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特許7202552食品用解砕装置および当該解砕装置を備えた選別機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-28
(45)【発行日】2023-01-12
(54)【発明の名称】食品用解砕装置および当該解砕装置を備えた選別機
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/02 20060101AFI20230104BHJP
   A23N 15/00 20060101ALI20230104BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20230104BHJP
【FI】
B07C5/02
A23N15/00 F
B65G47/28 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022122626
(22)【出願日】2022-08-01
【審査請求日】2022-08-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502386651
【氏名又は名称】株式会社服部製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 勝洋
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-239466(JP,A)
【文献】実公昭61-018384(JP,Y2)
【文献】特開2010-058871(JP,A)
【文献】特開2013-094763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/00- 5/38
B65G 47/00-47/96
A23N 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に直交する方向に延びる送風口を有し、前記送風口から送風する風力によって下流斜め上方向に食品を拡散させる送風部と、
前記送風口の上流に配置され、前記送風口上方に前記食品を搬送する第1搬送部と、
前記送風口の下流に配置され、前記食品をカメラを有する選別機に向けて搬送するよう構成された第2搬送部と、
前記送風口の下流および前記第2搬送部の上方において前記第2搬送部の左右に配置された左右の側壁を有し、前記送風部によって拡散された前記食品が搬送経路から拡散されることを防止するガードと、を備え、
前記第1搬送部は、前記送風口の上方において下方に向かって傾斜するコンベヤベルトを有し、
前記コンベヤベルトは、前記送風部の送風を通すよう構成され、かつ、前記送風部の送風方向に対して実質的に直交する方向に傾斜しており、
前記送風部は、前記コンベヤベルト上の前記食品に対して送風し、前記食品を実質的に衝突させずに、前記食品の重なりを減少させながら前記第2搬送部へ落下させるよう構成されている、食品用解砕装置。
【請求項2】
前記コンベヤベルトは、メッシュベルトで構成されている、請求項1に記載の食品用解砕装置。
【請求項3】
前記ガードは、天板をさらに有する、請求項1に記載の食品用解砕装置。
【請求項4】
前記天板および前記側壁のいずれかまたはその両方は、前記食品を通さない大きさの複数の通気孔を有する、請求項3に記載の食品用解砕装置。
【請求項5】
前記ガードは、下流側において左右方向に延びる下流板をさらに有する、請求項1に記載の食品用解砕装置。
【請求項6】
前記下流板および前記側壁のいずれかまたはその両方は、前記食品を通さない大きさの複数の通気孔を有する、請求項5に記載の食品用解砕装置。
【請求項7】
前記ガードは、前記左右の側壁に架け渡されたメッシュ状シートを有する、請求項1に記載の食品用解砕装置。
【請求項8】
前記側壁は、メッシュ状に形成されたメッシュ部を有する、請求項1に記載の食品用解砕装置。
【請求項9】
前記ガードは、天板と、下流板と、をさらに有し、
前記側壁、前記天板および前記下流板のいずれかまたは全ては、取り外し可能な複数の通気孔を有するプレート、または取り外し可能なメッシュ状シートを有する、請求項1に記載の食品用解砕装置。
【請求項10】
前記側壁は、
フレームと、
前記フレームに開閉可能に設けられた扉と、を有する、請求項1に記載の食品用解砕装置。
【請求項11】
請求項1に記載の食品用解砕装置と、選別装置と、を備え、
前記選別装置は、
前記ガードの下流に配置され、異物および不良品またはそのいずれかを検出するカメラと、
前記カメラ下流に配置され、検出された前記異物および前記不良品またはそのいずれかを除去するイジェクタと、を有する、選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用解砕装置であって、特に、表面に水気を有する食品用解砕装置および当該解砕装置を備えた選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カット野菜の市場が急拡大している。野菜には、青虫、バッタ、蛙、樹脂片、木片等の異物が混入しており、それらを選別する必要がある。選別は、手作業で行われることが多いが、生産量を増加させるために選別機が開発されてきた。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の選別機は、異物を検出するための選別領域において、近赤外カメラと、可視光カメラとを備えている。近赤外カメラは、吸光率の差に基づいて異物を検出し、可視光カメラは、色空間(L*a*b*)の色差に基づいて異物を検出する。
【0004】
ところで、カット野菜は、殺菌槽や洗浄槽を通って殺菌、洗浄されるので、消毒液や洗浄液によって浸されている。このように水分を含んだ検査対象物は、表面張力によって搬送ベルトから離れにくくなり、搬送ベルトから選別領域に投入される際に適切な軌道を通らず適切に選別されないことがあった。そこで、特許文献2に記載の選別機(検査装置)は、搬送部が傾斜して配置されており、それによって、水分を含んだカット野菜を一定の軌道に沿って選別領域に投入し選別する。
【0005】
しかしながら、一定の軌道に沿って投入しても、検査対象物同士が表面張力によって重なっていると、重なった野菜の間に異物が隠れ、カメラによって異物が検出されないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2022-88495号公報
【文献】特開2019-2716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、重なった食品を適切に解砕することができる食品用解砕装置および当該食品用解砕装置を備える選別機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る食品用解砕装置は、
搬送方向に直交する方向に延びる送風口を有し、送風口から送風する風力によって下流斜め上方向に食品を拡散させる送風部と、
送風口の上流に配置され、送風口上方に食品を搬送する第1搬送部と、
送風口の下流に配置され食品を搬送する第2搬送部と、
送風口の下流および第2搬送部の上方において第2搬送部の左右に配置された左右の側壁を有し、送風部によって拡散された食品が搬送経路から拡散されることを防止するガードと、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
第1搬送部が、送風口の上方において下方に向かって傾斜するコンベヤベルトを有し、 コンベヤベルトは、送風部の送風を通すよう構成されている。
【0010】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
コンベヤベルトが、メッシュベルトで構成されている。
【0011】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
ガードが、天板をさらに有する。
【0012】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
天板および側壁のいずれかまたはその両方が、食品を通さない大きさの複数の通気孔を有する。
【0013】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
ガードが、下流側において左右方向に延びる下流板をさらに有する。
【0014】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
下流板および側壁のいずれかまたはその両方が、食品を通さない大きさの複数の通気孔を有する。
【0015】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
ガードが、左右の側壁に架け渡されたメッシュ状シートを有する。
【0016】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
側壁が、メッシュ状に形成されたメッシュ部を有する。
【0017】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
ガードが、天板と、下流板と、をさらに有し、
側壁、天板および下流板のいずれかまたは全ては、取り外し可能な複数の通気孔を有するプレート、または取り外し可能なメッシュ状シートを有する。
【0018】
上記食品用解砕装置は、好ましくは、
側壁は、フレームと、フレームに開閉可能に設けられた扉と、を有する。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明に係る選別機は、
上記解砕装置と、選別装置とを備え、
選別装置は、
ガードの下流に配置され、異物および不良品またはそのいずれかを検出するカメラと、
カメラに下流に配置され、検出された異物および不良品またはそのいずれかを除去するイジェクタと、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る解砕装置は、重なった食品を適切に解砕することができる。また、本発明に係る解砕装置を備える選別機は、解砕装置によって食品を解砕することにより、食品から異物等を適切に選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る選別機をおおまかに示す概略側面図である。
図2図1に示された選別機を示す概略側面図である。
図3図1に示された選別機を示す概略斜視図である。
図4図1に示された選別機を示す別方向からの概略斜視図である。
図5】Aは図1に示されたノズルの詳細を示す斜視図であり、BはAのB部拡大図である。
図6図3のA部拡大図である。
図7図3のB拡大図である。
図8】AおよびBは、解砕装置の変形例をそれぞれ示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図を参照して、本発明の一実施形態に係る食品用解砕装置Dおよび当該解砕装置Dを備えた選別機Mについて説明する。図中において、X軸およびY軸は水平方向を示し、Z軸は上下方向を示している。なお、本実施形態では、選別機Mは、カット野菜Fと、カット野菜Fに含まれる異物Sおよび不良品Pとを選別するための装置であるが単なる一例であって、本発明に係る選別機Mは、これに限定されない。例えば、選別機Mは、カット、洗浄された果物を選別するために構成されてもよい。また、カット野菜Fは、みじん切り、千切り、輪切りまたはスライスされた野菜を含み、異物Sは、青虫、バッタ、蛙、樹脂片、木片等を含み、不良品Pは、変色、傷等がある野菜を含む。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る選別機Mをおおまかに示す概略側面図である。図2図4は、選別機Mの概略図である。なお、図3および図4では、後で説明するホース31の表示を省略している。図1図4に示すように、選別機Mは、解砕装置Dと、選別装置5とを備えている。
【0024】
<解砕装置>
図1図4に示すように、解砕装置Dは、第1搬送部1と、第2搬送部2と、送風部3と、ガード4と、を備えている。
【0025】
(第1搬送部)
第1搬送部1は、3つのプーリー10a、10b、10cと、コンベヤベルト11と、モータ(図示略)と、を有する。
【0026】
3つのプーリー10a、10b、10cは、左右方向に延びるシャフトをそれぞれ含み、図1に示すように、プーリー10bは、プーリー10aの下流上方に配置されており、プーリー10cは、プーリー10bの下流下方に配置されている。プーリー10a、10b、10cは、モータの駆動力によって回転する。
【0027】
コンベヤベルト11は、3つのプーリー10a、10b、10cに巻き掛けられており、側面視三角形を形成し、下流に向かって上り傾斜面および下り傾斜面を有する。コンベヤベルト11は、カット野菜Fをコンベヤベルト11上に投下しやすいよう上流端を低く構成されているが、例えば、上流端の位置(すなわち、プーリー10aの位置)は、プーリー10bと同じ高さ、またはそれよりも高く配置されてもよい。コンベヤベルト11は、プーリー10a、10b、10cによって回転させられ、投下されたカット野菜Fを、上り傾斜で搬送するとともに、後で説明する送風口32a上方において下り傾斜で搬送する。コンベヤベルト11の下り傾斜角度は、カット野菜F(選別対象)が転がり落ちることがないよう調整されている。コンベヤベルト11の下り傾斜角度は、送風口32aの開口角度に対して0度(平行)~±10度の範囲であることが好ましい。
【0028】
コンベヤベルト11は、メッシュベルトで構成されている。これにより、カット野菜F(選別対象)の水分が網目から排出され、カット野菜Fの表面の水気が減ることで表面張力が減衰する。メッシュの目開きは、約1mmであるが、単なる一例であってこれに限定されない。また、コンベヤベルト11は、樹脂製であるが、これも単なる一例であって、金属製であってもよく、特に限定されない。また、第1搬送部1は、コンベヤベルト11の左右において搬送方向に延びるガイド23を有し、カット野菜Fが左右方向に落下することを防止してもよい。
【0029】
(第2搬送部)
第2搬送部2は、2つのプーリー20a、20bと、コンベヤベルト21と、モータ22と、ガイド23と、を有する。
【0030】
2つのプーリー20a、20bは、左右方向に延びるシャフトをそれぞれ含み、プーリー20aは、プーリー10cの下方に配置され、プーリー20bは、プーリー20aの下流においてプーリー20aと同じ高さに配置されている。プーリー20a、20bは、モータ22の駆動力によって回転する。
【0031】
コンベヤベルト21は、2つのプーリー20a、20bに巻き掛けられており、下流に向かって水平方向に延びる水平面を有する。コンベヤベルト21の下流端の位置(すわなち、プーリー20bの位置)は、プーリー20aよりも低い位置に配置されてもよい。コンベヤベルト11は、プーリー20a、20bによって回転させられ、投下されたカット野菜Fを搬送し選別領域に排出する。
【0032】
コンベヤベルト21は、コンベヤベルト11と同様にメッシュベルトで構成されている。これにより、カット野菜Fの水分が網目からさらに排出されるととともに、カット野菜Fの表面の水気が減ることで表面張力が減衰し、カット野菜Fは、適切に選別領域に排出される。
【0033】
ガイド23は、コンベヤベルト11の左右に隣接して、搬送方向に沿って設けられている。これにより、ガイド23は、カット野菜Fがコンベヤベルト11から落下することを防止している。
【0034】
(送風部)
送風部3は、送風機30と、左右2本のホース31と、ノズル32と、を有する。送風部3は、送風機30の代わりにコンプレッサを有していてもよい。
【0035】
送風機30は、コンベヤベルト11の下り傾斜面に送風する風を発生させる。送風機30は、2つの送風口30aを有し、この2つの送風口30aには、ホース31がそれぞれ連結される。
【0036】
図5に示すように、ノズル32は、左右方向に延びる送風口32aを有し、水平より約50度傾斜した角度を向いて配置されている。この送風口32aが、本発明の「送風口」に相当する。送風口32aの左右長さは、コンベヤベルト11の左右長さよりも短く構成されている。送風口32aの上下幅は、左右と中央とで異なっていてもよい。ノズル32は、左右に開口部32bを有し、この開口部32bに左右のホース31がそれぞれ連結される。
【0037】
送風部3は、送風機30によって風を発生させ、送風口32aからコンベヤベルト11の下り傾斜面に向かって送風する。風は、コンベヤベルト11がメッシュベルトで構成されているので、コンベヤベルト11上のカット野菜Fを下流斜め上方向に吹き飛ばし拡散させる。このようにして、カット野菜Fは、適切に解砕される。
【0038】
(ガード)
図2図4に示すように、ガード4は、左右の側壁40と、天板41と、上流板42と、下流板43と、を有する。
【0039】
左右の側壁40は、フレーム40aと、2つのプレート40bとをそれぞれ有する。フレーム40aは、ガイド23上面に設けられており、第1搬送部1のプーリー10bよりも高い位置まで延びている。また、フレーム40aは、前後方向において、プーリー10bの位置から第2搬送部2の中央まで延びている。図6に示すように、2つのプレート40bは、孔40cを端部にそれぞれ有し、フレーム40aに設けられた凸部40dに取り外し可能にそれぞれ係止されている。これにより、左右の側壁40は、カット野菜Fが搬送経路から拡散することを防止する。また、左右の側壁40は、プレート40bを取り外し可能に構成されていることにより、容易に清掃することができる。なお、プレート40bの数は、一例であって単数でもよく、これに限定されない。
【0040】
天板41は、フレーム41aと、2つのプレート41bとを有する。フレーム41aは、左右の側壁40に連続して架け渡されており、図6に示すように、プレート41bは、孔41cを端部に有し、フレーム41aに設けられた凸部41dに取り外し可能に係止されている。また、2つのプレート41bは、全面にわたってパンチング加工をされており、このパンチング孔41eの大きさは、カット野菜F(選別対象)を通さないよう構成されている。パンチング孔43eは、本発明の「通気孔」に相当する。なお、プレート41bの数は、一例であって単数でもよく、これに限定されない。これにより、天板41は、カット野菜Fが搬送経路から拡散することを防止するとともに、その通気性により、ガード4内の湿度を抑制することができる。
【0041】
上流板42は、天板41の上流側端部から連続して下方に向かって設けられている。これにより、上流板42は、カット野菜Fがガード4内から上流方向に向かって拡散することを防止する。なお、上流板42の上下方向の長さは、ガード4内の通気性を担保するとともに、送風部3によってガード4内に吹き飛ばされるカット野菜Fの進入を阻止しないよう構成されている。
【0042】
下流板43は、フレーム43aと、プレート43bとをそれぞれ有する。フレーム43aは、天板41の下流側端部から連続して下方に向かって設けられている。図7に示すように、プレート43bは、天板41のプレート41bと同様に、孔43cを端部に有し、フレーム43aに設けられた凸部43dに取り外し可能に係止されている。また、プレート43bは、天板41のプレート41bと同様に、全面にわたってパンチング加工をされており、このパンチング孔43eの大きさは、カット野菜Fを通さないよう構成されている。これにより、下流板43は、カット野菜Fが搬送経路から拡散することを防止するとともに、その通気性により、ガード4内の湿度を抑制することができる。下流板43の上下方向の長さは、ガード4内の通気性を担保するとともに、カット野菜Fが付着することを防止し、かつ、カット野菜Fが第2搬送部2から拡散することを防止するよう構成されている。
【0043】
このように、ガード4は、カット野菜Fが風によって吹き飛ばされる方向の面(すなわち、天板41および下流板43)をパンチング加工されていることにより、カット野菜Fの付着を防止するとともに、プレート41b、43bを取り外し可能に構成されていることにより、容易に清掃することができる。
【0044】
なお、側壁40は、例えば、コンベヤベルト11の左右幅よりも左右方向に拡がって構成されていてもよい。この場合、側壁40は、コンベヤベルト11に向かって下り傾斜で形成されることにより、カット野菜Fを搬送経路に戻すことができる。また、天板41は、水平に配置される必要はなく、搬送方向に向かって上り傾斜または下り傾斜していてもよく、側面視山形に形成されていてもよい。また、上流板42および下流板43は、非垂直方向に延びてもよく、傾斜して設けられてもよい。
【0045】
解砕装置Dは、以上の構成を有することにより、カット野菜Fを解砕し、カット野菜Fの重なりを除去することができる。しかも、解砕装置Dは、カット野菜Fを風によって吹き飛ばすことにより、カット野菜Fに付着した水分も吹き飛ばし表面張力を低下させるので、カット野菜Fのコンベヤベルト11への張り付きを防止し、カット野菜Fを選別領域に適切な経路で排出することができる。
【0046】
<選別装置>
次に、図1を参照して、選別装置5について、説明する。
【0047】
選別装置5は、公知の選別装置5であって、光源50と、背景板53と、近赤外線検出カメラ51と、色彩検出カメラ52と、イジェクタ54と、を有する。
【0048】
光源50は、選別領域の上下にそれぞれ2つずつ配置されており、第2搬送部2から選別領域に排出されたカット野菜Fに向かって、近赤外光を含む光を照射する。
【0049】
近赤外線検出カメラ51は、選別領域の上下にそれぞれ配置されており、選別領域に排出されたカット野菜Fから吸光率の差に基づいて異物Sを検出する。色彩検出カメラ52は、背景板53と色彩検出カメラ52との間を通るカット野菜Fを撮像し、色差に基づいて、異物Sおよび不良品Pを検出する。
【0050】
イジェクタ54は、近赤外線検出カメラ51および色彩検出カメラ52の下流に配置されている。イジェクタ54は、近赤外線検出カメラ51および色彩検出カメラ52によって検出された異物Sおよび不良品Pに向かって空気を噴射し、その風力によって異物Sおよび不良品Pを搬送経路から異物排出経路55へと除去する。イジェクタ54によって除去されなかった良品は、そのまま良品排出経路56へと排出される。
【0051】
選別機Mは、解砕装置Dによって、カット野菜Fが適切に解砕され重なりがない状態で選別領域に排出されるので、異物Sおよび不良品Pを適切に検出することができる。しかも、選別機Mは、解砕装置Dによって、選択対象物の水気を落とすことにより適切な軌道で選択対象物を選別領域に排出するので、より適切に異物Sおよび不良品Pを検出することができる。
【0052】
さらに、選別機Mは、解砕装置Dのプレート40b、41b、43bが取り外し可能に構成されていることにより、選別対象物が変更される際のガード4の清掃が容易であるだけでなく、プレート40b、41b、43bを外すことにより異なる選択対象物のガード4内の残留を容易に確認することもできる。
【0053】
以上、本発明の一実施形態に係る食品用解砕装置Dおよび選別機Mについて説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明の食品用解砕装置および選別機は、カット野菜F以外の食品を選別するために構成されてもよく、また、解砕装置Dおよび選別機Mは、例えば、以下の変形例によって実施されてもよい。
【0054】
図8Aに示すように、第1搬送部1は、例えば、上流側のベルトコンベヤと、下流側のベルトコンベヤとを有し、送風口32aは、当該2つのコンベヤベルトの間に配置されていてもよい。または、図8Bに示すように、第1搬送部1は、下り傾斜の搬送部分を有さず、コンベヤベルト11の下流に配置された送風口32aに向かってカット野菜Fを排出し、送風部3は、排出されたカット野菜Fに向かって送風してもよい。
【0055】
・コンベヤベルト11は、メッシュ状でなく、複数の孔を有し、その孔によって風力部の送風を通すよう構成されていてもよい。または、コンベヤベルト11は、複数の丸ベルトによって構成され、その隙間から風力部の送風を通すよう構成されていてもよい。
【0056】
・ガード4は、例えば、拡散されたカット野菜Fが搬送経路から拡散することがなければ、左右の側壁40のみ、または、左右の側壁40および天板41のみで構成されていてもよい。拡散されたカット野菜Fが搬送経路から拡散することがないとは、例えば、コンベヤベルト11の長さおよび幅が十分に長い場合などが相当する。
【0057】
・側壁40のプレート40bは、他のプレート41b、43bと同様にパンチング加工されていてもよい。また、天板41および下流板43のプレート41b、43bは、パンチング加工をされていなくてもよい。また、パンチング加工に係る孔の形状は、非円形であってもよく、カット野菜Fを通さなければ、当該孔の形状は、特に限定されない。
【0058】
・ガード4は、メッシュ状に形成されたメッシュ部を有してもよい。この場合、ガード4は、プレート40b、41b、43bがメッシュ部を有してもよいし、フレーム40aに網が張られていてもよい。または、ガード4は、左右の側壁40、40に架け渡されたメッシュ状シートを有してもよい。メッシュ部およびメッシュ状シートの素材は、樹脂製および金属製でもよく、特に限定されない。
【0059】
・側壁40は、フレーム40aと、フレーム40aに開閉可能に設けられた扉とによって構成されていてもよい。この場合、ガード4内は、扉を開くことにより容易に清掃することができる。また、この場合、扉は、パンチング加工をされていたり、メッシュ部を有したりしていてもよい。
【0060】
・送風部3は、例えば、送風機30を2つ有してもよい。この場合、2つの送風機30は、1つの送風口30aをそれぞれ有し、この送風口30aからホース31によってノズル32の2つの開口部32bへそれぞれ連結されノズル32の送風口32aから送風してもよい。
【0061】
・送風部3は、ノズル32を複数有してもよい。この場合、複数のノズル32は、上下にそれぞれ配置されてもよいし、左右にそれぞれ配置されてもよい。また、この場合、複数のノズル32から排出される風力は、異なっていてもよい。さらに、この場合、複数のノズル32の角度は、異なっていてもよい。
【0062】
・ガード4の内面は、カット野菜Fの付着を防止するようにエンボス加工が施されていてもよい。
【0063】
・選別装置5は、例えば、第2搬送部2のコンベヤベルト11上方に配置されたカメラを有し、そのカメラによって異物Sおよび不良品Pまたはそのいずれかを検出するよう構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0064】
D 解砕装置
M 選別機
1 第1搬送部
10a、10b、10c プーリー
11 コンベヤベルト
2 第2搬送部
20a、20b プーリー
21 コンベヤベルト
22 モータ
23 ガイド
3 送風部
30 送風機
30a 送風口
31 ホース
32 ノズル
32a 送風口
32b 開口部
4 ガード
40 側壁
40a フレーム
40b プレート
40c 孔
40d 凸部
41 天板
41a フレーム
41b プレート
41c 孔
41d 凸部
41e パンチング孔(通気孔)
42 上流板
43 下流板
43a フレーム
43b プレート
43c 孔
43d 凸部
43e パンチング孔(通気孔)
5 選別装置
50 光源
51 近赤外線検出カメラ
52 色彩検出カメラ
53 背景板
54 イジェクタ
55 異物排出経路
56 良品排出経路
F カット野菜(食品)
S 異物
P 不良品
【要約】
【課題】重なった食品を適切に解砕することができる食品用解砕装置を提供する。
【解決手段】解砕装置Dは、送風部3と、第1搬送部1と、第2搬送部2と、ガード4とを備えている。送風部3は、搬送方向に直交する方向に延びる送風口を有し、送風口から送風する風力によって下流斜め上方向に食品を拡散させる。第1搬送部1は、送風口の上流に配置され送風口上方に食品を搬送し、第2搬送部2は、送風口の下流に配置され食品を搬送する。ガード4は、送風口の下流および第2搬送部2の上方において第2搬送部2の左右に配置された左右の側壁40を有し、送風部3によって拡散された食品が搬送経路から拡散されることを防止する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8