(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】再使用可能な容器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B65D 19/06 20060101AFI20221228BHJP
B65D 19/18 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
B65D19/06
B65D19/18
(21)【出願番号】P 2020510571
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(86)【国際出願番号】 AU2018000159
(87)【国際公開番号】W WO2019040968
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-06-09
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】518070755
【氏名又は名称】ケネス アール モラス プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kenneth R Moras Pty Ltd
【住所又は居所原語表記】29 Elizabeth Street,Wetherill Park,New South Wales,2164,Australia
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ホルム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラファティ
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-267889(JP,A)
【文献】米国特許第06024223(US,A)
【文献】特開昭48-100280(JP,A)
【文献】米国特許第04785957(US,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0407203(KR,Y1)
【文献】独国特許出願公開第102009024081(DE,A1)
【文献】特開2001-278383(JP,A)
【文献】特開2007-204136(JP,A)
【文献】特開2014-141277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/06
B65D 19/18
B65D 19/22
B65D 88/00-90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、前記底部から上方および外側へと延びる側壁とを有するコンテナと、
前記底部に配置された少なくとも1つのロック部と、
パレットと、
前記パレット上に配置され、前記少なくとも1つのロック部と相補的な少なくとも1つのロック機構とを含んでおり、
前記コンテナと前記パレットとの間の相対回転によって、前記少なくとも1つのロック部と前記少なくとも1つのロック機構とが係合し、あるいは分離することで、前記パレットと前記コンテナとがロックされ、あるいはロック解除される、容器アセンブリ。
【請求項2】
前記コンテナは、第1の位置決め部を含み、前記パレットは、前記第1の位置決め部と相補的な第2の位置決め部を含み、使用時に、前記位置決め部が協働して、前記パレットと前記コンテナとの間の整列を促進する、請求項1に記載の容器アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の位置決め部は、前記ロック部を係合/分離させるように前記第2の位置決め部内で回転可能である、請求項2に記載の容器アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記コンテナを前記パレットに対して回転させることで前記パレットおよびコンテナのロック/ロック解除が生じるように、前記パレットの隣り合う側壁の間に延びている、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのロック部は、前記コンテナの各々のコーナー部に配置されたロック部を含み、前記少なくとも1つのロック機構は、前記パレットの隣り合う側壁の間に延びているロック機構を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器アセンブリ。
【請求項6】
前記コンテナは、前記コンテナ内の気流を促進するために、前記底部および前記側壁に沿って均一に分布した複数の開口を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器アセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記少なくとも1つのロック部を前記少なくとも1つのロック機構に係合させるように構成された付勢手段を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器アセンブリ。
【請求項8】
付勢手段は、開口部内に収容されたばねを含む、請求項6に記載の容器アセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのロック部は、前記コンテナに取り外し可能に取り付けることができる複数のロック用ポストを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の容器アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのロック部は、前記少なくとも1つのロック機構内にスライド可能に受け入れられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の容器アセンブリ。
【請求項11】
同様のパレットが積み重ねられるように構成され、同様のコンテナが重ね合わせられるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の容器アセンブリ。
【請求項12】
少なくとも1つのロック機構と、位置決め部とを有しているパレットに、取り外し可能に取り付けることができるコンテナであって、
底部と、
前記底部から上方および外側へと延びる側壁と、
前記底部に配置され、前記パレットの前記少なくとも1つのロック機構に係合するように構成された少なくとも1つのロック部と、
前記底部から下方へと延びており、前記パレットの前記位置決め部に受け入れられる位置決め部材とを含んでいるコンテナ。
【請求項13】
前記側壁は、一連の水平方向の波状曲線によって定められた波形の外形を含む、
請求項12に記載のコンテナ。
【請求項14】
隣り合う側壁が、丸みを帯びたコーナー部で出会い、前記コンテナの内側の滑らかな曲面をもたらしている、
請求項12または13に記載のコンテナ。
【請求項15】
少なくとも1つのロック部と、位置決め部材とを有しているコンテナに、取り外し可能に取り付けることができるパレットであって、
横部材を有するベースと、
該パレットと前記コンテナとの間の相対回転によって、前記コンテナ上の前記少なくとも1つのロック部と係合
し、あるいは分離するように構成された少なくとも1つのロック機構と、
前記位置決め部材を受け入れるように構成された位置決め部とを含んでいるパレット。
【請求項16】
前記少なくとも1つのロック機構は、隣り合う横部材の間に延びている、
請求項15に記載のパレット。
【請求項17】
前記少なくとも1つのロック機構は、前記ロック部を前記ロック機構に係合させるように構成された付勢手段を含む、
請求項15または16に記載のパレット。
【請求項18】
前記コンテナからの漏れから前記パレットを保護するために前記パレットの下面に取り付けることができる取り外し可能なカバーをさらに含む、
請求項15~17のいずれか一項に記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再使用可能な容器アセンブリに関し、とくに農産物を輸送するための再使用可能な容器アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
再使用可能な容器、とくに農産物および他の傷みやすい食べ物を輸送するための再使用可能な容器が、知られている。容器を、栽培者から顧客へと食品を輸送するために使用することができ、あるいは果物などの食品を果樹園から摘み、容器に入れて農場へと運び、他のコンテナへの梱包まで保管することができる。多くの場合、容器は、季節ごとの果物の収穫のために供給者から貸し出され、季節の終わりに返却する必要がある。オレンジ、リンゴ、あるいは他の丸みを帯びた果物または野菜などの農産物を輸送するときの障害の1つは、それらが転がり易く、結果として打ち傷を生じかねないことである。対処すべきもう1つの障害は、空の容器を返却するコストを最小限に抑えることである。空の容器は輸送のコストを招くため、トラック内に収容できる空の容器の数を最適化することが、望ましいと考えられる。さらに、容器の通常の磨耗および傷が損傷につながる可能性があるため、より低コストな交換の選択肢を有する改良された容器を提供することも、望ましいと考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、先行技術の欠点のうちの1つ以上を実質的に克服または改善し、あるいは少なくとも有用な代替物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、本発明は、
底部と、前記底部から上方および外側へと延びる少なくとも1つの側壁とを有するコンテナと、
前記底部に配置された少なくとも1つのロック部と、
パレットと、
前記パレット上に配置され、前記少なくとも1つのロック部と相補的な少なくとも1つのロック機構と含んでおり、
前記コンテナと前記パレットとの間の相対回転によって、前記ロック部が係合し、あるいは分離することで、前記パレットと前記コンテナとがロックされ、あるいはロック解除される、容器アセンブリを提供する。
【0005】
好ましくは、前記コンテナは、第1の位置決め部を含み、前記パレットは、前記第1の位置決め部と相補的な第2の位置決め部を含み、使用時に、前記位置決め部が協働して、前記パレットと前記コンテナとの間の整列を促進する。
【0006】
好ましくは、前記第1の位置決め部は、前記ロック部を係合/分離させるように前記第2の位置決め部内で回転可能である。
【0007】
好ましくは、前記少なくとも1つのロック機構は、前記コンテナを前記パレットに対して回転させることで前記パレットと前記コンテナのロック/ロック解除が生じるように、前記パレットの隣り合う側壁の間に延びている。
【0008】
好ましくは、前記少なくとも1つのロック部は、前記コンテナの各々の角部に配置されたロック部を含み、前記少なくとも1つのロック機構は、前記パレットの隣り合う側壁の間に延びているロック機構を含む。
【0009】
好ましくは、前記コンテナは、前記コンテナ内の連続的な気流を促進するために、前記底部および前記側壁に沿って均一に分布した複数の開口を含む。
【0010】
さらに好ましくは、前記複数の開口は、前記底部および側壁の60~80パーセントをカバーする。
【0011】
好ましくは、前記少なくとも1つのロック機構は、前記少なくとも1つのロック部を前記少なくとも1つのロック機構に係合させるように構成された付勢手段を含む。
【0012】
一実施形態において、前記付勢手段は、開口部内に収容されたばねを含む。好ましくは、前記ばねは、前記開口部の両側に配置された一対のアーム部を含む。
【0013】
好ましくは、前記少なくとも1つのロック部は、前記コンテナに取り外し可能に取り付けることができる複数のロック用ポストを含む。
【0014】
好ましくは、各々のロック用ポストは、ロック機構内にスライド可能に受け入れられる。
【0015】
好ましくは、同様のパレットが積み重ねられるように構成され、同様のコンテナが重ね合わせられるように構成される。
【0016】
本発明の第2の実施形態は、少なくとも1つのロック機構と、位置決め部とを有しているパレットに、取り外し可能に取り付けることができるコンテナであって、
底部と、
前記底部から上方および外側へと延びる側壁と、
前記底部に配置され、前記パレットの前記少なくとも1つのロック機構に係合するように構成された少なくとも1つのロック部と、
前記底部から下方へと延びており、前記パレットの前記位置決め部に受け入れられる位置決め部材とを含んでいるコンテナを提供する。
【0017】
好ましくは、コンテナの前記側壁は、一連の水平方向の波状曲線によって定められた波形の外形を含む。この形状により、衝撃強度が向上する。
【0018】
好ましくは、コンテナの隣り合う側壁が、丸みを帯びたコーナー部で出会い、コンテナの内側の滑らかな曲面をもたらすことで、尖った険しい縁による果物および農作物の損傷を軽減する。
【0019】
本発明の第3の実施形態は、少なくとも1つのロック部と、位置決め部材とを有しているコンテナに、取り外し可能に取り付けることができるパレットであって、
横部材を有するベースと、
該パレットと前記コンテナとの間の相対回転によって、前記コンテナ上の前記少なくとも1つのロック部と係合し、あるいは分離するように構成された少なくとも1つのロック機構と、
前記位置決め部材を受け入れるように構成された位置決め部とを含んでいるパレットを提供する。
【0020】
好ましくは、前記少なくとも1つのロック機構は、隣り合う横部材の間に延びている。
【0021】
好ましくは、前記少なくとも1つのロック機構は、前記ロック部を前記ロック機構に係合させるように構成された付勢手段を含む。
【0022】
好ましくは、パレットは、汚染物質が積もることからパレットのリブの下方を保護し、使用の間の洗浄を容易にするために、パレットの下面に取り付けることができる取り外し可能なカバーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明および本発明の利点のより完全な理解のために、本発明の典型的な実施形態を、添付の図面を参照して以下の詳細な説明においてさらに詳しく説明する。添付の図面において、同様の参照符号は同様の部分を指している。
【
図1】本発明の一実施形態による四方向容器アセンブリを示している。
【
図2】本発明の別の実施形態による二方向容器アセンブリを示している。
【
図3】非ロック位置にある
図1の容器アセンブリを示している。
【
図4】ロック位置にある
図2の容器アセンブリを示している。
【
図5】
図1および
図2の両方の容器アセンブリのコンテナの一実施形態を示している。
【
図6】プラスチック製および鋼製の両方の構成部品を使用したコンテナへのロック用ラグの組み付けを示している。
【
図7】二方向パレットおよび下部カバーの分解図を示している。
【
図8】二方向パレットの下部カバーの組み付けを示している。
【
図10】四方向パレットの上面図およびフットカバー付きの側面図を示している。
【
図11】フットカバーおよび積み重ね端部カバーを備えた二方向パレットの分解図を示している。
【
図12】分離させた
図5の容器アセンブリを示しており、コンテナは重ね合わせられ、パレットは積み重ねられている。
【0024】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の特定の実施形態を示し、説明と併せて本発明の原理の説明に役立つ。本発明の他の実施形態および本発明の付随の多数の利点が、以下の詳細な説明を参照してよりよく理解され、容易に認識されるであろう。
【0025】
実施形態をより抽象的に眺めることができるように、商業的に実現可能な実施形態において有用または必要であり得る一般的かつ/または充分に理解された要素は必ずしも図示されないことを、理解できるであろう。図面の要素は、必ずしもお互いに対して一定の縮尺で示されているわけではない。また、方法の実施形態における特定の動作および/または工程が、特定の発生順序で説明または図示されるかもしれないが、そのような特定の順序が実際には必要でないことを、当業者であれば理解できるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1および
図2は、本発明による再使用可能な容器アセンブリ10を示している。
図1において、容器アセンブリ10は、コンテナ12および四方向パレット14を含む。
図2は、二方向パレット16との組み合わせにおけるコンテナ12を示している。再使用可能な容器アセンブリ10は、ポリプロピレンまたはポリエチレンから製作可能であり、果物、野菜、および肉などの農産物に適しているが、容器アセンブリは、他の商品にも好適であってもよく、本発明は、本明細書に記載の用途に限定されない。
【0027】
図5を参照すると、コンテナ12は、底部18と、底部18から上方および外側へと延びて縁枠19で終わる側壁20とを含む。
図12に見られるように、末広がりの側壁20は、同様のコンテナ12をコンパクトに重ね合わせることを可能にする。コンテナ12の底部18およびパレット14、16は、それぞれ中空ダイヤモンドの形状に設けられている。六角形または八角形などの他の形状も、好適である。縁枠19と側壁20との間に延在するいくつかのリブ62の形成による補強は、コンテナ12の強度を向上させるとともに、重ね合わせられたときのコンテナ12の詰まりまたは固着の防止に役立つ。コンテナ12は、底部18および側壁20にいくつかの通気孔42を含む。
【0028】
好都合なことに、コンテナ12はパレット14、16とは別個に成形されているため、通気孔42を底部18および側壁20により均一に分布させることができ、より広い面積をカバーすることができる。好ましくは、通気孔は、側壁および底部の約60~70パーセントをカバーする。通気孔42により、空気をコンテナ12の全体に循環させることができる。これにより、輸送中の農産物の熟成を促進することができる。
図5に最もよく表されているように、側壁20は、衝撃強度をだすとともに、打ち傷を引き起こす可能性がある果物および野菜などの農産物の転がりの防止に役立つように、波形にされている。加えて、コンテナ12は、やはり農産物の無傷な状態の維持およびコンテナ12の内部容積の最適化に役立つ湾曲したコーナー部44を有する。
【0029】
図5および
図6を参照すると、コンテナ12は、コンテナ12の底部18から下方へと延びる4つのロック用ポストまたはラグ22の形態の第1組のロック部を含む。以下で詳細に説明されるように、各々のロック用ラグ22は、パレット14、16内の対応するロック機構24と協働して、コンテナ12とパレット14、16とを互いに固定する。各々のロック用ラグ22を、コンテナ12と一体に形成することができ(
図5を参照)、あるいは、
図6に示されるように、各々のロック用ラグ22をコンテナ12に取り付けてもよい。
図6に示されるように、各々のロック用ラグ22は、取り付け部26と、カバー部28と、留め具30とを含むことができる。取り付け部26は、環状フランジ部32と、一対の同心スリーブ部34、36とを含む。カバー部28は、スリーブ部34、36との係合のための対応同心突起38、40を含む。各々のロック用ラグ22は、同心スリーブ部34、36がそれぞれの同心突起38、40を受け入れるように、取り付け部分26およびカバー部分28を、コンテナ底部18の両側に、通気孔42のうちの1つに被せて配置することにより、コンテナ12に取り付けられる(
図6)。留め具30は、取り付け部分26およびカバー部分28を、コンテナ底部18を間に位置させつつ互いに固定する。
【0030】
ロック用ラグ22は、バランスのとれたロック配置を保証するように配置されなければならない。図示の実施形態においては、4つのロック用ラグ22が存在し、少なくとも1つのロック用ラグ22がコンテナ12のコーナー部の近傍に配置されている。より多数またはより少数のロック用ラグ22を使用することができるが、各々のコーナー部にロック用ラグ22を有することで、容器アセンブリ10の輸送のための強度および安定性がもたらされることを、理解できるであろう。取り付け式のロック用ラグ22の利点は、損傷または摩耗時にコンテナ12の全体を廃棄することなく容易に交換できることである。
【0031】
さらに
図5および
図6を参照すると、コンテナ12は、中央位置決め用の差し込み部46を含む。差し込み部46は、コンテナ12の底部18から下方へと延びており、ロック用ラグ22よりもわずかに長い。差し込み部46は、一般的には管状であるが、中実であってもよい。以下でさらに詳しく説明されるように、中央位置決め用の差し込み部46は、係合のためにコンテナ12とパレット14、16とを整列させるために使用される。
【0032】
次に、パレット14、16を詳細に説明する。上述のように、パレットは、この分野において一般的に知られているように、フォークリフトまたは他のリフト車両がパレットの任意の辺から進入することができる四方向パレット14、またはフォークリフトがパレットの2つの対向する辺のいずれかからの進入に限定される二方向パレット16であってよい。
図2、
図10、および
図11は、二方向パレット16を示している。各々の二方向パレット16は、ベース50と、コーナー足部52と、クロスビーム56(
図2に見られる)とを含む。クロスビーム56は、互いに平行に延びており、2つのクロスビーム56が、対向するコーナー足部52の間を延びており、第3のクロスビーム56が、両側のクロスビーム56の間において、両側のクロスビーム56に平行に延びている。これにより、パレット16の輸送時および保管時における損傷または変形に抗する強度向上される。四方向パレット14を示している
図1を参照すると、クロスビームは、各々のコーナー足部52の間の中間に配置された追加の足部52と、中央の足部52とで置き換えられている。これにより、フォークリフトまたは他のリフト車両(図示せず)に必要なアクセス領域がもたらされる。
【0033】
図7および
図11に最もよく表されているように、パレット16は、中央の凹部または開口部48を含み、中央の凹部または開口部48は、円形であり、位置決め用の差し込み部46の直径よりもわずかに大きい直径を有する。位置決め用の差し込み部46および中央の開口部48は、最初にコンテナ12とパレット16との間の正確な位置決めのための位置決め装置として機能し、次いでコンテナ12とパレット16とを互いにロックするための回転中心として機能するように協働する。図示の実施形態は二方向パレット16であるが、四方向パレット14も同じやり方で機能することを、理解できるであろう。
【0034】
図10および
図11が、複数のロック機構24を有する二方向パレット16を示している。四方向パレット14のロック機構24も同じやり方で機能することを、理解できるであろう。各々のロック機構24は、コンテナ12上のそれぞれのロック用ラグ22に対応し、開口部またはスロット60内に収容されたばねクリップ58で構成された付勢手段を含む。ばねクリップ58は、パレット16と一体に形成されても、あるいは別個に取り付けられてもよい。ばねクリップ58は、弾性変形してロック用ラグ22を受け入れることができる。したがって、ばねクリップ58は、ロック用ラグ22に向かって押し付けられ、ロック用ラグ22を動かぬようにロックまたは固定する。
図10および
図11において、ばねクリップ58は、板ばねクリップであるように図示されており、スロット60の両側から内側へと延びている。別の実施形態(図示せず)においては、ばねクリップがスロット60の片側のみから延びていてもよい。好ましくは、ばねクリップは金属片から製作されるが、他の材料および仕上げが適切であってもよいことを、理解できるであろう。
【0035】
図10および
図11に最もよく表されているように、カバー部64を、留め具55を使用して各々の足部54の下面に取り付けることができる。各々の足部54は、突出底部66を有し、したがってパレット14、16が積み重ねられるとき、上方のパレット14、16の突出底部66が、隣接する下方のパレット14のくぼんだ上部68に収まる(
図12参照)。カバー部64は、パレット14、16と一体に形成されていてもよいし、あるいは別個に形成されて、留め具を使用して取り付けられていてもよい(
図10および
図11を参照)。カバー部64は、プラスチック、ステンレス鋼、または他の適切な材料であってよい。
【0036】
図7、
図8、および
図9が、
容器アセンブリ10が肉または鶏肉などの積み荷に使用されるときに漏れを防止するためにパレット14、16の下側に取り付けることができるカバー70を示している。カバー70は、ポリプロピレンまたはポリエチレンあるいは他の適切な材料から形成され、通気孔を含まない。カバー70は、クリップまたはねじ等の従来からの留め具71を使用してパレット14、16に取り付けられる。カバー70は、おおむね平坦であってよく、パレット14、16のそれぞれのコーナー足部54を収容するためのくぼんだコーナー部72(
図8)を有する。中央
の凹部74が、二方向パレット16のクロスビーム56を収容する。これにより、カバー70を二方向パレット16と四方向パレット14とのどちらにも利用することができる。
【0037】
図3および
図4に最もよく表されているように、コンテナ12およびパレット14は、以下で詳しく説明される「ツイスト-ロック」式の方法を使用して、互いにロック可能である。コンテナ12およびパレット14は、ポリプロピレン、ポリエチレン、または他の適切な材料から形成されていてもよい。二方向パレット16およびコンテナ12も、同じやり方で機能する。
【0038】
コンテナ12をパレット14にロックするために、コンテナ12を、中央位置決め用の差し込み部46が中央の開口部48に受け入れられ、ロック用ラグ22がそれぞれのロック機構24に受け入れられるように、パレット14の上方に配置する(
図3を参照)。次に、各々のロック用ラグ22がばねクリップ58内に滑り込み、所定の位置にロックされるように、コンテナ12を回転させ、すなわちひねる。環状フランジ部32の上面が、ばねクリップ58に当接して、コンテナ12およびパレット14の垂直方向の分離を防止し、スリーブ部36に向かって付勢されたばねクリップ58が、コンテナ12およびパレット14の水平方向の分離を防止する。
【0039】
中央位置決め用の差し込み部46および中央の開口部48は、最初にコンテナ12とパレット14との間の正確な位置決めのための位置決め装置として機能し、次いでコンテナ12とパレット14とを互いにロックするためのひねり動作の際に回転中心として機能するように協働する。中央位置決め用の差し込み部46は、各々のロック用ラグ22がそれぞれのロック機構24内に正しく位置することを保証し、ロックの際に、中央位置決め用の差し込み部46および中央の開口部48は、各々のロック用ラグ22とばねクリップ58と間のスライド係合を容易にするための回転中心として機能する。中央の開口部48を、例えば周囲の壁およびリブによって補強することができる。ひねり動作の際に、荷重の大部分は位置決め用の差し込み部46および中央の開口部48によって運ばれるため、補強によって堅牢性が確保される。中央の差し込み部46およびそれぞれのロック機構24に係合した4つのロック用ラグ22は、きわめて強力なロックをもたらし、意図的でなければ解除することができない。
【0040】
容器アセンブリ10をコンテナ12とパレット14とに分離することにより、よりコンパクトな保管が可能になる。
図12が、分離された複数の容器アセンブリ10を示しており、コンテナ12は重ね合わせられており、パレット14は積み重ねられている。
【0041】
好都合なことに、容器アセンブリ10においてパレット14をコンテナ12から取り外しできるようにすることで、トラック内に収容できる容器アセンブリ10の量が増加する。さらに、波形の設計では、現時点において市場で見られる容器と同じ上部荷重強度を達成するが、より少ない材料しか必要とせず、農産物への周囲の影響(打ち傷、割れ)も低減する。
【0042】
本発明の特定の実施形態を、本明細書において例示して説明したが、さまざまな代替および/または同等の実施態様が存在することを、当業者であれば理解できるであろう。1つ以上の典型的な実施形態は、あくまでも例にすぎず、いかなるやり方でも範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図していないことを、理解すべきである。むしろ、上述の概要および詳細な説明は、少なくとも1つの典型的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供するものであり、添付の特許請求の範囲に記載されるとおりの技術的範囲およびそれらの法的同等物から逸脱することなく、典型的な実施形態において説明した要素の機能および配置にさまざまな変更を加えることができることを、理解されたい。一般に、本出願は、本明細書において論じた特定の実施形態のあらゆる適応または変形を包含するように意図される。
【0043】
また、本文書において、用語「・・・を備える」、「・・・を備えている」、「・・・を含む」、「・・・を含んでいる」、「・・・を含有する」、「・・・を含有している」、「・・・を有する」、「・・・を有している」、およびこれらのあらゆる変種が、包括的(すなわち、非排他的)な意味で理解されるように意図されており、したがって本明細書に記載のプロセス、方法、装置、器具、またはシステムが、記載された特徴または部品または要素または工程に限定されず、むしろ明示的には挙げられておらず、あるいはそのようなプロセス、方法、物品、または器具に内在する他の要素、特徴、部品、または工程を含んでもよいことも、理解できるであろう。さらに、本明細書で使用される用語「a」および「an」は、とくに明記されない限り、1つ以上を意味すると理解されるように意図されている。さらに、用語「第1の」、「第2の」、などは、単に名札として使用され、対象について数値的な要件を課すことや、重要性の特定の順位を確立させることを、意図していない。