック、ボールスピード、及び、ストローク全体に満足した。インサートのあるパターとインサートのないパターでプレイする81人のプレーヤーのテストによると、37人のプレーヤーはコントロールパターゴルフクラブヘッドに満足し、44人のプレーヤーは例示的なパターゴルフクラブヘッド6100に満足しました。その後、テストデータをフィルター処理して、インサートのあるパターでのみプレイするプレーヤーを含めた。43人のプレーヤーを含むフィルタ処理されたデータは、プレーヤーの84%が例示的なパターゴルフクラブヘッド6100を好み、プレーヤーの16%がコントロールパターゴルフクラブヘッドを好むことを示した。 このデータは、プレーヤーが、アルミニウム材料とPEBAX材料(即ち、ボール打面プレートとアルミニウムスクリーン)を含むフェース・インサートよりも全ての構成部品(即ち、ボール打面プレートとフェース・インサート・ベース)にPEBAX材料を含むフェース・インサートをより好むことを示す。
【0283】
ゴルフのルールが時々で変わり得る(たとえば、ゴルフ標準化組織又は運営組織によって、新しい規則が採用され得、又は古いルールが廃止又は変更され得る)ために、本明細書で説明する方法、装置、及び/又は製造品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時期におけるゴルフのルールに適合又は非適合であってよい。したがって、本明細書で説明する方法、装置、及び/又は製造品に関連するゴルフ用品は、適合又は非適合ゴルフ用品として、宣伝され、売り出され、及び/又は販売され得る。本明細書で説明する方法、装置、及び/又は製造品は、この点において限定されない。
【0284】
特定の動作の順序を上記で説明したが、これらの動作を、他の時系列で実行することができる。たとえば、上記で説明した2つ以上の動作を、連続して、一斉に、又は同時に、実行することができる。代替的に、2つ以上の動作を、反対の順序で実行することができる。さらに、上記で説明した1つ又は複数の動作を、まったく実行しなくてもよい。本明細書で説明する装置、方法、及び製造品は、この点において限定されない。
【0285】
本発明をさまざまな態様に関連して説明したが、本発明はさらに変更され得るということが理解される。本出願は、一般に、本発明の原理に従う、本発明の任意の変化物、用途、又は適合を含むように意図されており、本発明に関連する当技術分野内で知られ、慣習となっている行為に含まれるような本開示からの逸脱物を、含む。
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