(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】マイクロチャンネル扁平管及びマイクロチャンネル熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 1/02 20060101AFI20221228BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20221228BHJP
F28F 1/32 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
F28F1/02 B
F28D1/053 A
F28F1/32 S
(21)【出願番号】P 2021539127
(86)(22)【出願日】2020-05-02
(86)【国際出願番号】 CN2020088554
(87)【国際公開番号】W WO2020224564
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】201910366960.2
(32)【優先日】2019-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911390699.6
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516071103
【氏名又は名称】杭州三花研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Sanhua Research Institute Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.289-2, 12th Street, Economic & Technological Development Area, Hangzhou, Zhejiang 310018 China
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蒋皓波
(72)【発明者】
【氏名】王立智
(72)【発明者】
【氏名】蒋建龍
(72)【発明者】
【氏名】黄寧杰
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-083733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0069477(US,A1)
【文献】特開平09-273883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 1/00 - 1/44
F28D 1/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロチャンネル扁平管であって、
扁平管本体と、一列の通路とを含み、
前記扁平管本体は、第1平面、第2平面、第1側面及び第2側面を含み、前記第1平面と第2平面は、厚さ方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面と第2側面は、幅方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面は、第1平面と第2平面とを接続し、前記第2側面は、第1平面と第2平面とを接続し、
前記一列の通路は、長さ方向に沿って扁平管本体を貫通し、前記一列の通路は、幅方向に沿って配列される第1通路、第2通路及び第3通路を少なくとも含み、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、幅方向における横断面面積が指数的に変化し、又は冪級数的に変化し、又は多項式の関係で変化
し、
前記第1通路、第2通路及び第3通路は、横断面がいずれも面取り矩形状をなし、前記第1通路は、4つの第1面取りを含み、前記第2通路は、4つの第2面取りを含み、前記第3通路は、4つの第3面取りを含み、
前記第1面取りの半径、第2面取りの半径及び第3面取りの半径は、一定比率で減少することを特徴とするマイクロチャンネル扁平管。
【請求項2】
それぞれの前記通路は、幅方向における孔幅と、厚さ方向における孔高さとを有し、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、孔高さが等しく、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、孔幅が指数的に変化し、又は冪級数的に変化し、又は多項式の関係で変化することを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項3】
前記指数的に変化することは、自然指数的に変化することであり、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、幅方向における横断面面積がy=me
nxの関係を満たし、ただし、
xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、m及びnは、選択可能な数値を表すことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項4】
前記第1通路、第2通路及び第3通路は、横断面面積がy=S1x
6+S2x
5+S3x
4+S4x
3+S5x
2+S6x+S7の関係を満たし、又は、y=S8x
S9の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9は、選択可能な数値を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項5】
前記第1通路、第2通路及び第3通路は、横断面面積がy=0.0000006x
6-0.00005x
5+0.0015x
4-0.0245x
3+0.2162x
2-1.0246x+2.7442の関係を満たし、又は、y=2.0995x
-0.632の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表すことを特徴とする請求項4に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項6】
前記扁平管本体の全幅の範囲は、15mm~25mmであり、前記一列の通路は、23個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面積が、y=S1x
6+S2x
5+S3x
4+S4x
3+S5x
2+S6x+S7の関係を満たし、又は、y=S8x
S9の関係を満たし、第20通路~第23通路は、面積又は幅が等しく、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9は、選択可能な数値を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項7】
前記扁平管本体の全幅の範囲は、20mm~30mmであり、前記一列の通路は、33個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面積がy=S1x
6+S2x
5+S3x
4+S4x
3+S5x
2+S6x+S7の関係を満たし、又は、y=S8x
S9の関係を満たし、第20通路~第33通路は、横断面面積が等しく、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9は、選択可能な数値を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項8】
前記第1通路、第2通路及び第3通路は、横断面面積がy=S1x
5+S2x
4+S3x
3+S4x
2+S5x+S6の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6は、選択可能な数値を表すことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項9】
前記扁平管本体の全幅の範囲は、15mm~25mmであり、前記一列の通路は、23個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面
積がy=0.00005x
5+0.0007x
4-0.0159x
3+0.1698x
2-0.9141x+2.6628の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、第20通路~第23通路は、横断面面積が等しいことを特徴とする請求項8に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項10】
前記扁平管本体の全幅は、25mmであり、前記一列の通路は、33個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面積がy=0.00005x
5+0.0007x
4-0.0159x
3+0.1698x
2-0.9141x+2.6628の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、第20通路~第33通路は、横断面面積が等しいことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項11】
前記一列の通路は、幅に沿って配列される第4通路及び第5通路をさらに含み、前記第1通路は、第1側面に近接し、前記第5通路は、第2側面に近接し、前記第4通路は、第3通路と第5通路との間に位置し、前記第4通路と第5通路は、幅方向における横断面面積が等しいことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項12】
前記第1通路と第2通路との間隔は、第2通路と第3通路との間隔と等しいことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項13】
それぞれの前記通路は、幅方向における孔幅と、厚さ方向における孔高さとを有し、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、孔高さが等しく、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、孔幅が指数的に変化し、又は冪級数的に変化し、又は多項式の関係で変化することを特徴とする請求項1に記載のマイクロチャンネル扁平管。
【請求項14】
マイクロチャンネル熱交換器であって、
請求項1~13のいずれか一項に記載のマイクロチャンネル扁平管、第1集流管、第2集流管及びフィンを含み
、
複数の
前記マイクロチャンネル扁平管は、第1集流管と第2集流管との間に並列に接続され、前記フィンは、隣接する2つのマイクロチャンネル扁平管の間に介在し、前記一列の通路は、第1集流管の内部キャビティと第2集流管の内部キャビティとを連通させることを特徴とするマイクロチャンネル熱交換器。
【請求項15】
前記フィンは、第1通路に近接する第1部分と、第3通路に近接する第2部分とを含み、前記第1部分の形状は、第2部分の形状と異なることを特徴とする請求項1
4に記載のマイクロチャンネル熱交換器。
【請求項16】
前記フィンは、ルーバーフィンであり、前記第1部分には窓開けされ、前記第2部分には窓開けされていないことを特徴とする請求項1
5に記載のマイクロチャンネル熱交換器。
【請求項17】
前記フィンは、第1通路に近接する第1部分と、第3通路に近接する第2部分とを含み、前記第1部分の窓開け密度は、第2部分の窓開け密度と異なり、前記第1部分の窓開け密度は、前記第2部分の窓開け密度よりも大きいことを特徴とする請求項1
4に記載のマイクロチャンネル熱交換器。
【請求項18】
前記第1通路は、第1側面に近接し、前記第3通路は、第2側面に近接し、マイクロチャンネル熱交換器が作動している際、外部送風機によって生じた風は、第1通路に近接する第1側面を通過し、フィンによって乱流されてから、第3通路に近接する部位から流出することを特徴とする請求項1
4に記載のマイクロチャンネル熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換技術分野に関し、具体的に、マイクロチャンネル扁平管及びマイクロチャンネル熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロチャンネル熱交換器は、自動車、家庭用又は商用空調システムに一般的に用いられる熱交換装置であり、空調システムの蒸発器として使用されてもよく、凝縮器として使用されてもよい。マイクロチャンネル熱交換器は、扁平管、フィン、集流管などからなる熱交換器であり、外部送風機によって生じた風がマイクロチャンネルフィン及び扁平管に作用すると、マイクロチャンネル熱交換器の扁平管の流路内の冷媒は、空気と熱交換する。マイクロチャンネル熱交換器のそれぞれの扁平管は、並列小孔で構成される複数の流路を有し、冷媒は、扁平管の並列流路内で蒸発又は凝縮する。凝縮器として用いられる場合、冷媒は、扁平管の並列流路内で冷却される。蒸発器として用いられる場合、冷媒は、扁平管の並列流路内で蒸発される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
関連技術に用いられる扁平管について、複数の並列された流路は、断面積が同じである流路であり、風が熱交換器を流れるとき、風と冷媒との間の伝熱が存在し、並列された各流路は、風の流れ方向に沿って冷媒の温度が異なるため、冷媒の流れ方向に沿って、冷媒が並列された流路内に蒸発又は凝縮する位置が異なることによって、冷媒の流路内での流量の配分は、熱交換の温度差と不整合であり、熱交換器の熱交換効率は低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、マイクロチャンネル扁平管が提供され、当該マイクロチャンネル扁平管は、扁平管本体と、一列の通路とを含み、前記扁平管本体は、第1平面、第2平面、第1側面及び第2側面を含み、前記第1平面と第2平面は、厚さ方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面と第2側面は、幅方向において扁平管本体の対向する両側に設けられ、前記第1側面は、第1平面及び第2平面を接続し、前記第2側面は、第1平面及び第2平面を接続し、前記一列の通路は、長さ方向に沿って扁平管本体を貫通し、前記一列の通路は、幅方向に沿って配列される第1通路、第2通路及び第3通路を少なくとも含み、前記第1通路、第2通路及び第3通路は、幅方向における横断面面積が指数的に変化するか、又は冪級数的に変化するか、又は多項式の関係で変化する。
【0005】
本発明の一態様によれば、マイクロチャンネル熱交換器が提供され、前記マイクロチャンネル熱交換器は、第1集流管、第2集流管、複数のマイクロチャンネル扁平管及びフィンを含み、前記複数のマイクロチャンネル扁平管は、第1集流管と第2集流管との間に並列に接続され、前記フィンは、隣接する2つのマイクロチャンネル扁平管の間に介在し、前記一列の通路は、第1集流管の内部キャビティと第2集流管の内部キャビティとを連通させる。
【発明の効果】
【0006】
本願発明に係るマイクロチャンネル扁平管の第1通路、第2通路及び第3通路は、幅方向における横断面面積が指数的に変化し、又は冪級数的に変化し、又は多項式の関係で変化し、このようにすることで、異なる流通断面積の通路を得ることができ、これによって、風向に応じて通路を対応して設けることができ、マイクロチャンネル扁平管とマイクロチャンネル熱交換器が動作する時の熱交換効率を向上させることに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例に係るマイクロチャンネル熱交換器の斜視模式図である。
【
図2】
図1に示すマイクロチャンネル扁平管の横断面の断面模式図である。
【
図3】
図2に示すマイクロチャンネル扁平管の通路の通路幅及び面取り半径と通路番号との関係対照表である。
【
図4】
図2に示すマイクロチャンネル扁平管通路の通路幅と通路番号との関係模式図である。
【
図5】
図2に示すマイクロチャンネル扁平管の部分拡大模式図である。
【
図6】本願発明の別の実施例に係るマイクロチャンネル扁平管及びフィンの斜視模式図である。
【
図8】本発明の別の実施例に係るマイクロチャンネル扁平管及びフィンの斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、例示的な実施形態を詳細に説明し、その例を添付の図面に示す。以下の説明で図面を参照する場合、特に明記しない限り、異なる図面における同じ番号は、同じまたは類似の要素を示す。以下の例示的な実施形態で説明される実施形態は、本発明に一致する全ての実施形態を表すものではない。これに対して、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述されている本発明のいくつかの側面に一致する装置及び方法の単なる例である。
【0009】
本願に使用される用語は、特定の実施例を説明することを目的とし、本発明を限定するものではない。本願では、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等で指示される向き又は位置関係は、図面に示される向き又は位置関係に基づいており、本発明を説明しやすく、説明を簡単にするためのものであり、指示される装置又は要素が特定の向きを有する必要があり、特定の向きで構成され、操作されることを示し、又は暗黙的に示すものではないため、本発明を限定するものであると理解されるべきではない。なお、用語「第1」、「第2」は、目的を説明するためのみであり、相対的な重要性又は示される技術的特徴の数を示し、又は暗黙的に示すものであると理解されるべきではない。従って、「第1」、「第2」の特徴が限定されていることは、1つ又はそれより多い当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願では、「複数」とは、特に断らない限り、2つ以上を意味する。
【0010】
本願において、別途明確な規定及び限定がされない限り、用語「取付」、「繋がり」、「接続」は、広い意味で理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、また一体的な接続であってもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、直接接続であってもよいし、中間媒体を介する間接接続であってもよいし、2つの要素の内部の連通又は2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本発明における具体的な意味を理解可能である。
【0011】
本願では、別途明確な規定及び限定がされない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴が直接接触することを含んでも良いし、第1特徴と第2特徴が直接接触せず、それらの間にある別の特徴を介して接触することを含んでも良い。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、「上部」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にあることを含み、又は、第1特徴の水平の高さが第2特徴の水平の高さよりも高いことのみを示す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、「下部」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下方にあることを含み、又は第1特徴の水平の高さが第2特徴の水平の高さよりも低いことのみを示す。以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施例を詳細に説明する。矛盾しない限りに、下記の実施例及び実施形態における特徴は、互いに補完するか、または互いに組み合わせることができる。
【0012】
本願に使用される用語は、特定の実施例を説明するためのもののみであり、本発明を限定するものではない。本発明及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形の「1種」、「前記」及び「当該」は、上下文に他の意味を明確に示さない限り、複数形も含む。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の例示的な実施例を詳細に説明する。矛盾しない限りに、下記の実施例及び実施形態における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0014】
図1乃至
図2に示すのは、本発明に係るマイクロチャンネル熱交換器100であり、マイクロチャンネル熱交換器100は、第1集流管11、第2集流管12、複数のマイクロチャンネル扁平管2及び複数のフィン3を含む。複数のマイクロチャンネル扁平管2は、互いに平行に間隔をあけて設けられ、且つ第1集流管11と第2集流管12との間に並列に接続されている。それぞれのフィン3は、隣接する2つのマイクロチャンネル扁平管2の間に介在する。
【0015】
マイクロチャンネル扁平管2は、扁平管本体21と、扁平管本体21を貫通する一列の通路22とを含む。扁平管本体21は、長さが幅よりも大きく、幅が厚さよりも大きい。上記扁平管本体21は、第1平面211、第2平面212、第1側面213及び第2側面214を含む。第1平面211と第2平面212は、厚さ方向Hにおいて扁平管本体21の対向する両側に設けられ、第1側面213と第2側面214は、幅方向Wにおいて扁平管本体21の対向する両側に設けられている。第1側面213は、第1平面211と第2平面212とを接続し、第2側面214は、第1平面211と第2平面212とを接続する。本実施例では、第1側面213及び第2側面214は、円弧状をなす。選択可能な他の実施例では、第1側面213及び第2側面214は、平面又は他の形状であってもよく、第1平面211と第2平面212とを接続するものであればよい。本発明は、その形状に限定されない。
【0016】
一列の通路22は、第1集流管11の内部キャビティと第2集流管12の内部キャビティとを連通する。一列の通路22は、幅方向Wに沿って扁平管本体21内に配列されている。上記一列の通路22は、長さ方向Lに沿って扁平管本体21を貫通する。一列の通路22は、長さ方向に沿って扁平管本体21を貫通し、上記一列の通路22は、少なくとも、幅方向に沿って配列される第1通路221、第2通路222及び第3通路223を含み、上記第1通路221、第2通路222及び第3通路223の幅方向における横断面面積が、指数的に変化し、又は冪級数的に変化し、又は多項式の関係で変化する。上記第1通路221は、第1側面213に近接し、上記第3通路223は、第2側面214に近接し、上記第1側面213は風上面であり、上記第2側面214は風下面である。それにより、マイクロチャンネル扁平管2内に冷媒が流れている際、風上面に近接する第1通路221は、流通断面積がより大きいため、熱交換がより十分であり、風下面に近接する第3通路223は、流通断面積が小さいため、熱交換が小さくなり、風上側の熱交換により、風が冷却されたため、風下側の熱交換能力が小さくなる。この時、対応的に、風下側の流通通路の断面積を小さくし、それにより、同じ扁平管体積内で、より高い熱交換効率を得る。
【0017】
それぞれの通路22は、幅方向Wにおける孔幅22Wと、厚さ方向Hにおける孔高さ22Hとを有する。一列の通路22は、幅方向に沿って配列される第1通路221、第2通路222及び第3通路223を含み、第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、孔高さ22Hが等しく、第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、孔幅22Wが指数的に変化して減少し、又は冪級数的に変化し、又は多項式の関係で変化する。孔高さ22Hが変化しないように維持し、孔幅22Wは規則的に徐々に小さくなり、マイクロチャンネル扁平管2の高い熱交換効率を確保するとともに、マイクロチャンネル扁平管2の孔高さが低く、マイクロチャンネル扁平管2がより薄くなる。それにより、熱交換効率はさらに向上する。上記指数的に変化することは、自然指数的に変化することであってもよい。
【0018】
選択可能に、上記第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、横断面面積が、y=S1x6+S2x5+S3x4+S4x3+S5x2+S6x+S7の関係を満たし、又は、y=S8xS9の関係を満たし、ここで、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9は、選択可能な数値を表す。例えば、上記第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、横断面面積がy=0.0000006x6-0.00005x5+0.0015x4-0.0245x3+0.2162x2-1.0246x+2.7442の関係を満たす。第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、孔高さ22Hが変わらず、同じである場合、yは、第1通路221、第2通路222及び第3通路223の孔幅22Wを表すこともできる。
【0019】
選択可能に、上記第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、横断面面積がy=menxの関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表す。好ましくは、上記第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、横断面面積がy=2.0995x-0.632の関係を満たす。第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、孔高さ22Hが変わらず同じである場合、yは、第1通路221、第2通路222及び第3通路223の孔幅22Wを表すこともできる。
【0020】
選択可能に、上記扁平管本体21の全幅の範囲は、20mm~30mmであり、上記一列の通路22は、33個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面積がy=S1x6+S2x5+S3x4+S4x3+S5x2+S6x+S7の関係を満たし、又は、y=S8xS9の関係を満たし、第20通路~第33通路は、横断面面積が等しく、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9は、選択可能な数値を表す。孔は孔幅が比較的に小さい部分で同じ横断面面積を採用することで、加工精度による製造難易度を低下させ、熱交換効率に影響を与えない。
【0021】
選択可能に、上記第1通路、第2通路及び第3通路は、y=S1x5+S2x4+S3x3+S4x2+S5x+S6の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6は、選択可能な数値を表す。第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、孔高さ22Hが変わらず同じである場合、yは、第1通路221、第2通路222及び第3通路223の孔幅22Wを表すこともできる。
【0022】
選択可能に、上記扁平管本体の全幅の範囲は、15mm~25mmであり、上記一列の通路は、23個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面積がy=0.00005x5+0.0007x4-0.0159x3+0.1698x2-0.9141x+2.6628の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、第20通路~第23通路は、横断面面積が等しい。孔は孔幅が比較的に小さい部分で同じ横断面面積を採用することで、加工精度による製造難易度を低下させ、熱交換効率に影響を与えない。第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、孔高さ22Hが変わらず同じである場合、yは、第1通路221、第2通路222及び第3通路223の孔幅22Wを表すこともできる。
【0023】
選択可能に、上記扁平管本体の全幅は、25mmであり、上記一列の通路は、33個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面積がy=0.00005x5+0.0007x4-0.0159x3+0.1698x2-0.9141x+2.6628の関係を満たし、ただし、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、第20通路~第33通路は、横断面面積が等しい。高さが同じである場合、yは、幅を表すこともできる。
【0024】
選択可能に、上記扁平管本体21の全幅の範囲は、15mm~25mmであり、上記一列の通路22は、23個の通路を含み、幅方向に沿って配列される第1通路~第19通路は、横断面面積がy=S1x6+S2x5+S3x4+S4x3+S5x2+S6x+S7の関係を満たし、又は、y=S8xS9の関係を満たし、第20通路~第23通路は、横断面面積が等しく、ここで、xは、通路の番号を表し、yは、対応する通路の横断面面積を表し、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9は、選択可能な数値を表す。高さが同じである場合、yは、幅を表すこともできる。
【0025】
第1通路221、第2通路222及び第3通路223は、横断面面積がいずれも面取り矩形状をなし、上記第1通路221は、4つの第1面取り231を含み、上記第2通路222は、4つの第2面取り232を含み、上記第3通路223は、4つの第3面取り233を含む。第1面取り231の半径、第2面取り232の半径及び第3面取り233の半径は、等しく、又は、一定比率で減少する。本実施例では、第1面取り231の半径、第2面取り232の半径及び第3面取り233の半径は、等しい。
【0026】
本願発明のオプションの実施例として、マイクロチャンネル扁平管2の幅は、20mm~30mmであり、好ましくは、マイクロチャンネル扁平管2の幅は、25.4mmであり、マイクロチャンネル扁平管2の厚さは、1.3mmである。第1通路221、第2通路222、第3通路223、第4通路224、第5通路225は、孔高さ22Hが等しく、いずれも0.74mmである。全ての通路22は、第1平面211からの距離が0.28mmであり、第2平面212からの距離が0.28mmである。全ての通路22は、左から右への方向における孔幅22Wの寸法が、それぞれ1.45、1.36、1.27、1.19、1.12、1.05、0.98、0.92、0.86、0.81、0.76、0.71、0.66、0.62、0.58、0.55、0.51、0.48、0.45、0.42、0.4mmである。このような一列の通路22の孔幅22Wは、y=1.369e-0.065xの関係を満たし、ここで、xは、一列の通路22の左から右への通路の順番数を表し、yは、対応するx個目の通路の孔幅22Wを表す。
【0027】
無論、本願発明で挙げられた孔幅22Wの具体的な寸法は、オプションの実施例であり、他の具体的な寸法を選択可能であり、一列の通路22の孔幅22Wの寸法が指数型曲線で変化すればよい。また、このような指数型曲線で変化することは、他の多項式で示すこともでき、例えば、y=0.0017n2-0.0879n+1.5227で示し、ここで、nは、一列の通路22の左から右への通路の順番数を表し、yは、対応するn個目の通路の孔幅22Wを表す。このような類似する多項式の関係で変化すればよく、本願は、これに限定されない。
【0028】
また、第2側面214に近接する通路の孔幅22Wの差は、0.03mmよりも低いため、加工誤差によって加工精度の制御が容易でないことを回避するために、第2側面に近接するいくつかの通路の孔幅が等しくなるようにすることができる。例えば、第4通路224と第5通路225は、孔幅22Wを等しく、断面積を等しくすることができる。
【0029】
本願発明のオプションの実施例として、全ての通路22の面取り半径は、0.3、0.3、0.3、0.3、0.3、0.3、0.2、0.2、0.2、0.2、0.2、0.2、0.2、0.2、0.2、0.2、0.1、0.1、0.1、0.1mmである。隣接する通路22の間の間隔は、0.34mmである。無論、加工誤差による上記寸法の微小の変化も本願発明の保護範囲に含まれる。
【0030】
本願発明のオプションの実施例として、マイクロチャンネル扁平管2の第1側面213は、風上面であり、マイクロチャンネル扁平管2の第2側面214は、送風面であり、つまり、マイクロチャンネル扁平管2の通路横断面は、送風方向に沿って指数的に減少し、又は多項式の関係で減少し、これは、熱交換器100の熱交換性能の向上に有利である。
【0031】
図6及び
図7に示すように、上記フィン3は、第1通路221に近接する第1部分31と、第3通路223に近接する第2部分32とを含み、上記第1部分31の形状は、第2部分32の形状と異なる。上記フィン3は、ルーバーフィンであり、上記第1部分31には、窓開けされており、上記第2部分32には、窓開けされていない。上記第1部分31には、窓開けすることで、風上側の乱流を増加させて、第1通路221に近接する部分の熱交換を増強させる。上記第2部分32には、窓開けされておらず、すなわち、風下側に近い乱流を減少させ、風抵抗を低減させ、風下側に近接する第3通路223の熱交換を減少させることで、全体的に熱交換の効果を向上させ、風抵抗を低減させ、熱交換器の熱交換効率の向上に有利である。無論、
図8に示すように、他の実施例では、上記第1部分31の窓開け密度を上記第2部分32の窓開け密度よりも大きくすることで、上記熱交換器の熱交換効率の向上の機能を実現することもできる。
【0032】
熱交換器が作動する際、外部送風機によって生じた風は、第1通路221に近接する第1側面213を通過し、フィン3によって乱流されてから、第3通路223に近接する部位から流出する。これにより、マイクロチャンネル扁平管2内に冷媒が流れている時、風上面に近接する第1通路221は、流通断面積がより大きいため、熱交換がより十分であり、風下面に近接する第3通路223は、流通断面積が小さいため、熱交換が小さくなり、風上側の熱交換により、風が冷却されたため、風下側の熱交換能力が小さくなる。この時、対応的に、風下側の流通通路の断面積を小さくし、それにより、同じ扁平管体積内で、より高い熱交換効率を得る。これにより、マイクロチャンネル熱交換器の熱交換効率は向上する。
【0033】
以上は本願発明の好ましい実施例に過ぎず、本願発明を任意の形態に限定するものではない。本願発明を好ましい実施例で説明したが、本願発明を限定するものではない。当業者であれば、本願発明の技術的範囲を逸脱しない範囲内では、上記開示された技術内容を利用していくつかの変更又は修飾を等価変化の等価実施例として行うことができるが、本願発明の技術的範囲を逸脱しない内容は、本出願の技術的実質に基づいて以上の実施例に対して行われた任意の簡単な修正、等価変化及び修飾は、いずれも本願発明の技術的解決手段の範囲内に属する。