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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】フロアフレーム
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/00 20060101AFI20221228BHJP
   E04F 15/18 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
E04F15/00 101G
E04F15/00 101H
E04F15/18 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021163181
(22)【出願日】2021-10-04
(65)【公開番号】P2022062682
(43)【公開日】2022-04-20
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】109135005
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】509084921
【氏名又は名称】陳鴻椿
(74)【代理人】
【識別番号】100167818
【弁理士】
【氏名又は名称】蓑和田 登
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】陳鴻椿
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0378489(KR,Y1)
【文献】欧州特許出願公開第00710750(EP,A2)
【文献】独国特許出願公開第04233175(DE,A1)
【文献】特開2012-251358(JP,A)
【文献】特開2005-213919(JP,A)
【文献】特開平07-331846(JP,A)
【文献】米国特許第04622792(US,A)
【文献】特開平11-280237(JP,A)
【文献】特開2002-227378(JP,A)
【文献】特開平7-197520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00
E04F 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて設置された少なくとも2つの縦条材であって、縦方向に延在する条状体であり、高さ方向に離間する頂面と底面、及び横方向に離間する一対の側端面を有し、少なくとも一方の側端面に該頂面と該底面との間に位置する肩部が設けられる縦条材と、
少なくとも1つの横条材であって、該横方向に延在する条状体であり、該高さ方向に離間する上端面と下端面、及び該縦方向に離間する一対の側端壁を有し、2つの端部がそれぞれ対応する縦条材の肩部にセットされる横条材と、を備え
該2つの縦条材の該肩部は、互いに対向して設置され、
該縦条材の少なくとも1つの側端面には該縦方向に沿って延在する貯水槽が設けられ、該横条材の少なくとも1つの側端壁には該横方向に沿って延在する引水槽が設けられていることを特徴とするフロアフレーム。
【請求項2】
該横条材の上端面と下端面との間の間隔距離は、該縦条材の頂面と肩部との間の間隔距離と略同一であることを特徴とする請求項1に記載のフロアフレーム。
【請求項3】
各縦条材の頂面は該縦方向に沿って延在する第1のリブを有し、該横条材の上端面は該横方向に沿って延在する第1のフィンを有することを特徴とする請求項1に記載のフロアフレーム。
【請求項4】
各縦条材の頂面は、該縦方向に沿って延在しかつ該第1のリブと離間する少なくとも1つの第2のリブをさらに含み、該横条材の上端面は該横方向に沿って延在しかつ該第1のフィンと離間する少なくとも1つの第2のフィンをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のフロアフレーム。
【請求項5】
各縦条材の頂面と該横条材の上端面はそれぞれ少なくとも1つの緩衝条を有することを特徴とする請求項1または4に記載のフロアフレーム。
【請求項6】
該第1のリブと該第2のリブとの間、及び該第1のフィンと該第2のフィンとの間には緩衝条が嵌入されることを特徴とする請求項4に記載のフロアフレーム。
【請求項7】
該緩衝条の上表面にはエンボスが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のフロアフレーム。
【請求項8】
該各縦条材の頂面には第1のリブの両側にそれぞれ設けられた2つの第2のリブが設置されていることを特徴とする請求項4に記載のフロアフレーム。
【請求項9】
該横条材の上端面には、該第1のフィンの両側にそれぞれ設けられた2つの第2のフィンが設置されていることを特徴とする請求項4に記載のフロアフレーム。
【請求項10】
該縦条材の第1のリブは、該肩部に対向する側端面に延在し、該肩部を有する側端面の下端に設けられた貯水槽を有し、該横条材の第1のフィンは、一方の側端壁に延在し、該第1のフィンと対向する側端壁に設けられた引水槽を有することを特徴とする請求項3に記載のフロアフレーム。
【請求項11】
該横方向に延在する条状体であり、該高さ方向に離間する上頂面と下底面、及び該縦方向に離間する一対の側壁を有し、上頂面と下底面との間の高さ距離が該横条材の上端面と下端面との間の高さ距離と略同一であり、2つの端部がそれぞれ対応する縦条材の肩部にセットされている少なくとも1つの補強条材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフロアフレーム。
【請求項12】
該縦条材の一方の側端には縦延在条が外方へ延在し、該縦延在条の外端には該側端面に対向する側壁が上方へ延在し、該側端面と該側壁との間に貯水槽が画定され、該側壁の上端には該高さ方向における高さが該肩部と約同一である翼部が外方へ延在することで、該横条材の一方の端部が該縦条材の肩部と該翼部にセットされていることを特徴とする請求項1に記載のフロアフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロアフレームに関し、特に建物床タイルの敷設に用いられるフロアフレーム構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の装飾施工として、床パネルの敷設例えばタイルや大理石の床タイルなどの床部材は、美しさと耐久性を高める装飾手段がよく見かけられる。特に、建物の屋根や浴槽の床敷設において、タイルや大理石の床タイルの材質特性により、使用環境中の水がフロアパネルに侵入し下層の居住環境に水漏れ現象が発生することを防止することができる。さらに、床タイル敷設の場合は、施工不良、貼り付けのためのセメントの等級が悪く、床タイル同士の間の所定ピッチが悪く、若しくは気候の過熱や過冷によるレンガとセメントとの相対変化の差が大きすぎると、床タイルに押し破裂または隆起の問題が発生することがある。損害した床タイルを修繕する施工工程は、爆裂、隆起及びその周辺の床タイルを大量に打ち破いて、新しい床タイルを改めて並べ替えして貼り付ける必要があるため、その修繕作業が極めて煩雑かつ不便である。さらに、建物の屋根と浴槽の床タイルの敷設において、その実施環境には雨や水による2つの床タイル間の継ぎ目箇所からの下方への漏洩を防止する必要がある。従って、従来の解決手段として、床タイルを敷設する前に、床パネルに防水塗料を予め塗布してから床タイルを敷設することにより漏洩の問題を防止する必要がある。しかしながら、長期間で使用する場合、該防水塗料は亀裂の発生によって漏洩の問題が発生する可能性があり、特に屋根が長期間にわたって高温にさらされた環境にある場合は、防水塗料の亀裂異変がより容易に発生する。
【0003】
ヨーロッパ特許第EP0710750A2号には、支持としての側レール及び横レールと、該側レール及び横レール上にセットされるパネルとを有する、室外や湿気のある部屋に適用される複合ボードシステムが開示されている。該側レール及び横レール上にはパネルが載置される弾性パッドがそれぞれ設けられ、側レール及び横レールの頂部中間箇所には隣接した2つのパネル同士の密封のための弾性密封条がそれぞれ設けられている。さらに、該横レールは、弾性密封条の両側に漏れた液体を収集する排水パイプが設けられている。該弾性密封条はダブルT型横断面を有し、該弾性密封条の下部は該側レールまたは横レールに固定され、該弾性密封条の上部にはパネルの一端部が当接される。しかしながら、パネルが当接される該弾性密封条が長期間にわたって圧力を受けたため、該弾性密封条の上部に変形が生じることがある。横レールは、隣接した2つのパネルに対応する継ぎ目箇所に透かし彫り態様となる排水パイプが構成されているため、一旦、該弾性密封条が老化したり変形量が多すぎたりした場合には、パネルと該弾性密封条との間に液体が透過可能な隙間が形成され、隣接した2つのパネル間に重大な漏れが生じることになる。大雨の状況下では、漏れスピードが極めて早く、積水が排水パイプから溢れ出るため、重大な水漏れが起こることになる。
【0004】
従来の床タイル敷設の実施には、床タイルの敷設が容易に実施できるほか、修繕取り外しが必要である場合にも施工が容易にできるようにするための簡便な施工構造方法が提供する必要がある。また、漏洩防止の実施を同時に提供できれば、より一層優れる設計となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】ヨーロッパ特許第0710750A2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、主に、床タイルの敷設作業を容易にさせ、かつ床タイルに修繕取り外しが必要な場合に施工が容易に実施できるとともに、床パネルへの水漏れを防止し、床タイルの貼り付け隙間が悪いため、押し破裂または隆起が発生する確率を低下させるフロアフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフロアフレームは、間隔をおいて設置された少なくとも2つの縦条材と少なくとも1つの横条材とを含み、各縦条材は頂面、底面及び一対の側端面を有し、少なくともの一方の側端面には該頂面と底面との間に位置する肩部が設けられ、該2つの縦条材の肩部は互いに対向して設置されている。該横条材は、上端面、下端面及び一対の側端壁を有し、該横条材の両端は、それぞれ対応する縦条材の肩部にセットされている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るフロアフレームによれば、床タイルの敷設作業を容易にさせ、床パネルへの水漏れを効果的に防止するとともに、床タイルの貼り付け間隙が悪いため、押し破裂または隆起が発生する確率を低下させる効果を奏することができる。
【0009】
本発明のその他の目的、利点及び特徴について、以下、好ましい実施例の詳細な説明に基づいて添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る一実施例のフロアフレームの分解模式図である。
図2図1における縦条材と横条材の分解図である。
図3図1における縦条材の一端面視図である。
図4図1における横条材の一端面視図である。
図5】本発明に係る縦条材と横条材の局所接合模式図である。
図6】本発明に係る実施構造における該縦条材を切断した断面模式図である。
図7】本発明に係る実施構造における該横条材を切断した断面模式図である。
図8】床部材の間隔距離が調整される、図6に類似する模式図である。
図9】本発明に係る縦条材と横条材の他の実施例の模式図である。
図10】本発明に係るフロアフレームに補強条材が設けられる実施例の分解模式図である。
図11図10における補強条材と横条材の断面模式図である。
図12図5に類似する模式図であり、他の実施例の横条材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一例とするがそれに限定されない具体的な実施例について、添付の図面を参照しながら本発明の好ましい内容を説明する。
【0012】
図1図5に示すように、本発明に係るフロアフレーム10は、少なくとも2つの縦条材20と少なくとも1つの横条材40とを含み、縦条材20は縦方向(X)に延在する条状体であり、高さ方向(Z)に離間する頂面22、底面24及び横方向(Y)に離間する一対の側端面26を有する。少なくとも一方の側端面26には、頂面22と底面24との間に位置する肩部28が設けられている。この実施例において、各側端面26は肩部28を有する。
【0013】
該横条材40は、該横方向(Y)に延在する条状体であり、該高さ方向(Z)に離間する上端面42、下端面44及び該縦方向(X)に離間する一対の側端壁46を有する。上端面42と下端面44との間の高さ距離は、縦条材20の頂面22と肩部28との間の間隔距離と略同一である。
【0014】
上記の構造設置において、少なくとも2つの水平に設置された縦条材20の肩部28を対向設置して建物の床パネルにセット固定し、少なくとも1つの横条材40は、水平方向に対して垂直に該2つの縦条材20の肩部28の間に跨っている。つまり、横条材40の該横方向に離間する2つの端部48は、それぞれ対応する縦条材20の肩部28にセットされ、例えばネジである固定部材50により結合される。縦条材20の頂面22と横条材40の上端面42に例えば樹脂、セメントのような接着層を敷設した後、床部材60は敷設され固定される。床部材60はタイル、大理石または木質、金属材質等の床タイルであってもよい。2つの水平に設置された縦条材20とその間に跨る横条材40とは、床部材60の底部周縁を支持する基本的なフレーム型支持ユニットを構成している。
【0015】
この実施例において、縦条材20の2つの側端面26にはそれぞれ肩部28が設けられ、複数の縦条材20は経度方向に水平に間隔をおいて設置され、複数の横条材40の両端は2つの縦条材20の肩部28の間に跨り、緯度方向に水平に間隔をおいて設置されている。複数の縦条材20と横条材40は、経緯度方向のレイアウトに基づいてグリッド状のフロアフレーム支持構造を提供している。複数の床部材60は、各縦条材20と各横条材40とによって囲まれて設置されたエリアに応じて縦条材20と横条材40の頂面22、上端面42にセット固定され、2つの床部材60の間の継ぎ目隙間は、セメントまたはシリコン(樹脂)により充填されることで実施することができる。
【0016】
縦条材20、横条材40と床部材60との間の接合実施例の設計上において、縦条材20の頂面22と横条材40の上端面42には、その長さ方向に応じて延在する緩衝条62がそれぞれ設けられている。該緩衝条62の下表面は、縦条材20の頂面22と横条材40の上端面42に接合固定され、該緩衝条62の上表面には床部材60が接着固定される接着層が設けられている。緩衝条62の設置により、床部材60と縦条材20、横条材40との間の直接接触を回避することができ、床部材60に瞬間的に力が印加される場合、床部材60が直接押し下げて縦条材20と横条材40の頂面22、上端面42に衝撃する可能性があることによって、タイルや大理石の床部材60に破裂が発生するリスクを防止することができる。好ましい実施例において、緩衝条62が床部材60の底部に接触する上表面は、凹みエンボス622を有するのが好ましい。凹みエンボス622は、緩衝条62の緩衝能力を向上できるほか、接着層の被覆に有利になる。
【0017】
床部材60が縦条材20と横条材40にセット固定される実施において、縦条材20の頂面22は、第1のリブ222をさらに有してもよい。横条材40の上端面42は、第1のフィン422をさらに有してもよい。図6、7に示すように、第1のリブ222と第1のフィン422は、床部材60の側端602の外縁箇所を囲んで設置されている。第1のリブ222、第1のフィン422と床部材60の側端602との間は、例えば樹脂類の接着層が設けられる実施により、床部材60の横方向における固定能力を増加することができる。好ましい実施例において、第1のリブ222は、縦条材20の頂面22を等分して該2つの側端面26の間に構成されている。第1のフィン422は、横条材40の上端面42を等分して該2つの側端壁46の間に構成されている。
【0018】
床部材60の縦条材20と横条材40における取り付け位置を容易に調整でき、各床部材60の間の間隔距離を保持できるように、第1のリブ222及び第1のフィン422には、図8に示すように、間隔ピース80が当接されてもよい。間隔ピース80の材料厚さは、床部材60の側端602と各第1のリブ222または第1のフィン422との間に位置するように当接することで、所定の2つの床部材60間の間隔距離を画定する。該間隔距離の調整が完了した後、該間隔ピース80を取り出す。
【0019】
図6、7に示すように、縦条材20の頂面22は、第1のリブ222と間隔をおいて設置された少なくとも1つの第2のリブ224をさらに含んでもよく、第2のリブ224と第1のリブ222との間にはトレンチ226が形成されている。横条材40の上端面42は、それぞれ第1のフィン422と間隔をおいて設置された少なくとも1つの第2のフィン424をさらに含んでもよく、第2のフィン424と第1のフィン422との間にはトレンチ426が形成されている。実行可能な実施例において、トレンチ226、426は、それに接着層の塗布が実施可能であるように構成されている。緩衝条62を有する実施例において、トレンチ226、426には緩衝条62が嵌入され接合固定される。
【0020】
この実施例において、縦条材20の頂面22は、2つの第2のリブ224を有し、該2つの第2のリブ224はそれぞれ第1のリブ222の両側に水平に間隔をおいて設置され、各第2のリブ224と第1のリブ222との間にはトレンチ226が形成され、2つの緩衝条62はそれぞれ対応するトレンチ226に嵌入される。横条材40の上端面42は2つの第2のフィン424を有し、該2つの第2のフィン424はそれぞれ第1のフィン422の両側に水平に間隔をおいて設置され、各第2のフィン424と第1のフィン422との間にはトレンチ426が形成され、2つの緩衝条62はそれぞれ対応するトレンチ426に嵌入される。
【0021】
漏洩防止の実施は、少なくとも縦条材20の側端面26において、縦条材20の長さ方向(該縦方向)に応じて延在設置された貯水槽21を有し、少なくとも横条材40の側端壁46において、横条材40の長さ方向(該横方向)に応じて延在設置された引水槽41を有する。この実施例において、縦条材20の2つの側端面26には貯水槽21、横条材40の2つの側端壁46には引水槽41がそれぞれ設けられている。貯水槽21は、側端面26から外方へ延在する縦延在条211によって画定され、引水槽41は側端壁46から外方へ延在する横延在条411によって画定される。この実施例において、引水槽41の両端は、それぞれ2つの縦条材20の貯水槽21の上方に位置し、縦条材20の貯水槽21は高さ方向において縦条材20の肩部28の下方に位置する。図5に示すように、縦延在条211の外端には、側端面26に対向する側壁212が上方へ延在し、側端面26と側壁212との間に貯水槽21が画定され、側壁212の上端には、高さ方向(Z)における高さが肩部28と約同一である翼部213が外方へ延在することで、横条材40の一方の端部48が縦条材20の肩部28と翼部213にセットされかつ固定部材50により結合可能となり、横条材40の縦条材20上に載置される安定性が効果的に向上する。図12に示すように、横条材40の引水槽41の外側には、固定部材50が通過し縦条材20に結合される結合部412が延在することで、固定部材50が引水槽41の排水を阻害することはない。また、引水槽41の上には、貯水槽21と連通する排水孔413が設けられている。
【0022】
貯水槽21と引水槽41の構成により、床部材が長年にわたって修理されておらず、2つの床部材60の継ぎ目箇所に漏洩が発生した場合、縦条材20の長さ方向における床部材60の継ぎ目端の浸水は貯水槽21に収集される。該浸水は貯水槽21の導引により縦条材20の両端から排出される。好ましくは、縦条材20の両端には、漏洩の水を一階フロアの排水孔に導引して排出する排水通路が設けられてもよい。このように、漏洩の水が床パネルに侵入しフロア間の漏洩が発生する問題を防止することができる。横条材40の長さ方向における床部材60の継ぎ目端の浸水は引水槽41に収集される。該浸水は横条材40の引水槽41の両端へ流動し、縦条材20の貯水槽21に収集され、貯水槽21の導引により縦条材20の両端から排出される。
【0023】
図9に示すように、本発明に係るフロアフレームが床パネルのエッジ側箇所(例えば壁体70に近接する)に実施される実施例において、縦条材20の該壁体より離れた側端面26は肩部28を有し、第1のリブ222は肩部28に対向する側端面26から上方へ延在して構成されている。貯水槽21は肩部28を有する側端面26の下端261に設けられている。横条材40の第1のフィン422は、壁体70に隣接する側端壁46から上方へ延在する。引水槽41は、該第1のフィン422に対向する側端壁46の外側に設けられたり、引水槽41は壁体70と離反する側端壁46の外側に設けられている。
【0024】
本発明に係るフロアフレーム10が大型寸法の床部材60に実施される場合、2つの縦条材20の間、2つの横条材40の間の床部材60に対する支持を強化するために、フロアフレーム10は、図10、11に示すように、少なくとも1つの補強条材30をさらに含んでもよい。補強条材30は、該横方向に延在する条状体であり、上頂面32、下底面34及び一対の側壁36を有する。上頂面32と下底面34との間の高さ距離は、横条材40の上端面42と下端面44との間の高さ距離と略同一である。
【0025】
少なくとも1つの補強条材30は、2つの横条材40の間に間隔をおいて設置され、補強条材30の2つの端部38は、それぞれ対応する縦条材20の肩部28にセットされている。補強条材30の上頂面32は、床部材60を支持することにより、床部材60に対する支持を増加する。
【0026】
縦条材20と横条材40の頂面22、上端面42に緩衝条62を有する実施例において、補強条材30の上頂面32は、該横方向に延在設置された緩衝条62を有する。
【0027】
前記明細書において、本発明は特定の実施例について説明されるにすぎず、本発明の特徴は複数の変更または修正が可能である。従って、この技芸に周知する者によってなされる明らかな変更や修飾は、本発明で主張された特許請求範囲に入るものである。
【0028】
以上のように、本発明では、間隔をおいて設置された少なくとも2つの縦条材であって、縦方向に延在する条状体であり、高さ方向に離間する頂面と底面、及び横方向に離間する一対の側端面を有し、少なくとも一方の側端面に該頂面と該底面との間に位置する肩部が設けられる縦条材と、少なくとも1つの横条材であって、該横方向に延在する条状体であり、該高さ方向に離間する上端面と下端面、及び該縦方向に離間する一対の側端壁を有し、2つの端部がそれぞれ対応する縦条材の肩部にセットされる横条材と、を備え、2つの縦条材の肩部は互いに対向して設置されていることを特徴とするフロアフレームとするものである。
【0029】
また、該横条材の上端面と下端面との間の間隔距離は、該縦条材の頂面と肩部との間の間隔距離と略同一であるものとする。
【0030】
また、各縦条材の頂面は該縦方向に沿って延在する第1のリブを有し、該横条材の上端面は該横方向に沿って延在する第1のフィンを有するものとする。
【0031】
また、各縦条材の頂面は、該縦方向に沿って延在しかつ該第1のリブと離間する少なくとも1つの第2のリブをさらに含み、該横条材の上端面は該横方向に沿って延在しかつ該第1のフィンと離間する少なくとも1つの第2のフィンをさらに含むものとする。
【0032】
また、各縦条材の頂面と該横条材の上端面はそれぞれ少なくとも1つの緩衝条を有するものとする。
【0033】
また、該第1のリブと該第2のリブとの間、及び該第1のフィンと該第2のフィンとの間には緩衝条が嵌入されるものとする。
【0034】
また、該緩衝条の上表面にはエンボスが設けられているものとする。
【0035】
また、該縦条材の少なくとも1つの側端面には該縦方向に沿って延在する貯水槽が設けられ、該横条材の少なくとも1つの側端壁には該横方向に沿って延在する引水槽が設けられているものとする。
【0036】
また、該各縦条材の頂面には第1のリブの両側にそれぞれ設けられた2つの第2のリブが設置されているものとする。
【0037】
また、該横条材の上端面には、該第1のフィンの両側にそれぞれ設けられた2つの第2のフィンが設置されているものとする。
【0038】
また、該縦条材の第1のリブは、該肩部に対向する側端面に延在し、該肩部を有する側端面の下端に設けられた貯水槽を有し、該横条材の第1のフィンは、一方の側端壁に延在し、該第1のフィンと対向する側端壁に設けられた引水槽を有するものとする。
【0039】
また、該横方向に延在する条状体であり、該高さ方向に離間する上頂面と下底面、及び該縦方向に離間する一対の側壁を有し、上頂面と下底面との間の高さ距離が該横条材の上端面と下端面との間の高さ距離と略同一であり、2つの端部がそれぞれ対応する縦条材の肩部にセットされている少なくとも1つの補強条材をさらに含むものとする。
【0040】
また、該縦条材の一方の側端には縦延在条が外方へ延在し、該縦延在条の外端には該側端面に対向する側壁が上方へ延在し、該側端面と該側壁との間に貯水槽が画定され、該側壁の上端には該高さ方向における高さが該肩部と約同一である翼部が外方へ延在することで、該横条材の一方の端部が該縦条材の肩部と該翼部にセットされているものとする。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係るフロアフレームによれば、床タイルの敷設作業を容易にさせ、床パネルへの水漏れを効果的に防止するとともに、床タイルの貼り付け間隙が悪いため、押し破裂または隆起が発生する確率を低下させる効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 フロアフレーム
20 縦条材
21 貯水槽
211 縦延在条
212 側壁
213 翼部
22 頂面
222 第1のリブ
224 第2のリブ
226 トレンチ
24 底面
26 側端面
261 下端
28 肩部
30 補強条材
32 上頂面
34 下底面
36 側壁
38 端部
40 横条材
41 引水槽
411 横延在条
412 結合部
413 排水孔
42 上端面
422 第1のフィン
424 第2のフィン
426 トレンチ
44 下端面
46 側端壁
48 端部
50 固定部材
60 床部材
602 側端
62 緩衝条
622 凹みエンボス
70 壁体
80 間隔ピース

図1
図2
図3
図4
図5
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図12