(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】処理液供給ユニットを含む基板処理装置、及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221228BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20221228BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
H01L21/304 648K
H01L21/306 R
H01L21/30 569
(21)【出願番号】P 2021132042
(22)【出願日】2021-08-13
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0171186
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ソン テ
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョン ハン
(72)【発明者】
【氏名】ハ、ト キョン
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185644(JP,A)
【文献】特開2012-033961(JP,A)
【文献】国際公開第2010/035396(WO,A1)
【文献】特開2013-251548(JP,A)
【文献】特開2019-177581(JP,A)
【文献】特開2019-081320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/306
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持するための基板支持ユニット、及び
前記基板に向けて処理液を供給する処理液供給ユニットを含み、
前記処理液供給ユニットは、
基板上に処理液を供給するノズル、
前記ノズルに処理液を供給するための供給ラインを備える処理液供給部、及び
前記処理液を冷却
することで、前記ノズルから当該処理液をサックバックさせるための冷却部を含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記冷却部は、前記供給ラインの外部に冷却流体を供給することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記冷却部は、前記供給ラインを覆うように提供される管状部材を含むことを特徴とする、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記管状部材は内部空間を含み、
前記冷却部は前記内部空間に冷却流体を供給することを特徴とする、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記冷却部によって前記処理液の体積が減少することを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記冷却部は、
前記処理液の種類に応じて、前記内部空間に供給される冷却流体の温度、供給流量、供給時間及び熱交換面積のうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記ノズルは、窒素を含む不活性ガスの供給部に連結され、
基板上に不活性ガスを吐出することができることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
基板の収納されたキャリアが載置されるロードポート、
前記ロードポートに載置されたキャリアから前記基板を搬送するインデックスロボットが内部に提供されるインデックスチャンバー、及び
前記基板に対して液処理工程を行う液処理装置を備える工程処理部を含み、
前記液処理装置は、
基板を支持するための基板支持ユニット、及び
前記基板に向けて処理液を供給する処理液供給ユニットを含み、
前記処理液供給ユニットは、
基板上に処理液を供給するノズル、
前記ノズルに処理液を供給するための供給ラインを備える処理液供給部、及び
前記処理液を冷却
することで、前記ノズルから当該処理液をサックバックさせるための冷却部を含み、
前記冷却部は、
前記供給ラインを覆うように提供された管状部材を含む、基板処理設備。
【請求項9】
前記冷却部は前記供給ラインの外部に冷却流体を供給することを特徴とする、請求項8に記載の基板処理設備。
【請求項10】
前記管状部材は内部空間を含み、
前記冷却部は前記内部空間に冷却流体を供給することを特徴とする、請求項8に記載の
基板処理設備。
【請求項11】
前記冷却部によって前記処理液の体積が減少することを特徴とする、請求項8に記載の基板処理設備。
【請求項12】
前記冷却部は、
前記処理液の種類に応じて、前記内部空間に供給される冷却流体の温度、供給流量、供給時間及び熱交換面積のうちの少なくとも一つを制御することを特徴とする、請求項10に記載の基板処理設備。
【請求項13】
前記ノズルは、
窒素を含む不活性ガスの供給部に連結され、基板に向かって不活性ガスを吐出することができることを特徴とする、請求項8に記載の基板処理設備。
【請求項14】
基板上に処理液または不活性ガスを吐出するノズル、及び前記ノズルに処理液を供給するための処理液の供給ラインを含む基板処理装置を用いた基板処理方法であって、
基板上に処理液を吐出する処理液供給ステップと、
前記処理液の供給を中断し、前記ノズルの内部に残存する処理液をサックバック(Suck Back)させるサックバックステップと、
前記基板上に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ステップと、を含み、
前記サックバックステップと前記不活性ガス供給ステップは、前記処理液を冷却する
ことで、前記ノズルから当該処理液をサックバックさせる冷却ステップを含む、基板処理方法。
【請求項15】
前記冷却ステップによって前記処理液の体積が減少することを特徴とする、請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記冷却ステップは、前記供給ラインの外部に冷却流体を供給するステップを含むことを特徴とする、請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記サックバックステップで供給される冷却流体の量と、前記不活性ガス供給ステップに供給される冷却流体の量とは異なることを特徴とする、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記不活性ガス供給ステップが冷却ステップを含むことにより、前記ノズルから前記処理液がドロップしないことを特徴とする、請求項15に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記冷却ステップでは、前記冷却流体の温度、流量、供給時間及び熱交換面積のうちの少なくとも一つが制御されることを特徴とする、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記冷却流体を制御することにより、処理液がサックバックされる体積または時間が制御されることを特徴とする、請求項19に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液供給ユニットを含む基板処理装置、これを含む基板処理設備、及びこれを用いた基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子の製造工程は、ウェーハなどの基板を対象に、薄膜蒸着工程、エッチング工程、洗浄工程、フォト工程などの様々な単位工程を繰り返し行うように構成される。その中でも、一部の工程、例えばウェット洗浄工程、ウェットエッチング工程、塗布工程などは、基板に処理液を供給するための処理液供給ユニットが使用される。
【0003】
処理液供給ユニットは、各処理工程に適した処理液を処理液の濃度及び温度を調節して基板に提供する。このような処理液供給ユニットを含む基板処理装置は、基板が載置されるスピンヘッド、及びスピンヘッドに載置された基板に処理液を噴射するノズルを備えることができる。ノズルは、処理液が貯蔵された貯蔵タンクと供給ラインを介して連結され、供給ラインは、貯蔵タンクから処理液の供給を受けてノズルに提供する。供給ラインには、ノズルに供給される処理液の量を調節する調節弁、及びノズルに残存する処理液をサックバック(suck-back)して、ノズルに残存する処理液を除去するサックバックバルブが設置できる。調節弁がオフ(off)され、ノズルに供給される処理液を遮断する場合、サックバックバルブは、ノズルに残存する処理液をサックバックして、ノズルに残存する処理液が外部に流出することを防止する。
【0004】
しかし、最近、処理液吐出量の増加のためにノズル吐出口の口径が大きくなることにより処理液ドロップ(drop)現象が顕著に増加しており、界面活性成分の処理液、又は粘度の低い処理液(例えば、液状の有機溶剤(IPA)、オゾンを含む溶液など)の場合、表面張力が著しく減少するので、サックバックをしても供給ライン中の処理液が重力によってノズル側に流入して外部に漏れやすい。特に、外部からの衝撃があった場合、ノズルの流路(path)上で吐出口の近くに残留する処理液が間欠的にドロップされる現象が発生する。
【0005】
したがって、必要以上の処理液が基板を汚染、損傷させ、このような過程が繰り返し行われると、結果的に、所望の品質の基板生産が難しくなる。それだけでなく、複数のノズルを用いて基板を洗浄する場合、所望しない異種の処理液がドロップすれば、基板やスピンヘッドが汚染して洗浄効率が低下する問題が発生するおそれがある。つまり、処理液のドロップは、究極的に、基板の生産性の悪化という問題点を引き起こす。それに加えて、円滑でないサックバックは、テイラーコーン(Taylor Cone)現象、ノズル端部などに空気層が形成される現象などを発生させるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許公報第10-2010-0066499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、表面張力の低い処理液も円滑にサックバックさせることができる処理液供給ユニットを含む基板処理装置、及び基板処理方法を提供しようとする。
【0008】
また、本発明は、処理液の種類に関係なく、処理液のドロップ現象を防止することができる処理液供給ユニットを含む基板処理装置、及び基板処理方法を提供しようとする。
【0009】
解決しようとする課題は、これに限定されず、上述していないその他の課題は、通常の技術者であれば以下の記載から明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態によれば、基板を支持するための基板支持ユニット;及び前記基板に向けて処理液を供給する処理液供給ユニット;を含み、前記処理液供給ユニットは、基板上に処理液を供給するノズル、前記ノズルに処理液を供給するための供給ラインを備える処理液供給部、及び前記処理液を冷却させるための冷却部を含む、基板処理装置が提供できる。
【0011】
前記冷却部は、前記供給ラインの外部に冷却流体を供給することができる。
【0012】
前記冷却部は、前記供給ラインを覆うように提供される管状部材を含むことができる。
【0013】
前記管状部材は内部空間を含み、前記冷却部は前記内部空間に冷却流体を供給することができる。
【0014】
前記冷却部によって前記処理液の体積が減少することができる。
【0015】
前記冷却部は、前記処理液の種類に応じて、前記内部空間に供給される冷却流体の温度、供給流量、供給時間及び熱交換面積のうちの少なくとも一つを制御することができる。
【0016】
前記ノズルは、窒素を含む不活性ガスの供給部に連結され、基板上に不活性ガスを吐出することができる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、基板の収納されたキャリアが載置されるロードポート;前記ロードポートに載置されたキャリアから前記基板を搬送するインデックスロボットが内部に提供されるインデックスチャンバー;及び前記基板に対して液処理工程を行う液処理装置を備える工程処理部;を含み、前記液処理装置は、基板を支持するための基板支持ユニット、及び前記基板に向けて処理液を供給する処理液供給ユニットを含み、前記処理液供給ユニットは、基板上に処理液を供給するノズル、前記ノズルに処理液を供給するための供給ラインを備える処理液供給部、及び前記処理液を冷却させるための冷却部を含み、前記冷却部は、前記供給ラインを覆うように提供された管状部材を含む、基板処理設備が提供できる。
【0018】
前記冷却部は、前記供給ラインの外部に冷却流体を供給することができる。
【0019】
前記管状部材は内部空間を含み、前記冷却部は前記内部空間に冷却流体を供給することができる。
【0020】
前記冷却部によって前記処理液の体積が減少することができる。
【0021】
前記冷却部は、前記処理液の種類に応じて、前記内部空間に供給される冷却流体の温度、供給流量、供給時間及び熱交換面積のうちの少なくとも一つを制御することができる。
【0022】
前記ノズルは、窒素を含む不活性ガスの供給部に接続され、基板に向けて不活性ガスを吐出することができる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、基板上に処理液または不活性ガスを吐出するノズル、及び前記ノズルに処理液を供給するための処理液の供給ラインを含む基板処理装置を用いて、基板上に処理液を吐出する処理液供給ステップと、前記処理液の供給を中断し、前記ノズルの内部に残存する処理液をサックバック(SuckBack)させるサックバックステップと、前記基板上に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ステップと、を含み、前記サックバックステップと前記不活性ガス供給ステップは、前記処理液を冷却する冷却ステップを含む、基板処理方法が提供できる。
【0024】
前記冷却ステップによって前記処理液の体積が減少することができる。
【0025】
前記冷却ステップは、前記供給ラインの外部に冷却流体を供給するステップを含むことができる。
【0026】
前記サックバックステップで供給される冷却流体の量と、前記不活性ガス供給ステップに供給される冷却流体の量とは異なることができる。
【0027】
前記不活性ガス供給ステップが冷却ステップを含むことにより、前記ノズルから前記処理液がドロップしないことができる。
【0028】
前記冷却ステップでは、前記冷却流体の温度、流量、供給時間及び熱交換面積のうちの少なくとも一つが制御できる。
【0029】
前記冷却流体を制御することにより、処理液がサックバックされる体積または時間が制御できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態によれば、処理液配管の外部に冷却流体を供給して処理液の体積を減少させることにより、処理液をサックバックさせることができる。したがって、処理液のドロップ(Drop)現象、テイラーコーン(Talyor Cone)現象、及びノズル端部の空気層形成現象を防止することができる。
【0031】
また、本発明の一実施形態によれば、冷却流体の供給流量、温度などを制御して処理液の吐出反対方向に持続的に力を加えることにより、吐出終了後やノズル駆動待機中にも処理液のドロップ現象を防止することができる。つまり、冷却流体の条件を制御して、サックバックされる処理液の体積またはサックバック時間を調節することができる。
【0032】
発明の効果は、これに限定されず、上述していないその他の効果は、通常の技術者であれば本明細書及び添付図面から明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施形態による基板処理設備の例を示すものである。
【
図2】本発明の実施形態による基板処理装置の例を示すものである。
【
図3】
図2に示された処理液供給ユニットを説明するための概略拡大図である。
【
図4】
図2に示された処理液供給ユニットの構成を説明するための概略拡大断面図である。
【
図5】
図2に示されたノズルの例を示す概略拡大断面図である。
【
図6】本発明の実施形態による基板処理方法の一部を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態による基板処理方法の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。ところが、本発明は、様々に異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0035】
本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の機能や構成についての具体的な説明が本発明の要旨を無駄に曖昧にするおそれがあると判断された場合には、その具体的な説明を省略し、類似の機能及び作用をする部分は、図面全体にわたって同一の符号を使用する。
【0036】
明細書で使用される用語の少なくとも一部は、本発明における機能を考慮して定義したものなので、ユーザー、運用者の意図、慣例などによって異なり得る。よって、その用語については、明細書全般にわたった内容に基づいて解釈されるべきである。
【0037】
また、明細書において、ある構成要素を含むとするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。そして、ある部分が他の部分と連結(または結合)されるとするとき、これは、直接連結(または結合)される場合だけでなく、別の部分を挟んで間接的に連結(または、結合)される場合も含む。
【0038】
一方、図面において、構成要素の大きさや形状、線の太さなどは、理解の便宜上、多少誇張して表現されていてもよい。
【0039】
本発明の実施形態は、本発明の理想的な実施形態の概略図解を参照して説明される。これにより、前記図解の形状からの変化、例えば、製造方法及び/又は許容誤差の変化は十分に予想できる。よって、本発明の実施形態は、図解として説明された領域の特定の形状に限定されたとおりに説明されているのではなく、形状における偏差を含むものであり、図面に説明された要素は、全的に概略的なものであり、これらの形状は、要素の正確な形状を説明するためのものではなく、本発明の範囲を限定しようとするものではない、
【0040】
本発明の実施形態による基板処理装置は、半導体ウェーハ又は平板表示パネルなどの基板に対して液処理工程を行うために使用できる。一例として、本実施形態の設備は、基板に対して洗浄工程を行うために使用できる。以下の説明では、基板処理装置と液処理装置が同一であるとみなされる。
【0041】
図1は本発明の実施形態による基板処理設備の例を示す。
図1を参照すると、基板処理設備10は、インデックス部100と工程処理部200を含む。
【0042】
インデックス部100は、ロードポート120及びインデックスチャンバー140を含むことができる。ロードポート120、インデックスチャンバー140及び工程処理部200は、順次一列に配列できる。以下、ロードポート120、インデックスチャンバー140及び工程処理部200が配列された方向を第1方向12とする。そして、上方から眺めるときに第1方向12と垂直な方向を第2方向14とし、第1方向12と第2方向14を含む平面に垂直な方向を第3方向16とする。
【0043】
ロードポート120には、基板Wの収納されたキャリアCが載置できる。ロードポート120は、複数個が提供でき、これらは、第2方向14に沿って一列に配置できる。
図1では、4つのロードポート120が提供されたものと示した。しかし、ロードポート120の数は、工程処理部200の工程効率及びフットプリントなどの条件に応じて増加又は減少することができる。キャリアCとしては、前面開放一体型ポッド(FOUP:Front Opening Unified Pod)が使用できる。
【0044】
インデックスチャンバー140は、ロードポート120と工程処理部200との間に位置することができる。インデックスチャンバー140は、前面パネル、背面パネル及び両側面パネルを含む直方体の形状を有し、その内部には、ロードポート120に載置されたキャリアCとロードロックチャンバー220との間に、基板Wを搬送するためのインデックスロボット144が提供できる。図示してはいないが、インデックスチャンバー140は、内部空間にパーティクルが流入することを防止するために、ベント(vents)、層流システム(laminar flow system)などの制御された空気流動システムを含むことができる。
【0045】
工程処理部200は、ロードロックチャンバー220、搬送チャンバー240及び液処理チャンバー260を含むことができる。搬送チャンバー240は、その長さ方向が第1方向12と平行に配置できる。第2方向14に沿って、搬送チャンバー240の一側及び他側にはそれぞれ液処理チャンバー260が配置できる。
【0046】
液処理チャンバー260の一部は、搬送チャンバー240の長さ方向に沿って配置できる。また、液処理チャンバー260の一部は、互いに積層されるように配置できる。
【0047】
つまり、搬送チャンバー240の一側には、液処理チャンバー260がA×B(AとBはそれぞれ1以上の自然数)の配列で配置できる。ここで、Aは第1方向12に沿って一列に提供された液処理チャンバー260の数であり、Bは第3方向16に沿って一列に提供された液処理チャンバー260の数である。
【0048】
ロードロックチャンバー220は、インデックスチャンバー140と搬送チャンバー240との間に配置される。ロードロックチャンバー220は、搬送チャンバー240とインデックスチャンバー140との間に基板Wが搬送される前に、基板Wを一時積載する空間を提供する。ロードロックチャンバー220は、その内部に基板Wが置かれるスロット(図示せず)が提供され、スロット(図示せず)は、互いに第3方向16に沿って離隔するように複数提供される。ロードロックチャンバー220における、インデックスチャンバー140と向かい合う面、及び搬送シャンバー240と向かい合う面のそれぞれが開放された形態で提供できる。
【0049】
搬送チャンバー240は、ロードロックチャンバー220と液処理チャンバー260との間に基板Wを搬送することができる。搬送チャンバー240には、ガイドレール242とメインロボット244が提供できる。ガイドレール242は、その長さ方向が第1方向12と平行するように配置される。メインロボット244は、ガイドレール242上に設置され、ガイドレール242上で第1方向12に沿って直線移動できるように備えられる。
【0050】
以下、基板Wを搬送する構成を搬送ユニットと定義する。一例として、搬送ユニットには、搬送チャンバー240及びインデックスチャンバー140が含まれることができる。また、搬送ユニットには、搬送チャンバー240に提供されるメインロボット244及びインデックスロボット144が含まれることができる。
【0051】
液処理チャンバー260内には、基板Wに対して液処理工程、例えば洗浄工程を行う基板処理装置が提供できる。例えば、前記洗浄工程は、アルコール成分が含まれている処理流体を用いて基板Wを洗浄してストリップ、有機残渣(organic residue)を除去する工程であることができる。それぞれの液処理チャンバー260内に提供された基板処理装置は、実行する洗浄工程の種類によって異なる構造を持つことができる。選択的に、それぞれの液処理チャンバー260内の基板処理装置は同一の構造を持つことができる。選択的に、液処理チャンバー260は、複数のグループに区分され、同じグループに属する液処理チャンバー260に提供された基板処理装置は、互いに同一の構造を持ち、互いに異なるグループに属する液処理チャンバー260に提供された基板処理装置は、互いに異なる構造を持つことができる。以下では、液処理チャンバー260に提供される液処理装置の一例について説明する。
【0052】
図2は本発明の実施形態に係る液処理装置の例を示す。
図2は本発明の実施形態による基板を処理するための液処理チャンバー260に提供される液処理装置を示す図である。
図2を参照すると、液処理チャンバーに提供される液処理装置2600は、処理容器2620、基板支持ユニット2640、昇降ユニット2660、及び処理液供給ユニット2602を含む。液処理チャンバー260に提供される液処理装置2600は、基板Wに処理液を供給することができる。例えば、処理液は、現像液、エッチング液、洗浄液、リンス液、及び有機溶剤であることができる。エッチング液や洗浄液は、酸または塩基性質を有する液であることができ、硫酸(H
2SO
4)、リン酸(P
2O
5)、フッ酸(HF)及び水酸化アンモニウム(NH
4OH)を含むことができる。リンス液は、純水(DIW)であることができる。有機溶剤は、低表面張力の流体であるイソプロピルアルコール(IPA)であることができる。または、処理液はDSP(Diluted Sulfuric acid Peroxide)の混合液であることができる。
【0053】
処理容器2620は、内部に基板が処理される処理空間を提供する。処理容器2620は、上部が開放された筒状を有する。処理容器2620は、外側回収容器2626(または第1回収容器)及び内側回収容器2622(または第2回収容器)を持つことができる。それぞれの回収容器2622、2626は、工程に使用された処理液のうち、互いに異なる処理液を回収する。内側回収容器2622は、基板支持ユニット2640を包み込む環状のリング形状に提供され、外側回収容器2626は、内側回収容器2622を包み込む環状のリング形状に提供される。内側回収容器2622の内側空間2622aは、内側回収容器2622に処理液が流入する内側流入口2622aとして機能する。内側回収容器2622と外側回収容器2626との間の空間2626aは、外側回収容器2626に処理液が流入する外側流入口2626aとして機能する。それぞれの流入口2622a、2626aは、互いに異なる高さに位置することができる。それぞれの回収容器2622、2626の底面の下には回収ライン2622b、2626bが連結される。それぞれの回収容器2622、2626に流入した処理液は、回収ライン2622b、2626bを介して外部の処理液再生システム(図示せず)に提供されて再使用できる。
【0054】
基板支持ユニット2640は、処理空間で基板Wを支持する。基板支持ユニット2640は、工程進行中に基板Wを支持及び回転させることができる。基板支持ユニット2640は、支持板2642、支持ピン2644、チャックピン2646、及び回転駆動部材を有する。支持板2642は、略円形の板状に提供される。
【0055】
支持ピン2644は、支持板2642から上方に突出して基板Wの背面を支持するように複数提供される。
【0056】
チャックピン2646は、支持板2642から上方に突出して基板Wの側部を支持するように複数提供される。チャックピン2646は、支持板2642が回転するときに基板Wが定位置から側方向に離脱しないように基板Wの側部を支持する。チャックピン2646は、支持板2642の半径方向に沿って外側位置と内側位置との間で直線移動可能に提供される。基板Wが支持板2642に対してロードまたはアンロードされるとき、チャックピン2646は外側位置に位置し、基板Wに対して工程を行うとき、チャックピン2646は内側位置に位置する。内側位置は、チャックピン2646と基板Wの側部とが互いに接触する位置であり、外側位置は、チャックピン2646と基板Wとが互いに離隔する位置である。
【0057】
回転駆動部材2648、2649は、支持板2642を回転させる。支持板2642は、回転駆動部材2648、2649によって中心軸を中心に回転可能である。回転駆動部材2648、2649は、支持軸2648及び駆動部2649を含む。支持軸2648は、第3方向16に向かう筒状を有することができる。支持軸2648の上端は、支持板2642の底面に固定結合できる。駆動部2649は、支持軸2648が回転するように駆動力を提供する。支持軸2648は駆動部2649によって回転し、支持板2642は支持軸2648と一緒に回転することができる。
【0058】
昇降ユニット2660は、処理容器2620を上下方向に直線移動させる。処理容器2620が上下に移動することにより、支持板2642に対する処理容器2620の相対高さが変更される。昇降ユニット2660は、基板Wが支持板2642に対してロードされるか或いはアンロードされるとき、支持板2642が処理容器2620の上部に突出するように処理容器2620を下降させる。さらに、昇降ユニットは、工程の進行時には、基板Wに供給された処理液の種類に応じて、処理液が所定の回収容器2622、2626に流入することができるように処理容器2620の高さを調節する。昇降ユニット2660は、ブラケット2662、移動軸2664(シャフト)及び駆動ユニット2666を含む。ブラケット2662は、処理容器2620の外壁に固定設置され、ブラケット2662には、駆動ユニット2666によって上下方向に移動する移動軸2664が固定結合できる。選択的に、昇降ユニット2660は支持板2642を上下方向に移動させることができる。
【0059】
処理液供給ユニット2602は、基板Wに処理液を供給する。処理液供給ユニット2602は、複数で提供でき、それぞれは、互いに異なる種類の処理液を供給することができる。
【0060】
処理液供給ユニット2602は、移動部材2671及びノズル2670を含むことができる。
【0061】
移動部材2671は、ノズル2670を工程位置及び待機位置に移動させる。ここで、工程位置は、ノズル2670が基板支持ユニット2640に支持された基板Wの上面と対向する位置であり、待機位置は、ノズル2670が工程位置から外れた位置であることができる。
【0062】
移動部材2671は、支持軸2672、アーム2674及び駆動器2676を含むことができる。支持軸2672は、処理容器2620の一側に位置する。支持軸2672は、第3方向16に延びたロード形状であることができる。支持軸2672は、駆動器2676によって回転可能に提供される。支持軸2672は、昇降移動可能に提供できる。アーム2674は、支持軸2672の上端に結合され、支持軸2672から垂直に延びることができる。アーム2674の端部にはノズル2670が固定結合される。支持軸2672が回転することにより、ノズル2670は、アーム2674と一緒にスイング移動可能である。ノズル2670は、スイング移動して工程位置及び待機位置に移動することができる。選択的に、アーム2674は、その長さ方向に向かって前進及び後進移動可能に提供できる。上方から眺めるとき、ノズル2670が移動する経路は工程位置で基板Wの中心軸と一致することができる。
【0063】
図3~
図5は本発明の実施形態による処理液供給ユニットの例を示す。
図3は
図2に示された処理液供給ユニットを説明するための概略図、
図4は
図2に示された処理液供給ユニットを説明するための拡大断面図、
図5は
図2に示されたノズルの例を示す概略拡大断面図である。
【0064】
本発明の実施形態による処理液供給ユニット2602は、ノズル2670、処理液供給部2680及び冷却部2690を含むことができる。
【0065】
本発明の実施形態によれば、基板W上に処理液を吐出するノズル2670は、一つのノズルで提供できる。ノズル2670は、処理液が吐出される吐出口2678を含み、処理空間内の上部に提供されて基板Wに処理液を供給することができる。具体的には、ノズル2670は、基板Wの上面に向かって処理液を吐出することができる。一例として、ノズル2670は、噴射方式で処理液を吐出することができる。ノズル2670は、移動部材2671によって移動することができる。ノズル2670は、処理液供給部2680に連結され、処理液供給部2680から処理液の供給を受けることができる。
【0066】
また、ノズル2670は、基板Wの上面に向けてN2などの不活性ガスを供給することができる。一例として、ノズル2670は、基板への処理液の供給を完了すると、基板に向けて不活性ガスを供給することができる。したがって、ノズル2670は、不活性ガスの供給のために別々に備えられたガス供給部に連結できる。つまり、ノズル2670は、個別供給配管を介して処理液供給部2680とガス供給部のそれぞれに連結できる。
【0067】
図3及び
図4を参照すると、処理液供給部2680は、ノズル2670に処理液を供給するための構成であって、供給ライン2682と処理液供給タンク2684を含むことができる。
【0068】
処理液供給タンク2684には、処理液が貯蔵され、貯蔵された処理液をノズル2670に提供することができる。処理液供給タンク2684は、供給ライン2682によってノズル2670に連結され、処理液供給タンク2684から供給された処理液は、供給ライン2682に沿ってノズル2670に提供できる。供給ライン2682の一端部はノズル2670に連結され、供給ラインの他端部は処理液供給タンク2684に連結され得る。供給ライン2682は、移動部材2671の内部に内蔵できる。供給ライン2682上には、処理液の供給流量を調節するためのバルブ2686が提供できる。バルブ2686によって処理液の供給が開始または中断できる。
【0069】
基板の上部に提供された処理液供給ユニットによれば、処理液の供給が中断されても、重力によって、ノズル2670に残存する処理液が基板Wに漏れるドロップ(drop)現象が発生するおそれがある。特に、ノズル吐出口の口径が大きいか、基板の処理に使用される処理液がイソプロピルアルコール(IPA)のように低表面張力の流体である場合、ドロップ現象が著しく増加することができる。ドロップ現象によれば、基板が汚染または損傷することができる。よって、本発明は、ドロップ現象による基板の損傷を防止するために処理液を冷却することにより、処理液の体積を減少させて処理液をサックバック(Suck Back)させる方法を使用しようとする。
【0070】
冷却部2690は、処理液を冷却させるための構成であって、処理液の移動経路を提供する供給ライン2682を冷却させるように配置できる。供給ライン2682が冷却されることにより、供給ライン2682の内部に存在する処理液が冷却できる。
【0071】
冷却部2690は、供給ライン2682の外部に冷却流体を供給して供給ライン2682を冷却させることができる。冷却部2690は、供給ライン2682の全体に提供できる。または、供給ライン2682の一部に提供できる。
【0072】
冷却部2690は、供給ライン2682の外部に提供できる。一例として、冷却部2690は、供給ライン2682を覆うように提供される管状部材2692を含むことができる。
図4に示すように、供給ライン2682を覆う管状部材2692は、内部空間を含むことができ、冷却部2690は、管状部材2692の内部空間に冷却流体を供給して流動させることにより、供給ライン2682を冷却させることができる。供給ライン2682を冷却させることにより、処理液の温度が低くなり、処理液の温度が低くなることにより、処理液の体積は減少することができる。処理液の体積減少に応じて、処理液がサックバック(Suck back)できる。
【0073】
一例として、
図5(a)に示すように、処理液の供給が中断されたノズル2670の内部には、処理液が残存することができる。このとき、残存処理液の位置は、重力によって吐出口の位置と同じであることができる。しかし、上述したように、冷却流体を用いて処理液の供給ライン2682を冷却させると、処理液の温度が低くなって処理液の体積が減少することにより、処理液がノズル吐出口2678からサックバックできる。つまり、
図5(b)に示すように、ノズル2670内に残存する処理液の位置が上昇することができる。
【0074】
このように、冷却部2690は、管状部材2692に冷却流体を供給してノズル2670から処理液のドロップ現象を防止することができる。
【0075】
図示してはいないが、管状部材2692は、冷却流体を供給するための冷却流体供給部に連結できる。この際、使用された冷却流体は、冷却流体供給部に復帰して再使用できる。
【0076】
一方、冷却部2690は、冷却流体の温度、供給流量、供給時間、熱交換面積などを制御することができるように提供できる。処理液の種類に応じて冷却流体の条件を制御することにより、処理液がサックバックされる体積または時間を調節することができる。
【0077】
また、上述したように、本発明の実施形態に係る処理液供給ユニットは、一つのノズル2670が処理液と不活性ガスを吐出するので、ノズル2670は、処理液の供給が中断された後でも不活性ガスの供給のために駆動できる。よって、冷却部2690は、基板処理工程が完了するまで管状部材2692に持続的に冷却流体を供給してノズル2670から処理液のドロップ現象を防止することができる。
【0078】
冷却部2690は、液処理工程の全体工程時間の間、管状部材2692に冷却流体を供給することができる。管状部材2692に供給される冷却流体の流量は、区間ごとに異なることができる。一例として、処理液による基板処理工程が完了してノズル2670が駆動しないとき、冷却部2690は、相対的に大流量の冷却流体を管状部材2692に供給することができる。このときの冷却は、ノズル2670に残存する処理液をサックバックさせるためである。これに対し、ノズル2670が不活性ガスによる基板処理を行うとき、ノズル2670の不活性ガスの吐出に影響を及ぼさないように、冷却部2690は、相対的に低流量の冷却流体を管状部材2692に供給することができる。このときのノズル2670の内部に残存する処理液が基板にドロップしないようにホールド(hold)するためである。これにより、ノズル2670が待機状態であるときだけでなく、ノズル2670が不活性ガスの供給のために駆動されるときにも、処理液のドロップ現象を防止することができる。
【0079】
図6及び
図7は本発明の実施形態による基板処理方法を示すフローチャートである。
図6は本発明の実施形態に係る基板処理工程の前工程を概略的に示すフローチャートであり、
図7は本発明の実施形態に係る基板処理工程の後工程を概略的に示すフローチャートである。
【0080】
以下、説明の便宜のために、
図3~
図5に示された基板処理装置を用いて本発明の実施形態による基板処理方法を説明する。
【0081】
本発明の実施形態による基板処理方法は、処理液供給ステップ(S10)、サックバックステップ、不活性ガス供給ステップ及び冷却ステップを含むことができる。
【0082】
基板処理工程の前工程は、処理液供給ステップ(S10)を含むことができ、基板処理工程の後工程は、サックバックステップ、不活性ガス供給ステップ及び冷却ステップを含むことができる。
【0083】
処理液供給ステップ(S10)は、基板上に処理液を吐出するステップである。処理液供給ステップ(S10)では、基板の上部に配置されたノズルによって、基板に処理液が供給できる。
図6に示すように、処理液供給ステップ(S10)は、予備排出(pre-dispense)ステップ(S11)、ノズル移動ステップ(S12)、バルブオンステップ(S13)及び処理液吐出ステップ(S14)を含むことができる。
【0084】
予備排出ステップ(S11)は、液処理工程が行われる前に、ノズル2670が待機位置に位置するとき、非定常(non-steady)処理液を予め排出して除去するためのステップである。予備排出ステップ(S11)は、非定常処理液がすべて排出されるまで行われ、排出された非定常処理液は、待機位置に別途備えられた回収部によって回収できる。予備排出された処理液は廃棄又はリサイクルできる。
【0085】
予備排出ステップ(S11)が完了すると、移動部材2671によってノズル2670が待機位置から工程位置へと移動するノズル移動ステップ(S12)が行われることができる。
【0086】
ノズル2670が工程位置に移動すると、工程を行うためにバルブ2686をオンにして処理液の供給を開始するバルブオンステップ(S13)が行われることができる。
【0087】
バルブ2686がオンになると、処理液供給タンク2684からノズル2670に処理液が伝達されて基板の上面に処理液が吐出できる(S14)。
【0088】
処理液吐出ステップ(S14)で、予め定められた量だけの処理液が吐出されると、処理液の供給が中断されなければならない。
【0089】
サックバックステップ、不活性ガス供給ステップ及び冷却ステップは、基板処理工程の後工程に含まれることができる。特に、冷却ステップは、基板処理工程の後工程の全般的な過程で持続的に行われることができる。
【0090】
図7を参照すると、処理液吐出中断過程は、バルブオフステップ(S21)から開始することができる。処理液吐出が完了すると、バルブ2686をオフにして処理液の供給を中断することができる。バルブオフステップ(S21)によれば、処理液供給タンク2684からの処理液の供給は中断されるが、ノズル2670の内部には処理液が残存することができる。よって、バルブオフステップ(S21)が完了すると、ノズル2670の内部に残存する処理液が重力によって基板に落ちないようにするためのサックバック(Suck Back)ステップ(S22)が行われることができる。
【0091】
本発明の実施形態に係るサックバックステップ(S22)は、冷却ステップを含み、冷却ステップは、冷却部2690によって供給ライン2682の外部に冷却流体を供給するステップを含むことができる。よって、サックバックステップ(S22)で冷却流体の供給が開始(on)できる。
【0092】
冷却ステップで、冷却部2690は、供給ライン2682の外部に冷却流体を供給して供給ライン2682及び処理液を冷却させて処理液の体積を減少させることができる。サックバックステップ(S22)に含まれる冷却ステップは、サックバックのための冷却なので(ノズルの内部に残存する処理液の位置が上昇しなければならないので)、冷却部2690には、相対的に大流量の冷却流体が供給できる。
【0093】
ノズル2670から処理液の供給が中断されると、基板乾燥工程が開始でき、処理液が吐出されたノズル2670から窒素などの不活性ガスが吐出できる。窒素などの不活性ガスは、ノズル2670によって基板の上面に吐出できる(S23)。一例として、不活性ガス吐出ステップ(S23)は、基板の乾燥を促進するために行われることができる。
【0094】
冷却ステップは、不活性ガス吐出ステップ(S23)でも持続的に行われることができる。不活性ガス吐出ステップ(S23)での冷却ステップは、ノズル2670から不活性ガスが吐出されるとき、ノズル2670の内部に残存する処理液が基板に落ちて乾燥工程の効率を下げることを防止するために、処理液をホールドするための冷却であり(ノズルの内部に位置した処理液の位置変化が必須ではないので)、不活性ガスの吐出に影響を及ぼしてはならないので、冷却部2680には、サックバックステップ(S22)に比べて相対的に低流量の冷却流体が供給されることが好ましい。つまり、サックバックステップで供給される冷却流体の量と、前記不活性ガス供給ステップに供給される冷却流体の量とは異なることが好ましい。よって、不活性ガスの吐出ステップ(S23)が始まった後、冷却流体の流量を変更するステップ(S24)が行われることができる。
【0095】
上述したように、冷却ステップは、基板処理工程の後半部全般にわたって持続的に行われることができる。冷却ステップによって処理液の体積が減少してノズル2670から処理液がドロップしないことができる。冷却ステップで冷却流体の条件、例えば、冷却流体の温度、流量、供給時間、熱交換面積などは制御でき、これにより、処理液がサックバックされる体積またはサックバック時間を制御することができる。
【0096】
基板の乾燥工程が終了すると、不活性ガスの吐出も終了することができる(S25)。
【0097】
これにより、基板処理工程が完了し、ノズル2670が移動部材2671によって待機位置に復帰することができる(S26)。待機位置に復帰したノズル2670は、もはや基板の上部に存在しないため、サックバックが行われる必要がないので、冷却流体の供給が中断され、冷却ステップも終了することができる(S27)。
【0098】
上述したように、本発明の実施形態による処理液供給ユニット、これを含む基板処理装置及び基板処理方法は、冷却流体を用いて処理液を冷却させて処理液の体積を減少させることにより処理液をサックバックさせることができる。また、冷却流体の条件を制御してサックバック工程を制御することができるので、処理液のドロップ現象、テイラーコーン現象、ノズル端部の空気層形成現象などを防止することができる。
【0099】
一方、以上では、洗浄工程を例に挙げて液処理工程を説明したが、本発明の実施形態に係る液処理工程は、塗布工程、現像工程、エッチング(etching)工程、アッシング(ashing)工程などのように処理液を用いて基板を処理する工程に適用できる。本発明の属する技術分野における当業者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できるので、上述した実施形態は、すべての面で例示的なもので、限定的なものではないと理解すべきである。
【0100】
本発明の範囲は、詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出されるすべての変更または変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0101】
2600 基板処理装置(液処理装置)
2602 処理液供給ユニット
2670 ノズル
2671 移動部材
2678 吐出口
2672 アーム
2674 支持軸
2676 駆動器
2680 処理液供給部
2682 供給ライン
2684 処理液供給タンク
2686 バルブ
2690 冷却部
2692 管状部材