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特許7202388異性化ユニットにおける上部分割壁の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】異性化ユニットにおける上部分割壁の使用
(51)【国際特許分類】
   B01D 3/14 20060101AFI20221228BHJP
   B01D 3/22 20060101ALI20221228BHJP
   C07C 7/04 20060101ALI20221228BHJP
   C07C 5/22 20060101ALI20221228BHJP
   C07C 9/18 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
B01D3/14 A
B01D3/22
C07C7/04
C07C5/22
C07C9/18
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020537451
(86)(22)【出願日】2018-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 US2018051584
(87)【国際公開番号】W WO2019060324
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】62/560,569
(32)【優先日】2017-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515169326
【氏名又は名称】ズルツァー マネジメント アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルガバ、マニシュ
(72)【発明者】
【氏名】カリタ、ルーミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェントリー、ジョセフ シー.
【審査官】小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6759563(US,B1)
【文献】特表2017-508604(JP,A)
【文献】特開平11-322637(JP,A)
【文献】特表2017-524039(JP,A)
【文献】特表2008-537561(JP,A)
【文献】特表2004-508923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 7/04
B01D 3/00-3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の分割壁型カラムであって
安定化カラムとして構成された第1のサイド、および
ナフサスプリッタカラムとして構成された第2のサイ
を有する第1の分割壁型カラムと
2の分割壁型カラムであって
脱ペンタン化カラムとして構成された第1のサイド、および
脱イソヘキサン化カラムとして構成された第2のサイ
を有する第2の分割壁型カラムと
前記第1の分割壁型カラムに結合され、前記第1の分割壁型カラムの前記第2のサイドから軽質ナフサカラムオーバーヘッドストリームを受け取るように構成された脱イソペンタン化カラムと、
前記脱イソペンタン化カラムに結合され、前記脱イソペンタン化カラムからボトムストリームを受け取るように構成された異性化反応器と、
前記異性化反応器に結合され、前記異性化反応器から不安定な異性体を含むストリームを受け取り、安定した異性体を前記第2の分割壁型カラムに供給するように構成された安定化カラムと
を有する、異性化ユニット。
【請求項2】
前記第1の分割壁型カラムは、第1の凝縮器および第2の凝縮器を有し、前記第1の凝縮器は、前記第1の分割壁型カラムの前記第1のサイドから前記第1の分割壁型カラムの前記第1のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成され、前記第2の凝縮器は、前記第1の分割壁型カラムの前記第2のサイドから前記第1の分割壁型カラムの前記第2のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成されている、請求項1に記載の異性化ユニット。
【請求項3】
前記第2の分割壁型カラムは、第1の凝縮器および第2の凝縮器を有し、前記第1の凝縮器は、前記第2の分割壁型カラムの前記第1のサイドから前記第2の分割壁型カラムの前記第1のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成され、前記第2の凝縮器は、前記第2の分割壁型カラムの前記第2のサイドから前記第2の分割壁型カラムの前記第2のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成されている、請求項1に記載の異性化ユニット。
【請求項4】
前記第1の分割壁型カラムは、前記第1の分割壁型カラムからボトムストリームを受け取り且つ前記ボトムストリームの一部を前記第1の分割壁型カラムに戻すように構成されたボトムリボイラーを有する、請求項1に記載の異性化ユニット。
【請求項5】
前記第2の分割壁型カラムは、前記第2の分割壁型カラムからのボトムストリームを受け取り且つ前記ボトムストリームの一部を前記第2の分割壁型カラムに戻すように構成されたボトムリボイラーを有する、請求項1に記載の異性化ユニット。
【請求項6】
前記第1の分割壁型カラムの前記第1のサイドおよび前記第2のサイドは、上部分割壁によって分離されている、請求項1に記載の異性化ユニット。
【請求項7】
前記第2の分割壁型カラムの前記第1のサイドおよび前記第2のサイドは、上部分割壁によって分離されている、請求項1に記載の異性化ユニット。
【請求項8】
前記第2の分割壁型カラムは、前記上部分割壁を含まない前記第2の分割壁型カラムの底部付近の位置から側留油を含む、請求項に記載の異性化ユニット。
【請求項9】
前記第1の分割壁型カラムに結合され、前記第1の分割壁型カラムからのボトムストリームと安定化カラムからのオフガスストリームを受け取り、前記第1の分割壁型カラムにフィードバックされる希薄溶媒を生成するように構成された充填フラッシュドラムをさらに有する、請求項1に記載の異性化ユニット。
【請求項10】
2つの分割壁カラムを用いた異性化のための方法であって、
第1の分割壁型カラムにストリームを提供するステップであって、前記第1の分割壁型カラムは、安定化カラムとして構成された第1のサイドおよびナフサスプリッタカラムとして構成された第2のサイドを有する、ステップと、
記第1の分割壁型カラムの第1のサイドで前記ストリームを処理するステップであって、それによりC 炭化水素およびより軽い成分を含むオフガスストリームとボトム生成物を生成するステップと、
より重い炭化水素ストリームを介した吸収を使用することにより、前記オフガスストリームから前記C 炭化水素を回収するステップと、
前記第1の分割壁型カラムの前記第2のサイドで前記ストリームを処理するステップであって、それによりC およびC 炭化水素を含む軽質ナフサオーバーヘッドストリームと重質ナフサストリームを生成するステップと、
前記軽質ナフサオーバーヘッドストリームを脱イソペンタン化カラムに供給するステップと、
前記軽質ナフサオーバーヘッドストリームを前記脱イソペンタン化カラムで処理するステップであって、それによりC 炭化水素異性体を除去し、且つC およびC 炭化水素を含むボトムストリームを回収するステップと、
前記ボトムストリームを前記脱イソペンタン化カラムから異性化反応器に供給するステップであって、それにより前記C およびC 炭化水素を異性化し、より高いオクタン価を有する不安定な異性化ストリームを生成するステップと、
前記不安定な異性化ストリームを前記異性化反応器から安定化カラムに供給するステップと、
記安定化カラムで前記不安定な異性化ストリームを処理するステップであって、それにより軽質炭化水素を含むオーバーヘッドオフガスストリームと、安定な異性化ストリームを生成するステップと、
前記安定な異性化ストリームを第2の分割壁型カラムに供給するステップと、
前記第2の分割壁型カラムを介して、C異性化生成物ストリームを含む第1のストリームおよび重質異性化生成物ストリームを含む第2のストリームを生成するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記第1の分割壁型カラムは、第1の凝縮器および第2の凝縮器を有し、前記第1の凝縮器は、前記第1の分割壁型カラムの前記第1のサイドから前記第1の分割壁型カラムの前記第1のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成され、前記第2の凝縮器は、前記第1の分割壁型カラムの前記第2のサイドから前記第1の分割壁型カラムの前記第2のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の分割壁型カラムは、第1の凝縮器および第2の凝縮器を有し、前記第1の凝縮器は、前記第2の分割壁型カラムの前記第1のサイドから前記第2の分割壁型カラムの前記第1のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成され、前記第2の凝縮器は、前記第2の分割壁型カラムの前記第2のサイドから前記第2の分割壁型カラムの前記第2のサイドのオーバーヘッドセクションにオーバーヘッドストリームの一部を還流するように構成されている、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の分割壁型カラムは、前記第1の分割壁型カラムからボトムストリームを受け取り且つ前記ボトムストリームの一部を前記第1の分割壁型カラムに戻すように構成されたボトムリボイラーを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の分割壁型カラムは、前記第2の分割壁型カラムからのボトムストリームを受け取り且つ前記ボトムストリームの一部を前記第2の分割壁型カラムに戻すように構成されたボトムリボイラーを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の分割壁型カラムの前記第1のサイドおよび前記第2のサイドは、上部分割壁によって分離されている、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の分割壁型カラムの前記第1のサイドおよび前記第2のサイドは、上部分割壁によって分離されている、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の分割壁型カラムは、前記上部分割壁を含まない前記第2の分割壁型カラムの底部付近の位置から側留油を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の分割壁型カラムからのボトムストリームおよび前記安定化カラムからのオフガスストリームを充填フラッシュドラムに供給するステップであって、それにより前記第1の分割壁型カラムにフィードバックされる希薄溶媒を生成するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出の相互参照)
本出願は、2017年9月19日に出願された米国仮特許出願第62/560,569号の米国特許法第119(e)条に基づく利益を主張するものであり、本明細書に完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
特許を請求する発明は、一般に、上部分割壁型カラムに関し、より詳細には、限定ではなく、コストを削減し効率を向上させる改良された異性化ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
異性化ユニットは、従来の低オクタン価ガソリンブレンドストックをアップグレードする簡単なプロセスを提供するために、製油所にとって重要である。さらに、製油所はベンゼン留分の水素化によりベンゼン含有量を調整することができる。ナフサ水素化処理(NHT)および異性化ユニット100は、図1に示すように、複数の従来の蒸留カラムから構成される。NHT反応器からの供給ストリームは、第1の安定化カラム102に送られる。第1の安定化カラム102は、オフガスとして供給ストリームから非凝縮性成分を除去する。安定化されたボトム生成物ストリームは、第1の安定化カラム102からナフサスプリッタカラム104に供給される。ナフサスプリッタカラム104は、安定化されたボトム生成物を、軽質ナフサオーバーヘッドストリームと重質ナフサボトムストリームに分離する。
【0004】
軽質ナフサオーバーヘッドストリームは、主にC-C成分で構成されている。通常、軽質ナフサオーバーヘッドストリームは、脱イソペンタン化カラム106に供給され、i-Cを脱イソペンタン化カラム106のオーバーヘッドストリームとして濃縮する。残りのC-C成分は、脱イソペンタン化カラム106のボトムストリームとして得られ、オクタン価のアップグレードのために異性化反応器108に供給される。異性化に続いて、異性化反応器108からの不安定な異性体は、第2の安定化カラム110でさらに処理される。その後に、軽質炭化水素は、オフガスとしてオーバーヘッドストリーム中で除去され、また安定した異性体が、C成分の濃縮ストリームを除去するために脱ペンタン化カラム112に送られる。
【0005】
脱ペンタン化カラム112からのCリッチストリームは、i-C生成物を除去するために上流の脱イソペンタン化カラム106に戻されリサイクルされる。脱ペンタン化カラム112からのボトム生成物ストリームは、脱イソヘキサン化カラム114に供給される。C異性化生成物ストリームは、オーバーヘッドストリームとして脱イソヘキサン化カラム114から除去され、重質異性化生成物ストリーム(主にC7+留分)は、ボトムストリームとして脱イソヘキサン化カラム114から除去される。脱イソヘキサン化カラム114からn-Cリッチ留分が側留油(side cut)として除去され、異性化反応器にリサイクルされる。
【0006】
図1の従来技術のシステム100には、いくつかの欠点がある。従来技術のシステム100の第1および第2の安定化カラム102、110は、比較的高い圧力(この場合、それぞれ~689.476kPa(100psigおよび~1103.16kPa(160psig)で動作する。従来の安定器で使用される部分凝縮のため、オフガスへの液体の損失が大きくなる。同様に、ナフサスプリッタカラム104も高圧(~517.107kPa(75psig)で動作する。その結果、カラムリボイラーは適度に高価な中圧(MP)蒸気で動作する。
【0007】
さらに、関与するカラムの数、典型的な高い動作温度、およびプロセスのさまざまな段階で観察される高い動作圧力のために、従来の異性化ユニットは、費用がかかり、エネルギー集約型の動作であり得る。精製業界では異性化ユニットの需要が高まっているため、プロセススキーム(process scheme)を改善してコストを削減し、効率を高めることが望まれる。
【発明の概要】
【0008】
分割壁型カラム(DWC;divided wall column)技術により、従来の異性化プロセススキームの効率とコストを改善することができる。本発明の実施形態は、異性化を使用してガソリン混合用の高オクタン価のCおよびC成分を得るプロセスに関する。本発明の実施形態は、DWC概念を利用するマルチカラム異性化構成がより少ない数の蒸留カラムで置き換えられる用途を含む。より低い動作カラム圧力とシステム内の改善された熱統合の組み合わせにより、DWC構成は大幅に少ないエネルギーを消費し、加熱コストを削減する。
【0009】
本発明の実施形態は、水素化処理反応器安定化カラムを包含し、そこでは、第1の安定化カラムおよび下流ナフサスプリッタカラムが単一の上部分割壁型カラムに組み合わされる(例えば、図2および図3を参照)。このような配置は、カラムの数を2から1に減らしながら、同様の数の生成物を生成する。新しいハイブリッドカラムは、従来の安定器と同じ圧力で動作する。
【0010】
いくつかの実施形態では、DWCは、DWCの上部セクションに配置されて2つの上部半分を形成する分割壁を含み、2つの上部半分は独立したカラムとして機能する。例えば、図1の従来技術のシステムの第1の安定化カラムおよびナフサスプリッタカラムは、上部分割壁型カラムに組み合わされる(例えば、図2および図3を参照)。この特定のDWCでは、ストリームが入るDWCのサイドが吸収体として機能する。希薄ナフサストリームが吸収媒体として使用される。この希薄ナフサストリームは、DWCカラムのより重いボトムから、または同じコンプレックス内の別の近くのカラムから取得できる。DWCの反対側は、典型的な蒸留カラムのように動作する。したがって、本発明の実施形態は、蒸留と吸収の両方が同じカラム内で実行されるようなカラムを包含する。
【0011】
同様に、図1の従来技術のシステムの脱ペンタン化カラムおよび脱イソヘキサン化カラムも、上部DWCに組み合わせることができる(例えば、図2および図4を参照)。このDWCカラムでは、DWCの上部が2つの分離ゾーンとして動作する。一方はC成分を除去するための脱ペンタン化器として機能し、他方は軽質(主にC異性体)および重質異性体(C以上の)生成物を回収するための脱イソヘキサン化カラムとして機能する。
【0012】
いくつかの実施形態では、異性化安定器は、図1の従来技術のシステムよりも低い圧力で動作する。例えば、図1の先行技術システムの第2の安定化カラムの約1103.16kPa(160psigと比較して、圧力は約517.107kPa(75psigであってもよい。図1の従来技術のシステムと比較して、第2の安定化カラムがより低い温度の加熱ユーティリティ(この場合は低圧蒸気)で動作するように、動作圧力が選択されている。さらに、異性化反応器からの反応器流出液ボトムとの熱統合により、第2の安定化カラムへのいくらかのリボイリングデューティが得られる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の安定化カラムおよびナフサスプリッタカラムを含むDWCも同様に高圧(~689.476kPa(100psig)で動作する。この配置により、下流の第2の安定化カラムの低い動作圧力が補償される。後者のシステムで失われた貴重なC成分は、希薄ナフサストリームを使用した吸収によって上流のDWCカラムに捕捉される。さらに、温度が高いため、この配置は脱イソペンタン化カラムとの熱統合を促進する。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の安定化カラムとナフサスプリッタカラムを組み合わせたDWCカラムからの重質ナフサボトムの一部を使用して、第2の安定器からのオフガスがストリッピングされる充填フラッシュドラムが使用される。残留希薄ナフサストリームは、ドラムから液体生成物として得られ、構成の吸収媒体として使用される。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムは、構成にDWC技術を適用することにより、低圧(LP)および中圧(MP)蒸気の組み合わせを利用し、図1の従来技術システムと比較してユーティリティコストを大幅に削減する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ナフサ水素化処理および異性化ユニットを組み合わせた従来技術のシステムを示す図である。
図2】ナフサ水素化処理および異性化ユニットにおいてDWC技術を使用するための本発明の実施形態によるプロセススキームを表す図である。
図3】上部DWC安定器/ナフサスプリッタ設計のための本発明の一実施形態によるプロセススキームを表す図である。
図4】上部DWC脱ペンタン化器/脱イソヘキサン化器の設計のための本発明の一実施形態によるプロセススキームを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態は、ユーティリティ消費を最小化する目的で、DWC技術を使用して個々のカラムを交換および/または一緒に組み合わせる異性化プロセスに関する。
【0018】
ここで図2を参照すると、異性化プロセススキーム200が示されている。スキーム200は、第1の分割壁型カラム(DWC)210および第2のDWC240を含む。第1のDWC210は、第1のDWC210の上部212を第1のサイド213および第2のサイド214に分割する上部分割壁211を含む。図2に示す実施形態では、第1のサイド213は安定化カラムとして動作するように構成され、第2のサイド214はナフサスプリッタカラムとして動作するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のサイド213は第1のオーバーヘッドセクション215を含み、第2のサイド214は第2のオーバーヘッドセクション216を含む。第1の凝縮器217は、第1のオーバーヘッドセクション215に結合され、そこから受け取ったオーバーヘッドを凝縮するように構成される。第1の凝縮器217からの還流は、第1のオーバーヘッドセクション215にフィードバックすることができる。第2の凝縮器218は、第2のオーバーヘッドセクション216に結合され、そこから受け取ったオーバーヘッドを凝縮するように構成される。第2の凝縮器218からの還流は、第2のオーバーヘッドセクション216にフィードバックすることができる。ボトムリボイラー219は、第1のDWC210に結合され、第1のDWC210からボトムストリームを受け取り、加熱されたストリームを第1のDWC210のボトムセクション220に戻すように構成される。
【0019】
第2のDWC240は、第2のDWC240の上部242を第1のサイド243および第2のサイド244に分割する上部分割壁241を含む。図2に示す実施形態では、第1のサイド243は、脱ペンタン化カラムとして動作するように構成され、第2のサイド244は、脱イソヘキサン化カラムとして動作するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のサイド243は第1のオーバーヘッドセクション245を含み、第2のサイド244は第2のオーバーヘッドセクション246を含む。第1の凝縮器247は、第1のオーバーヘッドセクション245に結合され、そこから受け取ったオーバーヘッドを凝縮するように構成される。第1の凝縮器247からの還流は、第1のオーバーヘッドセクション245にフィードバックすることができる。第2の凝縮器248は、第2のオーバーヘッドセクション246に結合され、そこから受け取ったオーバーヘッドを凝縮するように構成される。第2の凝縮器248からの還流は、第2のオーバーヘッドセクション246にフィードバックすることができる。ボトムリボイラー249は、第2のDWC240に結合され、第2のDWC240からボトムストリームを受け取り、加熱されたストリームを第2のDWC240のボトムセクション250に戻すように構成される。
【0020】
スキーム200の例示的なプロセスフローは、ストリーム230を第1のDWC210の第1のサイド213に供給することから始まる。図2の実施形態では、第1のサイド213は安定器であり、第2のサイド214はナフサスプリッタである。いくつかの実施形態では、ストリーム230は、ナフサ水素化処理反応器から供給される。第1のサイド213は、オフガスストリーム231としてストリーム230から非凝縮性成分を除去する。安定化されたボトム生成物は、第1のサイド213を下降し、第2のサイド214に入る。第2のサイド214は、安定化されたボトム生成物を第1のサイド213から軽質ナフサオーバーヘッドストリーム232と重質ナフサボトムストリーム233に分離する。
【0021】
軽質ナフサオーバーヘッドストリーム232は、主にC-C成分で構成されている。軽質ナフサオーバーヘッドストリーム232は、脱イソペンタン化カラム251に供給され、i-Cをオーバーヘッドストリーム234として濃縮する。残りのC-C成分は、脱イソペンタン化カラム251のボトムストリーム235として得られ、異性化反応によるオクタン価向上のために異性化反応器252に供給される。異性化反応器252からの不安定な異性体を含むストリーム236は、安定化カラム254でさらに処理される。軽質炭化水素は、オフガスとしてオーバーヘッドストリーム237で除去され、安定した異性体を含むストリーム238は、C成分の濃縮ストリームを除去するために第2のDWC240の第1のサイド243に送られる。
【0022】
図2の実施形態では、第1のサイド243は脱ペンタン化器であり、第2のサイド244は脱イソヘキサン化器である。Cが豊富なオーバーヘッドストリーム261は、i-C生成物を除去するために、第2のDWC240の第1のオーバーヘッドセクション245から上流の脱イソペンタン化カラム251にリサイクルされる。ボトム生成物ストリームは、第1のサイド243を下降し、第2のサイド244に入る。C異性体生成物ストリーム262は、オーバーヘッドストリームとして第2のDWC240から除去され、重質異性体生成物ストリーム263(主にC7+留分)は、ボトムストリームとして第2のDWC240から除去される。n-Cが豊富なストリーム264は、第2のDWC240から側留油として除去され、異性化反応器252にリサイクルされる。
【0023】
図3は、図1のカラム102、104と図2の第1のDWC210との並列比較である。上部分割壁211は、第1のDWC210の上部212を第1のサイド213と第2のサイド214、すなわち予備分留サイドと参照用の生成物サイドに分離する。プロセススキームは、非凝縮物をオフガスストリーム231として除去するように設計されている。さらに、このスキームは、中間沸騰成分(C-C)を反対サイドの軽質ナフサオーバーヘッドストリーム232として濃縮し、最も重い沸騰成分(重質ナフサ)は重いナフサのボトムストリーム233としてカラムのボトムで回収される。上部分割壁211の供給サイドでは、希薄ナフサストリームが吸収によりオフガスへの貴重なC成分の損失を低減する。上部分割壁211の生成物サイドでは、中間沸騰C-C成分が上部に移動し、重沸騰成分が下方に移動する。したがって、このスキームは、同じカラム内で蒸留と吸収の組み合わせを実行する。さらに、吸収側の第1の凝縮器217は部分水冷凝縮器であり、蒸留側の第2の凝縮器218は空冷交換器を使用する全凝縮器である。
【0024】
DWC21は、689.476kPa(100psigの高い動作圧力で動作し、ボトムリボイラー219(例えば、サーモサイフォンリボイラー)の加熱媒体としてMP蒸気を利用する。カラムの温度が高いため、非常に低い圧力で動作する下流の脱イソペンタン化カラム251と熱統合を可能にする。
【0025】
脱イソペンタン化カラム251は、上部のイソペンタン濃縮ストリーム(オーバーヘッドストリーム234)を除去する従来の蒸留カラムである。脱イソペンタン化カラム251のリボイラーはLP蒸気を利用し、別のリボイラーは上流DWC21からの高温のオーバーヘッドC-C蒸気と熱統合される。
【0026】
図4は、図1のカラム112、114と図2の第2のDWC240との並列比較である。第2のDWC240は、n-Cリサイクルストリーム264とともに、Cリサイクルストリーム261、C異性化ストリーム262、およびC7+ストリーム263の4つの生成物ストリームを分離する。上部分割壁241の両サイドに合計2つの凝縮器247、248がある。いくつかの実施形態では、凝縮器247、248は空冷交換器である。第2のDWC240のボトムにあるボトムリボイラー249は、LP蒸気で動作する。
【0027】
本発明の実施形態では、カラムオーバーヘッド圧力は、オーバーヘッド蒸気生成物ライン上の圧力コントローラを介して維持される。予備分留サイドには、オーバーヘッド凝縮器からの還流がある。
【0028】
以下の表1は、従来技術のシステム100に対するスキーム200のエネルギーとコストの節約を強調している。
【表1】
【0029】
以下の表2は、スキーム200と従来技術のシステム100の動作パラメータを強調している。
【表2】
図1
図2
図3
図4