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特許72025081-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-27
(45)【発行日】2023-01-11
(54)【発明の名称】1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 41/24 20060101AFI20221228BHJP
   C07C 43/29 20060101ALI20221228BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20221228BHJP
   C07C 67/30 20060101ALN20221228BHJP
   C07C 69/734 20060101ALN20221228BHJP
   C07D 249/08 20060101ALN20221228BHJP
【FI】
C07C41/24
C07C43/29 A
C07B61/00 300
C07C67/30
C07C69/734 B
C07D249/08 530
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022507256
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2021009622
(87)【国際公開番号】W WO2021182530
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】P 2020041195
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001100
【氏名又は名称】株式会社クレハ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】百足 勉
(72)【発明者】
【氏名】星野 紘史
(72)【発明者】
【氏名】小林 久剛
(72)【発明者】
【氏名】佐野 留美
(72)【発明者】
【氏名】根本 夏希
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/093522(WO,A1)
【文献】特開昭60-56966(JP,A)
【文献】特表2014-520833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07B
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンを製造する方法であって、
1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンまたは1-ブロモ--クロロ--(4-クロロフェノキシ)ベンゼンに対して水素化還元を行うことにより、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンを得る、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アゾール誘導体の製造方法、ブロモヒドリン誘導体およびその製造方法、ならびに1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人畜に対する毒性が低く取扱い安全性に優れ、かつ広範な植物病害に対して高い防除効果を示す農園芸用薬剤が求められている。高い防除効果を示す農園芸用薬剤として、アゾール系殺菌剤が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開公報WO2019/093522
【文献】日本国 特表2014-520833号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された化合物の合成方法として、特許文献1にはフェニルピルビン酸エステル誘導体を経由する合成方法が複数開示されている。より詳細には、(1)アセトフェノン誘導体の酸化およびエステル化により、フェニルピルビン酸エステル誘導体に至る方法、(2)Friedel-Crafts反応によるアシル化により、フェニルピルビン酸エステル誘導体に至る方法、ならびに(3)ハロベンゼン化合物の金属交換反応により生成する有機金属試薬とシュウ酸ジアルキルもしくはクロログリオキシル酸アルキルとの反応により、フェニルピルビン酸エステル誘導体に至る方法が示されている。
【0005】
しかしながら、アセトフェノン誘導体の酸化およびエステル化による方法では、高価なヨウ素またはヨウ化メチルを使用する必要がある。また、Friedel-Crafts反応によるアシル化の方法では、アルミニウムを含有する強酸性廃液を処理する必要がある。また、有機金属試薬とシュウ酸ジアルキル等との反応による方法では、アルキルリチウム試薬を用いる場合には、極低温で行う必要がある。一方で、Grignard試薬を用いる場合には、収率が低いといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上述の問題を解決できるアゾール誘導体の新規な製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るアゾール誘導体の製造方法は、上記課題を解決するために、一般式(I)で示されるアゾール誘導体の製造方法であって、
【0008】
【化1】
【0009】
[式(I)中、AはNまたはCHであり、RはC-C-アルキル基である。]
1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンから金属交換反応によって生成する有機金属試薬と、CHBrCOCOORで表されるブロモピルビン酸誘導体とを反応させて、一般式(II)で示されるブロモヒドリン誘導体を得る工程と、
【0010】
【化2】
【0011】
[式(II)中、Rは式(I)におけるRと同一である。]
上記ブロモヒドリン誘導体を、イミダゾールもしくは1,2,4-トリアゾールまたはそれらのアルカリ金属塩と反応させて、上記アゾール誘導体を得る工程とを含む、方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るアゾール誘導体の製造方法によれば、従来の製造方法に比して製造コストを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0014】
〔1.アゾール誘導体の製造方法〕
本実施形態に係るアゾール誘導体の製造方法は、下記一般式(I)で示されるアゾール誘導体(以下、アゾール誘導体(I)と称する)の製造方法である。
【0015】
【化3】
【0016】
一般式(I)中、Aは、NまたはCHであり、好適にはNである。
【0017】
一般式(I)中、Rは、C-C-アルキル基である。C-C-アルキル基は、炭素原子数が1~6個である直鎖または分岐鎖状アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、1-メチルエチル基、1,1-ジメチルエチル基、プロピル基、1-メチルプロピル基、2-メチルプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、ブチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、ペンチル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基および4-メチルペンチル基が挙げられる。
【0018】
(アゾール誘導体(I)の製造方法)
本実施形態に係るアゾール誘導体(I)の製造方法は、下記合成スキーム1に示す通り、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンから一般式(II)で示されるブロモヒドリン誘導体を得る工程と、得られたブロモヒドリン誘導体をアゾール化することによりアゾール誘導体(I)を得る工程を含むものである。
【0019】
【化4】
【0020】
(ステップ1)式(III)で示されている1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(以下、化合物(III)と称する)から、一般式(II)で示されるブロモヒドリン誘導体(以下、ブロモヒドリン誘導体(II)と称する)を得る。詳細には、化合物(III)から金属交換反応によって生成する有機金属試薬と、CHBrCOCOORで表されるブロモピルビン酸誘導体とを溶媒中で反応させて、ブロモヒドリン誘導体(II)を得る。金属交換反応に用いられる金属交換試薬としては、例えばメチルリチウム、ブチルリチウム、塩化イソプロピルマグネシウム、および塩化イソプロピルマグネシウム-塩化リチウム錯体等が挙げられ、好ましくは塩化イソプロピルマグネシウム-塩化リチウム錯体が用いられる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、4-メチルテトラヒドロピラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテルおよびシクロペンチルメチルエーテル等が挙げられ、好適にはテトラヒドロフランが用いられる。ステップ1における反応は、-30~50℃の温度で実施することができ、好適には-10~30℃で実施することができる。金属交換反応は5分~3時間の反応時間で最大量の有機金属試薬を与えるが、好適には30分~2時間で最大量の有機金属試薬を与える。有機金属試薬の溶液は別容器のブロモピルビン酸誘導体の溶液に添加することも、有機金属試薬の溶液にブロモピルビン酸誘導体を添加することも可能である。好適には、有機金属試薬の溶液にブロモピルビン酸誘導体を添加する。
【0021】
(ステップ2)ブロモヒドリン誘導体(II)を、イミダゾールもしくは1,2,4-トリアゾールまたはそれらのアルカリ金属塩と溶媒中で反応させることでブロモヒドリン誘導体(II)をアゾール化し、アゾール誘導体(I)を得る。詳細には、化合物(II)と、イミダゾールもしくは1,2,4-トリアゾールと、塩基とを有機溶媒中で反応させて、あるいは化合物(II)と、イミダゾールもしくは1,2,4-トリアゾールのアルカリ金属塩とを有機溶媒中で反応させて、アゾール誘導体(I)を得る。アゾール化反応に用いられる試薬としては、例えばイミダゾールもしくは1,2,4-トリアゾールと炭酸ナトリウムとの組み合わせ、またはイミダゾールもしくは1,2,4-トリアゾールのナトリウム塩等が挙げられ、好適には1,2,4-トリアゾールのナトリウム塩が用いられる。溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびN―メチルピロリドン等が挙げられ、好適にはジメチルホルムアミドが用いられる。ステップ2における反応は、0~150℃の温度で実施することができ、好適には40~80℃で実施することができる。
【0022】
上述の通り、本実施形態におけるアゾール誘導体(I)の製造方法によれば、従来の方法で必要とされていた高価のヨウ素またはヨウ化メチルを使用しなくて済む。そのため、従来の方法と比して、製造コストを抑えることができる。また、従来の方法では、大量の無機塩が副生する、さらに、DMSO分解物により臭気が発生するといった問題が生じていたが、本実施形態にかかる製造方法によれば、無機塩の副生およびDMSO分解物による臭気の発生といった問題を回避することができる。
【0023】
(1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(化合物(III))の製造方法)
上述のアゾール誘導体(I)の製造に用いられる化合物(III)は、例えば上述の特許文献2に記載の方法に従い、4-クロロフェノールと、1-ブロモ-2,4-ジクロロベンゼンまたは1-ブロモ-2-クロロ-4-フルオロベンゼンとの縮合反応により得ることができる。しかしながら本実施形態に係る方法では、下記合成スキーム2に示す通り、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンから、化合物(III)を合成している。
【0024】
【化5】
【0025】
本実施形態に係る方法では、式(IV)で示されている1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンを臭素化剤と反応させることにより、化合物(III)を得る。臭素化剤は臭素または臭素化合物が用いられる。臭素化合物としては、好ましくは臭素化イミド、より好ましくはN-ブロモスクシンイミドおよび1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン等の臭素化環状イミドが挙げられるが、これらに限定されない。臭素または臭素化合物の使用量としては、1~3当量が例示されるが、1~1.3当量を用いることがコスト的に好ましい。ただし、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインなど、分子内に反応性の臭素を2個有する臭素化合物を用いる場合には、0.5~1.3当量を用いることが好ましい。溶媒としては、アセトニトリルおよび酢酸等が挙げられるが、無溶媒で反応を行うことがコスト的には最も好ましい。臭素化剤が臭素化合物の場合には、必要に応じて少量のヨウ素または臭素を触媒として添加することができる。臭素化反応は-20~70℃の温度で実施することができるが、化合物(III)を選択的に得るためには、0~30℃の範囲で反応を行うことが好ましい。無溶媒で臭素化を行う場合には、融点が低い化合物(III)の生成が進むにしたがって、反応液が固結することがある。そのため、無溶媒で臭素化を行う場合には、0℃付近で反応を開始し、反応の進行に応じて徐々に30℃程度まで温度を上昇させることが、化合物(III)の選択性向上に有効である。
【0026】
本実施形態で用いられる1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンは、特許文献2に記載の方法で用いられている1-ブロモ-2,4-ジクロロベンゼンおよび1-ブロモ-2-クロロ-4-フルオロベンゼンよりも非常に安価(1/400~1/500程度の価格)な化合物である。したがって、本実施形態の方法によれば、生産コストの上昇を抑えることができる。
【0027】
なお、合成スキーム2に従う反応では、93%以上、95%以上、または97%以上といった高い選択性で目的の化合物(III)を得ることができる。一方で、化合物(III)の位置異性体である、下記式(V)で示される1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(以下、化合物(V)と称する)も生成される。
【0028】
【化6】
【0029】
したがって、本実施形態では、合成スキーム1の反応に供する前に、アルコール系溶媒によるリパルプ洗浄を行い、化合物(V)を含む混合物から化合物(III)を精製することができる。リパルプ洗浄は、合成スキーム2に従う反応で得られる反応混合物を後処理して得られる固形物に対して実施すればよい。特に臭素化剤が臭素の場合には、反応混合物を濃縮することで得られる固形物をそのまま用いることができるため、有利である。固形物は、リパルプ洗浄に供する前に乳鉢等を用いて粉砕しておくことが好ましい。アルコール系溶媒としては、2-プロパノール、エタノールおよびメタノール等が挙げられ、好適には2-プロパノールが用いられる。リパルプ洗浄後の固形物を減圧乾燥し、ステップ2における化合物(III)として用いればよい。リパルプ洗浄を行うことにより、化合物(III)の割合を、例えば、95%以上、97%以上、または99%以上にまで高めることができる。洗浄によるロスを防止する観点から、リパルプ洗浄に用いるアルコール系溶媒は例えば0~10℃に冷却して用いることが好ましい。また、同様の観点から、アルコール系溶媒の使用量は可能な限り少なくすることが好ましい。具体的には、固形物の50%~200%程度の量が好ましい。
【0030】
リパルプ洗浄の濾液であるリパルプ洗浄液には、化合物(V)とともに化合物(III)も含まれる。そこで、本実施形態では、リパルプ洗浄液に含まれる化合物(III)および化合物(V)を水素化還元して脱臭素化することにより、上述の化合物(IV)を得ることができる。水素化還元は、パラジウム炭素等のパラジウム系触媒を用いて、水素雰囲気下で化合物(III)および化合物(V)を接触還元することにより行えばよい。臭素の脱離還元と比較すると、塩素の脱離還元は著しく遅い。そのため、本実施形態の水素化還元を行うことにより、脱臭素化が優先的に進行し、化合物(IV)を効率良く得ることができる。
【0031】
リパルプ洗浄液には化合物(III)および化合物(V)が含まれているため、当該洗浄液を廃棄する場合、焼却による環境負荷および原料ロスによるコスト上昇を引き起こす。リパルプ洗浄液から化合物(IV)を精製、回収することにより、環境負荷を低減できるとともに、原料ロスによるコスト上昇を抑えることができる。
【0032】
(まとめ)
以上の通り、本発明に係るアゾール誘導体の製造方法は、上述の一般式(I)で示されるアゾール誘導体の製造方法であって、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンから金属交換反応によって生成する有機金属試薬と、CHBrCOCOORで表されるブロモピルビン酸誘導体とを反応させて、上述の一般式(II)で示されるブロモヒドリン誘導体を得る工程と、上記ブロモヒドリン誘導体を、イミダゾールもしくは1,2,4-トリアゾールまたはそれらのアルカリ金属塩と反応させて、上記アゾール誘導体を得る工程とを含む。
本発明に係るアゾール誘導体の製造方法の一態様では、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンを臭素または臭素化合物と反応させることにより、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンを得ることをさらに含む。
本発明に係るアゾール誘導体の製造方法の一態様では、上記臭素化合物は、臭素化イミドである。
本発明に係るアゾール誘導体の製造方法の一態様では、アルコール系溶媒によるリパルプ洗浄を行うことにより、得られた1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンを精製することをさらに含む。
また、本発明に係るブロモヒドリン誘導体は、上述の一般式(II)で示されるブロモヒドリン誘導体である。
また、本発明に係るブロモヒドリン誘導体の製造方法は、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンから金属交換反応によって生成する有機金属試薬と、CHBrCOCOORで表されるブロモピルビン酸誘導体とを反応させて、上記ブロモヒドリン誘導体を得るものである。
本発明に係る1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの製造方法は、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンまたは1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンとその位置異性体との混合物に対して水素化還元を行うことにより、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンを得るものである。
【0033】
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
【実施例
【0034】
<合成例1>2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチルの合成1
3-ブロモ-2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシプロパン酸メチルの合成
【0035】
【化7】
【0036】
1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(純度99.5 GC area%,0.203g)のテトラヒドロフラン(1.9ml)溶液を氷浴で冷却し、塩化イソプロピルマグネシウム-塩化リチウム錯体およびテトラヒドロフラン溶液(1.27mol/L,0.628ml,0.798mmol)を加え、室温下30分間撹拌した。溶液を氷浴で冷却し、3-ブロモピルビン酸メチル(0.147g)を加えて室温下2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(2ml)を加えてクエンチしたのち、酢酸エチル(1ml×3)で抽出し、水(2ml)を加えて酢酸エチル(1ml×3)で抽出し、NaSOにて乾燥した後、溶媒留去した。これにより得られた粗精製物(0.2827g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、3-ブロモ-2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシプロパン酸メチル(0.130g,収率48.5%)を得た。
1H NMR(400MHz, CDDl3) δ : 7.55 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.37-7.32 (m, 2H), 7.01-6.97 (m, 2H), 6.99 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.91 (dd, J = 8.8 Hz, 2.6 Hz, 1H), 4.17 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.12 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.81 (s, 1H)。
【0037】
2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチルの合成
【0038】
【化8】
【0039】
上記合成で得られた3-ブロモ-2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシプロパン酸メチル(0.130g)をDMF(0.9ml)に溶解し、トリアゾールナトリウム塩(0.057g)を加えて油浴(60℃)中で3時間撹拌した。撹拌後、室温に冷却し、溶媒留去した。これに、酢酸エチル(2ml)を加え、さらに飽和食塩水(2ml)を加え、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(1ml×3)で抽出し、NaSOにて乾燥した後、溶媒留去した。これにより得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチル(0.099g,収率78.4%,白色個体)を得た。
1H NMR(400MHz, CDDl3) δ: 8.00 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.36-7.33 (m, 2H), 6.98-6.95 (m, 3H), 6.81 (dd, J = 8.8 Hz, 2.6 Hz, 1H), 5.02 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.93 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 3.8 (s, 3H)。
【0040】
<合成例2>2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチルの合成2
【0041】
【化9】
【0042】
塩化リチウム(4.499g,130℃にて6時間真空乾燥)を窒素気流下で秤量し、滴下ロートと温度計とを備えた500ml四ツ口フラスコに封入してアルゴン置換し、塩化イソプロピルマグネシウム(106.12mmol)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。室温下で溶液を25分間撹拌し、氷冷して、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(25.000g,GC純度98.7%,o-異性体0.46%)をテトラヒドロフラン(78.6ml,1L/mol)溶液として滴下し、そのまま60分間撹拌した。次いで、3-ブロモピルビン酸メチル(17.796g,GC純度 97.7%)を25分間で滴下し、氷冷下で15分間撹拌した。10%塩化アンモニウム水溶液(75ml)、トルエン(75ml)および1N-塩酸(75ml)を加えて有機層を分離したのち、水層をトルエン(75ml×2)で抽出、有機層を水(75ml)で洗浄、溶媒留去することにより濃縮残渣(34.569g)を得た。
【0043】
温度計を備えた1000ml三ツ口フラスコに上記の操作で得られた濃縮残渣(34.569g)およびトリアゾールナトリウム塩(10.737g)を入れ、DMF(78.6ml,1L/mol)を加えて60℃に昇温し3時間撹拌した。反応液を冷却し、トルエン(157ml,2L/mol)および10%塩化アンモニウム水溶液(157ml,2L/mol)を加えて分液し、水層をトルエン(157ml,2L/mol)で2回抽出、有機層に水(157ml)を加え、加熱しながら洗浄および分液を行った。有機層を溶媒留去して得られた濃縮物を定量分析したところ、2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチル(22.293g,収率69.5%)の含有が認められた。
【0044】
<合成例3>1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの合成1
1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの合成
【0045】
【化10】
【0046】
亜硫酸ナトリウム(27.8g)および炭酸水素ナトリウム(18.5g)の水溶液(300ml)を入れた三角フラスコを用いた排気トラップと、温度計と、滴下ロートとを備えた100ml三ツ口フラスコに1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(50.000g)を入れ、氷水浴で冷却しつつ臭素(36.80g)の滴下を開始した。臭素の半量を滴下したところで氷水浴を外し、室温下で残りの半量を滴下した。臭素の滴下終了後に30℃に加熱して、4時間撹拌した。ガスクロマトグラフィー(GC)により原料の残存が認められたため、室温でさらに11時間静置したところ、原料が0.07%まで低下したことを確認した。窒素気流下で油浴を65℃まで昇温し、2時間撹拌したところ臭素色がほぼ消失した。ダイヤフラムポンプで減圧し、30分間撹拌したのち、室温に冷却した。油状残渣に種晶を加えることにより白色固形物(66.568g,理論収量比100.1%)を得た。GC分析の結果、当該白色固形物は、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(94.3%)、1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(4.1%)および1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(0.1%)を含んでいた。
【0047】
1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの精製
上記の合成で得られた白色固形物を冷蔵庫で冷却し、メノウ乳鉢で粉砕した。粉砕物を、冷却した2-プロパノールを用いて桐山ロート上で計3回リパルプ洗浄し(30ml,20ml,20ml)、得られた白色固体を減圧乾燥することにより、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(56.651g,収率85.2%,GC純度98.7%)を得た。なお、減圧乾燥により得られた残渣には1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(0.46%)が含まれていた。
1H NMR(400MHz, CDDl3) δ : 7.54 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.35-7.31 (m, 2H), 7.08 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.98-6.93 (m, 2H), 6.78 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H)。
【0048】
<合成例4>1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの合成2
【0049】
【化11】
【0050】
1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(2.100g)のアセトニトリル(26.3ml,3L/mol)溶液に、N-ブロモスクシンイミド(NBS)(1.880g)およびヨウ素(0.119g)を加え、35℃の油浴中で5時間撹拌したのち、室温下で13時間静置した。反応液に10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(4ml)を加えたところ、ヨウ素色が消失した。水(30ml)を加えて、ヘキサン(20ml×2)で抽出し、水(20ml)および飽和食塩水(20ml)で順次洗浄した。NaSOにて乾燥し、溶媒留去して白色固体(2.744g,理論収量比98.3%)を得た。GC分析の結果、当該白色固体は、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(96.5%)および1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(2.4%)を含んでいた。
【0051】
<合成例5>1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの合成3
【0052】
【化12】
【0053】
窒素雰囲気下、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(0.499g)にアセトニトリル2.1mLを加え、室温下撹拌しているところへ、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(DBH)(0.374g)およびヨウ素(0.005g)を加えて、60℃まで昇温を行い、その後3時間撹拌した。その後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液および水を加えて反応を停止した。トルエンで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去して粗体(0.659g,粗収率99.1%)を得た。GC分析の結果、当該粗体は、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(94%)および1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(4%)を含んでいた。
【0054】
<合成例6>リパルプ洗浄液からの1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの再生
【0055】
【化13】
【0056】
上述の合成例3におけるリパルプ洗浄により生じた濾液であるリパルプ洗浄液を濃縮することにより、油状物(9.917g)を得た。GC分析の結果、当該油状物には、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(67.7%)、1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(26.7%)および1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(0.9%)が含まれていた。温度計を備えた200ml三ツ口フラスコに、当該油状物(9.917g)、およびリパルプ洗浄に用いたのと同量の2-プロパノール(70ml,2.25L/mol)を入れ、5%パラジウム炭素触媒(0.372g,川研ファインケミカル株式会社製,EA,水分54.9%)を加えて、水素雰囲気下で11時間撹拌した。その結果、1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの残量が1%以下になった。触媒をハイフロスーパーセルによる濾過で除き、溶媒留去したのちにトルエン(20ml)に溶解した。水(20ml)で洗浄し、溶媒留去することにより、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(7.516g,理論収量比101.6%,GC純度94.7%,1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン1.7%,1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン0.5%)を得た。
【0057】
<合成例7>リパルプ洗浄液から再生した1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの臭素化および臭素化物の精製
【0058】
【化14】
【0059】
亜硫酸ナトリウム(3.0g)および炭酸水素ナトリウム(2.0g)の水溶液を入れた三角フラスコを用いた排気トラップと滴下ロートとを備えた25ml三ツ口フラスコに、リパルプ洗浄液の濃縮油状物の水素化物(5.163g,1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン4.9%,1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン0.7%,1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン92.5%)を入れ、氷水浴で冷却しつつ臭素(3.80g)を滴下した後、30℃に加熱して4時間撹拌した。室温で11時間静置し、原料が0.34%まで低下したことを確認した。窒素気流下で油浴を65℃まで昇温し、当該油浴上で1.5時間撹拌したところ臭素色がほぼ消失した。ダイヤフラムポンプで減圧し、30分間撹拌したのち、室温に冷却した。油状残渣に種晶を加えることにより得られた白色固形物(6.729g,理論収量比98.0%)を得た。GC分析の結果、当該白色固形物は、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(91.8%)、1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(5.1%)および1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(0.3%)を含んでいた。得られた白色固形物を冷蔵庫で冷却し、メノウ乳鉢で粉砕して、冷却した2-プロパノール(10ml)を用いて桐山ロート上でリパルプ洗浄した。得られた白色固体を減圧乾燥することにより、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(4.841g,収率70.5%,GC純度98.3%,1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン0.4%)を得た。リパルプ洗浄液は濃縮することにより、油状物(1.820g,GC純度73.8%,1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン18.1%,1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン1.1%)を得た。
【0060】
<合成例8>2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチルの合成
1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼンの合成
【0061】
【化15】
【0062】
亜硫酸ナトリウム(11.3g)および炭酸水素ナトリウム(7.38g)の水溶液(100ml)を入れた三角フラスコを用いた排気トラップと温度計と滴下ロートとを備えた50ml三ツ口フラスコに、1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(20.00g)を入れ、氷水浴で冷却しつつ臭素(14.71g)の滴下を開始した。臭素の半量を滴下したところで氷水浴を外し、室温下で残りの半量を滴下した。臭素の滴下終了後に30℃に加熱して、5時間撹拌した。室温で18時間静置し、原料が0.60%まで低下したことをGCにより確認した。窒素気流下で油浴を60℃まで昇温し、当該油浴上で2時間撹拌したところ臭素色がほぼ失われた。同温度にて、ダイヤフラムポンプで減圧して30分間撹拌したのち、室温に冷却し、オイルポンプで減圧留去することにより、油状物(26.735g)を得た。当該油状物は、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(94.2%)、1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(4.3%)および1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(0.4%)を含んでいた。
【0063】
2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチルの合成
【0064】
【化16】
【0065】
塩化リチウム(0.720g,130℃にて6時間真空乾燥)を窒素気流下で秤量し、滴下ロートと温度計とを備えた50ml三ツ口フラスコに封入してアルゴン置換し、塩化イソプロピルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(0.965mol/L,17.60ml,16.99mmol)を滴下した。室温下で溶液を25分間撹拌し、氷冷して、1-ブロモ-2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン(4.001g,GC純度:94.2%,1-ブロモ-4-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン:4.3%,1-クロロ-3-(4-クロロフェノキシ)ベンゼン:0.4%)をテトラヒドロフラン(12.6ml,1L/mol)溶液として滴下し、そのまま60分間撹拌し、3-ブロモピルビン酸メチル(2.856g,GC純度97.1%)を15分間で滴下し、氷冷下で15分間撹拌した。10%塩化アンモニウム水溶液(12ml)とトルエン(12ml)と1N-塩酸(12ml)とを加えて有機層を分離したのち、水層をトルエン(12ml×2)で抽出し、有機層を水(12ml)で洗浄し、溶媒留去することにより濃縮残渣(5.640g)を得た。
【0066】
温度計を備えた50ml三ツ口フラスコに上記の操作で得られた濃縮残渣(5.640g)およびトリアゾールナトリウム塩(1.718g)を入れ、DMF(12.6ml,1L/mol)を加えて60℃に昇温し3時間撹拌した。反応液を冷却し、トルエン(25ml,2L/mol)および10%塩化アンモニウム水溶液(25ml,2L/mol)を加えて分液し、水層をトルエン(25ml, 2L/mol)で2回抽出した。有機層に水(25ml)を加え、加熱下で洗浄および分液を2回行った。有機層を溶媒留去して得られた濃縮物(4.562g)を定量分析したところ、目的の2-(2-クロロ-4-(4-クロロフェノキシ)フェニル)-2-ヒドロキシ-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロパン酸メチル(3.319g)の含有がみとめられた。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、農薬として有用なアゾール誘導体の合成に利用することができる。