(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】センサ装置、管理システム、管理サーバ、受入検査装置、センサ装置が実行する方法および銘板
(51)【国際特許分類】
G08C 15/00 20060101AFI20221228BHJP
G08C 19/00 20060101ALI20221228BHJP
G08C 17/02 20060101ALI20221228BHJP
G01D 9/00 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
G08C15/00 E
G08C19/00 311
G08C17/02
G01D9/00 A
(21)【出願番号】P 2021551319
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2020036955
(87)【国際公開番号】W WO2021065925
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】P 2019182541
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】安藤 清
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】井上 博之
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-528894(JP,A)
【文献】特開2017-157212(JP,A)
【文献】特開2012-53819(JP,A)
【文献】特開2005-18175(JP,A)
【文献】特許第5207378(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C
G01D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部
と、
本センサ装置を前記対象物に固定するための、前記対象物の内部に挿入される締結部と
を備え、
前記センサ部と前記通信部と前記記憶部と前記蓄電部と前記発電部とが一体に設けられており、前記センサ部と前記通信部と前記記憶部と前記蓄電部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置され、
前記センサ部は、前記締結部をプローブとして用いて前記対象物の内部の状態を測定することを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記センサ部の複数の測定結果または前記通信部から出力される複数の情報を記憶可能であり、
前記記憶部は、前記複数の測定結果または前記複数の情報を時間とともに変化する値と関連付けて記憶すること
を特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つに対する電力の供給または遮断を制御する電力供給制御部をさらに備えること
を特徴とする請求項1または2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記発電部は、複数の発電手段を有すること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサ部は、異なる種類の物理量を測定する複数のセンサを有すること
を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記センサ部の測定結果をもとに前記通信部から出力される情報を生成する処理部をさらに備えること
を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記処理部は、動作クロック数が高いほど演算能力が高まるものであり、処理内容に応じて動作クロック数を変更可能であること
を特徴とする請求項6に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記センサ部は、離れて配置された複数のセンサであって、同じ種類の物理量を測定する複数のセンサを有し、
前記処理部は、前記複数のセンサの測定結果をもとに前記対象物の内部の物理現象を演算し、演算結果を前記記憶部に記憶させること
を特徴とする請求項6または7に記載のセンサ装置。
【請求項9】
電子ペーパーを含む表示部をさらに備えること
を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のセンサ装置。
【請求項10】
部品に取り付けられたセンサ装置と、
当該部品に関する情報を管理する管理サーバと、
当該部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記センサ装置は、
前記部品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記部品を動作させる際に参照される前記部品の特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記センサ装置から受信した前記センサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記センサ装置に送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記センサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記部品に関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記センサ装置に送信し、
前記センサ装置は、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記部品の特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする管理システム。
【請求項11】
部品に関する情報を管理する管理サーバであって、
前記部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置から送信された前記部品に関する情報をもとに前記部品に関する補正値を求める導出部と、
前記導出部により導出された補正値を前記受入検査装置に送信する提供部と
を備え、
前記受入検査装置は、前記部品に取り付けられたセンサ装置から受信した前記センサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した補正値を前記センサ装置に送信するものであり、
前記センサ装置は、
前記部品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記部品を動作させる際に参照される前記部品の特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
、
前記受入検査装置から送信された前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記部品の特性値を更新する処理部と
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項12】
部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置であって、
前記部品に取り付けられたセンサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記センサ装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により取得された情報を前記部品に関する情報を管理する管理サーバに送信するとともに、前記管理サーバが前記情報をもとに求めた前記部品に関する補正値を前記管理サーバから取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された補正値を前記センサ装置に送信する更新部と
を備え、
前記センサ装置は、
前記部品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記部品を動作させる際に参照される前記部品の特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
、
前記受入検査装置から送信された前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記部品の特性値を更新する処理部と
を備えることを特徴とする受入検査装置。
【請求項13】
減速機と、
当該減速機に関する情報を管理する管理サーバと、
当該減速機の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記減速機は、
減速機構と、
前記減速機構を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記減速機を動作させる際に参照される前記減速機の特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記減速機から受信した前記減速機のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記減速機に送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記減速機のセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記減速機に関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記減速機に送信し、
前記減速機は、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記減速機の特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする減速機の管理システム。
【請求項14】
クローラ用走行ユニットと、
当該クローラ用走行ユニットに関する情報を管理する管理サーバと、
当該クローラ用走行ユニットの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記クローラ用走行ユニットは、
クローラの動作を制御する走行制御部と、
前記走行制御部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記クローラ用走行ユニットを動作させる際に参照される前記クローラ用走行ユニットの特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記クローラ用走行ユニットから受信した前記クローラ用走行ユニットのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記クローラ用走行ユニットに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記クローラ用走行ユニットのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記クローラ用走行ユニットに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記クローラ用走行ユニットに送信し、
前記クローラ用走行ユニットは、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記クローラ用走行ユニットの特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とするクローラ用走行ユニットの管理システム。
【請求項15】
流体バルブと、
当該流体バルブに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体バルブの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体バルブは、
流体の流れを制御するバルブ部と、
前記バルブ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記流体バルブを動作させる際に参照される前記流体バルブの特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体バルブから受信した前記流体バルブのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体バルブに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体バルブのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体バルブに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記流体バルブに送信し、
前記流体バルブは、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記流体バルブの特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする流体バルブの管理システム。
【請求項16】
流体シリンダと、
当該流体シリンダに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体シリンダの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体シリンダは、
流体を収納するシリンダ部と、
前記シリンダ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記流体シリンダを動作させる際に参照される前記流体シリンダの特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体シリンダから受信した前記流体シリンダのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体シリンダに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体シリンダのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体シリンダに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記流体シリンダに送信し、
前記流体シリンダは、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記流体シリンダの特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする流体シリンダの管理システム。
【請求項17】
流体ポンプと、
当該流体ポンプに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体ポンプの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体ポンプは、
流体の流れを制御するポンプ部と、
前記ポンプ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記流体ポンプを動作させる際に参照される前記流体ポンプの特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体ポンプから受信した前記流体ポンプのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体ポンプに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体ポンプのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体ポンプに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記流体ポンプに送信し、
前記流体ポンプは、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記流体ポンプの特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする流体ポンプの管理システム。
【請求項18】
流体コンプレッサと、
当該流体コンプレッサに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体コンプレッサの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体コンプレッサは、
流体に圧力を与える圧縮部と、
前記圧縮部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記流体コンプレッサを動作させる際に参照される前記流体コンプレッサの特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体コンプレッサから受信した前記流体コンプレッサのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体コンプレッサに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体コンプレッサのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体コンプレッサに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記流体コンプレッサに送信し、
前記流体コンプレッサは、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記流体コンプレッサの特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする流体コンプレッサの管理システム。
【請求項19】
電動モータと、
当該電動モータに関する情報を管理する管理サーバと、
当該電動モータの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記電動モータは、
電気エネルギを力学的エネルギに変換するモータ部と、
前記モータ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記電動モータを動作させる際に参照される前記電動モータの特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記電動モータから受信した前記電動モータのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記電動モータに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記電動モータのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記電動モータに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記電動モータに送信し、
前記電動モータは、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記電動モータの特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする電動モータの管理システム。
【請求項20】
電動アクチュエータと、
当該電動アクチュエータに関する情報を管理する管理サーバと、
当該電動アクチュエータの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記電動アクチュエータは、
電気エネルギをもとに動作する駆動部と、
前記駆動部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果
、前記通信部が受信した情報
、および前記電動アクチュエータを動作させる際に参照される前記電動アクチュエータの特性値を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記電動アクチュエータから受信した前記電動アクチュエータのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記電動アクチュエータに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記電動アクチュエータのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記電動アクチュエータに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信
し、
前記受入検査装置は、前記補正値を前記電動アクチュエータに送信し、
前記電動アクチュエータは、前記補正値に基づいて、前記記憶部に記憶された前記電動アクチュエータの特性値を更新する処理部をさらに含むこと
を特徴とする電動アクチュエータの管理システム。
【請求項21】
対象物に関する状態を測定する検知ステップと、
前記検知ステップでの測定結果に基づく情報を出力する出力ステップと、
前記測定結果および前記情報を記憶部に記憶させる保存ステップと、
前記検知ステップ、前記出力ステップ、前記保存ステップのうち少なくとも1つのステップの処理を実行させるための電力として、蓄電部から電力を供給するステップと、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電するステップと
をセンサ装置が実行
し、
前記センサ装置は、本センサ装置を前記対象物に固定するための、前記対象物の内部に挿入される締結部を備えるものであり、
前記検知ステップは、前記締結部をプローブとして用いて前記対象物の内部の状態を測定することを特徴とする方法。
【請求項22】
所定の指示が入力された場合に、前記記憶部に記憶されたデータを消去するステップ
を前記センサ装置がさらに実行することを特徴とする請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
物品に取り付けられ当該物品に関する情報が表示される銘板であって、
前記物品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
、
本銘板を前記物品に固定するための、前記物品の内部に挿入される締結部と
を備え
、
前記センサ部は、前記締結部をプローブとして用いて前記物品の内部の状態を測定することを特徴とする銘板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データ処理技術に関し、特にセンサ装置、管理システム、管理サーバ、受入検査装置、センサ装置が実行する方法および銘板に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の製造時に測定した特性値を当該製品が具備する記憶媒体に記憶させ、記憶した特性値に基づいて制御を行う技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術は、製品の特性値を当該製品の製造時に検査装置を用いて取得するものであり、当該製品の輸送時の状況を取得することはできない。そのため、輸送状態によって製品の特性が製造時から変化すると、製品を適切に制御することが困難になる可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、1つの目的は、製品の輸送中等、外部電源が供給されない状況下での製品に関する状態を把握可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のセンサ装置は、対象物に関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、センサ部の測定結果および通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを備える。センサ部と通信部と記憶部と蓄電部と発電部とが一体に設けられており、センサ部と通信部と記憶部と蓄電部と発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置される。
【0007】
本発明の別の態様もまた、センサ装置である。この装置は、対象物に関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、センサ部の測定結果をもとに通信部から出力される情報を生成する処理部と、センサ部の測定結果および通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部と センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つに対する電力の供給または遮断を制御する電力供給制御部とを備える。記憶部は、センサ部の複数の測定結果または通信部から出力される複数の情報を記憶可能であり、記憶部は、複数の測定結果または複数の情報を時間とともに変化する値と関連付けて記憶し、センサ部は、異なる種類の物理量を測定する複数のセンサである第1センサ群と、離れて配置された複数のセンサであって、同じ種類の物理量を測定する複数のセンサである第2センサ群とを有する。処理部は、第2センサ群の測定結果をもとに対象物の内部の物理現象を演算し、演算結果を記憶部に記憶させ、センサ部と通信部と処理部と記憶部と蓄電部と発電部と電力供給制御部とが一体に設けられており、センサ部と通信部と記憶部と蓄電部と発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置される。
【0008】
本発明のさらに別の態様は、管理システムである。この管理システムは、部品に取り付けられたセンサ装置と、当該部品に関する情報を管理する管理サーバと、当該部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。センサ装置は、部品に関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、センサ装置から受信したセンサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報をセンサ装置に送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信されたセンサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに部品に関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0009】
本発明のさらに別の態様は、管理サーバである。この管理サーバは、部品に関する情報を管理する管理サーバであって、部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置から送信された部品に関する情報をもとに部品に関する補正値を求める導出部と、導出部により導出された補正値を受入検査装置に送信する提供部とを備える。受入検査装置は、部品に取り付けられたセンサ装置から受信したセンサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した補正値をセンサ装置に送信するものであり、センサ装置は、部品に関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを備える。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、受入検査装置である。この装置は、部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置であって、部品に取り付けられたセンサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報をセンサ装置から取得する第1取得部と、第1取得部により取得された情報を部品に関する情報を管理する管理サーバに送信するとともに、管理サーバが情報をもとに求めた部品に関する補正値を管理サーバから取得する第2取得部と、第2取得部により取得された補正値をセンサ装置に送信する更新部とを備える。センサ装置は、部品に関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを備える。
【0011】
本発明のさらに別の態様は、減速機の管理システムである。この減速機の管理システムは、減速機と、当該減速機に関する情報を管理する管理サーバと、当該減速機の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。減速機は、減速機構と、減速機構を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、減速機から受信した減速機のセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報を減速機に送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信された減速機のセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに減速機に関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、クローラ用走行ユニットの管理システムである。このクローラ用走行ユニットの管理システムは、クローラ用走行ユニットと、当該クローラ用走行ユニットに関する情報を管理する管理サーバと、当該クローラ用走行ユニットの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。クローラ用走行ユニットは、クローラの動作を制御する走行制御部と、走行制御部を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、クローラ用走行ユニットから受信したクローラ用走行ユニットのセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報をクローラ用走行ユニットに送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信されたクローラ用走行ユニットのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとにクローラ用走行ユニットに関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0013】
本発明のさらに別の態様は、流体バルブの管理システムである。この流体バルブの管理システムは、流体バルブと、当該流体バルブに関する情報を管理する管理サーバと、当該流体バルブの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。流体バルブは、流体の流れを制御するバルブ部と、バルブ部を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、流体バルブから受信した流体バルブのセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報を流体バルブに送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信された流体バルブのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに流体バルブに関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0014】
本発明のさらに別の態様は、流体シリンダの管理システムである。この流体シリンダの管理システムは、流体シリンダと、当該流体シリンダに関する情報を管理する管理サーバと、当該流体シリンダの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。流体シリンダは、流体を収納するシリンダ部と、シリンダ部を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、流体シリンダから受信した流体シリンダのセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報を流体シリンダに送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信された流体シリンダのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに流体シリンダに関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0015】
本発明のさらに別の態様は、流体ポンプの管理システムである。この流体ポンプの管理システムは、流体ポンプと、当該流体ポンプに関する情報を管理する管理サーバと、当該流体ポンプの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。流体ポンプは、流体の流れを制御するポンプ部と、ポンプ部を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、流体ポンプから受信した流体ポンプのセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報を流体ポンプに送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信された流体ポンプのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに流体ポンプに関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、流体コンプレッサの管理システムである。この流体コンプレッサの管理システムは、流体コンプレッサと、当該流体コンプレッサに関する情報を管理する管理サーバと、当該流体コンプレッサの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。流体コンプレッサは、流体に圧力を与える圧縮部と、圧縮部を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、流体コンプレッサから受信した流体コンプレッサのセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報を流体コンプレッサに送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信された流体コンプレッサのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに流体コンプレッサに関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0017】
本発明のさらに別の態様は、電動モータの管理システムである。この電動モータの管理システムは、電動モータと、当該電動モータに関する情報を管理する管理サーバと、当該電動モータの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。電動モータは、電気エネルギを力学的エネルギに変換するモータ部と、モータ部を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、電動モータから受信した電動モータのセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報を電動モータに送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信された電動モータのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに電動モータに関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0018】
本発明のさらに別の態様は、電動アクチュエータの管理システムである。この電動アクチュエータの管理システムは、電動アクチュエータと、当該電動アクチュエータに関する情報を管理する管理サーバと、当該電動アクチュエータの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置とを備える。電動アクチュエータは、電気エネルギをもとに動作する駆動部と、駆動部を収納するケースと、ケースに関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を受入検査装置に送信するとともに受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、センサ部の測定結果および通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを含む。受入検査装置は、電動アクチュエータから受信した電動アクチュエータのセンサ部の測定結果に基づく情報を管理サーバに送信するとともに管理サーバから受信した情報を電動アクチュエータに送信するものであり、管理サーバは、受入検査装置から送信された電動アクチュエータのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに電動アクチュエータに関する補正値を求め、当該補正値を受入検査装置に送信するものである。
【0019】
本発明のさらに別の態様は、方法である。この方法は、対象物に関する状態を測定する検知ステップと、検知ステップでの測定結果に基づく情報を出力する出力ステップと、測定結果および情報を記憶部に記憶させる保存ステップと、検知ステップ、出力ステップ、保存ステップのうち少なくとも1つのステップの処理を実行させるための電力として、蓄電部から電力を供給するステップと、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電するステップとをセンサ装置が実行する。
【0020】
本発明のさらに別の態様は、銘板である。この銘板は、物品に取り付けられ当該物品に関する情報が表示される銘板であって、物品に関する状態を測定するセンサ部と、センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、センサ部の測定結果および通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、センサ部、通信部、記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、蓄電部を充電する発電部とを備える。
【0021】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、装置、システム、方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、製品の輸送中等、外部電源が供給されない状況下での製品に関する状態を把握可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施例のセンサ装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図2】
図1のセンサ装置の回路構成例を示す図である。
【
図3】
図1のセンサ装置を含むセンサシステムの構成を示す図である。
【
図4】センサ装置によるセンシング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】センサ装置によるセンシング処理の別例を示すフローチャートである。
【
図6】センサ装置による情報出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】センサ装置による情報出力処理の別例を示すフローチャートである。
【
図8】センサ装置による情報出力処理の別例を示すフローチャートである。
【
図9】センサ装置による初期化処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10(a)】減速機に対するセンサ装置の第1取付例を示す図である。
【
図10(b)】減速機に対するセンサ装置の第1取付例を示す図である。
【
図10(c)】
図10(a)と
図10(b)のセンサ装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図11(a)】減速機に対するセンサ装置の第1取付例を示す図である。
【
図11(b)】減速機に対するセンサ装置の第1取付例を示す図である。
【
図11(c)】
図11(a)と
図11(b)のセンサ装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図17(a)】クローラ用走行ユニットに対するセンサ装置の取付例を示す図である。
【
図17(b)】クローラ用走行ユニットに対するセンサ装置の取付例を示す図である。
【
図17(c)】
図17(a)と
図17(b)のセンサ装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図18(a)】油圧バルブに対するセンサ装置の取付例を示す図である。
【
図18(b)】油圧バルブに対するセンサ装置の取付例を示す図である。
【
図18(c)】
図18(a)と
図18(b)のセンサ装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図19(a)】空圧シリンダに対するセンサ装置の取付例を示す図である。
【
図19(b)】空圧シリンダに対するセンサ装置の取付例を示す図である。
【
図19(c)】
図19(a)と
図19(b)のセンサ装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図20】複数個のセンサ装置の連携の例を示す図である。
【
図21】複数個のセンサ装置の連携の例を示す図である。
【
図22】変形例のセンサシステムの構成を示す図である。
【
図23】第2実施例のセンサ装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図24】
図23のセンサ装置を含む管理システムの構成を示す図である。
【
図26】部品の受入検査時におけるセンサ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図27】部品の受入検査時におけるセンサ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図28】部品の受入検査時におけるセンサ装置の処理の変形例を示すフローチャートである。
【
図29】変形例の管理システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施例>
特開2018-096451号公報には、機械コンポーネント内部にセンサを設け、そのセンサの出力を有線通信にて機械コンポーネント外部の電気回路へ送信することにより機械コンポーネントの状態を監視する技術が提案されている。上記公報に記載の技術は、機械コンポーネント内部にセンサを配置する場所を設ける必要があり、さらに、そのセンサに電力を供給するための配線が必要になる。そのため、機械コンポーネントの製造に要するコストや期間が増大する可能性がある。
【0025】
そこで実施例では、機械コンポーネント(部品等)の表面に取り付けられる銘板をセンサ装置として活用する。実施例におけるセンサ装置、言い換えれば、機械コンポーネントに取り付けられる銘板は、機械コンポーネントの輸送中または保管中、言い換えれば、機械コンポーネントの製造後、実使用前における当該機械コンポーネントに関する状態をセンサ装置自身が発電した電力を使用して検知する。そして、検知結果に基づく情報を外部へ出力する。
【0026】
より具体的には、実施例におけるセンサ装置は、(1)取り付けられた機械コンポーネントの状態や当該機械コンポーネントの周辺環境の状態を測定する(検知するとも言える)センサ部と、(2)センサ部の測定結果(検知結果とも言える)に基づく情報を出力する出力部と、(3)センサ部や出力部を動作させるための電力をWi-Fi(登録商標)電波等により自家発電する環境発電部を備える。これにより、機械コンポーネント内部にセンサの配置場所を確保することや、センサへの電力供給のための新たな配線が不要になる。すなわち、機械コンポーネントに関する状態を把握可能にする一方で、当該機械コンポーネントの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0027】
図1は、実施例のセンサ装置10の機能ブロックを示すブロック図である。同図は、実施例のセンサ装置10が備える機能ブロックの一例を示している。本明細書のブロック図で示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0028】
センサ装置10は、銘板として、所定の物理構造を有する物品(以下「対象物」とも呼ぶ。)の表面に取り付けられる。センサ装置10は、センサ部12、処理部14、出力部16、記憶部18、指紋センサ20、環境発電部22、蓄電部24を備える。センサ装置10は、銘板として、その表面(外側の面)に当該対象物に関する情報を表示する。また、センサ装置10において、
図1に示す各機能ブロックに対応する部材はシート状に一体に設けられる。シート状とは、センサ装置10の厚み方向の長さが、センサ装置10の縦方向の長さと横方向の長さのいずれよりも短いことを意味する。例えばセンサ装置10の縦方向の長さと横方向の長さが数センチメートルであるときに、センサ装置10の厚み方向の長さが4ミリメートル以下である。また望ましくはセンサ装置10の厚み方向の長さが1ミリメートル以下である。さらに望ましくはセンサ装置10の厚み方向の長さが0.5ミリメートル以下である。銘板として対象物の表面に取り付けられるため、厚みが薄いほうが対象物からの突出量が少なくなるのでより望ましい。センサ装置10の筐体は、柔軟性(可撓性)が高い素材で形成されてもよく、柔軟性(可撓性)が低い素材で形成されてもよい。
【0029】
センサ部12は、対象物に接触(近接も含む)するよう設けられ、センサ装置10が取り付けられる対象物に関する状態を測定する。対象物は、様々な種類の電子機器、電気機器、機械装置、部品または完成品であってもよい。センサ部12は、測定結果(検知結果)に基づく信号(以下「検知信号」とも呼ぶ。)を処理部14へ出力する。
【0030】
センサ部12により測定される対象物に関する状態は、対象物そのものの状態(対象物の内部または表面のいずれか一方または両方の状態)と対象物の周囲(言い換えれば対象物を取り巻く環境)の状態のいずれか一方、または両方であってもよい。また、対象物に関する状態は、1つの種類の物理的状態または物理量であってもよく、複数の種類の物理的状態または物理量の組合せであってもよい。例えば、対象物に関する状態は、振動(言い換えれば3軸加速度)、温度、湿度、音、超音波、歪み、気圧、照度、GPS(Global
Positioning System)(例えばGPSを用いて計測された位置データ)、BLE(Bluetooth Low Energy)(「Bluetooth」は登録商標)ビーコン(例えばBLEビーコンを用いて計測された位置データ)、浸水度合い、風力のいずれか1つ、またはこれらの任意の組合せであってもよい。さらにまた、対象物に関する状態は、化学的状態を含んでもよい。化学的状態は、例えば、匂い、酸性、中性、アルカリ性、またはアレルゲンなど特定の化学物質の存在有無であってもよい。
【0031】
処理部14は、センサ部12の測定結果であり、実施例ではセンサ部12から出力された検知信号をもとに出力部16から出力される情報(以下「出力情報」とも呼ぶ。)を生成する。処理部14は、センサ部12から出力された検知信号をもとに所定の演算(例えば各種フィルタ処理や、人工知能機能による異常診断処理等)を実行し、演算結果を含む出力情報を生成してもよい。これにより、出力情報のデータ量を低減することができる。
【0032】
出力部16は、センサ部12の測定結果に基づく情報であり、実施例では処理部14により生成された出力情報を外部へ出力する。記憶部18は、センサ部12の測定結果(実施例では検知信号)または出力部16から出力される情報(実施例では出力情報)を記憶する。実施例では、記憶部18は、処理部14により生成された出力情報を記憶し、さらに、センサ装置10の操作が許可された操作者(言い換えればセンサ装置10を操作する権限を有する操作者)の指紋データを記憶する。
【0033】
記憶部18は、センサ部12の複数の測定結果(例えばセンサ部12から出力された複数の検知信号)または複数の出力情報を記憶可能な記憶容量を備えてもよい。記憶部18は、複数の測定結果または複数の出力情報を時間とともに変化する値と関連付けて記憶してもよい。時間とともに変化する値は、時間経過とともに変化する値とも言え、時間とともにカウントアップまたはカウンタダウンされるカウンタ値や時刻値であってもよい。これにより、複数の測定結果または複数の出力情報を時系列に保持することができる。
【0034】
例えば、処理部14は、センサ部12の複数の測定結果に基づいて生成した複数の出力情報を、リアルタイムクロック(またはGPS装置)から出力される時刻値と対応付けて記憶部18に格納してもよい。処理部14は、記憶部18に格納された複数の出力情報を時刻値をもとに集計または集約し、集計結果または集約結果に基づく新たな出力情報を生成してもよい。この場合、出力部16は、個々の測定結果に基づく個々の出力情報とともに、または個々の出力情報に代えて、上記新たな出力情報を外部に出力してもよい。
【0035】
なお、センサ部12が複数のセンサを含む場合、記憶部18は、各センサの検知信号(または各検知信号に基づく出力情報)を上記カウンタ値や時刻値等に基づき関連付けて保持してもよい。または、記憶部18は、各センサの検知信号(または各検知信号に基づく出力情報)を別々に保持してもよい。
【0036】
また、記憶部18は、センサ部12の識別情報(識別番号)を検知信号または出力情報と対応付けて記憶してもよい。センサ部12が複数のセンサを含む場合、記憶部18は、各センサの識別情報と対応付けて、各センサの検知信号またはその信号に基づく出力情報を記憶してもよい。また、記憶部18は、対象物の識別情報(製品種別でもよい)をさらに記憶してもよい。また、記憶部18は、処理部14と独立して設けられてもよく、センサ装置10から取り外し可能に構成されてもよい。
【0037】
出力部16は、表示部としての電子ペーパーや液晶ディスプレイを含んでもよく、処理部14により生成された出力情報を電子ペーパーや液晶ディスプレイに表示させてもよい。出力部16が電子ペーパーや液晶ディスプレイにより構成される場合、出力部16は、タッチパネルを含むことが好ましい。この場合、通常時には、出力部16は、銘板に表示すべき情報(デフォルト情報とも言え、例えば製品名や製造メーカの情報を含む)を表示させてもよい。一方、タッチパネルを介して所定の操作が入力された場合、出力部16(処理部14)は、センサ部12の検知結果や、記憶部18に記憶された出力情報を表示するよう画面表示内容を更新してもよい。
【0038】
また、出力部16は、通信部としてのアンテナを含んでもよい。この場合、出力部16は、Wi-Fi、BLEまたはNFC等を利用して、処理部14により生成された出力情報を外部装置へ送信してもよい。
【0039】
指紋センサ20は、センサ装置10の操作者の指から指紋を読み取るセンサである。指紋センサ20は、電子ペーパーまたは液晶ディスプレイを含む出力部16と一体化されてもよい。
【0040】
環境発電部22は、センサ装置10の周囲の環境(外部環境)に存在するエネルギを電力に変換(いわゆる環境発電)し、センサ部12と出力部16の少なくとも一方(実施例では
図1の各部)を動作させるための電力として当該電力(発電した電力)を供給する。例えば、
図1のセンサ部12、処理部14、出力部16、記憶部18、指紋センサ20は、環境発電部22から供給された電力をもとに動作する。環境発電部22は、温度、湿度、Wi-Fi等の電波、センサ装置10の周囲からの電磁波(放射線や宇宙線を含み、電動モータ等から発せされる電磁ノイズも含む。)、振動、音(超音波含む)、光(可視光、赤外光、紫外線を含む。)、流体や粉体の流れ(風や波など)のうち少なくとも1つのエネルギをもとに発電してもよい。
【0041】
例えば、環境発電部22は、「http://gigazine.net/news/20190129-wifi-rectenna/」や「http://news.mit.edu/2019/converting-wi-fi-signals-electricity-0128」等に記載された技術を用いて、Wi-Fiの電波を直流電流に変換してもよい。また、環境発電部22は、近距離無線通信(NFC等)により生じる起電力をもとに各部へ電力を供給してもよい。このような通信機能を含む環境発電部22は、データ通信と発電を時分割で実行してもよく、言い換えれば、交互に実行してもよい。
【0042】
蓄電部24は、環境発電部22により発電された電気を蓄積し、蓄積した電力を
図1の各部に供給する。例えば、
図1のセンサ部12、処理部14、出力部16、記憶部18、指紋センサ20は、環境発電部22から供給された電力をもとに動作可能であり、さらに、蓄電部24から供給された電力によっても動作可能である。蓄電部24は、キャパシタ(電気二重層コンデンサを含む)であってもよく、二次電池(例えばリチウムイオン電池、固体リチウムイオン電池、空気電池等)であってもよい。
【0043】
処理部14は、認証部30、電力供給制御部32、情報生成部34、更新部36を含む。認証部30は、指紋センサ20により読み取られた操作者の指紋データが、記憶部18に予め記憶された権限ある操作者の指紋データに一致する場合、操作者の認証に成功したと判定する。処理部14は、認証部30が操作者の認証に成功したと判定した場合、その操作者の操作に応じて、出力部16から出力情報を出力させる。
【0044】
電力供給制御部32は、
図1の各部に対する電力の供給または遮断を制御する。
図2は、
図1のセンサ装置10の回路構成例を示す。同図の例では、環境発電部22は、複数の発電手段として、第1発電部22aと第2発電部22bを含む。例えば、第1発電部22aは、熱電変換素子を用いた発電手段であってもよく、第2発電部22bは、光電池を用いた発電手段であってもよい。電圧制御部40aは、第1発電部22aから供給される電圧を制御し、電圧制御部40bは、第2発電部22bから供給される電圧を制御する。例えば、電圧制御部40aと電圧制御部40bは、各発電部から供給される電圧が所定の範囲内の高さになるよう変圧する。
【0045】
センサ装置10は、
図1の各部に対する電力の供給または遮断を制御するための複数のスイッチを含む。これらのスイッチは、半導体スイッチであってもよく、機械式リレーであってもよい。また、これらのスイッチは、処理部14と電気的に接続される。処理部14の電力供給制御部32は、第1発電部22aにより発電された電気および第2発電部22bにより発電された電気を蓄電部24に蓄積させる場合、スイッチ42aをオンに切り替える。また、電力供給制御部32は、蓄電部24からセンサ部12、記憶部18、出力部16へ電力を供給する場合、スイッチ42aをオンに切り替える。
【0046】
処理部14の電力供給制御部32は、センサ部12に電力を供給する場合、スイッチ42bをオンに切り替え、一方、センサ部12への電力供給を遮断する場合、スイッチ42bをオフに切り替える。また、電力供給制御部32は、記憶部18に電力を供給する場合、スイッチ42cをオンに切り替え、一方、記憶部18への電力供給を遮断する場合、スイッチ42cをオフに切り替える。また、電力供給制御部32は、出力部16に電力を供給する場合、スイッチ42dをオンに切り替え、一方、出力部16への電力供給を遮断する場合、スイッチ42dをオフに切り替える。
【0047】
図1に戻り、情報生成部34は、センサ部12から出力された検知信号をもとに出力部16から出力される出力情報を生成する。既述したように、情報生成部34は、検知信号をもとに各種フィルタ処理や、人工知能機能による異常診断処理等の演算を実行し、演算結果を含む出力情報を生成してもよい。また、情報生成部34は、記憶部18に記憶された複数の検知信号または複数の出力情報を集約または集計して新たな出力情報を生成してもよい。
【0048】
更新部36は、記憶部18に記憶されたデータを更新する。例えば、更新部36は、センサ部12から出力された検知信号または情報生成部34により生成された出力情報を記憶部18に格納する。また、記憶部18の初期化を指示する所定の指示が入力された場合、更新部36は、記憶部18に記憶されたデータを消去(言い換えれば初期化)する。上記所定の指示は、出力部16が通信機能を有する場合、外部機器から通信を介して入力されてもよい。また、出力部16がタッチパネル機能を有する場合、上記所定の指示は、タッチパネルに対する操作者の操作により入力されてもよい。
【0049】
処理部14は、動作クロック数が高いほど演算能力が高まるプロセッサ(例えばMCU(Micro Control Unit)等)であって、かつ、処理内容に応じて動作クロック数を変更可能なプロセッサにより実現されてもよい。この場合、
図1の処理部14内の複数の機能ブロックに対応する複数のモジュールが実装されたコンピュータプログラムが、記憶部18等の記憶領域に格納されてもよい。そして上記プロセッサがそのコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、各機能ブロックの機能が発揮されてもよい。また、プロセッサは、低い演算能力で十分な処理(例えば電力供給制御部32の処理)は、相対的に低い動作クロックで実行し、高い演算能力が求められる処理(例えば情報生成部34の処理)は、相対的に高い動作クロックで実行してもよい。プロセッサの動作クロックの高低は、各機能ブロックに対応するコンピュータプログラムにより規定されてもよい。
【0050】
別の態様として、処理部14は、単位時間あたりの消費電力量が異なる複数のコアを備えるプロセッサにより実現されてもよい。環境発電部22と蓄電部24からの供給電力が所定の閾値未満である場合、処理部14は、相対的に消費電力が小さいコアを使用してデータ処理(各機能ブロックの処理)を実行してもよい。一方、環境発電部22と蓄電部24からの供給電力が上記閾値以上の場合、処理部14は、相対的に消費電力が大きいコアを使用してデータ処理(各機能ブロックの処理)を実行してもよい。これにより、環境発電部22と蓄電部24から供給される電力を効率的に使用することができる。
【0051】
なお、センサ装置10では、センサ部12と出力部16と環境発電部22のうち少なくとも2つが重ねて配置される。これによりセンサ装置10のサイズを小さくでき、センサ装置10を対象物に取り付けやすくなる。例えば、出力部16が電子ペーパーの場合、出力部16の領域として縦方向および横方向にある程度のサイズの領域(情報表示領域)を確保する必要がある。この場合、厚み方向における出力部16の直下の位置にセンサ部12および環境発電部22を配置してもよい。
【0052】
図1の処理部14、記憶部18、指紋センサ20、蓄電部24は、必須の構成ではない。例えば、センサ部12の測定結果を加工せずに出力部16から出力させる場合、処理部14は無くてもよい。また、センサ部12の測定結果を即時に出力部16から出力させる場合、記憶部18は無くてもよい。また、操作者の認証が不要であれば、指紋センサ20と、処理部14の認証部30は無くてもよい。また、環境発電部22により発電された電気の蓄積が不要であれば、蓄電部24は無くてもよい。
【0053】
センサ装置10の典型例を説明する。センサ部12は、対象物またはその周囲の複数種類の物理量(例えば温度と湿度と振動)を測定する複数のセンサを含んでもよい。出力部16は、センサ部12の測定結果に基づく出力情報をWi-FiまたはNFC等の無線通信により外部へ出力してもよい。環境発電部22は、Wi-Fiの電波またはNFCの電波または光(太陽光や照明光)をもとに発電し、センサ部12と出力部16の少なくとも一方に電力を供給してもよい。
【0054】
図3は、
図1のセンサ装置10を含むセンサシステム50の構成を示す。センサシステム50は、センサ装置10と端末装置54を含む情報処理システムである。端末装置54は、スマートフォン、PC、ドローン、センサ装置10を読み取る定置されたゲートのいずれかでもよい。センサ装置10は、出力部16としてアンテナ(言い換えれば通信部)を含み、端末装置54宛に出力情報を送信する。端末装置54は、センサ装置10から送信された出力情報をアンテナ52を介して取得する。端末装置54は、複数の対象物に取り付けられた複数のセンサ装置10から出力情報を取得し、各出力情報を出力元のセンサ装置10と対応付けてクラウド(クラウド上のデータベース等)に保存してもよい。
【0055】
以上の構成によるセンサ装置10の動作を説明する。
図4は、センサ装置10によるセンシング処理の一例を示すフローチャートである。対象物に関する状態を検知すべきタイミングに至った場合(S10のY)、処理部14の電力供給制御部32は、センサ部12へ電力を供給する(S11)。処理部14は、センサ部12から出力された検知信号を取得する(S12)。処理部14の更新部36は、検知信号を記憶部18に保存する(S13)。処理部14の電力供給制御部32は、センサ部12への電力供給を停止する(S14)。対象物に関する状態を検知すべきタイミングでなければ(S10のN)、S11以降の処理をスキップする。センサ装置10は、本図のセンシング処理を繰り返し実行する。なお、処理部14は、S10の判断処理を行わずに、S11以降の処理を繰り返し実行してもよい。
【0056】
図5は、センサ装置10によるセンシング処理の別例を示すフローチャートである。対象物に関する状態を検知すべきタイミングに至った場合(S20のY)、処理部14の電力供給制御部32は、センサ部12へ電力を供給する(S21)。処理部14は、センサ部12から出力された検知信号を取得する(S22)。処理部14の情報生成部34は、検知信号に対してフィルタ処理等を実行して出力情報を生成する(S23)。処理部14の更新部36は、出力信号を記憶部18に保存する(S24)。処理部14の電力供給制御部32は、センサ部12への電力供給を停止する(S25)。対象物に関する状態を検知すべきタイミングでなければ(S20のN)、S21以降の処理をスキップする。センサ装置10は、本図のセンシング処理を繰り返し実行する。なお、S20の判断処理を行わずに、S21以降の処理を繰り返し実行してもよい。
【0057】
図6は、センサ装置10による情報出力処理の一例を示すフローチャートである。同図は、出力部16としての電子ペーパーの表示内容を更新する処理を示している。ここでの電子ペーパーは、表示内容の更新には電力供給が必要だが、表示内容の維持には電力供給が不要であるものとする。なお、電子ペーパーは、通常時、製品名や製造メーカ名等のデフォルト情報を表示してもよい。
【0058】
出力部16に一体化されたタッチパネルに対して表示切り替えを指示する所定の操作が入力された場合(S30のY)、処理部14の電力供給制御部32は、電子ペーパーに電力を供給する(S31)。処理部14は、記憶部18に記憶された出力情報を取得して出力部16に渡す(S32)。出力部16は、処理部14から渡された出力情報を表示するように電子ペーパーに電圧を印加することにより電子ペーパーの表示内容を更新する(S33)。タッチパネルに対して表示切り替えを指示する操作が未入力であれば(S30のN)、出力部16は、電子ペーパーの表示内容を変更せず維持させる(S34)。
【0059】
なお、電子ペーパーの表示内容の更新契機は、タッチパネルでの操作に制限されない。例えば、NFC等による環境発電部22から電力が供給されたことを契機に電子ペーパーの表示内容を更新してもよい。また、外部装置からの表示更新指示を通信を介して受け付けたことを契機に電子ペーパーの表示内容を更新してもよい。
【0060】
図7は、センサ装置10による情報出力処理の別例を示すフローチャートである。ここでは、出力部16が、NFC機能を有し、受信回路(発電機能を含む)と送信回路を含むものとする。出力部16の受信回路は、環境発電部22として機能する。具体的には、受信回路は、外部装置から送信されたデータ送信要求を受信すると(S40のY)、その通信により生じた起電力をもとに電力を処理部14へ提供する。処理部14の電力供給制御部32は、出力部16の送信回路に電力を供給する(S41)。処理部14は、記憶部18に記憶された出力情報を取得して出力部16の送信回路に渡す(S42)。送信回路は、出力情報を要求元の外部装置へ送信する(S43)。処理部14の電力供給制御部32は、出力部16の送信回路への電力供給を停止する(S44)。データ送信要求を未受信であれば(S40のN)、S41以降の処理をスキップする。なお、S40の判断処理を行わずに、S41以降の処理を実行してもよい。
【0061】
図8は、センサ装置10による情報出力処理の別例を示すフローチャートである。本図は
図6に対応するが、ここでのセンサ装置10は、検知信号または出力情報を記憶する記憶部18を備えない。出力部16に一体化されたタッチパネルに対して表示切り替えを指示する所定の操作が入力された場合(S50のY)、処理部14の電力供給制御部32は、センサ部12に電力を供給する(S51)。処理部14の情報生成部34は、タッチパネルに入力された操作内容に応じて、センサ部12からの検知信号を取得し、検知信号をもとに出力情報を生成する(S52)。出力部16は、処理部14により生成された出力情報を表示するように電子ペーパーに電圧を印加することにより電子ペーパーの表示内容を更新する(S53)。タッチパネルに対して表示切り替えを指示する操作が未入力であれば(S50のN)、出力部16は、電子ペーパーの表示内容を変更せず維持させる(S54)。
【0062】
図9は、センサ装置10の初期化処理の一例を示すフローチャートである。通信を介して初期化指示(言い換えれば記憶データの消去指示信号)が入力された場合、または、操作者による操作を介して初期化指示が入力された場合(S60のY)、処理部14の更新部36は、記憶部18に記憶されたデータを消去することにより記憶部18を初期化する(S61)。更新部36は、データ消去が完了すると、データ消去(すなわち初期化)が完了した旨の通知を出力部16に渡す。出力部16は、その通知を通信を介して要求元の外部装置へ送信し、または、電子ペーパー等の表示部に表示させる(S62)。初期化指示が未入力であれば(S60のN)、S61以降の処理をスキップする。
【0063】
様々な物品へのセンサ装置10の取付例を説明する。以下の各例におけるセンサ装置10においても、既述したように、センサ部12と出力部16と環境発電部22がシート状に一体に設けられる。また、センサ部12と出力部16と環境発電部22のうち少なくとも2つが重ねて配置される。
【0064】
図10(a)と
図10(b)は、減速機100に対するセンサ装置10の第1取付例を示す。
図10(a)に示すように、減速機100は、減速機構102と、減速機構102を収納するケーシング104と、センサ装置10を備える。
図10(b)に示すように、センサ装置10は、ケーシング104の表面に接着するよう取り付けられる。
【0065】
図10(c)は、
図10(a)と
図10(b)のセンサ装置10の機能ブロックの一例を示す。センサ装置10は、複数のセンサとして第1センサ12aと第2センサ12bを備える。第1センサ12aと第2センサ12bは、互いに異なる種類の物理量を検知するセンサである。第1センサ12aは、温度、湿度、音、超音波、歪み、気圧、照度、GPS信号、BLEビーコン、浸水度合い、風力のいずれかを検知するものであってもよい。また、第2センサ12bは、上記複数種類の物理量のうち第1センサ12aとは異なる種類の物理量を検知するものであってもよい。
【0066】
第1センサ12aと第2センサ12bは、減速機100本体側に配置され、言い換えれば、ケーシング104側に配置され、ケーシングに関する状態を検知する。例えば、第1センサ12aは、減速機100のケーシング104の振動を検知する振動センサであってもよい。また、第2センサ12bは、減速機100のケーシング104の温度を検知する温度センサであってもよい。蓄電部24は、キャパシタ(電気二重層コンデンサを含む)であってもよい。透明アンテナ60は、環境発電部22として、Wi-Fi電波をもとに発電するものであってもよい。
【0067】
処理部14は、第1センサ12aから出力された検知信号と、第2センサ12bから出力された検知信号とに基づいてケーシング104の状態を導出し、ケーシング104の状態からさらに減速機構102の状態を推定してもよい。例えば、処理部14は、振動センサから出力された検知信号と、温度センサから出力された検知信号とに基づいてケーシング104の振動と温度を導出し、ケーシング104の振動と温度からさらに減速機構102の振動と温度を推定してもよい。処理部14は、その推定結果を時系列に集計した出力情報を生成し、外面側(例えば銘板の表面側)に配置された出力部16に出力情報を表示させてもよい。
【0068】
図11(a)と
図11(b)は、減速機100に対するセンサ装置10の第2取付例を示す。ここでのセンサ装置10は、締結部62を備え、締結部62がケーシング104内部に挿入されることによりケーシング104の表面に固定される。締結部62は、ネジ、ピンまたはリベットであってもよく、例えば金属製のネジであってもよい。センサ装置10の筐体は、ケーシング104に密着するよう可撓性材料(例えば金属の薄板等)で構成されることが望ましい。
【0069】
図11(c)は、
図11(a)と
図11(b)のセンサ装置10の機能ブロックの一例を示す。センサ装置10は、複数のセンサとして超音波センサ66aと超音波センサ66bを備える。超音波センサ66aと超音波センサ66bは、締結部62に接続され、言い換えれば、締結部62に接触するように配置される。これにより、締結部62が減速機100本体内部の状態を精度よく検知するためのプローブとしても機能する。このように、同じ種類の物理量を検知する複数のセンサ(ここでは超音波センサ66aと超音波センサ66b)を離れた位置に設けることにより、三角測量を用いて異常が生じている箇所を推定することができる。
【0070】
なお、複数の超音波センサに代えて複数の音波センサを用いてもよい。また、超音波センサとともに、または超音波センサに代えて歪みゲージを用いてもよい。ケーシング104の曲面にセンサ装置10を配置することで、歪み量が増大され、減速機100本体内部の歪みを精度よく検知することができる。
【0071】
蓄電部24は、キャパシタ(電気二重層コンデンサを含む)であってもよい。光電池64(言い換えれば太陽電池)は、環境発電部22として、照明等の光をもとに発電するものであってもよい。処理部14は、超音波センサ66aから出力された検知信号と、超音波センサ66bから出力された検知信号をもとに、三角測量の原理を利用して、減速機100本体内部の異常発生箇所を示す出力情報を生成してもよい。
【0072】
図12は、
図10(a)と
図10(b)のセンサ装置10の機能ブロックの別例を示す。ここでは、
図10(c)のセンサ装置10と異なる点を説明する。本図のセンサ装置10は、出力部16として、電子ペーパー(すなわち表示部)ではなくアンテナ68(すなわち通信部)を備える。出力部16は、処理部14により生成された出力情報を含む信号を外部装置へ送信する。また、アンテナ68は、環境発電部22として、Wi-Fi電波やNFCにより発電し、各部へ電力を供給する機能も備える。センサ装置10の印字面は、外部から視認可能な面である。印字面には、銘板に記載される事項が印字され、例えば、製造者名称、減速機型番、製造年月日等が印字される。
【0073】
図13も、
図10(a)と
図10(b)のセンサ装置10の機能ブロックの別例を示す。同図のセンサ装置10は、複数種類のアンテナを備える点で
図12のセンサ装置10と異なる。Wi-Fiアンテナ72は、環境発電部22として、Wi-Fi電波をもとに発電する。一方、BLEアンテナ70は、出力部16として、外部装置との通信を行う。相対的に受信電力が大きいWi-Fiで発電し、省電力のBLEで送受信することで、発電および電力消費の効率を高めることができる。
【0074】
図14も、
図10(a)と
図10(b)のセンサ装置10の機能ブロックの別例を示す。
図12のセンサ装置10と同様に、アンテナ68は、通信部として機能するとともに、第1の発電部としても機能する。熱電変換素子78は、ゼーベック効果、ペルチエ効果またはトムソン効果を利用して、減速機100内部から伝導した熱エネルギを電気エネルギに変換する素子であり、第2の発電部として機能する。湿度センサ76は、センサ装置10の外面側(すなわち印字面側)に設けられ、減速機100周囲の湿度を検知する。
【0075】
歪みゲージ74は、減速機100本体(ケーシング104)の変形を動的に計測するものである。そのため、センサ装置10の筐体うち少なくとも歪みゲージが配置される部分は、伸縮性のある材料(伸縮可能な材料とも言え、例えば樹脂フィルム等)で構成されることが望ましい。また、
図14のセンサ装置10は、
図10(b)に示したように、減速機100のケーシング104に接着により固定される。
【0076】
なお、歪みゲージ74は、センサ装置10の外面(印字面)に対する操作者のタッチ等により生じた応力を検知するタッチセンサとしても機能する。処理部14は、歪みゲージ74において所定の大きさと方向の応力が検知された場合、検知情報の出力指示が入力されたと判定してもよい。処理部14は、湿度センサ76により検知された湿度と、歪みゲージ74により検知された歪みとに基づく出力情報を生成し、アンテナ68を介して出力情報を外部装置へ送信してもよい。
【0077】
図15も、
図10(a)と
図10(b)のセンサ装置10の機能ブロックの別例を示す。光電池64は、第1の発電部として、照明等の光エネルギを電気エネルギに変換する。アンテナ79は、第2の発電部として、減速機100本体側から伝搬される電磁ノイズを受信して発電する。アンテナ79に代えて熱電変換素子78を用いて温度差発電してもよい。なお、アンテナ79を設ける副次的な効果として、アンテナ79が電磁ノイズを吸収するため、センサ装置10を電磁シールドとして用いることができる。
【0078】
図14および
図15で示すように、異なる方式の複数の発電部を設けることにより、一方の発電量が不足しても全体として必要な電力を充足しやすくなる。また、
図15のセンサ装置10では蓄電部24(キャパシタ等)を設けないため、センサ装置10の小型化を図ることができる。
【0079】
図16は、
図11(a)と
図11(b)のセンサ装置10の機能ブロックの別例を示す。浸水計82は、浸水度合い(浸水有無)を検知するセンサである。浸水計82を設けることで、減速機100本体が浸水したか否かを確認可能になる。例えば、1台のロボットに複数の減速機100が鉛直方向に取り付けられる場合、複数の減速機100に取り付けられた複数のセンサ装置10からの出力情報を集約することで、当該ロボットにおいてどの高さまで浸水したかを把握することができる。
【0080】
照度計80は、減速機100の外面(外部側)に設けられ、減速機100周囲の照度を検知する。照度計80の検知結果に基づく減速機100周囲の照度を出力情報に含めることにより、携帯電灯を持つ作業員(点検作業員等)が近くに来たかどうかを把握可能になる。また、減速機100の近くの照明が切れているかどうかを把握可能になる。
【0081】
図17(a)と
図17(b)は、クローラ用走行ユニット110に対するセンサ装置10の取付例を示す。
図17(a)に示すように、クローラ用走行ユニット110は、クローラの動作を制御する走行制御部112と、走行制御部112を収納するケーシング114と、センサ装置10を備える。ケーシング114は、油圧供給部116を含む。
図17(b)に示すように、センサ装置10は、締結部62を備える。センサ装置10は、締結部62がケーシング114(ここでは油圧供給部116)内部に挿入されることによりケーシング114(ここでは油圧供給部116)の表面に固定される。
【0082】
図17(c)は、
図17(a)と
図17(b)のセンサ装置10の機能ブロックの一例を示す。熱電変換素子78は、環境発電部22として、作動油の温度を利用して発電する。蓄電部24は、例えばキャパシタである。アンテナ86は、出力部16として機能する。アンテナ86は、クローラ用走行ユニット110の筐体(金属体)をアンテナとして利用して外部装置と無線通信する。変形例として、センサ装置10は、公知の人体通信技術、ハンドシェイク通信技術または電界通信技術を使用して外部装置と通信してもよい。
【0083】
処理部14は、振動センサ84から出力された検知信号をもとにケーシング114(ここでは油圧供給部116)の振動量を導出し、その振動量からさらに走行制御部112またはクローラの振動量を推定してもよい。処理部14は、その推定結果をアンテナ86から外部装置へ送信させてもよい。
【0084】
図18(a)と
図18(b)は、油圧バルブ120に対するセンサ装置10の取付例を示す。
図18(a)に示すように、油圧バルブ120は、作動油(鉱物油等)の流れを制御するバルブ部122と、バルブ部122を収納するケーシング124と、センサ装置10を備える。
図18(b)に示すように、センサ装置10は、締結部62を備える。センサ装置10は、締結部62がケーシング124内部に挿入されることによりケーシング124の表面に固定される。
【0085】
図18(c)は、
図18(a)と
図18(b)のセンサ装置10の機能ブロックの一例を示す。熱電変換素子78は、環境発電部22として、作動油の温度を利用して発電する。蓄電部24は、例えばキャパシタである。この例でのセンサ装置10は、出力部16としてタッチパネル付き電子ペーパーを備えるが、
図17(c)のセンサ装置10と同様に、油圧バルブ120の筐体(金属体)をアンテナとして利用してもよい。
【0086】
処理部14は、振動センサ84から出力された検知信号をもとにケーシング124の振動量を導出し、その振動量からさらにバルブ部122の振動量を推定してもよい。処理部14は、その推定結果を出力部16の電子ペーパーに表示させてもよい。なお、センサ装置10は、油圧バルブ120に限らず、様々な種類の流体バルブ(空気圧バルブ、水圧バルブ等)に取り付けられてよいことはもちろんである。
【0087】
図19(a)と
図19(b)は、空圧シリンダ130に対するセンサ装置10の取付例を示す。
図19(a)に示すように、空圧シリンダ130は、空気を収納するシリンダ部132と、シリンダ部132を収納するケーシング134と、センサ装置10を備える。
図19(b)に示すように、センサ装置10は、締結部62を備える。センサ装置10は、締結部62がケーシング134内部に挿入されることによりケーシング134の表面に固定される。
【0088】
図19(c)は、
図19(a)と
図19(b)のセンサ装置10の機能ブロックの一例を示す。音力/振動発電部88は、環境発電部22として、シリンダ部132における圧縮空気の排気音または振動のエネルギを電気エネルギに変換する。蓄電部24は、ここではリチウムイオン電池、固体リチウムイオン電池または空気電池等の二次電池である。この例でのセンサ装置10は、出力部16としてタッチパネル付き電子ペーパーを備えるが、
図17(c)のセンサ装置10と同様に、空圧シリンダ130の筐体(金属体)をアンテナとして利用してもよい。
【0089】
処理部14は、振動センサ84から出力された検知信号をもとにケーシング134の振動量を導出し、その振動量からさらにシリンダ部132の振動量を推定してもよい。処理部14は、その推定結果を出力部16の電子ペーパーに表示させてもよい。なお、センサ装置10は、空圧シリンダ130に限らず、様々な種類の流体シリンダ(油圧シリンダ、水圧シリンダ、機械式シリンダ等)に取り付けられてよいことはもちろんである。
【0090】
次に、複数個のセンサ装置10を備えるセンサシステムの例を説明する。
図20は、複数個のセンサ装置10の連携(言い換えれば協働)の例を示す。
図20の例では、1つの減速機に1つのセンサ装置10が取り付けられる。具体的には、第1減速機100aに第1センサ装置10aが取り付けられ、第2減速機100bに第2センサ装置10bが取り付けられ、第3減速機100cに第3センサ装置10cが取り付けられている。第1センサ装置10a、第2センサ装置10b、第3センサ装置10cの出力部16は、Wi-Fi等を利用する通信部を含む。第1センサ装置10a、第2センサ装置10b、第3センサ装置10cは、互いに通信可能に構成される。
【0091】
例えば、第1センサ装置10aの通信部は、端末装置54から情報提供要求を受け付けた場合、第2センサ装置10bと第3センサ装置10cへ情報提供要求を送信してもよい。第2センサ装置10bの通信部は、処理部14により生成された出力情報(例えば第2減速機100bの温度情報)を第1センサ装置10aへ送信してもよい。第3センサ装置10cの通信部は、処理部14により生成された出力情報(例えば第3減速機100cの温度情報)を第1センサ装置10aへ送信してもよい。第1センサ装置10aの通信部は、自装置で生成された出力情報(例えば第1減速機100aの温度情報)と、第2センサ装置10bから送信された出力情報と、第3センサ装置10cから送信された出力情報を一括して端末装置54へ送信してもよい。この態様によると、端末装置54は、1つのセンサ装置10に対して要求すれば、複数個のセンサ装置10が生成した、複数個の減速機100に関する状態を示す複数の出力情報を取得できる。
【0092】
図21も、複数個のセンサ装置10の連携の例を示す。
図21の例では、1つの減速機100に複数個のセンサ装置10(この例では第1センサ装置10aと第2センサ装置10b)が取り付けられる。第1センサ装置10aと第2センサ装置10bの出力部16は、Wi-Fi等を利用する通信部を含む。第1センサ装置10aと第2センサ装置10bは、互いに通信可能に構成される。
【0093】
例えば、第1センサ装置10aの通信部は、端末装置54から情報提供要求を受け付けた場合、第2センサ装置10bへ情報提供要求を送信してもよい。第2センサ装置10bの通信部は、処理部14により生成された出力情報(例えば減速機100の第2部分の温度情報や振動情報)を第1センサ装置10aへ送信してもよい。第1センサ装置10aの通信部は、自装置で生成された出力情報(例えば減速機100の第1部分の温度情報や振動情報)と、第2センサ装置10bから送信された出力情報を一括して端末装置54へ送信してもよい。この態様によると、端末装置54は、1つのセンサ装置10に対して要求すれば、複数個のセンサ装置10が生成した、1つの減速機100の複数箇所に関する状態を示す複数の出力情報を取得できる。例えば、端末装置54は、1つの減速機100の複数箇所で検知された振動量に応じて、三角測量の原理を用いて、減速機100における異常箇所を特定することができる。
【0094】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。これら実施例は例示であり、実施例に記載の各構成要素や各処理プロセスの組合せには既述の変形例以外にもいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0095】
変形例を説明する。センサ装置10は、上記実施例では言及しない様々な物品に取り付け可能である。例えば、センサ装置10は、流体ポンプ(油圧ポンプ、水圧ポンプ、空気ポンプ等)の銘板として取り付けられてもよい。この流体ポンプは、流体の流れを制御するポンプ部と、ポンプ部を収納するケーシングと、センサ装置10を備えてもよい。センサ装置10は、ケーシングに取り付けられてもよい。センサ装置10は、ケーシングに関する状態を検知することにより、ポンプ部に関する状態(例えば温度や振動等)を推定し、推定結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0096】
また例えば、センサ装置10は、流体コンプレッサ(エアーコンプレッサ、ガスコンプレッサ等)の銘板として取り付けられてもよい。この流体コンプレッサは、流体に圧力を与える圧縮部と、圧縮部を収納するケーシングと、センサ装置10を備えてもよい。センサ装置10は、ケーシングに取り付けられてもよい。センサ装置10は、ケーシングに関する状態を検知することにより、圧縮部に関する状態(例えば温度や振動等)を推定し、推定結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0097】
また例えば、センサ装置10は、電動モータの銘板として取り付けられてもよい。電動モータは、電気エネルギを力学的エネルギに変換するモータ部と、モータ部を収納するケーシングと、センサ装置10を備えてもよい。センサ装置10は、ケーシングに取り付けられてもよい。センサ装置10は、ケーシングに関する状態を検知することにより、モータ部に関する状態(例えば温度や振動等)を推定し、推定結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0098】
また例えば、センサ装置10は、電動アクチュエータの銘板として取り付けられてもよい。この電動アクチュエータは、電気エネルギを力学的エネルギに変換する駆動部と、駆動部を収納するケーシングと、センサ装置10を備えてもよい。センサ装置10は、ケーシングに取り付けられてもよい。センサ装置10は、ケーシングに関する状態を検知することにより、駆動部に関する状態(例えば温度や振動等)を推定し、推定結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0099】
また例えば、センサ装置10は、家具の銘板として取り付けられてもよく、言い換えれば、センサ装置10が取り付けられた家具が実現されてもよい。センサ装置10は、家具の筐体(外側の面)に取り付けられてもよい。センサ装置10は、家具(家具の筐体)に関する状態を検知し、検知結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0100】
また例えば、センサ装置10は、物品の配送に用いられるトレイの銘板として取り付けられてもよく、言い換えれば、センサ装置10が取り付けられたトレイが実現されてもよい。センサ装置10は、トレイに関する状態を検知することにより、そのトレイで配送中の物品に関する状態を推定し、推定結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0101】
また例えば、センサ装置10は、物品の包装材に取り付けられてもよく、言い換えれば、センサ装置10が取り付けられた包装材が実現されてもよい。センサ装置10は、包装材の外側の面に取り付けられてもよい。センサ装置10は、包装材に関する状態を検知することにより、その包装材により包装された物品に関する状態を推定し、推定結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0102】
また例えば、センサ装置10は、食器の銘板として取り付けられてもよく、言い換えれば、センサ装置10が取り付けられた食器が実現されてもよい。センサ装置10は、食器に関する状態を検知し、検知結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0103】
また例えば、センサ装置10は、家電機器の銘板として取り付けられてもよく、言い換えれば、センサ装置10が取り付けられた家電機器が実現されてもよい。センサ装置10は、家電機器の筐体(外側の面)に取り付けられてもよい。センサ装置10は、家電機器の筐体に関する状態を検知することにより、機器部分に関する状態(例えば温度や振動等)を推定し、検知結果を示す出力情報を外部へ出力してもよい。
【0104】
センサ装置10は、所定の物理的構造を有する様々な構造物に銘板として取り付けられてもよい。この場合、センサ装置10のセンサ部12は、構造物の物理的構造に関する様々な状態を測定する。構造物は、既述した家具、トレイ、包装材、食器または家電機器であってもよく、また、建材、自動車部品、鉄道車両部品、航空機用部品船舶用部品、産業用ロボット用部品または建設機械用部品であってもよい。
【0105】
別の変形例を説明する。本変形例のセンサ装置10は、遠隔地に設置された無線基地局との長距離無線通信が可能な出力部16(通信部)を備えてもよい。
図22は、
図3に対応するものであり、変形例のセンサ装置10を含むセンサシステム50の構成を示す。変形例のセンサシステム50では、センサ装置10は、遠隔地に設置された無線基地局を介して、クラウド上の機器と直接データを送受信する。例えば、センサ装置10は、自装置で生成した出力情報をクラウド上のデータベースサーバ56へ直接送信し、その出力情報をデータベースサーバ56に保存してもよい。
【0106】
さらに別の変形例を説明する。センサ装置10と、センサ装置10が取り付けられる部品等(以下「母機装置」とも呼ぶ。)の少なくとも一方には、セキュリティ強化のための要素(ハードウェアおよびソフトウェア)が実装されることが望ましい。セキュリティ実装は、例えば、パスワード認証や、公開鍵暗号方式による通信を含んでもよい。
【0107】
セキュリティ実装の例を説明する。(1)母機装置とセンサ装置10(銘板)間の通信(無線または有線)は、セキュリティ強度が低くなる可能性がある。そこで、母体装置におけるセンサ装置10の取付面(銘板取付面)に穴を空け、その穴にセンサ装置10を配置してもよい。これにより、母機装置とセンサ装置10間の通信を外部機器が盗聴することが困難になる。このように、ハードウェアの工夫によって母体装置とセンサ装置10間での通信の漏洩可能性を低減することで、母体装置とセンサ装置10間の通信は低セキュリティでの運用が可能になる。
【0108】
(2)センサ装置10と外部基地局(クラウド)間の通信(無線)には、高いセキュリティが求められる。4Gや5G等の無線通信システムはいわゆる閉域網であるため問題は生じない。一方、Wi-Fi等の場合は、少なくともパスワード認証が実装され、より好適には公開鍵暗号方式による通信が実装されることが望ましい。
【0109】
さらに別の変形例を説明する。母機装置とセンサ装置10は有線接続されてよく、母機装置は、センサ装置10へ電力を供給し、センサ装置10は、母機装置から供給される電力(電圧)をもとに母機装置における電源の正常性を監視してもよい。センサ装置10は、母機装置から所定の電力(電圧)が供給されない場合、そのことを検出して、母機装置の電源異常を示す出力情報を記憶し、またはその出力情報を外部へ出力してもよい。なお、母機装置は、センサ装置10が動作するための電力を供給してもよい。センサ装置10は、母機装置から電力が供給されない場合、環境発電部22または蓄電部24から提供される電力により動作してもよい。
【0110】
<第2実施例>
上記特許文献1(特開2000-220508号公報)に記載の技術は、製品の特性値を当該製品の製造時に検査装置を用いて取得するものであり、当該製品の輸送時の状況を取得することはできない。そのため、輸送状態によって製品の特性が製造時から変化すると、製品を適切に制御することが困難になる可能性がある。
【0111】
そこで第2実施例では、第1実施例と同様に、製品(機械コンポーネント、部品等)の表面に取り付けられる銘板をセンサ装置として活用する。実施例におけるセンサ装置(銘板)は、製品の輸送中または保管中における当該製品に関する状態、言い換えれば、製品の製造後、実使用前における当該製品に関する状態をセンサ装置自身が発電した電力を使用して検知する。そして検知結果に基づく情報を外部へ出力する。
【0112】
より具体的には、第2実施例におけるセンサ装置は、第1実施例におけるセンサ装置と同様に、(1)取り付けられた機械コンポーネントの状態や当該機械コンポーネントの周辺環境の状態を測定するセンサ部と、(2)センサ部の測定結果に基づく情報を出力する出力部と、(3)センサ部や出力部を動作させるための電力をWi-Fi(登録商標)電波等により自家発電する環境発電部を備える。これにより、機械コンポーネント内部にセンサの配置場所を確保することや、センサへの電力供給のための新たな配線が不要になる。すなわち、機械コンポーネントに関する状態を把握可能にする一方で、当該機械コンポーネントの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0113】
また第2実施例では、第1実施例で提案したセンサ装置の活用例として、センサ装置と外部装置とが連携することにより、センサ装置が取り付けられた製品の特性値や制御パラメータを管理する情報処理システムを提案する。以下、第1実施例において説明した要素(機能ブロック等)と同一または対応する要素には同一の符号を付す。第1実施例において説明済みの内容は再度の説明を適宜省略する。
【0114】
図23は、第2実施例のセンサ装置10の機能ブロックを示すブロック図である。同図は、第2実施例のセンサ装置10が備える機能ブロックの一例を示している。センサ装置10は、センサ部12、処理部14、記憶部18、環境発電部22、蓄電部24、通信部200、表示部202を備える。なお、
図23に示すセンサ装置10の構成は一例であり、第1実施例で説明したセンサ装置10の様々な構成を適用することができる。
【0115】
第2実施例のセンサ装置10も、銘板として、所定の物理構造を有する物品(以下「対象物」とも呼ぶ。)の表面に取り付けられる。第1実施例と同様に、第2実施例のセンサ装置10においても、
図23に示す各機能ブロックに対応する部材はシート状に一体に設けられる。これにより、センサ装置10のサイズを小さくでき、銘板として対象物に取り付けることが容易になる。また、第1実施例と同様に、第2実施例のセンサ装置10においても、
図23に示す各機能ブロックに対応する部材のうち少なくとも2つが重ねて配置される。例えば、第2実施例のセンサ装置10では、センサ部12と、通信部200と、記憶部18と、蓄電部24と、環境発電部22のうち少なくとも2つが重ねて配置される。これによりセンサ装置10のサイズを小さくでき、銘板として対象物に取り付けやすくなる。変形例として、センサ装置10は、センサ部12と、通信部200と、記憶部18と、蓄電部24と、環境発電部22、処理部14、表示部202のうち少なくとも2つが重ねて配置される構成であってもよい。
【0116】
センサ部12は、センサ装置10が取り付けられる対象物に関する状態を測定する。処理部14は、センサ部12の測定結果をもとに、通信部200から出力される情報(「出力情報」とも呼ぶ。)を生成し、または、表示部202に表示される出力情報を生成する。処理部14は、センサ部12の測定結果に基づく出力情報を、通信部200または表示部202を介して外部へ出力させてもよい。また、処理部14は、センサ部12の複数時点での測定結果に基づく時系列の出力情報を記憶部18に記憶させてもよい。
【0117】
処理部14は、環境発電部22から供給された電力または蓄電部24から供給された電力により作動する。また、処理部14は、第1実施例と同様に、各部への電力供給を制御する電力供給制御部32を含む。記憶部18は、センサ部12の測定結果および通信部200(または表示部202)から出力される情報を記憶する。
【0118】
環境発電部22は、温度、湿度、Wi-Fi等の電波、周囲からの電磁ノイズ、振動、音、光、風等の外部環境のエネルギをもとに発電し、各部(例えばセンサ部12、記憶部18、通信部200の少なくとも1つ)に電力を供給する。第2実施例では環境発電部22は、発電した電気により蓄電部24を充電する。
【0119】
蓄電部24は、環境発電部22により発電された電気を蓄積し、各部(例えばセンサ部12、記憶部18、通信部200の少なくとも1つ)を動作させるための電力として当該電力(蓄積された電力)を供給する。蓄電部24は、キャパシタ(電気二重層コンデンサを含む)、各種一次電池または各種二次電池であってもよい。
【0120】
通信部200と表示部202は、第1実施例の出力部16に対応する。通信部200は、外部機器と公知の有線通信または公知の無線通信を行う。有線通信の場合、各種シリアル通信を用いてもよい。無線通信の場合、BLE、Wi-Fi、微弱無線、特定省電力無線または第5世代移動通信システム(5G)を用いてもよい。通信部200は、センサ部12の測定結果に基づく出力情報(例えば記憶部18に記憶された出力情報)を外部機器からの求めに応じて出力する。なお、外部機器からの求めによらず、センサ装置10に対する特定の操作やセンサ装置10が測定可能な物理量(例えば振動量)に基づいて自発的に出力してもよい。
【0121】
表示部202は、第2実施例では電子ペーパーとタッチパネルを含む。変形例として、表示部202は、液晶ディスプレイ等、他の表示手段を用いてもよい。表示部202は、通常時、銘板が示すべき対象物に関する情報(製品名、製造メーカ、シリアル番号等)を表示し、タッチパネルに対して所定の操作が入力された場合、センサ部12の測定結果や記憶部18に記憶された出力情報を表示する。
【0122】
なお、
図23の処理部14と表示部202は、第2実施例のセンサ装置10において必須ではない。例えば、センサ部12の測定結果を加工せずに通信部200から出力させる場合、処理部14は無くてもよい。また、センサ部12の測定結果に基づく情報をセンサ装置10の表面(検査員等から視認可能な面)に表示することが不要であれば、表示部202は無くてもよい。
【0123】
第2実施例のセンサ装置10の典型例として、センサ装置10は、
図23で示した機能ブロックのうち、センサ部12、通信部200、処理部14(電力供給制御部32を含む)、記憶部18、環境発電部22、蓄電部24を備えてもよい。記憶部18は、センサ部12の複数の測定結果および通信部200から出力される複数の情報を記憶可能な容量を備える。記憶部18は、上記複数の測定結果または上記複数の情報を時間とともに変化する値と関連付けて記憶する。
【0124】
センサ部12は、異なる種類の物理量を測定する複数のセンサである第1センサ群と、離れて配置された複数のセンサであって、同じ種類の物理量を測定する複数のセンサである第2センサ群とを有する。第1センサ群は、例えば、
図14に関連して説明したように歪みゲージ74と湿度センサ76を含んでもよい。第2センサ群は、例えば、
図11(c)に関連して説明したように超音波センサ66aと超音波センサ66bを含んでもよい。処理部14は、第2センサ群の測定結果をもとに対象物の内部の物理現象を演算し、演算結果を記憶部18に記憶させる。例えば、処理部14は、第2センサ群に含まれる各センサの検知結果をもとに、三角測量を用いて異常が生じている対象物内部の位置を推定してもよい。
【0125】
図24は、
図23のセンサ装置10を含む管理システム210の構成を示す。管理システム210は、部品212、受入検査装置214、部品管理サーバ216を備える。管理システム210は、部品212の特性値を管理または調整する情報処理システムである。これらの装置は、公知の方法で通信し、相互にデータを交換する。
【0126】
センサ装置10は、部品212の銘板として取り付けられ、その表面(外部から視認可能な面)には銘板に記されるべき各種情報が表示される。第1実施例で説明したように、センサ装置10は、様々な物品、製品、機械コンポーネントに取り付けられ得る。例えば、部品212は、第1実施例で例示した減速機、クローラ用走行ユニット、流体バルブ、流体シリンダ、流体ポンプ、流体コンプレッサ、電動モータまたは電動アクチュエータであってもよい。例えば、部品212が減速機の場合(言い換えれば、センサ装置10が減速機に取り付けられる場合)、減速機の管理システム210が実現される。また、これらの部品212に対するセンサ装置10の取付態様や、センサ装置10の機能ブロックも第1実施例と同様であってもよい。
【0127】
センサ装置10の通信部200は、センサ部12の測定結果に基づく出力情報を受入検査装置214へ送信する。また、通信部200は、受入検査装置214から送信される情報(第2実施例では補正情報)を受信する。
【0128】
センサ装置10の記憶部18は、センサ部12の測定結果および通信部200が受入検査装置214から受信した情報(第2実施例では補正情報)を記憶する。また、センサ装置10の記憶部18には、部品IDと、部品212の特性値とが部品212の製造時または出荷時に格納される。部品IDは、センサ装置10が取り付けられる部品212のIDである。部品212の特性値は、部品212を動作させる際に参照されるデータであり、例えば出荷試験時の部品212の状態や性質に適合する制御パラメータであってもよい。
【0129】
受入検査装置214は、部品212が組み込まれる装置(「母機」とも呼ぶ。)を製造する母機メーカの情報処理装置である。受入検査装置214は、部品212の品質が予め定められた基準を満たすか否かを検査する。受入検査装置214は、部品情報取得部220と、補正情報取得部222と、更新部224とを備える。部品情報取得部220は、部品212に取り付けられたセンサ装置10から送信された部品212に関する情報(「部品情報」と呼ぶ。)を取得する。部品情報は、部品IDと、センサ装置10の記憶部18に予め記憶された特性値と、センサ装置10のセンサ部12の検知結果に基づく検知情報(上記の出力情報に対応する)とを含む。
【0130】
補正情報取得部222は、部品情報取得部220により取得された部品情報を部品管理サーバ216へ送信する。補正情報取得部222は、部品管理サーバ216から送信された部品212の特性値に対する補正情報(典型的には特性値に対する補正値を含む)を取得する。更新部224は、補正情報取得部222により取得された補正情報をセンサ装置10へ送信することにより、補正情報に含まれる補正値をセンサ装置10の記憶部18に記憶させる。
【0131】
部品管理サーバ216は、部品212を製造した部品メーカの情報処理装置である。部品管理サーバ216は、部品212に関する情報(当該部品や環境の状態、初期の特性値、補正値等)を管理する。部品管理サーバ216は、補正情報導出部230と補正情報提供部232とを備える。補正情報導出部230は、受入検査装置214から送信された部品情報をもとに部品212の特性に関する補正情報(典型的には特性値に対する補正値を含む)を導出する。補正情報提供部232は、補正情報導出部230により導出された補正情報を受入検査装置214へ送信する。
【0132】
例えば、補正情報導出部230は、部品情報をもとに部品212の既存の特性値を特定するとともに、部品情報をもとに部品212に関する状態(温度や振動等)を特定してもよい。さらに、補正情報導出部230は、部品情報が示す部品IDをもとに部品212に対して予め定められた補正値導出用のアルゴリズムやパラメータ等を特定してもよい。補正情報導出部230は、特定したアルゴリズムやパラメータ等にしたがって、部品212に関する状態が部品212の特性値に及ぼす影響を相殺するよう補正値を導出してもよい。また、補正情報導出部230は、補正値として、部品212の新たな特性値を導出してもよい。
【0133】
なお、補正情報導出部230は、部品情報が示す部品212に関する状態が予め定められた補正可能範囲を逸脱するか否かを判定し、部品212に関する状態が補正可能範囲を逸脱する場合(または異常範囲に該当する場合)、補正値での対応ができないと判定する。上記正常範囲は、部品212の内部または外部の温度の正常範囲を定めたものでもよく、部品212に生じた振動量の正常範囲を定めたものでもよい。補正情報導出部230は、補正値での対応ができないと判定した場合、補正不能の旨を示す補正情報を生成する。
【0134】
図24を参照して、管理システム210の動作を説明する。
(1)受入検査装置214の部品情報取得部220は、部品情報の送信要求をセンサ装置10へ送信する。
(2)センサ装置10の通信部200は、記憶部18に記憶されたデータをもとに処理部14が生成した部品情報を受入検査装置214へ送信する。
(3)受入検査装置214の補正情報取得部222は、補正情報の送信要求を部品管理サーバ216へ送信する。この送信要求は、部品212から取得された部品情報を含む。
【0135】
(4)部品管理サーバ216の補正情報導出部230は、受入検査装置214から送信された部品情報に基づいて補正情報を生成する。補正情報提供部232は、補正情報を受入検査装置214へ送信する。
(5)受入検査装置214の更新部224は、部品管理サーバ216から送信された補正情報をセンサ装置10へ送信する。
(6)センサ装置10の通信部200は、受入検査装置214から送信された補正情報を取得し、処理部14(更新部36)は、補正情報が示す補正値を記憶部18に格納する。
【0136】
このように、管理システム210によると、輸送中や保管中における部品212に関する状態(振動や温度等)に応じた補正値を部品212に格納する。これにより、部品212に事前に記憶された特性値(制御パラメータ等)を、外部環境の影響を加味した値に補正することができ、部品212が適切に動作するよう支援できる。また、
図24に示した管理システム210の構成によると、部品メーカにとって重要な補正値の導出方法が母機メーカに漏れることはなく、また、部品212に補正値を設定するための母機メーカの負担を最低限にできる。
【0137】
図25は、部品212の流通の過程を示す。部品メーカにおける部品212の出荷試験実施後、部品212に取り付けられたセンサ装置10の通信部200は、環境発電部22で発電された電気を使用して部品メーカの機器と通信する。センサ装置10の処理部14は、部品メーカの機器から送信された部品212の特性値を、通信部200を介して取得し、記憶部18に記憶させる。また、出荷試験中またはその前後の期間に、センサ装置10の蓄電部24は、環境発電部22で発電された電気を蓄積する。
【0138】
部品212の輸送中および保管中、センサ装置10の処理部14(電力供給制御部32)は、主に蓄電部24に蓄えられた電力を定期的にセンサ部12および記憶部18に供給する。処理部14は、センサ部12の検知結果に基づく検知情報(言い換えれば出力情報)を記憶部18に記憶させる。部品212の輸送中および保管中のセンシング処理のフローは、第1実施例で説明した
図4のフローと同様である。
【0139】
部品212が母機メーカに到着して受入検査が実施される際、センサ装置10の環境発電部22は、母機メーカにおける照明光やWi-Fi電波等をもとに発電し、センサ装置10の通信部200は、環境発電部22から供給される電力をもとに受入検査装置214と通信する。
図24に関連して説明したように、センサ装置10の処理部14は、部品管理サーバ216から提供された補正情報を取得し、その補正情報が示す補正値をもとに記憶部18に記憶された部品212の特性値を補正する。なお、補正情報が補正不能の旨を示す場合、センサ装置10の処理部14は、部品212が異常または故障中である旨を表示部202に表示させる。
【0140】
図26は、部品212の受入検査時におけるセンサ装置10の処理の一例を示すフローチャートである。センサ装置10の通信部200が、受入検査装置214から送信された受入検査信号を受信すると(S100のY)、センサ装置10の処理部14は、受入検査信号が示すデータ送信要求を取得する(S101)。センサ装置10の処理部14は、データ送信要求の内容に応じて、記憶部18に記憶された検知情報(出力情報)を取得し、検知情報を含む部品情報を生成する(S102)。センサ装置10の通信部200は、処理部14により生成された部品情報を受入検査装置214へ送信する(S103)。受入検査信号を未受信であれば(S100のN)、S101以降の処理をスキップする。センサ装置10は、本図に示す処理を繰り返し実行する。
【0141】
図27は、部品212の受入検査時におけるセンサ装置10の処理の一例を示すフローチャートである。同図は、
図26の処理に続く処理を示している。センサ装置10の通信部200が、受入検査装置214から送信された補正情報を受信すると(S110のY)、センサ装置10の処理部14は、補正情報が補正値(または新たな特性値)を含むものか、または補正不能の旨を示すものかを判定する。補正情報が補正値を含むものであるとき(S111のY)、センサ装置10の処理部14(更新部36)は、補正情報が示す補正値をもとに記憶部18に予め記憶された特性値を更新する(S112)。補正情報が補正不能の旨を示すものであるとき(S111のN)、センサ装置10の処理部14は、表示部202に故障の旨を表示させる(S113)。
【0142】
センサ装置10の処理部14は、通信部200を介して、補正情報に基づく更新処理の完了を示す情報を受入検査装置214へ送信する(S114)。補正情報を未受信であれば(S110のN)、S111以降の処理をスキップする。センサ装置10は、本図に示す処理を繰り返し実行する。
【0143】
変形例を説明する。センサ装置10の処理部14は、検知情報が示す部品212に関する状態が予め定められた正常範囲を逸脱するか否かを自律的に判定し、部品212に関する状態が正常範囲を逸脱する場合、部品212が異常と判定してもよい。センサ装置10の処理部14は、部品212が異常と判定した場合、表示部202に異常または故障の旨を表示させてもよい。上記正常範囲は、センサ部12(温度センサ)により検知された部品212の内部または外部の温度の正常範囲を定めたものでもよく、センサ部12(振動センサ)により検知された部品212に生じた振動量の正常範囲を定めたものでもよい。
【0144】
または、センサ装置10の処理部14は、検知情報が示す部品212に関する状態が所定の異常条件を満たす場合、自律的に異常と判定し、表示部202に異常または故障の旨を表示させてもよい。例えば、異常条件は、センサ部12(温度センサ)により検知された部品212の内部または外部の温度が所定値以上であることでもよく、センサ部12(振動センサ)により検知された部品212に生じた振動量が所定値以上であることでもよい。
【0145】
図28は、部品212の受入検査時におけるセンサ装置10の処理の変形例を示すフローチャートである。同図のS120、S121、S122の処理は、
図26のS100、S101、S102の処理と同じであるため説明を省略する。検知情報が示す部品212に関する状態が正常範囲内であれば(S123のY)、センサ装置10の処理部14は、検知情報を含む部品情報を受入検査装置214へ送信する(S124)。検知情報が示す部品212に関する状態が正常範囲を逸脱していれば(S123のN)、センサ装置10の処理部14は、表示部202に故障の旨を表示させる(S125)。不図示だが、処理部14は、S125の処理とともに、部品212が異常または故障である旨の部品情報を受入検査装置214へ送信してもよい。
【0146】
以上、本発明を第2実施例をもとに説明した。第2実施例は例示であり、第2実施例に記載の各構成要素や各処理プロセスの組合せには既述の変形例以外にもいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0147】
変形例を説明する。本変形例のセンサ装置10は、遠隔地に設置された無線基地局と長距離通信が可能な通信部200を備えてもよい。
図29は、
図24に対応するものであり、変形例のセンサ装置10を含む管理システム210の構成を示す。変形例の管理システム210では、センサ装置10は、遠隔地に設置された無線基地局を介して、クラウド上の機器と直接データを送受信する。例えば、センサ装置10は、自装置で生成した出力情報をクラウド上の部品管理サーバ216へ送信し、部品管理サーバ216から送信された補正情報を受信してもよい。
【0148】
本変形例の部品管理サーバ216は、第2実施例の受入検査装置214の機能を含み、例えば、部品情報取得部220、補正情報導出部230、更新部224を備えてもよい。また、部品管理サーバ216は、複数の部品212に取り付けられた複数のセンサ装置10からアップロードされた出力情報を蓄積する記憶部(不図示)を備えてもよい。部品管理サーバ216は、複数のセンサ装置10からアップロードされた出力情報を表示する画面(ユーザインタフェース)を、部品メーカの工場等に設けられたUI端末218(PCやタブレット端末等)に提供してもよい。これにより、部品管理を効果的に支援することができる。
【0149】
なお、第1実施例の変形例として既述したセキュリティ実装の構成、および、母機装置の電源を監視する構成は、第2実施例の変形例としても有用である。
【0150】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0151】
なお、実施例および変形例に記載の技術は、以下の態様によって特定されてもよい。
[項目1]
所定の物理構造を有する対象物に接触して当該対象物に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備え、
前記センサ部と前記出力部と前記発電部がシート状に一体に設けられており、前記センサ部と前記出力部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることを特徴とするセンサ装置。
この態様によると、機械コンポーネント等の対象物に、センサへの電力供給のための配線を新たに設けることが不要になる。これにより、対象物に関する状態を把握可能にする一方で、当該対象物の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。また、センサ部と出力部と発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることにより、センサ装置のサイズが小さくなり、対象物への取付が容易になる。
【0152】
[項目2]
前記センサ部の測定結果をもとに前記出力部から出力される情報を生成する処理部をさらに備えること
を特徴とする項目1に記載のセンサ装置。
この態様によると、センサ部の測定結果を加工して一層有益な情報を外部へ出力することができる。また、センサ部の測定結果を集約した情報を生成可能であり、外部へ出力する情報量を低減することができる。
【0153】
[項目3]
前記センサ部の測定結果または前記出力部から出力される情報を記憶する記憶部をさらに備えること
を特徴とする項目1または2に記載のセンサ装置。
この態様によると、センサ部の測定結果または出力部から出力される情報を保存しておき、適切なタイミングで出力することが可能になる。
【0154】
[項目4]
前記記憶部は、前記センサ部の複数の測定結果または前記出力部から出力される複数の情報を記憶可能であり、
前記記憶部は、前記複数の測定結果または前記複数の情報を時間とともに変化する値と関連付けて記憶すること
を特徴とする項目3に記載のセンサ装置。
この態様によると、複数の測定結果または複数の情報を時系列で保持でき、また、時系列での分析や集計が可能になる。
【0155】
[項目5]
前記出力部は、通信により前記情報を外部機器へ出力し、
前記発電部は、前記通信により生じる起電力をもとに電力を供給すること
を特徴とする項目1から4のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、NFC等を利用して、通信とともに発電を実現することができる。
【0156】
[項目6]
前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方に対する電力の供給または遮断を制御する電力供給制御部をさらに備えること
を特徴とする項目1から5のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、発電された電力を効率的に使用することができる。
【0157】
[項目7]
前記処理部は、動作クロック数が高いほど演算能力が高まるものであり、処理内容に応じて動作クロック数を変更可能であること
を特徴とする項目2に記載のセンサ装置。
この態様によると、発電された電力を効率的に使用することができる。
【0158】
[項目8]
蓄電部をさらに備え、
前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方は、前記発電部から供給される電力と前記蓄電部から供給される電力とにより作動すること
を特徴とする項目1から7のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、発電部から供給される電力が一時的に少なくなってもセンサ部や出力部の動作を継続することができる。
【0159】
[項目9]
前記センサ部は、異なる種類の物理量を測定する複数のセンサを有すること
を特徴とする項目1から8のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、多くの種類の物理量に基づく多様な情報を出力することができる。
【0160】
[項目10]
前記センサ部は、離れて配置された複数のセンサであって、同じ種類の物理量を測定する複数のセンサを有し、
前記処理部は、前記複数のセンサの測定結果をもとに前記情報を生成すること
を特徴とする項目2に記載のセンサ装置。
この態様によると、複数のセンサの測定結果をもとに対象物に関する多様な情報を出力することができる。例えば、センサ装置が対象物の表面に取り付けられる場合(銘板の場合等)、複数のセンサにより測定された対象物の表面または表面近傍の物理現象をもとに、対象物内部の物理現象を精度よく推定することができる。
【0161】
[項目11]
前記発電部は、複数の発電手段を有すること
を特徴とする項目1から10のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、1つの発電手段から得られる電力が少なくなった場合でも、他の発電手段から得られる電力により動作を継続することができる。
【0162】
[項目12]
前記出力部は、電子ペーパーを含むこと
を特徴とする項目1から11のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、電力消費を抑えつつ外部へ情報を出力することができる。
【0163】
[項目13]
前記出力部は、アンテナを含むこと
を特徴とする項目1から12のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、通信により外部装置へ情報を送信することができる。
【0164】
[項目14]
本センサ装置を前記対象物に固定するための、前記対象物の内部に挿入される締結部をさらに備え、
前記センサ部は、前記締結部と接続されていること
を特徴とする項目1から13のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、締結部がプローブとして機能するため、センサ部を対象物内部に設けることなく、対象物内部の物理現象を取得することができる。
【0165】
[項目15]
前記センサ部は、歪ゲージを含み、
少なくとも歪ゲージが配置される部分は、伸縮性のある材料で構成され、前記対象物に接着により固定されること
を特徴とする項目1から14のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、対象物の歪みに関する情報を取得することができる。
【0166】
[項目16]
対象物またはその周囲の温度、湿度および振動を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を無線通信により外部へ出力する出力部と、
Wi-Fi(登録商標)の電波またはNFC(Near Field Communication)の電波または光をもとに発電し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とするセンサ装置。
この態様によると、機械コンポーネント等の対象物に、センサへの電力供給のための配線を新たに設けることが不要になる。これにより、対象物に関する状態を把握可能にする一方で、当該対象物の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0167】
[項目17]
減速機構と、
前記減速機構を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とする減速機。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を減速機に新たに設けることが不要になる。これにより、減速機に関する状態を把握可能にする一方で、当該減速機の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0168】
[項目18]
クローラの動作を制御する走行制御部と、
前記走行制御部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とするクローラ用走行ユニット。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線をクローラ用走行ユニットに新たに設けることが不要になる。これにより、クローラ用走行ユニットに関する状態を把握可能にする一方で、当該クローラ用走行ユニットの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0169】
[項目19]
流体の流れを制御するバルブ部と、
前記バルブ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とする流体バルブ。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を流体バルブに新たに設けることが不要になる。これにより、流体バルブに関する状態を把握可能にする一方で、当該流体バルブの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0170】
[項目20]
流体を収納するシリンダ部と、
前記シリンダ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とする流体シリンダ。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を流体シリンダに新たに設けることが不要になる。これにより、流体シリンダに関する状態を把握可能にする一方で、当該流体シリンダの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0171】
[項目21]
流体の流れを制御するポンプ部と、
前記ポンプ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とする流体ポンプ。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を流体ポンプに新たに設けることが不要になる。これにより、流体ポンプに関する状態を把握可能にする一方で、当該流体ポンプの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0172】
[項目22]
流体に圧力を与える圧縮部と、
前記圧縮部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とする流体コンプレッサ。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を流体コンプレッサに新たに設けることが不要になる。これにより、流体コンプレッサに関する状態を把握可能にする一方で、当該流体コンプレッサの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0173】
[項目23]
電気エネルギを力学的エネルギに変換するモータ部と、
前記モータ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とする電動モータ。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を電動モータに新たに設けることが不要になる。これにより、電動モータに関する状態を把握可能にする一方で、当該電動モータの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0174】
[項目24]
電気エネルギをもとに動作する駆動部と、
前記駆動部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備えることを特徴とする電動アクチュエータ。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を電動アクチュエータに新たに設けることが不要になる。これにより、電動アクチュエータに関する状態を把握可能にする一方で、当該電動アクチュエータの製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0175】
[項目25]
所定の物理的構造と、
前記物理的構造の状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部と
を備え、
前記センサ部と前記出力部と前記発電部がシート状に一体に設けられており、前記センサ部と前記出力部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることを特徴とする構造物。
この態様によると、センサへの電力供給のための配線を家具に新たに設けることが不要になる。これにより、家具に関する状態を把握可能にする一方で、当該家具の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。また、センサ部と出力部と発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることにより、センサ装置のサイズが小さくなり、対象物への取付が容易になる。
【0176】
[項目26]
所定の物理構造を有する対象物に接触するセンサ装置が、
前記対象物に関する状態を測定する検知ステップと、
前記検知ステップでの測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力ステップと、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記検知ステップと前記出力ステップの少なくとも一方の処理を実行させるための電力として当該電力を供給するステップと、
を実行することを特徴とする方法。
この態様によると、機械コンポーネント等の対象物に、センサへの電力供給のための配線を新たに設けることが不要になる。これにより、対象物に関する状態を把握可能にする一方で、当該対象物の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0177】
[項目27]
前記検知ステップでの検知結果または前記出力ステップで出力される情報を記憶部に記憶させるステップと、
所定の指示が入力された場合に、前記記憶部に記憶されたデータを消去するステップと、
を前記センサ装置がさらに実行することを特徴とする項目26に記載の方法。
この態様によると、外部からの指示に基づき記憶部に記憶されたデータを消去することにより、センサ装置の再利用を実現できる。例えば、ある対象物で使用されたセンサ装置を他の対象物に取り付けて使用することができる。
【0178】
[項目28]
部品に取り付けられたセンサ装置が実行する方法であって、
前記部品の輸送中または保管中における前記部品に関する状態をセンサ装置自身が発電した電力を使用して検知するステップと、
検知結果に基づく情報を外部へ出力するステップと
を含む方法。
この態様によると、機械コンポーネント等の対象物に、センサへの電力供給のための配線を新たに設けることが不要になる。これにより、対象物に関する状態を把握可能にする一方で、当該対象物の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【0179】
[項目29]
所定の物理構造を有する対象物と、
前記対象物に取り付けられたセンサ装置と
を備え、
前記センサ装置は、
前記対象物に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部とを含み、
前記センサ部と前記出力部と前記発電部がシート状に一体に設けられており、前記センサ部と前記出力部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることを特徴とするセンサシステム。
この態様によると、機械コンポーネント等の対象物に、センサへの電力供給のための配線を新たに設けることが不要になる。これにより、対象物に関する状態を把握可能にする一方で、当該対象物の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。また、センサ部と出力部と発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることにより、センサ装置のサイズが小さくなり、対象物への取付が容易になる。
【0180】
[項目30]
所定の物理構造を有する対象物と、
前記対象物に取り付けられた複数のセンサ装置と
を備え、
前記複数のセンサ装置のそれぞれは、
前記対象物に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部とを含み、
前記センサ部と前記出力部と前記発電部がシート状に一体に設けられており、前記センサ部と前記出力部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることを特徴とするセンサシステム。
この態様によると、機械コンポーネント等の対象物に、センサへの電力供給のための配線を新たに設けることが不要になる。これにより、対象物に関する状態を把握可能にする一方で、当該対象物の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。また、対象物に複数のセンサ装置を取り付けることにより、対象物の複数箇所の状態を把握でき、対象物の複数箇所の状態に応じて、対象物の状態(内部状態等)を一層精度よく推定することが可能になる。さらにまた、センサ部と出力部と発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることにより、センサ装置のサイズが小さくなり、対象物への取付が容易になる。
【0181】
[項目31]
所定の物理構造を有する物品に取り付けられ、当該物品に関する情報が表示される銘板であって、
前記物品の状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を外部へ出力する出力部と、
外部環境のエネルギを電力に変換し、前記センサ部と前記出力部の少なくとも一方を動作させるための電力として当該電力を供給する発電部とを備え、
前記センサ部と前記出力部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることを特徴とする銘板。
この態様によると、機械コンポーネント等の物品に、センサへの電力供給のための配線を新たに設けることが不要になる。また、物品の筐体上や筐体内にセンサを格納するエリアを新たに確保することが不要になる。これにより、物品に関する状態を把握可能にする一方で、当該物品の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。また、センサ部と出力部と発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることにより、銘板のサイズが小さくなり、対象物への取付が容易になる。
【0182】
[項目2-1]
対象物に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を備え、
前記センサ部と前記通信部と前記記憶部と前記蓄電部と前記発電部とが一体に設けられており、前記センサ部と前記通信部と前記記憶部と前記蓄電部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されることを特徴とするセンサ装置。
この態様によると、対象物が輸送中である場合等、外部電源が供給されない状況下での対象物に関する状態を把握可能にすることができる。例えば、対象物が輸送中や保管中(すなわち外部電源が供給されない状況下)では、主に蓄電部から供給される電力をもとに対象物に関する状態を把握することができる。また、通信部を用いる受入検査時等、比較的大きな電力が必要な場合には発電部から供給される電力を活用することができる。
【0183】
[項目2-2]
前記記憶部は、前記センサ部の複数の測定結果または前記通信部から出力される複数の情報を記憶可能であり、
前記記憶部は、前記複数の測定結果または前記複数の情報を時間とともに変化する値と関連付けて記憶すること
を特徴とする項目2-1に記載のセンサ装置。
この態様によると、複数の検知結果または複数の情報を時系列で保持でき、また、時系列での分析や集計が可能になる。
【0184】
[項目2-3]
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つに対する電力の供給または遮断を制御する電力供給制御部をさらに備えること
を特徴とする項目2-1または2-2に記載のセンサ装置。
この態様によると、発電された電力、または蓄電された電力を効率的に使用することができる。
【0185】
[項目2-4]
前記発電部は、複数の発電手段を有すること
を特徴とする項目2-1から2-3のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、1つの発電手段から得られる電力が少なくなった場合でも、他の発電手段から得られる電力により動作を継続することができる。
【0186】
[項目2-5]
前記センサ部は、異なる種類の物理量を測定する複数のセンサを有すること
を特徴とする項目2-1から2-4のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、多くの種類の物理量に基づく多様な情報を出力することができる。
【0187】
[項目2-6]
前記センサ部の測定結果をもとに前記通信部から出力される情報を生成する処理部をさらに備えること
を特徴とする項目2-1から2-5のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、センサ部の検知結果を加工して一層有益な情報を外部へ出力することができる。また、センサ部の検知結果を集約した情報を生成可能であり、外部へ出力する情報量を低減することができる。
【0188】
[項目2-7]
前記処理部は、動作クロック数が高いほど演算能力が高まるものであり、処理内容に応じて動作クロック数を変更可能であること
を特徴とする項目2-6に記載のセンサ装置。
この態様によると、発電された電力を効率的に使用することができる。
【0189】
[項目2-8]
前記センサ部は、離れて配置された複数のセンサであって、同じ種類の物理量を測定する複数のセンサを有し、
前記処理部は、前記複数のセンサの測定結果をもとに前記対象物の内部の物理現象を演算し、演算結果を前記記憶部に記憶させること
を特徴とする項目2-6または2-7に記載のセンサ装置。
この態様によると、複数のセンサの検知結果をもとに対象物に関する多様な情報を出力することができる。例えば、センサ装置が対象物の表面に取り付けられる場合(銘板の場合等)、複数のセンサにより検知された対象物の表面または表面近傍の物理現象をもとに、対象物内部の物理現象を精度よく推定することができる。
【0190】
[項目2-9]
電子ペーパーを含む表示部をさらに備えること
を特徴とする項目2-1から2-8のいずれかに記載のセンサ装置。
この態様によると、電力消費を抑えつつ外部へ情報を出力することができる。
【0191】
[項目2-10]
対象物に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、
前記センサ部の測定結果をもとに前記通信部から出力される情報を生成する処理部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つに対する電力の供給または遮断を制御する電力供給制御部と
を備え、
前記記憶部は、前記センサ部の複数の測定結果または前記通信部から出力される複数の情報を記憶可能であり、
前記記憶部は、前記複数の測定結果または前記複数の情報を時間とともに変化する値と関連付けて記憶し、
前記センサ部は、異なる種類の物理量を測定する複数のセンサである第1センサ群と、離れて配置された複数のセンサであって、同じ種類の物理量を測定する複数のセンサである第2センサ群とを有し、
前記処理部は、前記第2センサ群の測定結果をもとに前記対象物の内部の物理現象を演算し、演算結果を前記記憶部に記憶させ、
前記センサ部と前記通信部と前記処理部と前記記憶部と前記蓄電部と前記発電部と前記電力供給制御部とが一体に設けられており、前記センサ部と前記通信部と前記記憶部と前記蓄電部と前記発電部のうち少なくとも2つが重ねて配置されること
を特徴とするセンサ装置。
この態様によると、(1)対象物が輸送中である場合等、外部電源が供給されない状況下での対象物に関する状態を把握可能にすることができる。また、(2)複数の検知結果または複数の情報を時系列で保持でき、また、時系列での分析や集計が可能になる。また、(3)発電された電力、または蓄電された電力を効率的に使用することができる。また、(4)センサ部の検知結果を加工して一層有益な情報を外部へ出力することができる。また、センサ部の検知結果を集約した情報を生成可能であり、外部へ出力する情報量を低減することができる。また、(5)第1センサ群および第2センサ群の検知結果をもとに対象物に関する多様な情報を出力することができる。
【0192】
[項目2-11]
部品に取り付けられたセンサ装置と、
当該部品に関する情報を管理する管理サーバと、
当該部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記センサ装置は、
前記部品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記センサ装置から受信した前記センサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記センサ装置に送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記センサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記部品に関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における部品の状態(例えば部品が受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を部品に設定することができる。
【0193】
[項目2-12]
部品に関する情報を管理する管理サーバであって、
前記部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置から送信された前記部品に関する情報をもとに前記部品に関する補正値を求める導出部と、
前記導出部により導出された補正値を前記受入検査装置に送信する提供部と
を備え、
前記受入検査装置は、前記部品に取り付けられたセンサ装置から受信した前記センサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した補正値を前記センサ装置に送信するものであり、
前記センサ装置は、
前記部品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を備えることを特徴とする管理サーバ。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における部品の状態(例えば部品が受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を部品に設定することができる。
【0194】
[項目2-13]
部品の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置であって、
前記部品に取り付けられたセンサ装置のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記センサ装置から取得する第1取得部と、
前記第1取得部により取得された情報を前記部品に関する情報を管理する管理サーバに送信するとともに、前記管理サーバが前記情報をもとに求めた前記部品に関する補正値を前記管理サーバから取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された補正値を前記センサ装置に送信する更新部と
を備え、
前記センサ装置は、
前記部品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を備えることを特徴とする受入検査装置。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における部品の状態(例えば部品が受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を部品に設定することができる。
【0195】
[項目2-14]
減速機と、
当該減速機に関する情報を管理する管理サーバと、
当該減速機の品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記減速機は、
減速機構と、
前記減速機構を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記減速機から受信した前記減速機のセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記減速機に送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記減速機のセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記減速機に関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする減速機の管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における減速機の状態(例えば減速機が受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を減速機に設定することができる。
【0196】
[項目2-15]
クローラ用走行ユニットと、
当該クローラ用走行ユニットに関する情報を管理する管理サーバと、
当該クローラ用走行ユニットの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記クローラ用走行ユニットは、
クローラの動作を制御する走行制御部と、
前記走行制御部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記クローラ用走行ユニットから受信した前記クローラ用走行ユニットのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記クローラ用走行ユニットに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記クローラ用走行ユニットのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記クローラ用走行ユニットに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とするクローラ用走行ユニットの管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)におけるクローラ用走行ユニットの状態(例えばクローラ用走行ユニットが受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)をクローラ用走行ユニットに設定することができる。
【0197】
[項目2-16]
流体バルブと、
当該流体バルブに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体バルブの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体バルブは、
流体の流れを制御するバルブ部と、
前記バルブ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体バルブから受信した前記流体バルブのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体バルブに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体バルブのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体バルブに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする流体バルブの管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における流体バルブの状態(例えば流体バルブが受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を流体バルブに設定することができる。
【0198】
[項目2-17]
流体シリンダと、
当該流体シリンダに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体シリンダの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体シリンダは、
流体を収納するシリンダ部と、
前記シリンダ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体シリンダから受信した前記流体シリンダのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体シリンダに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体シリンダのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体シリンダに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする流体シリンダの管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における流体シリンダの状態(例えば流体シリンダが受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を流体シリンダに設定することができる。
【0199】
[項目2-18]
流体ポンプと、
当該流体ポンプに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体ポンプの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体ポンプは、
流体の流れを制御するポンプ部と、
前記ポンプ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体ポンプから受信した前記流体ポンプのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体ポンプに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体ポンプのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体ポンプに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする流体ポンプの管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における流体ポンプの状態(例えば流体ポンプが受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を流体ポンプに設定することができる。
【0200】
[項目2-19]
流体コンプレッサと、
当該流体コンプレッサに関する情報を管理する管理サーバと、
当該流体コンプレッサの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記流体コンプレッサは、
流体に圧力を与える圧縮部と、
前記圧縮部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記流体コンプレッサから受信した前記流体コンプレッサのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記流体コンプレッサに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記流体コンプレッサのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記流体コンプレッサに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする流体コンプレッサの管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における流体コンプレッサの状態(例えば流体コンプレッサが受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を流体コンプレッサに設定することができる。
【0201】
[項目2-20]
電動モータと、
当該電動モータに関する情報を管理する管理サーバと、
当該電動モータの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記電動モータは、
電気エネルギを力学的エネルギに変換するモータ部と、
前記モータ部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記電動モータから受信した前記電動モータのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記電動モータに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記電動モータのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記電動モータに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする電動モータの管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における電動モータの状態(例えば電動モータが受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を電動モータに設定することができる。
【0202】
[項目2-21]
電動アクチュエータと、
当該電動アクチュエータに関する情報を管理する管理サーバと、
当該電動アクチュエータの品質が基準を満たすか否かを検査する受入検査装置と
を備え、
前記電動アクチュエータは、
電気エネルギをもとに動作する駆動部と、
前記駆動部を収納するケースと、
前記ケースに関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を前記受入検査装置に送信するとともに前記受入検査装置から送信される情報を受信する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部が受信した情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を含み、
前記受入検査装置は、前記電動アクチュエータから受信した前記電動アクチュエータのセンサ部の測定結果に基づく情報を前記管理サーバに送信するとともに前記管理サーバから受信した情報を前記電動アクチュエータに送信するものであり、
前記管理サーバは、前記受入検査装置から送信された前記電動アクチュエータのセンサ部の測定結果に基づく情報をもとに前記電動アクチュエータに関する補正値を求め、当該補正値を前記受入検査装置に送信するものであること
を特徴とする電動アクチュエータの管理システム。
この態様によると、輸送中や保管中(典型的には外部電源が供給されない状況下)における電動アクチュエータの状態(例えば電動アクチュエータが受けた振動等)を把握可能になり、また、その状態に応じた補正値(例えば制御パラメータ等)を電動アクチュエータに設定することができる。
【0203】
[項目2-22]
対象物に関する状態を測定する検知ステップと、
前記検知ステップでの測定結果に基づく情報を出力する出力ステップと、
前記測定結果および前記情報を記憶部に記憶させる保存ステップと、
前記検知ステップ、前記出力ステップ、前記保存ステップのうち少なくとも1つのステップの処理を実行させるための電力として、蓄電部から電力を供給するステップと、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電するステップと
をセンサ装置が実行することを特徴とする方法。
この態様によると、対象物が輸送中である場合等、外部電源が供給されない状況下での対象物に関する状態を把握可能にすることができる。例えば、対象物が輸送中や保管中(すなわち外部電源が供給されない状況下)では、主に蓄電した電力をもとに対象物に関する状態を把握することができる。また、通信を行う受入検査時等、比較的大きな電力が必要な場合には外部環境のエネルギをもとに発電した電力を活用することができる。
【0204】
[項目2-23]
所定の指示が入力された場合に、前記記憶部に記憶されたデータを消去するステップ
を前記センサ装置がさらに実行することを特徴とする項目2-22に記載の方法。
この態様によると、外部からの指示に基づき記憶部に記憶されたデータを消去することにより、センサ装置の再利用を実現できる。例えば、ある対象物で使用されたセンサ装置を他の対象物に取り付けて使用することができる。
【0205】
[項目2-24]
物品に取り付けられ当該物品に関する情報が表示される銘板であって、
前記物品に関する状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部の測定結果に基づく情報を出力する通信部と、
前記センサ部の測定結果および前記通信部から出力される情報を記憶する記憶部と、
前記センサ部、前記通信部、前記記憶部の少なくとも1つを動作させる電力を供給する蓄電部と、
外部環境に存在するエネルギを電力に変換し、前記蓄電部を充電する発電部と
を備えることを特徴とする銘板。
この態様によると、機械コンポーネント等の物品が輸送中である場合等、外部電源が供給されない状況下での物品に関する状態を把握可能にすることができる。例えば、物品が輸送中や保管中(すなわち外部電源が供給されない状況下)では、主に蓄電した電力をもとに物品に関する状態を把握することができる。また、通信を行う受入検査時等、比較的大きな電力が必要な場合には外部環境のエネルギをもとに発電した電力を活用することができる。また、物品の筐体上や筐体内にセンサ部や記憶部等の収容するエリアを新たに確保することが不要になる。これにより、物品に関する状態を把握可能にする一方で、当該物品の製造に要するコストや期間の増大を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0206】
本発明は、センサを備える装置またはシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0207】
10 センサ装置、 12 センサ部、 14 処理部、 16 出力部、 18 記憶部、 22 環境発電部、 24 蓄電部、 32 電力供給制御部、 34 情報生成部、 36 更新部、 50 センサシステム、 62 締結部。