IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コスタール・コンタクト・ジステーメ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許-差込コネクタアセンブリ 図1
  • 特許-差込コネクタアセンブリ 図2
  • 特許-差込コネクタアセンブリ 図3
  • 特許-差込コネクタアセンブリ 図4
  • 特許-差込コネクタアセンブリ 図5
  • 特許-差込コネクタアセンブリ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】差込コネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20221228BHJP
   H01R 13/73 20060101ALI20221228BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20221228BHJP
   H05K 1/18 20060101ALN20221228BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/73 A
H01R13/639 Z
H05K1/18 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020536991
(86)(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2019050649
(87)【国際公開番号】W WO2019138047
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】102018000207.2
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507400756
【氏名又は名称】コスタール・コンタクト・ジステーメ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】プラーテ・ヘルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ブラウシェック・マヌエル
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-300286(JP,A)
【文献】特表平10-511212(JP,A)
【文献】特開2003-059589(JP,A)
【文献】米国特許第05533908(US,A)
【文献】特開2012-003874(JP,A)
【文献】実開平05-002385(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2003/0100211(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/71
H01R 13/73
H01R 13/639
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
差込コネクタアセンブリであって、
プリント基板(50)に配置された複数の第1のコンタクト要素(12)を有する、第1の差込コネクタ部品(10)と、
前記第1の差込コネクタ部品(10)に接合可能であるとともに、ベース体(30)に複数の第2のコンタクト要素(22)を保持し、前記第2のコンタクト要素(22)は、前記第1の差込コネクタ部品(10)の前記第1のコンタクト要素(12)に電気的にかつ機械的に接続可能である、第2の差込コネクタ部品(20)と、
を備える、差込コネクタアセンブリにおいて、
記第1の差込コネクタ部品(10)の両側の隣に、打抜き曲げ部品(40a40b)が、前記プリント基板(50)上に取り付けられていて前記打抜き曲げ部品(40a40b)が、プリント基板(50)に対して垂直の枠部分(46)を有するとともに、枠部分(46)の内側に一体に、前記プリント基板(50)の表面(52)に対して平行に可動のばねアーム(42a42b)をし、
前記第1の差込コネクタ部品(10)と前記第2の差込コネクタ部品(20)とを接続すると、各前記ばねアーム(42a42b)の部分(44a44b)が、対応する前記ベース体(30)の係止凹部(32a32b)に係合することを特徴とする、差込コネクタアセンブリ。
【請求項2】
前記ばねアーム(42a42b)の前記部分は、係止フック(44a44b)として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の差込コネクタアセンブリ。
【請求項3】
前記打抜き曲げ部品(40a40b)は、前記プリント基板(50)の表面(52)上にろう接されていることを特徴とする、請求項1は2に記載の差込コネクタアセンブリ。
【請求項4】
前記打抜き曲げ部品(40a40b)は、前記プリント基板(50)の孔に嵌め込まれている圧入域を有することを特徴とする、請求項1は2に記載の差込コネクタアセンブリ。
【請求項5】
記第1の差込コネクタ部品(10)の両側の隣に配置された前記打抜き曲げ部品(40a40b)は、互いに対して鏡面対称に形成されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の差込コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に配置された複数の第1のコンタクト要素を有する、第1の差込コネクタ部品と、第1の差込コネクタ部品に接合可能であるとともに、ベース体に複数の第2のコンタクト要素を保持し、第2のコンタクト要素は、第1の差込コネクタ部品の第1のコンタクト要素に電気的にかつ機械的に接続可能である、第2の差込コネクタ部品と、を備える、差込コネクタアセンブリに関する。
【0002】
この種の差込コネクタアセンブリは、多くの構成で知られている。この場合、第1の差込コネクタ部品の第1のコンタクト要素は、電気的にも機械的にもプリント基板に接続されていることが多く、この接続は、プリント基板の凹部に第1のコネクタ要素の端部部分を嵌め込んで、これに続いてプリント基板の導体路にろう接されることによって達成することができる。
【0003】
そのような差込コネクタアセンブリでは、第1の差込コネクタ部品が第2の差込コネクタ部品に簡単にかつ機能的に確実に接続可能である必要がある。特に、両方の差込コネクタ部品の不用意な分離を安全に防止できるようにするべきである。そのために、たとえば差込コネクタ部品の摺動可能なハウジング部分によって実現されたロック要素が知られている。ロック要素は、ハウジング部品の構成に応じて、製造が比較的複雑であり得る。
【0004】
本発明の課題は、第2の差込コネクタ部品が、回路基板上に配置された第1の差込コネクタ部品に容易に係止可能である、差込コネクタアセンブリを提供することである。
【0005】
この課題は、本発明によれば、第1に、両側で第1の差込コネクタ部品の隣に、それぞれ打抜き曲げ部品が、プリント基板上に取り付けられており、打抜き曲げ部品が、それぞれ一体に、プリント基板の表面に対して平行に可動のばねアームを形成し、第1の差込コネクタ部品と第2の差込コネクタ部品とを接続すると、各ばねアームのそれぞれ一部分が、それぞれベース体の係止凹部に係合することによって解決される。
【0006】
この課題は、本発明によれば、第2に、両側で第1の差込コネクタ部品の隣に、それぞれ打抜き曲げ部品が、プリント基板上に取り付けられており、打抜き曲げ部品が、それぞれ係止凹部を有し、ベース体は、両側で側方に成形されたまたは配置されたばねアームを有し、ばねアームは、差込コネクタ部品が完全に接続されると、打抜き曲げ部品の係止凹部と係合することによって解決される。
【0007】
したがって、本発明は、ばねアームを介して、第2の差込コネクタ部品に対する機械的な係止接続部を形成することができ、ゆえに第2の第2の差込コネクタ部品をプリント基板に対して相対的に、ひいては第1の差込コネクタ部品に対して相対的に固定する、プリント基板上に取り付けられた打抜き曲げ部品を想定している。
【0008】
この場合、ばねアームは、打抜き曲げ部品に成形するか、または第2の差込コネクタ部品のベース体に成形するもしくは配置することができ、対応する係止凹部は、ベース体または打抜き曲げ部品に設けることができる。この場合、本発明による第2の解決手段は、本発明による第1の解決手段の運動学的に逆の構成をなし、またその逆も然りである。
【0009】
本明細書において、打抜き曲げ部品という用語は、直角または略直角に折り曲げられた少なくとも1つの部分を有する、打抜きによって成形された金属薄板として、広義に解されるべきである。その際、折曲げが打抜きと同時に行われるか、または後続の作業工程で行われるかは重要でない。
【0010】
プリント基板における打抜き曲げ部品の取付けは、たとえば、打抜き曲げ部品の、屈曲成形された取付けストリップに成形された圧入域によって行うことができる。好適には、取付けストリップは、プリント基板の表面上のコンタクト領域または導体路にろう接されるシンプルなろう接面を形成する。
【0011】
係止接続部を形成するばねアームによる、プリント基板上に配置された打抜き曲げ部品への第2の差込コネクタ部品のベース体の取付けは、プリント基板と、またこれと同時にプリント基板に配置された第1の差込コネクタ部品への第2の差込コネクタ部品の確実な固定を容易に可能にする。好適には、そのために第1の差込コネクタ部品に係止要素が全く必要とされない。
【0012】
以下、図面に基づいて、本発明の2つの実施形態を図示して、詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の差込コネクタアセンブリを示す。
図2】第1の差込コネクタアセンブリの打抜き曲げ部品を示す。
図3】第1の差込コネクタアセンブリを側面図で示す。
図4】第1の差込コネクタアセンブリを断面図で示す。
図5】第2の差込コネクタアセンブリを示す。
図6】第2の差込コネクタアセンブリの打抜き曲げ部品を示す。
【0014】
図1図4は、本発明に従って構成された差込コネクタアセンブリの第1の実施形態を示している。図1は、第1の差込コネクタ部品10を示しており、第1の差込コネクタ部品10は、プリント基板50上に配置されていて、かつ第2の差込コネクタ部品20に接続されている。第2の差込コネクタ部品20からは、複数の接続線路60が出発しており、これらの接続線路60は、第2の差込コネクタ部品20の、図1には認められないコンタクト要素に電気的に接続されている。
【0015】
さらに、図1には、差込コネクタ部品10,20の他に、存在する2つの打抜き曲げ部品40a,40bのうちの1つが認められる。これらの2つの打抜き曲げ部品40a,40bは、図2において単一の部品として一緒に図示されている。両方の打抜き曲げ部品40a,40bは、相互に鏡面対称に構成されていて、かつそれぞれ垂直の枠部分46を有する。枠部分46において、それぞれ矩形のばねアーム42a,42bが、矩形の凹部47内に配置されている。各ばねアーム42a,42bは、その上下の縁で、短くて狭幅の金属ストリップ45を介して枠部分46に接続されていて、ゆえに枠部分46に対して揺動可能に支持されている。各打抜き曲げ部品40a,40bは、その枠部分46の下側に、狭幅の取付けストリップ41を有し、取付けストリップ41は、枠部分46に対して直角に折り曲げられている。
【0016】
差込コネクタアセンブリの組立て状態では、取付けストリップ41は、プリント基板50の表面52に載置し、かつ打抜き曲げ部品40a,40bを取り付けるために用いられる。好適には、そのために、打抜き曲げ部品40a,40bは、電子SMD素子と同様に、プリント基板50の表面52上で、(ここでは図示されていない)コンタクト面または導体路にろう接されている。代替的に、取付けストリップ41は、その下面に、(図示されていない)圧入域を有し、プリント基板50の(同様に図示されていない)孔に嵌める込むことができる。
【0017】
図3は、図1に示された差込コネクタアセンブリを側面図で示す。また図4は、図3によるA-A断面図を示しており、これにより、差込コネクタアセンブリのさらなる詳細が認められる。
【0018】
図4は、第1の差込コネクタ部品10に属する第1のコンタクト要素12が、プラスチックから成るコンタクト支持体14によって保持され、第1のコンタクト要素12の、オスの平型端子として構成された前側部分が、第2の差込コネクタ部品20の、差込接続端子として構成された第2のコンタクト要素22に挿入されていることを具体的に示している。第2のコンタクト要素22は、差込コネクタ部品20から外へ導かれた接続線路60に電気的に接続されていて、かつ絶縁性のベース体30によって保持される。
【0019】
ベース体30は、その両方の側面で、第2のコンタクト要素22に対して平行に、それぞれ係止凹部32a,32bを有する。差込コネクタ部品10,20が繋ぎ合わされると、図1図4に示されているように、機能的な係止フック44a,44bを形成する両方の打抜き曲げ部品40a,40bのばねアーム42a,42bの端部部分が、それぞれ係止凹部32a,32bに弾性的に入り込む。打抜き曲げ部品40a,40bがプリント基板50に機械的に固く接続されているので、これにより、第2の差込コネクタ部品20は、ばねアーム42a,42bを介して、プリント基板50に対して、かつ第1の差込コネクタ部品10に対しても相対的に固定されている。
【0020】
これにより、接続線路60を介する引抜きまたは落下による、両方の差込コネクタ部品10,20の不意の分離が排除される。両方の差込コネクタ部品10,20の意図的な分離は、ばねアーム42a,42bの2つの操作部分43に同時に押圧力を作用させることによって可能である。押圧力の作用によって、係止フック44a,44bは、ばねアーム42a,42bのばね力に抗して係止凹部32a,32bから外へ動くことができる。
【0021】
差込コネクタアセンブリの代替的な構成が、図5および図6により示唆されている。この変化形態は、前述の構成とは異なり、打抜き曲げ部品40c,40dがここではばねアームを有さず、その代わりにばねアーム用の係止凹部49a,49bを有する。
【0022】
第2の差込コネクタ部品20のベース体30には、好適には金属製の接続要素24が配置されており、接続要素24は、U字形湾曲部材を形成し、このU字形湾曲部材は、ベース体30に上から係合し、かつその側面に、それぞれ屈曲された部分26を形成するばねアーム25a,25bが成形されている。差込コネクタ部品10,20が接続されると、これらの部分26は、打抜き曲げ部品40c,40dの係止凹部49a,49bに係止する。
【0023】
ここでも、接続要素24と打抜き曲げ部品40c,40dとを介して、第2の差込コネクタ部品20のベース体30と(ここでは図示されていない)プリント基板との間の機械的な接続部が形成され、この機械的な接続部は、第2の差込コネクタ部品20を同時に第1の差込コネクタ部品10に対して相対的に固定する。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
差込コネクタアセンブリであって、
プリント基板(50)に配置された複数の第1のコンタクト要素(12)を有する、第1の差込コネクタ部品(10)と、
前記第1の差込コネクタ部品(10)に接合可能であるとともに、ベース体(30)に複数の第2のコンタクト要素(22)を保持し、前記第2のコンタクト要素(22)は、前記第1の差込コネクタ部品(10)の前記第1のコンタクト要素(12)に電気的にかつ機械的に接続可能である、第2の差込コネクタ部品(20)と、
を備える、差込コネクタアセンブリにおいて、
前記第1の差込コネクタ部品(10)の両側の隣に、打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)が、前記プリント基板(50)上に取り付けられていて、前記打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)が、それぞれ一体に、前記プリント基板(50)の表面(52)に対して平行に可動のばねアーム(42a,42b)を形成し、
前記第1の差込コネクタ部品(10)と前記第2の差込コネクタ部品(20)とを接続すると、各前記ばねアーム(42a,42b)の部分(44a,44b)が、対応する前記ベース体(30)の係止凹部(32a,32b)に係合することを特徴とする、差込コネクタアセンブリ。
2.
差込コネクタアセンブリであって、
プリント基板(50)に配置された複数の第1のコンタクト要素(12)を有する、第1の差込コネクタ部品(10)と、
前記第1の差込コネクタ部品(10)に接合可能であるとともに、ベース体(30)に複数の第2のコンタクト要素(22)を保持し、前記第2のコンタクト要素(22)は、前記第1の差込コネクタ部品(10)の前記第1のコンタクト要素(12)に電気的にかつ機械的に接続可能である、第2の差込コネクタ部品(20)と、
を備える、差込コネクタアセンブリにおいて、
両側で前記第1の差込コネクタ部品(10)の隣に、それぞれ打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)が、前記プリント基板(50)上に取り付けられていて、前記打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)が、それぞれ係止凹部(49a,49b)を有し、
前記ベース体(30)は、両側で側方に成形された又は配置されたばねアーム(25a,25b)を有し、前記ばねアーム(25a,25b)は、前記差込コネクタ部品(10,20)が完全に接続されると、前記打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)の係止凹部(49a,49b)と係合する
ことを特徴とする、差込コネクタアセンブリ。
3.
前記ばねアーム(42a,42b)の前記部分は、係止フック(44a,44b)又は屈曲された部分(26)として形成されていることを特徴とする、上記1又は2の差込コネクタアセンブリ。
4.
前記ベース体(30)に、一体的に成形されたばね2つのアーム(25a,25b)を有する金属製の接続要素(24)が配置されていることを特徴とする、上記2の差込コネクタアセンブリ。
5.
前記打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)は、前記プリント基板(50)の表面(52)上にろう接されていることを特徴とする、上記1又は2の差込コネクタアセンブリ。
6.
前記打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)は、前記プリント基板(50)の孔に嵌め込まれている圧入域を有することを特徴とする、上記1又は2の差込コネクタアセンブリ。
7.
前記第1の差込コネクタ部品(10)の両側の隣に配置された前記打抜き曲げ部品(40a,40b,40c,40d)は、互いに対して鏡面対称に形成されていることを特徴とする、上記1又は2の差込コネクタアセンブリ。
【符号の説明】
【0024】
10 第1の差込コネクタ部品
12 第1のコンタクト要素
14 コンタクト支持体
20 第2の差込コネクタ部品
22 第2のコンタクト要素
24 接続要素
25a,25b ばねアーム
26 (屈曲された)部分
30 ベース体
32a,32b 係止凹部
40,40b,40c,40d 打抜き曲げ部品
41 取付けストリップ
42a,42b ばねアーム
43 操作部分
44a,44b 係止フック(部分)
45 金属ストリップ
46 係止部分
47 凹部
49a,49b 係止凹部
50 プリント基板
52 表面
60 接続線路
図1
図2
図3
図4
図5
図6